JPWO2018173996A1 - 硬化性樹脂組成物、積層体、及び、光半導体パッケージ - Google Patents

硬化性樹脂組成物、積層体、及び、光半導体パッケージ Download PDF

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Abstract

本発明は、光半導体素子の封止材として用いた場合に光半導体パッケージが優れた耐硫化性を示す硬化性樹脂組成物、銀メッキと上記硬化性樹脂組成物の硬化物とを備える積層体、及び、上記硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止することで得られる光半導体パッケージを提供することを目的とする。本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)硬化性シリコーン樹脂組成物と、(B)有機酸が結合した金属粒子とを含有する。

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、積層体、及び、光半導体パッケージに関する。
光半導体パッケージ(以下、LEDとも言う)は、長寿命、低消費電力、耐衝撃性、高速応答性、軽薄短小化の実現などの特徴を有し、液晶ディスプレイ、携帯電話、情報端末などのバックライト、車載照明、屋内外広告、屋内外照明など多方面への展開が飛躍的に進んでいる。
LEDは、通常、光半導体素子上に硬化性樹脂組成物を塗布し、これを硬化させることにより、光半導体素子を封止して製造される。
このような硬化性樹脂組成物としては、例えば、特許文献1に、複数種類のオルガノポリシロキサンとヒドロシリル化触媒とを含有する組成物が開示されている。
特開2007−3270129号公報
一般に、LED中のリフレクタ及び電極には銀メッキ等を含む部材(腐食性基板)が形成されているが、大気や材料中に存在する硫黄系のガスが封止材(硬化性樹脂組成物の硬化物)を透過して上記腐食性基板を腐食(硫化)する場合がある。このような硫化が生じると、LEDの光度が低下してしまうため、問題である。
このようななか、本発明者らが特許文献1を参考に硬化性樹脂組成物を調製し、これを用いて光半導体素子を封止して光半導体パッケージを作製したところ、その耐硫化性(硫化し難さ)は昨今要求されているレベルを必ずしも満たすものではないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、光半導体素子の封止材として用いた場合に光半導体パッケージが優れた耐硫化性を示す硬化性樹脂組成物、腐食性基板と上記硬化性樹脂組成物の硬化物とを備える積層体、及び、上記硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止することで得られる光半導体パッケージを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、硬化性シリコーン樹脂組成物に特定の金属粒子を配合することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) (A)硬化性シリコーン樹脂組成物と、
(B)有機酸が結合した金属粒子とを含有する、硬化性樹脂組成物。
(2) 上記(B)有機酸が結合した金属粒子の平均粒子径が、800nm以下である、上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3) 上記(B)有機酸が結合した金属粒子の平均粒子径が、1〜800nmである、上記(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4) 上記(B)有機酸が結合した金属粒子が、Ag、Cu、Ni、Co、Au及びPdからなる群より選択される1種の金属を少なくとも含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(5) 上記(B)有機酸が結合した金属粒子が、有機酸が結合したAg粒子である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(6) 上記(B)有機酸が結合した金属粒子の含有量が、上記(A)硬化性シリコーン樹脂組成物100質量部に対して、金属として1〜500ppm質量部である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(7) 上記(A)硬化性シリコーン樹脂組成物が、
(A−a)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、
(A−b)ケイ素原子に結合した水素基を有するオルガノポリシロキサンと、
(A−c)ヒドロシリル化触媒と
を含有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(8) 上記(A)硬化性シリコーン樹脂組成物が、
(A−d)シラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、
(A−e)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンと、
(A―f)縮合触媒と
を含有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(9) 半導体パッケージに使用される積層体であって、
腐食性基材と、上記腐食性基材を被覆するシリコーン樹脂層とを備え、
上記シリコーン樹脂層が、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、積層体。
(10) 上記シリコーン樹脂層の全光線透過率が、60%以上である、上記(9)に記載の積層体。
(11) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止することで得られる、光半導体パッケージ。
以下に示すように、本発明によれば、光半導体素子の封止材として用いた場合に光半導体パッケージが優れた耐硫化性を示す硬化性樹脂組成物、腐食性基板と上記硬化性樹脂組成物の硬化物とを備える積層体、及び、上記硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止することで得られる光半導体パッケージを提供することができる。なお、以下、「光半導体素子の封止材として用いた場合に光半導体パッケージが優れた耐硫化性を示す」ことを、単に、耐硫化性に優れる、とも言う。
図1は、本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の積層体の別の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の光半導体パッケージの一例を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の光半導体パッケージの別の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の光半導体パッケージの別の一例を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の組成物および/または本発明の光半導体パッケージを用いたLED表示器の一例を模式的に示す図である。 図7は、特定金属粒子の分散液B−1の散乱強度分布を示す図である。
以下に、本発明の硬化性樹脂組成物、積層体、及び、光半導体パッケージについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、下記(A)及び(B)を含有する。
(A)硬化性シリコーン樹脂組成物
(B)有機酸が結合した金属粒子(以下、「特定金属粒子」とも言う)
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。その理由は明らかではないが、本発明の組成物に含有される有機酸が結合した金属粒子は極めて効率的に硫黄系のガスを吸着するため、本発明の組成物を光半導体素子の封止材として用いることで、得られる光半導体パッケージは優れた耐硫化性を示すものと推測される。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について説明する。
〔(A)硬化性シリコーン樹脂組成物〕
本発明の組成物に含有される硬化性シリコーン樹脂組成物は、硬化性シリコーン樹脂を含有するものであれば特に制限されない。硬化性シリコーン樹脂組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、下記第1の好適な態様又は下記第2の好適な態様であることが好ましい。
<第1の好適な態様>
硬化性シリコーン樹脂組成物の第1の好適な態様は、
(A−a)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(以下、「オルガノポリシロキサン(A−a)」とも言う)と、
(A−b)ケイ素原子に結合した水素基を有するオルガノポリシロキサン(以下、「オルガノポリシロキサン(A−b)」とも言う)と、
(A−c)ヒドロシリル化触媒とを含有する硬化性シリコーン樹脂組成物である。
(オルガノポリシロキサン(A−a))
オルガノポリシロキサン(A−a)は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。ここでケイ素原子はシロキサンのケイ素原子を意図する。
(1)アルケニル基
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられ、ビニル基であるのが好ましい。
1分子中のアルケニル基は、2〜12質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
(2)その他の基
オルガノポリシロキサン(A−a)のケイ素原子に結合するその他の基としては、例えば、置換または非置換の一価炭化水素基(一価の炭化水素基)が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基(以下、「Me」で示すことがある)、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;フェニル基(以下、「Ph」で示すことがある)、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;等が挙げられ、その他少量の基として、ケイ素原子結合水酸基やケイ素原子結合アルコキシ基を有してもよい。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
ケイ素原子結合全有機基の少なくとも30モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%はアリール基であるのがより好ましい。
これにより、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さくなるうえ、後述するオルガノポリシロキサン(A−b)との相溶性に優れ、濁り等が抑えられ、硬化物の透明性に優れる。
(3)好適な態様
オルガノポリシロキサン(A−a)の好適な態様としては、例えば、下記平均単位式(A)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。ここで、平均単位式(A)は、オルガノポリシロキサンを構成する全シロキサン単位を1モルとした場合の各シロキサン単位のモル数を表したものである。
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2(SiO4/2(X1/2 ・・・(A)
上記式(A)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素基又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基である。この一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;ビニル基(以下、「Vi」で示すことがある)、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられる。2つのRは同一であっても異なっていてもよい。3つのRは同一であっても異なっていてもよい。
ただし、1分子中、R、R及びRの少なくとも1個(好ましくは2個以上)はアルケニル基であり、アルケニル基であるR、R及びRが2〜12質量%となる量が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
また、1分子中、R、R及びRの少なくとも1個はアリール基であることが好ましく、R、R及びRの合計の少なくとも30モル%はアリール基であるのがより好ましく、少なくとも40モル%はアリール基であるのがさらに好ましい。
上記式(A)中、Xは水素基またはアルキル基である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられ、メチル基であるのが好ましい。
式(A)中、aは0または正数であり、bは0または正数であり、cは0または正数であり、dは0または正数であり、eは0または正数である。a+b+c+d+eは1以下である。b/aは0〜10の範囲内の数であることが好ましく、c/aは0〜5の範囲内の数であることが好ましく、d/(a+b+c+d)は0〜0.3の範囲内の数であることが好ましく、e/(a+b+c+d)は0〜0.4の範囲内の数であることが好ましい。
(4)分子量
オルガノポリシロキサン(A−a)の重量平均分子量(Mw)は、500〜1,000,000であるのが好ましく、1,000〜50,000であるのがより好ましい。なお、本発明において、重量平均分子量とは、クロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であるものとする。
(5)含有量
第1の好適な態様において、本発明の組成物中のオルガノポリシロキサン(A−a)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、本発明の組成物全体に対して、10〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましい。
(オルガノポリシロキサン(A−b))
オルガノポリシロキサン(A−b)は、ケイ素原子に結合した水素基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。ここでケイ素原子はシロキサンのケイ素原子を意図する。
(1)水素基
上記水素基は、−Hで表される基である。
(2)その他の基
オルガノポリシロキサン(A−b)のケイ素原子に結合するその他の基の具体例及び好適な態様は上述したオルガノポリシロキサン(A−a)と同じである。
(3)好適な態様
オルガノポリシロキサン(A−b)の好適な態様としては、例えば、下記平均単位式(B)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。ここで、平均単位式(B)は、オルガノポリシロキサンを構成する全シロキサン単位を1モルとした場合の各シロキサン単位のモル数を表したものである。
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2(SiO4/2(X1/2 ・・・(B)
上記式(B)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素基又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基である。一価炭化水素基の具体例は上述した式(A)中のR、R及びRと同じである。
ただし、1分子中、R、R及びRの少なくとも1個(好ましくは2個以上)は水素基である。
また、1分子中、R、R及びRの少なくとも1個はアリール基であることが好ましく、R、R及びRの合計の少なくとも30モル%はアリール基であるのがより好ましく、少なくとも40モル%はアリール基であるのがさらに好ましい。
式(B)中、aは0または正数であり、bは0または正数であり、cは0または正数であり、dは0または正数であり、eは0または正数である。a+b+c+d+eは1以下である。a、b、c、d及びeの好適な態様は上述した式(A)中のa、b、c、d及びeと同じである。
(4)分子量
オルガノポリシロキサン(A−b)の分子量の好適な態様は上述したオルガノポリシロキサン(A−a)と同じである。
(5)Si−H/Si−Viモル比
オルガノポリシロキサン(A−b)のケイ素原子に結合した水素基と、上述したオルガノポリシロキサン(A−a)のケイ素原子に結合したアルケニル基とのモル比(以下、便宜的に「Si−H/Si−Viモル比」ともいう)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、0.05〜5.00であるのが好ましく、0.10〜2.00であるのがより好ましく、0.50〜1.50であるのがさらに好ましく、0.70〜1.10であるのが特に好ましい。
(ヒドロシリル化触媒)
ヒドロシリル化触媒は、オルガノポリシロキサン(A−a)とオルガノポリシロキサン(A−b)との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進する触媒として機能する。
ヒドロシリル化触媒としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等が挙げられ、白金系触媒であることが好ましい。白金系触媒の具体例としては、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、塩化白金酸−アルコール配位化合物、白金のジケトン錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化触媒の含有量は特に制限されないが、本発明の組成物の硬化性が優れるという理由から、本発明の組成物全体に対して、金属(例えばPt)として、0.001〜100ppm質量%(×10−6質量%)であるのが好ましい。
<第2の好適な態様>
硬化性シリコーン樹脂組成物の第2の好適な態様は、
(A−d)シラノール基を有するオルガノポリシロキサン(以下、「オルガノポリシロキサン(A−d)」とも言う)と、
(A−e)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン(以下、「オルガノポリシロキサン(A−e)」とも言う)と、
(A―f)縮合触媒とを含有する硬化性シリコーン樹脂組成物である。
(オルガノポリシロキサン(A−d))
オルガノポリシロキサン(A−d)は、シラノール基を1分子中に1個以上、好ましくは2個以上有するオルガノポリシロキサンである。
(1)シラノール基
シラノール基はケイ素原子に結合したヒドロキシ基である。
(2)その他の基
オルガノポリシロキサン(A−d)のケイ素原子に結合するその他の基の具体例及び好適な態様は上述したオルガノポリシロキサン(A−a)と同じである。
(3)分子量
オルガノポリシロキサン(A−d)の分子量の好適な態様は上述したオルガノポリシロキサン(A−a)と同じである。
(4)含有量
第2の好適な態様において、本発明の組成物中のオルガノポリシロキサン(A−d)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、本発明の組成物全体に対して、10〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
(オルガノポリシロキサン(A−e))
オルガノポリシロキサン(A−e)は、アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。ここでケイ素原子はシロキサンのケイ素原子を意図する。
(1)アルコキシシリル基
アルコキシシリル基は、ケイ素原子に結合するアルコキシ基(−OR)である。ここで、Rは、一価炭化水素基を表す。一価炭化水素基の具体例は上述した式(A)中のR、R及びRと同じである。
(2)その他の基
オルガノポリシロキサン(A−e)のケイ素原子に結合するその他の基の具体例及び好適な態様は上述したオルガノポリシロキサン(A−a)と同じである。
(3)分子量
オルガノポリシロキサン(A−e)の分子量の好適な態様は上述したオルガノポリシロキサン(A−a)と同じである。
(4)含有量
第2の好適な態様において、本発明の組成物中のオルガノポリシロキサン(A−e)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、本発明の組成物全体に対して、1〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
(縮合触媒)
縮合触媒は、シラノール基及びアルコキシシリル基の縮合に使用される触媒であれば特に制限されない。
縮合触媒は、金属の、塩;錯体;アルコラート;酸化物;多元金属酸化物、これらの塩および/または錯体;これらの組み合わせとすることができる。縮合触媒は金属塩化合物であるのが室温安定性、硬化性に優れるという観点から好ましい。
縮合触媒は、金属(例えば、Al、Zn、Sn、Zr、Hf、Tiおよびランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも1種)と有機基とを有する化合物とすることができる。金属は、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を介して、および/または、エステル結合のような結合基を介して、有機基と結合することができる。有機基は、脂肪族炭化水素基(鎖状、分岐状、環状、これらの組み合わせを含む。脂肪族炭化水素基は不飽和結合を有することができる。)、芳香族炭化水素基、これらの組み合わせが挙げられる。有機基は例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる。有機基としては、例えば、有機カルボキシレート(−O−CO−R:ここでRは炭化水素基);アルコキシ基、フェノキシ基のような、炭化水素基がオキシ基と結合したのもの(−O−R:ここでRは炭化水素基);配位子;これらの組み合わせが挙げられる。
縮合触媒は、硬化性、室温安定性に優れるという観点から、Al、Zn、Sn、Zr、Hf、Tiおよびランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む金属化合物であるのが好ましく、金属塩化合物であるのがより好ましい。
第2の好適な態様において、本発明の組成物中の縮合触媒の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、本発明の組成物全体に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。
〔(B)有機酸が結合した金属粒子〕
本発明の組成物に含有される(B)有機酸が結合した金属粒子(特定金属粒子)は、有機酸が結合した金属粒子であれば特に制限されない。上述のとおり、特定金属粒子は硫黄系のガスを極めて効率的に吸着するものと考えらえる。すなわち、特定金属粒子は硫黄成分吸着材として機能するものと考えられる。
<金属成分>
特定金属粒子の金属成分の具体例としては、Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Au(金)及びPd(パラジウム)等を挙げることができ、なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、Ag及びCuが好ましく、Agがより好ましい。すなわち、特定金属粒子は、有機酸が結合したAg粒子であることが好ましい。上記金属成分は、単体、混合物又は合金等いずれの態様であってもよい。
本発明においては、金属粒子が有機酸と結合し、金属粒子の表面が修飾されている。このような有機酸が結合した金属粒子について赤外吸収を測定すると、1518cm−1付近に有機酸と金属との結合に由来するピークが観測される。
<有機酸>
有機酸としては特に制限されないが、具体例としては、カルボン酸、スルホン酸及びフェノール等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、カルボン酸が好ましい。
カルボン酸としては、例えば、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、n−デカン酸、パラトイル酸、コハク酸、マロン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルタル酸、アジピン酸及び酢酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、マレイン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、安息香酸及びナフテン酸等の芳香族カルボン酸、並びに、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式カルボン酸等を挙げることができる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、脂肪族カルボン酸が好ましく(特に炭素数3〜30の脂肪族カルボン酸)、高級脂肪族カルボン酸(特に炭素数10〜30の脂肪族カルボン酸)がより好ましく、炭素数の多いものであることが特に好ましい。高級脂肪族カルボン酸としては、例えば、ミリスチン酸、ステアリン酸及びパルミチン酸等が挙げられる。
上記カルボン酸は、本発明の効果がより優れる理由から、炭素数15〜20の脂肪族カルボン酸であることが好ましく、炭素数15〜20の飽和脂肪族カルボン酸であることがより好ましく、ステアリン酸であることがさらに好ましい。
<平均粒子径>
特定金属粒子の平均粒子径は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、800nm以下であることが好ましく、1〜800nmであることがより好ましく、1〜200nmであることがさらに好ましい。
なお、本明細書において平均粒子径とは、金属と金属の間に隙間がないものを1つの金属粒子としたときの平均値をいい、より具体的には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した写真に写し出された金属粒子から測定された数平均粒子径を意味する。
<特定金属粒子の分散液の製造方法>
特定金属粒子は、本発明の効果がより優れる理由から、分散液として用いるのが好ましい。なかでも、本発明の効果がさらに優れる理由から、低沸点溶媒の分散液として用いるのが好ましい。特定金属粒子を低沸点溶媒の分散液として用いた場合、分散液が希釈剤となり、本発明の組成物中で特定金属粒子が凝集することなく均一に分散するため、本発明の効果がより優れる。また、硬化物の透明性が向上する。
低沸点溶媒中に特定金属粒子が分散した分散液を製造する方法は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、高沸点溶媒に有機酸金属塩を添加し、その後、加熱混合することによって有機酸が結合した金属粒子(特定金属粒子)を形成し、さらに、得られた液(高沸点溶媒中に特定金属粒子が分散した分散液)に高沸点溶媒と二相分離可能な低沸点溶媒を添加することによって低沸点溶媒中に特定金属粒子を移行させて、低沸点溶媒相を採取する方法が好ましい。
(有機酸金属塩)
上記有機酸金属塩の有機酸及び金属成分の具体例及び好適な態様は上述のとおりである。有機酸金属塩の具体例としては、ミリスチン酸銀及びステアリン酸銀等が挙げられる。
(高沸点溶媒)
上記高沸点溶媒としては、本発明の効果がより優れる理由から、グリセリンが好ましい。さらにグリセリンと共に使用し得る高沸点溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びポリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、並びに、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒を挙げることができ、本発明の効果がより優れる理由から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール及びジエチルエーテルを好適に用いることができる。
(低沸点溶媒)
上記低沸点溶媒は、沸点が上記高沸点溶媒の沸点よりも小さく且つ上記高沸点溶媒と二相分離可能な溶媒である。上記低沸点溶媒の具体例としては、トルエン、メチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
本発明の効果がより優れる理由から、上記低沸点溶媒のSP値(溶解度パラメータ)と、特定金属粒子における有機酸のSP値との差は小さいことが好ましい。これにより、高沸点溶媒からの特定金属粒子の抽出性が向上し、高沸点溶媒を副生物や残渣物と共に除去することがより容易になる。なお、上述した(A)硬化性シリコーン樹脂組成物との相溶性や上述した有機酸金属塩の種類も考慮することが好ましい。
低沸点溶媒の沸点は、硬化物(例えば、封止材、保護層)の成形性や取扱性等の観点から、40〜120℃であることが好ましい。
(分散方法)
分散液中に特定金属粒子を分散させる方法は特に制限されないが、プロペラ翼、タービン翼及びバドル翼等の翼を有する攪拌分散機、ボールミル、ビーズミル及びコロイドミル等のミル型分散機、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、並びに、高圧ホモジナイザー等を好適に用いることができる。
上述した低沸点溶媒中に特定金属粒子が分散した分散液における特定金属粒子の含有量は特に制限されないが、成形性及び分散性の観点から、低沸点溶媒100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。
<含有量>
本発明の組成物において、特定金属粒子の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述した(A)硬化性シリコーン樹脂組成物100質量部に対して、金属として(例えば、Agとして)1〜500ppm質量部(×10−6質量部)であることが好ましく、5〜200ppm質量部であることがより好ましく、10〜100ppm質量部であることがさらに好ましい。
〔任意成分〕
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、硬化遅延剤、紫外線吸収剤、充填剤(特にシリカ)、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料のような添加剤を更に含有することができる。
これらの添加剤のうち、充填剤としてシリカを用いるのが好ましい。
なお、上記シリカの種類としては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げられる。
<硬化遅延剤>
本発明の組成物は、さらに、硬化遅延剤を含有していてもよい。硬化遅延剤は、本発明の組成物の硬化速度や作業可使時間を調整するための成分であり、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどの炭素−炭素三重結合を有するアルコール誘導体;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インなどのエンイン化合物;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサンなどのアルケニル基含有低分子量シロキサン;メチル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、ビニル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シランなどのアルキン含有シラン;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、硬化遅延剤の含有量は特に制限されないが、本発明の組成物全体100質量部に対して、0.00001〜0.1質量部であることが好ましく、0.0001〜0.01質量部であることがより好ましい。
〔硬化性樹脂組成物の製造方法〕
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した必須成分および任意成分を混合することによって製造する方法が挙げられる。
〔硬化方法〕
本発明の組成物を硬化して硬化物を得る方法は特に限定されず、例えば、本発明の組成物を、80〜200℃で10〜720分間加熱する方法が挙げられる。
〔用途〕
本発明の組成物は、例えば、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の分野において、例えば、接着剤、プライマー、封止材等として使用できる。
とりわけ、本発明の組成物は、LEDの封止材や保護層に好適に使用することができる。
本発明の組成物を適用できる光半導体は特に制限されず、例えば、発光ダイオード(LED)、有機電界発光素子(有機EL)、レーザーダイオード、LEDアレイ等が挙げられる。
[積層体]
本発明の積層体は、半導体パッケージに使用される積層体であって、腐食性基材(例えば、銀メッキを含む部材)と、上記腐食性基材を被覆するシリコーン樹脂層とを備える。ここで、上記シリコーン樹脂層は、上述した本発明の組成物の硬化物である。シリコーン樹脂層は銀メッキを直接被覆するのでも、間接的に被覆するのでも構わないが、直接被覆するのが好ましい。
上記シリコーン樹脂層の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。上記シリコーン樹脂層の全光線透過率の上限は特に制限されず100%である。
本発明の積層体について添付の図面を用いて以下に説明する。なお本発明の積層体は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。図1において、積層体100は、腐食性基材(銀メッキを含む部材)120と、腐食性基材120を被覆するシリコーン樹脂層102とを有する。シリコーン樹脂層102は上述した本発明の組成物の硬化物である。
本発明の組成物は耐硫化性に優れるため、本発明の積層体における腐食性基材は硫化し難い。
図2は、本発明の積層体の別の一例を模式的に示す断面図である。
図2において、積層体200は、腐食性基材(銀メッキを含む部材)220と、光半導体203と、腐食性基材220の銀メッキを間接的に被覆するシリコーン樹脂層202とを有する。シリコーン樹脂層202は上述した本発明の組成物の硬化物である。積層体200は光半導体203とシリコーン樹脂層202との間にさらに透明な層(図示せず)を備えることができる。透明な層としては、例えば、樹脂層、ガラス層、空気層が挙げられる。
[光半導体パッケージ]
本発明の光半導体パッケージについて以下に説明する。
本発明の光半導体パッケージ(以下、「本発明の光半導体封止体」とも言う)は、本発明の組成物を用いて光半導体素子を封止することで得られる。ここで、光半導体素子は銀を含む。
上記光半導体素子としては、例えば、光半導体と、凹部を有する枠体とを備え、上記光半導体は上記凹部の底部に配置され、上記枠体は上記凹部の側面に銀を含むリフレクタを備えるものが挙げられる。
また、本発明の半導体封止体としては、上記半導体素子と、封止材とを備え、上記封止材は上述した本発明の組成物の硬化物であって上記半導体素子中の光半導体及びリフレクタを封止するものが挙げられる。
本発明の光半導体パッケージ(光半導体封止体)について添付の図面を用いて以下に説明する。
図3は、本発明の光半導体パッケージ(光半導体封止体)の一例を模式的に示す断面図である。
図3において、光半導体封止体300は、光半導体303と、凹部302を有する枠体304と、封止材308とを有し、光半導体303は凹部302の底部(図示せず)に配置され、枠体304は凹部302の側面(図示せず)に銀を含むリフレクタ320を備え、封止材308は光半導体303およびリフレクタ320を封止する。
封止材308は、本発明の組成物の硬化物である。凹部302において斜線部306まで上記硬化物で充填してもよい。または符号308の部分を他の透明な層とし斜線部306を本発明の組成物の硬化物としてもよい。封止材は蛍光物質等を含有することができる。
光半導体封止体は1個当たり、1個のまたは複数の光半導体を有することができる。光半導体は発光層(マウント部材と接する面の反対面)を上にして枠体内に配置すればよい。
光半導体303は、枠体304と基板310とから形成される、凹部302の底部(図示せず)に配置され、マウント部材301で固定されている。
リフレクタの別の態様として、枠体304が有する端部312、314が一体的に結合し、リフレクタが側面および底部を形成するものが挙げられる。この場合リフレクタの底部の上に光半導体を配置することができる。
リフレクタ320は凹部302の底部(図示せず)から遠ざかるほど断面寸法が大きくなる、テーパ状の開口端(図示せず)を有するものとすることができる。
マウント部材としては例えば銀ペースト、樹脂が挙げられる。光半導体303の各電極(図示せず)と外部電極309とは導電性ワイヤー307によってワイヤーボンディングされている。
光半導体封止体300は、凹部302を封止材308、306または302(部分308と部分306とを合わせた部分)で封止することができる。
光半導体素子を上述した本発明の組成物で封止することによって、耐硫化性を高めリフレクタの腐食(例えば、変色。具体的には銀の変色)を抑制することができ、光半導体封止体の輝度や透明性を低下させることがない。
図4は、本発明の光半導体パッケージ(光半導体封止体)の別の一例を模式的に示す断面図である。
図4において、光半導体封止体400は図3に示す光半導体封止体300の上にレンズ401を有する。レンズ401は本発明の組成物の硬化物であってもよい。
図5は、本発明の光半導体パッケージ(光半導体封止体)の別の一例を模式的に示す断面図である。
図5において、光半導体封止体500は、光半導体503と、凹部を有する枠体を含む基板510と、封止材502とを有し、光半導体503は凹部の底部に配置され、枠体は凹部の側面に銀を含むリフレクタ520を備え、ランプ機能を有する樹脂506の内部に基板510、インナーリード505を有し、封止材502は上述した本発明の組成物の硬化物であり、封止材502は光半導体503およびリフレクタ520を封止する。
図5において、枠体(図示せず)と基板510とを一体に形成することができる。
リフレクタ520は凹部の側面および底部(図示せず)とを一体的に形成されていてもよい。
光半導体503は、基板510上にマウント部材501で固定されている。マウント部材としては、例えば、銀ペースト、樹脂が挙げられる。
光半導体503の各電極(図示せず)は導電性ワイヤー507によってワイヤーボンディングさせている。
樹脂506は本発明の組成物の硬化物であってもよい。
本発明の組成物および/または本発明の光半導体パッケージ(光半導体封止体)をLED表示器に利用する場合について添付の図面を用いて説明する。
図6は、本発明の組成物および/または本発明の光半導体パッケージ(光半導体封止体)を用いたLED表示器の一例を模式的に示す図である。
図6において、LED表示器600は、光半導体封止体601を筐体604の内部にマトリックス状に配置し、光半導体封止体601を封止材606で封止し、筐体604の一部に遮光部材605を配置して構成されている。本発明の組成物を封止材606に使用することができる。また、光半導体封止体601として本発明の光半導体封止体を使用することができる。
本発明の積層体、または本発明の光半導体パッケージ(半導体封止体)の用途としては、例えば、自動車用ランプ(ヘッドランプ、テールランプ、方向ランプ等)、家庭用照明器具、工業用照明器具、舞台用照明器具、ディスプレイ、信号、プロジェクターが挙げられる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔硬化性樹脂組成物の調製〕
下記表1に示される成分を同表に示される割合(数値は質量部。ただし、A−c、B−1及びB−2はppm質量部(×10−6質量部)。)で混合することで各硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1中、A−cに記載の割合は、ヒドロシリル化触媒A−c中のPtのppm質量部を表す。また、B−1及びB−2に記載の割合は、特定金属粒子の分散液中のAgのppm質量部を表す。例えば、実施例1では、A−a1を50質量部と、A−a2を50質量部と、A−b1を20質量部と、A−b2を4質量部と、A−cをPtとして10×10−6質量部と、B−1をAgとして20×10−6質量部とを混合した。
〔評価〕
得られた各硬化性樹脂組成物について、以下のとおり評価を行った。
<全光線透過率>
コの字にくりぬいたシリコーンゴム(厚み:1mm)に、得られた硬化性樹脂組成物を流し込み、ガラス板で挟み、硬化させた(100℃で1時間、その後、150℃で2時間)。そしてヘイズメーター(HM-150、村上色彩技術研究所社製)を用いて全光線透過率を測定した。結果を表1に示す。封止材用途としては、80%以上であることが好ましい。
<輝度維持率>
表面実装タイプのLEDチップに、得られた硬化性樹脂組成物を充填し、硬化させ(100℃で1時間、その後、150℃で2時間)、輝度(初期輝度)をN=5で測定した。
次いで、400mLの容器に硫黄粉0.1gを投入し、容器の蓋の裏に上述したLEDパッケージ(硬化性樹脂組成物が充填・硬化させられたもの)を両面テープで貼り合せ、70℃で4時間加熱した後の輝度(試験後輝度)をN=5で測定した。
そして、下記のとおり、輝度維持率を算出した。結果を表1に示す。耐硫化性の観点から、輝度維持率は95%以上であることが好ましい。
輝度維持率(%)=試験後輝度(平均値)/初期輝度(平均値)×100
表1中、各成分の詳細は以下のとおりである。
・オルガノポリシロキサンA−a1:PMV−9225(両末端ビニル基メチルフェニルポリシロキサン、アヅマックス社製)
・オルガノポリシロキサンA−a2:平均単位式(PhSiO3/20.75(ViMeSiO1/20.25で表されるポリシロキサン(横浜ゴム社製)
・オルガノポリシロキサンA−b1:平均単位式(PhSiO2/20.33(HMeSiO1/20.67で表されるポリシロキサン(横浜ゴム社製)
・オルガノポリシロキサンA−b2:平均単位式(PhSiO3/20.60(HMeSiO1/20.40で表されるポリシロキサン(横浜ゴム社製)
・ヒドロシリル化触媒A−c:Pt1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液(Ptの濃度:0.05質量%)
・オルガノポリシロキサンA−d1:FLD516(両末端シラノール基メチルフェニルポリシロキサン、Mw=900、BLUESTAR SILICONES社製)
・オルガノポリシロキサンA−d2:217Flake(シラノール基及びフェニル基を含有するシリコーンレジン)
・オルガノポリシロキサンA−e1:トリメトキシシリル基末端FLD516(トリメトキシシリル基末端メチルフェニルポリシロキサン、BLUESTAR SILICONES社製)
・縮合触媒A−f:ネオスタンU−28(2エチルヘキサン酸すず、日東化成社製)
・特定金属粒子の分散液B−1:PLT−015(ステアリン酸が結合した銀粒子の分散液、東罐マテリアル・テクノロジー社製)
上記特定金属粒子の分散液B−1は以下のとおり調製したものである。
グリセリン1000gにステアリン酸銀5.56gとサッカリン0.56gを加え、150℃、15分間加熱撹拌し、80℃まで冷却した。得られた液をメチルイソブチルケトン(抽出溶剤)1kgに加え、常温にて撹拌した。これを24時間静置した後、そのメチルイソブチルケトン層を採取することで、銀粒子のメチルイソブチルケトン分散液を得た。得られた分散液について赤外吸収を測定したところ、1518cm−1付近にステアリン酸と銀との結合に由来するピークが観測され、分散液中の銀粒子にステアリン酸が結合していることが確認された。
また、得られた分散液中の銀粒子について平均粒子径の測定を行った。具体的には、10gのトルエンに得られた分散液1gを滴下し、動的光散乱法(大塚電子社製 ゼータ電位・粒径測定システム)にて平均粒子径を測定した。その結果、図7に示される散乱強度分布が得られ、分散液中の銀粒子の平均粒子径が301.7nmであることが分かった。
・特定金属粒子の分散液B−2:SV−001(ステアリン酸が結合した銀粒子の分散液、東罐マテリアル・テクノロジー社製)
上記特定金属粒子の分散液B−2は、上記特定金属粒子の分散液B−1に用いられたメチルイソブチルケトン(抽出溶剤)をトルエンに変更した以外は同様の方法で調製したものである。得られた分散液中の銀粒子について平均粒子径の測定を行ったところ、上記特定金属粒子の分散液B−1と同様の結果が得られた。
なお、表1中、「特定金属粒子含有量」は、硬化性シリコーン樹脂組成物100質量部に対する特定金属粒子のAgとしてのppm質量部(×10−6質量部)を表す。例えば、実施例1は、硬化性シリコーン樹脂組成物(A−a1、A−a2、A−b1、A−b2、A−c)100質量部に対して特定金属粒子(B−1)を16.1×10−6質量部含有する。
また、表1中、「Si−H/Si−Viモル比」は上述した「Si−H/Si−Viモル比」を表す。
表1から分かるように、特定金属粒子を含有する実施例1〜8はいずれも優れた耐硫化性を示した。なかでも、特定金属粒子の含有量が、硬化性シリコーン樹脂組成物100質量部に対して金属として100ppm質量部以下である実施例1〜5及び8は、優れた透過性を示した。
一方、特定金属粒子を含有しない比較例1及び2は耐硫化性が不十分であった。
100、200 積層体
102、202 シリコーン樹脂層
120、220 腐食性基材
203 光半導体
300、400、500 光半導体封止体
301、501 マウント部材
302 凹部
303、503 光半導体
304 枠体
306 斜線部
307、507 導電性ワイヤー
308、502 封止材7
309 外部電極
312、314 端部
310、510 基板
320、520 リフレクタ
401 レンズ
505 インナーリード
506 樹脂
600 LED表示器
601 光半導体封止体
604 筐体
605 遮光部材
606 封止材

Claims (11)

  1. (A)硬化性シリコーン樹脂組成物と、
    (B)有機酸が結合した金属粒子とを含有する、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(B)有機酸が結合した金属粒子の平均粒子径が、800nm以下である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(B)有機酸が結合した金属粒子の平均粒子径が、1〜800nmである、請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(B)有機酸が結合した金属粒子が、Ag、Cu、Ni、Co、Au及びPdからなる群より選択される1種の金属を少なくとも含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(B)有機酸が結合した金属粒子が、有機酸が結合したAg粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(B)有機酸が結合した金属粒子の含有量が、前記(A)硬化性シリコーン樹脂組成物100質量部に対して、金属として1〜500ppm質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(A)硬化性シリコーン樹脂組成物が、
    (A−a)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、
    (A−b)ケイ素原子に結合した水素基を有するオルガノポリシロキサンと、
    (A−c)ヒドロシリル化触媒と
    を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記(A)硬化性シリコーン樹脂組成物が、
    (A−d)シラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、
    (A−e)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンと、
    (A―f)縮合触媒と
    を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 半導体パッケージに使用される積層体であって、
    腐食性基材と、前記腐食性基材を被覆するシリコーン樹脂層とを備え、
    前記シリコーン樹脂層が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、積層体。
  10. 前記シリコーン樹脂層の全光線透過率が、60%以上である、請求項9に記載の積層体。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止することで得られる、光半導体パッケージ。
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