JPWO2018173345A1 - ニッケル水素電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

ニッケル水素電池は、正極と負極とセパレータとが負極が最外周を構成するように捲回された電極群と、電解液とを具備し、負極は、複数の貫通孔を有する負極集電体と、その両方の表面に形成された水素吸蔵合金を含む負極活物質層とを備える。正極の最外周の内側に隣接する負極の第1部分における貫通孔の開口を第1開口、正極の最外周の外側に隣接する負極の第2部分における貫通孔の開口を第2開口とするとき、第2部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量が、第1部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量より少なく、第1開口の面積S1と、第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2とが、0.4<S2/S1を満たす。

Description

本発明は、捲回式の電極群を備えるニッケル水素電池に関する。
捲回式のニッケル水素電池の電極群は、水酸化ニッケルを主体とする帯状の正極と、水素吸蔵合金を主体とする帯状の負極とを、これらの間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回して構成されている。電極群は、電解液であるアルカリ水溶液とともに電池ケース内に収容される。負極は、複数の貫通孔を有する負極集電体に水素吸蔵合金を含む組成物を充填して形成されている。通常、電極群の最外周は負極により構成されている。最外周を構成する負極は、電池反応への寄与が少ないため、その厚みを他の部分よりも薄くすることが提案されている(特許文献1)。
電極群における電池反応を均一に進行させるには、電極群に十分量のアルカリ水溶液が電解液として含浸されていることが望ましく、アルカリ水溶液の濃度も均一であることが望ましい。一方、ニッケル水素電池内では、以下のように、複数の反応が進行する。
正極では、以下の充電反応が進行する。放電反応は逆方向の反応である。
Ni(OH)2 + OH- → NiOOH + H2O + e- (1)
ただし、充電末期もしくは過充電時の正極では、以下の水分解反応が進行し、酸素が発生する。
OH- → 1/4O2 + 1/2H2O + e- (2)
負極では、以下の充電反応が進行する。放電反応は逆方向の反応である。
M + H2O + e- → MH + OH- (3)
また、負極では、以下の水分解反応が進行し、水素が発生する。
2O + e- → 1/2H2 + OH- (4)
発生した水素は、以下のように負極の水素吸蔵合金に吸収され、金属水素化物が生成する。
M + 1/2H2 → MH (5)
金属水素化物は、以下のように正極で生成した酸素と反応する。
MH + 1/4O2 → M + 1/2H2O (6)
式(2)、(4)の副反応で生成した酸素および水素は電池内圧の上昇の要因となるため、負極における式(5)、(6)の反応を速やかに進行させ、ガスを水に戻すことが望まれる。
特開2005−56674号公報
電極群の最外周を構成する負極は、電池反応への寄与が少ないため、充電時の水の消費量が少ない一方で、電池内で生成したガス吸収への寄与が大きく、より多くの水を生成する。従って、最外周の負極の近辺では、アルカリ水溶液の濃度が低下しやすい傾向にある。また、最外周の負極は、その厚みが他の部分よりも薄いため、含浸されるアルカリ水溶液量が少なく、濃度低下の影響が大きくなりやすい。
また、最外周の負極を薄くする場合、水素吸蔵合金を負極集電体の貫通孔に均一に充填することが難しく、貫通孔が完全に組成物で埋まらないことがある。そこで、最外周の負極を薄くする場合には、負極集電体の貫通孔の開口径を小さくするか、貫通孔の密度を減少させることが望ましいと考えられている。従って、電極群の最外周では、電解質の流動性が低くなりがちである。
上記環境では、電極の場所によってアルカリ水溶液の濃度が不均一になりやすく、正極の充電状態にばらつきが生じ、部分的に深く充電された部分が生じる。深く充電された部分は、正極の自己分解の反応が起きやすいため、電極全体が均一に充電された場合に比べて、自己放電(特に短期的な自己放電)が促進される傾向がある。
上記に鑑み、本開示の一側面のニッケル水素電池は、帯状の正極と、帯状の負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータとが、前記負極が最外周を構成するように捲回された電極群と、電解液と、前記電極群および前記電解液を収容する電池ケースと、を具備する。前記負極は、複数の貫通孔を有する多孔質な負極集電体と、前記負極集電体の両方の表面に形成された水素吸蔵合金を含む負極活物質層と、を備える。前記正極の最外周の内側に隣接する前記負極の第1部分における前記貫通孔の開口を第1開口、前記正極の最外周の外側に隣接する前記負極の第2部分における前記貫通孔の開口を第2開口とするとき、前記第2部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量が、前記第1部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量より少ない。さらに、前記第1開口の面積S1と、前記第1開口と前記第2開口とが重複する部分の面積S2とが、0.4<S2/S1を満たす。
本開示の別の側面のニッケル水素電池の製造方法は、(i)帯状の正極を準備する工程と、(ii)帯状の負極を準備する工程と、(iii)前記正極と前記負極とを、前記正極と前記負極との間にセパレータを介在させて、前記負極が最外周を構成するように捲回して、電極群を構成する工程と、(iv)前記電極群を電解液とともに電池ケースに収容する工程と、を具備する。前記工程(ii)で準備される前記負極は、複数の貫通孔を有する多孔質な負極集電体と、前記負極集電体の両方の表面に形成された水素吸蔵合金を含む負極活物質層と、を備える。前記正極の最外周の内側に隣接する前記負極の第1部分における前記貫通孔の開口を第1開口、前記正極の最外周の外側に隣接する前記負極の第2部分における前記貫通孔の開口を第2開口とするとき、前記第2部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量が、前記第1部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量より少ない。さらに、前記第1開口の面積S1と、前記第1開口と前記第2開口とが重複する部分の面積S2とが、0.4<S2/S1を満たすように前記電極群を構成する。
本開示によれば、電極群の最外周における電解質の流動性が改善するため、電解液の濃度が電極群内で均一化され、ニッケル水素電池の自己放電が抑制される。
正極の最外周の内側に隣接する負極の第1部分における第1開口と、正極の最外周の外側に隣接する負極の第2部分における第2開口との関係の一例を示す図である。 負極集電体の貫通孔の配列パターンのバリエーションを例示的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るニッケル水素電池を模式的に示す断面図である。 図3のニッケル水素電池を模式的に示す横断面図である。 図4のIIIで示される円に囲まれた部分の拡大図である。
本発明の実施形態に係るニッケル水素電池は、捲回型の電極群を具備する。捲回型の電極群は、帯状の正極と、帯状の負極と、正極と負極との間に介在するセパレータとを、負極が最外周を構成するように捲回して形成されている。電極群は電解液とともに電池ケースに収容されている。
負極は、複数の貫通孔を有する負極集電体と、負極集電体の両方の表面に形成された負極活物質層とを備える。負極活物質層は、水素吸蔵合金を含む。ただし、正極の最外周の外側に隣接する負極の第2部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量(Wo)は、正極の最外周の内側に隣接する負極の第1部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量(Wi)より少なくなっている。Woは、負極の第2部分に含まれる水素吸蔵合金の総量を、第2部分を平坦に展開して負極をその厚み方向から見たときの投影面積で除した量であり、Wiは、負極の第1部分に含まれる水素吸蔵合金の総量を、第1部分を平坦に展開して負極をその厚み方向に見たときの投影面積で除した量である。
典型的には、負極は、負極の外端から長さL3の領域に設けられた薄肉部と、薄肉部に隣接する長さL2のテーパ部と、それ以外の長さL1の本体部とを備える。本体部の厚みt1と、薄肉部の厚みt3は、t1>t3を満たす。本体部の厚みt1は、例えば、0.1〜0.6mmであることが好ましい。
薄肉部の厚みt3は、t1>t3を満たせばよい。薄肉部の長さL3は、例えば、負極の最外周の長さの50〜115%であり、70〜110%または80〜105%であることが好ましい。
テーパ部の厚みt2は、本体部から薄肉部に向かって傾斜的に小さくなっている。テーパ部の長さL2は、負極の最外周の長さの1/6よりも長いことが好ましく、1/5以上または1/4以上であってもよい。テーパ部の長さL2は、負極の最外周の長さの1/2以下であることが好ましい。
正極の最外周の内側に隣接する負極の第1部分における貫通孔の開口を第1開口、正極の最外周の外側に隣接する負極の第2部分における貫通孔の開口を第2開口とするとき、第1開口の面積S1と、第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2とが、0.4<S2/S1を満たす。このように第1開口と第2開口とが重複する部分を多くすることで、電極群の最外周における電解質の流動性が改善する。ニッケル水素電池の正極は、芯材も含めて多孔質であり、正極の厚み方向における電解質の流通が可能である。よって、第1開口と第2開口との重複部分では、負極の第1部分と第2部分との間に連通した通路が形成される。これにより最外周近辺で生成した水は速やかに内周側に拡散できるとともに、内周側のイオンは速やかに最外周側に拡散できる。よって、電極群の全体でアルカリ水溶液の濃度のムラが減少し、充電反応のばらつきが抑制され、自己放電が抑制される。
なお、第1開口とは、負極の第1部分における複数の貫通孔の開口の総称であり、個々の貫通孔の開口の面積をS1と称するものではない。また、第2開口とは、負極の第2部分における複数の貫通孔の開口の総称であり、個々の貫通孔の開口の面積をS2と称するものではない。第1部分と第2部分との境界に分断される開口は、第1部分に入る一部だけが第1開口となり、残部は第2開口となる。同様に、第1部分と、より内周側の本体部との境界に分断される開口は、第1部分に入る一部だけが第1開口となる。同様に、第2部分と、より外周側の薄肉部との境界に分断される開口は、第2部分に入る一部だけが第2開口となる。
負極集電体の貫通孔は、負極強度を維持するとともに、負極活物質層の脱落を抑制する観点から、かなり小さく設計されている。また、正極の内周側に隣接する第1部分と外周側に隣接する第2部分とでは、曲率および周囲長が相違する。そのため、偶然に100%重複する第1開口と第2開口とが存在した場合でも、これらに隣接する第1開口と第2開口では重複部分は小さくなり、通常、S2/S1比は0.4未満になる。
S2/S1比を0.4より大きくするには、第1開口および第2開口の大きさ、貫通孔の縦方向(負極集電体の幅方向)および横方向(負極集電体の長さ方向)におけるピッチ、電極およびセパレータの厚み等を厳密に設計するとともに、電極群を構成する際に第1開口と第2開口との位置合わせを行う必要がある。このような作業によれば、S2/S1比を0.5以上もしくは0.6以上に大きくすることも可能である。
複数の貫通孔を有する負極集電体としては、一般にパンチングメタルと称される貫通孔が面内に所定のパターンで配列された金属箔を用いることが好ましい。貫通孔とは、シート状の集電体の一方の表面から他方の表面に貫通する孔である。貫通孔の集電体の厚み方向に垂直な断面の形状は、例えば、円形、楕円形、角がR形状の多角形などであればよい。これらの形状は歪んでいてもよい。
貫通孔の負極集電体面内での配列パターンとしては、負極集電体の任意の貫通孔(ただし負極集電体の端部近辺における貫通孔を除く)の六方に貫通孔が隣接しているパターンが好ましい。中でも、7個の貫通孔の中心が、正六角形の中心と、その6つの頂点に配置されるパターンが好ましい。このような配列は千鳥配置とも称される。
最外周が薄い負極の作製を容易にし、貫通孔の重複部分を多くするためには、貫通孔の最大径(開口が円形の場合は直径もしくは開口径)は、負極の第1部分および第2部分において、それぞれ0.5〜2.0mmが好ましく、0.8〜1.5mmがより好ましい。
負極集電体の無地部を除いた空隙率(開口率)は、25〜50%が好ましく、30〜45%がより好ましい。上記最大径の貫通孔を、上記空隙率となるように所定のパターンで配列する場合、隣接する貫通孔同士の間隔(すなわち開口の重心間のピッチ)が適正化され、貫通孔の重複部分を多くするのに有利となる。
開口の重心間の縦方向(負極集電体の幅方向)にけるピッチは、例えば1.1〜1.8mmが好ましく、1.2〜1.75mmがより好ましい。また、開口の重心間の横方向(負極集電体の長さ方向)におけるピッチは、例えば0.55〜1.0mmが好ましく、0.66〜0.90mmがより好ましい。
なお、ピッチが大きくなり、貫通孔の開口が小さくなるほど、第1開口と第2開口との重複割合は減少する。よって、上記条件を満たす負極集電体を用いずに0.4<S2/S1を満たすことは容易ではない。ここで、図1には、捲回される前の正極、または捲回した正極を展ばしたときの正極において、1周分の長さ分を平面視した状態を示し、正極の最外周の内側に隣接する負極の第1部分の第1開口11bと、正極の最外周の外側に隣接する負極の第2部分の第2開口11aとの関係の一例を示す。例えば、貫通孔の開口径およびピッチがいずれも1.4mmの場合、第1開口11bの配置は、図1(b)のようになる。また、負極の第2部分の周囲長が41mm、第1部分の周囲長が38mmの場合、第2部分の周囲長を38mmに換算(縮小)した際の貫通孔の第2開口11aの配置は、図1(a)のようになる。よって、捲回型の電極群において、第1開口11bと第2開口11aとの重複関係は、図1(c)に示すようになる。このように、第1開口11bと第2開口11aとの重複部分は小さくなりやすいため、0.4<S2/S1を満たすためには、そのための設計が必要である。
例えば、負極集電体の空隙率(開口率)および開口径が同じでも、縦方向または横方向のピッチを変更させることによって、S2/S1を増減することが可能である。図2(a)に、横方向のピッチを縦方向のピッチよりも小さくした貫通孔の配列パターンを示す。図2(b)は、横方向のピッチと縦方向のピッチとが同じ場合を示し、図2(c)は、横方向のピッチを縦方向のピッチよりも大きくした場合である。これらのうちでは、図2(a)のパターンを用いた場合に、S2/S1を最も大きくすることができる。横方向のピッチP1を縦方向のピッチP2よりも小さくする場合、横方向のピッチP1に対する縦方向のピッチP2の比:P2/P1は、1より大きければよく、例えば1.05以上としてもよい。
負極が0.4<S2/S1を満たしやすくする観点から、負極の第1部分および第2部分において、配列のパターンを互いに異ならせてもよく、例えば、貫通孔の最大径、空隙率および開口の重心間のピッチの少なくとも一つを互いに異ならせてもよい。
負極集電体の貫通孔以外の部位(骨格)の厚みは、例えば20〜100μmが好ましく、30〜70μmがより好ましい。
負極集電体の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金などが挙げられる。
セパレータの少なくとも一部が、ポリプロピレンで形成されている場合、ポリプロピレンの少なくとも一部が、スルホン化されていることが好ましい。スルホン化されたポリプロピレン(SPP)は、アルカリ水溶液との親和性が高いため、SPPを用いることで電極群内における電解質の流動性が更に改善しやすくなる。
負極の第2部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量(Wo)は、負極の第1部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量(Wi)の40〜80質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。負極の第2部分の大半もしくは全体は、通常、薄肉部である。薄肉部の合金量を上記範囲内に制限することで、ガス吸収に使用され、水の生成を促す合金量を適度に維持することができる。また、最外周領域おけるセパレータの体積が相対的に大きくなるため、最外周領域に十分量の電解液を確保すやすくなり、充電反応が均一化されやすくなる。
水素吸蔵合金は、一般に、水素親和性の高いA元素および水素親和性の低いB元素を含む。水素親和性の低いB元素は、水素の吸蔵および放出により合金が膨張収縮する際に、顕著な結晶欠陥を生成させないような働きを担う。その一方で、水素親和性の高いA元素に対する水素親和性の低いB元素の比率(B/A比)が大きくなると、水素吸蔵能が低くなるため、放電容量を大きくすることが難しくなる。
水素吸蔵合金としては、例えばA27型(Ce2Ni7型、Gd2Co7型など)、A519型(Pr5Co19型、Ce5Co19型など)、AB5型(CaCu5型もしくはMmNi5型など)、AB3型(CeNi3型)、AB2型(MgCu2型など)などの結晶構造を有するもの、もしくはこれらの混合物を利用できる。なお、Mmはミッシュメタルを示す。中でも、高容量化に適する点でA27型、A519型合金が好ましい。
使用される合金、または合金の混合物において、A元素は、Mg、Zrおよび希土類元素よりなる群から選択される少なくとも1種であり、B元素は、A元素以外の元素であり、例えばNi、Al、Mn、Coなどである。A元素のモル数に対するB元素のモル数の比:B/Aは、3.3〜3.8とすることが、負極を効率よく高容量化できる点で好ましい。合金が高容量化できれば、電極群に占めるセパレータもしくは電解液の体積を増加させやすく、充電反応の均一化に有利になる。
以下、必要に応じて、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
[円筒形ニッケル水素電池]
図3に、円筒形ニッケル水素電池(以下、円筒形電池と称する。)の一例の構成を模式的に示す。円筒形電池は、負極端子を兼ねる有底円筒形の電池ケース4と、電池ケース4内に収容された電極群と、図示しない電解液とを含む。電極群では、帯状の負極1と、帯状の正極2と、これらの間に介在す帯状のセパレータ3とが、渦巻き状に捲回されている。電池ケース4の開口部には、絶縁ガスケット8を介して、安全弁6を備える封口板7が配置され、電池ケース4の開口端部が内側にかしめられることにより、円筒形電池が密閉されている。封口板7は、正極端子を兼ねており、正極集電板9を介して、正極2と電気的に接続されている。
図4は、図3の円筒形電池を模式的に示す横断面図である。図5には、負極1および正極2の外端近傍(つまり、図4のIIIで示される円で囲まれた部分)の拡大図を示す。負極1が電極群の最外周を構成している。ニッケル水素電池では、過充電時に水素ガスや酸素ガスが発生するが、薄肉部の外周側に正極と対向していない負極活物質層を設けることで、過充電時に発生するガスを効率よく吸収させるとともに水に変換することができる。なお、負極1の最外周は、電池ケース4と接触させることにより、電気的に接続させることが好ましい。
負極の捲回数は、円筒形電池のサイズに応じて選択できるが、例えば、円筒形電池の外径が6〜24mmである場合、2〜10とすることができ、3〜6としてもよい。
図4では、電極群は、正極2の外端が、セパレータ3を介して、テーパ部1bと重なるように配されている。正極の外端の端面の位置は、テーパ部の長さ方向の中心付近になるように正極および負極を配することが好ましい。例えば、正極の外端の端面が、テーパ部の長さ方向の中心を挟んで、±0.2×L2の領域(好ましくは±0.1×L2の領域)に位置するように、正極の外端をテーパ部と重ねることが好ましい。
正極2の外端とテーパ部1bとの間には、多孔質シート3aが配されている。多孔質シート3aは、正極2の外端を保護するように、正極2の外端と重ねて配することが好ましい。このような構成により、電極群を電池ケースに容易に挿入することができるとともに、内部短絡の発生を抑制できる。多孔質シート3aの長さは、例えば、L2の50〜200%であり、80〜100%であってもよい。多孔質シート3aは、図示例のように、負極のテーパ部とセパレータとの間に配してもよく、正極の外端とセパレータとの間に配してもよい。
以下に、円筒形電池の構成要素についてより具体的に説明する。
(負極)
負極は、本体部と、テーパ部と、電極群の最外周を構成する薄肉部とを有している。最外周に薄肉部を設けると、電極反応に利用されない負極活物質量を低減でき、それに要する容積も低減できるため有利である。また、過充電時に発生する水素ガスや酸素ガスを吸収させることができる。本体部は、電極群の中心側(または内周側)に位置し、両方の表面が正極と対向して、電極反応を主として担う領域である。ただし、本体部のうち、負極の最内周の正極と対向していない領域では、必要に応じて、負極活物質層の厚みを部分的に小さくしてもよい。
図4に示されるように、正極2の最外周の内側に隣接する負極1の第1部分の大半は、本体部1aからなり、正極2の最外周の外側に隣接する負極1の第2部分の大半は、薄肉部1cからなる。正極2の外端の端面の位置がテーパ部1bの長さ方向の中心付近に位置しているため、テーパ部1bは第1部分と第2部分に分配される。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含んでいればよく、結着剤、導電剤、増粘剤などを含む負極合剤層であってもよい。
結着剤としては、樹脂材料、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)などのゴム状材料、ポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、アクリル樹脂(そのNaイオン架橋体も含む)などが例示できる。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびその塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。導電剤としては、例えば、カーボンブラック、導電性繊維、有機導電性材料などが挙げられる。
負極は、例えば、負極活物質層の構成成分を含むスラリーを負極集電体に塗布し、厚み方向に圧縮し、必要により適当な段階で乾燥することにより形成される。
(正極)
正極としては、焼結式正極、ペースト式正極のどちらを用いてもよい。焼結式正極は、ニッケル焼結基板(正極集電体)にニッケル化合物を含浸させることで製造される。ペースト式正極は、ニッケル化合物を含む正極合剤ペーストを発泡ニッケル基板(正極集電体)に充填することで製造される。正極合剤は、正極活物質に加え、導電剤、結着剤、増粘剤などを含んでもよい。正極は、公知の方法により得ることができる。
ニッケル化合物としては、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケルなどが使用される。導電剤として、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルトなどの導電性コバルト酸化物を用いてもよい。
(セパレータ)
セパレータとしては、微多孔膜、不織布などが使用できる。微多孔膜または不織布の材質は、適宜選択すればよいが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂などが例示できる。セパレータには、コロナ放電処理、プラズマ処理、スルホン化処理などの親水化処理を施してもよい。スルホン化処理により、セパレータにスルホン酸基が導入される。中でも、セパレータの少なくとも一部をポリプロピレンで形成する場合、ポリプロピレンの少なくとも一部をスルホン化することが好ましい。スルホン化されたポリプロピレン(SPP)を用いることで電極群内における電解液の流動性が更に改善しやすくなる。セパレータの厚みは、例えば、10〜300μmであり、15〜200μmでもよい。なお、多孔質シートは、特に限定されないが、セパレータと同様の材質で形成することが好ましい。
セパレータのスルホン化度は、例えば、1×10-3以上であればよく、好ましくは1.5×10-3以上、さらに好ましくは1.9×10-3以上である。また、セパレータのスルホン化度は、例えば、4.3×10-3以下であり、好ましくは4.1×10-3以下、さらに好ましくは4×10-3以下である。なお、セパレータのスルホン化度は、セパレータ中に含まれる炭素原子に対する硫黄原子の比率で表される。
(電解液)
電解液としては、アルカリ水溶液が使用される。電解液の比重は、例えば1.03〜1.55である。アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物が例示できる。充電効率を高める観点から、アルカリ金属水酸化物の75モル%以上が水酸化ナトリウムであることが好ましい。これにより、自己放電が更に抑制されやすくなる。
電解液の水酸化物イオン濃度は、5.0〜8.5mol/Lが好ましい。水酸化ナトリウムを含む電解液は、上記濃度域では導電率が高く、かつ上記濃度域内においては、水酸化物濃度が高くなるにつれて緩やかに導電率が減少する。ただし、そのような導電率の減少は非常に緩やかであり、十分に高い値を維持できる。一方、最外周領域で水が生成して水酸化物濃度が低くなると、最外周領域の導電率が緩やかに上昇するため、水酸化物濃度の低下による影響が緩和されやすい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の手順で、容量2400mAhの単3形の円筒形ニッケル水素蓄電池を作製した。
(1)負極の作製
負極集電体として、表面にニッケルメッキを施した鉄製パンチングメタルを準備した。貫通孔の集電体の厚み方向に垂直な断面の形状は、円形とした。貫通孔の配列パターンは、7個の貫通孔の中心が、正六角形の中心と、その6つの頂点に配置される千鳥配置とした。貫通孔の最大径(開口の直径)は、1mmとした。負極集電体の空隙率(開口率)は、35%とした。開口の重心(中心)間のピッチは、縦方向で1.42mm、横方向で0.79mmとした。負極集電体の骨格の厚みは、35μmとした。
水素吸蔵合金粉末(La0.40Ce0.60Ni3.63Co0.76Mn0.42Al0.29、平均粒径=約45μm)100質量部に対して、結着剤としてのSBR0.7質量部、増粘剤としてのCMC0.15質量部、導電剤としてのケッチェンブラック0.3質量部、酸化抑制剤としての酸化イットリウム0.7質量部を加え、さらに適量の水を添加して混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。なお、SBRは、水分散液の形態で使用した。
得られた負極合剤スラリーを、負極集電体の両面に塗布した。このとき、両面の負極活物質層の厚みが、本体部とテーパ部と薄肉部とで異なるように、負極合剤スラリーの塗布量を負極集電体の長さ方向において変化させた。負極合剤スラリーの塗膜は、95℃で10分間乾燥させた後、塗膜を負極集電体とともにローラでプレスすることにより、負極を形成した。
負極の第2部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量Woの、第1部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量Wiに対する割合(Wo/Wi)は、60質量%となるようにした。
(2)正極の作製
下記の手順で、ペースト式正極を作製した。
まず、共沈成分として亜鉛2.5質量%およびコバルト1.0質量%を含有する水酸化ニッケル粉末を、硫酸コバルト水溶液に添加した。得られた混合物を撹拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:1mol/L)を徐々に滴下してpHを11に調整した後、さらに所定時間撹拌を続けた。得られた混合物から、沈殿物をろ別した。ろ別した沈殿物を、水洗し、真空乾燥することにより、水酸化ニッケル粒子の表面が5質量%の水酸化コバルトで被覆された粉末を得た。
上記で得られた粉末1質量部に対して、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:48質量%)10質量部を添加した。得られた混合物を、撹拌下、85℃で8時間加熱処理し、その後、水洗して、65℃で乾燥した。この加熱処理により、水酸化ニッケル粒子表面の水酸化コバルトを含む層において、水酸化コバルトの一部が高次化されてオキシ水酸化コバルトに変換されるとともに、ナトリウムが導入される。水酸化ニッケル粒子の表面に、オキシ水酸化コバルトおよび1質量%のナトリウムを含有する被覆層が形成された複合体粒子を得た。
得られた複合体粒子と、酸化亜鉛との混合粉末100質量部に、結着剤としてのCMCを含む水溶液(CMC濃度:1質量%)25質量部を添加して混合することにより、正極合剤スラリーを調製した。なお、混合粉末中の複合体粒子と酸化亜鉛との質量比は、100:2であった。
得られた正極合剤スラリーを、正極集電体としてのニッケル発泡体(面密度(目付)約325g/m2、厚み約1.2mm)の空孔内に充填し、乾燥させた。乾燥物を、厚みが0.66mmとなるように圧延することにより正極(長さ118mm、幅44.7mm、厚み0.66μm)を得た。なお、正極集電体の長さ方向の一端部には、活物質を保持しない芯材の露出部を設け、この露出部に、正極リードを接続した。
(3)ニッケル水素蓄電池の作製
上記(1)で得られた負極と、上記(2)で得られた正極との間に、セパレータ(長さ325mm、幅46.7mm、厚み82μm)を配し、これらを、渦巻状に捲回することにより、電極群を作製した。このとき、負極の本体部が内周側、薄肉部が外周側となり、正極の外端が負極のテーパ部と重なるように捲回した。また、正極の外端とテーパ部との間で、かつテーパ部とセパレータとの間に、セパレータと同じ材料から切り出した多孔質シート(長さ10mm、幅46.7mm、厚み82μm)を配した。多孔質シートは、長さ方向の中心近傍に正極の外周側の端面が来るように配置した。電極群における負極の捲回数は、6であった。
セパレータおよび多孔質シートとしては、スルホン化処理したポリプロピレン製の不織布(以下、SPP、スルホン化度1.90×10-3、厚み82μm、単位面積当たりの質量50g/m2)を用いた。
負極の第1部分における貫通孔の開口を第1開口、負極の第2部分における貫通孔の開口を第2開口とするとき、第1開口の面積S1と、第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2は、S2/S1=0.50を満たすように設計した。
得られた電極群を、開口部側にリング状の溝部を有する単3形の有底円筒形の金属製電池ケース(外径14.60mm)に挿入し、最外周の負極(薄肉部)を電池ケースの内面に接触させた。また、正極に接続した正極リードを、封口体の蓋板の内底面に溶接した。なお、封口体は、中央に円形のガス抜き孔を有する蓋板と、蓋板の周縁に装着された絶縁パッキンと、蓋板の頂面の中央部に、ガス抜き孔を塞ぐように配された弁体と、弁体を覆う突出部を有するキャップ状の正極端子とを備えている。
次いで、電池ケース内に、電解液としてアルカリ水溶液を注入し、電池ケースの開口部を、封口体で覆い、絶縁パッキンを介してかしめることにより、封口した。電池ケースの周面を外側から押圧することにより縮径した。そして、電池ケースを、高さ方向に押圧することにより、電池総高が50.25mmとなるように電池ケースの開口部側に形成された溝部を圧着した。
アルカリ水溶液としては、5.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
封口体の上部に、ドーナツ状の絶縁部材を、正極端子の突出部を絶縁部材の中央の孔から突出させた状態で配置した。次いで、封口体の周縁部(封口体上に配された絶縁部材の周縁部)と、電池ケースの周面と、電池ケースの底面の周縁部とを覆うように、外装ラベルを装着することにより、ニッケル水素蓄電池(A1)を得た。同様の手順で、合計50個の電池A1を作製した。
(4)評価(自己放電指数)
20℃にて、240mAで16時間充電、2400mAで30分放電、240mAで11時間充電、2400mAで30分放電を行い、その後45℃で72時間保存し、負極の活性化処理を行った。20℃まで冷却後、2400mAで1.0Vまで放電を行った。次に、240mAで16時間充電後、2400mAで1.0Vまで放電するサイクルを3回繰り返し、3サイクル目の放電容量を保存前の容量とした。次に、240mAで16時間充電後、45℃で7日間放置し、その後、2400mAで1.0Vまで放電し、保存後の容量を求めた。
50個の電池について保存前の容量と保存後の容量との差を自己放電量として求め、50個の平均値を求め、それを指数化した。具体的には、(保存前の容量−保存後の容量)/(保存前の容量)×100より求めた自己放電率の平均値を、実施例A2の電池の自己放電率が基準値100となるように規格化して、自己放電指数とした。結果を表1に示す。
実施例2
開口径および開口率は実施例1と同じとし、電池の高さ方向(縦方向)における開口の中心間のピッチと、横方向における開口の中心間のピッチを変更して、第1開口の面積S1と、第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2とがS2/S1=0.40を満たすようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A2)を50個作製し、評価を行った。
実施例3
開口径および開口率は実施例1と同じとし、電池の高さ方向における開口の中心間のピッチと、横方向における開口の中心間のピッチを変更して、第1開口の面積S1と、第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2とがS2/S1=0.60を満たすようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A3)を50個作製し、評価を行った。
実施例4
開口径および開口率は実施例1と同じとし、第1開口における電池の高さ方向における開口の中心間のピッチと横方向における開口の中心間のピッチ、並びに、第2開口における電池の高さ方向における開口の中心間のピッチと横方向における開口の中心間のピッチを異なる値に変更した。これにより、第1開口の面積S1と、第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2とがS2/S1=0.80を満たすようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A4)を50個作製し、評価を行った。
比較例1
開口径および開口率は実施例1と同じとし、電池の高さ方向における開口の中心間のピッチと、横方向における開口の中心間のピッチを変更して、第1開口の面積S1と、第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2とがS2/S1=0.35を満たすようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(B1)を50個作製し、評価を行った。
比較例2
セパレータの材質をコロナ放電により親水化処理を施したポリプロピレン製の不織布(以下、PP、厚み82μm、単位面積当たりの質量50g/m2)に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(B2)を50個作製し、評価を行った。
実施例5
負極の第2部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量Woの、第1部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量Wiに対する割合(Wo/Wi)が、80質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A5)を50個作製し、評価を行った。
実施例6
負極の第2部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量Woの、第1部分の単位面積当たりに含まれる水素吸蔵合金量Wiに対する割合(Wo/Wi)が、40質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A6)を50個作製し、評価を行った。
実施例7
水素吸蔵合金を、A27型を主相とする合金Zr0.01La0.44Nd0.45Mg0.10Ni3.15Al0.15Co0.20に変更し、セパレータの厚みを92μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A7)を50個作製し、評価を行った。
実施例8
アルカリ水溶液の水酸化物イオン濃度を7.0mol/Lの濃度で含む水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A8)を50個作製し、評価を行った。
実施例9
アルカリ水溶液の水酸化物イオン濃度を8.5mol/Lの濃度で含む水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ニッケル水素蓄電池(A9)を50個作製し、評価を行った。
実施例および比較例の結果を表1に示す。表1に示されるように、比較例1の電池では、自己放電指数が高い値であるのに対し、S2/S1比が大きくなるほど、自己放電指数が低くなることが理解できる。また、他の構成を更に改良することで、自己放電指数を93まで低減することができている。なお、自己放電指数が低いほど、自己放電が進行しにくいことを示す。
次に、評価後の電池をそれぞれ開封し、正極の最外周の内側に隣接する負極の第1部分と、正極の最外周の外側に隣接する負極の第2部分とに、それずれマーキングを施した。その後、電極群を分解し、第1部分における第1開口の配置と、第2部分における第2開口の配置と、第1開口の面積S1とを測定した。次に、第2部分の周囲長を第1部分の周囲長に換算して横方向に縮小させたときの第開口の配置を算出し、そのときの第1開口と第2開口とが重複する部分の面積S2を求め、S2/S1を確認した。その結果、いずれの実施例においても50個中、45個以上の電池のS2/S1値は、設計されたS2/S1値と±3%の誤差しかなく、事実上、設計値と同じと見なすことができた。以上より、50個以上の電池において90%以上の電池のS2/S1値が0.4<S2/S1を満たす場合、それらの電池は、本発明に係る製造方法によって製造されたものと見なすことができる。
なお、S2/S1値は、負極集電体の貫通孔の配列パターンと、電池の断面画像(例えばCT画像)から計測される第1開口と第2開口との対応関係から直接計算してもよい。
本発明に係るニッケル水素電池は、自己放電が抑制されているため、例えばメモリのバックアップ電源や車両用電源として有用である。
1 :負極
1a :本体部
1b :テーパ部
1c :薄肉部
2 :正極
3 :セパレータ
3a :多孔質シート
4 :電池ケース
6 :安全弁
7 :封口板
8 :絶縁ガスケット
9 :正極集電板
11 :負極集電体
11b:第1開口
11a:第2開口

Claims (6)

  1. 帯状の正極と、帯状の負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータとが、前記負極が最外周を構成するように捲回された電極群と、電解液と、前記電極群および前記電解液を収容する電池ケースと、を具備し、
    前記負極は、複数の貫通孔を有する負極集電体と、前記負極集電体の両方の表面に形成された水素吸蔵合金を含む負極活物質層と、を備え、
    前記正極の最外周の内側に隣接する前記負極の第1部分における前記貫通孔の開口を第1開口、前記正極の最外周の外側に隣接する前記負極の第2部分における前記貫通孔の開口を第2開口とするとき、
    前記第2部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量が、前記第1部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量より少なく、前記第1開口の面積S1と、前記第1開口と前記第2開口とが重複する部分の面積S2とが、0.4<S2/S1を満たす、ニッケル水素電池。
  2. 前記第2部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量が、前記第1部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量の40〜80質量%である、請求項1に記載のニッケル水素電池。
  3. 前記水素吸蔵合金が、A元素とB元素とを含み、
    A元素は、Mg、Zrおよび希土類元素よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    B元素は、A元素以外の元素であり、
    A元素のモル数に対するB元素のモル数の比:B/Aが、3.3〜3.8である、請求項1または2に記載のニッケル水素電池。
  4. 前記セパレータの少なくとも一部が、ポリプロピレンで形成されており、
    前記ポリプロピレンの少なくとも一部が、スルホン化されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル水素電池。
  5. 前記電解液が、アルカリ金属水酸化物を含み、
    前記アルカリ金属水酸化物の75モル%以上が水酸化ナトリウムであり、
    前記電解液の水酸化物イオン濃度が、5.0〜8.5mol/Lである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のニッケル水素電池。
  6. (i)帯状の正極を準備する工程と、
    (ii)帯状の負極を準備する工程と、
    (iii)前記正極と前記負極とを、前記正極と前記負極との間にセパレータを介在させて、前記負極が最外周を構成するように捲回して、電極群を構成する工程と、
    (iv)前記電極群を電解液とともに電池ケースに収容する工程と、を具備し、
    前記工程(ii)で準備される前記負極は、複数の貫通孔を有する負極集電体と、前記負極集電体の両方の表面に形成された水素吸蔵合金を含む負極活物質層と、を備え、
    前記正極の最外周の内側に隣接する前記負極の第1部分における前記貫通孔の開口を第1開口、前記正極の最外周の外側に隣接する前記負極の第2部分における前記貫通孔の開口を第2開口とするとき、
    前記第2部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量が、前記第1部分の単位面積当たりに含まれる前記水素吸蔵合金量より少なく、前記第1開口の面積S1と、前記第1開口と前記第2開口とが重複する部分の面積S2とが、0.4<S2/S1を満たすように前記電極群を構成する、ニッケル水素電池の製造方法。
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