JP5754802B2 - ニッケル水素二次電池用の負極及びこの負極を用いたニッケル水素二次電池 - Google Patents

ニッケル水素二次電池用の負極及びこの負極を用いたニッケル水素二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、ニッケル水素二次電池用の負極及びこの負極を用いたニッケル水素二次電池に関する。
アルカリ二次電池の一つとして、ニッケル水素二次電池が知られており、このニッケル水素二次電池は、ニッケルカドミウム二次電池に比べて高容量で、且つ環境安全性にも優れているという点から、各種のポータブル機器やハイブリッド電気自動車等、さまざまな用途に使用されるようになっている。このように、さまざまな用途が見出されたことによりニッケル水素二次電池に対しては、高容量化が望まれている。
ニッケル水素二次電池の正極容量及び負極容量は、正極の極板に保持される水酸化ニッケル及び負極の極板に保持される水素吸蔵合金の量によってそれぞれ決定されるので、ニッケル水素二次電池の高容量化を図るには、これら水酸化ニッケル及び水素吸蔵合金の量を増やす必要がある。しかし、電池の内部容積は規格により一定であるため、高容量化を図るには、これら水酸化ニッケル及び水素吸蔵合金の極板への充填密度を高める必要がある。
ここで、ニッケル水素二次電池にあっては、その過充電時、正極で発生した酸素ガスを負極で還元して、二次電池の内圧上昇を防止するため、正極容量よりも負極容量の方を大きく設定することが行われている。このため、ニッケル水素二次電池では、負極における水素吸蔵合金の高密度化がより強く求められている。このような水素吸蔵合金を高密度化した負極は、通常、パンチングメタルシート等の極板としての芯体に水素吸蔵合金粉末を含む負極合剤層を担持させたものに高い圧延荷重をかけてロール圧延することにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−228201号公報
ところで、負極を高密度化するために圧延荷重を高くすると、水素吸蔵合金粒子が破砕され、その粒径が小さくなっていく。水素吸蔵合金粒子の粒径が小さくなると、負極に含まれる水素吸蔵合金粉末の単位質量当たりの表面積の総和、即ち、比表面積が大きくなるため、水素吸蔵合金とアルカリ電解液との接触領域が増え、水素吸蔵合金の腐食反応が進みやすくなる。その結果、電池のサイクル寿命が低下するといった不具合が生じる。
このような不具合を防ぐ対策として、粒径が大きい水素吸蔵合金粒子を用いることが考えられる。つまり、粒径が大きい水素吸蔵合金粒子は高い圧延荷重を受けても破砕され難いので、その粒径を比較的大きいまま保つことができ、水素吸蔵合金粉末の比表面積を低減できる。その結果、水素吸蔵合金の腐食反応の進行度合いを低くでき、サイクル寿命特性の向上が期待できる。
しかしながら、単純に水素吸蔵合金粉末全体の粒径を大きくした場合、圧延時に水素吸蔵合金粒子が芯体へ与えるダメージが大きくなり、得られた負極は平坦にならず波打った形状となり負極の形状的な品質が低下する。このように低品質の負極をセパレータ及び正極とともに巻回すると、得られた電極群の形状は歪み、電池を組み立てることが出来なくなる。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、電池のサイクル寿命特性の向上と負極の品質の向上との両立を図ることができるアルカリ二次電池用の負極及びこの負極を用いたアルカリ二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、ニッケル水素二次電池の外装缶内に収容されるべき電極群を正極及びセパレータとともに形成する帯状の負極であって、芯体と、この芯体の両面を覆い且つ多数の水素吸蔵合金粒子を含む負極合剤層とからなる負極において、前記正極及び前記セパレータとともに前記電極群を形成する巻回状態でみて、両面が共に前記セパレータを介して前記正極と対向する本体部と、前記本体部の端から巻回方向に延出し、前記両面のうちの一方の面のみが前記セパレータを介して前記正極と対向する延出領域とを含み、前記延出領域は、前記巻回状態でみて、前記外装缶の周壁に接すべき前記負極の最外周部と、前記負極の最内周部とを含み、前記延出領域に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の少なくとも一部は、前記本体部に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有し、前記延出領域に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の密度は、前記本体部に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の密度よりも低いことを特徴とするニッケル水素二次電池用の負極が提供される(請求項1)。
また、本発明によれば、有底円筒状の外装缶と、前記外装缶内に収容され、負極及び正極がこれらの間にセパレータを介在させて渦巻き状に巻回されてなる電極群とを備え、前記負極が上記した本発明の負極であることを特徴とするニッケル水素二次電池が提供される(請求項)。
本発明に係るニッケル水素二次電池用の負極は、ニッケル水素二次電池の外装缶内に収容されるべき電極群を正極及びセパレータとともに形成する帯状の負極であって、芯体と、この芯体の両面を覆い且つ多数の水素吸蔵合金粒子を含む負極合剤層とからなる負極において、前記正極及び前記セパレータとともに前記電極群を形成する巻回状態でみて、両面が共に前記セパレータを介して前記正極と対向する本体部と、前記本体部の端から巻回方向に延出し、前記両面のうちの一方の面のみが前記セパレータを介して前記正極と対向する延出領域とを含み、前記延出領域に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の少なくとも一部は、前記本体部に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有している。ここで、前記負極の延出領域は、正極と片面でのみ対向するので、本体部に比べて電池の充放電反応に関与する割合が比較的低く、水素吸蔵合金粒子を高密度化する必要性があまり高くない。このため、ロール圧延の際、延出領域の圧延荷重は高めなくてよいので、この部分に本体部よりも平均粒径が大きい粒子を配置することができる。このように、平均粒径が大きい水素吸蔵合金粒子を適切な部分に配置すると、ロール圧延の際に負極芯体にダメージを与えることを抑えられ、負極の形状的な品質を保ちながら、負極に含まれる水素吸蔵合金粉末の比表面積を低減することができるので、水素吸蔵合金全体としての劣化の進行度合いを低減でき、電池のサイクル寿命特性の向上に寄与する。
ここで、延出領域には、前記巻回状態でみて、負極の巻き終わり端側の最外周部及び負極の巻き始め端側の最内周部が含まれる。この最外周部は、電極群の外周のほぼ全体に相当するので比較的広い範囲で、水素吸蔵合金の大径化が図れ、電池のサイクル寿命特性の向上に寄与する。また、最内周部は、最外周部よりも範囲は狭いが、電池の充放電反応の際に熱がこもりやすい電極群の中心部に位置しており、このような部分に大径の水素吸蔵合金が配置されると、水素吸蔵合金の劣化の進行度合いの低減により貢献する。
また、延出領域に含まれる水素吸蔵合金粒子の密度は、本体部に含まれる水素吸蔵合金粒子の密度よりも低いので、芯体へ与えるダメージは低く抑えられている。このため、得られる負極の形状的品質は高い。
以上のように、本発明に係るアルカリ二次電池用の負極は、負極の形状的品質を低下させることなく、電池のサイクル寿命を延ばすことができる。また、本発明に係るアルカリ二次電池は、この負極を用いているためサイクル寿命特性に優れている。
本発明の一実施形態に係るニッケル水素二次電池を部分的に破断して示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係るニッケル水素二次電池の横断面図である。 本発明の一実施形態に係るニッケル水素二次電池に用いられる負極を概略的に示した斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る負極を組み込んだニッケル水素二次電池(以下、単に電池と称する)を詳細に説明する。
本発明が適用される電池としては特に限定されないが、例えば、図1に示すAAサイズの円筒型電池2に本発明を適用した場合を例に説明する。
図1に示すように、電池2は、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備えている。外装缶10の底壁35は導電性を有し、負極端子として機能する。外装缶10の開口内には、導電性を有する円板形状の蓋板14及びこの蓋板14を囲むリング形状の絶縁パッキン12が配置され、絶縁パッキン12は外装缶10の開口縁をかしめ加工することにより外装缶10の開口縁に固定されている。即ち、蓋板14及び絶縁パッキン12は互いに協働して外装缶10の開口を気密に閉塞している。
しかしながら、蓋板14は中央にガス抜き孔16を有し、そして、蓋板14の外面上にはガス抜き孔16を塞ぐゴム製の弁体18が配置されている。更に、蓋板14の外面上には、弁体18を覆うようにしてフランジ付き円筒形状の正極端子20が固定され、正極端子20は弁体18を蓋板14に向けて押圧している。従って、通常時、ガス抜き孔16は弁体18によって気密に閉じられている。一方、外装缶10内にガスが発生し、その内圧が高まれば、弁体18は内圧によって圧縮され、ガス抜き孔16を開き、この結果、外装缶10内からガス抜き孔16及び正極端子20を介してガスが放出される。つまり、ガス抜き孔16、弁体18及び正極端子20は電池のための安全弁を形成している。
外装缶10には、電極群22が収容されている。この電極群22は、それぞれ帯状の正極24、負極26及びセパレータ28からなり、これらは正極24と負極26の間にセパレータ28が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ28を介して正極24及び負極26が互いに重ね合わされている。
そして、外装缶10内には、電極群22の一端と蓋板14との間に正極リード30が配置され、正極リード30の両端は正極24及び蓋板14にそれぞれ接続されている。従って、蓋板14の正極端子20と正極24とは、正極リード30及び蓋板14を介して互いに電気的に接続されている。なお、蓋板14と電極群22との間には円形の絶縁部材32が配置され、正極リード30は絶縁部材32に設けられたスリットを通して延びている。また、電極群22と外装缶10の底部との間にも円形の絶縁部材34が配置されている。
更に、外装缶10内には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)が注入されており、このアルカリ電解液は正極24、負極26及びセパレータ28に含浸され、正極24と負極26との間での充放電反応を進行させる。なお、アルカリ電解液の種類としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及びこれらのうち2つ以上を混合した水溶液等をあげることができ、またアルカリ電解液の濃度についても特には限定されず、例えば、8N(規定度)のものを用いることができる。
図2を参照すると、電極群22において、正極24及び負極26は、セパレータ28を間に挟んだ状態で電極群22の径方向でみて交互に重ね合わされている。
詳しくは、電極群22は、それぞれ帯状の正極24、負極26及びセパレータ28を用意し、これら正極24及び負極26を、セパレータ28を介してそれらの一端側から巻芯を用いて渦巻状に巻回して形成される。このため、正極24及び負極26の一端(巻き始め端)36,38が電極群22の中心側に位置付けられる一方、正極24及び負極26の他端(巻き終わり端)40,42が電極群22の外周側に位置付けられている。電極群22の外周にはセパレータ28は巻回されておらず、負極26の最外周部50が電極群22の外周を形成している。つまり、負極26の最外周部50における電極群の径方向外側の面(外面)52は、セパレータ28で覆われずに露出した状態であり、この外面52と外装缶の周壁とが接触することにより、負極26と外装缶10とは互いに電気的に接続されている。また、負極26の最外周部50における電極群の径方向内側の面(内面)54は、セパレータ28を介して正極24と対向している。つまり、負極26の最外周部50は、内面54でのみ正極24と対向している。
更に、負極26においては、最外周部50よりも内側に本体部56が連続しており、この本体部56よりも更に内側の電極群22の巻回中心付近には、最内周部58が連続している。この本体部56は、負極26の外面52及び内面54の両方の面がセパレータ28を介して正極24と対向している部分であり、渦巻き状に巻回されて、電極群22の巻回中心付近まで延びている。最内周部58は、電極群22の中心部に位置付けられており、その外面52がセパレータ28を介して正極24と対向している。
なお、巻回後に巻芯は引き抜かれるので、電極群22の中心部には、巻芯の形状に対応した空間44が存在している。
セパレータ28の材料としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。
正極24は、多孔質構造を有する導電性の正極基板と、正極基板の空孔内に保持された正極合剤とからなる。
このような正極基板としては、例えば、ニッケルめっきが施された網状、スポンジ状若しくは繊維状の金属体を用いることができる。
正極合剤は、正極活物質粒子、導電剤及び結着剤を含む。この結着剤は正極活物質粒子及び導電剤を互いに結着させると同時に正極合剤を正極基板に結着させる働きをなす。
正極活物質粒子は、水酸化ニッケル粒子又は高次水酸化ニッケル粒子である。なお、これら水酸化ニッケル粒子は、コバルト、亜鉛、カドミウム等を含む固溶体の形態をなすものであってもよい。
導電剤としては、例えば、コバルト酸化物(CoO)やコバルト水酸化物(Co(OH))などのコバルト化合物及びコバルト(Co)から選択された1種又は2種以上を用いることができる。この導電剤は、必要に応じて正極合剤に添加されるものであり、添加される形態としては、粉末の形態のほか、正極活物質の表面を覆う被覆の形態で正極合剤に含まれていてもよい。
正極合剤の結着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ディスパージョン、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)ディスパージョンなどを用いることができる。
正極24は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、水酸化ニッケル粒子からなる正極活物質粉末、水、導電剤及び結着剤を含む正極合剤スラリーを調製する。正極合剤スラリーは例えばスポンジ状のニッケル製金属体に充填され、乾燥させられる。乾燥後、水酸化ニッケル粒子等が充填された金属体は、ロール圧延されてから裁断され、正極24が製造される。
負極26は、図3に示すように、帯状をなす導電性の負極芯体60を有し、この負極芯体60に負極合剤62が保持されている。
負極芯体60は、貫通孔が分布されたシート状の金属材からなり、例えば、パンチングメタルシートや、金属粉末を型成形して焼結した焼結基板を用いることができる。負極合剤62は、負極基板の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極基板の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤62は、負極活物質としての水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金粒子、導電剤、及び結着剤を含む。ここで、結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等を用いることができ、導電剤としては、黒鉛、カーボンブラック、ケッチェンブラック等を用いることができる。
水素吸蔵合金粒子における水素吸蔵合金としては、特に限定されるものではないが、例えば、AB型(CaCu型構造)、AB3.5型(CeNi型構造)、AB3.8型(PrCo19型構造)のものを挙げることができる。
ここで、水素吸蔵合金粒子は、例えば以下のようにして得られる。
まず、所定の組成となるよう金属原材料を秤量して混合し、この混合物を例えば誘導溶解炉で溶解してインゴットにする。得られたインゴットに、900〜1200℃の不活性ガス雰囲気下にて5〜24時間加熱する熱処理を施し均質化する。この後、インゴットを粉砕し、水素吸蔵合金粒子を製造する。その後、得られた水素吸蔵合金粒子は、篩分けにより分級し、粒径の異なる2種類のグループを選別する。このとき、1種類は、平均粒径が比較的小さい粒子(以下、第1粒子という)とし、もう1種類は、第1粒子よりも平均粒径が大きい粒子(以下、第2粒子という)とすることが好ましい。例えば、第1粒子は、平均粒径が40〜50μmの粒子であり、第2粒子は、平均粒径が50〜125μmの粒子である。ここで、第1粒子と第2粒子との粒径の比は、1:1.25〜1:2.5の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、1:1.25〜1:2.0の範囲とする。
ここで、負極26は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、水素吸蔵合金の第1粒子からなる水素吸蔵合金粉末、導電剤、結着剤及び水を混練して負極合剤スラリー(以下、第1スラリーという)を調製する。また、水素吸蔵合金の第2粒子からなる水素吸蔵合金粉末、導電剤、結着剤及び水を混練して負極合剤スラリー(以下、第2スラリーという)を調製する。
得られた第1スラリーは、パンチングメタルシート等の負極芯体60に塗着され、乾燥させられる。このとき、第1スラリーは、パンチングメタルシート60における前記本体部56に対応する箇所の両面に均等に且つ厚さが一定となるように塗布する。
第1スラリーの乾燥後、本体部56に対応する箇所を除いた部分、すなわち、最外周部50及び最内周部58に対応する箇所の両面に均等に且つ厚さが一定となるように第2スラリーを塗布する。その後、第2スラリーを乾燥させる。
ここで、第2スラリーの単位体積当たりに含まれる水素吸蔵合金粒子の量は、第1スラリーの単位体積当たりに含まれる水素吸蔵合金粒子の量の半分にすることが好ましい。
次いで、乾燥した負極合剤62を保持したパンチングメタルシートをロール圧延し、所定厚さとした後、所定の大きさに裁断して負極26を得る。
詳しくは、乾燥した負極合剤62を保持したパンチングメタルシート60は、一対の圧延ロール間のギャップに通され、その厚み方向両側から圧縮される。この圧延を行う際、ロールの押圧力は、本体部56に対応する部分に比べて最外周部50及び最内周部58に対応する部分で小さくなるように可変制御し、得られる負極26において、最外周部50及び最内周部58に含まれる水素吸蔵合金粒子の平均粒径が、本体部56に含まれる水素吸蔵合金粒子の平均粒径に比べて大きくなるようにする。また、本体部56と、最外周部50及び最内周部58との厚さの比は、1:1〜1:0.85とすることが好ましい。最外周部50及び最内周部58にあまり高い押圧力をかけて最外周部50及び最内周部58を薄くすると、そこに含まれる水素吸蔵合金が破砕され、負極26に含まれる水素吸蔵合金粉末の比表面積が増大し、負極全体として電解液との腐食反応の進行度合いを増加させてしまい、また、負極芯体にもダメージを与えるので負極の形状的品質の低下を招いてしまう。
以上のようにして得られた負極26を展開した状態で示した図3から明らかなように、負極26は、中央に本体部56が位置付けられ、その両端に最外周部50と、最内周部58とが連続して延びている。
本体部56に含まれる水素吸蔵合金は、平均粒径が比較的小さい第1粒子であるので、負極芯体60にダメージを与えることを抑えつつ、水素吸蔵合金の高密度化が図られている。この本体部56は、両面が正極24と対向する部分であり、電池の充放電反応に関与する割合が大きい部分であるので、この部分の水素吸蔵合金の密度が高いと電池の高容量化が図れる。
一方、最外周部50及び最内周部58に含まれる水素吸蔵合金は、平均粒径が比較的大きい第2粒子である。この最外周部50及び最内周部58は、片面のみ正極24と対向する部分であるので、電池の充放電反応に関与する割合が本体部56に比べると低い。このため、最外周部50及び最内周部58は、水素吸蔵合金を高密度化する必要性が本体部56に比べると低いので、圧延荷重を高めなくてもよく、平均粒径が大きい水素吸蔵合金粒子を配置しても負極芯体60に与えるダメージは小さい。このように、適当な部分に平均粒径が大きい水素吸蔵合金粒子を配置することにより、負極26全体に含まれる水素吸蔵合金粒子の表面積の総和を小さくすることができる。つまり、負極中の水素吸蔵合金粉末の比表面積は小さくなるので、アルカリ電解液との腐食反応の進行度合いを低く抑えられ、得られる電池のサイクル寿命特性は向上する。
以上より、負極26においては、ロール圧延により、水素吸蔵合金粒子の粒径が僅かに小さくはなるが、最外周部50及び最内周部58の水素吸蔵合金の平均粒径は、本体部56の水素吸蔵合金の平均粒径よりも大きい関係は保たれる。そして、負極26においては、最外周部50及び最内周部58の水素吸蔵合金の充填密度は、本体部56の水素吸蔵合金の充填密度より小さくなっている。
なお、本発明は、上記した一実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上記した実施形態では、本体部56を除いた部分の全体、即ち、最外周部50及び最内周部58の両方の全体に本体部56に含まれる水素吸蔵合金粒子(以下、小径粒子という)よりも平均粒径が大きい水素吸蔵合金粒子(以下、大径粒子という)を含有させたが、この態様に限定されるものではなく、本体部56を除いた部分の少なくとも一部に大径粒子が含有されていればよい。例えば、最外周部50の中央(図3中の二点鎖線62で示す)から巻き終わり端42の範囲にのみ大径粒子を含ませ、それ以外の最外周部50の中央62から本体部56を経て最内周部58に至る範囲には小径粒子を含ませる態様、最内周部58の中央(図3中の二点鎖線64で示す)から巻き始め端38の範囲にのみ大径粒子を含ませ、それ以外の最内周部58の中央64から本体部56を経て最外周部50に至る範囲には小径粒子を含ませる態様、最外周部50の全体にのみ大径粒子を含ませ、それ以外の本体部56及び最外周部58には小径粒子を含ませる態様、最内周部58の全体にのみ大径粒子を含ませ、それ以外の本体部56及び最外周部50には小径粒子を含ませる態様等が挙げられる。
1.電池の製造
参考例1
(1)負極の作製
60%のLa、20%のCe、5%のPr、15%のNdとなるように調整した希土類成分を準備した。そして、この希土類成分、Ni、Co、Mn及びAlをモル比で1.00:3.80:0.70:0.25:0.35の割合で混合した後、誘導溶解炉に投入して溶解させ、これを冷却してインゴットを作製した。
ついで、このインゴットに対し、温度1000℃のアルゴン雰囲気下にて10時間加熱する熱処理を施して均質化した後、アルゴンガス雰囲気下で機械的に粉砕して水素吸蔵合金粉末を得た。そして、得られた水素吸蔵合金粉末を篩い分けによりサイズの異なる2つのグループの水素吸蔵合金粉末に選別した。得られた水素吸蔵合金粉末につきレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によりそれぞれ粒度分布を測定したところ、重量積分50%にあたる平均粒径は、一方のグループ(第1粒子)が45μmであり、他方のグループ(第2粒子)が100μmであった。
この水素吸蔵合金粉末の組成を高周波プラズマ分光分析法(ICP)によって分析したところ、組成は、(La0.60Ce0.20Pr0.05Nd0.15)Ni3.80Co0.70Mn0.25Al0.35であった。また、この水素吸蔵合金粉末についてX線回折測定(XRD測定)を行ったところ、結晶構造は、CaCu型であった。
得られた第1粒子の粉末100質量部に対し、カルボキシメチルセルロース0.1質量部、スチレンブタジエン共重合ゴム(SBR)のディスバージョン(固形分50質量%)0.5質量部(固形分換算)、ケッチェンブラック0.5質量部、水50質量部を添加して常温下において混練し、負極合剤スラリー(第1スラリー)を調製した。
また、得られた第2粒子の粉末100質量部に対し、カルボキシメチルセルロース0.1質量部、スチレンブタジエン共重合ゴム(SBR)のディスバージョン(固形分50質量%)0.5質量部(固形分換算)、ケッチェンブラック0.5質量部、水50質量部を添加して常温下において混練し、負極合剤スラリー(第2スラリー)を調製した。
次に、鉄製の孔あき板に対し、巻回された際に電極群の最外周部50となる部分の中央62から本体部56及び最内周部58に亘る範囲の両面に均等、且つ、厚さが一定となるように第1スラリーを塗布した後、この第1スラリーを乾燥させた。このとき、第1スラリーは、厚さ0.745mm、単位体積当たりの水素吸蔵合金量が2.8g/cmとなるように塗布した。
その後、最外周部50となる部分の中央62から巻き終わり端42に亘る範囲の両面に均等、且つ、厚さが一定となるように第2スラリーを塗布した後、この第2スラリーを乾燥させた。このとき、第2スラリーは、厚さ0.425mm、単位体積当たりの水素吸蔵合金量が2.8g/cmとなるように塗布した。
なお、上記した孔あき板は60μmの厚みを有し、その表面にはニッケルめっきが施されている。
第1スラリー及び第2スラリーの乾燥後、水素吸蔵合金の粉末を含む負極合剤層を保持した孔あき板をロール圧延した後、裁断し、AAサイズ用の負極26を作成した。なお、負極1枚当たりの水素吸蔵合金量は9.0gとした。
ここで、ロール圧延の際、直径300mmのローラーを用いて、最外周部50のうち第1スラリーが塗布された領域、本体部56及び最内周部58にかかる押圧力が100kNとなるように調節するとともに、最外周部50のうち第2スラリーが塗布された領域にかかる押圧力が10kNとなるように調節してロール圧延を行った。圧延後の各部の厚さは、最外周部50のうち第1スラリーが塗布された領域、本体部56及び最内周部58が、0.390mm、最外周部50のうち第2スラリーが塗布された領域が、0.370mmであった。このときの本体部56と最外周部50の巻き終わり端42寄りの部分(最外周部50のうち第2スラリーが塗布された領域)との厚さの比は、1:0.95であった。
また、得られた負極26について、水素吸蔵合金粒子の粒径を測定したところ、最外周部50のうち第1スラリーが塗布された領域、本体部56及び最内周部58に含まれる合金粒子の粒径は32μmであり、最外周部50の中央62から巻き終わり端42までの間に含まれる合金粒子の粒径は58μmであった。また、水素吸蔵合金粒子の充填密度は、最外周部50のうち第1スラリーが塗布された領域、本体部56及び最内周部58で5.6g/cm、最外周部50の中央62から巻き終わり端42までの間で3.2g/cmであった。
(2)正極の作製
金属ニッケルに対して、亜鉛3.0質量%、コバルト1質量%となるように、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を徐々に滴下して反応させ、ここでの反応中、pHが13〜14に維持されるようにして沈殿物を生成させた。ついで、生成した沈殿物を濾別して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、正極活物質としての水酸化ニッケル粉末を得た。
得られた水酸化ニッケル粉末89.5質量%と水酸化コバルト10質量%と酸化イットリウム0.5質量%とからなる混合粉末に、結着剤としての40質量%ヒドロキシプロピルセルロースディスパージョン溶液を混合粉末の質量に対して50質量%となるように添加して、正極合剤スラリーを作製した。
ついで、正極合剤スラリーを面密度(目付)が約600g/m、多孔度が95%、厚みが約2mmのニッケル発泡体に充填し、これを乾燥させ、正極活物質密度が約2.9g/cmとなるように調整して圧延した後、所定の寸法に切断して非焼結式ニッケル極からなる正極24を得た。
(3)ニッケル水素二次電池の組み立て
得られた正極24及び負極26をこれらの間にセパレータ28を挟んだ状態で渦巻状に巻回し、電極群22を作製した。ここでの電極群22の作製に使用したセパレータ28はポリプロピレン繊維製不織布から成り、その厚みは0.1mm(目付量40g/m)であった。
有底円筒形状の外装缶10内に上記電極群22を収納するとともに、アルカリ電解液(リチウム及びカリウムを含有した30質量%の水酸化ナトリウム水溶液)2.2gを注入した。この後、蓋板14等で外装缶10の開口を塞ぎ、公称容量が1600mAhのAAサイズの密閉型ニッケル水素二次電池2を組み立てた。このニッケル水素二次電池を電池Aと称する。
参考例2
第1スラリーを本体部56及び最内周部58に塗布し、第2スラリーを最外周部50の全体に塗布し、ロール圧延の際、本体部56及び最内周部58にかかる押圧力が100kN、最外周部50にかかる押圧力が10kNとなるように調節してロール圧延を行ったこと以外は参考例1の電池Aと同様にしてニッケル水素二次電池(電池B)を組み立てた。
得られた負極26について、水素吸蔵合金粒子の粒径を測定したところ、本体部56及び最内周部58に含まれる合金粒子の粒径は32μmであり、最外周部50に含まれる合金粒子の粒径は58μmであった。また、水素吸蔵合金粒子の充填密度は、本体部56及び最内周部58で5.6g/cm、最外周部50で3.2g/cmであった。
参考例3
第1スラリーを本体部56及び最外周部50に塗布し、第2スラリーを最内周部58の全体に塗布し、ロール圧延の際、本体部56及び最外周部50にかかる押圧力が100kN、最内周部58にかかる押圧力が10kNとなるように調節してロール圧延を行ったこと以外は参考例1の電池Aと同様にしてニッケル水素二次電池(電池C)を組み立てた。
得られた負極26について、水素吸蔵合金粒子の粒径を測定したところ、本体部56及び最外周部50に含まれる合金粒子の粒径は32μmであり、最内周部58に含まれる合金粒子の粒径は58μmであった。また、水素吸蔵合金粒子の充填密度は、本体部56及び最外周部50で5.6g/cm3、最内周部58で3.2g/cm3であった。
実施例
第1スラリーを本体部56に塗布し、第2スラリーを最外周部50及び最内周部58の全体に塗布し、ロール圧延の際、本体部56にかかる押圧力が100kN、最外周部50及び最内周部58にかかる押圧力が10kNとなるように調節してロール圧延を行ったこと以外は参考例1の電池Aと同様にしてニッケル水素二次電池(電池D)を組み立てた。
得られた負極26について、水素吸蔵合金粒子の粒径を測定したところ、本体部56に含まれる合金粒子の粒径は32μmであり、最外周部50及び最内周部58に含まれる合金粒子の粒径は58μmであった。また、水素吸蔵合金粒子の充填密度は、本体部56で5.6g/cm、最外周部50及び最内周部58で3.2g/cmであった。
比較例1
第1スラリーを本体部56、最外周部50及び最内周部58の全ての部分に塗布し、ロール圧延の際、本体部56、最外周部50及び最内周部58にかかる押圧力が100kNとなるように調節してロール圧延を行ったこと以外は参考例1の電池Aと同様にしてニッケル水素二次電池(電池E)を組み立てた。
得られた負極26について、水素吸蔵合金粒子の粒径を測定したところ、粒径は32μmであり、水素吸蔵合金粒子の充填密度は、5.6g/cm3であった。
比較例2
第2スラリーを本体部56、最外周部50及び最内周部58の全ての部分に塗布し、ロール圧延の際、本体部56、最外周部50及び最内周部58にかかる押圧力が100kNとなるように調節してロール圧延を行ったこと以外は参考例1と同様にして負極26を作製したが、圧延後の負極26は平坦にならず波打った形状となり、電池を組み立てることができなかった。
2.ニッケル水素二次電池の試験
(1)初期活性化処理
電池A〜電池Eに対し、温度25℃の下にて、0.1Cの充電電流で16時間の充電を行った後に、0.2Cの放電電流で電池電圧が0.5Vになるまで放電させる操作を1サイクルとする充放電サイクルを合計2サイクル行うことにより各電池に対し初期活性化処理を行った。
(2)電池容量測定
初期活性化処理済みの電池A〜電池Eに対し、0.1Cの充電電流で16時間充電し、0.2Cの放電電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電し、各電池につき容量の測定を行った。
ここで、比較例1の電池Eの容量を100として、各電池の容量との比を求め、その結果を電池容量比として表1に示した。
(3)サイクル寿命特性試験
初期活性化処理済みの電池A〜電池Eに対し、25℃の雰囲気下にて、1.0Cの充電電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電し、その後、30分間放置した。
ついで、同一の雰囲気下にて1.0Cの放電電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電した後、30分間放置した。
上記充放電のサイクルを1サイクルとし、各電池につき放電ができなくなるまでのサイクル数を数え、その回数をサイクル寿命とした。ここで、比較例1の電池Eがサイクル寿命に至ったときのサイクル数を100として、各電池のサイクル寿命との比を求め、その結果をサイクル寿命特性比として表1に示した。
Figure 0005754802
3.電池の評価
(1)表1より、電池A,B,C,Dと、電池Eとでは、電池容量に差がないことがわかる。つまり、本発明に係る電池A,B,C,Dは、電池Eのように負極全体において水素吸蔵合金の高密度化を図って高容量化された電池と同程度に高容量化が図られていると言える。これは、電池A,B,C,Dに含まれる負極では、部分的に水素吸蔵合金の粒径を大きくするとともに水素吸蔵合金の密度を低くしているが、このような部分は、正極と片面でしか対向しておらず電池の充放電反応に関与する割合が比較的低い最外周部あるいは最内周部であるので、電池反応への影響が小さいことと、電池の充放電反応に関与する割合が高い本体部では、電池Eと同様に水素吸蔵合金の密度が高められていることによりもたらされているものと考えられる。
(2)表1より、参考例1の電池Aは、比較例1の電池Eに対してサイクル寿命特性が向上していることがわかる。これは、電池Aでは、最外周部にて部分的に水素吸蔵合金の大径粒子を含むため、負極中の水素吸蔵合金粉末の比表面積が低減され、アルカリ電解液による腐食反応の進行度合いが電池Eに比べて遅くすることできたためと考えられる。
(3)また、参考例2の電池Bは、比較例1の電池Eに対してサイクル寿命特性が更に向上していることがわかる。これは、電池Bでは、水素吸蔵合金粒子を最外周部全体で大粒径化したので、大粒径化された水素吸蔵合金の量が相対的に増えたことにより比表面積が更に低減されたためと考えられる。
(4)更に、参考例3の電池Cは、比較例1の電池Eに対して参考例2と同レベルでサイクル寿命特性が向上していることがわかる。つまり、電池Cの負極は、最外周部に比べて範囲が狭い最内周部で水素吸蔵合金粒子の大粒径化をしているにもかかわらず、電池Bと同レベルのサイクル寿命特性を発揮している。これは、電極群の中心部は電池反応の際に発生する熱がこもりやすい部位であるため、この部位に位置付けられる負極の最内周部では、水素吸蔵合金の大粒径化の効果が表れやすいためと考えられる。
(5)また、実施例の電池Dは、電池A,B,Cよりも更にサイクル寿命特性が向上していることがわかる。これは、電池Dでは、最外周部及び最内周部の両方で水素吸蔵合金の大粒径化をしたので、水素吸蔵合金粉末の比表面積が更に低減したためと考えられる。
(6)また、負極の全体で水素吸蔵合金の粒径を大きくした比較例2では、電池の組み立てが不能であったが、参考例1〜3及び実施例1に係る負極では、電池A,B,C,Dを良好に組み立てることができた。電池A,B,C,Dの負極では、電池反応への影響が小さい部分の水素吸蔵合金の粒径を大きくしているが、斯かる部分は、高密度化する必要性が低いためロール圧延の際の荷重を低く抑えることができ、負極芯体へのダメージを最小限にすることができた。このため、得られる負極は形状的品質が高く、電池の組み立てが可能となった。
(7)以上より、本発明によれば、負極の最外周部及び最内周部の水素吸蔵合金に平均粒径が比較的大きい粒子を用い、充填密度を低く設定することで、電池のサイクル寿命特性の向上と負極の形状的品質の向上とを両立させることが可能なニッケル水素二次電池用の負極を得ることができ、また、この負極を備えたサイクル寿命特性に優れたニッケル水素二次電池を得ることができるので、本発明の工業的価値は極めて高いといえる。
2 ニッケル水素二次電池
10 外装缶
12 絶縁パッキン
14 蓋板
20 正極端子
22 電極群
24 正極
26 負極
28 セパレータ
50 最外周部
56 本体部
58 最内周部

Claims (2)

  1. ニッケル水素二次電池の外装缶内に収容されるべき電極群を正極及びセパレータとともに形成する帯状の負極であって、芯体と、この芯体の両面を覆い且つ多数の水素吸蔵合金粒子を含む負極合剤層とからなる負極において、
    前記正極及び前記セパレータとともに前記電極群を形成する巻回状態でみて、両面が共に前記セパレータを介して前記正極と対向する本体部と、
    前記本体部の端から巻回方向に延出し、前記両面のうちの一方の面のみが前記セパレータを介して前記正極と対向する延出領域と
    を含み、
    前記延出領域は、前記巻回状態でみて、前記外装缶の周壁に接すべき前記負極の最外周部と、前記負極の最内周部とを含み、
    前記延出領域に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の少なくとも一部は、前記本体部に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の平均粒径よりも大きい平均粒径を有し
    前記延出領域に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の密度は、前記本体部に含まれる前記水素吸蔵合金粒子の密度よりも低いことを特徴とするニッケル水素二次電池用の負極。
  2. 有底円筒状の外装缶と、
    前記外装缶内に収容され、負極及び正極がこれらの間にセパレータを介在させて渦巻き状に巻回されてなる電極群と
    を備え、
    前記負極が前記請求項1に記載の負極であることを特徴とするニッケル水素二次電池。
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