JPWO2018163917A1 - 自動分析装置及び分析方法 - Google Patents
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Abstract
Description
その他の解決手段については実施形態で後記する。
(自動分析装置Z)
図1は、第1実施形態で用いられる自動分析装置Zの構成を示す図であり、図2は、自動分析装置Zの動作を示すフローチャートである。
適宜、図2を参照しつつ、図1を参照して自動分析装置Zについて説明する。
自動分析装置Zは、血液(検体(第1の液体物質))に試薬(第2の液体物質)を混合し、血液の凝固時間を測定するものである。自動分析装置Zは、分析装置1、インタフェース47、試薬分注制御装置(制御部)31、A/D(Analog/Disital)変換器32、反応容器移送制御装置33、検体分注制御装置34を有している。インタフェース47には、表示装置41、プリンタ42、コンピュータ(制御部、判定部)43、外部出力メディア44、記憶装置45、入力装置46が接続されている。試薬は、例えば、フィブリノーゲン、TTATP等である。
まず、分析装置1について説明する。
まず、反応容器移送部105により、反応容器Vが反応容器供給部103から凝固時間検体分注ポジション104に移送される。そして、検体分注装置131が、検体ディスク111に収納されている検体容器112から凝固時間検体分注ポジション104の反応容器Vに検体を分注する(図2のS1)。次に、検体が分注された反応容器Vは、反応容器移送部105により反応容器温調部101が備わっている凝固時間検出部102へと移送される。そして、凝固時間検出部102に備わっている反応容器温調部101によって、検体は37℃まで昇温される。ここで、反応容器Vはディスポーザブルなものである。
血液凝固時間測定が完了した反応容器Vは、反応容器移送部105により、反応容器廃棄部107に廃棄される。なお、試薬分注装置106は、パルス制御型の3次元アクチュエータ等であり、試薬ノズル(ノズル)を3次元方向に移動可能である。
洗浄装置141は、試薬吐出後の試薬ノズルを洗浄する。後記するように、洗浄装置141による洗浄範囲は限定的なものである。
コンピュータ43は、インタフェース47を介して、反応容器移送制御装置33、検体分注制御装置34、試薬分注制御装置31、A/D変換器32に接続されている。
そして、コンピュータ43は、反応容器移送制御装置33に対して指令を送る。指令を送られた反応容器移送制御装置33は、反応容器移送部105を制御することにより、反応容器Vの移送動作を制御する。
さらに、コンピュータ43は、試薬分注制御装置31に対して指令を送る。指令を送られた試薬分注制御装置31は、試薬分注装置106を制御することにより、試薬の分注動作を制御する。
攪拌終了後、試薬分注制御装置31が試薬分注装置106を制御することによって、試薬ノズルが上方に引き上げられる(図2のS4)。
その後、試薬分注制御装置31は、洗浄装置141に試薬ノズルの洗浄を行わせる(図2のS5)。この洗浄によって、試薬ノズルのコンタミネーションをある程度防ぐことができる。しかし、その洗浄範囲は限られた範囲にしか行われない。また、省スペース化、洗浄水量の抑制に伴うポンプの小型化等が行われていることから、洗浄範囲を広げることが困難である。
試薬ノズルの洗浄後、試薬分注制御装置31は、試薬分注装置106に試薬ノズルを移動させ、次の反応容器Vに試薬ノズルをセットさせる(図2のS2)。
光度計142によって計測された測光値はA/D変換器32に送られる。
そして、A/D変換器32によってデジタル信号に変換された測光値は、コンピュータ43に取り込まれる。コンピュータ43は、取り込まれた測定値を基に、検体の血液凝固時間を求める。
外部出力メディア44は、DVD(Dgital Versatile Disk)、CD(Compact Disk)等である。
次に、図3及び図4を参照して、吐出攪拌方法について説明する。
図3は、試薬ノズルHが反応容器Vの中心に位置している状態で試薬M1が吐出される場合を示す図である。なお、図3〜図4、図8〜図10において、紙面上方に反応容器Vと試薬ノズルHの上面模式図が示され、紙面下方に反応容器Vと試薬ノズルHの側面断面模式図が示されている。
なお、図3、図4、図8〜図12において白抜き矢印は吐出された後の試薬M1の流れを示している。
図3では、試薬ノズルHの水平位置が反応容器Vの中心位置に配置された状態で、試薬ノズルHから試薬M1が吐出される。検体M2と試薬M1の量の比率によっては(検体M2が試薬M1に対して少ない場合)、試薬M1の流れに沿うように反応液M3の一部は底面を介しながら移動する。反応液M3とは試薬M1と検体M2との混合液である。これにより反応液M3が攪拌される。この結果、ほとんどの試薬M1は検体M2と衝突し、反応液M3を攪拌することになる。これにより、図3に示すように、反応容器Vの中心から試薬M1が吐出される。しかし、この手法では、気泡が発生しやすい。
図4では、試薬ノズルHが反応容器Vの内壁側に位置している状態で、試薬M1が吐出されている。これにより、ほとんどの試薬M1は反応容器Vの内壁に沿って流れ、反応液M3を攪拌する。なお、この例では試薬ノズルHの下端が反応容器Vの上端よりも下に位置している。
図5は第1実施形態で用いられる分析項目の例を示す図である。なお、図5〜図7の説明において、適宜、図3、図4を参照する。
図5において、1列目には項目名が示されている。2列目には、各項目における検体M2の量が示されている。3列目には、各項目における試薬M1の量が示されている。4列目には、試薬M1の粘性が示されている。なお、図5において検体M2の量とは反応容器V内の検体M2の量である。そして、試薬M1の量とは吐出される試薬M1の量である。そして、試薬M1の粘性とは吐出される試薬M1の粘性である。
また、項目Bでは試薬M1の量が検体M2の量よりも少ない。また、項目Bでは試薬M1の粘性が検体M2の粘性よりも高い。
さらに、項目Cでは試薬M1の量が検体M2の量よりも少ない。また、項目Cでは試薬M1の粘性が検体M2の粘性と同等かそれよりも低い。
また、項目Dでは試薬M1の量が検体M2の量よりも多い。また、項目Dでは試薬M1の粘性が検体M2の粘性よりも高い。
また、図5の検体M2には、検体M2が希釈液で希釈されたものも含まれる。つまり、試薬ノズルHからの試薬M1の吐出時に反応容器Vに収納されている液体が図5の検体M2に相当する。
まず、試薬M1の粘性が低い(検体M2と同等の粘性か、それ以下の粘性)場合、気泡が生じやすくなり(大)、反応液M3が持ち上がりやすくなり(高)、攪拌効率が良くなる(良)。なお、気泡が発生しやすいことは好ましくない。
そして、試薬M1の粘性が高い(検体M2の粘性より高い)場合、気泡が生じにくくなり(小)、反応液M3が持ち上がりにくくなり(低)、攪拌効率が悪くなる(悪)。
そして、試薬M1の量が検体M2より多い場合、気泡が生じやすくなり(大)、反応液M3の持ち上がりが高くなり(高)、攪拌効率が良くなる(良)。
ここで、ノズル位置とは、試薬ノズルHの水平方向の位置であり、図3に示す位置を「中」、図4に示す位置を「端」とする。また、ノズル位置「上」とは試薬ノズルHを高くセットすることであり、ノズル位置「下」とは試薬ノズルHを低くセットすることである。
ノズル位置が「中」である場合、気泡が生じやすくなり(大)、持ち上がり高さが低くなり(低)、攪拌効率が悪くなる(悪)。
そして、ノズル位置が「端」である場合、気泡が生じにくくなり(小)、持ち上がり高さが高くなり(高)、攪拌効率が良くなる(良)。
そして、ノズル位置が「下」の場合、気泡が生じにくくなり(小)、持ち上がり高さが高くなり(高)、攪拌効率が良くなる(良)。
なお、ノズル位置が「下」の方が持ち上がり高さが高いのは、試薬M1の吐出速度が大きい状態で検体M2に到達するためである。
図8は、項目Aにおける試薬ノズルHのセット位置を示す図である。
図5の項目Aでは、検体M2の量に対して試薬M1の量が多く、試薬M1の粘性が低い状態である。すなわち、項目Aは図6の表に示すように攪拌効率が良く、反応液M3が持ち上がりやすい(高)状態である。
従って、図8の左図に示すように、試薬ノズルHが反応容器Vの内壁側に位置している状態で試薬M1を吐出すると、反応液M3が持ち上がりやすい。このため、反応液M3が試薬ノズルHに付着するおそれがある。従って、次検査へのコンタミネーションが懸念される。
図8の破線L1については後記する。
図9は、項目Bにおける試薬ノズルHのセット位置を示す図である。
図5の項目Bでは、検体M2の量に対して、試薬M1の量が少なく、試薬M1の粘性が高い状態である。すなわち、図6の表に示すように攪拌効率が低く(悪)、反応液M3が持ち上がりにくい(低)状態である。
このように反応液M3が持ち上がりにくい条件のため、図9の左図に示すように、試薬ノズルHを反応容器Vの内壁側に位置した状態で試薬M1が吐出されても、反応液M3が試薬ノズルHに付着しにくい。このように、項目Bでは試薬ノズルHが反応容器Vの内壁側に位置した状態で試薬M1が吐出されても、次検査へのコンタミネーションの影響が比較的低い。
そこで、図9の右図に示すように、試薬ノズルHを反応容器Vの内壁側に位置している状態で、試薬ノズルHの高さを基準位置L1よりも低く、かつ、持ち上がった反応液M3が付着しない高さまで下げる。ここで、基準位置L1は図8の破線L1の高さである。
図7の表に示すように、試薬ノズルHの高さを下げることで、攪拌効率を向上させることができる。
また、反応液M3の付着を防止することで試薬ノズルHの洗浄範囲を広げる必要がなくなる。
図10は、項目Cにおける試薬ノズルHのセット位置を示す図である。
図6の表に示すように、項目Cでは、すべての条件が対立している。つまり、試薬M1の粘性によれば気泡が生じやすいが(大)、試薬M1の量によれば気泡が生じにくい(小)。同様に、試薬M1の粘性によれば反応液M3の持ち上がり高さが高い(高)が、試薬M1の量によれば持ち上がり高さは低い(低)。そして、試薬M1の粘性によれば攪拌効率がよい(良)が、試薬M1の量によれば攪拌効率が悪い(悪)。
従って、項目Cでは攪拌効率が悪く、反応液M3の持ち上がりが高いという課題がある。
また、項目Cの条件では、試薬M1の粘性が低いため、図6の表で示すように反応液M3が持ち上がりやすい(高)。ただし、試薬M1の量の影響、すなわち、項目Aの条件より試薬M1の量が少ないため、項目Cは項目Aよりも反応液M3の持ち上がりは低い。従って、攪拌効率を考慮して試薬ノズルHは反応容器Vの内壁側にセットされる。
特に、試薬ノズルHの洗浄範囲を広げる必要がなくなる。
図6の表に示すように、項目Dでは、すべての条件が対立している。つまり、試薬M1の粘性によれば気泡が生じにくい(小)が、試薬M1の量によれば気泡が生じやすい(大)。同様に、試薬M1の粘性によれば反応液M3の持ち上がり高さは低い(低)が、試薬M1の量によれば持ち上がり高さは高い(高)。そして、試薬M1の粘性によれば攪拌効率が悪い(悪)が、試薬M1の量によれば攪拌効率がよい(良)。
しかし、前記したように、気泡の生じやすさ、攪拌効率では試薬M1の量の影響が大きく、反応液M3の持ち上がり高さについては粘性の影響が大きい。
従って、項目Dでは、図7の表に示すように、気泡が生じやすく、攪拌効率が良い。また、試薬M1の粘性が高いことから反応液M3の持ち上がり高さが低い。つまり、項目A〜Cと比較すると、気泡が生じやすいこと以外の項目Dは好条件である。
従って、項目Dの場合、ノズル位置を図8の左図の位置とすることで気泡の発生が抑えられる。
また、第1実施形態によれば、試薬M1の量が検体M2の量より多く、かつ、試薬M1の粘性が低い場合、試薬分注制御装置31は、試薬ノズルHの水平位置を反応容器Vの中心に位置させる。つまり、反応液M3が持ち上がりやすい条件では、試薬ノズルHの水平位置が反応容器Vの中心にセットされる。図7に示されるように反応容器Vの中心に試薬ノズルHがセットされると、反応液M3が持ち上がりにくくくなる。このようにすることで、試薬ノズルHに反応液M3が付着することを防止することができる。従って、次検査へのコンタミネーションを防止することができる。
さらに、試薬分注制御装置31は、試薬M1の量が検体M2の量より少なく、かつ、試薬M1の粘性が低い場合、試薬分注制御装置31は、試薬ノズルHの高さを反応液M3が付着しない高さまで上げる。このようにすることで、コンタミネーションを防止することができる。
凸部201が設けられておらず、試薬ノズルHが反応容器Vの内壁に密着した状態で試薬M1が吐出されると、吐出された試薬M1は反応容器Vの内壁、底部に沿って移動する。そのため、反応容器Vの内壁との摩擦により吐出エネルギの損失が多少生じるものの、吐出エネルギの損失が少ない状態で吐出側とは反対側に到達する。そのため、吐出側とは反対側に生じる反応液M3の持ち上がりが大きくなる。
さらに、凸部201が設けられることにより、反応液M3の持ち上がりによるオーバフローも防止することができる。
図11は、第2実施形態で用いられる試薬ノズルHのセット方法を示す図である。
図11に示すように、第2実施形態では先端が斜め形状となっている試薬ノズルHが反応容器Vの内壁側にセットされている。さらに、試薬ノズルHの短手方向が反応容器Vの内壁へ向けられた状態で試薬ノズルHがセットされる。
この状態で試薬M1が吐出されると、図11の破線円内に示されるように試薬ノズルHの短手方向側を流れる試薬M1が、反応容器Vの内壁との表面張力によって、反応容器Vの内壁に沿って流れる。
さらに、試薬ノズルHにおいて、反応容器Vの内壁側とは反対側を流れる試薬M1cも、試薬ノズルHの中ほどを流れる試薬M1bに沿う形で反応容器Vの内壁を伝って流れる。
結果として、試薬ノズルHから吐出される試薬M1は、反応容器Vの内壁を伝って流れる。
図12は第3実施形態で用いられる試薬ノズルHのセット方法を示す図である。
図12に示すように、第3実施形態では先端が斜め形状となっている試薬ノズルHが反応容器Vの内壁側にセットされている。さらに、試薬ノズルHの長手方向が反応容器Vの内壁へ向られた状態で試薬ノズルHがセットされる。
この状態で、試薬M1が吐出されると、図12の破線円内に示されるように第2実施形態(図11)とは逆に、試薬M1が反応容器Vの内壁を伝うことなく攪拌を実施することができる。
図13は、第2実施形態と第3実施形態の切替方法を示す図である。
図13における符号301に試薬ノズルHが位置する場合、試薬ノズルHは第2実施形態の形式となる。つまり、試薬ノズルHの短手方向が反応容器Vの内壁側を向いている。
また、符号302は、位置301に対して反応容器Vの反対側に試薬ノズルHが位置していることを示している。このとき、試薬ノズルHの短手方向、長手方向は、符号301と同じ方向を向いている。つまり、符号302に試薬ノズルHが位置する場合、試薬ノズルHは第3実施形態の形式となる。要するに、試薬ノズルHの長手方向が反応容器Vの内壁側を向いている。
具体的には、以下の条件がコンピュータ43によって判定され、ノズルHのセット位置が決定される。
このような条件では、図6に示すように攪拌効率が良好であるが、気泡が発生しやすく、持ち上がりが生じやすい。この場合、符号301に示すように、試薬ノズルHの短手方向が反応容器Vの内壁側に向けられる。前記したように、このようなセット方法だと、反応液M3における気泡の発生及び反応液M3の持ち上がりを低減することができる。
このような条件では、図6に示すように気泡が発生しにくく、持ち上がりが生じにくいが、攪拌効率が悪い。この場合、符号302に示すように、試薬ノズルHの長手方向が反応容器Vの内壁側に向けられる。前記したように、このようなセット方法だと、試薬M1の運動エネルギが減少することなく、試薬M1が検体M2に衝突する。そのため、攪拌効率を向上させることができる。
図14は、第4実施形態で用いられる複合型分析装置1aを示す図である。
図14に示される複合型分析装置1aは、図1に示す分析装置1に生化学分析機能が付与された複合型である。
図14に示す複合型分析装置1aは、図1の血液凝固時間を測定する分析装置1の構成に加え、反応ディスク141、第1試薬サンプリング装置132a、第2試薬サンプリング装置132b、を有している。さらに、複合型分析装置1aは、第1試薬ディスク121a、第2試薬ディスク121b、反応セル洗浄装置142を有している。また、複合型分析装置1aは、光度計(第2の検出部)143と、反応セル144とを有する反応ディスク141を有する。
まず、第1試薬ディスク121a、第2試薬ディスク121bには試薬が搭載されている。そして、第1試薬サンプリング装置132a、第2試薬サンプリング装置132bが、血液凝固の試薬を吸引し、反応セル144に吐出する。
第1試薬と第2試薬との分注が完了した反応セル144は反応セル洗浄装置142によって洗浄される。
反応ディスク141には、図示しない温調部が備えられており、反応セル144中の第1試薬と、第2試薬との反応液を温めている。
また、血液凝固測定では、試薬が37℃付近で温度調整されていることが望ましい。反応セル144は37℃付近に恒温されているため、試薬を37℃付近までプレヒートすることができる。37℃付近までプレヒートされた反応セル144内の試薬は試薬分注装置106で吸引される。その後、図1に示す自動分析装置Zが、図2と同様の手順で血液凝固測定を行う。従って、予め検体に分注される試薬(第1試薬と、第2試薬との反応液)が温められているため、プレヒートの時間を短縮することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1a 複合型分析装置
31 試薬分注制御装置(制御部)
33 反応容器移送制御装置
34 検体分注制御装置
43 コンピュータ(制御部、判定部)
101 反応容器温調部
102 凝固時間検出部
103 反応容器供給部
104 検体分注ポジション
105 反応容器移送部
106 試薬分注装置(制御部)
111 検体ディスク
121 試薬ディスク
121a 第1試薬ディスク
121b 第2試薬ディスク
122a 第1試薬容器(第3の液体物質が含まれる)
122b 第2試薬容器(第4の液体物質が含まれる)
131 検体分注装置
132a 第1試薬サンプリング装置
132b 第2試薬サンプリング装置
141 洗浄装置
142,143 光度計(第1の検出部、検出部)
143 光度計(第2の検出部)
144 反応セル(容器)
H 試薬ノズル(ノズル)
M1 試薬(第2の液体物質)
M2 検体(第1の液体物質)
M3 反応液
V 反応容器(容器)
Z 自動分析装置
技術分野
[0001]
本発明は、検体と試薬との反応を分析する自動分析装置及び分析方法の技術に関する。
背景技術
[0002]
検体に含まれる成分量を分析する自動分析装置がある。このような自動分析装置では、検体と試薬とが混合した反応液に、光源による光を照射する。そして、その結果得られる単一又は複数の波長の透過光量や、散乱光量の変化が測定される。これにより、光量と濃度の関係から成分量が算出される。
[0003]
反応液の反応には、基質と酵素との呈色反応を用いる比色分析、及び、抗原と抗体との結合による凝集反応を用いるホモジニアス免疫分析の、大きく2種類の分析手法がある。後者のホモジニアス免疫分析には、免疫比濁法、ラテックス凝集法等の測定方法がある。さらに、自動分析装置として、化学発光や、電気化学発光による検出技術とB/F(Bond/Free)分離技術によって、より高感度な免疫分析を行うヘテロジニアス免疫分析装置も知られている。
[0004]
その他、血液の凝固能を測定する自動分析装置も存在する。血管内部において、血液は流動性を保持している。しかし、一旦出血すると、血漿や血小板中に存在する凝固因子が連鎖的に活性化し、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変換され析出することで止血に至る。
[0005]
このような血液凝固能の因子として、血管外に漏れ出した血液が凝固する外因性のものと、血管内で血液が凝固する内因性のものが存在する。血液凝固能(血液凝固時間)に関する測定項目としては、外因系血液凝固反応検査のプロトロンビンの反応時間(PT)がる。また、内因系血液凝固反応における活性化部分であるトロンボプラスチンの反応時間(APTT)や、フィブリノーゲン量(Fbg)等も血液凝固能に関する測定項目となる。
ルを備えた自動分析装置において、ノズルを弾性の範囲内で反応容器の内壁へ押しつけることで、ノズルで試薬を吐出する際の位置を一定に保つ分注機構を備える」自動分析装置が開示されている(要約参照)。
先行技術文献
特許文献
[0012]
特許文献1:国際公開第2014/097973号
特許文献2:国際公開第2015/079829号
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0013]
特許文献1に記載の技術によれば、反応液全体の反応を均一にしつつ、反応液の泡立ちを低減することができる。さらに、特許文献1に記載の技術によれば、反応液を攪拌するための機構が不要となるため、システムの簡素化、及び、攪拌に要する時間の削減を実現することができ、処理能力を向上させることができる。しかし、試薬に対して、検体の量が倍程度あり、かつ、試薬の粘性が大きい場合、攪拌効率を上げるために、試薬の吐出速度が上げられる。しかしながら、コンタミネーションを低減するためには、さらなる改良が必要である。
[0014]
また、特許文献2に記載の技術によれば、試薬が反応容器の内壁に沿うように落下することで、検体と試薬との反応液中に気泡が混入させないことを実現することができる。しかしながら、コンタミネーションを低減するためには、さらなる改良が必要である。
[0015]
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、ノズルから吐出される液体物質の状態に応じた吐出を行うことを課題とする。
課題を解決するための手段
[0016]
前記した課題を解決するため、本発明は、第1の液体物質を収容している容器に対し、第2の液体物質を吐出するノズルと、前記第2の液体物質の液量、及び、前記第2の液体物質の粘性に応じて、前記ノズルの水平位置及び
向きを制御する制御部と、前記ノズルを用いて前記第2の液体物質を前記容器に分注する分注部と、前記第1の液体物質と、前記第2の液体物質との混合物に照射された光を検出する第1の検出部と、を備え、前記ノズルは、吐出端が斜め方向に切断されており、前記制御部は、吐出される前記第2の液体物質の液量と、前記容器内の前記第1の液体物質の液量との関係、及び、前記第2の液体物質の粘性と、前記第1の液体物質の粘性との関係に基づいて、前記ノズルの短手方向が前記容器の壁面側に位置するように、前記ノズルの水平位置及び向きを制御することを特徴とする。
その他の解決手段については実施形態で後記する。
発明の効果
[0017]
本発明によれば、ノズルから吐出される液体物質の状態に応じた吐出を行うことができる。
図面の簡単な説明
[0018]
[図1]第1実施形態で用いられる自動分析装置Zの構成を示す図である。
[図2]自動分析装置Zの動作を示すフローチャートである。
[図3]試薬ノズルHが反応容器Vの中心に位置している状態で試薬M1が吐出される場合を示す図である。
[図4]試薬ノズルHが反応容器Vの内壁側に位置している状態で試薬M1が吐出される場合を示す図である。
[図5]第1実施形態で用いられる分析項目の例を示す図である。
[図6]試薬M1の粘性、量と、気泡の生じやすさ、反応液M3の持ち上がり高さ、攪拌効率の関係を示す表である。
[図7]ノズル位置、ノズル高さと、気泡の生じやすさ、反応液M3の持ち上がり高さ、攪拌効率の関係を示す表である。
[図8]項目Aにおける試薬ノズルHのセット位置を示す図である。
[図9]項目Bにおける試薬ノズルHのセット位置を示す図である。
[図10]項目Cにおける試薬ノズルHのセット位置を示す図である。
[図11]第2実施形態で用いられる試薬ノズルHのセット方法を示す図である。
[図12]第3実施形態で用いられる試薬ノズルHのセット方法を示す図である。
[図13]第2実施形態と第3実施形態の切替方法を示す図である。
[図14]第4実施形態で用いられる複合型分析装置1aを示す図である。
[図15]試薬ノズルHにおける吸引の様子を示す図である。
発明を実施するための形態
[0019]
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[0020]
[第1実施形態]
(自動分析装置Z)
図1は、第1実施形態で用いられる自動分析装置Zの構成を示す図であり、図2は、自動分析装置Zの動作を示すフローチャートである。
適宜、図2を参照しつつ、図1を参照して自動分析装置Zについて説明する。
自動分析装置Zは、血液(検体(第1の液体物質))に試薬(第2の液体物質)を混合し、血液の凝固時間を測定するものである。自動分析装置Zは、分析装置1、インタフェース47、試薬分注制御装置(制御部)31、A/D(Analog/Disital)変換器32、反応容器移送制御装置33、検体分注制御装置34を有している。インタフェース47には、表示装置41、プリンタ42、コンピュータ(制御部)43、外部出力メディア44、記憶装置45、入力装置46が接続されている。試薬は、例えば、フィブリノーゲン、TTATP等である。
まず、分析装置1について説明する。
[0021]
分析装置1は、凝固時間検出部102を複数備えた反応容器温調部101、測定に使用される反応容器(容器)Vが複数ストックされている反応容器供給部103を有する。さらに、分析装置1は、反応容器Vを移送する反応容器移送部105、試薬昇温機能を備えている試薬分注装置(制御部)106を有している。そして、分析装置1は、反応容器廃棄部107、検体分注装置131、検体ディスク111、試薬ディスク121を有している。
[0022]
次に、自動分析装置Zによる、血液凝固時間測定の動作概略を説明する。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
符号の説明
[0097]
1 分析装置
1a 複合型分析装置
31 試薬分注制御装置(制御部)
33 反応容器移送制御装置
34 検体分注制御装置
43 コンピュータ(制御部)
101 反応容器温調部
102 凝固時間検出部
103 反応容器供給部
104 検体分注ポジション
105 反応容器移送部
106 試薬分注装置(制御部)
111 検体ディスク
121 試薬ディスク
121a 第1試薬ディスク
121b 第2試薬ディスク
122a 第1試薬容器(第3の液体物質が含まれる)
122b 第2試薬容器(第4の液体物質が含まれる)
131 検体分注装置
132a 第1試薬サンプリング装置
132b 第2試薬サンプリング装置
141 洗浄装置
142,143 光度計(第1の検出部、検出部)
Claims (14)
- 第1の液体物質を収容している容器に対し、第2の液体物質を吐出するノズルと、
前記第2の液体物質の液量、及び、前記第2の液体物質の粘性に応じて、前記ノズルの水平位置を制御する制御部と、
前記第2の液体物質を前記ノズルを用いて前記容器に分注する分注部と、
前記第1の液体物質と、前記第2の液体物質との混合物に照射された光を検出する第1の検出部と、
を備え、
前記制御部は、
吐出される前記第2の液体物質の液量及び前記第2の液体物質の粘性に応じて、前記ノズルの水平位置を制御する
ことを特徴とする自動分析装置。 - 前記制御部は、
吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より多く、かつ、前記第2の液体物質の粘性が、前記第1の液体物質の粘性と同等又は前記第1の液体物質の粘性より低いか否かを判定する判定部を有し、
前記制御部は、
前記判定部が、吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より多く、かつ、前記第2の液体物質の粘性が、前記第1の液体物質の粘性と同等又は前記第1の液体物質の粘性より低いと判定した場合、
前記ノズルの水平位置を、前記容器の中心位置とする
ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。 - 前記制御部は、
吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より少ないか、又は、前記第2の液体物質の粘性が、前記第1の液体物質の粘性より高いか否かを判定する判定部を有し、
前記制御部は、
前記判定部が、吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より少ないか、又は、前記第2の液体物質の粘性が、前記第1の液体物質の粘性より高いと判定した場合、
前記ノズルの水平位置を、前記容器の内壁側に位置させる
ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。 - 前記ノズルの吐出端が斜め方向に切断されており、
前記ノズルの短手方向が前記容器の壁面側となるよう設置される
ことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。 - 前記ノズルの吐出端が斜め方向に切断されており、
前記ノズルの長手方向が前記容器の壁面側となるよう設置される
ことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。 - 前記ノズルの吐出端が斜め方向に切断されており、
前記制御部は、
前記第2の液体物質の液量及び前記第2の液体物質の粘性に応じて、前記ノズルの短手方向が前記容器の壁面側となるよう設置するか、前記ノズルの長手方向が前記容器の壁面側となるよう設置するかを選択する
ことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。 - 前記制御部は、
吐出される前記第2の液体物質の液量、及び、吐出される前記第2の液体物質の粘性に応じて、前記ノズルの高さを制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。 - 前記判定部は、
吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より少なく、かつ、吐出される前記第2の液体物質の粘性が、前記容器内の前記第1の液体物質の粘性より高いか否かを判定し、
前記制御部は、
前記判定部が、吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より少なく、かつ、吐出される前記第2の液体物質の粘性が、前記容器内の前記第1の液体物質の粘性より高いと判定した場合、
前記ノズルの高さを、前記第1の液体物質及び前記第2の液体物質の混合物が付着しない高さまで下げる
ことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。 - 前記判定部は、
吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より少なく、かつ、吐出される前記第2の液体物質の粘性が、前記容器内の前記第1の液体物質の粘性同等又は低いか否かを判定し、
前記制御部は、
前記判定部が、吐出される前記第2の液体物質の液量が、前記容器内の前記第1の液体物質の量より少なく、かつ、吐出される前記第2の液体物質の粘性が、前記容器内の前記第1の液体物質の粘性同等又は低いと判定した場合、
前記ノズルの高さを、記第1の液体物質及び前記第2の液体物質の混合物が付着しない高さまで上げる
ことを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。 - 前記容器の内壁に凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。 - 前記第1の液体物質は、血液であり、
前記第2の液体物質は、前記血液を凝固させる物質である
ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。 - 前記第1の液体物質は、第3の液体物質及び第4の液体物質の混合液であり、
前記容器とは異なる容器で混合されている前記第3の液体物質及び前記第4の液体物質の混合液における化学反応を計測する第2の検出部
を有することを特徴とする請求項11に記載の自動分析装置。 - 前記第3の液体物質及び前記第4の液体物質を吸い上げるノズルの先端が斜め形状を有している
ことを特徴とする請求項12に記載の自動分析装置。 - 第1の液体物質を収容している容器に対し、第2の液体物質を吐出するノズルと、
前記第2の液体物質の液量、及び、前記第2の液体物質の粘性に応じて、前記ノズルの水平位置を制御する制御部と、
前記第2の液体物質を前記ノズルを用いて前記容器に分注する分注部と、
前記第1の液体物質と、前記第2の液体物質との混合物に照射された光を検出する検出部と、
を備え、
前記制御部が、
吐出される前記第2の液体物質の液量及び前記第2の液体物質の粘性に応じて、前記ノズルの水平位置を制御する
ことを特徴とする自動分析方法。
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