<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における再生システム1の構成図である。第1実施形態の再生システム1は、例えば楽曲を再生するコンピュータシステムであり、クラブまたはライブハウス等の各種イベント会場に設置される。再生システム1の利用者は、例えばディスクジョッキー(DJ)である。
図1に例示される通り、第1実施形態の再生システム1は、制御システム10と操作装置20と振動装置30とを具備する。操作装置20は、制御システム10が再生する楽曲のうち時間軸上において再生される時点(「再生点」という)Pを変化させるために利用者が操作する操作機器である。再生点Pは操作装置20(操作部230)に対する操作で変化すると換言してもよい。振動装置30は、制御システム10が再生する音を振動により触覚的に利用者に知覚させる機器である。操作装置20および振動装置30の詳細については、後述する。
制御システム10は、楽曲の再生と振動装置30の振動とを利用者からの指示に応じて制御する。例えばスマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の可搬型の情報端末が制御システム10として利用されてもよい。制御システム10は、有線または無線で操作装置20および振動装置30と接続される。第1実施形態では、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信より、制御システム10と操作装置20および振動装置30の各々とが接続される。
図1に例示される通り、制御システム10は、記憶装置110と通信装置120と放音装置130と表示装置140と入力装置150と制御装置160とを具備する。記憶装置110は、制御装置160が実行するプログラムと制御装置160が使用する各種のデータ(例えば音信号)とを記憶する。音信号は、楽曲の演奏により発音される音響(例えば歌唱音または演奏音)の時間波形を表現する。例えば半導体記録媒体等の公知の記録媒体が記憶装置110として任意に採用される。制御システム10に対して着脱可能な記録媒体を記憶装置110として利用してもよい。通信装置120は、操作装置20および振動装置30と通信するための通信機器である。
放音装置130(例えばスピーカー)は、制御装置160(再生制御部62)から供給される音信号に応じた楽曲を再生する。つまり、放音装置130は、楽曲に応じた音響を空気振動として放射する。なお、制御システム10に外付けされた放音装置130、または、制御システム10と通信可能な放音装置130を楽曲の再生に利用してもよい。つまり、放音装置130と制御システム10とは別体および一体の何れでもよい。表示装置140は、例えば液晶表示パネルであり、制御装置160から指示された各種の画像を表示する。具体的には、表示装置140は、再生する楽曲の音信号の波形を表示する。
入力装置150は、制御システム10に対する各種の指示のために利用者が操作する操作機器であり、例えば利用者が操作する複数の操作子を含んで構成される。なお、表示装置140と一体に構成されたタッチパネルを入力装置150として採用してもよい。入力装置150は、例えば楽曲の再生の開始および終了の指示を利用者から受け付ける。
制御装置160は、記憶装置110に記憶されたプログラムを実行することで、楽曲の再生と振動装置30の振動とを制御するための機能(再生制御部62および振動制御部64)を実現する。なお、制御装置160の一部の機能を専用の電子回路で実現した構成、または、制御装置160の機能を複数の装置に分散した構成を採用してもよい。
再生制御部62は、楽曲を放音装置130に再生させる。具体的には、再生制御部62は、楽曲の音信号のうち再生点Pに対応する部分(以下「再生部分」という)が表す音を放音装置130に再生させる。再生部分は、音信号を構成するサンプルの時系列である。第1実施形態の再生制御部62は、所定の周期t毎(時刻t1,t2,t3,…)に再生点Pを音信号の時間軸上で移動量Eだけ移動させて、当該移動後の再生点Pに対応した再生部分(すなわち音信号の一部)を放音装置130に供給する。周期tは、楽曲の時間長に対して非常に短い期間である。第1実施形態の移動量Eは、操作装置20に対する操作に応じて変化し、操作装置20に対する操作がない場合は一定である。他方、再生点Pは、操作部230に対する操作がある場合は、当該操作に応じて変化する。操作部230に対する操作については、後述する。
楽曲の再生開始の指示を入力装置150が受け付けると、再生制御部62は、操作装置20に対する操作がない状態では、楽曲の先頭から末尾にむかって(つまり時間軸上の後方にむかって)再生点Pを周期t毎に音信号の時間軸上で移動量E0だけ移動させる。移動量E0は一定である。周期t毎に移動量E0だけ再生点Pが後方に移動する状態では、楽曲を通常の状態(早送りおよび早戻し等していない状態)で再生させる。他方、操作装置20に対する操作があると、再生制御部62は、操作装置20への操作に応じて再生点Pを音信号の時間軸上で変化させる。
図2は、図1の振動装置30におけるIII−III線の断面図である。操作装置20は、上述した通り、再生点Pを変化させるために利用者が操作する操作機器であり、例えばターンテーブルである。具体的には、操作装置20は、図2に例示される通り、筐体210と操作部230と操作検出部250と通信装置270とを具備する。筐体210は、例えば直方体に形成された中空の構造体である。操作部230は、筐体210の1つの上面に設置され、操作検出部250と通信装置270とは、筐体210に収容される。
操作部230は、図1に例示される通り、再生点Pを変化させるために利用者が接触した状態で操作する操作子である。第1実施形態の操作部230は、筐体210に支持された円盤であり、利用者の操作に応じて回転する。操作部230は、右回り(時計回り)および左回り(反時計回り)の双方向に回転する。利用者は、手のひらを操作部230の表面に接触させた状態で任意の方向および速度で回転させることで、再生点Pを変化させる。再生点Pを変化させる操作は、例えばスクラッチ等のDJプレイであり、楽曲の時間軸上のうち任意の時点で行われる。操作部230の回転方向は、楽曲の時間軸上(つまり音信号の時間軸上で)での再生点Pの移動方向に対応する。具体的には、右回りに操作部230を回転させる動作は、再生点Pを時間軸上で後方(順方向)に移動させる操作(例えば早送り)に対応し、左回りに操作部230を回転させる動作は、再生点Pを時間軸上で前方(逆方向)に移動させる操作(例えば早戻し)に対応する。
操作検出部250は、操作部230に対する操作に応じた操作情報を生成する。具体的には、操作検出部250は、図3の操作部230の回転量Dと回転方向(右回りXBまたは左回りYB)とを含む操作情報を周期t毎に生成する。周期tにおける回転量Dが大きいほど、利用者が操作部230を回転させる速度は速い。第1実施形態の操作検出部250は、操作部230に対する操作を表す検出信号を検出し、当該検出信号から操作情報を生成する。検出信号の生成には、例えば操作部230の回転を光学的に検出するロータリーエンコーダー等のセンサーを利用してもよい。図3では、左回りYBに回転させる操作に連続して右回りXBに回転させる操作が時刻t0から時刻t3にかけて操作部230に対して行われた場合に生成される操作情報を想定する。操作検出部250は、図3に例示される通り、時刻t1においては回転量D1と左回りYBとを含む操作情報を、時刻t2においては回転量D2と左回りYBとを含む操作情報を、時刻t3においては回転量D3と右回りXBとを含む操作情報をそれぞれ生成する。なお、回転量D3は、操作部230を左回りYBに回転させる速度が右回りXBに回転させる速度よりも速かったので、回転量D1および回転量D2よりも大きい。
図2の操作装置20の通信装置270は、制御システム10と通信するための通信機器である。具体的には、通信装置270は、操作検出部250が生成した操作情報を制御システム10に順次に送信する。
図1の制御システム10の通信装置120は、操作装置20の通信装置270が送信した操作情報を受信する。再生制御部62は、通信装置120が受信した操作情報に応じて再生点Pを音信号の時間軸上で移動させる。操作情報には、上述した通り、操作部230の回転方向(XBまたはYB)と回転量Dとが含まれる。具体的には、再生制御部62は、回転方向に応じた方向に回転量Dに応じた移動量Eだけ再生点Pを周期t毎に移動させる。再生点Pは、回転方向が右回りXBの場合は時間上で後方に移動し、回転方向が左回りYBの場合は時間軸上で前方に移動する。回転量Dが多いほど、移動量Eは大きい。
図4は、音信号の時間軸上での再生点Pの変化の説明図である。図4では、時刻t1,時刻t2および時刻t3の各々における操作情報を通信装置120がこの順番で受信した場合の再生点Pの変化を想定する。操作部230の回転方向(右回りXB)は、音信号の時間軸上の後方XAに対応し、操作部230の回転方向(左回りYB)は、音信号の時間軸上の前方YAに対応する。再生制御部62は、図4に例示される通り、時刻t0から時刻t1にかけて回転量D1に応じた移動量E1だけ再生点Pを前方YAに移動させる。再生制御部62は、時刻t1から時刻t2にかけて回転量D2に応じた移動量E2だけ再生点Pを前方YAに移動させる。再生制御部62は、時刻t2から時刻t3にかけて回転量D3に応じた移動量E3だけ再生点Pを後方XAに移動させる。なお、再生制御部62は、図4に例示される通り、利用者による操作部230に対する操作が終了すると、楽曲の後方XAに移動量E0だけ再生点Pを時刻t3の位置から周期t毎(時刻t4,t5…)に再び移動させる、つまり通常の再生に戻る。
図1の放音装置130は、音信号のうち再生制御部62から供給された再生部分が表す音を放音する。操作部230に対する操作がされていない場合、つまり周期t毎に後方XAへ移動量E0だけ再生点Pが移動する場合、利用者は、通常の速度で楽曲が再生されているように感じる。それに対して、例えば操作部230を右回りXBに回転させる操作があった場合、利用者は、移動量Eが移動量E0より大きい場合は速く(つまり早送りされているように)感じ、移動量Eが移動量E0より小さい場合は遅く(つまり遅送りされているように)感じる。例えば図4の移動量E3は移動量E0よりも大きいので、利用者は、早送りで再生されているように感じる。以上の説明から理解される通り、操作部230に対する操作に応じて楽曲の再生速度と再生方向とが変化する。
図1の振動制御部64は、音信号のうち再生部分に応じて操作部230を振動させるための信号(以下「振動信号」という)を生成する。第1実施形態の振動制御部64は、音信号のうち再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分を振動信号として生成する。通信装置120は、振動制御部64が生成した振動信号を振動装置30に送信する。
振動装置30は、楽曲のうち再生点Pに対応する音に応じて振動する機器であり、図2に例示される通り、操作部230の表面(例えば操作部230の表面の中心)に載せられる。振動装置30の振動は操作部230に伝播する。利用者は、振動装置30が表面に載せられた操作部230を接触した状態で操作するので、振動装置30の振動を操作部230から感じ取ることができる。
具体的には、振動装置30は、図5に例示される通り、筐体310と通信装置330と振動付与部350とを具備する。筐体310は、円柱状に形成された中空の構造体である。通信装置330と振動付与部350とは筐体310に収容される。通信装置330は、制御システム10と通信するための通信機器である。具体的には、通信装置330は、制御システム10が送信した振動信号を受信する。
振動付与部350は、振動信号(つまり再生部分)に応じて操作部230を振動させる。具体的には、振動付与部350は、通信装置330が受信した振動信号に応じて筐体310を振動させることで、筐体310(振動装置30)が載せられた操作部230を振動させる。筐体310は、再生部分の振幅が大きいほど強く振動する。
振動付与部350としては、偏心モータ、リニア・バイブレータまたは圧電素子等のアクチュエータが好適に利用されてもよい。偏心モータは、偏心錘が回転軸に固定されたモータである。振動信号を偏心モータに供給することで、音信号の再生部分に応じた振動が筐体310に発生する。リニア・バイブレータは、コイルに対する給電で磁界を発生させることで可動体を変位させるアクチュエータである。リニア・バイブレータのコイルに振動信号を供給することで、音信号の再生部分に応じた振動が筐体310に発生する。圧電素子は、相対向する一対の電極の間に圧電体を介在させた駆動素子である。圧電素子の一方の電極に振動信号を供給することで、音信号の再生部分に応じた振動が筐体310に発生する。なお、振動付与部350に電力を供給する電池(図示略)が筐体310に内蔵されている。振動付与部350に外部から電力を供給してもよい。
筐体310が載せられた操作部230は、筐体310の振動に連動して振動する。したがって、操作部230を接触した状態で操作する利用者は、放音装置130に供給される再生部分に応じた振動を感じることができる。以上の説明から理解される通り、利用者は、再生部分が表す音を、放音装置130の放音により聴覚的に感じ取るだけでなく触覚的に感じ取ることができる。
図6は、制御システム10の制御装置160のフローチャートである。利用者からの楽曲再生の指示を契機として図6の処理が開始される。再生制御部62は、楽曲の先頭から末尾にむかって(つまり時間軸上の後方XAにむかって)再生点Pを音信号の時間軸上で移動量E0だけ移動させる(S1)。再生制御部62は、ステップS1で移動した再生点Pに対応した再生部分を放音装置130へ供給する(S2)。ステップS1およびステップS2は、楽曲を通常再生(所期の再生速度での再生)させる処理である。振動制御部64は、ステップS2で再生制御部62が放音装置130に供給した再生部分から振動信号を生成する(S3)。再生制御部62は、操作情報を受信した場合(S4;YES)、操作情報に応じた方向(XAまたはYB)および移動量Eで再生点Pを音信号の時間軸上で移動させる(S5)。ステップS5の処理が終わると、ステップS2からステップS4までの処理が繰り返される、つまり操作部230に対する操作に応じて楽曲の再生がされる。再生制御部62は、操作情報を受信しない場合(S4;NO)、ステップS1からステップS3までの処理が繰り返される、つまり楽曲の通常再生が引き続き実行される。なお、図6の処理は、利用者からの楽曲再生の指示を受けた場合、または、楽曲の末尾まで再生が終了した場合に終了する。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。以下に例示する各態様において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態の操作部230は筐体210に支持された円盤であるのに対して、第2実施形態では、楽曲の音信号が記録されたレコードV(つまりアナログレコード)が操作部230として利用される。第1実施形態の再生制御部62は、記憶装置110に記憶された音信号を放音装置130に供給するのに対して、第2実施形態の再生制御部62は、レコードVに記録された音信号を放音装置130に供給する。
第2実施形態の再生システム1は、第1実施形態と同様に、制御システム10と操作装置20と振動装置30とを具備する。図7は、第2実施形態に係る操作装置20の構成図であり、図8は、図7におけるVIII−VIII線の断面図である。第2実施形態の操作装置20は、筐体210とレコードV(操作部230)と通信装置270と載置部280と検出装置290とを具備する。筐体210は、第1実施形態と同様に、例えば直方体に形成された中空の構造体である。載置部280と検出装置290とは、筐体210の上面に設置され、通信装置270は、筐体210に収容される。具体的には、載置部280は、レコードVを回転させる円盤であり、筐体210に支持される。レコードVは、載置部280に載せられる。例えばモータ等の駆動装置(図示略)により回転するプラッターが載置部280として採用される。載置部280の表面の中心には、図8に例示される通り、レコードVの中心穴33に挿入される凸状の係合部81が設置される。レコードVは、中心穴33に係合部81が挿入するように、載置部280の表面に載せられる。
第2実施形態のレコードVには、前述の通り、楽曲の音信号が記録される。具体的には、レコードVの表面には、音信号を表した溝部(図示略)が形成される。溝部は、例えばレコードVの内周から外周にむかって右回りの渦巻状に形成される。溝部の内面は、音信号の波形に応じた形状に形成される。溝部が表す音信号は、レコードVの外周から内周にむかって時間軸上で後方に進行する。つまり、溝部のうちレコードVの外周側に位置する部分は楽曲の先頭部分に対応し、溝部のうちレコードVの内周側に位置する部分は楽曲の末尾部分に対応する。
図7の検出装置290は、レコードVに記録された音信号を検出する検出機器であり、検出部91と支持部93とを具備する。検出部91は、音信号のうち再生部分をレコードVから検出する検出子であり、例えばレコード針と、レコード針の振動を電気信号に変換する電気回路(図示略)とを含んで構成される。検出部91による再生部分の検出の詳細については、後述する。支持部93は、検出部91を支持するための腕状の部材であり、例えばトーンアームである。支持部93の一方の端部は、筐体210の表面に支持され、他方の端部は検出部91を支持する。支持部93は、筐体210に支持されている端部を中心に、筐体210に対して水平方向および垂直方向に動く。利用者は、支持部93を動かすことで検出部91の先端をレコードVの表面に形成された溝部の任意の地点に接触させる。利用者は、載置部280に載せられたレコードVの溝部のうち任意の部分に検出部91の先端を接触させた状態で、入力装置150に対して楽曲再生の指示の操作を行う。
載置部280は、楽曲再生の指示を入力装置150が受け付けると、一定の速度で右回りに回転を開始する。載置部280に載せられたレコードVも載置部280の回転とともに回転する。レコードVの回転速度および回転方向は、利用者からのレコードVに対する操作に応じて変化し、操作装置20に対する操作がない場合は一定(つまり載置部280の回転速度に対応した速度および回転方向)である。
レコードVの溝部に接触した状態の検出部91は、レコードVの回転とともに、溝部に沿って移動する。第2実施形態では、レコードVに記録された音信号のうち検出部91の接触位置に対応した時点が「再生点P」である。検出部91は、音信号のうち再生点Pに対応する再生部分を検出する。なお、検出部91が検出した再生部分をアナログからデジタルに変換するA/D変換器の図示は便宜的に省略した。
レコードVに対する操作がない場合、再生点Pは、載置部280の回転に応じて連続的に時間軸上の後方に進行する。他方、レコードVに対する操作があると、再生点Pは、当該操作に応じて移動する。なお、レコードVに対する操作がない場合は、楽曲が通常に再生される。
第2実施形態のレコードVは、再生点Pを変化させるために利用者が接触した状態で操作する操作部230として利用される。第2実施形態のレコードVは、第1実施形態の操作部230と同様に、利用者の操作に応じて右回りと左回りの双方向に回転する。利用者は、手のひらをレコードVの表面に接触させた状態で任意の方向および速度で回転させることで、溝部に対する検出部91の接触位置(つまり再生点P)を変化させる。再生点Pに連動して再生部分も変化する。レコードVと載置部280の間には両者間の摩擦を低減するためのスリップマット(図示略)が載せられている。したがって、レコードVに対する操作が発生しても、載置部280は一定の速度で右回りに回転し続ける。
レコードVの回転方向は、第1実施形態と同様に、音信号の時間軸上における再生点Pの移動方向に対応する。具体的には、右回りXBにレコードVを回転させる動作は、再生点Pを時間軸上で後方XAに移動させる操作に対応し、左回りYBにレコードVを回転させる動作は、再生点Pを時間軸上で前方YAに移動させる操作に対応する。
レコードVの回転速度は、検出部91の接触位置(つまり再生点P)が移動する速度に対応する。レコードVを載置部280の回転速度よりも早く右回りXBに回転させた場合は、通常よりも早い速度で再生(早送り)させる状態に対応し、レコードVを載置部280の回転速度よりも遅く右回りXBに回転させた場合は、通常よりも遅い速度で再生(遅送り)させる状態に対応する。なお、レコードVは、利用者によるレコードVに対する操作が終了すると、再び載置部280の回転に応じて回転する、つまり通常再生させる状態に戻る。
図8の通信装置270は、レコードVに記録された音信号のうち再生部分を制御システム10に送信する。図1の制御システム10の通信装置120は、操作装置20が送信した再生部分を受信する。第2実施形態の再生制御部62は、音信号のうち検出部91が検出した再生部分が表す音を放音装置130に再生させる。具体的には、再生制御部62は、音信号のうち通信装置120から供給された再生部分を放音装置130に供給する。なお、第2実施形態の再生制御部62は、実際には、増幅処理またはイコライジング等の音響処理を再生部分に対して行ってから放音装置130に供給する。放音装置130は、第1実施形態と同様に、音信号のうち再生制御部62から供給された再生部分が表す音を放音する。
第2実施形態の振動制御部64は、音信号のうち検出部91が検出した再生部分に応じて振動信号を生成する。具体的には、振動制御部64は、第1実施形態と同様に、音信号のうち再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分を振動信号として生成する。通信装置120は、第1実施形態と同様に、振動制御部64が生成した振動信号を振動装置30に送信する。
図5の振動装置30は、第1実施形態と同様に、楽曲のうち再生点Pに対応する音に応じて振動する機器であり、筐体310と通信装置330と振動付与部350とを具備する。ただし、第2実施形態の筐体310は、図8に例示される通り、載置部280に形成された凸状の係合部81に係合する凹部370を底面に具備する。第2実施形態の振動装置30は、図8に例示される通り、筐体310に形成された凹部370が載置部280の係合部81に対して着脱可能に係合する。具体的には、振動装置30は、レコードVの中心穴33に挿入された係合部81に筐体310の凹部370を係合させた状態で、レコードVの表面に載せられる。すなわち、レコードVは載置部280の上面と筐体310の底面との間に挟まれる。
通信装置330は、第1実施形態と同様に、制御システム10が送信した振動信号を受信する。振動付与部350は、第1実施形態と同様に、振動信号(つまり再生部分)に応じてレコードV(操作部230)を振動させる。したがって、レコードVを接触した状態で操作する利用者は、第1実施形態と同様に、放音装置130に供給される再生部分に応じた振動を感じることができる。
図9は、第2実施形態における再生制御部62の制御装置160のフローチャートである。利用者からの楽曲再生の指示を契機として図9の処理が開始される。再生制御部62は、音信号のうち操作装置20が生成した再生部分を放音装置130に供給する、つまり音信号のうち再生部分が表す音を放音装置130に再生させる(S2)。なお、操作装置20は、載置部280の回転、または、レコードVに対する操作に応じて再生部分を生成する。振動制御部64は、ステップS2で再生制御部62が放音装置130に供給した再生部分から振動信号を生成する(S3)。ステップS3の処理が終わると、ステップS2の処理が繰り返される。なお、図9の処理は、利用者からの楽曲再生の終了の指示を受けた場合、または、楽曲の末尾まで再生が終了した場合に終了する。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第2実施形態では特に、操作部230としてのレコードVが載置された状態で載置部280が回転するので、レコードVを扱うDJプレイのスタイルを維持できる。また、第2実施形態では、載置部280の表面の中心に形成されレコードVの中心穴33に挿入される凸状の係合部81に、振動付与部350を収容する筐体310が係合する。したがって、レコードVの中心穴33に挿入される凸状の係合部81を振動付与部350(筐体310)の装着に利用することができ、また、載置部280への振動付与部350の装着が容易である。
<第3実施形態>
第2実施形態の操作部230は、楽曲の音信号が記録されたレコードVであるのに対して、第3実施形態の操作部230は、時間データの時系列を表す信号(以下「時間信号」という)が記録されたレコードV(つまりタイムコードレコード)である。時間データとは、時間軸上の各時点の時刻を示す情報であり、音信号の時間軸上の各時点に対応する。レコードVに記録される時間信号は、楽曲に固有ではなく、複数の楽曲において共通である。なお、時間データは、時間軸上の各時点の時刻を示す情報に限定されず、音信号の時間軸上の各時点を特定できる情報(例えば時間軸上の各時点に付与された連番)であれば任意である。第2実施形態の再生制御部62は、レコードVに記録された音信号を放音装置130に供給するのに対して、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、記憶装置110に記憶された音信号を放音装置130に供給する。
第3実施形態の再生システム1は、第2実施形態と同様に、制御システム10と操作装置20と振動装置30とを具備する。第3実施形態の操作装置20は、第2実施形態と同様に、筐体210とレコードVと通信装置270と載置部280と検出装置290とを具備する。第3実施形態のレコードVは、第2実施形態と同様に、中心穴33に係合部81が挿入するように載置部280の表面に載せられる。
第3実施形態のレコードVの表面には、時間信号を表した溝部(図示略)が形成される。溝部は、第2実施形態と同様に、例えばレコードVの内周から外周にむかって右回りの渦巻状に形成される。第3実施形態の溝部の内面は、時間信号が表す時間データに応じた形状に形成される。溝部が表す時間信号は、レコードVの外周から内周にむかって時間軸上で後方に進行する。つまり、溝部のうちレコードVの外周側に位置する部分が示す時間データは時間的に前方であり、溝部のうちレコードVの内周側に位置する部分が示す時間データは時間的に後方である。
第3実施形態の検出装置290は、レコードVに記録された時間信号を検出する検出機器であり、第2実施形態と同様に、検出部91と支持部93とを具備する。第3実施形態の検出部91は、時間信号のうち再生点Pを示す時間データを検出する検出子であり、第2実施形態と同様に、例えばレコード針と、レコード針の振動を電気信号に変換する電気回路(図示略)とを含んで構成される。
第3実施形態の載置部280は、第2実施形態と同様に、楽曲再生の指示を入力装置150が受け付けると、一定の速度で右回りに回転を開始する。載置部280に載せられたレコードVも載置部280の回転とともに回転する。レコードVの回転速度および回転方向は、利用者からのレコードVに対する操作に応じて変化し、操作装置20に対する操作がない場合は一定(つまり載置部280の回転速度に対応した速度および回転方向)である。
レコードVの溝部に接触した状態の検出部91は、レコードVの回転とともに、溝部に沿って移動する。第3実施形態の検出部91は、前述の通り、時間信号のうち再生点Pを示す時間データを検出する。
レコードVに対する操作がない場合、検出部91が検出する時間データ(つまり再生点P)は、載置部280の回転に応じて連続的に時間軸上の後方に進行する。他方、レコードVに対する操作があると、検出部91が検出する時間データは、当該操作に応じて時間信号の時間軸上で移動する。
第3実施形態のレコードVは、第2実施形態と同様に、再生点Pを変化させるために利用者が接触した状態で操作する操作部として利用される。利用者は、第2実施形態と同様に、レコードVを操作することで、溝部に対する検出部91の接触位置(つまり検出部91が検出する時間データ)を変化させる。
第3実施形態の通信装置270は、レコードVに記録された時間信号のうち検出部91が検出した時間データを制御システム10に送信する。制御システム10の通信装置120は、操作装置20が送信した時間データを受信する。第3実施形態の再生制御部62は、記憶装置110に記憶された音信号のうち、検出部91が検出した時間データが示す再生点Pに対応する再生部分が表す音を放音装置130に再生させる。具体的には、再生制御部62は、音信号の時間軸上で通信装置120が受信した時間データが示す再生点Pの再生部分を放音装置130に供給する。放音装置130は、第2実施形態と同様に、音信号のうち再生制御部62から供給された再生部分が表す音を放音する。
第3実施形態の振動制御部64は、検出部91が検出した時間データが示す再生点Pに対応する再生部分に応じて振動信号を生成する。具体的には、振動制御部64は、第2実施形態と同様に、音信号のうち再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分を振動信号として生成する。通信装置120は、第1実施形態と同様に、振動制御部64が生成した振動信号を振動装置30に送信する。
振動装置30は、第2実施形態と同様に、楽曲のうち再生点Pに対応する音に応じて振動する機器であり、筐体310と通信装置330と振動付与部350とを具備する。第3実施形態の振動装置30は、第2実施形態と同様に、筐体310に形成された凹部370が載置部280の係合部81に対して着脱可能に係合する状態で、レコードVの表面に載せられる。
第3実施形態の通信装置330は、第2実施形態と同様に、制御システム10が送信した振動信号を受信する。第3実施形態の振動付与部350は、第2実施形態と同様に、振動信号(つまり再生部分)に応じてレコードV(操作部)を振動させる。したがって、レコードVを接触した状態で操作する利用者は、第2実施形態と同様に、放音装置130に供給される再生部分に応じた振動を感じることができる。
第3実施形態における再生制御部62の制御装置160の処理の説明をする。利用者からの楽曲再生の指示を契機として図9の処理が開始される。再生制御部62は、音信号のうち、操作装置20が検出した時間データが示す再生点Pの再生部分を放音装置130に供給する、つまり音信号のうち再生部分が表す音を放音装置130に再生させる(S2)。なお、操作装置20は、載置部280の回転、または、レコードVに対する操作に応じて時間データを検出する。振動制御部64は、第2実施形態と同様に、ステップS2で再生制御部62が放音装置130に供給した再生部分から振動信号を生成する(S3)。ステップS3の処理が終わると、ステップS2の処理が繰り返される。なお、図9の処理は、利用者からの楽曲再生の終了の指示を受けた場合、または、楽曲の末尾まで再生が終了した場合に終了する。
第3実施形態においても第2実施形態と同様の効果が実現される。第3実施形態では特に、レコードVに記録された時間データの時系列を利用して、レコードVを振動させることが可能である。一方で、レコードVに記録された音信号のうち検出部91が検出した再生部分に応じてレコードVが振動する第2実施形態の態様によれば、レコードVに記録された音信号を利用して、操作部を振動させることが可能である。
<第4実施形態>
第1実施形態の振動制御部64は、音信号のうち再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分を振動信号として生成した。それに対して、第4実施形態の振動制御部64は、音信号のうち再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分の信号強度を調整した振動信号を生成する。
第4実施形態の再生制御部62は、第1実施形態と同様に、音信号のうち再生部分を放音装置130に供給する。第4実施形態の振動制御部64は、再生部分の信号強度が所定の閾値を上回る場合に、再生部分の信号強度を調整する。具体的には、振動制御部64は、再生部分において信号強度が閾値を上回る部分を圧縮した振動信号を生成する。再生部分の圧縮には、コンプレッサ処理等の音響処理が任意に採用される。なお、振動制御部64は、再生部分の信号強度が閾値を下回る場合は、再生部分を振動信号として生成する。所定の閾値は、例えば利用者が十分に振動を知覚できるが、振動装置30の振動が過度に大きくならない所定値に設定される。例えば利用者からの指示に応じて閾値を変更してもよい。
第4実施形態の通信装置120は、第1実施形態と同様に、振動制御部64が生成した振動信号を振動装置30に送信する。振動装置30(振動付与部350)は、第1実施形態と同様に、制御システム10から送信された振動信号に応じて(つまり再生部分に応じて)操作部230を振動させる。
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。ここで、放音装置130から放音される音の音量を増加させる場合、再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分の信号強度を高くして(つまり振幅を大きくして)放音装置130に供給する。したがって、第1実施形態の構成では、振動制御部64が生成する振動信号の信号強度も高くなる。しかし、振動信号の信号強度を高くしすぎると、操作部230の振動が過度に大きくなるといった問題がある。それに対して第4実施形態では、再生部分において信号強度が閾値を上回る部分を圧縮した振動信号が生成されるので、放音装置130から放音される音の音量を大きくした場合でも、操作部230の振動が過度に大きくなることを低減できる。ただし、音信号のうち再生部分を振動信号として生成する第1実施形態の構成によれば、振動信号を生成するための特別な信号処理が不要である。したがって、振動信号を生成するための処理が簡素化される。また、放音装置130が再生する音を操作部230の振動がより適切に表すことができる。なお、第4実施形態は、第2実施形態および第3実施形態に適用してもよい。
<第5実施形態>
第1実施形態の再生システム1では、基本的には、音信号のうち再生部分が表す音は放音装置130から聞こえる。しかし、第1実施形態では、放音装置130に供給する再生部分を振動信号として振動装置30も供給しているため、振動装置30からも再生部分が表す音が聞こえる。そこで、第5実施形態では、振動装置30から音を聞こえ難くする。
第5実施形態の再生制御部62は、第1実施形態と同様に、音信号のうち再生部分を放音装置130に供給する。振動制御部64は、音信号のうち再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分から振動信号を生成する。第5実施形態の振動制御部64は、音信号(再生部分)の周波数特性を調整した振動信号を生成する。具体的には、振動制御部64は、再生部分において高域側の周波数成分を抑制した振動信号を生成する。高域側の周波数成分の抑制には、再生部分のうち遮断周波数を下回る帯域成分を選択する低域通過フィルタが利用される。
第5実施形態の通信装置120は、第1実施形態と同様に、振動制御部64が生成した振動信号を振動装置30に送信する。振動装置30(振動付与部350)は、第1実施形態と同様に、制御システム10から送信された振動信号に応じて(つまり再生部分に応じて)操作部230を振動させる。
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第5実施形態では特に、再生部分において高域側の周波数成分を抑制した振動信号が生成される。したがって、振動信号が供給される振動装置30から高域成分の音は聞こえ難くなる。なお、第5実施形態は、第2実施形態および第3実施形態に適用してもよい。
<第6実施形態>
第1実施形態から第5実施形態では、振動装置30を操作部230に載置した構成を例示した。第6実施形態から第8実施形態においては、振動装置30(振動付与部)が操作装置20に搭載される。制御システム10の構成は第1実施形態から第5実施形態と同様である。
図10は、第6実施形態における操作装置20の構成を示す断面図である。図10に例示される通り、第6実施形態の操作装置20は、筐体210と操作部230と駆動機構50Aと振動付与部60Aとを具備する。筐体210は、操作部230を支持する中空の構造体であり、駆動機構50Aと振動付与部60Aとを収容する。
駆動機構50Aは、操作部230を一定の角速度で回転させる。振動付与部60Aは、操作部230を振動させる。第6実施形態の振動制御部64は、音信号のうち再生点Pに対応した再生部分に応じた振動信号を振動付与部60Aに出力する。振動付与部60Aは、振動制御部64から供給される振動信号に応じて操作部230を振動させる。
図10に例示される通り、第6実施形態の駆動機構50Aは、配線基板511と永久磁石512とコイル513と回転軸514とを具備する。回転軸514は、操作部230の裏面から垂直に突起する。配線基板511は、表面に配線パターンが形成された基板である。配線基板511の表面にコイル513が設置される。永久磁石512は、操作部230の裏面に固定された円環状の磁性体である。配線基板511を介して供給される電流によりコイル513に発生した磁界と、永久磁石512の磁界との相互的な作用により回転軸514が回転する。なお、配線基板511には、操作部230の回転を検出する検出器(図示略)が設置される。検出器(ピックアップ)は、例えばロータリーエンコーダである。
第6実施形態の振動付与部60Aはソレノイドである。振動制御部64から出力された振動信号は振動付与部60Aに供給される。振動付与部60Aは、振動制御部64から供給される振動信号に応じて回転軸514を軸方向に振動させる。すなわち、振動付与部60Aは、振動信号に応じて操作部230を振動させる。なお、回転軸514と筐体210の底部との間には、回転軸514の衝突による衝撃を緩和する緩衝体(クッション)211が設置される。
<第7実施形態>
図11は、第7実施形態における操作装置20の構成を示す断面図である。図11に例示される通り、第7実施形態の操作装置20は、筐体210と操作部230と駆動機構50Bと振動付与部60Bとを具備する。筐体210は、操作部230を支持する。駆動機構50Bおよび振動付与部60Bは筐体210に収容される。
第7実施形態の駆動機構50Bは、回転体521とプーリー522とモータ523と無端ベルト524と玉軸受525と回転軸526とを具備する。モータ523はプーリー522を回転させる。回転体521は、操作部230の裏面に固定された円筒状の構造体である。回転体521の内周面に玉軸受525の外周面が接合される。玉軸受525の内周面は回転軸526の外周面に接合される。すなわち、回転体521は玉軸受525を介して回転軸526に軸支される。無端ベルト524は、回転体521とプーリー522とにわたり架設される。以上の構成により、回転体521はプーリー522に連動して一定の角速度で回転する。
第7実施形態の振動付与部60Bは、永久磁石621と基礎部622と振動部623とコイル624とを具備する。基礎部622は、永久磁石621の周囲に設置された側壁状の構造体である。振動部623は、回転軸526を支持する。図12は、基礎部622および振動部623の平面図である。図12に例示される通り、振動部623は、支持板623aと複数(図12の例示では4個)の弾性体623bとが一体に形成された平面形状の板状部材である。各弾性体623bは、弾性変形が可能な板バネである。各弾性体623bの一端は基礎部622の上面に固定され、他端が支持板623aに連続する。支持板623aの表面に回転軸526が固定される。
コイル624は、支持板623aのうち回転軸526とは反対側の表面に固定される。永久磁石621と基礎部622との間にコイル624が設置される。振動制御部64から出力された振動信号はコイル624に供給される。振動信号の供給によりコイル624に発生する磁界と永久磁石621の磁界との相互的な作用により、回転軸526は軸方向に振動する。すなわち、振動付与部60Bは、振動信号に応じて操作部230を振動させる。
<第8実施形態>
図13は、第8実施形態における操作装置20の構成を示す断面図である。図13に例示される通り、第8実施形態の操作装置20は、筐体210と操作部230と駆動機構50Cと振動付与部60Cとを具備する。筐体210は、操作部230を支持する。駆動機構50Cおよび振動付与部60Cは筐体210に収容される。
第8実施形態の駆動機構50Cは、回転体531とプーリー532とモータ533と無端ベルト534と回転軸535とを具備する。モータ533はプーリー532を回転させる。回転体531は、操作部230の裏面に固定された円柱状の構造体である。回転軸535は、回転体531のうち操作部230とは反対側の表面から垂直に突起する。無端ベルト534は、回転体531とプーリー532とにわたり架設される。以上の構成により、回転体531はプーリー532に連動して一定の角速度で回転する。なお、回転軸535と筐体210の底部との間には、回転軸535の衝突による衝撃を緩和する緩衝体(クッション)211が設置される。
第8実施形態の振動付与部60Cは、筐体210の底部と回転体531との間に設置された振動アクチュエータである。例えば圧電アクチュエータまたは電磁アクチュエータが振動付与部60Cとして利用される。振動制御部64から出力された振動信号は振動付与部60Cに供給される。振動付与部60Cは振動信号に応じて伸縮する。したがって、振動付与部60Cは、振動信号に応じて操作部230を振動させる。
<第9実施形態>
図14は、第9実施形態における操作部230の平面図である。第9実施形態の操作部230は、遮光部231と透光部232とを含んで構成される。遮光部231は、遮光性の材料で形成された円盤状の部分である。透光部232は、遮光部231を包囲する円環状の部分である。透光部232は、光透過性の材料で形成された散乱板である。
図14に例示される通り、操作部230の周縁に沿って発光部233が配置される。発光部233は複数の発光素子234で構成される。例えば発光量および発光色が可変である発光ダイオードが、発光素子234として好適に利用される。複数の発光素子234は、操作部230のうち透光部232に対向する。したがって、利用者は、各発光素子234から出射して透光部232を透過した光を視認する。
第9実施形態の制御装置160は、放音装置130が再生する音に応じて発光部233を発光させる。具体的には、放音装置130による再生音の音響特性に応じて各発光素子234の発光量と発光色とが制御される。例えば、制御装置160は、放音装置130による再生音の音量に応じて発光量および発光色を制御する。発光量の制御には、発光および消灯の一方から他方への制御も包含される。例えば、再生音の音量が大きいほど多数の発光素子234が発光する。以上の構成によれば、利用者は、放音装置130による再生音を、聴覚および触覚だけでなく視覚でも知覚できるという利点がある。
なお、発光部233による発光の態様は任意であり、以上の例示には限定されない。具体的には、放音装置130による再生音の音量がゼロに低下した場合に、複数の発光素子234を、操作部230の円周に沿った配列の順番で順次に発光させてもよい。すなわち、発光部233における発光位置が操作部230の円周方向に移動する。検出部91を具備する構成では、当該検出部91の位置から操作部230の円周方向に発光位置を移動させることで、恰も検出部91から音が放たれているような視覚的な演出を実現できる。
なお、図14においては、操作部230の透光部232に対向するように発光部233を設置したが、操作部230と発光部233との位置関係は以上の例示に限定されない。例えば、図15に例示される通り、操作部230に対応する円形状の開口部212が筐体210に形成された構成では、開口部212の内周縁に光透過性の透光部213を設置してもよい。複数の発光素子234で構成される発光部233は、筐体210の透光部213に対向するように設置される。図14および図15の何れの構成も、操作部230の周縁に沿って発光部が配置された構成である。
<変形例>
以上に例示した各態様は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2個以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
(1)第4実施形態では、再生部分において信号強度が閾値を上回る部分を圧縮した振動信号を生成する構成を例示したが、再生部分の信号強度を調整する処理は以上の例示に限定されない。例えば複数の信号強度のうちの1つの信号強度に再生部分を調整した振動信号を生成してもよい。具体的には、振動制御部64は、図16に例示される通り、離散的に設定された複数のレベルのうち再生部分の信号強度に近いレベルとなる振動信号を生成する。すなわち、音信号を量子化することで振動信号が生成される。以上の構成によれば、複数の離散的なレベルのうち再生部分の信号強度に近いレベルとなる振動信号が生成される。
(2)第5実施形態では、再生部分において高域側の周波数成分を抑制した振動信号を生成する構成を例示したが、再生部分の周波数特性を調整する処理は以上の例示に限定されない。例えば、再生部分において低域側の周波数成分を抑制した振動信号を生成してもよい。低域側の周波数成分の抑制には、再生部分のうち遮断周波数を上回る帯域成分を選択する高域通過フィルタが利用される。以上の構成によれば、振動装置30から低域成分の音が聞こえ難くなる。
(3)第1実施形態では、利用者の操作に応じて回転する円盤を操作部230として例示したが、操作部230において回転する構成は必須ではない。例えば、直線的に移動(例えば上下または左右に移動)する操作部230を採用してもよい。また、操作部230の移動は必須ではない。例えば操作部230の表面で利用者の動作を検知するセンサーが内蔵されている操作子を操作部230としてもよい。以上の構成では、例えばセンサーが内蔵されている円盤、または、表示装置と一体に構成されたタッチパネルが操作部230として好適に採用される。ただし、利用者の操作に応じて回転する操作部230によれば、利用者は回転させる動作により再生点Pを変化させることができる。ひいては、従前から普及している自然なDJプレイのスタイルを維持できる。
(4)前述の各形態では、振動付与部350(振動装置30)は操作部230の表面に載せられていたが、操作部230が振動すれば振動付与部350を搭載する場所は任意である。例えば、操作装置20の筐体210の表面に振動付与部350を載せてもよいし、操作装置20の筐体210に振動付与部350を収容してもよい。ただし、操作部230の表面に操作付与部を載せる前述の各形態によれば、操作部230へ振動が伝わりやすいという利点がある。
(5)前述の各形態では、振動付与部350と通信装置330とは筐体310に収容されていたが、振動装置30において筐体310は必須ではない。例えば、第1実施形態では、操作部230の内部に振動付与部350と通信装置330とを搭載する構成も好適に採用され、第2実施形態と第3実施形態とでは、載置部280の内部に振動付与部350と通信装置330とを搭載してもよい。つまり、操作付与部と通信装置330とを操作装置20と一体にしてもよい。以上の構成によれば、振動付与部350を収容する筐体310は必須ではない。操作付与部と通信装置330とを操作装置20と一体にする構成によれば、再生システム1が簡素化できるという利点がある。なお、操作付与部を操作装置20と一体にする構成においては、振動装置30は操作装置20の通信装置270を利用することもできるので、振動装置30から通信装置330は省略されてもよい。
(6)前述の各形態では、制御システム10と操作装置20とを相互に別体の装置とする構成を例示したが、制御システム10を操作装置20と一体としてもよい。例えば、スマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の端末装置に制御システム10と操作装置20とを搭載してもよい。以上の構成では、例えば表示装置に対する接触を検知するタッチパネルが操作部230として好適に採用され、表示装置の表面に振動装置30が載せられる。また、前述の可搬型の端末装置に内蔵されたバイブレータを振動装置30として利用することで、制御システム10と操作装置20と振動装置30とを一体としてもよい。
(7)第1実施形態において、操作部230の表面に係合部を形成してもよい。係合部の具体的な形態は任意である。例えば、操作部230の表面に(例えば表面の中心に)凸状または凹状の係合部が形成される。振動装置30の筐体310の底面に操作部230の係合部と係合する凸部または凹部を形成し、筐体310に操作部230の係合部を係合させる。操作部230の表面に係合部を形成する以上の構成では、操作部230への振動付与部350(振動装置30)の装着が容易である。筐体310と操作部230の係合部とを係合させる場合、振動装置30を操作部230に対して着脱可能にしてもよい。
(8)第2実施形態および第3実施形態では、レコードVの中心穴33に挿入され載置部280の表面の中心に形成された係合部81と、振動付与部350を収容する筐体310とが係合する状態で振動装置30(振動付与部350)を操作部230の表面に載せる構成を例示したが、振動付与部350を操作部230の表面に載せる態様は以上の例示に限定されない。例えば、振動付与部350がレコードVの中心穴33に挿入される係合部81に係合しない状態で操作部230の表面に載せてもよい。
(9)前述の各形態では、楽曲の再生の開始とともに振動装置30も振動を開始する構成を例示したが、振動装置30の振動を利用者からの入力装置150への指示に応じてオン/オフしてもよい。振動装置30の振動をオン/オフする指示は、楽曲再生の開始前だけでなく、楽曲の再生途中でも行うことができる。また、操作部230に対する操作がある場合にのみ、振動装置30を振動させてもよい。また、楽曲の発音を利用者からの入力装置150への指示に応じてオン/オフ(消音)してもよい。楽曲の発音がオフされた場合、楽曲の発音はないが、振動装置30は再生部分に応じて振動している状態である。
(10)第4実施形態の振動制御部64は、音信号のうち放音装置130に供給される再生部分の信号強度を調整して振動信号を生成したが、予め信号強度が調整された音信号(例えば時間軸上の全ての時点において信号強度が閾値を下回る音信号)から振動信号を生成してもよい。具体的には、振動制御部64は、予め信号強度が調整された音信号の時間軸上における再生点Pに応じた振動信号を生成する。なお、記憶装置110には、信号強度が調整された音信号と信号強度が調整されていない音信号とが記憶される。再生制御部62は、信号強度が調整されていない音信号の再生部分を放音装置130に供給する。以上の構成では、楽曲の再生時における再生部分の信号強度の調整が不要になるので、制御システム10の処理の負荷が低減される。第5実施形態でも同様に、周波数特性が調整された音信号から振動信号を生成することが可能である。
(11)前述の各形態では、円柱状の筐体310と通信装置330と振動付与部350とから構成される振動装置30を例示したが、振動装置30の具体的な形態は任意である。例えば被験者の手に装着可能な手装着型(例えば指サック型または手袋型)等の任意の形態の振動装置30を採用してもよい。また、円盤状の筐体310と通信装置330と振動付与部350とから構成される振動装置30(例えばスリップマットに通信装置330と振動付与部350とを内蔵する構成)を採用してもよい。以上の構成では、例えばレコードVを操作部230とする第2実施形態と第3実施形態とでは、振動装置30をレコードVと載置部280の間に搭載してもよい。
(12)前述の各形態では、再生制御部62は、音信号のうち再生部分を放音装置130に供給したが、再生部分においてコンプレッサ処理等の音響処理をして放音装置130に供給してもよい。以上の構成では、振動制御部64は、再生制御部62が放音装置130に供給する再生部分に応じて振動信号を生成する。ただし、再生制御部62が音響処理をする前の再生部分に応じて振動信号を生成してもよい。
(13)前述の各形態で例示した制御システム10は、前述の通り制御装置160とプログラムとの協働により好適に実現される。このプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされる。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体やまたは磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含してもよい。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供してもよい。また、以上に例示したプログラムは、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
(14)前述の各形態では、音信号のうちの再生部分が表す音を放音装置130に放音させ、当該再生部分に対応する振動信号に応じて操作部230を振動させたが、放音装置130から放音される音は音信号が表す音に限定されない。例えば、複数種の音(例えば楽器の演奏音)のうち操作部230に対する操作に応じた音を放音装置130に再生させるサンプラにも本発明が適用される。例えば、操作部230は、相異なる音に対応する複数の操作子を含んで構成される。再生制御部62は、複数の操作子のうち利用者が操作した操作子に対応する音を放音装置130に放音させる。また、振動制御部64は、放音装置130に放音させる音に応じた振動信号を振動付与部に供給することで操作部230を振動させる。以上の例示から理解される通り、本発明の好適な態様に係る再生システムは、利用者が接触した状態で操作する操作部に対する操作に応じた音を放音装置に再生させる再生制御部と、当該音に対応した振動信号に応じて操作部を振動させる振動付与部とを具備する。
(15)以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
本発明の好適な態様(第1態様)に係る再生システムは、利用者が接触した状態で操作する操作部に対する操作に応じた音を放音装置に再生させる再生制御部と、前記音に対応した振動信号に応じて前記操作部を振動させる振動付与部とを具備する。以上の態様によれば、放音装置による再生音を利用者が触覚的に感取することが可能である。
第1態様の好適例(第2態様)において、前記再生制御部は、音信号のうち前記操作部に対する操作に応じて変化する再生点に対応する部分が表す音を前記放音装置に再生させ、前記振動付与部は、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分に応じた前記振動信号に応じて前記操作部を振動させる。以上の態様では、以上の構成では、音信号のうち、利用者が接触した状態で操作する操作部に対する操作に応じて変化する再生点に対応する再生部分に応じて操作部が振動する。したがって、音信号のうち再生点に対応する再生部分が表す音を利用者が触覚的に感じ取ることができる。なお、操作部が利用者の操作に応じて回転する構成によれば、従前から普及している自然なDJプレイのスタイルを維持できる。
第2態様の好適例(第3態様)に係る再生システムは、前記操作部を支持する筐体を具備し、前記振動付与部は、前記筐体に収容される。以上の態様によれば、振動付与部が筐体に収容されるから、振動付与部が筐体とは別体で用意された構成と比較して、再生システムの取扱いが容易であるという利点がある。
第2態様の好適例(第4態様)において、前記振動付与部は、前記操作部に載置される。以上の態様によれば、振動付与部が操作部とは別体で用意されて当該操作部に載置される。したがって、操作部の任意の位置に振動付与部を載置できるという利点がある。なお、前記係合部が、前記操作部の表面に凸状または凹状に形成された構成によれば、操作部への振動付与部の装着がより容易である。
第4態様の好適例(第5態様)に係る再生システムは、前記操作部の表面に形成された係合部と、前記振動付与部を収容する筐体とを具備し、前記筐体は、前記係合部と係合する。以上の構成では、操作部の表面に形成された係合部と振動付与部を収容する振動装置とが係合する。したがって、操作部への振動付与部の装着が容易である。
第2態様から第5態様の好適例(第6態様)において、前記操作部は、前記利用者の操作に応じて回転する円盤状の部材であり、前記操作部の周縁に沿って配置され、前記放音装置が再生する音に応じて発光する発光部を具備する。以上の態様によれば、放音装置による再生音を、利用者が聴覚および触覚だけでなく視覚によっても感取できるという利点がある。
第2態様から第6態様の何れかの好適例(第7態様)に係る再生システムにおいて、前記操作部は、レコードであり、前記操作部が載せられる載置部を具備し、前記載置部は、前記操作部を回転させる。以上の構成では、操作部としてレコードが載置された状態で載置部が回転する。したがって、レコードを扱うDJプレイのスタイルを維持できる。第7態様の好適例に係る再生システムは、前記載置部の表面の中心に形成された凸状の係合部と、前記振動付与部を収容する筐体とを具備し、前記係合部は、前記レコードの中心穴に挿入され、前記筐体は、前記係合部に対して着脱可能に係合する。以上の構成では、載置部の表面の中心に形成されレコードの中心穴に挿入される凸状の係合部と振動付与部を収容する筐体とが係合するので、レコードの中心穴に挿入される凸状の係合部を、振動付与部を収容する筐体の装着に利用することができる。また、載置部への振動付与部(筐体)の装着が容易である。
第7態様の好適例(第8態様)に係る再生システムは、前記音信号が記録された前記レコードから、前記音信号のうち、前記再生点に対応する再生部分を検出する検出部を具備し、前記再生制御部は、前記音信号のうち前記検出部が検出した再生部分が表す音を前記放音装置に再生させ、前記振動付与部は、前記音信号のうち前記検出部が検出した再生部分に応じて前記操作部を振動させる。以上の構成では、レコードに記録された音信号のうち検出部が検出した再生部分に応じて操作部が振動する。したがって、レコードに記録された音信号を利用して、レコードを振動させることが可能である。
第7態様の好適例(第9態様)に係る再生システムは、時間データの時系列が記録された前記レコードから、前記再生点を示す前記時間データを検出する検出部を具備し、前記再生制御部は、前記音信号のうち前記検出部が検出した時間データが示す再生点に対応する再生部分が表す音を前記放音装置に再生させ、前記振動付与部は、前記音信号のうち前記検出部が検出した時間データが示す再生点に対応する再生部分に応じて前記操作部を振動させる。以上の構成では、音信号のうちレコードから検出された時間データが示す再生点に対応する再生部分に応じて操作部が振動する。したがって、レコードに記録された時間データを利用して、レコードを振動させることが可能である。
第2態様から第9態様の何れかの好適例(第10態様)に係る再生システムは、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分に応じて前記振動信号を生成する振動制御部を具備する。
第10態様の好適例(第11態様)において、前記振動制御部は、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分の信号強度を調整することで前記振動信号を生成する。第11態様の好適例において、前記振動制御部は、前記音信号のうち再生点に対応する部分の信号強度を調整することで振動信号を生成する。また、第11態様の好適例において、前記振動制御部は、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分において前記信号強度が閾値を上回る部分を圧縮した振動信号を生成する。以上の構成によれば、振動信号の信号強度が過度に大きくなることを低減することができる。
第10態様の好適例(第12態様)において、前記振動制御部は、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分の周波数特性を調整することで前記振動信号を生成する。第12態様の好適例において、前記振動制御部は、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分において高域側の周波数成分を抑制した振動信号を生成する。また、第12態様の好適例において、前記振動制御部は、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分において低域側の周波数成分を抑制した振動信号を生成する。
本発明の好適な態様(第13態様)に係る振動装置は、音信号のうち、利用者が接触した状態で操作する操作部に対する操作に応じて変化する再生点に対応する部分に応じて前記操作部を振動させる振動付与部を具備する。以上の態様によれば、音信号のうち再生点に対応する再生部分が表す音を利用者が触覚的に感じ取ることができる。
本発明の好適な態様(第14態様)に係る再生システムの制御方法は、利用者が接触した状態で操作する操作部に対する操作に応じた音を放音装置に再生させ、前記音に対応した振動信号に応じて前記操作部を振動させる。以上の態様によれば、放音装置による再生音を利用者が触覚的に感取することが可能である。
第14態様の好適例(第15態様)に係る制御方法において、前記再生させることにおいては、音信号のうち前記操作部に対する操作に応じて変化する再生点に対応する部分が表す音を前記放音装置に再生させ、前記操作部を振動させることにおいては、前記音信号のうち前記再生点に対応する部分に応じた前記振動信号に応じて前記操作部を振動させる。以上の態様によれば、音信号のうち再生点に対応する再生部分が表す音を利用者が触覚的に感じ取ることができる。