JP5771908B2 - 楽音再生装置及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、各個人に適したテンポで楽曲を再生する技術を提供する。
図1は、本発明の実施形態に係る楽音再生装置の構成例を示している。本実施形態における楽音再生装置1は、無線通信可能なテンポ入力操作子10と本体装置20とで構成されている。テンポ入力操作子10は、図1に示すように、ユーザの腕に装着するベルト2の内部に設けられ、テンポ入力操作子10には、3軸(XYZ)の加速度センサが内蔵されており、ユーザが腕を振るとテンポ入力操作子10によって検出された加速度が本体装置20に送信される。
本体装置20は、携帯音楽プレーヤー、携帯電話機、PDA等の携帯機器で実現され、携帯機器の音声出力端子にイヤホン20aが接続されている。
楽音再生装置1は、ユーザが運動時にテンポ入力操作子10を単位時間に周期的に動かした回数(拍)(以下、運動周期と言う)に応じて、楽曲のテンポを本体装置20において制御する再生制御アプリケーションが備えられている。
この再生制御アプリケーションは、楽曲データに予め定められている曲の速さを表すテンポ(以下、基準再生速度と言う)で当該楽曲を聴くための運動周期(以下、基準運動周期と言う)を、楽曲データを再生する前に設定すると共に、楽曲データの再生中における運動周期(以下、再生時運動周期と言う)に応じて、再生中の楽曲のテンポを制御する処理とが含まれている。
なお、本実施形態では、テンポ入力操作子10が設けられたベルト2をユーザの腕に装着する例について説明するが、腕以外の身体の部位に装着したり、テンポ入力操作子10をユーザが把持するようにしてもよく、ユーザがテンポ入力操作子10を周期的に動かす動作が検出できればこれに限定されない。
以下、本実施形態における楽音再生装置1の詳細について説明する。図2は、本実施形態における楽音再生装置1の構成を表すブロック図である。以下、テンポ入力操作子10と本体装置20について順に説明する。
図2(a)に示すように、テンポ入力操作子10は、制御部11、検出部12、通信部13、及び操作部14を含んで構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のメモリとを含んで構成されている。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部11と接続されている各部を制御する。
本実施形態では、利用者の周期的な運動を表わす運動情報の一例として、検出部12において逐次出力される各軸方向の加速度値を含む加速度情報を本体装置20へ送信するが、例えば、速度センサ等を用いて利用者の運動を検出してもよい。
次に本体装置20の構成について説明する。本体装置20は、図2(b)に示すように、制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24、音声出力部25、及び通信部26を含んで構成されている。
制御部21は、CPUと、ROM及びRAMのメモリとを含んで構成されており、RAMをワーキングエリアとしてROMに記憶された制御プログラムを実行することで制御部21と接続された各部を制御する。具体的には、制御部21は、テンポ入力操作子10からの加速度情報に基づく運動周期を用いて基準運動周期又は再生時運動周期を決定する決定処理と、ユーザ指示による楽曲の再生中にテンポ入力操作子10から受信した加速度情報に基づいて再生速度制御処理と行う。
所定タイミングは、基準運動周期決定処理の始期を示すものであり、本実施形態では、再生中の楽曲に対する基準運動周期の入力をユーザに報知したタイミングとする。また、報知後に運動周期決定処理によって決定された運動周期を用いて基準運動周期を決定し、基準運動周期を決定した後は、基準運動周期の決定に用いるための、ユーザによる運動周期の入力の受付を終了して処理を終了する。基準運動周期決定処理の終期は、基準運動周期を決定したときである。
また、再生速度制御処理は、楽曲の再生中に受信した加速度情報から特定した加速度ピークの時間間隔(周期)に基づいて求められた再生時運動周期と基準運動周期との比率に応じて楽曲の再生速度を調整させる処理である。
本実施形態では、加速度ピークを1拍とし、加速度ピーク間の時間間隔を楽曲のタイミングを取る拍間の時間間隔とし、その時間間隔を予め定められた演算式を用いて運動周期に変換する。なお、これらの詳細な説明については後述の動作の説明において行うものとする。
ここで、再生速度の閾値情報について説明する。図3は、本実施形態における再生速度の閾値情報の構成及びデータ例を示している。図3に示すように、再生速度の閾値情報300は、再生速度の上限の閾値と下限の閾値が含まれている。
本実施形態では、基準運動周期に対する再生時運動周期の比率と、基準再生速度に対する再生速度の比率が同じになるように再生速度を制御する。この例では、基準再生速度を100%とした場合における再生速度の上限の閾値を1200%、下限の閾値を30%として設定されている。従って、再生時運動周期に対応する再生速度が基準再生速度の12倍より大きい場合には、基準再生速度の12倍の再生速度が最高再生速度となる。また、再生時運動周期に対応する再生速度が基準再生速度の0.3倍より小さい場合には、基準再生速度の0.3倍の再生速度が最低再生速度となる。
なお、楽曲データは、BPM(Beats Per Minutes)等のテンポ情報が予め設定されたMP3等のオーディオデータであり、記憶部22内の楽曲データ記憶領域に楽曲毎に記憶されている。また、再生制御アプリケーションの実行によって最後に設定された基準運動周期の情報は楽曲データに対応づけて記憶される。
通信部26は、上述した通信部13と同様、無線LANやBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した通信手段であり、テンポ入力操作子10との間で通信を確立してデータ通信を行う。
次に、本実施形態における楽音再生装置1の動作について説明する。図4は、楽音再生装置1の基準運動周期設定処理を示す動作フローである。なお、以下の説明において、テンポ入力操作子10及び本体装置20の電源はオンに設定されており、ユーザにより本体装置20において再生速度制御アプリケーションを実行する操作がなされ、本体装置20の通信部26とテンポ入力操作子10の通信部13とは通信が確立されている状態であるものとする。
具体的には、受信した時系列の加速度情報毎に、加速度情報に含まれる各軸(XYZ)の加速度値(ax,ay,az)の二乗和の平方根の絶対値を当該加速度情報の加速度aとして求め、時系列の加速度aが極大値となる加速度ピークを検出する。つまり、加速度aの経時的変化を表す曲線における傾き(微分値)が正から負へ変化するタイミングを加速度ピークとして検出する。
そして、検出した隣接する一対の加速度ピーク間の時間間隔(以下、拍間時間と言う)を求め、所定数(例えば過去3回分)毎の拍間時間を用いて各加速度ピークタイミングにおける拍間時間の移動平均値を算出すると共に、予め定められた演算式により各平均値を運動周期に変換する。
図5の波形では、経過時間3.09s〜4.68sの間に4つの運動周期が含まれているため、この例ではこの間の運動周期の平均値が基準運動周期として設定される。なお、ステップS16において、閾値範囲内に一定回数以上運動周期が含まれていない場合には(ステップS16:NO)、一定した運動周期が入力されるまでステップS15とS16の処理を継続して行う。
なお、テンポ入力操作子10の制御部11は、ユーザによってテンポ入力操作子10の電源スイッチがオフに切替えられるまで(ステップS23:NO)、ステップS21及びS22の処理を継続して行い、電源スイッチがオフに切替えられたときに(ステップS23:YES)、処理を終了する。
なお、ステップS31において楽曲を再生する指示が一定時間内に行われない場合(ステップS31:NO)、又は、ステップS33においてテンポ入力操作子10からの加速度情報が一定時間内に通信部26を介して受信できなければ(ステップS33:NO)、制御部21は、再生制御処理を終了する。
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよく、各変形例を組み合わせて実施してもよい。以下、本発明に係る実施形態の変形例について説明する。
直前と現在の再生時運動周期の差分の閾値が、直前の再生時運動周期の±30%以内として定められている場合において、直前の再生時運動周期が120、現在の再生時運動周期が60に設定されているとき、再生時運動周期と直前の再生時運動周期の差分は−50%である。
この場合には、再生時運動周期120に閾値−30%を増分した運動周期84が現在の再生時運動周期として決定される。また、現在の再生時運動周期が240であるときは、再生時運動周期と直前の再生時運動周期の差分は+50%であるため、再生時運動周期120に閾値30%だけ増分した運動周期156が現在の再生時運動周期として決定される。
また、ステップS41において、制御部21は、テンポ入力操作子10から加速度情報を受信した場合には(ステップS41:YES)、本制御処理を終了して実施形態と同様の再生速度制御を行う。
また、上述した本変形例のステップS42における所定時間は、予め定められた任意の時間であってもよいし、例えば、再生対象の楽曲に設定されている基準運動周期を時間に変換して所定の係数を乗じた時間を設定するなど、基準運動周期と予め定められた演算式に基づいて時間を設定するようにしてもよい。
つまり、一定の安定した運動周期が入力されたか否かにか関わらず、基準運動周期決定処理の始期から予め定めた所定時間内が経過した時を終期とする。また、所定時間内に入力された運動周期の平均値を基準運動周期として決定する、あるいは、当該所定時間の最後に検出された運動周期を基準運動周期とするなど種々の変形を行うようにしてもよい。また、テンポ入力操作子10が周期的に動かされた回数によって基準運動周期決定処理の期間を設定してもよい。この場合、最短であれば、1回の動作に基づいて基準運動周期を設定することも可能である。
また、実施形態では、基準運動周期を決定した後は基準運動周期の再設定を行わない例であったが、ユーザによる再設定指示操作がなされたとき、又は、基準運動周期の決定後、楽曲の再生指示が所定時間内になされなかった場合などの条件で基準運動周期の再設定を行うようにしてもよい。
Claims (4)
- 利用者に装着又は把持され、利用者による周期的な運動を表す運動情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された運動情報に基づいて、前記運動の運動周期を決定する運動周期決定手段と、
楽曲を再生する再生手段と、
前記再生手段が前記楽曲を予め定められた基準再生速度で再生中に、前記運動周期決定手段により決定された運動周期に基づいて、当該基準再生速度に対応する前記運動の基準となる運動周期を示す基準運動周期を決定する基準運動周期決定手段と、
前記利用者により選択された運動の種類と運動量の程度に対応する運動周期をデフォルトの基準運動周期として設定し、設定した当該基準運動周期と前記基準運動周期決定手段により決定された基準運動周期との差分に応じた報知を行う報知手段と、
前記基準運動周期の決定処理後に前記運動周期決定手段によって決定された運動周期と前記基準運動周期決定手段において決定された基準運動周期とに応じた再生速度が閾値範囲内であるときには、当該再生速度で前記楽曲を再生し、当該再生速度が前記閾値範囲内でないときには、前記基準再生速度と当該閾値範囲の上限値又は下限値とに応じた再生速度で前記楽曲を再生するよう前記再生手段を制御する再生制御手段と
を備えることを特徴とする楽音再生装置。 - 前記再生制御手段は、前記楽曲の再生途中に前記検出手段が前記運動情報を所定時間内に検出しなかった場合、当該楽曲の再生を一時停止させ、または、直前の前記再生速度で当該楽曲を再生させる
ことを特徴とする請求項1に記載の楽音再生装置。 - 前記再生制御手段は、前記再生手段による前記楽曲の再生中において、前記運動周期決定手段により決定された現在の運動周期と直前の運動周期との差分が、予め定められた閾値を超えている場合には、前記直前の運動周期に前記閾値を増分した運動周期を現在の運動周期として設定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の楽音再生装置。 - コンピュータを、
利用者に装着又は把持され、利用者による周期的な運動を表す運動情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された運動情報に基づいて、前記運動の運動周期を決定する運動周期決定手段と、
楽曲を再生する再生手段と、
前記再生手段が前記楽曲を予め定められた基準再生速度で再生中に、前記運動周期決定手段により決定された運動周期に基づいて、当該基準再生速度に対応する前記運動の基準となる運動周期を示す基準運動周期を決定する基準運動周期決定手段と、
前記利用者により選択された運動の種類と運動量の程度に対応する運動周期をデフォルトの基準運動周期として設定し、設定した当該基準運動周期と前記基準運動周期決定手段により決定された基準運動周期との差分に応じた報知を行う報知手段と、
前記基準運動周期の決定処理後に前記運動周期決定手段によって決定された運動周期と前記基準運動周期決定手段において決定された基準運動周期とに応じた再生速度が閾値範囲内であるときには、当該再生速度で前記楽曲を再生し、当該再生速度が前記閾値範囲内でないときには、前記基準再生速度と当該閾値範囲の上限値又は下限値とに応じた再生速度で前記楽曲を再生するよう前記再生手段を制御する再生制御手段
として機能させるプログラム。
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