JPWO2018151254A1 - 液状組成物、固体高分子電解質膜および膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
燃料のクロスリークが抑えられた固体高分子電解質膜を簡易に製造できる液状組成物、固体高分子電解質膜、膜電極接合体の提供。含フッ素電解質ポリマーと、無機層状化合物と、液状媒体と、下式(I)の加水分解性シリル基含有化合物、その加水分解物、その縮合物、下式(II)の加水分解性シリル基含有化合物、その加水分解物およびその縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と、を含む液状組成物、それから得られる固体高分子電解質膜、膜電極接合体等。Rf−(CH2)k−SiLmR23−m(II)(Rf:、Fを有する1価の有機基、R1:Hまたはアルキル基、Q:pが0のときは単結合またはアルキレン基であり、pが1のときはアルキレン基、L:加水分解性基、R2:、Hまたは1価の炭化水素基、p:0または1、m:1〜3、:n:1〜6、k:1〜3)
Description
本発明は、液状組成物、固体高分子電解質膜、膜電極接合体および固体高分子形燃料電池、ならびにそれらの製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、たとえば、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルをスタックした構造を有する。膜電極接合体は、触媒層を有するアノードおよびカソードと、アノードとカソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えたものである。
固体高分子形燃料電池の各電極における反応は、燃料が水素ガスの場合、下式で表される。
アノード:H2 → 2H+ + 2e−
カソード:2H+ + 1/2O2 + 2e− → H2O
したがって、固体高分子電解質膜には、プロトン(H+)を伝導することが求められるが、水素ガス(H2)等の燃料は透過しないことが求められる。
アノード:H2 → 2H+ + 2e−
カソード:2H+ + 1/2O2 + 2e− → H2O
したがって、固体高分子電解質膜には、プロトン(H+)を伝導することが求められるが、水素ガス(H2)等の燃料は透過しないことが求められる。
固体高分子形燃料電池においては、固体高分子電解質膜の抵抗を減らして燃料電池の発電性能を向上させる点から、固体高分子電解質膜の薄肉化が求められている。しかし、固体高分子電解質膜を薄くすると、アノード側に供給された燃料(水素ガス、メタノール等)が固体高分子電解質膜を透過(クロスリーク)してカソード側に移動しやすくなる。燃料がクロスリークしてしまうと、燃料電池における電気化学反応に寄与しない燃料が増えてしまうため、燃料効率が低下する。
燃料のクロスリークが抑えられた固体高分子電解質膜としては、無機層状化合物(モンモリロナイト等)を含ませた固体高分子電解質膜が提案されている(非特許文献1、2)。
Rafael Herrera Alonso,外4名,"Nafion−clay nanocomposite membranes: Morphology and properties",Polymer,第50巻,2009年,p.2402−2410
Christine Felice,外2名,"Nafion−Montmorillonite Nanocomposite Membrane for the Effective Reduction of Fuel Crossover",Ind. Eng. Chem. Res.,第49巻,2010年,p.1514−1519
非特許文献1に記載の固体高分子電解質膜を製造する際には、モンモリロナイトのNa+をプロトンに置換し、さらに含フッ素電解質ポリマーおよびプロトン型モンモリロナイトを超音波処理によって水に分散させ、さらに180℃、1.24MPaという高温高圧のチャンバー中で乾燥窒素を供給して製膜している。そのため、固体高分子電解質膜を簡易に製造できない。
非特許文献2に記載の固体高分子電解質膜を製造する際には、含フッ素電解質ポリマーおよびモンモリロナイトを超音波処理によって高沸点の溶媒に分散させている。また、固体高分子電解質膜を製膜する際に、高沸点の溶媒を除去するために、高温で乾燥した後、水洗している。そのため、固体高分子電解質膜を簡易に製造できない。
非特許文献2に記載の固体高分子電解質膜を製造する際には、含フッ素電解質ポリマーおよびモンモリロナイトを超音波処理によって高沸点の溶媒に分散させている。また、固体高分子電解質膜を製膜する際に、高沸点の溶媒を除去するために、高温で乾燥した後、水洗している。そのため、固体高分子電解質膜を簡易に製造できない。
本発明は、燃料のクロスリークが抑えられた固体高分子電解質膜を簡易に製造できる液状組成物およびその製造方法;燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜およびその製造方法;燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えた膜電極接合体および固体高分子形燃料電池、ならびにそれらの製造方法を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>含フッ素電解質ポリマーと、
下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該シリル基含有化合物の加水分解物、該シリル基含有化合物の縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該シリル基含有化合物の加水分解物、および該シリル基含有化合物の縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と、無機層状化合物と、液状媒体と、を含む液状組成物。
(但し、Rfはフッ素原子を有する1価の有機基であり、R1は水素原子またはアルキル基であり、Qは、pが0のときは単結合またはアルキレン基であり、pが1のときはアルキレン基であり、Lは加水分解性基であり、R2は水素原子または1価の炭化水素基であり、pは0または1であり、mは1〜3であり、nは1〜6である。)
Rf−(CH2)k−SiLmR2 3−m (II)
(但し、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、それぞれは独立し、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。)
<2>前記含フッ素電解質ポリマーの含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物との合計に対して、70〜99.7質量%である、<1>の液状組成物。
<3>前記無機層状化合物の含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物との合計に対して、0.2〜20質量%である、<1>または<2>の液状組成物。
<4>前記シラン化合物の含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物の合計に対して、0.1〜10質量%である、<1>〜<3>のいずれか一項の液状組成物。
<5>前記液状媒体が、水を含む、または水およびアルコールを含む、<1>〜<4>のいずれか一項の液状組成物。
<6>前記水の前記アルコールに対する質量比が、100/0〜5/95である、<5>の液状組成物。
<7>フッ素電解質ポリマーと、
下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物、該化合物の縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物および該化合物の縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と、
無機層状化合物または無機層状化合物と前記シラン化合物との反応生成物と、
を含む固体高分子電解質膜。
(但し、Rfは、フッ素原子を有する1価の有機基であり、R1は、水素原子またはアルキル基であり、Qは、pが0のときは単結合またはアルキレン基であり、pが1のときはアルキレン基であり、Lは、加水分解性基であり、R2は、水素原子または1価の炭化水素基であり、pは0または1であり、mは1〜3の整数であり、nは2〜3である。)
Rf−(CH2)k−SiLmR2 3−m (II)
(但し、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、それぞれは独立し、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。)
<8>前記含フッ素電解質ポリマーの含有量が、前記固体高分子電解質膜に対して、70〜99.7質量%である、<7>の固体高分子電解質膜。
<9>前記シラン化合物、前記無機層状化合物、および前記シラン化合物と前記無機層状化合物との反応生成物の合計の含有量が、前記固体高分子電解質膜に対して、0.3〜30質量%である、<7>または<8>の固体高分子電解質膜。
<10>前記固体高分子電解質膜の厚さが1〜25μmである、<7>〜<9>のいずれか一項の固体高分子電解質膜。
<11>触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された、<7>〜<10>のいずれか一項の固体高分子電解質膜と、を備えた、膜電極接合体。
<12><11>の膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
<13><1>〜<6>のいずれか一項の液状組成物を製造する方法であり、
前記含フッ素電解質ポリマーと、前記無機層状化合物と、前記式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物および/または前記式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物と、前記液状媒体と、を混合する、液状組成物の製造方法。
<14>前記無機層状化合物と、前記式(I)および/または式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物と、前記液状媒体とを混合して混合液を調製し、得られる混合液と、前記含フッ素電解質ポリマーとを混合する、<13>の液状組成物の製造方法。
<15><13>または<14>の液状組成物の製造方法によって、液状組成物を調製し、得られる液状組成物を用いて固体高分子電解質膜を製膜する、固体高分子電解質膜の製造方法。
<16>前記液状組成物を10〜95℃で乾燥させる、<15>の固体高分子電解質膜の製造方法。
<17>前記固体高分子電解質膜を製膜した後、110〜220℃で加熱処理する、<15>または<16>の固体高分子電解質膜の製造方法。
<18>触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた膜電極接合体を製造する方法であり、前記固体高分子電解質膜を、<15>〜<17>のいずれかの方法で製造する膜電極接合体の製造方法。
<19>膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池を製造する方法であり、前記膜電極接合体を、<18>の膜電極接合体の製造方法によって作製する、固体高分子形燃料電池の製造方法。
<1>含フッ素電解質ポリマーと、
下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該シリル基含有化合物の加水分解物、該シリル基含有化合物の縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該シリル基含有化合物の加水分解物、および該シリル基含有化合物の縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と、無機層状化合物と、液状媒体と、を含む液状組成物。
Rf−(CH2)k−SiLmR2 3−m (II)
(但し、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、それぞれは独立し、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。)
<2>前記含フッ素電解質ポリマーの含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物との合計に対して、70〜99.7質量%である、<1>の液状組成物。
<3>前記無機層状化合物の含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物との合計に対して、0.2〜20質量%である、<1>または<2>の液状組成物。
<4>前記シラン化合物の含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物の合計に対して、0.1〜10質量%である、<1>〜<3>のいずれか一項の液状組成物。
<5>前記液状媒体が、水を含む、または水およびアルコールを含む、<1>〜<4>のいずれか一項の液状組成物。
<6>前記水の前記アルコールに対する質量比が、100/0〜5/95である、<5>の液状組成物。
<7>フッ素電解質ポリマーと、
下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物、該化合物の縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物および該化合物の縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と、
無機層状化合物または無機層状化合物と前記シラン化合物との反応生成物と、
を含む固体高分子電解質膜。
Rf−(CH2)k−SiLmR2 3−m (II)
(但し、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、それぞれは独立し、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。)
<8>前記含フッ素電解質ポリマーの含有量が、前記固体高分子電解質膜に対して、70〜99.7質量%である、<7>の固体高分子電解質膜。
<9>前記シラン化合物、前記無機層状化合物、および前記シラン化合物と前記無機層状化合物との反応生成物の合計の含有量が、前記固体高分子電解質膜に対して、0.3〜30質量%である、<7>または<8>の固体高分子電解質膜。
<10>前記固体高分子電解質膜の厚さが1〜25μmである、<7>〜<9>のいずれか一項の固体高分子電解質膜。
<11>触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された、<7>〜<10>のいずれか一項の固体高分子電解質膜と、を備えた、膜電極接合体。
<12><11>の膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
<13><1>〜<6>のいずれか一項の液状組成物を製造する方法であり、
前記含フッ素電解質ポリマーと、前記無機層状化合物と、前記式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物および/または前記式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物と、前記液状媒体と、を混合する、液状組成物の製造方法。
<14>前記無機層状化合物と、前記式(I)および/または式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物と、前記液状媒体とを混合して混合液を調製し、得られる混合液と、前記含フッ素電解質ポリマーとを混合する、<13>の液状組成物の製造方法。
<15><13>または<14>の液状組成物の製造方法によって、液状組成物を調製し、得られる液状組成物を用いて固体高分子電解質膜を製膜する、固体高分子電解質膜の製造方法。
<16>前記液状組成物を10〜95℃で乾燥させる、<15>の固体高分子電解質膜の製造方法。
<17>前記固体高分子電解質膜を製膜した後、110〜220℃で加熱処理する、<15>または<16>の固体高分子電解質膜の製造方法。
<18>触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた膜電極接合体を製造する方法であり、前記固体高分子電解質膜を、<15>〜<17>のいずれかの方法で製造する膜電極接合体の製造方法。
<19>膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池を製造する方法であり、前記膜電極接合体を、<18>の膜電極接合体の製造方法によって作製する、固体高分子形燃料電池の製造方法。
本発明の液状組成物によれば、燃料のクロスリークが抑えられた固体高分子電解質膜を簡易に製造できる。本発明の固体高分子電解質膜は、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる。本発明の膜電極接合体は、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備える。本発明の固体高分子形燃料電池は、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備える。
以下の用語の定義および記載の仕方は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
式(u1)で表される単位を単位(u1)と記す。他の式で表される単位もこれに準じて記す。また、式(m1)で表される化合物を化合物(m1)と記す。他の式で表される化合物もこれに準じて記す。
式(u1)で表される単位を単位(u1)と記す。他の式で表される単位もこれに準じて記す。また、式(m1)で表される化合物を化合物(m1)と記す。他の式で表される化合物もこれに準じて記す。
「無機層状化合物」とは、結晶層間の結晶表面上に他の陽イオンと容易にイオン交換し得る陽イオンを有する層状の無機化合物を意味する。
「含フッ素電解質ポリマー」とは、フッ素原子およびイオン交換基を有するポリマーを意味する。
「イオン交換基」とは、該基に含まれる陽イオンの一部が、他の陽イオンに交換し得る基を意味する。イオン交換基としては、H+、一価の金属カチオン、アンモニウムイオン等を有する基が挙げられる。
「加水分解性シリル基」とは、加水分解反応することによってシラノール基(Si−OH)を形成し得る基を意味する。たとえば、式(I)中のSiLmR2 3−mである。
「単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する重合単位を意味する。単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素−炭素原子間においてエーテル結合を形成する酸素原子を意味する。
「燃料」とは、固体高分子形燃料電池における燃料となる物質のことであり、固体高分子形燃料電池における水素ガス、直接メタノール燃料電池におけるメタノール等のことである。本発明における「燃料」とは、特に断りのない限り、水素ガス又はメタノールのことである。
「含フッ素電解質ポリマー」とは、フッ素原子およびイオン交換基を有するポリマーを意味する。
「イオン交換基」とは、該基に含まれる陽イオンの一部が、他の陽イオンに交換し得る基を意味する。イオン交換基としては、H+、一価の金属カチオン、アンモニウムイオン等を有する基が挙げられる。
「加水分解性シリル基」とは、加水分解反応することによってシラノール基(Si−OH)を形成し得る基を意味する。たとえば、式(I)中のSiLmR2 3−mである。
「単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する重合単位を意味する。単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素−炭素原子間においてエーテル結合を形成する酸素原子を意味する。
「燃料」とは、固体高分子形燃料電池における燃料となる物質のことであり、固体高分子形燃料電池における水素ガス、直接メタノール燃料電池におけるメタノール等のことである。本発明における「燃料」とは、特に断りのない限り、水素ガス又はメタノールのことである。
<液状組成物>
本発明の液状組成物は、含フッ素電解質ポリマーと;無機層状化合物と;特定の加水分解性シリル基含有化合物、該加水分解性シリル基含有化合物の加水分解物および該加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と(以下、「特定シラン化合物」とも言う。);液状媒体とを含む。
本発明の液状組成物は、必要に応じて必須成分以外の他の成分を含んでもよい。
★特定シラン化合物という表現が[0041]で出てきますが、前にその用語がなかったので、上記の記載を追記しました。上記の記載に限らず、[0041]で初めて用語が出てくる状態になっていなければよいと思います。ご検討お願いいたします。
本発明の液状組成物は、含フッ素電解質ポリマーと;無機層状化合物と;特定の加水分解性シリル基含有化合物、該加水分解性シリル基含有化合物の加水分解物および該加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と(以下、「特定シラン化合物」とも言う。);液状媒体とを含む。
本発明の液状組成物は、必要に応じて必須成分以外の他の成分を含んでもよい。
★特定シラン化合物という表現が[0041]で出てきますが、前にその用語がなかったので、上記の記載を追記しました。上記の記載に限らず、[0041]で初めて用語が出てくる状態になっていなければよいと思います。ご検討お願いいたします。
(含フッ素電解質ポリマー)
含フッ素電解質ポリマーは、イオン交換基を有する。
イオン交換基としては、陽イオンがプロトンである酸型と、陽イオンが金属イオン、アンモニウムイオン等である塩型とが挙げられる。固体高分子形燃料電池用の固体高分子電解質膜の場合、通常、酸型のイオン交換基を有する含フッ素電解質ポリマーが用いられる。酸型のイオン交換基を有する含フッ素電解質ポリマーにおいては、イオン交換基のプロトンの一部は、セリウムイオン、マンガンイオン等にイオン交換されていてもよい。
含フッ素電解質ポリマーは、イオン交換基を有する。
イオン交換基としては、陽イオンがプロトンである酸型と、陽イオンが金属イオン、アンモニウムイオン等である塩型とが挙げられる。固体高分子形燃料電池用の固体高分子電解質膜の場合、通常、酸型のイオン交換基を有する含フッ素電解質ポリマーが用いられる。酸型のイオン交換基を有する含フッ素電解質ポリマーにおいては、イオン交換基のプロトンの一部は、セリウムイオン、マンガンイオン等にイオン交換されていてもよい。
酸型のイオン交換基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンメチド基、ホスホン酸基、カルボン酸基、ケトイミド基等が挙げられる。酸性度が強く、化学的安定性の高い点から、スルホン酸基、スルホンイミド基またはスルホンメチド基が好ましく、スルホン酸基またはスルホンイミド基がより好ましく、スルホン酸基がさらに好ましい。
含フッ素電解質ポリマーとしては、固体高分子電解質膜の耐久性の点から、エーテル性酸素原子を含んでいてもよいイオン交換基を有するペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
ペルフルオロカーボンポリマーとしては、燃料電池を運転する際に求められる化学的な安定性、プロトン伝導性、耐熱水性、機械的特性の点から、下記の単位(u1)および単位(u2)のいずれか一方または両方を有するポリマー(以下、ポリマーHという。)が好ましい。
ポリマーHは、ポリマーHの機械的特性および化学的耐久性に優れる点から、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に基づく単位(以下、TFE単位と記す。)をさらに有することが好ましい。
ポリマーHは、必要に応じて単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位以外の、他のモノマーに基づく構成単位(以下、他の単位と記す。)をさらに有していてもよい。
ポリマーHは、ポリマーHの機械的特性および化学的耐久性に優れる点から、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に基づく単位(以下、TFE単位と記す。)をさらに有することが好ましい。
ポリマーHは、必要に応じて単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位以外の、他のモノマーに基づく構成単位(以下、他の単位と記す。)をさらに有していてもよい。
単位(u1)は、下式で表される。
ただし、Q2は、単結合、またはエーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Y2は、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1であり、Rf2は、エーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、X2は、酸素原子、窒素原子または炭素原子であり、bは、X2が酸素原子の場合0であり、X2が窒素原子の場合1であり、X2が炭素原子の場合2であり、Z+は、H+、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。単結合は、CFY2の炭素原子とSO2の硫黄原子とが直接結合していることを意味する。有機基は、炭素原子を1以上含む基を意味する。
Q2のペルフルオロアルキレン基がエーテル性酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個でも2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子結合末端のうち、硫黄と結合する炭素原子結合末端には挿入されない。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状でも、分岐状であってもよい。ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、ポリマーHのイオン交換容量の低下が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑制されやすい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状でも、分岐状であってもよい。ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、ポリマーHのイオン交換容量の低下が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑制されやすい。
Rf2のペルフルオロアルキル基は、直鎖状でも分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基は、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
−SO2X2(SO2Rf2)b −Z+としては、−SO3 −Z+、−SO2N(SO2Rf2)−Z+、または−SO2C(SO2Rf2)2 −Z+が挙げられる。
Y2としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
−SO2X2(SO2Rf2)b −Z+としては、−SO3 −Z+、−SO2N(SO2Rf2)−Z+、または−SO2C(SO2Rf2)2 −Z+が挙げられる。
Y2としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
単位(u1)としては、ポリマーHの製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、下記の単位(u1−1)〜(u1−4)が好ましい。
ただし、Q11は、エーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Q12は、単結合、またはエーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Y1は、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、sは、0または1であり、Rf1は、エーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、X1は、酸素原子、窒素原子または炭素原子であり、aは、X1が酸素原子の場合0であり、X1が窒素原子の場合1であり、X1が炭素原子の場合2であり、Z+は、H+、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。単結合は、CY1の炭素原子とSO2の硫黄原子とが直接結合していることを意味する。有機基は、炭素原子を1以上含む基を意味する。
Q11、Q12のペルフルオロアルキレン基がエーテル性酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個でも2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子結合末端のうち、硫黄と結合する炭素原子結合末端には挿入されない。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状でも分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料のモノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。また、炭素数が6以下であれば、ポリマーHのイオン交換容量の低下が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑えられる。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状でも分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料のモノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。また、炭素数が6以下であれば、ポリマーHのイオン交換容量の低下が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑えられる。
Q12は、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。この場合には、Q12が単結合である場合に比べ、長期にわたって固体高分子形燃料電池を運転した際に、発電性能の安定性が優れやすい。
Q11、Q12の少なくとも一方は、エーテル性酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。かかるフルオロアルキレン基を有するモノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易となりやすい。
Q11、Q12の少なくとも一方は、エーテル性酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。かかるフルオロアルキレン基を有するモノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易となりやすい。
Rf1のペルフルオロアルキル基は、直鎖状でも分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
単位(u2)が2つ以上のRf1を有する場合、Rf1は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
単位(u2)が2つ以上のRf1を有する場合、Rf1は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
−SO2X1(SO2Rf1)a −Z+としては、−SO3 −Z+、−SO2N(SO2Rf1)−Z+、または−SO2C(SO2Rf1)2 −Z+が挙げられる。
Y1としては、フッ素原子、またはエーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖のペルフルオロアルキル基が好ましい。
Y1としては、フッ素原子、またはエーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖のペルフルオロアルキル基が好ましい。
単位(u2)としては、ポリマーHの製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u2−1)〜(u2−3)が好ましい。得られるポリマーHが柔軟であり、固体高分子電解質膜としたときに、湿潤状態における膨潤と乾燥状態における収縮とを繰り返しても破損しにくい点から、単位(u2−2)又は単位(u2−3)がより好ましい。
他の単位は、単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位以外の、他のモノマーに基づく単位である。
他のモノマーとしては、たとえば、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ペルフルオロα−オレフィン(ヘキサフルオロプロピレン等)、(ペルフルオロアルキル)エチレン((ペルフルオロブチル)エチレン等)、(ペルフルオロアルキル)プロペン(3−ペルフルオロオクチル−1−プロペン等)、ペルフルオロビニルエーテル(ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキルビニルエーテル)等)、国際公開第2011/013578号に記載された5員環を有するペルフルオロモノマー等が挙げられる。
ポリマーHは、単位(u1)、単位(u2)および他の単位を、それぞれ一種ずつ有していてもよく、それぞれ二種以上有していてもよい。
ポリマーHにおける各単位の割合は、電解質ポリマーに要求されるイオン交換容量、プロトン伝導性、水素ガス透過性、耐熱水性、機械的特性等に応じて適宜調整すればよい。
他のモノマーとしては、たとえば、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ペルフルオロα−オレフィン(ヘキサフルオロプロピレン等)、(ペルフルオロアルキル)エチレン((ペルフルオロブチル)エチレン等)、(ペルフルオロアルキル)プロペン(3−ペルフルオロオクチル−1−プロペン等)、ペルフルオロビニルエーテル(ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル))、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキルビニルエーテル)等)、国際公開第2011/013578号に記載された5員環を有するペルフルオロモノマー等が挙げられる。
ポリマーHは、単位(u1)、単位(u2)および他の単位を、それぞれ一種ずつ有していてもよく、それぞれ二種以上有していてもよい。
ポリマーHにおける各単位の割合は、電解質ポリマーに要求されるイオン交換容量、プロトン伝導性、水素ガス透過性、耐熱水性、機械的特性等に応じて適宜調整すればよい。
電解質ポリマーのイオン交換容量は、0.7〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましく、0.9〜2.2ミリ当量/g乾燥樹脂がより好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、プロトン伝導性が高くなりやすく、充分な電池出力が得られやすい。前記範囲の上限値以下であれば、分子量の高いポリマーの合成が容易であり、また、電解質ポリマーが過度に水で膨潤しにくいため、機械的強度を保持しやすい。
ポリマーHは、前駆体であるポリマーFの−SO2F基をイオン交換基に変換することによって製造される。すなわち、ポリマーFは、ポリマーHの単位(u1)における−SO2X2(SO2Rf2)b −Z+基が−SO2F基に置換された構造、およびポリマーHの単位(u2)における−SO2X1(SO2Rf1)a −Z+基が−SO2F基に置換された構造のいずれか一方または両方を有する。
ポリマーFは、化合物(m1)および化合物(m2)のいずれか一方または両方と、必要に応じてTFE、他のモノマーとを重合することによって製造される。
ポリマーFは、化合物(m1)および化合物(m2)のいずれか一方または両方と、必要に応じてTFE、他のモノマーとを重合することによって製造される。
化合物(m1)は、下式で表される。
Q2、Y2、tは、単位(u1)におけるQ2、Y2、tと同様であり、好ましい形態も同様である。
化合物(m1)は、たとえば、D.J.Vaugham著,”Du Pont Inovation”,第43巻、第3号,1973年、p.10に記載の方法、米国特許第4358412号明細書の実施例に記載の方法等、公知の合成方法によって製造できる。
化合物(m1)は、たとえば、D.J.Vaugham著,”Du Pont Inovation”,第43巻、第3号,1973年、p.10に記載の方法、米国特許第4358412号明細書の実施例に記載の方法等、公知の合成方法によって製造できる。
化合物(m2)は、下式で表される。
Q11、Q12、Y1、sは、単位(u2)におけるQ11、Q12、Y1、sと同様であり、好ましい形態も同様である。
化合物(m2)は、たとえば、国際公開第2007/013533号に記載の方法等、公知の合成方法によって製造できる。
化合物(m2)は、たとえば、国際公開第2007/013533号に記載の方法等、公知の合成方法によって製造できる。
本発明においてポリマー(F)を製造するための重合法としては、特に限定なく、従来公知の方法が挙げられる。
ポリマーFの−SO2F基をイオン交換基に変換する方法としては、国際公開第2011/013578号に記載の方法が挙げられる。たとえば、−SO2F基を酸型のスルホン酸基(−SO3 −H+基)に変換する方法としては、ポリマーFの−SO2F基を塩基と接触させて加水分解して塩型のスルホン酸基とし、塩型のスルホン酸基を酸と接触させて酸型化して酸型のスルホン酸基に変換する方法が挙げられる。
ポリマーFの−SO2F基をイオン交換基に変換する方法としては、国際公開第2011/013578号に記載の方法が挙げられる。たとえば、−SO2F基を酸型のスルホン酸基(−SO3 −H+基)に変換する方法としては、ポリマーFの−SO2F基を塩基と接触させて加水分解して塩型のスルホン酸基とし、塩型のスルホン酸基を酸と接触させて酸型化して酸型のスルホン酸基に変換する方法が挙げられる。
(無機層状化合物)
無機層状化合物の結晶層間の結晶表面上に存在する他の陽イオンと容易にイオン交換し得る陽イオンとしては、ナトリウム、カルシウム等の金属イオンや四級アンモニウム等の有機カチオンが挙げられる。これらの陽イオンは他の陽イオンと容易にイオン交換され、無機層状物質の結晶層間にカチオン性を有する種々の物質が挿入される。
無機層状化合物としては、スメクタイト、カオリナイト、セリサイト、グローコナイト、クロライト、タルク、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、α形の結晶質リン酸ジルコニウム、γ形の結晶質リン酸ジルコニウム等が挙げられる。スメクタイトとしては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等が挙げられる。分散性さらには成膜性の観点から、モンモリロナイトが好ましい。
無機層状化合物は、天然物でも、合成物であってもよく、一種を単独でも二種以上を併用してもよい。
無機層状化合物の結晶層間の結晶表面上に存在する他の陽イオンと容易にイオン交換し得る陽イオンとしては、ナトリウム、カルシウム等の金属イオンや四級アンモニウム等の有機カチオンが挙げられる。これらの陽イオンは他の陽イオンと容易にイオン交換され、無機層状物質の結晶層間にカチオン性を有する種々の物質が挿入される。
無機層状化合物としては、スメクタイト、カオリナイト、セリサイト、グローコナイト、クロライト、タルク、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ、α形の結晶質リン酸ジルコニウム、γ形の結晶質リン酸ジルコニウム等が挙げられる。スメクタイトとしては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等が挙げられる。分散性さらには成膜性の観点から、モンモリロナイトが好ましい。
無機層状化合物は、天然物でも、合成物であってもよく、一種を単独でも二種以上を併用してもよい。
(特定シラン化合物)
本発明における特定シラン化合物(シラン化合物Xともいう。)は、下式(I)で表されるシラン化合物(以下、化合物Iとも記す。)、化合物Iの加水分解物、化合物Iの縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物(以下、化合物IIとも記す。)、化合物IIの加水分解物、および化合物IIの縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
本発明における特定シラン化合物(シラン化合物Xともいう。)は、下式(I)で表されるシラン化合物(以下、化合物Iとも記す。)、化合物Iの加水分解物、化合物Iの縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物(以下、化合物IIとも記す。)、化合物IIの加水分解物、および化合物IIの縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
Rf−(CH2)k−SiLmR2 3−m (II)
ただし、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、式(I)とは独立したものであり、それぞれの内容は、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。
ただし、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、式(I)とは独立したものであり、それぞれの内容は、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。
上記した化合物Iおよび化合物IIの加水分解性シリル基含有化合物は、液状媒体と長時間混合していると、加水分解反応による加水分解物や、化合物I、化合物IIまたはそれらの加水分解物における、分子内または分子間の縮合反応による縮合物を生成することがある。前記化合物Iおよび化合物IIの縮合物には、化合物I、化合物II、または前記化合物I若しくは化合物IIの加水分解物における、分子内または分子間の縮合反応による生成物が含まれる。
式(I)において、2つのRfは、同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
式(I)、式(II)における、Rfとしては、原料の入手性の点から、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテル基が好ましく、下式(III)で表される基または下式(IV)で表される基がより好ましい。
−(CF2)qX (III)
−CF(CF3)−(OCF2CF(CF3))r−OC3F7 (IV)
ただし、Xは、水素原子またはハロゲン原子であり、qは、1〜15の整数であり、rは、0〜8の整数である。
式(I)、式(II)における、Rfとしては、原料の入手性の点から、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテル基が好ましく、下式(III)で表される基または下式(IV)で表される基がより好ましい。
−(CF2)qX (III)
−CF(CF3)−(OCF2CF(CF3))r−OC3F7 (IV)
ただし、Xは、水素原子またはハロゲン原子であり、qは、1〜15の整数であり、rは、0〜8の整数である。
式(III)で表される基としては、原料を入手しやすい点から、−(CF2)3F、−(CF2)6F、−(CF2)2F、−(CF2)4F、−(CF2)5F等が好ましい。
式(IV)で表される基としては、化合物Iの原料を入手しやすい点から、−CF(CF3)OC3F7、−CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7、−CF(CF3)(OCF2CF(CF3))2OC3F7等が好ましい。
式(IV)で表される基としては、化合物Iの原料を入手しやすい点から、−CF(CF3)OC3F7、−CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7、−CF(CF3)(OCF2CF(CF3))2OC3F7等が好ましい。
式(I)中のR1としては、pが0のときは、化合物Iの原料を入手しやすい点から、水素原子が好ましい。R1としては、pが1のときは、化合物Iの原料を入手しやすい点から、水素原子またはメチル基が好ましい。
式(I)中のQとしては、pが0のときは、化合物Iの原料を入手しやすい点から、単結合またはメチレン基が好ましく、本発明の効果が充分に発揮される点から、単結合がより好ましい。Qとしては、pが1のときは、化合物Iの原料を入手しやすい点から、プロピレン基が好ましい。
式(I)、式(II)中のLは、加水分解反応によって水酸基となる基である。すなわち、化合物I、化合物IIの末端のSi−Lは、加水分解反応によってシラノール基(Si−OH)となる。シラノール基は、分子内または分子間で反応してSi−O−Si結合を形成する。また、シラノール基は、無機層状化合物と反応して、化学結合(無機層状化合物−O−Si)を形成する。Lとしては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアネート基(−NCO)等が挙げられる。
式(I)、式(II)中のLは、原料を入手しやすい点から、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が特に好ましい。Lとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物I、IIの保存安定性に優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物I、IIの長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基がより好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基がより好ましい。
式(I)、式(II)中のR2の1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリル基等が挙げられる。
R2は、1価の炭化水素基が好ましく、1価の飽和炭化水素基がより好ましい。1価の飽和炭化水素基の炭素数は、化合物Iの原料を入手しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
R2は、1価の炭化水素基が好ましく、1価の飽和炭化水素基がより好ましい。1価の飽和炭化水素基の炭素数は、化合物Iの原料を入手しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
式(I)のp、nは、本発明の効果が充分に発揮される点から、pは0が好ましく、nは2または3が好ましく、2がより好ましい。式(I)、式(II)中のmは、本発明の効果が充分に発揮される点から、2または3が好ましく、3がより好ましい。
化合物Iは、下式(V)で表される過酸化フルオロアルカノイルと、下式(VI)で表されるシラン化合物とを、溶媒(ハロゲン化脂肪族炭化水素等)中で反応させることによって製造できる。式(I)におけるnは、式(VI)で表されるシラン化合物の重合度に相当する。
RfC(O)O−OC(O)Rf (V)
CH2=CR1−(C(O)O)p−Q−SiLmR2 3−m (VI)
RfC(O)O−OC(O)Rf (V)
CH2=CR1−(C(O)O)p−Q−SiLmR2 3−m (VI)
式(V)で表される過酸化フルオロアルカノイルは、原料のRfCOF、RfCOClまたは(RfCO)2Oの入手しやすさから、下記のものが好ましい。
F(CF2)2C(O)O−OC(O)(CF2)2F、
F(CF2)3C(O)O−OC(O)(CF2)3F、
F(CF2)4C(O)O−OC(O)(CF2)4F、
F(CF2)5C(O)O−OC(O)(CF2)5F、
F(CF2)6C(O)O−OC(O)(CF2)6F、
CF3CF2CF2OCF(CF3)C(O)O−OC(O)CF(CF3)OCF2CF2CF3、
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)C(O)O−OC(O)CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3、
CF3CF2CF2O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)C(O)O−OC(O)CF(CF3)(OCF2CF(CF3))2OCF2CF2CF3。
F(CF2)2C(O)O−OC(O)(CF2)2F、
F(CF2)3C(O)O−OC(O)(CF2)3F、
F(CF2)4C(O)O−OC(O)(CF2)4F、
F(CF2)5C(O)O−OC(O)(CF2)5F、
F(CF2)6C(O)O−OC(O)(CF2)6F、
CF3CF2CF2OCF(CF3)C(O)O−OC(O)CF(CF3)OCF2CF2CF3、
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)C(O)O−OC(O)CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3、
CF3CF2CF2O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)C(O)O−OC(O)CF(CF3)(OCF2CF(CF3))2OCF2CF2CF3。
式(VI)で表されるシラン化合物は、入手しやすさから、下記のものが好ましい
CH2=CHSi(OCH3)3、CH2=CHSi(OC2H5)3、
CH2=CHSi(OC(O)CH3)3、CH2=CHCH2Si(OC2H5)3、
CH2=CHC(O)OC3H6Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6SiCH3(OCH3)2、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6SiCH3(OC2H5)2、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6Si(OC2H5)3。
式(VI)で表されるシラン化合物は、本発明の効果が充分に発揮される点から、CH2=CH−Si(OCH3)3がより好ましい。
CH2=CHSi(OCH3)3、CH2=CHSi(OC2H5)3、
CH2=CHSi(OC(O)CH3)3、CH2=CHCH2Si(OC2H5)3、
CH2=CHC(O)OC3H6Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6SiCH3(OCH3)2、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6SiCH3(OC2H5)2、
CH2=C(CH3)C(O)OC3H6Si(OC2H5)3。
式(VI)で表されるシラン化合物は、本発明の効果が充分に発揮される点から、CH2=CH−Si(OCH3)3がより好ましい。
一方、化合物IIは、式(II)におけるkが2または3であるものが合成の容易さのため好ましい。化合物IIについて、好ましい例を挙げると以下のとおりである。なお、化合物IIは、一種を単独でも二種以上を併用してもよい。
・kが2の場合:
CF3CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH3)3
・kが2の場合:
CF3CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2SiCH3(OCH3)2
・kが3の場合:
CF3CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2CF2CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2CH2SiCH3(OCH3)2
式(II)におけるkが2の場合の化合物IIは、例えば以下のようにして公知の方法で合成される。
すなわち、Rf−Iで表される含フッ素アイオダイドにラジカル開始剤存在下でエチレンを付加反応させて、Rf−CH2CH2−Iを得て、アルカリを作用させることによって、Rf−CH2=CH2を合成する。次いで、この化合物にPt含有触媒の存在下でHSi(OCH3)3、HSi(OCH2CH3)3またはHSiCH3(OCH3)2とハイドロシリレーション反応を行うことにより、Rf−CH2CH2−Si(OCH3)3、Rf−CH2CH2−Si(OCH2CH3)3またはRf−CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。或いは,HSiCl3を用いてハイドロシリレーション反応を行ってRf−CH2CH2−SiCl3を合成し、それにメタノールまたはエタノールと反応させることで、Rf−CH2CH2−Si(OCH3)3またはRf−CH2CH2−Si(OCH2CH3)3が合成される。HSiCH3Cl2を用いてハイドロシリレーション反応を行うと、Rf−CH2CH2−SiCH3Cl2が得られ、それにメタノールを反応させるとRf−CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。
すなわち、Rf−Iで表される含フッ素アイオダイドにラジカル開始剤存在下でエチレンを付加反応させて、Rf−CH2CH2−Iを得て、アルカリを作用させることによって、Rf−CH2=CH2を合成する。次いで、この化合物にPt含有触媒の存在下でHSi(OCH3)3、HSi(OCH2CH3)3またはHSiCH3(OCH3)2とハイドロシリレーション反応を行うことにより、Rf−CH2CH2−Si(OCH3)3、Rf−CH2CH2−Si(OCH2CH3)3またはRf−CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。或いは,HSiCl3を用いてハイドロシリレーション反応を行ってRf−CH2CH2−SiCl3を合成し、それにメタノールまたはエタノールと反応させることで、Rf−CH2CH2−Si(OCH3)3またはRf−CH2CH2−Si(OCH2CH3)3が合成される。HSiCH3Cl2を用いてハイドロシリレーション反応を行うと、Rf−CH2CH2−SiCH3Cl2が得られ、それにメタノールを反応させるとRf−CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。
なお、Rf−Iで表される化合物は、合成の入手しやすさの点と本発明の効果が充分に発揮される点から、下記のものが好ましい。
CF3CF2CF2CF2−I
CF3CF2CF2CF2CF2−I
CF3CF2CF2CF2CF2CF2−I
CF3CF2CF2OCF(CF3)−I
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−I
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−I
CF3CF2CF2CF2−I
CF3CF2CF2CF2CF2−I
CF3CF2CF2CF2CF2CF2−I
CF3CF2CF2OCF(CF3)−I
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−I
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−I
上記の中でエーテル酸素原子含有のアイオダイドは、Russian Journal of General Chemistry,81(9),1829−1833,(2011)に記載の方法で、下記のアシルフルオリドに炭酸カリウムとヨウ素を作用させることで合成される。
CF3CF2CF2OCF(CF3)−COF
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−COF
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−COF
CF3CF2CF2OCF(CF3)−COF
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−COF
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)−COF
式(II)におけるkが3の場合の化合物IIは、例えば以下のようにして公知の方法で合成される;
Rf−Iで表される含フッ素アイオダイドにラジカル開始剤存在下でCH2=CHCH2OCOCH3を付加反応させて、Rf−CH2CH(−I)CH2OCOCH3を得て、亜鉛を作用させることによって、Rf−CH2CH2=CH2を合成する。この化合物にPt含有触媒の存在下でHSi(OCH3)3、HSi(OCH2CH3)3またはHSiCH3(OCH3)2とハイドロシリレーション反応を行うことにより、Rf−CH2CH2CH2−Si(OCH3)3、Rf−CH2CH2CH2−Si(OCH2CH3)3またはRf−CH2CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。或いは,HSiCl3を用いてハイドロシリレーション反応を行ってRf−CH2CH2CH2−SiCl3を合成し、それにメタノールまたはエタノールと反応させることで、Rf−CH2CH2CH2−Si(OCH3)3またはRf−CH2CH2CH2−Si(OCH2CH3)3が合成される。HSiCH3Cl2を用いてハイドロシリレーション反応を行うと、Rf−CH2CH2CH2−SiCH3Cl2が得られ、それにメタノールを反応させるとRf−CH2CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。
Rf−Iで表される化合物は、合成の入手しやすさの点と本発明の効果が充分に発揮される点から、上記と同様のものが好ましい。
Rf−Iで表される含フッ素アイオダイドにラジカル開始剤存在下でCH2=CHCH2OCOCH3を付加反応させて、Rf−CH2CH(−I)CH2OCOCH3を得て、亜鉛を作用させることによって、Rf−CH2CH2=CH2を合成する。この化合物にPt含有触媒の存在下でHSi(OCH3)3、HSi(OCH2CH3)3またはHSiCH3(OCH3)2とハイドロシリレーション反応を行うことにより、Rf−CH2CH2CH2−Si(OCH3)3、Rf−CH2CH2CH2−Si(OCH2CH3)3またはRf−CH2CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。或いは,HSiCl3を用いてハイドロシリレーション反応を行ってRf−CH2CH2CH2−SiCl3を合成し、それにメタノールまたはエタノールと反応させることで、Rf−CH2CH2CH2−Si(OCH3)3またはRf−CH2CH2CH2−Si(OCH2CH3)3が合成される。HSiCH3Cl2を用いてハイドロシリレーション反応を行うと、Rf−CH2CH2CH2−SiCH3Cl2が得られ、それにメタノールを反応させるとRf−CH2CH2CH2−SiCH3(OCH3)2が合成される。
Rf−Iで表される化合物は、合成の入手しやすさの点と本発明の効果が充分に発揮される点から、上記と同様のものが好ましい。
(液状媒体)
液状媒体は、含フッ素電解質ポリマー、無機層状化合物、化合物I、および化合物IIの分散性が良好であるので、水を含む、または水およびアルコールを含むことが好ましい。
液状媒体は、含フッ素電解質ポリマー、無機層状化合物、化合物I、および化合物IIの分散性が良好であるので、水を含む、または水およびアルコールを含むことが好ましい。
アルコールとしては、炭素数1〜4の分岐または直鎖のアルキル基、または炭素数1〜4の分岐または直鎖のポリフルオロアルキル基を有するアルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール等が挙げられる。アルコールは、一種でも、二種以上を混合して用いてもよい。
水のアルコールに対する質量比は、100/0〜5/95が好ましく、70/30〜30/70がより好ましい。前記範囲内であれば、膜製造時の乾燥速度が速くなりやすく、無機層状化合物の分散性が良好となりやすい。
液状媒体における水とアルコールの合計の含有割合は、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。前記範囲内であれば、無機層状化合物の分散性が良好となりやすい。
水のアルコールに対する質量比は、100/0〜5/95が好ましく、70/30〜30/70がより好ましい。前記範囲内であれば、膜製造時の乾燥速度が速くなりやすく、無機層状化合物の分散性が良好となりやすい。
液状媒体における水とアルコールの合計の含有割合は、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。前記範囲内であれば、無機層状化合物の分散性が良好となりやすい。
液状媒体は、水とアルコール以外のその他の液状媒体を含んでもよい。その他の液状媒体としては、1H,4H−ペルフルオロブタン、1H−ペルフルオロヘキサン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン等のハイドロフルオロカーボン;3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等のハイドロクロロフルオロカーボン;1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、メチルノナフルオロブチルエーテル等のハイドロフルオロエーテル;1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン等のハイドロフルオロシクロアルカン等の含フッ素溶媒が挙げられる。これらの含フッ素溶媒の一種または二種以上を添加することにより、液状組成物の粘度を調整することができる。
液状媒体におけるその他の液状媒体の含有割合は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、0質量%がさらに好ましい。前記範囲内であれば、無機層状化合物の分散性を阻害しにくい。また、本発明においては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール等の高沸点溶媒の添加を必要としないが、これらの溶媒を添加してもよい。
液状媒体におけるその他の液状媒体の含有割合は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、0質量%がさらに好ましい。前記範囲内であれば、無機層状化合物の分散性を阻害しにくい。また、本発明においては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール等の高沸点溶媒の添加を必要としないが、これらの溶媒を添加してもよい。
(各成分の割合)
液状組成物に対する固形分の含有量は、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、液状組成物の粘度が高くなりやすく、液状組成物を塗布した際に液状組成物が必要以上に広がりにくく、所望の厚さの膜を得やすい。前記範囲の上限値以下であれば、液状組成物の流動性を確保しやすく、均一な厚さの膜を得やすい。
液状組成物に対する固形分の含有量は、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、液状組成物の粘度が高くなりやすく、液状組成物を塗布した際に液状組成物が必要以上に広がりにくく、所望の厚さの膜を得やすい。前記範囲の上限値以下であれば、液状組成物の流動性を確保しやすく、均一な厚さの膜を得やすい。
含フッ素電解質ポリマーの含有量は、含フッ素電解質ポリマーと無機層状化合物とシラン化合物Xとの合計に対して、70〜99.7質量%が好ましく、82〜99.3質量%がより好ましく、90〜98.5質量%がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性の低下が抑制されやすい。前記範囲の上限値以下であれば、含フッ素電解質ポリマー以外の成分による効果が発現しやすい。
無機層状化合物の含有量は、含フッ素電解質ポリマーと無機層状化合物とシラン化合物Xとの合計に対して、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜における燃料のクロスリークが充分に抑えられやすい。前記範囲の上限値以下であれば、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性の低下が抑制されやすい。
シラン化合物Xの含有量は、含フッ素電解質ポリマーと無機層状化合物とシラン化合物Xとの合計に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜8質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、無機層状化合物を液状媒体中に充分に分散させやすい。前記範囲の上限値以下であれば、化合物Iの添加によるプロトン伝導性の低下を抑制しやすい。
液状組成物における各成分の含有量は、従来公知の分析方法により、液状組成物から求めることもできるし、液状組成物を製造する際の各成分の仕込み量から算出することもできる。液状組成物において、仕込み量から算出された化合物Iの含有量は、シラン化合物Xの含有量と等しい。
液状組成物における各成分の含有量は、従来公知の分析方法により、液状組成物から求めることもできるし、液状組成物を製造する際の各成分の仕込み量から算出することもできる。液状組成物において、仕込み量から算出された化合物Iの含有量は、シラン化合物Xの含有量と等しい。
液状組成物は、含フッ素電解質ポリマー、無機層状化合物およびシラン化合物X以外の保水性やプロトン伝導性を有する添加剤、補強材等のその他の成分を含んでもよい。添加剤としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、層状構造を有しないリン酸ジルコニウム、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、シリコタングステン酸等が挙げられる。補強材としては、ガラス繊維、セラミック繊維、石英繊維、シリカ繊維、高分子繊維等が挙げられる。
その他の成分の含有量は、液状組成物に対して、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
その他の成分の含有量は、液状組成物に対して、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
以上説明した本発明の液状組成物にあっては、式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該加水分解性シリル基含有化合物の加水分解物および該加水分解性シリル基含有化合物の縮合物、式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該シリル基含有化合物の加水分解物、および該シリル基含有化合物の縮合物、式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物を含むため、特殊な装置(超音波発生装置等)を用いることなく、また、高沸点の溶媒を用いることなく、簡易に無機層状化合物を液状媒体中に分散できる。そのため、後述する固体高分子電解質膜の製造方法において、含フッ素電解質ポリマー内に無機層状化合物が良好に分散した固体高分子電解質膜を製造できる。よって、本発明の液状組成物を用いることによって、燃料のクロスリークが抑えられた固体高分子電解質膜を簡易に製造できる。
<液状組成物の製造方法>
本発明の液状組成物は、含フッ素電解質ポリマーと、無機層状化合物と、化合物Iおよび/または化合物IIと、液状媒体とを混合して液状組成物を調製する方法である。
本発明の製造方法においては、液状媒体と、含フッ素電解質ポリマーと、無機層状化合物と、化合物Iおよび/または化合物IIとを同時に混合してもよく;混合媒体と、含フッ素電解質ポリマー、無機層状化合物、および/または化合物IIからなる群から選ばれる一種または二種とを混合し、得られた混合液と残りの成分とを一括でまたは順次混合してもよい。
本発明の液状組成物は、含フッ素電解質ポリマーと、無機層状化合物と、化合物Iおよび/または化合物IIと、液状媒体とを混合して液状組成物を調製する方法である。
本発明の製造方法においては、液状媒体と、含フッ素電解質ポリマーと、無機層状化合物と、化合物Iおよび/または化合物IIとを同時に混合してもよく;混合媒体と、含フッ素電解質ポリマー、無機層状化合物、および/または化合物IIからなる群から選ばれる一種または二種とを混合し、得られた混合液と残りの成分とを一括でまたは順次混合してもよい。
本発明の製造方法においては、無機層状化合物を液状媒体中に良好に分散できる点から、無機層状化合物と化合物Iおよび/または化合物IIと液状媒体とを混合して混合液を調製し、混合液と含フッ素電解質ポリマーとを混合することが好ましく;化合物Iおよび/または化合物IIと液状媒体とを混合して第1の混合液を調製し、第1の混合液と無機層状化合物とを混合して第2の混合液を調製し、第2の混合液と含フッ素電解質ポリマーとを混合することが好ましい。
以上説明した本発明の液状組成物の製造方法にあっては、化合物Iおよび/または化合物II(場合によっては、さらに、化合物I、IIの加水分解物および化合物I、IIの縮合物のいずれか一方または両方、および/または化合物Iと化合物IIの縮合物)の存在下に、無機層状化合物と液状媒体とを混合しているため、特殊な装置(超音波発生装置等)を用いることなく、また、高沸点の溶媒を用いることなく、簡易に無機層状化合物を液状媒体中に分散できる。そのため、後述する固体高分子電解質膜の製造方法において、含フッ素電解質ポリマー内に無機層状化合物が良好に分散し、燃料のクロスリークが抑えられた固体高分子電解質膜を製造できる。
<固体高分子電解質膜>
本発明の固体高分子電解質膜は、含フッ素電解質ポリマーと;前記式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物、該化合物の縮合物、前記式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物および該化合物の縮合物、前記式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と前記式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と;無機層状化合物、または無機層状化合物とシラン化合物との反応生成物とを含む。
ここで、「無機層状化合物、または無機層状化合物とシラン化合物との反応生成物」は、無機層状化合物と、無機層状化合物とシラン化合物との反応生成物の双方を含む場合も表す。
本発明の固体高分子電解質膜は、必要に応じて必須成分以外の他の成分や、補強材を含んでいてもよい。
本発明の固体高分子電解質膜は、含フッ素電解質ポリマーと;前記式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物、該化合物の縮合物、前記式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物および該化合物の縮合物、前記式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と前記式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と;無機層状化合物、または無機層状化合物とシラン化合物との反応生成物とを含む。
ここで、「無機層状化合物、または無機層状化合物とシラン化合物との反応生成物」は、無機層状化合物と、無機層状化合物とシラン化合物との反応生成物の双方を含む場合も表す。
本発明の固体高分子電解質膜は、必要に応じて必須成分以外の他の成分や、補強材を含んでいてもよい。
含フッ素電解質ポリマーの含有量は、固体高分子電解質膜に対して、70〜99.7質量%が好ましく、82〜99.3質量%がより好ましく、90〜98.5質量%がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性の低下を抑えやすい。前記範囲の上限値以下であれば、含フッ素電解質ポリマー以外の成分による効果が発現しやすい。
前記シラン化合物X、無機層状化合物、および前記シラン化合物Xと無機層状化合物との反応生成物の合計の含有量は、固体高分子電解質膜に対して、0.3〜30質量%が好ましく、0.7〜18質量%がより好ましく、1.5〜10質量%がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜における燃料のクロスリークが充分に抑えられやすい。無機層状化合物、化合物Iおよびこれらに由来する反応生成物の合計の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性の低下が抑えられやすい。
固体高分子電解質膜の厚さは、1〜25μmが好ましく、2〜15μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜における燃料のクロスリークが充分に抑えられやすい。また、固体高分子電解質膜にシワが発生しにくくなり、破断しにくい。前記範囲の上限値以下であれば、固体高分子電解質膜の抵抗が充分に低くなりやすいため、発電性能がさらに優れる膜電極接合体が得られやすい。
固体高分子電解質膜は、補強材で補強されていてもよい。補強材としては、多孔体、繊維、織布、不織布等が挙げられる。補強材の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。
以上説明した本発明の固体高分子電解質膜にあっては、式(I)および/または式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物やその反応生成物等を含むため、特殊な装置(超音波発生装置等)を用いることなく、また、高沸点の溶媒を用いることなく、簡易に含フッ素電解質ポリマー内に無機層状化合物が良好に分散される。そして、含フッ素電解質ポリマー内に良好に分散した無機層状化合物の遮蔽効果によって、水素ガスやメタノールが固体高分子電解質膜を透過しにくくなり、燃料のクロスリークが抑えられる。
また、含フッ素電解質ポリマー内に無機層状化合物が良好に分散された固体高分子電解質膜は弾性率が高く、硬いため、ガス拡散層の炭素繊維が貫通しにくく、炭素繊維の貫通に伴うガスリークや短絡が発生しにくい。
また、含フッ素電解質ポリマー内に無機層状化合物が良好に分散された固体高分子電解質膜は弾性率が高く、硬いため、ガス拡散層の炭素繊維が貫通しにくく、炭素繊維の貫通に伴うガスリークや短絡が発生しにくい。
<固体高分子電解質膜の製造方法>
本発明の固体高分子電解質膜の製造方法は、本発明の液状組成物の製造方法によって液状組成物を調製し、液状組成物を用いて固体高分子電解質膜を製膜する方法である。
液状組成物を用いて固体高分子電解質膜を製膜する方法としては、具体的には、液状組成物を基材フィルムまたは触媒層の表面に塗布し、乾燥させる方法(キャスト法)が挙げられる。
固体高分子電解質膜を製膜する際の液状組成物の乾燥温度は、10〜95℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、液状媒体を蒸発させやすく、固体高分子電解質膜を乾燥させやすい。前記範囲の上限値以下であれば、液状媒体の急激な蒸発や沸騰による固体高分子電解質膜の欠陥が生じにくい。
本発明の固体高分子電解質膜の製造方法は、本発明の液状組成物の製造方法によって液状組成物を調製し、液状組成物を用いて固体高分子電解質膜を製膜する方法である。
液状組成物を用いて固体高分子電解質膜を製膜する方法としては、具体的には、液状組成物を基材フィルムまたは触媒層の表面に塗布し、乾燥させる方法(キャスト法)が挙げられる。
固体高分子電解質膜を製膜する際の液状組成物の乾燥温度は、10〜95℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、液状媒体を蒸発させやすく、固体高分子電解質膜を乾燥させやすい。前記範囲の上限値以下であれば、液状媒体の急激な蒸発や沸騰による固体高分子電解質膜の欠陥が生じにくい。
固体高分子電解質膜は、熱水に接触したときの膨潤度を低下させるために加熱処理されることが好ましい。加熱処理の温度は、110〜220℃が好ましく、140〜200℃がより好ましい。前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜の熱水耐性が向上しやすい。前記範囲の上限値以下であれば、イオン交換基の熱分解が抑えられやすい。特に、固体高分子電解質膜を160℃よりも高い温度で加熱処理をすると、膜面方向の寸法変化を抑制しやすく、膜の皺が発生しにくく、機械的な耐久性が向上しやすい。
以上説明した本発明の固体高分子電解質膜の製造方法にあっては、式(I)および/または式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の存在下に、無機層状化合物と液状媒体とを混合して得られた液状組成物を用いているため、特殊な装置(超音波発生装置等)を用いることなく、また、高沸点の溶媒を用いることなく、簡易に含フッ素電解質ポリマー内に無機層状化合物が良好に分散し、燃料のクロスリークが抑えられた固体高分子電解質膜を製造できる。
<膜電極接合体>
本発明の膜電極接合体は、触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、アノードとカソードとの間に配置された本発明の固体高分子電解質膜とを備える。
図1は、膜電極接合体の一例を示す模式断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11およびガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11およびガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置された固体高分子電解質膜15とを具備する。
本発明の膜電極接合体は、触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、アノードとカソードとの間に配置された本発明の固体高分子電解質膜とを備える。
図1は、膜電極接合体の一例を示す模式断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11およびガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11およびガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置された固体高分子電解質膜15とを具備する。
触媒層は、触媒と、電解質ポリマーとを含む層である。触媒としては、カーボン担体に白金または白金合金を担持した担持触媒が挙げられる。カーボン担体としては、カーボンブラック粉末、グラファイト化カーボン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
電解質ポリマーとしては、触媒層に用いられる公知の電解質ポリマーが挙げられ、クラックが入りにくい触媒層を形成できる点から、TFE単位と単位(u1)とを有するポリマーが好ましい。
電解質ポリマーとしては、触媒層に用いられる公知の電解質ポリマーが挙げられ、クラックが入りにくい触媒層を形成できる点から、TFE単位と単位(u1)とを有するポリマーが好ましい。
ガス拡散層は、触媒層に均一にガスを拡散させる機能および集電体としての機能を有する。ガス拡散層としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。ガス拡散層は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEとも記す。)等によって撥水化処理されていることが好ましい。
図2に示すように、膜電極接合体10は、触媒層11とガス拡散層12との間にカーボン層16を有してもよい。カーボン層を配置することによって、触媒層の表面のガス拡散性および発電により生成した水の排水性が向上し、固体高分子形燃料電池の発電性能が大きく向上しやすい。カーボン層は、アノードおよびカソードのいずれか一方の触媒層とガス拡散層との間に配置されていてもよく、アノードおよびカソードの両方の触媒層とガス拡散層との間に配置されていてもよい。
カーボン層は、カーボンと非イオン性含フッ素ポリマーとを含む層である。カーボンとしては、カーボン粒子、カーボンファイバー等が挙げられ、繊維径1〜1,000nm、繊維長1,000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。非イオン性含フッ素ポリマーとしては、PTFE等が挙げられる。
カーボン層は、カーボンと非イオン性含フッ素ポリマーとを含む層である。カーボンとしては、カーボン粒子、カーボンファイバー等が挙げられ、繊維径1〜1,000nm、繊維長1,000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。非イオン性含フッ素ポリマーとしては、PTFE等が挙げられる。
膜電極接合体10は、触媒層11とガス拡散層12との間に中間層を有していてもよい。中間層は、触媒層11とカーボン層16の間に配置されてもよい。
中間層を配置することによって、触媒層と、ガス拡散層またはカーボン層との接着強度が高まり、膜電極接合体としての機械的強度が向上するとともに、湿潤環境下での触媒層からの排水および乾燥下での保湿により固体高分子形燃料電池の発電性能が大きく向上しやすい。
中間層は、電解質ポリマーと炭素材料とを含む。電解質ポリマーとしては、触媒層や固体高分子電解質膜に含まれる電解質ポリマーと同様のものが挙げられ、工業的実施が容易な点から、TFE単位と単位(u1)とを有するポリマーが好ましい。
炭素材料としては、炭素繊維が好ましい。微細でかつ電子伝導性を有する点から、カーボンナノファイバーが好ましい。カーボンナノファイバーとしては、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ(シングルウォール、ダブルウォール、マルチウォール、カップ積層型等)等が挙げられる。
本発明の膜電極接合体は、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えたものとなる。
中間層を配置することによって、触媒層と、ガス拡散層またはカーボン層との接着強度が高まり、膜電極接合体としての機械的強度が向上するとともに、湿潤環境下での触媒層からの排水および乾燥下での保湿により固体高分子形燃料電池の発電性能が大きく向上しやすい。
中間層は、電解質ポリマーと炭素材料とを含む。電解質ポリマーとしては、触媒層や固体高分子電解質膜に含まれる電解質ポリマーと同様のものが挙げられ、工業的実施が容易な点から、TFE単位と単位(u1)とを有するポリマーが好ましい。
炭素材料としては、炭素繊維が好ましい。微細でかつ電子伝導性を有する点から、カーボンナノファイバーが好ましい。カーボンナノファイバーとしては、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ(シングルウォール、ダブルウォール、マルチウォール、カップ積層型等)等が挙げられる。
本発明の膜電極接合体は、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えたものとなる。
<膜電極接合体の製造方法>
本発明の膜電極接合体の製造方法は、触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、アノードとカソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた膜電極接合体を製造する方法であり、本発明の固体高分子電解質膜の製造方法によって、前記固体高分子電解質膜を形成する方法を含む。
膜電極接合体は、本発明の製造方法によって得られた固体高分子電解質膜を用いて、たとえば、国際公開第2008/090990号、国際公開第2009/116630号等に記載される従来公知の方法により製造することができる。
本発明の膜電極接合体の製造方法は、触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、アノードとカソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた膜電極接合体を製造する方法であり、本発明の固体高分子電解質膜の製造方法によって、前記固体高分子電解質膜を形成する方法を含む。
膜電極接合体は、本発明の製造方法によって得られた固体高分子電解質膜を用いて、たとえば、国際公開第2008/090990号、国際公開第2009/116630号等に記載される従来公知の方法により製造することができる。
中間層は、たとえば、国際公開第2009/116630号に記載の従来公知のものを用いて、従来公知の方法により、ガス拡散層上に形成できる。
本発明の膜電極接合体の製造方法によれば、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えた膜電極接合体を製造できる。
本発明の膜電極接合体の製造方法によれば、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えた膜電極接合体を製造できる。
<固体高分子形燃料電池>
膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝または多数の孔が形成されたセパレータを配置することにより、固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
該固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することにより、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電を行うメタノール燃料電池にも、膜電極接合体を適用できる。
本発明の燃料電池は、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えたものとなる。
膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝または多数の孔が形成されたセパレータを配置することにより、固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
該固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することにより、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電を行うメタノール燃料電池にも、膜電極接合体を適用できる。
本発明の燃料電池は、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えたものとなる。
<固体高分子形燃料電池の製造方法>
本発明の固体高分子形燃料電池の製造方法は、膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池を製造する方法であり、本発明の膜電極接合体の製造方法によって、前記膜電極接合体を作製する方法を含む。
本発明の固体高分子形燃料電池の製造方法によれば、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えた固体高分子形燃料電池を製造できる。
本発明の固体高分子形燃料電池の製造方法は、膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池を製造する方法であり、本発明の膜電極接合体の製造方法によって、前記膜電極接合体を作製する方法を含む。
本発明の固体高分子形燃料電池の製造方法によれば、燃料のクロスリークが抑えられ、かつ簡易に製造できる固体高分子電解質膜を備えた固体高分子形燃料電池を製造できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。なお、例1〜4、7は実施例であり、例5、6は比較例である。
(TQ)
TQ(単位:℃)は、ポリマーHの分子量および軟化温度の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマーFの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm3/秒となる温度である。ポリマーの押し出し量は、フローテスタCFT−500D(島津製作所社製)を用いて測定した。
TQ(単位:℃)は、ポリマーHの分子量および軟化温度の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマーFの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm3/秒となる温度である。ポリマーの押し出し量は、フローテスタCFT−500D(島津製作所社製)を用いて測定した。
(イオン交換容量)
0.35Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて、60℃で40時間かけてポリマーHを中和し、0.1Nの塩酸で未反応の水酸化ナトリウムを滴定することで、イオン交換容量を求めた。
0.35Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて、60℃で40時間かけてポリマーHを中和し、0.1Nの塩酸で未反応の水酸化ナトリウムを滴定することで、イオン交換容量を求めた。
(厚さ)
デジマチックインジケータ(Mitsutoyo社製、型番:543−250、フラット測定端子:φ5mm)を用いて固体高分子電解質膜の9箇所の厚さを測定し、これらを平均して固体高分子電解質膜の厚さとした。
デジマチックインジケータ(Mitsutoyo社製、型番:543−250、フラット測定端子:φ5mm)を用いて固体高分子電解質膜の9箇所の厚さを測定し、これらを平均して固体高分子電解質膜の厚さとした。
(SEM観察1)
固体高分子電解質膜をエポキシ樹脂で包埋し、断面イオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、E−3500)を用いて断面加工を行った。加工後の断面について、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立ハイテクノロジーズ社製、SU8230)にて反射電子像の観察を行った。加速電圧は2kVであった。
固体高分子電解質膜をエポキシ樹脂で包埋し、断面イオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、E−3500)を用いて断面加工を行った。加工後の断面について、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立ハイテクノロジーズ社製、SU8230)にて反射電子像の観察を行った。加速電圧は2kVであった。
(SEM観察2)
固体高分子電解質膜を2枚の板状磁石で挟んで固定して、膜面方向と垂直な方向にミクロトーム用カッターで切断して、断面を露出させた。断面観察用T型試料台にカーボンテープで固体高分子電解質膜を固定した。断面について、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM、JEOL社製、JSM−7000F)にて反射電子像の観察を行った。加速電圧は10kVであった。
固体高分子電解質膜を2枚の板状磁石で挟んで固定して、膜面方向と垂直な方向にミクロトーム用カッターで切断して、断面を露出させた。断面観察用T型試料台にカーボンテープで固体高分子電解質膜を固定した。断面について、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM、JEOL社製、JSM−7000F)にて反射電子像の観察を行った。加速電圧は10kVであった。
(分散性)
固体高分子電解質膜の断面をSEM観察1または2の方法で走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、無機層状化合物の分散性を下記基準にて評価した。
○:無機層状化合物の各層が分離し、固体高分子電解質膜の面方向に配向した状態で含フッ素電解質ポリマー内に良好に分散している。
×:含フッ素電解質ポリマー内で無機層状化合物が凝集し、固体高分子電解質膜内に無機層状化合物が存在しない領域が見られる。
固体高分子電解質膜の断面をSEM観察1または2の方法で走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、無機層状化合物の分散性を下記基準にて評価した。
○:無機層状化合物の各層が分離し、固体高分子電解質膜の面方向に配向した状態で含フッ素電解質ポリマー内に良好に分散している。
×:含フッ素電解質ポリマー内で無機層状化合物が凝集し、固体高分子電解質膜内に無機層状化合物が存在しない領域が見られる。
(寸法変化率)
固体高分子電解質膜を横2cm×縦3cmに切り出し、一晩真空下で乾燥させた。次いで、乾燥させた固体高分子電解質膜の横方向、縦方向の寸法および膜厚を定規で計測した。膜厚は3か所測定し平均値を算出した。
容量50mLのポリエチレン広口瓶に、80℃の蒸留水を25mL加え、寸法を計測した固体高分子電解質膜を浸漬した。瓶に中蓋をして、密閉した状態で80℃のオーブン内で16時間静置した。16時間後、瓶から固体高分子電解質膜を取り出し、よく濡らしたろ紙の上で横方向の長さ、縦方向の長さおよび3か所の膜厚をそれぞれ計測した。浸漬前後の寸法(横方向の長さ、縦方向の長さおよび膜厚の平均値)を比較して変化率を算出した。
固体高分子電解質膜を横2cm×縦3cmに切り出し、一晩真空下で乾燥させた。次いで、乾燥させた固体高分子電解質膜の横方向、縦方向の寸法および膜厚を定規で計測した。膜厚は3か所測定し平均値を算出した。
容量50mLのポリエチレン広口瓶に、80℃の蒸留水を25mL加え、寸法を計測した固体高分子電解質膜を浸漬した。瓶に中蓋をして、密閉した状態で80℃のオーブン内で16時間静置した。16時間後、瓶から固体高分子電解質膜を取り出し、よく濡らしたろ紙の上で横方向の長さ、縦方向の長さおよび3か所の膜厚をそれぞれ計測した。浸漬前後の寸法(横方向の長さ、縦方向の長さおよび膜厚の平均値)を比較して変化率を算出した。
(水素ガス透過係数)
評価対象の固体高分子電解質膜をガス透過装置用セルに組み込んだ。80℃の条件下、セル有効ガス透過面積3.3cm2、ガス流量30cm3/minの条件で、該固体高分子電解質膜の一方の面側に湿度を調節した水素ガスを流し、固体高分子電解質膜の他方の面側に湿度を調節したアルゴンガスを流した。アルゴンガス側に透過してくる水素ガスを、ガスクロマトグラフィで検出し、水素ガス透過量を測定した。得られた水素ガス透過量を用いて、標準状態(0℃、1気圧)において、膜面積1cm2、透過ガスの圧力差1Paあたり、1秒間に透過する水素ガスの流量を求め、厚さ1cmの膜に換算した値を固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数とした。
評価対象の固体高分子電解質膜をガス透過装置用セルに組み込んだ。80℃の条件下、セル有効ガス透過面積3.3cm2、ガス流量30cm3/minの条件で、該固体高分子電解質膜の一方の面側に湿度を調節した水素ガスを流し、固体高分子電解質膜の他方の面側に湿度を調節したアルゴンガスを流した。アルゴンガス側に透過してくる水素ガスを、ガスクロマトグラフィで検出し、水素ガス透過量を測定した。得られた水素ガス透過量を用いて、標準状態(0℃、1気圧)において、膜面積1cm2、透過ガスの圧力差1Paあたり、1秒間に透過する水素ガスの流量を求め、厚さ1cmの膜に換算した値を固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数とした。
(製造例1)
J.CHEM.SOC.,CHEM.COMMUN.,1991(10),677−678に記載の方法で化合物(I−1)を得た。該化合物は、下式(I−1)中のnが2の化合物とnが3の化合物とのモル比が86:14の混合物であった。
J.CHEM.SOC.,CHEM.COMMUN.,1991(10),677−678に記載の方法で化合物(I−1)を得た。該化合物は、下式(I−1)中のnが2の化合物とnが3の化合物とのモル比が86:14の混合物であった。
(製造例2)
TFE単位と単位(u1−1)を有する下記ポリマー(H−1)(イオン交換容量1.1ミリ当量/g)を、固形分濃度が26質量%となるように水/エタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に分散させ、分散液Aを得た。
ポリマー(H−1)は、TFEとCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fの共重合体(TQ225℃)であるポリマー(F−1)を公知の方法によってアルカリ加水分解した後、酸で処理することにより、ポリマー(F−1)の−SO2F基を−SO3H基に変換したものである。
TFE単位と単位(u1−1)を有する下記ポリマー(H−1)(イオン交換容量1.1ミリ当量/g)を、固形分濃度が26質量%となるように水/エタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に分散させ、分散液Aを得た。
ポリマー(H−1)は、TFEとCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fの共重合体(TQ225℃)であるポリマー(F−1)を公知の方法によってアルカリ加水分解した後、酸で処理することにより、ポリマー(F−1)の−SO2F基を−SO3H基に変換したものである。
(例1)
50mLのサンプル瓶に化合物(I−1)の30mgを量りとり、孔径5μmのフィルタを通過した水/エタノール=40/60(質量比)の混合溶媒の15mLを加え、撹拌子によってスターラ上で1分程度撹拌を行った。
次いで、このサンプル瓶にモンモリロナイトを主成分とする無機層状化合物(クニミネ工業社製、クニピア−M)の30mgを加え、回転数を1000rpmとして5時間撹拌した。さらに、このサンプル瓶に分散液Aの2.19gを加え、回転数を1000rpmとして撹拌子によってスターラ上で48時間撹拌して液状組成物を得た。
50mLのサンプル瓶に化合物(I−1)の30mgを量りとり、孔径5μmのフィルタを通過した水/エタノール=40/60(質量比)の混合溶媒の15mLを加え、撹拌子によってスターラ上で1分程度撹拌を行った。
次いで、このサンプル瓶にモンモリロナイトを主成分とする無機層状化合物(クニミネ工業社製、クニピア−M)の30mgを加え、回転数を1000rpmとして5時間撹拌した。さらに、このサンプル瓶に分散液Aの2.19gを加え、回転数を1000rpmとして撹拌子によってスターラ上で48時間撹拌して液状組成物を得た。
テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと記す。)製のシャーレ(75mmφ)に前記液状組成物を入れ、室温下、暗所にて3〜7日間静置して、乾燥させた。これによりシャーレ上に膜が形成された。
得られた膜をピンセットでシャーレから剥離させ、10cm四方のPTFE製シートで挟み、160℃で30分間加熱し、固体高分子電解質膜を得た。加熱手段としては、手動油圧加熱プレス(井元製作所社製、180C[IMC−180C型])を用いた。
得られた固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表1に示す。SEM観察1の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図3に示す。
得られた膜をピンセットでシャーレから剥離させ、10cm四方のPTFE製シートで挟み、160℃で30分間加熱し、固体高分子電解質膜を得た。加熱手段としては、手動油圧加熱プレス(井元製作所社製、180C[IMC−180C型])を用いた。
得られた固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表1に示す。SEM観察1の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図3に示す。
(例2)
水/エタノールの混合溶媒を水/エタノール=89/11(質量比)の混合溶媒とし、分散液Aの添加量を1.66gとし、化合物(I−1)の使用量を22mgとし、前記無機層状化合物の使用量を22mgとし、加熱処理の条件を、オーブン中50℃で1時間加熱後、80℃で30分間加熱し、次いで110℃で1時間加熱、次いで160℃で30分間加熱する条件に変更した以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表1に示す。SEM観察1の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図4に示す。
水/エタノールの混合溶媒を水/エタノール=89/11(質量比)の混合溶媒とし、分散液Aの添加量を1.66gとし、化合物(I−1)の使用量を22mgとし、前記無機層状化合物の使用量を22mgとし、加熱処理の条件を、オーブン中50℃で1時間加熱後、80℃で30分間加熱し、次いで110℃で1時間加熱、次いで160℃で30分間加熱する条件に変更した以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表1に示す。SEM観察1の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図4に示す。
(例3)
水/エタノール=40/60(質量比)の混合溶媒の量を2mLとし、加熱処理の条件を例2と同様とする以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表1に示す。SEM観察1の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図5に示す。
水/エタノール=40/60(質量比)の混合溶媒の量を2mLとし、加熱処理の条件を例2と同様とする以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表1に示す。SEM観察1の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図5に示す。
(例4)
PFA製シャーレに入れた液状組成物を85℃のオーブン中に3〜4時間静置して乾燥させたこと、次いで180℃で1時間加熱処理したこと以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果、寸法変化率を表1に示し、水素ガス透過係数を表3に示す。
PFA製シャーレに入れた液状組成物を85℃のオーブン中に3〜4時間静置して乾燥させたこと、次いで180℃で1時間加熱処理したこと以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果、寸法変化率を表1に示し、水素ガス透過係数を表3に示す。
(例5)
化合物(I−1)および無機層状化合物を用いず、加熱処理の条件を例2と同様にした以外は、例1と同様にして、固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、寸法変化率を表2に示す。
化合物(I−1)および無機層状化合物を用いず、加熱処理の条件を例2と同様にした以外は、例1と同様にして、固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、寸法変化率を表2に示す。
(例6)
化合物(I−1)を用いず、無機層状化合物の30mgを添加した後、1000rpmで1分間程度スターラ上で撹拌した以外は、例4と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表2に示す。SEM観察2の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図6に示す。固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数を表4に示す。
化合物(I−1)を用いず、無機層状化合物の30mgを添加した後、1000rpmで1分間程度スターラ上で撹拌した以外は、例4と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ、分散性の評価結果を表2に示す。SEM観察2の条件で観察した固体高分子電解質膜の断面のSEM写真を図6に示す。固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数を表4に示す。
(例7)
85℃のオーブン中に3〜4時間静置して乾燥させ、160℃で1時間加熱処理したこと以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ分散性の評価結果、寸法変化率を表2に示す。
85℃のオーブン中に3〜4時間静置して乾燥させ、160℃で1時間加熱処理したこと以外は、例1と同様にして固体高分子電解質膜を得た。この固体高分子電解質膜の厚さ分散性の評価結果、寸法変化率を表2に示す。
(例8)
化合物(I−1)および前記無機層状化合物を添加せず、分散液Aを基材上に塗布し、160℃で30分間加熱処理して得られたポリマー(H−1)の固体高分子電解質膜(厚さ50μm)の水素ガス透過係数を求めた。
例8で得られた固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数および例8で得られた固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数に対する、例4の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数の割合(水素ガス透過係数比)を表3に示す。また、例8で得られた固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数に対する、例6の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数比を表4に示す。
化合物(I−1)および前記無機層状化合物を添加せず、分散液Aを基材上に塗布し、160℃で30分間加熱処理して得られたポリマー(H−1)の固体高分子電解質膜(厚さ50μm)の水素ガス透過係数を求めた。
例8で得られた固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数および例8で得られた固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数に対する、例4の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数の割合(水素ガス透過係数比)を表3に示す。また、例8で得られた固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数に対する、例6の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数比を表4に示す。
表3に示すように、全ての湿度において、無機層状化合物および化合物(I−1)を添加した例4の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数は、ポリマー(H−1)の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数の40%未満に抑えられた。一方、表4に示すように、化合物(I−1)を添加しなかった例6においては、無機層状化合物を添加したにもかかわらず、例6の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数は、ポリマー(H−1)の固体高分子電解質膜の水素ガス透過係数の60%程度までにしか抑えられなかった。
本発明の固体高分子電解質膜は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体における固体高分子電解質膜;水電解、過酸化水素製造、オゾン製造、廃酸回収等に用いるプロトン選択透過膜;食塩電解用陽イオン交換膜;レドックスフロー電池の隔膜;脱塩または製塩に用いる電気透析用陽イオン交換膜等として有用である。
10:膜電極接合体、11:触媒層、12:ガス拡散層、13:アノード、14:カソード、15:固体高分子電解質膜、16:カーボン層。
なお、2017年2月16日に出願された日本特許出願2017−27194号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (19)
- 含フッ素電解質ポリマーと、
下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該シリル基含有化合物の加水分解物、該シリル基含有化合物の縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該シリル基含有化合物の加水分解物、および該シリル基含有化合物の縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と、無機層状化合物と、液状媒体と、を含む液状組成物。
Rf−(CH2)k−SiLmR2 3−m (II)
(但し、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、それぞれは独立し、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。) - 前記含フッ素電解質ポリマーの含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物との合計に対して、70〜99.7質量%である、請求項1に記載の液状組成物。
- 前記無機層状化合物の含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物との合計に対して、0.2〜20質量%である、請求項1または2に記載の液状組成物。
- 前記シラン化合物の含有量が、前記含フッ素電解質ポリマーと前記無機層状化合物と前記シラン化合物の合計に対して、0.1〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状組成物。
- 前記液状媒体が、水を含む、または水およびアルコールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液状組成物。
- 前記水の前記アルコールに対する質量比が、100/0〜5/95である、請求項5に記載の液状組成物。
- フッ素電解質ポリマーと、
下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物、該化合物の縮合物、下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物、該化合物の加水分解物および該化合物の縮合物、下式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物と下式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物と、
無機層状化合物または無機層状化合物と前記シラン化合物との反応生成物と、
を含む固体高分子電解質膜。
Rf−(CH2)k−SiLmR2 3−m (II)
(但し、Rf、L、R2、mは、式(I)中の定義と同じであるが、それぞれは独立し、式(I)のものと同じであっても異なっていてもよい。kは1〜3である。) - 前記含フッ素電解質ポリマーの含有量が、前記固体高分子電解質膜に対して、70〜99.7質量%である、請求項7に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記シラン化合物、前記無機層状化合物、および前記シラン化合物と前記無機層状化合物との反応生成物の合計の含有量が、前記固体高分子電解質膜に対して、0.3〜30質量%である、請求項7または8に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記固体高分子電解質膜の厚さが1〜25μmである、請求項7〜9のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された、請求項7〜10のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜と、を備えた、膜電極接合体。
- 請求項11に記載の膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液状組成物を製造する方法であり、
前記含フッ素電解質ポリマーと、前記無機層状化合物と、前記式(I)で表される加水分解性シリル基含有化合物および/または前記式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物と、前記液状媒体と、を混合する、液状組成物の製造方法。 - 前記無機層状化合物と、前記式(I)および/または式(II)で表される加水分解性シリル基含有化合物と、前記液状媒体とを混合して混合液を調製し、得られる混合液と、前記含フッ素電解質ポリマーとを混合する、請求項13に記載の液状組成物の製造方法。
- 請求項13または14に記載の液状組成物の製造方法によって、液状組成物を調製し、
得られる液状組成物を用いて固体高分子電解質膜を製膜する、固体高分子電解質膜の製造方法。 - 前記液状組成物を10〜95℃で乾燥させる、請求項15に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 前記固体高分子電解質膜を製膜した後、110〜220℃で加熱処理する、請求項15または16に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた膜電極接合体を製造する方法であり、
前記固体高分子電解質膜を、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法で製造する膜電極接合体の製造方法。 - 膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池を製造する方法であり、
前記膜電極接合体を、請求項18に記載の膜電極接合体の製造方法によって作製する、固体高分子形燃料電池の製造方法。
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