JP6766553B2 - 固体高分子電解質膜およびその製造方法、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、ならびに固体高分子形燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜およびその製造方法、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、ならびに固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子電解質膜およびその製造方法、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、ならびに固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池は、たとえば、2つのセパレータの間に固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルをスタックしたものである。固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、触媒層を有するアノードおよびカソードと、アノードとカソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えたものである。
固体高分子電解質膜としては、たとえば、特許文献1、2の実施例には、スルホン酸基を有する単位とテトラフルオロエチレンに由来する単位とを有するコポリマーを含む、厚さ25μmの固体高分子電解質膜が開示されている。
固体高分子形燃料電池においては、運転条件によって加湿と乾燥とが繰り返される。固体高分子電解質膜は、イオン交換樹脂を含むため、加湿によって膨潤し、乾燥によって収縮する。そのため、固体高分子電解質膜が加湿による膨潤と乾燥による収縮とを繰り返すことによって、固体高分子電解質膜にシワが発生しやすくなり、シワをきっかけに破断が生じやすい。また、運転中には、触媒層に配合されるカーボンファイバー等によって固体高分子電解質膜に細かい亀裂が生じやすく、膨潤と収縮の繰り返しによって該亀裂が進展することでも固体高分子電解質膜に破断が生じやすい。
固体高分子電解質膜の抵抗を減らして固体高分子形燃料電池の発電性能を向上させる点から、固体高分子電解質膜の薄肉化が求められているが、特許文献1、2の実施例のような固体高分子電解質膜を薄くすると、膨潤と収縮の繰り返しによる破断が顕著になる。
国際公開第2007/013533号 国際公開第2008/090990号
本発明は、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくく、固体高分子形燃料電池の発電性能を向上できる固体高分子電解質膜およびその製造方法;固体高分子電解質膜が破断しにくく、発電性能に優れた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体;固体高分子電解質膜の破断が抑えられ、発電性能に優れた固体高分子形燃料電池を提供する。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]下式(u1)で表される単位、および下式(u2)で表される単位のいずれか一方または両方を有するポリマー(I)を含む固体高分子電解質膜であって、膜厚が1μm以上20μm以下である、固体高分子電解質膜。
Figure 0006766553
ただし、式(u1)中、Q11は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Q12は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、sは、0または1であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Zは、H、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。
また、式(u2)中、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Zは、H、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。
[2]前記ポリマー(I)における、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の合計の割合は、ポリマー(I)の全単位の合計に対して、10〜40モル%である、[1]に記載の固体高分子電解質膜。
[3]前記ポリマー(I)が、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の両方を有し、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の合計に対する式(u2)で表される単位の割合(モル比)は、0.05以上0.3以下である、[1]または[2]に記載の固体高分子電解質膜。
[4]前記ポリマー(I)が、さらにテトラフルオロエチレンに由来する単位を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[5]前記ポリマー(I)の破断伸度が400%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[6]触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された、[1]〜[5]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜とを備えた、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
[7][6]に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
[8][1]〜[5]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を製造する方法であって、下記ポリマー(F)の−SOF基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得て、前記ポリマー(I)を用いて固体高分子電解質膜を形成する、固体高分子電解質膜の製造方法。
ポリマー(F):下式(u’1)で表される単位、および下式(u’2)で表される単位のいずれか一方または両方を有するポリマー。
Figure 0006766553
ただし、式(u’1)中、Q11は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Q12は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、sは、0または1である。
また、式(u’2)中、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1である。
[9]前記ポリマー(F)の−SOF基をスルホンアミド基に変換した後、前記スルホンアミド基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得る、[8]に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
本発明の固体高分子電解質膜は、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくく、固体高分子形燃料電池の発電性能を向上できる。
本発明の固体高分子電解質膜の製造方法によれば、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくく、固体高分子形燃料電池の発電性能を向上できる固体高分子電解質膜が得られる。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、固体高分子電解質膜が破断しにくく、発電性能に優れている。
本発明の固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質膜の破断が抑えられ、発電性能に優れている。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の一例を示す断面図である。 本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の他の例を示す断面図である。
本明細書においては、式(u1)で表される単位を、単位(u1)と記す。また、式(m1)で表される化合物を、化合物(m1)と記す。他の式で表される単位や化合物も同様に記す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位に加えて、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位のことも意味する。
「ペルフルオロ有機基」とは、炭素原子を1以上含み、かつ炭素原子に共有結合する水素原子がすべてフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキル基」とは、アルキル基の炭素原子に共有結合する水素原子がすべてフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキレン基」とは、アルキレン基の炭素原子に共有結合する水素原子がすべてフッ素原子に置換された基を意味する。
「イオン交換基」とは、該基に含まれる陽イオンの一部が、他の陽イオンに交換しうる基を意味し、H、一価の金属カチオン、アンモニウムイオン等を有する基を意味する。イオン交換基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンメチド基等が挙げられる。
「スルホン酸基」は、−SO3−および−SO3−(ただし、Mは、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。)を包含する。
「TQ値」は、ポリマーの分子量および軟化温度の指標である。TQ値が大きいほど分子量が大きいことを示す。長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件で、溶融押出しを行った際のポリマーの押出し量が100mm/秒となる温度である。
「破断伸度」は、ポリマー膜を一定の速度で引っ張り、ポリマー膜が破断したときの長さを、引っ張る前の初期長さに対する百分率として表した値である。破断伸度が大きいほどポリマー膜の伸びがよいことを示す。
[固体高分子電解質膜]
本発明の固体高分子電解質膜は、ポリマー(I)を含み、膜厚が1μm以上20μm以下である固体高分子電解質膜である。
ポリマー(I)は、単位(u1)および単位(u2)のいずれか一方または両方を有するポリマーである。ポリマー(I)としては、本発明の効果が充分に発揮されやすい点から、単位(u1)を有するものが好ましく、単位(u1)および単位(u2)の両方を有するものがより好ましい。機械的強度および化学的耐久性に優れる点から、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す。)に由来する単位(以下、TFE単位とも記す。)をさらに有するものが好ましい。
ポリマー(I)としては、機械的強度の点から、単位(u1)およびTFE単位を含むものが好ましく、単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位を含むものがより好ましく、単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位からなるものがさらに好ましい。必要に応じて、単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位以外の第4のモノマーに由来する単位(以下、第4のモノマー単位とも記す。)を1種以上含んでもよい。
単位(u1)は、下式(u1)で表される単位である。
Figure 0006766553
ただし、式(u1)中、Q11は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Q12は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、sは、0または1であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Zは、H、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。単結合は、CYの炭素原子とSOの硫黄原子とが直接結合していることを意味する。
11、Q12のペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよいが、硫黄原子と直接結合する末端には挿入されない。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料のモノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。また、炭素数が6以下であれば、ポリマー(I)のイオン交換容量の低下が抑えられ、伝導性の低下が抑えられる。
12は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。Q12がエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であれば、Q12が単結合である場合に比べ、長期にわたって固体高分子形燃料電池を運転した際に、発電性能の安定性に優れる。
11、Q12の少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を有するモノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
f1のペルフルオロアルキル基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキル基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよいが、炭素原子結合末端には挿入されない。
f1のペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
単位(u1)の2つのRf1は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
としては、フッ素原子、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖のペルフルオロアルキル基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
単位(u1)としては、ポリマー(I)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u1−1)〜(u1−3)が好ましい。
Figure 0006766553
単位(u2)は、下式(u2)で表される単位である。
Figure 0006766553
ただし、式(u2)中、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Zは、H、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。単結合は、CYの炭素原子とSOの硫黄原子とが直接結合していることを意味する。
のペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよいが、硫黄原子と直接結合する末端には挿入されない。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、ポリマー(I)のイオン交換容量の低下が抑えられ、伝導性の低下が抑えられる。
f2のペルフルオロアルキル基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキル基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよいが、炭素原子結合末端には挿入されない。
f2のペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
としては、フッ素原子またはペルフルオロアルキル基が好ましく、フッ素原子またはトリフルオロメチル基がより好ましい。
単位(u2)としては、ポリマー(I)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u2−1)〜(u2−4)が好ましい。
Figure 0006766553
ポリマー(I)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、第4のモノマー単位をさらに有していてもよい。
第4のモノマーとしては、たとえば、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレンン、ペルフルオロα−オレフィン(ヘキサフルオロプロピレン等)、(ペルフルオロアルキル)エチレン(ペルフルオロブチル)エチレン等)、(ペルフルオロアルキル)プロペン(3−ペルフルオロオクチル−1−プロペン等)、ペルフルオロビニルエーテル(以下、PFVEとも記す。)等が挙げられる。
PFVEとしては、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキルビニルエーテル)等が挙げられる。
ポリマー(I)における単位(u1)および単位(u2)の合計の割合は、ポリマー(I)の全単位の合計に対して、10〜40モル%が好ましく、15〜30モル%がより好ましい。単位(u1)および単位(u2)の合計の割合が前記範囲内であれば、ポリマー(I)のイオン交換容量を好ましい範囲に調整しやすく、また破断伸度がより高くなり、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくい固体高分子電解質膜が得られやすい。
ポリマー(I)が単位(u1)および単位(u2)の両方を有する場合、単位(u1)および単位(u2)の合計に対する単位(u2)の割合(モル比)は、0.05以上0.3以下が好ましく、0.05以上0.2未満がより好ましい。前記単位(u2)の割合が高いほど、破断伸度がより高くなり、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくい固体高分子電解質膜が得られやすい。前記単位(u2)の割合が低いほど、ポリマー(I)のイオン交換容量を高めることができ、抵抗の低い固体高分子電解質膜が得られやすい。
ポリマー(I)におけるTFE単位の割合は、ポリマー(I)の全単位の合計に対して、20〜90モル%が好ましく、20〜85モル%がより好ましい。TFE単位の割合が前記範囲の下限値以上であれば、ポリマー(I)の機械的強度および化学的耐久性がさらに優れる。TFE単位の割合が前記範囲の上限値以下であれば、単位(u1)および単位(u2)による効果を損ないにくい。
ポリマー(I)における第4のモノマー単位の割合は、ポリマー(I)の全単位の合計に対して、0〜70モル%が好ましく、0〜65モル%がより好ましい。第4のモノマー単位の割合が前記範囲内であれば、単位(u1)、単位(u2)、TFE単位による効果を損ないにくい。
ポリマー(I)は、単位(u1)、単位(u2)および第4のモノマー単位を、それぞれ1種ずつ有していてもよく、それぞれ2種以上有していてもよい。
ポリマー(I)のイオン交換容量は、0.5〜4.0ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましく、0.7〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂がより好ましく、0.8〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂がさらに好ましい。ポリマー(I)のイオン交換容量が前記範囲の下限値以上であれば、伝導度が高くなるため、発電性能がさらに優れる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体が得られる。ポリマー(I)のイオン交換容量が前記範囲の上限値以下であれば、分子量の高いポリマーの合成が容易である。また、ポリマー(I)が過度に水で膨潤しないため、機械的強度を保持しやすい。
ポリマー(I)の破断伸度は、400%以上が好ましく、500〜1500%がより好ましく、550〜1000%がさらに好ましい。ポリマー(I)の破断伸度が前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜が加湿による膨潤や乾燥による収縮に追従しやすくなり、固体高分子電解質膜に生じた細かい亀裂の進展や、シワに起因する固体高分子電解質膜の破断が起こりにくい。ポリマー(I)の破断伸度が前記範囲の上限値以下であれば、加湿と乾燥とが繰り返される環境での変形量が小さくなり、固体高分子電解質膜に接する触媒層のクラック発生を抑制できる。
ポリマー(I)を厚さ25μmの膜としたときのWF値は、大きいほど固体高分子電解質膜の破断が起こりにくい。該WF値は、0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましい。WF値が前記の値以上であれば、固体高分子電解質膜に生じた細かい亀裂が進展しにくく、固体高分子電解質膜の破断が起こりにくい。
ポリマー(I)の伝導度は、80℃、50%相対湿度の条件下で、0.01S/cm以上が好ましく、0.02S/cm以上がより好ましく、0.03S/cm以上がさらに好ましい。ポリマー(I)の伝導度の伝導度が前記範囲の下限値以上であれば、発電性能がさらに優れる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体が得られる。ポリマー(I)の伝導度の上限値は、特に限定されないが、現実的には10S/cmである。
ポリマー(I)の含水率は、10〜500%が好ましく、15〜300%がより好ましい。ポリマー(I)の含水率が前記範囲の下限値以上であれば、伝導度が高くなるため、発電性能がさらに優れる膜電極接合体が得られる。ポリマー(I)の含水率が前記範囲の上限値以下であれば、ポリマー(I)が過度に水で膨潤しないため、機械的強度を保持できる。
(ポリマー(I)の製造方法)
ポリマー(I)は、−SOF基を有するポリマー(F)の−SOF基をスルホンイミド基に変換することで製造できる。
ポリマー(F)は、ポリマー(I)の前駆体であり、単位(u’1)および単位(u’2)のいずれか一方または両方を有するポリマーである。ポリマー(F)は、機械的強度および化学的耐久性に優れるポリマー(I)が得られやすい点から、TFE単位をさらに有することが好ましい。
単位(u’1)は、下式(u’1)で表される単位である。
Figure 0006766553
ただし、式(u’1)中のQ11、Q12、Y、sは、単位(u1)におけるQ11、Q12、Y、sと同様であり、好ましい形態も同様である。
単位(u’1)としては、ポリマー(F)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u’1−1)〜(u’1−3)が好ましい。
Figure 0006766553
単位(u’2)は、下式(u’2)で表される単位である。
Figure 0006766553
ただし、式(u’2)中のQ、Y、tは、単位(u2)におけるQ、Y、tと同様であり、好ましい形態も同様である。
単位(u’2)としては、ポリマー(F)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u’2−1)〜(u’2−4)が好ましい。
Figure 0006766553
ポリマー(F)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、ポリマー(I)で挙げた第4のモノマー単位をさらに有していてもよい。
ポリマー(F)の各単位の割合は、ポリマー(I)の各単位の割合が上述した好ましい範囲となるように適宜調整すればよい。
ポリマー(F)は、単位(u’1)および単位(u’2)のいずれか一方または両方を有してよい。本発明の効果が充分に発揮されやすい点から、単位(u’1)を有するものが好ましく、単位(u’1)および単位(u’2)を両方有するものがより好ましい。機械的強度および科学的耐久性に優れる点から、TFE単位をさらに有するものが好ましい。
ポリマー(F)としては、機械的強度の点から、単位(u’1)およびTFE単位を含むものが好ましく、単位(u’1)、単位(u’2)およびTFE単位を含むものがより好ましく、単位(u’1)、単位(u’2)およびTFE単位からなるものがさらに好ましい。必要に応じて、第4のモノマー単位を含んでもよい。
ポリマー(F)のTQ値は、150℃以上が好ましく、170℃〜340℃がより好ましく、170℃〜300℃がさらに好ましい。ポリマー(F)のTQ値が前記範囲の下限値以上であれば、固体高分子電解質膜の破断伸度が向上する。ポリマー(F)のTQ値が前記範囲の上限値以下であれば、ポリマー(F)の成形性がさらに優れる。
ポリマー(F)の製造方法としては、公知の方法を採用でき、たとえば、化合物(m1)および化合物(m2)のいずれか一方または両方と、必要に応じてTFEおよび第4のモノマーのいずれか一方または両方とを含むモノマー成分を重合する方法が挙げられる。
化合物(m1)は、下式(m1)で表される化合物である。
Figure 0006766553
ただし、式(m1)中のQ11、Q12、Y、sは、単位(u1)におけるQ11、Q12、Y、sと同様であり、好ましい形態も同様である。
化合物(m1)としては、化合物(m1−1)〜(m1−3)が好ましい。
Figure 0006766553
化合物(m1)は、公知の合成方法によって製造できる。
化合物(m2)は、下式(m2)で表される化合物である。
Figure 0006766553
ただし、式(m2)中のQ、Y、tは、単位(u2)におけるQ、Y、tと同様であり、好ましい形態も同様である。
化合物(m2)としては、化合物(m2−1)〜(m2−4)が好ましい。
Figure 0006766553
化合物(m2)は、たとえば、D.J.Vaugham著,”Du Pont Inovation”,第43巻、第3号,1973年、p.10に記載の方法、米国特許第4358412号明細書の実施例に記載の方法等、公知の合成方法によって製造できる。
重合方法としては、特に制限なく、公知の重合方法で重合できる。
ポリマー(F)の−SOF基をスルホンイミド基に変換する方法としては、ポリマー(F)の−SOF基をスルホンアミド基に変換してポリマー(A)とした後に、前記ポリマー(A)のスルホンアミド基をスルホンイミド基に変換する方法が好ましい。ポリマー(F)の−SOF基を一旦スルホンアミド基に変換することで、スルホンイミド化においてポリマー(F)の−SOF基の一部が加水分解されてスルホン酸基となることを抑制できるため、高効率で−SOF基のスルホンイミド化が行える。
ポリマー(F)の−SOF基をスルホンアミド基に変換してポリマー(A)を得る方法としては、たとえば、ポリマー(F)にアンモニアを接触させる方法が挙げられる。
ポリマー(A)のスルホンアミド基をスルホンイミド基に変換する方法としては、たとえば、アルカリ金属フッ化物や有機アミン等の塩基性化合物の存在下に、トリフルオロメタンスルホニルフルオライド、ペンタフルオロエタンスルホニルフルオライド等の−SOF基を有する化合物をポリマー(A)と接触させる方法が挙げられる。−SOF基を有する化合物を、ポリマー(A)のスルホンアミド基に対して過剰に使用することで、該化合物の一部の−SOF基が加水分解されても、残りの化合物が反応することでスルホンイミド化が充分に進行する。
スルホンイミド化に用いるポリマー(F)およびポリマー(A)は、固体状態であってもよく、溶媒で膨潤させた状態であってもよく、溶媒に溶解した状態であってもよい。スルホンイミド化を円滑に進める点から、ポリマー(F)およびポリマー(A)は、溶媒で膨潤させた状態または溶媒に溶解させた状態が好ましい。
溶媒としては、たとえば、ポリフルオロトリアルキルアミン化合物(パーフルオロトリブチルアミン等。)、フルオロアルカン(パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、1H−パーフルオロヘキサン、1H−パーフルオロオクタン等)等の含フッ素溶媒;アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の非フッ素系溶媒等が挙げられる。
本発明の固体高分子電解質膜の膜厚は、1μm以上20μm以下であり、2μm以上15μm以下が好ましく、3μm以上12μm以下がより好ましい。固体高分子電解質膜の厚さが前記範囲の下限値より小さければ、固体高分子電解質膜にシワが発生しやすくなり、より破断しやすくなる。固体高分子電解質膜の厚さが前記範囲の上限値より大きければ、膜の抵抗が大きくなり、発電性能に劣る膜電極接合体となりやすい。
固体高分子電解質膜は、補強材で補強されていてもよい。補強材としては、多孔体、繊維、織布、不織布等が挙げられる。補強材の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、TFE−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、TFE−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。
固体高分子電解質膜は、耐久性をさらに向上させるために、セリウムおよびマンガンからなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい。セリウム、マンガンは、固体高分子電解質膜の劣化を引き起こす原因物質である過酸化水素を分解する。セリウム、マンガンは、イオンとして固体高分子電解質膜中に存在することが好ましく、イオンとして存在すれば固体高分子電解質膜中でどのような状態で存在してもかまわない。
以上説明した本発明の固体高分子電解質膜においては、スルホンイミド基を含む単位(u1)および単位(u2)のいずれか一方または両方を有するポリマー(I)を含むため、伸度が高く膨潤および収縮に追従しやすいため、薄膜化しても機械的耐性に優れ、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくい。また、本発明の固体高分子電解質膜は薄膜化されているため、膜抵抗が低く、固体高分子形燃料電池において優れた発電性能を発現させることができる。
ポリマー(I)を用いることで破断しにくくなる要因は、必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。スルホン酸基を有するポリマーを用いた固体高分子電解質膜では、スルホン酸基がイオン化しやすいため、スルホン酸基を含む側鎖での水分子を介した分子間相互作用が大きく、ポリマーの主鎖の動きが制限され、膜が伸びにくく、硬く脆くなる。これに対して、ポリマー(I)が有するスルホンイミド基は、スルホン酸基に比べて共鳴構造が多く、電荷の分散性が大きい。そのため、ポリマー(I)を用いた固体高分子電解質膜では、側鎖での分子間相互作用がより小さく、ポリマー(I)の主鎖の動きが制限されにくいため、膜が伸びやすく、靭性が向上すると考えられる。
[固体高分子電解質膜の製造方法]
固体高分子電解質膜の製造方法としては、前述のようにポリマー(F)の−SOF基をスルホンイミド基に変換してポリマー(I)を得た後、ポリマー(I)を用いて固体高分子電解質膜を形成する方法が好ましい。
ポリマー(F)の−SOF基のスルホンイミド化は、スルホンイミド化の効率の点から、ポリマー(F)の−SOF基をスルホンアミド基に変換した後に、該スルホンアミド基をスルホンイミド基に変換する方法が好ましい。
ポリマー(I)を用いて固体高分子電解質膜を形成する方法としては、たとえば、ポリマー(I)と液状媒体とを含み、液状媒体中にポリマー(I)が分散した液状組成物を基材フィルムまたは触媒層上に塗工し、乾燥させる方法(キャスト法)が挙げられる。
液状媒体としては、ポリマー(I)の分散性が良好である点から、炭化水素アルコールを含むものが好ましく、炭化水素アルコールと水の混合溶媒がより好ましい。炭化水素アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。炭化水素アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
液状媒体中の炭化水素アルコールの割合は、5〜95質量%が好ましく、15〜85質量%がより好ましい。
液状媒体中のポリマー(I)の割合は、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
液状組成物の調製方法としては、たとえば、大気圧下、またはオートクレーブ等で密閉した状態下において、液状媒体中のポリマー(I)に撹拌等のせん断を加える方法が挙げられる。必要に応じて、超音波等のせん断を付与してもよい。液状組成物の調製の際の温度は、50〜180℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。時間は、1〜48時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。
固体高分子電解質膜を安定化させるために、液状組成物を基材フィルムなどの上に塗工し乾燥させた後、さらにアニール処理を行うことが好ましい。アニール処理の温度は、120〜200℃が好ましい。アニール処理の温度が120℃以上であれば、本発明のペルフルオロブロックポリマーが過度に含水しなくなる。アニール処理の温度が200℃以下であれば、イオン交換基の熱分解が抑えられる。
以上説明した本発明の固体高分子電解質膜の製造方法によれば、ポリマー(I)を用いて薄膜化するため、高い機械的耐性を持ち、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくく、また固体高分子形燃料電池の発電性能を向上できる固体高分子電解質膜が得られる。
[固体高分子形燃料電池用膜電極接合体]
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、単に「膜電極接合体」とも記す。)は、触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された本発明の固体高分子電解質膜とを備える膜電極接合体である。
図1は、本発明の膜電極接合体の一例を示す断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11およびガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11およびガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置される固体高分子電解質膜15とを具備する。
触媒層は、触媒と、イオン交換樹脂とを含む層である。
触媒としては、カーボン担体に白金または白金合金を担持した担持触媒が挙げられる。
カーボン担体としては、カーボンブラック粉末、ブラファイト化カーボン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
イオン交換樹脂としては、触媒層に用いられる公知のイオン交換樹脂が挙げられ、クラックが入りにくい触媒層を形成できる点から、ポリマー(I)、またはポリマー(F)の−SOF基を−SOH基などのスルホンイミド基以外のイオン交換基に変換したポリマーが好ましい。
ガス拡散層は、触媒層に均一にガスを拡散させる機能および集電体としての機能を有する。
ガス拡散層としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
ガス拡散層は、ポリテトラフルオロエチレン等によって撥水化処理されていることが好ましい。
図2に示すように、膜電極接合体10は、触媒層11とガス拡散層12との間にカーボン層16を有してもよい。
カーボン層を配置することにより、触媒層の表面のガス拡散性が向上し、固体高分子形燃料電池の発電性能が大きく向上する。
カーボン層は、カーボンと非イオン性含フッ素ポリマーとを含む層である。
カーボンとしては、カーボン粒子、カーボンファイバー等が挙げられ、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。
非イオン性含フッ素ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
固体高分子電解質膜は、本発明の固体高分子電解質膜である。
膜電極接合体がカーボン層を有しない場合、膜電極接合体は、たとえば、下記の方法にて製造される。
・固体高分子電解質膜上に触媒層を形成して膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み込む方法。
・ガス拡散層上に触媒層を形成して電極(アノード、カソード)とし、固体高分子電解質膜を該電極で挟み込む方法。
膜電極接合体がカーボン層を有する場合、膜電極接合体は、たとえば、下記の方法にて製造される。
・基材フィルム上に、カーボンおよび非イオン性含フッ素ポリマーを含む分散液を塗工し、乾燥させてカーボン層を形成し、カーボン層上に触媒層を形成し、触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせ、基材フィルムを剥離して、カーボン層を有する膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み込む方法。
・ガス拡散層上に、カーボンおよび非イオン性含フッ素ポリマーを含む分散液を塗工し、乾燥させてカーボン層を形成し、固体高分子電解質膜上に触媒層を形成した膜触媒層接合体を、カーボン層を有するガス拡散層で挟み込む方法。
触媒層の形成方法としては、下記の方法が挙げられる。
・触媒層形成用塗工液を、固体高分子電解質膜、ガス拡散層、またはカーボン層上に塗工し、乾燥させる方法。
・触媒層形成用塗工液を基材フィルム上に塗工し、乾燥させて触媒層を形成し、該触媒層を固体高分子電解質膜上に転写する方法。
触媒層形成用塗工液は、イオン交換樹脂および触媒を液状媒体に分散させた液である。触媒層形成用塗工液は、たとえば、本発明の液状組成物と、触媒の分散液とを混合することにより調製できる。
以上説明した本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、本発明の固体高分子電解質膜を備えるため、固体高分子電解質膜が破断しにくく、発電性能に優れる。
[固体高分子形燃料電池]
本発明の固体高分子形燃料電池は、本発明の膜電極接合体を備えるものである。膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝が形成されたセパレータを配置することにより、固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することにより、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電を行うメタノール燃料電池にも、膜電極接合体を適用できる。
以上説明した本発明の固体高分子形燃料電池は、本発明の膜電極接合体を備えるため、固体高分子電解質膜の破断が抑えられ、発電性能に優れている。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
例1〜6は実験例であり、例7は実施例であり、例8〜10は比較例である。
(各単位の割合)
ポリマー(F)における各単位の割合については、19F−NMRの測定結果から求めた。
(TQ値)
長さ1mm、内径1mmのノズルを備えたフローテスタCFT−500A(島津製作所製)を用い、2.94MPaの押出し圧力の条件で温度を変えてポリマーの押出し量が100mm/秒となる温度(TQ値)を求めた。TQが高いほどポリマーの分子量は大きい。
(引張試験)
各例で得た厚さ25μmのポリマー膜をJIS K 6251にて規定の7号形ダンベルの形状に打ち抜き、試験片を温度80℃、湿度3%RHの環境下で60mm/分の引張速度で引張り、破断伸度を測定した。破断伸度は初期長さに対する破断時の長さの百分率として規格化した。引張試験機には、RTE−1210(製品名:万能試験機(テンシロン)、オリエンテック社製)を用いた。
(WF値)
各例で得た厚さ25μmのポリマー膜をJIS K 6251にて規定の7号形ダンベルの形状に打ち抜き、試験片の引張方向の中央部における両端部に、引張方向と垂直な方向に長さ0.5mmの直線状の亀裂(ノッチ)をそれぞれ形成した。試験片を温度80℃、湿度3%RHの環境下で100mm/分の引張速度で引張り、亀裂同士が合一化して試験片が破断するまでの引張距離に応じた力を測定した。引張距離(単位:mm)をX軸にとり、引張距離に応じた力(単位:N)をY軸にとってグラフをプロットし、プロットしたグラフとX軸とで囲まれた部分の面積を算出してWF値とした。引張試験機には、RTE−1210(製品名:万能試験機(テンシロン)、オリエンテック社製)を用いた。WF値は試験片が破断するまでに要する仕事(エネルギー)に相当する値であり、膜の亀裂進展耐性を反映する値である。WF値が高いほど、亀裂が進展しにくい。
(イオン交換容量)
各例で得た厚さ25μmのポリマー膜を120℃で12時間真空乾燥した。ポリマー膜を0.85モル/gの水酸化ナトリウム溶液(溶媒:水/メタノール=10/90(質量比))に浸漬して、イオン交換基を中和した。イオン交換基を中和した後の水酸化ナトリウム溶液を0.1モル/Lの塩酸で逆滴定してポリマー膜のイオン交換容量(ミリ当量/g乾燥樹脂)を求めた。
(発電性能)
各例で得た膜電極接合体を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を95℃に維持し、アノードに水素(利用率70%)、カソードに酸素(利用率50%)をそれぞれ151kPa(絶対圧力)に加圧して供給した。ガスの加湿度は水素、酸素ともに相対湿度20%RHとし、発電性能としてセル電圧が0.6Vのときの電流密度を記録した。電流密度が高いほど、燃料電池における出力密度を上げることができるため好ましい。
(略号)
TFE:テトラフルオロエチレン(CF=CF)、
P2SVE:化合物(m1−2)、
PSVE:化合物(m2−1)、
HFC−52−13p:CF(CFH、
HCFC−141b:CClFCH
HCFC−225cb:CClFCFCHClF、
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド。
Figure 0006766553
(製造例1:ポリマー(F−1)の製造)
オートクレーブ(内容積1L、ステンレス製)に、P2SVEの800.0gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を57℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を0.9MPaG(ゲージ圧)とした。HFC−52−13pの8.0gに予めジメチル2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の0.323gを溶解させた溶液を加えて重合を開始し、温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。6時間後、TFEの添加量が45.8gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
重合後の後処理として、反応液をHFC−52−13pで希釈後、HCFC−141bとノルマルヘキサンの混合液を添加し、ポリマーを凝集してろ過した。その後、HFC−52−13p中でポリマーを撹拌して、HCFC−141bとノルマルヘキサンの混合液で再凝集する操作を2回繰り返した。120℃で一晩減圧乾燥して、TFE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−1)の109.7gを得た。
ポリマー(F−1)の組成は、TFE単位/P2SVE単位=82.7/17.3(モル比)であった。ポリマー(F−1)のTQ値は、264℃であった。
(製造例2:ポリマー(F−2)の製造)
オートクレーブ(内容積2.5L、ステンレス製)に、PSVEの123.8g、P2SVEの1550.6g、HCFC−225cbの108.6g、およびジメチル2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の0.179gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を66℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を1.14MPaGとした。温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。6.4時間後、TFEの添加量が124.7gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
製造例1と同様の後処理を行い、TFE/PSVE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−2)の276gを得た。
ポリマー(F−2)の組成は、TFE単位/PSVE単位/P2SVE単位=83.0/1.7/15.3(モル比)であった。ポリマー(F−2)のTQ値は、230℃であった。
(製造例3:ポリマー(F−3)の製造)
オートクレーブ(内容積230mL、ハステロイ製)に、PSVEの170.0g、溶媒としてHCFC−225cbの3.3g、開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の52.00mg、を仕込み、液体窒素で冷却して脱気した。その後、65℃に昇温して、TFEを系内に導入し圧力を1.07MPaGに保持した。圧力が1.07MPaGで一定になるように、TFEを連続的に添加して重合を行った。8.0時間経過後、TFEの添加量が9.1gとなったところでオートクレーブを冷却して、系内のガスをパージして重合を停止した。
得られたポリマー溶液をHCFC−225cbで希釈してから、HCFC−141bを添加して、凝集した。HCFC−225cbおよびHCFC−141bを用いて洗浄を行った後、乾燥して、TFE/PSVEコポリマーからなるポリマー(F−3)の17.8gを得た。ポリマー(F−3)の組成は、TFE単位/PSVE単位=78.1/21.9(モル比)であった。ポリマー(F−3)のTQ値は234℃であった。
(製造例4:ポリマー(F−4)の製造)
オートクレーブ(内容積230mL、ハステロイ製)に、PSVEの123.8g、溶媒としてHCFC−225cbの35.2g、開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の63.62mg、を仕込み、液体窒素で冷却して脱気した。その後、70℃に昇温して、TFEを系内に導入し圧力を1.14MPaGに保持した。圧力が1.14MPaGで一定になるように、TFEを連続的に添加して重合を行った。7.9時間経過後、TFEの添加量が12.4gとなったところでオートクレーブを冷却して、系内のガスをパージして重合を停止した。
製造例3と同様の後処理を行い、TFE/PSVEコポリマーからなるポリマー(F−4)の25.1gを得た。ポリマー(F−4)の組成は、TFE単位/PSVE単位=82.3/17.7(モル比)であった。ポリマー(F−4)のTQ値は225℃であった。
(製造例5:ポリマー(F−5)の製造)
オートクレーブ(内容積1L、ステンレス製)に、P2SVEの495.0g、HCFC−225cbの76.0g、および2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の0.343gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を65℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を1.15MPaGとした。温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。11.5時間後、TFEの添加量が39.8gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
製造例1と同様の後処理を行い、TFE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−5)の98.5gを得た。
ポリマー(F−5)の組成は、TFE単位/P2SVE単位=85.6/14.4(モル比)であった。ポリマー(F−5)のTQ値は、245℃であった。
(製造例6:ポリマー(F−6)の製造)
オートクレーブ(内容積230mL、ハステロイ製)に、PSVEの49.4g、P2SVEの84.2g、HCFC−225cbの9.9g、およびジメチル2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の0.029gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を65℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を1.14MPaGとした。温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。7.0時間後、TFEの添加量が7.5gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
製造例1と同様の後処理を行い、TFE/PSVE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−6)の16.0gを得た。
ポリマー(F−6)の組成は、TFE単位/PSVE単位/P2SVE単位=82.8/7.7/9.5(モル比)であった。ポリマー(F−6)のTQ値は、242℃であった。
(例1)
製造例1で得たポリマー(F−1)の40gを、HFC−52−13pの3000gとともに温度計、撹拌機を備えた2.5Lのオートクレーブに入れ、125℃に加熱撹拌して溶液を調製した。該溶液を冷却した後、オートクレーブを開蓋してポリマー(F−1)の溶解を確認した。溶液は白味を帯びた透明の液体であった。再びオートクレーブを閉じ、気相部を窒素で置換した後、オートクレーブをドライアイス/エタノール浴に浸し、200rpmの速度で撹拌しながら冷却した。内温が−20℃まで低下した後、気相部よりアンモニアガスの35.6gを導入した。アンモニアガスの導入は内温が−15℃を上回らないよう速度を調節しながら行い、この間、内温を−21℃〜−17℃となるように制御した。この時の内圧は0.1MPaであった。導入終了後、オートクレーブの冷却を終了した。−12℃まで温度が上がったところで気相部に窒素を導入して内圧を0.5MPaまで加圧した。6時間かけて徐々に室温まで昇温させ、その後48時間室温にて反応を継続させた。アンモニアガスをパージし、容器の内圧を常圧まで戻した。パージ完了後、耐圧容器を開蓋したところ、溶液中に白色から淡黄色のポリマーが析出しているのを確認した。析出したポリマーを吸引ろ過にて溶媒から分離し、HFC−52−13pでポリマーを洗浄した。ポリマーを3Nの塩酸にて6回洗浄し、さらに超純水にて5回洗浄した後乾燥し、白色固体の40.5gを得た。
得られた白色固体を赤外分光分析法により分析したところ、ポリマー(F−1)が有する1468cm−1付近の−SOF基由来のピークは完全に消失し、代わって1386cm−1付近のスルホンアミド基(−SONH基)由来のピークが現れていること、すなわち−SOF基が−SONH基へと変換されたスルホンアミド型ポリマー(A−1)が生成していることを確認した。
ポリマー(A−1)の17gと、モレキュラーシーブス4Aを用いて脱水したDMAcの904.6gを、温度計、撹拌機を備えた1.5Lのオートクレーブに入れ、気相部を窒素で置換した後120℃に加熱してスルホンアミド型ポリマーを溶解した。溶解後のポリマー溶液は薄い黄色を呈した透明液体であった。オートクレーブを氷冷下で冷却した後、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの14.9gを一括にて仕込み、次いでCFSOFガスの17.0gを気相部より徐々にフィードした。なおフィードに伴い反応系の発熱が見られたが、反応液の温度が5〜15℃に保たれるよう、フィード速度を調節した。その後、オートクレーブを加温し、反応液の温度を58〜62℃に保ったまま20時間反応させた。反応の進行に伴い、反応溶液の粘度は徐々に上昇した。反応終了後、反応溶液をガラスシャーレ上にキャストし、80℃に設定されたホットプレート上で4時間乾燥し、次いで80℃の真空乾燥機内で2時間減圧乾燥し、厚さ150μm前後の膜を得た。
前記膜をアルカリ水溶液(水酸化カリウム:15質量%、ジメチルスルホキシド:30質量%、水:55質量%)中に80℃で60時間浸漬した後、洗浄水のpHが7になるまで水洗した。次いで、10質量%過酸化水素水に浸漬し、80℃で20時間処理した。この操作により薄茶色であった膜の色が無色透明になった。さらに80℃の3Nの塩酸水溶液に30分間浸漬し、次いで80℃の超純水に15分間浸漬した。塩酸水溶液への浸漬と超純水への浸漬のサイクルを合計5回実施し、その後、膜を浸漬している超純水のpHが7となるまで超純水洗浄を繰り返した。
膜を赤外分光分析法により分析したところ、ポリマー(A−1)が有する1386cm−1付近の−SONH基に由来するピークが消失し、1065cm−1、1320cm−1および1340cm−1付近の−SO(H)SOCF基に由来するピークが現れていることを確認した。すなわち−SONH基が−CF−SO(H)SOCF基へと変換されたスルホンイミドポリマー(I−1)が生成していることを確認した。ポリマー(F−1)が有する−SOF基が全てスルホンイミド基に変換されたと仮定すると、ポリマー(I−1)のイオン交換容量は1.51ミリ当量/g乾燥樹脂となる。
オートクレーブ(内容積200mL、ガラス製)に、細かく切断したポリマー(I−1)の10.5g、1−プロパノール/水の混合溶媒(25/75(質量比))の60.0gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。115℃で20時間撹拌した後、水の30.5gを加えた。1時間撹拌した後、放冷し、加圧ろ過機(ろ紙:アドバンテック東洋社製、PF040)を用いてろ過することによって、ポリマー(I−1)が混合溶媒に9.9質量%で分散した液状組成物の98.3gを得た。
液状組成物を、ダイコーターを用いて基材フィルム上に塗工し、110℃の乾燥炉中で30分乾燥させた。その後、130℃の乾燥炉中で30分熱処理を行い、ポリマー(I−1)からなる厚さが25μmのポリマー膜を得た。
(例2)
ポリマー(F−1)をポリマー(F−2)に変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(A−2)得た。
ポリマー(A−1)の17gをポリマー(A−2)の20gに、また使用した試薬量をそれぞれDMAcの380.0g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの16.2g、CFSOFガスの21.2gへと変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(I−2)得た。ポリマー(F−2)が有するSOF基が全てスルホンイミド基に変換されたと仮定すると、ポリマー(I−2)のイオン交換容量は1.42ミリ当量/g乾燥樹脂となる。
オートクレーブ(内容積1L、ガラス製)に、細かく切断したポリマー(I−2)の28.0g、1−プロパノール/水の混合溶媒(25/75(質量比))の158.6gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。次いで、加える水の量を20.8gとした以外は、例1と同様にしてポリマー(I−2)が混合溶媒に13.5質量%で分散した液状組成物の207.0gを得た。
ポリマー(I−2)が分散した液状組成物を用いる以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
(例3)
ポリマー(F−1)をポリマー(F−3)に変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(A−3)得た。
ポリマー(A−1)の17gをポリマー(A−3)の20gに、また使用した試薬量をそれぞれDMAcの380.0g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの11.6g、CFSOFガスの15.2gへと変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(I−3)得た。ポリマー(F−3)が有するSOF基が全てスルホンイミド基に変換されたと仮定すると、ポリマー(I−3)のイオン交換容量は1.05ミリ当量/g乾燥樹脂となる。
オートクレーブ(内容積200mL、ガラス製)に、細かく切断したポリマー(I−3)の18.9g、エタノール/水の混合溶媒(60/40(質量比))の86.3gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。次いで、加える水の量を17.4gとした以外は、例1と同様にしてポリマー(I−3)が混合溶媒に16.3質量%で分散した液状組成物の102.7gを得た。
ポリマー(I−3)が分散した液状組成物を用いる以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
(例4)
ポリマー(F−4)を加圧プレス成形(240℃、4MPa)して厚さ200μmの膜を得た。ポリマー(F−4)の膜を、アルカリ水溶液(水酸化カリウム:15質量%、ジメチルスルホキシド:30質量%、水:55質量%)中に80℃で16時間浸漬させることによって、ポリマー(F−4)中の−SOF基を加水分解し、−SOK基に変換した。さらに該膜を、3モル/Lの塩酸水溶液に80℃で30分浸漬した後、80℃の超純水に15分間浸漬した。塩酸水溶液への浸漬と超純水への浸漬のサイクルを合計5回実施し、−SOK基をスルホン酸基(−SOH)に変換した。その後、膜を浸漬している水のpHが7となるまで超純水による洗浄を繰り返した後、膜を風乾し、ポリマー(S−1)の膜を得た。
オートクレーブ(内容積200mL、ガラス製)に、細かく切断したポリマー(S−1)の膜の20g、エタノール/水の混合溶媒(60/40(質量比))の56.9gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。115℃で16時間撹拌した後に放冷し、加圧ろ過機(ろ紙:アドバンテック東洋社製、PF040)を用いてろ過することで、ポリマー(S−1)が混合溶媒に26.0質量%で分散した液状組成物の76.5gを得た。
ポリマー(S−1)が分散した液状組成物を用いる以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
(例5)
ポリマー(F−4)の代わりにポリマー(F−5)を用いた以外は、例4と同様にしてポリマー(S−2)の膜を得た。
オートクレーブ(内容積200mL、ガラス製)に、細かく切断したポリマー(S−2)の8.4g、1−ブタノール/エタノール/水の混合溶媒(35/15/50(質量比))の68.0gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。110℃で60時間撹拌した後、エタノールの13.8gと水の77.8gを加えた。24時間撹拌した後、放冷し、加圧ろ過機(ろ紙:アドバンテック東洋社製、PF040)を用いてろ過することによって、ポリマー(S−2)が混合溶媒に4.7質量%で分散した液状組成物の152.2gを得た。
ポリマー(S−2)が分散した液状組成物を用い、185℃の乾燥炉中で30分熱処理を行った以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
(例6)
ポリマー(F−3)の代わりにポリマー(F−6)を用いた以外は、例4と同様にしてポリマー(S−3)の膜を得た。
細かく切断したポリマー(S−3)の14.2g、エタノール/水の混合溶媒(60/40(質量比))の81.2gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。次いで、加える水の量を12.4gとした以外は、例3と同様にしてポリマー(S−3)が混合溶媒に13.2質量%で分散した液状組成物の107.0gを得た。
ポリマー(S−3)が分散した液状組成物を用い、185℃の乾燥炉中で30分熱処理を行った以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
各例のポリマー物性の評価結果および固体高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
(例7)
カーボン粉末に白金を46質量%担持した担持触媒(田中貴金属工業社製)の44gに、水の221.76g、エタノールの174.24gを加え、超音波ホモジナイザーを用いて混合粉砕し、触媒分散液を得た。該触媒分散液に、例4と同様の方法で得た液状組成物の80.16g、エタノールの44.4gおよびゼオローラ−H(日本ゼオン製)の25.32gを予め混合・混練した混合液の102.06gを加え、さらに水の26.77g、エタノールの12gを加えて超音波ホモジナイザーを用いて混合し、固形分濃度を10質量%とした触媒層形成用塗工液を得た。該触媒層形成用塗工液をETFEシート上にダイコーターで塗工した後、80℃で乾燥し、さらに160℃で30分の熱処理を施して、白金量が0.4mg/cmである触媒層を形成した。
気相成長炭素繊維(昭和電工社製、商品名:VGCF−H、繊維径約150nm、繊維長10〜20μm)の50gにエタノールの77.3gおよび蒸留水の151.5gを添加し、よく撹拌した。これに、例4と同様の方法で得た液状組成物の96.2gを添加してよく撹拌し、さらに超音波ホモジナイザーを用いて混合、粉砕して中間層形成用塗工液を調製した。ガス拡散基材(NOK社製、商品名:X0086 T10X13)の表面に該中間層形成用塗工液を、ダイコーターを用いて固形分量が3mg/cmとなるように塗工した後、80℃で乾燥し、カーボン不織布の表面に中間層が形成された中間層付きガス拡散基材を作製した。
例1と同様の方法で、ポリマー(I−2)で形成された厚さ10μmの固体高分子電解質膜を得た。固体高分子電解質膜の厚さの制御は液状組成物の塗膜の厚さを調節することにより行った。
前記固体高分子電解質膜を触媒層でそれぞれ両側から挟み、プレス温度160℃、プレス時間2分、圧力3MPaの条件にて加熱プレスし、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を接合し、触媒層からETFEフィルムを剥離して、電極面積25cmの膜触媒層接合体を得た。
前記膜触媒層接合体のアノード側の触媒層側に、カーボン層付きガス拡散基材(NOK社製、商品名:X0086 IX92 CX320)をカーボン層が触媒層と接するように配置し、カソード側の触媒層に、前記中間層付きガス拡散基材を中間層が触媒層に接するように配置した後、160℃、3MPaの条件下で2分間プレスして、膜電極接合体を得た。
(例8)
固体高分子電解質膜の代わりに、例2のポリマー膜を用いた以外は、例7と同様にして膜電極接合体を得た。
(例9)
例4と同様の方法で、ポリマー(S−1)で形成された厚さ10μmのポリマー膜を得た。ポリマー膜の厚さの制御は液状組成物の塗膜の厚さを調節することにより行った。固体高分子電解質膜の代わりに、厚さ10μmのポリマー膜を用いた以外は、例7と同様にして膜電極接合体を得た。
(例10)
固体高分子電解質膜の代わりに、例4のポリマー膜を用いた以外は、例7と同様にして膜電極接合体を得た。
各例の膜電極接合体を組み込んだ発電用セルの発電性能の評価結果を表2に示す。
Figure 0006766553
Figure 0006766553
表1に示すように、例1〜3のスルホンイミド基を有するポリマー(I−1)〜(I−3)のポリマー膜は、例4〜6のスルホン酸基を有するポリマー(S−1)〜(S−3)のポリマー膜に比べて、破断伸度が高く、WF値が大きかった。このことから、薄膜化した場合においても、ポリマー(I−1)〜(I−3)の膜は、ポリマー(S−1)〜(S−3)と比べて破断伸度が高く、WF値が大きいため、破断が生じにくいと考えられる。また、例1〜3の膜は、充分なイオン交換容量を有していた。
表2に示すように、ポリマー(I−2)を用いた膜厚10μmの固体高分子電解質膜を備える例7の膜電極接合体では、膜厚が25μmの固体高分子電解質膜を備える例8の膜電極接合体に比べて、電流密度が高く、発電性能に優れていた。
ポリマー(S−1)を用いた例9、例10においては、膜厚を薄くすることで発電性能が向上する傾向があったが、ポリマー(S−1)は、破断伸度が引く、WF値が小さいため、破断が生じやすい。
本発明の固体高分子電解質膜は、固体高分子形燃料電池の加湿、乾燥が繰り返される運転条件において、固体高分子電解質膜の破断を抑制できるポリマー物性を持ち、実際に、本発明の固体高分子電解質膜を10μmの薄膜として、固体高分子形燃料電池とした場合においても、優れた発電性能を備えていた。
10 膜電極接合体、11 触媒層、12 ガス拡散層、13 アノード、14 カソード、15 固体高分子電解質膜、16 カーボン層。

Claims (7)

  1. 下式(u1)で表される単位、および下式(u2)で表される単位のいずれか一方または両方と、テトラフルオロエチレンに由来する単位を有するポリマー(I)を含む固体高分子電解質膜であって、
    前記ポリマー(I)中の下式(u1)で表される単位および下式(u2)で表される単位の合計の割合が、前記ポリマー(I)の全単位の合計に対して15〜21.9モル%であり、
    前記ポリマー(I)中の前記テトラフルオロエチレンに由来する単位の割合が、前記ポリマー(I)の全単位の合計に対して78.1〜85モル%であり、
    膜厚が1μm以上20μm以下である、固体高分子電解質膜。
    Figure 0006766553
    ただし、式(u1)中、Q11は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であり、Q12、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子であり、sは、0または1であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Zは、H、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。
    また、式(u2)中、Q、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、tは、0または1であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Zは、H、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。
  2. 前記ポリマー(I)が、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の両方を有し、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の合計に対する式(u2)で表される単位の割合(モル比)は、0.05以上0.3以下である、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
  3. 前記ポリマー(I)の破断伸度が400%以上である、請求項1または2に記載の固体高分子電解質膜。
  4. 触媒層を有するアノードと、
    触媒層を有するカソードと、
    前記アノードと前記カソードとの間に配置された、請求項1〜のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜と
    を備えた、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
  5. 請求項に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を製造する方法であって、
    下記ポリマー(F)の−SOF基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得て、前記ポリマー(I)を用いて固体高分子電解質膜を形成する、固体高分子電解質膜の製造方法。
    ポリマー(F):下式(u’1)で表される単位、および下式(u’2)で表される単位のいずれか一方または両方と、テトラフルオロエチレンに由来する単位を有するポリマー。
    Figure 0006766553
    ただし、式(u’1)中、Q11は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であり、Q12、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子であり、sは、0または1である。
    また、式(u’2)中、Q、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、tは、0または1である。
  7. 前記ポリマー(F)の−SOF基をスルホンアミド基に変換した後、前記スルホンアミド基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得る、請求項に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
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