JPWO2018147326A1 - 香味油脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】油脂の酸化臭を抑制し、より原料油脂の風味や味を増強・持続させること、または、畜肉油脂風味を付与または増強すること、または、畜肉油脂風味を付与または増強した油脂を提供する。【解決手段】食用油脂に、酵母由来の水溶性成分及び酵母由来の不溶成分及び酵母由来の脂質を含み、酵母の可溶化後の水溶性成分が65%以上であり、RNAが4重量%以上及びペプチドが15%重量以上含有する酵母自己消化物、酵母酵素分解物である酵母消化物を添加し、加熱することで、香味油脂を製造することで得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、食用油脂を主成分とする、肉の風味とコクと調理香を有する香味油脂に関するものである。
従来、油脂の風味を改良する方法として、油脂中で糖類、アミノ酸類を加熱撹拌してメイラード反応を起こし、その風味を油脂へ移行させる。加熱後、油脂部分のみを分離してシーズニングオイルとして利用することが行われている。しかし、油脂部分のみを分離する方法は、油脂風味を増強させる力価が弱い。さらに、香りの質が、原料油脂の持つ風味とは異なる風味なる等の弱点があった。
この問題を解決するために、特許文献1において、油脂中に糖とアミノ酸、水不溶性物を添加してを加熱撹拌することにより、メイラード反応物が水不溶性物と一体となり、さらにこれにペプタイドを混合することにより得られる香味油脂は、高い香りの力価、本物感のある風味を有することを報告されている。この方法は、力価が十分で本物感のある風味を得るためには、原料として水不溶性物とペプタイドを添加しなければならない。そのため、工程が煩雑な上に、形成された粉粒体が食品の舌触りに影響しうるという問題があった。
特許文献2には、還元糖と酵母エキスをメイラード反応させた酵母エキス加工調味料と、ビタミンEを実質的に含まない固形油脂と水とを加熱反応させることで、肉の風味とこく味と調理香とを有する固形または半固形の香味油を得ている。事前に還元糖と酵母エキスとをメイラード反応させた酵母エキス加工調味料を使う点に特徴がある。
また、課題は異なるが、特許文献3には、油脂の動物的な香りを抑制するために酵母エキスが使われている。特許文献4には、ベタツキのない油脂を作る方法として、糖類と、アミノ酸および水とを過熱混合処理することを特徴とする固形香味油の製造が記載されている。
特開平10−262595号公報 特開2006−166873号公報 特開2010−81886号公報 特開平3−183441号公報
本発明の解決しようとする課題は、油脂の酸化臭を抑制し、原料油脂の風味や味を原料油脂より増強・持続させる香味油脂を得ることである。さらに、当該酵味油脂畜肉油脂風味を付与または増強する香味油脂を提供することを課題とする。
本発明は、食用油脂に、酵母消化物を添加し、加熱して得られる香味油脂を製することを主要な特徴とする。その加熱温度は85℃以上、加熱温度保持時間が1分以上とすることが好ましい。
具体的には、以下のような発明である。
(1)食用油脂に、酵母消化物を添加し、加熱して得られる香味油脂、
(2)酵母消化物が、酵母由来の水溶性成分及び酵母由来の不溶成分及び酵母由来の脂質を含み、酵母の可溶化後の水溶性成分が65%以上であり、RNAを4重量%以上且つペプチドを15%重量以上含有する、前記(1)の香味油脂、
(3)食用油脂100重量部に前記(2)記載の酵母消化物0.05〜10重量部を添加し、加熱して得られる前記(1)又は(2)記載の香味油脂
(4)加熱する温度が85℃以上、その温度保持時間が1分以上である前記(1)又は(2)に記載の香味油脂、
(5)食用油脂100重量部に前記(2)記載の酵母消化物0.05〜10重量部を添加し、85℃以上、その保持時間が1分以上で加熱する工程を有する香味油脂の製造方法。
本発明の香味油脂は、従来、香味油脂の製造に使用されていなかった酵母消化物を使用することで、酸化臭が少なく、また、チキンオイルはチキン風味が高く、ポークオイルはポーク風味が高く、ビーフオイルはビーフ風味が高いものであり、植物油であれば、肉を調理したような調理香を有するものである。
本発明の香味油脂は、油脂以外の原料として肉類を使用していないにもかかわらず、肉の風味、コク、調理香を十分に有するため、食品の加工に幅広く利用できる。また、原料の酵母消化物は肉類と比較して安定して得られる上、安価であるという利点を有する。
本発明の香味油脂は、食用油脂に、酵母消化物を添加し、加熱することにより、製するものである。
本発明で使用する食用油脂の種類は、特に限定されない。動物性油脂、植物性油脂を用いることができる。具体的な例としては、ナタネ油、キャノーラ油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂、又はラード(ポークオイル)や牛脂(ビーフオイル)、鶏油(チキンオイル)などの動物性油脂である。さらに、本発明では、動物性油脂類又は植物性油脂類の単独使用だけでなく、混合油を使用することもできる。さらに、分別、硬化、エステル交換等を施した加工油脂などを使用することができる。
本発明で使用する酵母消化物とは、酵母を酵素分解して得られたものであり、酵素分解は、酵母自己消化法又は酵素添加によるものである。さらに、本発明では、自己消化法と酵素添加による分解の両方を行ったものでもよいし、酵母を自己消化した酵母自己消化物と酵母に酵素を添加して得られた酵母酵素分解物とを、混合して用いてもよいし、一方のみを用いてもよい。酵母消化物の酵母原料としては、パン酵母、ビール酵母、トルラ酵母など食品用の酵母を挙げることができ、中でもトルラ酵母が望ましい。酵母の培養方法に特に制限はなく、公知の方法を用いて培養する。
酵母原料を酵素分解する方法は特に限定されないので、一般的な方法を用いることができる。例えば、酵母原料をグルカナーゼ、プロテアーゼなどの酵素を用いる方法の場合には、後述の可溶成分比率になるよう酵素反応を行う。自己消化法による場合も、公知の方法で良く、特に制限はない。さらに、酵素を用いる方法と自己消化法の両方を行って、可溶化させることもできる。この可溶化により、水可溶成分の比率を65%以上に上げることが望ましく、より望ましくは80%以上である。水可溶成分の比率とは、全体の乾燥重量当たりの、水溶性成分の比率である。水可溶成分の測定方法は、次の通りである。試料に10倍量の水を加えて懸濁した後、5000rpmで10分遠心分離して上澄み液を取得し、それを乾燥して得られた固形物を水可溶成分とする。試料の乾燥重量に対する水可溶成分の重量の比率(%)を水可溶成分の比率とする。
本発明では、自己消化法や酵素添加による分解の過程において、プロテアーゼ、ヌクレアーゼが作用する場合には、完全に反応させてしまうよりも、反応後にRNA(モノヌクレオチドまで分解されていないもの)が4重量%以上、ペプチドが15重量%以上残存することが望ましい。
なお、本発明で用いる酵母消化物は、水溶性成分だけを抽出した酵母エキスとは異なり、酵母由来の不溶成分及び脂質をも含む構成物である。
酵母を自己消化や酵素反応等で部分的に可溶化させた後、乾燥して固形、粉末にする。乾燥する際には、賦形剤を用いてもよい。たとえば賦形剤として酵母エキスの抽出残渣を添加して、乾燥機で乾燥を行ってもよい。酵母エキス抽出残渣の例としては、興人ライフサイエンス社の「KR酵母」などがあげられる。
本発明の酵母消化物のペプチド含有量は、15重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましく、30重量%以上であることがさらに好ましい。本発明の酵母消化物のモノヌクレオチドまで分解されていないRNA含有量は、4重量%以上であることが好ましく、6重量%以上であることがより好ましく、6.5重量%以上であることがさらに好ましく、7重量%以上であることが最も好ましい。本発明の酵母消化物の遊離アミノ酸の含有量は、8重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、12重量%以上がさらに好ましい。本発明の酵母消化物の食物繊維の含有量は、10重量%以上であることが好ましく、12重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることがさらに好ましい。本発明の酵母消化物のリン脂質の含有量は、1重量%であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましく、2重量%以上であることがさらに好ましい。本発明の酵母消化物のグアニル酸とイノシン酸との合計含有量は、10重量%以下であることが好ましく、8重量%以下であることがより好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。上記調味料中の物質の含有量は、実施例に記載の方法で測定する。
本発明の、食用油脂に添加する酵母消化物の添加比率は、使用する食用油脂、酵母消化物により異なり、適宜、調整することができる。通常は、食用油脂100重量部に対して、酵母消化物0.05〜10重量部であり、より好ましくは、0.1〜5重量部、さらに好ましくは、0.1〜1重量部である。
本発明の香味油脂は、食用油脂に酵母消化物を添加して、加熱することにより、製することができる。その加熱温度は、85℃以上が好ましく、91℃以上がより好ましく、95℃以上がさらに好ましい。また、温度の上限としては、130℃未満で行うことが好ましく、125℃未満がより好ましく、121℃未満がさらに好ましく、105℃未満で行うことが最も好ましい。
上記温度での加熱時間は、1分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上がさらに好ましい。また、時間の上限としては、18時間以内が好ましく、10時間以内がより好ましく、1時間未満がより好ましく、30分未満がさらに好ましく、20分未満が最も好ましい。
本発明の加熱時に、その反応を阻害しない限りにおいて、その他の物質を含んでもよい。
本発明の香味油脂は、調製した後に、各種調味料や賦形剤、あるいはビタミンE等の酸化防止剤などを混合することができる。また、デキストリンなどの粉末化原料に混合するなどして粉末化、固形化等を行ってもよい。
本発明の香味油脂は、フライ油などに使用することができ、マーガリンやショートニングなどの油中水型乳化油脂組成物の原料としても用いることもできる。使用方法としては、一般の食用油脂と同様、炒め油、混和、噴霧、浸漬等が挙げられる。また、一般の食用油脂と混合または併用することもできる。また、各種調味料や食品の原料として用いることができる。例えば、ソースやドレッシングなど調味料、ハムやソーセージなどの畜肉製品、ラーメン、惣菜、冷凍食品等の加工食品などがあげられる。
本発明の香味油脂は、加熱反応により、成分分析等で具体的な差異を見極めるのが困難な複雑な組成物を形成することで、酸化臭を軽減することや、香ばしい香りや獣臭を増加あるいは付加すること、ができる。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
<遊離アミノ酸含量の測定方法>
酵母エキスサンプルを0.02N−HClに溶解したものを測定サンプルとした。サンプルはアミノ酸分析計(日立高速アミノ酸分析計L−8900)を用いて測定した。
<全アミノ酸含量の測定方法>
酵母エキスサンプルを6N−HClに溶解し、110℃24時間静置して加水分解した。このサンプルの一部を0.02N−HClにて希釈して全アミノ酸測定サンプルとした。サンプルはアミノ酸分析計(日立高速アミノ酸分析計L−8900)を用いて測定した。
<ペプチド含量の測定方法>
ペプチド含量は全アミノ酸含量より遊離アミノ酸含量を引くことにより算出した。
<RNA含量の測定方法>
酵母エキスサンプルを超純水に溶解したものを測定サンプルとし、HPLC法にて測定した。カラムはAsahipak HPLC column GS−320Hを用い、溶離液は0.1Mリン酸ナトリウムバッファーを用いた。検出波長は260nmとした。
<5'−モノヌクレオチドの測定方法>
酵母エキスサンプルを超純水に溶解したものを測定サンプルとし、HPLC法にて測定した。カラム:MCI GEL CDR10(4.6×250)(三菱化学社製)を用い、移動相:2M 酢酸アンモニウム緩衝液(pH3.3)を用いた、検出波長は、260nmとした。
<リン脂質含量の測定方法>
試料をFolch法で抽出後、2次元展開による薄層クロマトグラフィーに供した。条件は、薄層板にシリカゲルを使用し、1次元展開溶媒として、テトラヒドロフラン:アセトン:メタノール及び水(50:20:40:8)、2次元展開溶媒として、クロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸及び水(50:20:10:15:5)を用いた。発色方法はディトマー試薬噴霧を行った。展開後、各リン脂質に相当する部分を個別にかきとり、湿式分解し、モリブテンブルー吸光光度法により比色定量した。
<酵母消化物1の準備>
トルラ酵母の培養菌体100重量部(乾燥重量換算)の10重量%水懸濁液に対して、デナチームGEL(長瀬産業製)を4重量部、アルカラーゼ2.4LFG(ノボザイムズ社製)を4重量部添加し、酵母菌体の可溶化処理を実施した。この時の可溶化率は80%であった。ここに、賦形剤として、42.86重量部の酵母エキス残渣「KR酵母」(興人ライフサイエンス社製)を添加し、濃縮した。これをダブルドラムドライヤー(伝熱面積 28.3m、ドラム表面温度155℃、ドラム回転数2.0rpm、給液速度 600L/hr)で乾燥し、酵母消化物1とした。当該酵母消化物1の、水可溶成分の比率は56重量%、ペプチド含有量は33.6重量%、RNA含有量は7%、遊離アミノ酸含有量は12.5重量%、食物繊維17.5%、リン脂質含有量2.2%、グアニル酸とイノシン酸との合計含有量は、3%であった。
<酵母消化物2の準備>
パン酵母の培養菌体100重量部(乾燥重量換算)の10重量%水懸濁液を20時間インキュベートし、自己消化処理を実施し、これを乾燥して、酵母消化物2とした。当該酵母消化物2の、ペプチド含有量は17.4重量%、RNA含有量は4.4%、遊離アミノ酸含有量は8.5重量%、食物繊維26.2%、グアニル酸とイノシン酸との合計含有量は、2%であった。
<実施例1>
ローストチキンオイル(丸善食品工業社製)100重量部を95℃達温まで加熱後、上記で準備した酵母消化物1を0.2重量部、添加した。その後、95℃で15分間、保持した後、冷却し、試験区1のチキンオイルを得た。
<比較例1−1>
実施例1において酵母消化物1を添加しないこと以外は同様にして、比較区1−1のチキンオイルを得た。
<比較例1−2>
実施例1において用いたローストチキンオイルに酵母消化物1を0.2重量部添加し、加熱はしないで、比較区1−2のチキンオイルを得た。
<比較例1−3>
実施例1において用いた酵母消化物1の代わりに、細胞壁画分を含まない酵母エキスである「アロマイルド」(興人ライフサイエンス社製:ペプチド含有量は7.7重量%、RNA含有量は0%、遊離アミノ酸含有量は7.6重量%、食物繊維1.6%、リン脂質含有量0%、グアニル酸とイノシン酸との合計含有量は、20%)を用いること以外は同様にして、比較区1−3のチキンオイルを得た。
比較区1−1、比較区1−2、比較区1−3および試験区1のチキンオイルを、湯煎により融解した後、80℃における、その香りを評価した。試験区1は、比較区1−1や比較区1−2、比較区1−3に比べて、酸化臭が軽減し、香ばしさや畜肉感が増強されていた。
<実施例2>
実施例1のローストチキンオイルの代わりに、ローストポークオイル(丸善食品工業社製:以下同様)を用いること以外は、同様にして、試験区2のポークオイルを得た。
<比較例2>
比較例1のローストチキンオイルの代わりに、ローストポークオイルを用いること以外は、同様にして、比較区2のポークオイルを得た。
比較区2および試験区2のポークオイルを、湯煎により融解した後、80℃における、その香りを評価した。試験区2は、比較区2に比べて、酸化臭が軽減し、香ばしさや畜肉感が増強され、また味の重厚感も増強されていた。
<実施例3>
実施例1のローストチキンオイルの代わりに、キャノーラオイル(花正(ハナマサ)社販売)を用いること以外は、同様にして、試験区3のオイルを得た。
<比較例3>
比較例1のローストチキンオイルの代わりに、キャノーラオイルを用いること以外は、同様にして、比較区3のオイルを得た。
比較区3および試験区3のオイルを、湯煎により温めた後、80℃における、その香りを評価した。試験区3は、比較区3に比べて、酸化臭が軽減し、畜肉オイル様の風味が付与されていた。
<実施例4>
実施例1の酵母消化物1の代わりに、酵母消化物2を用いること以外は、同様にして、試験区4のポークオイルを得た。
<比較例4−1>
実施例4において酵母消化物2を添加しないこと以外は同様にして、比較区4−1のチキンオイルを得た。
比較区4−1、および試験区4のチキンオイルを、湯煎により融解した後、80℃における、その香りを評価した。試験区4は、酵母消化物1よりは効果が弱いが、比較区4−1に比べて、酸化臭が軽減し、香ばしさや畜肉感が増強されていた。
本発明の香味油脂は、畜肉製品、ラーメン、惣菜、冷凍食品等の加工食品、あるいは、各種調味料に利用することができる。

Claims (5)

  1. 食用油脂に、酵母消化物を添加し、加熱して得られる香味油脂。
  2. 酵母消化物が、酵母由来の水溶性成分及び酵母由来の不溶成分及び酵母由来の脂質を含み、酵母の可溶化後の水溶性成分が65%以上であり、RNAを4重量%以上且つペプチドを15%重量以上含有する、請求項1の香味油脂。
  3. 食用油脂100重量部に請求項2記載の酵母消化物0.05〜10重量部を添加し、加熱して得られる請求項1又は2記載の香味油脂。
  4. 加熱する温度が85℃以上、その温度保持時間が1分以上である請求項1又は2に記載の香味油脂。
  5. 食用油脂100重量部に請求項2記載の酵母消化物0.05〜10重量部を添加し、85℃以上、その保持時間が1分以上で加熱する工程を有する香味油脂の製造方法。
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