JPWO2018124138A1 - 架橋性樹脂組成物及び架橋物、並びにそれらの製造方法、並びに多層構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
(2) 架橋剤(B)がトリアリルシアヌレートの重合体、トリアリルイソシアヌレートの重合体、トリメタリルイソシアヌレート及びトリメタリルイソシアヌレートの重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、上記(1)に記載の樹脂組成物;
(3) 架橋剤(B)がトリメタリルイソシアヌレートである、上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物;
(4) 前記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対し、エステル結合又はアミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(C)0.05〜10質量部をさらに含む、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の樹脂組成物;
(5) ヒンダードフェノール系化合物(C)がアミド結合を有する、上記(4)に記載の樹脂組成物;
(6) 活性エネルギー線架橋用である、上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の樹脂組成物;
(7) 上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られる架橋物;
(8) 上記(7)に記載の架橋物からなるフィルム;
(9) 上記(7)に記載の架橋物からなる層を有する多層構造体;
(10) 上記(9)に記載の多層構造体を有するレトルト容器;
(11) 上記(9)に記載の多層構造体を有するパイプ;
(12) エチレンとビニルエステルとを共重合してエチレン−ビニルエステル共重合体を得る共重合工程、前記エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化してエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を得るけん化工程、及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と架橋剤(B)とを混合して混合物を得る混合工程を含む、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法;
(13) エチレンとビニルエステルとを共重合してエチレン−ビニルエステル共重合体を得る共重合工程、前記エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化してエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を得るけん化工程、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と架橋剤(B)とを混合して混合物を得る混合工程、及び前記混合工程で得られた前記混合物に活性エネルギー線を照射する架橋工程を含む、上記(7)に記載の架橋物の製造方法。
本発明の樹脂組成物は、EVOH(A)及び架橋剤(B)を含有する。前記樹脂組成物では、架橋剤(B)として、3以上の重合性基を有する融点40℃を超えるトリアジン誘導体を用いているので、架橋反応が安定かつ十分に進行し、また、架橋剤(B)のブリードアウトを抑制することができ、耐熱水性、耐熱溶剤性及び層間接着性に優れかつ安全性の高い架橋物を提供することができる。以下、各成分について説明する。
EVOH(A)は、本発明の樹脂組成物の主成分である。ここで、EVOH(A)は、主構造単位として、エチレン単位及びビニルアルコール単位を有する共重合体である。
架橋剤(B)は、3以上の重合性基を有する融点40℃を超えるトリアジン誘導体である。架橋剤(B)の融点は40℃を超えているため、包装材料として通常使用され得る温度条件下では固体となり、ブリードアウトを防止することができる。また、架橋剤(B)が3以上の重合性基を有することから、電子線等の活性エネルギー線照射により、効率よく架橋物を製造することができる。このようにして得られる架橋物は、衛生的で耐熱水性及び耐熱溶剤性に優れ、かつ多層構造体としたときの層間接着性にも優れる。なお、本発明において、架橋剤(B)が明確な融点を示さない場合は、軟化温度を融点の代わりに用いることができ、軟化温度が40℃を超えるものも架橋剤(B)として用いることができる。また、40℃を超える領域で融解も軟化も示さないものについても、架橋剤(B)として用いることができる。
本発明の樹脂組成物は必要に応じてヒンダードフェノール系化合物(C)を含有してもよい。ヒンダードフェノール系化合物(C)は、エステル結合又はアミド結合を有する。エステル結合又はアミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(C)を含有することで、EVOH(A)に対する粘度の安定化効果、溶融混練や溶融成形時のゲル状ブツの発生防止効果が優れたものになる。ここで、ヒンダードフェノール系化合物(C)とは、少なくとも1つのフェノール基を含有する有機化合物であって、その芳香族部位が、置換基としてフェノール性ヒドロキシル基を有する炭素に直接隣接する少なくとも1つの位置、好ましくは両方の位置で置換されている、有機化合物を意味する。ヒドロキシル基に隣接する置換基は、炭素原子1〜10個を有するアルキル基から適切に選択されるアルキルラジカルであり、好ましくは第3級ブチル基である。
・BASF社からからイルガノックス1010として市販されているペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]
・イルガノックス1076として市販されている3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル
・イルガノックス1035として市販されている2,2'-チオジエチルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]
・イルガノックス1135として市販されている3-(3,5-ジ-
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-4-ヒドロキシフェニル)
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オクタデシル
・イルガノックス245として市販されているビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)
・イルガノックス259として市販されている1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]
・イルガノックス1098として市販されているN,N'-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]
が挙げられ、これらの中でも、アミド結合を有することから、イルガノックス1098として市販されているN,N'-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えばホウ素化合物、アルカリ金属塩、リン酸化合物、酸化され得る物質、その他の重合体、酸化促進剤、その他の添加剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物にホウ素化合物が添加されている場合、EVOHの溶融粘性が改善され、均質な共押出成形体又は共射出成形体が得られる点で有効である。上記ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸(以下、単に「ホウ酸」ともいう)、メタホウ酸、四ホウ酸等が挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチル等が挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂等が挙げられる。これらの化合物のうちでもオルトホウ酸が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、アルカリ金属塩をアルカリ金属元素換算で5〜5000ppm含むことが好ましく、20〜1000ppmがより好ましく、30〜500ppmがさらに好ましい。上記範囲でアルカリ金属塩を含むことにより、層間接着性や相溶性を改善することができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ金属塩としては、アルカリ金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、リン酸塩、金属錯体等が挙げられる。例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げられ、これらの中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウムが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、リン酸化合物をリン酸根換算で1〜500ppm含むことが好ましく、5〜300ppmがより好ましく、10〜200ppmがさらに好ましい。上記範囲でリン酸化合物を配合することにより、EVOHの熱安定性を改善することができる。特に、長時間にわたる溶融成形を行う際のゲル状ブツの発生や着色を抑制することができる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果が阻害されない範囲内で各種の添加剤を含有させてもよい。このような添加剤の例としては、可塑剤、熱安定剤(溶融安定剤)、光開始剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、乾燥剤、充填剤、顔料、染料、加工助剤、難燃剤、防曇剤、化合物(C)以外の酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、エチレンとビニルエステルとを共重合してエチレン−ビニルエステル共重合体を得る共重合工程、前記エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化してEVOH(A)を得るけん化工程、及びEVOH(A)と架橋剤(B)とを混合して混合物を得る混合工程を含む。
前記混合物は、外部からのエネルギー付与により、EVOH(A)が架橋剤(B)により架橋される(架橋工程)。この架橋は、電子線、X線、γ線、紫外線及び可視光線からなる群より選ばれる少なくとも1種の活性エネルギー線を照射するか、加熱を行うことにより行うことが好ましい。これらの中でも、活性エネルギー線を照射する場合には、活性エネルギー線の照射を行うだけで架橋することができるので、特殊な押出機等が不要となり、簡便にかつ低コストで架橋物を製造することができる。活性エネルギー線の中でも、架橋スピード及び架橋効率の点から、上記電子線により架橋を行うことが好ましい。これにより、低ブリードアウト性、良好な耐熱水性、耐熱溶剤性及び層間接着性を兼ね備える架橋物を効率的に製造することができる。
本発明の樹脂組成物を成形するに当たっては、成形方法を適宜採用することにより、種々の成形物、例えば、フィルム、シート、容器その他の包装材等に成形することができる。このとき、樹脂組成物を一旦ペレットとしてから成形に供してもよいし、樹脂組成物の各成分をドライブレンドして、直接成形に供してもよい。
前記架橋物の用途は多岐に亘る。例えば、押出成形品、フィルム又はシート(特に延伸フィルム又は熱収縮フィルム)、熱成形品、壁紙又は化粧板、パイプ又はホース、異形成形品、押出ブロー成形品、射出成形品、フレキシブル包装材、容器(特にレトルト容器)等が好適なものとして例示される。成形品が多層構造体である場合には、共押出フィルム又は共押出シート、熱収縮フィルム、容器(特に共押出ブロー成形容器、共射出成形容器、レトルト容器)、パイプ(特に燃料パイプ又は温水循環用パイプ)、ホース(特に燃料ホース)等が好ましい。
・ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン又はプロピレン共重合体(エチレン又はプロピレンと次の単量体の少なくとも1種との共重合体:1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン;イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸、その塩、その部分又は完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルオクタノエート、ビニルドデカノエート、ビニルステアレート、ビニルアラキドネート等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸又はその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類等);
・ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ1−ブテン等のポリオレフィン;
・ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;
・ポリε−カプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリメタキシリレンアジパミド等のポリアミド;
・ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレート等。
かかる熱可塑性重合体層は無延伸のものであってもよいし、一軸もしくは二軸に延伸又は圧延されているものであっても構わない。これらの重合体のうち、レトルト容器に用いられる場合には、食品等を包装して包装体とした際の外層側がポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンであることが好ましい。内層側はポリプロピレンであることが好ましい。また、y層を中間層に有する産業用パイプに用いられる場合には、内層側、外層側ともにポリエチレンまたはポリピロピレンであることが好ましい。
以下の実施例及び比較例で得られた樹脂組成物のペレットを20mmφ一軸押出機(210℃)に通して、コートハンガーダイより溶融押出を行い、厚さ20μmの単層フィルムを得た。得られた単層フィルムを電子線照射装置に導入して、加速電圧250kVにて電子線を照射して架橋を行い、照射単層フィルムを得た。次いで、得られた照射単層フィルムを20cm四方に切り出した。水(15質量%)−フェノール(85質量%)の混合溶剤100質量部に前記照射単層フィルム1質量部を浸し、60℃で12時間加熱溶解させた後、ろ過し、ろ液を蒸発乾固することで固形分残分(%)を算出し、これをゲル分率とした。
上記(1)と同様にして得た照射単層フィルムを10cm四方に切り出し、12cm四方のパウチに水100mlと共に封入し、135℃、60分間レトルト処理した後のフィルムの外観を目視にて観察した。そのときのフィルムの外観を以下の基準で評価した。
A:全体的にフィルムの溶解がなかった。
B:一部フィルムの溶解がみられた。
C:全体的にフィルムが溶解し、原形をとどめていなかった。
延伸ポリアミドフィルム(ON)及び無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を、上記(1)と同様にして得た単層フィルム(電子線照射前)の両側に、三井化学株式会社製タケラックA−520及びタケネートA−50からなる、ポリウレタン系二液型硬化性接着剤(Ad)を介してラミネートすることにより、多層フィルム((外層)ON 15μm/Ad/EVOH層(単層フィルム) 20μm/Ad/CPP 50μm(内層))を得た。得られた多層フィルムを電子線照射装置に導入して、加速電圧250kVにて電子線を照射して架橋を行い、照射多層フィルムを得た。得られた照射多層フィルムを用いて、10cm四方のパウチを作製し、その中に水80mlを注ぎ込んで、135℃で60分間レトルト処理した後のパウチの外観を目視にて観察した。そのときのパウチの外観を以下の基準で評価した。
A:EVOH層と内外層の剥離は確認されず、EVOH層の透明性は保たれていた。
B:EVOH層と内外層の一部に剥離が見られた、又は、EVOH層に軽微な白化が見られた。
C:EVOH層と内外層の大部分に剥離が見られた、又は、EVOH層に顕著な白化が見られた。
上記(1)と同様にして得た照射単層フィルム上にグリセロール1mlを滴下し、フィルムを折りたたんでグリセロールを挟み、その上に1kgの荷重をかけた。この状態で100℃、30分間の加熱処理を行った。室温まで冷却した後、フィルムの膠着度及び外観(白化又は白化ムラ)を目視にて観察した。そのときのフィルムの膠着度及び外観を以下の基準で評価した。
A:膠着及び外観変化は見られなかった。
B:わずかに膠着及び外観変化が見られた。
C:やや膠着及び外観変化が見られた。
上記(3)と同様にして得た照射多層フィルムを用いて、下記の条件でOTRを測定した。
条件:20℃、(外)65%RH/(内)100%RH
上記(3)と同様にして得た照射多層フィルムを用いてパウチを作製し、その中に水を注ぎ込んで、135℃で60分間レトルト処理した後のOTRを、下記の条件で測定した。
条件:20℃、(外)65%RH/(内)100%RH、レトルト1日後
上記(1)と同様にして得た照射単層フィルムを40℃、90%RH条件下にて3ヶ月保管した後、ポリウレタン系の二液型硬化性接着剤を用いてCPPフィルム(50μm)とラミネートした。これを40℃、2日間エージング処理した後に接着性を評価した。
A:接着性は良好であり、力を入れても剥離しない。
B:良好に接着しているが、力を入れると剥離する場合がある。
C:通常の使用では剥離は見られないが、力を入れると剥離する。
上記(1)と同様にして得た照射単層フィルムのゲル及びブツの発生量と白化ムラを目視で確認し、下記のA〜Dの基準で評価することで外観特性の指標とした。基準Cが実使用に耐えられるボーダーレベルである。
A :ほとんどゲル、ブツ及び白化ムラが見られない
B :わずかにゲル、ブツ及び白化ムラが見られる
C :ややゲル、ブツ及び白化ムラが見られる
D :かなりゲル、ブツ及び白化ムラが見られる
<エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)>
(EVOH−1)エチレン単位含有量:27モル%、けん化度:99.8%
(EVOH−2)エチレン単位含有量:44モル%、けん化度:99.8%
(架橋剤1)日本化成株式会社製タイクプレポリマー トリアリルイソシアヌレート重合体:200℃で融解も軟化もせず、熱分解が始まった。
(架橋剤2)トリメタリルイソシアヌレート:融点84℃
(架橋剤3)トリアリルシアヌレート:融点27℃
(架橋剤4)トリアリルイソシアヌレート:融点25℃
(架橋剤5)トリメチロールプロパントリメタクリレート(トリアジン誘導体以外の架橋剤):融点−14℃
(架橋剤6)ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(トリアジン誘導体以外の架橋剤):融点約−20℃
(ヒンダードフェノール系化合物1)BASF社製イルガノックス1010 ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]
(ヒンダードフェノール系化合物2)BASF社製イルガノックス1098 N,N'-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]
25mmφ二軸押出機を用いて、210℃にて上述のEVOH、架橋剤及びヒンダードフェノール系化合物を表1に示した割合で溶融混練することにより、架橋性樹脂組成物のペレットを調製した。各測定・評価における電子線の照射線量は、実施例9は10kGy、比較例1は照射なし、その他の実施例及び比較例においては100kGyである。評価結果を表2に示す。
Claims (13)
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対し、架橋剤(B)0.4〜10質量部を含む樹脂組成物であって、架橋剤(B)が、3以上の重合性基を有する融点40℃を超えるトリアジン誘導体である、樹脂組成物。
- 架橋剤(B)がトリアリルシアヌレートの重合体、トリアリルイソシアヌレートの重合体、トリメタリルイソシアヌレート及びトリメタリルイソシアヌレートの重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 架橋剤(B)がトリメタリルイソシアヌレートである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100質量部に対し、エステル結合又はアミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(C)0.05〜10質量部をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- ヒンダードフェノール系化合物(C)がアミド結合を有する、請求項4に記載の樹脂組成物。
- 活性エネルギー線架橋用である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られる架橋物。
- 請求項7に記載の架橋物からなるフィルム。
- 請求項7に記載の架橋物からなる層を有する多層構造体。
- 請求項9に記載の多層構造体を有するレトルト容器。
- 請求項9に記載の多層構造体を有するパイプ。
- エチレンとビニルエステルとを共重合してエチレン−ビニルエステル共重合体を得る共重合工程、
前記エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化してエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を得るけん化工程、及び
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と架橋剤(B)とを混合して混合物を得る混合工程を含む、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。 - エチレンとビニルエステルとを共重合してエチレン−ビニルエステル共重合体を得る共重合工程、
前記エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化してエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を得るけん化工程、
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と架橋剤(B)とを混合して混合物を得る混合工程、及び
前記混合工程で得られた前記混合物に活性エネルギー線を照射する架橋工程を含む、請求項7に記載の架橋物の製造方法。
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