JPWO2018109864A1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

電源制御部(2)は、第1および第2スイッチング素子(Q1、Q2)が共にオン状態である第一モードと、第1スイッチング素子(Q1)がオン状態であり第2スイッチング素子(Q2)がオフ状態である第二モードと、第1および第2スイッチング素子(Q1、Q2)が共にオフ状態である第三モードとを順番に有するように、Hブリッジ型昇降圧コンバータ(6)の第1及び第2スイッチング素子(Q1、Q2)をオンオフ動作させる複数モードスイッチング制御を行う。

Description

この発明は、力率改善(PFC:Power Factor Correction)機能を備えて交流電力を直流電力に電力変換する電力変換装置に関するものである。
従来、交流電源の交流電圧を全波整流する全波整流回路と、第1および第2スイッチング素子並びにリアクトルを有して上記全波整流回路によって得られた入力電圧を目標とする出力電圧に変換するHブリッジ型昇降圧コンバータと、上記全波整流回路で全波整流された後の入力電圧、上記Hブリッジ型昇降圧コンバータで電圧変換された後の出力電圧、および上記Hブリッジ型昇降圧コンバータの上記リアクトルに流れるリアクトル電流をそれぞれ検出する検出回路とを備え、
上記検出回路で検出された検出信号に基づいて上記Hブリッジ型昇降圧コンバータの上記第1および第2スイッチング素子をオンオフ制御することにより上記出力電圧を制御すると共に、上記リアクトル電流を制御して入力電流波形を入力電圧波形に近づける力率改善制御を行う電力変換装置であって、
上記入力電圧と上記出力電圧の比較に基づいて、上記Hブリッジ型昇降圧コンバータの昇圧制御、降圧制御、又は昇降圧制御の動作を判断し、上記昇圧制御時、上記降圧制御時、又は上記昇降圧制御時に対応してそれぞれ個別に上記力率改善制御を行うための目標リアクトル電流の演算を行い、上記リアクトル電流が上記目標リアクトル電流に一致するように電流制御を行うものが開示されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
国際公開WO2014−119040号公報
上記特許文献1の電力変換装置において、昇降圧制御時には、第1および第2スイッチング素子を同期して同時にオンオフ制御している。そして、昇降圧制御時には入出力電圧差が小さいとして、第1および第2スイッチング素子のスイッチングのデューティ比を約50%程度としている。したがって、昇降圧制御時の目標リアクトル電流は、第1および第2スイッチング素子が昇圧制御時の入力電流に対応した値の2倍で、また、降圧制御時の出力電流に対応した値の2倍で計算している。このように、昇降圧制御時は、昇圧制御時および降圧制御時と比べ、リアクトルに流れるリアクトル電流が原理的に2倍となるので、リアクトルで発生する損失が増大する課題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、リアクトルに流れるリアクトル電流の最大値を低減して、リアクトルで発生する損失を低減することができる電力変換装置を提供することができる。
この発明に係る電力変換装置は、電源主回路部と電源制御部とからなり、
上記電源主回路部は、交流電源の交流電圧を全波整流する全波整流回路と、第1および第2スイッチング素子並びにリアクトルを有して上記全波整流回路によって得られた入力電圧を目標とする出力電圧に変換するHブリッジ型昇降圧コンバータと、上記全波整流回路で全波整流された後の入力電圧、上記Hブリッジ型昇降圧コンバータで電圧変換された後の出力電圧、および上記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出する検出回路とを備え、
上記電源制御部は、上記検出回路で検出された検出信号に基づいて上記Hブリッジ型昇降圧コンバータの上記第1及び第2スイッチング素子をオンオフ制御することにより上記出力電圧を制御すると共に、上記リアクトル電流を制御して入力電流波形を入力電圧波形に近づける力率改善制御を行う電力変換装置であって、
上記電源制御部は、第1および第2スイッチング素子が共にオン状態である第一モードと、第1スイッチング素子がオン状態であり第2スイッチング素子がオフ状態である第二モードと、第1および第2スイッチング素子が共にオフ状態である第三モードとを順番に有するように、上記第1及び第2スイッチング素子をオンオフ動作させる複数モードスイッチング制御を行うものである。
この発明の電力変換装置によれば、Hブリッジ型昇降圧コンバータを複数モードスイッチング制御で動作させることにより、リアクトル電流を四角形状の波形に制御しつつ、入力電流波形を入力電圧波形と同位相、同波形に近づけるようにして力率を改善することができる。そして、リアクトル電流を四角形状の波形とすることにより、リアクトル電流の最大値を低減することができ、リアクトルで発生する損失を低減することができる。そのため、電力変換装置の高効率化および電力変換装置の小型化が実現できる。
この発明の実施の形態1による電力変換装置の電源主回路部を示す回路ブロック図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の電源制御部を示す回路ブロック図である。 この発明の実施の形態1における脈流電圧と出力電圧の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1における昇圧制御時のリアクトル電流およびスイッチング動作の説明図である。 この発明の実施の形態1における降圧制御時のリアクトル電流およびスイッチング動作の説明図である。 この発明の実施の形態1におけるコンバータに流れるリアクトル電流の経路の説明図である。 この発明の実施の形態1における四モードスイッチング制御時のリアクトル電流およびスイッチング動作の説明図である。 この発明の実施の形態1における三モードスイッチング制御時のリアクトル電流およびスイッチング動作の説明図である。 この発明の実施の形態1による電力変換装置の電源制御部を示す回路ブロック図である。 この発明の実施の形態1の電源制御部の制御内容を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1において、上限目標値を導出する時に用いるリアクトル電流の説明図である。 この発明の実施の形態1の電源制御部の他の制御内容を説明するための波形図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置の電源制御部を示す回路ブロック図である。 この発明の実施の形態2において、上限目標値を導出する時に用いるリアクトル電流の説明図である。 この発明の実施の形態3による電力変換装置の電源主回路部を示す回路ブロック図である。 この発明の実施の形態3による電力変換装置の電源制御部を示す回路ブロック図である。
実施の形態1.
図1および図2はこの発明の実施の形態1による電力変換装置の電源主回路部および電源制御部を示す回路ブロック図である。
この発明の実施の形態1の電力変換装置は、図1の電源主回路部1と、図2の電源制御部2を備えている。
電源主回路部1は、入力側に交流電源3が、出力側に負荷10が接続される。また、電源主回路部1は、入力フィルタ4、全波整流回路5、Hブリッジ型昇降圧コンバータ6(以下では、単にコンバータ6という)、入力コンデンサC1、出力コンデンサC2を備えている。入力フィルタ4は、交流電源3と全波整流回路5の間に接続され、高調波電流の系統電源への流出を防止するためのものであり、図1に示すようなリアクトルとコンデンサからなるLCフィルタ等から構成されている。
全波整流回路5は、交流電源3の交流入力電圧vacを全波整流するダイオードブリッジで構成されている。入力コンデンサC1は全波整流回路5に接続され、全波整流回路5通過後の入力電圧|vac|(以降、脈流電圧という)に含まれているスイッチングノイズを平滑する。コンバータ6は入力コンデンサC1に接続されている。出力コンデンサC2はコンバータ6の出力電圧の脈動を平滑させて直流の出力電圧vdcとするためのものであり、コンバータ6に接続されている。負荷10は出力コンデンサC2に接続されている。
図1において、全波整流回路5は、4つのダイオード素子をフルブリッジ状に構成した整流回路を用いる場合を示したが、これに限ったものではなく、交流電源3から出力される交流電圧を全波整流できる回路であればどのような構造のものでもよい。例えば、ダイオードの替わりにサイリスタ等のスイッチング素子を組み合わせた回路でもよい。
コンバータ6は、交流電源側に第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1が直列に接続された第1アームを有し、負荷側に第2ダイオードD2と第2スイッチング素子Q2が直列に接続された第2アームを有している。そして、第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1の接続点と、第2ダイオードD2と第2スイッチング素子Q2の接続点との間に、リアクトルLが設けられている。なお、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2は、電源制御部2で生成したオンオフ制御用のスイッチ信号により駆動されるFET(Field Effect Transistor)素子やIGBT(InsulatedGate Bipolar Transistor)素子などである。
コンバータ6は、上記回路構成により、昇圧コンバータとしての機能および降圧コンバータとしての機能を有し、全波整流回路5により整流された脈流電圧|vac|を、目標とする出力電圧vdcに調整する。図3は交流入力電圧vacおよび脈流電圧|vac|と出力電圧vdcの関係を示す図である。
なお、コンバータ6の回路構成として、第1および第2ダイオードD1、D2をFET素子やIGBT素子などの第3および第4スイッチング素子Q3、Q4に変更してもよい。すなわち、コンバータ6は、交流電源側に第1スイッチング素子Q1と第3スイッチング素子Q3が直列に接続された第1アームを有し、負荷側に第4スイッチング素子Q4と第2スイッチング素子Q2が直列に接続された第2アームを有し、第1スイッチング素子Q1と第3スイッチング素子Q3の接続点と、第4スイッチング素子Q4と第2スイッチング素子Q2の接続点の間に、リアクトルLが接続される構成となる。そして、この場合、第2スイッチング素子Q2と第4スイッチング素子Q4のオンオフを逆論理で、第1スイッチング素子Q1と第3スイッチング素子Q3のオンオフを逆論理で動作させる同期整流方式とする。
電源主回路部1は、電流検出部7、入力電圧検出部8および出力電圧検出部9を備えており、これらの検出部が請求の範囲における検出回路に相当する。電流検出部7はリアクトルLに流れるリアクトル電流iLを検出する。入力電圧検出部8は、脈流電圧|vac|の大きさを入力電圧検出値vinとして検出するものであり、例えば直列に接続された分圧抵抗R1、R2からなる。また、出力電圧検出部9は、直流化された出力電圧vdcの大きさを出力電圧検出値voとして検出するものであり、例えば直列に接続された分圧抵抗R3、R4からなる。
次に、図2に示す電源制御部2の構成について説明する。電源制御部2は、出力電圧検出値voと目標出力電圧vo*に基づき出力制御量i**を算出する出力制御部21と、入力電圧検出値vinと出力電圧検出値voとを比較する比較部22と、比較部22の結果に基づいて昇圧制御、降圧制御、または本実施の形態の特徴である複数モードスイッチング制御を切り替える第1セレクタ23および第2セレクタ26dを備えている。また、電源制御部2は、昇圧制御時において、上限目標値iref*を演算する目標値演算部24a、リアクトル電流iLと上限目標値iref*および下限目標値を比較するリアクトル電流比較部25a、リアクトル電流比較部25aの比較結果に基づいて第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御する信号を生成するスイッチ制御部26aを備えている。さらに、電源制御部2は、降圧制御時において、上限目標値iref*を演算する目標値演算部24b、リアクトル電流iLと上限目標値iref*および下限目標値を比較するリアクトル電流比較部25b、リアクトル電流比較部25bの比較結果に基づいて第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御する信号を生成するスイッチ制御部26bを備えている。また、電源制御部2は、複数モードスイッチング制御時において、上限目標値iref*を演算する目標値演算部24b、リアクトル電流iLと上限目標値iref*および下限目標値を比較するリアクトル電流比較部25b、リアクトル電流比較部25bの比較結果に基づいて第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御する信号を生成するスイッチ制御部26bを備えている。
次に、図2に示す電源制御部2の機能の概要について説明する。電源制御部2は、比較部22により入力電圧検出値vinと出力電圧検出値voを比較し、この比較結果に基づいて、第1セレクタ23および第2セレクタ26dの接点を切り替えて、コンバータ6の昇圧制御と、降圧制御と、本実施の形態の特徴である複数モードスイッチング制御とを切り替える。なお、複数モードスイッチング制御の内容については、後に詳述する。
すなわち、電源制御部2は、出力電圧検出値voよりも入力電圧検出値vinが所定値以上低い場合(例えば、vin<0.9×voの場合)は、昇圧制御時の目標値演算部24a、リアクトル電流比較部25aおよびスイッチ制御部26aに切り替えて、第1スイッチング素子Q1を常時オンして第2スイッチング素子Q2をスイッチング動作させる昇圧制御を行う。また、電源制御部2は、出力電圧検出値voよりも入力電圧検出値vinが所定値以上高い場合(例えば、vin>1.1×voの場合)は、降圧制御時の目標値演算部24b、リアクトル電流比較部25bおよびスイッチ制御部26bに切り替えて、第2スイッチング素子Q2を常時オフして第1スイッチング素子Q1をスイッチング動作させる降圧制御を行う。さらに、電源制御部2は、出力電圧検出値voと入力電圧検出値vinとの差が小さくて所定範囲内の場合(例えば0.9×vo≦vin≦1.1×voの場合)には、複数モードスイッチング制御時の目標値演算部24c、リアクトル電流比較部25cおよびスイッチ制御部26cに切り替えて、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2を後述する複数モードスイッチング制御の方法でスイッチング動作させる。
また、電源制御部2は、入力電圧検出値vin、出力電圧検出値vo、リアクトル電流iLを用いて、コンバータ6の第1および第2スイッチング素子Q1、Q2をオンオフ制御することにより、交流入力電流iacが交流入力電圧vacと同位相で同波形となるように全波整流後の入力電流iinを制御するPFC(PFC:Power Factor Correction)制御の機能を備える。
上記PFC制御において、入力電流iinを制御する際の制御目標値となる目標入力電流iin*は、力率改善を図る上で、脈流電圧|vac|と同じ位相で同じ脈流波形となるように生成する必要があるが、これは、コンバータ6のリアクトルLに流れるリアクトル電流iLを制御することにより調整することができる。そして、リアクトル電流iLの単位時間ごとの平均が目標リアクトル電流iL*に一致するように、電源制御部2はコンバータ6の第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御する。
図4および図5はそれぞれ昇圧制御、降圧制御の回路動作図である。図4および図5において、横軸は時間を示し、図の上側にはリアクトル電流iLの波形を、図の下側には第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2の動作波形を示している。前述のように、リアクトル電流iLの単位時間ごとの平均が目標リアクトル電流iL*となるように制御する必要がある。そのために、昇圧制御は図4に、降圧制御は図5に示すように、リアクトル電流iLが上限目標値iref*と下限目標値との間で三角形状となるように第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2を制御する。なお、上限目標値iref*の導出は後述する。
図4に示す昇圧制御では、第1スイッチング素子Q1を常時オンとし、リアクトル電流iLが下限目標値に達した瞬間に第2スイッチング素子Q2をオンして、リアクトル電流iLが上限目標値iref*に達した瞬間に第2スイッチング素子Q2をオフする。図6を用いて昇圧制御のリアクトル電流について説明する。図6はコンバータ6に流れるリアクトル電流iLの経路を矢印を用いて示したものである。昇圧制御では第1スイッチング素子Q1を常時オンとするので、第2スイッチング素子Q2をオンとする期間は図6(a)に示す経路でリアクトル電流iLが流れ、リアクトルLには脈流電圧|vac|が加わるので、リアクトル電流iLは脈流電圧|vac|に比例した傾きで立ち上がる。第2スイッチング素子Q2をオフとする期間は図6(b)に示す経路でリアクトル電流iLが流れ、リアクトルLには脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|−vdc)が加わり、昇圧制御は脈流電圧が出力電圧より小さい期間(|vac|−vdc<0)で用いるので、リアクトル電流iLは脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|−vdc)に比例した傾きで立ち下がる。このように、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御することで、リアクトル電流iLは三角形状の波形となり、また、リアクトル電流iLが目標リアクトル電流iL*を超えた分で目標リアクトル電流iL*に達しないリアクトル電流iLの不足分を埋め合わせることになるため、リアクトル電流iLの単位時間ごとの平均を目標リアクトル電流iL*に一致させることができる。
図5に示す降圧制御では、第2スイッチング素子Q2を常時オフとし、リアクトル電流iLが下限目標値に達した瞬間に第1スイッチング素子Q1をオンして、リアクトル電流iLが上限目標値iref*に達した瞬間に第1スイッチング素子Q1をオフする。図6を用いて降圧制御のリアクトル電流について説明する。降圧制御では、第2スイッチング素子Q2を常時オフとするので、第1スイッチング素子Q1がオンの期間は図6(b)に示す経路でリアクトル電流iLが流れ、リアクトルLには脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|−vdc)が加わり、降圧制御は脈流電圧が出力電圧より大きい期間(|vac|−vdc>0)で用いるので、リアクトル電流iLは脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|−vdc)に比例した傾きで立ち上がる。第1スイッチング素子Q1のオフの期間は図6(c)に示す経路でリアクトル電流iLが流れ、リアクトルLには出力電圧(−vdc)が加わるので、リアクトル電流iLは出力電圧(−vdc)に比例した傾きで立ち下がる。このように第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御することで、リアクトル電流iLは三角形状の波形となり、また、リアクトル電流iLが目標リアクトル電流iL*を超えた分で目標リアクトル電流iL*に達しないリアクトル電流iLの不足分を埋め合わせることになるため、リアクトル電流iLの単位時間ごとの平均を目標リアクトル電流iL*に一致させることができる。
前述のように、昇圧制御と降圧制御におけるリアクトル電流iLは三角形状の波形となるため、目標リアクトル電流iL*と上限目標値iref*との関係は、次の式(1)となる。
iref*=2×iL*・・・(1)
次に、本実施の形態の特徴である複数モードスイッチング制御について説明する。
本実施の形態の複数モードスイッチング制御として、四モードスイッチング制御および三モードスイッチング制御が存在する。
まず、四モードスイッチング制御について説明する。四モードスイッチング制御は、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2が共にオン状態である第一モードと、第1スイッチング素子Q1がオン状態であり第2スイッチング素子Q2がオフ状態である第二モードと、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2が共にオフ状態である第三モードと、第1スイッチング素子Q1がオフ状態であり第2スイッチング素子Q2がオン状態である第四モードとを順番に有するように、第1及び第2スイッチング素子Q1、Q2をオンオフ動作させることにより、リアクトル電流iLを四角形状の波形に制御することを特徴とするものである。
図7は、四モードスイッチング制御の回路動作図である。図7において、横軸は時間を示し、図の上側にはリアクトル電流iLの波形を示し、図の下側には第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2の動作波形を示している。四モードスイッチング制御は、図7に示すように、リアクトル電流iLが上限目標値iref*と下限目標値の間で四角形状の波形となるように第1および第2スイッチング素子Q1、Q2をオンオフ動作させる。
四モードスイッチング制御の詳細な動作を図6および図7に基づいて説明する。四モードスイッチング制御では下記の4つのモードを繰り返す。
(第一モード)
第1スイッチング素子Q1に与える信号により第1スイッチング素子Q1がオンする。そして、第1スイッチング素子Q1はオン、第2スイッチング素子Q2はオンとなり、図6(a)に示す第一モードで動作する。この第一モードでは、図6(a)に示す経路でリアクトル電流iLが流れ、リアクトルLには脈流電圧|vac|が加わるので、図7の期間T1に示すように、リアクトル電流iLは脈流電圧|vac|に比例して立ち上がる。
(第二モード)
リアクトル電流iLが増加し、上限目標値iref*に達すると第2スイッチング素子Q2がオフする。そして、第1スイッチング素子Q1はオン、第2スイッチング素子Q2はオフとなり、図6(b)に示す第二モードで動作する。この第二モードでは、図6(b)に示す経路でリアクトル電流iLが流れる。リアクトルLには脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|―vdc)が加わり、本実施の形態の四モードスイッチング制御を用いる期間では脈流電圧と出力電圧の差が小さいので、図7の期間T2に示すように、リアクトル電流はほぼ一定となる。
(第三モード)
次に、第1スイッチング素子Q1に与える信号により、第1スイッチング素子Q1がオフする。そして、第1スイッチング素子Q1はオフ、第2スイッチング素子Q2はオフとなり、図6(c)に示す第三モードで動作する。この第三モードでは、図6(c)に示す経路でリアクトル電流iLが流れる。リアクトルLには出力電圧(−vdc)が加わるので、図7の期間T3に示すように、リアクトル電流iLは出力電圧(−vdc)に比例した傾きで立ち下がる。
(第四モード)
リアクトル電流iLが減少し、下限目標値に達すると第2スイッチング素子Q2がオンする。そして、第1スイッチング素子Q1はオフ、第2スイッチング素子Q2はオンとなり、図6(d)に示す第四モードで動作する。この第四モードでは、図6(d)に示すようにリアクトルLに電圧がかからないので、図7の期間T4に示すように、リアクトル電流iLは流れない。
このように、四モードスイッチング制御では第1および第2スイッチング素子Q1、Q2のオンオフ期間をそれぞれ重複するように動作させることで、コンバータ6は4つのモードで動作する。その結果、図7に示すようにリアクトル電流iLは四角形状の波形となり、リアクトル電流iLが目標リアクトル電流iL*を超えた分で目標リアクトル電流iL*に達しないリアクトル電流iLの不足分を埋め合わせることになるため、リアクトル電流iLの単位時間ごとの平均を目標リアクトル電流iL*に一致させることができる。
次に、三モードスイッチング制御について説明する。三モードスイッチング制御は、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2が共にオン状態である第一モードと、第1スイッチング素子Q1がオン状態であり第2スイッチング素子Q2がオフ状態である第二モードと、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2が共にオフ状態である第三モードとを順番に有するように、第1及び第2スイッチング素子Q1、Q2をオンオフ動作させることにより、リアクトル電流iLを四角形状の波形に制御することを特徴とするものである。
図8は、三モードスイッチング制御の回路動作図である。図8において、横軸は時間を示し、図の上側にはリアクトル電流iLの波形を示し、図の下側には第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2の動作波形を示している。
三モードスイッチング制御の詳細な動作を図6および図8に基づいて説明する。三モードスイッチング制御では下記の3つのモードを繰り返す。
(第一モード)
リアクトル電流iLが下限目標値に達した時点で、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2が共にオン状態となり、図6(a)に示す第一モードで動作する。この第一モードでは、図6(a)に示す経路でリアクトル電流iLが流れ、リアクトルLには脈流電圧|vac|が加わるので、図8の期間T1に示すように、リアクトル電流iLは脈流電圧|vac|に比例して立ち上がる。
(第二モード)
リアクトル電流iLが増加し、上限目標値iref*に達すると第2スイッチング素子Q2がオフする。そして、第1スイッチング素子Q1はオン、第2スイッチング素子Q2はオフとなり、図6(b)に示す第二モードで動作する。この第二モードでは、図6(b)に示す経路でリアクトル電流iLが流れる。リアクトルLには脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|―vdc)が加わり、本実施の形態の三モードスイッチング制御を用いる期間では脈流電圧と出力電圧の差が小さいので、図8の期間T2に示すように、リアクトル電流はほぼ一定となる。
(第三モード)
次に、第1スイッチング素子Q1に与える信号により、第1スイッチング素子Q1がオフする。そして、第1スイッチング素子Q1はオフ、第2スイッチング素子Q2はオフとなり、図6(c)に示す第三モードで動作する。この第三モードでは、図6(c)に示す経路でリアクトル電流iLが流れる。リアクトルLには出力電圧(−vdc)が加わるので、図8の期間T3に示すように、リアクトル電流iLは出力電圧(−vdc)に比例した傾きで立ち下がる。
このように、三モードスイッチング制御は、リアクトル電流iLが上限目標値iref*と下限目標値の間で四角形状の波形となるように、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2をオンオフ動作させる。その結果、図8に示すようにリアクトル電流iLは四角形状の波形となり、リアクトル電流iLが目標リアクトル電流iL*を超えた分で目標リアクトル電流iL*に達しないリアクトル電流iLの不足分を埋め合わせることになるため、リアクトル電流iLの単位時間ごとの平均を目標リアクトル電流iL*に一致させることができる。ここで、図7と図8を比較して分かるように、三モードスイッチング制御は、四モードスイッチング制御と比べて、リアクトル電流iLの最大値を低減することができる。
次に、本実施の形態の複数モードスイッチング制御のうちの具体例のひとつである固定周波数制御について説明する。この固定周波数制御は、第1スイッチング素子Q1に固定周波数fQ1、固定デューティdQ1の信号を与えることにより、第1スイッチング素子Q1をオンオフ動作させる。また、第2スイッチング素子Q2はリアクトル電流iLが下限目標値に達した瞬間にオン、上限目標値iref*に達した瞬間にオフするように動作させる。このように動作させることで、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2のそれぞれのオン動作またはオフ動作するタイミングがずれ、コンバータ6は図6(a)〜(d)に示す4つのモードで動作し、リアクトル電流波形iLは上限目標値iref*と下限目標値の間で四角形状の波形となる。
ここで、固定周波数制御において第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定デューティdQ1について説明する。固定周波数制御においてリアクトル電流が流れる期間の割合は第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定デューティdQ1により決まる。そのため、固定デューティdQ1は固定周波数制御時におけるリアクトル電流iLの最大値に関係する。つまり、固定デューティdQ1を大きな値に設定することでリアクトル電流iLの最大値を低減することができる。これにより先行文献の昇降圧制御と比べ、リアクトル電流iLの最大値を低減することができるので、リアクトルで発生する損失を低減することができる。それにより、電力変換装置としての効率改善が実現できる。また、リアクトルで発生する発熱を小さくすることができるので、リアクトルや放熱部品の小型化、またそれによる装置の小型化が実現できる。なお、前述の固定デューティdQ1の設定には、入力電圧や出力電圧の検出は不要であり、負荷や入力電圧の大きさなどにより値を変更する必要はない。
さらに、固定周波数制御において第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定周波数fQ1について説明する。固定周波数fQ1はスイッチング損失低減の観点からできるだけ小さな値に設定することが望ましい。一方で、交流入力電流iacが入力フィルタ(LCフィルタ)4で決まる共振周波数で共振を起こさないように、入力フィルタ4の共振周波数を用いて、固定周波数fQ1を設定する。なお、昇圧制御、降圧制御は脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|―vdc)が小さくなるとスイッチング周波数が低下し、入力フィルタの共振周波数に近づくことから、固定周波数制御と昇圧制御および降圧制御の切り替えは、入力フィルタの共振周波数で発生する共振を起こさない脈流電圧|vac|と出力電圧vdcの値と定める。別の方法として、固定周波数fQ1を制御切り替え周波数と定め、昇圧制御または降圧制御のスイッチング周波数がfQ1より小さくなった時に、固定周波数制御に切り替えるような動作としてもよい。
次に、電源制御部2における固定周波数制御の具体的な内容について、図9の電源制御部の構成および図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図9は図2の電源制御部2の構成を固定周波数制御に適応させた図である。また、図10のフローチャートにおいて、符号Sは処理ステップを意味する。
電源制御部2は、制御処理を開始すると、電源主回路部1の入力電圧検出部8により脈流電圧|vac|を検出して得られる入力電圧検出値vin、および出力電圧検出部9により出力電圧vdcを検出して得られる出力電圧検出値voをそれぞれ取り込むとともに、出力電圧vdcの制御目標値を示す目標出力電圧vo*を上位システムから受信する(ステップS1)。なお、ここでは、目標出力電圧vo*は、上位システムなど外部から受信することとしているが、これに限らず予め電源制御部2内で定めた定数であってもかまわない。
次に、出力制御部21は、出力電圧検出値voと目標出力電圧vo*との偏差からPI制御(比例積分制御)により出力電圧vdcを所望の値に制御するための出力制御量i**を求める(ステップS2)。なお、ここでは制御量の演算にPI制御を用いたが、PD制御(比例微分制御)、PID制御(比例積分微分制御)などの古典制御、あるいは現代制御であるH∞制御(H−infinity)制御等、誤差算出結果を目標値に近づけるための制御方法であれば、何を使用してもよい。
次に、比較部22は、上限目標値iref*を求めるために、入力電圧検出値vin(瞬時値)と出力電圧検出値voの大きさとを比較し、電源主回路部1の現在の回路動作(昇圧制御、降圧制御、固定周波数制御)を判断する(ステップS3)。つまり、比較部22において、vin<voの場合は昇圧制御を行い、vin>voの場合は降圧制御を行い、vin≒voの場合は固定周波数制御を行う。
[昇圧制御]
入力電圧検出値vinが出力電圧検出値voより小さい場合(vin<vo)に用いる昇圧制御では、出力制御部21の出力側に接続された第1セレクタ23の共通接点dを昇圧制御側の個別接点aに接続し、また、第2セレクタ26dの各昇圧制御側の個別接点aを共通接点dに接続する。
次に、交流入力電流iacが交流入力電圧vacとほぼ同位相で同波形となるように全波整流後の入力電流iinを制御するPFC制御を行う。そのために、目標リアクトル電流iL*を求める。
昇圧制御は第1スイッチング素子Q1が常時オンとなるため、リアクトルLには入力電流iinに対応した電流が流れる。つまり、目標リアクトル電流iL*の制御は、入力電流iinに対応する電流を制御することとなる。そのため、目標値演算部24aにおいて、入力電流iinの目標値である目標入力電流iin*と前述の出力制御量i**とを用いて、次の式(2)により目標リアクトル電流iL*を算出する。
iL*=iin*×i**・・・(2)
目標入力電流iin*を脈流電圧|vac|を検出して得られる入力電圧検出値vinと同じ位相で、同じ脈流波形とするためには、目標入力電流iin*に代えて入力電圧検出値vinを使用すればよい。したがって、昇圧制御時の目標リアクトル電流iL*は、次の式(3)により設定することができる(ステップS4)。
iL*=vin×i**・・・(3)
続いて、目標値演算部24aは、上限目標値iref*を前述の式(1)と上記の式(3)とを用いて、次の式(4)により設定する(ステップS5)。
iref*=2×iL*=2×vin×i**・・・(4)
次に、リアクトル電流比較部25aは、電源主回路部1の電流検出部7よりリアクトル電流iLを検出して取り込む(ステップS6)。そして、リアクトル電流iLと目標値演算部24aで得られた上限目標値iref*を用いて比較を行う。その比較結果をもとに、スイッチ制御部26aが第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御する信号を生成して出力する。すなわち、昇圧制御では第1スイッチング素子Q1を常時オンとし、リアクトル電流iLが下限目標値(下限目標値はここでは0に設定している)に達した瞬間に第2スイッチング素子Q2をオンし、リアクトル電流iLが上限目標値iref*に達した瞬間に第2スイッチング素子Q2をオフとなるように制御する(ステップS7)。以上の説明が、昇圧制御における電源制御部2の制御内容である。
[降圧制御]
ステップS3の判断において、入力電圧検出値vinが出力電圧検出値voより大きい場合(vin>vo)は降圧制御を行う。降圧制御では、図9において、出力制御部21の出力側に接続された第1セレクタ23の共通接点dを降圧制御側の個別接点bに接続し、また、第2セレクタ26dの各降圧制御側の個別接点bを共通接点dに接続する。
降圧制御の時は、第2スイッチング素子Q2が常時オフとなるため、リアクトルLには出力電流ioに対応した電流が流れる。つまり、目標リアクトル電流iL*の制御は出力電流ioに対応する電流を制御することとなる。よって、目標値演算部24bにおいて、まず出力電流ioと前述の出力制御量i**とを用いて、次の式(5)により目標リアクトル電流iL*を算出する。
iL*=io×i**・・・(5)
電源主回路部1の電力変換効率を100%と仮定すると、入力電力と出力電力はエネルギー保存の法則から等しくなるので、出力電流ioは、目標入力電流iin*、入力電圧検出値vin、および出力電圧検出値voを用いて、次の式(6)により換算することができる。
io=(vin・iin*)/vo・・・(6)
よって、式(5)と式(6)とから、
iL*={(vin・iin*)/vo}×i**・・・(7)
ここで、目標入力電流iin*を脈流電圧|vac|を検出して得られる入力電圧検出値vinと同じ位相で、同じ脈流波形とするためには、目標入力電流iin*に代えて入力電圧検出値vinを使用すればよい。したがって、降圧制御時の目標リアクトル電流iL*は、次の式(8)により設定することができる(ステップS8)。
iL*={(vin)/vo}×i**・・・(8)
続いて、目標値演算部24bは、上限目標値iref*を前述の式(1)と上記の式(8)とを用いて、次の式(9)により設定する(ステップS9)。
iref*=2×iL*={(2×(vin)/vo)}×i** ・・・(9)
次に、リアクトル電流比較部25bは、電源主回路部1の電流検出部7よりリアクトル電流iLを検出して取り込む(ステップS6)。そして、リアクトル電流iLと目標値演算部24bで得られた上限目標値iref*を用いて比較を行う。その比較結果をもとに、スイッチ制御部26bが第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御する信号を生成して出力する。すなわち、降圧制御では第2スイッチング素子Q2を常時オフとし、リアクトル電流iLが下限目標値(下限目標値はここでは0に設定している)に達した瞬間に第1スイッチング素子Q1をオン、上限目標値iref*に達した瞬間に第1スイッチング素子Q1をオフとなるように制御する(ステップS10)。以上の説明が、降圧制御における電源制御部2の制御内容である。
[固定周波数制御]
次に、ステップS3の判断において、入力電圧検出値vinと出力電圧検出値voの差が小さい場合(vin≒vo)は固定周波数制御を行う。固定周波数制御では、図9において、出力制御部21の出力側に接続された第1セレクタ23の共通接点dを固定周波数制御側の個別接点cに接続し、また、第2セレクタ26dの各固定周波数制御側の個別接点cを共通接点dに接続する。
目標リアクトル電流iL*および上限目標値iref*の導出に際し、固定周波数制御におけるリアクトル電流iLを図11のように仮定する。図11は、リアクトル電流iLが立ち上がる期間と立ち下がる期間が十分に短いため無視でき、また、脈流電圧|vac|と出力電圧vdcが等しい(|vac|=vdc)と仮定した場合である。この場合、第1スイッチング素子Q1がオンする期間にのみリアクトル電流iLが流れるため、リアクトルLには入力電流iinに対応した電流が流れる。つまり、目標リアクトル電流iL*の制御は、前述の昇圧制御と同様に入力電流iinに対応する電流を制御することとなるため、目標値演算部24cにおいて算出する目標リアクトル電流iL*は前述の昇圧モードと同様に既出式(3)となる(ステップS11)。
iL*=vin×i**・・・(3)
図11で第1スイッチング素子Q1がオンする期間は上限目標値iref*の大きさのリアクトル電流iLが常に流れ、第1スイッチング素子Q1がオフする期間はリアクトル電流iLが流れないことから、目標リアクトル電流iL*と上限目標値iref*との関係は第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定デューティdQ1を用いて求まる。目標値演算部24cは、上限目標値iref*を第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定デューティdQ1と上記の式(3)とを用いて、次の式(10)により設定する(ステップS12)。
iref*=iL*/dQ1=(vin×i**)/dQ1・・・(10)
次に、リアクトル電流比較部25cは、電源主回路部1の電流検出部7よりリアクトル電流iLを検出して取り込む(ステップS6)。そして、リアクトル電流iLと目標値演算部24cで得られた上限目標値iref*を用いて比較を行う。その比較結果をもとに、スイッチ制御部26cが第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を制御する信号を生成して出力する。すなわち、固定周波数制御では第1スイッチング素子Q1に固定周波数fQ1、固定デューティdQ1の信号を与えてオンオフ動作させると共に、リアクトル電流iLが下限目標値(下限目標値はここでは0に設定している)に達した瞬間に第2スイッチング素子Q2をオンとなるように制御し、上限目標値iref*に達した瞬間に第2スイッチング素子Q2をオフとなるように制御する(ステップS13)。以上の説明が、固定周波数制御における電源制御部2の制御内容である。
なお、図2および図11に示すように、本実施の形態の電源制御部2において、出力制御部21、比較部22、セレクタ23および26d、目標値演算部24a、24b、24c、リアクトル電流比較部25a、25b、25c、スイッチ制御部26a、26b、26cを機能ごとにブロックに分けて説明しているが、制御プログラムを用いてこのような各機能の制御をマイコンで実現することも可能である。
次に、固定周波数制御における固定デューティdQ1の設定について式(10)を用いて説明する。固定デューティdQ1と上限目標値iref*の関係は前述した式(10)で表される。ここで、第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定デューティdQ1を0.5と設定すると、前述の式(10)は前述の式(4)と同じになる。つまり、第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定デューティdQ1を0.5以上と設定することで、固定周波数制御における上限目標値iref*を昇圧制御における上限目標値iref*以下に設定することができ、固定周波数制御時のリアクトル電流の最大値を低減することができる。リアクトル電流の最大値を低減することで、リアクトルで発生する損失を低減することができるので、電力変換装置の効率改善が実現できる。また、リアクトルで発生する発熱が小さくなるので、リアクトルや放熱部品の小型化、またそれによる電力変換装置の小型化が実現できる。
ここで、固定デューティdQ1を更に大きくし、リアクトル電流iLが下限目標値に達したタイミングで第1スイッチング素子Q1をオンするように設定することができる。この場合、上記で説明した三モードスイッチング制御となる。三モードスイッチング制御で第1および第2スイッチング素子Q1、Q2を動作させることにより、リアクトル電流の最大値を更に低減することができる。
また、以上説明した昇圧制御、降圧制御および固定周波数制御では、リアクトル電流iLが下限目標値に達したタイミングで第1スイッチング素子Q1または第2スイッチング素子Q2をターンオンさせている。下限目標値は、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2で発生するスイッチング損失を低減するため、ゼロ(0)に設定することが望ましく、これまでの説明でも、下限目標値を0と設定した場合について説明した。
ただし、下限目標値はゼロ(0)と限定されるわけではなく、ゼロ(0)以外の値に設定してもよい。例えば、コンバータ6から出力される電流のリップルを小さく抑えたい場合、下限目標値をゼロ(0)より大きい値に設定することで、上限目標値と下限目標値の差が小さくなり、リアクトル電流iLの振幅が小さくなるので、コンバータ6から出力される電流のリップルを小さくすることができる。
以上説明したように、固定周波数制御は、第1スイッチング素子Q1に固定周波数fQ1、固定デューティdQ1の信号を与えて第1スイッチング素子Q1をオンオフ動作させると共に、第2スイッチング素子Q2についてはリアクトル電流iLが下限目標値に達した瞬間にオン、上限目標値iref*に達した瞬間にオフするように動作させることにより、リアクトル電流波形iLを上限目標値iref*と下限目標値の間で四角形状の波形に制御することができる。しかし、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2のオンオフ動作を複数モードで制御して、リアクトル電流iLを四角形状の波形に制御する方法であれば、上記で説明した以外の制御方法を適用しても良い。
例えば、図12に示すように、第1および第2スイッチング素子Q1、Q2のオンオフ動作を、位相をずらした2つの三角波を用いて制御するPWM(Pulse Width Modulation)制御を行っても良い。なお、図12の上段は、三角波と比較値との比較、図12の中段は第1および第2スイッチング素子Q1、Q2のオンオフ動作、図12の下段はリアクトル電流の波形を表している。
図12に示すように、第1三角波TW1と第2三角波TW2の互いに位相の異なる2つの三角波を用意し、第1三角波TW1は第1スイッチング素子Q1のオンオフ動作に使用し、第2三角波TW2は第2スイッチング素子Q2のオンオフ動作に使用する。
次に、具体的な第1および第2スイッチング素子Q1、Q2のオンオフ動作を説明する。第1スイッチング素子Q1は、第1三角波TW1と比較値RWとを比較し、第1三角波TW1が比較値RWより大きい時にオンとし、第1三角波TW1が比較値RWより小さい時にオフとする。第2スイッチング素子Q2は、第2三角波TW2と比較値RWとを比較し、第2三角波TW2が比較値RWより大きい時にオンとし、第2三角波TW2が比較値RWより小さい時にオフとする。このように第1および第2スイッチング素子Q1、Q2をオンオフ動作させることにより、図12の下段に示すように、リアクトル電流iLを四角形状の波形に制御することができる。
また、上記の説明では、電源制御部2は、入力電圧すなわち入力電圧検出値vinと出力電圧すなわち出力電圧検出値voとの比較に基づいて、コンバータ6を昇圧制御、降圧制御および複数モードスイッチング制御の間で切り替えて動作させるようにした。しかしながら、上記3つの制御(昇圧制御、降圧制御、複数モードスイッチング制御)の全てを組み合わせる必要はなく、例えば、昇圧制御と複数モードスイッチング制御の2つの制御を組み合わせたり、降圧制御と複数モードスイッチング制御の2つの制御を組み合わせるようにしても良い。また、入力電圧および出力電圧の差に関係なく、常に複数モードスイッチング制御を行うようにしても良い。
さらに、複数モードスイッチング制御として固定周波数制御を行う場合は、電源制御部2は、入力電圧と出力電圧の比較に基づいて、第1スイッチング素子Q1を常時オンにし、第2スイッチング素子Q2をリアクトル電流iLが上限目標値iref*に達したらオフ、リアクトル電流iLが下限目標値に達したらオンとする昇圧制御と、第2スイッチング素子Q2を常時オフにし、第1スイッチング素子Q1をリアクトル電流iLが上限目標値iref*に達したらオフ、リアクトル電流iLが下限目標値に達したらオンと制御する降圧制御とのうち少なくとも一つの制御と、固定周波数制御とを組み合わせてコンバータ6を動作させるようにすれば良い。また、入力電圧および出力電圧の差に関係なく、常に固定周波数制御を行うようにしても良い。なお、入力電圧および出力電圧の差に関係なく、常に固定周波数制御を行う場合は、後述する実施の形態2の上限目標値iref*の演算式を使用することが好ましい。
以上のように、この実施の形態1によれば、Hブリッジ型昇降圧コンバータを複数モードスイッチング制御で動作させることにより、リアクトル電流を四角形状の波形に制御しつつ、入力電流波形を入力電圧波形と同位相、同波形に近づけるようにして力率を改善することができる。
そして、リアクトル電流を四角形状の波形に制御することにより、リアクトル電流の最大値を低減することができ、リアクトルで発生する損失を低減することができる。そのため、電力変換装置の高効率化が実現できると共に、リアクトルや放熱部品の小型化にともなう電力変換装置の小型化が実現できる。
また、複数モードスイッチング制御として、三モードスイッチング制御を行うことにより、リアクトル電流の最大値を大きく低減することができる。
また、複数モードスイッチング制御として、第1スイッチング素子を固定周波数および固定デューティの信号によりオンオフ動作させるとともに、第2スイッチング素子をリアクトル電流が上限目標値に達した時にオフ動作させ、リアクトル電流が下限目標値に達した時にオン動作させる固定周波数制御を行うことにより、リアクトル電流を四角形状の波形に制御することができ、リアクトル電流の最大値を低減して、リアクトルで発生する損失を低減することができる。
さらに、固定周波数制御で用いる上限目標値として、入力電圧を第1スイッチング素子の固定デューティで除算したものに比例した値を設定することにより、簡単な演算式により固定周波数制御を実現することができる。
また、固定周波数制御で用いる第1スイッチング素子の固定デューティを、リアクトル電流の最大値を低減するように設定することにより、さらにリアクトル電流の最大値を低減することができ、リアクトルで発生する損失を低減することができる。例えば、固定デューティを0.5以上と設定することで、固定周波数制御における上限目標値を昇圧制御における上限目標値以下に設定することができ、固定周波数制御時のリアクトル電流の最大値を低減することができる。
また、入力電圧と出力電圧の比較に基づいて、Hブリッジ型昇降圧コンバータを昇圧動作させる昇圧制御と、Hブリッジ型昇降圧コンバータを降圧動作させる降圧制御と、複数モードスイッチング制御とを組み合わせてHブリッジ型昇降圧コンバータを動作させることにより、入力電圧の大きさに関わらず、目標出力電圧を実現することができる。なお、前述したように、入力電圧と出力電圧の比較に基づいて、Hブリッジ型昇降圧コンバータを昇圧動作させる昇圧制御と、Hブリッジ型昇降圧コンバータを降圧動作させる降圧制御とのうちいずれか一つの制御と、複数モードスイッチング制御とを組み合わせてHブリッジ型昇降圧コンバータを動作させてもよい。
さらに、入力電圧と出力電圧の比較に基づいて、第1スイッチング素子を常時オンにし、第2スイッチング素子をリアクトル電流が上限目標値に達したらオフ、リアクトル電流が下限目標値に達したらオンとする昇圧制御と、第2スイッチング素子を常時オフにし、第1スイッチング素子をリアクトル電流が上限目標値に達したらオフ、リアクトル電流が下限目標値に達したらオンと制御する降圧制御と、固定周波数制御とを組み合わせてHブリッジ型昇降圧コンバータを動作させることにより、入力電圧の大きさに関わらず、目標出力電圧を実現することができる。なお、入力電圧と出力電圧の比較に基づいて、第1スイッチング素子を常時オンにし、第2スイッチング素子をリアクトル電流が上限目標値に達したらオフ、リアクトル電流が下限目標値に達したらオンとする昇圧制御と、第2スイッチング素子を常時オフにし、第1スイッチング素子をリアクトル電流が上限目標値に達したらオフ、リアクトル電流が下限目標値に達したらオンと制御する降圧制御とのうちいずれか一つの制御と、固定周波数制御とを組み合わせてHブリッジ型昇降圧コンバータを動作させてもよい。
また、固定周波数制御における下限値をゼロに設定することにより、第1および第2スイッチング素子のターンオンはリアクトル電流iLが下限目標値(0)となっている時に行われることとなり、第1および第2スイッチング素子で発生するスイッチング損失を低減でき、電力変換装置の高効率化が実現できる。
さらに、実施の形態1の電力変換装置は、1段のコンバータで構成され、かつリアクトル電流と上限目標値および下限目標値の比較結果を用いた制御を行うことから、部品点数が少なく、低コストで、かつ高効率の電力変換装置を実現することができる。
実施の形態2.
図13はこの発明の実施の形態2における電力変換装置の電源制御部の構成を示す回路ブロック図であり、実施の形態1の図2または図9と同一もしくは対応する構成部分には同一の符号を付す。この実施の形態2における電力変換装置の電源主回路部1の構成は実施の形態1の図1と同様である。
実施の形態1において、固定周波数制御時の上限目標値iref*の演算式(10)は、入力電圧と出力電圧がほぼ等しい場合(|vac|≒vdc)、つまり入力電圧検出値と出力電圧検出値がほぼ等しい場合(vin≒vo)を想定した式であり、入力電圧と出力電圧に差が生じる場合では、交流入力電流iacにひずみが生じ、力率が低下することが考えられる。
実施の形態2では、実施の形態1に対し、固定周波数制御時の上限目標値iref*の演算式を変更しており、入力電圧と出力電圧に差が生じた時に固定周波数制御を用いる場合に適した上限目標値iref*の演算式を提供する。
図14は実施の形態2で考えるリアクトル電流iLの波形である。なお、図14は図11と同様にリアクトル電流iLが立ち上がる期間と立ち下がる期間を0と近似している。
図14に示すように、入力電圧(脈流電圧)|vac|と出力電圧vdcに電圧差がある場合を考慮しているため、第1スイッチング素子Q1がオン、第2スイッチング素子Q2がオフの期間には、リアクトル電流iLは脈流電圧と出力電圧の電圧差(|vac|―vdc)に比例した傾きをもった波形となる。
図14は図11と同様に第1スイッチング素子Q1がオンする期間にのみリアクトル電流iLが流れる。そのため、目標リアクトル電流iL*は、図11の場合と同様に既出の式(3)により設定することができる。
iL*=vin×i**・・・(3)
次に、リアクトル電流iLの単位時間ごとの平均が目標リアクトル電流iL*に一致するように上限目標値iref*は定まることを用いて、図14における目標リアクトル電流iL*と上限目標値iref*の関係を導出する。目標リアクトル電流iL*は、上限目標値iref*、入力電圧検出値vin、出力電圧検出値vo、第1スイッチング素子Q1に与える信号の固定周波数fQ1および固定デューティdQ1、リアクトルLのインダクタンスLを用いて式(11)と算出される。
iL*=iref*×dQ1+{(vin−vo)×(dQ1)/(2×L×fQ1)}・・・(11)
目標値演算部24cは、上限目標値iref*を前述の式(3)と上記の式(11)とを用いて、次の式(12)により設定する。
iref*=(vin×i**/dQ1)−{(vin−vo)×dQ1/(2×L×fQ1)}・・・(12)
式(12)の右辺第1項は式(10)の右辺と同じであり、式(12)の右辺第2項は上述の入出力電圧差(vin−vo)に比例している項である。つまり、式(12)の右辺は、図14の斜線面積部SA1に示す入出力電圧差に依存しない項を、図14の白色面積部SA2に示す入出力電圧差(vin−vo)に依存する項で補正した式となっている。
その他の構成、および作用効果は、実施の形態1の場合と同様であるため、説明は省略する。
以上のように、この実施の形態2によれば、固定周波数制御で用いる上限目標値として、入力電圧を第1スイッチング素子の固定デューティで除算したものに比例した値を、入力電圧と出力電圧の電圧差に比例する値により、補正した値を設定するようにしたので、入力電圧と出力電圧に差が生じる場合であっても、交流入力電流にひずみが発生することなく、力率を向上させることができる。
すなわち、この実施の形態2は、高力率が要求される場合において、上限目標値の演算値の誤差により生じる力率低下、高調波規格の非準拠を防ぐことを目的としている。固定周波数制御を入出力電圧差のある条件で使用する場合には、上限目標値を式(12)と算出することで、交流入力電流に歪みが発生することなく、交流入力電流を交流入力電圧と同位相、同波形とし、力率を向上させることができる。
実施の形態3.
図15および図16はこの発明の実施の形態3による電力変換装置の電源主回路部および電源制御部を示す回路ブロック図であり、実施の形態1と同一もしくは対応する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態3では、実施の形態1に示した電力変換装置を前提として、複数のLED(Light Emitting Diode)を直列に接続したLEDユニットを負荷10とした場合について説明する。なお、負荷10となるLEDユニットのLEDの接続方法は、単に直列接続した場合に限らず並列接続や直並列接続としてもよく、1個のLEDであっても良い。
ここで、LEDは通常、その特性から電流制御が適している。このため、この実施の形態3では、実施の形態1の回路構成に対し、LEDに流れるLED電流iLEDを検出するための検出回路としてLED電流検出部11が追加されている。また、電源制御部2において、出力制御部21に対する出力電圧検出値voおよび目標出力電圧vo*の入力に代えて、LED電流検出部11で検出されたLED電流iLEDおよび目標出力電流iLED*が入力されている。なお、図16の固定周波数制御時における目標値演算部24cでは実施の形態1で求めた式(10)を用いているが、実施の形態2で求めた式(12)を目標値演算部24cで用いてもよい。
この構成によれば、実施の形態1および2と同様の制御により、LEDに流れるLED電流iLEDの制御を行うことができる。また、光量を調整するための調光機能を搭載する場合は、外部の機器から上記の目標出力電流iLED*を可変するような構成とすれば、調光機能も実現することができる。
このように、この実施の形態3では、実施の形態1および2において負荷としてLEDユニットを設けた場合、LED電流検出部で検出されたLED電流を電源制御部にフィードバックし、出力制御部でLED電流が目標出力電流となるように制御する。そして、実施の形態1で説明した目標値演算部、リアクトル電流比較部およびスイッチ制御部によって第1および第2スイッチング素子のオンオフ制御を行うことにより、安価で高力率、高効率の電力変換を達成することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることや、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明に係る電力変換装置は、電源主回路部と電源制御部とからなり、上記電源主回路部は、交流電源の交流電圧を全波整流する全波整流回路と、第1および第2スイッチング素子並びにリアクトルを有して上記全波整流回路によって得られた入力電圧を目標とする出力電圧に変換するHブリッジ型昇降圧コンバータと、上記全波整流回路で全波整流された後の入力電圧、上記Hブリッジ型昇降圧コンバータで電圧変換された後の出力電圧、および上記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出する検出回路とを備え、
上記電源制御部は、上記検出回路で検出された検出信号に基づいて上記Hブリッジ型昇降圧コンバータの上記第1及び第2スイッチング素子をオンオフ制御することにより上記出力電圧を制御すると共に、上記リアクトル電流を制御して入力電流波形を入力電圧波形に近づける力率改善制御を行う電力変換装置であって、
上記電源制御部は、上記第1スイッチング素子を固定周波数および固定デューティの信号によりオンオフ動作させるとともに、上記第2スイッチング素子を上記リアクトル電流が上限目標値に達した時にオフ動作させ、上記リアクトル電流が下限目標値に達した時にオン動作させる固定周波数制御を行うものである。

Claims (11)

  1. 電源主回路部と電源制御部とからなり、
    上記電源主回路部は、交流電源の交流電圧を全波整流する全波整流回路と、第1および第2スイッチング素子並びにリアクトルを有して上記全波整流回路によって得られた入力電圧を目標とする出力電圧に変換するHブリッジ型昇降圧コンバータと、上記全波整流回路で全波整流された後の入力電圧、上記Hブリッジ型昇降圧コンバータで電圧変換された後の出力電圧、および上記リアクトルに流れるリアクトル電流を検出する検出回路とを備え、
    上記電源制御部は、上記検出回路で検出された検出信号に基づいて上記Hブリッジ型昇降圧コンバータの上記第1及び第2スイッチング素子をオンオフ制御することにより上記出力電圧を制御すると共に、上記リアクトル電流を制御して入力電流波形を入力電圧波形に近づける力率改善制御を行う電力変換装置であって、
    上記電源制御部は、第1および第2スイッチング素子が共にオン状態である第一モードと、第1スイッチング素子がオン状態であり第2スイッチング素子がオフ状態である第二モードと、第1および第2スイッチング素子が共にオフ状態である第三モードとを順番に有するように、上記第1及び第2スイッチング素子をオンオフ動作させる複数モードスイッチング制御を行う電力変換装置。
  2. 上記電源制御部は、上記複数モードスイッチング制御として、上記第三モードの後に、第1スイッチング素子がオフ状態であり第2スイッチング素子がオン状態である第四モードを有して、上記第1及び第2スイッチング素子をオンオフ動作させる請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 上記電源制御部は、上記複数モードスイッチング制御として、上記第1スイッチング素子を固定周波数および固定デューティの信号によりオンオフ動作させるとともに、上記第2スイッチング素子を上記リアクトル電流が上限目標値に達した時にオフ動作させ、上記リアクトル電流が下限目標値に達した時にオン動作させる固定周波数制御を行う請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 上記電源制御部は、上記固定周波数制御で用いる上記上限目標値として、上記入力電圧を上記第1スイッチング素子の上記固定デューティで除算した値に比例した値を設定する請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 上記電源制御部は、上記固定周波数制御で用いる上記上限目標値として、上記入力電圧を上記第1スイッチング素子の上記固定デューティで除算した値に比例した値を、上記入力電圧と上記出力電圧の電圧差に比例する値により、補正した値を設定する請求項3に記載の電力変換装置。
  6. 上記固定周波数制御で用いる上記第1スイッチング素子の固定デューティを、上記リアクトル電流の最大値を低減するように設定する請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 上記電源制御部は、上記入力電圧と上記出力電圧の比較に基づいて、上記Hブリッジ型昇降圧コンバータを昇圧動作させる昇圧制御と、上記Hブリッジ型昇降圧コンバータを降圧動作させる降圧制御とのうち少なくとも一つの制御と、上記複数モードスイッチング制御とを組み合わせて上記Hブリッジ型昇降圧コンバータを動作させる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 上記電源制御部は、上記入力電圧と上記出力電圧の比較に基づいて、上記第1スイッチング素子を常時オンにし、上記第2スイッチング素子を上記リアクトル電流が上記上限目標値に達したらオフ、上記リアクトル電流が上記下限目標値に達したらオンとする昇圧制御と、上記第2スイッチング素子を常時オフにし、上記第1スイッチング素子を上記リアクトル電流が上記上限目標値に達したらオフ、上記リアクトル電流が上記下限目標値に達したらオンと制御する降圧制御とのうち少なくとも一つの制御と、上記固定周波数制御とを組み合わせて上記Hブリッジ型昇降圧コンバータを動作させる請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 上記電源主回路部には、負荷としてLEDが接続されると共に、上記LEDに流れるLED電流を検出するLED電流検出回路を設け、上記電源制御部は、上記LED電流検出回路で検出された上記LED電流に基づいて上記LEDの電流制御を行う請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 上記Hブリッジ型昇降圧コンバータは、上記交流電源側に上記第1スイッチング素子と第1ダイオードが直列に接続された第1アームを有し、負荷側に第2ダイオードと上記第2スイッチング素子が直列に接続された第2アームを有し、上記第1スイッチング素子と上記第1ダイオードの接続点と、上記第2ダイオードと上記第2スイッチング素子の接続点との間に上記リアクトルが接続されている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 上記Hブリッジ型昇降圧コンバータは、上記交流電源側に上記第1スイッチング素子と第3スイッチング素子が直列に接続された第1アームを有し、負荷側に第4スイッチング素子と上記第2スイッチング素子が直列に接続された第2アームを有し、上記第1スイッチング素子と上記第3スイッチング素子の接続点と、上記第4スイッチング素子と上記第2スイッチング素子の接続点との間に、上記リアクトルが接続されている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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