JPWO2018088434A1 - N−サクシニル−ヒドロキシ−d−アミノ酸及び/又はヒドロキシ−d−アミノ酸の製造方法 - Google Patents

N−サクシニル−ヒドロキシ−d−アミノ酸及び/又はヒドロキシ−d−アミノ酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はヒドロキシ−D−アミノ酸の新たな製造方法を提供すること。N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを作用させる工程(A)を含む、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する方法。

Description

N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はヒドロキシ−D−アミノ酸の製造に関連する技術が開示される。
ヒドロキシアミノ酸は、機能性食品、化粧品、農薬、医薬品の原料及びその中間体等において、有用な化合物であり、例えば、4−ヒドロキシ−L−イソロイシン、3−ヒドロキシ−L−リジン、シス−3−ヒドロキシ−L−プロリン、及びシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンなどが知られる(非特許文献1、2、特許文献1)。これらの化合物は、いずれも微生物及び酵素反応による効率的な製造方法が報告されているおり、いずれもL体のヒドロキシアミノ酸である(非特許文献3及び4、並びに特許文献2)。D体のヒドロキシアミノ酸の製造方法は、特許文献3などに報告されているが、製造効率等に改善の余地があった。
特開2006−199714 WO2014/129459 特開2010−098975
Broca et al.,Am.J. Physiol.,1999,277,E617 Coulon et al.,Tetrahedron Lett.,1998、39、6467 Shibasaki et al.,Appl.Environ.Microbial.,1999,65,4028 Hibi et al.,Appl.Environ.Microbial.,2011,77,6926 Odokonyero et al.,PNAS.,2014,111,8535 Sakai A.et al.,Biochemistry,2006,45,4455
上記のような現状の下、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はヒドロキシ−D−アミノ酸の新たな製造方法を提供することが1つの課題である。
上記課題等を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、次のような知見を得るに至った。即ち、従前、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼは、N−サクシニルアミノ酸の異性化反応に加え、脱水反応を触媒する活性を有することが知られていた(非特許文献5、6)。具体的に、非特許文献5には、Amycolatopsis属、Deinococcus属、Thermus属、Enterococcus属、及びListeria属由来のN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ活性(以下、NSAR活性とも称する)を有する全ての酵素がNSAR活性よりも高い脱水活性(以下、OSBS活性とも称する)を有することが報告されている。また、非特許文献6には、Geobacillus属由来のN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼがNSAR活性と同等のOSBS活性を有することが報告されている。よって、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼは、ヒドロキシル化された化合物の異性化反応には適さないと考えられていた。しかし、実際には当該酵素が、N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸をヒドロキシル化された状態で効率的にD体に変換できることを見出した。斯かる知見に基づき、更なる研究と改良を重ねた結果、下記に代表される発明が提供される。
項1.
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを作用させる工程(A)を含む、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する方法。項2.
N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸がN−サクシニル−3−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はN−サクシニル−4−ヒドロキシ−D−アミノ酸である、項1に記載の方法。
項3.
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを作用させる工程(A)、及び
工程(A)で得られたN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸にD−サクシニラーゼを作用させる工程(B)
を含む、ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する方法。
項4.
N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸がN−サクシニル−3−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はN−サクシニル−4−ヒドロキシ−D−アミノ酸である、項3に記載の方法。
項5.
N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼがゲオバチルス(Geobacillus)属、又はクロロフレクサス(Chloroflexus)属に属する微生物由来である、項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6.D−サクシニラーゼがクプリアビダス(Cupriavidus)属、又はラルストニア(Ralstonia)属に属する微生物由来である、項3〜5のいずれかに記載の方法。
N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はヒドロキシ−D−アミノ酸を効率的に製造することができる。
実施例2において3−ヒドロキシ−D−イソロイシンが生成されたことを示す。 実施例3において3−ヒドロキシ−D−ロイシンが生成されたことを示す。 実施例4において3−ヒドロキシ−D−バリンが生成されたことを示す。 実施例5において3−ヒドロキシ−D−ノルロイシンが生成されたことを示す。 実施例6において3−ヒドロキシ−D−ノルバリンが生成されたことを示す。 実施例7において4−ヒドロキシ−D−イソロイシンが生成されたことを示す。
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを作用させる工程(A)を含む、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する方法が提供される。
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸におけるL−アミノ酸の種類は任意であり、目的に応じて適宜選択することができる。本発明に従えば、原則として、N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸に採用するL−アミノ酸と同じ側鎖を有するD−アミノ酸を含むヒドロキシ−D−アミノ酸が得られる。
アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ化合物である。具体的なアミノ酸の種類としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリン等の遺伝情報から直接的に合成されるアミノ酸;シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、サイロキシン、O−ホスホセリン、及びデスモシン等のタンパク質合成後修飾によって得られるアミノ酸;並びに、β−アラニン、サルコシン、オルニチン、シトルリン、クレアチン、γ−アミノ酪酸、オパイン、トリメチルグリシン、テアニン、トリコロミン酸、カイニン酸、ドウモイ酸、イボテン酸、アクロメリン酸、ノルバリン、及びノルロイシン等のタンパク質を構成しないアミノ酸を挙げることができる。一実施形態において、好ましいアミノ酸は、イソロイシン、ロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、及びフェニルアラニンである。
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸において、ヒドロキシ基は、L−アミノ酸の任意の炭素原子に結合していても良い。一実施形態において、ヒドロキシ基は、アミノ酸のアミノ基を持つ炭素原子の隣りのカルボキシル炭素を1位、アミノ基及びカルボキシル基が結合している炭素を2位として、3位、4位、及び/又は5位の炭素に結合していることが好ましく、3位及び/又は4位に結合していることが好ましい。
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸は公知であり、任意の手法で得ることができる。例えば、N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸は、ヒドロキシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を水酸化して得ることができる。N−サクシニル−L−アミノ酸は、例えば、後述する実施例に示すように、無水コハク酸を用いてpH8〜9の条件下でL−アミノ酸のアミノ基を構成する窒素原子にサクシニル基を結合させて得ることができる。また、N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸は、L−アミノ酸をヒドロキシラーゼで先に水酸化してヒドロキシ−L−アミノ酸を取得し、それをN−サクシニル化することによって得ることもできる。
ヒドロキシラーゼとは、基質分子のいずれかの原子を水酸化する酵素活性(以下、「ヒドロキシラーゼ活性」という。)を有するタンパク質である。ヒドロキシラーゼには、酸素分子を基質として酸素1原子を化合物に導入する反応を触媒するモノオキシゲナーゼ及び酸素分子中の酸素2原子いずれもを化合物に導入する反応を触媒するジオキシゲナーゼが含まれる。
ヒドロキシラーゼは、L−アミノ酸又はN−サクシニル−L−アミノ酸を位置選択的に水酸化する反応を触媒する酵素であることが好ましい。このような酵素としては、例えば、Escherichia属、Pantoea属、Agrobacterium属、Bordetella属、Streptomyces属、Photorhabdus属、Gloeobacter属、Psychromonas属、Mesorhizobium属、Anabaena属、Burkholderia属、Bacillus属、Methylobacillus属、Gluconobacter属、Pseudomonas属、及びNostoc属由来のヒドロキシラーゼ並びにその変異体等が挙げられる。一実施形態においてヒドロキシラーゼは、Burkholderia属、Bacillus属、又はNostoc属に由来することが好ましく、Burkholderiales属に由来することがより好ましい。
本書において「変異体」とは、基準となる酵素のアミノ酸配列に対して一定以上の同一性を有するアミノ酸配列を有しかつ当該基準となる酵素と同種の酵素活性を有する酵素を意味する。ここで、一定の以上の同一性とは、例えば、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、98%以上、又は99%以上を意味する。基準となる酵素は任意であり、例えば、本書に例示される野生型の酵素、又は配列番号1〜3のいずれかのアミノ酸配列を有する酵素を挙げることができる。
アミノ酸の同一性は、市販の又はインターネットを通じて利用可能な解析ツールを用いて計算することができる。例えば、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLASTにおいてデフォルトのパラメーターを用いて算出することができる。
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸の製造においては、(1)N−サクシニル−L−アミノ酸を出発原料とし、N−サクシニル−L−アミノ酸を位置選択的に水酸化する反応を触媒するヒドロキシラーゼを用いても良いし、(2)L−アミノ酸を出発原料とし、L−アミノ酸を位置選択的に水酸化する反応を触媒するヒドロキシラーゼを用いて、ヒドロキシ−L−アミノ酸を合成し、化学合成でN−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸を製造しても良い。(1)の例としては、N−サクシニル−L−アミノ酸の3位を特異的に水酸化するBurkholderiales属のヒドロキシラーゼ(以上、特許文献4に記載)が挙げられる。(2)の例としては、4位を水酸化する酵素として、例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaeriocus)由来のヒドロキシラーゼ(以上、特許文献4に記載)が挙げられる。また、5位を水酸化する酵素として、例えば、ノストック ・パンクチフォルメ(Nostoc punctiforme)由来のヒドロキシラーゼ(WO2011/021717に記載)が挙げられる。
L−アミノ酸又はN−サクシニル−L−アミノ酸を構成するL−アミノ酸をヒドロキシラーゼで水酸化する条件は特に限定されず任意に設計できる。例えば、下記の条件でL−アミノ酸又はN−サクシニル−L−アミノ酸とヒドロキシラーゼとを任意の添加剤および緩衝剤を含む反応溶液中で混合することにより上記アミノ酸をヒドロキシル化することができる。
反応温度は、使用するヒドロキシラーゼが機能する温度であれば特に限定されず、酵素の種類に応じて適宜設定することができる。一般的な温度は20〜50℃であり、25〜35℃が好ましい。反応時のpHは、使用するヒドロキシラーゼが機能するpHであれば特に限定されず、酵素の種類に応じて適宜設定することができる。一般的なpHは、pH5〜9であり、pH6〜7が好ましい。
反応溶液は、添加剤として二価の鉄イオン、アスコルビン酸、及び/又は2−オキソグルタル酸を含むことが好ましい。2価の鉄イオンは、例えば、0.1mM〜1Mの終濃度で含まれることが好ましい。アスコルビン酸は、例えば、0.1mM〜1M、好ましくは1mM〜10mMの終濃度で含まれることが好ましい。また、アスコルビン酸はトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP-HCl)でも代替できる。2−オキソグルタル酸は、反応基質であるN−サクシニル−L−アミノ酸(又はL−アミノ酸)と同モルまたは同モルから2倍モルの範囲で配合されることが好ましい。これにより、ヒドロキシラーゼの活性を顕著に高めることができる。
ヒドロキシラーゼの反応に用いる緩衝剤は、ヒドロキシラーゼが機能するものであれば特に制限されず、任意に選択することができる。一実施形態において、作業効率の観点から、緩衝材は、後述するN−アシルアミノ酸ラセマーゼ及びD−サクシニラーゼの反応に用いる緩衝剤と同種のものが好ましい。
ヒドロキシル化の反応時間は、所望のヒドロキシルL−アミノ酸又はN−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸が得られる限り特に制限されず、任意に設定することができる。例えば、反応時間は、3〜72時間、好ましくは6〜24時間とすることができる。
反応溶液中のL−アミノ酸又はN−サクシニル−L−アミノ酸の量は特に制限されず、目的及び使用する酵素の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、L−アミノ酸又はN−サクシニル−L−アミノ酸は、0.01%〜50%(w/v)、好ましくは0.1%〜20%(w/v)とすることができる。
反応溶液中のヒドロキシラーゼの量は特に制限されず、目的及び使用する酵素の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、ヒドロキシラーゼの濃度は、湿菌体重量として、0.1%〜50%(w/v)、好ましくは1%〜10%(w/v)である。
ヒドロキシラーゼは、精製されたものを使用することができるが、ヒドロキシラーゼを微生物に発現させて製造する場合は、それを発現する微生物の状態で使用することができる。一実施形態において、ヒドロキシラーゼは、安定性の観点で微生物が発現している状態のものであることが好ましい。従って、ヒドロキシラーゼを発現させるために微生物を培養した培養液をそのまま酵素溶液として使用することができる。
微生物を用いたヒドロキシラーゼの生産は周知の方法を用いて行うことができる。例えば、ヒドロキシラーゼをコードするDNAを組み込んだ発現ベクターで適当な宿主細胞(例えば、大腸菌)を形質転換し、それを宿主に適当な条件で培養することで行うことができる。
L−アミノ酸のサクシニル化は任意の手法で行うことができる。例えば、アミノ酸及びアミノ酸と当量以上の無水コハク酸を酢酸中で反応させた後、溶媒を留去し、酢酸エチル及び/又はメタノール中で再結晶させることによってN−サクシニル−L−アミノ酸を得ることができる。また、アミノ酸及びアミノ酸と当量以上の無水コハク酸を水中でpHをアルカリ側に保ちながら反応させた後、pHを酸性にして結晶として析出させる方法によってN−サクシニル−L−アミノ酸を得ることもできる。
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸をラセミ化してN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する際に使用するN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼは、このような反応を触媒できる活性を有する限り特に制限されない。使用可能なN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼとしては、アミコラトプシス・エスピー(Amycolatopsis sp.)・TS−1−60由来(特開平4−365482)、セベキア・ベニハナ(Sebekia Bbenihana)(以下、単にベニハナという場合がある)由来(特開2001−314191)、デイノコッカス・ラディオデュランス(Deinococcus radiodurans)由来(特開2002−238581)、クロロフレクサス・オーランティアカス(Chloroflexus aurantiacus)由来(特開2007−082534)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)NCA1503株由来(特開2008−061642)、ゲオバチルス・カウストフィラス(Geobacillus kaustophilus)NBRC102445株由来(特開2015−91265)、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)由来(特開2015−91265)のN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ並びにそれらの変異体等を挙げることができる。一実施形態において、クロロフレクサス・オーランティアカス(Chloroflexus aurantiacus)由来、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)NCA1503株由来、ゲオバチルス・カウストフィラス(Geobacillus kaustophilus)NBRC102445株由来、又はサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)HB8株由来のN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼが好ましく、ゲオバチルス(Geobacillus)属、又はクロロフレクサス(Chloroflexus)属由来のN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼがより好ましい。
N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを作用させてN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する際の反応条件は特に限定されず任意に設計できる。例えば、下記の条件でN−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸とN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼとを任意の添加剤および緩衝剤を含む反応溶液中で混合することによりラセミ化することができる。
反応温度は、使用するN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼが機能する温度であれば特に限定されず、酵素の種類に応じて適宜設定することができる。一般的な温度は20〜50℃であり、25〜35℃が好ましい。反応時のpHは、使用するN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼが機能するpHであれば特に限定されず、酵素の種類に応じて適宜設定することができる。一般的なpHは、pH5〜9であり、pH6〜7が好ましい。
反応溶液は、添加剤として二価のコバルトイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオン、1価のカリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン等を含むことが好ましく、コバルトイオンがより好ましい。金属イオンは、例えば、0.01mM〜1Mの終濃度で含まれることが好ましく、0.1mM〜1mMの終濃度がより好ましい。
N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼの反応に用いる緩衝剤は、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼが機能するものであれば特に制限されず、任意に選択することができる。例えば、リン酸緩衝溶液、MES、ADA、PIPES、MOPS、HEPES、CHES、Tris−HCl、Bis−Tris−HCl及びTricine等を挙げることができる。
反応時間は、所望のN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸が得られる限り特に制限されず、任意に設定することができる。例えば、反応時間は、3〜72時間、好ましくは6〜24時間とすることができる。
反応溶液中のN−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸の量は特に制限されず、目的及び使用する酵素の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸は、0.01%〜50%(w/v)、好ましくは0.1%〜20%(w/v)とすることができる。
反応溶液中のN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼの量は特に制限されず、目的及び使用する酵素の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、ヒドロキシラーゼの濃度は、酵素濃度として0.001(g/L)〜10(g/L)、好ましくは0.01(g/L)〜1(g/L)である。
N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼは、精製されたものを使用することができるが、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを微生物に発現させて製造する場合は、当該酵素を発現する微生物の状態で使用することができる。一実施形態において、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼは、安定性の観点で微生物が発現している状態のものであることが好ましい。従って、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを発現させるために微生物を培養した培養液をそのまま酵素溶液として使用することができる。
微生物を用いたN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼの生産は周知の方法を用いて行うことができる。例えば、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼするDNAを組み込んだ発現ベクターで適当な宿主細胞(例えば、大腸菌)を形質転換し、それを宿主に適当な条件で培養することで行うことができる。
上記のようにして得られるN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸にD−サクシニラーゼを作用させること(工程B)により、ヒドロキシ−D−アミノ酸を得ることができる。D−サクシニラーゼは、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸を脱サクシニル化してヒドロキシ−D−アミノ酸を生成する活性を有する限り特に制限されず、その種類は任意である。D−サクシニラーゼの具体例としては、クプリアビダス・エスピー.P4−10−C株、クプリアビダス・メタリデュランス(Cupriavidus metallidurans)、クプリアビダス・ネケター(Cupriavidus necator)、及びラルストニア・ピケッティ(Ralstonia pickettii)由来のD−サクシニラーゼ(以上WO2012/002450)、並びにそれらの改変体(特開2012−205587)等を挙げることができる。一実施形態において好ましいD−サクシニラーゼは、クプリアビダス(Cupriavidus)属又はラルストニア(Ralstonia)属由来のD−サクシニラーゼである。
N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸にD−サクシニラーゼを作用させてヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する際の反応条件は特に限定されず任意に設計できる。例えば、下記の条件でN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸とD−サクシニラーゼとを任意の添加剤および緩衝剤を含む反応溶液中で混合することにより脱サクシニル化することができる。
反応温度は、使用するD−サクシニラーゼが機能する温度であれば特に限定されず、酵素の種類に応じて適宜設定することができる。一般的な温度は20〜50℃であり、25〜35℃が好ましい。反応時のpHは、使用するD−サクシニラーゼが機能するpHであれば特に限定されず、酵素の種類に応じて適宜設定することができる。一般的なpHは、pH5〜9であり、pH6〜7が好ましい。
D−サクシニラーゼの反応に用いる緩衝剤は、D−サクシニラーゼが機能するものであれば特に制限されず、任意に選択することができる。例えば、リン酸緩衝溶液、MES、ADA、PIPES、MOPS、HEPES、CHES、Tris−HCl、Bis−Tris−HCl及びTricine等を挙げることができる。
反応時間は、所望のヒドロキシ−D−アミノ酸が得られる限り特に制限されず、任意に設定することができる。例えば、反応時間は、3〜72時間、好ましくは6〜24時間とすることができる。
反応溶液中のN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸の量は特に制限されず、目的及び使用する酵素の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸は、0.01%〜50%(w/v)、好ましくは0.1%〜20%(w/v)とすることができる。
反応溶液中のD−サクシニラーゼの量は特に制限されず、目的及び使用する酵素の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、D−サクシニラーゼの濃度は、酵素濃度として0.0001(g/L)〜1(g/L) 、好ましくは0.001(g/L)〜0.1(g/L)である。
D−サクシニラーゼは、精製されたものを使用することができるが、D−サクシニラーゼを微生物に発現させて製造する場合は、当該酵素を発現する微生物の状態で使用することができる。一実施形態において、D−サクシニラーゼは、安定性の観点で微生物が発現している状態のものであることが好ましい。従って、D−サクシニラーゼを発現させるために微生物を培養した培養液をそのまま酵素溶液として使用することができる。
微生物を用いたD−サクシニラーゼの生産は周知の方法を用いて行うことができる。例えば、D−サクシニラーゼをコードするDNAを組み込んだ発現ベクターで適当な宿主細胞(例えば、大腸菌)を形質転換し、それを宿主に適当な条件で培養することで行うことができる。
このようにして得られるヒドロキシ−D−アミノ酸において、ヒドロキシ基は、D−アミノ酸の任意の炭素原子に結合していても良い。一実施形態において、ヒドロキシ基は、D−アミノ酸のカルボキシル基を構成している炭素を1位、アミノ基及びカルボキシル基が結合している炭素を2位として、3位、4位、及び/又は5位の炭素に結合していることが好ましく、3位及び/又は4位に結合していることが好ましい。
一実施形態において、1つの反応系(反応溶液)でN−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸からN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸への変換、及び、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸からヒドロキシル−D−アミノ酸への変換を同時及び/又は連続的に行うことが効率性の観点で好ましい。他の実施形態において、N−サクシニル−L−アミノ酸をヒドロキシラーゼの存在下でN−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸に変換し、その反応溶液にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ及びD−サクシニラーゼ並びに他の添加剤を添加して連続的にヒドロキシ−D−アミノ酸を製造することが効率性の観点で好ましい。
以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[参考例1]Burkholderia ambifaria AMMD(DSM16078)株由来ヒドロキシラーゼ(SadA)の調製
Burkholderia ambifaria AMMD(DSM16078)株由来のヒドロキシラーゼ(SadA)遺伝子(配列番号1)の全長を増幅させるために配列番号4及び5に示す塩基配列を有するプライマーを合成した。次に、Burkholderia ambifaria AMMD(DSM16078)株を液体培養で培養し、得られた菌体からゲノム抽出キットにより、ゲノムDNAを抽出した。ゲノムDNAを鋳型にDNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)及び上記プライマーを用いてPCRを行った。増幅されたDNA断片をプラスミドpQE80LのBamHI認識部位とHindIII認識部位の間に挿入し、発現ベクターpBaSadAを構築した。この発現ベクターpBaSadAで大腸菌(E.coli)JM109を形質転換した。得られた組換え大腸菌をアンピシリン100mg/Lを含む液体LB培地で28℃で振盪培養し、OD(660nm)の値が、0.8に達した際、最終濃度1mMとなるようにIPTGを培地に添加した。その後も、28℃にて振盪培養し、培養開始から20時間後に集菌した。
[参考例2]Burkholderia ambifaria AMMD(DSM16078)株由来ヒドロキシラーゼ(SadA)の活性測定
50μl(終濃度50mM)のBis−Tris/HCl buffer(pH6.5)、15μl(終濃度15mM)の2−オキソグルタル酸、10μl(終濃度10mM)のアスコルビン酸、50μl(終濃度5mM)のFeSO/7HO、100μl(終濃度10mM)のN−サクシニル−L−ロイシン、及び765μlの滅菌蒸留水を混和し、この溶液に参考例1に記載の方法で調製した集菌液を生理食塩水で洗浄した菌体懸濁液10μlを加え、30℃で反応を開始させ、適当な時間で反応を停止させた。この反応で生成したコハク酸をコハク酸定量キット(Roche/R−Biopharm社製)により、定量し、酵素活性を算出した。酵素活性は、2−オキソグルタル酸からコハク酸が1分間に1μmol生成された場合を1unit(U)と定義した。
[参考例3]Bacillus thuringiensis 2−e−2株由来ヒドロキシラーゼ(IDO)の調製
特許5246639に記載のBacillus thuringiensis 2−e−2株由来のヒドロキシラーゼ(IDO)(配列番号2)の全長を増幅させるために配列番号6及び7の塩基配列を有するプライマーを合成した。次にBacillus thuringiensis 2−e−2株を液体培養で培養し、得られた菌体からゲノム抽出キットにより、ゲノムDNAを抽出した。ゲノムDNAを鋳型にDNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)及び上記プライマーを用いたPCRを行った。増幅されたDNA断片をプラスミドpQE80LのBamHI認識部位とHindIII認識部位の間に挿入し、発現ベクターpBtIDOを構築した。この発現ベクターpBtIDOで大腸菌(E.coli)JM109を形質転換した。得られた組換え大腸菌をアンピシリン100mg/Lを含む液体LB培地で28℃で振盪培養し、OD(660nm)の値が、0.8に達した際、最終濃度1mMとなるようにIPTGを添加した。その後も、28℃にて振盪培養し、培養開始から20時間後に集菌した。
[参考例4]Bacillus thuringiensis 2−e−2株由来ヒドロキシラーゼ(IDO)の活性測定
100μl(終濃度100mM)のHEPES buffer(pH7.0)、5μl(終濃度5mM)の2−オキソグルタル酸、5μl(終濃度5mM)のアスコルビン酸、50μl(終濃度5mM)のFeSO/7HO、50μl(終濃度5mM)のL−イソロイシン、及び780μlの滅菌蒸留水を混和し、この溶液に参考例3に記載の方法で調製した集菌液を生理食塩水で洗浄した菌体懸濁液10μlを加え、30℃で反応を開始させ、適当な時間で反応を停止させた。この反応で生成した4−ヒドロキシイソロイシンをHPLCにより、定量し、酵素活性を算出した。酵素活性は、2−オキソグルタル酸からコハク酸が1分間に1μmol生成された場合を1unit(U)と定義した。
[参考例5]N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ(NSAR)の調製
特開2007−82534に記載の方法で、Chloroflexus aurantiacus由来のNSARの発現ベクターpCaNSARを構築した。pCaNSARを用い、大腸菌(E.coli)JM109を形質転換した。得られた組換え大腸菌をアンピシリン100mg/Lを含む液体LB培地を用いて、28℃で振盪培養し、OD(660nm)の値が、0.8に達した際、最終濃度1mMとなるようにIPTGを添加した。その後も、28℃にて振盪培養し、培養開始から20時間後に集菌した。
[参考例6]N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ(NSAR)の調製
特開2008−061642に記載の方法で、Geobacillus stearothermophilus由来のNSARの発現ベクターpGsNSARを構築した。pCaNSARを用い、大腸菌(E.coli)JM109を形質転換した。得られた組換え大腸菌をアンピシリン100mg/Lを含む液体LB培地を用いて、28℃で振盪培養し、OD(660nm)の値が、0.8に達した際、最終濃度1mMとなるようにIPTGを添加した。その後も、28℃にて振盪培養し、培養開始から20時間後に集菌した。
[参考例7]N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼの活性測定
100μl(終濃度10mM)の基質となるN−サクシニル−L−フェニルアラニン溶液(基質)を100μl(終濃度10mM)、10μl(終濃度1mM)の塩化コバルト水溶液を10μl(終濃度1mM)、100μl(終濃度25mM)のTris−HCl(0.25M/pH7.5)を100μl(終濃度25mM)、及び740μlの滅菌蒸留水を740μlを混和し、この反応液に適当な濃度のN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ溶液50μlを加えて30℃で反応を行い、煮沸処理により、反応を停止させた。生成したN−サクシニル−D−フェニルアラニンを高速液体クロマトグラフィーにより定量し、酵素活性を算出した。酵素活性はN−サクシニル−L−フェニルアラニンからN−サクシニル−D−フェニルアラニンが1分間に1μmole生成された場合を1unit(U)と定義した。
[参考例8]D−サクシニラーゼ(DSA)の調製
特許5806664に記載のCupriavidus sp.P4−10−C株由来のD−サクシニラーゼ遺伝子(配列番号3)の全長を増幅させるために配列番号8及び9の塩基配列を有するプライマーを合成した。次にCupriavidus sp.P4−10−C株を液体培地で培養し、特許5806664に記載の方法で、抽出されたゲノムDNAを鋳型にDNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)及び上記プライマーを用いてPCRを行った。増幅されたDNA断片をプラスミドpBluescriptのNdeI認識部位とBamHI認識部位の間に挿入し、発現ベクターpCsDSAを構築した。さらに常法に従い、部位特異的変異を導入し、182位のロイシン残基がグルタミン酸残基に置換されたpCsDSA(L182E)を取得した。pCsDSA(L182E)を用い、大腸菌(E.coli)JM109を形質転換した。得られた組換え大腸菌をアンピシリン100mg/Lを含む液体LB培地で培養し、OD(660nm)の値が、0.8に達した際、最終濃度1mMとなるようにIPTGを添加した。その後も、28℃にて振盪培養し、培養開始から20時間後に集菌した。菌体を遠心分離により、回収した。
[参考例9]D−サクシニラーゼの活性測定
D−アミノ酸オキシダーゼ法を利用した酵素法により測定した。
<試薬>
14mM N−サクシニル−D−バリン
2.5(U/mL) ペルオキシダーゼ(東洋紡製PEO−302)
1.5mM 4−アミノアンチピリン(第一化学薬品製)
2.4mM TOOS(同人化学研究所製)
6.0(U/mL) D−アミノ酸オキシダーゼ(バイオザイム製DOX2)
を含む25mMリン酸緩衝溶液を反応試薬とする。
<測定条件>
反応試薬3.0mLを37℃で5分間予備加温する。酵素溶液0.1mLを添加しゆるやかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で、555nmの吸光度変化を5分記録し、直線部分から1分間あたりの吸光度変化(ΔODTEST)を測定する。盲検は、酵素溶液の代わりに酵素を溶解する溶液を試薬混液に加えて同様に1分間あたりの吸光度変化(ΔODBLANK)を測定する。これらの値から次の式に従ってD−サクシニラーゼ活性を求める。ここでD−サクシニラーゼ活性における1単位(U)とは、上記条件下で1分間に1マイクロモルのD−アミノ酸を生成する酵素量として定義する。
活性(U/mL)=
{(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.1×希釈倍率}/{31.0×1/2×0.1×1.0}
なお、式中の3.1は反応試薬+酵素溶液の液量(mL)、31.0は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm2/マイクロモル)、1/2は酵素反応で生成したH2O2の1分子から形成するQuinoneimine色素が1/2分子であることによる係数、0.1は酵素溶液の液量(mL)、1.0はセルの光路長(cm)を示す。
[実施例1](2R,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシンの製造
参考例8と同様にして得られたDSAを発現した菌体(培養液100ml分)及び参考例5と同様にして得られたChloroflexus aurantiacus由来のNSARを発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(25mM HEPES buffer(pH7.0)、1mM CoCl2、15mM N−サクシニル−(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン)に懸濁し、28℃又は37℃、20時間、反応させた。また、NSARに関しては、参考例5に記載のChloroflexus aurantiacus由来のNSARの代わりに、参考例6と同様にして得られたGeobacillus stearothermophilus由来のNSARを発現した菌体(培養液100ml分)を使った評価も実施した。
得られた反応液10μlに対して、6% トリエチルアミンを20μl、及び1% 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオシアナート(GITC)を20μl加えて室温で10分間静置した後、5% 酢酸を20μl加えることでアミノ酸のキラル誘導化を行った。このサンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離分析することにより、アミノ酸の反応生成物((2R,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン(4−ヒドロキシ−D−イソロイシン))及び副生成物((2S,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン(4−ヒドロキシ−L−イソロイシン))を測定した。
カラム:XBridge C18 5μm(2.1×150mm、ウォーターズ社製)溶離液A:酢酸アンモニウム(10mmol/L、pH5)
溶離液B:メタノール(0〜15min(20→60%)、15〜15.1min(20%→80%)、15.1〜20min(20%)
流速:0.3ml/min
温度:30℃
検出:紫外吸収(254nm)
その結果、いずれのNSARを用いた場合においても、反応の生成物((2R,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン(4−ヒドロキシ−D−イソロイシン))を確認することが出来た(表1)。Geobacillus stearothermophilus由来のNSAR(GsNSA)を使用した場合に対して、Chloroflexus aurantiacus由来のNSAR(CaNSAR)を使用した場合の方が、反応効率が高かったため、以後の実施例では、Chloroflexus aurantiacus由来のNSARを使用した。いずれのNSARを用いた場合も反応温度が37℃の場合の方が28℃の場合よりも反応効率が高かった。
Figure 2018088434
[実施例2](2R,3R)−3−ヒドロキシイソロイシンの製造
L−イソロイシン(6.5g)を100mlの水に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に調整した。5gの無水コハク酸を添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に保ちながら完全に溶解させた。さらに少量の無水コハク酸を同様に添加し、TLCプレート上でのニンヒドリン発色がなくなるまでこの操作を繰り返した。塩酸溶液で中和後、凍結乾燥することでN−サクシニル−L−イソロイシンの2ナトリウム塩を13g得た。次いで、参考例1と同様にして得られたSadAを発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(50mM Bis−Tris/HCl buffer(pH6.5)、45mM 2−オキソグルタル酸、10mM アスコルビン酸、0.5mM FeSO/7HO、30mM N−サクシニル−L−イソロイシン)に懸濁し、30℃、20時間、反応させた。続いて、反応液に最終濃度1mMとなるようにCoClを添加し、参考例5と同様にして得られたNSARを発現した菌体(培養液100ml分)及び参考例8と同様にして得られたDSA(L182E)を発現した菌体(培養液100ml分)を懸濁し、30℃、20時間、反応させた。
得られた反応液10μlをウォーターズ社AccQ・Tagメソッドを用いて誘導体化した。このサンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離分析することにより、アミノ酸の反応生成物((2R,3R)−3−ヒドロキシイソロイシン(3−ヒドロキシ−D−イソロイシン))を測定した。
カラム:XBridge C18 5μm(2.1×150mm、ウォーターズ社製)溶離液A:酢酸アンモニウム(10mmol/L、pH5)
溶離液B:メタノール(0〜15min(20→60%)、15〜15.1min(20%→80%)、15.1〜20min(20%)
流速:0.3ml/min
温度:30℃
検出:質量分析計(ポジティブイオンモード)
図1に示すとおり、HPLC上で分子量318を示す新規ピークを検出したことから、(2R,3R)−3−ヒドロキシイソロイシンの生成が確認できた。脱水物と考えられる分子量300のピークはSadAによる水酸化反応の際に生じる副産物であり、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ及びD−サクシニラーゼ反応においては脱水物の増加は観察されなかった。
[実施例3](2R,3R)−3−ヒドロキシロイシンの製造
L−ロイシン(6.5g)を100mlの水に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に調整した。5gの無水コハク酸を添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に保ちながら完全に溶解させた。さらに少量の無水コハク酸を同様に添加し、TLCプレート上でのニンヒドリン発色がなくなるまでこの操作を繰り返した。塩酸溶液で中和後、凍結乾燥することでN−サクシニル−L−ロイシン13gを得た。次いで、
参考例1と同様にして得られたSadAを発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(50mM Bis−Tris/HCl buffer(pH6.5)、45mM 2−オキソグルタル酸、10mM アスコルビン酸、0.5mM FeSO/7HO、30mM N−サクシニル−L−ロイシン)に懸濁し、30℃、20時間、反応させた。続いて、反応液に最終濃度1mMとなるようにCoClを添加し、参考例5と同様にして得られたNSARを発現した菌体(培養液100ml分)及び参考例8と同様にして得られたDSA(L182E)を発現した菌体(培養液100ml分)を懸濁し、30℃、20時間、反応させた。
得られた反応液10μlをウォーターズ社AccQ・Tagメソッドを用いて誘導体化した。このサンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離分析することにより、アミノ酸の反応生成物((2R,3R)−3−ヒドロキシロイシン(3−ヒドロキシ−D−ロイシン))を測定した。
カラム:XBridge C18 5μm(2.1×150mm、ウォーターズ社製)溶離液A:酢酸アンモニウム(10mmol/L、pH5)
溶離液B:メタノール(0〜15min(20→60%)、15〜15.1min(20%→80%)、15.1〜20min(20%)
流速:0.3ml/min
温度:30℃
検出:質量分析計(ポジティブイオンモード)
図2に示すとおり、HPLC上で分子量318を示す新規ピークを検出したことから、(2R,3R)−3−ヒドロキシロイシンの生成が確認できた。一方で脱水物と考えられる分子量300のピーク生成は観察されなかった。
[実施例4](2R)−3−ヒドロキシバリンの製造
L−バリン(5.8g)を100mlの水に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に調整した。5gの無水コハク酸を添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に保ちながら完全に溶解させた。さらに少量の無水コハク酸を同様に添加し、TLCプレート上でのニンヒドリン発色がなくなるまでこの操作を繰り返した。塩酸溶液で中和後、凍結乾燥する事でN−サクシニル−L−バリン12gを得た。次いで、参考例1と同様にして得られたSadAを発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(50mM Bis−Tris/HCl buffer(pH6.5)、45mM 2−オキソグルタル酸、10mM アスコルビン酸、0.5mM FeSO/7HO、30mM N−サクシニル−L−バリン)に懸濁し、30℃、20時間、反応させた。続いて、反応液に最終濃度1mMとなるようにCoClを添加し、参考例5と同様にして得られたNSARを発現した菌体(培養液100ml分)及び参考例8と同様にして得られたDSA(L182E)を発現した菌体(培養液100ml分)を懸濁し、30℃、20時間、反応させた。
得られた反応液10μlをウォーターズ社AccQ・Tagメソッドを用いて誘導体化した。このサンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離分析することにより、アミノ酸の反応生成物((2R)−3−ヒドロキシバリン(3−ヒドロキシ−D−バリン))を測定した。
カラム:XBridge C18 5μm(2.1×150mm、ウォーターズ社製)溶離液A:酢酸アンモニウム(10mmol/L、pH5)
溶離液B:メタノール(0〜15min(20→60%)、15〜15.1min(20%→80%)、15.1〜20min(20%)
流速:0.3ml/min
温度:30℃
検出:質量分析計(ポジティブイオンモード)
図3に示すとおり、HPLC上で分子量304を示す新規ピークを検出したことから、(2R)−3−ヒドロキシバリンの生成が確認できた。脱水物と考えられる分子量286のピークはSadAによる水酸化反応の際に生じる副産物であり、N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼ及びD−サクシニラーゼ反応においては脱水物の増加は観察されなかった。
[実施例5](2R,3R)−3−ヒドロキシノルロイシンの製造
L−ノルロイシン(6.5g)を100mlの水に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に調整した。5gの無水コハク酸を添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に保ちながら完全に溶解させた。さらに少量の無水コハク酸を同様に添加し、TLCプレート上でのニンヒドリン発色がなくなるまでこの操作を繰り返した。塩酸溶液で中和後、凍結乾燥する事でN−サクシニル−L−ノルロイシン13gを得た。次いで、参考例1と同様にして得られたSadAを発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(50mM Bis−Tris/HCl buffer(pH6.5)、45mM 2−オキソグルタル酸、10mM アスコルビン酸、0.5mM FeSO/7HO、30mM N−サクシニル−L−ノルロイシン)に懸濁し、30℃、20時間、反応させた。続いて、反応液に最終濃度1mMとなるようにCoClを添加し、参考例5と同様にして得られたNSARを発現した菌体(培養液100ml分)及び参考例8と同様にして得られたDSA(L182E)を発現した菌体(培養液100ml分)を懸濁し、30℃、20時間、反応させた。
得られた反応液10μlをウォーターズ社AccQ・Tagメソッドを用いて誘導体化した。このサンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離分析することにより、アミノ酸の反応生成物((2R,3R)−3−ヒドロキシノルロイシン(3−ヒドロキシ−D−ノルロイシン))を測定した。
カラム:XBridge C18 5μm(2.1×150mm、ウォーターズ社製)溶離液A:酢酸アンモニウム(10mmol/L、pH5)
溶離液B:メタノール(0〜15min(20→60%)、15〜15.1min(20%→80%)、15.1〜20min(20%)
流速:0.3ml/min
温度:30℃
検出:質量分析計(ポジティブイオンモード)
図4に示すとおり、HPLC上で分子量318を示す新規ピークを検出したことから、(2R,3R)−3−ヒドロキシノルロイシンの生成が確認できた。一方で脱水物と考えられる分子量300のピーク生成は観察されなかった。
[実施例6](2R,3R)−3−ヒドロキシノルバリンの製造
L−ノルバリン(5.8g)を100mlの水に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に調整した。5gの無水コハク酸を添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に保ちながら完全に溶解させた。さらに少量の無水コハク酸を同様に添加し、TLCプレート上でのニンヒドリン発色がなくなるまでこの操作を繰り返した。塩酸溶液で中和後、凍結乾燥する事でN−サクシニル−L−ノルバリン12gを得た。次いで、参考例1と同様にして得られたSadAを発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(50mM Bis−Tris/HCl buffer(pH6.5)、45mM 2−オキソグルタル酸、10mM アスコルビン酸、0.5mM FeSO/7HO、30mM N−サクシニル−L−ノルバリン)に懸濁し、30℃、20時間、反応させた。続いて、反応液に最終濃度1mMとなるようにCoClを添加し、参考例5と同様にして得られたNSARを発現した菌体(培養液100ml分)及び参考例8と同様にして得られたDSA(L182E)を発現した菌体(培養液100ml分)を懸濁し、30℃、20時間、反応させた。
得られた反応液10μlをウォーターズ社AccQ・Tagメソッドを用いて誘導体化した。このサンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離分析することにより、アミノ酸の反応生成物((2R,3R)−3−ヒドロキシノルバリン(3−ヒドロキシ−D−ノルバリン))を測定した。
カラム:XBridge C18 5μm(2.1×150mm、ウォーターズ社製)溶離液A:酢酸アンモニウム(10mmol/L、pH5)
溶離液B:メタノール(0〜15min(20→60%)、15〜15.1min(20%→80%)、15.1〜20min(20%)
流速:0.3ml/min
温度:30℃
検出:質量分析計(ポジティブイオンモード)
図5に示すとおり、HPLC上で分子量304を示す新規ピークを検出したことから、(2R,3R)−3−ヒドロキシノルバリンの生成が確認できた。一方で脱水物と考えられる分子量286のピーク生成は観察されなかった。
[実施例7](2R,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシンの製造
参考例3と同様にして得られたIDOを発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(50mM Bis−Tris/HCl buffer(pH6.0)、45mM 2−オキソグルタル酸、10mM アスコルビン酸、0.5mM FeSO/7HO、30mM L−イソロイシン)に懸濁し、25℃、20時間、反応させた。反応液のpHを2に調整した後、遠心分離により上清を回収した。上清を強酸性陽イオン交換樹脂(DOWEX 50W×8)に加えた後、蒸留水で3回洗浄し、1M NHOHで溶出した。さらに溶出液を強塩基性陰イオン交換樹脂(DOWEX 1×8)に加えた後、蒸留水で3回洗浄し、1M CHCOOHで溶出した。溶出液をNHOHで中和後、凍結乾燥し、(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシンを得た。
(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン(7.3g)を100mlの水に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に調整した。5.6gの無水コハク酸を添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8〜9に保ちながら完全に溶解させた。さらに少量の無水コハク酸を同様に添加し、TLCプレート上でのニンヒドリン発色がなくなるまでこの操作を繰り返した。塩酸溶液で中和後、凍結乾燥する事でN−サクシニル−(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン14.6gを得た。続いて参考例5と同様にして得られたNSARを発現した菌体(培養液100ml分)及び参考例8と同様にして得られたDSA(L182E)を発現した菌体(培養液100ml分)を反応液10ml(25mM HEPES buffer(pH7.0)、1mM CoCl、30mM N−サクシニル−(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン)となるよう懸濁し、30℃、20時間、反応させた。
得られた反応液10μlをウォーターズ社AccQ・Tagメソッドを用いて誘導体化した。このサンプルを下記条件の高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて分離分析することにより、アミノ酸の反応生成物((2R,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシン(4−ヒドロキシ−D−イソロイシン))を測定した。
カラム:XBridge C18 5μm(2.1×150mm、ウォーターズ社製)溶離液A:酢酸アンモニウム(10mmol/L、pH5)
溶離液B:メタノール(0〜15min(20→60%)、15〜15.1min(20%→80%)、15.1〜20min(20%)
流速:0.3ml/min
温度:30℃
検出:質量分析計(ポジティブイオンモード)、蛍光検出器(励起波長250nm、検出波長395nm)
図6に示すとおり、HPLC上で蛍光検出器により測定された反応液中に生成したアミノ酸の主要なピークは、分子量318を示す(2R,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシンであった。その他、分子量318の(2S,3R,4S)−4−ヒドロキシイソロイシンのピーク、および分子量300の脱水物と考えられるピークも測定されたがその生成量はわずかであった。

Claims (6)

  1. N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを作用させる工程(A)を含む、N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する方法。
  2. N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸がN−サクシニル−3−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はN−サクシニル−4−ヒドロキシ−D−アミノ酸である、請求項1に記載の方法。
  3. N−サクシニル−ヒドロキシ−L−アミノ酸にN−サクシニルアミノ酸ラセマーゼを作用させる工程(A)、及び
    工程(A)で得られたN−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸にD−サクシニラーゼを作用させる工程(B)
    を含む、ヒドロキシ−D−アミノ酸を製造する方法。
  4. N−サクシニル−ヒドロキシ−D−アミノ酸がN−サクシニル−3−ヒドロキシ−D−アミノ酸及び/又はN−サクシニル−4−ヒドロキシ−D−アミノ酸である、請求項3に記載の方法。
  5. N−サクシニルアミノ酸ラセマーゼがゲオバチルス(Geobacillus)属、又はクロロフレクサス(Chloroflexus)属に属する微生物由来である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. D−サクシニラーゼがクプリアビダス(Cupriavidus)属、又はラルストニア(Ralstonia)属に属する微生物由来である、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
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