JPWO2018088327A1 - 合成ポリイソプレンラテックス - Google Patents

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Abstract

合成ポリイソプレン100重量部に対して、トールロジン系界面活性剤を0.3〜1.5重量部の割合で含有する合成ポリイソプレンラテックスを提供する。

Description

本発明は、臭気が有効に抑えられており、引張強度および伸びに優れ、しかも、柔軟な風合いを備えるディップ成形体などの膜成形体を与えることのできる合成ポリイソプレンラテックス、ならびに、このような合成ポリイソプレンラテックスを用いたラテックス組成物、膜成形体および包装構造体に関する。
従来、天然ゴムのラテックスを含有するラテックス組成物を膜状に成形して得られる膜成形体が知られている。たとえば、膜成形体としては、天然ゴムのラテックスを含有するラテックス組成物をディップ成形して得られ、乳首、風船、手袋、バルーン、サック等の人体と接触して使用されるディップ成形体が知られている。しかしながら、天然ゴムのラテックスは、人体にアレルギー症状を引き起こすような蛋白質を含有するため、生体粘膜又は臓器と直接接触するディップ成形体としては問題がある場合があった。そのため、天然ゴムのラテックスではなく、合成ゴムのラテックスを用いる検討がされてきている。
たとえば、特許文献1には、ディップ成形に用いるラテックスとして、ロジン酸塩を界面活性剤として用いて得られた合成ポリイソプレンラテックスが開示されている。しかしながら、この特許文献1に開示された合成ポリイソプレンラテックスを用いて得られるディップ成形体は、臭気が強いという課題があり、そのため臭気が抑制されたディップ成形体などの膜成形体を与えることのできる合成ゴムのラテックスが望まれていた。
特表2009−531497号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、臭気が有効に抑えられており、引張強度および伸びに優れ、しかも、柔軟な風合いを備えるディップ成形体などの膜成形体を与えることのできる合成ポリイソプレンラテックスを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、合成ポリイソプレンラテックス中に含まれるトールロジン系界面活性剤の量を特定の範囲とすることにより、このような合成ポリイソプレンラテックスを用いて得られるディップ成形体などの膜成形体を、臭気が有効に抑えられており、引張強度および伸びに優れ、しかも、柔軟な風合いをも備えるものとなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、合成ポリイソプレン100重量部に対して、トールロジン系界面活性剤を0.3〜1.5重量部の割合で含有する合成ポリイソプレンラテックスが提供される。
本発明の合成ポリイソプレンラテックスにおいて、前記合成ポリイソプレンが、アニオン重合により重合されたものであることが好ましい。
本発明の合成ポリイソプレンラテックスにおいて、前記トールロジン系界面活性剤の含有量が、前記合成ポリイソプレン100重量部に対して、0.3〜1.3重量部の割合であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記合成ポリイソプレンラテックスを製造する方法であって、アニオン重合により重合された合成ポリイソプレンの重合体溶液を、トールロジン系界面活性剤の存在下で、水中で乳化する工程を備える合成ポリイソプレンラテックスの製造方法が提供される。
本発明の合成ポリイソプレンラテックスの製造方法において、前記重合体溶液が、有機溶媒を含むことが好ましい。
本発明の合成ポリイソプレンラテックスの製造方法は、水中で乳化する工程により得られた乳化液から、前記有機溶媒を除去する工程をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、上記の合成ポリイソプレンラテックスと、加硫剤および/または加硫促進剤とを含有するラテックス組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記のラテックス組成物からなる膜成形体が提供される。
さらに、本発明によれば、第1のシート基材の少なくとも一部と第2のシート基材の少なくとも一部とが、上記の合成ポリイソプレンラテックスからなる塗膜により接着積層されてなり、前記第1のシート基材と前記第2のシート基材との間に被包装物を収容可能な包装構造体が提供される。
本発明によれば、臭気が有効に抑えられており、引張強度および伸びに優れ、しかも、柔軟な風合いを備えるディップ成形体などの膜成形体を与えることのできる合成ポリイソプレンラテックスを提供することができる。
合成ポリイソプレンラテックス
本発明の合成ポリイソプレンラテックスは、合成ポリイソプレンのラテックスであり、ラテックス中含まれる合成ポリイソプレン100重量部に対して、トールロジン系界面活性剤を0.3〜1.5重量部の割合で含有するものである。
本発明の合成ポリイソプレンラテックスは、合成ポリイソプレン100重量部に対して、トールロジン系界面活性剤を0.3〜1.5重量部の割合で含有するものであり、これにより、ディップ成形体などの膜成形体とした場合に、得られるディップ成形体などの膜成形体を、臭気が有効に抑えられており、引張強度および伸びに優れ、しかも、柔軟な風合いを有するものとすることができるものである。トールロジン系界面活性剤の含有量は、好ましくは0.3〜1.3重量部の割合であり、より好ましくは0.3〜1.1重量部である。トールロジン系界面活性剤の含有量が少なすぎると、合成ポリイソプレンの凝集物(コアギュラム)の発生が起こりやすくなり、ラテックスとして機械的安定性に劣るものとなってしまう。一方、トールロジン系界面活性剤の含有量が多すぎると、得られるディップ成形体などの膜成形体の臭気が悪化してしまう。
本発明の合成ポリイソプレンラテックスに含まれる合成ポリイソプレンとしては、イソプレンの単独重合体であってもよいし、イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを共重合したものであってもよい。合成ポリイソプレン中のイソプレン単位の含有量は、柔軟で、引張強度に優れるディップ成形体などの膜成形体が得られやすいことから、全単量体単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%(イソプレンの単独重合体)である。
イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のイソプレン以外の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;スチレン、アルキルスチレン等のビニル芳香族単量体;(メタ)アクリル酸メチル(「アクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸メチル」の意味であり、以下、(メタ)アクリル酸エチルなども同様。)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;などが挙げられる。これらのイソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体は、1種単独でも、複数種を併用してもよい。
合成ポリイソプレンは、従来公知の方法、配位重合やアニオン重合などいずれの様式で重合したものであってもよいが、たとえば、配位重合により重合する場合には、チーグラー系重合触媒を用い、不活性重合溶媒中で、イソプレンと、必要に応じて用いられる共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを溶液重合することで、合成ポリイソプレンの重合体溶液を得る方法が好適である。チーグラー系重合触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、たとえば、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、さらに各種電子供与体および電子受容体で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物を組み合わせた触媒系、ハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種電子供与体とを接触させる担持型触媒系などが挙げられ、これらのなかでも、四塩化チタンおよび有機アルミニウム化合物を用いた触媒系が好ましく、四塩化チタンおよびトリアルキルアルミニウムを用いた触媒系が特に好ましい。
また、アニオン重合により重合する場合には、有機アルカリ金属触媒を用いて、不活性重合溶媒中で、イソプレンと、必要に応じて用いられる共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを溶液重合することで、合成ポリイソプレンの重合体溶液を得る方法が好適である。アニオン重合の重合触媒として、有機アルカリ金属触媒を用いることで、高いリビング性を持ってアニオン重合を進行させることができるため、重量平均分子量の高い合成ポリイソプレンを高い収率にて得ることができるため、好ましい。有機アルカリ金属触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、たとえば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリス(リチオメチル)ベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機力リウム化合物;などが挙げられる。これらのなかでも、有機モノリチウム化合物を用いることが好ましく、n−ブチルリチウムを用いることがより好ましい。これらの有機アルカリ金属触媒は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、重合に用いる重合溶媒としては、有機溶媒を挙げることができ、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒;ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒;等を挙げることができる。これらのうち、脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、ブタン、ヘキサン、ペンタンがより好ましく、ヘキサンがさらに好ましく、ノルマルヘキサンが特に好ましい。
合成ポリイソプレン中のイソプレン単位としては、イソプレンの結合状態により、シス結合単位、トランス結合単位、1,2−ビニル結合単位、3,4−ビニル結合単位の4種類が存在する。得られるディップ成形体の引張強度向上の観点から、合成ポリイソプレンに含まれるイソプレン単位中のシス結合単位の含有割合は、全イソプレン単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。
合成ポリイソプレンの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算で、好ましくは10,000〜5,000,000、より好ましくは500,000〜5,000,000、さらに好ましくは800,000〜3,000,000である。合成ポリイソプレンの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、ディップ成形体などの膜成形体とした場合における、得られる膜成形体の引張強度が向上するとともに、合成ポリイソプレンラテックスが製造しやすくなる傾向がある。
合成ポリイソプレンのポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは50〜80、より好ましくは60〜80、さらに好ましくは70〜80である。
本発明の合成ポリイソプレンラテックスは、上記した配位重合あるいはアニオン重合により得られた合成ポリイソプレンの重合体溶液を用いて、たとえば、以下の方法により得ることができる。すなわち、(1)配位重合あるいはアニオン重合により得られた合成ポリイソプレンの重合体溶液から、一度凝固させた合成ポリイソプレンを有機溶媒に溶解または微分散させることで、合成ポリイソプレンの重合体溶液(溶液または微細懸濁液)を得て、合成ポリイソプレンの重合体溶液を、乳化剤としてのトールロジン系界面活性剤の存在下で、水中で乳化させることで合成ポリイソプレンラテックスを製造する方法、(2)配位重合あるいはアニオン重合により得られた合成ポリイソプレンの重合体溶液を、凝固させることなく、乳化剤としてのトールロジン系界面活性剤の存在下で、水中で直接乳化させることで合成ポリイソプレンラテックスを製造する方法が挙げられる。上記(1)、(2)の方法いずれを採用してもよいが、アニオン重合により得られた合成ポリイソプレンを用いる場合には、凝固等による熱履歴を低減でき、これにより、得られるディップ成形体などの膜成形体を、引張強度および伸びにより優れるものとすることができるという観点より、上記(2)の方法が好ましい。
上記(1)の製造方法で用いる有機溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒;等を挙げることができる。これらのうち、脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、ヘキサンがより好ましく、ノルマルヘキサンが特に好ましい。
なお、有機溶媒の使用量は、合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは2,000重量部以下、より好ましくは20〜1,500重量部、さらに好ましくは500〜1,500重量部である。
また、本発明においては、上記(1)、(2)のいずれの方法においても、合成ポリイソプレンを乳化させるための乳化剤として、トールロジン系界面活性剤を使用するものであり、このような乳化剤として、トールロジン系界面活性剤を使用することにより、後の工程において有機溶媒を除去する際における、泡立ちを抑制することができ、さらには、得られる合成ポリイソプレンの凝集物(コアギュラム)の発生を抑制することでき、これにより、ラテックスとしての機械的安定性を向上させることもできる。さらには、トールロジン系界面活性剤を使用し、かつ、最終的に得られる合成ポリイソプレンラテックス中における含有量を、合成ポリイソプレン100重量部に対して、0.3〜1.5重量部の割合に制御することにより、得られるディップ成形体などの膜成形体を、臭気が有効に抑えられており、引張強度および伸びに優れたものとすることができる。
トールロジン系界面活性剤としては、粗トール油の精留により得られるトールロジンまたはこのようなトールロジンを原料とする誘導体であればよく、トールロジンを原料とする誘導体としては、トールロジンを構成する樹脂酸を金属塩化した、トールロジン酸ナトリウムなどのトールロジンの金属塩や、ヨウ素系触媒などの不均化触媒を用いることで不均化された不均化トールロジン、さらには、不均化トールロジンを構成する樹脂酸を金属塩化した、不均化トールロジン酸ナトリウムなどの不均化トールロジンの金属塩などが挙げられる。なお、トールロジンとしては、アビエチン酸33〜48重量%、ネオアビエチン酸2〜8重量%、パラストリン酸10〜20重量%、ピマール酸3〜8重量%、イソピマール酸4〜10重量%、およびでヒドロアビエチン酸15〜25重量%の割合で含有するものが好適である。また、不均化トールロジンは、上記成分のうち、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、およびパラストリン酸のうち少なくとも一部が、不均化反応により、デヒドロアビエチン酸とされたものである。
合成ポリイソプレンを乳化させる際における、乳化剤としてのトールロジン系界面活性剤の使用量は、合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは1〜15重量部であり、より好ましく3〜12重量部、さらに好ましくは5〜10重量部である。トールロジン系界面活性剤の使用量が少なすぎると、乳化が不十分となってしまい、一方、トールロジン系界面活性剤の使用量が多すぎると、最終的に得られる合成ポリイソプレンラテックス中におけるトールロジン系界面活性剤の含有量が多くなり過ぎてしまい、臭気が悪化してしまう。
合成ポリイソプレンを乳化させる際に使用する水の量は、合成ポリイソプレンの重合体溶液100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは30〜100重量部、最も好ましくは50〜70重量部である。使用する水の種類としては、硬水、軟水、イオン交換水、蒸留水、ゼオライトウォーターなどが挙げられ、軟水、イオン交換水および蒸留水が好ましい。水の使用量が少なすぎると、乳化が不十分となってしまい、一方、多すぎると、生産性が低下してしまう。
合成ポリイソプレンの重合体溶液を、乳化剤としてのトールロジン系界面活性剤の存在下、水中で乳化する際には、一般に乳化機または分散機として市販されている乳化装置を特に限定されず使用できる。合成ポリイソプレンの重合体溶液に、トールロジン系界面活性剤を添加する方法としては、特に限定されず、予め、水もしくは合成ポリイソプレンの重合体溶液のいずれか、あるいは両方に添加してもよいし、乳化操作を行っている最中に、乳化液に添加してもよく、一括添加しても、分割添加してもよい。
乳化装置としては、たとえば、商品名「ホモジナイザー」(IKA社製)、商品名「ポリトロン」(キネマティカ社製)、商品名「TKオートホモミキサー」(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機;商品名「TKパイプラインホモミキサー」(特殊機化工業社製)、商品名「コロイドミル」(神鋼パンテック社製)、商品名「スラッシャー」(日本コークス工業社製)、商品名「トリゴナル湿式微粉砕機」(三井三池化工機社製)、商品名「キャビトロン」(ユーロテック社製)、商品名「マイルダー」(太平洋機工社製)、商品名「ファインフローミル」(太平洋機工社製)等の連続式乳化機;商品名「マイクロフルイダイザー」(みずほ工業社製)、商品名「ナノマイザー」(ナノマイザー社製)、商品名「APVガウリン」(ガウリン社製)等の高圧乳化機;商品名「膜乳化機」(冷化工業社製)等の膜乳化機;商品名「バイブロミキサー」(冷化工業社製)等の振動式乳化機;商品名「超音波ホモジナイザー」(ブランソン社製)等の超音波乳化機;等を用いることができる。なお、乳化装置による乳化操作の条件は、特に限定されず、所望の分散状態になるように、処理温度、処理時間などを適宜選定すればよい。
また、合成ポリイソプレンの重合体溶液を、乳化剤としてのトールロジン系界面活性剤の存在下、水中で乳化することにより得られた乳化液から、有機溶媒を除去することが望ましい。乳化液から有機溶媒を除去する方法としては、乳化液中における、有機溶媒(好ましくは脂肪族炭化水素溶媒)の含有量を500重量ppm以下とすることのできる方法が好ましく、たとえば、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留、遠心分離等の方法を採用することができるが、これらの中でも、有機溶媒を適切かつ効率的に除去できるという観点より、減圧蒸留が好ましい。
有機溶媒を除去した乳化液には、ラテックスの分野で通常配合される、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を配合してもよい。pH調整剤としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;アンモニア;トリメチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン化合物;等が挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアが好ましい。
また、有機溶媒を除去した後、必要に応じ、合成ポリイソプレンラテックス中の固形分濃度を上げるために、減圧蒸留、常圧蒸留、遠心分離、膜濃縮等の方法で濃縮操作を行うことが望ましく、特に、合成ポリイソプレンラテックス中の固形分濃度を上げるとともに、合成ポリイソプレンラテックス中のトールロジン系界面活性剤の含有量を調整することができるという点より、遠心分離を行うことが好ましい。
遠心分離は、たとえば、連続遠心分離機や回分式遠心分離機を用いて行うことができるが、合成ポリイソプレンラテックスの生産性に優れるという観点より、連続遠心分離機を用いて行うことが好ましい。遠心分離により乳化液を濃縮する場合には、遠心分離後の分散液から、その一部である軽液として、合成ポリイソプレンラテックスを得ることができる。そのため、遠心分離によれば、軽液としての合成ポリイソプレンラテックスを取り除いた後の残液中に、除去したい所望量のトールロジン系界面活性剤が含まれるようにすることにより、最終的に得られる合成ポリイソプレンラテックス中におけるトールロジン系界面活性剤の含有量を適切に調整できるものである。
なお、遠心分離における条件としては、特に限定されず、最終的に得られる合成ポリイソプレンラテックス中におけるトールロジン系界面活性剤の含有量を、ラテックス中含まれる合成ポリイソプレン100重量部に対して、0.3〜1.5重量部の範囲となる条件とすればよい。たとえば、遠心分離に用いる乳化液(遠心分離前の乳化液)の固形分濃度は、好ましくは5〜11重量%、より好ましくは7〜10.7重量%、さらに好ましくは9〜10.5重量%である。遠心分離前の乳化液の固形分濃度を上記範囲とすることにより、遠心分離中に、合成ポリイソプレン等の凝集を防止することができ、これにより、乳化液の機械的安定性が向上するとともに、最終的に得られる合成ポリイソプレンラテックス中のトールロジン系界面活性剤の量を適切に所望の量に調整することができるため、好ましい。なお、遠心分離を行う際には、有機溶媒を除去した乳化液をそのまま用いてもよいし、あるいは、固形分濃度を調整した後に用いてもよい。
また、遠心分離を行う際の条件としては、連続遠心分離機を使用する場合には、遠心加速度は、好ましくは5,000〜11,000G、より好ましくは6,000〜10,000G、さらに好ましくは7,000〜9,500Gであり、連続遠心分離機への乳化液のフィード量は、好ましくは0.5〜1.5m/時間、より好ましくは0.7〜1.45m/時間、さらに好ましくは0.9〜1.4m/時間であり、連続遠心分離機内での滞留時間が、好ましくは2.0〜4.0分、より好ましくは2.5〜3.0分、また、遠心分離機の背圧(ゲージ圧)は、好ましくは0.03〜1.6MPaである。遠心分離の条件を上記の通りとすることにより、遠心分離中における、合成ポリイソプレン等の凝集を防止することができ、これにより、乳化液の機械的安定性が向上するとともに、最終的に得られる合成ポリイソプレンラテックス中のトールロジン系界面活性剤の量を適切に所望の量に調整することができるため、好ましい。
なお、上記においては、合成ポリイソプレン100重量部に対して、トールロジン系界面活性剤を0.3〜1.5重量部の割合で含有する本発明の合成ポリイソプレンラテックスを得るための条件の一例を例示したが、このような条件に特に限定されるものではない。特に、本発明の合成ポリイソプレンラテックス中における、トールロジン系界面活性剤の量は、主として、合成ポリイソプレンの重合体溶液を水中で乳化させる際に用いる、トールロジン系界面活性剤の使用量、遠心分離前の乳化液の固形分濃度、および遠心分離を行う際の条件などを適宜組み合わせることにより調整することができ、これらを適切に組み合わせることにより、最終的に得られる合成ポリイソプレンラテックス中のトールロジン系界面活性剤の量が、本発明所定の範囲となるように、各条件を適宜調整すればよい。たとえば、合成ポリイソプレンの重合体溶液を水中で乳化させる際に用いる、トールロジン系界面活性剤の使用量が比較的少ない場合には、遠心分離により除去するトールロジン系界面活性剤の量が相対的に少なくなるため、連続遠心分離機における遠心加速度を上記した範囲よりも大きくしたり、連続遠心分離機への乳化液のフィード量を多くすることも可能となる場合があると考えられる。
ラテックス組成物
本発明のラテックス組成物は、上述した本発明の合成ポリイソプレンラテックスに、加硫剤および/または加硫促進剤を配合してなるものである。
加硫剤としては、たとえば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の硫黄含有化合物が挙げられる。これらのなかでも、硫黄が好ましく使用できる。加硫剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加硫剤の含有量は、特に限定されないが、ラテックス中に含まれる合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。加硫剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度をより高めることができる。
加硫促進剤としては、ディップ成形などの膜成形体を得る方法において通常用いられるものが使用でき、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ−2−エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニリル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、2ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。加硫促進剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加硫促進剤の含有量は、ラテックス中に含まれる合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜2重量部である。加硫促進剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度をより高めることができる。
また、本発明のラテックス組成物は、さらに老化防止剤を含有していることが好ましい。老化防止剤としては、2,6−ジ−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノール、2,2’−メチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、などの硫黄原子を含有しないフェノール系老化防止剤;2,2’−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどのチオビスフェノール系老化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール・ジホスファイトなどの亜燐酸エステル系老化防止剤;チオジプロピオン酸ジラウリルなどの硫黄エステル系老化防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4’―(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物などのアミン系老化防止剤;6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系老化防止剤;2,5−ジ−(t−アミル)ハイドロキノンなどのハイドロキノン系老化防止剤;などが挙げられる。これらの老化防止剤は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。これらのなかでも、加硫反応を阻害する作用が小さく、酸化防止効果が大きいいため、フェノール系老化防止剤が好ましく、硫黄原子を含有しないフェノール系老化防止剤がより好ましい。
老化防止剤の含有量は、ラテックス中に含まれる合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは1〜7重量部、さらに好ましくは3〜6重量部である。老化防止剤の含有量をこの範囲とすることにより、加硫時における加硫反応を阻害することなく、十分な酸化防止効果を得ることができるため、好ましい。
また、本発明のラテックス組成物は、さらに酸化亜鉛を含有することが好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、ラテックス中に含まれる合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜2重量部である。酸化亜鉛の含有量を上記範囲とすることにより、乳化安定性を良好なものとしながら、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度をより高めることができる。
本発明のラテックス組成物には、さらに、分散剤;カーボンブラック、シリカ、タルク等の補強剤;炭酸カルシウム、クレー等の充填剤;紫外線吸収剤;可塑剤;等の配合剤を必要に応じて配合することができる。
本発明のラテックス組成物の調製方法は、特に限定されないが、たとえば、ボールミル、ニーダー、ディスパー等の分散機を用いて、合成ポリイソプレンラテックスに、加硫剤および/または加硫促進剤、ならびに、必要に応じて配合される老化防止剤などの各種配合剤を混合する方法や、このような分散機を用いて、合成ポリイソプレンラテックス以外の配合成分の水性分散液を調製した後、該水性分散液を合成ポリイソプレンラテックスに混合する方法などが挙げられる。
本発明のラテックス組成物は、pHが7以上であることが好ましく、pHが7〜13の範囲であることがより好ましく、pHが8〜12の範囲であることがさらに好ましい。また、ラテックス組成物の固形分濃度は、15〜65重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明のラテックス組成物は、得られるディップ成形体などの膜成形体の機械的特性をより高めるという観点より、ディップ成形などの成形に供する前に、熟成(前架橋)させることが好ましい。前架橋する時間は、特に限定されず、前架橋の温度にも依存するが、好ましくは1〜14日間であり、より好ましくは1〜7日間である。なお、前架橋の温度は、好ましくは20〜40℃である。
そして、前架橋した後、ディップ成形などの成形に供されるまで、好ましくは10〜30℃の温度で貯蔵することが好ましい。高温のまま貯蔵すると、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度が低下する場合がある。
膜成形体
本発明の膜成形体は、本発明のラテックス組成物からなる膜状の成形体である。本発明の膜成形体の膜厚は、好ましくは0.03〜0.50mm、より好ましくは0.05〜0.40mm、特に好ましくは0.08〜0.30mmである。
本発明の膜成形体としては、特に限定されないが、本発明のラテックス組成物をディップ成形して得られるディップ成形体であることが好適である。ディップ成形は、ラテックス組成物に型を浸漬し、型の表面に当該組成物を沈着させ、次に型を当該組成物から引き上げ、その後、型の表面に沈着した当該組成物を乾燥させる方法である。なお、ラテックス組成物に浸漬される前の型は予熱しておいてもよい。また、型をラテックス組成物に浸漬する前、または、型をラテックス組成物から引き上げた後、必要に応じて凝固剤を使用できる。
凝固剤の使用方法の具体例としては、ラテックス組成物に浸漬する前の型を凝固剤の溶液に浸漬して型に凝固剤を付着させる方法(アノード凝着浸漬法)、ラテックス組成物を沈着させた型を凝固剤溶液に浸漬する方法(ティーグ凝着浸漬法)などがあるが、厚みムラの少ないディップ成形体が得られる点で、アノード凝着浸漬法が好ましい。
凝固剤の具体例としては、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどのハロゲン化金属;硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛などの硝酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛など酢酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;などの水溶性多価金属塩である。なかでも、カルシウム塩が好ましく、硝酸カルシウムがより好ましい。これらの水溶性多価金属塩は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
凝固剤は、好ましくは水溶液の状態で使用する。この水溶液は、さらにメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒やノニオン性界面活性剤を含有していてもよい。凝固剤の濃度は、水溶性多価金属塩の種類によっても異なるが、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
型をラテックス組成物から引き上げた後、通常、加熱して型上に形成された沈着物を乾燥させる。乾燥条件は適宜選択すればよい。
次いで、加熱して、型上に形成された沈着物を架橋させる。
架橋時の加熱条件は、特に限定されないが、好ましくは60〜150℃、より好ましくは100〜130℃の加熱温度で、好ましくは10〜120分の加熱時間である。
加熱の方法は、特に限定されないが、オーブンの中で温風で加熱する方法、赤外線を照射して加熱する方法などがある。
また、ラテックス組成物を沈着させた型を加熱する前あるいは加熱した後に、水溶性不純物(たとえば、余剰の界面活性剤や凝固剤)を除去するために、型を水または温水で洗浄することが好ましい。用いる温水としては好ましくは40℃〜80℃であり、より好ましくは50℃〜70℃である。
架橋後のディップ成形体は、型から脱着される。脱着方法の具体例は、手で型から剥がす方法、水圧または圧縮空気圧力により剥がす方法等が挙げられる。架橋途中のディップ成形体が脱着に対する十分な強度を有していれば、架橋途中で脱着し、引き続き、その後の架橋を継続してもよい。
本発明の膜成形体、およびその一態様であるディップ成形体は、上述した本発明のラテックスを用いて得られるものであるため、引張強度および伸びに優れるものであり、たとえば、手袋として特に好適に用いることができる。膜成形体が手袋である場合、膜成形体同士の接触面における密着を防止し、着脱の際の滑りをよくするために、タルク、炭酸カルシウムなどの無機微粒子または澱粉粒子などの有機微粒子を手袋表面に散布したり、微粒子を含有するエラストマー層を手袋表面に形成したり、手袋の表面層を塩素化したりしてもよい。
また、本発明の膜成形体、およびその一態様であるディップ成形体は、上記手袋の他にも、哺乳瓶用乳首、スポイト、チューブ、水枕、バルーンサック、カテーテル、コンドームなどの医療用品;風船、人形、ボールなどの玩具;加圧成形用バック、ガス貯蔵用バックなどの工業用品;指サックなどにも用いることができる。
包装構造体
本発明の包装構造体は、上述した本発明の合成ポリイソプレンラテックスを塗布した第1のシート基材および第2のシート基材を接着積層してなり、被包装物を収容可能な構造を示す。具体的には、本発明の包装構造体においては、第1のシート基材および第2のシート基材は、合成ポリイソプレンラテックスが塗布された面(ラテックス塗布面)が対向するようにして、必要に応じて被包装物を挟み、第1のシート基材および第2のシート基材のラテックス塗布面同士が互いに接触した状態で、押圧することにより、第1のシート基材と第2のシート基材とが互いに接着し、これにより、被包装物を包装可能な構造となっている。被包装物としては、特に限定されないが、たとえば、絆創膏等の医療品のように、滅菌をすることが望まれる各種被包装物が挙げられる。第1のシート基材および第2のシート基材としては、特に限定されないが、たとえば、グラシン紙等の紙材、高密度ポリエチレン不織布、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらのなかでも、取り扱い性が優れている点(適度な折れ曲がり易さを有している点)および安価であるという点から、紙材が好ましく、グラシン紙が特に好ましい。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限られるものではない。以下において、特記しない限り、「部」は重量基準である。物性および特性の試験または評価方法は以下のとおりである。
重量平均分子量(Mw)
重合体溶液に含まれる、合成ポリイソプレンの固形分濃度が0.1重量%となるように、テトラヒドロフランで希釈し、この溶液について、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析を行い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を算出した。
固形分濃度
アルミ皿(重量:X1)に試料2gを精秤し(重量:X2)、これを105℃の熱風乾燥器内で2時間乾燥させた。次いで、デシケーター内で冷却した後、アルミ皿ごと重量を測定し(重量:X3)、下記の計算式にしたがって、固形分濃度を算出した。
固形分濃度(重量%)=(X3−X1)×100/X2
不均化トールロジン酸ナトリウム、不均化ガムロジン酸ナトリウムの含有割合
ポリイソプレンラテックス0.1gに水2mlを加え、アセトニトリルで10mlに希釈した。得られた液体をよく振とうさせ、ゴム分を凝固させた。その後水層を0.2μmのディスクフィルタで濾過した。この液体を高速液体クロマトグラフィーで分析し、合成ポリイソプレン100部に対する、不均化トールロジン酸ナトリウム、不均化ガムロジン酸ナトリウムの含有割合(単位:重量部)を算出した。
臭気
膜厚が約0.2mmのフィルム状のディップ成形体について、以下の基準で臭気判定を行った。
A:臭気を全く感じない。
B:わずかな臭気を感じるものの、不快ではない。
C:明らかに臭気を感じる。
D:強い臭気を感じ、不快である。
二硫化炭素量、硫化カルボニル量
膜厚が約0.2mmのフィルム状のディップ成形体について、トリプル四重極ガスクロマトグラフ質量分析計による測定を行うことで、二硫化炭素量および硫化カルボニル量の測定を行った。具体的には、トリプル四重極ガスクロマトグラフ質量分析により検出された二硫化炭素に対応するピークの面積(Area)、および硫化カルボニルに対応するピークの面積(Area)を、それぞれ試料1g当たりに換算した値を、二硫化炭素量および硫化カルボニル量(単位:Area/g)として求めた。二硫化炭素および硫化カルボニルは臭気の原因となるため、二硫化炭素量および硫化カルボニル量(単位:Area/g)が大きいほど、臭気が強いものと判断できる。
ディップ成形体の引張強度、破断時伸び(引張伸び)、500%引張応力
ASTM D412に基づいて、膜厚が約0.2mmのフィルム状のディップ成形体を、ダンベル(商品名「スーパーダンベル(型式:SDMK−100C)」、ダンベル社製)で打ち抜き、引張強度測定用試験片を作製した。当該試験片をテンシロン万能試験機(商品名「RTG−1210」、オリエンテック社製)で引張速度500mm/minで引っ張り、破断直前の引張強度(単位:MPa)、破断直前の伸び(単位:%)および伸び率が500%の時の引張応力(単位:MPa)を測定した。なお、引張強度および破断時伸びは高いほど好ましい。また、500%の時の引張応力が小さいほど、ディップ成形体は柔軟性に優れたものとなり、好ましい。
実施例1
(合成ポリイソプレン(a−1)の重合体溶液の製造)
乾燥および窒素置換された撹拌付きオートクレーブに、ノルマルヘキサン1150部と、イソプレン100部とを仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の温度を60℃にし、撹拌しながらノルマルブチルリチウム0.006部を加えて2時間反応させた後、重合停止剤としてメタノール0.05部を添加し、反応を停止させて、合成ポリイソプレン(a−1)のノルマルヘキサン溶液を得た。ノルマルヘキサン溶液中の合成ポリイソプレン(a−1)の重量平均分子量は3,520,000であった。
(合成ポリイソプレンラテックス(A−1)の製造)
次いで、得られた合成ポリイソプレン(a−1)のノルマルヘキサン溶液1250部を60℃に加熱し、60℃に加熱した濃度1.0重量%の不均化トールロジン酸ナトリウムの水溶液1250部と、重量比で1:1となるように流量を調整してラインミキサーを用いて混合し、続いて、ホモジナイザーを用いて乳化液を得た。
さらに、上記にて得られた乳化液を減圧下で80℃に加温することでノルマルヘキサンを留去することで、合成ポリイソプレン(a−1)の水分散液を得た。得られた水分散液を固形分濃度10.3重量%に調整した後、固形分濃度を調整した水分散液を、密閉ディスク型連続遠心分離機(製品名「SGR509」、アルファ・ラバル社製)に1.0m/時間の流量(滞留時間に換算すると、3.0分の条件)にて連続的にフィードし、遠心加速度9,000Gにて、遠心分離を行い、合成ポリイソプレンラテックス(A−1)を得た。得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−1)中の不均化トールロジン酸ナトリウムの含有量を測定したところ、合成ポリイソプレン100部に対して、0.8部であった。
(ラテックス組成物の調製)
上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−1)を撹拌しながら、合成ポリイソプレンラテックス(A−1)中の合成ポリイソプレン100部に対して、固形分換算での配合量が1部となるように、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを添加した。そして、得られた混合物を撹拌しながら、混合物中の合成ポリイソプレン100部に対して、それぞれ固形分換算で、酸化亜鉛1.5部、硫黄1.5部、老化防止剤(商品名「Wingstay L」、グッドイヤー社製)2部、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.3部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛0.5部、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩0.7部となるように、各配合剤の水分散液を添加した後、水酸化カリウム水溶液を添加して、pHを10.5に調整したラテックス組成物を得た。その後、得られたラテックス組成物を、30℃に調整された恒温水槽で48時間熟成した。
(ディップ成形体の製造)
表面がすり加工されたガラス型(直径約5cm、すり部長さ約15cm)を洗浄し、70℃のオーブン内で予備加熱した後、18重量%の硝酸カルシウムおよび0.05重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名「エマルゲン109P」、花王社製)を含む凝固剤水溶液に5秒間浸漬し、取り出した。次いで、凝固剤で被覆されたガラス型を70℃のオーブン内で30分以上乾燥した。
その後、凝固剤で被覆されたガラス型をオーブンから取り出し、上記にて得られたラテックス組成物を25℃に調整し、このラテックス組成物に10秒間浸漬した後に取り出して、次いで、室温で60分間風乾することで、フィルムで被覆されたガラス型を得た。そして、フィルムで被覆されたガラス型を60℃の温水中に2分間浸漬した後、室温で30分間風乾した。その後、フィルムで被覆されたガラス型を120℃のオーブン内に置き20分間加硫を行った後、室温まで冷却し、タルクを散布した後、フィルムをガラス型から剥離することで、ディップ成形体を得た。そして、得られたディップ成形体を用いて、上記方法にしたがって、臭気、二硫化炭素量、硫化カルボニル量、引張強度、破断時伸び、および、500%引張応力の各測定を行った。結果を表1に示す。
実施例2
(合成ポリイソプレンラテックス(A−2)の製造)
固形分濃度を調整した水分散液を、連続遠心分離機に連続的にフィードする際における流量を1.0m/時間から1.3m/時間(滞留時間に換算すると、2.3分の条件)とした以外は、実施例1と同様にして、合成ポリイソプレンラテックス(A−2)を得た。得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−2)中の不均化トールロジン酸ナトリウムの含有量を測定したところ、合成ポリイソプレン100部に対して、1.3部であった。
(ラテックス組成物の調製、ディップ成形体の製造)
そして、上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物の調製およびディップ成形体の製造を行い、同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
(合成ポリイソプレンラテックス(A−3)の製造)
製造例1と同様にして得られた合成ポリイソプレン(a−1)のノルマルヘキサン溶液を、メタノール中で凝固した後、得られた凝固物を70℃で12時間真空乾燥することで、固体状の合成ポリイソプレン(a−1)を得た。次いで、得られた固体状の合成ポリイソプレン(a−1)を、ノルマルヘキサンに再溶解させて、固形分濃度8重量%の合成ポリイソプレン(a−1)のノルマルヘキサン溶液とし、再溶解により得られた合成ポリイソプレン(a−1)のノルマルヘキサン溶液を使用した以外は、実施例2と同様にして、乳化液の調製、ノルマルヘキサンの留去および遠心分離を行うことで、合成ポリイソプレンラテックス(A−3)を得た。得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−3)中の不均化トールロジン酸ナトリウムの含有量を測定したところ、合成ポリイソプレン100部に対して、1.3部であった。
(ラテックス組成物の調製、ディップ成形体の製造)
そして、上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物の調製およびディップ成形体の製造を行い、同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
(合成ポリイソプレン(a−2)の重合体溶液の製造)
乾燥および窒素置換された撹拌付きオートクレーブに、ノルマルヘキサン1150部と、イソプレン100部とを仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の温度を30℃にし、撹拌しながら四塩化チタン0.03部、トリイソブチルアルミニウム0.03部、およびノルマルブチルエーテル0.005部を加えて2時間反応させた後、重合停止剤としてメタノール0.05部を添加し、反応を停止させて、合成ポリイソプレン(a−2)のノルマルヘキサン溶液を得た。ノルマルヘキサン溶液中の合成ポリイソプレン(a−2)の重量平均分子量は1,860,000であった。
(合成ポリイソプレンラテックス(A−4)の製造)
上記にて得られた合成ポリイソプレン(a−2)のノルマルヘキサン溶液を、メタノール中で凝固した後、得られた凝固物を70℃で12時間真空乾燥することで、固体状の合成ポリイソプレン(a−2)を得た。次いで、得られた固体状の合成ポリイソプレン(a−2)を、ノルマルヘキサンに再溶解させて、固形分濃度8重量%の合成ポリイソプレン(a−2)のノルマルヘキサン溶液とした。そして、再溶解により得られた合成ポリイソプレン(a−2)のノルマルヘキサン溶液を使用した以外は、実施例2と同様にして、乳化液の調製、ノルマルヘキサンの留去および遠心分離を行うことで、合成ポリイソプレンラテックス(A−4)を得た。得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−4)中の不均化トールロジン酸ナトリウムの含有量を測定したところ、合成ポリイソプレン100部に対して、1.3部であった。
(ラテックス組成物の調製、ディップ成形体の製造)
そして、上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−4)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物の調製およびディップ成形体の製造を行い、同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
(合成ポリイソプレンラテックス(A−5)の製造)
遠心分離に供する、合成ポリイソプレン(a−1)の水分散液の固形分濃度を11.5重量%に変更し、かつ、連続遠心分離機に連続的にフィードする際における流量を1.0m/時間から1.6m/時間(滞留時間に換算すると、1.9分の条件)とした以外は、実施例1と同様にして、合成ポリイソプレンラテックス(A−5)を得た。得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−5)中の不均化トールロジン酸ナトリウムの含有量を測定したところ、合成ポリイソプレン100部に対して、1.7部であった。
(ラテックス組成物の調製、ディップ成形体の製造)
そして、上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−5)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物の調製およびディップ成形体の製造を行い、同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
(合成ポリイソプレンラテックス(A−6)の製造)
遠心分離に供する、合成ポリイソプレン(a−1)の水分散液の固形分濃度を11.5重量%に変更し、かつ、連続遠心分離機に連続的にフィードする際における流量を1.0m/時間から1.3m/時間とし、かつ、遠心加速度を12,000Gとした以外は、実施例1と同様にして、合成ポリイソプレンラテックス(A−6)を得た。得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−6)中の不均化トールロジン酸ナトリウムの含有量を測定したところ、合成ポリイソプレン100部に対して、0.2部であった。
そして、上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−6)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物の調製を行ったところ、合成ポリイソプレンラテックス(A−6)は、凝集が顕著であり、凝固してしまい、ラテックス組成物を調製することはできず、さらには、ディップ成形体を製造することもできなかった。
比較例3
(合成ポリイソプレンラテックス(A−7)の製造)
乳化剤として、濃度1.0重量%の不均化ガムロジン酸ナトリウム(商品名「ロンジスK−25」、荒川化学工業社製)の水溶液を使用した以外は、実施例2と同様にして、合成ポリイソプレンラテックス(A−7)を得た。得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−7)中の不均化ガムロジン酸ナトリウムの含有量を測定したところ、合成ポリイソプレン100部に対して、1.3部であった。
(ラテックス組成物の調製、ディップ成形体の製造)
そして、上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(A−7)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物の調製およびディップ成形体の製造を行い、同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018088327
(*1)合成ポリイソプレン100部に対する含有量
表1より、合成ポリイソプレン100部に対して、トールロジン系界面活性剤を0.3〜1.5部の割合で含有する合成ポリイソプレンラテックスを用いて得られる膜成形体の一態様としてのディップ成形体は、臭気が有効に抑えられており、引張強度および伸びに優れ、しかも、柔軟な風合いを備える(500%引張応力が低い)ものであった(実施例1〜4)。
一方、合成ポリイソプレンラテックス中における、トールロジン系界面活性剤の量が多すぎると、得られるディップ成形体は、臭気が強くなり、また、引張強度にも劣るものであった(比較例1)。
また、合成ポリイソプレンラテックス中における、トールロジン系界面活性剤の量が少なすぎると、合成ポリイソプレンの凝集が顕著となり、ラテックスとしての安定性に極めて劣るものとなった(比較例2)。
さらに、乳化剤として、不均化ガムロジン酸ナトリウムを使用した場合には、得られるディップ成形体は、臭気が強くなる結果となった(比較例3)。

Claims (9)

  1. 合成ポリイソプレン100重量部に対して、トールロジン系界面活性剤を0.3〜1.5重量部の割合で含有する合成ポリイソプレンラテックス。
  2. 前記合成ポリイソプレンが、アニオン重合により重合されたものである請求項1に記載の合成ポリイソプレンラテックス。
  3. 前記トールロジン系界面活性剤の含有量が、前記合成ポリイソプレン100重量部に対して、0.3〜1.3重量部の割合である請求項1または2に記載の合成ポリイソプレンラテックス。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の合成ポリイソプレンラテックスを製造する方法であって、
    アニオン重合により重合された合成ポリイソプレンの重合体溶液を、トールロジン系界面活性剤の存在下で、水中で乳化する工程を備える合成ポリイソプレンラテックスの製造方法。
  5. 前記重合体溶液が、有機溶媒を含む請求項4に記載の合成ポリイソプレンラテックスの製造方法。
  6. 水中で乳化する工程により得られた乳化液から、前記有機溶媒を除去する工程をさらに備える請求項5に記載の合成ポリイソプレンラテックスの製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の合成ポリイソプレンラテックスと、加硫剤および/または加硫促進剤とを含有するラテックス組成物。
  8. 請求項7に記載のラテックス組成物からなる膜成形体。
  9. 第1のシート基材の少なくとも一部と第2のシート基材の少なくとも一部とが、請求項1〜3のいずれかに記載の合成ポリイソプレンラテックスからなる塗膜により接着積層されてなり、前記第1のシート基材と前記第2のシート基材との間に被包装物を収容可能な包装構造体。
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