JPWO2018084281A1 - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]酸性化合物(A)を含有する重合開始剤の存在下、トリオキサンとコモノマーとを含む共重合体原料を重合反応させるオキシメチレン共重合体の製造方法であって、前記共重合体原料が塩基性化合物(B)を含み、かつ、前記重合反応を行う前に、前記共重合体原料に前記酸性化合物(A)とは異なる酸性化合物(C)を添加して、前記塩基性化合物(B)と前記酸性化合物(C)とを予め反応させ、前記重合反応が溶融重合によって行われる、オキシメチレン共重合体の製造方法。
[1−1]酸性化合物(A)を含有する重合開始剤の存在下、トリオキサンとコモノマーとを含む共重合体原料を重合反応させるオキシメチレン共重合体の製造方法であって、前記共重合体原料が塩基性化合物(B)を含み、かつ、前記重合反応を行う前に、前記共重合体原料に前記酸性化合物(A)とは異なる酸性化合物(C)を添加して、前記塩基性化合物(B)と前記酸性化合物(C)とを予め反応させる、オキシメチレン共重合体の製造方法。
[2]前記塩基性化合物(B)が、前記トリオキサン及び/又は前記コモノマー中に安定剤として添加されたものである、[1]に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[3]前記塩基性化合物(B)が、アミン化合物である、[1]又は[2]に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[4]前記塩基性化合物(B)が、トリエタノールアミンである、[1]〜[3]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[5]前記共重合体原料中の塩基性化合物(B)の含有量が、前記共重合体原料に含まれるトリオキサン1モルに対して0.00001ミリモル以上0.1ミリモル以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[6]前記酸性化合物(C)が、分子内に硫黄原子を有する酸である、[1]〜[5]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[7]前記酸性化合物(C)が、硫酸及び/又は亜硫酸である、[1]〜[6]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[8]前記酸性化合物(C)の添加量が、前記共重合体原料に含まれる塩基性化合物(B)1モルに対して0.01モル以上2.0モル以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[9]前記酸性化合物(A)が、プロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステルからなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[10]前記酸性化合物(A)が、過塩素酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、それらの酸無水物及びそれらのエステルからなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]〜[9]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[11]前記重合反応における酸性化合物(A)の使用量が、前記トリオキサンに対して、0.001質量ppm以上10質量%以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[12]前記重合反応が、さらに、少なくとも1種のプロトン酸の塩の存在下で行われる、[1]〜[11]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[13]前記プロトン酸の塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びこれらを含む化合物、並びにアンモニア及びアミンからなる群より選択される1種又は2種以上のアルカリ成分と、プロトン酸とから生成する塩である、[12]に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[14]前記重合反応における前記プロトン酸の塩の使用量が、前記トリオキサンに対して0.001質量ppm以上10質量%以下である、[12]又は[13]に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[15]前記酸性化合物(A)と前記プロトン酸の塩のモル比が、酸性化合物(A):プロトン酸の塩=1:0.01〜1:2000の範囲である、[12]〜[14]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[16]前記重合反応が、さらに、ケトンの存在下で行われる、[1]〜[15]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[17]前記重合反応が、135℃以上300℃以下の温度で行われる、[1]〜[16]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
[18]前記重合反応に使用するトリオキサン及びコモノマーの製造装置、並びに前記オキシメチレン共重合体の製造装置に使用されるステンレス鋼に対して、酸洗浄による不動態化処理、高温熱処理、表面研磨及び電解研磨からなる群より選択される1種又は2種以上の表面処理を予め行う、[1]〜[17]のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、トリオキサンとコモノマーとを含む共重合体原料を使用する。また、当該共重合体原料は、塩基性化合物(B)を含む。以下、塩基性化合物(B)、トリオキサン、コモノマーについて説明する。
本発明において、共重合体原料に含まれていてもよい塩基性化合物(B)の種類は、塩基性を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、一級アミン、二級アミン、三級アミン、アルコール性水酸基を分子内に有するアミン化合物、アルキル化メラミン、ヒンダードアミンなどのアミン化合物、鉄、クロム、ニッケル、モリブデンなどの金属のイオンや水酸化物が挙げられる。なかでもアミン化合物が好ましい。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において使用できるトリオキサンは、ホルムアルデヒドの環状3量体(1,3,5−トリオキサン)である。トリオキサンの製造方法は特に限定されず、市販品を使用してもよい。トリオキサンは、上述した塩基性化合物(B)を安定剤として含んでいても含んでいなくてもよいが、塩基性化合物(B)を含んでいることが好ましい。
本発明において使用できるコモノマーは、トリオキサンと共重合可能なコモノマーであり、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを与えるコモノマーであれば、特に限定されない。そのなかで、炭素数2〜6のオキシアルキレンユニットを与えるコモノマーが好ましく、炭素数2のオキシエチレンユニットを与えるコモノマーが特に好ましい。コモノマーとしては、例えば、環状エーテル、グリシジルエーテル化合物、環状ホルマールなどが挙げられる。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,3,5−トリオキセパン、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマールが挙げられ、これらからなる群より選択される1種又は2種以上が用いられる。なかでも、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール及び1,4−ブタンジオールホルマールからなる群より選択される1種又は2種以上が好適に用いられ、トリオキサンとの共重合性の点から1,3−ジオキソランが特に好適に用いられる。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、酸性化合物(A)を含有する重合開始剤の存在下、上述した共重合体原料を溶融重合によって重合反応させる。その際、重合反応を行う前に、共重合体原料に酸性化合物(A)とは異なる酸性化合物(C)を添加して、塩基性化合物(B)と酸性化合物(C)とを予め反応させることを特徴とする。なお、本発明において、「重合反応を行う前」とは、酸性化合物(A)を含有する重合開始剤を共重合体原料に添加して重合反応を開始するときよりも前、を意味する。すなわち、「重合反応を行う前に、共重合体原料に酸性化合物(A)とは異なる酸性化合物(C)を予め添加する」ことは、共重合体原料に含まれるトリオキサン及び/又はコモノマーに対して、酸性化合物(A)とは異なる酸性化合物(C)を添加する操作も含まれる。したがって、酸性化合物(C)は、酸性化合物(A)を含有する重合開始剤を共重合体原料へ添加する直前に、共重合体原料に対して添加してもよく、共重合体原料を調製するトリオキサン及び/又はコモノマーに対して添加してもよい。なかでも、酸性化合物(A)を含有する重合開始剤を共重合体原料へ添加する直前に、酸性化合物(C)を共重合体原料に対して添加することが、高分子量のオキシメチレン共重合体を高収率で製造できる傾向にあるので好ましい。以下、酸性化合物(A)、酸性化合物(C)、その他の重合反応に用いてもよい化合物、重合反応の条件などについて説明する。
本発明において、重合反応は、酸性化合物(A)を含有する重合開始剤の存在下で行い、酸性化合物(A)は重合反応の開始剤(重合開始剤)として用いられる。酸性化合物(A)は、トリオキサンとコモノマーとを溶融重合によって共重合できる酸性の物質であれば特に限定されない。そのような化合物としては、例えば、トリオキサンとコモノマーとの共重合においてカチオン性重合開始剤として通常使用されている、プロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステル化合物からなる群より選択される1種又は2種以上を用いることができる。プロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、過塩素酸、過塩素酸無水物、アセチルパークロレートなどで例示される過塩素酸、過塩素酸の無水物及び過塩素酸のエステル化合物;トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸無水物などで例示されるフッ素化又は塩素化されたアルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸、それらの酸無水物及びそれらのエステル化合物;ビス(トリフルオロメチル)ホスフィン酸、トリフルオロメチルホスホン酸などで例示されるホスフィン酸及びホスホン酸、それらの酸無水物及びそれらのエステル化合物が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なかでも過塩素酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、それらの酸無水物及びそれらのエステル化合物からなる群より選択される1種又は2種以上が好ましく、製造効率及び経済性を勘案すると、過塩素酸、過塩素酸無水物及び過塩素酸エステル化合物からなる群より選択される1種又は2種以上が最も好ましい。
本発明において、酸性化合物(C)は上述した酸性化合物(A)と異なる酸性の物質であれば特に限定されないが、そのなかでも、トリオキサンとコモノマーとの重合能力が、酸性化合物(A)よりも弱いものが好適に用いられる。これは、トリオキサンとコモノマーとの重合能力に優れる酸性化合物(A)と、トリオキサンとコモノマーとの重合能力が、酸性化合物(A)よりも弱い酸性化合物(C)を用いることで、重合反応において、酸性化合物(A)が主触媒として働き、かつ酸性化合物(C)と塩基性化合物(B)の塩が助触媒として効果的に働くものと推察され、結果として、高分子量のオキシメチレン共重合体を高収率で製造できる傾向にあるからである。そのような酸性化合物(C)としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、燐酸、ホウ酸、炭酸、亜硫酸、亜硝酸、亜燐酸などの無機酸;メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸;ギ酸、酢酸などのカルボン酸が挙げられる。
本発明においては、重合反応を、上述した酸性化合物(A)に加えて、少なくとも1種のプロトン酸の塩の存在下で行ってもよい。これによって、得られるオキシメチレン共重合体の分子量と重合収率が増大し得る。その理由は、特に限定されないが、前記酸性化合物(A)とプロトン酸の塩の併用によって、重合中の共重合体の分解反応が抑制され、相対的に共重合体の成長反応が優勢となることによるものと推定される。また、135℃以上の重合温度では、プロトン酸の塩が共重合体の活性点近傍の望ましい位置に存在することにより、一般にBack−bitingと呼ばれる、共重合体の活性点がその共重合体自身を攻撃する分解反応が抑制されるものと推定している。
本発明においては、上述した酸性化合物(A)に加えて、ケトンの存在下で重合反応を行ってもよい。また、上述した酸性化合物(A)及びプロトン酸の塩に加えて、ケトンの存在下で重合反応を行ってもよい。なかでも、酸性化合物(A)、プロトン酸の塩及びケトンの存在下で重合反応を行うことが好ましい。酸性化合物(A)、好ましくは酸性化合物(A)及びプロトン酸の塩に加えて、ケトンを併用することで、酸性化合物(A)とプロトン酸の塩のみを用いる場合に比べて、より高い重合温度でも、オキシメチレン共重合体の分子量と重合収率の増大がより効果的に起こる傾向にある。これは、例えば、ケトンを併用することで、重合中の共重合体の分解反応が抑制され、相対的に共重合体の成長反応が優勢となることによるものと推定される。
本発明において、重合反応は、分子量調節剤の存在下で行ってもよい。例えば、オキシメチレン共重合体の分子量を調節する為に、分子量調節剤をトリオキサンに対して0.01質量ppm〜10質量%を使用することができる。分子量調節剤の使用量は、0.1質量ppm〜1質量%がより好ましい。分子量調節剤としては、特に限定されず、例えば、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノール化合物、アセタール化合物からなる群より選択される1種又は2種以上が使用できる。なかでも、フェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール及びポリオキシメチレンジメトキシドからなる群より選択される1種又は2種以上がより好適に用いられる。特に好ましいのはメチラールである。
本発明において、重合反応は、立体障害性フェノール化合物の存在下で行うことも可能である。立体障害性フェノール化合物を使用する場合、その使用量は、トリオキサンに対して0.0001〜2.0質量%であることが好ましく、0.001〜0.5質量%であることがより好ましく、0.002〜0.1質量%であることがさらに好ましい。立体障害性フェノール化合物の使用量が、2.0質量%以下であれば生成するオキシメチレン共重合体の分子量の低下や重合収率の低下が起こり難い傾向にあり、0.0001質量%以上であればオキシメチレン共重合体中のギ酸エステル末端基構造などの不安定部分の生成を抑制するので、熱又は加水分解安定性の低下が起こり難い傾向にある。
本発明において、重合温度は、共重合体原料に対して酸性化合物(A)を含有する重合開始剤を添加する時から、重合反応生成物に対して後述する重合停止剤を添加する時まで、生成したオキシメチレン共重合体が溶融状態(液体状態)を維持できる温度である。そのような温度は、例えば、135〜300℃である。重合温度は、ケトンを併用しない場合、140〜220℃が好ましく、140〜190℃が特に好ましい。ケトンを併用する場合は、140〜220℃が好ましく、140〜205℃が特に好ましい。すなわち、重合反応は、酸性化合物(A)を含有する重合開始剤の添加から重合停止剤の添加まで、上記重合温度を維持して実施することが好ましい。重合温度が300℃以下であれば、生成したオキシメチレン共重合体の分子量や重合収率が低下し難く、135℃以上であれば、生成したオキシメチレン共重合体が固体として析出し難く、液体として取り扱うための簡素な重合設備(反応装置)によるオキシメチレン共重合体の製造が可能となる。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、重合停止剤を重合反応生成物に添加、混合することにより、重合反応の停止を行ってもよい。すなわち、本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、重合反応を行う工程に加え、重合停止剤を添加する工程を更に含むことが好ましい。
重合停止剤としては、特に限定されないが、一級アミン、二級アミン、三級アミン、アルキル化メラミン、ヒンダードアミン等のアミン化合物;三価の有機リン化合物;アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコラート等のアルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコラート等のアルカリ土類金属の塩が挙げられ、これらからなる群より選択される1種又は2種以上が好ましい。なかでも、重合停止剤は、アミン化合物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコラート、アルカリ土類金属の水酸化物及びアルカリ土類金属のアルコラートからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい。重合停止剤は、単独で又は混合物として使用できる。
本発明において、重合反応の停止は、特に限定されないが、好ましくは0.15〜50MPa、より好ましくは0.15〜20MPaの、少なくとも内部の蒸気圧以上の加圧条件下で行われることが好ましい。また、好ましくは130〜300℃、より好ましくは135〜250℃の温度で行われる。重合停止剤を添加して、重合開始剤を失活させる際の混合時間は、好ましくは0.1〜20分、より好ましくは1〜10分である。
重合停止後のオキシメチレン共重合体(以下、「重合混合物」ともいう)は、通常20〜40質量%の残存モノマーや分解生成物であるホルムアルデヒド、テトラオキサン等の揮発成分を含んでいる。また、重合停止後のオキシメチレン共重合体は、加熱によってホルムアルデヒドを発生するヘミアセタール末端に起因する熱的不安定部分を通常10質量%以下含有している。これらを除去するため、本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、引き続き脱気装置によって、揮発成分及び熱的不安定部分の少なくとも一部をガス成分として除去する工程(熱安定化工程)を更に含むことが好ましい。
前記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等の立体障害性フェノール化合物が挙げられ、これらからなる群より選択される1種又は2種以上が好ましい。
<極限粘度>
2質量%のα−ピネンを添加したp−クロロフェノール溶液に、実施例又は比較例で得られたオキシメチレン共重合体を0.1質量%溶解して、オストワルド粘度計を用いて温度60℃で測定した。極限粘度の数値が大きいほど、高分子量のオキシメチレン共重合体が得られることを意味し、高分子量のオキシメチレン共重合体の製造方法として優れることを意味する。
(1)過塩素酸溶液
過塩素酸(70質量%水溶液、関東化学株式会社製試薬)をジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して、過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を使用直前に調製した。
(2)トリフルオロメタンスルホン酸溶液
トリフルオロメタンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製試薬)をジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して、トリフルオロメタンスルホン酸-ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を使用直前に調製した。
(1)過塩素酸塩溶液
ナトリウムメトキシド(28質量%メタノール溶液、和光純薬工業株式会社製試薬)と過塩素酸(70質量%水溶液、関東化学株式会社製試薬)を1:1のモル比で、25℃のジエチレングリコールジメチルエーテル中で反応させて、NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を使用直前に調整した。
(2)トリフルオロメタンスルホン酸塩溶液
トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製試薬)とトリフルオロメタンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製試薬)を1:1のモル比で、25℃のジエチレングリコールジメチルエーテル中で反応させて、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルアミン塩−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を使用直前に調製した。
(実施例1)
重合装置として、加熱ヒーターと撹拌機を備えた内容積500mLのSUS316製耐圧反応器を用い、バッチ式重合によりオキシメチレン共重合体の製造を実施した。
SUS316製耐圧反応器は、使用前に1%硫酸水溶液を用いて酸洗浄後、純水とアセトンで洗浄し、空気雰囲気下、350℃、7時間、高温熱処理した。
反応器を80℃に加熱し、内部を乾燥窒素で乾燥・置換した後、共重合体原料として、1.7質量ppmのトリエタノールアミン(塩基性化合物)を含むトリオキサン220g(100質量部)(安定剤として立体障害性フェノール化合物であるヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppm含有する。水、ギ酸、ホルムアルデヒド等の不純物はそれぞれ20質量ppm以下であった。)と、コモノマーの1,3−ジオキソラン11g(5質量部)を仕込み、ここへ1mol/L 硫酸をジエチレングリコールジメチルエーテルで100倍に希釈した溶液0.1mLを加え、150rpmで攪拌した。なお、1.7質量ppmのトリエタノールアミンを含むトリオキサンは、トリオキサン1molあたり0.00103mmolのトリエタノールアミンを含む。また、硫酸の添加量は、トリオキサン中のトリエタノールアミン1molに対して、0.40molであった。
高圧窒素を用いて2.5MPaGに加圧したのち、150rpmで撹拌しながら、内部温度が150℃になるまで加熱した。その後、重合開始剤として、トリオキサンに対して1.2質量ppmの量となる過塩素酸(HClO4)を、3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、また、プロトン酸の塩として、トリオキサンに対して1.2質量ppmの量となる過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を、0.5質量%NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、使用直前に準備し、これらを混合して、1mLのベンゼンと共に、ポンプを用いて反応器に注入して、重合を開始した。重合によって、内部圧力は3〜4MPaGまで上昇した。
2分間重合させた後、使用した重合開始剤量の100倍モルに相当する量のトリ−n−オクチルアミンを、ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液(溶液濃度:5mmol/mL)として、1mLのベンゼンと共に、ポンプを用いて注入した。その後、攪拌回転数50rpmで50分間混合して、重合を停止させた。
オキシメチレン共重合体は、反応器を放圧することにより未反応モノマーや分解生成物を蒸発させて、収得した。
重合開始後、約4℃内部温度が低下したが、その後は146〜152℃の間の内部温度を維持した。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は65質量%、極限粘度は1.8dl/gであった。
実施例1において、1mol/L硫酸の代わりに1mol/L亜硫酸を同モル量使用した以外は、実施例1と同様な操作を行った。重合開始後、5℃内部温度が低下したが、その後は145〜152℃の間の内部温度を維持した。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は65質量%、極限粘度は2.0dl/gであった。
重合装置として、加熱ヒーターと撹拌機を備えた内容積500mLのSUS316製耐圧反応器を用い、バッチ式重合によりオキシメチレン共重合体の製造を実施した。
SUS316製耐圧反応器は、使用前に1%硫酸水溶液を用いて酸洗浄後、純水とアセトンで洗浄し、空気雰囲気下、350℃、7時間、高温熱処理した。
反応器を80℃に加熱し、内部を乾燥窒素で乾燥・置換した後、共重合体原料として、1.7質量ppmのトリエタノールアミン(塩基性化合物)を含むトリオキサン220g(100質量部)(安定剤として立体障害性フェノール化合物であるヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppm含有する。水、ギ酸、ホルムアルデヒド等の不純物はそれぞれ20質量ppm以下であった。)と、コモノマーの1,3−ジオキソラン11g(5質量部)を仕込み、ここへ1mol/l 硫酸をジエチレングリコールジメチルエーテルで100倍に希釈した溶液0.07mLを加え、150rpmで攪拌した。硫酸の添加量は、トリオキサン中のトリエタノールアミン1molに対して、0.29molであった。
高圧窒素を用いて2.5MPaGに加圧したのち、150rpmで撹拌しながら、内部温度が150℃になるまで加熱した。その後、重合開始剤として、トリオキサンに対して1.2質量ppmの量となる過塩素酸(HClO4)を、3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、また、プロトン酸の塩として、トリオキサンに対して1.2質量ppmの量となる過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を、0.5質量%NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、使用直前に準備し、これらを混合して、1mLのベンゼンと共に、ポンプを用いて反応器に注入して、重合を開始した。重合によって、内部圧力は3〜4MPaGまで上昇した。
2分間重合させた後、使用した重合開始剤量の100倍モルに相当する量のトリ−n−オクチルアミンを、ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液(溶液濃度:5mmol/mL)として、1mLのベンゼンと共に、ポンプを用いて注入した。その後、攪拌回転数50rpmで50分間混合して、重合を停止させた。
オキシメチレン共重合体は、反応器を放圧することにより未反応モノマーや分解生成物を蒸発させて、収得した。
重合開始後、約4℃内部温度が低下したが、その後は146〜152℃の間の内部温度を維持した。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は64質量%、極限粘度は1.5dl/gであった。
実施例3において、1mol/L硫酸の代わりに1mol/L亜硫酸を同モル量使用した以外は、実施例3と同様な操作を行った。重合開始後、5℃内部温度が低下したが、その後は145〜152℃の間の内部温度を維持した。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕し減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は63質量%、極限粘度は1.6dl/gであった。
実施例1において、1.7質量ppmのトリエタノールアミンを含むトリオキサンと、コモノマーである1,3−ジオキソランの共重合体原料に対して、1mol/L硫酸を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様な操作を行った。オキシメチレン共重合体は生成せず、内部温度は変化しなかった。
実施例1において、1.7質量ppmのトリエタノールアミンを含むトリオキサンと、コモノマーである1,3−ジオキソランの共重合体原料に対して、1mol/L硫酸を添加せず、重合開始剤としてトリオキサンに対して2.1質量ppmの量となる過塩素酸(HClO4)を、3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、またプロトン酸の塩として、トリオキサンに対して1.2質量ppmの量となる過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を、0.5質量%NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として添加した以外は実施例1と同様な操作を行った。
重合開始後、約4℃内部温度が低下したが、その後は146〜152℃の間の内部温度を維持した。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は51質量%、極限粘度は0.8dl/gであった。
実施例1において、重合開始剤として過塩素酸(HClO4)の代わりにトリオキサンに対して0.59質量ppmの量となる硫酸を、1mol/L 硫酸をジエチレングリコールジメチルエーテルで100倍に希釈した溶液として添加し、更にプロトン酸の塩を添加しなかった以外は、実施例1と同様な操作を行った。オキシメチレン共重合体は生成せず、内部温度は変化しなかった。
重合装置として、加熱ヒーターと撹拌機を備えた内容積500mLのSUS316製耐圧反応器を用い、バッチ式重合によりオキシメチレン共重合体の製造を実施した。
SUS316製耐圧反応器は、使用前に1%硫酸水溶液を用いて酸洗浄後、純水とアセトンで洗浄し、空気雰囲気下、350℃、7時間、高温熱処理した。
反応器を80℃に加熱し、内部を乾燥窒素で乾燥・置換した後、共重合体原料として、1.7質量ppmのトリエタノールアミン(塩基性化合物)を含むトリオキサンを蒸留精製して、予めトリエタノールアミンを除去したトリオキサン220g(100質量部)(安定剤として立体障害性フェノール化合物であるヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppm含有する。水、ギ酸、ホルムアルデヒド等の不純物はそれぞれ20質量ppm以下であった。)と、コモノマーの1,3−ジオキソラン11g(5質量部)を仕込み、150rpmで攪拌した。高圧窒素を用いて2.5MPaGに加圧したのち、150rpmで撹拌しながら、内部温度が150℃になるまで加熱した。その後、重合開始剤として、トリオキサンに対して1.2質量ppmの量となる過塩素酸(HClO4)を、3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、また、プロトン酸の塩として、トリオキサンに対して1.2質量ppmの量となる過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を、0.5質量%NaClO4−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として、使用直前に準備し、これらを混合して、1mLのベンゼンと共に、ポンプを用いて反応器に注入して、重合を開始した。重合によって、内部圧力は3〜4MPaGまで上昇した。
2分間重合させた後、使用した重合開始剤量の100倍モルに相当する量のトリ−n−オクチルアミンを、ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液(溶液濃度:5mmol/mL)として、1mLのベンゼンと共に、ポンプを用いて注入した。その後、攪拌回転数50rpmで50分間混合して、重合を停止させた。
オキシメチレン共重合体は、反応器を放圧することにより未反応モノマーや分解生成物を蒸発させて、収得した。
重合開始後、約4℃内部温度が低下したが、その後は146〜152℃の間の内部温度を維持した。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は64質量%、極限粘度は1.8dl/gであった。
しかし、トリオキサンを予め蒸留精製するため、蒸留精製時の加熱エネルギーや蒸留のための設備が必要となり、実施例の各方法に比べて、経済性が悪化した。
窒素雰囲気下、60℃に保たれた撹拌装置付きの1Lの重合反応器に、1.7質量ppmのトリエタノールアミン(塩基性化合物)を含むトリオキサン(三菱ガス化学株式会社製、純度:99.96%)220g及びコモノマーとしての1,3−ジオキソラン(東邦化学工業株式会社製、純度:99.99%)11gを注入した後、これに重合触媒(酸触媒)として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをトリオキサンに対して34ppmとなるように加え15分間反応させた。 失活剤としてN,N−ジエチルヒドロキシルアミン(Arkema社製)を重合触媒の使用量に対して4倍モルとなる量を加えた。この時、失活剤は0.1mol/Lの濃度となるようにベンゼンで事前に希釈して添加した。失活剤を加えた5分後に、反応器を停止させ、粗オキシメチレン共重合体を得た。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は92質量%、極限粘度は1.87dl/gであった。
窒素雰囲気下、60℃に保たれた撹拌装置付きの1Lの重合反応器に、1.7質量ppmのトリエタノールアミン(塩基性化合物)を含むトリオキサン(三菱ガス化学株式会社製、純度:99.96%)220g及びコモノマーとしての1,3−ジオキソラン(東邦化学工業株式会社製、純度:99.99%)11gを注入し、さらに1mol/L 硫酸をジエチレングリコールジメチルエーテルで100倍に希釈した溶液0.1mLを加えた。これに重合触媒(酸触媒)として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをトリオキサンに対して34ppmとなるように加え15分間反応させた。
失活剤としてN,N−ジエチルヒドロキシルアミン(Arkema社製)を重合触媒の使用量に対して4倍モルとなる量を加えた。この時、失活剤は0.1mol/Lの濃度となるようにベンゼンで事前に希釈して添加した。失活剤を加えた5分後に、反応器を停止させ、粗オキシメチレン共重合体を得た。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は92質量%、極限粘度は1.85dl/gであった。
窒素雰囲気下、60℃に保たれた撹拌装置付きの1Lの重合反応器に、1.7質量ppmのトリエタノールアミン(塩基性化合物)を含むトリオキサン(三菱ガス化学株式会社製、純度:99.96%)220g及びコモノマーとしての1,3−ジオキソラン(東邦化学工業株式会社製、純度:99.99%)11gを注入した後、これに重合触媒(酸触媒)として0.38質量ppmの量となる過塩素酸(HClO4)を、3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として加え15分間反応させた。
失活剤としてN,N−ジエチルヒドロキシルアミン(Arkema社製)を重合触媒の使用量に対して600倍モルとなる量を加えた。この時、失活剤は0.1mol/Lの濃度となるようにベンゼンで事前に希釈して添加した。失活剤を加えた5分後に、反応器を停止させ、粗オキシメチレン共重合体を得た。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は84質量%、極限粘度は2.1dl/gであった。
窒素雰囲気下、60℃に保たれた撹拌装置付きの1Lの重合反応器に、1.7質量ppmのトリエタノールアミン(塩基性化合物)を含むトリオキサン(三菱ガス化学株式会社製、純度:99.96%)220g及びコモノマーとしての1,3−ジオキソラン(東邦化学工業株式会社製、純度:99.99%)11gを注入し、さらに1mol/L 硫酸をジエチレングリコールジメチルエーテルで100倍に希釈した溶液0.1mLを加えた。これに重合触媒(酸触媒)として0.38質量ppmの量となる過塩素酸(HClO4)を、3質量%過塩素酸−ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液として加え15分間反応させた。
失活剤としてN,N−ジエチルヒドロキシルアミン(Arkema社製)を重合触媒の使用量に対して600倍モルとなる量を加えた。この時、失活剤は0.1mol/Lの濃度となるようにベンゼンで事前に希釈して添加した。失活剤を加えた5分後に、反応器を停止させ、粗オキシメチレン共重合体を得た。得られたオキシメチレン共重合体を粉砕して、減圧下で低沸点物を除去した結果、重合収率は89質量%、極限粘度は1.7dl/gであった。
Claims (18)
- 酸性化合物(A)を含有する重合開始剤の存在下、トリオキサンとコモノマーとを含む共重合体原料を重合反応させるオキシメチレン共重合体の製造方法であって、前記共重合体原料が塩基性化合物(B)を含み、かつ、前記重合反応を行う前に、前記共重合体原料に前記酸性化合物(A)とは異なる酸性化合物(C)を添加して、前記塩基性化合物(B)と前記酸性化合物(C)とを予め反応させ、前記重合反応が溶融重合によって行われる、オキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記塩基性化合物(B)が、前記トリオキサン及び/又は前記コモノマー中に安定剤として添加されたものである、請求項1に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記塩基性化合物(B)が、アミン化合物である、請求項1又は2に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記塩基性化合物(B)が、トリエタノールアミンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記共重合体原料中の塩基性化合物(B)の含有量が、前記共重合体原料に含まれるトリオキサン1モルに対して0.00001ミリモル以上0.1ミリモル以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記酸性化合物(C)が、分子内に硫黄原子を有する酸である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記酸性化合物(C)が、硫酸及び/又は亜硫酸である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記酸性化合物(C)の添加量が、前記共重合体原料に含まれる塩基性化合物(B)1モルに対して0.01モル以上2.0モル以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記酸性化合物(A)が、プロトン酸、プロトン酸無水物及びプロトン酸エステルからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記酸性化合物(A)が、過塩素酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、それらの酸無水物及びそれらのエステルからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応における酸性化合物(A)の使用量が、前記トリオキサンに対して、0.001質量ppm以上10質量%以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応が、さらに、少なくとも1種のプロトン酸の塩の存在下で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記プロトン酸の塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びこれらを含む化合物、並びにアンモニア及びアミンからなる群より選択される1種又は2種以上のアルカリ成分と、プロトン酸とから生成する塩である、請求項12に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応における前記プロトン酸の塩の使用量が、前記トリオキサンに対して0.001質量ppm以上10質量%以下である、請求項12又は13に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記酸性化合物(A)と前記プロトン酸の塩のモル比が、酸性化合物(A):プロトン酸の塩=1:0.01〜1:2000の範囲である、請求項12〜14のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応が、さらに、ケトンの存在下で行われる、請求項1〜15のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応が、135℃以上300℃以下の温度で行われる、請求項1〜16のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 前記重合反応に使用するトリオキサン及びコモノマーの製造装置、並びに前記オキシメチレン共重合体の製造装置に使用されるステンレス鋼に対して、酸洗浄による不動態化処理、高温熱処理、表面研磨及び電解研磨からなる群より選択される1種又は2種以上の表面処理を予め行う、請求項1〜17のいずれか一項に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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