この先行技術では、情報表示端末装置の表示画面に生産装置の稼働状態を表示する構成であり、管理者が情報表示端末装置の前にいて複数の生産装置の稼働状態を一括して監視できる。
しかし、管理者が情報表示端末装置の近くにいて、表示画面に対面する必要があるから、管理者の位置が大きく制約され、管理者が他の作業に従事しながら同時に管理を行うような場合には、必ずしも便利ではない。
そこで、この発明は、利便性の向上された信号表示灯システム、および信号表示灯システムのための信号表示灯を提供する。
この発明は、第1の信号表示灯と、前記第1の信号表示灯との間で通信する第2の信号表示灯とを含む、信号表示灯システムを提供する。前記第1の信号表示灯は、可変表示可能な第1表示部と、入力信号を受け付ける入力信号受付手段と、入力信号に応じて前記第1表示部を制御し、前記入力信号の変動に応じて変動する可変表示を前記第1表示部に行わせる第1表示制御手段と、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号に対応する入力情報を前記第2の信号表示灯に対して送信する送信手段と、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号が変化したことに応答して当該入力信号に対応する入力情報を前記送信手段から送信させ、かつ所定時間周期で最新の入力信号に対応する入力情報を前記送信手段から送信させる送信制御手段と、を含む。前記第2の信号表示灯は、可変表示可能な第2表示部と、前記第1の信号表示灯から前記入力情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信する入力情報に応じて前記第2表示部を制御し、前記入力情報の変動に応じて変動する可変表示を前記第2表示部に行わせる第2表示制御手段と、を含む。
この構成により、第1の信号表示灯に入力される入力信号に対応する入力情報が第2信号表示灯に送信される。第1の信号表示灯に備えられる第1表示部は入力信号に応じた可変表示を行う。第2の信号表示灯に備えられる第2表示部は入力情報に応じた可変表示を行う。入力信号と入力情報とが対応しているので、第1表示部および第2表示部の表示状態が対応する。したがって、使用者は、第2の信号表示灯を目視することによって、第1の信号表示灯の表示状態を知ることができる。第2の信号表示灯による表示は、情報表示端末装置の表示画面上での表示とは異なり、使用者が表示画面の近くで当該表示画面に対面することを要しない。すなわち、信号表示灯は、周囲に向けて光を発生することにより情報を報知するように構成されているので、使用者は、第2の信号表示灯が目視できる限りにおいて、自由な位置から第2の信号表示灯の表示状態を確認できる。それにより、使用者の位置に関する制約が大幅に減じられ、たとえば、使用者は、他の作業に従事しながら同時に第2の信号表示灯を目視し、それによって、第1の信号表示灯の表示状態を知ることができる。こうして、利便性に優れた信号表示灯システムを提供できる。
さらに、この発明では、第1の信号表示灯への入力信号が変化すると、その変化した入力信号に対応する入力情報が第2の信号表示灯に送信される。それにより、第2の信号表示灯は、入力信号が変化するたびに、それに応じて、その表示状態が更新される。
また、この発明では、所定時間周期で、最新の入力信号に対応する入力情報が第1の信号表示灯から第2の信号表示灯に送信される。この特徴は、とりわけ、第1および第2の信号表示灯の間で通信障害が生じ、その後にその通信障害から復旧した状況において有利である。第1および第2の信号表示灯の間で通信障害が発生すると、入力信号が変化しても、その変化後の入力信号に対応する入力情報が第2の信号表示灯に与えられなくなる。したがって、第2の信号表示灯が保持する入力情報は古いままであるか、あるいは通信障害の原因によっては入力情報が失われる場合もある。その後、通信障害から復旧すると、入力信号に変化がなくても、所定時間周期の到来によって、最新の入力信号に対応する入力情報が第1の信号表示灯から第2の信号表示灯へと送信される。これにより、第2の信号表示灯は、第1の信号表示灯の表示に対応した表示状態となる。もしも、所定時間周期での入力情報送信がされないとすれば、第1の信号表示灯への入力信号の変化を待たなければ第2の信号表示灯の表示状態を適切に更新できない。前述の特徴は、この課題に対する解決手段を提供する。
なお、入力情報は、入力信号に直接的に対応するデータ、すなわち入力信号を表すデータであってもよいし、入力信号に対応する別のデータ、すなわち入力信号を直接的には表さないデータであってもよい。たとえば、入力信号に対応する第1表示部の表示状態を表す表示状態データを入力情報として第2の信号表示灯に送信してもよい。
この発明の一実施形態では、前記第1の信号表示灯が、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号が変化してからの経過時間に応じて変動する第1パラメータを演算する第1パラメータ演算手段をさらに含み、前記第1表示制御手段が、前記第1パラメータに応じて変動する可変表示を前記第1表示部に行わせ、前記第2の信号表示灯が、前記受信手段が受信する入力情報が変化してからの経過時間に応じて変動する第2パラメータを演算する第2パラメータ演算手段をさらに含み、前記第2表示制御手段が、前記第2パラメータに応じて変動する可変表示を前記第2表示部に行わせる。
これにより、第1の信号表示灯は、入力信号の変化からの経過時間に応じて変動する表示、すなわち経過時間表示を行うことができる。第2の信号表示灯も同様に、入力情報の変化からの経過時間に応じて変動する経過時間表示を行うことができる。入力信号と入力情報とが対応しているので、第2の信号表示灯における経過時間表示は、第1の信号表示灯における経過時間表示に対応することになる。
第1パラメータ演算手段における第1パラメータの演算規則と、第2パラメータ演算手段における第2パラメータの演算規則とが同じであれば、第1の信号表示灯における表示状態の変化と、第2の信号表示灯における表示状態の変化とが同期する。それにより、使用者は、第2の信号表示灯の表示状態に基づいて、第1の信号表示灯における経過時間表示をより正確に知ることができる。
この発明の一実施形態では、前記第1の信号表示灯が、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号の変化に応答して変動する第1パラメータを演算する第1パラメータ演算手段をさらに含み、前記第1表示制御手段が、前記第1パラメータに応じて変動する可変表示を前記第1表示部に行わせ、前記第2の信号表示灯が、前記受信手段が受信する入力情報の変化に応答して変動する第2パラメータを演算する第2パラメータ演算手段をさらに含み、前記第2表示制御手段が、前記第2パラメータに応じて変動する可変表示を前記第2表示部に行わせる。
この構成によれば、入力信号が変化することにより第1パラメータが変化し、その第1パラメータに応じた表示が第1の信号表示灯で行われる。一方、第2の信号表示灯では、入力情報が変化することにより第2パラメータが変化し、その第2パラメータに応じた表示が行われる。これにより、入力信号の変化に応じて、第1および第2の信号表示灯のいずれの表示状態も変化するので、第1および第2の信号表示灯の表示状態を同期させることができる。
第1パラメータ演算手段は、たとえば、入力信号が変化するたびにインクリメントするように第1パラメータを演算してもよい。それにより、第1パラメータは、入力信号が変化した回数の積算値となる。したがって、第1パラメータに基づいて第1表示部の表示状態を制御することによって、入力信号の変化の積算値を表す表示を実現できる。
第2パラメータ演算手段は、第1パラメータ演算手段と同様に、入力情報が変化するたびにインクリメントするように第2パラメータを演算してもよい。それにより、第2パラメータは、入力情報が変化した回数の積算値となる。したがって、第2パラメータに基づいて第2表示部の表示状態を制御することによって、入力状態の変化の積算値を表す表示を実現できる。入力状態の変化の積算値は、第1の信号表示灯への入力信号の変化の積算値に対応するから、第2の信号表示灯は、第1の信号表示灯への入力信号の変化の積算に対応した表示を行うことになる。
この発明の一実施形態では、前記送信制御部が、前記入力情報とともに、前記第1パラメータを前記送信手段から前記第2の信号表示灯に対して送信させ、前記受信手段が、前記入力情報および前記第1パラメータを受信し、前記第2パラメータ演算手段が、前記受信手段が受信した前記第1パラメータを前記第2パラメータとして用いる。
この構成では、第1の信号表示灯から第2の信号表示灯に対して第1パラメータが送信され、第2パラメータ演算手段は、第1の信号表示灯から受信した第1パラメータを第2パラメータとして用いる(代入する)演算を実行する。入力信号が変化すると入力情報も変化し、また入力信号が変化するとそれに応答して第1パラメータも変化する。したがって、第1パラメータを第2パラメータとして用いると、第2パラメータは入力情報の変化に応答して変動する値を有することになる。
この発明の一実施形態では、前記入力信号受付手段が複数の入力信号を受け付け、前記第1パラメータ演算手段が、前記複数の入力信号のうちの所定の入力信号の変化に応答して変動するように前記第1パラメータを演算し、前記第1表示制御手段が、前記複数の入力信号のうちの前記所定の入力信号以外の入力信号と前記第1パラメータとの組み合わせによって規定されるパターンの表示を前記第1表示部に行わせ、前記送信制御手段が、前記複数の入力信号のうちの前記所定の入力信号以外の入力信号を前記入力情報として前記送信手段から前記第2の信号表示灯に対して送信させ、かつ前記第1パラメータを前記送信手段から前記第2の信号表示灯に対して送信させ、前記受信手段が、前記入力情報および前記第1パラメータを受信し、前記第2パラメータ演算手段が、前記受信手段が受信した前記第1パラメータを前記第2パラメータとして用いる。
この構成では、第1の信号表示灯に複数の入力信号が入力され、そのうちの一部が第1パラメータの演算のための所定の入力信号として用いられる。そして、その所定の入力信号以外の入力信号に対応する入力情報と、第1パラメータとが、第2の信号表示灯に送信される。第2の信号表示灯では、受信した第1パラメータが第2パラメータとして用いられる。よって、第1の信号表示灯において、所定の入力信号以外の入力信号と第1パラメータとで規定したパターンで表示を行い、第2の信号表示灯において入力情報と第2パラメータとで規定されるパターンで表示を行えば、第2の信号表示灯における表示は第1の信号表示灯の表示に対応する。
この発明の一実施形態では、前記第1の信号表示灯が、前記入力信号に対応する表示制御情報を記憶する第1表示制御情報記憶手段をさらに含み、前記第1表示制御手段が、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号に対応する表示制御情報を前記第1表示制御情報記憶手段から読み出し、当該読み出した表示制御情報に基づいて前記第1表示部を制御するように構成されており、前記第2の信号表示灯が、前記入力情報に対応する表示制御情報を記憶する第2表示制御情報記憶手段をさらに含み、前記第2表示制御手段が、前記受信手段が受信する入力情報に対応する表示制御情報を前記第2表示制御情報記憶手段から読み出し、当該読み出した表示制御情報に基づいて前記第2表示部を制御するように構成されている。
この構成では、第1の信号表示灯での表示は第1表示制御情報記憶手段に記憶された表示制御情報に従い、第2の信号表示灯での表示は第2表示制御情報記憶手段に記憶された表示制御情報に従う。したがって、第1および第2表示制御情報記憶手段に共通または対応する表示制御情報を格納しておくことにより、第1および第2の信号表示灯の表示状態が同じまたは対応する状態を実現できる。
この発明の一実施形態では、前記第1の信号表示灯が、前記第1表示制御情報記憶手段に対する表示制御情報の書き込みを受け付ける手段を含み、前記第2の信号表示灯が、前記第2表示制御情報記憶手段に対する表示制御情報の書き込みを受け付ける手段を含む。
この構成により、第1表示情報記憶手段および第2表示情報記憶手段にそれぞれ表示制御情報を書き込むことができる。それにより、第1および第2表示情報記憶手段に共通または対応する表示制御情報を格納して、第1および第2信号表示灯の表示状態を同期させることができる。
この発明の一実施形態では、前記送信制御手段が、前記第1表示制御情報記憶手段に記憶されている表示制御情報を前記送信手段によって前記第2の信号表示灯に対して送信し、前記第2の信号表示灯が、前記第1の信号表示灯から送られてきて前記受信手段によって受信される前記表示制御情報を前記第2表示制御情報に書き込む手段を含む。
この構成により、第1の信号表示灯から第2の信号表示灯に対して表示制御情報を送信することにより、第1および第2の信号表示灯が共通の表示制御情報を保持することになる。それにより、第1および第2の信号表示灯の表示状態を同じまたは対応する状態とし、第1および第2の信号表示灯の間で表示状態を同期させることができる。
この発明の一実施形態では、前記第1表示部が、複数の第1発光制御単位を含み、前記第1表示制御手段が、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号に対応するように前記複数の第1発光制御単位を制御し、前記第2表示部が、複数の第2発光制御単位を含み、前記第2表示制御手段が、前記受信手段が受信する入力情報に対応するように前記複数の第2発光制御単位を制御する。
この構成により、第1および第2表示部は、それぞれ複数の発光制御単位を含み、それらが制御されることによって、入力信号または入力情報に対応した可変表示を実現できる。この場合、第1および第2表示部における複数の発光制御単位の発光パターンを同期させることで、第2の信号表示灯において第1の信号表示灯の表示状態に対応する表示を行える。
この発明の一実施形態では、前記第1表示部が、複数の発光色から選択した一つの発光色で発光制御される第1発光制御単位を含み、前記第1表示制御手段が、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号に対応するように前記第1発光制御単位の発光色を制御し、前記第2表示部が、複数の発光色から選択した一つの発光色で発光制御される第2発光制御単位を含み、前記第2表示制御手段が、前記受信手段が受信する入力情報に対応するように前記第2発光制御単位の発光色を制御する。
この構成により、第1および第2の信号表示灯において、複数色での表示を実現できる。この場合、第1および第2発光制御単位の発光色を同期させることで、第2の信号表示灯において第1の信号表示灯の表示状態に対応する表示を行える。
この発明の一実施形態では、前記第1表示部が、複数の発光色から選択した一つの発光色でそれぞれ発光制御される複数の第1発光制御単位を含み、前記第1表示制御手段が、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号に対応するように前記複数の第1発光制御単位の発光色をそれぞれ制御し、前記第2表示部が、複数の発光色から選択した一つの発光色でそれぞれ発光制御される複数の第2発光制御単位を含み、前記第2表示制御手段が、前記受信手段が受信する入力情報に対応するように前記複数の第2発光制御単位の発光色をそれぞれ制御する。
この構成では、第1および第2表示部がそれぞれ複数の発光制御単位を含み、各発光制御単位が複数色で発光可能に構成されている。この場合、第1および第2の信号表示灯にそれぞれ備えられる複数の発光制御単位の発光パターンおよび発光色を同期させることで、第2の信号表示灯において第1の信号表示灯の表示状態に対応する表示を行うことができる。
この発明は、さらに、上記のような信号表示灯システムにおいて用いられる信号表示灯を提供する。
具体的には、この発明の一実施形態は、他の信号表示灯との間で通信する信号表示灯とであって、可変表示可能な表示部と、入力信号を受け付ける入力信号受付手段と、入力信号に応じて前記表示部を制御し、前記入力信号の変動に応じて変動する可変表示を前記表示部に行わせる表示制御手段と、前記入力信号受付手段が受け付けた入力信号に対応する入力情報を他の信号表示灯に対して送信する送信手段と、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号が変化したことに応答して当該入力信号に対応する入力情報を前記送信手段から送信させ、かつ所定時間周期で最新の入力信号に対応する入力情報を前記送信手段から送信させる送信制御手段と、を含む、信号表示灯を提供する。
この発明の一実施形態では、前記信号表示灯は、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号が変化してからの経過時間に応じて変動するパラメータを演算するパラメータ演算手段をさらに含み、前記表示制御手段が、前記パラメータに応じて変動する可変表示を前記表示部に行わせる。
また、この発明の一実施形態では、前記信号表示灯は、前記入力信号受付手段が受け付ける入力信号の変化に応答して変動するパラメータを演算するパラメータ演算手段をさらに含み、前記表示制御手段が、前記パラメータに応じて変動する可変表示を前記表示部に行わせる。
この発明の一実施形態では、前記送信制御部が、前記入力情報とともに、前記パラメータを他の信号表示灯に送信する。
また、この発明の一実施形態では、前記入力信号受付手段が複数の入力信号を受け付け、前記パラメータ演算手段が、前記複数の入力信号のうちの所定の入力信号の変化に応答して変動するように前記パラメータを演算し、前記表示制御手段が、前記複数の入力信号のうちの前記所定の入力信号以外の入力信号と前記パラメータとの組み合わせによって規定されるパターンの表示を前記表示部に行わせ、前記送信制御手段が、前記複数の入力信号のうちの前記所定の入力信号以外の入力信号を前記入力情報として送信し、かつ前記パラメータを他の信号表示灯に対して送信する。
また、この発明の一実施形態は、他の信号表示灯との間で通信する信号表示灯であって、可変表示可能な表示部と、他の信号表示灯から送られてくる入力情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信する入力情報が変化してからの経過時間に応じて変動するパラメータを演算するパラメータ演算手段と、前記パラメータに応じて変動する可変表示を前記表示部に行わせる表示制御手段と、を含む、信号表示灯を提供する。
本発明における上述の、またはさらに他の目的、特徴および効果は、添付図面を参照して次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、この発明の一実施形態に係る信号表示灯システムを備えた生産システムの構成例を説明するための概略構成図である。この生産システムは、複数の生産装置(機械装置)A,B,C,D,Eを含む。これらの複数の生産装置A,B,C,D,Eは、それらの一部または全部が一つの工場に配置されていてもよいし、それらの一部または全部が複数の工場に分散して配置されていてもよい。
生産装置A,B,C,D,Eには、それぞれ、信号表示灯1A,1B,1C,1D,1E(以下、総称するときには「信号表示灯1」という。)が備えられている。信号表示灯1A,1B,1C,1D,1Eには、それぞれ、生産装置A,B,C,D,Eに備えられた信号灯制御装置2A,2B,2C,2D,2E(以下、総称するときには「信号灯制御装置2」という。)から、入力信号線8A,8B,8C,8D,8E(以下、総称するときには「入力信号線8」という。)を介して、それぞれ複数の入力信号(制御信号)が入力される。信号灯制御装置2は、生産装置A,B,C,D,Eの動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であってもよい。信号灯制御装置2から入力される入力信号に従って、信号表示灯1の表示状態が変化する。信号灯制御装置2は、対応する生産装置A,B,C,D,Eの稼働状況に対応する制御信号を出力する。制御信号は、たとえば、正常動作中、部品欠品発生、部品欠品予告、管理者呼び出し要求、その他の異常発生を表す信号であってもよい。このような制御信号が、信号表示灯1に対する入力信号となる。
複数の生産装置A,B,C,D,Eは、ネットワーク3に接続されており、それによって、複数の生産装置A,B,C,D,Eがネットワーク3を介して互いに通信可能な生産システムが構築されている。たとえば、信号灯制御装置2がネットワーク3に接続されていてもよい。ネットワーク3は、インターネットであってもよいし、イントラネットであってもよいし、ローカルエリアネットワーク(たとえばイーサネット(登録商標))であってもよい。
一方、信号表示灯1A,1B,1C,1D,1Eも、ネットワーク3に接続されている。これにより、ネットワーク3を介して互いに通信可能な複数の信号表示灯1A,1B,1C,1D,1Eを含む信号表示灯システムが構築されている。信号表示灯1A,1B,1C,1D,1Eとネットワーク3との接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。無線接続の場合には、無線通信機4がネットワーク3に有線接続され、無線通信機4と信号表示灯1とが無線接続されてもよい。
ネットワーク3には、必要に応じて情報処理端末装置10を接続することができる。情報処理端末装置10は、パーソナルコンピュータの形態および構成を有していてもよい。情報処理端末装置10は、ネットワーク3を介して信号表示灯1と通信し、それによって、信号表示灯1の動作等に関する各種設定を行うことができる。より具体的には、情報処理端末装置10は、ウェブブラウザを備えている。使用者は、そのウェブブラウザを用いて、各信号表示灯1の動作等についての設定を行える。
ネットワーク3に接続された機器、すなわち、生産装置A〜E、信号表示灯1A〜1Eおよび情報処理端末装置10は、それぞれに一意の識別情報(宛先情報)が割り当てられており、その識別情報に基づいて、互いに通信することができる。識別情報の具体例の一つは、IPアドレスである。
図2は、信号表示灯1の構成例を説明するための斜視図である。信号表示灯1は、全体として柱状の基本形態を有している。信号表示灯1は、基台部11と、表示部12とを有している。基台部11は柱状(典型的には円柱状)を有しており、生産装置の適所に取り付けられる。基台部11の上端に表示部12が結合されている。表示部12は、柱状に構成されている。典型的には、表示部12は、基台部11と整合する大きさおよび形状の柱状(たとえば円柱状)に構成されている。表示部12は、この実施形態では、複数個の表示ユニット21〜23(総称するときには「表示ユニット20」という。)を軸線13に沿う方向(たとえば上下方向)に沿って直線状に配列して構成されている。各表示ユニット20は、複数色の発光が可能なフルカラーまたはマルチカラー光源である光源31〜33(総称するときには「光源30」という。)と、この光源30の周囲を覆う筒状(たとえば円筒状)のグローブ41〜43(総称するときには「グローブ40」という。)とを含む。グローブ40は、この実施形態では無色透明であり、光源30が発した光をそのままの色で外部に放出させる。グローブ40は、光源30が発生した光を屈折または拡散させるレンズを内面または外面に一体的に備えていてもよい。表示部12を構成する表示ユニット20は、周囲に光を発生し、それによって、周囲の広い角度範囲に向けて情報を報知する。
基台部11には、制御ユニット15と、スピーカ16と、ネットワークインタフェース17とが収容されている。ネットワークインタフェース17は、信号表示灯1をネットワーク3に接続するための通信ユニット(送信手段および受信手段の一例)である。ネットワークインタフェース17は、ネットワーク3に接続され、信号表示灯1とネットワーク3との間の通信を仲介する。スピーカ16は、アラーム音や音声メッセージなどの音声を発生する。
制御ユニット15は、表示部12を構成する各表示ユニット20の発光色および点灯/消灯を個別に制御する機能を有している。それにより、複数の表示色での表示領域の大きさまたは位置が可変な表示を表示部12において実現できる。すなわち、表示ユニット20は、発光制御単位の一例である。
複数の表示ユニット20にそれぞれ対応した複数の光源30は、軸線13に沿って複数の表示ユニット20にわたって一体的に延びた配線基板14上に保持されていてもよい。また、各表示ユニット20に対応して分離された複数の配線基板に、対応する光源30がそれぞれ実装されていてもよい。図2に示す例では、配線基板14が筒状に構成されている。このような筒状の配線基板14は、複数枚の長尺な長方形配線基板を組み合わせて構成してもよい。
各光源30は、具体的には、発光ダイオードを含んでいてもよい。各光源30は、複数色(好ましくは、赤色、緑色、青色等の三原色)の発光部を一つのパッケージに組み込んだフルカラー発光ダイオードユニットで構成されていてもよい。また、各光源30は、複数色(好ましくは、赤色、緑色、青色等の三原色)の光をそれぞれ発生する複数個の個別発光ダイオード素子を含んでいてもよい。いずれの構成であっても、発光部または発光ダイオード素子を個別に単独発光させたり、複数個組み合わせて発光させたりすることによって、複数色の発光が可能なマルチカラー(またはフルカラー)発光型光源ユニットを構成することができる。
図3は、信号表示灯1の電気的構成例を説明するためのブロック図である。信号表示灯1は、表示部12と、制御ユニット15と、スピーカ16と、ネットワークインタフェース17とを含む。表示部12、スピーカ16およびネットワークインタフェース17は、制御ユニット15に接続され、制御ユニット15によって制御される。制御ユニット15は、主制御ユニットとしてのCPU(中央処理ユニット)50と、表示部12を制御するための表示部駆動ユニット51と、スピーカ16を駆動するためのスピーカ駆動ユニット52と、入力回路53と、メモリ54とを含む。入力回路53には、入力信号線8が接続される。メモリ54は、EEPROM(電気的に消去・書込可能な読出し専用メモリ)等の不揮発性メモリ55とRAM(ランダムアクセスメモリ)56とを含んでいてもよい。不揮発性メモリ55には、CPU50が実行する実行プログラムや、各種制御パラメータが格納されている。CPU50は、RAM56の記憶領域を作業領域として用いながら、不揮発性メモリ55に格納されている実行プログラムを実行し、それによって、複数の機能処理部として機能する。メモリ54は、表示部12の表示制御のために用いる表示制御情報を記憶する表示制御情報記憶手段の一例である。表示制御情報は、不揮発性メモリ55に格納されてもよいし、RAM56(揮発性メモリ)に格納されてもよい。電源遮断後にも表示制御情報を保持すべきときには、不揮発性メモリ55に表示制御情報が格納されることが好ましい。以下では、主として、表示制御情報が不揮発性メモリ55に格納される場合について説明する。
より具体的には、CPU50は、表示部駆動ユニット51に表示制御信号を与える表示制御部501(表示制御手段の一例)として機能する。表示部駆動ユニット51は、表示制御信号に応じて表示部12を構成する各表示ユニット20の光源30を駆動し、各光源30の発光状態(発光色および点灯/消灯)を制御する。また、CPU50は、スピーカ駆動ユニット52に発音制御信号を与える発音制御部502として機能する。スピーカ駆動ユニット52は、発音制御信号に応じてスピーカ16を駆動し、音声を発生させる。さらに、CPU50は、ネットワークインタフェース17を介する通信(すなわち、送信および受信)を制御するための通信制御部503(送信制御部および受信制御部)として機能する。さらにまた、CPU50は、入力信号線8から入力回路53に入力される入力信号を受け付ける入力受付部504(入力信号受付手段の一例)として機能する。これらの機能処理部は、概念的な区分であって、CPU50が物理的にこのような機能処理部に分かれている必要はなく、CPU50が実行する実行プログラムが前記機能処理部に該当する区分を有している必要もない。
制御ユニット15は、さらに、時間を計測するタイマ58を含む。CPU50は、必要に応じてタイマ58の計時時間を参照しながら、処理を実行する。
この実施形態の信号表示灯システムは、一つの信号表示灯において、他の信号表示灯における表示を模擬させる動作であるミラーリング動作が可能に構成されている。たとえば、信号表示灯1Aにおいて他の信号表示灯(たとえば信号表示灯1E)と同じ状態で点灯表示するミラーリング動作を実行するように設定可能である。このようなミラーリング動作を用いることにより、信号表示灯1Aの近くにいる管理者は、生産装置Eの近くまで移動することなく、生産装置Eの稼働状態を知ることができる。ミラーリング動作は、情報処理端末装置10によって、信号表示灯1A,1Eの動作を設定することによって達成される。
使用者は、たとえば、情報処理端末装置10を操作してウェブブラウザを立ち上げ、このウェブブラウザ上での操作によって、信号表示灯1A〜1Eに対する各種設定を行うことができる。
信号表示灯1は、入力信号線8の入力に従って表示動作を実行する信号線制御方式と、ネットワーク3から与えられる入力情報(制御コマンド)に従って表示動作を実行するコマンド制御方式との間で、制御方式の切換えが可能である。使用者は、情報処理端末装置10を用いることによって、各信号表示灯1がいずれの制御方式に従うのかを設定することができる。ミラーリング動作を設定するときには、表示状態が模擬される被模擬側(ミラーリング元)の信号表示灯1(たとえば、信号表示灯1E)は、信号線制御方式に設定される。また、表示状態を模擬する模擬側(ミラーリング先)の信号表示灯1(たとえば信号表示灯1A)は、コマンド制御方式に設定される。
信号線制御方式が設定された信号表示灯1では、CPU50は、入力信号線8から入力回路53に入力される入力信号(制御信号)に応答し、その入力信号に対応する表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す。CPU50は、その表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に与える。それにより、表示部12は、入力信号線8から入力される入力信号に応じた表示状態(発光状態)となる。一方、当該信号表示灯1をミラーリング元とするミラーリング動作が設定される場合には、CPU50は、入力回路53に入力される入力信号を表す入力情報を、送信先として設定された宛先に向けて、ネットワークインタフェース17から送出させる。送信先の宛先情報(たとえばIPアドレス)は、情報処理端末装置10によって予め設定される。すなわち、送信先の宛先情報は、ミラーリング先の信号表示灯1の宛先情報である。入力情報は入力信号の内容を表しており、入力信号は表示部12の表示状態に対応している。
コマンド制御方式が設定された信号表示灯1では、CPU50は、入力信号線8から入力回路53に入力される入力信号(制御信号)には応答せず、ネットワークインタフェース17を介して取得される入力情報を入力(制御コマンド)として用いる動作を実行する。具体的には、CPU50は、ネットワークインタフェース17から入力情報が与えられると、その入力情報に対応する表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す。CPU50は、その表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に与える。それにより、表示部12は、ネットワーク3から与えられた入力情報に応じた表示状態(発光状態)となる。コマンド制御方式では、信号表示灯1は、他の信号表示灯の表示状態を模擬しているので、たとえば、CPU50は、スピーカ16を駆動して、いずれの信号表示灯の表示状態を模擬しているのかを報知する音声(たとえばメッセージ等)を発音させてもよい。
使用者は、予め、ミラーリング元の信号表示灯1と、ミラーリング先の信号表示灯1とに、共通の表示制御情報を設定する。すなわち、共通の表示制御情報がミラーリング元およびミラーリング先の信号表示灯1の不揮発性メモリ55に格納される。このような共通の表示制御情報の設定は、情報処理端末装置10からネットワーク3を介して共通の表示制御情報をミラーリング先(たとえば信号表示灯1A)およびミラーリング元(たとえば信号表示灯1E)に対して送信し、各信号表示灯1のCPU50が当該表示制御情報を受け付けて不揮発性メモリ55に書き込むことによって達成できる。また、このような処理の代わりに、ミラーリング元およびミラーリング先の信号表示灯1に対して、ネットワーク3を介することなく、予め共通の表示制御情報を設定しておいてもよい。たとえば、信号表示灯1に外部接続インタフェースを設けておき、この外部接続インタフェースを利用して表示制御情報が設定されてもよい。外部接続インタフェースは、USBインタフェースであってもよい。たとえば、表示制御情報を格納したUSBメモリをUSBインタフェースに接続することによって、CPU50の働きにより、USBメモリから表示制御情報が読み出され、その表示制御情報が不揮発性メモリ55に書き込まれてもよい。
表示制御情報は、入力信号線8からの入力信号またはネットワーク3を介して取得される入力情報を入力とし、その入力に対する表示部12の表示状態を対応付けた制御情報である。信号線制御方式が設定された信号表示灯1は、入力信号線8からの入力信号を入力として、表示制御情報を参照し、当該入力に対応する表示状態を表示部12において達成するように動作する。一方、ミラーリングを行う場合には、コマンド制御方式が設定された信号表示灯1は、ネットワーク3を介して受信される入力情報を入力として、表示制御情報を参照し、当該入力に対応する表示状態を表示部12において達成するように動作する。
したがって、ミラーリング元とミラーリング先の信号表示灯1とに共通の表示制御情報を設定しておけば、ミラーリング元とミラーリング先の信号表示灯1との表示状態が同じになる。つまり、ミラーリング元の信号表示灯1の表示状態が、ミラーリング先の信号表示灯1において再現される。
たとえば、各表示ユニット20が、フルカラー表示が可能なフルカラー表示ユニットである場合には、表示制御情報は、フルカラー表示のためのカラーデータを含む。具体的には、複数階調の三原色データを含む。より具体的には、表示制御情報は、256階調の赤色データ、256階調の緑色データ、256階調の青色データを含んでいてもよい。
ミラーリング元の信号表示灯1からミラーリング先の信号表示灯1に対して送信される入力情報は、ミラーリング元の信号表示灯1に入力される入力信号を直接的に表すデータである。したがって、入力情報のデータ量は少ない。この場合、フルカラー表示のためのカラーデータをネットワーク3を介して送信する必要がないので、ネットワーク3のトラフィック容量をほとんど圧迫しない。
この実施形態では、信号表示灯1の動作モードを、時間経過に伴って表示部12の表示状態が変動する表示、すなわち、経過時間表示を行うタイムトリガモードに設定可能である。動作モードの設定は、情報処理端末装置10を用いて行うことができる。
動作モードがタイムトリガモードに設定され、かつ信号線制御方式に設定された信号表示灯1では、入力信号線8から入力される入力信号の変化をトリガとしてタイマ58の計時が開始される。タイムトリガモードに対応して、不揮発性メモリ55には、複数の表示パターンを表す表示制御情報が格納される。入力信号は複数の状態を取り得る。入力信号の各状態に対応して、複数の表示パターンの組が不揮発性メモリ55に格納されている。入力信号の状態が変化すると、CPU50は、その変化後の入力信号の状態に対応した複数の表示パターンの組の一つを選択し、その組の最初の表示パターンを選択する。入力信号の状態が所定時間にわたって維持されると、タイマ58の計時時間がその所定時間に達し、それに応答して、CPU50は、当該組の複数の表示パターンのうちの別の一つの表示パターンを選択する。同様にして、入力信号の状態が維持されている間、CPU50は、当該組の複数の表示パターンのうちの一つを順次に選択し(順次かつ循環的に選択してもよい。)、その選択した表示パターンの表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に供給する。その結果、表示部12において、入力信号の変化からの経過時間に応じて変動する表示を行える。それにより、表示部12は、経過時間表示を行うことができる。たとえば、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が移動していくような移動表示、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が延びていく(または縮んでいく)ような伸縮表示、表示部12の発光時間間隔が長く(または短く)なっていくような可変点滅間隔表示などが、経過時間表示の例である。
このような経過時間表示についても、別の信号表示灯1において、ミラーリングを行うことができる。この場合、ミラーリング先の信号表示灯1では、動作モードがタイムトリガモードに設定され、かつコマンド制御方式に設定される。このように設定された信号表示灯1では、ネットワーク3からネットワークインタフェース17を介して受信される入力情報の変化をトリガとしてタイマ58の計時が開始される。タイムトリガモードに対応して、不揮発性メモリ55には、複数の表示パターンを表す表示制御情報が格納される。入力信号と同様に入力情報は複数の状態(値)を取り得る。入力情報の各状態(値)に対応して、複数の表示パターン群が不揮発性メモリ55に格納されている。入力情報が変化すると、CPU50は、その変化後の入力情報に対応した組の複数の表示パターンから一つの表示パターンを選択する。入力情報が所定時間にわたって同じ値に維持されると、タイマ58の計時時間がその所定時間に達し、それに応答して、CPU50は、当該組の複数の表示パターンのうちの別の一つを選択する。同様にして、入力情報が同じ値に維持されている間、CPU50は、当該組の複数の表示パターンのうちの一つを順次に選択し(順次かつ循環的に選択してもよい。)、その選択した表示パターンの表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に供給する。その結果、表示部12において、入力情報の変化からの経過時間に応じて変動する表示を行える。それにより、表示部12は、経過時間表示を行うことができる。入力情報は、ミラーリング元の入力信号に対応しているので、ミラーリング元と同様な経過時間表示が表示部12で行われることになる。
また、この実施形態では、信号表示灯1の動作モードを、入力信号線8に所定の入力信号(パルス信号)が入力された回数に応じて表示部12の表示状態が変動する表示、すなわち、積算量/積算数表示(進捗表示)を行うパルストリガモードに設定可能である。動作モードの設定は、情報処理端末装置10を用いて行うことができる。
動作モードがパルストリガモードに設定され、かつ信号線制御方式に設定された信号表示灯1では、入力信号線8の一部が所定の入力信号(パルス信号)の入力のために割り当てられる。たとえば、それぞれオン/オフ信号が入力される4本の入力信号線8(入力1〜4)が設けられている場合に、一つの入力4がパルス信号の入力に割り当てられ、残りの入力1〜3がパルス信号以外の信号の入力に割り当てられてもよい。この場合、入力1〜3に入力される入力信号が変化するとCPU50の内部のカウンタがリセットされる。そして、入力4にパルス信号が入力されるたびに、当該カウンタがインクリメントされる。パルストリガモードに対応して、不揮発性メモリ55には、複数の表示パターン群を表す表示制御情報が格納される。この表示制御情報は、タイムトリガモードと共通の情報であってもよいし、タイムトリガモードとは別の情報であってもよい。入力1〜3の組み合わせで表される入力信号は複数の状態を取り得る。この複数の状態の各々に対応して、複数の表示パターン群が不揮発性メモリ55に格納されている。入力信号(入力1〜3)の状態が変化すると、CPU50は、カウンタをリセットする。そして、CPU50は、その変化後の入力信号の状態に対応した組の複数の表示パターンから、カウンタの値(パラメータの一例)によって特定される一つの表示パターンを選択する。その後は、パルス信号が入力4に入力されると、CPU50は、カウンタをインクリメントし、そのインクリメント後のカウンタの値によって特定される一つの表示パターンを選択する。パルス信号が入力されるたびに、CPU50は、当該組の複数の表示パターンのうちの一つを順次に選択し(順次かつ循環的に選択してもよい。)、その選択した表示パターンの表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に供給する。その結果、表示部12の表示状態(発光状態)は、カウンタの値に対応することになる。
したがって、パルス信号の入力回数、すなわち積算量/積算数を表示することができ、たとえば生産装置における処理の進捗状態を表示できる。たとえば、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が移動していくような移動表示、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が延びていく(または縮んでいく)ような伸縮表示、表示部12の発光時間間隔が長く(または短く)なっていくような可変点滅間隔表示などが、積算量/積算数表示(進捗表示)の例である。
このような積算量/積算数表示(進捗表示)についても、別の信号表示灯1において、ミラーリングを行うことができる。この場合、ミラーリング元の信号表示灯1は、ミラーリング先の信号表示灯1に対して、入力情報(入力1〜3に対応する部分)と、カウンタの値(パラメータの一例)とを送信する。ミラーリング元の信号表示灯1は、入力信号(入力1〜4)が変化するたびに、このような送信動作を実行する。
一方、ミラーリング先の信号表示灯1では、動作モードがパルストリガモードに設定され、かつコマンド制御方式に設定される。このように設定された信号表示灯1では、ネットワーク3からネットワークインタフェース17を介して受信される入力情報(入力1〜3に対応する部分)およびカウンタの値に基づいて、表示部12が制御される。パルストリガモードに対応して、不揮発性メモリ55には、複数の表示パターン群を表す表示制御情報が格納される。入力信号(入力1〜3)と同様に入力情報は複数の状態(値)を取り得る。入力情報(入力1〜3に対応する情報)の各状態(値)に対応して、複数組の表示パターンが不揮発性メモリ55に格納されている。CPU50は、入力情報(入力1〜3)に対応する組を構成する複数の表示パターンから、カウンタの値に対応する一つの表示パターンを選択し、その表示パターンに対応する表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す。CPU50は、その読み出した表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に供給する。その結果、表示部12において、入力情報(入力1〜3)に対応し、かつパルス信号(入力4)の入力数(カウンタの値)に応じて変動する表示を行える。それにより、表示部12は、ミラーリング元と同様な積算量/積算数表示(進捗表示)を行うことができる。
タイムトリガモードおよびパルストリガモードでは、たとえば、4本の入力信号線8のうちの3本の入力信号線8(入力1〜3)を用いて信号灯制御装置2からの入力信号(制御信号)が与えられる。ミラーリングを行うときには、入力1〜3に対応する入力情報がミラーリング先に送信される。この入力信号または入力情報(入力1〜3)によって、表示パターンの組が指令される。より具体的には、図4に示すように、入力1、入力2および入力3に応じて、表示パターンの組を表すグループ番号G(G=1,2,…,7)が指令される。入力1〜3がいずれもオフのときには、入力信号/入力情報が与えられていない状態であるので、この場合は除外される。一つのグループ番号Gに対して、n個(nは2以上の整数)の表示パターンの組が対応付けられている。表示パターンとは、複数の表示ユニット20の表示状態(発光状態)の組み合わせによって規定される表示状態である。n個の表示パターンを選択するために、パターン番号p(p=1,2,…,n)が用いられる。したがって、グループ番号Gとパターン番号pとの組み合わせで表される一つのインデックス(G,p)に対して、一つの表示パターンを規定する一つの表示制御情報が割り当てられている。一つの表示制御情報は、複数の表示ユニット20における輝度制御データを含む。輝度制御データとは、具体的には、三原色輝度データ(赤色輝度データ、緑色輝度データおよび青色輝度データの組)であってもよい。
タイムトリガモードでは、入力1、入力2および入力3によって指定されるグループ番号Gが新たに設定されると、そのグループ番号Gの設定からの時間経過に応じて、パターン番号p(カウンタ)がインクリメントされる。すなわち、パターン番号pは、時間経過に応じて変動するパラメータの一例である。
パルストリガモードでは、信号線制御方式の場合には、入力1、入力2および入力3によって指定されるグループ番号Gが新たに設定されると、その後にパルス信号(入力4)が入力されるたびに、パターン番号p(カウンタ)がインクリメントされる。すなわち、パターン番号pは、入力信号の変化に応答して変動するパラメータの一例である。一方、コマンド制御方式の場合には、入力1〜3が入力情報としてネットワーク3から与えられ、パターン番号pもネットワーク3から与えられる。
いずれのモードおよび制御方式においても、インデックス(G,p)に該当する表示制御情報が不揮発性メモリ55から読み出され、その表示制御情報に対応する表示制御信号が表示部駆動ユニット51に与えられる。
図5は、タイムトリガモードでのミラーリングの詳細を説明するためのフローチャートであり、ミラーリング元の信号表示灯1が制御周期毎に繰り返し実行する動作例を表す。CPU50は、入力回路53に入力される入力信号(入力1〜3)を参照して、入力1〜3が変化したかどうかを判断する(ステップS1)。変化があれば(ステップS1:YES)、CPU50は、入力信号(入力1〜3)に対応するグループ番号Gを特定する(ステップS6)。そして、CPU50は、その特定されたグループ番号Gを構成する複数の表示パターンのうちの最初の表示パターンに対応する表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す。具体的には、CPU50は、パターン番号pを初期値「1」に設定し(ステップS7)、インデックス(G,1)の表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS4)。この表示制御情報に対応する表示制御信号が、表示部駆動ユニット51に与えられる。こうして、設定されたグループ番号Gの最初の表示パターンでの表示が達成される(ステップS5)。
一方、入力信号(入力1〜3)に変化がなければ(ステップS1:NO)、現在表示している表示パターンの表示時間が満了したかどうかが判断される(ステップS2)。表示時間は、当該グループを構成する全ての表示パターンに対して一定の時間(たとえば10秒程度)に設定されてもよい。表示時間が満了していなければ(ステップS2:NO)、今制御周期での処理を終了する。すなわち、表示部12の表示状態は従前のままとなる。入力信号(入力1〜3)が変化する前に表示時間が満了すると(ステップS2:YES)、CPU50は、パターン番号pを+1インクリメントし(ステップS3)、そのインクリメント後のパターン番号pを用いて、インデックス(G,p)の表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS4)。したがって、新たな表示制御情報に対応する表示制御信号が表示部駆動ユニット51に与えられるので、表示部12における表示パターンが次のパターンへと更新されることになる(ステップS5)。なお、パターン番号pが最大値nに達したときには、次のパターン番号pは初期値「1」としてもよい。また、パターン番号pが最大値nに達した後は、パターン番号pを最大値nに保持し、最後のパターン番号nに対応する表示が継続されてもよい。
このような動作の繰り返しによって、グループ番号Gが更新されると、その更新からの経過時間に応じて、時間間隔を開けて(たとえば一定時間間隔で)表示パターンが遷移していく。それにより、時間経過を表す表示が実現される。
複数の表示パターンの表示時間は、一定の時間である必要はなく、表示パターンによって表示時間を異ならせてもよい。たとえば、装置の異常状態の継続時間に応じて警告レベルを上げていき、その警告レベルを表示パターンによって表現するためにタイムトリガモードを用いることができる。この場合、個々の警告レベルの継続許容時間を定め、その継続許容時間を各表示パターンの表示時間としてもよい。
図6は、ミラーリング元の信号表示灯からミラーリング先の信号表示灯への通信に関する動作(送信処理)の例を説明するためのフローチャートである。CPU50は、ミラーリング先の信号表示灯1に対してネットワークインタフェース17を介して接続要求を送出する(ステップS11)。ミラーリング先の信号表示灯1から受信確認の応答があると、接続完了となる(ステップS12:YES)。受信確認応答が得られず、接続に失敗した場合には(ステップS12:NO)、接続要求の送出(ステップS11)を繰り返す。接続完了すると(ステップS12:YES)、CPU50は、入力信号(入力1〜3)に変化があったかどうかを判断する(ステップS13)。入力信号(入力1〜3)に変化があれば(ステップS13:YES)、現在(すなわち変化後)の入力信号(入力1〜3)を表す入力情報を、ネットワークインタフェース17を介して、ミラーリング先の信号表示灯1に送信する(ステップS14)。入力信号(入力1〜3)に変化がなければ(ステップS13:NO)、CPU50は、所定の待機時間(たとえば10秒)が経過したかどうかを判断する(ステップS16)。この待機時間が経過していなければ(ステップS16:NO)、ステップS13に戻って、入力信号(入力1〜3)の監視を繰り返す。待機時間が経過すると(ステップS16:YES)、CPU50は、現在の入力信号(入力1〜3)を表す入力情報を、ネットワークインタフェース17を介して、ミラーリング先の信号表示灯1に送信する(ステップS14)。入力情報の送信を完了すると(ステップS15:YES)、ステップS13に戻って、入力信号の監視を繰り返す。入力情報の送信に失敗すると(ステップS15:NO)、ステップS11に戻って、接続要求を送出する。
図7は、ミラーリング先の信号表示灯がミラーリング元の信号表示灯からの入力情報を受信する処理の例を説明するためのフローチャートである。ミラーリング先の信号表示灯1では、この処理が制御周期毎に繰り返し実行される。CPU50は、ミラーリング元からの接続要求を待機し(ステップS21)、接続要求がなければ(ステップS21:NO)、処理を終了する。接続要求があると(ステップS21:YES)、CPU50は、ネットワークインタフェース17を介して、受信確認を送出して、接続を確立させる(ステップS22)。その後、CPU50は、入力情報(入力1〜3)を受信すると(ステップS23:YES)、その受信した入力情報をメモリ54(RAM56)に格納する(ステップS24)。その後は、ステップS23に戻る。一方、入力情報が受信されなければ(ステップS23:NO)、CPU50は、ミラーリング元との接続が切断されたかどうかを調べる(ステップS25)。接続が切断されると(ステップS25:YES)、処理を終える。接続が切断されていなければ、ステップS23に戻って、入力情報の受信を待機する。
図8は、タイムトリガモードにおけるミラーリング先の信号表示灯の動作例を説明するためのフローチャートである。ミラーリング先の信号表示灯1では、この処理が制御周期毎に繰り返し実行される。CPU50は、ミラーリング元との接続が確立されているかどうかを判断し(ステップS31)、接続が確立されていなければ(ステップS31:NO)、表示部駆動ユニット51に対して、全ての表示ユニット20を消灯状態とするための表示制御信号を与えて(ステップS32)、今制御周期の処理を終える。
一方、ミラーリング元との接続が確立されている場合には(ステップS31:YES)、CPU50は、メモリ54(RAM56)に格納された入力情報(入力1〜3)を参照し、入力情報に変化があったかどうかを判断する(ステップS33)。変化があれば(ステップS33:YES)、CPU50は、入力情報(入力1〜3)に対応するグループ番号Gを特定する(ステップS38)。そして、CPU50は、パターン番号pに初期値「1」を代入する(ステップS39)。CPU50は、インデックス(G,1)の表示パターン、すなわち、グループ番号Gを構成する複数の表示パターンのうちの最初の表示パターンの表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS36)。CPU50は、その読み出した表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に与える(ステップS37)。それにより、表示部12は、設定されたグループ番号Gの最初の表示パターンの表示状態となる。
一方、入力情報(入力1〜3)に変化がなければ(ステップS33:NO)、CPU50は、現在表示している表示パターンの表示時間が満了したかどうかを判断する(ステップS34)。表示時間が満了していなければ(ステップS34:NO)、CPU50は、今制御周期での処理を終了する。表示時間が満了すると(ステップS34:YES)、CPU50は、パターン番号pを+1インクリメントし(ステップS35)、そのインクリメント後のパターン番号pを用いて、インデックス(G,p)の表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS36)。したがって、新たな表示制御情報に対応する表示制御信号が表示部駆動ユニット51に与えられるので、表示部12における表示パターンが次のパターンへと更新される(ステップS37)。なお、パターン番号pが最大値nに達したときには、次のパターン番号pは初期値「1」としてもよい。また、パターン番号pが最大値nに達した後は、パターン番号pを最大値nに保持し、最後のパターン番号nに対応する表示が継続されてもよい。
このような動作の繰り返しによって、入力情報が変化してグループ番号Gが更新されると、その更新からの経過時間に応じて、時間間隔を開けて(たとえば一定時間間隔で)、表示部12での表示パターンが変動していく。それにより、時間経過を表す表示が実現される。したがって、メモリ54(不揮発性メモリ55)にミラーリング元と共通の表示制御情報が格納されていれば、ミラーリング元と同様の表示動作が実現される。
前述のとおり、ミラーリング元の信号表示灯1は、入力信号が変化した場合だけでなく、所定時間(たとえば10秒)の周期で入力情報を繰り返し送出する(図6参照)。これにより、ミラーリング元およびミラーリング先の信号表示灯1の間で通信障害が生じた場合でも、ミラーリング動作を復旧できる。より具体的には、ミラーリング先の信号表示灯1の電源が一時的に遮断されると、電源遮断前に受信した入力情報、すなわち、グループ番号Gの情報が失われる。そこで、ミラーリング元の信号表示灯1への入力信号に変化がなくても、所定時間(たとえば10秒)の経過によって、ミラーリング元からミラーリング先に入力情報が与えられる。それにより、ミラーリング先の信号表示灯1は、電源復旧後に、入力情報を得ることができる。それにより、ミラーリング動作が再開される。
電源の遮断によってパターン番号pの情報も失われるので、ミラーリング元とミラーリング先との表示パターンには時間差が生じる可能性がある。このような時間差はさほど問題ではないが、ミラーリング元からミラーリング先へと所定時間(たとえば10秒)ごとに周期的に入力情報を与えるときに、同時に、パターン番号pの情報を送信してもよい(図6のステップS14参照)。それにより、ミラーリング先では、グループ番号Gおよびパターン番号pの情報が得られるので、ミラーリング元の表示状態をより忠実に再現できる。より具体的には、ミラーリング先の信号表示灯1では、CPU50が、図7のステップS24において、入力情報(入力1〜3)に加えてパターン番号pをメモリ54(RAM56)に格納する。そして、CPU50は、図8のステップS39において、パターン番号pに対して、受信してメモリ54に格納されたパターン番号の値を代入すればよい。
ミラーリング先の信号表示灯1における電源遮断以外の原因による通信障害が生じたときにも、同様にして、ミラーリング動作を復旧できる。
図9Aは、タイムトリガモードにおける通常時の動作例を説明するためのタイムチャートである。入力信号線8への入力信号(入力1、入力2および入力3)が変化するたびに、ミラーリング元の信号表示灯1からミラーリング先の信号表示灯1へと当該入力信号を表す入力情報が送信される。一方、入力信号の変化の有無に拘わらず、所定時間(たとえば10秒)のインターバルで、ミラーリング元の信号表示灯1からミラーリング先の信号表示灯1に対して、最新の入力信号に対応する入力情報が送信される。ミラーリング先の信号表示灯1は、入力情報を受信すると、ミラーリング元の信号表示灯1に対して、受信確認を返す。
図9Bは、通信障害発生時の動作例を説明するためのタイムチャートである。ミラーリング元の信号表示灯1への入力信号が変化するか、または所定時間(たとえば10秒)が経過すると、それに応答して、ミラーリング元の信号表示灯1はミラーリング元の信号表示灯1に対して最新の入力情報を送信する。このとき、通信障害のためにミラーリング先に入力情報が送信されないと、ミラーリング元の信号表示灯1は、受信確認を受信できない。すると、ミラーリング元の信号表示灯1は、通信が切断されたと判断して、接続要求をミラーリング先の信号表示灯1に送信する動作を、ミラーリング先の信号表示灯1から受信確認が返されるまで、所定時間間隔(たとえば5秒)で繰り返す。
ミラーリング先の信号表示灯1では、ミラーリング元からの通信が一定時間以上(たとえば12秒以上)途絶えると、ミラーリング動作を停止して、全表示ユニット20を消灯状態とする。
ミラーリング元の信号表示灯1とミラーリング先の信号表示灯1との間の通信が復旧すると、ミラーリング元の信号表示灯1からの接続要求に対して、ミラーリング先の信号表示灯1から受信確認が返される。すると、ミラーリング元の信号表示灯1は、最新の入力情報をミラーリング先の信号表示灯1へと送信する。したがって、ミラーリング先の信号表示灯1は、最新の入力情報に対応したグループ番号Gの表示パターンでタイムトリガモードによる表示を再開する。
こうして、途中で通信障害が発生した場合でも、その後に通信が復旧すれば、タイムトリガモードによるミラーリングを再開できる。
図10は、パルストリガモードでのミラーリングの詳細を説明するためのフローチャートであり、ミラーリング元の信号表示灯1が制御周期毎に繰り返し実行する動作例を表す。CPU50は、入力回路53に入力される入力信号(入力1〜3)を参照して、入力1〜3が変化したかどうかを判断する(ステップS41)。変化があれば(ステップS41:YES)、CPU50は、入力信号(入力1〜3)に対応するグループ番号Gを特定する(ステップS46)。そして、CPU50は、特定されたグループ番号Gを構成する複数の表示パターンのうちの最初の表示パターンに対応する表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す。具体的には、CPU50は、パターン番号pを初期値「1」に設定し(ステップS45)、インデックス(G,1)の表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS44)。この表示制御情報に対応する表示制御信号が、表示部駆動ユニット51に与えられる。こうして、設定されたグループ番号Gの最初の表示パターンでの表示が行われる(ステップS45)。タイムトリガモードの表示制御情報とパルストリガモードの表示制御情報とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
一方、入力信号(入力1〜3)に変化がなければ(ステップS41:NO)、CPU50は、入力4にパルス信号が入力されたかどうかを監視する(ステップS42)。たとえば、CPU50は、入力4への信号入力がオフからオンに変化したかどうかを監視する。パルス信号の入力がなければ(ステップS42:NO)、今制御周期での処理を終了する。すなわち、表示部12の表示状態は従前のままとなる。パルス信号が入力されると(ステップS43:YES)、CPU50は、パターン番号pを+1インクリメントし(ステップS43)、そのインクリメント後のパターン番号pを用いて、インデックス(G,p)の表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS44)。したがって、新たな表示制御情報に対応する表示制御信号が表示部駆動ユニット51に与えられるので、表示部12における表示パターンが次のパターンへと更新される(ステップS45)。なお、パターン番号pが最大値nに達したときには、次のパターン番号pは初期値「1」としてもよい。また、パターン番号pが最大値nに達した後は、パターン番号pを最大値nに保持し、最後のパターン番号nに対応する表示が継続されてもよい。
このような動作の繰り返しによって、グループ番号Gが更新されると、その後に入力4へのパルス信号入力があるたびに、表示パターンが遷移していく。それにより、パルス信号の入力数に応じて変動する表示が実現される。たとえば、信号灯制御装置2が、対応する生産装置の生産状況の進捗(たとえば部品の使用数等)に応じて入力4にパルス信号を入力するならば、信号表示灯1において、生産状況の進捗を表示することができる。
図11は、ミラーリング元の信号表示灯からミラーリング先の信号表示灯への通信に関する動作(送信処理)の例を説明するためのフローチャートである。CPU50は、ミラーリング先の信号表示灯1に対してネットワークインタフェース17を介して接続要求を送出する(ステップS51)。ミラーリング先の信号表示灯1から受信確認の応答があると、接続完了となる(ステップS52:YES)。受信確認応答が得られず、接続に失敗した場合には(ステップS52:NO)、接続要求の送出(ステップS51)を繰り返す。接続完了すると(ステップS52:YES)、CPU50は、入力信号(入力1〜3)に変化があったかどうかを判断する(ステップS53)。入力信号(入力1〜3)に変化があれば(ステップS53:YES)、現在(すなわち変化後)の入力信号(入力1〜3)を表す入力情報と、現在のパターン番号pを表す情報とを、ネットワークインタフェース17を介して、ミラーリング先の信号表示灯1に送信する(ステップS54)。入力信号(入力1〜3)に変化がなければ(ステップS53:NO)、CPU50は、所定の待機時間(たとえば10秒)が経過したかどうかを判断する。この待機時間が経過していなければ(ステップS56:NO)、ステップS53に戻って、入力信号(入力1〜3)の監視を繰り返す。待機時間が経過すると(ステップS56:YES)、CPU50は、現在の入力信号(入力1〜3)を表す入力情報と、現在のパターン番号pを表す情報とを、ネットワークインタフェース17を介して、ミラーリング先の信号表示灯1に送信する(ステップS54)。これらの情報の送信を完了すると(ステップS55:YES)、ステップS53に戻って、入力信号の監視を繰り返す。情報送信に失敗すると(ステップS55:NO)、ステップS51に戻って、接続要求を送出する。
図12は、ミラーリング先の信号表示灯がミラーリング元の信号表示灯からの入力情報等を受信する処理の例を説明するためのフローチャートである。ミラーリング先の信号表示灯1では、この処理が制御周期毎に繰り返し実行される。CPU50は、ミラーリング元からの接続要求を待機し(ステップS61)、接続要求がなければ(ステップS61:NO)、処理を終了する。接続要求があると(ステップS61:YES)、CPU50は、ネットワークインタフェース17を介して、受信確認を送出して、接続を確立させる(ステップS62)。その後、CPU50は、入力情報(入力1〜3)と、現在のパターン番号pを表す情報とを受信すると(ステップS63:YES)、その受信した情報をメモリ54(RAM56)に格納する。その後は、ステップS63に戻って、情報の受信を監視する。一方、入力情報およびパターン番号pが受信されなければ(ステップS63:NO)、CPU50は、ミラーリング元との接続が切断されたかどうかを調べる(ステップS65)。接続が切断されると(ステップS65:YES)、処理を終える。接続が切断されていなければ、ステップS63に戻って、入力情報等の受信を待機する。
図13は、パルストリガモードにおけるミラーリング先の信号表示灯の動作例を説明するためのフローチャートである。ミラーリング先の信号表示灯1では、この処理が制御周期毎に繰り返し実行される。CPU50は、ミラーリング元との接続が確立されているかどうかを判断し(ステップS71)、接続が確立されていなければ(ステップS71:NO)、表示部駆動ユニット51に対して、全ての表示ユニット20を消灯状態とするための表示制御信号を与えて(ステップS72)、今制御周期の処理を終える。
一方、ミラーリング元との接続が確立されている場合には(ステップS71:YES)、CPU50は、メモリ54(RAM56)に格納された情報(入力情報およびパターン番号p)を参照し、その情報が表示部12の制御のために現在適用している情報から変化したかどうかを判断する(ステップS73)。変化があれば(ステップS73:YES)、CPU50は、受信した入力情報(入力1〜3)に対応するグループ番号Gを特定する(ステップS74)。また、CPU50は、パターン番号pに対して、メモリ54に格納されている値(ミラーリング元から受信したパターン番号p)を代入する(ステップS75)。そして、CPU50は、インデックス(G,p)の表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS76)。この読み出された表示制御情報に対応する表示制御信号が、表示部駆動ユニット51に与えられる。こうして、ミラーリング元から与えられた入力情報(入力1〜3)と、ミラーリング元から与えられたパターン番号pとに対応した表示パターンでの表示が達成される。したがって、ミラーリング元とミラーリング先との各信号表示灯1において同じ表示制御情報が共有されていれば、ミラーリング先の信号表示灯1において、ミラーリング元と同様の表示が実現される。
入力情報またはパターン番号pに変化がなければ(ステップS73:NO)、今制御周期での処理を終える。すなわち、表示部12の表示状態は従前のままとなる。
前述のとおり、ミラーリング元の信号表示灯1は、入力信号が変化した場合だけでなく、所定時間(たとえば10秒)の周期で入力情報等を繰り返し送出する(図11参照)。これにより、ミラーリング元およびミラーリング先の信号表示灯1の間で通信障害が生じた場合でも、ミラーリング動作を復旧できる。より具体的には、ミラーリング先の信号表示灯1の電源が一時的に遮断されると、電源遮断前に受信した情報、すなわち、入力情報およびパターン番号pの情報が失われる。そこで、ミラーリング元の信号表示灯1の入力信号に変化がなくても、所定時間(たとえば10秒)の経過によって、ミラーリング元からミラーリング先に入力情報およびパターン番号pの情報が与えられる。それにより、ミラーリング先の信号表示灯1は、電源復旧後に、それらの情報を取得できる。それにより、ミラーリング動作を再開できる。
このように、パルストリガモードでのミラーリング実行中に、ミラーリング元とミラーリング先との間の通信障害が発生した場合の動作は、タイムトリガモードの場合と同様である。ただし、パルストリガモードの場合には、入力情報に加えて、パターン番号pの情報もミラーリング元からミラーリング先に送信される。それにより、通信障害からの復旧後には、ミラーリング先の信号表示灯1において、ミラーリング元と同様の進捗表示を再開できる。
このようにこの実施形態によれば、ネットワーク3を介して通信可能に接続された信号表示灯1の間でミラーリングを行うことができる。たとえば、信号表示灯1Eをミラーリング元とし、信号表示灯1Aをミラーリング先に設定すると、信号表示灯1Aの近くにいる使用者(たとえば管理者)は、直接視認することができない遠くの信号表示灯1Eの表示状態を近くの信号表示灯1Aの表示状態を目視することで確認できる。それにより、生産装置Eの近くまで移動することなく、生産装置Eの稼働状況を把握できる。しかも、信号表示灯1は、或る程度遠くからでも点灯状態を目視できるように構成されており、しかも発光による報知の方向も信号表示灯1の周囲の広い範囲に渡っている。したがって、使用者は、信号表示灯1Aの周囲の広い範囲から信号表示灯1Aを目視できるので、自由な位置にいることができ、場合によっては、別の作業に従事しながら信号表示灯1Aの表示状態を確認することも可能である。これにより、利便性に優れた信号表示灯システムを提供できる。
そして、この実施形態では、タイムトリガモードおよびパルストリガモードにおいてもミラーリングが可能である。したがって、経過時間表示や進捗表示についても、ミラーリングを利用して、遠くに位置する信号表示灯1の表示状態(すなわち、生産装置の稼働状況)を遠隔監視することができる。これにより、一層利便性に優れた信号表示灯システムを提供できる。しかも、ミラーリング元とミラーリング先との間で所定の待機時間の間隔で周期的に通信が行われることにより、通信障害が生じた場合でも、その復旧時には、ミラーリングを再開することができる。これにより、さらに利便性に優れた信号表示灯システムを提供できる。
図14および図15は、この発明の第2の実施形態に係る信号表示灯システムの動作を説明するためのフローチャートである。この実施形態の説明において、前述の図1〜図13を再び参照する。図14および図15には、タイムトリガモードにおけるミラーリングに関する動作が示されている。より具体的には、図14は、ミラーリング元の信号表示灯における送信処理が表されており、前述の図6の送信処理の代わりに実行される。図14において、図6に示したステップと同様の処理が行われるステップは図6中と同一参照符号で示す。図15は、ミラーリング先の信号表示灯における受信処理が表されており、前述の図7の受信処理の代わりに実行される。図15において、図7に示したステップと同様の処理が行われるステップは、図7中と同一参照符号で示す。
前述の第1の実施形態では、ミラーリング元およびミラーリング先の信号表示灯1において、共通の表示制御情報が予め不揮発性メモリ55に書き込まれて共有される。これに対して、第2の実施形態では、ミラーリング動作が開始されると、ミラーリング元の信号表示灯1(たとえば図1の信号表示灯1E)からミラーリング先の信号表示灯1(たとえば図1の信号表示灯1A)に対して、表示制御情報が送信される。ミラーリング先の信号表示灯1は、その表示制御情報を受信して、自身の不揮発性メモリ55に書き込む。それにより、ミラーリング元およびミラーリング先の信号表示灯1(たとえば、信号表示灯1E,1A)は、共通の表示制御情報を保有することになる。
より具体的に説明すると、図14に示すように、ミラーリング元の信号表示灯1のCPU50は、ミラーリング先の信号表示灯との接続が確立されると(ステップS12:YES)、不揮発性メモリ55から表示制御情報を読み出し、その表示制御情報をネットワークインタフェース17を介して、ミラーリング先の信号表示灯1へと送信する(ステップS81)。その後は、CPU50は、入力信号の変化(ステップS13)または所定の待機時間(たとえば10秒)の経過(ステップS16)に応答して、最新の入力情報を送信する(ステップS14)。
一方、図15に示すように、ミラーリング先の信号表示灯1では、ミラーリング元との接続が確立され(ステップS22)、ミラーリング元から表示制御情報が送られてくると、CPU50は、その表示制御情報をネットワークインタフェース17を介して受信する(ステップS91)。そして、CPU50は、その受信した表示制御情報をメモリ54(不揮発性メモリ55またはRAM56)に書き込む(ステップS92)。このとき、従前の表示制御情報に上書きするのではなく、その従前の表示制御情報は不揮発性メモリ55内に保持されることが好ましい。その後は、CPU50は、ミラーリング元から入力情報が受信されるたびに(ステップS23)、その入力情報をメモリ54(RAM56)に書き込む動作を繰り返す。CPU50が入力情報に対応する表示制御情報を読み出すとき(図8のステップS36)、読出対象の表示制御情報は、ミラーリング元から受信した表示制御情報である。
ミラーリング元との接続が切断されると(図15のステップS25:YES)、CPU50は、読出対象の表示制御情報を従前の表示制御情報に復帰させる(ステップS93)。
パルストリガモードのミラーリングに関しても同様の動作が可能である。具体的には、ミラーリング元の信号表示灯1において実行される前述の図11の送信処理において、ミラーリング先との接続が確立された後に(ステップS52)、表示制御情報をミラーリング先に送信すればよい。そして、ミラーリング先の信号表示灯1において実行される前述の図12の受信処理において、ミラーリング元との接続が確立された後に(ステップS62)、ミラーリング元から送られてくる表示制御情報を受信し、その表示制御情報を不揮発性メモリ55に書き込めばよい。また、ミラーリング元との接続が切断されたときには、不揮発性メモリ55からの読出対象の表示制御情報を従前の表示制御情報に復旧させればよい。
このように、この実施形態では、ミラーリングが開始されると、ミラーリング元の信号表示灯1からミラーリング先の信号表示灯1に対して表示制御情報が送信され、それによって、同じ表示制御情報が共有される。したがって、ミラーリング元およびミラーリング先の信号表示灯1に対して、事前に、共通の表示制御情報を書き込んでおく必要がない。それにより、信号表示灯システムを構成する複数の信号表示灯1において個別の表示制御情報を設定しておくことができ、個々の信号表示灯1において、個別に適切な表示を行わせることができる。その一方で、ミラーリングが必要なときには、その都度、表示制御情報が共有されるので、ミラーリング動作も適切に行える。
以上、この発明の2つの実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、情報処理端末装置10によって各信号表示灯の制御方式(信号線制御方式またはコマンド制御方式)が設定されている。しかし、制御方式の切換えが各信号表示灯1において自動で生じるように構成することもできる。具体的には、信号線制御方式を既定の制御方式とする一方で、ミラーリング元の信号表示灯1からの接続要求を受けて接続が確立されると、コマンド制御方式に自動的に移行するように制御ユニット15をプログラムしてもよい。そして、ミラーリング元の信号表示灯1との接続が遮断されると、信号線制御方式に自動的に復旧するように、制御ユニット15をプログラムしてもよい。
また、前述の実施形態では、ミラーリング元とミラーリング先とで表示制御情報を共有しておくことによって、ミラーリング動作時にネットワーク3を介して送受信されるデータ量を抑制している。しかし、ネットワーク3のトラフィック容量に余裕がある場合には、ミラーリング元とミラーリング先とで表示制御情報を共有することなく、ミラーリングを実現することもできる。具体的には、ミラーリング元からミラーリング先に対して、ミラーリング元の表示部12の表示状態を直接的に表す表示状態データを、入力情報として、送信してもよい。表示状態データは、表示部12を構成する表示ユニット20のそれぞれのフルカラーデータであってもよい。このようにすれば、ミラーリング元とミラーリング先とで事前に表示制御情報を共有しておく必要がない。
また、前述の実施形態では、パルストリガモードのミラーリングにおいて、入力情報およびパターン番号pをミラーリング元からミラーリング先に送信している。このような動作を行う代わりに、入力信号(入力1〜4)が変化したときにミラーリング元からその変化後の入力信号に対応する入力情報だけをミラーリング先に送信し、ミラーリング先では、入力4が変化したとき(すなわち、パルス信号の入力に対応する変化があったとき)にパターン番号pをインクリメントする処理を行ってもよい。すなわち、ミラーリング先の信号表示灯1では、ネットワーク3からネットワークインタフェース17を介して受信される入力情報(入力1〜3に対応する部分)の変化をトリガとしてパターン番号pが初期値「1」にリセットされる。そして、ネットワーク3からネットワークインタフェース17を介して受信される入力情報のうちパルス信号(入力4)に対応する情報の変化に応答して、パターン番号pがインクリメントされる。その結果、表示部12において、入力情報(入力1〜3)に対応し、かつパルス信号(入力4)の入力数に応じて変動する表示を行える。それにより、表示部12は、積算量/積算数表示(進捗表示)を行うことができる。入力情報(入力1〜3)およびパルス信号(入力4)は、ミラーリング元の入力信号に対応しているので、ミラーリング元と同様な積算量/積算数表示(進捗表示)が表示部12で行われることになる。ただし、この場合でも、待機時間ごとの周期的な送信タイミングでは、入力情報とパターン番号pとがミラーリング元からミラーリング先に送信され、入力元と入力先とでパターン番号pの同期を取ることが好ましい。
また、前述の実施形態では、信号表示灯1A〜1Eが生産装置A〜Eにそれぞれ対応付けられている構成について説明したが、他の信号表示灯の表示状態を模擬するミラーリング専用の信号表示灯が設けられてもよい。このような信号表示灯は、コマンド制御方式に設定されることになる。コマンド制御方式に設定された信号表示灯は、その電源投入時、またはコマンド制御方式による動作開始時に、ミラーリング元に対して、動作開始を通知してもよい。たとえば、前述の第2の実施形態の場合には、このような動作開始の通知に応答して、ミラーリング元の信号表示灯が、表示制御情報を送出してもよい。この場合、動作開始の通知には、表示制御情報の送信要求が含まれていてもよい。
また、前述の実施形態では、通信障害の例として、ミラーリング先の信号表示灯の電源が遮断される場合について説明したが、通信障害はネットワーク3を介する通信経路の不具合等の他の原因でも生じ得る。
さらに、前述の実施形態では、生産装置A〜Eの間を接続するネットワーク3を利用して、複数の信号表示灯1が接続されているが、むろん、生産装置A〜Eを接続するネットワークと、複数の信号表示灯を接続するネットワークを別に設けてもよい。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。