JPWO2018070449A1 - ゴム組成物及びその製造方法、並びにタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びその製造方法、並びにタイヤ Download PDF

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Abstract

タイヤ等のゴム物品の氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物を提供する。ゴム組成物は、ゴム成分と、繊維状又は扁平状の粒子とを含むゴム組成物であって、前記粒子が凝集塊を構成し、前記凝集塊の平均凝集径が10μm以上1000μm以下である、ことを特徴とする。

Description

本発明は、ゴム組成物及びその製造方法、並びにタイヤに関する。
スパイクタイヤが規制されて以来、氷雪路面上でのタイヤの制動性や駆動性を向上させるため、種々の検討が行われている。例えば、特開2014−227487号公報(特許文献1)では、非ゴム成分を除去して高純度化し、且つ、酸性化合物の処理等によりゴム成分のpHを所定範囲に調整した改質天然ゴムと、カーボンブラック等の充填剤とを用いることで、補強性を高めるとともに、スタッドレスタイヤに求められる氷上性能等を改善できることが提案されている。
特開2014−227487号公報
しかしながら、上記従来の技術は、ゴム成分のpHを調整して保存中の分子量の低下を抑制することを狙いとするものであるため、タイヤの氷上性能を抜本的に向上させるのには限界がある。
そこで、本発明の目的は、タイヤ等のゴム物品の氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物、及び、タイヤ等のゴム物品の氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物を製造することができる、ゴム組成物の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、氷上性能が向上したタイヤを提供することにもある。
すなわち、本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、繊維状又は扁平状の粒子とを含むゴム組成物であって、前記粒子が凝集塊を構成し、前記凝集塊の平均凝集径が10μm以上1000μm以下である、ことを特徴とする。
また、本発明のゴム組成物の製造方法は、上述した本発明のゴム組成物を製造するための方法であって、繊維状又は扁平状の粒子をゴム成分に配合して粒子含有混合物を得る工程と、前記粒子含有混合物を混練する工程と、を含み、前記粒子含有混合物を混練する時間が5分間以下である、ことを特徴とする。
そして、本発明のタイヤは、上述したゴム組成物をトレッド部に備えることを特徴とする。
本発明によれば、タイヤ等のゴム物品の氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物、及び、タイヤ等のゴム物品の氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物を製造することができる、ゴム組成物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、氷上性能が向上したタイヤを提供することができる。
繊維状又は扁平状の粒子を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態のゴム組成物に係る、表面の顕微鏡画像を二値化処理した模式図である。 本発明の別の実施形態のゴム組成物に係る、表面の顕微鏡画像を二値化処理した模式図である。
以下、本発明を、実施形態に基づき詳細に説明する。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、ゴム成分及び粒子を含む。そして、この粒子は、繊維状又は扁平状であり、また、ゴム組成物中で凝集塊を構成する。
一般に、例えば車が氷雪路面を走行する際には、該氷雪路面とタイヤとの摩擦熱等によって水膜が生成し、この水膜が、タイヤと氷雪路面との間の摩擦係数を低下させて、氷上性能を悪化させる原因になっているといわれている。この点に関し、本発明の一実施形態のゴム組成物は、所定形状の粒子を含むため、このゴム組成物を例えばタイヤのトレッド部等のゴム部材に用いれば、当該ゴム部材の表面粗さが実質的に高まるとともに、粒子が上述した水膜の粘度を上昇させて、摩擦係数(静止摩擦係数及び動摩擦係数)の低下を抑制することができる。また、上述したトレッド部等のゴム部材の表面には、島相として、凝集塊を構成する粒子が存在するため、水膜と接触し得る当該島相の1つ当たりの面積が大きく、これにより、ゴム部材の表面粗さが一層高くなっている。更に、凝集塊は一定量の間隙を有するため、上述したトレッド部等のゴム部材の表面では、凝集塊の存在により吸水機能が向上して、水膜をより効果的に除去することができる。これらの作用が相まって、本発明の一実施形態のゴム組成物は、ゴム物品の氷上性能を効果的に向上させることができると考えられる。
なお、本発明の一実施形態のゴム組成物は、ゴム成分及び粒子以外に、任意の他の成分を含むことができる。
本発明の一実施形態のゴム組成物は、発泡ゴムである(内部に気泡が形成されている)ことが好ましい。これにより、内部に形成された気泡による引っ掻き効果及び排水効果をより高めて、氷上性能を更に向上させることができる。なお、発泡ゴムであるゴム組成物は、例えば、ゴム組成物の製造時に発泡剤を配合することにより、得ることができる。
<ゴム成分>
ゴム成分としては、特に制限はされず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム(NR)のみであってもよく、ジエン系合成ゴムのみであってもよく、天然ゴム及びジエン系合成ゴムを併用してもよい。前記ジエン系合成ゴムとしては、特に制限はされず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<粒子>
本発明において用いる粒子は、繊維状又は扁平状であり、多数集合することにより、ゴム組成物中で凝集塊を構成する。なお、繊維状又は扁平状以外の形状の粒子は、ゴム組成物中で比較的強固な凝集塊として存在することができないか、或いは、ゴム部材の表面粗さを十分に高めることができず、タイヤ等のゴム物品の氷上性能を効果的に向上させることができない。
ここで、本明細書において、粒子に関して「繊維状又は扁平状」とは、粒子の外表面上の任意の2点間の直線距離が最大になる方向(長辺方向)の当該直線距離をa、長辺方向に垂直な方向に当該粒子を切断したときの断面積が最大になる面において、任意の2点間の線分の長さが最大になる方向(短辺方向)の当該長さをb、当該面において、短辺方向に垂直となるように選択される2点間の線分の長さの最大値をtとしたときに、a/tの値が10以上である形状を指すものとする(図1参照)。なお、繊維状又は扁平状の粒子においては、aを「長辺長」、tを「厚み」、bを「短辺長」ということができる。
更に、本明細書において、「繊維状」とは、a/b(長辺長/短辺長)で求められるアスペクト比が1.1以上である形状を指し、「扁平状」とは、当該アスペクト比が1.1未満である形状を指す。「繊維状」には、例えば、棒状、柱状などが含まれ、また、「扁平状」には、例えば、平板状、フレーク状、層状、鱗片状などが含まれる。
また、本発明において用いる繊維状又は扁平状の粒子は、本発明のゴム組成物中で、湾曲していたり、折れ曲がったりして凝集塊を構成してもよい。
なお、本発明の一実施形態のゴム組成物は、繊維状又は扁平状の粒子を含みさえすれば、繊維状又は扁平状以外の形状の粒子を含んでもよい。
また、本発明の一実施形態のゴム組成物は、繊維状又は扁平状の粒子が構成する凝集塊を含みさえすれば、凝集塊を構成しない繊維状又は扁平状の粒子を含んでもよい。ただし、所望の効果を確実に得る観点から、本発明の一実施形態のゴム組成物は、その顕微鏡画像を二値化処理して得られる画像において、繊維状又は扁平状の粒子の面積のうち、平均凝集径が10μm以上1000μm以下である凝集径を構成するものの面積の割合が、50%であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
本発明の一実施形態のゴム組成物における、上述した繊維状又は扁平状の粒子によって構成される凝集塊は、平均凝集径が10μm以上であり、また、1000μm以下であることを要する。凝集塊の平均凝集径が10μm未満であると、タイヤのトレッド部等のゴム部材の表面粗さを十分に高めることができず、タイヤ等のゴム物品の氷上性能の向上効果を十分に得ることができない。また、凝集塊の平均凝集径が1000μm超であると、タイヤのトレッド部等のゴム部材の外表面に存在するゴム成分の割合が小さくなり、ゴム成分が本来有する氷上性能及び耐久性等の諸性能を発現させることができない虞がある。
また、本発明の一実施形態のゴム組成物における、上述した繊維状又は扁平状の粒子によって構成される凝集塊は、平均凝集径が、100μm以上であることが好ましく、また、900μm以下であることが好ましい。凝集塊の平均凝集径が100μm以上であることにより、タイヤのトレッド部等のゴム部材の表面粗さを効果的に高めて、タイヤ等のゴム物品の氷上性能の向上効果を確実に得ることができる。また、凝集塊の平均凝集径が900μm以下であることにより、ゴム成分が本来有する氷上性能及び耐久性等の諸性能を十分に発現することができる。
ここで、凝集塊の「凝集径」とは、凝集塊の顕微鏡画像を二値化処理して得られる画像において、任意の2点間の線分の長さの最大値(直径)を指す。また、凝集塊の「平均凝集径」とは、任意に選択した10mm×8mmの長方形領域に存在する全ての凝集塊を対象として、凝集径に関するヒストグラムを作成し、このヒストグラムから求められる凝集径の中央値を指す。
上記凝集塊は、表面に極性基を有することが好ましい。これにより、ゴム成分との強いインターラクションをもたらし、水膜の粘度を効果的に上昇させて、氷上性能をより向上させることができる。極性基としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(−OH)、アミド結合(−NHCO−)、エステル、アルコール/アルコキシ、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO2)、アミン(−NH−)等が挙げられる。これらは、1種単独であってもよいし、2種以上が組み合わされていてもよい。
また、上記凝集塊は、極性基の含有量が0.1g/g以上であることが好ましく、0.2g/g以上であることがより好ましく、0.3g/g以上であることが更に好ましい。
ここで、凝集塊の極性基の含有量は、例えば、Kjeldahl法により求めることができる。
ここで、本発明の一実施形態のゴム組成物においては、上述した粒子のアスペクト比が、1.1以上であることが好ましい。言い換えれば、本発明の一実施形態のゴム組成物においては、上述した粒子が繊維状であることが好ましい。上述した粒子のアスペクト比が1.1以上であれば、凝集塊がより強固で解砕され難いものとなり、ゴム部材の表面粗さが効果的に高くなるとともに、吸水機能が長期的に維持されて、氷上性能を高く保持することができる。同様の観点から、上述した粒子のアスペクト比は、1.5以上であることがより好ましく、1.75以上であることが更に好ましい。
また、上述した粒子のアスペクト比の上限は、特に制限されず、調達容易性などの観点から、上述した粒子のアスペクト比は、10000以下であることが好ましい。
本発明において用いる繊維状又は扁平状の粒子は、有機物質からなるものであっても無機物質からなるものであってもよい。
無機物質としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイヤモンド、シリカ、ガラス、石膏、方解石、蛍石、正長石、水酸化アルミニウム、アルミナ、銀、鉄、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、クレイ等の無機物質が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、有機物質としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セルロース系樹脂(レーヨン系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン系樹脂、アラミド系樹脂など)、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、シリカ系樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、上述したものの中でも、本発明において用いる粒子は、水を吸収して氷上性能をより向上させる観点から、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、又はシリカ系樹脂からなることがより好ましく、セルロース系樹脂からなることが更に好ましい。
本発明の一実施形態のゴム組成物における繊維状又は扁平状の粒子の含有量としては、特に制限されないが、ゴム成分100質量部に対して3質量部以上であることが好ましく、また、100質量部以下であることが好ましい。上記粒子の含有量がゴム成分100質量部に対して3質量部以上であることにより、水膜の粘度を上昇させる効果及び凝集塊の吸水機能の向上効果、ひいては氷上性能の向上効果をより確実に得ることができる。また、上記粒子の含有量がゴム成分100質量部に対して100質量部以下であることにより、凝集塊が過度に大きくなることを回避して、ゴム成分が本来有するエラストマー性、氷上性能及び耐久性等の諸性能を十分に発現することができる。同様の観点から、本発明の一実施形態のゴム組成物における繊維状又は扁平状の粒子の含有量は、ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であることがより好ましく、また、60質量部以下であることがより好ましい。
<ゴム組成物の製造>
そして、本発明の一実施形態のゴム組成物は、例えば、後述する本発明のゴム組成物の製造方法により、製造することができる。
或いは、本発明の一実施形態のゴム組成物は、例えば、複数の繊維状又は扁平状の粒子が極めて強固に絡まり合ってなる所定の凝集径を有する凝集塊を準備して、これをゴム成分と混合し、通常の方法で混練することにより、製造することもできる。
(タイヤ)
本発明のタイヤは、上述した本発明のゴム組成物を、トレッド部に備えることを特徴とする。かかるタイヤによれば、上述したゴム組成物を少なくともトレッド部に用いているため、氷上性能が向上する。従って、本発明のタイヤは、スタッドレスタイヤ、特に乗用車用スタッドレスタイヤとして用いることが好ましい。なお、本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をトレッド部に用いる以外特に制限はされず、常法に従って製造することができる。
(ゴム組成物の製造方法)
本発明のゴム組成物の製造方法は、上述したゴム組成物、即ち、ゴム成分と、繊維状又は扁平状の粒子からなる平均凝集径が10μm以上1000μm以下の凝集塊とを含むゴム組成物の製造方法であり、上述した粒子をゴム成分に配合して粒子含有混合物を得る工程(粒子配合工程)と、粒子含有混合物を混練する工程(混練工程)とを含む。そして、本発明のゴム組成物の製造方法は、混練工程において粒子含有混合物を混練する時間が5分間以下であることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態のゴム組成物の製造方法は、上述した工程以外の工程を含んでもよく、例えば、粒子配合工程の前に、上述した粒子以外の原料をゴム成分に配合して混合物を調製する工程(混合物調製工程)を含んでもよい。
<混合物調製工程>
混合物調製工程は、本発明のゴム組成物の製造方法に任意に含まれる工程であって、繊維状又は扁平状の粒子以外の原料をゴム成分に配合して混合物を調製する工程である。繊維状又は扁平状の粒子以外の原料としては、特に制限されず、従来のタイヤ等のゴム物品用のゴム組成物の調製時に配合され得る、カーボンブラック及びシリカなどの充填剤、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸並びにプロセスオイル等が挙げられる。また、発泡ゴムであるゴム組成物を製造するために、発泡剤を用いることもできる。また、混合物調製工程では、これらの原料を配合した後に、バンバリーミキサー等を用いて混練して、混合物を調製することができる。なお、この混合物調製工程における混練は、硫黄等の加硫剤を用いていない場合には、「A混練」と称することができる。
上記発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、ニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これら発泡剤の中でも、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)が好ましい。これら発泡剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、該発泡剤の配合量は、特に限定されるものではないが、ゴム成分の合計100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲が好ましく、1〜20質量部の範囲が更に好ましい。
<粒子配合工程>
粒子配合工程は、本発明のゴム組成物の製造方法において必須の工程であって、繊維状又は扁平状の粒子をゴム成分又はゴム成分を含む上述した混合物に配合して、粒子含有混合物を得る工程である。なお、粒子配合工程では、特に制限されず、繊維状又は扁平状の粒子とともに、従来のタイヤ等のゴム物品用のゴム組成物の調製時に配合され得る、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤及び老化防止剤を配合することができる。なお、この粒子配合工程における混練は、硫黄等の加硫剤を用いている場合には、「B混練」と称することができる。
また、本発明の一実施形態のゴム組成物の製造方法が上述した混合物調製工程を含まない場合には、粒子配合工程において、繊維状又は扁平状の粒子とともに、従来のタイヤ等のゴム物品用のゴム組成物の調製時に配合され得る、カーボンブラック及びシリカなどの充填剤、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸並びにプロセスオイル等を配合することができる。
ここで、ゴム成分、及び、繊維状又は扁平状の粒子は、ゴム組成物の発明の説明で既述した通りである。
また、繊維状又は扁平状の粒子の配合量は、ゴム成分100質量部に対して3質量部以上であることが好ましく、また、100質量部以下であることが好ましい。上記粒子の配合量がゴム成分100質量部に対して3質量部以上であることにより、得られるゴム組成物において、水膜の粘度を上昇させる効果及び凝集塊の吸水機能の向上効果、ひいては氷上性能の向上効果をより確実に得ることができる。また、上記粒子の配合量がゴム成分100質量部に対して100質量部以下であることにより、得られるゴム組成物において、凝集塊が過度に大きくなることを回避して、ゴム成分が本来有するエラストマー性、氷上性能及び耐久性等の諸性能を十分に発現することができる。同様の観点から、繊維状又は扁平状の粒子の配合量は、ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であることがより好ましく、また、60質量部以下であることがより好ましい。
<混練工程>
混練工程は、本発明のゴム組成物の製造方法において必須の工程であって、上述の粒子配合工程で得られた粒子含有混合物を混練する工程である。この混練工程を経て、ゴム成分と、繊維状又は扁平状の粒子からなる所定の平均凝集径の凝集塊とを含むゴム組成物が得られる。ここで、凝集塊は、ゴム組成物の発明の説明で既述した通りである。
そして、上述した通り、混練工程において粒子含有混合物を混練する時間は、5分間以下であることを要する。粒子含有混合物を混練する時間が5分間を超えると、粒子が混合物又はゴム組成物中で分散し、適度に大きな凝集塊、即ち平均凝集径が10μm以上である凝集塊を存在させることができない虞がある。また、混練工程において粒子含有混合物を混練する時間は、4分間以下であることが好ましい。これにより、配合した粒子から、適度に大きな凝集塊、即ち平均凝集径が10μm以上である凝集塊をより多く形成することができる。同様の観点から、混練工程において粒子含有混合物を混練する時間は、2分間以下であることがより好ましい。
一方、混練工程において粒子含有混合物を混練する時間は、凝集塊を確実に形成する観点から、30秒間以上であることが好ましい。
なお、「粒子含有混合物を混練する時間」とは、混合物中にゴム成分と粒子とが少なくとも存在する状況下で、当該混合物を混練する時間を指す。
混練工程において粒子含有混合物を混練する温度は、130℃以下であることが好ましい。これにより、配合した粒子から、適度に大きな凝集塊、即ち平均凝集径が10μm以上である凝集塊をより多く形成することができる。
なお、「粒子含有混合物を混練する温度」とは、混合物中にゴム成分と粒子とが少なくとも存在する状況下で、当該混合物を混練する際の温度を指す。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
表1に示す配合処方で、ゴム組成物を調製した。なお、表1に示すように、このゴム組成物の調製では、硫黄を配合せずに他の成分を配合して混練するA混練と、その後、硫黄を配合して混練するB混練とを含む調製手順(1)、又は、硫黄を配合せずに他の成分を配合して混練するC混練と、その後、硫黄に加えて発泡剤を配合して混練するD混練とを含む調製手順(2)を採用した。ここで、A混練及びC混練の際の温度を130℃以上に設定し、B混練及びD混練の際の温度を130℃以下に設定した。このとき、各例において、使用する粒子の種類、配合量、及び配合するタイミング(A混練及びB混練のどちらか、又は、C混練及びD混練のどちらか)、並びに粒子を配合した後の混練時間を適宜変えた。これらの条件については、後述する表2〜表5に示す。なお、調製手順(2)を採用することで、得られるゴム組成物の内部に気泡を形成することができる。
Figure 2018070449
*1 ブタジエンゴム:JSR株式会社製、「BR01」、シス−1,4−ポリブタジエン
*2 カーボンブラック:旭カーボン株式会社製、「カーボンN220」、アグロメレートは100nm以上である、
*3 シリカ:日本シリカ工業株式会社製、「ニプシル−VN3」、アグロメレートは100nm以上である
*4 老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製、「ノクラック6C」
*5 加硫促進剤A:ジベンゾチアジルジスルフィド
*6 加硫促進剤B:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
調製したゴム組成物を用いてタイヤのトレッド部(未加硫)を作製し、適所に配設して、生タイヤを作製した。この生タイヤを、165℃で20分間の条件でモールド加硫し、185/70R13の乗用車用ラジアルタイヤを製造した。
得られたタイヤについて、トレッド部における凝集塊の平均凝集径、及び氷上性能を、下記の方法で評価した。
<凝集塊の平均凝集径>
得られたタイヤのトレッドセンター部から、その接地対象表面を含むゴム片サンプルを切り取り、このサンプルの表面のうち、任意に選択した10mm×8mmの長方形領域を顕微鏡にて観察した。次いで、上述の領域の観察画像を二値化処理した。そして、二値化処理した画像から観察される全ての凝集塊を対象として、その凝集径(任意の2点間の線分の長さの最大値)を測定するとともに、この凝集径に関するヒストグラムを作成し、このヒストグラムから求められる凝集径の中央値を、凝集塊の平均凝集径として求めた。結果を表2〜表5に示す。
なお、全ての実施例に係るゴム組成物の上記二値化処理した画像において、繊維状又は扁平状の粒子の面積のうち、平均凝集径が10μm以上1000μm以下である凝集径を構成するものの面積の割合が、50%以上であることを確認した。
また、参考までに、図2に、実施例2のゴム組成物に係る上述の二値化処理した画像の模式図を示し、図3に、実施例4のゴム組成物に係る上述の二値化処理した画像の模式図を示す。図2から、凝集径が約200μmの凝集塊がいくつか確認できるとともに、図3から、凝集径が約800μmの凝集塊が確認できる。
<凝集塊の極性基の含有量>
極性基を有する凝集塊について、当該極性基の含有量を、Kjeldahl法により求めた。結果を表2、表4に示す。
<タイヤの氷上性能>
得られたタイヤを装着した乗用車を、アスファルト路上において200km走行させた後、氷上平坦路を走行させ、時速20km/hの時点でブレーキをかけてタイヤをロックさせ、停止状態になるまでの制動距離を測定した。比較例1のタイヤの制動距離の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、氷上性能に優れることを示す。結果を表2〜表5に示す。
Figure 2018070449
Figure 2018070449
Figure 2018070449
Figure 2018070449
*7 粒子A:日本製紙株式会社製、「KCフロック Y−400」、アスペクト比1.75〜2.0
*8 粒子B:日本製紙株式会社製、「NPファイバー W−06MG」、アスペクト比1.0
*9 粒子C:株式会社光和製、「シリカチョップドファイバー」、アスペクト比300〜1500
*10 粒子D:日本曹達株式会社製、「HPC SL」、アスペクト比10〜50、変性率65%
*11 粒子E:東レ株式会社製、「ナイロンモノフィラメント 120F LS」、アスペクト比20〜1000
*12 粒子F:丸昌産業株式会社製「ポリノジック」の粉砕品
*13 粒子G:東レ・デュポン株式会社製「ケブラー(登録商標)カット・ファイバー」の粉砕品
*14 粒子H:株式会社フジックス製「ポリエステルフィラメントミシン糸 #8」の粉砕品
表2〜表5から、繊維状又は扁平状の粒子によって構成された、平均凝集径が10μm以上1000μm以下である凝集塊を含む実施例に係るゴム組成物は、例えばゴム物品としてのタイヤのトレッド部に用いた場合に、タイヤの氷上性能を効果的に向上させることができることが分かる。
本発明によれば、タイヤ等のゴム物品の氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物、及び、タイヤ等のゴム物品の氷上性能を向上させることが可能なゴム組成物を製造することができる、ゴム組成物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、氷上性能が向上したタイヤを提供することができる。

Claims (8)

  1. ゴム成分と、繊維状又は扁平状の粒子とを含むゴム組成物であって、
    前記粒子が凝集塊を構成し、
    前記凝集塊の平均凝集径が10μm以上1000μm以下である、ことを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記粒子のアスペクト比が1.1以上である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記粒子が、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、又はシリカ系樹脂からなる、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記凝集塊が、表面に極性基を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 発泡ゴムである、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法であって、
    繊維状又は扁平状の粒子をゴム成分に配合して粒子含有混合物を得る工程と、
    前記粒子含有混合物を混練する工程と、を含み、
    前記粒子含有混合物を混練する時間が5分間以下である、
    ことを特徴とする、ゴム組成物の製造方法。
  7. 前記粒子含有混合物を混練する温度が130℃以下である、請求項6に記載のゴム組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド部に備えることを特徴とする、タイヤ。
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