JPWO2018070049A1 - 顕微鏡装置、画像処理方法、及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学素子の操作を精度よく行うことを可能にする。【解決手段】顕微鏡装置は、試料に光を照射する照明光学系と、試料からの光を結像する結像光学系と、像を撮像する撮像部と、撮像部から出力された像を処理する処理装置と、像の情報に基づいていずれかの光学系を構成する構成要素の位置を補正する補正部と、を有する。
Description
本発明は、顕微鏡装置、画像処理方法、及び処理装置に関する。
試料を観察する顕微鏡装置として、例えば、試料に光を照射する照明光学系と、試料からの光を結像する結像光学系と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の第1態様に従えば、試料に光を照射する照明光学系と、試料からの光を結像する結像光学系と、像を撮像する撮像部と、撮像部から出力された像を処理する処理装置と、像の情報に基づいていずれかの光学系を構成する構成要素の位置を補正する補正部と、を有する、顕微鏡装置が提供される。
本発明の第2態様に従えば、試料に光を照射する照明光学系と、試料からの光を結像する結像光学系と、結像光学系による試料の像を撮像する撮像部と、を備える顕微鏡装置において、撮像部で撮像された画像を処理する方法であって、画像から照明光学系または結像光学系を構成する構成要素の像を抽出することと、抽出した構成要素の像の位置とこの構成要素の目標位置との差を算出することと、を含む画像処理方法が提供される。
本発明の第3態様に従えば、試料に光を照射する照明光学系と、試料からの光を結像する結像光学系と、結像光学系による試料の像を撮像する撮像部と、を備える顕微鏡装置の処理装置であって、撮像部で撮像された画像から照明光学系または結像光学系を構成する構成要素の像を抽出する画像処理部と、画像処理部で抽出した構成要素の像の位置とこの構成要素の目標位置との差を算出する演算部と、を備える、処理装置が提供される。
上記した特許文献1に記載の顕微鏡装置では、対物レンズの瞳共役面に配置される光学素子も多く、これらの光学素子を瞳位置に対して正確に位置合わせするための位置合わせ操作(いわゆる瞳芯出し操作)が必要となる。上記した特許文献1は、このような瞳芯出し操作などの光学素子の操作をユーザに提示するといったガイド機能(アシスト機能)を有している。しかしながら、光学素子の操作を単に提示しただけでは、ユーザの感覚に頼って光学素子を操作することになり、個人差が生じやすく、光学素子を精度よく調整(位置合わせ)することが難しいといった問題がある。
以下に説明する実施形態は、ユーザ等により、瞳芯出し操作などの光学素子の操作を精度よく行うことが可能な顕微鏡装置、画像処理方法、及び処理装置を提供することを目的とする。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこの実施形態に限定されない。また、図面においては、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、各図面においては、XYZ座標系を適宜用いて方向を示している。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、矢印の方向が+方向(例、+X方向)であり、その反対方向が−方向(例、−X方向)であるとして説明している。
図1は、本実施形態に係る顕微鏡装置100の一例を示す斜視図である。図2は、顕微鏡装置100を構成する顕微鏡本体10の詳細を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、顕微鏡装置100は、例えば、倒立顕微鏡である。また、顕微鏡装置100は、顕微鏡本体10と、第1照明光学系20と、第2照明光学系30と、結像光学系40と、撮像部60と、処理装置80と、を備える。なお、図3は、顕微鏡本体10の光路を示す図である。なお、本明細書において、照明光学系は、光源を含まない場合と、光源を含む場合の双方の意味で用いている。
顕微鏡本体10は、基台11と、支柱12と、レボルバ支持部13と、駆動装置14と、ステージ15と、を有する。基台11は、例えば、テーブル上などの載置面に載置される。また、基台11内には、反射ミラー、リレーレンズ、フィルタ、及びプリズムなどの不図示の光学素子が収容されており、鏡筒16及び鏡筒ベース16aにわたって光路を形成している。これらの光学素子は、鏡筒16及び鏡筒ベース16a内の光学素子、接眼レンズ17、及び対物レンズ36とともに結像光学系40の一部を形成する。
鏡筒16は、鏡筒ベース16aを介して基台11に着脱可能に設けられる。鏡筒16と鏡筒ベース16aとの間、及び鏡筒ベース16aと基台11との間は、固定ネジ等の不図示の締結部材により固定されている。鏡筒16内には、複数のレンズ、フィルタあるいはプリズムなどの各種光学素子が収容されている。これらの光学素子は、上記のように結像光学系の一部を形成する。鏡筒ベース16aは、後述する撮像部60を有している。撮像部60は、いわゆるカメラユニットである。鏡筒ベース16aは、内部に光分割ミラー等が配置されており、結像光学系40の光路の一部を分岐させて、一方を鏡筒16に接続し、他方を撮像部60に接続している。
接眼レンズ17は、鏡筒16の上部に装着される。接眼レンズ17は、鏡筒16に対して交換可能である。なお、接眼レンズ17の構成は、任意である。接眼レンズ17は、ユーザが目視により画像を確認するために用いられる。なお、図示しないが、接眼レンズ17に代えて画像をCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子(イメージセンサ)により取得してもよい。また、基台11内において、結像光学系40の光路の一部を分岐させて一方を接眼レンズ17に接続し、かつ、他方を上記した撮像素子に接続してもよい。また、撮像素子により取得した画像は、液晶表示装置などのディスプレイ装置に表示させてもよいし、パーソナルコンピュータなどの処理装置に取り込んで画像処理などを行ってもよい。
操作部18は、基台11に設けられる。操作部18は、例えば、ユーザが接眼レンズ17を覗いている状態において手で操作可能なように基台11の側面に配置される。操作部18は、回転可能に設けられており、回転位置(または回転量)に応じて駆動装置14の駆動量を設定したり、駆動装置14の駆動及び停止を行うことが可能である。これにより、操作部18を操作することでレボルバ支持部13の高さ(Z方向の位置)を調整することができる。なお、操作部18は、回転可能であることに限定されない。例えば、レボルバ支持部13を上方または下方に移動させるように駆動装置14を駆動するボタンが設けられてもよい。
接続部19cは、図2に示すように、基台11の上面に形成され、電気的な接続が可能な端子である。接続部19cは、支柱12との接続部分に配置される。接続部19cは、基台11内に配置された基板Mとリード線19aを介して電気的に接続される。また、基板Mは、リード線19bを介して操作部18に電気的に接続される。基板Mは、例えばCPU(Central Processing UNIT)あるいはメモリ等を含み、駆動装置14を含めた各部材の制御部を構成する。基板Mは、操作部18で操作された情報がリード線19bを介して入力され、駆動装置14を制御する信号、及び駆動装置14を駆動するための電力などを、リード線19aを介して接続部19cに出力する。
支柱12は、基台11の上面に取り付けられる。支柱12は、基台11から上方(+Z方向)に延びて配置される。支柱12と基台11とは、固定ネジ等の不図示の締結部材により固定されており、例えば、両者間にスペーサを装着する場合は、この締結部材を外すことにより基台11から支柱12を取り外すことができる。支柱12と基台11との間に装着されるスペーサは、例えば、第3照明光学系が取り付けられる。また、支柱12は、下面に接続部12cを有する。接続部12cは、支柱12が基台11に装着される場合、基台11の接続部19cに接触して接続部19cと電気的に接続される。
また、接続部12cは、不図示のリード線等を介して駆動装置14の駆動源に電気的に接続されている。また、接続部12cは、後述する第1照明光学系20あるいはステージ15などと電気的に接続され、これらを制御する信号の伝達、あるいは駆動用の電力供給を行ってもよい。なお、上記した接続部19c、12cは、支柱12の装着時に電気的な接続を可能とする任意の形状を適用することができる。例えば、支柱12の装着時に平面部どうしが接触することで電気的な接続を確保してもよいし、例えば、一方をピン形状として他方を孔形状とすることにより、支柱12の装着時にピンが孔に挿入されることで電気的な接続を確保してもよい。
レボルバ支持部13及び駆動装置14は、支柱12の+X側の側面に取り付けられ、支柱12から+X方向に延びて配置される。支柱12の+X側の側面は、接眼レンズ17が設置されている方向に向いた面である。従って、レボルバ支持部13及び駆動装置14は、支柱12と接眼レンズ17(鏡筒16)との間に挟まれた空間内に配置される。レボルバ支持部13は、例えば、複数の対物レンズ36(図3参照)を保持し、かつ、回転可能なレボルバを支持する。
レボルバをユーザの手動あるいは電動モータ等の駆動源により回転させることにより、複数の対物レンズのいずれかを光路L(図3参照)に配置することができる。なお、レボルバを回転させる電動モータ等は、レボルバ支持部13に配置されてもよい。駆動装置14は、レボルバ支持部13を昇降させるアクチュエータである。駆動装置14は、例えば、電動モータ等の回転駆動源と、電動モータ等の回転を伝達する歯車列と、歯車列によって回転するカムと、カムによって移動するリンク棒と、を備えており、リンク棒の移動によってレボルバ支持部13を昇降させる。駆動装置14の駆動は、上記したように操作部18によって操作される。
ただし、駆動装置14の構成は任意であり、駆動源とともにラック及びピニオンギアを用いた構成、あるいはボールねじ機構を用いた構成など、任意の構成が適用可能である。なお、レボルバ支持部13の昇降は、駆動装置14で行うことに代えて、ユーザが手動で行ってもよい。
ステージ15は、レボルバ支持部13及び駆動装置14の上方において、支柱12の+X側の側面に取り付けられる。ステージ15は、試料を保持する。ステージ15は、上下方向(Z方向)に貫通する貫通孔を備えている。試料は、ガラス板等の透明な板材に載置された状態、あるいは、ガラス容器などの透明な容器に収容された状態でステージ15に保持される。ガラス板あるいはガラス容器等は、上記した貫通孔に試料が配置されるようにステージ15に保持される。なお、ステージ15は、ガラス板あるいはガラス容器等を所定位置に保持するための治具を備えてもよい。
また、図2に示すように、鏡筒16の−X側には鏡筒ベース16aに固定された支持部12aが配置されており、ステージ15の+X側に設けられた被支持部15aを支持している。このように、支持部12aによって被支持部15aを支持することにより、ステージ15の揺れあるいは振動を抑制している。支持部12aと被支持部15aとは、ボルト等の不図示の締結部材により固定されており、例えば、両者間にスペーサを装着する場合は、この締結部材を外すことにより支持部12aから被支持部15aを取り外すことができる。
また、ステージ15は、X方向及びY方向(水平方向)に移動可能であってもよい。また、ステージ15は、上下方向(Z方向)に沿った方向に移動可能であってもよい。このようなステージ15の移動は、ユーザが手動で行ってもよいし、電動モータ等の駆動源を用いて行ってもよい。駆動源を用いる場合、移動量等に関する制御信号、及び駆動源への電力の供給は、支柱12の接続部12cを介して基台11から行ってもよい。また、ステージ15の移動を操作する操作部が基台11に設けられてもよい。
第1照明光学系20は、支柱12の上部に取り付けられる。第1照明光学系20の出射側は、ステージ15の上方に配置される。第1照明光学系20は、図3に示すように、ステージ15に保持された試料Sに対して透過照明を行う。第1照明光学系20は、光源装置21と、光学系22とを有する。
光源装置21は、可視光(波長がブロードな光)を出射するハロゲンランプあるいは白色LED、LD(レーザダイオード)などに代表される光源である。また、光源装置21は、試料に含まれる蛍光物質を励起させる励起光(活性化光を含む)を出射する光源であってもよい。光源装置21が備える光源の数は、1つでもよいし、複数でもよい。例えば、光源装置21は、射出する光の波長が互いに異なる複数の光源を備え、光源装置21から出射する光の波長を切り替え可能でもよい。また、顕微鏡装置100は、光源装置21を備えなくてもよく、例えば、光源装置21は、顕微鏡装置100に交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡装置100に取り付けられてもよい。
光学系22は、光源装置21の光出射側に配置される。光学系22は、図3に示すように、例えば、レンズ23、ミラー24、レンズ25、位相リング26、コンデンサレンズ27、及びポラライザ(第1偏光板)28、を備える。このうち、レンズ23、ミラー24、レンズ25は、例えば、支柱12の上部に支持された筐体(照射ヘッド)内に収容されている。位相リング26、コンデンサレンズ27、及びポラライザ28は、例えば、上記した筐体とは別に支柱12に支持されている。また、レンズ23及びレンズ25は、1つの光学素子であってもよいし、複数の光学素子が組み合わされてもよい。また、レンズ23またはレンズ25は、なくてもよい。
光学系22は、試料Sに対して透過照明を用いる観察に用いられる。光源装置21から出射した照明光は、レンズ23を透過してミラー24で反射した後、レンズ25を透過する。位相リング26は、レンズ25とコンデンサレンズ27との間の光路に対して挿入及び退避可能に配置される。位相リング26の挿入及び退避は、ユーザが手動で行ってもよいし、不図示の駆動機構により行ってもよい。位相リング26は、例えば光源装置21からの光の位相を1/4λずらすような1/4波長板がリング状に形成され、この1/4波長板の内側及び外側には光を吸収するNDフィルタが配置される。
コンデンサレンズ27は、位相リング26を透過した光が入射する位置に配置され、試料Sに光を照射する。ポラライザ28は、例えば、コンデンサレンズ27から出射した照明光を一方向に偏光して試料Sに照射する。ポラライザ28は、光路Lに対して挿入及び退避可能に配置される。ポラライザ28の挿入及び退避は、ユーザが手動で行ってもよいし、不図示の駆動機構により行ってもよい。
なお、光学系22は、図3の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、図3において、光学系22は、光路がミラー24で折り曲がる光学系であるが、ミラー24を含まず光路が直線的な光学系でもよい。また、例えば、光学系22は、絞り部材などの光学部材を備えていてもよい。また、光学系22に含まれる部材の少なくとも一部は、光学系22に含まれなくてもよく、例えば、光源装置21に含まれてもよい。
第2照明光学系30は、支柱12の−X側の側面に取り付けられる。第2照明光学系30の出射側は、ステージ15の下方に配置される。支柱12には、第2照明光学系30からの光を通すための貫通孔を備えている。第2照明光学系30は、白色光等を用いて、ステージ15に保持された試料Sに対して落射照明を行う。また、第2照明光学系30は、落射照明を行う他に、顕微鏡装置100を蛍光顕微鏡として使用する場合、蛍光物質に対する活性化光あるいは励起光の照射を行う。第2照明光学系30は、落射照明用あるいは蛍光観察用のいずれかに交換可能である。
第2照明光学系30は、図3に示すように、光源装置31と、光学系32とを有する。光源装置31は、光(照明光)を発する光源を含む。第2照明光学系30が落射照明を行う場合、この光源は、LED(発光ダイオード)あるいはLD(レーザダイオード)などの固体光源でもよいし、ランプ光源などでもよい。また、顕微鏡装置100を蛍光顕微鏡として使用する場合、光源装置31は、試料Sに含まれる蛍光物質を活性化する活性化光を含む光、あるいは蛍光物質を励起させる励起光を含む光を発する。なお、光源装置31が備える光源の数は、1つでもよいし、複数でもよい。例えば、光源装置31は、射出する光の波長が互いに異なる複数の光源を備え、例えば蛍光物質の種類に応じて、光源装置31から出射する光の波長を切り替え可能でもよい。また、顕微鏡装置100は、光源装置31を備えなくてもよく、例えば、光源装置31は、顕微鏡装置100に交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡装置100に取り付けられてもよい。
光学系32は、図3に示すように、光源装置31の光出射側に、レンズ33、レンズ34、フィルタユニット35、及び対物レンズ36を備える。光学系32は、落射照明による資料Sに照明光(を照射する場合に用いられる。光源装置31から出射した照明光(活性化光あるいは励起光)は、レンズ33及びレンズ34を透過して、フィルタユニット35に入射する。
フィルタユニット35は、フィルタ35aと、ダイクロイックミラー35bと、フィルタ35cと、を含む。フィルタ35aは、レンズ34から入射した励起光等の波長の光を透過し、励起光等の波長以外の光を遮光する特性を有する。ダイクロイックミラー35bは、フィルタ35aから入射した励起光等を反射し、後述する対物レンズ36からの光(観察光あるいは蛍光)が透過する特性を有する。ダイクロイックミラー35bで反射した光は、対物レンズ36に入射する。対物レンズ36は、ダイクロイックミラー35bで反射した光が入射する位置に配置され、試料Sに光を照射する。フィルタ35cについては、後述する結像光学系40において説明する。
なお、光学系32は、図3の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、図3において、光学系32は、絞り部材などの光学部材を備えていてもよい。また、光学系32に含まれる部材の少なくとも一部は、光学系32に含まれなくてもよく、例えば光源装置31に含まれてもよい。
結像光学系40は、結像光学系40a、結像光学系40b、及び結像光学系40cを含む。結像光学系40aは、試料Sからの光(観察光)の一部を撮像素子61に導く。結像光学系40aは、アナライザ(第2偏光板)37、対物レンズ36、フィルタユニット35、レンズ(第2対物レンズ)41、ミラー42、レンズ44、ミラー45、レンズ46、ビームスプリッタ47、及びレンズ48を備える。これら結像光学系40aは、例えば、基台11(図2参照)内に収容されている。また、撮像素子61は、基台11内に収容されてもよいし、基台11の側面にカメラユニットとして取り付けられてもよい。
本実施形態において、対物レンズ36、及びフィルタユニット35は、上記した光学系32を構成する部材である。アナライザ37は、光路Lに対して挿入及び退避可能に配置される。アナライザ37の挿入及び退避は、ユーザが手動で行ってもよいし、不図示の駆動機構により行ってもよい。アナライザ37は、偏光方向がポラライザ28と直交(クロスニコル)して配置される。アナライザ37が光路Lに挿入された場合、ポラライザ28から出射した照明光は、偏向方向が90度回転しない限り、アナライザ37によって遮光される。ポラライザ28及びアナライザ37はいずれか一方だけでは用いられず、双方が同時に光路Lに挿入または退避するように用いられる。
対物レンズ36は、例えば、その前側焦点を含む面(前側焦点面)がコンデンサレンズ27の後側焦点を含む面(後側焦点面)またはその近傍に配置される。対物レンズ36を通った光(観察光)は、ダイクロイックミラー35bを透過し、フィルタ35cに入射する。フィルタ35cは、試料Sから放射されて対物レンズ36を通った蛍光が透過する特性を有する。フィルタ35cを透過した光は、レンズ25を通ってミラー42で反射した後、レンズ44に入射する。レンズ25とレンズ44との間の光路には、対物レンズ36の前側焦点面(物体面)と光学的に共役な一次像面F1が形成される。一次像面F1には、試料Sの1次像(例、中間像)が形成される。
レンズ44を通った光は、ミラー45で反射してレンズ46を通り、ビームスプリッタ47に入射する。ビームスプリッタ47は、レンズ46から入射した光の一部が透過し、レンズ46から入射した光の一部が反射する特性を有する。ビームスプリッタ47で反射する光の光量と、ビームスプリッタ47を透過する光の光量との比は任意で設定され、例えば、8:2でもよいし、その他の比でもよい。ビームスプリッタ47で反射した光は、レンズ48に入射する。レンズ48は、ビームスプリッタ47で反射した光を撮像素子61に導く。レンズ44、レンズ46、及びレンズ48は、例えばリレー光学系であり、一次像面F1と光学的に共役な二次像面F2を形成する。二次像面F2には、試料Sの2次像(例、最終像)が形成される。
撮像素子61は、二次像面F2の位置またはその近傍に配置され、試料Sの2次像を撮像する。ユーザは、例えば、撮像素子61による撮像画像により試料Sを観察することができる。ただし、撮像素子61を配置するか否かは任意であり、撮像素子61はなくてもよい。
結像光学系40bは、試料Sからの光(観察光)をユーザの視点VPに導く。結像光学系40bは、結像光学系40aの対物レンズ36からビームスプリッタ47までの要素を用いて構成されている。結像光学系40bは、ビームスプリッタ47に入射した光の透過側に、後述する結像光学系40cのビームスプリッタ49を備える。ビームスプリッタ47を透過した光は、ビームスプリッタ49に達する。このビームスプリッタ49を透過した光は、レンズ52を通った後にミラー53で反射して、接眼レンズ17に入射する。レンズ44、レンズ46、及びレンズ52は、例えばリレー光学系であり、一次像面F1と光学的に共役な二次像面F3が形成される。二次像面F3には、試料Sの2次像が形成される。
ユーザは、接眼レンズ17を介して、試料Sの2次像を観察することができる。接眼レンズ17は、例えば、顕微鏡装置100の前面側(図2参照)に配置される。ユーザは、例えば、顕微鏡装置100の前面側にて試料Sを観察し、この位置から試料Sの交換、移動などの操作を行う。
なお、結像光学系40(結像光学系40a及び結像光学系40b)の少なくとも一部は、図3の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、顕微鏡装置100は、結像光学系40aまたは結像光学系40bを備えなくてもよい。
結像光学系40cは、試料Sからの光(観察光)を撮像部60に導く。結像光学系40cは、ビームスプリッタ49、レンズ50、及びシャッタ部51を備える。試料Sからの光(観察光)は、結像光学系40aの対物レンズ36からビームスプリッタ47までの要素を介して、結像光学系40cのビームスプリッタ49に導かれる。結像光学系40cは、ビームスプリッタ49による光の反射側に、レンズ50及び撮像部60の撮像素子61を備える。ビームスプリッタ49を透過した光は、上記したようにレンズ52を通って接眼レンズ17に入射する。
ビームスプリッタ49、レンズ50、及びシャッタ部51は、例えば、鏡筒ベース16a(図2参照)に収容される。撮像素子62を有する撮像部60は、鏡筒ベース16aの−Y側に突出した状態で取り付けられる。この撮像部60は、いわゆるカメラユニットであり、鏡筒ベース16aに対して取り外し可能に固定されている。ビームスプリッタ49は、結像光学系40aから入射した光の一部が透過し、結像光学系40aから入射した光の一部が反射する特性を有する。ビームスプリッタ49で反射する光の光量と、ビームスプリッタ49を透過する光の光量との比は任意で設定され、例えば、8:2でもよいし、その他の比でもよい。
ビームスプリッタ49で反射した光は、レンズ50に入射する。レンズ50は、ビームスプリッタ49で反射した光を撮像素子62に導く。レンズ50は、レンズ44、レンズ46、及びレンズ48とともに、例えばリレー光学系であり、一次像面F1と光学的に共役な二次像面F4が撮像素子62に形成される。二次像面F4には、試料Sの2次像が形成される。撮像部60の撮像素子62は、二次像面F4の位置またはその近傍に配置され、試料Sの2次像を撮像する。ユーザは、例えば、撮像素子62による撮像画像により試料Sを観察することができる。
シャッタ部51は、ビームスプリッタ49の透過側の光路Lに対して挿入及び退避可能に配置される。シャッタ部51が光路Lに挿入される場合、ビームスプリッタ49を透過した光はシャッタ部51により遮光される。シャッタ部51が光路Lから退避した場合、ビームスプリッタ49を透過した光は結像光学系40bのレンズ52側へ導かれる。このように、シャッタ部51は、ビームスプリッタ49より後側において接眼レンズ17に像が達するのを規制する。シャッタ部51は、上記のように鏡筒ベース16aに設けられるが、具体的な構成については別図を用いて後述する。
また、図3に示すように、結像光学系40aは、ベルトランレンズ43を備える。ベルトランレンズ43は、瞳観察光学素子である。ベルトランレンズ43は、基台11の内部に配置され、例えば、光路Lのうち対物レンズ36の瞳の像を視野(例えば撮像素子62)に結ぶ位置に対して挿入及び退避可能に配置される。ベルトランレンズ43の具体的な構成については別図を用いて後述する。光路Lにベルトランレンズ43を配置した場合、二次像面F4(二次像面F2、F3を含む。)には瞳共役面の像(以下、瞳像と称す)が結像される。したがって、撮像部60の撮像素子62は、光路Lにベルトランレンズ43を配置した場合の瞳像を撮像可能である。
この瞳像を撮像部60で撮像することにより、第1照明光学系20、第2照明光学系30、または結像光学系40の構成要素である各光学素子により形成される像が得られる。また、ベルトランレンズ43を退避することにより、試料面の像を撮像部60により撮像することができる。ユーザは、例えば、ベルトランレンズ43を挿入して、撮像素子62による瞳像の撮像画像から、瞳面と共役な面に配置される光学素子を観察することができ、また、ベルトランレンズ43を退避させた試料面の撮像画像から試料面と共役な面に配置される光学素子を観察することができる。なお、本実施形態では、瞳共役面及び試料面と共役な面を撮像素子62で撮像しているが、これに限定されず、瞳共役面からずれた面の像、あるいは試料面と共役な面からずれた面の像を撮像素子62で撮像してもよい。
図1に戻り、処理装置80は、入力装置81と、表示装置82と、画像処理部83と、演算部84と、表示制御部85と、を有する。処理装置80は、CPUあるいはメモリ等を含んで構成され、例えば、パーソナルコンピュータが用いられる。また、処理装置80は、顕微鏡本体10と別の装置として形成されてもよいし、顕微鏡本体10の内部、例えば、基台11内の基板Mにおいて形成されてもよい。また、本実施形態では、撮像部60から出力された像の情報に基づいていずれかの光学系を構成する構成要素の位置を補正する補正部を備える。演算部84は、補正部の一部であってもよい。また、本実施形態では、演算部84を備えなくてもよい。
入力装置81は、処理装置80の操作情報を入力可能である。入力装置81は、例えば、マウス、レバー、タッチパネル、キーボード等、情報を入力可能な各種の機器、装置等が用いられる。入力装置81は、例えば位相リング26、ポラライザ28、アナライザ37等の光学素子の位置及び回転位置を調整するための情報を入力可能である。表示装置82は、処理装置80で処理された情報を表示する。表示装置82は、例えば、液晶パネル等の各種の機器、装置等が用いられる。表示装置82は、例えば、撮像部60の撮像素子62によって撮像された画像を表示可能である。また、撮像素子61(図3参照)によって撮像された画像を表示させてもよい。
画像処理部83は、撮像部60(撮像素子62)で撮像された画像に対してパターンマッチング等の所定の画像処理を行う。画像処理部83は、例えば、撮像素子62で撮像された画像から第1照明光学系20、第2照明光学系30、または結像光学系40の構成要素である光学素子の像を抽出することが可能である。
演算部84は、各種の演算処理を行う。演算部84は、例えば、画像処理部83で抽出した構成要素の像の位置と、この構成要素の目標位置との差を算出する。演算部84は、構成要素を目標位置に移動させる方向あるいは移動量の少なくとも一方を算出する。処理装置80は、構成要素の目標位置に関するデータを予め記憶部等に記憶させておいてもよい。また、処理装置80は、通信部を備えてもよく、この通信部を介して外部の制御装置等から構成要素の目標位置に関するデータ等を入手してもよい。
表示制御部85は、表示装置82の表示を制御する。表示制御部85は、例えば、画像処理部83で抽出した構成要素の目標位置を、撮像素子62で撮像された画像に重ねて表示装置82に表示させる。表示制御部85は、目標位置を、画像に対してコントラストが大きくなるような輝度で表示させてもよいし、点滅させてもよく、また、画像の主たる色と異なる色で表示させてもよい。
表示制御部85は、演算部84の演算結果を表示装置82に表示させる。表示制御部85は、演算部84で算出した方向あるいは移動量といった情報を、対象となっている構成要素の画像とともに表示装置82に表示させる。演算部84で算出した方向は、例えば、表示装置82において、移動方向指示マークとして矢印で表示してもよい。演算部84で算出した移動量は、例えば、画面の一部(例、目標位置の近傍)に数値を表示させてもよい。また、処理装置80は、演算部84で算出した目標位置との差が所定の閾値以下である場合に、調整不要に相当する表示を表示制御部85により表示装置82に表示させてもよい。
図4は、鏡筒ベース16aの一例を示す斜視図であり、(A)は外観を示す図、(B)は内部構成を示す図である。図4(A)に示すように、鏡筒ベース16aは、ボディ63を有する。ボディ63は、基台接続部63aと、鏡筒装着部63bとを有する。基台接続部63aは、基台11の中央部分に対して+X側(ユーザ側)の上面に接続される。鏡筒ベース16aは、基台接続部63aが基台11の上面に設置され、固定ピン等の不図示の締結部材により基台11に取り外し可能な状態で固定される。また、鏡筒装着部63bは、鏡筒16が載置され、固定ピン等の不図示の締結部材により鏡筒16を鏡筒ベース16aに取り外し可能な状態で固定している。この鏡筒ベース16a及び鏡筒16を介して、接眼レンズ17が基台11に指示される。
ボディ63は、撮像素子62を有する撮像部60と、上記したステージ15の被支持部15aを固定する支持部12aと、を備えている。撮像部60は、ボディ63から突出した状態で固定されているが、ボディ63の内部に配置されてもよい。また、ボディ63には、手動切り替えノブ64と、シャッタ操作部65とを備えている。手動切り替えノブ64は、シャッタ操作部65に接続され、ユーザの手動によりシャッタ部51を切り替えるため(開閉するため)に用いられる。したがって、手動切り替えノブ64は、ユーザが把持しやすい形状に形成される。手動切り替えノブ64は、接眼レンズ17の下方又は近傍に配置される。
図4(B)に示すように、シャッタ操作部65は、ユニットボディ65aを有する。ユニットボディ65aは、鏡筒ベース16aに固定される。ユニットボディ65aには、上記したビームスプリッタ49(図3参照)が固定される。シャッタ操作部65は、シャッタボディ66と、ガイド軸67とを有する。シャッタボディ66は、シャッタ部51と一体に形成されている。
シャッタボディ66は、ガイド軸67に沿って移動可能である。ガイド軸67は、ユニットボディ65aに固定される。ガイド軸67は、断面外周が円形の円筒状又は円柱状に設けられるが、これに限定するものではなく、他の形状であってもよい。また、手動切り替えノブ64は、旋回軸64aの端部に取り付けられる。旋回軸64aは、ユニットボディ65aの一部に回転可能に支持されている。なお、シャッタ操作部65及び手動切り替えノブ64の動作については、次の図5及び図6を用いて説明する。
図5及び図6は、それぞれシャッタ操作部65の動作の一例を示す図であり、図5及び図6の(A)が斜視図、図5及び図6の(B)が(A)で示した各矢視図である。また、図5(A)及び(B)は、シャッタ部51が光路から退避した状態を示し、図6(A)及び(B)は、シャッタ部51が光路に挿入された状態を示す。
シャッタ操作部65は、アーム68(図5(B)及び図6(B)参照)と、インターロックスイッチ69(図5(A)及び図6(A)参照)、とを有する。アーム68は、手動切り替えノブ64の旋回軸64aに連結される。アーム68は、旋回軸64aの軸周り方向に旋回軸64aと一体となって旋回可能である。アーム68は、先端側から長手方向に切り欠き部68aを有する。切り欠き部68aの幅は、アーム68の長手方向にわたってほぼ一定に形成されている。切り欠き部68aには、シャッタボディ66に設けられた突起部66aが挿入される。
また、ガイド軸67は、凹部67a、67b(図5(B)及び図6(B)参照)を有する。凹部67a、67bのそれぞれは、シャッタボディ66に設けられた凸部66cが入り込む形状に形成されている。凸部66cは、不図示の弾性体によって突出した状態が保持されており、没入可能である。凹部67a、67bのいずれかに凸部66cが入り込むことにより、ガイド軸67の長手方向においてシャッタボディ66が位置決めされる。凹部67aは、シャッタ部51が光路Lから退避する位置に設けられる。凹部67bは、シャッタ部51が光路Lに挿入される位置に設けられる。
インターロックスイッチ69は、凸部66cがガイド軸67の凹部67aまたは凹部67bに入った状態で作動するように設定される。例えば、凸部66cが凹部67aに入っているときは、シャッタ部51が光路Lを解放しており、接眼レンズ17に像が導かれた状態である。この状態では、ユーザが接眼レンズ17を覗いて目視可能であり、例えば、光源装置21(図3等参照)から出射したレーザ光が接眼レンズ17に達しないようにするなど、インターロックを行うようにしてもよい。
シャッタ部51の開閉動作について説明する。図5(A)及び(B)に示す状態から、ユーザが手動切り替えノブ64を図中反時計回りに回転させることにより、旋回軸64a及びアーム68が同じく図中反時計回りに旋回する。このアーム68の旋回により、切り欠き部68aに挟まれた突起部66aが図中左方向に引っ張られ、凸部66cが凹部67aから外れて、シャッタボディ66がガイド軸67に沿って図中左方向に移動する。
シャッタボディ66が図中左方向に移動して、凸部66cが凹部67bに入り込むことにより、図6(A)及び(B)に示すように、シャッタ部51が光路Lに挿入された状態となり、シャッタボディ66がユニットボディ65aに対して位置決めされる。なお、この状態でインターロックスイッチ69のスイッチがオンになるように構成されてもよい。また、シャッタ部51が光路Lを閉じているので、ユーザが接眼レンズ17を覗いても像を目視できない。
また、図6(A)及び(B)に示す状態から、ユーザが手動切り替えノブ64を図中時計回りに回転させることにより、旋回軸64a及びアーム68が同じく図中時計回りに旋回する。このアーム68の旋回により、切り欠き部68aに挟まれた突起部66aが図中右方向に引っ張られ、凸部66cが凹部67bから外れて、シャッタボディ66がガイド軸67に沿って図中右方向に移動する。シャッタボディ66が図中右方向に移動して、凸部66cが凹部67bに入り込むことにより、図5(A)及び(B)に示すように、シャッタ部51が光路Lから退避した状態に戻り、シャッタボディ66がユニットボディ65aに対して位置決めされる。
なお、図5及び図6に示す構成は、シャッタ部51の開閉をユーザが手動で行う場合について説明しているが、この構成に限定されない。例えば、電動モータ等の駆動源により旋回軸64aを回転させてもよい。この場合、ユーザは、シャッタ部51の開閉を行うために電動モータ等のスイッチを操作してシャッタ部51の開閉を行ってもよい。
図7から図9は、基台11の内部構成の一例を示す図である。図7は、内部構成を底面側から見た図であり、図8は、内部構成を側面側から見た図である。なお、図7及び図8では、ベルトランレンズ43が光路Lに挿入された状態を示している。図7及び図8に示すように、基台11の内部には、支持基板70が配置される。支持基板70は、例えばXY平面に平行に配置される。支持基板70は、ミラー42、ベルトランレンズ43、レンズ44、及びミラー45を支持する。これらミラー42、ベルトランレンズ43、レンズ44、及びミラー45は、支持基板70の裏面側(−Z側)に配置される。
また、支持基板70には、ベルトランレンズ駆動機構(素子操作部)71が取り付けられる。ベルトランレンズ駆動機構71は、光路挿脱ハンドル72と、X位置調整ハンドル73と、第1軸74と、第1連結部75と、第2軸76と、第2連結部77とを有する。光路挿脱ハンドル72は、基台11の+X側から顕微鏡本体10の外部に突出している(図2参照)。光路挿脱ハンドル72は、例えばX軸に平行な軸X1の軸周り方向に回転可能である。光路挿脱ハンドル72は、径方向に突出する突起部72aを有する。ユーザが突起部72aの突出方向を確認することにより、光路挿脱ハンドル72の回転位置が判別可能となっている。
第1軸74は、X方向に沿って配置される。第1軸74は、光路挿脱ハンドル72と一体となっている。第1軸74は、例えば円筒状等の中空状に形成される。第1軸74は、光路挿脱ハンドル72と軸X1を共有する。第1軸74は、軸受78、79により軸X1の軸周り方向に回転可能に支持される。軸受78、79は、固定部材により支持基板70に固定される。また、第1軸74は、軸X1の軸線方向(X方向)への移動が規制された状態で支持される。
第1連結部75は、第1軸74とベルトランレンズ43とを連結する。第1連結部75は、軸端部75aと、板状部材75bと、棒状部材75cと、カバー部材75dと、を有する。軸端部75aは、第1軸74と一体となっている。軸端部75aは、光路挿脱ハンドル72及び第1軸74と軸X1を共有する。軸端部75aは、軸X1の軸周り方向に回転可能である。板状部材75bは、軸端部75aに固定される。軸端部75aが軸X1の軸周り方向に回転する場合、板状部材75bは、軸X1の軸周り方向に回転する。
棒状部材75cは、板状部材75bの−X側の面に固定される。棒状部材75cは、軸X1から離れた位置から−X方向に延びて配置される。カバー部材75dは、内部にベルトランレンズ43を収容する。カバー部材75dは、−Z側の面に案内孔75eを有する。案内孔75eは、X方向に延びた長穴である。案内孔75eは、カバー部材75dの内外を貫通して設けられる。また、カバー部材75dは、ガイド部75fによってY方向に移動可能である。
X位置調整ハンドル73は、光路挿脱ハンドル72の内側に配置され、光路挿脱ハンドル72から+X方向に突出して設けられる。X位置調整ハンドル73は、光路挿脱ハンドル72と共に基台11の+X側から顕微鏡本体10の外部に突出している。X位置調整ハンドル73は、光路挿脱ハンドル72に対して独立してX方向に移動可能であり、かつ軸X1周りに回転可能である。また、X位置調整ハンドル73の一部は、支持基板70に取り付けられる固定部70a(図8参照)の+X側の端部内周に設けられたネジ部とネジ結合している。
第2軸76は、X方向に沿って配置される。第2軸76は、X位置調整ハンドル73と一体となっている。第2軸76は、例えば円柱状又は円筒状に形成される。第2軸76は、第1軸74の内部に配置される。第2軸76は、第1軸74に対して軸X1の軸周り方向に相対的に回転可能である。X位置調整ハンドル73を回転させた場合、上記した固定部70aとのネジ結合によって、X位置調整ハンドル73(第2軸76)が光路挿脱ハンドル72(第1軸74)に対してX方向に相対的に移動する。第2軸76は、板状部材75bを貫通して配置される。
第2連結部77は、第2軸76とベルトランレンズ43とを連結する。第2連結部77は、板状部材77aと、レンズ保持部77bとを有する。板状部材77aは、レンズ保持部77bの−X側の端面に取り付けられ、棒状部材75cの一部の外周を挟むように形成されている。第2軸76の−X側の端部は、板状部材77に当接した状態となっている。板状部材77aは、上記のように棒状部材75cの一部の外周を挟んでいるため、板状部材77aは、棒状部材75cに対してX方向に移動可能であり、また、棒状部材75cが軸X1を中心とした回転時にはガイド部75fに沿ってY方向に移動することになる。
レンズ保持部77bは、ベルトランレンズ43を保持する。レンズ保持部77bは、板状部材77aの−X側の面に固定される。なお、レンズ保持部77bは、カバー部材75d内において、スプリング等の不図示の弾性部材により+X方向に向けて弾性力が付与されている。レンズ保持部77bは、板状部材77aが+X方向に移動すると、弾性部材の弾性力によって+X方向に移動する。また、板状部材77aが−X方向に移動すると、弾性部材の弾性力に抗して−X方向に移動する。レンズ保持部77bは、カバー部材75dとの間でX方向に相対的に移動可能である。レンズ保持部77bは、−Z側に突起部77cを有する。突起部77cは、カバー部材75dの案内孔75e内に配置される。レンズ保持部77bがカバー部材75dに対して相対的にX方向に移動する場合、突起部77cは、案内孔75eによりX方向に案内される。このため、レンズ保持部77bは、X方向に沿って移動可能となっている。また、突起部77cが案内孔75eに配置されるため、カバー部材75dとレンズ保持部77bとの相対的な回転が規制されている。
また、X位置調整ハンドル73を回転させると、固定部70a(図8参照)とのネジ結合により、X位置調整ハンドル73は、X方向に移動する。これにより、第2軸76及び板状部材77aを介して、レンズ保持部77bをカバー部材75dに対してX方向に相対的に移動させることができる。すなわち、X位置調整ハンドル73を回転させることにより、レンズ保持部77bに保持されたベルトランレンズ43を、X軸に平行の光路Lに沿って移動させることができる。
ベルトランレンズ駆動機構71は、光路挿脱ハンドル72を軸X1の軸周り方向に回転することにより、ベルトランレンズ43を光路Lに対して挿入し、又は光路Lから退避させることが可能である。図9(A)は、ベルトランレンズ43を光路Lに挿入した状態を示し、(B)は、ベルトランレンズ43を光路Lから退避させた状態を示している。図9(A)に示すように、ベルトランレンズ43が光路Lに挿入された状態では、光路挿脱ハンドル72を軸X1の軸周り方向に回転することで、ベルトランレンズ43を光路Lから退避させることが可能である。
図9(A)に示す状態から、光路挿脱ハンドル72を+X側から見て軸X1の軸周り方向(反時計回りの方向)に回転させる。光路挿脱ハンドル72の回転により、第1軸74、軸端部75a、及び板状部材75bが一体となって軸X1の軸周り方向に回転する。板状部材75bの回転により、棒状部材75cが軸X1の軸周りに移動する。棒状部材75cの移動により、図9(B)に示すように、カバー部材75d及びレンズ保持部77bがガイド部75fにガイドされて−Y方向に移動する。レンズ保持部77bの移動により、ベルトランレンズ43が光路Lから退避される。
また、図9(B)に示すようにベルトランレンズ43が光路Lから退避した状態から、光路挿脱ハンドル72を軸X1の軸周り方向に回転することで、ベルトランレンズ43を光路Lに挿入することが可能である。この場合、光路挿脱ハンドル72を+X側から見て軸X1の軸周り方向(時計回りの方向)に回転させる。光路挿脱ハンドル72の回転により、第1軸74、軸端部75a、及び板状部材75bが一体となって軸X1の軸周り方向に回転する。板状部材75bの回転により、棒状部材75cが軸X1の軸周りに移動する。棒状部材75cの移動により、カバー部材75d及びレンズ保持部77bがガイド部75fにガイドされて+Y方向に移動する。レンズ保持部77bの移動により、ベルトランレンズ43が光路Lに挿入される。
また、ベルトランレンズ43を光路Lに挿入している場合(図9(A)に示す状態)、X位置調整ハンドル73を軸X1の軸周りに回転させることにより、光路挿脱ハンドル72に対するX方向の相対位置が変化する。例えば、X位置調整ハンドル73を+X方向から見て時計回りに回転させると、第2軸76の端部が板状部材77aを−X方向に押して移動させる。板状部材77aの移動により、レンズ保持部77bが弾性部材の弾性力に抗してカバー部材75dに対して−X方向に移動する。レンズ保持部77bの移動により、ベルトランレンズ43が−X方向に移動する。このため、ベルトランレンズ43は、ミラー42から離れ、かつレンズ44に近づくように移動する。
また、例えば、X位置調整ハンドル73を+X方向から見て反時計回りに回転させると、第2軸76の端部が+X方向に移動する。これにより、板状部材77a及びレンズ保持部77bが弾性部材の弾性力によってカバー部材75dに対して+X方向に移動する。レンズ保持部77bの移動により、ベルトランレンズ43が+X方向に移動する。このため、ベルトランレンズ43は、ミラー42に近づき、かつレンズ44から離れるように移動する。このように、X位置調整ハンドル73を回転させることにより、光路Lにおけるベルトランレンズ43の位置を調整することができる。
なお、図7から図9に示す構成は、ベルトランレンズ43の挿入及び退避、並びに光路Lにおけるベルトランレンズ43の移動をユーザが手動で行う場合について説明しているが、この構成に限定されない。例えば、電動モータ等の駆動源により第1軸74あるいは第2軸76を回転させてもよい。この場合、ユーザは、電動モータ等のスイッチを操作してベルトランレンズ43の挿入及び退避、並びに光路Lにおけるベルトランレンズ43の移動を行ってもよい。また、図7及び図9に示すように、支持基板70は、図3に示す第2対物レンズ41(変倍レンズ)を切り替えるための切替部90を備える。切替部90は、例えば、ノブを回転させることにより、複数の第2対物レンズ41を保持する不図示のターレットを回転させて、光路Lに所定の第2対物レンズ41を配置させることができる。
次に、実施形態に係る画像処理方法について説明する。図10は、実施形態に係る画像処理方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、上記した顕微鏡装置100を用いて、第1照明光学系20または結像光学系40の構成要素である光学素子に対して位置合わせ操作(例えば、瞳芯出し操作など)を行う場合の動作について説明する。
また、本実施例形態では、位置合わせ操作を行う手段を補正部と称する。そして、補正部の操作は、使用者が手動で行ってもよいし、操作部を駆動させる補正操作装置を備え、画像情報に基づいて自動で行ってもよい。
補正部は、撮像部60から出力された像の情報に基づいていずれかの光学系(第1照明光学系20、第2照明光学系30、結像光学系40)を構成する構成要素の位置を補正する。また、この補正部は、像の情報と予め定めた構成要素の目標の情報に基づき構成要素の位置を補正する。また、像の情報は、像の位置情報であり、目標の情報は目標位置情報である。
また、本実施例形態では、位置合わせ操作を行う手段を補正部と称する。そして、補正部の操作は、使用者が手動で行ってもよいし、操作部を駆動させる補正操作装置を備え、画像情報に基づいて自動で行ってもよい。
補正部は、撮像部60から出力された像の情報に基づいていずれかの光学系(第1照明光学系20、第2照明光学系30、結像光学系40)を構成する構成要素の位置を補正する。また、この補正部は、像の情報と予め定めた構成要素の目標の情報に基づき構成要素の位置を補正する。また、像の情報は、像の位置情報であり、目標の情報は目標位置情報である。
処理装置80は、ステップST01の撮像素子62による撮像に先だって、調整対象を選択するためのメニュー画像を表示装置82に表示させてもよい。表示装置82に表示されたメニュー画面には、例えば、調整対象となる光学素子の名称などが並んで表示されており、いずれかをマウスあるいはキーボード等の入力装置81で選択することにより、調整対象を決定してもよい。
また、調整対象を決定した後、処理装置80は、選択された光学素子等を調整する際に瞳像が必要であるか否かを判断し、瞳像が必要な場合は、ユーザに対してベルトランレンズ駆動機構71を操作してベルトランレンズ43を光路Lに挿入するように、表示装置82に表示してもよい。この場合、処理装置80は、ベルトランレンズ駆動機構71の操作方法を表示装置82に表示させてもよい。例えば、処理装置80は、表示装置82に光路挿脱ハンドル72の画像を表示し、かつ、回転方向を示す矢印を重ねて表示させてもよい。ユーザは、表示装置82の画面を確認することにより、容易にベルトランレンズ43を光路Lに挿入することができる。
また、処理装置80は、ベルトランレンズ43が適切に光路Lに挿入されたことを不図示のセンサ等で確認して、表示装置82にベルトランレンズ43の挿入完了を表示させてもよい。また、ベルトランレンズ43の挿入及び退避を電動モータ等の駆動源によって行う場合、処理装置80は、ユーザが調整対象を選択した際に、駆動源を駆動させてベルトランレンズ43の挿入を自動で行ってもよい。
また、処理装置80は、ベルトランレンズ43の挿入と同様に、ユーザに対して手動切り替えノブ64を操作してシャッタ部51を光路Lに挿入するように、表示装置82に表示してもよい。この場合、処理装置80は、手動切り替えノブ64の操作方法を表示装置82に表示させてもよい。例えば、処理装置80は、表示装置82に手動切り替えノブ64の画像を表示し、かつ、回転方向を示す矢印を重ねて表示させてもよい。ユーザは、表示装置82の画面を確認することにより、容易にシャッタ部51を光路Lに挿入することができる。
また、処理装置80は、シャッタ部51が適切に光路Lに挿入されたことを不図示のセンサ等で確認して、表示装置82にシャッタ部51の挿入完了を表示させてもよい。また、シャッタ部51の開閉(挿入及び退避)を電動モータ等の駆動源によって行う場合、処理装置80は、ユーザが調整対象を選択した際あるいはベルトランレンズ43を挿入した際に、駆動源を駆動させてシャッタ部51の挿入を自動で行ってもよい。
続いて、図10に示すように、処理装置80は、撮像素子62により、所定の光学素子についての瞳像を撮像させる(ステップST01)。処理装置80は、第1照明光学系20の光源装置21から光を照射させ、二次像面F4の位置に形成された瞳像を撮像素子62により撮像する。なお、処理装置80は、上記したベルトランレンズ43を光路Lに挿入したこと、及び、シャッタ部51を光路Lに挿入したことを確認して光源装置21から光を照射させてもよい。
次に、画像処理部83は、撮像素子62で撮像された画像から構成要素(例えば、対象となる光学素子)の特徴点を抽出する(ステップST02)。ステップST02において、画像処理部83は、撮像された画像と、例えば、記憶部等に記憶された光学素子の複数種類の形状とをパターンマッチング等によって対象の光学素子の特徴点を抽出してもよい。特徴点とは、例えば、光源装置または光学素子などの構成要素の一部または全部の形状、構成要素に基づく輝度、撮像対象及びその近傍で撮像される形状、などである。
次に、演算部84は、画像処理部83で抽出した特徴点と目標との差を算出する(ステップST03)。ステップST03では、例えば、特徴点を抽出した光学素子の位置と、この光学素子の目標位置との差を算出する。続いて、演算部84は、ステップST03で算出した差が適正か否かを判断する(ステップST04)。適正であるとは、例えば、光学素子が目標位置に配置されていること(差が閾値以下であること)、あるいは、撮像対象及びその近傍で不要な状態(例えば気泡や異物など)がないこと、である。
ステップST04で算出した差が適正でない場合(ステップST04のNO)、表示制御部85は、撮像された画像に重ねてアシスト情報を表示装置82に表示させる(ステップST05)。なお、ステップST03において、演算部84は、対象となる光学素子を目標位置に移動させる方向及び移動量の少なくとも一方を算出してもよい。例えば、演算部84は、撮像された画像に基づいて特徴点から光学素子の中心(または重心)位置を算出し、記憶部等に記憶された目標位置と比較することで目標位置との差を算出し、さらに、光学素子を目標位置に移動させる方向及び移動量の一方または双方を算出してもよい。
次に、ステップST04のアシスト情報は、例えば、演算部84が算出した、光学素子を目標位置に移動させる方向、その移動量などの情報を含む。ステップST05において、表示制御部85は、例えば、画像処理部83で抽出した構成要素の目標位置を、画像に重ねて表示装置82に表示させてもよい。また、表示制御部85は、演算部84で算出した方向(光学素子を目標位置に移動させる方向)、あるいは移動量を移動方向指示マークとして矢印により画像に重ねて表示装置82に表示させてもよい。続いて、ユーザは、ステップST04のアシスト情報により、光学素子等を移動させる(ステップST06)。ユーザは、表示装置82に表示された画像及びアシスト情報を確認しながら光学素子を操作することにより、光学素子の位置を容易に調整することができる。なお、光学素子の移動を電動モータ等の駆動源で行うことができる場合は、ユーザが操作する代わりに駆動源を駆動させることにより光学素子を移動させてもよい。
ステップST06の後、ステップST01に戻り、上記したステップST01からST04が繰り返される。なお、ステップST01において、撮像部60は、動画あるいは数μ秒ごとに撮像を行うことにより、光学素子が動く様子を表示装置82にリアルタイムに表示させてもよい。また、ユーザがボタン等を操作して適宜撮像部60で撮像した画像を表示装置82に表示させてもよい。
また、処理装置80は、ステップST04で算出した差が適正である場合(ステップST04のYES)、適正であることを表示装置82に表示させる(ステップST07)。処理装置80は、例えば、ステップST03において演算部84で算出した差が所定の閾値以下である場合、あるいは観察対象及びその近傍に気泡等がない場合に、適正であることの表示(例えば、調整不要または調整完了に相当する表示)を表示制御部85により表示装置82に表示させてもよい。ユーザは、調整不要等の表示を確認することにより、対象の光学素子を移動させる必要がないこと、あるいは観察対象及びその近傍に気泡等がないことを容易に確認することができる。
なお、光学素子の調整は、顕微鏡本体10による観察方法が異なると、調整が必要な光学素子も異なる。処理装置80は、例えば、初期のメニュー画面において複数の観察方法を並べて表示装置82に表示させてもよく、このメニューから観察方法が選択された場合、調整が必要な光学素子を表示装置82に表示させてもよい。これにより、ユーザは、選択した観察方法に必要な光学素子を容易に認識でき、その光学素子を光路Lに手動で挿入させることができる。なお、選択された観察方法に必要な光学素子が電動モータ等の駆動源によって光路Lに対して挿入及び退避する場合、処理装置80は、メニューから観察方法が選択された際に駆動源を駆動して、その観察方法に必要な光学素子が光路Lに自動で挿入されるように駆動源を制御してもよい。
上記のような光学素子の調整が完了した後、試料Sをステージ15(図2参照)に配置し、試料Sの観察を行う。試料Sを観察する際、ベルトランレンズ43及びシャッタ部51の双方を光路Lから退避させる。処理装置80は、上記した光学素子の調整が完了した場合は、試料Sの観察可能に相当する表示を表示装置82に表示させてもよい。また、処理装置80は、ベルトランレンズ43及びシャッタ部51の動作を駆動源によって行う場合、光学素子の調整が完了した後、駆動源を駆動してベルトランレンズ43及びシャッタ部51の双方を光路Lから自動で退避させてもよい。
図11から図14は、表示装置82による表示される例を示している。図11は、位相リング26の位置を調整する場合における表示装置82の表示内容の一例を示す図である。なお、図11では、ベルトランレンズ43及びシャッタ部51の双方を光路Lに挿入した状態で撮像素子62により撮像された画像を用いている。先ず、処理装置80は、対物レンズ36の位相膜の位置を抽出する。位相膜の位置は、位相リング26の目標位置である。処理装置80は、位相リング26を光路Lから退避させた状態で光源装置21から光を照射し、撮像素子62において撮像を行わせる。表示制御部85は、図11(A)に示すように、撮像結果である位相膜の像17aを表示装置82に表示させる。その後、画像処理部83は、撮像結果に基づいて、位相膜の位置を抽出する。なお、処理装置80は、予め記憶部等に記憶させた位置情報に基づいて位相膜の位置を抽出してもよい。
次に、処理装置80は、位相リング26を光路Lに挿入した状態で光源装置21から光を照射し、撮像素子62により位相リング26の像を撮像する。例えば、図11(B)に示す例では、位相膜の像17aと位相リングの像26aとが重なった状態で表示装置82に表示されている。画像処理部83は、位相リングの像26aに基づいて、位相リングの位置(特徴点)を抽出する。
次に、演算部84は、抽出された位相リング26の位置について、目標位置である位相膜の位置との差を算出する。差が閾値以上の場合(差が適正でない場合)、表示制御部85は、演算部84で算出された算出結果に基づいて、例えば、図11(C)に示すように、アシスト情報として、位相リング26を目標位置に移動させる方向を矢印(移動方向指示マーク)91により表示装置82に表示させる。これにより、ユーザは、表示装置82に表示された矢印91の方向に位相リング26を移動させることで、位相リング26を目標位置に容易に合わせることが可能となる。なお、倍率などによっては、目標位置(位相膜)が見えづらいこともあり、例えば、目標位置を強調表示させてもよい。
なお、ユーザが位相リング26を移動させた際、その状況を連続して撮像素子62で撮像し、これを動画として表示装置82に表示させてもよい。これにより、ユーザは、位相リング26を移動させる方向あるいは移動量が正しいかを表示装置82を見ながら容易に確認することができる。また、演算部84は、撮像素子62による撮像ごとに上記算出を行い、算出結果が所定の閾値以上である場合には、矢印91を表示装置82に表示させ続けてもよい。
また、位相リング26の位置と目標位置との差が所定の閾値以下となった場合(差が適正である場合)、処理装置80は、差が適正であるとして、調整不要(または調整完了)に相当する表示、例えば、図11(D)に示すような円形の表示92を表示制御部85により表示装置82に表示させてもよい。表示92は、緑色などに着色されて表示されてもよい。これにより、位相リング26がほぼ目標位置に配置されたことをユーザが確認できる。なお、ユーザによる位相リング26の調整前に、既に位相リング26が目標位置の近傍にある場合(位相リング26の位置と目標位置との差が所定の閾値以下の場合)、図11(D)に示す円形の表示92が当初から表示装置82に表示される。これにより、ユーザは、位相リング26について調整不要であることを容易に確認できる。
図12は、ポラライザ28及びアナライザ37の回転位置を調整する場合における表示装置82の表示内容の一例を示す図である。なお、図12では、ベルトランレンズ43及びシャッタ部51の双方を光路Lに挿入した状態で撮像素子62により撮像された画像を用いている。先ず、処理装置80は、ポラライザ28及びアナライザ37を光路Lに挿入した状態で光源装置21から光を照射させ、撮像素子62により撮像を行う。例えば、図12(A)に示すように、撮像結果である像93が表示装置82に表示される。演算部84は、像93の輝度(特徴点)から目標との差を算出してもよい。
差が適正でない場合、すなわち輝度が所定の閾値より大きい場合、例えば、アシスト情報として、ポラライザ28の回転方向などを表示装置82に表示させてもよい。図12(A)に示す状態から、ユーザがポラライザ28を回転させることにより、図12(B)に示すように、像93の輝度が変化する。ユーザは、表示装置82による像93の輝度を確認しながらポラライザ28を回転させ、図12(C)に示すように、像93の輝度が最も低くなるようにポラライザ28の回転位置を調整する。なお、ポラライザ28とアナライザ37とがクロスニコルの関係となった場合に像93が最も暗くなる(輝度が最も低くなる)。
処理装置80は、例えば、演算部84によって、画像の一部(例えば中央部分)の輝度の値が所定の閾値以下となったか否か、あるいは輝度の値が最小値か否かを判定してもよい。また、演算部84の判定の結果、上記した画像の一部の輝度が所定の閾値以下となった場合、あるいは輝度の値が最小値になった場合(すなわち差が適正である場合)、処理装置80は、適正であるとして、調整不要(または調整完了)に相当する表示、例えば、図12(C)に示すような円形の表示94を表示制御部85により表示装置82に表示させてもよい。表示94は、着色されて表示されてもよい。これにより、ポラライザ28が適切な位置に配置されたことをユーザに知らせることができる。なお、上記ではユーザがポラライザ28を回転させたが、アナライザ37を回転させてもよい。
図13は、気泡が抽出される場合における表示装置82の表示内容の一例を示す図である。なお、図13では、ベルトランレンズ43及びシャッタ部51の双方を光路Lに挿入した状態で撮像素子62により撮像された画像を用いている。例えば、対物レンズ36と試料Sとの間に浸液が供給される場合において、処理装置80は、光源装置21から光を照射させ、撮像素子62により撮像を行う。その結果、例えば、図13(A)に示す画像が撮像され、表示装置82に表示される。
画像処理部83は、撮像された画像から特徴点である気泡を検出する。気泡の検出は、例えば、画像の複数に区分して区分ごとに輝度を求め、気泡に相当する輝度を有する区分に気泡があると検出してもよいし、パターンマッチングにより気泡を検出してもよい。気泡が検出された場合(目標との差が適正でない場合)、例えば、図13(B)に示すように、表示制御部85は、アシスト情報として、気泡に相当する領域に表示96を表示させてもよい。表示96は、赤色などに着色して表示されてもよい。また、演算部84は、気泡の大きさまたは数を算出して、試料Sの観察において良否判定を行ってもよい。ユーザは、表示装置82の画像を見ることにより気泡の存在を容易に確認できる。なお、ユーザは、気泡が資料S観察の支障となると判断した場合、浸液の入れ替え等、気泡の除去を行ってもよい。
また、図13に示す画像は、瞳のフォーカス位置を変えながら撮像素子62により撮像される。瞳のフォーカス位置を変えた画像に基づいて、上記と同様に気泡の検出を行う。処理装置80は、瞳のフォーカス位置の変更を不図示の駆動源により行ってもよい。瞳のフォーカス位置の変更をユーザの手動で行う場合は、変更したフォーカス位置ごとにユーザが撮像してもよいし、処理装置80が撮像してもよい。フォーカス位置の変更幅は、浸液の厚さに対応させてもよい。
図14は、視野絞り像の中心と光軸の中心とを一致させる場合における表示装置82の表示内容の一例を示す図である。なお、図14では、ベルトランレンズ43及びシャッタ部51の双方を光路Lから退避させた状態で撮像素子62により撮像された画像を用いている。視野絞り像は、瞳共役面ではなく試料面(サンプル面)での像を見ている。先ず、処理装置80は、光源装置21から光を照射させ、撮像素子62により撮像を行う。表示制御部85は、例えば、図14(A)に示すように、撮像された画像に重ねて、アシスト情報として、視野絞り像と、特徴点である視野絞り像の中心を示す十字マーク97と、光軸の中心を示す十字マーク98と、両者が一致するか否かを示す判定マーク99と、を表示装置82に表示させる。
図14(A)では、表示装置82の表示画面の中心と光軸の中心とが一致する場合を示しているが、これに限定されず、表示画面の中心と光軸の中心とがずれていてもよい。ユーザは、十字マーク97と十字マーク98とが一致するように、不図示の視野絞りを移動させる。また、演算部84は、例えば、十字マーク97と十字マーク98との差を算出して、図11(C)と同様に、十字マーク97を十字マーク98に移動させる方向を移動方向指示マークとして矢印により表示装置82に表示させてもよい。十字マーク97、98を表示装置82に表示するので、視野絞りを目標位置に容易に合わせることが可能となる。
十字マーク97と十字マーク98とが一致した場合、表示制御部85は、差が適正であるとして、調整不要(または調整完了)に相当する表示、例えば、図14(B)に示すように判定マーク99を太く表示させる。判定マーク99は、緑色などに着色して表示されてもよい。これにより、ユーザは、視野絞りが目標位置に配置されたことを容易に確認できる。
本実施形態に係る顕微鏡装置100は、撮像素子62で撮像された画像から第1照明光学系20または結像光学系40などの構成要素である光学素子の像を抽出し、画像処理部83で抽出した光学素子の像の位置とこの光学素子の目標位置との差を算出し、その方向などを表示するため、目標位置を把握する作業、目標位置に光学素子を移動させる作業などを表示装置82に表示するので、ユーザの感覚に頼る作業が減少し、光学素子等を容易に目標位置に配置することが可能となる。さらに、本実施形態においては、蛍光観察に用いる蛍光照明装置のレーザ出射端の光軸調整も行うことも可能である。
以上、実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上記した実施形態などで説明した態様に限定されない。また、上記した実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上記した実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
また、上記した実施形態では、表示装置82に表示された画像を確認してユーザが手動により光学素子の位置を調整する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、顕微鏡本体10が第1照明光学系20あるいは結像光学系40などの各光学素子(構成要素)を移動させるための駆動装置を備えている場合、処理装置80は、演算部84の算出結果に基づいて、各光学素子に対応する駆動装置を駆動して、各光学素子を目標位置まで移動させるような自動調整を行う構成であってもよい。これにより、ユーザは、光学素子の調整といった手間を省くことができる。
また、上記した実施形態では、顕微鏡装置100は、微分干渉観察を行う機構、位相差観察を行う機構を備えるものでもよい。また、顕微鏡装置100は、実体顕微鏡であってもよい。また、顕微鏡装置100は、対物レンズ36がステージ15の上方に配置される、いわゆる正立顕微鏡であってもよい。
L・・・光路、10・・・顕微鏡本体、20・・・第1照明光学系、30・・・第2照明光学系、40,40a,40b,40c・・・結像光学系、43・・・ベルトランレンズ(瞳観察光学素子)、60・・・撮像部、80・・・処理装置、82・・・表示装置、83・・・画像処理部、84・・・演算部、85・・・表示制御部、91・・・矢印(移動方向指示マーク)、100・・・顕微鏡装置
Claims (24)
- 試料に光を照射する照明光学系と、
試料からの光を結像する結像光学系と、
像を撮像する撮像部と、
前記撮像部から出力された像を処理する処理装置と、
前記像の情報に基づいていずれかの前記光学系を構成する構成要素の位置を補正する補正部と、を有する、顕微鏡装置。 - 前記補正部は、前記像の情報と予め定めた構成要素の目標の情報に基づき前記構成要素の位置を補正する、請求項1または請求項2に記載の顕微鏡装置。
- 前記像の情報は像の位置情報であり、前記目標の情報は目標位置情報である、請求項1または請求項2に記載の顕微鏡装置。
- 前記像の情報は、視野絞りの中心位置である、請求項2または3に記載の顕微鏡装置。
- 前記像の位置と前記目標位置との差を算出する演算部を備える、請求項3または請求項4に記載の顕微鏡装置。
- 前記演算部は、前記構成要素を目標位置に移動させる方向及び移動量の少なくとも一方を算出する、請求項5に記載の顕微鏡装置。
- 前記処置装置は、前記画像を表示する表示装置と、前記表示装置の表示を制御する表示制御部と、を備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
- 前記表示制御部は、前記画像処理部で抽出した前記構成要素の目標位置を、前記画像とともに前記表示装置に表示させる、請求項7に記載の顕微鏡装置。
- 前記表示制御部は、前記演算部の演算結果を前記表示装置に表示させる、請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
- 前記表示制御部は、前記演算部で算出した前記構成要素を目標位置に移動させる方向を移動方向指示マークにより前記表示装置に表示させる、請求項9に記載の顕微鏡装置。
- 前記処理装置は、前記演算部で算出した差が所定の閾値以下である場合に、調整不要に相当する表示を前記表示制御部により前記表示装置に表示させる、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
- 前記結像光学系による試料の像を目視可能な接眼レンズを備え、
前記撮像部より後側において前記接眼レンズに像が達するのを規制するために光路中に挿入されるシャッタ部を備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。 - 前記接眼レンズを支持する鏡筒ベースを備え、
前記シャッタ部は、前記鏡筒ベースに設けられる、請求項12に記載の顕微鏡装置。 - 前記撮像部は、前記鏡筒ベースに配置される、請求項13に記載の顕微鏡装置。
- 前記シャッタ部を挿入及び退避させるシャッタ操作部を備える、請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
- 前記シャッタ操作部は、前記接眼レンズの下方または近傍に設けられる、請求項15に記載の顕微鏡装置。
- 前記処理装置は、前記画像処理部によって前記構成要素の像を抽出する場合に、前記シャッタ操作部を操作して前記シャッタ部を光路中に挿入させる、請求項12または請求項16に記載の顕微鏡装置。
- 前記結像光学系の瞳または瞳近傍の位置に、前記撮像部に前記瞳の像を投影するための瞳観察光学素子を挿入可能に設けられる、請求項1から請求項17に記載の顕微鏡装置。
- 前記瞳観察光学素子を光路中に挿入または退避させる素子操作部を備える、請求項18に記載の顕微鏡装置。
- 前記照明光学系または前記結像光学系を構成する構成要素を移動させるための駆動装置を備え、
前記処理装置は、前記演算部の算出結果に基づいて、前記構成要素に対応する前記駆動装置を駆動して、前記構成要素を目標位置まで移動させる、請求項1に記載の顕微鏡装置。 - 前記処理装置は、前記演算部により、前記画像処理部で抽出した試料または試料近傍の状態と、目標状態との差を算出する、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
- 前記画像処理部は、前記画像から試料または試料近傍に存在する気泡を抽出し、
前記演算部は、前記目標状態に対して気泡の大きさまたは数を比較して良否判定を行う、請求項21に記載の顕微鏡装置。 - 試料に光を照射する照明光学系と、試料からの光を結像する結像光学系と、前記結像光学系による試料の像を撮像する撮像部と、を備える顕微鏡装置において、前記撮像部で撮像された前記画像を処理する方法であって、
前記画像から前記照明光学系または前記結像光学系を構成する構成要素の像を抽出することと、
抽出した前記構成要素の像の位置とこの構成要素の目標位置との差を算出することと、を含む画像処理方法。 - 試料に光を照射する照明光学系と、試料からの光を結像する結像光学系と、前記結像光学系による試料の像を撮像する撮像部と、を備える顕微鏡装置の処理装置であって、
前記撮像部で撮像された前記画像から前記照明光学系または前記結像光学系を構成する構成要素の像を抽出する画像処理部と、
前記画像処理部で抽出した前記構成要素の像の位置とこの構成要素の目標位置との差を算出する演算部と、を備える、処理装置。
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