JPWO2018066072A1 - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
駆動部125を制御する制御装置101は、工具および工具が固定される工具保持部のうちの少なくとも一方の位置と変位と速度と加速度のうち少なくとも一つを算出可能な物理量を計測した計測値と、被加工物および被加工物が固定される被加工物保持部のうちの少なくとも一方の位置と変位と速度と加速度のうち少なくとも一つを算出可能な物理量を計測した計測値と、工具と被加工物の少なくとも一方を制御するための駆動部125への駆動指令とに基づき、被加工物に対する工具の相対変位と駆動指令が目標とする指令位置との間に生じる相対振動の程度を表す成分を算出する相対振動算出部102と、相対振動算出部102の算出結果に基づいて、相対振動を抑制する指令を出力する相対振動抑制部107と、を備える。
Description
本発明は、工作機械を制御する制御装置に関する。
工作機械は、加工装置と、被加工物との間の相対的位置および相対的姿勢のうちの少なくとも1つの関係を制御することで所望の加工を実施する機械である。工作機械では、加工装置と被加工物との間に振動が発生する場合がある。この振動は、被加工物の仕上がり形状における加工精度を低下させる原因となり、また、加工面上に傷を生じさせる原因ともなる。
上述のような加工装置と被加工物との間の振動を抑制することを目的として、従来から加工装置の振動もしくは被加工物の振動、または、加工装置および被加工物における双方の振動を計測し、かつ、抑制する技術が知られている(例えば、下記特許文献1)。
特許文献1では、加工を実施する露光装置と被加工物である基板との間の相対位置、相対速度または相対加速度を計測するための計測器を設け、計測結果に基づいて露光装置と基板との間の相対的な変動が低減されるように駆動機構を制御することで、露光装置と基板との間の振動を抑制する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術においては、計測結果について、駆動部の所望の動作に起因するものか、機械的な共振を初めとする外乱によるものかを区別していない。このため、特許文献1の技術では、所望の加工を実施するために駆動部の移動が必要な場合に、適切な振動抑制ができないという問題があった。
上記の問題点を具体的に説明すると、特許文献1に開示された技術においては、加工装置である露光装置と被加工物である基板との相対的位置関係が露光中は一定であることを前提とし、露光装置と基板との相対変位を可能な限り抑制するようにする技術である。このため、特許文献1の技術を、工作機械を制御する制御装置に適用すると、加工装置である工具と被加工物であるワークとの間の相対位置を変化させながら加工を実施する場合に対しては、外乱による振動成分ではない所望の相対位置の変位も抑制してしまうこととなり、所望の加工を行うことが困難であった。すなわち、特許文献1に開示された技術は、工作機械を制御する制御装置に適用することは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、所望の加工を実施するために駆動部の移動が必要な場合であっても、加工装置と被加工物との間の相対的位置関係における、実際の位置関係と理想的な位置関係との間に生じる振動を解消することができる制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、相対振動算出部および相対振動抑制部を備える。相対振動算出部は、工具および工具が固定される工具保持部のうちの少なくとも一方を計測した計測信号と、被加工物および被加工物が固定される被加工物保持部のうちの少なくとも一方を計測した計測信号と、工具と被加工物の少なくとも一方を制御するための駆動部への駆動信号とに基づき、被加工物に対する工具の相対変位と指令位置との間に生じる相対振動の程度を表す成分を算出する。相対振動抑制部は、相対振動算出部の算出結果に基づいて、相対振動を抑制する指令を出力する。
本発明によれば、所望の加工を実施するために駆動部の移動が必要な場合であっても、加工装置と被加工物との間の相対的位置関係における、実際の位置関係と理想的な位置関係との間に生じる振動を解消することができる、という効果を奏する。
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態に係る制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、以下の説明では、被加工物を工具で加工する工作機械への適用例について説明するが、他の用途への適用を除外する趣旨ではなく、例えば、検査物又はワークを掴むロボット装置への適用も可能である。
以下に、本発明の実施の形態に係る制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、以下の説明では、被加工物を工具で加工する工作機械への適用例について説明するが、他の用途への適用を除外する趣旨ではなく、例えば、検査物又はワークを掴むロボット装置への適用も可能である。
図1は、実施の形態1に係る制御装置101を含む駆動装置100の構成を示すブロック図である。また、図2は、実施の形態1に係る制御装置101の動作説明に供する駆動装置100における機械構造の概念図である。
本実施の形態に係る制御装置は、加工もしくは組み立てを行なう加工ツールの一例である工具、および当該加工ツールである工具によって加工される被加工物のうちの少なくとも1つを駆動する駆動部を制御する装置である。制御装置によって制御される駆動部は、工具および被加工物との間の相対的位置および相対的姿勢のうちの少なくとも1つの関係を変化させる駆動信号によって駆動部を駆動して所望の加工を実施する。
図2には、実施の形態1に係る駆動装置における機械構造が示されている。図2において、X軸、Y軸およびZ軸は、直交空間における各軸を構成する。第1の可動部を成す機械部品005Aは、固定部品031,032に対してX軸方向に可動可能に構成され、第2の可動部を成す機械部品005Bは、機械部品005Aに対してZ軸方向に可動可能に構成されている。この構成により、工具001は、X軸方向およびZ軸方向に移動可能に構成される。また、被加工物002はY軸方向に移動可能に構成されている。さらに、工具001の変位を計測するための工具変位計測器003が、工具001とともに動作する機械部品005Bに取り付けられ、被加工物002の変位を計測するための被加工物変位計測器004が被加工物002とともに動作する機械部品006に取り付けられている。機械部品005Bは、工具001が固定される工具保持部として機能し、機械部品006は、被加工物002が固定される被加工物保持部として機能する。工具保持部は、加工ツール保持部の一例である。なお、固定部品031に最も近い軸であるX軸は、「最も根元側の軸」と称される場合がある。また、機械部品006も、図2では図示を省略している固定部品に保持される部品である。このため、被加工物002を移動させるY軸方向も「根元側の軸」と称される場合がある。この場合、X軸を「工具側の最も根元側の軸」と称し、Y軸を「被加工物側の最も根元側の軸」と称することで、両者は区別可能である。
なお、図2は説明のための一例であり、本願発明の範囲を、図示の形態に限定するものではない。工具側や被加工物側の可動軸は、別の組み合わせでもよい。軸数も3つに限らず、1軸もしくは2軸であってもよく、また、4軸以上有していてもよい。駆動軸以外に制振用の駆動機器が、別途取り付けられていてもよい。制振用の駆動機器としては、アクティブダンパを例示できる。
工具001および被加工物002のそれぞれを複数の計測器で計測し、計測結果の平均を用いてもよい。工具001および被加工物002の変位を計測する以外にも、工具001および被加工物002の位置を計測してもよいし、工具001および被加工物002の速度を計測してもよいし、工具001および被加工物002の加速度を計測してもよい。その場合、後述する処理に必要な位置の情報および加速度の情報は、計測した位置もしくは変位、速度、または加速度に対して、微分演算または積分演算で算出することができる。なお、工具001および被加工物002に関する位置もしくは変位、速度、または加速度の計測が可能であれば、工具001および被加工物002とともに動作する機械部品に計測器を直接設置する必要はなく、レーザ測長または画像認識といった非接触型の計測器を用いて計測してもよい。すなわち、工具変位計測器003の計測値は、工具および前記工具が固定される工具保持部のうちの少なくとも一方の位置と変位と速度と加速度のうち少なくとも一つを算出可能な物理量を計測した計測値であればよい。また、被加工物変位計測器004の計測値は、被加工物および被加工物が固定される被加工物保持部のうちの少なくとも一方の位置と変位と速度と加速度のうち少なくとも一つを算出可能な物理量を計測した計測値であればよい。
図1に戻り、駆動装置100は、制御装置101を含み、制御装置101の処理に必要な情報を伝達する各種伝達部、制御装置101からの情報を表示する表示部127、制御装置101からの情報を記録する外部媒体記録部128、図2に示す駆動機構を動作させる駆動部125、駆動部125を駆動するための駆動指令が含まれる駆動信号を受領して駆動部125へ伝達する駆動信号伝達部110、表示部127への表示情報および外部媒体記録部128への記録情報を制御装置101から受領する内部情報伝達部126、ならびに、駆動信号を補正するための補正信号を制御装置101から受領して駆動部125へ伝達する補正信号伝達部124を備える。また、図1には、制御装置101の処理に必要な情報を伝達するための各種伝達部として、振動情報記録保持時間伝達部113、振動情報初期値伝達部114、相対振動算出パラメータ伝達部115、被加工物振動算出パラメータ伝達部116、工具振動算出パラメータ伝達部117、相対振動許容値伝達部118、被加工物振動許容値伝達部119、工具振動許容値伝達部120、相対振動抑制パラメータ伝達部121、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122、および、工具振動抑制パラメータ伝達部123を備えている。
また、実施の形態1に係る制御装置101は、図1に示すように、相対振動算出部102、被加工物振動算出部103、工具振動算出部104、制御方式決定部105、振動情報記録部106、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、および、工具振動抑制部109を備える。
制御装置101は、駆動信号伝達部110からの駆動信号の情報を受け取り、被加工物変位計測部111からの計測信号に含まれる被加工物変位の情報を受け取り、工具変位計測部112からの計測信号に含まれる工具変位の情報を受け取り、振動情報記録保持時間伝達部113から振動情報記録保持時間の情報を受け取り、振動情報初期値伝達部114から振動情報記録部106が記録する初期値の情報を受け取り、相対振動算出パラメータ伝達部115から相対振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、被加工物振動算出パラメータ伝達部116から被加工物振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、工具振動算出パラメータ伝達部117から工具振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、相対振動許容値伝達部118から相対振動の許容値の情報を受け取り、被加工物振動許容値伝達部119から被加工物振動の許容値の情報を受け取り、工具振動許容値伝達部120から工具振動の許容値の情報を受け取り、相対振動抑制パラメータ伝達部121から相対振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取り、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122から被加工物振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取り、工具振動抑制パラメータ伝達部123から工具振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取る。
また、制御装置101は、駆動信号に加算する補正信号を補正信号伝達部124に出力し、現在が振動抑制中であるか否かの情報、相対振動、被加工物振動および工具振動のうちのいずれを抑制しているかの情報を内部情報伝達部126に出力し、記録されている振動情報の履歴を振動情報記録部106に出力する。なお、実施の形態1の制御装置101における処理の流れの詳細については後述する。
相対振動算出部102は、駆動信号伝達部110からの駆動信号の情報を受け取り、被加工物変位計測部111からの計測信号に含まれる被加工物変位の情報を受け取り、工具変位計測部112からの計測信号に含まれる工具変位の情報を受け取り、相対振動算出パラメータ伝達部115から相対振動の算出に要するパラメータの情報を受け取る。相対振動算出部102は、受領した情報に基づいて相対振動を算出する。なお、ここで言う「相対振動の算出」とは、相対振動の周波数成分、相対振動の振幅成分、および相対振動によって生ずる加速度、すなわち相対振動の大きさ、もしくは程度を表す成分を算出することを意味する。相対振動算出部102は、算出した相対振動を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
なお、相対振動の第1の算出方法としては、被加工物変位と工具変位との差である相対的変位から、駆動指令により生じる被加工物と工具との間の理想的な相対的変位を減算し、減算した値を外乱に起因する相対的変位として時刻歴データを記録しておき、当該外乱に起因する相対的変位の周波数、および相対的変位の振幅を算出することが考えられる。周波数および振幅の算出には高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を用いる方法、ならびにウェーブレット変換を用いる方法が考えられる。
また、相対振動の第2の算出方法としては、被加工物の加速度と工具の加速度との差である相対加速度から、駆動指令に理想的に追従した場合の被加工物の加速度と工具の加速度との差である理想的な相対加速度とを減算し、減算した値を外乱に起因する相対加速度として算出し、当該外乱に起因する相対加速度を抑制対象の相対振動とすることも考えられる。なお、被加工物の加速度は、被加工物の変位の時刻歴データから算出することができ、工具の加速度は、工具の変位の時刻歴データから算出することができる。
また、相対振動の算出に要するパラメータとしては、前述のFFTを実施する際の時間幅、窓関数、ウェーブレット変換を実施する際のパラメータ、加速度を算出する際の時間幅、および、ノイズ除去のフィルタのうちの少なくとも1つが考えられる。
また、ここでは変位情報を元に振動情報を算出すると記載したが、変位情報の代わりに位置情報、速度情報および加速度情報のうちの少なくとも1つを取得し、取得した情報について駆動指令から想定される理想的な値と実際の値との間の差分の時刻歴データに対して周波数分析を行ってもよい。
なお、加速度情報を使用する方法の場合は、時刻歴データを用いて加速度を算出する必要はなく、計測値をそのまま使用してもよい。また、加速度情報を使用する方法の場合においては、時刻歴データにフィルタ処理を行ってもよい。また、位置情報、変位情報、速度情報および加速度情報のうちの少なくとも1つを取得し、微積分または加減算により、位置情報、変位情報、速度情報及び加速度情報の中で、元々取得した情報とは異なる何れかの情報に変換した上で振動情報を算出してもよい。なお、相対振動の算出方法としては、ここに記載した例に限定されるものではない。
図1に戻り、被加工物振動算出部103は、被加工物変位計測部111からの計測信号に含まれる被加工物変位の情報を受け取り、被加工物振動算出パラメータ伝達部116から被加工物振動算出に要するパラメータの情報を受け取る。被加工物振動算出部103は、被加工物振動を算出する。被加工物振動とは、被加工物または被加工物保持部に生ずる振動である。被加工物振動算出部103は、算出した被加工物振動を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。なお、被加工物振動の算出方法としては、相対振動算出部102と同様に、周波数および振幅を算出する方法、または、加速度を算出する方法が考えられる。
工具振動算出部104は、工具変位計測部112からの計測信号に含まれる工具変位の情報を受け取り、工具振動算出パラメータ伝達部117から工具振動算出に要するパラメータの情報を受け取る。工具振動算出部104は、工具振動を算出する。工具振動とは、工具または工具保持部に生ずる振動である。工具振動算出部104は、算出した工具振動を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。なお、工具振動の算出方法としては、相対振動算出部102と同様に、周波数および振幅を算出する方法、または、加速度を算出する方法が考えられる。
制御方式決定部105は、駆動信号伝達部110から駆動信号の情報を受け取り、相対振動算出部102から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部104から工具振動の情報を受け取り、振動情報記録部106から記録されている振動情報を受け取り、相対振動許容値伝達部118から相対振動の許容値の情報を受け取り、被加工物振動許容値伝達部119から被加工物振動の許容値の情報を受け取り、工具振動許容値伝達部120から工具振動の許容値の情報を受け取る。制御方式決定部105は、振動抑制を実施するか否かの決定、および振動の抑制対象の決定を行う。
なお、振動の許容値としては、周波数ごとの振幅の大きさ、または加速度の大きさを例示できる。また、振動抑制を実施するか否かの決定、および振動の抑制対象の決定にあたっては、算出した相対振動、被加工物振動、または工具振動の周波数成分ごとの振幅がそれぞれの許容値を超えている場合、振動抑制を実施すると決定し、許容値を超えた振動を振動抑制の対象とすることが考えられる。また、振動情報記録部106に記録されている周波数成分ごとの振幅が許容値を超えている場合に、振動抑制を実施すると決定し、許容値を超えた振動を振動抑制の対象とすることも考えられる。また、算出された相対加速度、被加工物加速度、または工具加速度について、許容値を超えたものがある場合、振動抑制を実施すると決定し、許容値を超えた加速度を振動抑制の対象とすることも考えられる。ただし、これらの例に限定されるものではない。
振動情報記録部106は、振動情報記録保持時間伝達部113から振動情報の記録保持時間を受け取り、振動情報初期値伝達部114から振動情報の初期値を受け取って内部の振動情報を初期化し、相対振動算出部102から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部104から工具振動の情報を受け取る。振動情報記録部106は、受け取った相対振動の情報、被加工物振動の情報、および工具振動の情報を更新する。振動情報記録部106は、振動情報のうち記録保持時間より過去に記録された情報は破棄し、記録されている振動情報を制御方式決定部105および内部情報伝達部126に渡す。
相対振動抑制部107は、相対振動抑制パラメータ伝達部121から相対振動を抑制する際のパラメータを受け取り、制御方式決定部105から相対振動の抑制をするか否かの情報、ならびに、振動周波数の情報、振幅の情報および相対加速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部110から駆動信号の情報を受け取る。相対振動抑制部107は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち抑制対象の振動の周波数について、相対振動周波数を抑制する際のパラメータと抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、相対振動抑制部107は、相対加速度を抑制する際のパラメータと相対加速度の大きさに基づいて、相対加速度を抑制するための補正信号を作成する。相対振動抑制部107は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。ここで、周波数を抑制する際のパラメータとしては、ノッチフィルタのパラメータが考えられ、加速度を抑制する際のパラメータとしては加速度フィードバックゲインが考えられる。ただし、これらの例に限定されるものではない。
被加工物振動抑制部108は、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122から被加工物振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から相対振動の抑制をするか否かの情報、相対振動の抑制をする場合の被加工物振動の周波数および振幅の情報、ならびに、被加工物速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部110から駆動信号の情報を受け取る。被加工物振動抑制部108は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち抑制対象の振動の周波数について、被加工物振動周波数を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、被加工物振動抑制部108は、被加工物加速度を抑制する際のパラメータおよび被加工物加速度の大きさに基づいて、被加工物加速度を抑制するための補正信号を作成する。被加工物振動抑制部108は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。
なお、実施の形態1を説明するための図2では、被加工物側にはY軸しか駆動軸が存在せず、X軸方向およびZ軸方向に駆動することはできないが、X軸方向およびZ軸方向の被加工物振動については、工具側のX軸およびZ軸のうちの少なくとも1つの軸を駆動させることで、被加工物振動を間接的に抑制することができる。また、他の方法として、被加工物側に制振装置を取り付けておき、被加工物におけるX軸方向の振動およびZ軸方向の振動を制振装置で抑制するようにしてもよい。制振装置としては、アクティブダンパを例示できる。なお、被加工物振動を抑制する方法は、ここに記載した例に限定されるものではない。
工具振動抑制部109は、工具振動抑制パラメータ伝達部123から工具振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から相対振動の抑制をするか否かの情報、相対振動の抑制をする場合の被加工物振動の周波数および振幅の情報、ならびに、被加工物速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部110から駆動信号の情報を受け取る。工具振動抑制部109は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち抑制対象の振動の周波数について、工具振動周波数を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、工具振動抑制部109は、工具加速度を抑制する際のパラメータおよび相対加速度の大きさに基づいて、工具加速度を抑制するための補正信号を作成する。工具振動抑制部109は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。
なお、実施の形態1を説明するための図2では、工具側の駆動軸はX軸およびZ軸であり、Y軸方向に駆動できないが、上述した被加工物側と同様な手法を用いることで対応可能である。すなわち、被加工物側のY軸を駆動させて間接的に抑制する方法、およびアクティブダンパといった追加の制振装置を用いる方法を用いることができる。
ここまでは、制御装置101を構成する各部の機能について説明してきた。ここからは、制御装置101との間で情報授受の機能を担う、すなわち制御装置101に対してインタフェース機能を提供する各部の機能について説明する。
まず、駆動信号伝達部110は、駆動信号の入力を受け付け、相対振動算出部102、制御方式決定部105、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109、および駆動部125に駆動信号を渡す。
被加工物変位計測部111は、被加工物変位を計測し、相対振動算出部102および被加工物振動算出部103に渡す。
工具変位計測部112は、工具変位を計測し、相対振動算出部102および工具振動算出部104に渡す。
振動情報記録保持時間伝達部113は、振動情報の記録保持時間の入力を受け付け、振動情報記録部106に渡す。
振動情報初期値伝達部114は、振動情報記録部106の初期値となる値を受け付け、振動情報記録部106に渡す。
相対振動算出パラメータ伝達部115は、相対振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、相対振動算出部102に渡す。
被加工物振動算出パラメータ伝達部116は、被加工物振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、被加工物振動算出部103に渡す。
工具振動算出パラメータ伝達部117は、工具振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、工具振動算出部104に渡す。
相対振動許容値伝達部118は、相対振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
被加工物振動許容値伝達部119は、被加工物振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
工具振動許容値伝達部120は、工具振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
相対振動抑制パラメータ伝達部121は、相対振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、相対振動抑制部107に渡す。
被加工物振動抑制パラメータ伝達部122は、被加工物振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、被加工物振動抑制部108に渡す。
工具振動抑制パラメータ伝達部123は、工具振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、工具振動抑制部109に渡す。
補正信号伝達部124は、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109から補正信号を受け取り、駆動部125に出力する。
駆動部125は、駆動信号伝達部110から駆動信号の情報を受け取り、補正信号伝達部124から補正信号を受け取り、駆動信号に補正信号を加えた信号に基づいて駆動する。
内部情報伝達部126は、相対振動算出部102から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部104から工具振動の情報を受け取り、振動情報記録部106から記録されている振動情報を受け取り、制御方式決定部105から振動抑制を実施しているか否かの情報、および振動抑制の対象の情報を受け取る。内部情報伝達部126は、受け取った情報を表示部127および外部媒体記録部128に出力する。
表示部127は、内部情報伝達部126から受け取った情報を不図示の表示画面に表示する。
外部媒体記録部128は、内部情報伝達部126から受け取った情報を、USBまたはHDDといった外部媒体に記録する。
つぎに、実施の形態1の制御装置101における振動抑制処理の流れについて、図3を参照して説明する。図3は、実施の形態1における振動抑制処理の流れを示すフローチャートである。
まず、各種伝達部への入力を関係する構成部が受け取る(S101)。なお、ここで言う各種伝達部とは、上述した、振動情報記録保持時間伝達部113、振動情報初期値伝達部114、相対振動算出パラメータ伝達部115、被加工物振動算出パラメータ伝達部116、工具振動算出パラメータ伝達部117、相対振動許容値伝達部118、被加工物振動許容値伝達部119、工具振動許容値伝達部120、相対振動抑制パラメータ伝達部121、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122、および、工具振動抑制パラメータ伝達部123を指している。また、ここで言う関係する構成部とは、各種伝達部からの情報を受領する、制御装置101の構成部を指している。
ついで、相対振動算出部102は、被加工物に対する工具の相対変位と、駆動信号に含まれる駆動指令の変位との差分を算出する(S102)。
ついで、相対振動算出部102は、相対変位と駆動指令の変位との差分について、現時点までの時刻歴データに基づき、周波数と振幅を算出し、それぞれを相対振動の振動周波数、相対振動の振動振幅とする(S103)。
ついで、相対振動算出部102は、相対変位と駆動指令の変位との差分の時刻歴データに基づき、相対加速度を算出する(S104)。
ついで、被加工物振動算出部103は、被加工物振動を算出する(S105)。また、工具振動算出部104は、工具振動の振動周波数と工具振動の振動振幅を算出する(S105)。
ついで、被加工物振動算出部103は、被加工物加速度を算出する(S106)。また、工具振動算出部104は、工具加速度を算出する(S106)。
ついで、振動情報記録部106は、S103のステップで算出された相対振動における振動周波数の情報と振動振幅の情報を記録する(S107)。また、振動情報記録部106は、S105のステップで算出された工具振動における振動周波数の情報と振動振幅の情報を記録する(S107)。また、振動情報記録部106は、S105のステップで算出された被加工物振動における振動周波数の情報と振動振幅の情報を記録する(S107)。
ついで、制御方式決定部105は、S103のステップで算出された相対振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数が存在するか否かを判定する。許容値以上となる振動周波数が存在する場合は、S109のステップに進み、許容値以上となる振動周波数が存在しない場合は、S110のステップに進む(S108)。
S108のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定する。このとき、相対振動抑制部107は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S109)。
ついで、制御方式決定部105は、S105のステップで算出された工具振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数が存在するか否かを判定し、許容値以上となる振動周波数が存在する場合は、S111のステップに進み、許容値以上となる振動周波数が存在しない場合は、S112のステップに進む(S110)。
S110のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定する。このとき、工具振動抑制部109は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S111)。
ついで、制御方式決定部105は、S105のステップで算出された被加工物振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数が存在するか否かを判定し、許容値以上となる振動周波数が存在する場合は、S113のステップに進み、許容値以上となる振動周波数が存在しない場合は、S114のステップに進む(S112)。
S112のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定する。このとき、被加工物振動抑制部108は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S113)。
ついで、制御方式決定部105は、S104で算出された相対加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S115のステップに進み、許容値以下の場合は、S116のステップに進む(S114)。
S114のステップにおいて、相対加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、相対加速度を抑制すると決定する。このとき、相対振動抑制部107は、相対加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S115)。
ついで、制御方式決定部105は、S106で算出された工具加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S117のステップに進み、許容値以下の場合は、S118のステップに進む(S116)。
S116のステップにおいて、工具加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、工具加速度を抑制すると決定する。このとき、工具振動抑制部109は、工具加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S117)。
ついで、制御方式決定部105は、S106で算出された被加工物加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S119のステップに進み、許容値以下の場合は、S120のステップに進む(S118)。
S118のステップにおいて、被加工物加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、加速度を抑制すると決定する。このとき、被加工物振動抑制部108は、被加工物加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S119)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された相対振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS121のステップに進み、存在しない場合は、S122のステップに進む(S120)。
S120のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、相対振動抑制部107は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S121)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された工具振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS123のステップに進み、存在しない場合は、S124のステップに進む(S122)。
S122のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定する。このとき、工具振動抑制部109は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S123)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された被加工物振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、許容値以上となる周波数成分が存在する場合は、S125のステップに進み、許容値以上となる周波数成分が存在しない場合は、S126のステップに進む(S124)。
S124のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定する。このとき、被加工物振動抑制部108は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S125)。
ついで、振動情報記録部106は、記録された振動周波数と振動振幅を更新する(S126)。この際、記録している振動情報のうち、振動情報記録保持時間よりも過去の情報を破棄する。
ついで、内部情報伝達部126は、構成部の説明で述べた各種情報を表示部127と外部媒体記録部128とに出力する(S127)。表示部127は受け取った情報を表示する。外部媒体記録部128は、受け取った情報を記録する。
ついで、補正信号伝達部124は、受け取った補正信号を駆動部125に出力する。駆動部125は、補正信号に基づき駆動信号を補正する(S128)。駆動部125は、補正後の駆動信号に基づいて駆動機構を動作させる。
以上のように、実施の形態1によれば、工具と被加工物の間の振動のうち駆動信号に起因するものを除いた、機械的共振などの外乱に起因する振動のみを抑制することで、所望の加工を実現しつつ、工具と被加工物の間の相対的な振動を抑制することができる。
また、実施の形態1によれば、相対振動の許容値を設けることで、許容値以下の微小な振動に過剰に反応することを抑制し、制御の安定性を高めることができる。
また、工具と被加工物のそれぞれで別個に振動抑制する方式では、工具と被加工物が同相で振動している場合と逆相で振動している場合に同じ挙動となり、工具と被加工物の相対的変位の観点からは適切な抑制とならない可能性がある。これに対して、実施の形態1に係る方式では、工具と被加工物の間の相対的振動を抑制することで、工具と被加工物が同相で振動している場合も逆相で振動している場合も適切な振動抑制を実施することができる。
また、実施の形態1によれば、工具振動および被加工物振動についても、許容量以上の振動を抑制することで、工具と被加工物との間に相対的な振動が生じていない場合でも、装置の劣化につながるような比較的大きな振動についての抑制が可能となる。
また、実施の形態1によれば、振動情報を記録しているので、記録した振動情報を活用することにより、記録した以降の動作において、過去に発生した振動を発生させないように制御することも可能となる。
また、実施の形態1によれば、振動情報の記録保持時間を設定することで、機械特性が変化した場合でも、過去の情報を破棄することで、機械特性の変化に対応できる。
また、実施の形態1によれば、必要な情報を外部の表示部に表示を行い、また、必要な情報を外部媒体に情報を行うことができるように構成されているので、数値制御を行っている際に、振動抑制を実施しているか否かといった情報、どのような振動を抑制しているかといった情報、現在までの振動の履歴といった情報をユーザに提示することが可能となる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る制御装置201を含む駆動装置200の構成を示すブロック図である。また、図5は、実施の形態2に係る制御装置201の動作説明に供する駆動装置200における機械構造の概念図である。
図4は、実施の形態2に係る制御装置201を含む駆動装置200の構成を示すブロック図である。また、図5は、実施の形態2に係る制御装置201の動作説明に供する駆動装置200における機械構造の概念図である。
図5には、実施の形態2に係る駆動装置における機械構造が示されている。実施の形態2では、図2に示す実施の形態1に係る機械構造における工具001の部分を、図5に示す工具007で置き換えた構造を想定する。具体的に説明すると、図2に示す機械構造では、工具001がX軸及びZ軸の2つの並進軸での移動が可能であった。一方、図5に示す機械構造では、リンク機構020およびリンク機構021が設けられ、これらのリンク機構によって2つの回転軸が構成される。ここでは、リンク機構020によって構成される回転軸を「工具第1回転軸」と称し、リンク機構021によって構成される回転軸を「工具第2回転軸」と称する。これにより、工具007は、X軸及びZ軸の2つの並進軸での移動に加え、工具第1回転軸及び工具第2回転軸という2つの回転軸での移動をも可能となっている。
上記のような機械構造において、並進軸とともに移動する機械部品011の変位を計測するため、工具並進軸側センサ008が並進軸とともに移動する機械部品011に取り付けられている。また、工具第1回転軸とともに移動する機械部品012の変位を計測するための工具第1回転軸側センサ009が、工具第1回転軸とともに移動する機械部品012に取り付けられている。さらに、工具第2回転軸とともに移動する機械部品013の変位を計測するための工具第2回転軸側センサ010が、工具第2回転軸とともに移動する機械部品013に取り付けられている。機械部品011,012,013は、工具007が固定される工具保持部として機能する。
なお、図5は説明のための一例であり、本願の範囲を、図示の形態に限定するものではない。回転軸が被加工物側を駆動するような機械構造でもよい。また、回転軸の数も2つに限らず、1軸であってもよく、3軸以上の冗長な場合でもよい。
図4には、実施の形態2に係る制御装置201を含む駆動装置200の構成を示している。図4において、図1に示す実施の形態1に係る駆動装置100と同一または同等の構成部には同一符号を付して示している。また、図4において、図1に図示されている構成部であっても、情報の出力先が異なる構成部、または、新たな機能が付加されている構成部については、200番台の符号を付して示している。以下、実施の形態2に関係する構成および動作を中心に説明する。
図4において、制御装置201の周囲には、制御装置201との間で情報の授受を行うためのインタフェース機能を担う構成部として、振動情報記録保持時間伝達部113、振動情報初期値伝達部114、相対振動算出パラメータ伝達部115、被加工物振動算出パラメータ伝達部116、工具振動算出パラメータ伝達部117、相対振動許容値伝達部118、被加工物振動許容値伝達部119、工具振動許容値伝達部120、相対振動抑制パラメータ伝達部121、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122、工具振動抑制パラメータ伝達部123、補正信号伝達部124、駆動信号伝達部208、センサ計測位置パラメータ伝達部209、工具並進軸側センサ変位計測部211、工具第1回転軸側センサ変位計測部212、および工具第2回転軸側センサ変位計測部213を備えている。また、制御装置201は、相対振動算出部202、被加工物振動算出部103、工具振動算出部203、制御方式決定部105、振動情報記録部106、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109、工具並進軸変位抽出部204、工具第1回転軸変位抽出部205、工具第2回転軸変位抽出部206、および、工具第2回転軸起因加工点変位算出部207を備える。
制御装置201は、駆動信号伝達部208からの駆動信号の情報を受け取り、被加工物変位計測部111からの計測信号に含まれる被加工物変位の情報を受け取り、工具並進軸側センサ変位計測部211からの計測信号に含まれる工具並進軸のセンサ計測位置の変位の情報を受け取り、工具第1回転軸側センサ変位計測部212からの計測信号に含まれる工具第1回転軸のセンサ計測位置の変位の情報を受け取り、工具第2回転軸側センサ変位計測部213からの計測信号に含まれる工具第2回転軸のセンサ計測位置の変位の情報を受け取り、センサ計測位置パラメータ伝達部209から工具並進軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報と、工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報と、工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報と、を受け取り、機械構造モデル伝達部210から機械構造のモデルの情報を受け取り、振動情報記録保持時間伝達部113から振動情報記録保持時間の情報を受け取り、振動情報初期値伝達部114から振動情報記録部106が記録する初期値の情報を受け取り、相対振動算出パラメータ伝達部115から相対振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、被加工物振動算出パラメータ伝達部116から被加工物振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、工具振動算出パラメータ伝達部117から工具振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、相対振動許容値伝達部118から相対振動の許容値の情報を受け取り、被加工物振動許容値伝達部119から被加工物振動の許容値の情報を受け取り、工具振動許容値伝達部120から工具振動の許容値の情報を受け取り、相対振動抑制パラメータ伝達部121から相対振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取り、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122から被加工物振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取り、工具振動抑制パラメータ伝達部123から工具振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取る。
また、制御装置201は、駆動信号に加算する補正信号を補正信号伝達部124に出力し、現在が振動抑制中であるか否かの情報、相対振動、被加工物振動および工具振動のうちのいずれを抑制しているかの情報、ならびに、振動情報記録部106に記録されている振動情報の履歴を内部情報伝達部126に出力する。なお、実施の形態2の制御装置201における処理の流れの詳細については後述する。
相対振動算出部202は、駆動信号伝達部208からの駆動信号の情報を受け取り、被加工物変位計測部111からの計測信号に含まれる被加工物変位の情報を受け取り、工具第2回転軸起因加工点変位算出部207から工具第2回転軸に起因する加工点の変位の情報を受け取り、相対振動算出パラメータ伝達部115から相対振動の算出に要するパラメータの情報を受け取る。相対振動算出部202は、受領した情報に基づいて相対振動を算出する。相対振動算出部202は、算出した相対振動を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
また、相対振動算出部202は、工具第2回転軸に起因する振動について、3次元空間での表現から、工具第2回転軸の角度に変換した値も算出しておき、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
なお、相対振動の算出方法としては、実施の形態1での工具変位を加工点変位で置き換え、加工点と被加工物との間の相対的な変位と、駆動指令を座標変換することで求められる加工点と被加工物との間の理想的な相対的変位と、の間の差分に対して、周波数または加速度を算出することが考えられる。
また、3次元空間での表現から工具第2回転軸での角度への変換は、機構モデルに基づいた座標変換により求めることが考えられる。なお、ここでは工具第2回転軸に起因する振動のみを算出しているが、工具並進軸の変位または工具第1回転軸の変位と、機構モデルとに基づいて、座標変換により、それら工具並進軸または工具第1回転軸に起因する加工点変位も算出して、工具側の軸ごとに振動を算出することがより好適である。ただし、ここに記載した例に限定されるものではない。
図4に戻り、被加工物振動算出部103は、被加工物変位計測部111からの計測信号に含まれる被加工物変位の情報を受け取り、被加工物振動算出パラメータ伝達部116から被加工物振動算出に要するパラメータの情報を受け取る。被加工物振動算出部103は、被加工物振動を算出する。被加工物振動算出部103は、算出した被加工物振動を制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
工具並進軸変位抽出部204は、センサ計測位置パラメータ伝達部209から工具並進軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報を受け取り、機械構造モデル伝達部210から機械構造モデルの情報を受け取り、工具並進軸側センサ変位計測部211から計測した変位の情報を受け取り、駆動信号伝達部208から駆動信号を受け取る。なお、ここではセンサが変位を計測するものとしているが、位置を計測してオフセットを減算することで変位に変換してもよい。また、速度か加速度かの少なくとも一つを計測し、積分することで変位に変換してもよい。
工具並進軸変位抽出部204は、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位を抽出して、工具第1回転軸変位抽出部205に渡す。図5の駆動機構を例に説明すると、工具並進軸側センサ008の計測した信号により、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位を得ることができる。なお、変位を位置に変換して、変位情報と共に工具第1回転軸変位抽出部205に渡してもよい。また、変位を微分することで速度か加速度かの少なくとも一つの情報を算出して、変位情報と共に工具第1回転軸変位抽出部205に渡してもよい。
工具第1回転軸変位抽出部205は、センサ計測位置パラメータ伝達部209から工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報を受け取り、機械構造モデル伝達部210から機械構造モデルの情報を受け取り、工具第1回転軸側センサ変位計測部212から計測した変位の情報を受け取り、工具並進軸変位抽出部204から工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報を受け取り、駆動信号伝達部208から駆動信号を受け取る。なお、工具第1回転軸側センサ変位計測部212は変位を計測するとしているが、位置か速度か加速度かの少なくとも一つを計測して変位を算出してもよい。また、工具並進軸変位抽出部204から工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つの情報も変位情報と共に受け取ってもよい。
工具第1回転軸変位抽出部205は、工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位を抽出して、抽出した変位と工具並進軸変位抽出部204から受け取った変位とを工具第2回転軸変位抽出部206に渡す。図5の駆動機構を例に説明すると、工具第1回転軸側センサ009の計測した信号と、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位と、の差分により、工具第1回転軸の駆動に連動する部品の変位について工具第1回転軸の駆動に起因する成分を算出することができる。なお、工具第1回転軸側センサ009が変位を計測することに限定するものではなく、位置か速度か加速度かの少なくとも一つを計測して変位を算出してもよい。また、工具第1回転軸側センサ009が計測した信号から算出した位置と、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の位置と、の差分により、工具第1回転軸の駆動に連動する部品の変位を算出してもよい。また、工具第1回転軸側センサ009が計測した信号から位置か速度か加速度かの少なくとも一つを算出し、工具並進軸変位抽出部204から工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つを受け取り、それらの差分により、工具第1回転軸の駆動に連動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つについて工具第1回転軸の駆動に起因する成分を算出し、算出した位置か速度か加速度かの少なくとも一つと、工具並進軸変位抽出部204から受けとった位置か速度か加速度かの少なくとも一つと、を工具第2回転軸変位抽出部206に渡してもよい。
工具第2回転軸変位抽出部206は、センサ計測位置パラメータ伝達部209から工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報を受け取り、機械構造モデル伝達部210から機械構造モデルの情報を受け取り、工具第2回転軸側センサ変位計測部213から計測した変位の情報を受け取り、工具第1回転軸変位抽出部205から工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報と工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報とを受け取り、駆動信号伝達部208から駆動信号を受け取る。なお、工具第2回転軸側センサ変位計測部213は変位を計測するとしているが、位置か速度か加速度かの少なくとも一つを計測して変位を算出してもよい。また、工具第1回転軸変位抽出部205から工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つと、工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つの情報も変位情報と共に受け取ってもよい。
工具第2回転軸変位抽出部206は、工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位を抽出して、抽出した変位と工具第1回転軸変位抽出部205から受け取った変位とを工具第2回転軸起因加工点変位算出部207に渡す。図5の駆動機構を例に説明すると、工具並進軸変位抽出部204が算出した工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位と、工具第1回転軸変位抽出部205が算出した工具第1回転軸の駆動に連動する部品の変位に基づいて、工具並進軸の変位と工具第1回転軸の変位とに起因する工具第2回転軸側センサ010の変位を機構モデルに基づいた座標変換により算出し、工具第2回転軸側センサ010が計測した信号と、工具並進軸変位抽出部204および工具第1回転軸変位抽出部205が算出したそれぞれの変位と、の差分により、工具第2回転軸の駆動に連動する部品の変位について工具第2回転軸の駆動の起因する成分を算出することができる。なお、工具第2回転軸側センサ010が変位を計測することに限定するものではなく、位置か速度か加速度かの少なくとも一つを計測して変位を算出してもよい。また、工具並進軸変位抽出部204が算出した工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位と、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つと、工具第1回転軸変位抽出部205が算出した工具第1回転軸の駆動に連動する部品の変位と、工具第1回転軸の駆動に連動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つとに基づいて、工具並進軸の位置か速度か加速度かの少なくとも一つと工具第1回転軸の位置か速度か加速度かの少なくとも一つとが、工具第2回転軸側センサ010の位置か速度か加速度かの少なくとも一つに対して与える影響量を機構モデルに基づいた座標変換により算出してもよい。そして、工具第2回転軸側センサ010が計測した信号から位置か速度か加速度かの少なくとも一つを算出し、工具並進軸と工具第1回転軸とが工具第2回転軸側センサ010の位置か速度か加速度かの少なくとも一つに与える影響量を前述の方法で算出し、それらの差分により、工具第2回転軸の駆動に連動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つについて工具第2回転軸の駆動に起因する成分を算出し、工具第2回転軸起因加工点変位算出部207に渡してもよい。
なお、座標変換の際には、工具第1回転軸側センサ009の変位量を使用し、取り付け位置および機構モデルに基づいて工具第1回転軸の回転量を算出した後、工具第2回転軸側センサ010の取り付け位置と機構モデルとに基づき、工具第1回転軸の回転量を工具第2回転軸側センサ010の変位に変換することが考えられる。また、工具第1回転軸側センサ009の位置か速度か加速度かを使用し、取り付け位置および機構モデルに基づいて工具第1回転軸の回転位置か回転速度か回転加速度かの少なくとも一つを算出した後、工具第2回転軸側センサ010の取り付け位置と機構モデルとに基づき、工具第1回転軸の回転位置か回転速度か回転加速度かの少なくとも一つを工具第2回転軸側センサ010の位置か速度か加速度かの少なくとも一つに変換することも考えられる。ただし、この方法に限定されるものではない。
工具第2回転軸起因加工点変位算出部207は、センサ計測位置パラメータ伝達部209から工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報を受け取り、機械構造モデル伝達部210から機械構造モデルの情報を受け取り、工具第2回転軸変位抽出部206から、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報と、工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報と、工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報と、を受け取り、駆動信号伝達部208から駆動信号を受け取る。工具第2回転軸起因加工点変位算出部207は、工具が被加工物を加工する加工点について、工具第2回転軸に起因する変位を算出して、算出した変位と工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位とを、相対振動算出部202および工具振動算出部203のそれぞれに渡す。なお、工具第2回転軸変位抽出部206から、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度か少なくとも一つの情報と、工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つの情報と、工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つの情報、も受け取り、工具が被加工物を加工する加工点について、工具第2回転軸に起因する位置か速度か加速度かの少なくとも一つを算出して、算出した位置か速度か加速度かの少なくとも一つと工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品の位置か速度か加速度かの少なくとも一つとを、相対振動算出部202および工具振動算出部203のそれぞれに渡してもよい。
なお、工具第2回転軸起因加工点変位の算出では、工具先端中心点の変位を使用し、工具第2回転軸の変位、センサ取り付け位置および機構モデルに基づいた座標変換により算出することが考えられる。ただし、この方法に限定されるものではなく、工具上の別の点を対象とすることも考えられる。また、工具先端中心点の位置か速度か加速度かの少なくとも一つを使用し、工具第2回転軸の変位、センサ取り付け位置および機構モデルに基づいた座標変換により、工具が被加工物を加工する加工点の位置か速度か加速度かの少なくとも一つについて、工具第2回転軸に起因する成分を算出することも考えられる。
また、工具第2回転軸起因加工点変位の算出では、工具から見て固定された点を対象とするのではなく、加工プログラムから予測される加工面の法線方向または工具姿勢に基づいて、被加工物と接触する切削点位置を算出して、算出した切削点位置の変位を用いることも考えられる。ただし、これらの方法に限定されるものではない。
工具振動算出部203は、工具第2回転軸起因加工点変位算出部207から工具第2回転軸に起因する加工点の変位の情報と、工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報と、を受け取り、工具振動算出パラメータ伝達部117から工具振動算出に要するパラメータを受け取る。工具振動算出部203は、工具第2回転軸に起因する振動を算出する。工具振動算出部203は、算出した工具第2回転軸に起因する振動に関する情報を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
また、工具振動算出部203は、工具第2回転軸に起因する振動について、3次元空間での表現から、工具第2回転軸の角度に変換した値も算出しておき、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
また、相対振動算出部202の処理では、加工点変位に基づいて振動を算出したが、工具振動算出部203の処理では、工具振動の算出において、加工点変位の代わりに工具第2回転軸の回転角度で表現される角度変位に基づいて振動を算出することも考えられる。なお、ここでは、相対振動算出部202と同様に、工具第2回転軸に起因する振動のみ算出しているが、工具並進軸の変位、または工具第1回転軸の変位についても振動を算出することがより好適である。ただし、ここに記載した例に限定されるものではない。
制御方式決定部105は、駆動信号伝達部208から駆動信号の情報を受け取り、相対振動算出部202から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部203から工具振動の情報を受け取り、振動情報記録部106から記録されている振動情報を受け取り、相対振動許容値伝達部118から相対振動の許容値を受け取り、被加工物振動許容値伝達部119から被加工物振動の許容値の情報を受け取り、工具振動許容値伝達部120から工具振動の許容値の情報を受け取る。制御方式決定部105は、振動抑制を実施するか否かの決定、および振動の抑制対象の決定を行う。
振動情報記録部106は、振動情報記録保持時間伝達部113から振動情報の記録保持時間を受け取り、振動情報初期値伝達部114から振動情報の初期値を受け取って内部の振動情報を初期化し、相対振動算出部202から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部203から工具振動の情報を受け取る。振動情報記録部106は、受け取った相対振動の情報、被加工物振動の情報、および工具振動の情報を更新する。振動情報記録部106は、振動情報のうち、記録保持時間より過去に記録された情報は破棄し、記録されている振動情報を制御方式決定部105および内部情報伝達部126に渡す。
相対振動抑制部107は、相対振動抑制パラメータ伝達部121から相対振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から相対振動の抑制をするか否かの情報、ならびに、振動周波数の情報、振幅の情報および相対加速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部208から駆動信号の情報を受け取る。相対振動抑制部107は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち抑制対象の振動の周波数について、相対振動周波数を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、相対振動抑制部107は、相対加速度を抑制する際のパラメータおよび相対加速度の大きさに基づいて、相対加速度を抑制するための補正信号を作成する。相対振動抑制部107は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。この際、相対振動算出部202の説明でも述べたように、振動情報は3次元空間での表現だけではなく、工具第2回転軸の角度でも表現されているので、抑制対象の振動についての補正信号は、工具第2回転軸の角度で表現することが可能となる。
被加工物振動抑制部108は、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122から被加工物振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から相対振動の抑制をするか否かの情報、被加工物振動の抑制をする場合の被加工物振動の周波数および振幅の情報、ならびに、被加工物加速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部208から駆動信号の情報を受け取る。被加工物振動抑制部108は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち、抑制対象の振動の周波数について、被加工物振動周波数を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、被加工物振動抑制部108は、被加工物加速度を抑制する際のパラメータおよび被加工物加速度の大きさに基づいて、被加工物加速度を抑制するための補正信号を作成する。被加工物振動抑制部108は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。
工具振動抑制部109は、工具振動抑制パラメータ伝達部123から工具振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から工具振動の抑制をするか否かの情報、工具振動の抑制をする場合の被加工物振動の周波数および振幅の情報、ならびに、被加工物速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部208から駆動信号の情報を受け取る。工具振動抑制部109は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち抑制対象の振動の周波数について、工具振動を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、工具振動抑制部109は、工具加速度を抑制する際のパラメータおよび相対加速度の大きさに基づいて、工具加速度を抑制するための補正信号を作成する。工具振動抑制部109は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。
なお、工具振動抑制部109が受け取る工具振動の周波数、工具振動の振幅および工具振動の加速度は、工具第2回転軸に起因するものなので、振動抑制は工具第2回転軸に対して実施することとなる。この際、工具振動算出部203の説明でも述べたように、振動情報は3次元空間上での表現だけではなく工具第2回転軸の角度でも表現されているので、抑制対象の振動についての補正信号は、工具第2回転軸の角度で表現することが可能となる。なお、実施の形態2では、工具第2回転軸に起因する振動の抑制のみ実施しているが、これに限定されるものではない。並進軸に起因する振動、および工具第1回転軸に起因する振動についても同様の処理を行うことで、工具側の全駆動軸について振動抑制を行うことが好適である。
つぎに、制御装置201に対してインタフェース機能を提供する各部の機能について説明する。
駆動信号伝達部208は、駆動信号の入力を受け付け、相対振動算出部202、工具並進軸変位抽出部204、工具第1回転軸変位抽出部205、工具第2回転軸変位抽出部206、工具第2回転軸起因加工点変位算出部207、制御方式決定部105、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109、および駆動部125に駆動信号を渡す。
被加工物変位計測部111は、被加工物変位を計測し、相対振動算出部202および被加工物振動算出部103に渡す。
センサ計測位置パラメータ伝達部209は、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報、工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報、および、工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品のいずれの箇所を計測しているかの情報の入力を受け付ける。センサ計測位置パラメータ伝達部209は、受け付けた情報を工具並進軸変位抽出部204、工具第1回転軸変位抽出部205、工具第2回転軸変位抽出部206、および工具第2回転軸起因加工点変位算出部207のそれぞれに渡す。
機械構造モデル伝達部210は、機械構造モデルの入力を受け付け、工具並進軸変位抽出部204、工具第1回転軸変位抽出部205、工具第2回転軸変位抽出部206、および工具第2回転軸起因加工点変位算出部207のそれぞれに渡す。
工具並進軸側センサ変位計測部211は、工具並進軸の駆動に連動して移動する部品の変位を計測し、工具並進軸変位抽出部204に渡す。
工具第1回転軸側センサ変位計測部212は、工具第1回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位を計測し、工具第1回転軸変位抽出部205に渡す。
工具第2回転軸側センサ変位計測部213は、工具第2回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位を計測し、工具第2回転軸変位抽出部206に渡す。
振動情報記録保持時間伝達部113は、振動情報の記録保持時間の入力を受け付け、振動情報記録部106に渡す。
振動情報初期値伝達部114は、振動情報記録部106の初期値となる値を受け付け、振動情報記録部106に渡す。
相対振動算出パラメータ伝達部115は、相対振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、相対振動算出部202に渡す。
被加工物振動算出パラメータ伝達部116は、被加工物振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、被加工物振動算出部103に渡す。
工具振動算出パラメータ伝達部117は、工具振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、工具振動算出部203に渡す。
相対振動許容値伝達部118は、相対振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
被加工物振動許容値伝達部119は、被加工物振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
工具振動許容値伝達部120は、工具振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
相対振動抑制パラメータ伝達部121は、相対振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、相対振動抑制部107に渡す。
被加工物振動抑制パラメータ伝達部122は、被加工物振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、被加工物振動抑制部108に渡す。
工具振動抑制パラメータ伝達部123は、工具振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、工具振動抑制部109に渡す。
補正信号伝達部124は、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109から補正信号を受け取り、駆動部125に出力する。
駆動部125は、駆動信号伝達部208から駆動信号の情報を受け取り、補正信号伝達部124から補正信号を受け取り、駆動信号に補正信号を加えた信号に基づいて駆動する。
内部情報伝達部126は、相対振動算出部202から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部203から工具振動の情報を受け取り、振動情報記録部106から記録されている振動情報を受け取り、制御方式決定部105から振動抑制を実施しているか否かの情報、および振動抑制の対象の情報を受け取る。内部情報伝達部126は、受け取った情報を表示部127および外部媒体記録部128に出力する。
表示部127は、内部情報伝達部126から受け取った情報を不図示の表示画面に表示する。
外部媒体記録部128は、内部情報伝達部126から受け取った情報をUSBまたはHDDといった外部媒体に記録する。
つぎに、実施の形態2の制御装置201における振動抑制処理の流れについて、図6を参照して説明する。図6は、実施の形態2における振動抑制処理の流れを示すフローチャートである。
まず、各種伝達部への入力を関係する構成部が受け取る(S201)。
ついで、工具並進軸変位抽出部204は、工具並進軸に起因する変位を抽出する(S202)。また、工具第1回転軸変位抽出部205は、工具第1回転軸に起因する変位を抽出する(S202)。また、工具第2回転軸変位抽出部206は、工具第2回転軸に起因する変位を抽出する(S202)。
ついで、工具第2回転軸起因加工点変位算出部207は、工具第2回転軸に起因する加工点の変位を算出する(S203)。
ついで、工具第2回転軸起因加工点変位算出部207は、工具第2回転軸に起因する加工点の変位を工具第2回転軸の角度で表現した値を算出する(S204)。
ついで、相対振動算出部202は、S203のステップで算出した被加工物に対する加工点の相対変位と、駆動指令による指定位置から算出される被加工物と加工点の理想的な相対位置との差分を算出する(S205)。
ついで、相対振動算出部202は、相対変位と駆動指令の変位との差分の時刻歴データに基づき、周波数と振幅を算出し、相対振動の振動周波数と振動振幅とする(S206)。
ついで、相対振動算出部202は、相対変位と駆動指令の変位との差分の時刻歴データに基づき、相対加速度を算出する(S207)。
ついで、被加工物振動算出部103と工具振動算出部203はそれぞれ被加工物振動と工具振動の振動周波数と振動振幅を算出する(S208)。
ついで、被加工物振動算出部103と工具振動算出部203はそれぞれ被加工物加速度と工具加速度を算出する(S209)。
ついで、算出された相対振動と工具振動と被加工物振動の情報を振動情報記録部106が記録する(S210)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された相対振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数があるかを判定し、存在する場合は、S212のステップに進み、存在しない場合は、S213のステップに進む(S211)。
S211のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、相対振動抑制部107は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S212)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された工具振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数があるか否かを判定し、存在する場合は、S214のステップに進み、存在しない場合は、S215のステップに進む(S213)。
S213のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、工具振動抑制部109は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S214)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された被加工物振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数があるかを判定し、存在する場合は、S216のステップに進み、存在しない場合は、S217のステップに進む(S215)。
S215のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、被加工物振動抑制部108は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S216)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された相対加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S218のステップに進み、許容値以下の場合は、S219のステップに進む(S217)。
S217のステップにおいて、加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、加速度を抑制すると決定し、相対振動抑制部107は、加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S218)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された工具加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S220のステップに進み、許容値以下の場合は、S221のステップに進む(S219)。
S219のステップにおいて、加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、加速度を抑制すると決定し、工具振動抑制部109は、加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S220)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された被加工物加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S222のステップに進み、許容値以下の場合は、S223のステップに進む(S221)。
S221のステップにおいて、加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、加速度を抑制すると決定し、被加工物振動抑制部108は、加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S222)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された相対振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS224のステップに進み、存在しない場合は、S225のステップに進む(S223)。
S223のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、相対振動抑制部107は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S224)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された工具振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS226のステップに進み、存在しない場合は、S227のステップに進む(S225)。
S225のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、工具振動抑制部109は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S226)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された被加工物振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS228のステップに進み、存在しない場合は、S229のステップに進む(S227)。
S227のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、被加工物振動抑制部108は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S228)。
ついで、振動情報記録部106は、記録された振動周波数と振動振幅を更新する(S229)。この際、記録している振動情報のうち、振動情報記録保持時間よりも過去の情報を破棄する。
ついで、内部情報伝達部126は、構成部の説明で述べた各種情報を表示部127と外部媒体記録部128とに出力する(S230)。表示部127は受け取った情報を表示する。外部媒体記録部128は、受け取った情報を外部媒体に記録する。
ついで、補正信号伝達部124は、受け取った補正信号を駆動部125に出力する。駆動部125は、補正信号に基づき駆動信号を補正する(S231)。駆動部125は、補正後の駆動信号に基づいて駆動機構を動作させる。
なお、実施の形態2では、工具第2回転軸に起因する振動の抑制のみ実施しているが、これに限定されるものではなく、並進軸に起因する振動および工具第1回転軸に起因する振動についても同様の処理を行うことで、工具側の全駆動軸について振動抑制を行うことが好適である。
また、実施の形態2では、工具の並進軸であるX軸およびZ軸については、1つのセンサで計測を実施しているが、軸ごとにセンサを取り付けて振動を抽出するようにすれば、より好適である。その場合、最も根元側の軸(図5の例であればX軸)については、センサの値を変位と見なし、その先の軸(図5の例であれば、工具第1回転軸及び工具第2回転軸)については、工具第1回転軸変位抽出部205および工具第2回転軸変位抽出部206の説明で述べたように、着目する軸よりも根元側の軸の変位および機構モデルに基づいて、座標変換により、変位を算出することが考えられる。
また、図5に示した機構とは異なる機構で、最も根元側の軸が回転軸である場合なども上記と同様に、最も根元側の軸についてはセンサの計測値がその軸に起因する変位と見なし、その先の軸については、着目する軸よりも根元側の軸の変位と機構モデルによる座標変換に基づいて変位を算出することが考えられる。
以上のように、実施の形態2によれば、並進軸または回転軸の各軸に起因する振動を抽出して抑制することで、各軸の振動成分の計測精度と抑制精度とを向上することができる。また、実施の形態2の方法を用いれば、回転軸を含む構造の機械でも振動の抑制が可能となる。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3に係る制御装置301を含む駆動装置300の構成を示すブロック図である。また、図8は、実施の形態3に係る制御装置301の動作説明に供する駆動装置300における機械構造の概念図である。
図7は、実施の形態3に係る制御装置301を含む駆動装置300の構成を示すブロック図である。また、図8は、実施の形態3に係る制御装置301の動作説明に供する駆動装置300における機械構造の概念図である。
図8には、実施の形態3に係る駆動装置における機械構造が示されている。実施の形態3では、図2に示す実施の形態1に係る機械構造における工具001の部分を、図8に示す工具014で置き換えた構造を想定する。具体的に説明すると、図2に示す機械構造では、工具001がX軸及びZ軸の2つの並進軸での移動が可能であった。一方、図8に示す機械構造では、リンク機構022が設けられ、このリンク機構022によって1つの回転軸が構成される。リンク機構022によって構成される回転軸を、ここでは、「工具回転軸」と称する。これにより、工具014は、X軸及びZ軸の2つの並進軸での移動に加え、工具回転軸での移動をも可能となっている。また、回転軸とともに移動する機械部品017の変位を計測するための工具回転軸第1センサ015と、工具回転軸第2センサ016とを回転軸とともに移動する機械部品017に取り付けている。機械部品017は、工具014が固定される工具保持部として機能する。
なお、図8は説明のための一例であり、本願の範囲を、図示の形態に限定するものではない。回転軸が被加工物側を駆動するような機械構造でもよい。また、回転軸の数も1つに限らず、2軸以上であってもよい。また、センサの計測箇所も2つに限らず、3つ以上であってもよい。
図7には、実施の形態3に係る制御装置301を含む駆動装置300の構成を示している。図7において、図1に示す実施の形態1に係る駆動装置100、または図4に示す実施の形態2に係る駆動装置200と同一または同等の構成部には同一符号を付して示している。また、図7において、図1または図4に図示されている構成部であっても、情報の出力先が異なる構成部、または、新たな機能が付加されている構成部については、300番台の符号を付して示している。以下、実施の形態3に関係する構成および動作を中心に説明する。
図7において、制御装置301の周囲には、制御装置301との間で情報の授受を行うためのインタフェース機能を担う構成部として、振動情報記録保持時間伝達部113、振動情報初期値伝達部114、相対振動算出パラメータ伝達部115、被加工物振動算出パラメータ伝達部116、工具振動算出パラメータ伝達部117、相対振動許容値伝達部118、被加工物振動許容値伝達部119、工具振動許容値伝達部120、相対振動抑制パラメータ伝達部121、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122、工具振動抑制パラメータ伝達部123、補正信号伝達部124、駆動信号伝達部306、センサ計測位置パラメータ伝達部307、機械構造モデル伝達部308、工具回転軸第1センサ変位計測部309、および工具回転軸第2センサ変位計測部310を備えている。また、制御装置301は、相対振動算出部302、被加工物振動算出部103、工具振動算出部303、制御方式決定部105、振動情報記録部106、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109、工具回転軸変位算出部304、および、工具回転軸起因加工点変位算出部305を備える。
制御装置301は、駆動信号伝達部306からの駆動信号の情報を受け取り、被加工物変位計測部111からの計測信号に含まれる被加工物変位の情報を受け取り、工具回転軸第1センサ変位計測部309からの計測信号に含まれる工具回転軸第1センサ計測位置の変位の情報を受け取り、工具回転軸第2センサ変位計測部310からの計測信号に含まれる工具回転軸第2センサ計測位置の変位の情報を受け取り、センサ計測位置パラメータ伝達部307から工具回転軸の駆動に連動して移動する部品について第1センサと第2センサがそれぞれいずれの箇所を計測しているかの情報を受け取り、機械構造モデル伝達部308から機械構造のモデルの情報を受け取り、振動情報記録保持時間伝達部113から振動情報記録保持時間の情報を受け取り、振動情報初期値伝達部114から振動情報記録部106が記録する初期値の情報を受け取り、相対振動算出パラメータ伝達部115から相対振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、被加工物振動算出パラメータ伝達部116から被加工物振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、工具振動算出パラメータ伝達部117から工具振動の算出に要するパラメータの情報を受け取り、相対振動許容値伝達部118から相対振動の許容値の情報を受け取り、被加工物振動許容値伝達部119から被加工物振動の許容値の情報を受け取り、工具振動許容値伝達部120から工具振動の許容値の情報を受け取り、相対振動抑制パラメータ伝達部121から相対振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取り、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122から被加工物振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取り、工具振動抑制パラメータ伝達部123から工具振動の抑制に要するパラメータの情報を受け取る。
また、制御装置301は、駆動信号に加算する補正信号を補正信号伝達部124に出力し、現在が振動抑制中であるか否かの情報、相対振動、被加工物振動および工具振動のうちのいずれを抑制しているかの情報、ならびに、振動情報記録部106に記録されている振動の履歴の情報を内部情報伝達部126に出力する。なお、実施の形態3の制御装置301における処理の流れの詳細については後述する。
相対振動算出部302は、駆動信号伝達部306から駆動信号の情報を受け取り、被加工物変位計測部111から被加工物変位の情報を受け取り、工具回転軸起因加工点変位算出部305から工具回転軸に起因する加工点の変位の情報を受け取り、相対振動算出パラメータ伝達部115から相対振動の算出に要するパラメータの情報を受け取る。相対振動算出部302は、受領した情報に基づいて相対振動を算出する。相対振動算出部302は、算出した相対振動を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
また、相対振動算出部302は、相対振動について、3次元空間での表現から、工具回転軸の角度に変換した値も算出しておき、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
被加工物振動算出部103は、被加工物変位計測部111から被加工物変位の情報を受け取り、被加工物振動算出パラメータ伝達部116から被加工物振動算出に要するパラメータの情報を受け取る。被加工物振動算出部103は、受領した情報に基づいて被加工物振動を算出する。被加工物振動算出部103は、算出した被加工物振動を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
工具回転軸変位算出部304は、センサ計測位置パラメータ伝達部307から工具回転軸の駆動に連動して移動する部品について第1センサと第2センサのそれぞれが、いずれの箇所を計測しているかの情報を受け取り、工具回転軸第1センサ変位計測部309から計測した変位の情報を受け取り、工具回転軸第2センサ変位計測部310から計測した変位の情報を受け取り、駆動信号伝達部306から駆動信号を受け取る。
工具回転軸変位算出部304は、工具回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位を算出して、工具回転軸起因加工点変位算出部305に渡す。図8の駆動機構を例に説明すると、工具回転軸第1センサ015の取り付け位置から工具回転軸の中心軸までの距離をL1とし、工具回転軸第2センサ016の取り付け位置から工具回転軸の中心軸までの距離をL2とし、工具回転軸の指令角度をθ1とし、指令角度と振動とを含む角度変位をθ2とする。
工具回転軸側より根元側の並進軸に起因するX軸方向の変位dxが工具回転軸第1センサ015と工具回転軸第2センサ016に同様に影響すると仮定した場合、工具回転軸第1センサ015のX軸方向変位は、次式で表現される。
L1sin(θ2)+dx …(1)
同様に、工具回転軸第2センサ016のX軸方向変位は、次式で表現される。
−L2sin(θ2)+dx …(2)
なお、工具回転軸第1センサ015と工具回転軸第2センサ016とで変位の符号が逆なのは、図8における取り付け位置が回転軸を挟んだ反対側となっているからである。
よって、工具回転軸第1センサ015のX軸方向変位から、工具回転軸第2センサ016のX軸方向変位を減算した値は、次式となる。
(L1+L2)sin(θ2) …(3)
ここで、L1およびL2およびθ1の値は既知である。このため、上記(3)式を用いれば、工具回転軸角度変位の振動成分θ2−θ1を求めることができる。なお、ここではセンサの変位を計測して回転軸の角度変位を算出しているが、この例に限るものではなく、センサの位置か変位か速度か加速度のいずれか一つを計測して回転軸の角度か角度変位か角速度か角加速度の少なくともいずれか一つを算出することも出来る。例えば、上述の例では、指令角度からの角度変位を算出しているが、代わりに、任意の指令角度を基準とした場合の角度を算出しても良い。また、位置を計測して、変位を計測した場合と同様の式で回転軸の角度変位か角度かの少なくとも一つを算出することも可能であり、求めた角度変位か角度かの少なくとも一つを微分することで角速度や角加速度を算出できる。また、速度や加速度を計測する場合、積分してセンサ位置かセンサ変位かの少なくとも一つを算出した後、回転軸の角度変位か角度かの少なくとも一つを算出することが可能であり、求めた角度変位か角度かの少なくとも一つを微分することで角速度か角加速度かの少なくとも一つを算出できる。ただし、この方法に限定するものではない。
なお、ここではX軸方向の変位に着目しているが、Y軸方向またはZ軸方向の変位を用いた方法も考えられる。また、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のうちの少なくとも2つ以上を用いて算出した平均を用いることも考えられる。また、2つのセンサを回転軸の反対側でなく、同じ側に配置することも考えられる。また、ここでは、工具回転軸第1センサ015と工具回転軸第2センサ016とに、根元側の軸である並進軸が同程度に影響すると仮定しているが、変位検出用とは別に検証用のセンサを増やして、回転軸を挟んだ反対側でL1=L2となるように配置した場合の加算結果がゼロと見なせるほど小さいかを確認することで、当該仮定が成立しているかを検証することも考えられる。この検証において、当該仮定が成立しない場合は、誤った補正を防ぐために該当軸の振動抑制は行なわないといったこと、警告を出力するといったことも考えられる。ただし、ここに記載した例に限定されるものではない。
図7に戻り、工具回転軸起因加工点変位算出部305は、機械構造モデル伝達部308から機械構造モデルの情報を受け取り、工具回転軸変位算出部304から工具回転軸の駆動に連動して移動する部品の変位の情報を受け取り、駆動信号伝達部306から駆動信号を受け取る。工具回転軸起因加工点変位算出部305は、工具が被加工物を加工する加工点について、工具回転軸に起因する変位を算出する。工具回転軸起因加工点変位算出部305は、算出した変位を工具振動算出部303に渡す。
工具振動算出部303は、工具回転軸起因加工点変位算出部305から工具回転軸に起因する変位の情報を受け取り、工具振動算出パラメータ伝達部117から工具振動算出に要するパラメータの情報を受け取る。工具振動算出部303は、工具回転軸に起因する振動を算出する。工具振動算出部303は、算出した工具回転軸に起因する振動の情報を、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。
また、工具振動算出部303は、工具回転軸に起因する振動について、3次元空間での表現から、工具回転軸の角度に変換した値も算出しておき、制御方式決定部105、振動情報記録部106および内部情報伝達部126に渡す。なお、工具回転軸に起因する振動の算出方法としては、相対振動算出部302と同様に、周波数および振幅の算出する方法、または、加速度を算出する方法が考えられる。また、3次元空間での表現から工具回転軸の角度への変換は、機構モデルに基づいた座標変換により求めることが考えられる。ただし、これらの方法に限定されるものではない。
制御方式決定部105は、駆動信号伝達部306から駆動信号の情報を受け取り、相対振動算出部302から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部303から工具振動の情報を受け取り、振動情報記録部106から記録されている振動情報を受け取り、相対振動許容値伝達部118から相対振動の許容値を受け取り、被加工物振動許容値伝達部119から被加工物振動の許容値を受け取り、工具振動許容値伝達部120から工具振動の許容値を受け取る。制御方式決定部105は、振動抑制を実施するか否かの決定、および振動の抑制対象の決定を行う。
振動情報記録部106は、振動情報記録保持時間伝達部113から振動情報の記録保持時間を受け取り、振動情報初期値伝達部114から振動情報の初期値を受け取って内部の振動情報を初期化し、相対振動算出部302から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部303から工具振動の情報を受け取る。振動情報記録部106は、受け取った相対振動の情報、被加工物振動の情報、および工具振動の情報を更新する。振動情報記録部106は、振動周波数の記録のうち、保持時間以前に記録された情報は破棄し、記録されている振動情報を制御方式決定部105および内部情報伝達部126に渡す。
相対振動抑制部107は、相対振動抑制パラメータ伝達部121から相対振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から相対振動の抑制をするか否かの情報、相対振動の周波数の情報、振幅の情報および相対加速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部306から駆動信号の情報を受け取る。相対振動抑制部107は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち、抑制対象の振動の周波数について、相対振動周波数を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、相対振動抑制部107は、相対加速度を抑制する際のパラメータおよび相対加速度の大きさに基づいて、相対加速度を抑制するための補正信号を作成する。相対振動抑制部107は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。
被加工物振動抑制部108は、被加工物振動抑制パラメータ伝達部122から被加工物振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から被加工物振動の抑制をするか否かの情報、相対振動を抑制する場合の被加工物振動の周波数および振幅の情報、ならびに、被加工物速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部306から駆動信号の情報を受け取る。被加工物振動抑制部108は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち、抑制対象の振動の周波数について、被加工物振動周波数を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、被加工物振動抑制部108は、被加工物加速度を抑制する際のパラメータおよび被加工物加速度の大きさに基づいて、被加工物加速度を抑制するための補正信号を作成する。被加工物振動抑制部108は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。
工具振動抑制部109は、工具振動抑制パラメータ伝達部123から工具振動を抑制する際のパラメータの情報を受け取り、制御方式決定部105から工具振動の抑制をするか否かの情報、工具振動を抑制する場合の工具振動の周波数および振幅の情報、ならびに、工具加速度の情報を受け取り、駆動信号伝達部306から駆動信号を受け取る。工具振動抑制部109は、駆動指令に含まれる周波数成分のうち、抑制対象の振動の周波数について、工具振動周波数を抑制する際のパラメータおよび抑制対象の振動の振幅に基づいて、抑制対象の周波数を抑制するための補正信号を作成する。また、工具振動抑制部109は、工具加速度を抑制する際のパラメータおよび相対加速度の大きさに基づいて、工具加速度を抑制するための補正信号を作成する。また、工具振動抑制部109は、作成した2つの補正信号を補正信号伝達部124に出力する。
なお、工具振動抑制部109が受け取る工具振動の周波数、工具振動の振幅、工具振動の加速度は、工具回転軸に起因するものなので、振動抑制は工具回転軸に対して実施することとなる。なお、実施の形態3では、工具回転軸に起因する振動の抑制のみ実施しているが、これに限定されるものではない。並進軸に起因する振動についても同様の処理を行うことで、工具側の全駆動軸について振動抑制を行うことが好適である。
つぎに、制御装置301に対してインタフェース機能を提供する各部の機能について説明する。
駆動信号伝達部306は、駆動信号の入力を受け付け、相対振動算出部302、工具回転軸変位算出部304、工具回転軸起因加工点変位算出部305、制御方式決定部105、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109、および駆動部125に駆動信号を渡す。
被加工物変位計測部111は、被加工物変位を計測し、相対振動算出部302および被加工物振動算出部103に渡す。
センサ計測位置パラメータ伝達部307は、工具回転軸の駆動に連動して移動する部品について、工具回転軸第1センサ015および工具回転軸第2センサ016のそれぞれが、いずれの箇所を計測しているかの情報の入力を受け付ける。センサ計測位置パラメータ伝達部307は、受け付けた情報を工具回転軸変位算出部304に渡す。
機械構造モデル伝達部308は、機械構造モデルの入力を受け付け、工具回転軸起因加工点変位算出部305に渡す。
工具回転軸第1センサ変位計測部309は、工具回転軸の駆動に連動して移動する部品の第1の計測箇所の変位を計測し、工具回転軸変位算出部304に渡す。
工具回転軸第2センサ変位計測部310は、工具回転軸の駆動に連動して移動する部品の第2の計測箇所の変位を計測し、工具回転軸変位算出部304に渡す。
振動情報記録保持時間伝達部113は、振動情報の記録保持時間の入力を受け付け、振動情報記録部106に渡す。
振動情報初期値伝達部114は、振動情報記録部106の初期値となる値を受け付け、振動情報記録部106に渡す。
相対振動算出パラメータ伝達部115は、相対振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、相対振動算出部302に渡す。
被加工物振動算出パラメータ伝達部116は、被加工物振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、被加工物振動算出部103に渡す。
工具振動算出パラメータ伝達部117は、工具振動の算出に要するパラメータの入力を受け付け、工具振動算出部303に渡す。
相対振動許容値伝達部118は、相対振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
被加工物振動許容値伝達部119は、被加工物振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
工具振動許容値伝達部120は、工具振動の許容値の入力を受け付け、制御方式決定部105に渡す。
相対振動抑制パラメータ伝達部121は、相対振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、相対振動抑制部107に渡す。
被加工物振動抑制パラメータ伝達部122は、被加工物振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、被加工物振動抑制部108に渡す。
工具振動抑制パラメータ伝達部123は、工具振動の抑制に要するパラメータの入力を受け付け、工具振動抑制部109に渡す。
補正信号伝達部124は、相対振動抑制部107、被加工物振動抑制部108、工具振動抑制部109から補正信号を受け取り、駆動部125に出力する。
駆動部125は、駆動信号伝達部306から駆動信号の情報を受け取り、補正信号伝達部124から補正信号を受け取り、駆動信号に補正信号を加えた信号に基づいて駆動する。
内部情報伝達部126は、相対振動算出部302から相対振動の情報を受け取り、被加工物振動算出部103から被加工物振動の情報を受け取り、工具振動算出部303から工具振動の情報を受け取り、振動情報記録部106から記録されている振動情報を受け取り、制御方式決定部105から振動抑制を実施しているか否かの情報、および振動抑制の対象の情報を受け取る。内部情報伝達部126は、受け取った情報を表示部127および外部媒体記録部128に出力する。
表示部127は、内部情報伝達部126から受け取った情報を不図示の表示画面に表示する。
外部媒体記録部128は、内部情報伝達部126から受け取った情報をUSBまたはHDDといった外部媒体に記録する。
つぎに、実施の形態3の制御装置301における振動抑制処理の流れについて、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態3における振動抑制処理の流れを示すフローチャートである。
まず、各種伝達部への入力を関係する構成部が受け取る(S301)。
ついで、工具回転軸変位算出部304が、工具回転軸に起因する変位を抽出する(S302)。
ついで、工具回転軸起因加工点変位算出部305が工具回転軸に起因する加工点の変位を算出する(S303)。
ついで、工具回転軸起因加工点変位算出部305が工具回転軸に起因する加工点の変位を工具回転軸の角度で表現した値を算出する(S304)。
ついで、相対振動算出部302は、S303のステップで算出した被加工物に対する加工点の相対変位と、駆動指令による指定位置から算出される被加工物と加工点の理想的な相対位置との差分を算出する(S305)。
ついで、相対振動算出部302は、相対変位と駆動指令の変位との差分の時刻歴データに基づき、周波数と振幅を算出し、相対振動の振動周波数と振動振幅とする(S306)。
ついで、相対振動算出部302は、相対変位と駆動指令の変位との差分の時刻歴データに基づき、相対加速度を算出する(S307)。
ついで、工具振動算出部303と被加工物振動算出部103はそれぞれ工具振動と被加工物振動の振動周波数と振動振幅を算出する(S308)。
ついで、工具振動算出部303は工具加速度を算出し、被加工物振動算出部103は被加工物加速度を算出する(S309)。
ついで、算出された相対振動と工具振動と被加工物振動の情報を振動情報記録部106が記録する(S310)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された相対振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数があるかを判定し、存在する場合は、S312のステップに進み、存在しない場合は、S313のステップに進む(S311)。
S311のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、相対振動抑制部107は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S312)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された工具振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数があるかを判定し、存在する場合は、S314のステップに進み、存在しない場合は、S315のステップに進む(S313)。
S313のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、工具振動抑制部109は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S314)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された被加工物振動の振動振幅が許容値以上となる振動周波数があるかを判定し、存在する場合は、S316のステップに進み、存在しない場合は、S317のステップに進む(S315)。
S315のステップにおいて、許容値以上の振幅となる周波数が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、被加工物振動抑制部108は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S316)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された相対加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S318のステップに進み、許容値以下の場合は、S319のステップに進む(S317)。
S317のステップにおいて、加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、加速度を抑制すると決定し、相対振動抑制部107は、加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S318)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された工具加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S320のステップに進み、許容値以下の場合は、S321のステップに進む(S319)。
S319のステップにおいて、加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、加速度を抑制すると決定し、工具振動抑制部109は、加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S320)。
ついで、制御方式決定部105は、算出された被加工物加速度が許容値以上か否かを判定し、許容値以上の場合は、S322のステップに進み、許容値以下の場合は、S323のステップに進む(S321)。
S321のステップにおいて、加速度が許容値以上の場合、制御方式決定部105は、加速度を抑制すると決定し、被加工物振動抑制部108は、加速度を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S322)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された相対振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS324のステップに進み、存在しない場合は、S325のステップに進む(S323)。
S323のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、相対振動抑制部107は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S324)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された工具振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS326のステップに進み、存在しない場合は、S327のステップに進む(S325)。
S325のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、工具振動抑制部109は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S326)。
ついで、制御方式決定部105は、振動情報記録部106に記録された被加工物振動について、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在するか否かを判定し、存在する場合はS328のステップに進み、存在しない場合は、S329のステップに進む(S327)。
S327のステップにおいて、振動振幅が許容値以上となる周波数成分が存在する場合、制御方式決定部105は、該当の周波数成分を抑制すると決定し、被加工物振動抑制部108は、該当の周波数成分を抑制するための補正信号を作成し、補正信号伝達部124に出力する(S328)。
ついで、振動情報記録部106は、記録された振動周波数と振動振幅を更新する(S329)。この際、記録している振動情報のうち、振動情報記録保持時間よりも過去の情報を破棄する。
ついで、内部情報伝達部126は、構成部の説明で述べた各種情報を表示部127と外部媒体記録部128とに出力する(S330)。表示部127は受け取った情報を表示する。外部媒体記録部128は、受け取った情報を記録する。
ついで、補正信号伝達部124は、受け取った補正信号を駆動部125に出力する。駆動部125は、補正信号に基づき駆動信号を補正する(S331)。駆動部125は、補正後の駆動信号に基づいて駆動機構を動作させる。
なお、実施の形態3では、工具回転軸に起因する振動の抑制のみ実施しているが、これに限定されるものではなく、並進軸に起因する振動についても同様の処理を行うことで、工具側の全駆動軸について振動抑制を行うことが好適である。
また、実施の形態3は、実施の形態2と組み合わせて使用することも考えられ、回転軸の振動について、実施の形態2で算出した値と実施の形態3で算出した値の平均をとることが考えられる。ただし、これに限定されるものではない。
以上のように、実施の形態3によれば、実施の形態2とは異なる方法で、回転軸に起因する振動を抑制することができる。
また、実施の形態3によれば、着目する軸より根元側の軸の影響を2つのセンサで打ち消しあうことができるので、軸数が増えた場合に、実施の形態2よりも振動の算出精度を高めることができる。
ここまで、実施の形態1から3に係る制御装置の構成および動作について説明してきた。上述した内容により、本発明に係る制御装置は、以下に記載する概念の発明が創出される。
本発明は、工具および被加工物のうちの少なくとも1つを駆動する駆動部を制御する制御装置である。本発明に係る制御装置は、少なくとも相対振動算出部と、相対振動抑制部とを備える。相対振動算出部は、工具および工具が固定される工具保持部のうちの少なくとも一方を計測した計測信号と、被加工物および被加工物が固定される被加工物保持部のうちの少なくとも一方を計測した計測信号と、工具と被加工物の少なくとも一方を制御するための駆動部への駆動信号とに基づき、被加工物に対する工具の相対変位と指令位置との間に生じる相対振動の程度を表す成分を算出する。相対振動抑制部は、相対振動算出部の算出結果に基づいて、相対振動を抑制する指令を出力する。これにより、振動成分のうち駆動部に対する指令成分を除いた、外乱による振動のみを抑制することが可能となる。
なお、本発明に係る制御装置は、相対振動算出部が、相対振動の振動周波数である第1の振動周波数、および、被加工物に対する工具の相対変位と指令位置との間に生じる相対加速度のうちの少なくとも1つを算出し、相対振動抑制部は、駆動指令に含まれる第1の振動周波数の周波数成分、および、相対加速度のうちの少なくとも1つを抑制するようにしてもよい。これにより、相対振動を引き起こす周波数成分を抑制する、もしくは相対加速度を打ち消すことで、相対振動を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る制御装置は、さらに制御方式決定部を備えていてもよい。この構成による制御装置では、相対振動算出部が、相対振動の振動周波数である第1の振動周波数および相対振動の振幅値である第1の振動振幅と、被加工物に対する工具の相対位置と指令位置との間に生じる相対加速度と、のうちの少なくとも1つを算出し、制御方式決定部は、第1の振動振幅が、振幅許容値よりも大きい場合には、第1の振動周波数のうちの該当の周波数成分を抑制すると決定し、相対加速度が、相対加速度許容値より大きい場合には、相対加速度を抑制すると決定し、制御方式決定部が駆動指令に含まれる相対振動の周波数成分を抑制すると決定した場合、相対振動抑制部は、該当の周波数成分を抑制する補正信号を駆動部に出力し、制御方式決定部が相対加速度を抑制すると決定した場合には、相対振動抑制部は、相対加速度を抑制する補正信号を駆動部に出力する。これにより、相対振動が大きい場合にのみ振動抑制を実施することで、過剰な補正を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る制御装置は、さらに工具振動算出部、制御方式決定部および工具振動抑制部を備えていてもよい。この構成による制御装置では、工具振動算出部は、工具振動の振動周波数である第2の振動周波数および工具振動の振幅値である第2の振動振幅と、工具の加速度である工具加速度と、のうちの少なくとも1つを算出し、制御方式決定部は、第2の振動振幅が、振幅許容値より大きい場合には、第2の振動周波数のうちの該当の周波数成分を抑制すると決定し、工具加速度が加速度許容値より大きい場合には、工具加速度を抑制すると決定し、工具振動抑制部は、制御方式決定部が駆動指令に含まれる工具振動の周波数成分を抑制すると決定した場合には、該当の周波数成分を抑制する補正信号を駆動部に出力し、制御方式決定部が工具加速度を抑制すると決定した場合には、工具加速度を抑制する補正信号を駆動部に出力する。これにより、機械の劣化につながる工具振動が大きい場合に工具振動を抑制することで、機械の劣化を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る制御装置は、さらに被加工物振動算出部、制御方式決定部および被加工物振動抑制部を備えていてもよい。この構成による制御装置では、被加工物振動算出部は、被加工物振動の振動周波数である第3の振動周波数および被加工物振動の振幅値である第3の振動振幅と、被加工物の加速度である被加工物加速度と、のうちの少なくとも1つを算出し、制御方式決定部は、第3の振動振幅が、振幅許容値より大きい場合には、第3の振動周波数のうちの該当の周波数成分を抑制すると決定し、被加工物加速度が、加速度許容値より大きい場合には、被加工物加速度を抑制すると決定し、被加工物振動抑制部は、制御方式決定部が駆動指令に含まれる被加工物振動の周波数成分を抑制すると決定した場合には、該当の周波数成分を抑制する補正信号を駆動部に出力し、制御方式決定部が被加工物加速度を抑制すると決定した場合には、被加工物加速度を抑制する補正信号を駆動部に出力する。これにより、機械の劣化につながる被加工物振動が大きい場合に被加工物振動を抑制することで、機械の劣化を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る制御装置は、さらに振動情報記録部を備えていてもよい。この構成による制御装置では、相対振動算出部、工具振動算出部および被加工物振動算出部のうちの少なくとも1つが設けられ、少なくとも1つの相対振動算出部、工具振動算出部および被加工物振動算出部に対応する相対振動抑制部、工具振動抑制部、および被加工物振動抑制部のうち少なくとも1つが設けられる。振動情報記録部は、少なくとも1つの相対振動算出部、工具振動算出部および被加工物振動算出部が算出した振動情報を記録する。少なくとも1つの相対振動算出部、工具振動算出部および被加工物振動算出部に対応して設けられる相対振動抑制部、工具振動抑制部、および被加工物振動抑制部のうちの少なくとも1つは、振動情報記録部に記録された相対振動情報が相対振動許容値を超えた場合と、振動情報記録部に記録された工具振動情報が工具振動許容値を超えた場合と、振動情報記録部に記録された被加工物振動情報が被加工物振動許容値を超えた場合とのうちの少なくとも1つの場合に該当する場合に、駆動信号中の該当する振動成分を抑制する補正信号を駆動部に出力する。これにより、振動情報を記録しておくことで、一度発生した振動と同一の振動が以降の加工で発生しないようにできるので、繰り返し加工する間に振動抑制の精度を高めることが可能となる。
また、本発明に係る制御装置は、さらに駆動軸変位成分分配部を備えていてもよい。なお、ここで言う、「駆動軸変位成分分配部」は、図4に記載された「工具並進軸変位抽出部204」、「工具第1回転軸変位抽出部205」、「工具第2回転軸変位抽出部206」および「工具第2回転軸起因加工点変位算出部207」と、図7に記載された「工具回転軸変位算出部304」および「工具回転軸起因加工点変位算出部305」の総称である。この構成による制御装置では、駆動軸変位成分分配部は、工具の位置と、工具の変位と、工具の速度と、工具の加速度と、被加工物の位置と、被加工物の変位と、被加工物の速度と、被加工物の加速度のうち少なくとも1つの直交空間各軸方向における成分について、駆動可能な駆動軸のうちの少なくとも1つの第1の駆動軸に対して、上記成分のうち第1の駆動軸に起因する成分を抽出し、相対振動抑制部、工具振動抑制部、および被加工物振動抑制部のうち少なくとも1つは、駆動軸変位成分分配部によって分配された第1の駆動軸に起因する成分と、駆動信号と、に基づいて、相対振動と、工具振動と、被加工物振動とのうちの少なくとも1つを抑制する補正信号を駆動部に出力する。これにより、各軸の振動成分の計測精度を向上させることができ、また、回転軸を含む構造の機械でも振動を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る制御装置によれば、駆動軸変位成分分配部は、第1の駆動軸に対してリンク機構の根元側に駆動軸が存在しない場合は、第1の駆動軸で動作する機械部品に取り付けられた変位計測器の信号を第1の駆動軸の変位成分として分配し、第1の駆動軸に対してリンク機構の根元側に駆動軸が存在する場合は、第1の駆動軸で動作する機械部品と第1の駆動軸の根元側の駆動軸で動作する機械部品とのそれぞれに取り付けた変位計測器のそれぞれの取り付け位置と、それぞれの計測変位と、に基づいて第1の駆動軸の変位成分を算出する。これにより、各軸の振動成分の計測精度を向上させることができ、また、回転軸を含む構造の機械でも振動を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る制御装置によれば、駆動軸変位成分分配部は、1つの回転軸を駆動した際に同一の回転中心軸を中心として運動を行う機械部品の2箇所以上に取り付けられた変位計測器から出力を受け取り、変位計測器それぞれの取り付け位置とそれぞれの計測変位に基づいて、回転軸に分配する変位成分を算出する。これにより、各軸の振動成分の計測精度を向上させることができ、また、回転軸を含む構造の機械でも振動を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る制御装置によれば、振動抑制処理中であるか否かと、振動抑制処理中の場合の振動抑制対象と、振動抑制処理中の場合の振動抑制対象の振動周波数と、振動抑制処理中の場合の振動抑制対象の振動振幅と、振動抑制処理中の場合の振動抑制対象の加速度と、相対振動の振動周波数と相対振動の振動振幅と、相対加速度と、工具振動の振動周波数および工具振動の振動振幅と、工具加速度と、被加工物振動の振動周波数および被加工物振動の振動振幅と、被加工物加速度と、振動情報記録部に記録された相対振動の振動周波数と、振動情報記録部に記録された相対振動の振動振幅と、振動情報記録部に記録された相対加速度と、振動情報記録部に記録された工具振動の振動周波数と、振動情報記録部に記録された工具振動の振動振幅と、振動情報記録部に記録された工具加速度と、振動情報記録部に記録された被加工物振動の振動周波数と、振動情報記録部に記録された被加工物振動の振動振幅と、振動情報記録部に記録された被加工物加速度と、制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の履歴と、制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の振動周波数の履歴と、制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の振動振幅履歴と、制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の加速度履歴と、のうち少なくとも1つを、表示部に表示するか、外部に出力するかの少なくとも1つを実施する。これにより、振動に関わる情報をユーザに提示できる他、外部媒体での記録および稼動状態の監視が可能となる。
最後に、本実施の形態に係る制御装置を具現するハードウェア構成について、図10を参照して説明する。
本実施の形態に係る制御装置101,201,301の機能を実現する場合には、図10に示すように、演算を行うプロセッサ51と、プロセッサ51によって読みとられるプログラムが展開されるメモリ52と、信号または情報の入出力を行うインタフェース53、プログラムおよび情報を保持する記憶装置54と、を含む構成とすることができる。なお、プロセッサ51は、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)などと称されるものであってもよい。また、メモリ52とは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどが該当する。
具体的に、記憶装置54には、本実施の形態に係る制御装置101,201,301の機能を実行するプログラムが格納されている。プロセッサ51は、インタフェース53を介して、必要な情報の授受を行うことにより、本実施の形態で説明された各種の演算処理を実行する。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
001,007,014 工具、002 被加工物、003 工具変位計測器、004 被加工物変位計測器、005A,005B,006,011,012,013,017 機械部品、008 工具並進軸側センサ、009 工具第1回転軸側センサ、010 工具第2回転軸側センサ、015 工具回転軸第1センサ、016 工具回転軸第2センサ、020,021,022 リンク機構、031,032 固定部品、100,200,300 駆動装置、101 制御装置、102 相対振動算出部、103 被加工物振動算出部、104 工具振動算出部、105 制御方式決定部、106 振動情報記録部、107 相対振動抑制部、108 被加工物振動抑制部、109 工具振動抑制部、110 駆動信号伝達部、111 被加工物変位計測部、112 工具変位計測部、113 振動情報記録保持時間伝達部、114 振動情報初期値伝達部、115 相対振動算出パラメータ伝達部、116 被加工物振動算出パラメータ伝達部、117 工具振動算出パラメータ伝達部、118 相対振動許容値伝達部、119 被加工物振動許容値伝達部、120 工具振動許容値伝達部、121 相対振動抑制パラメータ伝達部、122 被加工物振動抑制パラメータ伝達部、123 工具振動抑制パラメータ伝達部、124 補正信号伝達部、125 駆動部、126 内部情報伝達部、127 表示部、128 外部媒体記録部、201 制御装置、202 相対振動算出部、203 工具振動算出部、204 工具並進軸変位抽出部、205 工具第1回転軸変位抽出部、206 工具第2回転軸変位抽出部、207 工具第2回転軸起因加工点変位算出部、208 駆動信号伝達部、209 センサ計測位置パラメータ伝達部、210 機械構造モデル伝達部、211 工具並進軸側センサ変位計測部、212 工具第1回転軸側センサ変位計測部、213 工具第2回転軸側センサ変位計測部、301 制御装置、302 相対振動算出部、303 工具振動算出部、304 工具回転軸変位算出部、305 工具回転軸起因加工点変位算出部、306 駆動信号伝達部、307 センサ計測位置パラメータ伝達部、308 機械構造モデル伝達部、309 工具回転軸第1センサ変位計測部、310 工具回転軸第2センサ変位計測部。
Claims (10)
- 加工もしくは組み立てを行なう加工ツールと前記加工ツールによって加工される被加工物のうちの少なくとも1つを駆動する駆動部を制御する制御装置であって、
前記加工ツールおよび前記加工ツールが固定される加工ツール保持部のうちの少なくとも一方の位置と変位と速度と加速度のうち少なくとも一つを算出可能な物理量を計測した計測値と、前記被加工物および前記被加工物が固定される被加工物保持部のうちの少なくとも一方の位置と変位と速度と加速度のうち少なくとも一つを算出可能な物理量を計測した計測値と、前記加工ツールと被加工物の少なくとも一方を制御するための前記駆動部への駆動指令とに基づき、前記被加工物に対する前記加工ツールの相対変位と前記駆動指令が目標とする指令位置との間に生じる相対振動の大きさを表す成分を算出する相対振動算出部と、
前記相対振動算出部の算出結果に基づいて、前記相対振動を抑制する指令を出力する相対振動抑制部と、
を備えたことを特徴とする制御装置。 - 前記相対振動算出部は、前記相対振動の振動周波数である第1の振動周波数、および、前記被加工物に対する前記加工ツールの相対変位と前記指令位置との間に生じる相対加速度のうちの少なくとも1つを算出し、
前記相対振動抑制部は、前記駆動指令に含まれる前記第1の振動周波数の周波数成分、および、前記相対加速度のうちの少なくとも1つを抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記相対振動算出部は、前記相対振動の振動周波数である第1の振動周波数および前記相対振動の振幅値である第1の振動振幅と、前記被加工物に対する前記加工ツールの相対位置と前記指令位置との間に生じる相対加速度と、のうちの少なくとも1つを算出し、
前記第1の振動振幅が、振幅許容値よりも大きい場合には、前記第1の振動周波数のうちの該当の周波数成分を抑制すると決定し、
前記相対加速度が、相対加速度許容値より大きい場合には、前記相対加速度を抑制すると決定する制御方式決定部を備え、
前記制御方式決定部が前記駆動指令に含まれる前記相対振動の周波数成分を抑制すると決定した場合、前記相対振動抑制部は、前記該当の周波数成分を抑制する補正信号を前記駆動部に出力し、
前記制御方式決定部が前記相対加速度を抑制すると決定した場合には、前記相対振動抑制部は、前記相対加速度を抑制する補正信号を前記駆動部に出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。 - 前記加工ツールは工具であり、
工具振動の振動周波数である第2の振動周波数および前記工具振動の振幅値である第2の振動振幅と、前記工具の加速度である工具加速度と、のうちの少なくとも1つを算出する工具振動算出部と、
前記第2の振動振幅が、振幅許容値より大きい場合には、前記第2の振動周波数のうちの該当の周波数成分を抑制すると決定し、前記工具加速度が加速度許容値より大きい場合には、前記工具加速度を抑制すると決定する制御方式決定部を備え、
前記制御方式決定部が前記駆動指令に含まれる前記工具振動の周波数成分を抑制すると決定した場合には、前記該当の周波数成分を抑制する補正信号を前記駆動部に出力し、前記制御方式決定部が工具加速度を抑制すると決定した場合には、前記工具加速度を抑制する補正信号を前記駆動部に出力する工具振動抑制部と、
を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の制御装置。 - 被加工物振動の振動周波数である第3の振動周波数および前記被加工物振動の振幅値である第3の振動振幅と、前記被加工物の加速度である被加工物加速度と、のうちの少なくとも1つを算出する被加工物振動算出部と、
前記第3の振動振幅が、振幅許容値より大きい場合には、前記第3の振動周波数のうちの該当の周波数成分を抑制すると決定し、前記被加工物加速度が、加速度許容値より大きい場合には、前記被加工物加速度を抑制すると決定する制御方式決定部と、
前記制御方式決定部が前記駆動指令に含まれる前記被加工物振動の周波数成分を抑制すると決定した場合には、前記該当の周波数成分を抑制する補正信号を前記駆動部に出力し、前記制御方式決定部が被加工物加速度を抑制すると決定した場合には、前記被加工物加速度を抑制する補正信号を前記駆動部に出力する被加工物振動抑制部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。 - 前記相対振動算出部、前記工具振動算出部および前記被加工物振動算出部のうちの少なくとも1つと、
少なくとも1つの前記相対振動算出部、前記工具振動算出部および前記被加工物振動算出部に対応する前記相対振動抑制部、前記工具振動抑制部、および前記被加工物振動抑制部のうち少なくとも1つと、
少なくとも1つの前記相対振動算出部、前記工具振動算出部および前記被加工物振動算出部が算出した振動情報を記録する振動情報記録部と、
を備え、
少なくとも1つの前記相対振動算出部、前記工具振動算出部および前記被加工物振動算出部に対応して設けられる前記相対振動抑制部、前記工具振動抑制部、および前記被加工物振動抑制部のうちの少なくとも1つは、
前記振動情報記録部に記録された相対振動情報が相対振動許容値を超えた場合と、前記振動情報記録部に記録された工具振動情報が工具振動許容値を超えた場合と、前記振動情報記録部に記録された被加工物振動情報が被加工物振動許容値を超えた場合とのうちの少なくとも1つの場合に該当する場合に、前記駆動指令中の該当する振動成分を抑制する補正信号を前記駆動部に出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。 - 前記工具の位置と、前記工具の変位と、前記工具の速度と、前記工具の加速度と、前記被加工物の位置と、前記被加工物の変位と、前記被加工物の速度と、被加工物の加速度のうち少なくとも1つの直交空間各軸方向における成分について、
駆動可能な駆動軸のうちの少なくとも1つの第1の駆動軸に対して、
前記成分のうち前記第1の駆動軸に起因する成分を抽出する駆動軸変位成分分配部を備え、
前記相対振動抑制部、前記工具振動抑制部、および前記被加工物振動抑制部のうち少なくとも1つは、前記駆動軸変位成分分配部によって分配された前記第1の駆動軸に起因する成分と、前記駆動指令とに基づいて、前記相対振動と、前記工具振動と、前記被加工物振動とのうちの少なくとも1つを抑制する補正信号を駆動部に出力する
ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。 - 前記駆動軸変位成分分配部は、前記第1の駆動軸に対してリンク機構の根元側に駆動軸が存在しない場合は、前記第1の駆動軸で動作する機械部品に取り付けられた変位計測器の信号を前記第1の駆動軸の変位成分として分配し、
前記第1の駆動軸に対して前記リンク機構の根元側に駆動軸が存在する場合は、前記第1の駆動軸で動作する機械部品と前記第1の駆動軸の根元側の駆動軸で動作する機械部品とのそれぞれに取り付けた変位計測器のそれぞれの取り付け位置と、それぞれの計測変位と、に基づいて前記第1の駆動軸の変位成分を算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の制御装置。 - 前記駆動軸変位成分分配部は、1つの回転軸を駆動した際に同一の回転中心軸を中心として運動を行う機械部品の2箇所以上に取り付けられた変位計測器から出力を受け取り、
前記変位計測器それぞれの取り付け位置とそれぞれの計測変位に基づいて、前記回転軸に分配する変位成分を算出する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の制御装置。 - 振動抑制処理中であるか否かの情報と、
振動抑制処理中の場合の振動抑制対象と、
振動抑制処理中の場合の振動抑制対象の振動周波数と、
振動抑制処理中の場合の振動抑制対象の振動振幅と、
振動抑制処理中の場合の振動抑制対象の加速度と、
前記相対振動の振動周波数と前記相対振動の振動振幅と、
前記相対加速度と、
前記工具振動の振動周波数および前記工具振動の振動振幅と、
前記工具加速度と、
前記被加工物振動の振動周波数および前記被加工物振動の振動振幅と、
前記被加工物加速度と、
前記振動情報記録部に記録された前記相対振動の振動周波数と、
前記振動情報記録部に記録された前記相対振動の振動振幅と、
前記振動情報記録部に記録された前記相対加速度と、
前記振動情報記録部に記録された前記工具振動の振動周波数と、
前記振動情報記録部に記録された前記工具振動の振動振幅と、
前記振動情報記録部に記録された前記工具加速度と、
前記振動情報記録部に記録された前記被加工物振動の振動周波数と、
前記振動情報記録部に記録された前記被加工物振動の振動振幅と、
前記振動情報記録部に記録された前記被加工物加速度と、
前記制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の履歴と、
前記制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の振動周波数の履歴と、
前記制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の振動振幅履歴と、
前記制御方式決定部が抑制対象と決めた抑制対象の加速度履歴と、
のうちの少なくとも1つを、表示部に表示するか、外部に出力するかの少なくとも1つを実施する
ことを特徴とする請求項6から9の何れか1項に記載の制御装置。
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