JPWO2018061889A1 - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
軸光度が高く、かつ照射ムラが発生しにくい発光装置を提供する。発光装置は、基板と、基板上に固定された円形の樹脂枠と、樹脂枠により囲まれた基板上の領域の中央に設けられた矩形の中央領域に格子状に実装された第1の複数のLED素子と、樹脂枠および中央領域の各辺により画定される基板上の外周領域において中央領域の四方にそれぞれ実装され、第1の複数のLED素子に並列に接続された第2から第5の複数のLED素子と、第1から第5の複数のLED素子を一体的に封止する封止樹脂とを有する。
Description
本発明は、発光装置に関する。
セラミック基板または金属基板などの汎用基板の上に発光素子として複数のLED(発光ダイオード)素子が実装されたCOB(Chip On Board)の発光装置が知られている。こうした発光装置では、蛍光体を含有する透光性の樹脂によりLED素子が封止されており、LED素子からの光と、LED素子からの光により蛍光体を励起させて得られる光とを混合させることにより、用途に応じて白色光などが得られる。
例えば、特許文献1には、基板上に形成された複数の発光素子と、複数の発光素子を埋め込む封止体とを備え、封止体が蛍光体を含有し隔壁によって複数の領域に分離されている発光装置が記載されている。この発光装置では、複数の領域のうち、第1の領域に埋め込まれた発光素子のうち1つの発光素子と、第2の領域に埋め込まれた発光素子のうち1つの発光素子とが渡し電極により接続され、渡し電極は基板と隔壁との間に挟まれるように配置されている。
また、特許文献2には、基板上の四角形状の実装パッドの上に青色LEDおよび赤色LEDが交互かつマトリクス状に実装されて複数の素子列が形成され、複数の素子列うちの3列ずつが直列に接続されて6個の直列回路が形成され、これらの直列回路が一対の給電端子に対して並列に接続された発光装置が記載されている。
特に、照明用途の発光装置では、光軸となる中央領域を明るくする必要があるため、軸光度をなるべく高くすることが求められている。軸光度を向上させるためには、発光部の中央領域に、正方実装など、矩形の格子状に高密度でLED素子を実装することが不可欠である。しかしながら、矩形の格子状にLED素子を実装して矩形の発光領域を構成すると、発光領域の形状を反映して、照射面上に光の矩形の輪郭(照射ムラ)ができてしまう。こうした照射ムラは、発光部の上にレンズを配置し、レンズを通して発光部からの出射光を集光する場合に、特に顕著に見られる。
そこで、本発明は、軸光度が高く、かつ照射ムラが発生しにくい発光装置を提供することを目的とする。
基板と、基板上に固定された円形の樹脂枠と、基板上において四隅が樹脂枠に接触するように設けられた矩形の中央領域に格子状に実装された第1の複数のLED素子と、樹脂枠および中央領域の各辺により画定される基板上の4つの外周領域にそれぞれ実装され、第1の複数のLED素子に並列に接続された第2から第5の複数のLED素子と、第1から第5の複数のLED素子を一体的に封止する封止樹脂とを有する発光装置が提供される。
基板と、基板上に固定された円形の樹脂枠と、樹脂枠により囲まれた基板上の領域の中央に設けられた矩形の中央領域に格子状に実装された第1の複数のLED素子と、樹脂枠および中央領域の各辺により画定される基板上の外周領域において中央領域の四方にそれぞれ実装され、第1の複数のLED素子に並列に接続された第2から第5の複数のLED素子と、第1から第5の複数のLED素子を一体的に封止する封止樹脂とを有する発光装置が提供される。
上記の発光装置では、中央領域は、基板上において四隅が樹脂枠に接触するように設けられ、外周領域として、中央領域の四方に半月状の4つの外周領域が設けられ、第2から第5の複数のLED素子は、4つの外周領域にそれぞれ実装されていることが好ましい。
上記の発光装置では、第1の複数のLED素子は互いに直並列に接続され、第2から第5の複数のLED素子のそれぞれの個数は、第1の複数のLED素子の1つの直列接続に含まれる素子数または素子数の整数倍に等しいことが好ましい。
上記の発光装置では、基板は、基板の対角に配置された1対の電極端子、および第1から第5の複数のLED素子と1対の電極端子とを電気的に接続するための1対の配線パターンを有し、配線パターンのうちの一方は、隣り合う2つの外周領域の円弧状の縁部、および中央領域と残り2つの外周領域との直線状の境界に沿って配置され、配線パターンのうちの他方は、基板の中心に関して配線パターンのうちの一方と点対称に配置されていることが好ましい。
上記の発光装置では、基板は、第1から第5の複数のLED素子が実装された金属基板と、中央領域に対応する位置に形成された矩形の中央開口部、および4つの外周領域にそれぞれ対応する位置に形成された4つの外周開口部を有し、1対の電極端子および1対の配線パターンが上面に設けられ、金属基板の上面に固定された回路基板とを有することが好ましい。
上記の発光装置では、第1から第5の複数のLED素子の配置は、基板の中心に関して90度回転対称であることが好ましい。
上記の発光装置では、封止樹脂を覆うように基板上に載置され、第1から第5の複数のLED素子から封止樹脂を通して出射した光を集光する光学素子をさらに有することが好ましい。
上記の発光装置によれば、本構成を有しない場合と比べて、軸光度が高く、かつ照射ムラが発生しにくい。
以下、図面を参照して、発光装置について詳細に説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
図1は、発光装置1の上面図である。発光装置1は、主要な構成要素として、基板5、樹脂枠30、LED素子41〜45(図3を参照)および封止樹脂50を有する。発光装置1は、発光素子として多数のLED素子を含むCOBの照明パッケージであり、例えば投光器、高天井照明、スタジアム照明、イルミネーションなどの照明装置のLED光源として利用される。
図2(A)〜図2(C)は、それぞれ、金属基板10、回路基板20および基板5の上面図である。基板5は、金属基板10と、金属基板10の上に重ね合わされた回路基板20とで構成され、回路基板20の上面には、一部の領域を除いてレジスト27が設けられている。
金属基板10は、耐熱性および放熱性に優れたアルミニウムで構成され、その上面にLED素子41〜45が実装される平坦な基板である。金属基板10は、一例として、数cm角程度の大きさの正方形の形状を有する。金属基板10の対角線上で向かい合う(図2(A)の右上および左下の)2つの頂点付近には、発光装置1を照明器具などに取り付けるための2つの固定用貫通穴(位置決め孔)18が設けられている。金属基板10は、LED素子41〜45および後述する蛍光体の粒子により発生した熱を放熱させる放熱基板としても機能する。なお、金属基板10の材質は、耐熱性と放熱性に優れたものであれば、例えば銅などの別の金属でもよい。
回路基板20は、例えばガラスエポキシ基板などの絶縁性の基板であり、一例として、金属基板10と同じ大きさの正方形の形状を有する。回路基板20にも、対角線上で向かい合う(図2(B)の右上および左下の)2つの頂点付近には、金属基板10と同様に2つの固定用貫通穴(位置決め孔)28が設けられている。回路基板20は、固定用貫通穴28の位置が金属基板10の固定用貫通穴18の位置と合うように、その下面が例えば接着シートにより金属基板10の上面に貼り付けられて固定されている。
図2(B)に示すように、回路基板20は、その中央に正方形の中央開口部(貫通孔)211を有する。また、回路基板20は、中央開口部211の正方形の各辺に近接する位置に形成された4つの外周開口部(貫通孔)212〜215を有する。外周開口部212〜215は、それぞれ、図2(B)における中央開口部211の左側、上側、右側および下側に配置されている。回路基板20の外周側における外周開口部212〜215の縁部は、それぞれ円弧状であり、回路基板20の中央を中心とする同一円周上に位置している。また、回路基板20の中央側における外周開口部212〜215の縁部は、それぞれ、その外周開口部が対向する中央開口部211の辺に平行な直線状である。
図2(C)に示すように、外周開口部212〜215と中央開口部211とに挟まれた回路基板20の直線部分を、それぞれ接続領域262〜265と呼ぶ。また、中央開口部211内で露出している金属基板10の上面を中央領域111と呼び、外周開口部212〜215内で露出している金属基板10の上面を、それぞれ、外周領域112〜115と呼ぶ。外周領域112〜115は、樹脂枠30および中央領域111の各辺により画定される基板5上の4つの領域ということもできる。中央領域111は、円形の樹脂枠30により囲まれた金属基板10上の領域の中央に設けられ、四隅が樹脂枠30に接触する正方形である。外周領域112〜115は、中央領域111の正方形が内接する円からその正方形内の領域を除いた形状を有する。
また、図2(B)に示すように、回路基板20の上面には、1対の配線パターン22,23が設けられている。これらの配線パターンは、例えば金メッキにより形成される。
配線パターン22は、円弧部分22A、直線部分22BおよびL字部分22Cで構成される。円弧部分22Aは、固定用貫通穴28が設けられていない回路基板20の左上の頂点付近から、隣り合う2つの外周開口部212,215(外周領域112,115)の円弧状の縁部に沿って延び、回路基板20の外周側に配置されている。直線部分22Bは、回路基板20の左上の頂点付近から、中央開口部211と外周開口部212の間における接続領域262の長手方向の中間付近まで配置されている。L字部分22Cは、回路基板20の左上の頂点付近から、中央開口部211と外周開口部213の間における接続領域263の全長にわたって延び、さらに90度折れ曲がって、中央開口部211と外周開口部214の間における接続領域264の長手方向の中間付近まで配置されている。すなわち、L字部分22Cは、中央領域111と外周領域113,114との直線状の境界に沿って配置されている。
配線パターン23は、円弧部分23A、直線部分23BおよびL字部分23Cで構成される。円弧部分23Aは、固定用貫通穴28が設けられていない回路基板20の右下の頂点付近から、隣り合う2つの外周開口部214,213(外周領域114,113)の円弧状の縁部に沿って延び、回路基板20の外周側に配置されている。直線部分23Bは、回路基板20の右下の頂点付近から、中央開口部211と外周開口部214の間における接続領域264の長手方向の中間付近まで配置されている。L字部分23Cは、回路基板20の右下の頂点付近から、中央開口部211と外周開口部215の間における接続領域265の全長にわたって延び、さらに90度折れ曲がって、中央開口部211と外周開口部212の間における接続領域262の長手方向の中間付近まで配置されている。すなわち、L字部分23Cは、中央領域111と外周領域115,112との直線状の境界に沿って配置されている。
配線パターン23は、回路基板20の中心に関して配線パターン22と点対称に配置されている。すなわち、円弧部分22A、直線部分22BおよびL字部分22Cと、円弧部分23A、直線部分23BおよびL字部分23Cとは、互いに同じ形状を有し、点対称に配置されている。このように、基板5では、外周開口部212〜215に外接する円の内部が、直線状の接続領域262〜265によって、正方形の中央領域111と半月状の4つの外周領域112〜115に区切られている。そして、接続領域262〜265の上には、接続領域262,264の中央部分を除いて、配線パターン22,23の直線部分22B,23BおよびL字部分22C,23Cが正方形状に配置されている。
また、図2(C)に示すように、回路基板20の上面には、外周開口部212〜215の円弧状の縁部、接続領域262〜265、ならびに回路基板20の左上および右下の頂点付近の一部を除いて、白色のレジスト27が設けられている。
また、図1および図2(C)に示すように、回路基板20の上面において、対角線上で向かい合う(図2(B)の左上および右下の)2つの頂点付近には、1対の電極端子24,25が設けられている。電極端子24,25は配線パターン22,23とそれぞれ一体に形成されており、これらの図では、配線パターン22,23のうちで、回路基板20の頂点付近においてレジスト27によって覆われていない部分を、それぞれ電極端子24,25として示している。電極端子24,25は一方がアノード電極、他方がカソード電極であり、これらを外部電源に接続して電圧を印加することにより、後述するLED素子41〜45に配線パターン22,23を介して電力が供給され、発光装置1は発光する。
樹脂枠30は、封止樹脂50の流出しを防止するためのダム材である。樹脂枠30は、外周開口部212〜214の円周の大きさに合わせて形成された円環状の枠体であり、配線パターン22,23の円弧部分22A,23Aを覆うように、外周開口部212〜214の円弧状の縁部に沿って回路基板20の上面に固定されている。また、樹脂枠30は、例えば白色粒子が混入された不透明なシリコーン樹脂で構成され、反射性を有する。これにより、後述するLED素子41〜45から斜め上方に出射された光が発光装置1の正面に向けて反射するため、発光装置1の正面における発光強度が高くなる。
図3は、発光装置1におけるLED素子41〜45の配置を示す上面図である。図3では、樹脂枠30と封止樹脂50の図示を省略している。LED素子41〜45は、上面に1対の素子電極を有し、図3に示すように、隣接する2つのLED素子の素子電極同士は、ボンディングワイヤ(以下、単にワイヤという)46により電気的に接続されている。
LED素子41〜45は、それぞれ、例えば発光波長帯域が450〜460nm程度の青色光を発する青色LEDである。ただし、LED素子41〜45は、青色LEDに限らず、例えば紫色LEDまたは近紫外LEDであってもよく、その発光波長帯域は、紫外域を含む200〜460nm程度の範囲内であってもよい。LED素子41〜45は、それぞれ、金属基板10の中央領域111および外周領域112〜115に、発光面を金属基板10とは反対側に向けて、例えば透明な絶縁性の接着剤などにより固定されている。
LED素子41は、第1の複数のLED素子の一例であり、樹脂枠30の内側における正方形の中央領域111を埋め尽くすように、中央領域111上に正方格子状に実装(正方実装)されている。図3における縦方向に一直線状に並ぶ26個のLED素子41がワイヤ46により直列に接続され、この26個のLED素子41が1つのグループを構成している。各グループの両端のLED素子41から出たワイヤ46は、配線パターン22Cまたは配線パターン23Cに接続されており、発光装置1では、26グループのLED素子41が、配線パターン22Cと配線パターン23Cの間に並列に接続されている。すなわち、発光装置1では26×26=676個のLED素子41が互いに直並列に接続されている。
LED素子42は、第2の複数のLED素子の一例であり、外周領域112に実装されている。計26個のLED素子42はすべて直列接続され、両端のLED素子42から出たワイヤ46は、配線パターン22Bまたは配線パターン23Cに接続されている。
LED素子43は、第3の複数のLED素子の一例であり、外周領域113に実装されている。計26個のLED素子43はすべて直列接続され、両端のLED素子43から出たワイヤ46は、配線パターン22Cまたは配線パターン23Aに接続されている。
LED素子44は、第4の複数のLED素子の一例であり、外周領域114に実装されている。計26個のLED素子44はすべて直列接続され、両端のLED素子44から出たワイヤ46は、配線パターン22Cまたは配線パターン23Bに接続されている。
LED素子45は、第5の複数のLED素子の一例であり、外周領域115に実装されている。計26個のLED素子45はすべて直列接続され、両端のLED素子45から出たワイヤ46は、配線パターン22Aまたは配線パターン23Cに接続されている。
図3に示すように、LED素子41は、26行×26列の格子状に正方実装されているため、その配置は基板5の中心に関して90度回転対称である。また、LED素子42〜45は、外周領域112〜115において、それぞれその直線状の縁部を底辺とする2等辺3角形状に配置されているため、LED素子42〜45の配置も、基板5の中心に関して90度回転対称である。したがって、LED素子41〜45の全体の配置も、基板5の中心に関して90度回転対称である。LED素子41〜45は、全体として、樹脂枠30内の円形領域をほぼ埋め尽くすように配置されている。
LED素子42〜45は、すべてLED素子41に並列に接続されている。LED素子41〜45の素子1個当たりの順方向電圧をそれぞれVf1〜Vf5とおくと、電極端子24,25の間にそれぞれ26×Vf1〜26×Vf5以上の電圧を印加することにより、すべてのLED素子41〜45が発光する。
発光装置1では、LED素子42〜45はそれぞれ26個ずつあり、LED素子41の1つの直列接続に含まれる素子数も26個である。したがって、LED素子42〜45のそれぞれの個数は、LED素子41の1つの直列接続に含まれる素子数に等しい。ただし、LED素子42〜45のそれぞれの個数は、LED素子41の1つの直列接続に含まれる素子数の整数倍に等しくてもよい。この場合には、外周領域112〜115にLED素子42〜45がそれぞれ26×n個実装され、それらが26個ずつ直列接続され、nグループの直列接続が配線パターン22,23の間に並列接続される。このように、LED素子41〜45の各直列接続に含まれる素子数を等しくすることにより、通電時の各LED素子の動作が安定する。
封止樹脂50は、樹脂枠30により囲まれる中央領域111、外周領域112〜115および接続領域262〜265の上の空間に充填されて、計780個のLED素子41〜45およびそれらを互いに接続するワイヤ46を一体的に封止(保護)する。封止樹脂50は、例えば、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などの無色かつ透明な樹脂で構成される。
封止樹脂50には、LED素子41〜45からの出射光の波長を変換する蛍光体が分散混入されている。LED素子41〜45として青色LEDを使用する場合には、封止樹脂50は、例えば、LED素子41〜45が出射した青色光を吸収して黄色光に波長変換する、YAG(yttrium aluminum garnet)などの黄色蛍光体を含有してもよい。この場合、発光装置1は、青色LEDであるLED素子41〜45からの青色光と、それによって黄色蛍光体を励起させて得られる黄色光とを混合させることで、白色光を出射する。
あるいは、封止樹脂50は、例えば緑色蛍光体と赤色蛍光体などの複数種類の蛍光体を含有してもよい。緑色蛍光体は、LED素子41〜45が出射した青色光を吸収して緑色光に波長変換する、例えば(BaSr)2SiO4:Eu2+などの粒子状の蛍光体材料である。赤色蛍光体は、LED素子41〜45が出射した青色光を吸収して赤色光に波長変換する、例えばCaAlSiN3:Eu2+などの粒子状の蛍光体材料である。この場合、発光装置1は、青色LEDであるLED素子41〜45からの青色光と、それによって緑色蛍光体および赤色蛍光体を励起させて得られる緑色光および赤色光とを混合させることで、白色光を出射する。
封止樹脂50によって覆われた領域が、発光装置1の発光領域(発光部)である。すなわち、発光装置1の発光部は、LED素子41〜45と蛍光体含有の封止樹脂50との組合せで構成される。発光装置1では、LED素子42〜45がLED素子41に並列に接続されているため、電極端子24,25を外部電源に接続することにより、LED素子41〜45はすべて一括で点灯する。また、LED素子41〜45はすべて同色に発光する素子であり、中央領域111と外周領域112〜115の5つは、すべて同じ発光色のエリアである。このため、発光装置1では、中央領域111と外周領域112〜115の全体で、1つの大きな円形の発光部が構成される。
図4は、レンズ60付きの発光装置2の概略構成図である。図4に示すように、発光装置1の使用時には、封止樹脂50を覆うように基板5の上にレンズ60を載置するとよい。レンズ60は、光学素子の一例であり、LED素子41〜45から封止樹脂50を通して出射した光を集光する。例えば、発光装置1を投光器などの光源として利用する場合には、レンズ60を用いて、発光装置1からの出射光をその中心軸付近に集光することが好ましい。
図5(A)および図5(B)は、それぞれ、発光装置1と比較例の発光装置100の素子配置を示す上面図である。図5(A)に示す発光装置1は、図1〜図3を用いて今まで説明してきたものと同じである。図5(B)に示す比較例の発光装置100は、基板5上の外周領域112〜115にLED素子42〜45が実装されていない点を除いて、発光装置1と同じ構成を有する。すなわち、発光装置100内のLED素子は、円形の樹脂枠30内における正方形の中央領域111に正方格子状に実装されたLED素子41だけであり、発光装置100は正方形の発光領域(発光部)を有する。
図6(A)および図6(B)は、発光装置1と発光装置100とで照射ムラの程度を比較するための写真である。図6(A)では図5(A)の発光装置1からの出射光による照射面を、図6(B)では図5(B)の発光装置100からの出射光による照射面を、それぞれ示している。これらの写真は、それぞれ、発光装置1,100の上に図4のレンズ60を載置して各発光装置を発光させたときの照射面を撮影したものである。図6(B)では、発光装置100の発光領域が正方形であることを反映して、照射面上に光の矩形の輪郭(照射ムラ)が見える。一方、図6(A)では、発光装置1の発光領域が円形であることにより、こうした照射ムラはほとんど識別できない程度にまで軽減されている。
発光装置1では、正方形の中央領域111にLED素子41を正方実装するとともに、中央領域111と樹脂枠30の間にある4つの外周領域112〜115(中央領域111の四方)にもLED素子42〜45を実装することにより、発光装置100と比べて発光部を円形に近付けられる。このため、図6(A)と図6(B)を比較すると分かるように、発光装置1では、発光装置100と比べて照射ムラ(照射面の輝度ムラ)が軽減される。しかも、発光装置1では、中央領域111においてLED素子41を狭い間隔で正方格子状に実装でき、中央領域111での実装密度が高くなるので、軸光度も高くなる。
図7(A)〜図7(C)は、発光装置1の製造工程を示す上面図である。これらの図では、簡単のため、図3に示したものとはLED素子41〜45の個数を少なく記載している。
発光装置1の製造時には、まず、図2(C)に示した基板5が用意され、図7(A)に示すように、金属基板10上の中央領域111にLED素子41が、外周領域112〜115にLED素子42〜45が、それぞれ実装される。続いて、図7(B)に示すように、中央領域111と外周領域112〜115のそれぞれにおいて、LED素子41〜45同士がワイヤ46で26個ずつ直列接続される。直列接続の各グループの端部に位置するLED素子41〜45から出たワイヤ46は、配線パターン22または配線パターン23に接続される。次に、図7(C)に示すように、回路基板20の上面に樹脂枠30が固定される。その後、樹脂枠30により囲まれる基板5上の領域に封止樹脂50が充填されて、LED素子41〜45およびワイヤ46が封止される。以上の工程により、図1に示す発光装置1が完成する。
図8(A)および図8(B)は、それぞれ、セラミック基板10’とそれを用いた別の発光装置の基板5’の上面図である。
図8(A)に示すように、セラミック基板10’は、その上面にLED素子41〜45の配線パターン22,23および電極端子24,25が形成された平坦な基板である。セラミック基板10’は、開口部が形成されていない点が発光装置1の回路基板20とは異なるが、セラミック基板10’上の配線パターン22,23および電極端子24,25の形状および配置は、回路基板20のものと同じである。セラミックは比較的、熱伝導率が高い材質であるため、セラミック基板10’は、発光装置1の金属基板10と回路基板20の機能を兼ねている。図8(B)に示すように、基板5’は、配線パターン22,23の円弧部分22A,23Aにより画定される円周よりも中央側の部分、ならびに左上および右下の頂点付近の一部を除いて、セラミック基板10’の上面に白色のレジスト27を設けることで構成される。
基板5’では、配線パターン22の直線部分22BおよびL字部分22Cならびに配線パターン23の直線部分23BおよびL字部分23Cで囲まれる中央の正方形の領域が中央領域111に相当する。また、配線パターン22の円弧部分22Aおよび配線パターン23の円弧部分23A、ならびに直線部分22B,23BおよびL字部分22C,23Cで囲まれる4つの半月状の領域が、それぞれ外周領域112〜115に相当する。基板5’でも、中央領域111は、円形の樹脂枠30に四隅が接触する正方形であり、外周領域112〜115は、樹脂枠30および中央領域111の各辺により画定される領域である。
発光装置は、金属基板10と回路基板20で構成される基板5に代えて、図8(B)に示す基板5’を有してもよい。セラミック基板10’により構成される基板5’を有する発光装置も、基板以外の構成は発光装置1と同じであり、上面図は図1に示したものと同じである。
図9(A)〜図9(C)は、基板5’を有する別の発光装置の製造工程を示す上面図である。これらの図でも、簡単のため、LED素子41〜45の個数を実際の製品よりも少なく記載している。
基板5’を有する発光装置の製造時には、まず、図9(A)に示すように、LED素子41〜45が、発光装置1のLED素子41〜45と同様の配置で基板5’上に実装される。続いて、図9(B)に示すように、LED素子41〜45同士がワイヤ46で26個ずつ直列接続され、直列接続の各グループの端部に位置するLED素子41〜45から出たワイヤ46は、配線パターン22または配線パターン23に接続される。この発光装置におけるLED素子41〜45の接続関係も、既に説明した発光装置1のものと同じである。次に、図9(C)に示すように、基板5’の上面に樹脂枠30が固定される。その後、樹脂枠30により囲まれる基板5’上の領域に封止樹脂50が充填されて、発光装置が完成する。
こうして得られる発光装置でも、発光装置1と同様に、軸光度が高く、かつ照射ムラが発生しにくい。また、発光装置1では、回路基板20の各開口部内で露出している金属基板10の上面に直接LED素子41〜45が実装されているため、放熱牲がよく、製品寿命が長くなる。これに対し、基板5’を有する発光装置では、金属基板10および回路基板20に代えてセラミック基板10’を使用するので、発光装置1と比べて、基板の構造が単純であり、かつ絶縁耐圧が向上するという利点がある。
上記した発光装置1の通り、四隅が円形の樹脂枠30に接触する(樹脂枠30の円に内接する)ように中央領域111を設ける方が、中央領域111に実装できるLED素子41の個数が増えるので、軸光度を高める上で好ましい。ただし、中央領域111の四隅が樹脂枠30に接触することは必須ではなく、これらの四隅と樹脂枠30との間には多少の隙間が設けられていてもよい。この場合、外周領域112〜115は、4つの半月状の領域(円弧と直線で囲まれた領域)に分かれず、互いに連結していてもよい。例えば、図2(C)における外周領域112,115が互いに連結し、外周領域113,114も互いに連結していてもよい。
Claims (7)
- 基板と、
前記基板上に固定された円形の樹脂枠と、
前記樹脂枠により囲まれた前記基板上の領域の中央に設けられた矩形の中央領域に格子状に実装された第1の複数のLED素子と、
前記樹脂枠および前記中央領域の各辺により画定される前記基板上の外周領域において前記中央領域の四方にそれぞれ実装され、前記第1の複数のLED素子に並列に接続された第2から第5の複数のLED素子と、
前記第1から第5の複数のLED素子を一体的に封止する封止樹脂と、
を有することを特徴とする発光装置。 - 前記中央領域は、前記基板上において四隅が前記樹脂枠に接触するように設けられ、
前記外周領域として、前記中央領域の四方に半月状の4つの外周領域が設けられ、
前記第2から第5の複数のLED素子は、前記4つの外周領域にそれぞれ実装されている、請求項1に記載の発光装置。 - 前記第1の複数のLED素子は互いに直並列に接続され、
前記第2から第5の複数のLED素子のそれぞれの個数は、前記第1の複数のLED素子の1つの直列接続に含まれる素子数または前記素子数の整数倍に等しい、請求項2に記載の発光装置。 - 前記基板は、前記基板の対角に配置された1対の電極端子、および前記第1から第5の複数のLED素子と前記1対の電極端子とを電気的に接続するための1対の配線パターンを有し、
前記配線パターンのうちの一方は、隣り合う2つの前記外周領域の円弧状の縁部、および前記中央領域と残り2つの前記外周領域との直線状の境界に沿って配置され、
前記配線パターンのうちの他方は、前記基板の中心に関して前記配線パターンのうちの前記一方と点対称に配置されている、請求項2または3に記載の発光装置。 - 前記基板は、
前記第1から第5の複数のLED素子が実装された金属基板と、
前記中央領域に対応する位置に形成された矩形の中央開口部、および前記4つの外周領域にそれぞれ対応する位置に形成された4つの外周開口部を有し、前記1対の電極端子および前記1対の配線パターンが上面に設けられ、前記金属基板の上面に固定された回路基板と、
を有する、請求項4に記載の発光装置。 - 前記第1から第5の複数のLED素子の配置は、前記基板の中心に関して90度回転対称である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記封止樹脂を覆うように前記基板上に載置され、前記第1から第5の複数のLED素子から前記封止樹脂を通して出射した光を集光する光学素子をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
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