JPWO2018047608A1 - 導電性フィルムの製造方法、導電性フィルム、タッチパネルセンサー、アンテナ、指紋認証部、および、タッチパネル - Google Patents

導電性フィルムの製造方法、導電性フィルム、タッチパネルセンサー、アンテナ、指紋認証部、および、タッチパネル Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、線幅2.0μm以下の金属細線を形成できる導電性フィルムの製造方法を提供することである。また、本発明の課題は、導電性フィルム、タッチパネルセンサー、アンテナ、指紋認証部、およびタッチパネルを提供することにもある。本発明の導電性フィルムの製造方法は、基板上に第1金属膜を形成する工程と、第1金属膜上にレジスト膜形成用組成物層を形成する工程と、線幅1.5μm以下の開口が形成されたマスクと第1金属膜との距離が1.5μm以下となるように、レジスト膜形成用組成物層の上にマスクを配置する工程と、レジスト膜形成用組成物層の露光処理を平行光露光機で工程と、露光領域を除去して開口が形成されたレジスト膜を得る工程と、レジスト膜の開口内に第2金属膜を形成する工程と、レジスト膜を除去する工程と、第1金属膜の一部を除去して導電部を形成する工程と、を含む。

Description

本発明は、導電性フィルムの製造方法、導電性フィルム、タッチパネルセンサー、アンテナ、指紋認証部、および、タッチパネルに関する。
基板上に金属細線からなる導電部が配置された導電性フィルムは、種々の用途に使用されている。例えば、近年、携帯電話または携帯ゲーム機器等へのタッチパネルの搭載率の上昇に伴い、多点検出が可能な静電容量方式のタッチパネルセンサー用として導電性フィルムの需要が急速に拡大している。
上記のような導電性フィルムには、優れた導電性および透明性が求められていることから、インジウムスズ酸化物(ITO)を用いて作製されたITOフィルムが広く用いられている。
このような中、電気抵抗が低く、低コストである等の観点から、ITOフィルムの代替として、金属細線を有する導電性フィルムが注目されている。
例えば、特許文献1には、「金属配線の微細構造を製造する方法であって、(a)基板を提供する工程、(b)シード層を上記基板の表面上に形成する工程、(c)フォトレジスト層を上記シード層の表面上に形成して、フォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを実施し、上記フォトレジスト層に所定の幅を有する溝を形成する工程、(d)上記溝に、導電層を充填する工程、(e)上記フォトレジスト層と、上記導電層によって覆われてない上記シード層部分を取り除いて、それにより、上記金属配線の微細構造が作り出される、工程を備える、金属配線の微細構造を製造する方法。」が開示されている。
また、特許文献2には、「微細な線状パターンからなり、第一導電性膜層と第二導電性膜層との積層金属膜で構成される透明導電性支持体の製造方法であって、透明支持体の表面に第一導電性膜層を形成し、上記第一導電性膜層上に厚膜のレジスト層を形成して、上記レジスト層を露光現像して上記第一導電性膜層の一部が露出した上記微細な線状パターンからなる溝を形成し、上記露出した溝の第一導電性膜層上のみに厚膜の第二導電性膜層を電解メッキにより形成した後、上記レジスト層を全て剥離して上記レジスト層の下に形成されていた第一導電性膜層のみの層を露出させ、上記露出した第一導電性膜層の層をエッチングにより除去して上記積層金属膜以外の箇所を透明化することを特徴とする透明導電性支持体の製造方法。」が開示されている。
このように、金属細線を有する導電性フィルムの製造方法は、いわゆるセミアディティブ法により行われることが知られている。
特開2015−225650号公報 特開2015−65376号公報
しかしながら、金属細線を有する導電性フィルムは、金属細線の視認性が問題となる。すなわち、タッチパネルを備えるディスプレイを使用する場合、使用者は、ディスプレイから数十cmの距離からディスプレイを見ることになる。このとき、金属細線が使用者から視認されないようにするため、金属細線の線幅をより細くすることが求められている。
例えば、現在上市されている金属細線を有する導電性フィルムは、金属細線の線幅が5μm程度であるが、視認性の観点から金属細線の線幅を2.0μm以下にすることが求められる。
本発明者らが、特許文献1および2に記載されている技術について検討を行ったところ、第1金属膜上に形成されたレジスト膜形成用組成物層を露光する際に、マスク(開口の線幅1.5μm以下)を使用すると、露光および現像後に得られるレジスト膜の開口の線幅が大きくなりすぎてしまう場合があることを知見した。このように、レジスト膜の開口の線幅が大きくなりすぎると、レジスト膜の開口内に形成される第2金属膜の線幅も大きくなり、結果として、線幅2.0μm以下の金属細線を得ることが困難になる。
そこで、本発明は、線幅2.0μm以下の金属細線を形成できる導電性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、導電性フィルム、タッチパネルセンサー、アンテナ、指紋認証部、および、タッチパネルを提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、線幅1.5μm以下の開口が形成されたマスクを用いた際に、マスクと第1金属膜との距離が1.5μm以下となるようにマスクを配置することで、線幅2.0μm以下の金属細線が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1]
基板上に第1金属膜を形成する工程と、
上記第1金属膜上にレジスト膜形成用組成物を塗布して、レジスト膜形成用組成物層を形成する工程と、
線幅1.5μm以下の開口が形成されたマスクと、上記第1金属膜と、の距離が1.5μm以下となるように、上記レジスト膜形成用組成物層の上に上記マスクを配置する工程と、
上記マスクを介して、上記レジスト膜形成用組成物層の露光処理を平行光露光機によって行う工程と、
上記レジスト膜形成用組成物層の露光領域を除去する現像処理を行って、開口が形成されたレジスト膜を得る工程と、
上記レジスト膜の開口内であって、上記第1金属膜上に、第2金属膜を形成する工程と、
上記レジスト膜を除去する工程と、
上記第2金属膜をマスクとして、上記第1金属膜の一部を除去して、金属細線から構成される導電部を形成する工程と、
を含む、導電性フィルムの製造方法。
[2]
上記第2金属膜が電解めっき法により形成される、[1]に記載の導電性フィルムの製造方法。
[3]
上記レジスト膜形成用組成物層の膜厚が1.5μm以下である、[1]または[2]に記載の導電性フィルムの製造方法。
[4]
上記レジスト膜形成用組成物層の膜厚が1.0μm以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の導電性フィルムの製造方法。
[5]
上記レジスト膜形成用組成物層が光酸発生剤を含み、
上記光酸発生剤が、200〜400nmの波長領域に感光性を有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の導電性フィルムの製造方法。
[6]
上記マスクが上記レジスト膜形成用組成物層と接するように配置される、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の導電性フィルムの製造方法。
[7]
基板と、
上記基板上に形成された、線幅2.0μm以下の金属細線から構成される導電部と、
を有する、導電性フィルム。
[8]
上記金属細線が、2以上の積層構造を有する、[7]に記載の導電性フィルム。
[9]
[7]または[8]に記載の導電性フィルムを有する、タッチパネルセンサー。
[10]
[7]または[8]に記載の導電性フィルムを有する、アンテナ。
[11]
[7]または[8]に記載の導電性フィルムを有する、指紋認証部。
[12]
[9]に記載のタッチパネルセンサーを有する、タッチパネル。
[13]
[10]に記載のアンテナを有する、タッチパネル。
[14]
[11]に記載の指紋認証部を有する、タッチパネル。
以下に示すように、本発明によれば、線幅2.0μm以下の金属細線を形成できる導電性フィルムの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、導電性フィルム、タッチパネルセンサー、アンテナ、指紋認証部、および、タッチパネルを提供することができる。
第1金属膜形成工程を説明するための概略断面図である。 レジスト膜形成用組成物層形成工程を説明するための概略断面図である。 マスク配置工程を説明するための概略断面図である。 露光処理工程を説明するための概略断面図である。 レジスト膜形成工程を説明するための概略断面図である。 第2金属膜形成工程を説明するための概略断面図である。 レジスト膜除去工程を説明するための概略断面図である。 導電部形成工程を説明するための概略断面図である。 導電性フィルムの一実施形態の上面図である。 図2A中のA−A断面における断面図である。 導電性フィルム中の導電部の一部拡大図である。 金属細線の一部拡大断面図である。
以下に、本発明について説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書中における「活性光線」または「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、およびエキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV:Extreme ultraviolet lithography光)、X線、並びに電子線等を意味する。また本明細書において光とは、活性光線および放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、およびエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、並びにEUV光等による露光のみならず、電子線およびイオンビーム等の粒子線による描画も包含する。
本発明の導電性フィルムの製造方法の特徴の1つとしては、線幅1.5μm以下の開口が形成されたマスクと、第1金属膜と、の距離が1.5μm以下となるように、レジスト膜形成用組成物層の上にマスクを配置する工程を含むことが挙げられる。
本発明者らは、線幅2.0μm以下の微細な金属細線を得るために、マスクの開口の線幅を1.5μm以下にした場合、平行光露光機の光源から照射された光がマスクの開口を通過した直後に回折して、光がレジスト膜形成用組成物層に達するまでに拡散してしまうことを知見した。これにより、レジスト膜形成用組成物層の露光領域の線幅が大きくなり、現像後に得られるレジスト膜の開口の線幅が大きくなりすぎてしまう。その結果、レジスト膜の開口幅に対応する金属細線の線幅が2.0μmを超えてしまうと考えられる。
このような現象について、本発明者らが鋭意検討したところ、マスクと第1金属膜との距離を1.5μm以下にすることで、露光時の光の回折を抑制でき、得られる金属細線の線幅を2.0μm以下にできることを見出した。
以下では、まず、本発明の実施形態に係る導電性フィルムの製造方法について説明し、その後、本発明の実施形態に係る導電性フィルムについて説明する。
[導電性フィルムの製造方法]
本発明の導電性フィルムの製造方法は、以下の工程を含む。
(1)基板上に第1金属膜を形成する工程(第1金属膜形成工程)、
(2)上記第1金属膜上にレジスト膜形成用組成物を塗布して、レジスト膜形成用組成物層を形成する工程(レジスト膜形成用組成物層形成工程)、
(3)線幅1.5μm以下の開口が形成されたマスクと、上記第1金属膜と、の距離が1.5μm以下となるように、上記レジスト膜形成用組成物層の上に上記マスクを配置する工程(マスク配置工程)
(4)上記マスクを介して、上記レジスト膜形成用組成物層の露光処理を平行光露光機によって行う工程(露光処理工程)
(5)上記レジスト膜形成用組成物層の露光領域を除去する現像処理を行って、開口が形成されたレジスト膜を得る工程(レジスト膜形成工程)
(6)上記レジスト膜の開口内であって、上記第1金属膜上に、第2金属膜を形成する工程(第2金属膜形成工程)
(7)上記レジスト膜を除去する工程(レジスト膜除去工程)
(8)上記第2金属膜をマスクとして、上記第1金属膜の一部を除去して、金属細線から構成される導電部を形成する工程(導電部形成工程)
以下、上記各工程の手順について、図1A〜図1Hを参照しながら詳述する。
〔第1金属膜形成工程〕
図1Aは、第1金属膜形成工程を説明するための概略断面図である。第1金属膜形成工程を実施することで、第1金属膜11が基板101上に形成される。
後述する図1Hに示すように、第1金属膜11にエッチング処理を施すことにより、第1金属層201が得られる。
第1金属膜11は、シード層および/または下地金属層(下地密着層)として機能する。
なお、図1Aの例では、第1金属膜11が一層である場合を示したが、これに限定されない。例えば、第1金属膜11は、2以上の層が積層されてなる積層構造体であってもよい。第1金属膜11が積層構造体である場合、基板101側にある下層が下地金属層(下地密着層)として機能することが好ましく、第2金属膜13側にある上層がシード層として機能することが好ましい。
〔基板〕
基板101は、導電部102(後述)を支持するものであれば、その種類は特に制限されない。基板101としては、可撓性を有する基板(好ましくは絶縁基板)が好ましく、樹脂基板がより好ましい。
基板101としては、可視光(波長400〜800nm)の光を60%以上透過することが好ましく、80%以上透過することが好ましく、90%以上透過することが好ましく、95%以上透過することがより好ましい。
樹脂基板を構成する材料としては、例えば、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、および、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。なかでも、シクロオレフィン系樹脂が好ましい。
基板101の厚みとしては、特に制限されないが、取り扱い性および薄型化のバランスの点から、0.05〜2mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましい。
また、基板101は複層構造であってもよく、例えば、その1つの層として機能性フィルムを有してもよい。なお、基板自体が機能性フィルムであってもよい。
〔第1金属膜〕
第1金属膜11に含まれる金属としては特に制限されず、公知の金属を用いることができる。
第1金属膜11は、例えば、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、および、亜鉛等の金属、並びに、これらの金属の合金を含有していてもよい。
第1金属膜11に含まれる主成分(いわゆる、主金属)としては、例えば、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、および、亜鉛が挙げられる。なお、上記主成分とは、第1金属膜11中に含まれる金属のうち、最も含有量が大きい金属を意図する。また、第1金属膜11が積層構造体である場合には、主成分は層毎に決定される。
なかでも、第1金属膜11の下地金属層としての機能がより優れる観点からは、第1金属膜11はクロムまたはその合金を含有することが好ましい。また、第1金属膜11の下地金属層としての機能がより優れる観点から、第1金属膜11の主成分はクロムであることが好ましい。
一方、第1金属膜11のシード層としての機能がより優れる観点(すなわち、後述する第2金属膜13を構成する材料との親和性により優れる観点)からは、第1金属膜11の主成分は、後述する第2金属膜13の主成分と同一であることが好ましい。また、第1金属膜11のシード層としての機能がより優れる観点から、第1金属膜11の主成分は銅であることが好ましい。
第1金属膜11中の主成分を構成する金属の含有量としては特に制限されないが、一般に、10〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましい。
第1金属膜11の厚みとしては特に制限されないが、一般に、100nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましい。
第1金属膜11の厚みの下限値は特に限定されないが、金属細線103がより優れた基板101への密着性を有するという点から、3nm以上であることが好ましい。
第1金属膜11が2以上の層が積層されてなる積層構造体である場合には、各層の厚みは、50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。各層の膜厚の下限値は、3nm以上であることが好ましい。
第1金属膜11の形成方法としては特に制限されず、公知の形成方法を用いることができる。なかでも、より緻密な構造を有する層を形成し易い点で、スパッタリング法、または、蒸着法が好ましい。
〔レジスト膜形成用組成物層形成工程〕
図1Bは、レジスト膜形成用組成物層形成工程を説明するための概略断面図である。レジスト膜形成用組成物層形成工程を実施することで、レジスト膜形成用組成物層20が第1金属膜11上に形成される。
第1金属膜11上にレジスト膜形成用組成物を塗布する方法としては特に制限されず、公知の塗布方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、および、浸漬法等が挙げられる。
レジスト膜形成用組成物は、公知のポジ型の感放射線性組成物をいずれも用いることができるが、200〜400nmの波長領域に感光性を有する光酸発生剤を含有するレジスト膜形成用組成物を用いることが好ましい。これにより、半導体のレジスト膜の露光に使用される露光機と比較して、安価な平行光露光機を利用しつつ、微細なパターンを形成できるという利点がある。
200〜400nmの波長領域に感光性を有する光酸発生剤としては、例えば、特開平5−80513号公報の段落0026〜0061に記載の光酸発生剤などが挙げられる。なお、光酸発生剤とは、光の照射によって酸を発生する化合物のことをいう。
レジスト膜形成用組成物層20の屈折率は、1.5以上が好ましく、1.6以上が好ましい。なお、屈折率の上限値は特に制限されないが、一般的に、2.0以下である。このように、レジスト膜形成用組成物層20の屈折率が高い(1.5以上)と、露光時における光の回折の程度が弱くなるので、後述するレジスト膜21の開口22の線幅W2を所望の大きさにすることがより容易になる。特に、マスク30とレジスト膜形成用組成物層20とが接した状態で露光処理工程が行われる場合(後述)には、上記効果がより一層発揮される。
本明細書において、各部材の屈折率は、エリプソメトリーを使用し、測定波長380nmにて測定される。
第1金属膜11上にレジスト膜形成用組成物層20を形成後、レジスト膜形成用組成物層20を加熱してもよい。加熱により、レジスト膜形成用組成物層20に残留する不要な溶剤の除去を促進して、レジスト膜形成用組成物層20を均一な状態とすることができる。
レジスト膜形成用組成物層20を加熱する方法としては特に制限されないが、例えば、基板101を加熱する方法が挙げられる。
上記加熱の温度としては特に制限されないが、一般に40〜160℃が好ましい。
レジスト膜形成用組成物層20の膜厚は、乾燥後の膜厚として、0.3〜1.5μmが好ましく、0.5〜1.4μmがより好ましく、0.8〜1.4μmがさらに好ましい。上記膜厚が1.5μm以下であることで、後述する第1金属膜11とマスク30との距離をより接近させることができるので、金属細線103の線幅を2.0μm以下にすることが容易になる。
〔マスク配置工程〕
図1Cは、マスク配置工程を説明するための概略断面図である。本工程によって、開口32が形成されたマスク30は、第1金属膜11からの距離が1.5μm以下の位置であって、上記レジスト膜形成用組成物層20の上に配置される。
マスク30の開口32の線幅W1は、1.5μm以下であり、要求される金属細線103の線幅に応じて適宜設定でき、例えば、1.0μm以下にしてもよい。線幅W1の下限値は、特に制限されないが、0.3μm以上が好ましい。
なお、マスク30の開口32は、金属細線103が形成される領域に対応して形成され、通常、開口32は金属細線103の形状に対応する細線部分を有する。
マスク30の開口32の線幅W1とは、開口32の細線部分の延在方向に直交する方向での細線の幅を意図する。
マスク30と第1金属膜11との距離D1は、1.5μm以下であるが、露光時の光の回折をより低減し、金属細線103の線幅がマスク30の開口32の線幅W1に近くなるという点から、1.2μm以下が好ましく、1.1μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。
また、マスク30と第1金属膜11との距離D1の下限値は、レジスト膜形成用組成物層20の膜厚に応じて設定できる。すなわち、距離D1の下限値は、レジスト膜形成用組成物層20の膜厚の値以上になる。
ここで、マスク30と第1金属膜11との距離D1は、具体的には、第1金属膜11のレジスト膜形成用組成物層20が形成される面11aと、第1金属膜11の面11aと向かい合うマスク30の面30aと、の最短距離を指す。
マスク30は、レジスト膜形成用組成物層20と接するように配置されることが好ましい。この場合、距離D1は、レジスト膜形成用組成物層20の膜厚と同じである。このように、マスク30とレジスト膜形成用組成物層20とが接していると、後述する露光処理工程におけるレジスト膜形成用組成物層20の露光領域20aの線幅が大きくなりすぎることを抑制できるので、所望の線幅の金属細線103が容易に得られる。
マスク30とレジスト膜形成用組成物層20とは、真空下で密着させてもよい。真空下で密着させる方法としては、例えば、公知の真空機構(例えばロータリーポンプなどの真空ポンプ)を有する装置を用いて行うことができる。
ここで、真空とは、標準大気圧より圧力が低い状態を表す負圧を含む概念である。具体的には、本発明における真空時の圧力としては、200Pa以下であることが好ましく、150Pa以下であることがより好ましく、0.01〜100Paであることがさらに好ましい。
マスク30の開口32の形状は、金属細線103に応じた形状を有する。例えば、メッシュ状に配置された金属細線103を形成する場合、メッシュ状に配置された開口32を有するマスク30を用いればよい。
マスク30の種類としては、例えば、石英マスク、ガラスマスク(例えば、ガラスの表面がクロム膜で被覆されたクロムマスク、および、ガラスの表面がゼラチンとハロゲン化銀とを含む膜で被覆されたエマルジョンマスクなども含む。)、および、フィルムマスク(ポリエステルフィルム)などが挙げられる。
マスク30の屈折率と、レジスト膜形成用組成物層20の屈折率と、の差(屈折率差)の絶対値は、小さい方が好ましい。これにより、マスク30とレジスト膜形成用組成物層20との屈折率差に起因する光の回折をより抑制できるので、後述するレジスト膜21の開口22の線幅W2を所望の大きさにすることがより容易になる。特に、マスク30とレジスト膜形成用組成物層20とが接した状態で露光処理工程が行われる場合には、上記効果がより一層発揮される。
具体的には、屈折率差の絶対値は、0〜0.2が好ましく、0〜0.15がより好ましい。
〔露光処理工程〕
図1Dは、露光処理工程を説明するための概略断面図である。本工程によって、光Lがマスク30の開口32を通過するので、露光領域20aは露光され、未露光領域20bは露光されない。
露光処理は、平行光露光機を用いて行われる。これにより、露光処理における光の回折をより抑制できるという利点がある。
平行光露光機の光源としては、例えば、水銀灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプおよびカーボンアーク灯等が挙げられる。また、電子線、X線、イオンビームおよび遠赤外線なども使用可能である。これらの中でも、光源として水銀灯またはハロゲンランプを用いることが好ましい。
マスク30とレジスト膜形成用組成物層20とが接した状態で露光処理工程が行われた場合、第1金属膜11とレジスト膜形成用組成物層20との密着力は、マスク30とレジスト膜形成用組成物層20との密着力よりも大きいことが好ましい。これにより、マスク30をレジスト膜形成用組成物層20から剥離する際に、レジスト膜形成用組成物層20がマスク30に残らず、マスク30の再利用性が高まる。また、金属細線103が断線することも抑制できる。
〔レジスト膜形成工程〕
図1Eは、レジスト膜形成工程を説明するための概略断面図である。本工程により、露光領域20aに存在するレジスト膜形成用組成物層20が除去されて、未露光領域20bに存在するレジスト膜形成用組成物層20が第1金属膜11上に残る。すなわち、第1金属膜11上には、露光領域20aに対応する開口22が形成されたレジスト膜21が形成される。
露光後のレジスト膜形成用組成物層20を現像する方法としては特に制限されず、公知の現像方法を用いることができる。
公知の現像方法としては、例えば、有機溶剤を含有する現像液、または、アルカリ現像液を用いる方法が挙げられる。
現像方法としては、例えば、ディップ法、パドル法、スプレー法、および、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。
現像後のレジスト膜21は、リンス液を用いて洗浄してもよい。リンス液としては特に制限されず、公知のリンス液を用いることができる。リンス液としては、有機溶剤、および、水等が挙げられる。
レジスト膜21の開口22の形状は、マスク30の開口32に応じた形状、すなわち、金属細線103に応じた形状を有する。例えば、メッシュ状に配置された金属細線103を形成する場合、レジスト膜21の開口32は、メッシュ状に配置される。
開口22の線幅W2は、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。開口22の線幅W2が2.0μm以下であると、金属細線103の線幅もこれに対応して2.0μm以下にすることが容易になる。
レジスト膜21の開口22の線幅W2とは、開口22の細線部分の延在方向に直交する方向での細線の幅を意図する。
レジスト膜21の膜厚は、上述したレジスト膜形成用組成物層20と同様であるので、その説明を省略する。
〔第2金属膜形成工程〕
図1Fは、第2金属膜形成工程を説明するための概略断面図である。本工程により、レジスト膜21の開口22内であって、第1金属膜11上に、第2金属膜13が形成される。図1Fに示すように、第2金属膜13は、レジスト膜21の開口22を埋めるように形成される。
第2金属膜13は、めっき法により形成されることが好ましい。
めっき法としては、公知のめっき法を用いることができる。具体的には、電解めっき法および無電解めっき法が挙げられ、生産性の点から、電解めっき法が好ましい。
第2金属膜13に含まれる金属としては特に制限されず、公知の金属を用いることができる。
第2金属膜13は、例えば、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、および、亜鉛等の金属、並びに、これらの金属の合金を含有していてもよい。
なかでも、第2金属膜13は、金属細線103の導電性がより優れる点で、銅またはその合金を含有することが好ましい。また、金属細線103の導電性がより優れる点で、第2金属膜13の主成分は、銅であることが好ましい。
第2金属膜13中の主成分を構成する金属の含有量としては、特に制限されないが、一般に、80〜100質量%が好ましく90〜100質量%がより好ましい。
第2金属膜13の線幅は、レジスト膜21の開口22に対応する線幅を有しており、具体的には、2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。第2金属膜13の線幅の下限値としては特に制限されないが、一般に0.3μm以上が好ましい。
第2金属膜13の線幅とは、第2金属膜13の細線部分の延在方向に直交する方向での細線の幅を意図する。
第2金属膜13の厚みとしては特に制限されないが、一般に、0.1〜1μmが好ましく、0.3〜1μmがより好ましい。
〔レジスト膜除去工程〕
図1Gは、レジスト膜除去工程を説明するための概略断面図である。本工程により、レジスト膜21が除去されて、基板101、第1金属膜11および第2金属膜13がこの順に形成された積層体が得られる。
レジスト膜21を除去する方法としては特に制限されず、公知のレジスト膜除去液を用いてレジスト膜21を除去する方法が挙げられる。
レジスト膜除去液としては例えば、有機溶剤、および、アルカリ溶液等が挙げられる。
レジスト膜除去液をレジスト膜21に接触させる方法としては、特に制限されないが、例えば、ディップ法、パドル法、スプレー法、および、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。
〔導電部形成工程〕
図1Hは、導電部形成工程を説明するための概略断面図である。本工程によれば、第2金属膜13が形成されていない領域である第1金属膜11の一部が除去されて、基板101上に金属細線103が積層されてなる導電性フィルム100が得られる。なお、金属細線103は、後述する導電部102を構成する。
金属細線103は、第1金属膜11に対応する第1金属層201と、第2金属膜13に対応する第2金属層203と、を有する。第1金属層201と、第2金属層203とは、基板101側からこの順に積層されてなる。
第1金属膜11の一部を除去する方法としては、特に限定されないが、公知のエッチング液を用いることができる。
公知のエッチング液としては、例えば、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液、アンモニアアルカリ溶液、硫酸−過酸化水素混合液、および、リン酸−過酸化水素混合液等が挙げられる。これらの中から、第1金属膜11が第2金属膜13よりも溶解しやすく、第2金属膜13が第1金属膜11よりも溶解しにくいものを適宜選択すればよい。
なお、上述したように第1金属膜11が積層構造体である場合には、層毎にエッチング液を変えて、多段階のエッチングを行ってもよい。
第1金属層201の線幅は、2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。第1金属層201の線幅の下限値としては特に制限されないが、一般に0.3μm以上が好ましい。
第1金属層201の線幅とは、第1金属層201の細線部分の延在方向に直交する方向での細線の幅を意図する。
第2金属層203の線幅は、上述した第2金属膜13の線幅と同様であるので、その説明を省略する。
金属細線103の線幅は、2.0μm以下であり、1.5μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。金属細線103の線幅の下限値としては特に制限されないが、一般に0.3μm以上が好ましい。
金属細線103の線幅が2.0μm以下であると、例えば、導電性フィルムをタッチパネルセンサーに適用した際、タッチパネルの使用者が、金属細線103をより視認しにくい。
なお、金属細線103の線幅とは、金属細線103の幅方向の断面(金属細線の延在方向と直交する断面)において、第1金属層201および第2金属層203の線幅のうち最大の線幅を意図する。
なお、金属細線103の線幅は、金属細線103を基板101ごと樹脂に包埋し、幅方向(金属細線103の延在方向と直交する方向)で、ウルトラミクロトームを用いて切断し、得られた断面に炭素を蒸着した後、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 S−550型)を用いて観察して、測定される線幅を意図する。また、金属細線103を構成する第1金属層201および第2金属層203(第2金属膜13)の線幅も同様である。
[導電性フィルム]
本発明の導電性フィルムは、基板と、上記基板上に形成された、線幅2.0μm以下の金属細線から構成される導電部と、を有する。本発明の導電性フィルムは、上述した導電性フィルムの製造方法を用いて得ることができる。
導電性フィルムにおいて、導電部は、通常、複数の金属細線により構成される。なお、例えば、導電性フィルムをタッチパネルセンサー用として用いる場合には、導電部を透明電極および/または引き出し配線として用いることができる。
以下、本発明の導電性フィルムについて、図面を参照しながら説明する。
図2Aは、上記導電性フィルムの一実施形態の上面図であり、図2BはそのA−A断面における断面図である。図3は、導電性フィルム中の導電部の一部拡大図である。
図2A、および、図2Bに示すように、導電性フィルム100は、基板101、および、基板101の一方の面上に配置された導電部102を有する。
なお、図2A、および、図2Bにおいては、平面状の形状を有する導電性フィルムの形態を示したが、導電性フィルムとしては上記に制限されない。導電性フィルムは3次元形状(立体形状)を有していてもよい。3次元形状としては、例えば、曲面を有する3次元形状が挙げられ、より具体的には、半球状、かまぼこ形状、波形形状、凸凹形状、および、円柱状等が挙げられる。
また、図2A、および、図2Bには、導電部102は基板101の一方の面上に配置されているが、この形態には制限されない。例えば、基板101の両方の面上に導電部102が配置されていてもよい。
また、図2A、および、図2Bには、導電部102は、6本ストライプ状に配置されているが、この形態には制限されず、どのような配置パターンであってもよい。
図3は、導電部102の一部拡大上面図であり、導電部102は、複数の金属細線103により構成され、交差する金属細線103による複数の開口104が形成されたメッシュ状のパターンを有する。
金属細線103の線幅については、導電性フィルムの製造方法で説明した通りであるので、その説明を省略する。
開口104の一辺の長さXは、10〜500μmが好ましく、25〜100μmが好ましい。
図3においては、開口104は、略ひし形の形状を有している。但し、その他、多角形状(例えば、三角形、四角形、六角形、および、ランダムな多角形)としてもよい。また、一辺の形状を直線状の他、湾曲形状にしてもよいし、円弧状にしてもよい。円弧状とする場合は、例えば、対向する2辺については、外方に凸の円弧状とし、他の対向する2辺については、内方に凸の円弧状としてもよい。また、各辺の形状を、外方に凸の円弧と内方に凸の円弧が連続した波線形状としてもよい。もちろん、各辺の形状を、サイン曲線にしてもよい。
なお、図3においては、導電部102はメッシュ状のパターンを有するが、この形態には制限されない。
図4は、金属細線103の断面図であり、導電性フィルムの製造方法において説明した図1Hと同様の構造であるため、その説明を省略する。
〔用途〕
本発明の導電性フィルムは、種々の用途に用いることができる。例えば、各種電極フィルム、発熱シート、および、プリント配線基板が挙げられる。なかでも、導電性フィルムは、タッチパネルセンサーに用いられることが好ましく、静電容量方式のタッチパネルセンサーに用いられることがより好ましい。上記導電性フィルムをタッチパネルセンサーとして含むタッチパネルでは、金属細線が視認しづらい。
なお、タッチパネルの構成としては、例えば、特開2015−195004号公報の段落0020〜0027に記載のタッチパネルモジュール等が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
また、本発明の導電性フィルムは、アンテナおよび指紋認証部の少なくとも一方に用いることも好ましい。この場合、具体的には、アンテナおよび指紋認証部を構成する導電部材として、本発明の導電性フィルムが適用される。
本発明の導電性フィルムは、2.0μm以下という微細な線幅の金属細線を有するため、感度に優れるアンテナおよび指紋認証部が得られる。
アンテナおよび指紋認証部は、タッチパネルが有する部材であることが好ましい。アンテナを有するタッチパネルの構成としては、例えば、実用新案登録第3171994号公報に記載の多機能タッチパネル等が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。また、指紋認証部を有するタッチパネルの構成としては、特開2016−006648号公報に記載の指紋認証機能を有するタッチパネル等が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
また、タッチパネルがタッチパネルセンサー、アンテナおよび指紋認証部を有する場合、これらの全てについて本発明の導電性フィルムを適用してもよい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例に制限されない。
また、特に断らない限り、部、および、%は質量基準を意図する。
[導電性フィルムの製造]
以下のようにして、実施例および比較例の各導電性フィルムを作製した。
基板(COPフィルム(シクロオレフィンポリマーフィルム)、厚み80μm)上に、スパッタリング装置を用いて、Crを10nmの厚みになるよう成膜して、下地金属層を得た。引き続き、下地金属層上にCuを50nmの厚みになるよう成膜して、シード層を得た。以下において、下地金属層およびシード層の積層構造体を「第1金属膜」ともいう。
次にレジスト膜形成用組成物(富士フイルム社製、「FHi−622BC」、粘度11mPa・s)を、乾燥厚みが1μmとなるように、スピンコーターの回転数を調整して、第1金属膜上(シード層上)に塗布し、100℃で1分間乾燥させて、レジスト膜形成用組成物層(膜厚:第1表参照)を得た。
次に、第1表に記載の所定線幅の開口が形成されたフォトマスクを準備し、フォトマスクと第1金属膜との距離が第1表に記載の通りになるように、フォトマスクをレジスト膜形成用組成物層上に配置した。なお、フォトマスクの開口の形状は、直線状である。
その後、ポジ型のレジスト膜形成用組成物層に対し、フォトマスクを介し、平行光露光機を用いて200〜400nmの波長の光(光源 ハロゲンランプ、露光量 16mW/cm)を2秒間照射し、100℃で1分間加熱(ポストベーク)して、露光後のレジスト膜形成用組成物層を得た。
次に、露光後のレジスト膜形成用組成物層を、0.5M水酸化ナトリウム水溶液で現像し、開口の形成されたレジスト膜(膜厚:レジスト膜形成用組成物層と同じ)を得た。なお、レジスト膜の開口は、露光領域に対応する。
上記手順により作製した、基板と、第1金属膜と、開口の形成されたレジスト膜と、をこの順に備える積層体に対して、硫酸銅ハイスロー浴(添加剤としてトップルチナHT−AとトップルチナHT−Bとを含有する。いずれも奥野製薬工業社製)を用いて、電気めっきを施した。電気めっきの条件としては、電流密度は3A/dm、導通時間は20秒間とした。電気めっきにより、レジスト膜の開口内であって、第1金属膜上に、直線状の第2金属膜が形成された。なお、第2金属膜の厚みは、300nmであった。
次に、1M水酸化ナトリウム水溶液を用いて、レジスト膜を積層体から剥離した。
次に、第2金属膜をエッチングマスクにして、第1金属膜のエッチングを行った。具体的には、第2金属膜をエッチングマスクにして、シード層に対するエッチングレートが200nm/minとなるよう濃度を調整したCuエッチング液(和光純薬工業社製、「Cuエッチャント」)を用いて、シード層における第2金属膜が形成されていない領域をエッチングした。続いて、第2金属膜およびシード層をエッチングマスクにして、Crエッチング液(日本化学産業社製、「アルカリ性クロムエッチング液」。なお、下地金属層に対するエッチングレートは100nm/minだった。)を用いて、下地金属層における第2金属膜およびシード層の形成されていない領域をエッチングした。このようにして、基板と、基板上に形成された金属細線と、を有する実施例および比較例の導電性フィルムを得た。なお、金属細線は、基板側から、第1金属膜に対応する第1金属層と、第2金属膜に対応する第2金属層と、の順に形成された積層構造体である。
[評価試験]
〔金属細線の線幅〕
上記の方法により作製した実施例および比較例の導電性フィルムについて、金属細線の線幅を以下の方法により測定した。
まず、導電性フィルムを、基板ごと樹脂に包埋し、幅方向(金属細線の延在方向と直交する方向)で、ウルトラミクロトームを用いて切断し、得られた断面に炭素を蒸着した後、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 S−550型)を用いて観察した。第1金属層および第2金属層のそれぞれの線幅を測定し、最大の線幅を金属細線の線幅とした。
測定結果は、第1表にまとめて示した。
[評価結果]
以上の評価試験の結果を第1表に示す。
第1表の評価結果によれば、線幅1.5μm以下の開口が形成されたマスクと、第1金属膜と、の距離が1.5μm以下になるように、レジスト膜形成用組成物層の上にマスクを配置して、露光処理を行った場合(実施例)、金属細線の線幅が2.0μm以下にできることが示された。
実施例1〜3と、実施例4〜6と、実施例7〜9と、の対比から、マスクとレジスト膜形成用組成物層とが接した状態で露光処理が行われると(実施例1〜3および実施例7〜9)、金属細線の線幅をより小さくできることが示された。
これに対して、マスクの開口の線幅が1.5μm超であること、および、マスクと第1金属膜との距離が1.5μm超であること、の少なくとも一方の条件を満たさない場合(比較例)、金属細線の線幅が2.0μmを超えてしまうことが示された。
1、100 導電性フィルム
11 第1金属膜
11a 面
13 第2金属膜
20 レジスト膜形成用組成物層
20a 露光領域
20b 未露光領域
21 レジスト膜
22、32、104 開口
30 マスク
30a 面
101 基板
102 導電部
103 金属細線
201 第1金属層
203 第2金属層
D1 距離
W1、W2 線幅
L 光
X 一辺の長さ

Claims (14)

  1. 基板上に第1金属膜を形成する工程と、
    前記第1金属膜上にレジスト膜形成用組成物を塗布して、レジスト膜形成用組成物層を形成する工程と、
    線幅1.5μm以下の開口が形成されたマスクと、前記第1金属膜と、の距離が1.5μm以下となるように、前記レジスト膜形成用組成物層の上に前記マスクを配置する工程と、
    前記マスクを介して、前記レジスト膜形成用組成物層の露光処理を平行光露光機によって行う工程と、
    前記レジスト膜形成用組成物層の露光領域を除去する現像処理を行って、開口が形成されたレジスト膜を得る工程と、
    前記レジスト膜の開口内であって、前記第1金属膜上に、第2金属膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜を除去する工程と、
    前記第2金属膜をマスクとして、前記第1金属膜の一部を除去して、金属細線から構成される導電部を形成する工程と、
    を含む、導電性フィルムの製造方法。
  2. 前記第2金属膜が電解めっき法により形成される、請求項1に記載の導電性フィルムの製造方法。
  3. 前記レジスト膜形成用組成物層の膜厚が1.5μm以下である、請求項1または2に記載の導電性フィルムの製造方法。
  4. 前記レジスト膜形成用組成物層の膜厚が1.0μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  5. 前記レジスト膜形成用組成物層が光酸発生剤を含み、
    前記光酸発生剤が、200〜400nmの波長領域に感光性を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  6. 前記マスクが前記レジスト膜形成用組成物層と接するように配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  7. 基板と、
    前記基板上に形成された、線幅2.0μm以下の金属細線から構成される導電部と、
    を有する、導電性フィルム。
  8. 前記金属細線が、2以上の積層構造を有する、請求項7に記載の導電性フィルム。
  9. 請求項7または8に記載の導電性フィルムを有する、タッチパネルセンサー。
  10. 請求項7または8に記載の導電性フィルムを有する、アンテナ。
  11. 請求項7または8に記載の導電性フィルムを有する、指紋認証部。
  12. 請求項9に記載のタッチパネルセンサーを有する、タッチパネル。
  13. 請求項10に記載のアンテナを有する、タッチパネル。
  14. 請求項11に記載の指紋認証部を有する、タッチパネル。
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