以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、部品実装機の部品供給装置に着脱可能に装着されるテープフィーダ10を示すもので、テープフィーダ10には、キャリアテープTを巻回したリール12が着脱可能に取付けられている。
キャリアテープTは、図2および図3に示すように、所定の幅で細長く形成され、長手方向に多数のキャビティCtを一定のピッチ間隔で配設しており、これらキャビティCtに、回路基板に実装される部品(電子部品)eがそれぞれ収納されている。キャビティCtの上部は開口されていて、キャリアテープTの表面に貼り付けられたトップテープTtによって覆われている。
キャリアテープTの幅方向の一端側には、送り穴HcがキャビティCtと同一のピッチ間隔、あるいはキャビティCtの2倍のピッチ間隔で形成され、これら送り穴HcはキャビティCtと一定の位置関係に配置されている。
テープフィーダ10には、リール12に巻回されたキャリアテープTを定量ずつ送り出して、電子部品eをテープフィーダ10の先端部に設けられた部品供給位置17に1個ずつ供給する定量送り機構18が内蔵されている。定量送り機構18は、テープフィーダ10の本体に回転可能に支承され、キャリアテープTの送り穴Hcに係合するスプロケット19と、スプロケット19を1ピッチ分ずつ回転させる図略のモータを備えている。
なお、部品実装機に用いられるキャリアテープTは、キャビティCtのピッチが互いに異なる複数種類からなり、キャリアテープTの種類によって、キャビティCtのピッチ間隔およびキャビティCtと送り穴Hcの関係が定められている。従って、キャビティCtのピッチ間隔を画像処理等によって認識することにより、どの種類のキャリアテープTであるかを把握することができ、それに基づいて、キャリアテープTの送り穴Hcの位置を認識でき、後述するスプライシング時におけるキャリアテープTの切断位置を決定できるようになる。
スプライシング装置20は、部品供給装置に装着されたテープフィーダ10に装着されている現リールに巻回されたキャリアテープの終端部を、交換する次リールに巻回されたキャリアテープの始端部に自動的に接続する装置である。
スプライシング装置20は、図5に示すように、箱状の装置本体21と、装置本体21にピボット23(図21参照)を中心にして回動可能に支持され、装置本体21の上面を開閉する蓋体22とを備え、図略の台車等に載置されて部品実装機の部品供給装置に装着されたテープフィーダ10間を移動可能に構成されている。蓋体22は、スプライシング時には手動で閉止され、スプライシング後のキャリアテープTの取り出し時には自動で開かれるようになっている。なお、蓋体22は、一旦閉止されると、後述する閉止保持装置によって閉止状態を保持される。
スプライシング装置20によってスプライシングされる2つのキャリアテープT(以下、第1キャリアテープT1、第2キャリアテープT2という)は、図4に示すように、同一部品種の第1部品e1(第2部品e2)が収容される第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)が、所定ピッチPcで設けられている。
また、第1、第2キャリアテープT1,T2には、後述する第1テープ送り装置50(第2テープ送り装置51)の第1スプロケット61a(第2スプロケット61b)の歯67a(67b)と噛合可能な第1送り穴Hc1(第2送り穴Hc2)が、第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)に平行に所定ピッチPhで穿孔されている。
第1、第2キャリアテープT1,T2は、スプライシング装置20により任意の第1、第2切断箇所Q1,Q2を切断されて突き合わされ、後述するスプライシングテープ30によって接続される。第1切断箇所Q1(第2切断箇所Q2)としては、例えば、第1部品e1(第2部品e2)が有る第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)と第1部品e1(第2部品e2)が無い空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)との中間位置が選択される。
切断後の空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)が連なる第1キャリアテープT1(第2キャリアテープT2)が第1不要部分Tf1(第2不要部分Tf2)として廃棄される。なお、任意の数の空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)を残すために、第1切断箇所Q1(第2切断箇所Q2)として隣り合う空の第1キャビティCt1(第2キャビティCt2)の中間位置も選択可能である。
スプライシング装置20には、図6の左右より、スプライシングすべき2つのキャリアテープT1、T2が送り込まれるとともに、それに直交する図6の上方向より、2つのキャリアテープT1、T2を接続するスプライシングテープ30を貼付した保護テープ31(図7参照)が送り込まれるようになっている。そして、図7に示すように、キャリアテープT1、T2と保護テープ31とが交差するスプライシング位置LSにおいて、2つのキャリアテープT1、T2の端部同士がスプライシングテープ30によって互いに接続されるようになっている。
なお、保護テープ31に貼付されたスプライシングテープ30は、キャリアテープT1、T2との接着面を上側にして、スプライシング位置LSに送り込まれ、このスプライシングテープ30の上方に2つのキャリアテープT1、T2が位置決めされるようになっている。
スプライシングテープ30は、図8および図9に示すように、連続した保護テープ31の上面に、2つのキャリアテープT1、T2に跨ってその両面に接着される表面用と裏面用で1セットのスプライシングテープ30a、30bからなっている。すなわち、スプライシングテープ30は、2つのキャリアテープT1、T2の表面側に接続される表面用スプライシングテープ30aと、2つのキャリアテープT1、T2の裏面側に接続される裏面用スプライシングテープ30bを1セットとしたものである。
表面用と裏面用で1セットのスプライシングテープ30は、保護テープ31の両サイドに一定のピッチ間隔で穿孔した送り穴31aと一定の位置関係を保ちながら、保護テープ31の長手方向に一定のピッチ間隔Pdを有して貼付されている。また、1セットのスプライシングテープ30a、30bは、表面用スプライシングテープ30aを先行側にして所定の間隔Pd1を有して配置されている。そして、これら1セットのスプライシングテープ30a、30bには、金属粉が埋設され、金属を検知できる後述するテープ検知センサによって検知できるようになっている。
図9に示すように、保護テープ31の下方には、スプライシングテープ30a、30bを検知するテープ検知センサ48が、スプライシング位置LSの手前側に、スプライシング位置LSに対して一定の距離S1だけ離間した位置に設置されている。かかる金属検知センサ48により、検出用スリット49を通してスプライシングテープ30(例えば、裏面用スプライシングテープ30b)の端部が検出されると、その検出位置から、保護テープ送り装置36のステッピングモータ47によって保護テープ31を一定量S1だけ送り制御することにより、スプライシングテープ30をスプライシング位置LSに位置決めするようになっている。
スプライシングテープ30a、30bの上面は、2つのキャリアテープT1、T2に跨ってその両面に接着される粘着面をなし、この接着面に、図8に示すように、連続した紙台紙32が接着され、これら紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31の3層構造体が、供給リール33にロール状に巻回されている。
保護テープ31の幅方向寸法は、紙台紙32の幅方向寸法より大きく、保護テープ31の幅方向の両端は紙台紙32の幅方向の両端より突出されている。一方、スプライシングテープ30の幅方向寸法は、紙台紙32の幅方向寸法と等しく、スプライシングテープ30は、送り穴31aの内側で表面用と裏面用で1セットとして、保護テープ31に貼付されている。
保護テープ31には、図9に示すように、表面用スプライシングテープ30aに近接した位置に、キャリアテープT1、T2に形成された送り穴Hc1、Hc2と同じピッチ間隔に位置決め穴31bが保護テープ31の幅方向に沿って複数形成されている。また、裏面用スプライシングテープ30bには、キャリアテープT1、T2に形成された送り穴Hc1、Hc2と同じピッチ間隔に位置決め穴30b1が保護テープ31を貫いて保護テープ31の幅方向に沿って複数形成されている。
なお、保護テープ31に形成される送り穴31aや位置決め穴31bは、保護テープ31にスプライシングテープ30a、30bが所定位置に貼り付けられた後に、スプライシングテープ30bに位置決め穴30b1を形成するのに合わせてパンチングプレス等によって形成される。
スプライシング装置20には、図7に示すように、2つのキャリアテープT1、T2をスプライシングするスプライシング位置LSを横切る線上に、スプライシングテープ30を含む3層構造体をロール状に巻回した回転可能な供給リール33と、スプライシングテープ30より剥がされた紙台紙32を送り出す紙台紙送り装置35と、スプライシングテープ30が剥がされた保護テープ31を送り出す保護テープ送り装置36が配設されている。
スプライシングテープ30の両面に接着される紙台紙32および保護テープ31との接着力は、保護テープ31に対する接着力の方が強く、スプライシングテープ30より紙台紙32を剥がしても、スプライシングテープ30が保護テープ31より剥がれることがないようにしている。
しかしながら、紙台紙32が剥がされたスプライシングテープ30の接着面に、キャリアテープT1、T2が接着されると、その粘着力は、保護テープ31に対する粘着力よりも強く、スプライシングテープ30より保護テープ31を剥がれやすくしている。
紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31の3層構造体は、供給リール33に巻回された状態で、スプライシング装置20に装着され、先端を供給リール33より引き出される。そして、作業者によって紙台紙32が剥がされて折り返され、紙台紙32は紙台紙送り装置35によって送り出され、図略の紙台紙収納ボックスに廃棄される。
供給リール33は、装置本体21に取付けられた支持体38に回転可能に支持されている。支持体38は、ばね力による所定の摩擦力で供給リール33に押圧され、この支持体38により、支持体38に対する供給リール33の回転を制限するようになっている。そして、摩擦力に打ち勝つ作用力で保護テープ31が引っ張られると、支持体38に対して供給リール33の回転が可能となる。
紙台紙32が剥がされた保護テープ31、すなわち、スプライシングテープ30を接着面を上側にして多数貼付した保護テープ31は、スプライシング位置LSの中心を横切るようにして、後述する接続装置58を通って、先端部を保護テープ送り装置36の送り用スプロケット46(図10参照)に係合されるようになっている。
送り用スプロケット46には、図10に示すように、保護テープ31に穿孔された送り穴31aのピッチと同一ピッチで複数の係合歯46aが円周方向に等角度間隔に形成され、送り用スプロケット46に連結されたステッピングモータ47を1ピッチ駆動することにより、係合歯46aに係合された保護テープ31が単位量送り出される。
ステッピングモータ47は、電源の投入により原点復帰され、送り用スプロケット46の係合歯46aを常に頂点に位置するように位置決めされる。また、ステッピングモータ47は、例えば、サーボロック装置等の回転拘束手段47aにより適宜回転を拘束できるようになっている。
上記した支持体38による摩擦作用および回転拘束手段47aにより、スプライシングが完了したキャリアテープT1、T2をスプライシング装置20内より取り出す場合に、保護テープ31の両端側の移動を制限して、保護テープ31の浮き上がりを阻止する阻止装置を構成している。
図6に示すように、スプライシング装置20は、第1、第2テープ送り装置50,51と、第1、第2部品検知装置52,53と、第1、第2切断装置54,55と、第1、第2取込装置56,57と、接続装置58と、制御装置59(図5参照)とを備えている。第1、第2テープ送り装置50,51、第1、第2切断装置54,55、第1、第2取込装置56,57、接続装置58(一部を除く)および制御装置59は、装置本体21および蓋体22の内部に収納され、配置されている。
すなわち、図11に示すように、装置本体21内および蓋体22内の両側に、第1、第2テープ送り装置50,51がそれぞれ配置され、第1、第2テープ送り装置50,51の間に、第1、第2切断装置54,55がそれぞれ配置されている。さらに、第1、第2切断装置54,55の間に、第1、第2取込装置56,57がそれぞれ配置され、第1、第2取込装置56,57の間に、接続装置58が配置されている。また、第1、第2部品検知装置52,53は、第1、第2テープ送り装置50,51の第1、第2搬送経路60a,60bの第1、第2検知位置Ld1,Ld2の上方に配置されている。
第1、第2テープ送り装置50,51は、装置本体21両側面から中央に向かって水平方向に延在するように設けられた第1、第2搬送経路60a,60bと、第1、第2搬送経路60a,60bの下方に配置された第1、第2スプロケット61a,61bと、第1、第2スプロケット61a,61bに連接された第1、第2ステッピングモータ62a,62bと、第1、第2スプロケット61a,61bの近傍に配置された第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bと、第1、第2搬送経路60a,60bの上方に配置された第1、第2テープ検知装置64a、64b等と、を備えている。
第1、第2テープ送り装置50,51は、第1、第2キャリアテープT1,T2を第1、第2搬送経路60a,60bに沿って搬送して、第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2(図4参照)を第1、第2切断位置Lc1,Lc2およびスプライシング位置LSに順次位置決め可能に構成されている。
第1、第2搬送経路60a,60bは、第1、第2キャリアテープT1,T2の幅より若干広い幅を有し、装置本体21の両側面に設けられた第1、第2テープ入口84a,84bから第1、第2切断装置54,55の第1、第2カッター68a,68bによる第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断位置Lc1,Lc2まで一直線に延びる溝状に形成されている。
第1、第2スプロケット61a,61bには、第1、第2キャリアテープT1,T2に穿孔されている第1、第2送り穴Hc1,Hc2のピッチPhと同一ピッチの複数の第1、第2歯67a,67bが円周方向に形成されている。第1、第2スプロケット61a,61bは、第1、第2搬送経路60a,60bに沿って挿入されてくる第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2送り穴Hc1,Hc2に噛合可能なように第1、第2搬送経路60a,60bの下方に配置されている。
第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bは、第1、第2スプロケット61a,61bが原位置になったことを、第1、第2スプロケット61a,61bの側面に付された第1、第2マークM1,M2を読み取ることにより検知する。
第1、第2テープ検知装置64a,64bは、装置本体21の両側面に設けられた第1、第2テープ入口84a,84bから第1、第2キャリアテープT1,T2が挿入されたことを検知する。
第1、第2部品検知装置52,53は、第1、第2搬送経路60a,60bを搬送される第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2キャビティCt1、Ct2、第1、第2キャビティCt1,Ct2間のテープ部分および第1、第2キャビティCt1,Ct2内の第1、第2部品e1,e2を検知する。
図11および図12に示すように、第1、第2切断装置54,55は、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に設けられた第1、第2カッター68a,68bと、第1、第2カッター68a,68bに摺接可能な第1、第2カム69a,69bと、第1、第2カム69a,69bに連接された第1、第2ギヤモータ70a,70bと、第1、第2カッター68a,68bに一端が取着され、蓋体22内に他端が取着された第1、第2カッターバネ71a,71bと、第1、第2カッター68a,68bに隣接して設けられた第1、第2押圧部材72a,72bと、第1、第2カッター68a,68bに一端が取着され、第1、第2押圧部材72a,72bに他端が取着された第1、第2押圧バネ73a,73bと、第1、第2カッター68a,68bの近傍に配置された第1、第2カッター検知装置74a,74b等と、を備えている。
第1、第2切断装置54,55は、第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2において第1、第2不要部分Tf1,Tf2(図14参照)を切断可能に構成されている。
第1、第2カッター68a,68bは、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に位置決めされた第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2を切断するために、上下方向に移動可能に装架され、第1、第2カム69a,69bの回転によって上下移動される。
第1、第2押圧部材72a,72bは、第1、第2切断位置Lc1,Lc2に位置決めされた第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2切断箇所Q1,Q2の近傍を押圧して固定するために、上下方向に移動可能に設けられ、第1、第2押圧バネ73a,73bによって下方に付勢されている。
第1、第2取込装置56,57は、第1、第2切断位置Lc1,Lc2とスプライシング位置LSとの間に設けられ、第1、第2固定部材78a,78bに回動可能に支持された第1、第2取込部材75a,75bと、第1、第2取込部材75a,75bを回動する第1、第2取込部材回動装置76a,76b等とを備えて構成される。第1、第2取込装置56,57は、第1、第2キャリアテープT1,T2の切断された第1、第2不要部分Tf1,Tf2をそれぞれ取り込み可能に構成されている。
第1、第2取込部材75a,75bには、第1、第2搬送経路60a,60b上を搬送される第1、第2キャリアテープT1,T2の第1、第2不要部分Tf1,Tf2を取り込むための第1、第2開口80a,80bと、第1、第2不要部分Tf1,Tf2を図略の廃却箇所に案内する第1、第2ダクト82a,82bが形成されている。
第1、第2取込部材75a,75bは、第1、第2不要部分Tf1,Tf2の取り込み時には、図12の1点鎖線で示す原位置に保持されている。また、第1、第2キャリアテープT1,T2をスプライシング位置LSに搬送する場合には、図12の実線で示すように、第1、第2取込部材回動装置76a,76bにより所定角度回動され、第1、第2取込部材75a,75bに形成した第1、第2可動搬送経路79a,79bを第1、第2搬送経路60a,60bに整列させるようになっている。
接続装置58は、第1切断装置54と第2切断装置55との間に設けられている。接続装置58は、第1、第2搬送経路60a,60bの中間のスプライシング位置LSにおいて、第1、第2切断箇所Q1,Q2が突き合わされている第1、第2キャリアテープT1,T2をスプライシングテープ30によって接続可能に構成されている。
次に、接続装置58の構成について、図16から図20に基づいて説明する。接続装置58は、第1昇降台91、押さえプレート97、第2昇降台101、旋回台103等を有している。第1昇降台91は、その脚部92を装置本体21に昇降可能に案内支持されている。第1昇降台91上には、2つのキャリアテープT1、T2の接続位置(突合せ位置)を中心にして両側に、スプライシングテープ30bに形成された位置決め穴30b1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcに係合可能な各2つずつの第1位置決めピン93、94がキャリアテープT1、T2の送り方向に沿って突設されている。これら2組の第1位置決めピン93、94の各ピッチは、キャリアテープT1、T2の送り穴HcのピッチPhの2倍に定められている。
また、第1昇降台91には、第1位置決めピン93、94の各間に、ピン穴95が形成されており、これらピン穴95に後述する旋回台103側の第2位置決めピン105が突入可能となっている。
装置本体21には、キャリアテープT1、T2の長手方向と直交する水平方向に、可動台96が移動可能に案内支持され、この可動台96に、第1位置決めピン93、94の上方位置において、押さえプレート97が取付けられている。押さえプレート97の先端には、第1位置決めピン93、94を収容できるU字形状の溝98が形成され、押さえプレート97は、溝98が第1位置決めピン93、94より離脱する後退端と、溝98が第1位置決めピン93、94を収容する前進端位置との間で進退できるようになっている。
さらに、装置本体21には、第2昇降台101の脚部102が昇降可能に案内支持されている。第2昇降台101上には、旋回台103がキャリアテープT1、T2の長手方向に平行なピボット軸104を旋回中心にして180度旋回可能に両端支持されている。旋回台103には、旋回中心よりオフセットした位置に押圧板103aが設けられ、この押圧板103aに複数の第2位置決めピン105とピン穴106が設けられている。第2位置決めピン105は、上記した第1昇降台91に設けた第1位置決めピン93、94の各間に対応する位置に配列され、第1昇降台91に設けたピン穴95に突入可能となっている。また、ピン穴106は、第2位置決めピン105の各間に対応する位置に配列され、第1昇降台91に設けた第1位置決めピン93、94が突入可能となっている。
第2位置決めピン105は、旋回台103の180度旋回によって、スプライシング位置LSに位置決めされた2つのキャリアテープT1、T2の送り穴Hcおよびスプライシングテープ30bの位置決め穴30b1に係合され、2つのキャリアテープT1、T2とこれを接続するスプライシングテープ30の三者の位置関係を一定に保つようになっている。
旋回台103のピボット軸104には、ピニオン107が取付けられ、このピニオン107に噛合うラック108がキャリアテープT1、T2の搬送方向と直交する水平方向に移動可能な可動台109に取付けられている。これにより、可動台109が移動されると、ピニオン107とラック108からなるラックピニオン機構により、旋回台103が旋回されるようになっている。
かかる旋回台103の旋回により、押圧板103aと第1昇降台91との間で、2つのキャリアテープT1、T2およびスプライシングテープ30の三者が挟持され、互いに接続されるようになっている。
装置本体21には、カムドラム110が旋回台103の旋回中心と平行な軸線の回りに回転可能に支持され、図略の駆動モータによって一定方向に低速回転されるようになっている。カムドラム110の両面には、内外2つずつのカム溝110a、110b、110c、110dがそれぞれ円周方向に無端状に形成されている。
第1カム溝110aには、第1昇降台91の脚部92に軸支された図略の第1フォロアローラが係合されている。第2カム溝110bには、押さえプレート97に連結された可動台96に軸支された図略の第2フォロアローラが係合されている。第3カム溝110cには、第2昇降台101の脚部102に軸支された図略の第3フォロアローラが係合されている。第4カム溝110dには、可動台109に連結された連結部材112に軸支された図略の第4フォロアローラが係合されている。
これにより、カムドラム110が回転されると、第1〜第4カム溝110a〜110dにそれぞれ係合する第1〜第4フォロアローラを介して、第1および第2昇降台91、101の各昇降運動、押さえプレート97の進退運動、ならびに旋回台103の旋回運動が連動して行われるようになっており、カムドラム110の1回転で、第1および第2昇降台91、101、押さえプレート97および旋回台103は、原位置に復帰されるようになっている。
スプライシング装置20には、図21に示すように、スプライシング動作中に蓋体22を閉止状態に保持する閉止保持装置24が設けられている。閉止保持装置24は、装置本体21に設置され、作動ロッド25aを上下方向に作動可能なソレノイド25と、装置本体21に支軸26を中心にして回動可能に支持され、ソレノイド25によって回動されるフック27と、蓋体22に下方に突出するように設けられ、フック27に係脱可能に係合する係合ピン28とによって、主に構成されている。
装置本体21と蓋体22との間には、蓋体22を開放方向に付勢する開放用スプリング29が設けられ、フック27と係合ピン28との係合が解除されると、蓋体22は開放用スプリング29によって自動的に開放されるようになっている。かかる開放用スプリング29によって、閉止保持装置24が解除された際に蓋体22を開放方向に作動する開放作動装置を構成している。
また、図示してないが、蓋体22にはドッグが設けられ、このドッグによって動作される閉止確認用センサが装置本体21に設けられている。閉止確認用センサは蓋体22の閉止時にドッグによって動作され、閉止確認用センサのオン信号に基づいて蓋体22が閉止されたことが確認される。
そして、作業者によって蓋体22が閉止され、ドッグによって閉止確認用センサがオンされると、そのオン信号に基づいて、ソレノイド25の作動ロッド25aが図21の上方向に作動され、フック27が回動されて係合ピン28に係合される。これにより、閉止保持装置24によって蓋体22が閉止状態に保持される。
なお、2つのキャリアテープT1、T2がスプライシングテープ30によって互いに接続され、制御装置59より接続完了信号が発せられると、ソレノイド25の作動ロッド25aが図21の下方向に作動される。これにより、フック27が回動されて係合ピン28との係合が解除され、蓋体22は開放作動装置(開放用スプリング)29の付勢力によって自動的に開放される。
蓋体22の内面(下面)には、蓋体22の開放に連動して、スプライシングテープ30によって接続された第1および第2キャリアテープT1、T2を持ち上げる持ち上げ装置120(図22参照)が一体的に設けられている。この持ち上げ装置120により、保護テープ31に接着されたスプライシングテープ30を保護テープ31より的確に剥離できるようにしている。
持ち上げ装置120は、図22および図23に示すように、蓋体22の内面に設けた取付部22aに固定された支持部材121を備え、この支持部材121の先端部に、キャリアテープT1、T2の長手方向に伸長する板状の持ち上げアーム122が固定されている。持ち上げアーム122の両端は折り曲げられ、キャリアテープT1、T2の長手方向に間隔を有する長さの異なる一対のフック123、124を形成している。
一対のフック123、124には、スプライシングテープ30によって接続された第1および第2キャリアテープT1、T2を、保護テープ31(スプライシングテープ30)の両端部に接近した位置で下方より持ち上げる受部123a、124aがそれぞれ形成されている。一対のフック123、124の受部123a、124aは、蓋体22の閉止時には、図22の実線で示すように、キャリアテープT1、T2の搬送経路60a,60bの延長線より下方に位置され、蓋体22の開放時には、図22の2点鎖線で示すように、搬送経路60a,60bの延長線より上方に位置されるように構成されている。
これにより、蓋体22が閉止状態より開放されると、蓋体22と一体的に持ち上げアーム122がピボット23を中心にして回動され、一対のフック123、124の受部123a、124aが、スプライシングテープ30によって接続された第1および第2キャリアテープT1、T2を横切ることにより、受部123a、124aに引っ掛けられてキャリアテープT1、T2が持ち上げられ、スプライシングテープ30が保護テープ31より剥離される。
この際、一対のフック123、124の受部123a、124aに傾斜が設けられ、これによって、キャリアテープT1、T2はT2側の幅方向の奥側より徐々に持ち上げられるため、スプライシングテープ30はT2側の幅方向の一端(奥側)より徐々に引き剥がされる。従って、スプライシングテープ30が保護テープ31より剥がれる際に、スプライシングテープ30がキャリアテープT1、T2より剥がれることがなく、スプライシングテープ30によるキャリアテープT1、T2の接続を精度よく行うことができるようになる。
次に上記した実施の形態におけるスプライシング装置20の動作について説明する。テープフィーダ10に取付けたリール12に巻回された第1キャリアテープT1に保持された部品eの残量が少なくなると、第1キャリアテープT1の終端部に、同一種の部品eを収容した別のリールに巻回した第2キャリアテープT2の始端部をスプライシングテープ30によって接続するスプライシング処理が実施される。かかるスプライシングによって部品を補給し、テープフィーダ10からの部品の供給を継続して行えるようにしている。
かかるスプライシングにおいては、通常正しい部品を収容したキャリアテープが接続されたかどうかをチェックする、いわゆるスプライシングベリファイが実行される。スプライシングベリファイは、旧リールに貼られたバーコードをバーコードリーダにより読み取り、旧リールに収容された部品のシリアルIDを管理コンピュータに送信する。次いで、新リールに貼られたバーコードをバーコードリーダにより読み取り、新リールに収容された部品のシリアルIDを管理コンピュータに送信する。
管理コンピュータのデータベースには、シリアルID毎に部品に関するデータが保存されているので、読み取ったシリアルIDより、2つのキャリアテープT1、T2に収容された部品が同じ種類のものであるか否かを照合できる。間違った部品であれば、照合エラーが操作パネルに表示されてオペレータに報知され、これに基づいてオペレータはスプライシングをやり直す。
このようなスプライシングベルファイが終了すると、2つのキャリアテープT1、T2の各端部をハサミによって切断する。この際、各キャリアテープT1、T2の端部には、通常、部品が収納されていない空のキャビティ部分が数十mm程度設けられているため、この部分を作業者によって切断する。この場合、切断面は、後述する説明から明らかなように、2つのキャリアテープT1、T2の合わせ面となるものではないので、特に正確性は要求されない。
通常、蓋体22は閉じられており、この状態で、作業者により電源がオンされると、制御装置59は、第1、第2スプロケット歯検知装置63a,63bからの検知信号に基づいて、ステッピングモータ62a、62bを原位置に復帰させる。その状態で、制御装置59は、第1、第2テープ検知装置64a、64bからの検知信号に基づいて、第1、第2テープ入口84a、84bから第1、第2テープT2の先端部が挿入されたか否かを検知する。第1、第2テープT2の先端部が挿入されたことが検知されると、ステッピングモータ62a、62bが起動され、第1、第2スプロケット61a、61bを回転するとともに、第1、第2取込部材75a、75bの可動部材77a、77bを上方向に移動させる。
次いで、制御装置59は、第1、第2テープ検知装置64a、64bから検知信号に基づいて、第1、第2テープT1、T2の部品e1、e2が空の1番目のキャビティCt1、Ct2および2番目のキャビティCt1、Ct2を順次検出し、これら1番目および2番目のキャビティCt1、Ct2の検出に基づいて、キャビティCt1、Ct2間のピッチPcを演算する。
次いで、制御装置59は、キャビティCt1、Ct2間のピッチPcと、既知の検知位置Ld1、Ld2と切断位置Lc1、Lc2との間の距離D1、D2とから、第1、第2テープT1、T2の切断箇所Q1、Q2(図4参照)を演算する。そして、図13に示すように、第1、第2テープT1、T2を距離D1、D2移動させて不要部分Tf1、Tf2を第1、第2取込部材75a、75b内に取り込ませ、切断箇所Q1、Q2を切断位置Lc1、Lc2に搬送位置決めする。
このようにして、第1および第2キャリアテープT1、T2の搬送位置決めが完了すると、制御装置59は、カッター68a,68bを押圧部材72a,72bとともにそれぞれ下降させ、押圧部材72a,72bによって、切断位置Lc1,Lc2に位置決めされた第1、第2キャリアテープT1,T2の切断箇所Q1,Q2の近傍を押圧して固定する。続いて、カッター68a,68bをそれぞれ下降させ、第1、第2キャリアテープT1,T2の切断箇所Q1,Q2をそれぞれ切断する。第1、第2キャリアテープT1,T2の切断された不要部分Tf1,Tf2は、取込部材75a、75bのダクト82a,82bに案内されて廃棄される。
カッター68a,68bによって第1、第2キャリアテープT1,T2が切断されると、制御装置59は、取込部材75a,75bを下方向に移動させる。しかる後、ステッピングモータ62a、62bによってスプロケット61a,61bをそれぞれ回転し、第1、第2キャリアテープT1,T2を、切断位置Lc1,Lc2とスプライシング位置LSとの間の既知の距離D3,D4だけそれぞれ移動させ、第1、第2キャリアテープT1,T2の切断箇所Q1,Q2をスプライシング位置LSに搬送位置決めする。これにより、第1、第2キャリアテープT1,T2の送り穴Hc1、Hc2がスプライシング位置LSに設けられた接続装置58の第1位置決めピン93、94に係合可能な位置に位置決めされる。
上記した第1、第2テープ送り装置50,51等により、第1および第2キャリアテープT1、T2を、第1および第2のキャリアテープT1、T2の各送り穴Hc1、Hc2に位置決めピン93,94が係合するスプライシング位置LSに位置決めする位置決め装置を構成している。
これによって、第1、第2テープ入口84a,84bより挿入された第1および第2キャリアテープT1、T2の先端が、スプライシング位置LSにおいて、ピッチずれを生ずることなく位置決めされる。
一方、供給リール33に巻回された紙台紙32、スプライシングテープ30および保護テープ31の3層構造体は、供給リール33より引き出され、紙台紙32が剥がされて紙台紙送り装置35により送り出される。スプライシングテープ30を貼付した保護テープ31は、保護テープ送り装置36により送り出され、表面用と裏面用で1セットのスプライシングテープ30がスプライシング位置LSに搬送される。
保護テープ送り装置36のステッピングモータ47によって、裏面用のスプライシングテープ30bがテープ検知センサ48によって検知される位置まで送られ、その位置からさらに一定距離送られることにより、表面用と裏面用で1セットのスプライシングテープ30がスプライシング位置LSに送り込まれ、裏面用スプライシングテープ30bに形成した位置決め穴30b1がスプライシング位置LSに設けられた接続装置58の第1位置決めピン93、94に係合可能な位置に位置決めされる(図24参照)。
なお、スプライシングテープ30がスプライシング位置LSに位置決めされた際に、第1および第2キャリアテープT1、T2がスプライシング位置LSに未だ位置決めされていない場合には、その状態で、第1および第2キャリアテープT1、T2がスプライシング位置LSに位置決めされるまで待機する。
第1および第2のキャリアテープT1、T2およびスプライシングテープ30がそれぞれスプライシング位置LSに位置決めされると、図略の駆動モータによってカムドラム110が回転される。カムドラム110の回転によって、まず、第1カム溝110aに係合する図略の第1フォロアローラを介して、第1昇降台91が上昇される。
第1昇降台91の上昇により、第1位置決めピン93、94が、裏面用スプライシングテープ30bの位置決め穴30b1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcにそれぞれ係合される。この際、裏面用スプライシングテープ30bとキャリアテープT1、T2との間には、図25(A)に示すように、押さえプレート97が介在されているため、裏面用スプライシングテープ30bにキャリアテープT1、T2が接着することはない。これによって、2つのキャリアテープT1、T2とこれの裏面側に接着される裏面用スプライシングテープ30bの三者の位置関係が一定の関係に保たれる。
次いで、第2カム溝110bに係合する図略の第2フォロアローラを介して、可動台96が水平方向に移動され、裏面用スプライシングテープ30bとキャリアテープT1、T2との間に介在された押さえプレート97が、第1昇降台91に対して後退され、裏面用スプライシングテープ30bとキャリアテープT1、T2とが接着可能な状態となる。
次いで、第3カム溝110cに係合する図略の第3フォロアローラを介して、可動台109が水平移動され、この可動台109の水平移動により、ラックピニオン機構(107、108)によって旋回台103が図19の時計回りに旋回される。かかる旋回台103の旋回により、図25(B)に示すように、第2位置決めピン105に係合された保護テープ31が折り曲げられ、表面用スプライシングテープ30aが、キャリアテープT1、T2の上方位置に接着面を下向きにして反転される。すなわち、保護テープ31は、キャリアテープT1、T2を挟み込むように折り曲げされ、キャリアテープT1、T2の裏面側に裏面用スプライシングテープ30bが、キャリアテープT1、T2の表面側に表面用スプライシングテープ30aが位置される。この際、保護テープ送り装置36のモータが逆回転されて、保護テープ31に弛みが与えられ、保護テープ31の折り曲げが許容される。
続いて、第4カム溝110dに係合する図略の第4フォロアローラを介して、第2昇降台101が下降される。第2昇降台101が下降されると、図25(C)に示すように、第2位置決めピン105が、保護テープ31の裏側から保護テープ31の位置決め穴31b、キャリアテープT1、T2の送り穴Hcおよび裏面用スプライシングテープ30bの位置決め穴30b1に係合される。
さらに、第2昇降台101の下降により、キャリアテープT1、T2を挟持した状態で、折り曲げた保護テープ31が、旋回台103の押圧板103aと第1昇降台91との間で押付けられる。この押付けにより、保護テープ31に貼付された裏面用スプライシングテープ30bが、キャリアテープT1、T2の裏面に跨るように接着され、表面用スプライシングテープ30aが、キャリアテープT1、T2の表面に貼付された各トップテープTtに跨るように接着され、第1キャリアテープT1の終端部と第2キャリアテープT2の始端部が互いに接続される。かかる押付け状態は、一定時間(数秒間)持続される。
スプライシングテープ30による2つのキャリアテープT1、T2の接続は、キャリアテープT1、T2とスプライシングテープ30a、30bを、第1および第2位置決めピン93、94、105によって相対的なずれを拘束した状態で行われるので、2つのキャリアテープT1、T2をピッチずれを生ずることなく正確に接続できる。
上記したスプライシングテープ30による2つのキャリアテープT1、T2の接続は、カムドラム110のほぼ180度の回転によって達成され、残りの180度の回転によって、上記したと逆の動作で各構成部材が原位置に復帰される。
すなわち、まず、第2昇降台101が上昇されて、旋回台103が第1昇降台91に対して上昇され、折り曲げた保護テープ31の押付けが解除されるとともに、第2位置決めピン105が裏面用スプライシングテープ30bの位置決め穴30b1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcより離脱される。
続いて、ラックピニオン機構(108、107)を介して旋回台103が図19の反時計回りに旋回されるとともに、保護テープ送り装置36のモータが正回転されて、保護テープ31の弛みが除去される。
その後、押さえプレート97が前進されるとともに、第1昇降台91が下降され、第1位置決めピン93、94が裏面用スプライシングテープ30bの位置決め穴30b1および2つのキャリアテープT1、T2の各送り穴Hcより離脱される。一方、紙台紙送り装置35においてはモータが駆動されて、紙台紙32にテンションが与えられ、紙台紙32が必要な量だけ剥がされる。このようにして、第1のキャリアテープT1の終端部と第2のキャリアテープT2の始端部との接続が完了する。
このようにして、2つのキャリアテープT1、T2がスプライシングテープ30によって互いに接続されると、制御装置59より接続完了信号が発せられる。かかる接続完了信号に基づいて、保護テープ送り装置36のステッピングモータ47が回転拘束手段47aによって回転が拘束されることにより、保護テープ31の一端側の持ち上がりが防止されるとともに、支持体38による供給リール33の回転が制限されることにより、保護テープ31の他端側の持ち上がりが阻止される。
次いで、スプライシング装置20のソレノイド25が作動されて作動ロッド25aが下方に移動され、フック27が支軸26を中心にして図21の時計回りに回動される。これにより、フック27と係合ピン28との係合が解除され、蓋体22はスプリング29の付勢力よりピボット23を中心にして回動され、自動的に開放される。
この際、蓋体22に設けた持ち上げアーム122の一対のフック123、124の受部123a、124aにより、スプライシングテープ30によって接続されたキャリアテープT1、T2がT2側から上方に持ち上げられ、保護テープ31に粘着するスプライシングテープ30が保護テープ31より剥離される。この場合、受部123a、124aには傾斜が設けられ、この傾斜によってキャリアテープT1、T2をT2側の幅方向の一端側(奥側)より持ち上げるようになっているため、保護テープ31に対してスプライシングテープ30が端部より徐々に剥がされる。
しかも、回転拘束手段47aおよび支持体38によって、保護テープ31の持ち上がりが阻止されているため、持ち上げアーム122によるキャリアテープT1、T2の持ち上げ時に、保護テープ31より保護テープ31が確実に剥がされる。
これらによって、スプライシングテープ30が保護テープ31より的確に剥がれることになり、キャリアテープT1、T2を接続したスプライシングテープ30がキャリアテープT1、T2より剥がれることがない。
持ち上げアーム122によって持ち上げられたキャリアテープT1、T2は、作業者によりスプライシング装置20内より容易に取り出される。その後、第2キャリアテープT2を巻回したリール12をテープフィーダ10にセットし、スプライシング処理を完了する。これによって、テープフィーダ10に部品が補給され、部品実装機においては、機械を停止させることなく、部品実装作業を継続して行えるようになる。
なお、別のキャリアテープをスプライシングするために、蓋体22が作業者によって閉じられると、蓋体22に固定されたドッグによって図略の閉止確認用センサがオンされる。閉止確認用センサのオン信号に基づいて、ソレノイド25が作動され、作動ロッド25aが上方に移動される。これにより、フック27が支軸26を中心にして図21の反時計回りに回動され、蓋体22に固定された係合ピン28に係合する。同時に、フック27に取付けた図略のドッグによって図略の作動確認用センサがオンされる。これら閉止確認用センサおよび作動確認用センサが共にオンになると、スプライシング装置20の自動運転が可能となる。
このように、蓋体22が閉じられると、外力によって蓋体22を開放することができなくなるため、自動運転中にスプライシング装置20内の動作部に作業者が接触することを防止でき、安全性を確保することができる。また、スプライシング作業が終了すると、蓋体22が自動的に開放されるので、作業性をアップすることができる。
上記した実施の形態によれば、スプライシングが完了したキャリアテープT1、T2を持ち上げ装置120によって常に一定の状態で持ち上げることができるので、キャリアテープT1、T2に接着されたスプライシングテープ30が剥がれてしまうことがなく、スプライシングが完了したキャリアテープT1、T2をスプライシング装置20内より容易に取り出すことができる。
また、開閉可能な蓋体22に持ち上げ装置120を設けたことにより、蓋体22の開放に連動して持ち上げ装置120を作動させることができ、持ち上げ装置120の構成を簡単にできる。
上記した実施の形態によれば、キャリアテープT1、T2をスプライシングするために蓋体22が閉じられると、閉止保持装置24によって蓋体22が閉止状態に保持されるので、運転中にスプライシング装置20内の動作部に作業者が接触することを防止でき、安全性を確保することができる。また、スプライシングが完了すると、開放作動装置(開放用スプリング)29によって蓋体22を自動的に開放することができるので、スプライシングが完了したキャリアテープT1、T2を容易にかつ迅速に取り出すことができる。
上記した実施の形態によれば、持ち上げ装置120の長さが異なる一対のフック123、124によって、スプライシングテープ30によって接続されたキャリアテープT1、T2を第2キャリアテープ側から先に持ち上げることができるので、スプライシングテープ30を接続したスプライシングテープ30を保護テープ31より安定的に剥がすことができる。
上記した実施の形態によれば、一対のフック123、124は、傾斜を設けた受部123a、124aを有するので、スプライシングテープ30が保護テープ31に対しその幅方向の一端側より徐々に剥がすことができ、スプライシングテープ30を保護テープ31よりスムーズに剥がすことができる。
上記した実施の形態においては、一対のフック123、124は、123が124より短く形成されており、蓋体22の開放に連動して第2キャリアテープT2を先に持ち上げる例について述べたが、それぞれのフックの長さを逆にして、第1キャリアテープT1を先に持ち上げるようにしてもよい。
上記した実施の形態においては、持ち上げ装置120を蓋体22に設け、蓋体22の開放に連動して第1および第2キャリアテープT1、T2を持ち上げる例について述べたが、持ち上げ装置120を、例えば、装置本体21に設け、蓋体22とは別個に作動させるようにしてもよい。
上記した実施の形態においては、スプライシングテープ30、保護テープ31および紙台紙32の3層構造体について述べたが、紙台紙32をなくして、スプライシングテープ30と保護テープ31との2層構造とすることもできる。
上記した実施の形態においては、表面および裏面が共に平面である紙テープからなる2つのキャリアテープT1、T2をスプライシングする例について述べたが、例えば、キャビティが裏面側に突出されて凹凸となったエンボステープのようなものでもスプライシング可能である。
また、第1および第2キャリアテープT1、T2をスプライシング位置LSに位置決めする位置決め装置(第1、第2テープ送り装置)50、51、スプライシングテープ30a、30bを貼付した保護テープ31を送る保護テープ送り装置36、ならびにスプライシング位置LSにおいてスプライシングテープ30a、30bを第1および第2キャリアテープT1、T2に接続する接続装置58等は、本発明の実施に好適な例示的な構成を示したものにすぎず、実施の形態で述べた構成に限定されるものではない。
斯様に、本発明は、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。