以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、部品実装機の部品供給装置に着脱可能に装着されるテープフィーダ10を示すもので、テープフィーダ10には、キャリアテープTcを巻回した供給リール12が着脱可能に取付けられている。
テープフィーダ10には、供給リール12に巻回されたキャリアテープTcを定量ずつ送り出して、部品eをテープフィーダ10の先端部に設けられた部品供給位置17に1個ずつ供給する定量送り機構18が内蔵されている。定量送り機構18は、キャリアテープTcの送り穴Hcに係合する回転可能なスプロケット19と、スプロケット19を1歯分ずつ回転させる図略のモータを備えている。
キャリアテープTcは、図2および図3に示すように、所定の幅で細長く形成され、長手方向に多数の部品収納用キャビティCtを一定のピッチ間隔で下方に突設したエンボステープによって構成されている。キャリアテープTcの各キャビティCtには、回路基板に実装される電子部品(以下、部品という)eがそれぞれ収納されている。キャビティCtの上部は開口されていて、キャリアテープTcの表面(上面)に貼り付けられたトップテープTtによって覆われている。
キャリアテープTcの幅方向の一端側には、送り穴HcがキャビティCtと同一のピッチ間隔、あるいはキャビティCtのピッチ間隔の1/N(ただし、Nは整数)倍のピッチ間隔で形成されている。送り穴HcとキャビティCtは、一定の位置関係、すなわち、キャビティCtの中心が、送り穴Hcのピッチ間の中央位置に位置するように配置されている。
スプライシング装置20は、図4に示すように、装置本体21と、装置本体21に対して上下移動可能なカバー22とを備え、図略の台車等に載置されて部品実装機の部品供給装置に装着されたテープフィーダ10間を移動可能に構成されている。スプライシング装置20は、部品供給装置に装着されたテープフィーダ10に装着されている供給リール12に巻回されたキャリアテープTcの終端部を、別個の供給リールに巻回されたキャリアテープの始端部に自動的に接続する装置である。
スプライシング装置20のカバー22は、後述するように、スプライシング時には下降(閉止)されて、閉止状態にロックされる。また、スプライシング完了信号によって、自動的に上昇(開放)され、スプライシングしたキャリアテープをスプライシング装置20より取り出せるようになっている。
スプライシング装置20によってスプライシングされる同一種類の2つのキャリアテープTcの一例を、図5に示す。なお、以下においては、同一種類の2つのキャリアテープTcを、第1キャリアテープTc1、第2キャリアテープTc2と称する。
図5に示された第1、第2キャリアテープTc1、Tc2には、同一部品種の部品e1、e2が収容されるキャビティCt1、Ct2が、所定ピッチPcで設けられている。また、第1、第2キャリアテープTc1、Tc2には、後述するキャリアテープ送り装置51のスプロケット61の歯67と噛合可能な送り穴Hc1、Hc2が、キャビティCt1、Ct2に平行に所定ピッチPhで穿孔されている。
第1、第2キャリアテープTc1,Tc2は、スプライシング装置20により所定の切断箇所Q1で切断されて突き合わされ、後述するスプライシングテープによって上面側(トップテープTt)が互いに接続され、後述する接続金具によって下面側(キャリアテープ本体側)が互いに接続される。
第1、第2キャリアテープTc1、Tc2を切断する切断箇所Q1としては、例えば、部品e1、e2が収納されたキャビティCt1、Ct2と、部品e1、e2が無い空のキャビティCt1、Ct2との中間位置が選択される。切断後の空のキャビティCt1、Ct2が連なる第1、第2キャリアテープTc1、Tc2の端部が、不要部分として廃棄される。
なお、各キャリアテープTc1、Tc2の端部には、通常、部品が収納されていない空のキャビティCt1、Ct2を含む部分が数十mm程度設けられている。このため、各キャリアテープTc1、Tc2を、スプライシング装置20に挿入するに先立って、空のキャビティCt1、Ct2を、例えば、2つずつ残して、各キャリアテープTc1、Tc2の端部を作業者によって切断する。この場合、切断面は、2つのキャリアテープTc1、Tc2の突き合わせ面となるものではないので、特に正確性は要求されない。
本実施の形態においては、キャリアテープTcは、幅寸法が異なる複数種類(実施の形態においては、A〜Dの4種類)のエンボステープからなっている。キャリアテープ(エンボステープ)Tcの種類(TcA、TcB、TcC、TcD)に応じて、それぞれキャビティCtのピッチおよび大きさが異なるとともに、キャビティCtをテーピングするトップテープTtの幅寸法も異なっている。
そのために、本実施の形態においては、後述するように、2つのキャリアテープTcの各トップテープTtを接続するスプライシングテープとして、幅寸法が同一の細長いスプライシングテープを複数用いる。すなわち、従来のように、トップテープTtの幅寸法に応じた専用のスプライシングテープを複数種類使用するのではなく、幅寸法が同一の1枚もしくは複数枚のスプライシングテープによって、幅寸法の異なるトップテープTtが接続される。
図6は、本実施の形態に係るスプライシング装置20で接続可能な4種類のキャリアテープTcA〜TcDを例示している。これら4種類のキャリアテープTcA〜TcDは、送り穴Hc(Hc1、Hc2)が同一のピッチPhで穿孔されているが、キャビティCt(Ct1、Ct2)のピッチはそれぞれ異なっている。
すなわち、1種類目のキャリアテープTcAは送り穴Hcと同一のピッチPcA(=Ph)にキャビティCtが配設されたキャリアテープであり、キャビティCt間の中央位置は、送り穴Hcの中心に一致している。そして、キャリアテープTcAの幅寸法は、「TcS1」、キャビティCtをテーピングするトップテープTtの幅寸法は、「TtS1」となっている(図6(A)参照)。
2種類目のキャリアテープTcBは、送り穴Hcのピッチの2倍のピッチPcBでキャビティCtが配設されたキャリアテープであり、キャビティCt間の中央位置は、送り穴Hc間の中央位置に一致している。そして、キャリアテープTcBの幅寸法は、「TcS2」、キャビティCtをテーピングするトップテープTtの幅寸法は、「TtS1」よりも大きな「TtS2」となっている(図6(B)参照)。
3種類目のキャリアテープTcCは、送り穴Hcのピッチの3倍のピッチPcCでキャビティCtが配設されたキャリアテープであり、キャビティCt間の中央位置は、送り穴Hcの中心に一致している。そして、キャリアテープTcCの幅寸法は、「TcS3」、キャビティCtをテーピングするトップテープTtの幅寸法は、「TtS2」よりも大きな「TtS3」となっている(図6(C)参照)。
4種類目のキャリアテープTcDは、送り穴Hcのピッチの4倍のピッチPcDでキャビティCtが配設されたキャリアテープであり、キャビティCt間の中央位置は、送り穴Hc間の中央位置に一致している。そして、キャリアテープTcDの幅寸法は、「TcS4」、キャビティCtをテーピングするトップテープTtの幅寸法は、「TtS3」よりも大きな「TtS4」となっている(図6(D)参照)。(キャリアテープ送り装置について)
スプライシング装置20は、図7に示すように、スプライシング装置20の両側から挿入されたキャリアテープTc(Tc1、Tc2)を、スプライシング位置LSに向けてそれぞれ送るキャリアテープ送り装置51を備えている。
また、スプライシング装置20は、キャリアテープ送り装置51によって送られるキャリアテープTcのキャビティCtを検出するキャビティ検知装置53と、キャリアテープTcの先端の不要部分を切断する切断装置55と、不要部分を取込む取込装置57とを備えている。
なお、図7には、第1キャリアテープTc1のためのキャリアテープ送り装置51、キャビティ検知装置53、切断装置55および取込装置57を表示した。第2キャリアテープTc2のためのキャリアテープ送り装置、キャビティ検知装置、切断装置および取込装置も、図示を省略したが、スプライシング位置LSを挟んで対照的に設けられており、同じ構成であるため、説明を省略する。
また、スプライシング装置20は、キャリアテープ送り装置51、切断装置55、取込装置57、後述する接合装置等を制御する制御装置59を備えている。
すなわち、図7に示すように、キャリアテープ送り装置51とスプライシング位置LSとの間の切断位置Lc1に、切断装置55が配置されている。さらに、切断位置Lc1とスプライシング位置LSとの間に、取込装置57が配置されている。また、キャビティ検知装置53は、キャリアテープ送り装置51の搬送路60の検知位置Ld1の上方に配置されている。
キャリアテープ送り装置51は、装置本体21の側面から中央に向かって水平方向に延在するように設けられた搬送路60と、搬送路60の下方に配置されたスプロケット61と、スプロケット61に連接されたステッピングモータ62と、スプロケット61の近傍に配置されたスプロケット歯検知装置63と、搬送路60の上方に配置されたキャリアテープ検知装置64等とを備えて構成される。
キャリアテープ送り装置51は、キャリアテープTc1(Tc2)を搬送路60に沿って搬送し、キャリアテープTc1(Tc2)の切断箇所Q1を切断位置Lc1およびスプライシング位置LSに順次位置決め可能に構成されている。
搬送路60は、幅寸法の異なる複数種類のキャリアテープTc1(Tc2)を搬送できるように、後述するように搬送幅が可変となっており、装置本体21の両側に設けられたテープ挿入口84から、切断装置55のカッター68によるキャリアテープTc1(Tc2)の切断位置Lc1まで延びる溝状に形成されている。
スプロケット61には、キャリアテープTc1(Tc2)に穿孔されている送り穴Hc1(Hc2)のピッチPhと同一ピッチの複数の歯67が円周方向に形成されている。スプロケット61は、回転している歯67のうち最上部に回転してきた歯67と、搬送路60に沿って挿入されてくるキャリアテープTc1(Tc2)の送り穴Hc1(Hc2)とが噛合可能なように、搬送路60の下方に配置されている。
ステッピングモータ62は、連接されているスプロケット61によって搬送されるキャリアテープTc1(Tc2)の切断箇所Q1の位置制御が可能なモータである。スプロケット歯検知装置63は、例えば、フォトセンサであり、スプロケット61の歯67の1つが垂直上向きとなったこと、すなわちスプロケット61が原位置になったことを、スプロケット61の側面に付されたマーク等を読み取ることにより検知するセンサである。
キャリアテープ検知装置64は、例えば、タッチセンサであり、装置本体21の両側に設けられたテープ挿入口84からキャリアテープTc1(Tc2)が挿入されたことを、キャリアテープTc1(Tc2)との接触により検知するセンサである。なお、タッチセンサの代わりにフォトセンサとしてもよい。
キャビティ検知装置53は、例えば、フォトセンサであり、図10に示すように、搬送路60を搬送されるキャリアテープTc1(Tc2)を挟んでキャビティ検知位置DP1に配置された投光器87と受光器88とによって構成されている。キャビティ検知装置53は、キャビティCt1(Ct2)に対応する位置では、投光器87からの光がキャビティCt1(Ct2)により遮られ、受光器88の信号がOFFとなる。しかるに、キャビティCt1(Ct2)に対応しない位置、すなわち、キャビティCt1(Ct2)間においては、投光器87の光が遮られることがないので、受光器88の信号はONとなる。
キャリアテープTc1(Tc2)は、キャリアテープ送り装置51によって、ステッピングモータ62により、送り穴Hcのピッチの1/4の定量ずつ間歇的に送られ、定量送られる毎にキャビティ検知装置53のON、OFF状態が取り込まれる。
キャリアテープTc1(Tc2)は、上記したように2つの空キャビティを残して予めカットされているため、キャリアテープ送り装置51によるキャリアテープTc1(Tc2)の送りによって、キャビティ検知装置53の信号は、最初の空キャビティによってONとなり、その後、OFF→ON→OFF→ONと変化する。
従って、2回のON信号によって、2つの空キャビティがキャビティ検知位置DP1を通過したことが検出され、その後のOFF信号の中心位置が、最初に部品eが収納されたキャビティと空キャビティとの間の送り穴Hc間の中心位置となる。例えば、2つの空キャビティがキャビティ検知位置DP1を通過した後、キャリアテープTc1(Tc2)の定量送りにより、OFF信号が3つ連続してON信号に変化した場合には、3つのOFF信号の真ん中の位置が、送り穴Hcの中心位置となる。
従って、3つのOFF信号の真ん中の位置から、キャリアテープTc1(Tc2)をキャリアテープ送り装置51によって所定量連続送りすることにより、最初に部品e1(e2)が収納されたキャビティCtの直前の送り穴Hcの中心位置、あるいは、送り穴Hc間の中央位置を、切断位置Lc1に位置決めできることになる。
図7に示すように、切断装置55は、切断位置Lc1に設けられたカッター68と、カッター68に摺接可能なカム69と、カム69に連接されたギヤモータ70と、カッター68に一端が取着され、装置本体21に他端が取着されたカッターバネ71と、カッター68に隣接して設けられた押圧部材72と、カッター68に一端が取着され、押圧部材72に他端が取着された押圧バネ73と、カッター68の近傍に配置されたカッター検知装置74等とを備えて構成される。
切断装置55のカッター68は、キャリアテープTc1(Tc2)の幅より広い幅を有する片刃のカッターである。カッター68は、切断位置Lc1に位置決めされたキャリアテープTc1(Tc2)の切断箇所Q1を切断するために、上下方向に移動可能に装架されている。
カム69は、ギヤモータ70に連接されて回転可能に配置され、カッター68に摺接してカッター68を上下方向に移動させる確動カムである。カッターバネ71は、引張バネであり、カッター68を上方に付勢し、切断完了後のカッター68を待機位置に戻すためのバネである。
押圧部材72は、キャリアテープTc1(Tc2)の幅より若干広い幅を有する板状部材である。押圧部材72は、切断位置Lc1に位置決めされたキャリアテープTc1(Tc2)の切断箇所Q1の近傍を押圧して固定するために、上下方向に移動可能に設けられている。
押圧バネ73は、圧縮バネであり、カッター68の下降に伴い、押圧部材72を下方に付勢し、キャリアテープTc1(Tc2)の切断箇所Q1の近傍を押圧するバネである。
カッター検知装置74は、例えば、フォトセンサであり、カッター68が切断待機位置に位置していることを検知するセンサである。なお、フォトセンサの代わりにタッチセンサとしてもよい。
図7に示すように、取込装置57は、可動部材77および固定部材78からなる取込部材75と、可動部材77を駆動する取込部材駆動装置76等とを備えて構成される。取込装置57は、キャリアテープTc1(Tc2)の切断された不要部分Tf(図8参照)をそれぞれ取り込み可能に構成されている。
可動部材77は、固定部材78に回転可能に支承されている。可動部材77には、搬送路60の一部をなす可動搬送路79と、搬送路60上を搬送されるキャリアテープTc1(Tc2)の不要部分を取り込むための開口80とが形成されている。さらに、可動部材77には、取り込んだ不要部分を、搬送路60より下方の廃却箇所に案内するダクト82が設けられている。
取込部材駆動装置76は、例えば、ソレノイドであり、可動部材77を、搬送路60と整列する位置と、開口80を搬送路60に整列する位置と間で移動可能なように、可動部材77に接続されている。
キャリアテープTc1(Tc2)は、切断装置55によってカットされ、切断位置Lc1から所定量D3搬送されることにより、スプライシング位置LSに位置決めされ、スプライシング位置LSにおいて切断箇所Q1が突き合わされる。
搬送路60は、幅寸法の異なる複数種類のキャリアテープTcを搬送できるように、搬送するキャリアテープTcの幅に応じて搬送幅が決定される。搬送路60は、図12に示すように、基準案内レール301と、可動案内レール302を備え、可動案内レール302は、装置本体21上に、キャリアテープTcの幅方向に移動可能かつ上下方向に移動可能に設けられている。
可動案内レール302は、後述するスプリング309のばね力によって、搬送路60の幅が縮小される方向に常時付勢され、搬送路60を搬送されるキャリアテープTc1(Tc2)の送り穴Hc側の一側面を基準案内レール301に押付けるようになっている。可動案内レール302には、キャリアテープTcの搬送方向に離間した2つの平行リンク機構303、304の各一端部が連結されている。
カバー22には、図11〜図13に示すように、固定ブロック305が固定され、この固定ブロック305に昇降体307がガイドバー308によって上下方向に移動可能に案内されている。昇降体307と固定ブロック305との間には、スプリング309が介挿され、このスプリング309のばね力によって昇降体307が常時下方に付勢されている。そして、通常昇降体307は、ガイドバー308の下端に設けたストッパ308a(図13参照)に当接する下降端に保持されている。昇降体307には、昇降プレート310が、可動案内レール302と平行に固着され、昇降プレート310の両端部に、2つの平行リンク機構303、304の各他端部が連結されている。
スプライシング装置20のテープ挿入口84には、開閉レバー313が、固定部材314(図11参照)に水平に支持されたピボット315を支点にして開閉(回動)可能に枢支されている。なお、図11は、開閉レバー313の閉止状態を、図12は、開閉レバー313の開放状態を示している。
開閉レバー313の先端部には、連結部材317の一端が連結ピン318を介して連結されている。連結部材317の他端には、斜め上方に延在する連結長穴319が形成され、この連結長穴319は、昇降体307に支持されたフォロアローラ320に係合されている。
昇降プレート310には、ドッグ取付けプレート321(図13参照)が固着され、ドッグ取付けプレート321は、上方に向けて延在されている。ドッグ取付けプレート321には、ドッグ323が取付けられている。ドッグ323は、図14にも示すように、3つのドッグ323a、323b、323cからなり、これらドッグ323a、323b、323cが、搬送路60に沿って配設されている。3つのドッグ323a、323b、323cは、それぞれ高さが異なる位置に配設されている。ドッグ323a、323b、323cによって動作される3つのセンサ325a、325b、325cからなるセンサ325が、搬送路60に沿って固定部材314に固定されている。これらドッグ323およびセンサ325によって、キャリアテープTc1(Tc2)の種類を判別する判別装置を構成している。
キャリアテープTc1(Tc2)をテープ挿入口84より搬送路60の溝60a内に挿入する場合は、作業者によって開閉レバー313をスプリング309の付勢力に抗して開放する。開閉レバー313が開放されると、これがセンサ327(図12参照)によって検出される。すなわち、開閉レバー313が、ピボット315を中心にして図12の時計回りに回動(開放)されると、これに枢支された連結部材317の連結ピン318の位置が上昇される。これにより、連結部材317の連結長穴319に係合するフォロアローラ320を支持した昇降体307が、スプリング309の付勢力に抗して、ガイドバー308に沿って上昇される。昇降体307の上昇により、平行リンク機構303、304を介して可動案内レール302が基準案内レール301に対して離間する水平方向に移動され、搬送路60の搬送幅が拡大される。
テープ挿入口84よりキャリアテープTc1(Tc2)を搬送路60の溝60a内に挿入した後、開閉レバー313を離すと、開閉レバー313はスプリング309の付勢力により、ピボット315を中心にして図12の反時計回りに回動(閉止)される。
開閉レバー313が閉止されると、これに枢支された連結部材317の連結ピン318の位置が下降する。これにより、連結部材317の連結長穴319に係合するフォロアローラ320を支持した昇降体307が、スプリング309の付勢力によって下降されるとともに、昇降体307の下降により、平行リンク機構303、304を介して可動案内レール302が前記と反対に基準案内レール301に接近する方向に移動され、搬送幅が縮小される。
これにより、搬送路60の溝60a内に挿入されたキャリアテープTc1(Tc2)の一側面が、可動案内レール302により押圧され、キャリアテープTc1(Tc2)の他側面(送り穴Hc側の側面)が基準案内レール301に押付けられる。その際、可動案内レール302は、キャリアテープTc1(Tc2)に当接して停止され、それに応じて昇降プレート310の高さ位置も決定される。このため、ドッグ取付けプレート321の高さ位置に応じて、図14に示すように、3つのドッグ323a、323b、323cによって、3つのセンサ325a、325b、325cがON、OFF動作される。従って、3つのセンサ325a、325b、325cのON、OFF状態に基づいて、テープ挿入口84に挿入されたキャリアテープTc1(Tc2)の種類(キャリアテープTcの幅寸法)を判別できる。
すなわち、3つのセンサ325a、325b、325cのON、OFF状態が、「ON−OFF−OFF」の場合には、キャリアテープTc1(Tc2)がA種類であることが判別される。同様に、3つのセンサ325a、325b、325cのON、OFF状態が、「OFF−ON−OFF」の場合には、キャリアテープTc1(Tc2)がB種類、「ON−OFF−ON」の場合には、キャリアテープTc1(Tc2)がC種類、「ON−ON−OFF」の場合には、キャリアテープTc1(Tc2)がD種類であることが判別される。
なお、可動案内レール302は、キャリアテープTc1(Tc2)の種類に応じた幅方向位置で停止されるが、連結部材317は、連結長穴319に対してフォロアローラ320が相対的に変位することにより、開閉レバー313は、原位置まで回動復帰することができる。
ドッグ323およびセンサ325にて構成される判別装置は、第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の種類を判別できるように、スプライシング装置20の両側にそれぞれ設けられている。そして、2組の判別装置より、異なる判別結果が得られた場合には、テープ挿入口84より挿入された2つのキャリアテープTc1、Tc2が同一種類のものでないことを検出できる。これにより、スプライシングベリファイを怠った場合でも、挿入ミスを認識できる。
スプライシング装置20には、カバー22を開放方向に常時付勢する開放用スプリング330と、スプライシング動作中はカバー22を閉止状態にロックする閉止保持装置331(図15参照)が設けられている。閉止保持装置331は、装置本体21に取付けられたソレノイド336と、カバー22の閉止状態を確認するセンサ337とを備えている。ソレノイド336のプランジャ335は、カバー22の下端に連結した連結部材333に形成した係合穴334a(図13参照)に係合可能である。係合穴334aは、連結部材333より突設した係合片334に形成されている。また、センサ337は、カバー22の閉止時に、カバー22の連結部材333より突設したドッグ338によってONされる。
ソレノイド336は、通常消磁されており、これにより、プランジャ335がスプリング339の付勢力によって前進され、連結部材333の係合穴334aに係合される。また、ソレノイド336は、スプライシング完了信号によって励磁され、これにより、スプリング339の付勢力に抗してプランジャ335が後退され、連結部材333の係合穴334aより離脱される。その結果、カバー22は、開放用スプリング330の付勢力によって上昇される。
カバー22の上昇により、ガイドバー308のストッパ308aを介して、昇降体307が上昇され、平行リンク機構303、304を介して可動案内レール302とともに搬送路60が持ち上げられる。これにより、スプライシングを完了したキャリアテープTcが、搬送路60の溝60a内より引き出せるようになり、スプライシング装置20より取り出し可能となる。
なお、スプライシング完了信号に基づいて上昇されたカバー22が、作業者によって閉止されると、ドッグ338によってセンサ337がONされ、カバー22の閉止が確認される。そして、センサ337のONによって、ソレノイド336が消磁され、プランジャ335がスプリング339の付勢力によって、連結部材333の係合穴334に係合される。このように、閉止保持装置331によって、カバー22が閉止状態にロックされる。(スプライシングテープ送り装置について)
次に、スプライシングテープ101(図16参照)を、キャリアテープTc1、Tc2の長手方向と平行な方向に送って、スプライシング位置LSに順次位置決めするスプライシングテープ送り装置120の構成を、図17〜図19に基づいて説明する。スプライシングテープ送り装置120は、スプライシング位置LSに位置決めされた第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の突き合わせ部の上方位置に配設されている。
なお、以下においては、図18に示すように、キャリアテープの長手方向と平行な水平方向をX方向、X方向に直交する水平方向(キャリアテープの幅方向)をY方向、X方向およびY方向にそれぞれ直交する上下方向をZ方向として説明する。
スプライシングテープ101は、幅寸法が最も小さなA種類のキャリアテープTcをテーピングするトップテープTtの幅寸法よりも小さな幅寸法で、かつ長手方向に一定の長さを有している(図16参照)。そして、スプライシングテープ101の長手方向が、紙台紙としての帯状のアプリケーションテープ103の長手方向に平行に配置されて、アプリケーションテープ103上に一定の間隔を有して多数貼付されている。アプリケーションテープ103に貼付されたスプライシングテープ101の反対の面は、2つのキャリアテープTc1、Tc2に跨って接着される粘着面をなし、この粘着面は、アプリケーションテープ103に貼付された帯状の保護フィルム104によって覆われている。
これらアプリケーションテープ103、スプライシングテープ101および保護フィルム104の3層構造体102が、スプライシング位置LSの上方に配置された保持リール105(図17参照)にロール状に巻回されている。
スプライシングテープ送り装置120は、スプライシング装置20の装置本体21に固定された支持部材106(図18、図19参照)を有している。支持部材106には、Y方向に沿ってリニアガイド107が設けられ、このリニアガイド107にスライドテーブル108がY方向にスライド可能に支持されている。
スライドテーブル108には、鉛直方向に延在する支持プレート109が固定され、この支持プレート109の一方の垂直面に、昇降体110が、支持プレート109に一体的に取付けられたガイドバー111に沿って、Z方向に移動可能に支持されている。ガイドバー111には、昇降体110を常時下方に向かって付勢するスプリング112が設けられている。支持プレート109の一方の垂直面に、保持リール105が支持軸117によって回転可能に支持されている。なお、図18は、支持プレート109を仮想線で示し、支持プレート109の両面に取付けられた構成部材を同時に図示した状態を示している。
昇降体110の下端には、スプライシングテープ101をキャリアテープに押付けるための押付け面を形成したテープ押付けヘッド113が取付けられている。昇降体110には、テープ押付けヘッド113の前後両側に対応して、ガイドレール115、116が取付けられている。ガイドレール115、116には、図示してないが、アプリケーションテープ103をガイドするガイド溝がそれぞれ形成されている。
保持リール105より繰り出された3層構造体102は、一方のガイドレール115に向かって引き出され、その途中の折り返し部130で、保護フィルム104がスプライシングテープ101より剥離されて折り返される。折り返された保護フィルム104は、支持プレート109の一方の垂直面に配設された回収用ローラ装置131によって、回収ボックス132に回収される。回収ボックス132は、支持プレート109に保持されている。
回収用ローラ装置131は、支持プレート109に回転可能に支持された駆動ローラ135および従動ローラ136からなり、従動ローラ136は、リンク部材137に、駆動ローラ135に対して接近離間可能に支持されている。そして、通常はスプリング138の付勢力によって、従動ローラ136の外周が駆動ローラ135の外周に押圧されている。これにより、駆動ローラ135に対して従動ローラ136を離間させた状態で、保護フィルム104を両ローラ135、136の間に挟み込んで、駆動ローラ135を後述するモータによって駆動することにより、アプリケーションテープ103より剥離された保護フィルム104が、両ローラ135、136の回転によって送り出され、回収ボックス132に回収される。
一方、昇降体110を挟んで回収用ローラ装置131と反対側には、送り用ローラ装置141が、支持プレート109の一方の垂直面に配設されている。送り用ローラ装置141は、回収用ローラ装置131と同様に、支持プレート109に回転可能に支持された駆動ローラ145および従動ローラ146からなり、従動ローラ146は、リンク部材147に、駆動ローラ145に対して接近離間可能に支持されている。そして、通常はスプリング148の付勢力によって、従動ローラ146の外周が駆動ローラ145の外周に押圧されている。
従って、駆動ローラ145に対して従動ローラ146を離間させた状態で、アプリケーションテープ103を両ローラ145、146の間に挟み込んで、駆動ローラ145を後述するモータによって駆動することにより、ガイドレール115、116にガイドされたアプリケーションテープ103が引っ張られる。これにより、3層構造体102が保持リール105より引き出され、アプリケーションテープ103に貼付されたスプライシングテープ101が、テープ押付けヘッド113に対応するスプライシング位置LSに順次位置決めされる。送り用ローラ装置141によって送り出されたアプリケーションテープ103は、支持プレート109に保持された回収ボックス149に回収される。
回収用および送り用ローラ装置131、141の各駆動ローラ135、145の各軸は支持プレート109を貫通し、各先端部には、支持プレート109の他方の垂直面側に回転可能に支持された傘歯車161、162にそれぞれ連結されている。これら傘歯車161、162は、X方向に延在する同期軸163の両端に固定された傘歯車165、166にそれぞれ噛合されている。
送り用ローラ装置141に連結された傘歯車162には、減速歯車機構167を介してテープ送り用モータ168が連結されている。これにより、テープ送り用モータ168が駆動されると、減速歯車機構167および同期軸163を介して、回収用および送り用ローラ装置131、141の各駆動ローラ135、145が同期回転される。
送り用ローラ装置141の駆動ローラ145の回転により、スプライシングテープ101を貼付したアプリケーションテープ103が送られ、保持リール105に巻回されたスプライシングテープ101を含む3層構造体102が、保持リール105より引き出される。保持リール105より引き出された3層構造体102の保護フィルム104は、折り返し部130で折り返されてアプリケーションテープ103より剥離され、回収用ローラ装置131の駆動ローラ135の回転によって、回収ボックス132に回収される。これにより、保護フィルム104が剥離されたアプリケーションテープ103上のスプライシングテープ101が、接着面を下向きにしてテープ押付けヘッド113に対応するスプライシング位置LSに送り込まれる。
スライドテーブル108には、回転ドラム150を取付けた駆動軸151が、Y方向に平行な軸線の回りに回転可能に支持されている。回転ドラム150の外周には、リード溝152が、N周(実施の形態においては、3周)に亘って形成され、このリード溝152に水平方向に延びる係合突起153(図19参照)が係合されている。係合突起153は、支持プレート109に固定された支持台154に支持されている。
これにより、回転ドラム150が回転されると、リード溝152の形状によって、スライドテーブル108が回転ドラム150の回転に応じてY方向に移動される。ここで、リード溝152の溝形状は、回転ドラム150の1回転毎において、前半の半回転では、スライドテーブル108を停止状態に保持するように設定され、後半の半回転で、スライドテーブル108をY方向に単位量移動させるように設定されている。
また、駆動軸151上には、昇降体110を昇降するための昇降用カム155が設けられている。昇降用カム155の外周には、昇降体110に支持されたフォロアローラ156が、スプリング112の付勢力によって当接されている。
駆動軸151の一端には、歯車157が取付けられ、この歯車157に歯車158が噛合されている。歯車158は、スライドテーブル108に固定されたモータ取付けブラケット159に取付けられた移動用モータ160の回転軸に固定されている。これにより、移動用モータ160が回転されると、歯車157、158を介して、回転ドラム150と昇降用カム155が一体的に回転される。
この際、昇降体110は、昇降用カム155の1回転毎に1回昇降され、テープ押付けヘッド113が昇降される。すなわち、前半の半回転で昇降体110が下降端まで移動され、後半の半回転で昇降体110が上昇端まで移動されるように設定されている。
なお、スライドテーブル108上には、駆動軸151の原位置を検出する原位置検出センサ181が取付けられている。また、スライドテーブル108の原位置を検出する原位置検出センサ182が固定部に取付けられている。
回転ドラム150が回転されると、回転ドラム150のリード溝152と係合突起153との係合により、回転ドラム150とともにスライドテーブル108が、リニアガイド107に沿ってY方向に移動される。スライドテーブル108のY方向移動により、テープ押付けヘッド113およびガイドレール115、116にガイドされたアプリケーションテープ103上のスプライシングテープ101も、Y方向に一体的に移動される。
スライドテーブル108は、回転ドラム150の1回転毎に一定量ずつ移動されるため、キャリアテープTc1、Tc2に対するスプライシングテープ101の貼り付け位置をY方向に変化させることができる。なお、回転ドラム150の1回転で移動されるY方向の移動量は、スプライシングテープ101の幅寸法相当に設定されている。
これにより、原位置検出センサ181で検出される回転ドラム150の原位置においては、ガイドレール115、116にガイドされたアプリケーションテープ103に貼付されたスプライシングテープ101は、Y方向の原位置にある。従って、この原位置でスプライシングテープ101をテープ押付けヘッド113によってキャリアテープTc1、Tc2上に押付けると、図20に示すように、1枚目のスプライシングテープ101が、送り穴Hc側のトップテープTtの端部付近の一定位置に貼り付けられるようになり、2つのキャリアテープTc1、Tc2を接続することができる。
ここで、最も小さな幅寸法のトップテープTtを貼付したA種類のキャリアテープTcに対しては、1枚のスプライシングテープ101によって接続される。これに対して、B、CあるいはD種類のキャリアテープTcに対しては、回転ドラム150をさらに、1回転、2回転あるいは3回転して、スプライシングテープ101の貼り付け位置を変化させることにより、キャリアテープTcの幅方向に並列な2枚、3枚あるいは4枚のスプライシングテープ101によって、キャリアテープTcが接続される。
幅寸法の異なる複数種類のキャリアテープ(トップテープTt)に応じて、1枚もしくは複数枚のスプライシングテープ101によって、2つのキャリアテープTc1、Tc2の各トップテープTtが接続される。この場合、複数枚のスプライシングテープ101は、キャリアテープTcの幅方向に重なって貼り付けられても、反対にキャリアテープTcの幅方向に離れて貼り付けられても特に支障はない。
従って、幅寸法の異なるキャリアテープTc(トップテープTt)に対しても、幅寸法が同じの共通のスプライシングテープ101を用いて接続することが可能となる。従って、キャリアテープの種類に応じた複数種類のスプライシングテープ101を用意する必要がなく、また、キャリアテープの変更に応じて、スプライシングテープ101を交換する必要もない。しかも、広幅のキャリアテープTc(トップテープTt)を、複数枚のスプライシングテープ101で接続することにより、接続強度に不足を生ずることがない。
なお、キャリアテープの種類に拘らず、1枚目のスプライシングテープ101は、図20に示すように、キャリアテープTc1、Tc2の送り穴Hc1、Hc2に対して一定の位置に貼り付けられる。すなわち、1枚目のスプライシングテープ101の貼り付け位置は、送り穴Hcに接近した定位置(キャリアテープの送り穴側の一端より一定のdS量だけ離間した位置)に貼り付けられるように設定されている。
スプライシングテープ101は、上記した構成のスプライシングテープ送り装置120により、保護フィルム104が剥離された状態で、接着面を下側にして、スプライシング位置LSに位置決めされた2つのキャリアテープTc1、Tc2上に送り込まれる。
ここで、スプライシングテープ101の粘着面の粘着力は、アプリケーションテープ103に対する接着力よりも弱く、スプライシングテープ101より保護フィルム104を剥がしても、スプライシングテープ101がアプリケーションテープ103より剥がれることがないようにしている。
しかしながら、スプライシングテープ101の接着面を、キャリアテープTc1、Tc2に所定の押付け力で接着した場合には、その粘着力は、アプリケーションテープ103に対する接着力よりも強くなり、スプライシングテープ101よりアプリケーションテープ103が容易に剥がれるようにしている。
スライドテーブル108には、アプリケーションテープ103上のスプライシングテープ101を検知するテープ検知センサ170(図17参照)が、折り返し部130と一方のガイドローラ126との間に配設されている。テープ検知センサ170は、スプライシング位置LSに送り込まれるアプリケーションテープ103上のスプライシングテープ101を検知する。
テープ検知センサ170によって、アプリケーションテープ103上のスプライシングテープ101の有無が検出される。テープ検知センサ170によって、スプライシングテープ無しが検出されると、スプライシングテープ補填信号が発せられる。
テープ検知センサ170によって、アプリケーションテープ103上のスプライシングテープ101を検知した位置から、テープ送り用モータ168を一定量回転させることにより、次のスプライシングテープ101を、スプライシング位置LSに位置決めすることができる。スプライシング位置LSに位置決めされたスプライシングテープ101は、後述するように、昇降体110の下降により、テープ押付けヘッド113によって2つのキャリアテープTc1、Tc2上に押付けられ、2つのキャリアテープTc1、Tc2のトップテープTt1、Tt2に跨って接合される。
なお、キャリアテープの種類に応じて、キャリアテープの幅方向に最大N枚のスプライシングテープ101が貼付されるので、図示省略したが、テープ検知センサ170は、アプリケーションテープ103の送り方向に所定の間隔を有して、もう1つ配設されている。これによって、キャリアテープにN枚のスプライシングテープ101を貼付する場合には、予めN枚のスプライシングテープ101が残っていることを条件に、スプライシングが開始されるように制御装置59によって制御される。
なお、キャリアテープにスプライシングテープ101を貼り付けた後、スライドテーブル108は原位置に復帰される。この場合、係合突起153を回転ドラム150のリード溝152に係合した状態で、駆動軸151を、移動用モータ160によって回転した回転数だけ逆方向に回転させることにより、スライドテーブル108を原位置に復帰させることができる。しかしながら、実施の形態においては、スライドテーブル108の原位置復帰時には、図18および図19に示すソレノイド180により、係合突起153を回転ドラム150のリード溝152より離脱させることにより、図略のスプリングのばね力によって、スライドテーブル108を迅速に原位置に復帰できるようにしている。(接続金具送り装置について)
次に、2つのキャリアテープの下面(テープ本体)側を接続する接続金具201を、スプライシング位置LSに順次位置決めする接続金具送り装置230の構成を、図21〜図24に基づいて説明する。
接続金具201は、図25に示すように、キャリアテープの送り穴Hcに一致する複数の位置決め穴203を形成した細長い扁平な金具片で構成されている。実施の形態においては、一例として、位置決め穴203を、キャリアテープの送り穴Hcと同じピッチ間隔に5つ形成した接続金具201で示している。
接続金具201には、位置決め穴203の各間に切り欠きが形成され、接続金具201の長手方向の両端部と切り欠き部の一部には、図26に示すように、爪部204が上方向に向かって突設されている。爪部204は、接続金具201によってキャリアテープTc1、Tc2の下面を接続する際に、キャリアテープに食い込んでかしめられる。
このような構成の接続金具201が、互いにX方向に平行な姿勢で、かつY方向に切離し可能に複数連結され、接続金具連結体202を構成している。すなわち、複数の接続金具201は、切断可能な微細な連結部202aによって互いに接近した状態で連結され、一連の接続金具連結体(接続金具201の集合体)202を構成している。
接続金具連結体202の後端には、同じ金属からなる扁平な金属プレート206が、切断可能な連結部202bによって連結されている。金属プレート206には、接続金具201の位置決め穴203と同様な係合穴207a、207bが多数形成されている。金属プレート206は、接続金具連結体202の接続金具201が最後の1つになった場合でも、接続金具201をスプライシング位置LSに位置決めできるようにするものである。
なお、接続金具連結体202は、ステンレス鋼(SUS)、銅、アルミニウム等からなり、接続金具連結体202を構成する接続金具201、金属プレート206および連結部202a、202bを、ダイキャスト等によって一体成形することができる。
装置本体21には、図21に示すように、接続金具連結体202をY方向に送り可能に支持する金具支持ユニット210が配設されている。金具支持ユニット210は、接続金具連結体202を支持する支持面211aを有するスライドベース211を備え、スライドベース211は、Y方向に、ガイドバー212によって水平方向にスライド可能に案内されている。スライドベース211と固定台213との間には、スプリング214が介挿され、このスプリング214の付勢力によってスライドベース211は、スプライシング位置LSに向かって常時付勢され、通常は、所定の前進端位置に保持されている。
スライドベース211上には、スライドベース211に支持された接続金具連結体202を位置決めするストッパ面215a、216aを有する一対のアーム215、216(図23参照)が、ピボット217を支点にして水平面内で回動可能に支持されている。一対のアーム215,216は、スプリング219、220のばね力により、通常、ストッパ面215a、216aにて接続金具連結体202を所定位置に位置決めできる角度位置に保持されている。
接続金具連結体202をスライドベース211上にセットする場合には、作業者によってスライドベース211が、スプリング214の付勢力に抗して後退端位置(図23の実線で示す位置)に後退され、スライドベース211がスプライシング装置20の外部に引き出される。
そして、スライドベース211の後退端位置おいて、先頭の接続金具201が一対のアーム215、216のストッパ面215a、216aに当接する位置に、接続金具連結体202がスライドベース211上にセットされる。その状態で、スライドベース211を離すと、スライドベース211がスプリング214の付勢力によって前進端位置(図23の2点鎖線で示す位置)まで前進される。
スライドベース211が前進端位置まで前進されると、一対のアーム215,216の先端が、固定台213上に突設されたカム223(図22参照)に当接し、アーム215,216がスプリング219、220のばね力に抗して回動される。これにより、アーム215、216が開かれ、接続金具連結体202がスプライシング位置LSに向かって前進可能となる。
アーム215,216の開放は、アーム開放確認センサ224によって検出される。すなわち、アーム215,216が回動されると、これに連動してドッグ225(図28参照)が回動され、このドッグ225によってアーム開放確認センサ224が動作される。
スライドベース211上には、図24に示すように、スプリング239によって付勢された一対の係合ボール238が出没可能に突設され、これら係合ボール238が、接続金具201の位置決め穴203あるいは金属プレート206の係合穴207aに係合されることにより、接続金具連結体202は、通常スライドベース211に対して一定の位置関係に保持される。
接続金具連結体202の下方には、接続金具連結体202を1ピッチずつ送り可能な接続金具送り装置230が設けられている。接続金具送り装置230は、接続金具201の位置決め穴203の内、内側の2つの位置決め穴203に係合可能な2つの駆動ピン231を備えている。駆動ピン231は、後述する金具駆動モータ240によって、上昇→前進→下降→後退のボックス運動(リフトアンドキャリー運動)が与えられることにより、接続金具201の位置決め穴203、あるいは金属プレート206の係合穴207bに、駆動ピン231が順次係合され、接続金具連結体202が接続金具201のピッチ分だけ、順次前進される。
駆動ピン231は、金具送り用カム233によって作動されるYスライダ235およびZスライダ236によって、進退および昇降される。すなわち、固定台213には、キャリアテープTcの送り方向(X方向)と平行な軸線の回りに、金具送り用カム233を取付けた回転軸237が回転可能に支持されている。回転軸237は、歯車機構245を介して金具駆動モータ240(図21参照)に連結されている。金具駆動モータ240は、固定台213に設置されたモータ取付けブラケット247に取付けられている。
固定台213には、Yスライダ235が、接続金具連結体202の送り方向に平行なY方向にスライド可能に支持されている。Yスライダ235と固定台213との間には、付勢手段(ばね)241が介挿され、この付勢手段241によってYスライダ235が常時Y方向に押圧され、金具送り用カム233の外面に当接されている。
Yスライダ235には、Zスライダ236が、上下方向(Z方向)にスライド可能に支持されている。Zスライダ236とYスライダ235との間には、付勢手段(ばね)242が介挿され、この付勢手段242によってZスライダ236が常時Z方向に押圧され、金具送り用カム233の外面に当接されている。Yスライダ235には、2つの駆動ピン231が上方に向けて突出されている。
金具送り用カム233は、金具駆動モータ240によって、原位置より1回転ずつ回転駆動される。金具送り用カム233は、原位置から180°位置までの回転によって、まず、Yスライダ235(駆動ピン231)を上昇させ、Yスライダ235の上昇端位置で、Zスライダ236を介してYスライダ235(駆動ピン231)を、接続金具201のピッチ分だけ前進させる。
次いで、金具送り用カム233は、180°位置から360°位置までの回転によって、Yスライダ235(駆動ピン231)を下降させ、Yスライダ235の下降端位置で、Yスライダ235(駆動ピン231)を、接続金具201のピッチ分だけ後退させ、Y、Zスライダ235、236を原位置に復帰させる。なお、固定台213には、回転軸237の原位置を検出する原位置検出センサ266が取付けられている。
このように、駆動ピン231のリフトアンドキャリー運動によって、接続金具連結体202は、1ピッチずつY方向に前進され、先頭の接続金具201が順次スプライシング位置LSに位置決めされる。なお、接続金具201の位置決め穴203より駆動ピン231が離脱されても、接続金具連結体202の位置決め穴203あるいは係合穴207aには、係合ボール238が係合されるため、接続金具連結体202がスライドベース211に対して位置がずれることがない。(スプライシングテープ接合装置および接続金具接合装置について)
次に、スプライシングテープ101を、同一種類の2つのキャリアテープTc1,Tc2の上面(トップテープTt1、Tt2)に跨って接合するスプライシングテープ接合装置(第1接合装置)100と、接続金具201を、同一種類の2つのキャリアテープTc1,Tc2の下面(テープ本体)に跨って接合する接続金具接合装置(第2接合装置)200の構成について、図27〜図29に基づいて説明する。
スプライシング位置LSに位置決めされた第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の下方位置には、装置本体21に固定された支持フレーム250が配置されている。支持フレーム250は、キャリアテープの送り方向に間隔を有する一対の側壁251、252と、一対の側壁251、252の両端部を互いに連結する一対の連結プレート253、254(254は図示省略)によって構成されている。
一対の連結プレート253、254間には、Y方向に延在する回転軸257の両端部が回転可能に支持されている。回転軸257上には、図29に示すように、円板状の2つのカム(第1カム、第2カム)261、262が固定されている。回転軸257の一端には、歯車機構263を介して昇降駆動モータ264が連結されている。昇降駆動モータ264は、連結プレート254に固定されたモータ取付けブラケット265に取付けられている。なお、連結プレート253上には、回転軸257の原位置を検出する原位置検出センサ266が取付けられている。
一対の側壁251、252の上部には、固定台267、268が固定されている。固定台267、268には、鉛直方向に延在するガイドバー269がそれぞれ固定されている。ガイドバー269には、金具押付けヘッド270を取付けた第1支持体271が、上下移動可能に案内されている。第1支持体271は、ガイドバー269に挿着されたスプリング272のばね力により、常時下方向に付勢されている。
金具押付けヘッド270は、接続金具201をキャリアテープの下面に押付けるもので、金具押付けヘッド270の上端には、接続金具201の位置決め穴203および第1キャリアテープTc1の送り穴Hc1に係合する2つの位置決めピン273と、接続金具201の位置決め穴203および第2キャリアテープTc2の送り穴Hc2に係合する2つの位置決めピン274とが、上方に向けて突設されている。
第1支持体271には、第1カム261の外面に当接可能なフォロアローラ276が支持され、フォロアローラ276は、スプリング272の付勢力により、常時第1カム261の外面に当接されている。これにより、第1カム261が回転されると、金具押付けヘッド270を取付けた第1支持体271が昇降される。第1支持体271は、第1カム261の1回転で、1回昇降される。
固定台267、268には、また、鉛直方向に延在するガイドバー277がそれぞれ固定されている。ガイドバー277には、第2支持体278が、上下移動可能に案内されている。第2支持体278は、ガイドバー277に挿着されたスプリング279のばね力により、常時下方向に付勢されている。
第2支持体278には、支持軸281が所定量上下移動可能に案内され、支持軸281の上端にテープ受台282が固定されている。テープ受台282と第2支持体278との間には、緩衝用のスプリング283が介挿され、このスプリング283のばね力により、テープ受台282が第2支持体278に対して上方向に付勢されている。
テープ受台282は、キャリアテープTc1、Tc2にスプライシングテープ101を上方より押付ける際に、キャリアテープTc1、Tc2の下面を支持するもので、テープ受台282の上面には、クッション用のゴムシート284が貼り付けられている。
第2支持体278には、第2カム262の外面に当接可能なフォロアローラ285が支持され、フォロアローラ285は、スプリング279の付勢力により、常時第2カム262の外面に当接されている。これにより、第2カム262が回転されると、テープ受台282が昇降される。テープ受台282は、第2カム262の1回転で、1回昇降される。
スプライシング位置LSに位置決めされた第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の上方位置には、キャリアテープTc1、Tc2を挟んでと金具押付けヘッド270と対向する金具受台293が配設されている。金具受台293は、上記したテープ押付けヘッド113とY方向に隣り合う位置に配設され、装置本体21に対して固定されている。
金具受台293は、キャリアテープの下面を接続金具201によって接続する際に、キャリアテープTc1、Tc2の上面を支持するものである。金具受台293には、金具押付けヘッド270に突設された4つの位置決めピン273、274に係合する位置決め穴295が形成されている。また、金具受台293の下面には、金具押付けヘッド270の上昇によって、キャリアテープTc1、Tc2を貫通した接続金具201の爪部204を折り曲げてかしめるかしめ面が形成されている。
なお、スプライシング位置LSには、金具押付けヘッド270によって接続金具連結体202の先頭の接続金具201を持ち上げる際に、2番目以降の接続金具201の上昇を阻止する固定ブロック296(図30参照)が設けられている。これによって、先頭の接続金具201と2番目の接続金具201とを連結する連結部202aが切断(せん断)される。(スプライシング装置の動作について)
次に上記した実施の形態におけるスプライシング装置20の動作について説明する。なお、以下においては、C種類のキャリアテープTcCを,3枚のスプライシングテープ101によって接続する例について説明する。
テープフィーダ10に取付けた供給リール12に巻回された第1キャリアテープTc1に保持された部品eがなくなると、あるいは、部品eの残量が少なくなると、第1キャリアテープTc1の終端部に、同じ種類の第2キャリアテープTc2の始端部をスプライシングテープ101によって接続するスプライシング処理が実施される。
かかるスプライシングにおいては、通常正しい部品を収容したキャリアテープが接続されたかどうかをチェックする、いわゆるスプライシングベリファイが実行される。スプライシングベリファイは、旧供給リールに貼られたバーコードをバーコードリーダにより読み取り、旧供給リールに収容された部品のシリアルIDを管理コンピュータに送信する。次いで、新供給リールに貼られたバーコードをバーコードリーダにより読み取り、新供給リールに収容された部品のシリアルIDを管理コンピュータに送信する。
管理コンピュータのデータベースには、シリアルID毎に部品に関するデータが保存されているので、読み取ったシリアルIDより、2つのキャリアテープTc1、Tc2に収容された部品が同じ種類のものであるか否かを照合できる。間違った部品であれば、照合エラーが操作パネルに表示されて作業者に報知され、これに基づいて作業者は、新供給リールを正しいものに取り替える。
このようなスプライシングベルファイが終了すると、2つのキャリアテープTc1、Tc2の各端部を、例えば、空のキャビティを2つずつ残して、ハサミによって切断する。
スプライシング装置20においては、通常、カバー22は閉止されており、この状態で、作業者によってスプライシング装置20の電源がONされる。電源のONにより、制御装置59は、ステッピングモータ62を起動し、スプロケット61の回転を開始する。そして、スプロケット歯検知装置63からの検知信号に基づいて、ステッピングモータ62を原位置に位置決めする。
その状態で、スプライシング装置20の両側のテープ挿入口84に設けられた開閉レバー313を開放して、テープ挿入口84より、2つのキャリアテープTc1、Tc2の各端部を、搬送路60の溝60a内にそれぞれ挿入する。開閉レバー313の開放により、可動案内レール302が基準案内レール301より離間する方向に移動され、搬送幅が拡大される。
2つのキャリアテープTc1、Tc2の挿入後、開閉レバー313を閉止すると、開閉レバー313に枢支された連結部材317の連結ピン318の位置が下降する。これにより、連結部材317の連結長穴319に係合するフォロアローラ320を支持した昇降体307が、スプリング309の付勢力によって下降される。これとともに、昇降体307の下降により、平行リンク機構303、304を介して可動案内レール302が基準案内レール301に接近する方向に移動され、搬送幅が縮小される。
これにより、搬送路60の溝60a内に挿入されたキャリアテープTc1、Tc2の一側面が可動案内レール302により押圧され、キャリアテープTc1、Tc2の他側面(送り穴Hc側の側面)が基準案内レール301に押付けられる。その際、可動案内レール302は、キャリアテープTc1、Tc2に当接して停止されるため、キャリアテープTc1、Tc2の幅寸法に応じて昇降体307およびドッグ取付けプレート321の高さ位置が決定される。従って、C種類のキャリアテープTc1、Tc2が挿入された場合には、3つのドッグ323A、323B、323Cによって動作される3つセンサ325A、325B、325Cの動作状態は、ON、OFF、ONとなる。これらセンサ325A、325B、325Cの動作状態に基づいて、制御装置59により、テープ挿入口84に挿入されたキャリアテープの種類は、C(TcC)であることが判別される。
テープ挿入口84にキャリアテープTc1、Tc2が挿入されると、制御装置59は、キャリアテープ検知装置64からの検知信号に基づいて、テープ挿入口84から第1、第2キャリアテープTc1、Tc2の先端部が挿入されたことを検知する。キャリアテープTc1、Tc2の挿入が検知されると、ステッピングモータ62が起動されて、スプロケット61が回転されるとともに、取込部材75の可動部材77が上方向に移動される。
次いで、制御装置59は、キャビティ検知装置53からの検知信号に基づいて、第1、第2キャリアテープTc1、Tc2の先端部の空キャビティを検出し、2つの空キャビティの検出に基づいて、空キャビティと最初に部品が収納されたキャビティとの中間位置を切断箇所Q1として認識する。
すなわち、キャリアテープTc1、Tc2は、予め2つの空キャビティを残してカットされているため、キャリアテープTc1、Tc2の送りによって、キャビティ検知装置53の信号は、最初の空キャビティによってOFFされ、その後、ON→OFF→ONと変化する。
従って、2回目のON信号によって、2つの空キャビティがキャビティ検知位置DP1を通過したことが検出され、その後の隣り合うキャビティの中間位置を切断箇所Q1として認識できる。
次いで、制御装置59は、第1、第2キャリアテープTc1、Tc2を一定の距離D1だけ移動させることにより、先端の不要部分を取込部材75内に取り込ませ、切断箇所Q1を切断位置Lc1に搬送位置決めする。
このようにして、第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の搬送位置決めが完了すると、制御装置59は、図8に示すように、カッター68を押圧部材72とともにそれぞれ下降させ、押圧部材72によって、切断位置Lc1に位置決めされた第1、第2キャリアテープTc1,Tc2の切断箇所Q1の近傍を押圧して固定する。続いて、カッター68をそれぞれ下降させ、第1、第2キャリアテープTc1,Tc2の切断箇所Q1をそれぞれ切断する。第1、第2キャリアテープTc1,Tc2の切断された不要部分Tfは、取込部材75のダクト82に案内されて廃棄される。
カッター68によって第1、第2キャリアテープTc1,Tc2が切断されると、制御装置59は、取込部材75を下方向に移動させる。しかる後、ステッピングモータ62によってスプロケット61を回転し、図9に示すように、第1、第2キャリアテープTc1,Tc2を、切断位置Lc1とスプライシング位置LSとの間の既知の距離D3だけ移動させ、第1、第2キャリアテープTc1,Tc2の切断箇所Q1をスプライシング位置LSに搬送位置決めする。
これにより、第1、第2キャリアテープTc1,Tc2の送り穴Hc1、Hc2がスプライシング位置LSに位置決めされる接続金具201の位置決め穴203に一致する位置に位置決めされる。
このようにして、テープ挿入口84より挿入された第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の先端が、スプライシング位置LSにおいて、互いに突き合わされる位置に位置決めされる。
この際、第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の突き合わせ位置は、キャリアテープTc1、Tc2の種類によって異なる。すなわち、A、C種類のキャリアテープTcA、TcCにおいては、図6(A)、(C)に示すように、突き合わせ位置が送り穴Hcの中心位置となり、B、D種類のキャリアテープTcB、TcDにおいては、図6(B)、(D)に示すように、突き合わせ位置が送り穴Hc間の中央位置となる。
このため、突き合わせ位置が送り穴Hcの中心位置となるC種類のキャリアテープTc1,Tc2の場合には、切断位置Lc1からキャリアテープTc1,Tc2を同じ距離D3だけ移動させて、スプライシング位置LSに位置決めする。これに対して、突き合わせ位置が送り穴Hc間の中央位置となる場合(B、D種類のキャリアテープTc1,Tc2の場合)には、第1、第2キャリアテープTc1,Tc2のいずれか一方を、切断位置Lc1から距離D3−ΔD(ΔDは送り穴Hcのピッチの1/2)だけ移動させるとともに、他方を、切断位置Lc1から距離D3+ΔDだけ移動させて、突き合わせる。
保持リール105に巻回されたスプライシングテープ101を含む3層構造体102は、テープ送り用モータ168の駆動により、保持リール105より引き出され、折り返し部130において保護フィルム104が剥がされる。そして、保護フィルム104は、回収用ローラ装置131によって回収ボックス132に回収される。一方、スプライシングテープ101を貼付したアプリケーションテープ103は、送り用ローラ装置141により送り出され、これによって、図17等に示すように、スプライシングテープ101が、一対のガイドレール115、116間のテープ押付けヘッド113に対応するスプライシング位置LSに位置決めされる。
この際、スプライシング位置LSの上流側に配置されたテープ検知センサ170によって、アプリケーションテープ103上のスプライシングテープ101が検出されるため、テープ検知センサ170による検知位置からアプリケーションテープ103が一定量送られるように、テープ送り用モータ168を回転制御することにより、スプライシングテープ101がスプライシング位置LSに正確に位置決めできる。
一方、接続金具201は、金具駆動モータ240による金具送り用カム233の回転によって、駆動ピン231が、リフトアンドキャリー運動されることにより、接続金具連結体202が接続金具201のピッチ分だけY方向に前進され、先頭の接続金具201がスプライシング位置LSに順次位置決めされる。
すなわち、図24に示す金具駆動モータ240によって金具送り用カム233が回転されると、Yスライダ235とともに駆動ピン231が上昇され、スライドベース211に支持された接続金具連結体202の位置決め穴203に係合する。
次いで、金具送り用カム233の引き続く回転によって、駆動ピン231がY方向に前進され、接続金具連結体202が接続金具201のピッチ分だけY方向に前進される。これによって、先頭の接続金具201がスプライシング位置LSに順次位置決めされる。
その後、駆動ピン231は下降されて、位置決め穴203より離脱されるとともに、一定量後退され、原位置に復帰される。この際、接続金具201の位置決め穴203より駆動ピン231が離脱されても、接続金具連結体202の位置決め穴203(あるいは係合穴207a)には、係合ボール238が係合されるため、接続金具連結体202がスライドベース211に対して位置ずれすることがない。
キャリアテープTc1、Tc2、スプライシングテープ101および接続金具201の三者が、それぞれスプライシング位置LSに位置決めされると、金具駆動モータ240が回転され、第1および第2カム261、262が回転される。
第1カム261の回転により、第1支持体271とともに金具押付けヘッド270が上昇される。金具押付けヘッド270の上昇により、スプライシング位置LSに位置決めされた接続金具201、すなわち、接続金具連結体202の先頭の接続金具201の位置決め穴203に位置決めピン273、274が係合され、先頭の接続金具201が上昇される。接続金具201の位置決め穴203に係合した位置決めピン273、274は、さらに、スプライシング位置LSに位置決めされた第1および第2キャリアテープTc1、Tc2の送り穴Hc1、Hc2を貫通して、金具受台293の位置決め穴295に係合される(図30参照)。
この際、接続金具連結体202の2番目の接続金具201は、図30に示すように、固定ブロック296によって、上昇を阻止されるため、先頭の接続金具201の上昇によって、先頭の接続金具201と2番目の接続金具201とを連結する連結部202aが切断(せん断)される。
そして、金具押付けヘッド270によって、接続金具201が押付けられることにより、接続金具201の爪部204が、キャリアテープTc1、Tc2のテープ本体を貫通し、金具受台293に圧着される。これによって、接続金具201の爪部204がかしめられ、2つのキャリアテープが接続金具201によって接続される。
このように、位置決めピン273、274によって、接続金具201の位置決め穴203と、キャリアテープTc1、Tc2の送り穴Hc1、Hc2とが一致した状態で、接続金具201がキャリアテープTc1、Tc2のテープ本体に接合されるので、図20に示すように、接続金具201がキャリアテープTc1、Tc2に対して正確な位置に接合される。
また、昇降駆動モータ264による第2カム262の回転により、第2支持体278が上昇され、テープ受台282が上昇端位置で停止される。
一方、テープ送り用モータ168によって、スプライシングテープ101を貼付したアプリケーションテープ103が送られ、スプライシングテープ101がスプライシング位置LSに位置決めされる。
同時に、移動用モータ160の回転により、回転ドラム150および昇降用カム155が一体的に回転される。
この際、回転ドラム150および昇降用カム155が回転されると、まず、昇降用カム155の回転によって昇降体110が下降され、テープ押付けヘッド113により、スプライシング位置LSに位置決めされたスプライシングテープ101が、スプライシング位置LSに位置決めされた第1および第2キャリアテープTc1、Tc2のトップテープTtに跨って、貼り付けられる。このようにして、1枚目のスプライシングテープ101が、図20に示すように、キャリアテープTc1、Tc2の端部よりdS量だけ離間した基準位置に貼り付けられる。なお、1枚目のスプライシングテープ101が、基準位置に貼り付けられるまでは、回転ドラム150の回転によってスライドテーブル108はY方向に移動しない。
テープ押付けヘッド113による押付け荷重は、テープ受台282上のゴムシート284によって受けられるとともに、テープ受台282自身がばね作用で上下動できるため、キャビティTCtの厚みに拘らず、スプライシングテープ101を均一な押付け力で、トップテープTtに貼り付けることができる。
1枚目のスプライシングテープ101がトップテープTtに貼り付けられると、テープ送り用モータ168によってアプリケーションテープ103が一定量送られる。これにより、次のスプライシングテープ101がスプライシング位置LSに位置決めされる。
一方、移動用モータ160の回転により、回転ドラム150とともにスライドテーブル108がY方向(キャリアテープの幅方向)に移動され、スプライシング位置LSに位置決めされたスプライシングテープ101が、Y方向に所定量移動される。同時に、移動用モータ160によって駆動される昇降用カム155の回転によって、昇降体110が昇降される。
これにより、上記した同様に、テープ押付けヘッド113によって、2枚目のスプライシングテープ101が、1枚目のスプライシングテープ101に並列した位置に、トップテープTtに貼り付けられる。
さらに、2枚目のスプライシングテープ101がトップテープに貼り付けられると、テープ送り用モータ168によってアプリケーションテープ103がさらに一定量送られ、次のスプライシングテープ101がスプライシング位置LSに位置決めされる。
同時に、移動用モータ160による回転ドラム150の2回転目によって、スプライシング位置LSに位置決めされたスプライシングテープ101が、さらにY方向に一定量移動される。また、移動用モータ160によって駆動される昇降用カム155の回転によって、昇降体110が昇降される。
これにより、3枚目のスプライシングテープ101が、テープ押付けヘッド113によって、2枚目のスプライシングテープ101に並列した位置で、トップテープTtに貼り付けられる。
このようにして、C種類のキャリアテープTc1、Tc2の各トップテープTt1、Tt2が3枚のスプライシングテープ101によって接続される(図20参照)。従って、C種類のキャリアテープTc1、Tc2をテーピングする広幅のトップテープTt1、Tt2に対しても、細長い共通のスプライシングテープ101を用いて、トップテープTt1、Tt2を確実に接続することが可能となる。
なお、テープ検知センサ170によって、スプライシングテープ101がアプリケーションテープ103上にないことが検知されると、あるいは、2つのテープ検知センサ170(一方は図示省略)によって、必要個数(C種類のキャリアテープの場合は、3枚)のスプライシングテープ101がアプリケーションテープ103上に残っていないことが検知されると、スプライシングテープ補充信号が発せられる。これにより、作業者によって、支持プレート109の支持軸117より保持リール105が取り外され、3層構造体102を巻回した新たな保持リール105が支持軸117に装着される。
また、接続金具送り装置230によって、接続金具201が順次スプライシング位置LSに位置決めされることにより、接続金具連結体202の接続金具201の個数が所定以下まで減少すると、駆動ピン231は、金属プレート206の係合穴207bに係合して、残りの接続金具201がスプライシング位置LSに送り込まれる。この場合、係合ボール238には、金属プレート206の係合穴207aが係合される。
これにより、接続金具連結体202の最後の接続金具201の1つに至るまで、スプライシング位置LSに確実に位置決めでき、キャリアテープTc1、Tc2に接合することが可能となる。
最後の接続金具201がキャリアテープに接続されると、これが図略のセンサによって検出され、接続金具補充信号が発せられる。これにより、作業者によって、スライドベース211が引き出され、金属プレート206が取り除かれ、新たな接続金具連結体202がスライドベース211上にセットされる。
上記したように、本実施の形態によれば、2つのキャリアテープTc1、Tc2の各テープ本体側を、接続金具201によって接続するようにしたので、キャリアテープTc1、Tc2がエンボステープの場合でも、接続強度を高めることができ、キャリアテープTc1、Tc2を確実に接続することができる。
また、上記した実施の形態によれば、接続金具連結体202の後端に、駆動ピン231に係合する係合穴207aを有する金属プレート206が連結されているので、接続金具連結体202の最後の接続金具201においても、スプライシング位置LSに確実に位置決めすることができる。
しかも、位置決めピン273、274によって、接続金具201の位置決め穴203と、キャリアテープTc1、Tc2の送り穴Hc1、Hc2とが一致した状態で、接続金具201がキャリアテープTc1、Tc2のテープ本体に接合されるので、接続金具201がキャリアテープTc1、Tc2に対して正確な位置に接合される。
さらに、上記した実施の形態によれば、複数種類のキャリアテープTc1、Tc2の各トップテープTt1、Tt2を、トップテープTt1、Tt2の幅寸法に応じて、1枚もしくは複数枚のスプライシングテープ101によって、接続するようにしたので、トップテープTt1、Tt2の幅寸法に係わらず、共通のスプライシングテープ101を用いて、トップテープTt1、Tt2を接続することができる。
これにより、キャリアテープTc1、Tc2の種類に応じた専用のスプライシングテープ101を複数種類用意する必要がない。
上記した実施の形態においては、キャリアテープTc1、Tc2をスプライシングするスプライシングテープ101を共通化し、キャリアテープTc1、Tc2(トップテープTt1、Tt2)の種類に応じて、1枚もしくは複数枚のスプライシングテープ101によってトップテープTt1、Tt2を接続する例について述べたが、キャリアテープTc1、Tc2の種類に応じた専用のスプライシングテープ101によって、トップテープTt1、Tt2を接続するようにしてもよい。
また、上記した実施の形態においては、複数種類のキャリアテープTc1、Tc2を対象にしたスプライシング装置20について述べたが、本発明は、1種類のキャリアテープをスプライシングするものにも適用可能であり、複数種類のキャリアテープを対象としたスプライシング装置20に限定されるものではない。
なお、本実施の形態で述べたキャリアテープ送り装置51、スプライシングテープ接合装置100、スプライシングテープ送り装置120、接続金具接合装置200、接続金具送り装置230等の構成は、本実施に好適な1つの具体的構成を示したにすぎず、これらの構成に限定されるものではない。
斯様に、本発明は、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。