JPWO2018030124A1 - 表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子及びその製造方法、並びに、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板 - Google Patents

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Abstract

(0001)面に凹構造を有する、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子及びその製造方法、並びに、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板。

Description

本発明は、表面粗化六方晶窒化ホウ素及びその製造方法、並びに、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板に関する。
近年、電気機器あるいは電子機器の回路の高速・高集積化、及び発熱性電子部品のプリント配線板への実装密度の増加に伴って、電子機器内部の発熱密度は年々増加している。そのため、電子部品などにて発生する熱を効率よく放散させる高い熱伝導率と電気絶縁性を有する部材が求められている。
熱伝導性絶縁材料としては、樹脂マトリックスに熱伝導性フィラーを充填した熱伝導性絶縁シートなどがある。これまでは、充填性、価格などの観点から、熱伝導性フィラーとしてシリカやアルミナが用いられてきた。しかし、上述のように近年の電子機器内部の発熱密度増加により、熱伝導性絶縁シートにはより高い熱伝導率が求められるようになっており、シリカやアルミナよりも熱伝導性の高い六方晶窒化ホウ素粒子を充填する手法が検討されている。
六方晶構造を有する窒化ホウ素粒子は、合成が比較的容易であり、熱伝導性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を有することから、熱伝導性絶縁シートを構成する熱伝導性フィラーとして好適である。
しかし、六方晶窒化ホウ素粒子は樹脂との親和性が低い。このため、樹脂に高充填した際に、組成物が著しく高粘度化し、成形性が悪くなるという問題があった。かかる観点から、六方晶窒化ホウ素粒子に対して種々の改良がなされている。
例えば、六方晶窒化ホウ素粒子を大気下又は酸化性ガス雰囲気下にて加熱する手法が開示されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
特開平9−12771号公報 特開2008−94701号公報 特開2007−182369号公報
しかしながら、これらの方法では、六方晶窒化ホウ素粒子を樹脂に充填した場合、加熱により生成した酸化被膜が六方晶窒化ホウ素粒子の熱伝導を阻害する場合があった。
本発明の目的は、樹脂と高い親和性を示し、高い熱伝導性を実現する表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子及びその製造方法、並びに、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板及びプリント配線板を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題に鋭意検討を重ねた結果、凹構造が(0001)面に形成されている表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、樹脂との熱伝導を阻害することなく樹脂との親和性に優れることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
<1> (0001)面に凹構造を有する、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
<2> 前記凹構造の深さが0.5nm以上1μm以下である、前記<1>に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
<3> 前記凹構造の投影面積が前記(0001)面の投影面積の3%以上97%以下を占める、前記<1>又は<2>に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
<4> 少なくとも一部に凝集部を有する、前記<1>〜<3>のいずれか一つに記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
<5> 前記<1>〜<4>のいずれか一つに記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法であって、六方晶窒化ホウ素粒子を焼成して酸化被膜を形成する工程と、
前記六方晶窒化ホウ素粒子表面に生成した前記酸化被膜の少なくとも一部を除去する工程と、を含む、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
<6> 前記六方晶窒化ホウ素粒子の焼成を空気雰囲気下で行う、前記<5>に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
<7> 前記六方晶窒化ホウ素粒子の焼成を200℃以上1200℃以下の温度で行う、前記<5>又は<6>に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
<8> 溶媒洗浄によって前記酸化被膜の少なくとも一部を除去する、前記<5>〜<7>のいずれか一つに記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
<9> 前記<1>〜<4>のいずれか一つに記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子と、樹脂と、を含む組成物。
<10> 前記樹脂が熱硬化性樹脂である、前記<9>に記載の組成物。
<11> さらに、前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子以外のフィラーを含む前記<9>又は<10>に記載の組成物。
<12> 前記<9>〜<11>のいずれか一つに記載の組成物と支持体とを含む樹脂シート。
<13> 基材と、前記基材に含浸又は塗布された、前記<9>〜<11>のいずれか一つに記載の組成物と、を有する、プリプレグ。
<14> 前記<12>に記載の樹脂シート、及び、前記<13>に記載のプリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種の片面又は両面に配された金属箔と、を有する金属箔張積層板であって、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種に含まれる樹脂組成物の硬化物を含む、金属箔張積層板。
<15> 絶縁層と、前記絶縁層の表面に配された導体層とを有し、
前記絶縁層が、前記<9>〜<11>のいずれか一つに記載の組成物を含む、プリント配線板。
本発明によれば、樹脂と高い親和性を示し、高い熱伝導性を実現する表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子及びその製造方法、並びに、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板を提供することができる。
本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を説明するための概略図である。 実施例1で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像(10000倍)である。 実施例1で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像(400倍)である。 実施例1で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面を原子間力顕微鏡で測定し、表面形状観察を行なうことで得られた断面プロファイル像である。 実施例2で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像(20000倍)である。 実施例2で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像(400倍)である。 実施例3で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像(20000倍)である。 実施例3で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像(400倍)である。
《表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子》
本発明の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、(0001)面に凹構造を有する。本発明によれば、樹脂と六方晶窒化ホウ素粒子間の熱伝導を阻害することなく、樹脂との親和性を改善した表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を提供することができる。
前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子が樹脂との熱伝導を阻害することなく、樹脂との親和性が優れる理由は定かではないが、以下のように推測される。
一般的に、六方晶窒化ホウ素粒子は表面官能基密度が小さく、樹脂に対する親和性が優れない傾向にある。そこで本発明者らは、六方晶窒化ホウ素粒子の樹脂に対する親和性を向上させるために、六方晶窒化ホウ素粒子の表面官能基密度を高めることを検討した。その結果、六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面に凹構造を形成すると、六方晶窒化ホウ素粒子の樹脂に対する親和性が向上することを見出した。
六方晶窒化ホウ素粒子は、(0001)面との二面角が90°である全ての結晶面、即ち端面には水酸基、アミノ基等の官能基が存在するものの、(0001)面に官能基が存在しない。例えば鱗片状の六方晶窒化ホウ素粒子は、(0001)面が表面積の大部分を占めるため、粒子表面の官能基密度が小さい。このため、六方晶窒化ホウ素粒子を樹脂に充填した場合、樹脂と相互作用しうる官能基が粒子表面に少なく、結果として樹脂に対する親和性が優れない。
これに対し、六方晶窒化ホウ素粒子において、凹構造が(0001)面に形成されていると、凹構造のエッジには端面が露出することから、六方晶窒化ホウ素粒子の粒子表面に占める端面の割合が増加する。その結果、六方晶窒化ホウ素粒子表面の官能基密度が増加し、樹脂に対する親和性が優れると推測される。
前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、(0001)面に凹構造が形成されている。このような凹構造を有していることに起因して、前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、表面が平滑な六方晶窒化ホウ素粒子に比べて、粒子表面に存在する官能基数が増加する。このため、前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、表面が平滑な六方晶窒化ホウ素粒子に比べて、樹脂との親和性が高いと推測される。
一方、上述の特許文献1〜3のように六方晶窒化ホウ素粒子を焼成等によって酸化させて樹脂との親和性を高めて組成物の粘度を低下させる方法もある。六方晶窒化ホウ素粒子を焼成すると、その表面が部分的に酸化され、酸化被膜が形成される。しかし、六方晶窒化ホウ素粒子表面に酸化被膜が形成されると、樹脂との親和性は高まるものの、粒子間や成型された樹脂硬化物の熱伝導性が低くなってしまう。更に酸化被膜が形成されると、酸化被膜の形状に応じて粒子の表面積が増大することがある。当該粒子表面積の増大は粘度増加の原因になる場合もある。
これに対し、本発明の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子にはこのような問題が生じず、粒子間や成形された樹脂硬化物の熱伝導性が高い。
また、前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は熱伝導性フィラーなどとして広範な用途を有するため、例えば、フィラーとして前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を用い、樹脂との組成物とした場合、低粘度で且つ高い熱伝導性を発揮することができる。また、前記組成物を用いた樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板は、熱伝導性及び成形性に優れる。
以下、前記実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
(表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子)
本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、(0001)面に凹構造を有する。図1を用いて本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子(一次粒子)の構造について説明する。図1は、本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を説明するための概略図である。
図1において(A)は、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子10の表面を(0001)面と直行する方向(法線方向)から観察した図を示す。また、図1における(B)は、(A)のAA'断面図を示す。表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子10の表面には、図1の(A)に示すように第1の凹部1と第2の凹部2とが形成されている。また、図1の(B)に示すように、図1の(B)において、M1及びM2で示される一点鎖線と平行な面が表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子10の(0001)面となる。図1の(A)においては白抜きの領域が(0001)面であり、斜線を付した領域が端面として示されている。また、図1の(B)において矢印Zで示される方向は、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の厚さ方向を示す。
図1の(B)に示すように、各凹部の側面3は上述の"端面"となる。図1の(B)に示すように、各側面3は、第1の凹部1における側面3のように(0001)面に対して90°の面であってもよいし、第2の凹部2における側面3のように(0001)面に対する角度が垂直以外、即ち斜面であってもよい。側面3には樹脂との親和性を向上させるための官能基が存在する。これのように、通常の六方晶窒化ホウ素粒子よりも端面の占める割合が増大して極性官能基数を多くすることができることから、本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は樹脂との親和性を高めることができる。更に、図1に示すように各凹部には酸化被膜等が存在せず、粒子間等の熱伝導性が阻害されることがない。
前記凹構造の形状は、特に限定されるものではないが、円状、楕円状、多角形状、縞状、斑状等のいずれでもよい。尚、凹構造の形状とは、(0001)面と直行する方向から投影した形状を意味する。
前記凹構造の深さは、特に限定されるものではないが、0.5nm以上1μm以下であることが好ましく、0.5nm以上500nm以下が更に好ましく、1nm以上100nmが特に好ましい。0.5nm以上であれば(0001)面に極性官能基数が増加する利点があり、1μm以下であれば粒子強度が十分に保たれる利点がある。
尚、凹構造の深さは、例えば表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の表面を原子間力顕微鏡(例えば、日本電子(株)製、JSPM−4210)によって観察し、観察像の断面プロファイルを解析することにより測定できる。
また、凹構造の投影面積が前記(0001)面の投影面積の3%以上97%以下を占めることが好ましい。即ち、前記凹構造の投影面積が表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面の投影面積を占める面積は、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面の全面に対し、3%以上97%以下であることが好ましく、10%以上90%以下であることが更に好ましい。凹構造が該(0001)面の3%以上97%以下を占める場合、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子樹脂との親和性が向上する傾向がある。
尚、凹構造の投影面積が(0001)面の投影面積を占める割合は、例えば表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の表面を電子顕微鏡(例えば、(株)日立ハイテクノロジーズ製、SU8220)によって観察し、観察像を画像解析することにより求められる。これを用い、具体的には、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子表面に存在している凹構造の面積と、凹構造以外の面積(即ち(0001)面の面積)とを計測することにより測定できる。
前記凹構造の一つ当たりの投影面積は、特に限定されるものではないが、例えばその形状を円に近似した場合その直径が1nm以上20μm以下であることが好ましく、10nm以上10μm以下であることが更に好ましい。
尚、凹構造の一つ当たりの投影面積は、例えば表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の表面を電子顕微鏡(例えば、(株)日立ハイテクノロジーズ、製SU8220)によって観察し、観察像を画像解析することにより測定できる。具体的には、例えば表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子表面に存在している凹構造の平面視での面積を計測し、その面積と同じ面積の円の直径を算出する。凹構造の一つ当たりの投影面積は、100個以上の凹構造の直径の平均値とする。
本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、特に限定されるものではないが、平均粒径が0.01μm以上1mm以下であることが好ましく、樹脂に高充填する観点から0.1μm以上100μm以下が更に好ましい。
尚、「平均粒径」とは、例えばレーザー回折法によって測定される体積分布の中間値を与える球相当径(体積平均値D50)を意味するものである。レーザー回折法による粒子の体積分布の測定は、例えばレーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、日機装(株)製、マイクロトラック3300II)を用いて測定できる。
本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は少なくとも一部に凝集部を有していてもよい。即ち、本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を含む粒子群は、少なくとも一部が凝集してもよい。具体的には、前記粒子群として、単結晶粒子、多結晶体粒子等の粒子の他に、単結晶の凝集粒子、多結晶体の凝集粒子等の凝集粒子が含まれてもよい。本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を含む粒子群に凝集粒子が含まれていると、例えば基板上に絶縁樹脂層を設けた場合にこれに含まれる表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面が基板の厚さ方向と平行になる可能性が高まる。表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は(0001)面の法線方向の熱伝導率に比して(0001)面の平行方向における熱伝導率が高い。これにより、基板上に絶縁樹脂層等を設けた場合に厚さ方向における熱伝導率を高めることができる。
前記凝集粒子は、さらにバインダーを含んでもよい。バインダーとしては、一次粒子同士の接着性を高めることができるものであれば、特に限定されるものではないが、有機樹脂、金属酸化物等が挙げられる。
本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の粒子形状は特に制限されないが、具体的には、鱗片状、偏平状、顆粒状、球状、偏球状、繊維状、立方体状、多面体状、ワイヤー状、ウィスカー状、不定形状等の粒子形状が挙げられる。その中でも、粒子形状は鱗片状であることが熱伝導性の観点から好ましい。
《表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法》
本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、六方晶窒化ホウ素粒子を焼成して酸化被膜を形成する工程と、六方晶窒化ホウ素粒子表面に生成した前記酸化被膜の少なくとも一部を除去する工程と、を含む方法により製造することができる。
焼成により六方晶窒化ホウ素粒子表面に生成した酸化被膜の少なくとも一部を除去することにより、(0001)面に凹構造が形成し、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を製造することができる。
前記焼成する工程は、特に限定されるものではないが、酸化雰囲気下で焼成することが好ましい。酸化雰囲気下としては、例えば、酸素を含む雰囲気下、空気雰囲気下、酸素中等の雰囲気下が挙げられる。中でも空気雰囲気下で焼成することが好ましい。
焼成装置としては、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。例えば、電気炉、マッフル炉、管状炉、雰囲気炉等のバッチ式炉や、ロータリーキルン、スクリューコンベヤ炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー炉、竪形連続炉等の連続式炉が挙げられる。
前記焼成は200℃以上1200℃以下の温度で焼成することが好ましく、800℃以上1200℃以下であることが更に好ましい。焼成温度が200℃以上1200℃以下である場合、経済的な時間内に、再現性良く、六方晶窒化ホウ素粒子表面に酸化被膜を形成することができる。焼成時間は、特に限定されるものではないが、例えば、1時間〜10時間、好ましくは3時間〜9時間程度にすることができる。
六方晶窒化ホウ素粒子表面に生成した酸化被膜は、溶媒洗浄により酸化被膜の少なくとも一部を除去することが好ましい。洗浄に用いる溶媒は、上述した酸化被膜の少なくとも一部、好ましくは全部を溶解可能なものであれば、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類などの極性溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の無極性溶剤、水等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒洗浄する方法は、特に制限されず、六方晶窒化ホウ素粒子と溶媒を攪拌機によって攪拌する方法、六方晶窒化ホウ素粒子を充填したカラムに溶媒を流通させる方法等が可能である。
溶媒洗浄した六方晶窒化ホウ素粒子を乾燥する方法は、特に制限されず、公知のものを適宜用いることができる。例えば、常圧オーブン、減圧オーブン、スプレードライヤー、媒体流動乾燥機、更には乾燥機構を備えた揺動ミキサー、プロシェアミキサー等が挙げられる。
《表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を含む組成物》
本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の用途は、特に限定されないが、窒化ホウ素粉末の用途として知られている種々の用途に使用可能である。特に、樹脂と高い親和性を示し、樹脂と窒化ホウ素粒子間の熱伝導を阻害しない特性から、本実施形態の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子と樹脂とを混合して、熱伝導性に優れた組成物とすることができる。
前記樹脂としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の公知のものを適宜使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸類(ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリル酸エステル)、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、アイオノマーなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化型PPE樹脂、熱硬化型変性PPE樹脂などの熱硬化性樹脂が使用可能である。これらは、一種又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。中でも、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を充填する際の作業性の観点から、樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましい。
樹脂が熱硬化性樹脂である場合、本実施形態の組成物は、硬化成形する際に樹脂と架橋反応する硬化剤を含有することが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化型PPE樹脂、熱硬化型変性PPE樹脂等のそれぞれに対して適用できる硬化剤であれば、その種類は特に限定されない。具体的にはフェノール化合物、酸無水物化合物、アミン化合物、アリル化合物、プロペニル化合物等、従来公知のものを用いることができる。
また、前記樹脂が熱硬化性樹脂である場合、本実施形態の組成物は、必要に応じて、硬化速度を適宜調節するための硬化促進剤を含有していてもよい。この硬化促進剤としては、エポキシ樹脂やシアネート樹脂等の硬化促進剤として一般に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、アセチルアセトン鉄、オクチル酸ニッケル、オクチル酸マンガン等の有機金属塩類、フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール化合物、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらのイミダゾール類のカルボン酸もしくはその酸無水類の付加体等の誘導体、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン類、ホスフィン系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホニウム塩系化合物、ダイホスフィン系化合物等のリン化合物、エポキシ−イミダゾールアダクト系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート等の過酸化物、又はアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に限定されるものではないが、本実施形態の組成物における表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子(x)と樹脂(y)との質量比(x/y)は、10/90〜95/5が好ましく、30/70〜90/10が更に好ましい。
本実施形態の組成物は、さらに表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子以外のフィラーを含んでいてもよい。ここで表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子以外のフィラーとしては、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されない。表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子以外のフィラーとして具体的には、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ベリリウム、表面が粗化されていない六方晶窒化ホウ素粒子及びその凝集体を含む六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素、窒化アルミニウム等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩又は亜硫酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、酸化モリブデンやモリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、錫酸亜鉛、アルミナ、ギブサイト、ベーマイト、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、E−ガラス、A−ガラス、NE−ガラス、C−ガラス、L−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、M−ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラスなど無機系の充填材の他、スチレン型、ブタジエン型、アクリル型などのゴムパウダー、コアシェル型のゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダーなど有機系の充填材などが挙げられる。これらのフィラーは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、前記フィラーとしては、組成物の熱伝導性を向上する観点から、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、表面が粗化されていない六方晶窒化ホウ素粒子及びその凝集体を含む六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナが好ましい。特に限定されるものではないが、本実施形態の組成物が表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子(x1)と表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子以外のフィラー(x2)とを併用する場合、その質量比(x1/x2)は、95/5〜5/95が好ましく、90/10〜10/90が更に好ましい。
上述の組成物は、必要に応じて溶媒を含有してもよい。溶剤としては、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部を溶解あるいは相溶可能なものであれば、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ系溶媒、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類などの極性溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の無極性溶剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上述の組成物は、カップリング剤、分散剤、エラストマー等を適宜含有することができる。
《樹脂シート》
上述の組成物は、熱伝導性絶縁材料として用いることができる。例えば、支持体として剥離可能なプラスチックフィルムを用いて、本実施形態の組成物を溶剤に溶解させた溶液をプラスチックフィルムに塗布し乾燥することで、樹脂シートとして用いることができる。ここで、溶剤は好ましくは20℃〜150℃の温度で、好ましくは1〜90分間加熱することで乾燥することができる。また、組成物は溶剤を乾燥しただけの未硬化の状態で使用することもできるし、必要に応じて半硬化(Bステージ化)の状態にして使用することもできる。
支持体としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム、並びにこれらのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型フィルム、ポリイミドフィルム等の有機系のフィルム基材、銅箔、アルミ箔等の導体箔、ガラス板、SUS板、FRP等の板状のものが挙げられるが、特に限定されるものではない。塗布方法としては、例えば、本実施形態の樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、バーコーター、ダイコーター、ドクターブレード、ベーカーアプリケーター等で支持体上に塗布することで支持体と樹脂シートが一体となった積層シートを作製する方法が挙げられる。また、乾燥後に、積層シートから支持体を剥離又はエッチングすることで、樹脂シート単独となる単層シートとしてもよい。なお、上述の本実施形態の樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、シート状のキャビティを有する金型内に供給し乾燥する等してシート状に成形することで、支持体を用いることなく単層シートを得てもよい。
尚、本実施形態の樹脂シート(単層あるいは積層シート)の作製において、溶剤を除去する際の乾燥条件は、特に限定されないが、低温であると樹脂組成物中に溶剤が残り易く、高温であると樹脂組成物の硬化が進行することから、20℃〜200℃の温度で1〜90分間が好ましい。また、本実施形態の樹脂シート(単層あるいは積層シート)の樹脂層の厚みは、本実施形態の樹脂組成物の溶液の濃度と塗布厚みにより調整することができ、特に限定されないが、一般的には塗布厚みが厚くなると乾燥時に溶剤が残り易くなることから、0.1〜500μmが好ましい。
樹脂シートの用途は、特に限定されないが、例えば、半導体部品、航空機部品、自動車部品、産業用機械部品、電子部品、電気部品、機構部品等の用途に適用することができる。なお、得られるフィルムの形態は、どのような形態であってもよく、例えば、最終製品にする前の中間製品であっても、最終製品であってもよい。
《プリプレグ》
本実施形態の組成物はプリプレグにも用いることができる。本実施形態のプリプレグは、基材と、前記基材に含浸又は塗布された、前記組成物と、を有する。プリプレグの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、本実施形態における樹脂成分を基材に含浸又は塗布させた後、100〜200℃の乾燥機中で1〜30分間加熱するなどして半硬化(Bステ−ジ化)させることで、本実施形態のプリプレグを作製することができる。
本実施形態の組成物の含有量は、プリプレグの総量に対して、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは35〜85質量%であり、好ましくは40〜80質量%である。本実施形態の組成物の含有量が前記範囲内であることにより、成形性が更に向上する傾向にある。
基材としては、特に限定されず、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを、目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。基材を構成する繊維の具体例としては、特に限定されないが、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス、球状ガラス、NEガラス、Lガラス、Tガラスなどのガラス繊維;クォーツなどのガラス以外の無機繊維;ポリパラフェニレンテレフタラミド(ケブラー(登録商標)、デュポン株式会社製)、コポリパラフェニレン・3,4'オキシジフェニレン・テレフタラミド(テクノーラ(登録商標)、帝人テクノプロダクツ株式会社製)などの全芳香族ポリアミド;2,6−ヒドロキシナフトエ酸・パラヒドロキシ安息香酸(ベクトラン(登録商標)、株式会社クラレ製)、ゼクシオン(登録商標、KBセーレン製)などのポリエステル;ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(ザイロン(登録商標)、東洋紡績株式会社製)、ポリイミドなどの有機繊維が挙げられる。これらのなかでも低熱膨張率の観点から、Eガラスクロス、Tガラスクロス、Sガラスクロス、Qガラスクロス、及び有機繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これら基材は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
基材の形状としては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。織布の織り方としては、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、綾織り等が知られており、これら公知のものから目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。また、これらを開繊処理したものやシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布が好適に使用される。基材の厚さや質量は、特に限定されないが、通常は0.01〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。とりわけ、強度と吸水性との観点から、基材は、厚み200μm以下、質量250g/m2以下のガラス織布が好ましく、Eガラス、Sガラス、及びTガラスのガラス繊維からなるガラス織布がより好ましい。
《金属箔張積層板》
本実施形態の組成物は金属箔張積層板にも用いることができる。本実施形態の金属箔張積層板は、上述の樹脂シート、及び、上述のプリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種の片面又は両面に配された金属箔と、を有する金属箔張積層板であって、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種に含まれる樹脂組成物の硬化物を含むものである。すなわち、本実施形態の金属箔張積層板は、例えば、前記プリプレグ及び前記樹脂シートからなる群より選ばれる少なくとも1種と、金属箔とを積層して硬化して得ることができる。
本実施形態の金属箔張積層板は、具体的には、例えば、前記樹脂シート又は前記プリプレグを用いて、その片面もしくは両面に金属箔を配置して積層形成することにより、得ることができる。より具体的には、例えば、前述の樹脂シートあるいは所望によりその支持体を剥離したもの又は前記プリプレグを1枚あるいは複数枚重ね、その片面もしくは両面に銅やアルミニウム等の金属箔を配置した構成とし、これを必要に応じて積層成形することにより、金属箔張積層板を製造することができる。
本実施形態の積層板は、樹脂シートとプリプレグとを各々1枚以上重ねて硬化して得られる積層板であってもよく、樹脂シートとプリプレグと金属箔とを積層して硬化して得られる金属箔張積層板であってもよい。
金属箔は、銅やアルミニウムなどを用いることができる。ここで使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されないが、圧延銅箔や電解銅箔などの公知の銅箔が好ましい。また、金属箔の厚みは、特に限定されないが、1〜70μmが好ましく、より好ましくは1.5〜35μmである。
金属箔張積層板の成形方法及びその成形条件は、特に限定されず、一般的なプリント配線板用積層板及び多層板の手法及び条件を適用することができる。例えば、金属箔張積層板の成形時には多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機などを用いることができる。また、金属箔張積層板の成形において、温度は100〜300℃、圧力は面圧2〜100kgf/cm2、加熱時間は0.05〜5時間の範囲が一般的である。さらに、必要に応じて、150〜300℃の温度で後硬化を行うこともできる。また、上述のプリプレグと、別途作製した内層用の配線板とを組み合わせて積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
《プリント配線板》
本実施形態のプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が、本実施形態の組成物を含む。上述の金属箔張積層板は、所定の配線パターンを形成することにより、プリント配線板として好適に用いることができる。そして、上述の金属箔張積層板は、熱伝導性及び成形性に優れ、そのような性能が要求される半導体パッケージ用プリント配線板として、殊に有効に用いることができる。
本実施形態のプリント配線板は、具体的には、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、上述の金属箔張積層板(銅張積層板等)を用意する。金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内層基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を行い、次いでその内層回路表面に上述のプリプレグを所要枚数重ね、更にその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、硬化物層に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアを除去するためデスミア処理が行われる。その後この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、更に外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成し、プリント配線板が製造される。
例えば、上述のプリプレグ、金属箔張積層板の絶縁層で、上述の組成物を含む絶縁層を構成するができる。
また、金属箔張積層板を用いない場合には、前記プリプレグ、前記樹脂シート、又は前記組成物で構成された層に、回路となる導体層を形成しプリント配線板を作製してもよい。この際、導体層の形成に無電解めっきの手法を用いることもできる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明にて用いた試験方法を以下に示す。
(液状エポキシ樹脂組成物の粘度)
表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子0.25gと、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、jER828)0.75gとを、自転公転ミキサー((株)シンキー製、AR−100)を用いて5分間攪拌し、液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
得られた液状エポキシ樹脂組成物について、レオメーター(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製、HAAKE RheoStress 6000)、コーンプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製、C20/4Ti)を用い、測定温度20℃、周波数0.1Hz、定常応力1000Paにて、測定開始から1440秒後の粘度を求めた。
(ワニスの塗工性)
ワニスを調製し、得られたワニスを、アプリケーター(ギャップ800μm)を用いて銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)マット面に塗工した。得られた塗膜の外観を目視にて確認し、以下の基準でワニス塗工性を評価した。
《基準》
A:スジ、カスレが発生していなかった。
B:スジ、カスレがわずかに発生していた。
C:スジ、カスレが多発していた。
(樹脂硬化物の熱伝導率)
得られたワニスを、アプリケーター(ギャップ800μm)を用いて銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)マット面に塗工し、100℃で10分間乾燥してBステージ樹脂付銅箔を得た。マット面が樹脂に向くよう銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)をBステージ樹脂付銅箔に重ね、真空熱プレス(230℃、30分間、プレス圧力5MPa)により両面銅箔付樹脂硬化物を作製した。両面銅箔付樹脂硬化物から両面の銅箔を剥離し、熱伝導率測定に用いる樹脂硬化物を得た。
得られた樹脂硬化物の"厚み方向熱拡散係数"は、1cm角の大きさに加工した樹脂硬化物をキセノンフラッシュ法熱拡散率測定装置(NETZSCH製、LFA447 NanoFlash)中の試料ホルダにセットし、25℃、大気中の条件下で測定を行うことによって求めた。
樹脂硬化物の"比熱"は、DSC(セイコーインスツル(株)製、EXSTAR6000 DSC6220)を用い、JIS K7123(プラスチックの比熱容量測定方法)に従って求めた。
樹脂硬化物の"比重"は、水中置換法により、密度測定機(メトラー・トレド(株)製、MS−DNY−43)を用いて求めた。
求めた厚み方向熱拡散係数、比熱、比重(密度)から、樹脂硬化物の厚み方向熱伝導率を下記式により求めた。
式:λ=α・Cp・ρ
〔λ:厚み方向熱伝導率(W/m・K)、α:厚み方向熱拡散係数(m2/s)、Cp:比熱(J/g・K)、ρ:密度(kg/m3)〕
(表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の作製)
[実施例1]
六方晶窒化ホウ素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、PT110、平均粒径45μm)20gをアルミナ坩堝(アルミナ99.6%)に充填し、電気炉(ヤマト科学(株)製、FO100)で空気雰囲気下焼成(1000℃、8.5時間、昇温速度:毎分7℃、降温速度:毎分5.5℃)して、焼成六方晶窒化ホウ素粒子を得た。
得られた焼成六方晶窒化ホウ素粒子20gをメチルエチルケトン(以下、"MEK"と称する)300mLに加え、室温で3時間攪拌した。吸引ろ過で回収し、MEKで洗浄して表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を得た。
得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像を図2及び図3に示す。図2に示すように、六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面に、大きさ0.1μmから2μmの凹構造が形成されていることが確認できた。(0001)面に対する凹構造の投影面積の比率は、25%であった。また、図3からわかるように表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の一部が、凝集していることが確認できた。
得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面を原子間力顕微鏡で測定し、表面形状観察を行なうことで得られた断面プロファイル像を図4に示す。図4の上図及び下図の各々における[z1−z2]の値から、深さ7.85nm〜15.9nmの凹構造が形成されていることが確認できた。
得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を用いて液状エポキシ樹脂組成物を作製し、粘度評価を行なった結果、111Pa・sであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
焼成六方晶窒化ホウ素粒子を水・エタノール(以下"EtOH"と称する)混合溶媒(水50vol%、EtOH50vol%)300mLで洗浄した以外は、実施例1と同様にして表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を得た。
得られた表面粗化窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像を図5及び図6に示す。図5に示すように、六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面に、大きさ0.1μmから2μmの凹構造が形成されていることが確認できた。(0001)面に対する凹構造の投影面積の比率は、70%であった。また、図6からわかるように表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の一部が、凝集していることが確認できた。
得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を用いて液状エポキシ樹脂組成物を作製し、粘度評価を行なった結果、112Pa・sであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
焼成六方晶窒化ホウ素粒子を水300mLで洗浄した以外は、実施例1と同様にして表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を得た。
得られた表面粗化窒化ホウ素粒子の電子顕微鏡像を図7及び図8に示す。図7に示すように、六方晶窒化ホウ素粒子の(0001)面に、大きさ0.1μmから2μmの凹構造が形成されていることが確認できた。(0001)面に対する凹構造の投影面積の比率は、65%であった。また、図8からわかるように表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の一部が、凝集していることが確認できた。
得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を用いて液状エポキシ樹脂組成物を作製し、粘度評価を行なった結果、91.4Pa・sであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
六方晶窒化ホウ素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、PT110、平均粒径45μm)を用いて液状エポキシ樹脂組成物を作製し、粘度評価を行なった結果、123Pa・sであった。結果を表1に示す。
[比較例2]
六方晶窒化ホウ素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、PT110、平均粒径45μm)20gをアルミナ坩堝(アルミナ99.6%)に充填し、電気炉(ヤマト科学(株)製、FO100)で空気雰囲気下焼成(1000℃、8.5時間、昇温速度:毎分7℃、降温速度:毎分5.5℃)して、焼成六方晶窒化ホウ素粒子を得た。
得られた焼成六方晶窒化ホウ素粒子を用いて液状エポキシ樹脂組成物を作製し、粘度評価を行なった結果、147Pa・sであった。結果を表1に示す。
実施例1〜3に示した前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を含む樹脂組成物の粘度は、比較例1〜2に示した表面粗化されていない六方晶窒化ホウ素粒子の樹脂組成物と比べて低い粘度を示した。比較例2では、酸化被膜によって粒子表面積が増加したため粘度が上昇したものと推測される。以上から、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子が樹脂親和性に優れることが明らかであった。
(ワニスの塗工性評価)
[実施例4]
トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN−501H)61.4質量部、フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)製、DL−92)38.6質量部、実施例1で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子233.2部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)2.3質量部、2−フェニルイミダゾール(四国化成工業(株)製、2PZ)0.1質量部、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製、試薬特級)144.3質量部を混合し、ワニスを得た。得られたワニスの塗工性を評価した。結果を表2に示した。
[実施例5]
実施例1で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を233.2質量部用いる代わりに、実施例3で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を233.2質量部用いた以外は、実施例4と同様にしてワニスを得た。得られたワニスの塗工性を評価した。結果を表2に示した。
[比較例3]
実施例1で得られた表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を233.2質量部用いる代わりに、六方晶窒化ホウ素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、PT110、平均粒径45μm)を233.2質量部用いた以外は、実施例4と同様にしてワニスを得た。得られたワニスの塗工性を評価した。結果を表2に示した。
実施例4及び5に示した前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を含むワニスは、比較例3に示した表面粗化されていない六方晶窒化ホウ素粒子の樹脂組成物のワニスと比べて、優れた塗工性を示した。
[実施例6]
実施例5で得られたワニスを用いて樹脂硬化物を作製した。樹脂硬化物の熱伝導率を評価した結果、熱伝導率は4W/m・Kであった。
[比較例4]
比較例3で得られたワニスを用いて樹脂硬化物を作製した。樹脂硬化物の熱伝導率を評価した、熱伝導率は4W/m・Kであった。
実施例6に示した前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を含む樹脂硬化物は、比較例4と同等の熱伝導率を示し、凹構造の形成によって樹脂と窒化ホウ素粒子間の熱伝導が阻害されないことが確認された。
前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子は、樹脂との親和性に優れることから、熱伝導性フィラーとして広く且つ有効に利用可能である。また、前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子を含む組成物は、高熱伝導材料として有効に利用可能であり、電気・電子材料、工作機械材料、航空材料等の各種用途において、例えば、絶縁放熱材料、半導体プラスチックパッケージ、封止材料、接着剤、積層材料、レジスト、ビルドアップ積層板材料等として、広く且つ有効に利用可能である。
2016年8月9日に出願された日本国特許出願2016−156500号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
また、明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10 表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子
1 第1の凹部
2 第2の凹部
3 側面(端面)

Claims (15)

  1. (0001)面に凹構造を有する、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
  2. 前記凹構造の深さが0.5nm以上1μm以下である、請求項1に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
  3. 前記凹構造の投影面積が前記(0001)面の投影面積の3%以上97%以下を占める、請求項1又は2に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
  4. 少なくとも一部に凝集部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法であって、
    六方晶窒化ホウ素粒子を焼成して酸化被膜を形成する工程と、
    前記六方晶窒化ホウ素粒子表面に生成した前記酸化被膜の少なくとも一部を除去する工程と、
    を含む、表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
  6. 前記六方晶窒化ホウ素粒子の焼成を空気雰囲気下で行う、請求項5に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
  7. 前記六方晶窒化ホウ素粒子の焼成を200℃以上1200℃以下の温度で行う、請求項5又は6に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
  8. 溶媒洗浄によって前記酸化被膜の少なくとも一部を除去する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子と、樹脂と、を含む組成物。
  10. 前記樹脂が熱硬化性樹脂である、請求項9に記載の組成物。
  11. さらに、前記表面粗化六方晶窒化ホウ素粒子以外のフィラーを含む請求項9又は10に記載の組成物。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物と支持体とを含む樹脂シート。
  13. 基材と、前記基材に含浸又は塗布された、請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物と、を有する、プリプレグ。
  14. 請求項12に記載の樹脂シート、及び、請求項13に記載のプリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種の片面又は両面に配された金属箔と、を有する金属箔張積層板であって、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種に含まれる樹脂組成物の硬化物を含む、金属箔張積層板。
  15. 絶縁層と、前記絶縁層の表面に配された導体層とを有し、
    前記絶縁層が、請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物を含む、プリント配線板。
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