JPWO2018016343A1 - 電荷輸送性薄膜形成用ワニス - Google Patents

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Abstract

式(T1)で表される2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体と、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含み、前記有機溶媒として良溶媒と貧溶媒とを含む電荷輸送性薄膜形成用ワニスを提供する。(式中、RAは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表し、RBは、ヒドロキシ基、オキソ基、又はアセトアミド基を表す。)

Description

本発明は、電荷輸送性薄膜形成用ワニスに関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子には、発光層や電荷注入層として、有機化合物からなる電荷輸送性薄膜が用いられる。この電荷輸送性薄膜の形成方法は、蒸着法に代表されるドライプロセスとスピンコート法に代表されるウェットプロセスとに大別される。ドライプロセスとウェットプロセスとを比べると、大面積に平坦性の高い薄膜を効率的に形成するには、ウェットプロセスに優位性が見出されており、有機ELディスプレイの大型化に向けて、ウェットプロセスによる薄膜形成の実用化が進められている。
この点に鑑み、本発明者らは、各種電子デバイスに適用可能な電荷輸送性薄膜をウェットプロセスで作製するための電荷輸送性薄膜を形成するためのワニスを開発してきている(例えば、特許文献1参照)。
基板電極直上に形成される正孔注入層用のウェットプロセス材料に関しては、高い電荷輸送能と高平坦性とを両立した膜を形成できることが求められる。しかし、高平坦性の膜を得るには、分子間相互作用の弱いアモルファス性の高い分子設計が有効である一方、電荷輸送能を向上させるには分子間相互作用の強い結晶性の高い分子設計が有効であることから、高い電荷輸送能と高平坦性とを両立させることは困難であった。そのため、電荷輸送能を改善した分子骨格によっては、有機溶媒への溶解性が低下したり、塗布後の膜乾燥時に結晶化が引き起こされ、膜荒れが発生したりすることがあり、それらの改善が望まれている。
特開2002−151272号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、電荷輸送性物質の有機溶媒への溶解性を促進させ、かつ成膜時における膜荒れの発生を可及的に抑制可能とする、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体を含む電荷輸送性薄膜形成用ワニスを提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体と、良溶媒と、貧溶媒とを含むワニスが、成膜時における膜荒れの発生を可及的に低減し得ること、具体的には、微小ピクセル内に形成された液膜を真空乾燥する際の膜荒れ発生を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1.式(T1)で表される2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体と、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含み、前記有機溶媒が良溶媒及び貧溶媒を含むことを特徴する電荷輸送性薄膜形成用ワニス、
Figure 2018016343
(式中、RAは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表し、RBは、ヒドロキシ基、オキソ基、又はアセトアミド基を表す。)
2.前記良溶媒が、アミド系溶媒、並びにジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールのグリコール系溶媒からなる群から選ばれる1種以上であり、良溶媒と貧溶媒の比率が質量比で良溶媒:貧溶媒=10:90〜50:50である1の電荷輸送性薄膜形成用ワニス、
3.前記貧溶媒が、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコール以外のグリコール系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、並びにグリコールエーテルアセテート系溶媒からなる群から選ばれる1種以上である1又は2の電荷輸送性薄膜形成用ワニス、
4.前記電荷輸送性物質が、分子量200〜9,500の電荷輸送性化合物を含む1〜3のいずれかの電荷輸送性薄膜形成用ワニス、
5.前記電荷輸送性物質が、分子量200〜9,500のアリールアミン誘導体及びチオフェン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む1〜4のいずれかの電荷輸送性薄膜形成用ワニス、
6.更にドーパントを含む1〜5のいずれかの電荷輸送性薄膜形成用ワニス、
7.前記ドーパントが、アリールスルホン酸を含む6の電荷輸送性薄膜形成用ワニス、
8.1〜7のいずれかの電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いて製造される電荷輸送性薄膜、
9.8の電荷輸送性薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、
10.1〜7のいずれかの電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いることを特徴とする、電荷輸送性薄膜の製造方法、
11.1〜7のいずれかの電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
を提供する。
本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いることで、これを含まないワニスや他の有機酸化剤を含むワニスを用いた場合と比較して、比較的結晶性の高い電荷輸送性物質の有機溶媒中への溶解性を向上することができる。更に、成膜時の膜荒れを抑制し、電荷輸送性薄膜の平坦性向上に寄与する。
また、本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスから得られる薄膜は、帯電防止膜、有機薄膜太陽電池の正孔捕集層等としての使用も期待される。
実施例1〜3、比較例1のワニスを長軸180μmのピクセル基板に塗布成膜した際のピクセル内の膜プロファイルを示す図である。
本発明に係る電荷輸送性薄膜形成用ワニスは、式(T1)で表される2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体を含む。
Figure 2018016343
式中、RAは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表す。炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロブチル基、ビシクロペンチル基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロデシル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基等が挙げられる。
中でも、アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖状アルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基がより一層好ましく、メチル基が最適である。
なお、前記誘導体の合成の容易性の観点から、RAは、全て同一であることが好ましい。
Bは、ヒドロキシ基(OH)、オキソ基(=O)、又はアセトアミド基(NHCOCH3)を表す。
式(T1)で表される2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体の具体例としては、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(ヒドロキシ−TEMPO)、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(オキソ−TEMPO)、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(アセトアミド−TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラエチルピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラエチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラエチルピペリジン−N−オキシル等を挙げることができる。本発明では、特にヒドロキシ−TEMPO、オキソ−TEMPO、アセトアミド−TEMPOが好ましい。
本発明で用いる2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体は、市販品を用いてもよく、例えば、東京化成工業(株)から購入可能である。
本発明のワニス中の2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体の含有量は、電荷輸送性物質(ドーパントを含む場合は、電荷輸送性物質及びドーパント)に対して1〜10質量%程度であり、好ましくは3〜8質量%程度である。
本発明に係る電荷輸送性薄膜形成用ワニスが含む電荷輸送性物質としては、有機ELの分野等で用いられるものを用いることができる。その具体例としては、オリゴアニリン誘導体、N,N'−ジアリールベンジジン誘導体、N,N,N',N'−テトラアリールベンジジン誘導体等のアリールアミン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、チエノチオフェン誘導体、チエノベンゾチオフェン誘導体等のチオフェン誘導体、オリゴピロール等のピロール誘導体等の各種電荷輸送性化合物が挙げられる。中でも、有機溶媒への優れた溶解を示すことから、アリールアミン誘導体、チオフェン誘導体が好ましく、アリールアミン誘導体がより好ましい。
前記電荷輸送性化合物の分子量は、平坦性の高い薄膜を与える均一なワニスを調製する観点から、通常200〜9,500程度であるが、より電荷輸送性に優れる薄膜を得る観点から、300以上が好ましく、400以上がより好ましく、平坦性の高い薄膜をより再現性よく与える均一なワニスを調製する観点から、8,000以下が好ましく、7,000以下がより好ましく、6,000以下がより一層好ましく、5,000以下が更に好ましい。なお、薄膜化した場合に電荷輸送性物質が分離することを防ぐ観点から、電荷輸送性化合物は分子量分布のない(分散度が1)ことが好ましい(すなわち、単一の分子量であることが好ましい)。
アリールアミン誘導体の具体例としては、式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2018016343
式(1)中、X201は、−NY201−、−O−、−S−、−(CR207208)L−又は単結合を表すが、m1又はm2が0であるときは、−NY201−を表す。
201は、互いに独立して、水素原子、Z201で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ202で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
炭素数1〜20のアルキル基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、エテニル基、n−1−プロペニル基、n−2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、n−1−ペンテニル基、n−1−デセニル基、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基の具体例としては、エチニル基、n−1−プロピニル基、n−2−プロピニル基、n−1−ブチニル基、n−2−ブチニル基、n−3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、n−1−ペンチニル基、n−2−ペンチニル基、n−3−ペンチニル基、n−4−ペンチニル基、1−メチル−n−ブチニル基、2−メチル−n−ブチニル基、3−メチル−n−ブチニル基、1,1−ジメチル−n−プロピニル基、n−1−ヘキシニル基、n−1−デシニル基、n−1−ペンタデシニル基、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のヘテロアリール基の具体例としては、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基等が挙げられる。
207及びR208は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホン酸基、カルボキシ基、Z201で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、Z202で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基、又は−NHY202、−NY203204、−C(O)Y205、−OY206、−SY207、−SO3208、−C(O)OY209、−OC(O)Y210、−C(O)NHY211若しくは−C(O)NY212213基を表す。
202〜Y213は、互いに独立して、Z201で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ202で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
201は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホン酸基、カルボキシ基、又はZ203で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
202は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホン酸基、カルボキシ基、又はZ203で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
203は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホン酸基、又はカルボキシ基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
207〜R208及びY202〜Y213のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、R207及びR208としては、水素原子又はZ201で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子又はZ201で置換されていてもよいメチル基がより好ましく、ともに水素原子が最適である。
Lは、−(CR207208)−で表される2価の基の数を表し、1〜20の整数であるが、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜2がより一層好ましく、1が最適である。なお、Lが2以上である場合、複数のR207は、互いに同一であっても異なっていてもよく、複数のR208も、互いに同一であっても異なっていてもよい。
とりわけ、X201としては、−NY201−又は単結合が好ましい。また、Y201としては、水素原子又はZ201で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子又はZ201で置換されていてもよいメチル基がより好ましく、水素原子が最適である。
201〜R206は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホン酸基、カルボキシ基、Z201で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、Z202で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基、又は−NHY202、−NY203204、−C(O)Y205、−OY206、−SY207、−SO3208、−C(O)OY209、−OC(O)Y210、−C(O)NHY211若しくは−C(O)NY212213基を表す(Y202〜Y213は、前記と同じ意味を表す。)。これらハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
特に、式(1)において、R201〜R204としては、水素原子、ハロゲン原子、Z201で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はZ202で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基が好ましく、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、全て水素原子が最適である。
また、R205及びR206としては、水素原子、ハロゲン原子、Z201で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、Z202で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、又はZ202で置換されていてもよいジフェニルアミノ基(Y203及びY204がZ202で置換されていてもよいフェニル基である−NY203204基)が好ましく、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよいジフェニルアミノ基がより好ましく、同時に水素原子又はジフェニルアミノ基がより一層好ましい。
これらの中でも、R201〜R204が水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、R205及びR206が水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいジフェニルアミノ基、X201が−NY201−又は単結合、かつ、Y201が水素原子又はメチル基の組み合わせが好ましく、R201〜R204が水素原子、R205及びR206が同時に水素原子又はジフェニルアミノ基、X201が−NH−又は単結合の組み合わせがより好ましい。
式(1)において、m1及びm2は、互いに独立して、0以上の整数を表し、1≦m1+m2≦20を満たすが、得られる薄膜の電荷輸送性とアリールアミン誘導体の溶解性とのバランスを考慮すると、2≦m1+m2≦8を満たすことが好ましく、2≦m1+m2≦6を満たすことがより好ましく、2≦m1+m2≦4を満たすことがより一層好ましい。
201〜Y213及びR201〜R208において、Z201は、ハロゲン原子、又はZ203で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ203で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
202は、ハロゲン原子、又はZ203で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ203で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
203は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
201〜Y213及びR201〜R208では、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基の炭素数は、好ましくは10以下であり、より好ましくは6以下であり、より一層好ましくは4以下である。また、アリール基及びヘテロアリール基の炭素数は、好ましくは14以下であり、より好ましくは10以下であり、より一層好ましくは6以下である。
式(1)で表されるアリールアミン誘導体の分子量は、有機溶媒への溶解性を確保する観点から、好ましくは9,500以下であり、より好ましくは8,000以下であり、より一層好ましくは7,000以下であり、更に好ましくは6,000以下であり、更に一層好ましくは5,000以下である。また、電荷輸送性を高める観点から、当該分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは400以上である。なお、薄膜化した場合に電荷輸送性物質が分離することを防ぐ観点から、式(1)で表されるアリールアミン誘導体は分子量分布のない(分散度が1)ことが好ましい(すなわち、単一の分子量であることが好ましい)。
なお、アリールアミン誘導体の合成法としては、特に限定されないが、Bulletin of Chemical Society of Japan, 67, pp. 1749-1752 (1994)、Synthetic Metals, 84, pp. 119-120 (1997)、Thin Solid Films, 520 (24), pp. 7157-7163, (2012)、国際公開第2008/032617号、国際公開第2008/032616号、国際公開第2008/129947号、国際公開第2013/084664号等に記載の方法が挙げられる。
式(1)で表されるアリールアミン誘導体の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2018016343
(式中、DPAは、ジフェニルアミノ基を表す。)
Figure 2018016343
(式中、Phは、フェニル基を表し、TPAは、p−(ジフェニルアミノ)フェニル基を表す。)
アリールアミン誘導体の他の具体例としては、式(2)又は(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2018016343
式(3)中、R1及びR2は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられるが、フッ素原子が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基及び炭素数6〜20のアリール基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
炭素数2〜20のヘテロアリール基の具体例としては、2−フラニル基、3−フラニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基等の含酸素ヘテロアリール基;2−チエニル基、3−チエニル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基等の含硫黄ヘテロアリール基;2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、3−ピラジル基、5−ピラジル基、6−ピラジル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、6−ピリミジル基、3−ピリダジル基、4−ピリダジル基、5−ピリダジル基、6−ピリダジル基、1,2,3−トリアジン−4−イル基、1,2,3−トリアジン−5−イル基、1,2,4−トリアジン−3−イル基、1,2,4−トリアジン−5−イル基、1,2,4−トリアジン−6−イル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基、1,2,4,5−テトラジン−3−イル基、1,2,3,4−テトラジン−5−イル基、2−キノリニル基、3−キノリニル基、4−キノリニル基、5−キノリニル基、6−キノリニル基、7−キノリニル基、8−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、4−イソキノリニル基、5−イソキノリニル基、6−イソキノリニル基、7−イソキノリニル基、8−イソキノリニル基、2−キノキサニル基、5−キノキサニル基、6−キノキサニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基等の含窒素ヘテロアリール基等が挙げられる。
これらの中でも、R1及びR2としては、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基が好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基がより一層好ましく、水素原子が最適である。
式(2)及び(3)中、Ph1は、式(P1)で表される基を表す。
Figure 2018016343
式中、R3〜R6は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。これらの具体例としては、前記R1及びR2で説明したものと同様のものが挙げられる。
特に、R3〜R6としては、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基が好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基がより一層好ましく、水素原子が最適である。
以下、Ph1として好適な基の具体例を挙げるが、これに限定されない。
Figure 2018016343
式(2)中、Ar1は、互いに独立して、式(B1)〜(B11)のいずれかで表される基を表すが、特に、式(B1')〜(B11')のいずれかで表される基が好ましい。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
式中、R7〜R27、R30〜R51及びR53〜R154は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい、ジフェニルアミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。R28及びR29は、互いに独立して、Z1で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。R52は、水素原子、Z4で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ1で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ2で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基を表す。Z2は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ3で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。Z3は、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表す。
4は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ5で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。Z5は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ3で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
これらハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数2〜20のヘテロアリール基の具体例としては、前記R1及びR2で説明したものと同様のものが挙げられる。
特に、R7〜R27、R30〜R51及びR53〜R154としては、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジフェニルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基が好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基がより一層好ましく、水素原子が最適である。
28及びR29としては、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、又はZ1で置換されていてもよい炭素数2〜14のヘテロアリール基が好ましく、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、Z1で置換されていてもよいフェニル基、Z1で置換されていてもよい1−ナフチル基、又はZ1で置換されていてもよい2−ナフチル基がより一層好ましい。
52としては、水素原子、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、又はZ4で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜14のヘテロアリール基、又はZ4で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、水素原子、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜14の含窒素ヘテロアリール基、又はZ4で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより一層好ましく、水素原子、Z1で置換されていてもよいフェニル基、Z1で置換されていてもよい1−ナフチル基、Z1で置換されていてもよい2−ナフチル基、Z1で置換されていてもよい2−ピリジル基、Z1で置換されていてもよい3−ピリジル基、Z1で置換されていてもよい4−ピリジル基、又はZ4で置換されていてもよいメチル基が更に好ましい。
Ar4は、互いに独立して、各々のアリール基が炭素数6〜20のアリール基であるジアリールアミノ基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、前記R1及びR2で説明したものと同様のものが挙げられ、前記ジアリールアミノ基の具体例としては、ジフェニルアミノ基、1−ナフチルフェニルアミノ基、ジ(1−ナフチル)アミノ基、1−ナフチル−2−ナフチルアミノ基、ジ(2−ナフチル)アミノ基等が挙げられる。
Ar4としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、p−(ジフェニルアミノ)フェニル基、p−(1−ナフチルフェニルアミノ)フェニル基、p−(ジ(1−ナフチル)アミノ)フェニル基、p−(1−ナフチル−2−ナフチルアミノ)フェニル基、p−(ジ(2−ナフチル)アミノ)フェニル基等が好ましく、p−(ジフェニルアミノ)フェニル基がより好ましい。
以下、Ar1として好適な基の具体例を挙げるが、これらに限定されない。なお、下記式中、DPA及びR52は、前記と同じ意味を表す。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
式(2)中、Ar2は、互いに独立して、式(A1)〜(A18)のいずれかで表される基を表すが、特に、式(A1'−1)〜(A18'−2)のいずれかで表される基が好ましい。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
式中、R155は、水素原子、Z4で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ1で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基若しくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。R156及びR157は、互いに独立して、Z1で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。DPA、Ar4、Z1及びZ4は、前記と同じ意味を表す。これらハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数2〜20のヘテロアリール基の具体例としては、前記R1及びR2で説明したものと同様のものが挙げられる。
特に、R155としては、水素原子、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、又はZ4で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜14のヘテロアリール基、又はZ4で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、水素原子、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜14の含窒素ヘテロアリール基、又はZ4で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより一層好ましく、水素原子、Z1で置換されていてもよいフェニル基、Z1で置換されていてもよい1−ナフチル基、Z1で置換されていてもよい2−ナフチル基、Z1で置換されていてもよい2−ピリジル基、Z1で置換されていてもよい3−ピリジル基、Z1で置換されていてもよい4−ピリジル基、又はZ4で置換されていてもよいメチル基が更に好ましい。
156及びR157としては、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、又はZ1で置換されていてもよい炭素数2〜14のヘテロアリール基が好ましく、Z1で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、Z1で置換されていてもよいフェニル基、Z1で置換されていてもよい1−ナフチル基、又はZ1で置換されていてもよい2−ナフチル基がより一層好ましい。
以下、Ar2として好適な基の具体例を挙げるが、これらに限定されない。なお、下記式中、R155及びDPAは、前記と同じ意味を表す。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
式(2)においては、得られるアリールアミン誘導体の合成の容易性を考慮すると、Ar1が全て同一の基であり、Ar2が全て同一の基であることが好ましく、Ar1及びAr2が全て同一の基であることがより好ましい。すなわち、式(2)で表されるアリールアミン誘導体としては、式(2−1)で表されるものがより好ましい。
Figure 2018016343
式(2−1)中、Ph1は、前記と同じ意味を表す。xは、後述する。Ar5は、同時に、式(D1)〜(D13)のいずれかで表される基を表すが、特に、式(D1')〜(D13')のいずれかで表される基であることが好ましい。なお、下記式中、R28、R29、R52、Ar4及びDPAは、前記と同じ意味を表す。Ar5の具体例としては、Ar1として好適な基の具体例として前述したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
また、後述するように原料化合物として比較的安価なビス(4−アミノフェニル)アミンを用いて比較的簡便に合成できるとともに、得られるアリールアミン誘導体の有機溶媒に対する溶解性に優れていることから、式(2)で表されるアリールアミン誘導体は、式(2−2)で表されるものが好ましい。
Figure 2018016343
式中、Ar6は、同時に、式(E1)〜(E14)のいずれかで表される基を表す。なお、下記式中、R52は、前記と同じ意味を表す。
Figure 2018016343
式(3)中、Ar3は、式(C1)〜(C8)のいずれかで表される基を表すが、特に(C1')〜(C8')のいずれかで表される基が好ましい。なお、下記式中、DPAは、前記と同じ意味を表す。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
式(2)及び(2−1)中、xは、1〜10の整数を表すが、化合物の有機溶媒への溶解性を高める観点から、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2がより一層好ましく、1が最適である。式(3)中、yは、1又は2を表す。
28、R29、R52及びR155〜R157において、Z1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルケニル基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルキニル基がより好ましく、フッ素原子、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルケニル基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルキニル基がより一層好ましい。
28、R29、R52及びR155〜R157において、Z4は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ5で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基が好ましく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ5で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フッ素原子、又はZ5で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基がより一層好ましく、フッ素原子、又はZ5で置換されていてもよいフェニル基が更に好ましい。
28、R29、R52及びR155〜R157において、Z2は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ3で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基が好ましく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ3で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フッ素原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基がより一層好ましく、フッ素原子、又はZ3で置換されていてもよいフェニル基が更に好ましい。
28、R29、R52及びR155〜R157において、Z5は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z3で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、Z3で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基、又はZ3で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z3で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、Z3で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルケニル基、又はZ3で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルキニル基がより好ましく、フッ素原子、Z3で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、Z3で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルケニル基、又はZ3で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルキニル基がより一層好ましい。
28、R29、R52及びR155〜R157において、Z3は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
7〜R27、R30〜R51及びR53〜R154において、Z1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルケニル基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルキニル基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ2で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、フッ素原子、又はZ2で置換されていてもよいメチル基がより一層好ましい。
7〜R27、R30〜R51及びR53〜R154において、Z4は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ5で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ5で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フッ素原子、又はZ5で置換されていてもよいフェニル基がより一層好ましい。
7〜R27、R30〜R51及びR53〜R154において、Z2は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はZ3で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フッ素原子、又はZ3で置換されていてもよいフェニル基がより一層好ましい。
7〜R27、R30〜R51及びR53〜R154において、Z5は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z3で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、Z3で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルケニル基、又はZ3で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルキニル基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、フッ素原子、又はZ3で置換されていてもよいメチル基がより一層好ましい。
7〜R27、R30〜R51及びR53〜R154において、Z3は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
本発明において、R52及びR155として好適な基の具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
Figure 2018016343
本発明において、前記アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基の炭素数は、好ましくは10以下であり、より好ましくは6以下であり、より一層好ましくは4以下である。また、前記アリール基及びヘテロアリール基の炭素数は、好ましくは14以下であり、より好ましくは10以下であり、より一層好ましくは6以下である。
式(2)で表されるアリールアミン誘導体及び式(3)で表されるアリールアミン誘導体の分子量は、平坦性の高い薄膜を与える均一なワニスを調製する観点から、通常200〜9,500程度であるが、平坦性の高い薄膜をより再現性よく与える均一なワニスを調製する観点から、8,000以下が好ましく、7,000以下がより好ましく、6,000以下がより一層好ましく、5,000以下が更に好ましく、より電荷輸送性に優れる薄膜を得る観点から、300以上が好ましく、400以上がより好ましい。なお、薄膜化した場合に電荷輸送性物質が分離することを防ぐ観点から、電荷輸送性化合物は分子量分布のない(分散度が1である)ことが好ましい(すなわち、単一の分子量であることが好ましい)。
式(2)で表されるアリールアミン誘導体及び式(3)で表されるアリールアミン誘導体は、国際公開第2015/050253号記載の方法に従って製造することができる。
以下、式(2)又は(3)で表されるアリールアミン誘導体の具体例を挙げるが、これらに限定されない。なお、式中、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Prn」はn−プロピル基を、「Pri」はi−プロピル基を、「Bun」はn−ブチル基を、「Bui」はi−ブチル基を、「Bus」はs−ブチル基を、「But」はt−ブチル基を、「DPA」はジフェニルアミノ基を、「SBF」は9,9'−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル基を、それぞれ表す。
Figure 2018016343
Figure 2018016343
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本発明のワニス中の電荷輸送性物質の含有量は、ワニスの粘度及び表面張力等や、作製する薄膜の厚み等を勘案して適宜設定されるが、通常、ワニス中0.1〜10.0質量%程度であり、ワニスの塗布性を向上させることを考慮すると、好ましくは0.5〜5.0質量%程度、より好ましくは1.0〜3.0質量%程度である。なお、本発明において、電荷輸送性物質は、前記有機溶媒に対する溶解性を考慮すると、その分子中に少なくとも1つのアミノ基(NH)を有していることが好ましい。
本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスは、得られる薄膜の電荷輸送性をより一層向上させる観点から、ドーパントを含んでもよい。ドーパントとしては、特に限定されないが、アリールスルホン酸が好適である。その一例としては、式(4)又は(5)で表されるアリールスルホン酸が挙げられる。
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式(4)中、A1は−O−又は−S−を表すが、−O−が好ましい。A2はナフタレン環又はアントラセン環を表すが、ナフタレン環が好ましい。A3は2〜4価のパーフルオロビフェニル基を表し、j1はA1とA3との結合数を表し、2≦j1≦4を満たす整数であるが、A3が2価のパーフルオロビフェニル基であり、かつ、j1が2であることが好ましい。j2はA2に結合するスルホン酸基数を表し、1≦j2≦4を満たす整数であるが、2が好適である。
式(5)中、A4〜A8は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基又は炭素数2〜20のハロゲン化アルケニル基を表すが、A4〜A8のうち少なくとも3つはハロゲン原子である。kはナフタレン環に結合するスルホン酸基数を表し、1≦k≦4を満たす整数であるが、2〜4が好ましく、2がより好ましい。
炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基等が挙げられる。炭素数2〜20のハロゲン化アルケニル基としては、パーフルオロビニル基、1−パーフルオロプロペニル基、パーフルオロアリル基、パーフルオロブテニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基の例としては、前記と同様のものが挙げられるが、ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
これらの中でも、A4〜A8は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基又は炭素数2〜10のハロゲン化アルケニル基であり、かつA4〜A8のうち少なくとも3つはフッ素原子であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフッ化アルキル基又は炭素数2〜5のフッ化アルケニル基であり、かつA4〜A8のうち少なくとも3つはフッ素原子であることがより好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜5のパーフルオロアルケニル基であり、かつA4、A5及びA8がフッ素原子であることがより一層好ましい。
なお、パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子全てがフッ素原子に置換された基であり、パーフルオロアルケニル基とは、アルケニル基の水素原子全てがフッ素原子に置換された基である。
前述したアリールスルホン酸の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
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本発明のワニス中のドーパントの含有量は、電荷輸送性物質の種類や量等を勘案して適宜設定されるが、通常、質量比で、電荷輸送性物質に対して0.5〜10程度である。
本発明では、電荷輸送性薄膜形成用ワニスを調製する際に用いられる有機溶媒として、少なくとも1種の良溶媒と、少なくとも1種の貧溶媒を使用する。ここで、良溶媒とは、電荷輸送性物質の溶解能が高い溶媒を意味する。また、貧溶媒とは、電荷輸送性物質に対する溶解性という点では劣るものの、基板に対する濡れ性の向上、溶媒の表面張力の調整、極性の調整、沸点の調整等の目的で使用される溶媒を意味する。
良溶媒としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールのグリコール系溶媒(グリコール系良溶媒という)、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒が挙げられる。本発明では、アミド系溶媒及びグリコール系溶媒が好ましい。これらの良溶媒は、それぞれを単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
貧溶媒としては、前記グリコール系溶媒以外のグリコール系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、グリコールエーテルアセテート系溶媒が挙げられる。
貧溶媒としてのグリコール系溶媒(グリコール系貧溶媒という)の具体例としては、
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、1,3−オクチレングリコール、3,6−オクチレングリコール
等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶媒の具体例としては、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル等のエチレングリコールモノアリールエーテル類、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のプロピレングリコールモノアリールエーテル類等のアルキレングリコールモノアリールエーテル類;
エチレングリコールモノベンジルエーテル等のエチレングリコールモノアラルキルエーテル類、プロピレングリコールモノベンジルエーテル等のプロピレングリコールモノアラルキルエーテル類等のアルキレングリコールモノアラルキルエーテル類;
エチレングリコールブトキシエチルエーテル等のエチレングリコールアルコキシアルキルエーテル類、プロピレングリコールブトキシエチルエーテル等のプロピレングリコールアルコキシアルキルエーテル類等のアルキレングリコールアルコキシアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルのジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類等のジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等のジエチレングリコールモノアリールエーテル類、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル等のジプロピレングリコールモノアリールエーテル類等のジアルキレングリコールモノアリールエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のトリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のトリプロピレングリコールモノアルキルエーテル類等のトリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のトリエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル等のトリプロピレングリコールジアルキルエーテル類等のトリアルキレングリコールジアルキルエーテル類
等が挙げられる。
グリコールエーテルアセテート系溶媒の具体例としては、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールモノアセテート等のエチレングリコールモノアセテート類、プロピレングリコールモノアセテート等のプロピレングリコールモノアセテート類等のアルキレングリコールモノアセテート類;
エチレングリコールジアセテート等のエチレングリコールジアセテート類、プロピレングリコールジアセテート等のプロピレングリコールジアセテート類等のアルキレングリコールジアセテート類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテートのジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等のジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類
等が挙げられる。
本発明では、上記良溶媒及び貧溶媒の好適な組み合わせとしては、良溶媒としてグリコール系良溶媒を、貧溶媒としてトリエチレングリコールジアルキルエーテル類を組み合わせた場合や、良溶媒としてアミド系溶媒を、貧溶媒としてグリコール系貧溶媒及びジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類を組み合わせた場合を挙げることができる。
ワニス中の良溶媒と貧溶媒の比率は、質量比で良溶媒:貧溶媒=10:90〜50:50が好ましく、20:80〜50:50がより好ましい。
本発明では、前記の良溶媒と貧溶媒からそれぞれ選ばれる2種類以上を組合せて用いるが、その組み合わせに限定はなく、特定のTEMPO誘導体を用いた場合には電荷輸送性物質を溶解しワニスを調製することができる。
前記の2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体に対して有機溶媒を適切に使用することにより、電荷輸送性物質の有機溶媒中への溶解が促進され、更に成膜時の膜荒れの発生を可及的に抑制することができる。これにより、確実な成膜が可能となり、電子デバイスの生産性向上に寄与することができる。
本発明のワニスの粘度は、作製する薄膜の厚み等や固形分濃度に応じて適宜設定されるが、通常、25℃で1〜50mPa・sであり、その表面張力は、通常、20〜50mN/mである。
電荷輸送性薄膜形成用ワニスの調製法としては、特に限定されないが、例えば、ドーパントを先に溶媒に溶解させ、そこへ電荷輸送性物質、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体を順次加える手法や、電荷輸送性物質、ドーパント、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体の混合物を溶媒に溶解させる手法が挙げられる。
また、有機溶媒が複数ある場合は、複数の有機溶媒の混合溶媒に、電荷輸送性物質、ドーパント、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体を順次、あるいはこれらを同時に溶解させることが好ましい。
本発明においては、電荷輸送性薄膜形成用ワニスは、高平坦性薄膜を再現性よく得る観点から、電荷輸送性物質、ドーパント等を有機溶媒に溶解させた後、サブマイクロオーダーのフィルター等を用いて濾過することが望ましい。
本発明の電荷輸送薄膜形成用ワニスを基材上に塗布して乾燥後に焼成することで、基材上に電荷輸送性機能を発現した薄膜を形成させることができる。
ワニスの塗布方法としては、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法、スリットコート法等が挙げられるが、これらに限定されない。塗布方法は、大型基板上への成膜を考慮すると、インクジェット法、スプレー法、スリットコート法、ロールコート法が好ましい。なお、塗布方法に応じて、ワニスの粘度及び表面張力を調節することが好ましい。
焼成温度は、得られる薄膜の用途、得られる薄膜に付与する電荷輸送性の程度等を勘案して、概ね100〜260℃の範囲内で適宜設定されるが、有機EL素子の正孔注入層として用いる場合、140〜250℃程度が好ましく、150〜230℃程度がより好ましい。また、加熱は、例えば、ホットプレートやオーブン等、適当な機器を用いて行えばよい。
電荷輸送性薄膜の膜厚は、特に限定されないが、有機EL素子の正孔注入層として用いる場合、5〜500nmが好ましく、10〜300nmがより好ましい。膜厚を変化させる方法としては、ワニス中の電荷輸送性物質等の濃度を変化させたり、塗布時の基板上の溶液量を変化させたりする等の方法がある。
得られる電荷輸送性薄膜の表面粗さRaは、10nm以下が好ましく、8nm以下がより好ましく、6nm以下が更に好ましい。表面粗さRaが上限以下であることにより、有機EL素子を駆動させた際の短絡発生が、効果的に低減される。
本発明の電荷輸送性薄膜は、有機EL素子において、正孔注入層として好適に用いることができるが、正孔注入輸送層等の電荷輸送性機能層としても使用可能である。
本発明の有機EL素子は、一対の電極を有し、これら電極の間に、前述の本発明の電荷輸送性薄膜を有するものである。
有機EL素子の代表的な構成としては、下記(a)〜(f)が挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記構成において、必要に応じて、発光層と陽極の間に電子ブロック層等を、発光層と陰極の間にホール(正孔)ブロック層等を設けることもできる。また、正孔注入層、正孔輸送層あるいは正孔注入輸送層が電子ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよく、電子注入層、電子輸送層あるいは電子注入輸送層がホール(正孔)ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよい。
(a)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(b)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(c)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(f)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極
「正孔注入層」、「正孔輸送層」及び「正孔注入輸送層」とは、発光層と陽極との間に形成される層であって、正孔を陽極から発光層へ輸送する機能を有するものである。発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「正孔注入輸送層」であり、発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陽極に近い層が「正孔注入層」であり、それ以外の層が「正孔輸送層」である。特に、正孔注入層及び正孔注入輸送層は、陽極からの正孔受容性だけでなく、それぞれ正孔輸送層及び発光層への正孔注入性にも優れる薄膜が用いられる。
「電子注入層」、「電子輸送層」及び「電子注入輸送層」とは、発光層と陰極との間に形成される層であって、電子を陰極から発光層へ輸送する機能を有するものである。発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「電子注入輸送層」であり、発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陰極に近い層が「電子注入層」であり、それ以外の層が「電子輸送層」である。
「発光層」とは、発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料とを含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いて有機EL素子を作製する場合の使用材料や作製方法としては、下記のようなものが挙げられるが、これらに限定されない。
使用する電極基板は、洗剤、アルコール、純水等による液体洗浄をあらかじめ行って浄化しておくことが好ましい。
本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスから得られる薄膜が正孔注入層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法の一例は、以下のとおりである。
前述の方法により、陽極基板上に本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスを塗布して焼成し、電極上に正孔注入層を作製する。この正孔注入層の上に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極をこの順で設ける。正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層は、用いる材料の特性等に応じて、蒸着法又は塗布法(ウェットプロセス)のいずれかで形成すればよい。
陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極や、アルミニウムに代表される金属やこれらの合金等から構成される金属陽極が挙げられ、平坦化処理を行ったものが好ましい。高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体を用いることもできる。
なお、金属陽極を構成するその他の金属としては、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、インジウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ハフニウム、タリウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ、金、チタン、鉛、ビスマスやこれらの合金等が挙げられるが、これらに限定されない。
正孔輸送層を形成する材料としては、(トリフェニルアミン)ダイマー誘導体、[(トリフェニルアミン)ダイマー]スピロダイマー、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン(α−NPD)、N,N'−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−2,2'−ジメチルベンジジン、2,2',7,7'−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ビフェニル−4−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ナフタレン−2−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニルアミノ)−フェニル]−9H−フルオレン、2,2',7,7'−テトラキス[N−ナフタレニル(フェニル)−アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(フェナントレン−9−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、2,2'−ビス[N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、2,2'−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、ジ−[4−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)−フェニル]シクロヘキサン、2,2',7,7'−テトラ(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)−9,9−スピロビフルオレン、N,N,N',N'−テトラ−ナフタレン−2−イル−ベンジジン、N,N,N',N'−テトラ−(3−メチルフェニル)−3,3'−ジメチルベンジジン、N,N'−ジ(ナフタレニル)−N,N'−ジ(ナフタレン−2−イル)−ベンジジン、N,N,N',N'−テトラ(ナフタレニル)−ベンジジン、N,N'−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ジフェニルベンジジン−1,4−ジアミン、N1,N4−ジフェニル−N1,N4−ジ(m−トリル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N2,N2,N6,N6−テトラフェニルナフタレン−2,6−ジアミン、トリス(4−(キノリン−8−イル)フェニル)アミン、2,2'−ビス(3−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)フェニル)ビフェニル、4,4',4''−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4',4''−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA)等のトリアリールアミン類、5,5''−ビス−{4−[ビス(4−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−2,2':5',2''−ターチオフェン(BMA−3T)等のオリゴチオフェン類等の正孔輸送性低分子材料等が挙げられる。
発光層を形成する材料としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、ビス(8−キノリノラート)亜鉛(II)(Znq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(BAlq)、4,4'−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2−[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2,2'−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,3,5−トリス(ピレン−1−イル)ベンゼン、9,9−ビス[4−(ピレニル)フェニル]−9H−フルオレン、2,2'−ビ(9,10−ジフェニルアントラセン)、2,7−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、1,3−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、6,13−ジ(ビフェニル−4−イル)ペンタセン、3,9−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、3,10−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、トリス[4−(ピレニル)−フェニル]アミン、10,10'−ジ(ビフェニル−4−イル)−9,9'−ビアントラセン、N,N'−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−[1,1':4',1'':4'',1'''−クォーターフェニル]−4,4'''−ジアミン、4,4'−ジ[10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−イル]ビフェニル、ジベンゾ{[f,f']−4,4',7,7'−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1',2',3'−lm]ペリレン、1−(7−(9,9'−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1−(7−(9,9'−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、1,3,5−トリス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、4,4',4''−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2'−ジメチルビフェニル、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチルフルオレン、2,2',7,7'−テトラキス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジ(p−トリル)フルオレン、9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)−フェニル]フルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−メチルフェニルメタン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン、4,4''−ジ(トリフェニルシリル)−p−ターフェニル、4,4'−ジ(トリフェニルシリル)ビフェニル、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ジトリチル−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(9−(4−メトキシフェニル)−9H−フルオレン−9−イル)−9H−カルバゾール、2,6−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、トリフェニル(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)シラン、9,9−ジメチル−N,N−ジフェニル−7−(4−(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−フルオレン−2−アミン、3,5−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、9,9'−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)、3−(2,7−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール、4,4,8,8,12,12−ヘキサ(p−トリル)−4H−8H−12H−12C−アザジベンゾ[cd,mn]ピレン、4,7−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−1,10−フェナントロリン、2,2'−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)ビフェニル、2,8−ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン、ビス(2−メチルフェニル)ジフェニルシラン、ビス[3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジフェニルシラン、3,6−ビス(カルバゾール−9−イル)−9−(2−エチル−ヘキシル)−9H−カルバゾール、3−(ジフェニルホスホリル)−9−(4−(ジフェニルホスホリル)フェニル)−9H−カルバゾール、3,6−ビス[(3,5−ジフェニル)フェニル]−9−フェニルカルバゾール等が挙げられる。これらの材料と発光性ドーパントとを共蒸着することによって、発光層を形成してもよい。
発光性ドーパントとしては、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−10−(2−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1gh]クマリン、キナクリドン、N,N'−ジメチル−キナクリドン、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(ppy)2(acac))、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(III)(Ir(mppy)3)、9,10−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]アントラセン、9,10−ビス[フェニル(m−トリル)アミノ]アントラセン、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(II)、N10,N10,N10,N10−テトラ(p−トリル)−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、N10,N10,N10,N10−テトラフェニル−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、N10,N10−ジフェニル−N10,N10−ジナフタレニル−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、4,4'−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1'−ビフェニル、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン、1,4−ビス[2−(3−N−エチルカルバゾリル)ビニル]ベンゼン、4,4'−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4'−[(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、ビス[3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)]イリジウム(III)、4,4'−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレートイリジウム(III)、N,N'−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−トリス(9,9−ジメチルフルオレニレン)、2,7−ビス{2−[フェニル(m−トリル)アミノ]−9,9−ジメチル−フルオレン−7−イル}−9,9−ジメチル−フルオレン、N−(4−((E)−2−(6((E)−4−(ジフェニルアミノ)スチリル)ナフタレン−2−イル)ビニル)フェニル)−N−フェニルベンゼンアミン、fac−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2)、mer−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2)、2,7−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]−9,9−スピロビフルオレン、6−メチル−2−(4−(9−(4−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェニル)アントラセン−10−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール、1,4−ジ[4−(N,N−ジフェニル)アミノ]スチリルベンゼン、1,4−ビス(4−(9H−カルバゾール−9−イル)スチリル)ベンゼン、(E)−6−(4−(ジフェニルアミノ)スチリル)−N,N−ジフェニルナフタレン−2−アミン、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)(5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾール)((2,4−ジフルオロベンジル)ジフェニルホスフィネート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(ベンジルジフェニルホスフィネート)イリジウム(III)、ビス(1−(2,4−ジフルオロベンジル)−3−メチルベンズイミダゾリウム)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(4',6'−ジフルオロフェニルピリジネート)イリジウム(III)、ビス(4',6'−ジフルオロフェニルピリジナト)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)−2−(2'−ピリジル)ピロレート)イリジウム(III)、ビス(4',6'−ジフルオロフェニルピリジナト)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、(Z)−6−メシチル−N−(6−メシチルキノリン−2(1H)−イリデン)キノリン−2−アミン−BF2、(E)−2−(2−(4−(ジメチルアミノ)スチリル)−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−ジュロリジル−9−エニル−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン、トリス(ジベンゾイルメタン)フェナントロリンユーロピウム(III)、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[4,4'−ジ−t−ブチル−(2,2')−ビピリジン]ルテニウム(III)・ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、2,8−ジ−t−ブチル−5,11−ビス(4−t−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、5,10,15,20−テトラフェニルテトラベンゾポルフィリン白金、オスミウム(II)ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジン)−ピラゾレート)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジフェニルメチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジメチルフェニルホスフィン、ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン]イリジウム(III)、トリス[2−フェニル−4−メチルキノリン]イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジエチル−フルオレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルピリジン)(3−(ピリジン−2−イル)−2H−クロメン−2−オネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、ビス(フェニルイソキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(4−フェニルチエノ[3,2−c]ピリジナト−N,C2)アセチルアセトネート、(E)−2−(2−t−ブチル−6−(2−(2,6,6−トリメチル−2,4,5,6−テトラヒドロ−1H−ピローロ[3,2,1−ij]キノリン−8−イル)ビニル)−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(1−イソキノリル)ピラゾレート)(メチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス[(4−n−ヘキシルフェニル)イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、白金(II)オクタエチルポルフィン、ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[(4−n−ヘキシルフェニル)キソキノリン]イリジウム(III)等が挙げられる。
電子輸送層を形成する材料としては、8−ヒドロキシキノリノレート−リチウム、2,2',2''−(1,3,5−ベンジントリル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)、2−(4−ビフェニル)5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム、1,3−ビス[2−(2,2'−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、6,6'−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2'−ビピリジン、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,7−ビス[2−(2,2'−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5f][1,10]フェナントロリン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、フェニル−ジピレニルホスフィンオキサイド、3,3',5,5'−テトラ[(m−ピリジル)−フェン−3−イル]ビフェニル、1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン、4,4'−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ビフェニル、1,3−ビス[3,5−ジ(ピリジン−3−イル)フェニル]ベンゼン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ジフェニルビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)シラン、3,5−ジ(ピレン−1−イル)ピリジン等が挙げられる。
電子注入層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al2O3)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、三酸化モリブデン(MoO3)、アルミニウム、リチウムアセチルアセトネート(Li(acac))、酢酸リチウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。
また、本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスから得られる薄膜が正孔注入層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法のその他の例は、以下のとおりである。
前述した有機EL素子作製方法において、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の真空蒸着操作を行うかわりに、正孔輸送層、発光層を順次形成することによって本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスによって形成される電荷輸送性薄膜を有する有機EL素子を作製することができる。具体的には、陽極基板上に本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスを塗布して前記の方法により正孔注入層を作製し、その上に正孔輸送層、発光層を順次形成し、更に陰極材料を蒸着して有機EL素子とする。
使用する陰極及び陽極材料としては、前述のものと同様のものが使用でき、同様の洗浄処理、表面処理を行うことができる。
正孔輸送層及び発光層の形成方法としては、正孔輸送性高分子材料若しくは発光性高分子材料、又はこれらにドーパントを加えた材料に溶媒を加えて溶解するか、均一に分散し、それぞれ正孔注入層又は正孔輸送層の上に塗布した後、焼成することで成膜する方法が挙げられる。
正孔輸送性高分子材料としては、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,1'−ビフェニレン−4,4−ジアミン)]、ポリ[(9,9−ビス{1'−ペンテン−5'−イル}フルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン]−エンドキャップド ウィズ ポリシルセスキオキサン、ポリ[(9,9−ジジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(p−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]等が挙げられる。
発光性高分子材料としては、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)等のポリフルオレン誘導体、ポリ(2−メトキシ−5−(2'−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)等のポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロホルム等が挙げられる。溶解又は均一分散法としては、攪拌、加熱攪拌、超音波分散等の方法が挙げられる。
塗布方法としては、特に限定されず、インクジェット法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り等が挙げられる。なお、塗布は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
焼成方法としては、不活性ガス下又は真空中、オーブン又はホットプレートで加熱する方法が挙げられる。
本発明の電荷輸送性薄膜形成用ワニスから得られる薄膜が正孔注入輸送層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法の一例は、以下のとおりである。
陽極基板上に正孔注入輸送層を形成し、この正孔注入輸送層の上に、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極をこの順で設ける。発光層、電子輸送層及び電子注入層の形成方法及び具体例としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
陽極材料、発光層、発光性ドーパント、電子輸送層及び電子ブロック層を形成する材料、陰極材料としては、前述したものと同じものが挙げられる。
なお、電極及び前記各層の間の任意の間に、必要に応じてホールブロック層、電子ブロック層等を設けてもよい。例えば、電子ブロック層を形成する材料としては、トリス(フェニルピラゾール)イリジウム等が挙げられる。
陽極と陰極及びこれらの間に形成される層を構成する材料は、ボトムエミッション構造、トップエミッション構造のいずれを備える素子を製造するかで異なるため、その点を考慮して、適宜材料を選択する。
通常、ボトムエミッション構造の素子では、基板側に透明陽極が用いられ、基板側から光が取り出されるのに対し、トップエミッション構造の素子では、金属からなる反射陽極が用いられ、基板と反対方向にある透明電極(陰極)側から光が取り出される。そのため、例えば陽極材料について言えば、ボトムエミッション構造の素子を製造する際はITO等の透明陽極を、トップエミッション構造の素子を製造する際はAl/Nd等の反射陽極を、それぞれ用いる。
本発明の有機EL素子は、特性悪化を防ぐため、定法に従い、必要に応じて捕水剤等と共に封止してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。なお、使用した装置は以下のとおりである。
(1)膜荒れ評価時のワニスの塗布:クラスターテクノロジー (株)製、インクジェットシステム
(2)真空乾燥装置:(株)メジャージグ製、マイクロ真空チャンバMJ-8S
(3)真空乾燥用ポンプ:(株)アルバック製、ターボ分子ポンプUTM-50/T9
(4)膜厚測定と膜面評価:(株)小坂研究所製、微細形状測定機サーフコーダET-4000
(5)素子評価時のワニスの塗布:ミカサ(株)製、スピンコーターMS-A100
(6)有機EL素子の作製:長州産業(株)製、多機能蒸着装置システムC-E2L1G1-N
(7)有機EL素子の輝度等の測定:(株)イーエッチシー製、I-V-L測定システム
(8)有機EL素子の寿命測定(LT95:輝度が初期輝度から5%低下する時間の測定):(株)イーエッチシー製、有機EL輝度寿命評価システムPEL-105S
[1]電荷輸送性ワニスの調製及び溶解性の評価
[実施例1−1]
ジエチレングリコール(8.0g)及びトリエチレングリコールジメチルエーテル(12.0g)からなる混合溶媒に式(b−1)で表されるアリールスルホン酸0.431gを溶解後、式(f)で表されるアリールアミン誘導体0.188gと、オキソ−TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gとを、加え、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解した。得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、電荷輸送性ワニスAを得た。なお、前記アリールアミン誘導体は、国際公開第2015/050253号記載の方法に従って、前記アリールスルホン酸は、国際公開第2006/025342号記載の方法に従って、それぞれ合成した。
Figure 2018016343
[実施例1−2]
実施例1−1で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、RBがヒドロキシ基であるヒドロキシ−TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−1と同様の方法でワニスを調製し、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解し、フィルター濾過後、電荷輸送性ワニスBを得た。
[実施例1−3]
実施例1−1で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、RBがアセトアミド基であるアセトアミド−TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−1と同様の方法でワニスを調製し、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解し、フィルター濾過後、電荷輸送性ワニスCを得た。
[実施例1−4]
実施例1−1で使用した混合溶媒のかわりに、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(6.6g)、2,3−ブタンジオール(8g)及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル(5.4g)の混合溶媒を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法でワニスを調製し、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解し、フィルター濾過後、電荷輸送性ワニスDを得た。
[実施例1−5]
実施例1−4で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、ヒドロキシ−TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−4と同様の方法でワニスを調製し、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解し、フィルター濾過後、電荷輸送性ワニスEを得た。
[実施例1−6]
実施例1−4で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、アセトアミド−TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−4と同様の方法でワニスを調製し、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解し、フィルター濾過後、電荷輸送性ワニスFを得た。
[比較例1−1]
実施例1−1にてオキソ−TEMPOを加えないこと以外は、実施例1−1と同様の方法でワニスを調製したが、70℃、400rpm、30分間の攪拌後も、アリールアミン誘導体は溶解しきらなかった。
[比較例1−2]
実施例1−4にてオキソ−TEMPOを加えないこと以外は、実施例1−4と同様の方法でワニスを調製したが、70℃、400rpm、30分間の攪拌後も、アリールアミン誘導体は溶解しきらなかった。
[比較例1−3]
実施例1−1で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−1と同様の方法でワニスを調製し、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解し、フィルター濾過後、電荷輸送性ワニスGを得た。
[比較例1−4]
実施例1−4で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−4と同様の方法でワニスを調製し、50℃、400rpm、10分間攪拌した。これにより、アリールアミン誘導体は完全に溶媒に溶解し、フィルター濾過後、電荷輸送性ワニスHを得た。
[比較例1−5]
実施例1−1で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、これと同様に汎用される有機酸化剤である2−アザアダマンタン−N−オキシル(以下、AZADOという。)0.050gを用いた以外は、実施例1−1と同様の方法でワニスを調製したが、70℃、400rpm、30分間の攪拌後も、アリールアミン誘導体は溶解しきらなかった。なお、AZADOは、国際公開第2010/123115号及び国際公開第2006/001387号、並びにJ. Am. Chem. Soc., 2006, 128 (26), pp. 8412-8413及びそのサポーティングインフォメーションを参考に合成した。
[比較例1−6]
実施例1−4で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、AZADO0.050gを用いた以外は、実施例1−4と同様の方法でワニスを調製したが、70℃、400rpm、30分間の攪拌後も、アリールアミン誘導体は溶解しきらなかった。
[比較例1−7]
実施例1−1で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、RBがアミノ基であるアミノ−TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−1と同様の方法でワニスを調製したが、70℃、400rpm、30分間の攪拌後も、アリールアミン誘導体は溶解しきらなかった。
[比較例1−8]
実施例1−4で使用したオキソ−TEMPOのかわりに、アミノ−TEMPO(東京化成工業(株)製)0.050gを用いた以外は、実施例1−4と同様の方法でワニスを調製したが、70℃、400rpm、30分間の攪拌後も、アリールアミン誘導体は溶解しきらなかった。
溶解性の評価結果を表19にまとめた。下記表19では、溶解性の評価について、アリールアミン誘導体が完全に溶解した場合を○、溶解しきらなかった場合を×で表した。その結果、溶媒の組成に関わらず、TEMPO、オキソ−TEMPO、ヒドロキシ−TEMPO又はアセトアミド−TEMPOを加えた場合において、アリールアミン誘導体は混合溶媒に完全に溶解していることが確認できた。一方、AZADOやアミノ−TEMPOを加えた場合は、アリールアミン誘導体が溶解しきらなかったことが確認できた。これらの結果より、TEMPO及び特定のTEMPO誘導体が溶解性促進に寄与していることが分かる。
Figure 2018016343
[2]ピクセル内平坦性評価
[実施例2−1]
ピクセル幅(構造物間)90×180μm、高さ1.5μmの撥液性構造物を有するITO基板と実施例1−1で作製した電荷輸送性ワニスAを用い、インクジェット法によりピクセル内に液膜を形成し、真空乾燥装置にて溶媒を揮発させることにより、膜厚約200nmの乾燥膜を作製した。その後、微細形状測定機サーフコーダET−4000にてピクセル内の長軸方向の表面粗さ(Ra)を測定した。結果を表20に併記する。また、ピクセル内の長軸方向の膜プロファイルを図1に示す。
[実施例2−2]
実施例1−2で作製した電荷輸送性ワニスBを用いた以外は、実施例2−1と同様に乾燥膜の表面粗さを評価した。結果を表20及び図1に示す。
[実施例2−3]
実施例1−3で作製した電荷輸送性ワニスCを用いた以外は、実施例2−1と同様に乾燥膜の表面粗さを評価した。結果を表20及び図1に示す。
[比較例2−1]
比較例1−3で作製した電荷輸送性ワニスGを用いた以外は、実施例2−1と同様に乾燥膜の表面粗さを評価した。結果を表20及び図1に示す。
Figure 2018016343
表20及び図1より、特定のTEMPO誘導体を使用した場合、TEMPO使用時よりもピクセル内の乾燥膜の膜荒れが抑制されていることが分かる。これは、揮発性の高いTEMPOでは液膜の乾燥過程において、アリールアミン誘導体の結晶化を引き起こしているのに対し、TEMPOよりも揮発性の低い(即ち、高沸点の)TEMPO誘導体では、アリールアミン誘導体の結晶化を抑制しているためと考えられる。
[3]ホールオンリー素子(HOD)の作製及び特性評価
以下の実施例及び比較例において、ITO基板としては、ITOが表面上に膜厚150nmでパターニングされた25mm×25mm×0.7tのガラス基板を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除去したものを使用した。
[実施例3−1]
電荷輸送性ワニスAを、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、大気下で、120℃で1分間仮焼成をし、次いで230℃で15分間本焼成をし、ITO基板上に50nmの薄膜を形成した。
その上に、蒸着装置(真空度2.0×10-5Pa)を用いてα−NPD及びアルミニウムの薄膜を順次積層し、HODを得た。蒸着は、蒸着レート0.2nm/秒の条件で行った。α−NPD及びアルミニウムの薄膜の膜厚は、それぞれ30nm及び80nmとした。
なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、HODは封止基板により封止した後、その特性を評価した。封止は、以下の手順で行った。
酸素濃度2ppm以下、露点−85℃以下の窒素雰囲気中で、HODを封止基板の間に収め、封止基板を接着材((株)MORESCO製モレスコモイスチャーカットWB90US(P))により貼り合わせた。この際、捕水剤(ダイニック(株)製HD-071010W-40)をHODと共に封止基板内に収めた。貼り合わせた封止基板に対し、UV光を照射(波長365nm、照射量6,000mJ/cm2)した後、80℃で1時間、アニーリング処理して接着材を硬化させた。
[実施例3−2]
電荷輸送性ワニスAのかわりに電荷輸送性ワニスBを用いた以外は、実施例3−1と同様の方法でHODを作製した。
[実施例3−3]
電荷輸送性ワニスAのかわりに電荷輸送性ワニスCを用いた以外は、実施例3−1と同様の方法でHODを作製した。
[比較例3−1]
電荷輸送性ワニスAのかわりに電荷輸送性ワニスGを用いた以外は、実施例3−1と同様の方法でHODを作製した。
前記実施例及び比較例で作製した各HODについて、駆動電圧3Vにおける電流密度を測定した。結果を表21に示す。
Figure 2018016343
表21に示したように、本発明で用いた特定のTEMPO誘導体を含む電荷輸送性薄膜は、TEMPOを含む電荷輸送性薄膜と比べて、同等ないしはそれ以上の正孔輸送性を示した。
[4]有機EL素子の製造及び特性評価
以下の実施例及び比較例において、ITO基板としては、ITOが表面上に膜厚150nmでパターニングされた25mm×25mm×0.7tのガラス基板を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除去したものを使用した。
[実施例4−1]
電荷輸送性ワニスAを、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、120℃で1分間乾燥し、更に、大気雰囲気下、230℃で15分間焼成し、ITO基板上に50nmの均一な薄膜を形成した。
次いで、薄膜を形成したITO基板に対し、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いてα−NPDを0.2nm/秒にて30nm成膜した。次に、CBPとIr(PPy)3を共蒸着した。共蒸着はIr(PPy)3の濃度が6%になるように蒸着レートをコントロールし、40nm積層させた。次いで、Alq3、フッ化リチウム及びアルミニウムの薄膜を順次積層して有機EL素子を作製した。この際、蒸着レートは、Alq3及びアルミニウムについては0.2nm/秒、フッ化リチウムについては0.02nm/秒の条件でそれぞれ行い、膜厚は、それぞれ20nm、0.5nm及び80nmとした。
なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、有機EL素子は封止基板により封止した後、その特性を評価した。封止は、前記と同様の方法で行った。
[実施例4−2]
電荷輸送性ワニスAのかわりに電荷輸送性ワニスBを用いた以外は、実施例4−1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
[比較例4−1]
電荷輸送性ワニスAのかわりに電荷輸送性ワニスGを用いた以外は、実施例4−1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
これらの素子について、輝度1,000cd/m2における電圧、電流効率、LT95(初期輝度1,000cd/m2)を測定した。結果を表22に示す。なお、各素子の発光面サイズの面積は、2mm×2mmとした。
Figure 2018016343
表22に示したように、本発明で用いた特定のTEMPO誘導体を含む電荷輸送性薄膜は、TEMPOを含む電荷輸送性薄膜と比べて、同等の有機EL特性を示した。

Claims (11)

  1. 式(T1)で表される2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−N−オキシル誘導体と、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含み、前記有機溶媒が良溶媒及び貧溶媒を含むことを特徴する電荷輸送性薄膜形成用ワニス。
    Figure 2018016343
    (式中、RAは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表し、RBは、ヒドロキシ基、オキソ基、又はアセトアミド基を表す。)
  2. 前記良溶媒が、アミド系溶媒、並びにジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールのグリコール系溶媒からなる群から選ばれる1種以上であり、良溶媒と貧溶媒の比率が質量比で良溶媒:貧溶媒=10:90〜50:50である請求項1記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニス。
  3. 前記貧溶媒が、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコール以外のグリコール系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、並びにグリコールエーテルアセテート系溶媒からなる群から選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニス。
  4. 前記電荷輸送性物質が、分子量200〜9,500の電荷輸送性化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニス。
  5. 前記電荷輸送性物質が、分子量200〜9,500のアリールアミン誘導体及びチオフェン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれか1項記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニス。
  6. 更にドーパントを含む請求項1〜5のいずれか1項記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニス。
  7. 前記ドーパントが、アリールスルホン酸を含む請求項6記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニス。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いて製造される電荷輸送性薄膜。
  9. 請求項8記載の電荷輸送性薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いることを特徴とする、電荷輸送性薄膜の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項記載の電荷輸送性薄膜形成用ワニスを用いることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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