JPWO2017221547A1 - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線通信機能を維持しながら、無線通信装置にかかるコストを低減することが可能な仕組みを提供する。【解決手段】少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報に基づいて、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームの生成を制御する制御部と、前記参入要求フレームを送信する送信部と、を備える無線通信装置。少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報が格納される通知フレームを送信する送信部と、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームを受信する受信部と、を備える無線通信装置。【選択図】図9

Description

本開示は、無線通信装置および無線通信方法に関する。
近年、通信技術の発展に伴い、様々な形態の通信方式が研究開発されている。具体的には、無線通信装置が他の無線通信装置を介して無線通信を行う技術がある。例えば、特許文献1では、無線通信デバイスは無線通信ユニットを備え、無線通信ユニットは、無線通信ユニットと他の無線通信デバイスとの間の無線通信リンクを介して他の無線通信デバイスの備える無線周波数モジュールを制御することにより無線通信を行う技術が開示されている。
特表2014−529247号公報
しかし、特許文献1で開示される技術では、無線通信装置について様々な観点でコストがかかる。例えば、開示される複数の無線通信デバイスには、送信機能、受信機能および無線通信デバイス間の無線通信リンク機能の全てが要される。そのため、無線通信デバイスの製造にコストがかかる。また、受信機能および無線通信デバイス間の無線通信リンク機能の全てが稼働させられることにより、消費電力または計算資源の観点でもコストがかかる。特に、無線通信デバイスが有するバッテリーの容量には概して限りがあるため、消費電力はできる限り削減されることが望ましい。
そこで、本開示では、無線通信機能を維持しながら、無線通信装置にかかるコストを低減することが可能な、新規かつ改良された仕組みを提案する。
本開示によれば、少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報に基づいて、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームの生成を制御する制御部と、前記参入要求フレームを送信する送信部と、を備える無線通信装置が提供される。
また、本開示によれば、少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報が格納される通知フレームを送信する送信部と、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームを受信する受信部と、を備える無線通信装置が提供される。
また、本開示によれば、プロセッサを用いて、少なくとも1つの無線通信装置のグループについて設定される、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される第1のフレームを生成することと、前記第1のフレームを送信することと、を含む無線通信方法が提供される。
以上説明したように本開示によれば、無線通信機能を維持しながら、無線通信装置にかかるコストを低減することが可能な仕組みが提供される。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。以下、無線通信装置を単に通信装置とも称する。
本開示の一実施形態に係る通信システムの物理的な構成例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る通信システムの物理的な構成例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る通信装置の概略的な機能構成の例を示すブロック図である 本開示の一実施形態に係る通信装置におけるオブジェクト形成機能を説明するためのフレームシーケンスである。 本開示の一実施形態に係る通信装置における通信的役割に基づく通信の例を説明するためのフレームシーケンスである。 本開示の一実施形態に係る通信装置におけるオブジェクトメンテナンス機能を説明するためのフレームシーケンスである。 本開示の一実施形態に係る通信装置におけるドッキングを伴う通信の流れを説明するためのシーケンス図である。 本開示の一実施形態に係る通信装置により通信される第1のフレームの構成例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る通信装置により通信される役割情報エレメントの構成例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る状態情報信号の構成例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る通信装置において登録されるオブジェクト管理情報の構成例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る通信装置のオブジェクト設定処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の一実施形態に係る通信装置のオブジェクト参入応答処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の一実施形態に係る通信装置のオブジェクト参入要求処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の一実施形態に係る通信装置の通信的役割に基づく通信処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の一実施形態に係る通信装置のオブジェクトメンテナンス処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の一実施形態に係る通信装置のドッキング処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の一実施形態の第1の変形例に係る通信装置における故障診断機能を説明するためのフレームシーケンスである。 本開示の一実施形態の第2の変形例に係る通信装置におけるドッキングを伴う通信方式を用いた故障診断結果の共有機能を説明するための信号シーケンスである。 本開示の一実施形態の第2の変形例に係る通信装置におけるドッキングを伴う通信方式を用いた故障診断結果の共有に係る処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の一実施形態の第3の変形例に係る通信装置における代替通信機能を説明するための信号シーケンスである。 スマートフォンの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 カーナビゲーション装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 無線アクセスポイントの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する複数の要素を、同一の符号の後に異なる番号を付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能を有する複数の要素を、必要に応じて通信装置100Aおよび通信装置100Bなどのように区別する。ただし、実質的に同一の機能を有する要素を区別する必要が無い場合、同一符号のみを付する。例えば、通信装置100Aおよび通信装置100Bを特に区別する必要がない場合には、単に通信装置100と称する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1.1.システムの構成
1.2.装置の構成
1.3.装置の機能
1.4.装置の処理
1.5.本開示の一実施形態のまとめ
2.変形例
3.応用例
4.むすび
<1.本開示の一実施形態>
本開示の一実施形態に係る通信装置100および通信装置100を有する通信システムについて説明する。
<1.1.システムの構成>
まず、図1および図2を参照して、本開示の一実施形態に係る通信システムの構成について説明する。図1および図2は、本開示の一実施形態に係る通信システムの物理的な構成例を示す図である。
図1に示したように、本開示の一実施形態に係る通信システム1は、複数の通信装置100、アクセスポイント(以下、AP(Access Point)とも称する。)20および認証サーバ30を備える。
[通信装置]
通信装置100は、通信機能を有し、AP20または認証サーバ30と通信する。例えば、通信装置100A〜100Fは、送信および受信のうちの少なくとも一方の通信機能を備える図1のドットで示したような無線通信モジュールを備え、当該無線通信モジュールを用いてAP20または認証サーバ30と通信する。
ここで、通信装置100は、様々な機能を有する装置であってよい。例えば、通信装置100Aは表示機能を有するディスプレイ、通信装置100Bは記憶機能を有するメモリ、通信装置100Cおよび100Dは入力機能を有するキーボードおよびマウス、通信装置100Eは音出力機能を有するスピーカ、そして通信装置100Fは高度な計算処理を実行する機能を有するスマートフォンである。
また、複数の通信装置100は、オブジェクトと称されるグループを形成し、グループの単位で通信を行う。例えば、図2に示したように、通信装置100A〜100Eは物理的に接続され、通信装置100Fは通信装置100A〜100Eと論理的に接続されることにより、1つのオブジェクト10が形成される。
そして、オブジェクト10を形成する通信装置100の各々がそれぞれ通信的役割を有し、当該通信的役割に従ってオブジェクト10の外部の通信装置との通信が行われる。例えば、通信装置100Aおよび100Eは、受信という通信的役割を有し、AP20または認証サーバ30から信号を受信する。また、通信装置100Cおよび100Dは、送信という通信的役割を有し、AP20または認証サーバ30へ信号を送信する。なお、通信装置100Bおよび100Fは、送信および受信の両方の通信的役割を有する。また、送信または受信という通信的役割は、オブジェクト10について共通して動作するアプリケーション(以下、オブジェクトアプリケーションとも称する。)における出力または入力に相当する。そのため、通信装置100Aおよび100Eはオブジェクトアプリケーションについての出力デバイスであるともいえ、通信装置100Cおよび100Dはオブジェクトアプリケーションについての入力デバイスであるともいえる。例えば、通信装置100Aおよび100Eは、AP20を介して受信される画像情報、映像情報または音情報に基づいて画像表示および音出力を行う。
また、通信装置100は、オブジェクト10内の通信装置100と通信してもよい。例えば、通信装置100Fは、内蔵される撮像センサの撮像により得られた画像に係る情報を通信装置100Aへ送信する。画像情報を受信した通信装置100Aは、当該画像情報に基づいて画像を表示する。
[AP]
AP20は、外部のネットワークと接続され、通信装置100に当該外部のネットワークとの間の通信を提供する。例えば、AP20は、インターネットと接続され、通信装置100とインターネット上の通信装置またはインターネットを介して接続される通信装置との通信を提供する。なお、AP20の代わりに、携帯電話通信(セルラ通信)における基地局と通信が行われてもよい。
[認証サーバ]
認証サーバ30は、通信装置100に認証サービスを提供する。例えば、認証サーバ30は、提供に認証が要されるサービスについて当該サービスの提供を所望する通信装置100の認証を行う。なお、認証は、インターネットを介した通信を利用して行われてもよく、その場合、認証サーバ30はAP20を介して認証のための通信を行う。なお、認証サーバ30は、通信システム1において備えられなくてもよい。
<1.2.装置の構成>
次に、上述した通信システム1を実現するための通信装置100の構成について説明する。図3を参照して、通信装置100の機能構成について説明する。図3は、本開示の一実施形態に係る通信装置100の概略的な機能構成の例を示すブロック図である。
図3に示したように、通信装置100は、データ処理部110、制御部120、無線通信部130および有線通信部140を備える。通信装置100は、無線通信として、例えば無線LAN(Local Area Network)通信を用いる。また、通信装置100は、有線通信として、例えばイーサネット(登録商標)またはUSB(Universal Serial Bus)のような方式の通信を用いる。
(データ処理部)
データ処理部110は、図3に示したようにインタフェース部111、送信バッファ112、送信フレーム構築部113、受信フレーム解析部114および受信バッファ115を備える。
インタフェース部111は、通信装置100に備えられる他の機能構成と接続されるインタフェースである。具体的には、インタフェース部111は、当該他の機能構成、例えばオブジェクトアプリケーションまたはユーザインタフェースからの伝送が所望されるデータの受け取り、またはオブジェクトアプリケーションまたはユーザインタフェースへの受信データの提供等を行う。
送信バッファ112は、送信されるデータを格納する。具体的には、送信バッファ112は、インタフェース部111によって得られたデータを格納する。
送信フレーム構築部113は、送信されるフレームを生成する。具体的には、送信フレーム構築部113は、送信バッファ112に格納されるデータまたは制御部120によって設定される制御情報に基づいてフレームを生成する。例えば、送信フレーム構築部113は、送信バッファ112から取得されるデータからフレーム(パケット)を生成し、生成されるフレームにメディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)のためのMACヘッダの付加および誤り検出符号の付加等の処理を行う。
受信フレーム解析部114は、受信されたフレームの解析を行う。具体的には、受信フレーム解析部114は、無線通信部130によって受信されたフレームの宛先の判定および当該フレームに含まれるデータまたは制御情報の取得を行う。例えば、受信フレーム解析部114は、受信されるフレームについて、MACヘッダの解析、符号誤りの検出および訂正、ならびにリオーダ処理等を行うことにより当該受信されるフレームに含まれるデータ等を取得する。
受信バッファ115は、受信されたデータを格納する。具体的には、受信バッファ115は、受信フレーム解析部114によって取得されたデータを格納する。
(制御部)
制御部120は、処理部ならびに送信部および受信部の一部として動作し、図3に示したように動作制御部121および信号制御部122を備える。
動作制御部121は、データ処理部110の動作を制御する。具体的には、動作制御部121は、通信の発生を制御する。例えば、動作制御部121は、通信の接続要求が発生すると、アソシエーション処理またはオーセンティケーション処理といった接続処理または認証処理に係るフレームをデータ処理部110に生成させる。
また、動作制御部121は、送信バッファ112におけるデータの格納状況または受信フレームの解析結果等に基づいてフレーム生成を制御する。例えば、動作制御部121は、送信バッファ112にデータが格納されている場合、当該データが格納されるデータフレームの生成を送信フレーム構築部113に指示する。また、動作制御部121は、受信フレーム解析部114によってフレームの受信が確認された場合、受信されたフレームへの応答となる確認応答フレームの生成を送信フレーム構築部113に指示する。
信号制御部122は、無線通信部130の動作を制御する。具体的には、信号制御部122は、無線通信部130の送受信処理を制御する。例えば、信号制御部122は、動作制御部121の指示に基づいて送信および受信のためのパラメタを無線通信部130に設定させる。
また、信号制御部122は、上述したCSMA/CAのような空きチャネル検出処理を制御する。例えば、信号制御部122は、無線通信部130の受信処理の結果に基づいて信号の送信開始または送信待機を決定する。
(無線通信部)
無線通信部130は、送信部および受信部の一部として動作し、図3に示したように、送信処理部131、受信処理部132およびアンテナ制御部133を備える。
送信処理部131は、送信フレーム構築部113から提供されるフレームの送信処理を行う。具体的には、送信処理部131は、送信フレーム構築部113から提供されるフレームおよび信号制御部122からの指示により設定されるパラメタに基づいて、送信される信号を生成する。例えば、送信処理部131は、データ処理部110から提供されるフレームについて、制御部120によって指示されるコーディングおよび変調方式等に従って、エンコード、インタリーブおよび変調を行うことによりシンボルストリームを生成する。また、送信処理部131は、前段の処理によって得られるシンボルストリームに係る信号を、アナログ信号に変換し、増幅し、フィルタリングし、および周波数アップコンバートする。
受信処理部132は、アンテナ制御部133から提供される信号に基づいてフレームの受信処理を行う。例えば、受信処理部132は、アンテナから得られる信号について、信号送信の際と逆の処理、例えば周波数ダウンコンバートおよびデジタル信号変換等を行うことによりシンボルストリームを取得する。また、受信処理部132は、前段の処理によって得られるシンボルストリームについて、復調およびデコード等を行うことによりフレームを取得し、取得されるフレームをデータ処理部110または制御部120に提供する。
アンテナ制御部133は、少なくとも1つのアンテナを介した信号の送受信を制御する。具体的には、アンテナ制御部133は、アンテナを介して送信処理部131によって生成される信号を送信し、またアンテナを介して受信される信号を受信処理部132に提供する。
(有線通信部)
有線通信部140は、有線通信方式を用いて外部の通信装置と通信する。具体的には、有線通信部140は、データ処理部110から提供されるデータを有線通信方式の信号に変換し、送信する。また、有線通信部140は、受信された信号を復号することによりデータを取得する。そして、取得されたデータは、データ処理部110を介して通信上位層へ提供される。
<1.3.装置の機能>
次に、通信装置100の機能について説明する。通信装置100の主な機能としては、オブジェクト形成機能、通信的役割に基づく通信機能、オブジェクトメンテナンス機能およびドッキング機能がある。以下、各機能について個別に説明する。なお、以下では、オブジェクトの管理者として動作する通信装置100をオーナ装置とも称し、オブジェクトの管理者以外の通信装置100をメンバ装置とも称する。
(オブジェクト形成機能)
通信装置100は、通信を用いてオブジェクトを形成する。具体的には、オーナ装置がオブジェクトの枠組みを初期設定し、設定されるオブジェクトにメンバ装置が参入する。オブジェクトの参入の際に、通信装置100の各々の通信的役割が登録され共有される。図4を参照して、オブジェクト形成機能について詳細に説明する。図4は、本開示の一実施形態に係る通信装置100におけるオブジェクト形成機能を説明するためのフレームシーケンスである。なお、図4の例では、AP20が通信装置100としてオブジェクトの構成要素に含まれ、AP20がオーナ装置として動作する。
まず、オーナ装置は、オブジェクトの枠組みの存在を通知するフレーム(以下、オブジェクト通知フレームとも称する。)を送信する。例えば、制御部120は、定期的にオブジェクト通知フレームとして、オブジェクトに関する情報(以下、オブジェクト情報とも称する。)が格納されるビーコンをデータ処理部110に生成させる。オブジェクト情報には、オブジェクトが特定されるオブジェクトID(Identifier)が含まれる。そして、無線通信部130は、生成されたビーコンを送信する。なお、オブジェクトIDは、BSSID(Basic Service Set ID)にて特定される枠組みであってもよい。
オブジェクト通知フレームを受信したメンバ装置は、オブジェクトにおける通信的役割が特定される情報(以下、役割情報とも称する。)が格納される、当該オブジェクトへの参入要求に係るフレーム(以下、参入要求フレームとも称する。)をオーナ装置へ送信する。例えば、制御部120は、ビーコンに格納されるオブジェクトIDに係るオブジェクトについての当該メンバ装置自身の通信的役割を決定し、決定される通信的役割に係る役割情報が格納される、参入要求フレームとしてのアソシエーションリクエストフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたアソシエーションリクエストフレームを送信する。
参入要求フレームを受信したオーナ装置は、参入を許可する場合、当該参入要求フレームの送信元であるメンバ装置をオブジェクトについて通信的役割を登録する。そして、オーナ装置は、当該参入要求フレームへの応答として、既に参入済みのメンバ装置に係る役割情報が格納される参入応答フレームをメンバ装置へ送信する。例えば、制御部120は、受信されたアソシエーションリクエストフレームの送信元であるメンバ装置のオブジェクトへの参入を許可するかを判定する。参入を許可すると判定される場合、制御部120は、アソシエーションリクエストフレームに格納されていた役割情報を参入オブジェクトについて登録する。また、制御部120は、当該参入オブジェクトについて既に登録されている他のメンバ装置の役割情報を取得する。そして、制御部120は、参入応答フレームとして、取得された役割情報が格納され、参入許可を示すアソシエーショングラントフレームをデータ処理部110に生成させる。無線通信部130は、生成されたアソシエーショングラントフレームを送信する。
参入応答フレームを受信したメンバ装置は、参入要求に係るオブジェクトについて通信的役割を登録する。例えば、制御部120は、アソシエーショングラントフレームが受信されると、参入オブジェクトについての自身の通信的役割を登録すると共に、アソシエーショングラントフレームに含まれる他のメンバ装置の通信的役割を登録する。
そして、認証に係るフレーム交換が行われた後、オーナ装置は、オブジェクトへの参入を通知するフレーム(以下、参入通知フレームとも称する。)をオブジェクト参入済みのメンバ装置へ送信する。例えば、アソシエーションリクエストフレームおよびアソシエーショングラントフレームの交換(以下、アソシエーション処理とも称する。)の後、オーセンティケーションリクエストフレームおよびオーセンティケーションレジスタフレームの交換(以下、オーセンティケーション処理とも称する。)が行われる。そして、オーセンティケーション処理後、制御部120は、追加的に通信的役割が登録されたオブジェクト参入済みの通信装置100の役割情報(以下、登録済み役割情報とも称する。)が格納される、参入通知フレームとしてのレポートフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたレポートフレームを送信する。
レポートフレームを受信したメンバ装置は、登録済み役割情報を登録する。例えば、制御部120は、受信されたレポートフレームに格納される登録済み役割情報に基づいて、自身が参入しているオブジェクトについての役割情報を更新する。
なお、上記では、アソシエーションリクエストフレームが参入要求フレームで許可フレームが参入応答フレームである例を説明したが、オーセンティケーションリクエストフレームが参入要求フレームでオーセンティケーションレジスタフレームが参入応答フレームであってもよい。また、上記では、通知フレームに基づいて参入要求フレームが送信される例を説明したが、メンバ装置は、ユーザの入力またはアプリケーションからの指示に基づいて参入要求フレームを送信してもよい。さらに、オブジェクト情報を有するオーナ装置がユーザまたはアプリケーション向けにオブジェクト情報を提示してもよい。
(通信的役割に基づく通信機能)
通信装置100は、参入したオブジェクトについて登録された通信的役割に基づいて通信を行う。通信的役割としては、送信および受信の少なくとも一方がある。図5を参照して、通信的役割に基づく通信について詳細に説明する。図5は、本開示の一実施形態に係る通信装置100における通信的役割に基づく通信の例を説明するためのフレームシーケンスである。
通信的役割が受信である通信装置100は、オブジェクト外部の通信装置から送信されるフレームを受信する。例えば、ディスプレイである通信装置100Aは、オブジェクト外部のAP20から画像データである出力データ1を受信する。また、通信装置100A、メモリである100Bおよびスピーカである100Eは、オブジェクト外部のAP20から映像データである出力データ2を受信する。
ここで、通信的役割は、さらに特定の用途または種類のデータの通信であってもよい。例えば、ディスプレイである通信装置100Aの通信的役割が画像データの受信であり出力データ1が画像データである場合は、通信装置100Aは受信処理を完遂する。他方で、出力データ1が画像データでない(例えば音声データである)場合は、通信装置100Aは受信処理を中止する。また、メイン画像データ(例えばテレビジョン映像)およびサブ画像データ(例えばテレビジョン番組表)がオブジェクトへ提供される場合、ディスプレイである通信装置100Aがメイン画像データを受信して表示し、スマートフォンである通信装置100Fがサブ画像データを受信して表示する。また、出力方向別の音声データがオブジェクトへ提供される場合、左スピーカである通信装置100が左方向出力用の音声データを受信して音を出力し、右スピーカである通信装置100が右方向出力用の音声データを受信して音を出力する。
通信的役割が送信である通信装置100は、オブジェクト外部の通信装置へフレームを送信する。例えば、マウスである通信装置100Dは、オブジェクト外部のAP20へマウス操作情報である入力データ1を送信する。また、キーボードである通信装置100Cは、オブジェクト外部のAP20へキーボード入力情報である入力データ2を送信する。
また、オブジェクト内部の通信装置100との通信に無線通信が用いられてもよい。具体的には、通信的役割が送信である通信装置100は、オブジェクト内部の通信装置100へフレームを送信する。他方で、通信的役割が受信である通信装置100は、オブジェクト内部の通信装置100から送信されるフレームを受信する。例えば、マウスである通信装置100Dは、メモリである通信装置100Bおよびスマートフォンである通信装置100Fへマウス操作情報を送信する。そして、当該マウス操作情報に基づいて、通信装置100Bに記憶されている映像データなどが通信装置100Bから100Fへ送信される。なお、通信装置100Bのように送信および受信の両方が通信的役割であってもよい。
(オブジェクトメンテナンス機能)
通信装置100は、形成されたオブジェクトをメンテナンスする。具体的には、通信装置100は、形成されたオブジェクトについての役割情報を定期的に更新する。例えば、オーナ装置は、オブジェクトに参入しているメンバ装置宛ての、当該オブジェクトのメンテナンス用の要求フレーム(以下、メンテナンス要求フレームとも称する。)を送信する。メンバ装置は、メンテナンス要求フレームへの応答としてのフレーム(以下、メンテナンス応答フレームとも称する。)を送信する。当該メンテナンス応答フレームには、役割情報が格納される。図6を参照して、オブジェクトメンテナンス機能について詳細に説明する。図6は、本開示の一実施形態に係る通信装置100におけるオブジェクトメンテナンス機能を説明するためのフレームシーケンスである。なお、図6の例では、AP20と共に通信装置100Aがオーナ装置として動作する。
オーナ装置またはAP20は、定期的にメンテナンス要求フレームをメンバ装置へ送信する。例えば、制御部120は、メンテナンス要求フレームとしての、通信装置100の存在を確認するためのリクエストフレームの送信時間が到来すると、オブジェクトIDなどの情報が格納されるリクエストフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたリクエストフレームを送信する。なお、リクエストフレームは、ビーコンなどの定期的に送信される信号であってもよく、リクエストフレームに格納される情報が当該信号に格納されてもよい。
メンテナンス要求フレームを受信したメンバ装置は、所定の送信時間に、自身において記憶されている役割情報が格納されたメンテナンス応答フレームをオーナ装置へ送信する。例えば、制御部120は、受信されたリクエストフレームに格納されるオブジェクトIDに応じて登録されている役割情報を取得する。次いで、制御部120は、取得された役割情報が格納された、メンテナンス応答フレームとしての、通信装置100の存在を示すためのレスポンスフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたレスポンスフレームを送信する。
そして、オーナ装置は、メンテナンス応答フレームの受信に基づいて、更新後の役割情報が格納されるメンテナンス通知フレームをメンバ装置へ送信する。例えば、制御部120は、受信されたレスポンスフレームに格納されている役割情報に基づいて、自身に記憶されている登録済み役割情報を更新する。詳細には、図6に示したように、メンバ装置のうち通信装置100Fおよび100Dからはレスポンスフレームが受信されない。そのため、制御部120は、通信装置100Fおよび100Dの通信的役割から送信または受信を完全にまたは一時的に外す。次いで、制御部120は、更新後の登録済み役割情報が格納される、メンテナンス通知フレームとしてのレポートフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたレポートフレームを送信する。なお、通信装置100Fおよび100Dからレスポンスフレームが受信されない原因が、送信機能もしくは受信機能の不全によるのか、または通信範囲内に存在しないことによるのか、を判断することは困難である。そのため、この場合には、一律に役割情報が更新されてもよい。
レポートフレームを受信したメンバ装置は、登録済み役割情報を登録する。例えば、制御部120は、受信されたレポートフレームに格納される登録済み役割情報に基づいて、自身が参入しているオブジェクトについての役割情報を更新する。
なお、上記では、オーナ装置がメンテナンス要求フレームおよびメンテナンス通知フレームを送信する例を説明したが、メンバ装置がこれらのフレームを送信してもよい。
(ドッキング機能)
通信装置100は、他の通信装置100と物理的に接続される。例えば、通信装置100は、図2に示したように、端子または通信ワイヤなどを介して互いに接続される。以下、このような物理的な接続をドッキングとも称する。
また、ドッキングを伴う通信方式を用いてオブジェクトに参入している通信装置100間の通信が行われてもよい。当該通信方式は、オブジェクト外部の通信装置との通信に用いられる通信方式と異なる。図7を参照して、ドッキングを伴う通信について詳細に説明する。図7は、本開示の一実施形態に係る通信装置100におけるドッキングを伴う通信の流れを説明するためのシーケンス図である。
通信装置100は、ドッキングおよびアソシエーション処理が行われると、ドッキングされている通信装置100の状態情報を共有する。例えば、通信装置100Aおよび100Bは、アソシエーション処理が実行済みの状態(すなわちオブジェクトに参入済みの状態)で互いにドッキングすると、通信装置100Aおよび100Bの状態情報信号としてのステータス情報信号をそれぞれ通信する。そして、通信を介して共有されたステータス情報は、通信装置100Aおよび100Bの各々において登録される。同様に、アソシエーション処理済みの通信装置100Cが追加的に通信装置100Bとドッキングすると、通信装置100Bからは通信装置100Aおよび100Bのステータス情報信号が送信され、通信装置100Cからは通信装置100Cのステータス情報信号が送信される。その結果、通信装置100A〜100Cの間でステータス情報が共有される。
また、ドッキングが行われた時点でアソシエーション処理がまだ実行されていない場合、直接的にドッキングされている通信装置100の間で直接的にドッキングされている通信装置100の状態情報のみが共有される。例えば、アソシエーション処理が未実行である通信装置100Dが通信装置100Cとドッキングすると、通信装置100Cと通信装置100Dとの間で通信装置100Cおよび100Dのステータス情報が共有される。この段階では、通信装置100Aおよび100Bのステータス情報は通信装置100Dには提供されない。
他方で、アソシエーション処理が実行済みの通信装置100の間で、アソシエーション処理が未実行の通信装置100の状態情報を含むドッキング済みの全ての通信装置100の状態情報が共有される。例えば、通信装置100Dのステータス情報が共有された通信装置100Cは、通信装置100Dのステータス情報信号を既にドッキング済みの通信装置100Aおよび100Bへ送信する。それにより、通信装置100A〜100Cの間で、通信装置100A〜100Dのステータス情報が共有される。
その後、アソシエーション処理が実行されると、ドッキング済みの全ての通信装置100の間で全ての通信装置100の状態情報が共有される。例えば、通信装置100Dにおいて通信装置100A〜100Cが参入しているオブジェクトについてのアソシエーション処理が実行されると、通信装置100A〜100Dの間でステータス情報が共有される。
(通信される信号の構成)
以上、通信装置100の機能について説明した。続いて、各機能における通信に用いられる信号の構成について説明する。
まず、役割情報が格納される第1のフレームの構成について説明する。第1のフレームとしては、上述したように参入要求フレーム、参入応答フレーム、参入通知フレーム、メンテナンス応答フレームおよびメンテナンス通知フレームがある。例えば、第1のフレームは、PPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Protocol) Protocol Data Unit)である。図8を参照して、第1のフレームの構成について説明する。図8は、本開示の一実施形態に係る通信装置100により通信される第1のフレームの構成例を示す図である。
図8に示したように、第1のフレームは、Preamble、PLCP HeaderおよびMPDUを有するPPDUである。MPDUは、MAC Header、Data PayloadおよびFCS(Frame Check Sequence)を有する。上述した役割情報は、例えばData Payloadに情報エレメントとして格納される。図9を参照して、役割情報が格納される情報エレメント(以下、役割情報エレメントとも称する。)の構成について説明する。図9は、本開示の一実施形態に係る通信装置100により通信される役割情報エレメントの構成例を示す図である。
図9に示したように、役割情報エレメントは、Element ID、Length、Object ID、Function Code、Attribute、Capability、Categoryなどといったフィールドを有する。
Element IDフィールドには情報エレメントを特定するための情報が格納され、Lengthフィールドには情報エレメントに格納される情報の長さを示す情報が格納される。Object IDフィールドにはオブジェクトを特定するための情報(オブジェクトID)が格納され、Function Codeには役割情報が格納される。Attributeフィールドには通信装置100の属性情報が格納され、Capabilityフィールドには通信装置100の性能を示す情報が格納される。そして、Categoryフィールドには通信装置100が扱う情報のカテゴリを示す情報が格納される。例えば、Function Codeに格納される役割情報は、通信的役割に対応するコード情報である。なお、役割情報は、通信的役割の導出に用いられる情報であってもよい。例えば、役割情報は、図9に示したようなAttributeまたはCapabilityに格納される通信装置100の属性または性能を示す情報などであってもよく、当該情報から通信的役割が導出されてよい。
続いて、通信装置100の通信的役割に関わる状態情報信号の構成について説明する。上述したように、状態情報信号は、ドッキングの際に通信される。図10を参照して、状態情報信号の構成について説明する。図10は、本開示の一実施形態に係る状態情報信号の構成例を示す図である。
図10に示したように、状態情報信号は、Header、PayloadおよびCRC(Cyclic Redundancy Check)を有する。Headerは、状態情報信号の送信元情報が格納されるSource Addressおよび状態情報信号の宛先情報が格納されるDestination Addressといったフィールドを有する。Payloadは、Protocol Version、Object ID、Function Code、Operation StatusおよびStatus Codeといったフィールドを有する。Protocol Versionフィールドには状態情報信号の通信に用いられるプロトコルのバージョンを示す情報が格納され、Object IDフィールドにはオブジェクトIDが格納される。Function Codeフィールドには役割情報が格納され、Operation Statusフィールドには通信装置100の動作状況を示す情報が格納される。そして、Status Codeフィールドには通信装置100の通信的役割に関わる状態情報が格納される。当該状態情報としては、通信装置100の通信エラーの発生状況または不全に陥っている通信機能などを示す情報がある。
なお、状態情報信号の形式が上述したPPDUのようなフレーム形式である場合、状態情報信号は第1のフレームとして通信されてもよい。また、役割情報は、上記状態情報信号と異なる別の信号で共有されてもよい。また、状態情報は、後述するオブジェクト管理情報として記憶されてもよい。
(登録される情報の構成)
次に、図11を参照して、通信装置100において登録されるオブジェクトに関する情報の構成について説明する。図11は、本開示の一実施形態に係る通信装置100において登録されるオブジェクト管理情報の構成例を示す図である。
オブジェクト管理情報は、オブジェクト単位で登録され管理される。図11に示したように、オブジェクト管理情報は、Object ID、Object Attribute、Number of Device、Device Informationといったフィールドを有する。Object IDフィールドには通信装置100自身が参入しているオブジェクトIDが格納され、Object Attributeフィールドにはオブジェクトの属性情報が格納される。Number of Deviceフィールドにはオブジェクトに参入している通信装置100の数を示す情報が格納され、Device Informationフィールドにはオブジェクトに参入している通信装置100の個別情報が格納される。個別情報としては、MACアドレスおよび役割情報がある。Device Informationフィールドは、参入している通信装置100の数に応じて動的に追加されまたは削除される。
なお、上述した登録済み役割情報は、オブジェクト管理情報として登録されている役割情報に対応する。
<1.4.装置の処理>
次に、通信装置100の処理について機能ごとに説明する。
(オブジェクト設定処理)
まず、図12を参照して、オブジェクト形成機能におけるオブジェクト設定処理について説明する。図12は、本開示の一実施形態に係る通信装置100のオブジェクト設定処理の例を概念的に示すフローチャートである。
通信装置100は、オブジェクト設定要求が発生したかを判定する(ステップS301)。具体的には、制御部120は、ユーザによるオブジェクトの設定指示操作に係る情報または通信装置100において起動しているアプリケーションからのオブジェクト設定指示がインタフェース部111を介して得られたかを判定する。なお、設定指示操作により、通信的役割が決定されてもよく、予め通信装置100の性能に基づいて決定される通信的役割が選択されてもよい。
オブジェクト設定要求が発生していないと判定されると(ステップS301/NO)、通信装置100は、オブジェクト設定要求信号が受信されたかを判定する(ステップS302)。具体的には、制御部120は、通信接続されている他の通信装置100からオブジェクト設定要求信号が受信されたかを判定する。例えば、オブジェクト設定要求信号は、インタフェース部111を介して得られるユーザの入力情報、またはアプリケーションからの指示に基づいて生成される。なお、通信装置100は、ユーザ入力に基づいてオブジェクト設定要求信号を送信してもよい。
オブジェクト設定要求が発生したと判定された場合(ステップS301/YES)、またはオブジェクト設定要求信号が受信されたと判定された場合(ステップS302/YES)、通信装置100は、オブジェクト設定情報を取得する(ステップS303)。具体的には、制御部120は、設定要求に係るオブジェクトについてオブジェクトID、オブジェクト属性および要求される通信的役割などの情報を取得する。
次に、通信装置100は、設定済みのオブジェクト管理情報を取得する(ステップS304)。具体的には、制御部120は、既に設定されているオブジェクトのオブジェクトIDなどの情報を取得する。また、制御部120は、通信装置100の属性情報または性能情報を取得する。
次に、通信装置100は、新規にオブジェクトを設定可能であるかを判定する(ステップS305)。具体的には、制御部120は、設定要求に係るオブジェクトが設定済みであるか、またはオブジェクト数が設定上限に達していないかなどを判定する。また、制御部120は、通信装置100の属性情報または性能情報から要求される通信的役割を担うことが可能かを判定する。
新規にオブジェクトを設定可能であると判定されると(ステップS305/YES)、通信装置100は、オブジェクトを設定する(ステップS306)。具体的には、制御部120は、取得されたオブジェクト設定情報に基づいてオブジェクト管理情報を登録する。
他方で、オブジェクト設定要求信号が受信されていないと判定された場合(ステップS302/NO)、通信装置100は、オブジェクト解除要求が発生したかを判定する(ステップS307)。具体的には、制御部120は、ユーザによるオブジェクトの設定解除指示操作に係る情報または通信装置100において起動しているアプリケーションからのオブジェクト設定解除指示がインタフェース部111を介して得られたかを判定する。
オブジェクト解除要求が発生していないと判定されると(ステップS307/NO)、通信装置100は、オブジェクト解除要求信号を受信したかを判定する(ステップS308)。具体的には、制御部120は、通信装置100が参入しているオブジェクトに参入している他の通信装置100からオブジェクト解除要求信号が受信されたかを判定する。例えば、オブジェクト解除要求信号は、他の通信装置100において、インタフェース部111を介して得られるユーザの入力情報、またはアプリケーションからの指示に基づいて生成され送信されてよい。
オブジェクト解除要求が発生したと判定された場合(ステップS307/YES)、またはオブジェクト解除要求信号が受信されたと判定された場合(ステップS308/YES)、通信装置100は、オブジェクトの設定を解除する(ステップS309)。具体的には、制御部120は、解除要求に係るオブジェクト管理情報を削除する。
オブジェクト解除要求信号が受信されていないと判定された場合(ステップS308/NO)、通信装置100は、通信的役割を遂行可能であるかを判定する(ステップS310)。具体的には、制御部120は、設定されているオブジェクトについての通信的役割(例えば、送信または受信など)を担う機能が正常に稼働しているかを判定する。
通信的役割を遂行できないと判定されると(ステップS310/NO)、通信装置100は、役割不能通知を送信する(ステップS311)。具体的には、通信装置100において異常が検出されると、制御部120は、異常が発生している機能に係る通信的役割が設定されているオブジェクトについて、当該オブジェクトにおける通信的役割を遂行できない旨を示す役割不能通知信号を無線通信部130または有線通信部140を介して他の通信装置100へ通知する。
(オブジェクト参入応答処理)
続いて、図13を参照して、オブジェクト形成機能におけるオブジェクト参入応答処理について説明する。図13は、本開示の一実施形態に係る通信装置100のオブジェクト参入応答処理の例を概念的に示すフローチャートである。なお、図13では、通信装置100がオブジェクトを管理するオーナ装置である場合、当該オーナ装置がアクセスポイントとして動作し所定のビーコンを送信する例として示しているが、実施形態はこの例に限定されない。例えば、オーナ装置は、STA(Station)として動作し、ビーコンの代わりにオブジェクト情報が格納される特定のブロードキャストフレームなどを送信してもよい。
通信装置100は、設定中のオブジェクトが存在するかを判定する(ステップS401)。具体的には、制御部120は、オブジェクト管理情報が登録されているオブジェクトが存在するかを判定する。
設定中のオブジェクトが存在すると判定されると(ステップS401/YES)、通信装置100は、自身がオブジェクト管理者であるかを判定する(ステップS402)。具体的には、制御部120は、通信装置100自身が設定中のオブジェクトのオーナ装置であるかを判定する。なお、通信装置100がオーナ装置でない場合、後述するステップS501へ処理が進められる。
自身がオブジェクト管理者であると判定されると(ステップS402/YES)、通信装置100は、ビーコンを送信する(ステップS403)。具体的には、制御部120は、設定中のオブジェクトの情報(例えばオブジェクトID)を有するビーコンをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたビーコンを送信する。
次に、通信装置100は、参入要求フレームを受信したかを判定する(ステップS404)。具体的には、制御部120は、役割情報を有するアソシエーションリクエストフレームがメンバ装置から受信されたかを判定する。
参入要求フレームを受信したと判定されると(ステップS404/YES)、通信装置100は、参入を許可するかを判定する(ステップS405)。具体的には、制御部120は、アソシエーションリクエストフレームの送信元であるメンバ装置のオブジェクトへの参入を許可するかを判定する。
参入を許可すると判定されると(ステップS405/YES)、通信装置100は、役割情報を有する参入許可フレームを送信する(ステップS406)。具体的には、制御部120は、参入が許可されたオブジェクトに参入している通信装置100の全役割情報を有するアソシエーショングラントフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたアソシエーショングラントフレームを送信する。
次に、通信装置100は、認証要求フレームを受信したかを判定する(ステップS407)。具体的には、制御部120は、参入が許可されたメンバ装置からオーセンティケーションリクエストフレームが受信されたかを判定する。
認証要求フレームを受信したと判定されると(ステップS407/YES)、通信装置100は、認証完了フレームを送信する(ステップS408)。具体的には、制御部120は、オーセンティケーションリクエストフレームへの応答としてオーセンティケーションレジスタフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたオーセンティケーションレジスタフレームを送信する。
次に、通信装置100は、オブジェクトについて役割情報を登録する(ステップS409)。具体的には、制御部120は、アソシエーション処理において得られた役割情報をオブジェクト管理情報に追加する。
次に、通信装置100は、役割情報を有する参入通知フレームを送信する(ステップS410)。具体的には、制御部120は、更新されたオブジェクト管理情報に相当する全役割情報が格納されるレポートフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたレポートフレームを送信する。
(オブジェクト参入要求処理)
続いて、図14を参照して、オブジェクト形成機能におけるオブジェクト参入要求処理について説明する。図14は、本開示の一実施形態に係る通信装置100のオブジェクト参入要求処理の例を概念的に示すフローチャートである。
通信装置100は、上述したステップS402にて通信装置100がオブジェクト管理者でないと判定されると、オブジェクトへの参入要求が発生したかを判定する(ステップS501)。具体的には、制御部120は、通信上位層からオブジェクトへの参入要求が通知されたかを判定する。
オブジェクトへの参入要求が発生したと判定されると(ステップS501/YES)、通信装置100は、役割情報を有する参入要求フレームを送信する(ステップS502)。具体的には、制御部120は、参入先のオブジェクトについて既に設定されている役割情報が格納されるアソシエーションリクエストフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたアソシエーションリクエストフレームを送信する。
次に、通信装置100は、参入許可フレームを受信したかを判定する(ステップS503)。具体的には、制御部120は、アソシエーションリクエストフレームへの応答としてアソシエーショングラントフレームが受信されたかを判定する。
参入許可フレームを受信したと判定されると(ステップS503/YES)、通信装置100は、認証要求フレームを送信する(ステップS504)。具体的には、制御部120は、オーセンティケーションリクエストフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたオーセンティケーションリクエストフレームを送信する。
次に、通信装置100は、認証完了フレームを受信したかを判定する(ステップS505)。具体的には、制御部120は、オーセンティケーションレジスタフレームが受信されたかを判定する。
認証完了フレームを受信したと判定されると(ステップS505/YES)、通信装置100は、確認応答フレームを送信する(ステップS506)。具体的には、制御部120は、オーセンティケーションレジスタフレームについての確認応答となるACK(Acknowledgement)フレームを送信する。
次に、通信装置100は、オブジェクトについて通信的役割を有効化する(ステップS507)。具体的には、制御部120は、アソシエーション処理において参入が許可されたオブジェクトについて登録されている通信的役割を有効化する。例えば、送受信機能を有する通信装置100において通信的役割が送信である場合、制御部120は、送信機能を起動し受信機能を停止する。
(通信的役割に基づく通信処理)
続いて、図15を参照して、通信的役割に基づく通信機能に係る処理について説明する。図15は、本開示の一実施形態に係る通信装置100の通信的役割に基づく通信処理の例を概念的に示すフローチャートである。
通信装置100は、通信的役割が送信であるかを判定する(ステップS601)。具体的には、制御部120は、設定中のオブジェクトについて登録されている通信的役割が送信であるかを判定する。
通信的役割が送信であると判定されると(ステップS601/YES)、通信装置100は、インタフェースを介した入力が発生したかを判定する(ステップS602)。具体的には、制御部120は、インタフェース部111を介してユーザの入力操作情報またはアプリケーションもしくはサービスからの入力情報が提供されたかを判定する。
インタフェースを介した入力が発生したと判定されると(ステップS602/YES)、通信装置100は、入力情報フレームを送信する(ステップS603)。具体的には、制御部120は、インタフェース部111を介して得られた情報の送信有無を判定する。送信する旨が判定されると、制御部120は、当該情報が格納される入力情報フレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成された入力情報フレームを送信する。
また、通信装置100は、通信的役割が受信であるかを判定する(ステップS604)。具体的には、制御部120は、設定中のオブジェクトについて登録されている通信的役割が受信であるかを判定する。
通信的役割が受信であると判定されると(ステップS604/YES)、通信装置100は、データフレームを受信したかを判定する(ステップS605)。具体的には、制御部120は、オブジェクト外部の通信装置またはオブジェクト内部の通信装置100からデータフレームが受信されたかを判定する。
データフレームを受信したと判定されると(ステップS605/YES)、通信装置100は、データを復号する(ステップS606)。具体的には、制御部120は、受信されたデータフレームの出力有無を判定する。データフレームを出力する旨が判定されると、データ処理部110は、当該データフレームを復号し、データを取り出す。
そして、通信装置100は、データを出力する(ステップS607)。具体的には、制御部120は、データフレームから取り出されたデータを、インタフェース部111を介してアプリケーションまたはサービスへ出力する。
(オブジェクトメンテナンス処理)
続いて、図16を参照して、オブジェクトメンテナンス機能に係る処理について説明する。図16は、本開示の一実施形態に係る通信装置100のオブジェクトメンテナンス処理の例を概念的に示すフローチャートである。
通信装置100は、メンテナンス要求フレームを受信したかを判定する(ステップS701)。具体的には、制御部120は、通信装置100が参入しているオブジェクトについてオーナ装置またはメンバ装置からリクエストフレームが受信されたかを判定する。
メンテナンス要求フレームを受信したと判定されると(ステップS701/YES)、通信装置100は、応答時間を決定する(ステップS702)。具体的には、制御部120は、リクエストフレームの受信に基づいてレスポンスフレームの送信時間を決定する。
次に、通信装置100は、応答時間が到来したかを判定する(ステップS703)。具体的には、制御部120は、決定された送信時間が到来したかを判定する。
応答時間が到来したと判定されると(ステップS703/YES)、通信装置100は、メンテナンス応答フレームを送信する(ステップS704)。具体的には、制御部120は、登録されている役割情報が格納されるレスポンスフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたレスポンスフレームを送信する。
次に、通信装置100は、他装置からメンテナンス応答フレームが受信されたかを判定する(ステップS705)。具体的には、制御部120は、オブジェクトに参入している他の通信装置100のうちの少なくとも1つからレスポンスフレームが受信されたかを判定する。
他装置からメンテナンス応答フレームが受信されなかったと判定されると(ステップS705/NO)、通信装置100は、他装置の通信機能の状態を記憶する(ステップS706)。具体的には、制御部120は、リクエストフレームの受信に基づいて送信されるはずのレスポンスフレームが受信されなかったことから、通信範囲内に存在する他の通信装置100の送信機能または受信機能が不全であると判定する。そして、制御部120は、周辺の通信装置100の通信機能が不全である旨をオブジェクト管理情報などへ記憶する。
また、通信装置100は、所定期間内にメンテナンス要求フレームが受信されたかを判定する(ステップS707)。具体的には、制御部120は、オブジェクトに参入している他の通信装置100(少なくともオーナ装置)から前回のレスポンスフレームの受信から所定の期間が経過する前にレスポンスフレームが受信されたかを判定する。
所定期間内にメンテナンス要求フレームが受信されなかったと判定されると(ステップS707/NO)、通信装置100は、オブジェクトの状態を記憶する(ステップS708)。具体的には、制御部120は、リクエストフレームが送信されるはずの期間が経過してもリクエストフレームが受信されない場合、通信装置100の周辺にオブジェクトに参入している通信装置100(少なくともオーナ装置)が存在しないと判定する。そして、制御部120は、オブジェクトに参入している通信装置100が存在しない旨を記憶する。
(ドッキング処理)
続いて、図17を参照して、ドッキング機能に係る処理について説明する。図17は、本開示の一実施形態に係る通信装置100のドッキング処理の例を概念的に示すフローチャートである。
通信装置100は、物理的な接続を伴う通信方式で他の通信装置100と接続されたかを判定する(ステップS801)。具体的には、有線通信部140は、他の通信装置100と接続されたかを判定する。
物理的な接続を伴う通信方式で他の通信装置100と接続されたと判定されると(ステップS801/YES)、通信装置100は、状態情報を交換する(ステップS802)。具体的には、制御部120は、通信装置100における送信機能または受信機能などの状態を示す状態情報を生成する。そして、制御部120は、生成された状態情報を有する状態情報信号を有線通信部140に送信させる。
次に、通信装置100は、参入オブジェクトが接続された通信装置100と同一であるかを判定する(ステップS803)。具体的には、制御部120は、他の通信装置100から得られた状態情報から当該他の通信装置100の参入オブジェクトを把握する。そして、制御部120は、把握されたオブジェクトが通信装置100の参入オブジェクトと同一であるかを判定する。
参入オブジェクトが接続された通信装置100と同一であると判定されると(ステップS803/YES)、通信装置100は、状態情報を記憶する(ステップS804)。具体的には、制御部120は、得られた状態情報をオブジェクト管理情報に追加する。
<1.5.本開示の一実施形態のまとめ>
このように、本開示の一実施形態によれば、通信装置100は、少なくとも1つの通信装置のグループについて設定される、当該グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される第1のフレームを生成し、当該第1のフレームを送信する。従来では、通信装置について様々な観点でコストがかかっていた。例えば、通信装置には概して、送信または受信のうちの一方のみ実行頻度が高い装置であっても、送信機能および受信機能の両方が備えられる。そのため、通信装置の製造にコストがかかる。また、送信機能および受信機能の両方が稼働させられることにより、消費電力または計算資源の観点でもコストがかかる。
これに対し、通信装置100によれば、形成されるオブジェクトにおける通信的役割に応じた通信のみを実行し、オブジェクト内で通信結果を共有することにより、上述したようなコストを低減することができる。例えば、送信機能または受信機能のうちの利用頻度の高い機能のみが備えられることにより、製造コストを低減することができる。また、送信機能または受信機能の両方が備えられる場合であっても、いずれか一方の機能が無効化される(すなわち稼働停止させられる)ことにより、消費電力を低減することができる。従って、通信機能を維持しながら、通信装置100にかかるコストを低減することが可能となる。また、オブジェクトの構成要素である通信装置100は、通信的役割に応じて通信できればよいため、通信機能不全に陥ったとしても、同じ通信的役割を遂行できる別の通信装置100に置き換えることができる。また、通信的役割がオブジェクト内で分担されるため、一部の通信機能を有していない通信装置100であっても、オブジェクト内の他の通信装置100により補完されれば、オブジェクトの構成要素として加えることができる。従って、オブジェクトの構成要素をある程度ユーザが自由に選択することが可能となる。
また、上記第1のフレームは、上記グループへの参入要求に係る参入要求フレームを含み、通信装置100は、上記グループに関するグループ情報に基づいて、役割情報が格納される参入要求フレームの生成を制御し、参入要求フレームを送信する。このため、オブジェクトへの参入の際に役割情報が共有されることにより、オブジェクトに参入する通信装置100の役割情報を確実に管理することができる。特に、参入要求フレームの通信についてアソシエーション処理などの既存の仕組みが利用されることにより、通信装置100の実装を容易にすることができる。
また、通信装置100は、第1の無線通信装置として、上記グループ情報が格納される通知フレームを送信し、役割情報が格納される参入要求フレームを受信する。また、通信装置100は、上記グループ情報が格納される通知フレームを第1の無線通信装置から受信し、当該通知フレームに格納されるグループ情報に基づいて参入要求フレームの生成を制御し、参入要求フレームを第1の無線通信装置へ送信する。このため、オブジェクトに関するオーナ装置またはメンバ装置から当該オブジェクトについてのオブジェクト情報が通知されることにより、所望のオブジェクトへより確実に参入することができる。なお、グループ情報(すなわちオブジェクト情報)は、ユーザの入力またはアプリケーションからの指示によりインタフェース部111を介して得られてもよい。
また、上記参入要求フレームに格納される役割情報は、当該参入要求フレームの送信元の通信的役割が特定される情報を含む。このため、受信された参入要求フレームに格納される役割情報をそのままオブジェクト管理情報へ追加することによりオブジェクト管理情報を更新することができる。従って、オブジェクト管理情報の更新処理を簡素化することが可能となる。
また、上記第1のフレームは、上記グループへの参入要求に係る参入要求フレームへの応答として通信される参入応答フレームを含む。このため、オブジェクトに新規に参入する通信装置100へ既に参入済みの通信装置100の役割情報を別途のフレームを用いることなく共有することができる。従って、通信量を増加させることなく、役割情報を共有することが可能となる。
また、上記参入応答フレームに格納される役割情報は、上記グループに参入している通信装置の通信的役割が特定される情報を含む。このため、オブジェクトへの新規参入が発生する度に、オブジェクト内の通信装置100間で役割情報の共有のための通信が個別に実行されることを回避することができる。
また、上記第1のフレームは、上記グループへの参入要求に係る参入要求フレームの受信に基づいて送信される、グループに参入している通信装置宛ての参入通知フレームを含む。このため、新規に参入した通信装置100の役割情報をオブジェクトに参入済みの通信装置100へ共有することができる。従って、通信装置100が個別に役割情報を共有する場合と比べて、通信量を低減することが可能となる。また、新規のオブジェクト参入を把握できない通信装置100についても、新規参入した通信装置100の役割情報を共有することが可能となる。
また、上記第1のフレームは、上記グループに参入している通信装置宛てのグループのメンテナンス用のメンテナンス要求フレームへの応答として通信されるメンテナンス応答フレームを含む。ここで、通信装置は概して可搬性があるため、移動させられることがある。そのため、通信装置100も通信範囲外へ移動させられるおそれがある。その結果、オブジェクトについて登録されている通信的役割が遂行されなくなりかねない。これに対し、オブジェクト内での役割情報などのオブジェクト管理情報のメンテナンスが行われることにより、オブジェクト内の通信的役割を適正化することができる。従って、オブジェクトを用いた通信の持続可能性を高めることが可能となる。
また、上記第1のフレームは、上記メンテナンス応答フレームの受信に基づいて通信される役割情報が格納されるメンテナンス通知フレームを含む。このため、メンテナンス結果をオブジェクトに参入している通信装置100全体へ通知することができる。従って、通信装置100が個別にメンテナンス情報すなわち最新の役割情報を共有する場合と比べて、通信量を低減することが可能となる。また、オブジェクトに参入している通信装置100全体で最新のメンテナンス情報を共有することができ、情報の不整合を抑制することが可能となる。
また、上記通信的役割は、送信および受信の少なくとも一方を含む。このため、送信および受信をオブジェクトに参入している通信装置100で分担することにより、オブジェクトとして通信機能を確保しつつ、各通信装置100の上述したコストを低減することができる。
また、上記通信的役割は、特定の用途または種類のデータを通信することを含む。このため、通信装置100に対応するデータのみが通信されることにより、行われる通信処理を通信装置100について適応させることができる。従って、通信装置100における通信処理の負荷および消費電力を適正化することが可能となる。
また、上記役割情報は、ユーザによる設定または通信装置100の性能に係る情報に基づいて決定される。このため、ユーザの意図に即した通信的役割を遂行させることができる。従って、ユーザが意図するオブジェクトの動作を実現することが可能となる。また、通信装置100の能力に応じた通信的役割を遂行させることができる。従って、遂行不可能な通信的役割が割り当てられるおそれを抑制することが可能となる。
また、上記グループに参入している通信装置間の通信の方式は、グループの外部との通信の方式と異なる。このため、オブジェクト外部との通信についての通信方式にとらわれず、自由に通信方式を選択することができる。従って、通信における干渉などを考慮することなく通信を行うことが可能となる。また、オブジェクト外部との通信について送信または受信のいずれか一方のみの構成しか有しない通信装置100であっても、オブジェクト内部の通信について送受信機能を有していれば、オブジェクト内の通信装置100間の送受信が可能である。
また、上記グループに参入している通信装置間の通信の方式は、物理的な接続を伴う通信方式を含み、通信装置100は、当該物理的な接続を伴う通信方式を用いて通信する。このため、有線通信方式が用いられることにより、無線通信方式が用いられる場合に比べて通信の接続性および通信速度などの通信性能を向上させることができる。また、ユーザがオブジェクトに参入している通信装置100を視覚的に確認することができ、参入先の誤りなどに気付くことができる。
また、通信装置100は、上記物理的な接続を伴う通信方式を用いて、通信装置100の通信的役割に関わる状態情報信号を通信する。このため、状態情報信号が通信性能のより高い物理的な接続を伴う通信方式を用いて通信されることにより、オブジェクト内の通信装置100の状態をより正確に共有することができる。従って、オブジェクトに参入している通信装置100の状態に応じて、通信的役割をより適正化することが可能となる。
<2.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明した。なお、本開示の一実施形態は、上述の例に限定されない。以下に、本実施形態の第1〜第3の変形例について説明する。
(第1の変形例)
本開示の一実施形態の第1の変形例として、オブジェクトのメンテナンスは、通信装置100の故障診断であってもよい。具体的には、通信装置100は、故障診断要求フレームおよび故障診断応答フレームを通信する。図18を参照して、故障診断機能について詳細に説明する。図18は、本開示の一実施形態の第1の変形例に係る通信装置100における故障診断機能を説明するためのフレームシーケンスである。なお、図18では、AP20がオブジェクトの構成要素に含まれ、AP20がオーナ装置として動作する。
オーナ装置は、定期的に故障診断要求フレームをメンバ装置へ送信する。例えば、AP20は、所定の送信時間が到来すると、オブジェクトIDなどの情報が格納されるダイアグノースティックリクエストフレームを送信する。
メンバ装置は、故障診断要求フレームの受信に応じて故障診断要求フレームを送信する。例えば、ダイアグノースティックリクエストフレームを受信したメンバ装置100A〜100Cおよび100Eは、ダイアグノースティックリクエストフレームを転送する。ここで、メンバ装置100Dは、送信機能が不全であるため、ダイアグノースティックリクエストを転送しない。また、メンバ装置100Fは、AP20からのダイアグノースティックリクエストフレームが受信されないため、AP20からのダイアグノースティックリクエストフレームを転送しない。
メンバ装置はまた、メンバ装置の転送する故障診断要求フレームの受信に応じて故障診断要求フレームを送信する。例えば、メンバ装置100Fは、AP20からはダイアグノースティックリクエストフレームを受信しないが、メンバ装置100Eが転送するダイアグノースティックリクエストフレームを受信する。そのため、メンバ装置100Fは、当該転送されたダイアグノースティックリクエストフレームの受信に応じてダイアグノースティックリクエストフレームを送信する。なお、転送回数には上限(例えば1回)が設定されるため、ブロードキャストストームのような現象は回避される。
そして、メンバ装置は、故障診断要求フレームへの応答として故障診断応答フレームを送信する。具体的には、メンバ装置は、故障診断要求フレームの受信に応じて故障診断応答フレームを送信する。例えば、メンバ装置の各々は、ダイアグノースティックリクエストフレームが受信されると、それぞれダイアグノースティックレスポンスフレームを送信する。また、メンバ装置は、故障診断要求フレームの送信後に他のメンバ装置から故障診断要求フレームが受信される場合、故障診断応答フレームの送信を遅らせてよい。例えば、メンバ装置100Cおよび100Eは、ダイアグノースティックリクエストフレームの送信後、所定の時間待機する。これは、転送されたダイアグノースティックリクエストフレームが、他のメンバ装置100によりさらに転送される可能性があるためである。メンバ装置100Cおよび100Eは、待機時間中に、メンバ装置100Fからのダイアグノースティックリクエストフレームを受信する。そのため、メンバ装置100Cおよび100Eは、さらに所定の時間待機することにより、ダイアグノースティックレスポンスフレームの送信を遅らせる。
所定の時間の待機後、メンバ装置は、故障診断応答フレームを送信する。ここで、故障診断要求フレームを受信したメンバ装置のうち、一部のメンバ装置のみが故障診断応答フレームを送信する。例えば、他のメンバ装置100A〜100Cおよび100Fからダイアグノースティックリクエストフレームを受信したメンバ装置100Eが代表してダイアグノースティックレスポンスフレームをAP20へ送信する。メンバ装置100Eは、ダイアグノースティックリクエストフレームの受信状況に基づいて役割情報および状態情報を更新する。そして、メンバ装置100Eは、役割情報および状態情報が格納されたダイアグノースティックレスポンスフレームを送信する。例えば、ダイアグノースティックレスポンスフレームには、状態情報として、メンバ装置100Dが送信機能不全または受信機能不全であるおそれがあること、およびメンバ装置100FがAP20の通信範囲内に位置していないこと、などが格納される。
そして、オーナ装置は、故障診断応答フレームの受信に基づいて、更新後の役割情報および状態情報が格納される故障診断通知フレームをメンバ装置へ送信する。例えば、AP20は、受信されたダイアグノースティックレスポンスフレームに格納されている役割情報および状態情報に基づいて、自身に記憶されているオブジェクト管理情報を更新する。そして、AP20は、更新後の役割情報および状態情報が格納されるダイアグノースティックレポートフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成されたダイアグノースティックレポートフレームを送信する。
故障診断通知フレームを受信したメンバ装置は、オブジェクト管理情報を更新する。例えば、メンバ装置100A〜100Eは、受信されたダイアグノースティックレポートフレームに格納される役割情報および状態情報に基づいて、自身が参入しているオブジェクトについてのオブジェクト管理情報を更新する。なお、メンバ装置100FにはAP20から直接的にダイアグノースティックレポートフレームが受信されないため、メンバ装置100Eなどの他のメンバ装置がダイアグノースティックレポートフレームを転送してもよい。また、オブジェクト内の通信装置100が互いドッキングしている場合には、ダイアグノースティックレポートフレームの通信に用いられる通信方式と異なる有線通信方式などの通信を用いて役割情報および状態情報が共有されてもよい。
このように、第1の変形例によれば、オブジェクトのメンテナンスは、通信装置100の故障診断である。このため、存在確認と同時に通信装置100の状態情報も収集することができる。従って、オブジェクトに参入している通信装置100の状態をより正確に把握することが可能となる。それにより、通信的役割を状況により適した役割へ変更することも可能となる。
また、通信装置100は、メンテナンス要求フレームの受信に応じてメンテナンス要求フレームを送信する。このため、メンテナンス要求フレームが直接的に受信されない距離に位置するメンバ装置についてもメンテナンス要求フレームを受信させることができる。従って、メンテナンス応答フレームが受信されない理由をより特定しやすくすることが可能となる。例えば、直接的な通信の範囲内に位置していないことがメンテナンス応答フレームの未受信の理由から外れるため、通信機能不全に理由が絞られる。
また、通信装置100は、メンテナンス要求フレームの送信後に他の通信装置からメンテナンス要求フレームが受信される場合、メンテナンス応答フレームの送信を遅らせる。このため、メンテナンス要求フレームが直接的に受信されない距離に位置するメンバ装置から転送されるメンテナンス要求フレームと、メンテナンス応答フレームと、の衝突を回避することができる。従って、オブジェクト内のメンバ装置の状況をより確実に把握することができる。また、メンテナンス応答フレームの通信の失敗が抑制されることにより、通信効率の低下を抑制することができる。
(第2の変形例)
本開示の一実施形態の第2の変形例として、ドッキングを伴う通信方式を用いて故障診断結果が共有されてもよい。具体的には、通信装置100は、自身と他の通信装置100とがドッキングすると、故障診断結果を有線通信方式の通信を用いて当該他の通信装置100へ通知する。そして、通信装置100は、ドッキング相手の通信装置100から得られる故障診断結果を記憶し、また当該故障診断結果に基づいてオブジェクト管理情報を更新する。図19を参照して、ドッキングを伴う通信方式を用いた故障診断結果の共有について詳細に説明する。図19は、本開示の一実施形態の第2の変形例に係る通信装置100におけるドッキングを伴う通信方式を用いた故障診断結果の共有機能を説明するための信号シーケンスである。
通信装置100は、ドッキング後、ドッキングされた通信装置100へ故障診断結果を通知する。例えば、通信装置100A〜100Cがドッキングした際、通信装置100A〜100Cの間で有線通信方式を用いた通信を介して故障診断情報が共有される。同様に、通信装置100Cと100Dとがドッキングすると、既にドッキングされている通信装置100A〜100Cと100Dとの間で有線通信方式を用いた通信を介して故障診断情報が共有される。なお、ドッキングの際に故障診断が実行されてもよい。
さらに、通信装置100は、オブジェクトの故障診断結果として通信装置100の故障診断結果をユーザへ通知してもよい。具体的には、通信装置100は、自身の通知可否に応じて、オブジェクトに参入している通信装置100の故障診断結果を通知する。図19を参照して、故障診断結果の通知機能について詳細に説明する。
通信装置100は、ドッキング後、故障診断結果から故障が発見されると、ユーザへの通知可否を判定する。例えば、通信装置100A〜100Dのドッキング後、通信装置100Cは、自身の故障を発見すると、表示出力が可能かを判定する。
ユーザへ通知不能であると判定された場合、通信装置100は、オブジェクトに参入している他の通信装置100へ通知を依頼する。例えば、通信装置100Cは、表示出力が不能であると判定されると、表示機能を有する通信装置100Aおよび100Fへ通知を依頼するダイアグノースティックマルファンクション信号を送信する。
通知を依頼された通信装置100は、故障診断結果をユーザへ通知する。例えば、ダイアグノースティックマルファンクション信号を受信した通信装置100Aおよび100Fは、当該信号の送信元の故障診断情報を表示する。
さらに、図20を参照して、ドッキングを伴う通信方式を用いた故障診断結果の共有に係る処理について説明する。図20は、本開示の一実施形態の第2の変形例に係る通信装置100におけるドッキングを伴う通信方式を用いた故障診断結果の共有に係る処理の例を概念的に示すフローチャートである。なお、上述した処理と実質的に同一である処理については説明を省略する。
通信装置100は、物理的な接続を伴う通信方式で他の通信装置100と接続されたと判定されると(ステップS811/YES)、故障診断情報を交換する(ステップS812)。具体的には、制御部120は、通信装置100の通信機能について故障診断を実行する。そして、制御部120は、故障診断結果を示す情報が格納される故障診断情報信号を有線通信部140に送信させる。
次に、通信装置100は、参入オブジェクトが接続された通信装置100と同一であると判定されると(ステップS813/YES)、故障診断情報を記憶する(ステップS814)。具体的には、制御部120は、得られた故障診断情報をオブジェクトごとに記憶する。なお、故障診断情報は、オブジェクト管理情報に追加されてもよい。
次に、通信装置100は、故障診断情報が機能不全を示すかを判定する(ステップS815)。具体的には、制御部120は、通信装置100の故障診断情報が通信的役割に関わる機能(例えば送信機能または受信機能)の不全を示すかを判定する。なお、故障診断情報は、通信機能以外の機能(例えば表示機能または記憶機能)についての情報を含んでもよい。
故障診断情報が機能不全を示すと判定されると(ステップS815/YES)、通信装置100は、故障診断情報を通知可能であるかを判定する(ステップS816)。具体的には、制御部120は、通信装置100の有する機能を用いて機能不全をユーザへ通知することができるかを判定する。詳細には、制御部120は、表示部または音声出力部が通信装置100に備えられているか、または各部が正常に動作しているか、を判定する。
故障診断情報を通知可能であると判定されると(ステップS816/YES)、通信装置100は、故障診断情報をユーザへ通知する(ステップS817)。具体的には、制御部120は、故障診断情報を表示部または音声出力部に出力させる。
他方で、故障診断情報を通知不能であると判定されると(ステップS816/NO)、通信装置100は、他の通信装置100への通知依頼が可能であるかを判定する(ステップS818)。具体的には、制御部120は、表示部または音声出力部を有する通信装置100が参入オブジェクト内に存在するかを判定する。
他の通信装置100への通知依頼が可能であると判定されると(ステップS818/YES)、通信装置100は、通知を依頼する(ステップS819)。具体的には、制御部120は、表示部または音声出力部を有する通信装置100宛てのダイアグノースティックマルファンクション信号を有線通信部140に送信させる。なお、制御部120は、通知依頼の可否の判定なしで、オブジェクトに参入している通信装置100の全てにダイアグノースティックマルファンクション信号を有線通信部140に送信させてもよい。
なお、上記では、ユーザへの故障診断結果の通知方法が表示である例を説明したが、当該通知方法は音声出力であってもよい。
このように、第2の変形例によれば、ドッキングを伴う通信方式を用いて故障診断結果が共有される。ここで、有線通信にかかる消費電力は概して、無線通信に比べて低い。そのため、故障診断情報が有線通信方式で通信されることにより、通信装置100の電力消費を抑制することができる。従って、通信装置100における通信の持続可能性を向上させることが可能となる。
また、故障診断通知依頼の通信に基づいて、ユーザへの故障診断情報の通知が行われる。このため、故障をかかえる通信装置100自身が通知機能を有していないために当該故障についてユーザへ通知することができない場合であっても、他の通信装置100が代わりに通知することができる。従って、通信装置100の故障についてのユーザへの通知をより確実に行うことが可能となる。
(第3の変形例)
本開示の一実施形態の第3の変形例として、通信装置100は、他の通信装置100に代わって通信を行ってもよい。具体的には、通信装置100は、役割情報および通信装置の状態情報の少なくとも一方に基づいて、他の通信装置の代わりに当該他の通信装置の通信的役割に応じた通信(以下、代替通信とも称する。)を行う。図21を参照して、代替通信機能について詳細に説明する。図21は、本開示の一実施形態の第3の変形例に係る通信装置100における代替通信機能を説明するための信号シーケンスである。
通信装置100は、ドッキング後、入力が発生すると、入力情報フレームを送信可能であるかを判定する。例えば、通信装置100A〜100Dのドッキング後、通信装置100Dにおいて入力が発生すると、通信装置100Dは入力情報フレームの送信可否を判定する。
入力情報フレームを送信不能であると判定されると、通信装置100は、代替通信依頼と共に、有線通信を用いて入力情報を無線通信が可能な他の通信装置100へ提供する。例えば、通信装置100Dは、送信機能不全などが原因で入力情報フレームを送信できない場合、代替送信を依頼する情報と共に、送信機能が正常に稼働している通信装置100Cへ入力情報(InputData4)を、有線通信を介して提供する。
代替通信依頼および入力情報が提供された通信装置100は、当該入力情報についての入力情報フレームを宛先となる通信装置100へ送信する。例えば、代替通信依頼および入力情報が有線通信を介して提供された通信装置100Cは、通信装置100Dの代わりに入力情報フレームを通信装置100A、100Eおよび100Fへ送信する。なお、宛先情報は、入力情報と共にまたは別個に通信装置100Dから提供される。また、入力情報フレームの宛先は、AP20などのオブジェクト外部の通信装置であってもよい。
そして、入力情報フレームを受信した通信装置100は、入力情報に対する出力が発生すると、出力情報が格納された出力情報フレームを宛先となる通信装置100へ送信する。例えば、通信装置100Fは、入力情報フレームに基づく入力に対する出力が発生すると、出力情報フレームを通信装置100Aおよび100Eへ送信する。そして、出力情報フレームを受信した通信装置100Aおよび100Eは、それぞれ出力情報に基づいて情報を出力する。
なお、代替通信は、繰り返し行われてもよい。例えば、代替通信は、代替通信依頼が通知されてから代替通信解除が通知されるまで行われてよい。また、代替通信は、代替通信依頼の通知から所定の時間が経過するか、または所定の回数の代替通信が行われると解除されるとしてもよい。また、上記では、代替送信が行われる例を説明したが、代替受信が行われてもよい。
このように、第3の変形例によれば、通信装置100は、役割情報および通信装置の状態情報の少なくとも一方に基づいて、他の通信装置の代わりに当該他の通信装置の通信的役割に応じた通信を行う。このため、機能不全などが原因で通信的役割を遂行できない通信装置100がオブジェクト内に存在したとしても、通信的役割が代替されることにより、オブジェクトとしての通信機能を維持することができる。従って、オブジェクト単位での通信の持続可能性を高めることが可能となる。
<3.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、通信装置100は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ若しくはネットワークストレージなどの固定端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、通信装置100は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置又はPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、通信装置100は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
一方、例えば、通信装置100(以下、AP100とも称する。)は、ルータ機能を有し又はルータ機能を有しない無線LANアクセスポイント(無線基地局ともいう)として実現されてもよい。また、AP100は、モバイル無線LANルータとして実現されてもよい。さらに、AP100は、これら装置に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
[3−1.第1の応用例]
図22は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモード又はWi−Fi Direct(登録商標)等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。なお、Wi−Fi Directでは、アドホックモードとは異なり2つの端末の一方がアクセスポイントとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。アンテナ915は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図22の例に限定されず、スマートフォン900は、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナ及び近接無線通信方式用のアンテナ、など)を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図22に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図22に示したスマートフォン900において、図3を用いて説明したデータ処理部110、制御部120および無線通信部130は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。例えば、制御部120は、スマートフォン900が参入するオブジェクトについての通信的役割が特定される役割情報が格納される第1のフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成された第1のフレームを送信する。これにより、スマートフォン900は参入するオブジェクトにおいて第1のフレームを用いて通知した通信的役割のみを遂行するだけで、オブジェクト外部の通信装置との通信を行うことができる。従って、通信的役割に係る機能以外を稼働させずに済むため、通信機能を維持しながら、通信装置にかかるコストを低減することが可能となる。従って、スマートフォン900の消費電力が抑制されることにより、バッテリー918に蓄えられている電力の枯渇を抑制することが可能となる。
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでアクセスポイント機能を実行することにより、無線アクセスポイント(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線アクセスポイント機能を有していてもよい。
[3−2.第2の応用例]
図23は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。アンテナ935は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図23の例に限定されず、カーナビゲーション装置920は、複数のアンテナを備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図23に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図23に示したカーナビゲーション装置920において、図3を用いて説明したデータ処理部110、制御部120および無線通信部130は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。例えば、制御部120は、カーナビゲーション装置920が参入するオブジェクトについての通信的役割が特定される役割情報が格納される第1のフレームをデータ処理部110に生成させる。そして、無線通信部130は、生成された第1のフレームを送信する。これにより、カーナビゲーション装置920は参入するオブジェクトにおいて第1のフレームを用いて通知した通信的役割のみを遂行するだけで、オブジェクト外部の通信装置との通信を行うことができる。従って、通信的役割に係る機能以外を稼働させずに済むため、通信機能を維持しながら、通信装置にかかるコストを低減することが可能となる。従って、カーナビゲーション装置920の消費電力が抑制されることにより、バッテリー938に蓄えられている電力の枯渇を抑制することが可能となる。
また、無線通信インタフェース933は、上述したAP100として動作し、車両に乗るユーザが有する端末に無線接続を提供してもよい。その際、例えば、カーナビゲーション装置920がオブジェクトを管理することにより、役割情報を一括に管理することができる。そのため、カーナビゲーション装置920は、カーナビゲーション装置920へのフレーム送信を行う通信装置100およびカーナビゲーション装置920からのフレーム受信を行う通信装置100を適切に判断することができる。従って、通信的役割に基づいて宛先情報が設定されたフレームがカーナビゲーション装置920から通信されることにより、カーナビゲーション装置920と通信する通信装置100は、通信的役割に基づく通信処理の実行判定を行うことなく、宛先情報を参照して通信処理を行うことができる。それにより、通信処理負荷の低減が可能となる。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
[3−3.第3の応用例]
図24は、本開示に係る技術が適用され得る無線アクセスポイント950の概略的な構成の一例を示すブロック図である。無線アクセスポイント950は、コントローラ951、メモリ952、入力デバイス954、表示デバイス955、ネットワークインタフェース957、無線通信インタフェース963、アンテナスイッチ964及びアンテナ965を備える。
コントローラ951は、例えばCPU又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、無線アクセスポイント950のIP(Internet Protocol)レイヤ及びより上位のレイヤの様々な機能(例えば、アクセス制限、ルーティング、暗号化、ファイアウォール及びログ管理など)を動作させる。メモリ952は、RAM及びROMを含み、コントローラ951により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、ルーティングテーブル、暗号鍵、セキュリティ設定及びログなど)を記憶する。
入力デバイス954は、例えば、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作を受け付ける。表示デバイス955は、LEDランプなどを含み、無線アクセスポイント950の動作ステータスを表示する。
ネットワークインタフェース957は、無線アクセスポイント950が有線通信ネットワーク958に接続するための有線通信インタフェースである。ネットワークインタフェース957は、複数の接続端子を有してもよい。有線通信ネットワーク958は、イーサネット(登録商標)などのLANであってもよく、又はWAN(Wide Area Network)であってもよい。
無線通信インタフェース963は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、近傍の端末へアクセスポイントとして無線接続を提供する。無線通信インタフェース963は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース963は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。アンテナスイッチ964は、無線通信インタフェース963に含まれる複数の回路の間でアンテナ965の接続先を切り替える。アンテナ965は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース963による無線信号の送信及び受信のために使用される。
図24に示した無線アクセスポイント950において、図3を用いて説明したデータ処理部110、制御部120および無線通信部130は、無線通信インタフェース963において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、コントローラ951において実装されてもよい。例えば、無線アクセスポイント950がオブジェクトを管理することにより、役割情報を一括に管理することができる。そのため、無線アクセスポイント950は、無線アクセスポイント950へのフレーム送信を行う通信装置100および無線アクセスポイント950からのフレーム受信を行う通信装置100を適切に判断することができる。従って、通信的役割に基づいて宛先情報が設定されたフレームが無線アクセスポイント950から通信されることにより、無線アクセスポイント950と通信する通信装置100は、通信的役割に基づく通信処理の実行判定を行うことなく、宛先情報を参照して通信処理を行うことができる。それにより、通信処理負荷の低減が可能となる。
<4.むすび>
以上、本開示の一実施形態によれば、形成されるオブジェクトにおける通信的役割に応じた通信のみを実行し、オブジェクト内で通信結果を共有することにより、上述したようなコストを低減することができる。例えば、送信機能または受信機能のうちの利用頻度の高い機能のみが備えられることにより、製造コストを低減することができる。また、送信機能または受信機能の両方が備えられる場合であっても、いずれか一方の機能が無効化される(すなわち稼働停止させられる)ことにより、消費電力を低減することができる。従って、通信機能を維持しながら、通信装置100にかかるコストを低減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、物理的な接続を伴う通信方式がオブジェクト内部の通信に用いられるとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、物理的な接続を伴う通信方式および無線LAN通信方式以外の通信方式が用いられてもよい。例えば、オブジェクト内部の通信には、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)または赤外線通信などが用いられてよい。また、有線通信方式の代わりに第1のフレームの通信に係る規格と異なる規格の無線通信方式が用いられてもよい。例えば、オブジェクト外部との通信には5GHz帯の規格の通信が用いられ、オブジェクト内部の通信には2.4GHz帯の規格の通信が用いられてよい。
また、上記実施形態では、オブジェクトへの参入後(すなわちアソシエーション処理後)にドッキングが行われる例を説明したが、ドッキングを機にオブジェクトへの参入が行われてもよい。
また、上記実施形態では、オブジェクトが、通信装置100がSTA(Station)としてAP20と接続されるスター型ネットワークにおいて形成される例を説明したが、オブジェクトはメッシュネットワークにおいて形成されてもよい。
また、上記実施形態では、オーナ装置が固定である例を説明したが、オーナ装置は変更されてもよい。例えば、移動などを原因としてオーナ装置がオブジェクトから離脱した場合、オブジェクト内のメンバ装置の中から新たにオーナ装置が選出されてよい。
また、上記実施形態では、オブジェクト内の全ての通信装置100によってオブジェクト管理情報が共有される例を説明したが、オブジェクト管理情報はオーナ装置などの特定の通信装置100によって管理されてもよい。
また、上記実施形態では、通信装置100の通信的役割はオブジェクト参入時における登録後は固定される例を主に説明したが、当該通信的役割は、登録後に変更されてもよい。例えば、他の通信装置100の役割情報、状態情報または故障診断情報などに基づいて通信的役割が変更されてよい。
また、上記実施形態では、メンバ装置において通信的役割が決定される例を説明したが、オーナ装置などの他の通信装置100により通信的役割が決定され通知されてもよい。例えば、メンバ装置は、自身の属性または性能が特定される情報が格納されたオブジェクト参入要求フレームをオーナ装置へ送信する。オーナ装置は、受信された当該オブジェクト参入要求フレームに格納される通信装置100の属性または性能を示す情報に基づいて通信的役割を決定する。そして、オーナ装置は、通信的役割をオブジェクト管理情報へ追加すると共に、当該通信的役割を示す役割情報が格納されたオブジェクト参入応答フレームをメンバ装置へ送信する。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的にまたは個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
また、通信装置100に内蔵されるハードウェアに上述した通信装置100の各機能構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体も提供される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報に基づいて、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームの生成を制御する制御部と、
前記参入要求フレームを送信する送信部と、
を備える無線通信装置。
(2)
前記グループ情報が格納される通知フレームを第1の無線通信装置から受信する受信部をさらに備え、
前記制御部は、前記通知フレームに格納される前記グループ情報に基づいて前記参入要求フレームの生成を制御し、
前記送信部は、前記参入要求フレームを前記第1の無線通信装置へ送信する、
前記(1)に記載の無線通信装置。
(3)
前記参入要求フレームに格納される前記役割情報は、前記参入要求フレームの送信元の通信的役割が特定される情報を含む、
前記(2)に記載の無線通信装置。
(4)
前記受信部は、前記グループに参入している無線通信装置宛ての前記グループのメンテナンス用のメンテナンス要求フレームを受信し、
前記送信部は、前記メンテナンス要求フレームへの応答として、前記役割情報が格納されるメンテナンス応答フレームを送信する、
前記(2)に記載の無線通信装置。
(5)
前記送信部は、前記メンテナンス要求フレームの受信に応じて前記メンテナンス要求フレームを送信する、
前記(4)に記載の無線通信装置。
(6)
前記送信部は、前記メンテナンス要求フレームの送信後に他の無線通信装置から前記メンテナンス要求フレームが受信される場合、前記メンテナンス応答フレームを送信する、
前記(5)に記載の無線通信装置。
(7)
前記送信部および前記受信部は、前記役割情報および無線通信装置の状態情報の少なくとも一方に基づいて、他の無線通信装置の代わりに前記他の無線通信装置の前記通信的役割に応じた通信を行う、
前記(2)〜(6)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(8)
前記通信的役割は、送信および受信の少なくとも一方を含む、
前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(9)
前記通信的役割は、特定の用途または種類のデータを通信することを含む、
前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(10)
前記役割情報は、ユーザによる設定または無線通信装置の性能に係る情報に基づいて決定される、
前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(11)
前記グループに参入している無線通信装置間の通信の方式は、前記グループの外部との通信の方式と異なる、
前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(12)
前記グループに参入している無線通信装置間の通信の方式は、物理的な接続を伴う通信方式を含み、
前記物理的な接続を伴う通信方式を用いて通信する物理接続通信部を備える、
前記(11)に記載の無線通信装置。
(13)
前記物理接続通信部は、前記物理的な接続を伴う通信方式を用いて、無線通信装置の前記通信的役割に関わる状態情報信号を通信する、
前記(12)に記載の無線通信装置。
(14)
少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報が格納される通知フレームを送信する送信部と、
前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームを受信する受信部と、
を備える無線通信装置。
(15)
前記送信部は、前記参入要求フレームへの応答として、前記役割情報が格納される参入応答フレームを送信する、
前記(14)に記載の無線通信装置。
(16)
前記参入応答フレームに格納される前記役割情報は、前記グループに参入している無線通信装置の通信的役割が特定される情報を含む、
前記(15)に記載の無線通信装置。
(17)
前記送信部は、前記参入要求フレームの受信に基づいて、前記グループに参入している無線通信装置宛ての参入通知フレームを送信する、
前記(14)〜(16)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(18)
前記送信部は、前記グループに参入している無線通信装置宛ての前記グループのメンテナンス用のメンテナンス要求フレームを送信し、
前記受信部は、前記メンテナンス要求フレームへの応答として、前記役割情報が格納されるメンテナンス応答フレームを受信する、
前記(14)〜(17)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(19)
前記送信部は、前記メンテナンス応答フレームの受信に基づいて前記役割情報が格納されるメンテナンス通知フレームを送信する、
前記(18)に記載の無線通信装置。
(20)
プロセッサを用いて、
少なくとも1つの無線通信装置のグループについて設定される、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される第1のフレームを生成することと、
前記第1のフレームを送信することと、
を含む無線通信方法。
100 通信装置
110 データ処理部
120 制御部
130 無線通信部
140 有線通信部

Claims (20)

  1. 少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報に基づいて、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームの生成を制御する制御部と、
    前記参入要求フレームを送信する送信部と、
    を備える無線通信装置。
  2. 前記グループ情報が格納される通知フレームを第1の無線通信装置から受信する受信部をさらに備え、
    前記制御部は、前記通知フレームに格納される前記グループ情報に基づいて前記参入要求フレームの生成を制御し、
    前記送信部は、前記参入要求フレームを前記第1の無線通信装置へ送信する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記参入要求フレームに格納される前記役割情報は、前記参入要求フレームの送信元の通信的役割が特定される情報を含む、
    請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記受信部は、前記グループに参入している無線通信装置宛ての前記グループのメンテナンス用のメンテナンス要求フレームを受信し、
    前記送信部は、前記メンテナンス要求フレームへの応答として、前記役割情報が格納されるメンテナンス応答フレームを送信する、
    請求項2に記載の無線通信装置。
  5. 前記送信部は、前記メンテナンス要求フレームの受信に応じて前記メンテナンス要求フレームを送信する、
    請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記送信部は、前記メンテナンス要求フレームの送信後に他の無線通信装置から前記メンテナンス要求フレームが受信される場合、前記メンテナンス応答フレームを送信する、
    請求項5に記載の無線通信装置。
  7. 前記送信部および前記受信部は、前記役割情報および無線通信装置の状態情報の少なくとも一方に基づいて、他の無線通信装置の代わりに前記他の無線通信装置の前記通信的役割に応じた通信を行う、
    請求項2に記載の無線通信装置。
  8. 前記通信的役割は、送信および受信の少なくとも一方を含む、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  9. 前記通信的役割は、特定の用途または種類のデータを通信することを含む、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  10. 前記役割情報は、ユーザによる設定または無線通信装置の性能に係る情報に基づいて決定される、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  11. 前記グループに参入している無線通信装置間の通信の方式は、前記グループの外部との通信の方式と異なる、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  12. 前記グループに参入している無線通信装置間の通信の方式は、物理的な接続を伴う通信方式を含み、
    前記物理的な接続を伴う通信方式を用いて通信する物理接続通信部を備える、
    請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記物理接続通信部は、前記物理的な接続を伴う通信方式を用いて、無線通信装置の前記通信的役割に関わる状態情報信号を通信する、
    請求項12に記載の無線通信装置。
  14. 少なくとも1つの無線通信装置から構成されるグループに関するグループ情報が格納される通知フレームを送信する送信部と、
    前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される、前記グループへの参入要求に係る参入要求フレームを受信する受信部と、
    を備える無線通信装置。
  15. 前記送信部は、前記参入要求フレームへの応答として、前記役割情報が格納される参入応答フレームを送信する、
    請求項14に記載の無線通信装置。
  16. 前記参入応答フレームに格納される前記役割情報は、前記グループに参入している無線通信装置の通信的役割が特定される情報を含む、
    請求項15に記載の無線通信装置。
  17. 前記送信部は、前記参入要求フレームの受信に基づいて、前記グループに参入している無線通信装置宛ての参入通知フレームを送信する、
    請求項14に記載の無線通信装置。
  18. 前記送信部は、前記グループに参入している無線通信装置宛ての前記グループのメンテナンス用のメンテナンス要求フレームを送信し、
    前記受信部は、前記メンテナンス要求フレームへの応答として、前記役割情報が格納されるメンテナンス応答フレームを受信する、
    請求項14に記載の無線通信装置。
  19. 前記送信部は、前記メンテナンス応答フレームの受信に基づいて前記役割情報が格納されるメンテナンス通知フレームを送信する、
    請求項18に記載の無線通信装置。
  20. プロセッサを用いて、
    少なくとも1つの無線通信装置のグループについて設定される、前記グループの外部との通信における通信的役割が特定される役割情報が格納される第1のフレームを生成することと、
    前記第1のフレームを送信することと、
    を含む無線通信方法。
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