JPWO2017212848A1 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
画像の滲み防止とひび割れ防止を両立できるインクジェット記録方法を提供する。樹脂及び凝集剤を少なくとも含有する処理液を付与した低吸水性の記録媒体上に、顔料、顔料分散剤、有機溶剤及び水を少なくとも含むインクジェットインクを用いて記録する際に、前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有するインクジェット記録方法であり、好ましくは、前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤として、酸価が60mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を一種以上含む。
Description
本発明は、インクジェット記録方法に関し、より詳しくは、画像の滲み防止とひび割れ防止を両立できるインクジェット記録方法に関する。
特許文献1には、インク非吸収性の記録媒体に滲みなく画像形成する方法として、樹脂及び凝集剤を含む処理液を付与した記録媒体に、顔料、アニオン性顔料分散剤及び水を含むインクで画像を形成することが開示されている。
しかし、特許文献1の技術では、インク非吸収性の記録媒体として特にフィルム基材を用いる場合、インクが基材に浸透しないため、印字後にインクの全量を乾燥させなければならない。この乾燥の際、インクの大幅な体積変化に伴う画像の収縮が起こり、画像がひび割れてしまうことがあった。特に、処理液に極性の高い樹脂を含む場合にひび割れが顕著になることがわかった。即ち、特許文献1の技術には、画像の滲み防止とひび割れ防止を両立する観点で、更なる改善の余地が見出された。
そこで本発明の課題は、画像の滲み防止とひび割れ防止を両立できるインクジェット記録方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
樹脂及び凝集剤を少なくとも含有する処理液を付与した低吸水性の記録媒体上に、
顔料、顔料分散剤、有機溶剤及び水を少なくとも含むインクジェットインクを用いて記録する際に、
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
2.
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤として、酸価が60mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を一種以上含むことを特徴とする前記1記載のインクジェット記録方法。
3.
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤は、下記式(1)で表されるアミン/酸比Xが0.1以上2以下の範囲であることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録方法。
X=(BV1・BC1+BV2・BC2+・・・+BVm・BCm)/(AV1・AC1+AV2・AC2+・・・+AVn・ACn) ・・・式(1)
〔上記式(1)において、アミン価を少なくとも有するm種の顔料分散剤の各アミン価(mgKOH/g)をBV1〜BVm、各濃度(前記インクジェットインク全量に対する重量%)をBC1〜BCmとする。また、酸価を少なくとも有するn種の顔料分散剤の各酸価(mgKOH/g)をAV1〜AVn、各濃度(前記インクジェットインク全量に対する重量%)をAC1〜ACnとする。m及びnはそれぞれ1以上の整数である。〕
4.
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤として、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤を一種以上含むことを特徴とする前記1、2又は3記載のインクジェット記録方法。
5.
前記処理液の前記凝集剤が酸性凝集剤であることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
6.
前記処理液の前記酸性凝集剤が有機酸であることを特徴とする前記5記載のインクジェット記録方法。
7.
前記低吸水性の記録媒体がフィルム基材であることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載のインクジェット記録方法。
1.
樹脂及び凝集剤を少なくとも含有する処理液を付与した低吸水性の記録媒体上に、
顔料、顔料分散剤、有機溶剤及び水を少なくとも含むインクジェットインクを用いて記録する際に、
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
2.
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤として、酸価が60mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を一種以上含むことを特徴とする前記1記載のインクジェット記録方法。
3.
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤は、下記式(1)で表されるアミン/酸比Xが0.1以上2以下の範囲であることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録方法。
X=(BV1・BC1+BV2・BC2+・・・+BVm・BCm)/(AV1・AC1+AV2・AC2+・・・+AVn・ACn) ・・・式(1)
〔上記式(1)において、アミン価を少なくとも有するm種の顔料分散剤の各アミン価(mgKOH/g)をBV1〜BVm、各濃度(前記インクジェットインク全量に対する重量%)をBC1〜BCmとする。また、酸価を少なくとも有するn種の顔料分散剤の各酸価(mgKOH/g)をAV1〜AVn、各濃度(前記インクジェットインク全量に対する重量%)をAC1〜ACnとする。m及びnはそれぞれ1以上の整数である。〕
4.
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤として、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤を一種以上含むことを特徴とする前記1、2又は3記載のインクジェット記録方法。
5.
前記処理液の前記凝集剤が酸性凝集剤であることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
6.
前記処理液の前記酸性凝集剤が有機酸であることを特徴とする前記5記載のインクジェット記録方法。
7.
前記低吸水性の記録媒体がフィルム基材であることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、画像の滲み防止とひび割れ防止を両立できるインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、樹脂及び凝集剤を少なくとも含有する処理液を付与した低吸水性の記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)上に、顔料、顔料分散剤、有機溶剤及び水を少なくとも含むインクジェットインク(以下、単にインクともいう)を用いて記録する。その際、インクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することを一つの特徴とする。
かかる本発明のインクジェット記録方法によれば、画像の滲み防止とひび割れ防止を両立できる効果が得られる。
低吸水性の記録媒体上に記録(付与)されたインクの成分は、予め該記録媒体上に付与されている処理液の成分によって凝集される。特にインクに含まれる顔料分散剤が酸価を有していることによって、処理液の成分である凝集剤の作用によって、顔料分散剤中のアニオン部位が失われ、凝集が起こる。これにより、画像の滲みが防止される。
同時に、顔料分散剤がアミン価を有していることによって、凝集剤が作用したときに、顔料分散剤中にカチオン部位が生じる。そして、生じたカチオン部位同士が互いに反発することによって、上述した凝集の過剰な進行が防止される。これにより、画像の収縮が抑制されて、画像のひび割れも防止される。
さらに、前記カチオン部位は、前記アニオン部位と相互作用が可能である。そのため、凝集剤の量に対してインクの付与量が比較的多い場合(例えば印字率を高めた場合)等において、凝集剤によってアニオン部位が完全に消失されなくても、生じたカチオン部位との相互作用によって凝集が進行し、画像の滲みを効果的に防止できる。
以下に、インクジェット記録方法に係る各構成について更に詳しく説明する。
<低吸水性の記録媒体>
インクジェット記録方法による記録対象となる低吸水性の記録媒体を用意する。
インクジェット記録方法による記録対象となる低吸水性の記録媒体を用意する。
低吸水性の記録媒体の例には、インクジェットによる画像形成と密着性を得ることが困難なグラビアやオフセット印刷用コート紙などの吸水性の低い記録媒体、ならびに、フィルム、プラスチックボード、ガラス、タイルおよびゴムなどの非吸水性の記録媒体が含まれる。上記プラスチックボードの例には、軟質塩化ビニル、硬質塩化ビニル、アクリル板、およびポリオレフィン系のプラスチックボードなどが含まれる。
非吸水性のフィルムの例には、公知のプラスチックフィルムが含まれる。公知のプラスチックフィルムの具体例には、ポリエチレンテレフタレート等を含むポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を含むポリオレフィンフィルム;ナイロン等を含むポリアミド系フィルム;ポリスチレンフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム;ポリ乳酸フィルム等を含む生分解性フィルム;などが含まれる。また、ガスバリヤー性、防湿性、保香性などを付与するために、片面または両面にポリ塩化ビニリデンをコートしたフィルムや、金属酸化物を蒸着したフィルムも好ましく用いることができる。該フィルムをフィルム基材として用いる。
非吸水性フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。
また、防曇加工が施された非吸水性のフィルムも好ましく用いることができる。防曇加工が施されたフィルムとしては、一般的に、界面活性剤を含有させたフィルム等が挙げられる。
非吸水性のフィルムの表面は、コロナ放電やオゾン処理などにより表面処理されていることが好ましい。
(処理液)
低吸水性の記録媒体上に付与される処理液は、樹脂及び凝集剤を少なくとも含む。
低吸水性の記録媒体上に付与される処理液は、樹脂及び凝集剤を少なくとも含む。
(樹脂)
樹脂は格別限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン−アクリルハイブリッド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン及びポリアリルアミン等を挙げることができる。
樹脂は格別限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン−アクリルハイブリッド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン及びポリアリルアミン等を挙げることができる。
これらの樹脂の中でも、特に、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン−アクリルハイブリッド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン及びポリアリルアミン等のような極性の高い樹脂を用いた場合、ひび割れを防止することが特に困難であったが、本発明によれば、このような場合においてもひび割れを好適に防止できる。
また、樹脂としてウレタン樹脂を用いることによって、後述するインクジェット法によって記録される画像の密着性を向上することができる。更に、ウレタン樹脂を用いることによって、低吸水性の記録媒体として例えばフィルム基材等の可撓性基材を用いる場合に、画像記録後の基材の柔軟性が損なわれにくい。
記録媒体が、延伸ポリオレフィンフィルム、例えば、延伸ポリプリピレンフィルム(略称OPP)等のような極性の低いフィルム基材等により構成される場合は、後述するインクジェット法によって記録される画像の密着性を高める観点で、樹脂として、ウレタン樹脂を単独で用いるよりも、ウレタン樹脂に極性の低いオレフィン系樹脂を混合して用いることが好ましい。
樹脂としては、凝集剤の分散性を向上させる等の観点で、カチオン性又はノニオン性の樹脂を好ましく用いることができ、特にカチオン性の樹脂が好適である。
これらの樹脂は、市販品として入手することができる。
ウレタン樹脂を含有する市販の製品の例として、荒川化学工業社製の「ユリアーノ W600」、「ユリアーノ KL−422」及び「ユリアーノ W321」(「ユリアーノ」は同社の登録商標)、第一工業製薬社製の「スーパーフレックス 210」、「スーパーフレックス 620」、「スーパーフレックス 650」及び「スーパーフレックス F2421D」(「スーパーフレックス」は同社の登録商標)、明成化学工業社製の「JK−8702」、「パスコール AD−1」、「パスコール V−440」、「パスコール JK−870」及び「パスコール E−717」(「パスコール」は同社の登録商標)、ADEKA社製の「HUX−401」、「HUX−2520」、「HUC−564」及び「HUX−680」、三洋化成工業社製の「パーマリン UC−20」(「パーマリン」は同社の登録商標)、並びに大原パラヂウム化学社製の「パラゾール PC−238」、「パラゾール PC−86」及び「パラサーフ UP−22」(「パラゾール」は同社の登録商標)等が挙げられる。
ウレタン−アクリルハイブリッド樹脂を含有する市販の製品の例として、大成ファインケミカル社製の「アクリット WEM−505c」及び「アクリット WEM−506c」(「アクリット」は同社の登録商標)、大原パラヂウム化学社製の「パラコン PJ−S2」、星光PMC社製の「T−GN133」、「SE2202」及び「WS4030」、並びに荒川化学工業社製の「ポリマロン 360」(「ポリマロン」は同社の登録商標)等が挙げられる。
アクリル系樹脂を含有する市販の製品の例として、大成ファインケミカル社製の「RKW−620」及び「AKW−107」等が挙げられる。
オレフィン系樹脂を含有する市販の製品の例として、ユニチカ社製の「アローベース CB−1200」及び「アローベース DC−1200」(「アローベース」は同社の登録商標)、日本製紙社製の「E−415」、「E−480T」、「AE−301」、「AE−202」及び「AE−502」等が挙げられる。
樹脂は、樹脂微粒子として処理液に含有されることが好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒子径は、10nm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。体積平均粒子径の測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ該粒子径領域を精度よく測定できる。
処理液における樹脂の含有量は、処理液の重量に対して5重量%以上40重量%以下の範囲とすることが好ましく、10重量%以上30重量%以下の範囲とすることが更に好ましい。
処理液の樹脂は、一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
(凝集剤)
凝集剤としては、インクの成分を凝集できるものが用いられ、特に、インク中の顔料分散剤の酸価を構成するカルボキシ基に作用して凝集できるものを好ましく用いることができる。
凝集剤としては、インクの成分を凝集できるものが用いられ、特に、インク中の顔料分散剤の酸価を構成するカルボキシ基に作用して凝集できるものを好ましく用いることができる。
凝集剤の具体例として、酸、酸性ポリマー、多価金属塩、カチオン性ポリマー等を好ましく挙げることができる。
酸及び酸性ポリマーは、pH変動等によってインク中の酸価を持つ(アニオン性基を持つ)顔料分散剤を凝集させて、顔料を凝集することができる。
酸は、無機酸、有機酸の何れであってもよい。無機酸としては、例えば、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、シュウ酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、安息香酸、2−ピロリドン−5−カルボン酸、乳酸、アクリル酸又はその誘導体、メタクリル酸又はその誘導体、アクリルアミド又はその誘導体、スルホン酸誘導体等が挙げられる。
酸性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸又はその誘導体、ポリメタクリル酸又はその誘導体、ポリアクリルアミド又はその誘導体、ポリスルホン酸又はその誘導体、ポリリン酸又はその誘導体等を好ましく例示できる。
酸、酸性ポリマーは、中和されていても構わないが、未中和であるか、もしくは部分中和されているものを、より好ましく用いることができる。
凝集を速やかに進行させる観点で、酸、酸性ポリマーのような酸性凝集剤を用いることは特に好ましいことである。酸性凝集剤の中でも酸が好ましく、有機酸が最も好ましい。有機酸を用いることによって、処理液を構成する樹脂等の他の成分との相溶性を向上でき、更に、処理液を乾燥した際に塩になりにくいため、透明性に優れる効果も得られる。
多価金属塩は、塩析等によってインク中の酸価を持つ(アニオン性基を持つ)顔料分散剤と凝集を起こして、顔料を凝集することができる。多価金属塩としては、2価以上の価数をもつ金属の塩を用いることができる。多価金属塩を構成する金属(カチオン)の種類は特に限定されないが、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの2価金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+、Y3+などの3価金属イオン、Zr4+などの4価金属イオン等が挙げられる。多価金属塩を構成する塩の種類は特に限定されないが、例えば、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、有機酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩などの公知の塩を使用でき、上述した酸に対応する塩であってもよい。多価金属塩の具体例として、例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
カチオン性ポリマーは、多価金属塩同様、塩析によりインク中の酸価を持つ(アニオン性基を持つ)顔料分散剤と凝集を起こして、顔料を凝集することができる。カチオン性ポリマーとしては、1〜4級のアミンを有するポリマーを好ましく用いることができる。カチオン性ポリマーは、中和されていても、中和されていなくてもよい。カチオン性ポリマーは市販品としても入手することができ、例えば、日東紡メディカル社製「ポリアリルアミン」等を挙げることができる。
処理液の凝集剤は、一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
処理液中の樹脂100重量部に対する凝集剤の含有量は、1重量部以上50重量部以下の範囲であることが好ましく、5重量部以上30重量部以下の範囲であることが更に好ましい。
(その他の成分)
処理液は溶媒を含有することができる。溶媒は格別限定されないが、例えば、水を用いることができる。また、溶媒として有機溶剤を含んでもよい。溶媒は塗布後の乾燥により除去することができる。
処理液は溶媒を含有することができる。溶媒は格別限定されないが、例えば、水を用いることができる。また、溶媒として有機溶剤を含んでもよい。溶媒は塗布後の乾燥により除去することができる。
また、処理液は界面活性剤を含有することができる。これにより、各種塗布方法への適合性を高めることができる。
処理液には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他、架橋剤、防黴剤、殺菌剤等、他の成分を適宜配合することができる。
(付与条件)
処理液を低吸水性の記録媒体に付与する方法は格別限定されず、例えば、ローラー塗布法、カーテン塗布法、スプレー塗布法、インクジェット法等を好ましく挙げることができる。
処理液を低吸水性の記録媒体に付与する方法は格別限定されず、例えば、ローラー塗布法、カーテン塗布法、スプレー塗布法、インクジェット法等を好ましく挙げることができる。
記録媒体に処理液を付与した後、該処理液中の溶媒を乾燥させる乾燥処理を施すことは好ましいことである。乾燥方法は格別限定されないが、温風による乾燥、ヒーターによる乾燥等を用いることができる。このようにして、記録媒体の表面に被膜を形成することができる。
被膜における樹脂の付量は、0.5g/m2以上5g/m2以下の範囲であることが好ましい。また、被膜における凝集剤の付量は、0.1g/m2以上1g/m2以下の範囲であることが好ましい。
乾燥後の被膜の厚さは格別限定されないが、例えば、0.1μm以上4μm以下の範囲であることが好ましい。これにより、記録媒体の質感が変化することを好適に防止でき、また、該被膜中に十分な量の凝集剤を含有させることができる。
<インク>
次に、インクジェットインクについて詳しく説明する。
次に、インクジェットインクについて詳しく説明する。
(顔料分散剤)
本発明は、インクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することを一つの特徴とし、酸価を有する一種以上の顔料分散剤、アミン価を有する一種以上の顔料分散剤、酸価及びアミン価を有する一種以上の顔料分散剤の中から顔料分散剤を適宜組み合わせることによって、顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することができる。
本発明は、インクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することを一つの特徴とし、酸価を有する一種以上の顔料分散剤、アミン価を有する一種以上の顔料分散剤、酸価及びアミン価を有する一種以上の顔料分散剤の中から顔料分散剤を適宜組み合わせることによって、顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することができる。
なお、酸価及びアミン価の測定は、電位差滴定法により求めることができ、例えば色材協会誌61,[12]692−698(1988)に記載の方法で測定できる。「酸価を有する」、「アミン価を有する」というのは、これらの値がゼロではないことを意味する。
顔料分散剤の組み合わせに係る構成例として、下記(a)〜(e)を例示することができる。
(a)酸価を有し且つアミン価を有しない顔料分散剤と、アミン価を有し且つ酸価を有しない顔料分散剤の併用
(b)酸価を有し且つアミン価を有しない顔料分散剤と、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤の併用
(c)アミン価を有し且つ酸価を有しない顔料分散剤と、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤の併用
(d)酸価及びアミン価を有する顔料分散剤の単独使用
(b)酸価を有し且つアミン価を有しない顔料分散剤と、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤の併用
(c)アミン価を有し且つ酸価を有しない顔料分散剤と、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤の併用
(d)酸価及びアミン価を有する顔料分散剤の単独使用
特にひび割れ防止性の効果を更に顕著に発揮する観点では、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤を一種以上含むことが好ましく、上記(b)、(c)又は(d)の構成が好ましい。
酸価を有する顔料分散剤としては、酸価が60mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を好ましく用いることができる。
顔料分散剤1分子中の酸価が60mgKOH/g以上であれば、凝集が過剰に速く進行することが防止され、基材に付与したインクが適度に濡れ拡がる。これにより、インクドット径を十分に確保でき、隣接するインクドットとの合一が好適に進行し、すじの発生が防止される。また、顔料分散剤1分子中の酸価が200mgKOH/g以下であれば、凝集が過剰に遅く進行することが防止され、基材に付与したインクが濡れ拡がることを防止できる。これにより、画像の滲みを更に防止できる。
酸価を有する顔料分散剤は、アルカリ中和されたアニオン性基を有することが好ましい。アルカリ中和されたアニオン性基としては、アルカリ中和されたカルボキシル基、スルホン酸基等を好ましく例示でき、特に顔料凝集剤を作用させた際に速やかな凝集を実現する観点で、アルカリ中和されたカルボキシル基が好適である。
アニオン性基を中和するアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等の金属塩基化合物や、アンモニアや、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等を好ましく挙げることができる。
酸価を有する顔料分散剤として、例えば、アクリル系分散剤を好ましく用いることができる。アクリル系分散剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸共重合体から選択される一種又は複数種を好適に用いることができる。
アクリル系分散剤は、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸を含む。アクリル系分散剤として、(メタ)アクリル酸の重合体(即ち、ポリ(メタ)アクリル酸)、あるいは必要に応じてスチレンなどの他のモノマー成分を共重合した共重合体(即ち、(メタ)アクリル酸共重合体)を好適に用いることができる。
酸価を有する顔料分散剤は市販品として入手することができ、例えば、ビックケミー社製の「DISPERBYK−102」、「DISPERBYK−190」、「DISPERBYK−194」、「DISPERBYK−2090」、「DISPERBYK−2091」、「DISPERBYK−2095」、「DISPERBYK−2096」、BASF社製の「ジョンクリル67」、「ジョンクリル690」、「ジョンクリル819」、「ジョンクリル683」、「PDX−6102B」、「JDX−6180」、「JDK−6500」、「EFKA6230」(ジョンクリルは同社の登録商標)等が挙げられる。
アミン価を有する顔料分散剤のアミン価は格別限定されず、例えばアミン価が10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を用いることができる。
アミン価を有する顔料分散剤は、モノマー成分として、例えば、アミノ置換スチレン、炭素数が1〜4のアルキル基を1又は2つ有するアミノ置換スチレン、ビニルピリジン又はその塩、炭素数が1〜4のアルキル基置換ビニルピリジン又はその塩、ビニルイミダゾール又はその塩、及び、炭素数が1〜4のアルキル基置換イミダゾール又はその塩、からなる群より選ばれるエチレン性不飽和アミノモノマーを含有することができる。
アミン価を有する顔料分散剤は市販品として入手することができ、例えば、ビックケミー社製の「DISPERBYK−109」、「DISPERBYK−108」、「DISPERBYK−164」、「DISPERBYK−2008」、「DISPERBYK−2050」、「DISPERBYK−2055」、「DISPERBYK−2155」、BASF社製の「EFKA4570」等が挙げられる。
酸価及びアミン価を有する顔料分散剤は、酸価が60mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を好ましく用いることができる。アミン価は格別限定されず、例えばアミン価が10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を用いることができる。
酸価及びアミン価を有する顔料分散剤は、酸価を有する顔料分散剤、及び、アミン価を有する顔料分散剤のそれぞれについて例示したモノマー成分を含有することができる。
酸価及びアミン価を有する顔料分散剤は市販品として入手することができ、例えば、ビックケミー社製の「DISPERBYK−180」、「DISPERBYK−191」、「DISPERBYK−187」、「DISPERBYK−2010」、「DISBYK」、「DISPERBYK−140」、「DISPERBYK−2001」、BASF社製の「EFKA5071」、「EFKA4510」、「EFKA4530」「EFKA4570」、「EFKA6220」、「EFKA6225」等が挙げられる。
インクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤は、下記式(1)で表されるアミン/酸比Xが、0.1〜2の範囲であることが好ましく、0.3以上1.5以下の範囲であることが更に好ましい。
X=(BV1・BC1+BV2・BC2+・・・+BVm・BCm)/(AV1・AC1+AV2・AC2+・・・+AVn・ACn) ・・・式(1)
〔上記式(1)において、アミン価を少なくとも有するm種の顔料分散剤の各アミン価(mgKOH/g)をBV1〜BVm、各濃度(インク全量に対する重量%)をBC1〜BCmとする。また、酸価を少なくとも有するn種の顔料分散剤の各酸価(mgKOH/g)をAV1〜AVn、各濃度(インク全量に対する重量%)をAC1〜ACnとする。m及びnはそれぞれ1以上の整数である。〕
アミン/酸比Xが、0.1以上、更には0.3以上であることによって、ひび割れ防止性が更に顕著に発揮される。また、アミン/酸比Xが、2以下、更には1.5以下であることによって、滲み防止性が更に顕著に発揮される。
インクの顔料分散剤は、以上に説明した顔料分散剤の他に、酸価及びアミン価の何れも有しない顔料分散剤を更に含んでもよい。
インク中における顔料分散剤の含有量は、顔料100重量部に対して10重量部以上100重量部以下の範囲であることが好ましく、10重量部以上50重量部以下の範囲であることが更に好ましい。
(顔料)
インクに含有させる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料、あるいは酸化チタンやカーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。これらの顔料は、インク中に上述した顔料分散剤により分散させた状態で存在させて、使用することができる。
インクに含有させる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料、あるいは酸化チタンやカーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。これらの顔料は、インク中に上述した顔料分散剤により分散させた状態で存在させて、使用することができる。
不溶性顔料は格別限定されないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
有機顔料は格別限定されないが、例えば以下のものを好ましく例示できる。
イエロー又はオレンジ等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155等が挙げられる。
マゼンタ又はレッド等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン又はグリーン等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
インク中における顔料の分散状態の重量平均粒子径は、50nm〜200nmの範囲であることが好ましい。これにより、顔料の分散安定性を向上でき、インクの保存安定性を向上できる。顔料の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ該粒子径領域を精度よく測定できる。
顔料は、顔料分散剤およびその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に、分散機により分散して用いることができる。
分散機としては、従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等を使用できる。中でもサンドミルによって顔料を分散させると、粒度分布がシャープとなるため好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質は、格別限定されないが、ビーズ破片の生成やイオン成分のコンタミネーションを防止する観点から、ジルコニアまたはジルコンであることが好ましい。さらに、このビーズ径は、0.3mm〜3mmであることが好ましい。
インクにおける顔料の含有量は格別限定されないが、例えば、無機顔料については7重量%〜18重量%の範囲であることが好ましく、有機顔料については0.5重量%〜7重量%の範囲であることが好ましい。
(有機溶剤)
インクに含有させる有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましく用いられ、例えば、1価アルコール類、グリコール類(2価アルコール類)、3価アルコール類、グリコールエーテル類、アセテート類、アミン類、アミド類等を好ましく例示できる。
インクに含有させる有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましく用いられ、例えば、1価アルコール類、グリコール類(2価アルコール類)、3価アルコール類、グリコールエーテル類、アセテート類、アミン類、アミド類等を好ましく例示できる。
1価アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等を好ましく例示できる。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレンオキサイド基の数が5以上のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、プロピレンオキサイド基の数が4以上のポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール等を好ましく例示できる。
3価アルコール類としては、例えば、グリセリン、ヘキサントリオール等を好ましく例示できる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等を好ましく例示できる。
アセテート類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等を好ましく例示できる。
アミン類としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等を好ましく例示できる。
アミド類としては、例えば、2−ピロリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を好ましく例示できる。
これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
(その他の成分)
インクは、吐出性向上や濡れ性向上のため、界面活性剤を含んでいることが好ましい。界面活性剤は格別限定されず、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
インクは、吐出性向上や濡れ性向上のため、界面活性剤を含んでいることが好ましい。界面活性剤は格別限定されず、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等を好ましく例示できる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等を好ましく例示できる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等を好ましく例示できる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等を好ましく例示できる。
低表面張力化の観点から、これらの界面活性剤の一部はフッ素原子あるいは珪素原子に置換されていることが好ましい。
これらの界面活性剤は1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。インクにおける界面活性剤の含有量は、格別限定されないが、0.1重量%〜5.0重量%の範囲であることが好ましい。
インクには、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を適宜配合することができる。
<インクジェット法>
インクジェット法では、上述したインクを装填したインクジェットヘッドを備えるプリンタを用いて、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドのノズルからインクを液滴として吐出させ、これを上述した低吸水性の記録媒体における処理液が塗布された領域に着弾させて画像を記録することができる。
インクジェット法では、上述したインクを装填したインクジェットヘッドを備えるプリンタを用いて、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドのノズルからインクを液滴として吐出させ、これを上述した低吸水性の記録媒体における処理液が塗布された領域に着弾させて画像を記録することができる。
インクジェットヘッドは、オンデマンド方式、コンティニュアス方式の何れであってもよい。インクジェットヘッドの液滴吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シアーモード型、シアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等、何れの方式を用いてもよい。
特に、電気−機械変換方式に用いられる電気−機械変換素子として圧電素子を用いたインクジェットヘッド(ピエゾ型インクジェットヘッドともいう)が好適である。
インクジェットプリンタの印刷方式には、スキャン方式(マルチパス方式ともいう)とシングルパス方式と呼ばれる2つの方式がある。
スキャン方式は、例えば、ヘッドキャリッジをフィルムの搬送方向(副走査方向)に対して、横方向(主走査方向)に往復運動をさせ、複数回のパスによって画像を完成させる方式で、記録速度は遅いが使用するヘッドの数を少なくできる。
一方、シングルパス方式は、例えば、ラインヘッド型のインクジェットヘッド(ヘッドキャリッジ)を固定したまま、搬送している用紙に1回のパスによって画像を完成させる方式で、高速記録が可能となり、高い生産性が得られる。
一般にスキャン方式では主走査方向の搬送速度は数m/分(より具体的には1m/分〜5m/分)程度であるが、シングルパス方式では数十m/分(より具体的には10m/分〜100m/分)の印字が可能となる。
その結果、単位面積当たりのインク付量が同じ場合、単位時間当たりのインクの付着量が、シングルパス方式ではスキャン方式の十倍以上になることもある。
参考として、スキャン方式及びシングルパス方式の印字条件の一例を示すが、これに限定されるものではない。
スキャン方式:搬送速度5m/min、印字幅1.2m、印字速度360m2/h、インク付量20cc/m2、1秒間あたりのインク付着量2cc/m2・s
シングルパス方式:搬送速度50m/min、印字幅1.2m、印字速度3600m2/h、インク付量20cc/m2、1秒間あたりのインク付着量20cc/m2・s
このように、シングルパス方式では、インク付量、あるいは1秒間あたりのインク付着量が比較的大きくなる。これに合わせて凝集剤を多量に使用したとしても、本発明に係るインクのように、顔料分散剤が酸価と共にアミン価を有していることによって、凝集が過剰に進行することが防止され、ひび割れが防止される。また、アミン価から生じるカチオン部位は、顔料分散剤中のアニオン部位と相互作用が可能であるため、凝集剤の量に対してインクの付与量が比較的多い場合等において、凝集剤によってアニオン部位が完全に消失されなくても、カチオン部位との相互作用によって凝集が進行し、画像の滲みを効果的に防止できる。これにより、シングルパス方式を有利に適用できる。
シングルパス方式には、上述したようにラインヘッド型のインクジェットヘッドを使用することが好ましい。ラインヘッド型のインクジェットヘッドとは、印字範囲の幅以上の長さを持つインクジェットヘッドのことを指す。ラインヘッド型のインクジェットヘッドとしては、一つのヘッドで印字範囲の幅以上であるものを用いてもよいし、複数のヘッドを組み合わせて印字範囲の幅以上となるように構成してもよい。また、複数のヘッドを、互いのノズルが千鳥配列となるように並設して、これらヘッド全体としての解像度を高くすることも好ましい。
インクジェット法では、例えば、インク乾燥によるノズル詰まりを防止するために、ノズルからインクを吐き捨てるメンテナンス動作を実行することができる。この動作は、インクジェットヘッドを記録媒体上の領域の外に移動させた状態(即ち記録媒体にインクが付与されない状態)で実行することができる。このとき、スキャン方式では、インクジェットヘッドをスキャンさせることによって、記録媒体上の領域の外に容易に移動することができる。一方、シングルパス方式では、通常はインクジェットヘッドが固定されているため、記録媒体上の領域の外に移動することが比較的困難である。これに対して、本発明では、インクに、乾燥してもノズル詰まりを生じにくい性質を好適に付与できるため、インク吐き捨ての負担を軽減でき、吐出安定性が高い。よって、このような観点でも、シングルパス方式を有利に適用できる。
<その他>
本発明のインクジェット記録方法は、フィルム基材からなる記録媒体上にインクジェット法で記録する種々の用途に好適に用いることができる。本発明のインクジェット記録方法によって記録が成された記録媒体の用途は格別限定されない。記録済み記録媒体の用途の具体例としては、例えば、食品や飲料等を包装する包装用フィルム等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法は、フィルム基材からなる記録媒体上にインクジェット法で記録する種々の用途に好適に用いることができる。本発明のインクジェット記録方法によって記録が成された記録媒体の用途は格別限定されない。記録済み記録媒体の用途の具体例としては、例えば、食品や飲料等を包装する包装用フィルム等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(実施例1)
1.処理液の調製
水からなる溶媒に、樹脂としてカチオン性ウレタン樹脂R−1(明成化学工業社製「JK−870」)、及び、凝集剤としてマロン酸を撹拌しながら添加し、5.0μmのフィルターにより濾過して処理液を得た。
1.処理液の調製
水からなる溶媒に、樹脂としてカチオン性ウレタン樹脂R−1(明成化学工業社製「JK−870」)、及び、凝集剤としてマロン酸を撹拌しながら添加し、5.0μmのフィルターにより濾過して処理液を得た。
2.インクの調製
顔料(ピグメントブルー15:3)に、顔料分散剤と、有機溶剤としてエチレングリコールと、イオン交換水を加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料分散液を調製した。
顔料(ピグメントブルー15:3)に、顔料分散剤と、有機溶剤としてエチレングリコールと、イオン交換水を加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料分散液を調製した。
ここでは、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−2(ビックケミー社製「DISPERBYK−2095」;酸価=36mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用した。
この顔料分散液に含まれる顔料粒子の平均粒子径は113nmであった。なお、平均粒子径の測定はマルバルーン社製「ゼータサイザ1000HS」により行った。
次いで、得られた顔料分散液に、有機溶剤としてエチレングリコール、界面活性剤としてシリコン系非イオン性界面活性剤(日信化学工業社製「シルフェイスSAG503A」)及びイオン交換水を撹拌しながら添加し、1μmのフィルターにより濾過してインクを得た。得られたインクの組成及びアミン/酸比X(=0.4)は表1に示した通りである。
3.処理液の付与
上記により得られた処理液を、フィルム基材(二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製「FOS#60」))上にワイヤーバーで塗布し、80℃の熱風ドライヤーで乾燥させて被膜を形成した。被膜におけるカチオン性ウレタン樹脂の付量は1.6g/m2であり、マロン酸の付量は0.3g/m2である。
上記により得られた処理液を、フィルム基材(二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製「FOS#60」))上にワイヤーバーで塗布し、80℃の熱風ドライヤーで乾燥させて被膜を形成した。被膜におけるカチオン性ウレタン樹脂の付量は1.6g/m2であり、マロン酸の付量は0.3g/m2である。
4.インクの付与(インクジェット記録)
コニカミノルタ社製ピエゾ型インクジェットヘッド(360dpi、吐出量14pL)の独立駆動ヘッド2つをノズルが互い違いになるように配置し、720dpi×720dpiのヘッドモジュールを作成し、ステージ搬送機上に搬送方向にノズル列が直交するように設置した。同様にもう一つのヘッドモジュールを搬送方向に並べて設置し、2色分のインクジェットプリント画像をワンパス方式で印字できるようにした。2色分のヘッドモジュールの両方に、上記により得られたインクを装填し、ステージ搬送機によって搬送されるフィルム基材の被膜上に、ワンパス方式で22.5cc/m2のインク付与量でベタ印字できるようにインクジェット記録装置を構成した。
コニカミノルタ社製ピエゾ型インクジェットヘッド(360dpi、吐出量14pL)の独立駆動ヘッド2つをノズルが互い違いになるように配置し、720dpi×720dpiのヘッドモジュールを作成し、ステージ搬送機上に搬送方向にノズル列が直交するように設置した。同様にもう一つのヘッドモジュールを搬送方向に並べて設置し、2色分のインクジェットプリント画像をワンパス方式で印字できるようにした。2色分のヘッドモジュールの両方に、上記により得られたインクを装填し、ステージ搬送機によって搬送されるフィルム基材の被膜上に、ワンパス方式で22.5cc/m2のインク付与量でベタ印字できるようにインクジェット記録装置を構成した。
上記インクジェット記録装置を用いて、フィルム基材の被膜上の縦横5cmの正方形領域に対して、インクをインク付与量22.5cc/m2でベタ印字した後、ホットプレート上にて60℃で15分乾燥し、ベタ画像を形成した。
5.評価方法
(1)にじみ防止性
得られた画像について、下記評価基準でにじみ防止性を評価した。
<評価基準>
AA:ルーペで拡大してもにじみが観察されない。
A:ルーペで拡大するとにじみが観察されるが、目視では観察されない。
B:目視でにじみが判別できるが、実用上問題ない。
C:にじみがひどく、実用できない。
(1)にじみ防止性
得られた画像について、下記評価基準でにじみ防止性を評価した。
<評価基準>
AA:ルーペで拡大してもにじみが観察されない。
A:ルーペで拡大するとにじみが観察されるが、目視では観察されない。
B:目視でにじみが判別できるが、実用上問題ない。
C:にじみがひどく、実用できない。
なお、実施例1では、画像に僅かにすじが発生していることが確認された。
(2)ひび割れ防止性
得られた画像について、下記評価基準でひび割れ防止性を評価した。
<評価基準>
AA:ルーペで拡大してもひび割れが観察されない。
A:ルーペで拡大するとひび割れが観察されるが、目視では観察されない。
B:目視で注視すると細かなひび割れが判別できる。
C:ひび割れがひどく、実用できない。
D:ひび割れが特にひどく、実用できない。
得られた画像について、下記評価基準でひび割れ防止性を評価した。
<評価基準>
AA:ルーペで拡大してもひび割れが観察されない。
A:ルーペで拡大するとひび割れが観察されるが、目視では観察されない。
B:目視で注視すると細かなひび割れが判別できる。
C:ひび割れがひどく、実用できない。
D:ひび割れが特にひどく、実用できない。
以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−3(ビックケミー社製「DISPERBYK−2090」;酸価=61mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−3(ビックケミー社製「DISPERBYK−2090」;酸価=61mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−4(BASF社製「ジョンクリル683」;酸価=160mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−4(BASF社製「ジョンクリル683」;酸価=160mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−5(BASF社製「ジョンクリル67」;酸価=213mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−5(BASF社製「ジョンクリル67」;酸価=213mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−6(BASF社製「ジョンクリル690」;酸価=240mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−6(BASF社製「ジョンクリル690」;酸価=240mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.3)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−1(BASF社製「ジョンクリル819」;酸価=75mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.05)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−1(BASF社製「ジョンクリル819」;酸価=75mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.05)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.1)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.1)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.2)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.2)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例8において、処理液の凝集剤として、マロン酸に代えて酢酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例8において、処理液の凝集剤として、マロン酸に代えて酢酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.5)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.5)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=1.6)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=1.6)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=2.7)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例6において、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=2.7)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例6と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−1(BASF社製「ジョンクリル819」;酸価=75mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤C−1(ビックケミー社製「DISBYK」;酸価=85mgKOH/g、アミン価=85mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.5)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−1(BASF社製「ジョンクリル819」;酸価=75mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)と、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤C−1(ビックケミー社製「DISBYK」;酸価=85mgKOH/g、アミン価=85mgKOH/g)とを併用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.5)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤C−1(ビックケミー社製「DISBYK」;酸価=85mgKOH/g、アミン価=85mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=1.0)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤C−1(ビックケミー社製「DISBYK」;酸価=85mgKOH/g、アミン価=85mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=1.0)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例15)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤C−2(BASF社製「EFKA5071」;酸価=90mgKOH/g、アミン価=100mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=1.1)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤C−2(BASF社製「EFKA5071」;酸価=90mgKOH/g、アミン価=100mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=1.1)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−1(BASF社製「ジョンクリル819」;酸価=75mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.0)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1において、顔料分散剤として、酸価を有する顔料分散剤A−1(BASF社製「ジョンクリル819」;酸価=75mgKOH/g、アミン価=0mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(=0.0)になるように配合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、処理液の樹脂として、カチオン性ウレタン樹脂R−1(明成化学工業社製「JK−870」)と、オレフィン系樹脂R−2(日本製紙社製「E−415」)とを併用し、表1に示す付量になるように配合量を調整したこと以外は、比較例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
比較例1において、処理液の樹脂として、カチオン性ウレタン樹脂R−1(明成化学工業社製「JK−870」)と、オレフィン系樹脂R−2(日本製紙社製「E−415」)とを併用し、表1に示す付量になるように配合量を調整したこと以外は、比較例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例2において、顔料分散剤として、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(計算不可)になるように配合量を調整したこと以外は、比較例2と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
比較例2において、顔料分散剤として、アミン価を有する顔料分散剤B−1(BASF社製「EFKA4570」;酸価=0mgKOH/g、アミン価=40mgKOH/g)を単独使用し、表1に示すインク組成及びアミン/酸比X(計算不可)になるように配合量を調整したこと以外は、比較例2と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
比較例1において、凝集剤の配合を省略したこと以外は、比較例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
比較例1において、凝集剤の配合を省略したこと以外は、比較例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例5)
比較例1において、処理液の樹脂の配合を省略したこと以外は、比較例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。なお、比較例5では、処理液の乾燥により凝集剤が析出し、評価に値するものではなかった。
比較例1において、処理液の樹脂の配合を省略したこと以外は、比較例1と同様にして、画像を形成した。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。なお、比較例5では、処理液の乾燥により凝集剤が析出し、評価に値するものではなかった。
<評価>
表1より、インクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有する実施例1〜15では、酸価及びアミン価の一方のみ有する比較例1〜5との対比で、滲み防止性とひび割れ防止性を好適に両立できることがわかる。
表1より、インクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有する実施例1〜15では、酸価及びアミン価の一方のみ有する比較例1〜5との対比で、滲み防止性とひび割れ防止性を好適に両立できることがわかる。
また、極性の高い樹脂R−1(カチオン性ウレタン樹脂)を単独使用した比較例1と、該樹脂R−1の一部を極性の低い樹脂R−2(オレフィン系樹脂)で代替した比較例2との対比より、極性の高い樹脂R−1の影響によって、ひび割れが促進されることがわかる。これに対して、実施例1〜15では、極性の高い樹脂R−1を、比較例1と同条件で用いているにもかかわらず、ひび割れが防止されていることから、顕著な効果が確認できる。
また、特に実施例1〜5に着目すると、酸価が60mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を一種以上含むことにより、すじの発生が防止され、且つ画像の滲みを好適に防止できることがわかる。
また、特に実施例6〜12に着目すると、アミン/酸比Xが0.1以上2以下の範囲であることにより、ひび割れ防止性と滲み防止性が更に顕著に発揮されることがわかる。
また、特に実施例13〜15に着目すると、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤を含むことにより、発明の効果、特にひび割れ防止性の効果が更に顕著に発揮されることがわかる。
Claims (7)
- 樹脂及び凝集剤を少なくとも含有する処理液を付与した低吸水性の記録媒体上に、
顔料、顔料分散剤、有機溶剤及び水を少なくとも含むインクジェットインクを用いて記録する際に、
前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤が全体として酸価及びアミン価を有することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤として、酸価が60mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の範囲である顔料分散剤を一種以上含むことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤は、下記式(1)で表されるアミン/酸比Xが0.1以上2以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録方法。
X=(BV1・BC1+BV2・BC2+・・・+BVm・BCm)/(AV1・AC1+AV2・AC2+・・・+AVn・ACn) ・・・式(1)
〔上記式(1)において、アミン価を少なくとも有するm種の顔料分散剤の各アミン価(mgKOH/g)をBV1〜BVm、各濃度(前記インクジェットインク全量に対する重量%)をBC1〜BCmとする。また、酸価を少なくとも有するn種の顔料分散剤の各酸価(mgKOH/g)をAV1〜AVn、各濃度(前記インクジェットインク全量に対する重量%)をAC1〜ACnとする。m及びnはそれぞれ1以上の整数である。〕 - 前記インクジェットインクに含まれる一種又は複数種の顔料分散剤として、酸価及びアミン価を有する顔料分散剤を一種以上含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録方法。
- 前記処理液の前記凝集剤が酸性凝集剤であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記処理液の前記酸性凝集剤が有機酸であることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録方法。
- 前記低吸水性の記録媒体がフィルム基材であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインクジェット記録方法。
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