JPWO2017208852A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減と、耐久性に優れた空気入りタイヤを提供する。
この空気入りタイヤは、片面のプライコーティングゴムに導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに非導電性ゴムを配置し、各々の厚みをT1、T2としたときに、T1/T2が0.2≦T1/T2≦0.9であるプライを有し、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置されていることを特徴とする。

Description

本発明は、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減と、耐久性に優れた空気入りタイヤに関する。
近年、省エネルギー化の社会的要請として、低燃費タイヤの開発が進められており、その対策の一つとしてタイヤ軽量化、長寿命化、及びタイヤの転がり抵抗の低減(以下、「低ロス性」という)等の検討が行われている。
従来より、タイヤの低ロス性を大幅に向上させるため、プライコーティングゴムの低ロス性向上を検討していたところ、ゴムの電気抵抗が上がりタイヤ全体の導電性が大きく低下し、車体のスパークやラジオノイズを誘発するなどの懸念があることが分かってきた。
これらの問題点を解決する空気入りタイヤとしては、例えば、その外面がトレッド面をなしており、非導電性であるトレッド、上記トレッドの半径方向内側に位置しており、導電性であるアンダートレッド、上記トレッドを貫通し、その一端がトレッド面に露出し、他端が上記アンダートレッドに至っている、導電性の貫通部、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、非導電性である一対のサイドウォール、それぞれがサイドウォールの端から半径方向略内向きに延びており、導電性である一対のクリンチ、それぞれがクリンチよりも軸方向内側に位置する一対のビード、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って、一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカス、並びに、上記アンダートレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されており、導電性である補強層を備えており、上記カーカスが、並列された多数のコードと導電性のトッピングゴムとを有しており、上記カーカスの、特定式で表される電気抵抗Rcが、1.0×10Ω未満である空気入りタイヤ(例えば、特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1の空気入りタイヤは、タイヤ部材別に導電性ゴムと非導電性ゴムを使い分けているため、構造が複雑化する点などに課題があり、また、プライコーティングゴムの上下面で異種ゴムを用いるという技術思想はなく、本発明とは技術思想が異なるものである。
特開2013−86568号公報(特許請求の範囲、図1等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、空気入りタイヤのプライコーティングゴムの上下面で異種ゴムを用いても、車両走行時にタイヤにかかる応力やその方向がプライの上下面で異なることがなく、歪みも生じないため、セパレーションや隣接部材への入力歪みを防止できるので、耐久性に優れると共に、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等について、これを解決すべく、鋭意検討したところ、一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも一枚のベルト層を備えており、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に、踏面部を形成するトレッド部が配設されており、さらに前記カーカスプライのタイヤ半径方向内側にインナーライナー層が配設されている空気入りタイヤにおいて、片面のプライコーティングゴムに導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに非導電性ゴムを配置し、各々の厚みをT1、T2としたときに、T1/T2を特定の範囲とするプライを有し、導電性プライコーティングゴムをトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムをインナーライナー側に配置することなどにより、上記目的の空気入りタイヤが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも一枚のベルト層を備えており、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に、踏面部を形成するトレッド部が配設されており、さらに前記カーカスプライのタイヤ半径方向内側にインナーライナー層が配設されている空気入りタイヤにおいて、片面のプライコーティングゴムに導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに非導電性ゴムを配置し、各々の厚みをT1、T2としたときに、T1/T2が0.2≦T1/T2≦0.9であるプライを有し、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置されていることを特徴とするものである。
上記導電性プライコーティングゴムが導電性材料を含むことが好ましい。
上記非導電性プライコーティングゴムが、窒素吸着比表面積(NSA)30〜40m/gのカーボンブラックを含むことが好ましい。
上記プライコーティングゴムの60℃における損失正接を各々tanD1、tanD2としたときに、tanD1≧tanD2であることが好ましい。
上記プライコーティングゴムの各々の厚みT1、T2と損失正接tanD1、tanD2における(T1×tanD1)/(T2×tanD2)が、0.2≦(T1×tanD1)/(T2×tanD2)≦1.2であることが好ましい。より好ましくは0.4≦(T1×tanD1)/(T2×tanD2)≦0.9である。
上記プライコーティングゴムの60℃における貯蔵弾性率を各々E1、E2としたときに、E1/E2が、1.0≦E1/E2≦1.5であることが好ましい。より好ましくは、1.0≦E1/E2≦1.2である。
上記プライコーティングゴムの各々の厚みT1、T2の和、T1+T2が0.9≦T1+T2≦1.4であることが好ましい。
導電性ゴムと非導電性ゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤が同じ種類であることが好ましい。
導電性ゴムと非導電性ゴムの10%加硫時間(T0.1)を各々s1、s2としたときに、s1/s2が0.9≦s1/s2≦1.1であることが好ましい。
本発明のプライの製造方法は、片面のプライコーティングゴムに導電性材料を含有する導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに窒素吸着比表面積(NSA)30〜40m/gのカーボンブラックを含む非導電性ゴムを配置し、上下面を同時に被覆する工程を含むことを特徴とするものである。
上記プライの製造方法において、導電性ゴムと非導電性ゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤が同じ種類であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、上記プライの製造方法で製造したプライを、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、空気入りタイヤのプライコーティングゴムの上下面で異種ゴムを用いても、車両走行時にタイヤにかかる応力やその方向がプライの上下面で異なることがなく、歪みも生じないため、セパレーションや隣接部材への入力歪みを防止できるので、耐久性に優れると共に、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減に優れた空気入りタイヤが提供される。
上記プライコーティングゴムの60℃における貯蔵弾性率を各々E1、E2としたときに、E1/E2を、1.0≦E1/E2≦1.5の範囲とすることにより、更に、セパレーションが防止でき、隣接部材への入力歪みを更に防止して、更なる耐久性が向上する空気入りタイヤが提供される。
上記プライコーティングゴムの各々の厚みT1、T2の和、T1+T2を0.9≦T1+T2≦1.4とすることにより、プライの厚みを特定の範囲に設定することで、空気入りタイヤの重量増加防止が施された空気入りタイヤが提供される。
導電性ゴムと非導電性ゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤が同じ種類を用いることにより、プライ上下面で加硫形態が同等であるため、上下接触面の剥離防止効果が更に向上した空気入りタイヤが提供される。
導電性ゴムと非導電性ゴムの10%加硫時間(T10)を各々s1、s2としたときに、s1/s2が0.9≦s1/s2≦1.1とすることにより、プライ上下面でスコーチタイムが同等で、製造容易で製品物性への影響が更に少ない空気入りタイヤが提供される。
本発明のプライの製造方法では、片面のプライコーティングゴムに導電性材料を含有する導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに窒素吸着比表面積(NSA)30〜40m/gのカーボンブラックを含む非導電性ゴムを配置し、上下面を同時に被覆する工程を含むものであるので、車両走行時にタイヤにかかる応力やその方向がプライの上下面で異なることがなく、歪みも生じないため、プライのセパレーションや隣接部材への入力歪みを防止できるので、プライの耐久性に優れると共に、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減に優れた空気入りタイヤ用のプライの製造方法が提供されると共に、従来通りの工数で製造可能となる空気入りタイヤ用のプライの製造方法が提供される。
上記プライの製造方法において、導電性ゴムと非導電性ゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤が同じ種類であるものを用いることにより、プライ上下面でスコーチタイムが同等で、製造容易で製品物性への影響が更に少ない空気入りタイヤ用のプライの製造方法が提供される。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、上記プライの製造方法で製造したプライを、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置する工程を含む製造方法であるので、異種ゴムとなるプライを従来通りの工数で製造でき、耐久性に優れると共に、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減に優れた空気入りタイヤの製造方法が提供される。
本発明の実施形態の一例を示す空気入りタイヤの左半分の断面図である。 図1の空気入りタイヤに用いるプライコーティングゴムの概略断面図である。 (a)〜(c)は、カーカスプライ端部の各構造を示す概略図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも一枚のベルト層を備えており、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に、踏面部を形成するトレッド部が配設されており、さらに前記カーカスプライのタイヤ半径方向内側にインナーライナー層が配設されている空気入りタイヤにおいて、片面のプライコーティングゴムに導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに非導電性ゴムを配置し、各々の厚みをT1、T2としたときに、T1/T2が0.2≦T1/T2≦0.9であるプライを有し、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置されていることを特徴とするものである。
本発明の空気入りタイヤにおいて、上記プライコーティングゴム以外の構成は、特に限定されるものでなく、通常の空気入りタイヤの構成を用いることができ、例えば、図1の空気入りタイヤを挙げて、本発明の実施形態を以下に説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、図1に示すように、一対のビード部3のそれぞれに埋設配置したビードコア4と、トレッド部1からサイドウォール部2を経てビード部3までトロイド状に延びる本体部分5および、該本体部分5に連続して、ビードコア4の周りに折り返してなる折り返し部分6aを有する一枚以上のカーカスプライ6と、該カーカスプライ6のクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも一層(ここでは三層)のベルト層7、リム8とを備えたものである。
トレッド部1には、接地面を構成するトレッドゴム1aと、そのトレッドゴム1aのタイヤ径方向内側に配されたベルト層7とを含み、カーカスプライ6にタイヤ径方向外側から接触するトレッド環状体1bが設けられている。
サイドウォール部2には、カーカスプライ6のタイヤ幅方向外側にサイドウォールゴム2aが設けられている。
ビード部3には、鋼線等の収束体をゴムで被覆してなる環状のビードコア4が埋設され、硬質ゴムからなるビードフィラー4aがビードコア4のタイヤ径方向外側に配置されている。
カーカスプライ6は、全体としてトロイド状に成形されており、本体部5と折り返し部分6aとの間にビードコア4及びビードフィラー4aを挟み込んだ構造となっている。また、カーカスプライ6の内側には、空気圧を保持するためのインナーライナー層9が設けられている。
図2は、図1のカーカスプライ6の概略図である。このカーカスプライ6は、引き揃えられたカーカスコード(図示せず)と、このカーカスコードの片面側となるトレッド側に配置されるプライコーティングゴム16を導電性ゴムとし、もう一方の面となるインナーライナー側に配置されるプライコーティングゴム17を非導電性ゴムとするものであり、導電性プライコーティングゴム16の厚みをT1、非導電性プライコーティングゴム17の厚みをT2としたときに、T1/T2の比が0.2≦T1/T2≦0.9であるプライコーティングゴムを有するものである。
なお、上記カーカスコードは、タイヤ周方向に対して略直交する方向に配列され、有機繊維コード又はスチールコードなどを用いることができる。
用いる導電性プライコーティングゴム16のゴム組成物としては、原料ゴムとなるゴム成分に対して、導電性材料などを含有するものが挙げられる。
導電性材料としては、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェンシートが丸まった棒状、若しくは糸状の導電材料、気相成長カーボンファイバー(VGCF)、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンなどが挙げられ、また、これらの市販品であるC100(Arkemasya社製)、若しくはNC7000(Nanocyl社製)などを用いることができる。また、SAF、ISAF、HAF、FEF、といった窒素吸着比表面積が大きいカーボンブラックを配合することでも、導電性を付与することができる。
原料ゴム(ゴム成分)としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPDM)の少なくとも1種が挙げられる。
上記導電性プライコーティングゴムには、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MTなどのカーボンブラックを用いることができる。特に、これらのカーボンブラックの含有量は、原料ゴム(ゴム成分)100質量部に対して、30〜50質量部である。
上記導電性プライコーティングゴムには、更に、加硫剤や加硫促進剤、オイル、亜鉛華(酸化亜鉛)、老化防止剤等も適宜に配合される。また、上記導電性材料の含有量は、用いる導電性材料種、タイヤ種などにより変動するものであるが、発熱性の点から、原料ゴム(ゴム成分)100質量部に対して、0.5〜7質量部とすることが望ましい。
この導電性プライコーティングゴムは、低い電気抵抗を有し、例えば、固有抵抗値(体積固有抵抗値)が1×1010Ω・cm以下、更に好ましくは、1×10Ω・cm以下となるものが望ましい。
用いる非導電性プライコーティングゴム17のゴム組成物は、原料ゴムとなるゴム成分に対して、低発熱性の点から、窒素吸着比表面積(NSA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)30〜45m/gのカーボンブラックを含むことが好ましく、30〜40m/gのカーボンブラックを含むことがより好ましい。この物性のカーボンブラックとしては、FEF、GPF、SRFなどを用いることができる。これらのカーボンブラックの含有量は、原料ゴム(ゴム成分)100質量部に対して、30〜50質量部である。
原料ゴム(ゴム成分)としては、上記導電性プライコーティングゴムと同様の、天然ゴム(NR)、ジエン系合成ゴム(SBR、BR、IR、IIR等)の少なくとも1種が挙げられる。
上記非導電性プライコーティングゴムには、架橋剤や加硫促進剤、オイル、亜鉛華(酸化亜鉛)、老化防止剤等も適宜に配合される。
好ましくは、非導電性プライコーティングゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤は、プライ上下面で加硫形態を同等とし、上下接触面の剥離防止効果を更に向上させる点、スコーチタイムを同等にすることで製造工程での取り扱いを容易にする点から、上述の導電性プライコーティングゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤が同じ種類のものを用いることが望ましい。
この非導電性プライコーティングゴムは、比較的高い電気抵抗を有し、例えば、固有抵抗値(体積固有抵抗値)が1×1013Ω・cm以上となるものが好ましい。
本発明に用いるカーカスプライは、上記導電性プライコーティングゴム、非導電性プライコーティングゴム、カーカスコードを用いて、片面のプライコーティングゴムに上記配合処方の導電性プライコーティングゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに上記配合処方の非導電性プライコーティングゴムを配置し、上下面を同時に被覆する工程を経て作製することができる。このプライの製造方法では、異種ゴムの使用でも、従来通りの工数で製造可能となる利点を有する。
本発明において、導電性プライコーティングゴム16の厚みT1(mm)、非導電性プライコーティングゴム17の厚みT2(mm)の比T1/T2は、0.2≦T1/T2≦0.9とすることが必要であり、好ましくは、0.35≦T1/T2≦0.7とすることが望ましい。
このT1/T2が0.2未満であると、導電性プライコーティングゴム16の厚みT1が薄くなりすぎ、導電性が低下するため、好ましくなく、一方、T1/T2が0.9超過であると、発熱性が高くなり、好ましくない。
更に、上記厚みT1+T2の和は、重量増加防止の点、内圧性保持の点から、0.9≦T1+T2≦1.4、更に好ましくは、1.0≦T1+T2≦1.2とすることが望ましい。
また、本発明の効果を更に発揮せしめるために、上記導電性、非導電性のプライコーティングゴムにおける各損失正接(tanD1,tanD2)、各厚み(T1,T2)と損失正接(tanD1,tanD2)の比、貯蔵弾性率(E1,E2)の比、10%加硫時間(s1、s2)の比を下記の各範囲にすることが望ましい。
上記プライコーティングゴムの60℃における損失正接を各々tanD1、tanD2としたときに、導電性プライコーティングゴムの損失正接tanD1が非導電性プライコーティングゴムの損失正接tanD2以上であること、すなわち、tanD1≧tanD2であることが、低発熱性の点から、望ましい。
更に、上記プライコーティングゴムの各々の厚みT1、T2と損失正接tanD1、tanD2における(T1×tanD1)/(T2×tanD2)の比は、低発熱性、及び歪の点から、0.2≦(T1×tanD1)/(T2×tanD2)≦1.2であることが望ましい。より好ましくは0.4≦(T1×tanD1)/(T2×tanD2)≦0.9である。
また、上記プライコーティングゴムの60℃における貯蔵弾性率を各々E1、E2としたときに、導電性プライコーティングゴムの貯蔵弾性率をE1と、非導電性プライコーティングゴムの貯蔵弾性率E2の比E1/E2は、耐久性の更なる向上(セパレーション防止、隣接部材への入力歪みの防止)の点から、1.0≦E1/E2≦1.5であることが望ましく、特に好ましくは、1.0≦E1/E2≦1.45が望ましい。
また、上記プライコーティングゴムにおける導電性プライコーティングゴムと非導電性プライコーティングゴムの10%加硫時間(T0.1)を各々s1、s2としたときに、s1/s2の比は、プライ上下面でスコーチタイムを同等とし、製造容易で製品物性への影響を少なくする点から、0.9≦s1/s2≦1.1であることが望ましい。
上記導電性、非導電性のプライコーティングゴムにおける各損失正接(tanD1,tanD2)、各厚み(T1,T2)と損失正接(tanD1,tanD2)の比、貯蔵弾性率(E1,E2)の比、10%加硫時間(s1、s2)の比を上記の好ましい各範囲に設定するためには、用いる上記導電性プライコーティングゴム、非導電性プライコーティングゴムの各配合成分、その量を好適に組み合わせたり、配合成分(薬品)の種類などを好適に設定することにより調整することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述の製法で製造したプライを、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置する工程を経て製造することができる。
すなわち、上記プライの他、ビード、ビードコア、トレッド、サイドウォール、ベルトなどの各タイヤ部材と共に、タイヤ成型機上にてプライの導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側の方向に向くようにカーカスプライを配置して、通常の方法で成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧などすることにより、例えば、図1〜図3に示す各構造となる目的の空気入りタイヤを得ることができる。この製造方法では、異種ゴムのプライを従来通りの工数で製造し、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減と、耐久性に優れた空気入りタイヤを製造することができる。
図1、図2、図3(a)に示される実施形態の空気入りタイヤを詳述すると、上述の製法で製造したプライを、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置する工程を経て、一対のビード部3のそれぞれに埋設配置したビードコア4と、トレッド部1からサイドウォール部2を経てビード部3までトロイド状に延びる本体部分5および、該本体部分5に連続して、ビードコア4の周りに折り返してなる折り返し部分6aを有する一枚のカーカスプライ6と、該カーカスプライ6のクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも一層(ここでは三層)のベルト層7とを備えた空気入りタイヤである。
このカーカスプライ6は、図2に示すように、トレッド側に配置されるプライコーティングゴム16を上記特性の導電性ゴムとし、もう一方の面となるインナーライナー側に配置されるプライコーティングゴム17を上記特性の非導電性ゴムとするものである。
なお、カーカスプライの折り返しは図3(a)の通常の他、図3(b)に示すように、カーカスプライ6の折り返し部分6aのプライ端6bに導電性ゴムシートを別途追加して折り返す構造としてもよく、また、図3(c)に示すように、カーカスプライ6の折り返し部分6aを更に折り返す構造としてもよいものである。
このように構成される本発明の空気入りタイヤでは、一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも一枚のベルト層を備えており、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に、踏面部を形成するトレッド部が配設されており、さらに前記カーカスプライのタイヤ半径方向内側にインナーライナー層が配設されている空気入りタイヤにおいて、プライコーティングゴムの上下面で異種ゴムを用いても、車両走行時にタイヤにかかる応力やその方向がプライの上下面で異なることがなく、歪みも生じないため、セパレーションや隣接部材への入力歪みを防止できるので、耐久性に優れると共に、タイヤトレッド側に配置されるプライコーティングゴムが上記特性の導電性ゴムから構成されることにより、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減に優れた空気入りタイヤが得られることとなる。
本発明では、プライコーティングゴムにおいて、片面だけを低ロス配合(すなわち非導電性ゴム)にし、残りの面を導電性ゴムとし、かつ、低ロス配合のゲージを厚く、導電性配合のゲージを薄くすることで、低ロス性を犠牲にせず、電気抵抗上昇を抑制でき、タイヤの転がり抵抗低減と電気抵抗上昇を抑制できるものである。単純に導電性ゴムをカーボンブラック高部数配合で作製してしまうと、上下面で硬さ、粘度、スコーチ性が違うため、セパレーションが発生しやすいが、本発明では、カーカスプライのトレッド側の面とインナーライナー側の面で、導電性以外の物性が同様になるように作製することで、上下面での硬さ、粘度、スコーチ性などを揃えることができて、セパレーションを抑制することができ、低ロス配合の非導電性ゴムのゲージを厚く、導電性配合のゲージを薄くすることで、低ロス性を犠牲にせず、電気抵抗上昇を抑制できる構成となっている。本発明では、導電性コーティングゴムにより、電気抵抗上昇が抑制されるが、タイヤへ与える低ロス性能への寄与度はゴムの体積に比例するため、導電性配合のゲージを極力薄くする範囲に設定しているので、ほぼ低ロス配合の寄与のみとなる。この特性のプライコーティングゴムを用いることにより、タイヤとしての低ロス性と低電気抵抗度のバランスが高度に両立し、セパレーションや隣接部材への入力歪みを防止できるので、耐久性に極めて優れる空気入りタイヤが得られることとなる。
また、本発明では、低ロス性の非導電性のゴム層を大粒径のカーボンブラックを配合することができることに特徴がある。ゴムを低ロス化するためにシリカを配合する事例が存在するが、大粒径カーボンブラック配合を使用した方がロス特性、及び耐亀裂伸展性が良好になることを見出した。また、加硫特性の違いから、カーカスプライの片面をカーボンブラック配合とし、もう片面をシリカ配合とした場合、製造上の不都合が生じるケースがある。
このように構成される本発明の空気入りタイヤは、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更をすることができる。
例えば、少なくともサイドウォール部2の内面側に、略三日月状の断面形状をもつ補強ゴムを備える空気入りタイヤとしてもよいものである。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
(製造例A〜E:プライコーティングゴムの製造)
下記表1に示す配合処方のプライコーティングゴム(導電性ゴム、非導電性ゴム)を常法により製造した。
得られた製造例A〜Eのプライコーティングゴム(導電性ゴム、非導電性ゴム)について、下記各方法により、低ロス性(tanδ)、貯蔵弾性率(E’)、スコーチ性(10%加硫時間:T0.1)、耐亀裂進展性、電気抵抗(体積固有抵抗:Ω・cm)について測定評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
〔実施例1〜5及び比較例1〜5:空気入りタイヤの作製〕
上記で製造した製造例A〜Eのプライコーティングゴム(導電性ゴム:A〜D、非導電性ゴム:E)を用いて、下記構成のカーカスプライコードと、下記表2に示す配合処方、構成のプライコーティングゴムとにより、具体的には、二種のゴムを熱入れロールにセットしてカレンダーを実施して作製したカーカスプライを用いて、図1、図2、図3(a)に示す構造を有するサイズ195/65R 15の空気入りタイヤ(試験用タイヤ)を作製した。
(カーカスプライコード)
コード角度:90度(タイヤ周方向を0度とする。)、コード材料:PET
上記実施例1〜5及び比較例1〜5で得た試験用タイヤについて、下記各方法により、耐久性能(BFドラム試験)、低ロス性能(RRCドラム)、電気抵抗(Ω・cm)、加工性について測定評価した。
これらの結果を下記表2に示す。
〔低ロス性(tanδ)の評価方法〕
上島製作所製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度60℃、動歪1%でtanδを測定した。tanδは、指数値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
〔貯蔵弾性率(E’)の評価方法〕
上島製作所製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度60℃、動歪1%で、貯蔵弾性率(E’)を測定した。E’は、指数値が大きい程、弾性率が高いことを示す。
〔スコーチ(T0.1)の測定方法〕
JIS K 6300−2:2013に準拠して、温度105℃±1℃で測定した加硫トルクカーブの最大値の10%を得るまでに要する時間(分)を測定した。この加硫速度T0.1は、耐スコーチ性を示す指標であり、値が小さい程、架橋反応が始まるまでの誘導期間が短くスコーチし易い(耐スコーチ性が悪い)ことを表す。
(耐亀裂進展性の評価方法)
145℃、30分で加硫した加硫ゴムに対し、繰り返し疲労試験装置を用い、サンプル形状がダンベル型のゴムサンプルの中央に長さ1mmの傷を入れた後、100%定歪、初期歪なし、300rpmの条件で繰り返し疲労試験を行い、傷が成長して破断するまでの時間を評価し、製造例DもしくはEを100として指数表示した。この数値が高いほど、耐亀裂進展性が良好なことを示す。
〔電気抵抗(体積固有抵抗)の測定方法〕
体積固有抵抗率円盤形状のサンプルを作製し、半径:r=2.5cm、厚さ:t=0.2cmの部分の電気抵抗値Rを、アドバンス社製絶縁抵抗試験箱を用いて測定し、次式により体積固有抵抗率ρ(Ω・cm)を計算した。
ρ=(a/t)×R
上記式中、aは断面積(=π×r)、tは試料の厚さを示す。
〔耐久性能(BFドラム試験)の評価方法〕
ドラム表面が平滑な鋼鉄製で直径が1.707mであるドラム試験機を使用して、周辺温度を30±3℃に制御し、JATMAで定める標準リムサイズのリムを用い、JATMA規格の最大内圧において、JATMA規格の最大負荷能力の2倍の荷重をかけて、耐久性ドラム走行試験を行い、タイヤが壊れるまでの距離を測定した。評価は、比較例2の場合を100とした指数で表2中に示し、値が大きいほど通常内圧時のドラム耐久性(BFドラム耐久性)が良好である。
〔低ロス性能(RRCドラム)の評価方法〕
内圧210kPaを充填し、荷重4.9Nの負荷の下で60km/hで回転する直径1.7mのドラムにタイヤを押し当て、下記試験条件で転がり抵抗を測定し、比較例2の値の逆数を100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、転がり性能に優れていることを表している。
室内試験条件;タイヤサイズ:PSR205/65R15、リム幅:6.5J×15、内圧:210kPa、荷重:4.81kN、実車試験条件;タイヤサイズ:PSR205/65R15、リム幅:6.5J×15、内圧:210kPa、車両:トヨタ自動車株式会社製カムリ(排気量2000cc)、荷重:車両重量+ドライバー+助手席60kgf
〔電気抵抗の測定方法〕
電気抵抗は、銅板〔200mm(幅)×300mm(長さ)〕をタイヤ接地面に敷き、荷重300kgの作用下にて、トレッド接地面銅板とリムフランジ間の電気抵抗を100Vにて測定した。なお、電気抵抗が1×1010Ω・cmを超えると、ラジオノイズ等の問題の懸念が考えられる。
〔加工性の評価方法〕
加工性の評価は、カーカスプライの製造時におけるスコーチの発生を目視にて評価した。具体的には、有機繊維コードを配列した簾に、薄いシート状に押出したゴム組成物で被覆するように圧延する際に、圧延済みシート(プライ)の両面を目視確認、すなわち、スコーチのしやすさがプライの両面で大きく異なると、圧延スピードや圧延温度を最適な値で調整することができない、という不都合が生じ、加工性に悪影響を及ぼすため、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:圧延済みシート(プライ)の両面ともスコーチがなく、加工性が良好となる。
△:圧延済みシート(プライ)の両面の少なくとも一面の一部にスコーチが若干あり、加工性に若干影響がある。
×:圧延済みシート(プライ)の両面の少なくとも一面にスコーチがあり、加工性に劣る。
Figure 2017208852
上記表1中の*1〜*9は、下記のとおりである。
*1:RSS#3
*2:SBR、JSR社製
*3:窒素吸着比表面積(NSA:35m/g)、N660、旭カーボン社製
*4:窒素吸着比表面積(NSA:78m/g)、N330、旭カーボン社製
*5:カーボンナノチューブ(CNT)
*6:窒素吸着比表面積(NSA:800m/g)、ケッチェンブラックEC300J、ライオン社製
*7:プロセスオイル(TDAE)、新日本石油化学社製
*8:MBTS(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
*9:BBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
Figure 2017208852
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5の空気入りタイヤは、本発明の範囲外となる比較例1〜5の空気入りタイヤに較べて、耐久性能(BFドラム試験)、低ロス性能(RRCドラム)、電気抵抗、加工性などの評価結果から、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減と、耐久性、加工性に優れた空気入りタイヤが得られることが判明した。
比較例を個別的にみると、比較例1、3及び4は、プライコーティングゴムが導電性ゴムと非導電性ゴムとを使用して作製したカーカスプライを備えた空気入りタイヤ(但し、T1/T2の範囲が本発明の範囲外)であり、比較例2は、導電性ゴム、比較例5は非導電性ゴムの共に一層構造となるカーカスプライを備えた空気入りタイヤであり、これらの本発明の範囲外となる場合には、タイヤの電気抵抗の上昇の抑制、タイヤの転がり抵抗の低減、耐久性及び加工性の全てを満足する空気入りタイヤが得られないことが確認できた。
タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止して経時的なタイヤの電気抵抗の上昇を抑制すると共に、タイヤの転がり抵抗の低減と、耐久性に優れるので、乗用車用タイヤなどに好適な空気入りタイヤが得られる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 本体部分
6 カーカスプライ
7 ベルト層
8 リム
9 インナーライナー層
10 空気入りタイヤ
16 導電性プライコーティングゴム
17 非導電性プライコーティングゴム

Claims (12)

  1. 一対のビード部間に跨ってトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された少なくとも一枚のベルト層を備えており、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に、踏面部を形成するトレッド部が配設されており、さらに前記カーカスプライのタイヤ半径方向内側にインナーライナー層が配設されている空気入りタイヤにおいて、
    片面のプライコーティングゴムに導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに非導電性ゴムを配置し、各々の厚みをT1、T2としたときに、T1/T2が0.2≦T1/T2≦0.9であるプライを有し、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 上記導電性プライコーティングゴムが導電性材料を含むことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記非導電性プライコーティングゴムが、窒素吸着比表面積(NSA)30〜40m/gのカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記プライコーティングゴムの60℃における損失正接を各々tanD1、tanD2としたときに、tanD1≧tanD2であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記プライコーティングゴムの各々の厚みT1、T2と損失正接tanD1、tanD2における(T1×tanD1)/(T2×tanD2)が、0.2≦(T1×tanD1)/(T2×tanD2)≦1.2であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 上記プライコーティングゴムの60℃における貯蔵弾性率を各々E1、E2としたときに、E1/E2が、1.0≦E1/E2≦1.5であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 上記プライコーティングゴムの各々の厚みT1、T2の和、T1+T2が0.9≦T1+T2≦1.4であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 導電性ゴムと非導電性ゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤が同じ種類であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 導電性ゴムと非導電性ゴムの10%加硫時間(T0.1)を各々s1、s2としたときに、s1/s2が0.9≦s1/s2≦1.1であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 片面のプライコーティングゴムに導電性材料を含有する導電性ゴムを、もう一方の面のプライコーティングゴムに窒素吸着比表面積(NSA)30〜40m/gのカーボンブラックを含む非導電性ゴムを配置し、上下面を同時に被覆する工程を含むことを特徴とするプライの製造方法。
  11. 導電性ゴムと非導電性ゴムに含まれる架橋剤及び加硫促進剤が同じ種類であることを特徴とする請求項10記載のプライの製造方法。
  12. 請求項10又は11の製法で製造したプライを、導電性プライコーティングゴムがトレッド側に、非導電性プライコーティングゴムがインナーライナー側に配置する工程を含むことを特徴とする、空気入りタイヤの製造方法。
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