JP2019006279A - 帯状部材、及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
近年、環境負荷低減の観点から、石油資源の使用量の低減が求められている。例えば、特許文献1には、非石油資源由来であるナイロン11を材料とする繊維をコードとして用いた帯状部材が記載されている。
1本のコード又は引き揃えられた複数本のコードと、
前記コードを被覆するコートゴムと、を有し、
前記コードは、少なくとも1本のナイロン11繊維と、前記ナイロン11繊維よりも収縮応力が小さい少なくとも1本の繊維と、を有することを特徴とする。
下記式(1)から算出される前記コードの撚り係数Kは1100〜2200であることが好ましい。
K=T×D1/2 ・・・(1)
(式中、Tは前記コードの撚り数(回/10cm)であり、Dは前記コードの総繊度(dtex)である。)
ベルト層と、
前記ベルト層の外周側に配置され、前記帯状部材がタイヤ周方向に巻き回されたベルトカバー層と、を備えることを特徴とする。
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以降、タイヤという)10の断面の一例を示すタイヤ断面図である。
タイヤ10は、例えば、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
タイヤ10は、構造体として、カーカスプライ層4と、ベルト層7,8と、ベルトカバー層9と、ビードコア5とを有する。タイヤ10は、これらの構造体の周りに、トレッド部1と、サイドウォール部2とを主に有する。
カーカスプライ層4のタイヤ径方向外側に2つのベルト層7,8が設けられている。ベルト層7,8は、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードをゴムで被覆した部材である。2つのベルト層7,8のスチールコードの傾斜方向は、タイヤ周方向からタイヤ幅方向に向かって互いに異なる方向に傾いており、交錯している。ベルト層の数は、2つに制限されず、3つ又は4つ以上であってもよい。
ベルトカバー層9は、ベルト層7,8のタイヤ径方向外側(外周側)からベルト層7,8を覆う層であり、後で説明する帯状部材がタイヤ周方向に巻き回され、加硫されてなる。図1に示すベルトカバー層9は、ベルト層7,8のタイヤ幅方向の全域を覆う1つの層であるが、タイヤ1は、ベルトカバー層9のほか、ベルトカバー層9のタイヤ幅方向の両端部を外周側から覆うよう、タイヤ幅方向に互いに離間して積層された2つのベルトカバー層をさらに有していてもよい。
図2は、本実施形態の帯状部材11の一例を示す断面図である。
帯状部材11は、タイヤ10の補強部材(例えば、ベルトカバー層9)に用いられる部材であり、複数本のコード13と、コートゴム15と、を有している。
ナイロン11繊維と他の繊維との収縮応力の差は、コード13の熱収縮量を緩和する効果が高くなる点で、100cN/dtex以上あることが好ましい。
K=T×D1/2 ・・・(1)
(式中、Tはコード13の上撚り数(回/10cm)であり、Dはコード13の総繊度(dtex)である。)
撚り係数が1100未満であると、コード13の撚り数が少なく、バネ性が小さくなるために、タイヤの転動に伴ってコード13が発熱しやすく、転がり抵抗が大きくなる場合がある。また、撚り係数が2200を超えると、コード13の撚り数が多く、バネ性が大きくなるために、加硫成形時にコード13が伸びすぎて寸法精度が悪化し、ユニフォミティが悪化する場合がある。また、撚り係数が2200を超えると、コード13の硬さ(弾性率あるいはコード1本当たりの剛性)が低下し、転がり抵抗が大きくなる場合がある。撚り係数は、転がり抵抗を低減し、タイヤのユニフォミティの悪化を抑制する観点から、1100〜1500であることが好ましい。
コード13の撚り数は、例えば20〜70回/cmであり、コード13の総繊度は、例えば1000〜5000dtexである。
また、コード13に含まれる全ての繊維の本数は、例えば2〜4本である。
帯状部材11の寸法は、例えば、コード13の直径が0.3〜1mmである場合に、厚み0.4〜3mmであり、幅5〜15mmである。なお、コード13が複数の繊維を撚り合わせてなる場合のコード13の直径は、コード13の断面輪郭形状に外接する最小の円の直径をいう。
ベルトカバー層9は、ベルト層7,8の外周側に、帯状部材11を、螺旋状にタイヤ幅方向に隙間なく巻き回した未加硫のタイヤを加硫してなる。
コードが異なる上記説明した帯状部材を種々作製し、作製した帯状部材を用いて未加硫タイヤを作製し、次いで加硫し、製造した試験用タイヤのユニフォミティを調べた。また、試験用タイヤを乗用車に装着して、低転がり抵抗性、高速操縦安定性を調べた。
帯状部材のゴム組成物は、上記説明した配合量に従って、硫黄、加硫促進剤を除く成分を、1.8Lの密閉型ミキサー160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより、調製した。得られたゴム組成物を、表1,2に示すコードに圧着し、帯状部材を得た。得られた帯状部材を未加硫タイヤのベルト層の幅全体に螺旋状に巻きつけ、未加硫タイヤ全体を加硫することにより、ベルトカバー層を備える試験用タイヤ(タイヤサイズ:235/60R18)を作製した。
コードの強度として、上記乾燥時引張強さ(cN/dtex)を測定した。
コードの非石油資源比率を下記式に従って計算し、45%以上である場合を、環境負荷低減を達成できていると評価した。
非石油資源比率=(非石油資源由来の繊維の繊度の合計/コードを構成する繊維の繊度の合計)×100
JIS D4233に規定される試験方法に従って、各試験タイヤをユニフォミティ測定装置に装着し、ラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例2を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどユニフォミティが良好であることを意味する。指数値が103以上である場合を、ユニフォミティの悪化を抑制できると評価し、指数値が108以上である場合を、ユニフォミティの悪化を抑制する効果が高いと評価し、指数値が115以上である場合を、ユニフォミティの悪化を抑制する効果が特に高いと評価した。
標準リムに組付けた試験タイヤを車両に装着し、速度80〜250km/時の範囲においてテストドライバー5人によるフィーリング結果を点数化し、従来例2を100として、指数表示した。この指数値が大きいほど高速操縦安定性が良好であることを意味する。指数値が106以上である場合を、高速操縦安定性に優れると評価した。
各試験タイヤを、リムサイズ18×8Jのアルミホイールに組み付け、空気圧230kPaを充填し、ISO28580に準拠して、ドラム径1707.6mmのドラム試験機を用い、JATMAで規定される最大負荷能力の70%の荷重を負荷し、速度80km/時走行時の転がり抵抗を測定した。従来例2の転がり抵抗の逆数を100として、指数表示した。指数が小さいほど転がり抵抗性が良好であることを示す。指数値が98以下である場合を、低転がり抵抗性に優れると評価した。
なお、表1,2において、コード構造が「+」を用いて表されている場合、「+」の前後の部分は、それぞれ、コード材質の欄において「+」の前後に記載した材質の繊維の繊度及び本数を表す。
収縮応力の欄には、コードの収縮応力を示すとともに、実施例1〜10に関しては、合わせて、コードの各繊維の収縮応力を、コード材質の順に括弧内に示す。
引張強さの欄には、コードの各繊維の引張強さをコード材質の順に示す。
・N11:ユニチカ社製のキャストロン
・N66:旭化成社製のナイロン66繊維
・PET:暁星社製のPET繊維
・レーヨン:ユニオンタイヤコード社製のレーヨン繊維
・アラミド:東レ社製のケブラー
また、作製した帯状部材の寸法は、厚み:0.80mm、幅:10mm、打ち込み本数50本/cmとした。
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカスプライ層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7,8 ベルト層
9 ベルトカバー層
10 空気入りタイヤ
11 帯状部材
13 コード
15 コートゴム
Claims (4)
- 1本のコード又は引き揃えられた複数本のコードと、
前記コードを被覆するコートゴムと、を有し、
前記コードは、少なくとも1本のナイロン11繊維と、前記ナイロン11繊維よりも収縮応力が小さい少なくとも1本の繊維と、を有することを特徴とする帯状部材。 - 前記ナイロン11繊維及び前記ナイロン11繊維よりも収縮応力が小さい繊維は、それぞれ下撚りされ、上撚りに撚り合わされており、
下記式(1)から算出される前記コードの撚り係数Kは1100〜2200である、請求項1に記載の帯状部材。
K=T×D1/2 ・・・(1)
(式中、Tは前記コードの撚り数(回/10cm)であり、Dは前記コードの総繊度(dtex)である。) - 石油資源以外の資源に由来する材質からなる繊維の前記コード中の質量の割合は80%以下である、請求項1又は2に記載の帯状部材。
- 空気入りタイヤであって、
ベルト層と、
前記ベルト層の外周側に配置され、請求項1から3のいずれか1項に記載の帯状部材がタイヤ周方向に巻き回されたベルトカバー層と、を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
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WO2024043137A1 (ja) * | 2022-08-25 | 2024-02-29 | 株式会社ブリヂストン | ハイブリッドコード、ゴム-繊維複合体、及びタイヤ |
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