JPWO2017204286A1 - 熱間金型用Ni基合金及びそれを用いた熱間鍛造用金型、鍛造製品の製造方法 - Google Patents

熱間金型用Ni基合金及びそれを用いた熱間鍛造用金型、鍛造製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有し、作業環境の劣化及び形状劣化が抑制可能な熱間金型用Ni基合金を提供する。
W:7.0〜12.0%、Mo:4.0〜11.0%、Al:5.0〜7.5%、Cr:0.5〜7.5%、残部はNi及び不可避的不純物でなる熱間金型用Ni基合金であり、上記組成に加えて、更に、Taを0.5〜7.0%含有することができ、更に、Zr:0.001〜0.5%、Hf:0.001〜0.5%、希土類元素:0.001〜0.2%、Y:0.001〜0.2%、Mg:0.001〜0.03%の元素から選択される1種または2種以上を含有することができる。また、本発明の熱間金型用Ni基合金は、試験温度:1000℃、歪速度:10−3/secでの0.2%圧縮強度が500MPa以上とすることができる。

Description

本発明は、熱間金型用Ni基合金およびそれを用いた熱間鍛造用金型、鍛造製品の製造方法に関するものである。
耐熱合金からなる製品の鍛造において、鍛造素材は変形抵抗を低くするため所定の温度に加熱される。耐熱合金は高温でも高い強度を有するため、その鍛造に用いる熱間鍛造用金型には高温での高い機械的強度が必要とされる。また、熱間鍛造において熱間鍛造用金型の温度が鍛造素材に比べて低い場合、抜熱により鍛造素材の加工性が低下するため、例えばAlloy718やTi合金等の難加工性材からなる製品の鍛造は、素材とともに熱間鍛造用金型を加熱して行われる。従って、熱間鍛造用金型は、鍛造素材が加熱される温度と同じかもしくはそれに近い高温で、高い機械的強度を有したものでなければならない。この要求を満たす熱間鍛造用金型として、大気中での金型温度1000℃以上の熱間鍛造に使用できるNi基超耐熱合金が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
なお、本発明で言う熱間鍛造とは、熱間鍛造用金型の温度を鍛造素材の温度まで近づけるホットダイ鍛造と鍛造素材と同じ温度にする恒温鍛造を含むものである。
特開昭62−50429号公報 特開昭60−221542号公報 米国特許第4740354号明細書
上述したNi基超耐熱合金は、高温圧縮強度が高いという点では有利であるものの、耐酸化性の点では大気中で加熱した後の冷却時に金型表面から酸化ニッケルの細かなスケールが飛散するため作業環境の劣化及び形状劣化のおそれがある。金型表面の酸化とそれに伴うスケールの飛散の問題は、大気中で使用できるという効果を最大限に生かす上で大きな問題となる。
本発明の目的は、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有し、作業環境の劣化及び形状劣化が抑制可能な熱間金型用Ni基合金およびそれを用いた熱間鍛造用金型と前記熱間鍛造用金型を用いた鍛造製品の製造方法を提供することである。
本発明者は、金型表面の酸化とそれに伴うスケール飛散による作業環境の劣化及び形状劣化問題を検討し、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有する組成を見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、W:7.0〜12.0%、Mo:4.0〜11.0%、Al:5.0〜7.5%、Cr:0.5〜7.5%、残部はNi及び不可避的不純物でなる熱間金型用Ni基合金である。
本発明では、上記組成に加えて、更に、Taを0.5〜7.0%含有することができる。
本発明では、上記組成に加えて、更に、Zr:0.001〜0.5%、Hf:0.001〜0.5%、希土類元素:0.001〜0.2%、Y:0.001〜0.2%、Mg:0.001〜0.03%の元素から選択される1種または2種以上を含有することができる。
また、本発明においては、試験温度:1000℃、歪速度:10−3/secでの0.2%圧縮強度が500MPa以上であることが好ましい。
更に好ましくは、試験温度:1100℃、歪速度:10−3/secでの0.2%圧縮強度が350MPa以上である。
また、本発明は、前記熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型である。
更に好ましくは、前記熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型において、前記熱間鍛造用金型の成形面、または側面の少なくとも一方に酸化防止剤の塗布層を有する。
また、本発明は、鍛造素材を加熱する第一の工程と、前記第一の工程で加熱された鍛造素材を前記熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造する第二の工程とを有する、鍛造製品の製造方法である。
更に好ましくは、鍛造製品の製造方法において、前記熱間鍛造用金型を1000℃以上に加熱して第二の工程を行う。
本発明に係る、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有する熱間金型用Ni基合金を用いることで、熱間鍛造における作業環境の劣化及び形状劣化を抑制することができる。
金型の繰り返しの使用による加熱と冷却を模擬した試験条件における、本発明例及び比較例の耐酸化性を示した図である。 実施例および比較例の高温圧縮強度を示した図である。 酸化防止剤の塗布による金型表面の酸化防止効果を示した写真である。
以下、本発明の熱間金型用Ni基合金について詳細に説明する。化学組成の単位は質量%である。
<W:7.0〜12.0%>
Wは、オーステナイトマトリックスに固溶するとともに、析出強化相であるNiAlを基本型とするガンマプライム相(γ’相)にも固溶して合金の高温強度を高める。また、Wは、粒界にWとMoの固溶体からなる体心立方晶のα−(Mo、W)相を晶出し、合金の粒界強度を高めると同時に、合金の被削性を高める作用がある。一方、Wは、耐酸化性を低下させる作用を有する。高温強度を高め、且つ、耐酸化性の低下をより抑制する観点から、本発明におけるNi基合金中のWの含有量は7.0〜12.0%とする。Wの効果をより確実に得るための好ましい下限は10.0%であり、好ましいWの上限は11.0%である。
<Mo:4.0〜11.0%>
Moは、オーステナイトマトリックスに固溶するとともに、析出強化相であるNiAlを基本型とするガンマプライム相にも固溶して合金の高温強度を高める。一方、Moは、耐酸化性を低下させる作用を有する。高温強度を高め、且つ、耐酸化性の低下をより抑制する観点から、本発明におけるNi基超耐熱合金中のMoの含有量は4.0〜11.0%とする。なお、後述するTa含有量との兼ね合いで好ましいMoの下限を設定するのが好ましく、Taを含有する場合のMoの効果をより確実に得るための好ましい下限は4.5%である。一方、Taを添加しない場合のMoの好ましい下限は7.0%とすると良く、更に好ましくは9.5%である。また、好ましいMoの上限は10.5であり、更に好ましくは、10.2%である。
<Al:5.0〜7.5%>
Alは、Niと結合してNiAlからなるガンマプライム相を析出し、合金の高温強度を高め、合金の表面にアルミナの被膜を生成し、合金に耐酸化性を付与する作用を有する。一方、Alの含有量が多過ぎると、共晶ガンマプライム相を過度に生成し、合金の高温強度を低める作用もある。耐酸化性及び高温強度を高める観点から、本発明におけるNi基超耐熱合金中のAlの含有量は5.0〜7.5%とする。Alの効果をより確実に得るための好ましい下限は5.5%であり、更に好ましくは6.1%である。また、好ましいAlの上限は6.7%であり、更に好ましくは6.5%である。
<Cr:0.5〜7.5%>
Crは、合金表面もしくは内部におけるアルミナの連続層の形成を促進し、合金の耐酸化性を向上させる作用を有する。そのため、0.5%以上のCrの添加が必要になる。また、Al、W、MoとともにCrを添加した場合、後述する表4、図2等に示されているように、3.0〜7.5%のCrは1000℃において高い圧縮強度が達成される。さらに、3.0%以下のCr含有量では、1000〜1100℃においても高い圧縮強度が得られる。但し、7.5%を超える範囲のCrの添加は、1000℃以上における圧縮強度を低下させるため避けなければならない。Crの添加は必ずしも高温強度に不利なものではなく、Al、W、Moとともに0.5〜7.5%Crを添加した場合には、むしろ高温度強度が高まり、高い高温強度を維持しながら、耐酸化性が向上できる点が本発明によって明らかとなったのである。Crの効果をより確実に得るための好ましい下限は1.3%であり、好ましいCrの上限は3.0%である。
<Ta:0.5〜7.0%>
本発明におけるNi基超耐熱合金は、Taを含有することができる。Taは、NiAlからなるガンマプライム相にAlサイトを置換する形で固溶して合金の高温強度を高めるとともに、合金表面に形成された酸化物皮膜の密着性と耐酸化性を高め、合金の耐酸化性を向上させる作用を有する。一方、Taの含有量が多すぎると、TCP(Topologically Close Packed)相等の有害相を析出しやすくする作用もある。耐酸化性及び高温強度を高め、且つ、有害相の析出を抑制する観点から、本発明においてTaを含有する場合のTaの含有量は0.5〜7.0%とする。Taの効果をより確実に得るための好ましい下限は2.5%であり、好ましいTaの上限は6.5%である。
<その他の任意の添加元素>
本発明におけるNi基超耐熱合金は、Zr、Hf、希土類元素、Y及びMgから選択される1種または2種以上の元素を含有することができる。Zr、Hf、希土類元素、Yは、酸化物被膜の結晶粒界への偏析によりその粒界での金属イオンと酸素の拡散を抑制する。この粒界拡散の抑制は、酸化物被膜の成長速度を低下させ、また、酸化物被膜の剥離を促進する様な成長機構を変化させることで被膜と合金の密着性を向上させる。すなわち、これらの元素は、前述した成長速度の低下と被膜密着性の向上によって合金の耐酸化性を向上させる作用を有する。また、Mgは、酸化物被膜と合金の界面への偏析とそれらの化学結合の阻害により被膜の密着性を低下させるSと硫化物を形成し、Sの偏析を防止することで密着性を向上させ、合金の耐酸化性を向上させる作用を有する。
なお、前記希土類元素のなかでもLaを用いるのが好ましい。Laは耐酸化性の向上の効果が大きいためである。Laは前述した拡散の抑制に加えてSの偏析を防止する作用も有し、且つ、それらの作用が優れているため、希土類元素のなかではLaを選択するのが良い。また、YにおいてもLaと同じ作用効果を奏するためYの添加も好ましく、LaとYを含む2種以上を用いるのが特に好ましい。
耐酸化性に加えて優れた機械的特性も必要な場合は、HfまたはZrを用いるのが好ましく、Hfを用いるのが特に好ましい。また、Hfを添加する場合は、HfはSの偏析を防止する作用が小さいため、Hfに加えてMgを同時に添加すると耐酸化性がより向上する。そのため、耐酸化性とともに機械的特性がもめられる場合は、HfとMgを含む2種以上の元素を用いるのが更に好ましい。
前述した任意の元素の添加量が多すぎると、Ni等との金属間化合物を過度に生成して合金の靱性を低下させるため、これらの任意の添加元素は好適な含有量とすることが好ましい。
耐酸化性を高め、且つ、靱性の低下を抑制する観点から、本発明におけるZr、Hfのそれぞれの含有量の上限は0.5%である。Zr、Hfのそれぞれの含有量の好ましい上限は0.2%であり、さらに好ましくは0.1%である。希土類元素、YはZr、Hfよりも靱性を低める作用が高いため、本発明におけるこれらの元素のそれぞれの含有量の上限は0.2%であり、好ましい上限は0.1%であり、更に好ましくは0.05%である。Zr、Hf、希土類元素、Yを含有させる場合の下限は0.001%である。、Zr、Hf、希土類元素、Yの含有の効果を十分に発揮する好ましい下限は0.005%であり、更に好ましくは0.01%以上含有するのがよい。
また、Mgについては合金に含有される不純物Sと硫化物を形成させるために必要な量のみ含有すればよいため、Mgの含有量は0.001〜0.03%とする。好ましいMgの上限は0.01%である。一方、Mg添加による効果をより確実に発揮させるには0.005%を下限とするのがよい。
以上説明する添加元素以外はNi及び不可避的不純物である。本発明におけるNi基超耐熱合金においてNiはガンマ相を構成する主要元素であるとともに、Al、Ta、Mo、Wとともにガンマプライム相を構成する。なお、前記不可避的不純物元素のうち、特にSについては0.003%以下とするのが好ましい。
<熱間鍛造用金型>
本発明では、上記の合金組成を有する熱間鍛造用金型の成形面または側面の少なくとも一方の面を、酸化防止剤の塗布層を有する面とすることができる。これにより、高温での大気中の酸素と金型の母材の接触による金型表面の酸化とそれに伴うスケール飛散を防止し、作業環境の劣化及び形状劣化をより確実に防止できる。前述した酸化防止剤は、窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種類以上でなる無機材料であることが好ましい。これは、窒化物や酸化物や炭化物の塗布層により緻密な酸素遮断膜を形成し、金型母材の酸化を防ぐためである。なお、塗布層は窒化物、酸化物、炭化物の何れかの単層でも良いし、窒化物、酸化物、炭化物の何れか2種以上の組合わせの積層構造であっても良い。更に、塗布層は窒化物、酸化物、炭化物の何れか2種以上からなる混合物であっても良い。
以上、説明する本発明の熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型は、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有し、高温での大気中の酸素と金型の母材の接触による金型表面の酸化とそれに伴うスケール飛散を防止し、作業環境の劣化及び形状劣化をより確実に防止できる。
<鍛造製品の製造方法>
本発明の熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型を用いて鍛造製品を製造する場合の代表的な工程について説明する。
先ず、第一の工程として鍛造素材を所定の鍛造温度に加熱する。鍛造温度は材質に応じて異なるため、適宜温度を調整する。本発明の熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型は、高温での大気中の雰囲気においても恒温鍛造やホットダイ鍛造が可能な特性を有するため、難加工性材料と知られるNi基超耐熱合金やTi合金等の熱間鍛造に好適である。代表的な鍛造温度としては1000〜1150℃の範囲である。
そして、前記第一の工程で加熱された鍛造素材を前記熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造(第二の工程)する。前記のホットダイ鍛造や恒温鍛造の場合、第二工程の熱間鍛造は、型鍛造であることが好ましい。また、本発明の熱間金型用Ni基合金は前述したように、特にCr含有量を調整した成分とすることにより1000℃以上の高温で大気中の熱間鍛造が可能である。
以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明する。真空溶解にて表1に示す熱間金型用Ni基合金のインゴットを製造した。単位は質量%である。なお、下記インゴットに含有されているP、S、N、Oはそれぞれ0.003%以下であり、C、Si、Mn、Co、Ti、Nb、Feはそれぞれ0.03%以下である。
Figure 2017204286
上記の各インゴットから10mm角の立方体を切出し、表面を1000番相当に研磨して耐酸化性試験片を作製し、耐酸化性の評価を行った。耐酸化性試験では、熱間鍛造用の金型として大気中で用いるときに、長時間使用することを模擬した試験と、繰り返し使用することを模擬した試験の2種類の試験を実施した。
長時間の使用を模擬した耐酸化試験として、実施例1乃至10および比較例1、2の試験片を用いて、試験片をSiOとAlからなるセラミックス製のるつぼの中に入れた状態で1100℃に加熱された炉に投入し、1100℃にて所定時間保持した後に炉から試験片の入ったるつぼを取り出し、スケールのるつぼ外への剥離を防ぐため取り出し後すぐにるつぼに同材質の蓋を被せた状態で空冷させる加熱試験を行った。加熱試験は、長時間の使用に対する耐酸化性を評価するため、各試験片に対し保持時間3時間と8時間の試験をそれぞれ行った。
各試験片に対し、加熱試験前に試験片の表面積と試験片を入れたるつぼの質量の測定を行い、また、加熱試験後に室温まで冷却した後試験片の入ったるつぼの質量を測定した。各試験後に測定した質量から試験前に測定した質量を差し引き、その値を試験前に測定した表面積にて割ることで、各試験後における試験片の単位表面積あたりの質量変化を算出した。質量変化の値が大きいほど単位面積当たりのスケール生成量が大きいということである。質量変化は以下のように計算した。
質量変化=(試験後質量−試験前質量)/試験前表面積
表2に各保持時間の加熱試験での算出した試験片の単位表面積あたりの質量変化を示す。質量変化の単位はmg/cmである。
表2より、Crを添加した本発明の実施例1乃至10は、Crを添加していない比較例1、2に対してスケールの生成量が抑制され8時間後の重量変化が半分以下となっており、Crの添加による長時間の使用に対する良好な耐酸化性を有することが分かる。
Figure 2017204286
繰り返しの使用を模擬した耐酸化試験として、実施例1、4乃至10および比較例1の試験片を用いて、試験片をSiOとAlからなるセラミックス製の容器の上に置いた状態で1100℃に加熱された炉に投入し、1100℃にて3時間保持した後に炉から取り出して空冷させる加熱試験を行った。加熱試験は、繰り返しの使用に対する耐酸化性を評価するため、冷却した後再投入することで5回繰り返し行った。
各試験片に対し、1回目の加熱試験前に試験片の表面積と質量の測定を行い、また、1乃至5回目の加熱試験後に室温まで冷却した後表面のスケールをブロワーにて除去した試験片質量を測定した。各試験後に測定した質量から1回目の試験前に測定した質量を引き、その値を1回目の試験前に測定した表面積にて割ることで、各試験後における試験片の単位表面積あたりの質量変化を算出した。質量変化の値の絶対値が大きいほど単位面積当たりのスケール飛散量が大きいということである。各繰り返し回数後における質量変化は以下のように計算した。
質量変化=(試験後質量−1回目試験前質量)/1回目試験前表面積
表3に各加熱試験後に算出した試験片の単位表面積あたりの質量変化を示す。質量変化の単位はmg/cmである。また、図1に加熱試験の回数と質量変化の関係を示す。
表3及び図1に示すように、本発明の実施例1、4乃至10は比較例1の合金よりもスケールの生成(飛散)が抑制され質量変化の値の絶対値が小さくなっており、繰り返しの使用に対する良好な耐酸化性を有することが分かる。なかでも特に、Crに加えてYとZrを添加した実施例1、Crに加えてTaを添加した実施例5は、Crのみを添加した実施例4と比較してスケールの飛散が抑制されており、繰り返しの使用に対する耐酸化性が特に優れていることが分かる。また、CrとTaに加えてHfやLaやMgを添加した実施例6乃至10は、前述した実施例1と実施例5と比較して、繰り返しの使用に対する耐酸化性が更に優れていることがわかる。
Figure 2017204286
次に、表1の実施例1乃至10と比較例1、2の各インゴットから直径8mm、高さ12mmの試験片採取用素材を切出し、表面を1000番相当に研磨して圧縮試験片を作製した。この圧縮試験片を用い、900℃、1000℃、1100℃の各温度にて、歪速度10−3/sec、圧縮率10%の条件で圧縮試験を行った。圧縮試験により得られた応力―歪曲線より0.2%圧縮強度を導出し、高温圧縮強度の評価を行った。この圧縮試験は、熱間鍛造用の金型として、高温下においても十分な圧縮強度を有しているかを試験するものであり、300MPa以上あれば十分な強度を有すると言える。好ましくは350MPa以上である。
表4に実施例1乃至10と比較例1、2の試験片の各試験温度における0.2%圧縮強度を示す。また、図2に実施例1乃至5と比較例1の各試験温度と0.2%圧縮強度の関係を図示する。
表4より、実施例1乃至5の1000℃での歪速度10−3/secでの圧縮強度は500MPa以上であることがわかる。好ましいCr量の実施例1、4乃至10については、1100℃での歪速度10−3/secでの圧縮強度が350MPa以上であることが分かる。また、図2より、Cr添加量が上限の7.5%以下である実施例1乃至5の1000℃における圧縮強度はCrを含有しない比較例1と比べて同等以上であることと、Cr添加量が3.0%以下である実施例4、5の1000〜1100℃における圧縮強度は比較例1と比べて同等以上であることが明らかである。以上から、何れの本発明合金においても高い高温圧縮強度を有することがわかる。
Figure 2017204286
次に、表5に示すように本発明の熱間金型用Ni基合金の組成を満足し、且つ、表6に示す酸化物からなる酸化防止剤を表面に塗布した金型を用いて、酸化防止剤による熱間金型用金型の酸化及びスケール飛散の防止効果の評価を行った。
図3に、酸化防止剤塗布した熱間金型用金型を大気中で1000℃以上の加熱を行った後の熱間金型用金型表面の外観写真を示す。図3から分かるように、熱間金型用金型表面に塗布した酸化防止剤の剥離がないことがわかる。また、スケールの飛散も確認されなかった。このことから、酸化防止剤により金型の酸化及びスケールの飛散が防止されることがわかる。
Figure 2017204286
Figure 2017204286
以上の結果から、本発明の熱間金型用Ni基合金は、大気中での熱間鍛造に用いても十分な耐酸化性と高温での高い圧縮強度とを兼備していることがわかる。特に、スケールの剥離を著しく低減できたため、作業環境の劣化及び形状劣化を抑制することができる。
特に、本発明の熱間金型用Ni基合金を用いて熱間鍛造用金型を作製し、その成形面、または側面の少なくとも一方に酸化防止剤の塗布層を形成すると、より一層、作業環境の劣化を防止するとともに、形状劣化も防止することができる。そのため、本発明の熱間金型用Ni基合金製の熱間鍛造用金型は、大気中でのホットダイ鍛造や恒温鍛造に好適であることがわかる。

Claims (9)

  1. 質量%で、W:7.0〜12.0%、Mo:4.0〜11.0%、Al:5.0〜7.5%、Cr:0.5〜7.5%、残部はNi及び不可避的不純物でなる熱間金型用Ni基合金。
  2. 0.5〜7.0質量%のTaを更に含有する請求項1に記載の熱間金型用Ni基合金。
  3. 質量%で、Zr:0.001〜0.5%、Hf:0.001〜0.5%、希土類元素:0.001〜0.2%、Y:0.001〜0.2%、Mg:0.001〜0.03%の元素から選択される1種または2種以上を更に含有する請求項1または2に記載の熱間金型用Ni基合金。
  4. 試験温度:1000℃、歪速度:10−3/secでの0.2%圧縮強度が500MPa以上である請求項1乃至3の何れかに記載の熱間金型用Ni基合金。
  5. 試験温度:1100℃、歪速度:10−3/secでの0.2%圧縮強度が350MPa以上である請求項1乃至3の何れかに記載の熱間金型用Ni基合金。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型。
  7. 請求項6に記載の熱間鍛造用金型であって、前記熱間鍛造用金型の成形面、または側面の少なくとも一方に酸化防止剤の塗布層を有することを特徴とする熱間鍛造用金型。
  8. 鍛造素材を加熱する第一の工程と、
    前記第一の工程で加熱された鍛造素材を請求項6または7に記載の熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造する第二の工程とを有する、鍛造製品の製造方法。
  9. 前記熱間鍛造用金型を1000℃以上に加熱して第二の工程を行う、請求項8に記載の鍛造製品の製造方法。
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