JP2020196047A - 鍛造製品の製造方法 - Google Patents

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翔悟 鈴木
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翔悟 鈴木
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Chuya Aoki
宙也 青木
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Abstract

【課題】高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有し、熱間鍛造等における作業環境の劣化及び形状劣化が抑制可能な熱間金型用Ni基合金でなる熱間鍛造用金型を用いた鍛造製品の製造方法を提供する。【解決手段】モル分率でγ’相が35%以上の鍛造素材を1000℃以上の鍛造素材加熱温度に加熱する鍛造素材加熱工程と、前記鍛造素材加熱工程で加熱された鍛造素材を1000℃〜前記鍛造素材加熱温度プラス20℃に加熱されたNi基合金でなる熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造する熱間鍛造工程とを有し、前記Ni基合金が質量%で、W:7.0〜15.0%、Mo:2.5〜11.0%、Al:5.0〜7.5%、Cr:0.5〜3.0%、Ta:0.5〜7.0%、S:0.0010%以下、希土類元素、Y及びMgから選択される1種または2種以上を合計として0〜0.020%、残部はNi及び不可避的不純物の組成を有する鍛造製品の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、加熱した金型を用いて行われる熱間鍛造による鍛造製品の製造方法に関する。
耐熱合金からなる製品の鍛造において、鍛造素材は変形抵抗を低くするため所定の温度に加熱される。耐熱合金は高温でも高い強度を有するため、その鍛造に用いる熱間鍛造用金型には高温での高い機械的強度が必要とされる。また、熱間鍛造において熱間鍛造用金型の温度が鍛造素材に比べて低い場合、抜熱により鍛造素材の加工性が低下するため、例えばAlloy718やTi合金等の難加工性材からなる製品の鍛造は、素材とともに熱間鍛造用金型を加熱して行われる。従って、熱間鍛造用金型は、鍛造素材が加熱される温度と同じかもしくはそれに近い高温で、高い機械的強度を有したものでなければならない。この要求を満たす熱間鍛造用金型として、大気中での金型温度1000℃以上の熱間鍛造に使用できるNi基超耐熱合金が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
なお、本発明で言う熱間鍛造とは、熱間鍛造用金型の温度を鍛造素材の温度まで近づけるホットダイ鍛造と鍛造素材と同じ温度にする恒温鍛造を含むものである。
特開昭62−50429号公報 特開昭60−221542号公報 特開2016−069702号公報 特開2016−069703号公報 米国特許第4740354号明細書
上述したNi基超耐熱合金は、高温圧縮強度が高いという点では有利であるものの、耐酸化性の点では大気中で加熱した後の冷却時に金型表面から酸化ニッケルの細かなスケールが飛散するため作業環境の劣化及び形状劣化のおそれがある。金型表面の酸化とそれに伴うスケールの飛散の問題は、大気中で使用できるという効果を最大限に生かす上で大きな問題となる。
本発明の目的は、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有し、熱間鍛造等における作業環境の劣化及び形状劣化が抑制可能な熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型を用いて、難加工性の鍛造素材を熱間鍛造する鍛造製品の製造方法を提供することである。
本発明者は、金型表面の酸化とそれに伴うスケール飛散による作業環境の劣化及び形状劣化の問題を検討し、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有する組成とその合金でなる熱間鍛造用金型を使用した鍛造製品の製造方法を見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、モル分率でガンマプライム相が35%以上の鍛造素材を1000℃以上の鍛造素材加熱温度に加熱する鍛造素材加熱工程と、前記鍛造素材加熱工程で加熱された鍛造素材を1000℃〜前記鍛造素材加熱温度プラス20℃に加熱されたNi基合金でなる熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造する熱間鍛造工程とを有し、前記Ni基合金が質量%で、W:7.0〜15.0%、Mo:2.5〜11.0%、Al:5.0〜7.5%、Cr:0.5〜3.0%、Ta:0.5〜7.0%、S:0.0010%以下、希土類元素、Y及びMgから選択される1種または2種以上を合計として0〜0.020%、残部はNi及び不可避的不純物の組成を有する鍛造製品の製造方法である。
本発明では、前記Ni基合金は上記組成に加えて、更に、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.5%以下を含有することができる。
また、本発明では、前記Ni基合金は上記組成に加えて、更に、Ti、Nbの元素から選択される1種または2種を合計として3.5%以下、TaとTiとNbの含有量の総和が1.0〜7.0%となる範囲内で含有することができる。
また、本発明では、前記Ni基合金は上記組成に加えて、更に、Coを15.0%以下含有することができる。
また、本発明では、前記Ni基合金は上記組成に加えて、更に、C:0.25%以下、B:0.05%以下の元素から選択される1種または2種を含有することができる。
また、本発明では、上記組成に加えて、更に、N:0.0005〜0.02%を含有することができる。
また本発明においては、前記熱間鍛造用金型を前記鍛造素材加熱温度マイナス50〜加熱温度プラス20℃の温度範囲に加熱して前記鍛造素材を熱間鍛造することができる。
本発明によれば、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有する熱間金型用Ni基合金をNi基合金を用いた熱間鍛造用金型に適用することにより、熱間鍛造における作業環境の劣化及び形状劣化を抑制することができる。
金型の繰り返しの使用による加熱と冷却を模擬した試験条件における、本発明で用いる合金の例および比較例の耐酸化性を示した図である。 本発明で用いる合金の例および比較例のシャルピー衝撃値を示した図である。
以下、本発明で用いる熱間金型用Ni基合金について詳細に説明する。化学組成の単位は質量%である。
<W:7.0〜15.0%>
Wは、オーステナイトマトリックスに固溶するとともに、析出強化相であるNiAlを基本型とするガンマプライム相(γ’相)にも固溶して合金の高温強度を高める。一方、Wは、耐酸化性を低下させる作用や、TCP(Topologically Close Packed)相等の有害相を析出しやすくする作用を有する。高温強度を高め、且つ、耐酸化性の低下と有害相の析出をより抑制する観点から、本発明で用いるNi基合金中のWの含有量は7.0〜15.0%とする。Wの効果をより確実に得るための好ましい下限は10.0%であり、好ましい上限は12.0%であり、更に好ましい上限は11.0%である。
<Mo:2.5〜11.0%>
Moは、オーステナイトマトリックスに固溶するとともに、析出強化相であるNiAlを基本型とするガンマプライム相にも固溶して合金の高温強度を高める。一方、Moは、耐酸化性を低下させる作用を有する。高温強度を高め、且つ、耐酸化性の低下をより抑制する観点から、本発明で用いるNi基合金中のMoの含有量は2.5〜11.0%とする。なお、Wと後述するTa、Ti、Nbの添加に伴うTCP相等の有害相の析出を抑制するため、W、Ta、Ti、Nb含有量との兼ね合いで好ましいMoの下限を設定するのが好ましく、Moの効果をより確実に得るための好ましい下限は4.0%であり、更に好ましい下限は4.5%である。また、好ましいMoの上限は10.5%であり、更に好ましい上限は、10.2%である。
<Al:5.0〜7.5%>
Alは、Niと結合してNiAlからなるガンマプライム相を析出し、合金の高温強度を高め、合金の表面にアルミナの被膜を生成し、合金に耐酸化性を付与する作用を有する。一方、Alの含有量が多過ぎると、共晶ガンマプライム相を過度に生成し、合金の高温強度を低める作用もある。耐酸化性及び高温強度を高める観点から、本発明で用いるNi基合金中のAlの含有量は5.0〜7.5%とする。Alの効果をより確実に得るための好ましい下限は5.5%であり、更に好ましい下限は6.1%である。また、好ましいAlの上限は6.7%であり、更に好ましい上限は6.5%である。
<Cr:0.5〜3.0%>
Crは、合金表面もしくは内部におけるアルミナの連続層の形成を促進し、合金の耐酸化性を向上させる作用を有する。そのため、0.5%以上のCrの含有が必要になる。一方、Crの含有量が多すぎると、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用もある。特に、W、Mo、Ta、Ti、Nbなどの合金の高温強度を向上させる元素を多く含有している場合には、有害相が析出しやすい。耐酸化性を向上させ、且つ、高温強度を向上させる元素の含有量を高い水準に維持しつつ有害相の析出を抑制する観点から、本発明で用いるNi基合金におけるCrの含有量は0.5〜3.0%とする。Crの効果をより確実に得るための好ましい下限は1.3%であり、好ましいCrの上限は2.0%である。
<Ta:0.5〜7.0%>
Taは、NiAlからなるガンマプライム相にAlサイトを置換する形で固溶して合金の高温強度を高める。更に、合金表面に形成された酸化物皮膜の密着性と耐酸化性を高め、合金の耐酸化性を向上させる。一方、Taの含有量が多すぎると、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用や、共晶ガンマプライム相を過度に生成し、合金の高温強度を低める作用もある。耐酸化性及び高温強度を高め、且つ、有害相の析出を抑制する観点から、本発明で用いるNi基合金におけるTaの含有量は0.5〜7.0%とする。Taの効果をより確実に得るための好ましい下限は2.5%であり、好ましいTaの上限は6.5%である。なお、後述するTi乃至はNbとともにTaを含有する場合の好ましいTaの上限は3.5%である。
<S、希土類元素、Y及びMg>
また、本発明で用いる熱間金型用Ni基合金において、S(硫黄)は、合金表面に形成される酸化物被膜と合金との界面への偏析とそれらの化学結合の阻害により酸化物被膜の密着性を低下させる。そのため、Sの上限を0.0010%以下(0%を含む)に規制しつつ、Sと硫化物を形成する希土類元素、Y及びMgの元素から選択される1種または2種以上を合計として0.020%以下の範囲で含有させることが好ましい。これら希土類元素、Y及びMgについては、過剰な添加はかえって靭性を低下させることになる。そのため、希土類元素、Y及びMgの合計量の上限は0.020%とする。なお、Sは不純物として含有され得る成分であり、0%を越えて少なからず残留する。そのSの含有量が0.0001%(1ppm)以上となるおそれのあるときに、希土類元素、Y及びMgの元素から選択される1種または2種以上をSの含有量以上含有させるようにするとよい。なお、本発明のNi基合金において、希土類元素、Y及びMgの元素は、0%でもかまわない。
前記希土類元素のなかではLaを用いるのが好ましい。LaはSの偏析を防止する作用に加えて、後述する酸化物被膜の結晶粒界における拡散の抑制作用も有し、且つ、それらの作用が優れているため、希土類元素のなかではLaを選択するのが良い。経済的な観点からすると、Mgを用いるのが好ましい。また、Mgは鋳造時の割れを防止する効果も期待できるため、希土類元素、Y及びMgの何れかを選択する場合はMgを用いることが好ましい。Mgの効果を確実に得るには、Sの有無に係らず、0.0002%以上含有させるとよい。好ましくは0.0005%以上であり、更に好ましくは0.0010%以上である。
<Zr及びHf>
本発明で用いる熱間金型用Ni基合金は、Zr、Hfから選択される1種または2種を合計として0.5%以下(0%を含む)の範囲で含有することができる。Zr、Hfは、酸化物被膜の結晶粒界への偏析によりその粒界での金属イオンと酸素の拡散を抑制する。この粒界拡散の抑制は、酸化物被膜の成長速度を低下させ、また、酸化物被膜の剥離を促進する様な成長機構を変化させることで酸化物被膜と合金の密着性を向上させる。すなわち、これらの元素は、前述した酸化物被膜の成長速度の低下と酸化物被膜の密着性の向上によって合金の耐酸化性を向上させる作用を有する。この効果を確実に得るためには、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.01%以上含有することがよい。好ましい下限は0.02%であり、更に好ましい下限は0.05%である。一方、ZrやHfの添加量が多すぎると、Ni等との金属間化合物を過度に生成して合金の靱性を低下させるため、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種の合計としての上限は0.5%である。好ましい上限は0.2%であり、さらに好ましい上限は0.15%である。ところで、Hfは鋳造時の割れを防止する効果も期待できるため、ZrとHfの何れかを選択する場合はHfを用いることが好ましい。
なお、希土類元素、Yも酸化物被膜の結晶粒界における拡散の抑制作用を有する。しかし、これらの元素はZr、Hfに比べて靭性を低める作用が高く含有量の上限値が低い。そのため、この作用を目的として含有させる元素としては、希土類元素、YよりもZr、Hfの方が好適である。耐酸化性と靭性とをバランスよく高めるには、HfとMgとを同時に用いることが特に好ましい。
<Ti及びNb>
本発明で用いる熱間金型用Ni基合金は、Ti、Nbから選択される1種または2種を合計として3.5%以下(0%を含む)の範囲で含有することができる。Ti、Nbは、Taと同様にNiAlからなるガンマプライム相にAlサイトを置換する形で固溶して、合金の高温強度を高める。また、Taに比べて安価な元素であるため金型コストの点で有利である。一方、Ti、Nbの含有量が多すぎると、Taと同様に、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用や、共晶ガンマプライム相を過度に生成し、合金の高温強度を低める作用もある。加えて、Ti、Nbは、Taに比べて高温強度を高める作用が弱く、また、Taと異なり耐酸化性を向上させる作用を有さない。
以上のことから、有害相の析出と共晶ガンマプライム相の過度な生成に伴う高温強度の低下を抑制する観点より、TaとTiとNbの含有量の総和を制限しつつ、高温強度特性と耐酸化性がTaのみを含有した場合と同水準に維持される範囲内で、Taを金型コストの点で有利なTi乃至はNbに置換することが望ましい。本発明では、TaとTiとNbの含有量の総和の上限を7.0%とするとともに、Ti、Nbの元素から選択される1種または2種の含有量の上限を3.5%とする。TaとTiとNbの含有量の総和の好ましい上限は6.5%であり、Ti、Nbの元素から選択される1種または2種の含有量の好ましい上限は2.7%である。また、高温強度を高める効果を確実に得る観点から、TaとTiとNbの含有量の総和の下限を1.0%とするとともに、金型コストを低下させる効果を確実に得る観点から、Ti、Nbの元素から選択される1種または2種の含有量の下限を0.5%とすると良い。TaとTiとNbの含有量の総和の好ましい下限は3.0%であり、さらに好ましい下限は4.0%である。Ti、Nbの元素から選択される1種または2種の含有量の好ましい下限は1.0%である。
経済的な観点からするとTiのみを用いることが特に好ましく、高温強度を特に重視する場合はNbのみを用いることが特に好ましい。金型コストと高温強度の両者を重視する場合は、TiとNbを同時に用いることが特に好ましい。また、後述するNを積極添加する場合は、Tiを添加することでTi系窒化物が形成され、さらに後述するCを添加した場合には、Ti系窒化物がブッロク状の炭化物の析出核となり、炭化物の形態を疲労破壊が生じる可能性を高める枝状の炭化物形態からブロック状に変化させることが可能となる。これにより、疲労破壊を抑制することが可能となる。
<Co>
本発明で用いる熱間金型用Ni基合金は、Coを含有することができる。Coは、オーステナイトマトリックスに固溶し、合金の高温強度を高める。一方、Coの含有量が多すぎると、CoはNiに比べて高価な元素であるため金型コストを高め、また、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用もある。高温強度を高め、金型コストの上昇と有害相の析出を抑制する観点から、15.0%以下の範囲(0%を含む)でCoを含有することができる。なお、Coの効果を確実に得るための好ましい下限は0.5%であり、更に好ましくは2.5%である。また、好ましい上限は13.0%である。
<C及びB>
本発明で用いる熱間金型用Ni基合金は、0.25%以下(0%を含む)のC(炭素)と、0.05%以下(0%を含む)のB(硼素)から選択される1種または2種の元素を含有することができる。C、Bは、合金の結晶粒界の強度を向上させ、高温強度や延性を高める。また、Cは、W、Mo、Ta、Ti、Nb、Zr、Hf等とともにMC炭化物を形成し、粒界に析出して粒界強度を高める等の効果により引張強度を高める効果もある。一方、C、Bの含有量が多すぎると、粗大な炭化物やホウ化物が形成され、合金の強度を低下させる作用もある。また、Cは、高温保持中のMC炭化物の形成によるMo固溶量の大幅な低下により合金の高温強度を低下させる。合金の結晶粒界の強度を高め、粗大な炭化物やホウ化物の形成を抑制する観点から、本発明におけるCの含有量は0.005〜0.25%、Bの含有量は0.005〜0.05%とすることが好ましい。Cの効果を確実に得るための好ましい下限は0.01%であり、好ましい上限は0.15%である。Bの効果を確実に得るための好ましい下限は0.01%であり、好ましい上限は0.03%である。
経済性や高温強度を重視する場合はCのみを用いることが特に好ましく、延性を特に重視する場合はBのみを使用することが特に好ましい。高温強度と延性の両者を重視する場合は、CとBを同時に用いることが特に好ましい。
<N>
Nは、先述したTiとともに形成したTi系窒化物が結晶構造が類似するMC炭化物の析出核として作用することで、引張強度を低下させる、一般的にChinese−scriptと称される枝状のMC炭化物をブロック状や球状といった過度な応力集中を抑制する観点から好ましい形状としつつ、微細に分散させ、引張強度を高める。これは、凝固終盤に偏析により合金元素濃度が高く、且つ、デンドライトアーム間の限られた体積の溶湯中で析出するよりも、析出核の存在により溶湯中における炭化物の析出が早まることで、比較的丸く成長しつつ溶湯の流れの中で微細に分散されるためである。加えて、MC炭化物を優先的に析出させることで、自身の割れによるクラックの生成により引張強度を低下させる作用があり、また、疲労破壊の起点となるおそれがある粗大なMC炭化物の形成を抑制する効果もある。一方、Nの含有量が多くなりすぎると、過度なミクロポロシティの生成等により、引張強度を低下させる作用もある。加えて、結晶粒を微細化させる事で、高温におけるクリープ強度を低下させる。引張強度を高め、ミクロポロシティの形成の抑制やクリープ強度の低下を抑制する観点から、本発明におけるNの含有量は0.0005〜0.02%とすることができる。Nの効果をより確実に得るための好ましい下限は0.0050%であり、好ましいNの上限は0.010%である。
なお、Nの含有量がC含有量以上となった場合、強度の低下のみならず、余分なNによる粗大な窒化物の析出により、疲労強度等の他の特性も低下するおそれがある。そのため、Nの含有量の上限をCの含有量とするのが好ましい。好ましいNの含有量の上限はCの10分の1である。また、NとTiを全てのMC炭化物の析出核として作用させる必要はなく、枝状のMC炭化物のみに対して作用させればよい。それに必要なNの下限は、Cの100分の1をNの含有量であれば良い。好ましいNの下限はCの50分の1である。この好ましいN含有量について、NとCのとの関係を関係式で示すと下記になる。
C/100≦N≦C(C、Nは各成分含有量の質量%である)
<残部>
本発明で用いる熱間金型用Ni基合金における前述した元素以外はNi及び不可避的不純物である。本発明で用いる熱間金型用Ni基合金においてNiはガンマ相(オーステナイト相)を構成する主要元素であるとともに、Al、Ta、Ti、Nb、Mo、Wとともにガンマプライム相を構成する。また、不可避的不純物としては、P、O、Si、Mn、Fe等が想定され、P、Oはそれぞれ0.003%以下であれば含有されていてもかまわなく、また、Si、Mn、Feはそれぞれ0.03%以下であれば含有されていてもかまわない。なお、前述の不純物元素の他に、特に制限すべき元素としてCaが挙げられる。本発明で規定する組成にCaが添加されるとシャルピー衝撃値を著しく低下させるため、Caの添加は避けるべきである。また、本発明で用いるNi基合金は、Ni基耐熱合金と呼ぶこともできる。
<熱間鍛造用金型>
本発明では、上記の合金組成を有する熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型を構成することができる。本発明の熱間鍛造用金型は合金粉末の焼結もしくは鋳造により得ることができる。合金粉末の焼結よりも製造費の低い鋳造の方が好ましく、更に、凝固時の応力による素材の割れの発生を抑制するため、その鋳型には砂型又はセラミックス型を用いることが好ましい。本発明で用いる熱間鍛造用金型の成形面または側面の少なくとも一方の面を、酸化防止剤の塗布層を有する面とすることができる。これにより、高温での大気中の酸素と金型の母材との接触による金型表面の酸化とそれに伴うスケール飛散を防止し、作業環境の劣化及び形状劣化をより確実に防止できる。前述した酸化防止剤は、窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種類以上でなる無機材料であることが好ましい。これは、窒化物や酸化物や炭化物の塗布層により緻密な酸素遮断膜を形成し、金型母材の酸化を防ぐためである。なお、塗布層は窒化物、酸化物、炭化物の何れかの単層でも良いし、窒化物、酸化物、炭化物の何れか2種以上の組み合わせの積層構造であっても良い。更に、塗布層は窒化物、酸化物、炭化物の何れか2種以上からなる混合物であっても良い。
以上、説明する本発明の熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型は、高い高温圧縮強度と良好な耐酸化性を有し、高温での大気中の酸素と金型の母材との接触による金型表面の酸化とそれに伴うスケール飛散を防止し、作業環境の劣化及び形状劣化をより確実に防止できる。
<鍛造製品の製造方法>
本発明で用いる熱間金型用Ni基合金からなる熱間鍛造用金型を用いて鍛造製品を製造する製造工程について説明する。
先ず、本発明が対象とする鍛造素材は、モル分率でガンマプライム相が35%以上となる組成を有する合金である。代表的な合金としては、Udimet720Li(Udimetは登録商標)やTMW合金(TMWは登録商標)などが挙げられる。これらのガンマプライム相を多量に含有する合金では、熱間加工時の変形抵抗が高くなり、熱間鍛造が困難になる。なお、ガンマプライム相の析出量は合金成分により定まり、市販計算ソフトJMatPro(Version 9.1、Sente Software Ltd.社製品)を用いて計算することができる。ここでのガンマプライム相の析出量とは、製品として一般的な時効処理温度である温度760℃の平衡状態下におけるガンマプライム相のモル分率である。
この難加工性の合金を熱間鍛造するには、熱間鍛造用金型を所定の温度以上に加熱したり、加熱後に保温するホットダイ鍛造や恒温鍛造を適用することが好ましく、以下に、本発明で規定する熱間鍛造工程を説明する。
本発明では、鍛造素材加熱工程として鍛造素材を1000℃以上の加熱温度に加熱する。1000℃以上に加熱するのは、前記の難加工性合金を熱間鍛造する場合に、必要最低限の温度であるからである。加熱温度の上限は鍛造素材合金において結晶粒界での部分溶融が生じる温度マイナス20℃とすれば良い。なお、熱間鍛造温度は、合金組成や鍛造品の要求特性によって変化し、例えば、ガンマプライム相が約45%のUdimet720Liでは1100℃程度となる。
前記熱間鍛造を行うには、恒温鍛造やホットダイ鍛造を適用するのが好ましい。なお、熱間鍛造用金型の温度は、鍛造素材を所定の形状に成型する成形面表面の温度を言う。
恒温鍛造を行うには、前記熱間鍛造用金型を前記鍛造素材と等温保持するのが好ましいが、熱間鍛造用金型を鍛造素材加熱温度マイナス50〜鍛造素材加熱温度プラス20℃の温度範囲に加熱することは許容できる。鍛造素材と熱間鍛造用金型との温度差が過度に広がると鍛造素材の温度が低下したり高くなりすぎたりして、鍛造素材の金属組織などの内質が変化するおそれがある。好ましくは、熱間鍛造用金型を鍛造素材加熱温度プラスマイナス20℃の温度範囲に加熱することであり、更に好ましくは、鍛造素材加熱温度プラスマイナス10℃の温度範囲に加熱することであり、最も好ましいのは前記のとおり、前記熱間鍛造用金型を前記鍛造素材と等温保持することである。恒温鍛造を行う場合には、鍛造装置に設置した加熱装置によって、熱間鍛造用金型を所定の温度に加熱・保持すればよい。
また、ホットダイ鍛造を行うには、前記熱間鍛造用金型を1000℃以上であり且つ鍛造素材加熱温度マイナス100℃の温度範囲に加熱して前記鍛造素材を熱間鍛造する。ホットダイ鍛造は、前記の恒温鍛造よりも低い温度に加熱された熱間鍛造用金型を用いるものである。ホットダイ鍛造においては、鍛造素材と熱間鍛造用金型との温度差により鍛造素材の金属組織などの内質が変化するおそれが恒温鍛造の場合よりも高い。また、鍛造素材表面の温度低下による表面割れなども生じるおそれがある。そのため、熱間鍛造用金型の温度を1000℃以上であり且つ鍛造素材加熱温度マイナス100℃の温度範囲とする。
なお、恒温鍛造やホットダイ鍛造の適用は、例えば、鍛造素材の熱間加工性、鍛造製品の形状(複雑形状であるかどうか等)、熱間鍛造装置の最大プレス荷重などを考慮して選択するとよい。本発明で用いるNi基合金を用いた熱間鍛造用金型は、高温での大気中の雰囲気においても恒温鍛造やホットダイ鍛造が可能な特性を有するため、難加工性材料として知られるNi基超耐熱合金やTi合金等の熱間鍛造に好適である。また、本発明で用いるNi基合金は前述したように、特にCr含有量を調整した成分とすることにより1000℃以上の高温で大気中の熱間鍛造が可能である。
以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明する。真空溶解にて表1に示す本発明で用いる熱間金型用Ni基合金のインゴットを製造した。単位は質量%である。なお、下記インゴットのNo.1〜18及び21〜24に含有されているP、Oはそれぞれ0.003%以下であり、Nは0.0005%未満の不純物レベルであった。また、Si、Mn、Feはそれぞれ0.03%以下である。No.19のインゴットはNを積極添加したもので、0.0054%のNを含有している。No.19のP、O、Si、Mn、Feについては、前記のo.1〜18と同じである。表1中のNo.1〜19は本発明で規定する化学組成を有するものであり、「本発明例」として記すことにする。また、No.21〜24は本発明で用いる合金の化学組成から外れた熱間金型用Ni基合金であり、「比較例」として記すことにする。
上記の各インゴットから10mm角の立方体を切出し、表面を1000番相当に研磨して耐酸化性試験片を作製し、耐酸化性の評価を行った。耐酸化性試験では、熱間鍛造用の金型として大気中で繰り返し用いることを模擬した試験を実施した。
本発明で用いる合金の例であるNo.1乃至19および比較例の合金No.21乃至24の試験片を用いて、試験片をSiOとAlからなるセラミックス製の容器の上に置いた状態で1100℃に加熱された炉に投入し、1100℃にて3時間保持した後に炉から取り出して空冷させる加熱試験を行った。加熱試験は、繰り返しの使用に対する耐酸化性を評価するため、冷却した後再投入することで10回繰り返し行った。
各試験片に対し、1回目の加熱試験前に試験片の表面積と質量の測定を行い、また、1乃至10回目の加熱試験後に室温まで冷却した後表面のスケールをブロワーにて除去した試験片質量を測定した。各試験後に測定した質量から1回目の試験前に測定した質量を引き、その値を1回目の試験前に測定した表面積にて割ることで、各試験後における試験片の単位表面積あたりの質量変化を算出した。質量変化の値の絶対値が大きいほど単位面積当たりのスケール飛散量が大きいということである。各繰り返し回数後における質量変化は以下のように計算した。 なお、本発明例No.20については、奇数回の試験後ではブロワーによるスケールの除去のみを行っており、質量の測定は行っていない。奇数回の試験後の測定を行っている試験と行っていない試験の試験方法の差はその測定の有無のみであり、その差は偶数回後の測定結果に影響を及ぼさない。
質量変化=(試験後質量−1回目試験前質量)/1回目試験前表面積
表2に各加熱試験後に算出した試験片の単位表面積あたりの質量変化を示す。質量変化の単位はmg/cmである。また、図1(a)に本発明例No.1乃至5と比較例No.21及びNo.22の加熱試験の回数と質量変化の関係を、図1(b)に図1(a)の縦軸(質量変化)を拡大した図を示す。
図1(a)に示すように、本発明で用いる合金の例No.1乃至5は比較例No.21及び22の合金よりもスケールの生成(飛散)が抑制され質量変化の値の絶対値が小さくなっており、繰り返しの使用に対する良好な耐酸化性を有することが分かる。なかでも特に、CrとTaに加えてHfを添加したNo.3、CrとTaに加えてMgを添加したNo.4については、CrとTaのみを添加したNo1及び2と比較してスケールの飛散が抑制されており、繰り返しの使用に対する耐酸化性が特に優れていることが分かる。
また、図1(b)に示すように、HfとMgをともに添加したNo.5は、前述したNo.3やNo.4と比較しても、繰り返しの使用に対する耐酸化性が更に優れていることが分かる。
なお、本発明で用いる合金の例6乃至19についても、表2より、比較例No.21及び22の合金よりもスケールの生成(飛散)が抑制され質量変化の値の絶対値が小さくなっており、繰り返しの使用に対する良好な耐酸化性を有することが分かる。
次に、表1の本発明で用いる合金の例No.2乃至8と比較例No.23及び24の各インゴットからASTM E23に準拠したノッチ深さ2mmを有する10mm×10mm×55mmのUノッチ試験片を作製した。この試験片を用い、ASTM E23に準拠したシャルピー衝撃試験を室温にて実施して衝撃値を求めた。この衝撃試験は、熱間鍛造用の金型として、金型の加熱及び冷却時に生じる熱応力に起因する金型の割れが発生しないかを試験するものであり、20J/cm以上あれば割れ発生の可能性が十分低いと言える。
表3に本発明で用いる合金の例No.2乃至8と比較例No.23及び24の室温におけるシャルピー衝撃値を示す。また、図2にこれらのシャルピー衝撃値を図示する。図2に示すように、本発明で用いる合金の例のNo.2乃至8は、比較例No.23及び24の合金よりもシャルピー衝撃値が大きくなっており、熱間鍛造中に金型が割れる可能性が十分低いことが分かる。
本発明で用いる合金の例No.7及び8と比較例No.23及び24の比較からすると、比較例のシャルピー衝撃値が低い理由は、靭性を低下させる作用が高い希土類元素(La)とYを過剰添加したことによるものである。
次に、表1の本発明で用いる合金の例No.1乃至19と比較例No.21乃至24の各インゴットから直径8mm、高さ12mmの試験片採取用素材を切出し、表面を1000番相当に研磨して圧縮試験片を作製した。
この圧縮試験片を用いて圧縮試験を行った。圧縮試験温度を1000℃と1100℃の2条件とした。これは、試験温度が1000℃のものは主として“ホットダイ鍛造”への適用を確認するためのものであり、試験温度が1100℃のものは主として“恒温鍛造”への適用を確認するためのものである。試験条件は、試験温度1000℃及び1100℃にて、歪速度10−3/sec、圧縮率10%の条件で圧縮試験を行った。圧縮試験により得られた応力―歪曲線より0.2%圧縮強度を導出し、高温圧縮強度の評価を行った。この圧縮試験は、熱間鍛造用の金型として、高温下においても十分な圧縮強度を有しているかを試験するものであり、恒温鍛造を想定した試験温度1100℃において、300MPa以上あれば十分な強度を有すると言える。好ましくは350MPa以上であり、更に好ましくは380MPa以上である。また、ホットダイ鍛造を想定した試験温度1000℃において、500MPa以上あれば十分な強度を有すると言える。好ましくは550MPa以上であり、更に好ましくは600MPa以上である。
表4に本発明で用いる合金の例No.1乃至19と比較例No.21乃至24の試験片の各試験温度における0.2%圧縮強度を示す。表4より、本発明で用いる合金の例No.1の1000℃での歪速度10−3/secでの圧縮強度は500MPa以上であることがわかる。また、本発明で用いる合金の例No.1乃至19の1100℃での歪速度10−3/secでの圧縮強度が300MPa以上であり、何れの本発明で用いる熱間金型用Ni基合金においても高い高温圧縮強度を有することがわかる。特に、Ti乃至はNbを含有しないとともにTa含有量の多いNo.5と、Ti乃至はNbを含有するとともに比較的Ta含有量の少ないNo.9〜11の結果から、Taを本発明の範囲内で金型コストの点で有利なTi乃至はNbに置換しても、十分な高温強度が維持されることが分かる。また、Coを含有しないNo.12と、No.12にCoを添加した組成であるNo.14とNo.15の結果から、Coを含有させることで高温強度が高くなることが分かる。また、Nを添加したNo.20は460MPa以上の結果が得られており、優れた高温圧縮強度を有することが分かる。
次に、表1の本発明で用いる合金の例No.15〜18の各インゴットから直径12mm、高さ100mm程度の引張試験片を作製し、ASTM E21に準拠した引張試験を1100℃にて実施して絞り値を測定することで、“恒温鍛造”に適用した場合の使用温度における合金の延性を評価した。表5に、No.15〜18の試験片の1100℃の引張試験における絞り値を示す。表5より、C乃至はBを含有しないNo.15より、No.15にC乃至はBを添加した組成であるNo.16〜18の方が絞り値が大きく延性が高いことが分かる。
次に、小型圧縮試験機を使用して、恒温鍛造による鍛造製品の製造を模擬した実験を行った。鍛造素材にはNi基超耐熱合金からなる、表面が1000番相当の研磨面である直径8mm、高さ12mmの円柱圧縮素材を使用し、金型には本発明で用いる合金のNo.5のインゴットから作製した直径15mm、高さ6mmの金型を使用した。なお、鍛造素材の温度1100℃、歪速度10−3/secにおける流動応力は約50MPaであり、この鍛造素材の760℃におけるガンマプライム相の析出量はモル分率で約45%である。鍛造素材と前記金型の間に両者の焼き付きを防止するため直径20mm、厚さ0.2mmの雲母板を敷いた状態で、鍛造素材の上下に本発明例5でなる前記金型を一つずつ配置し、それらを小型圧縮試験機に取り付けた。その後、試験機に付属している誘導加熱装置で鍛造素材と前記金型を1100℃に加熱し、歪速度10−3/secで鍛造素材を60%圧縮した。外観上実験後の金型に変形が認められなかったことから、この金型はNi基超耐熱合金の1100℃での恒温鍛造に使用可能であることがわかる。
以上の結果から、本発明で用いる熱間金型用Ni基合金は、大気中での熱間鍛造に用いても十分な耐酸化性と高温での高い圧縮強度とを兼備しており、また、金型の割れ発生の可能性が十分低いことが分かる。特に、スケールの剥離を著しく低減できたため、作業環境の劣化及び形状劣化を抑制することができる。
以上説明する本発明で用いる熱間金型用Ni基合金を所定の形状に加工して熱間鍛造用金型とし、金型温度1000℃以上の熱間鍛造で鍛造製品を製造することができる。前述した特性を有する本発明で用いる熱間金型用Ni基合金製の熱間鍛造用金型は、大気中でのホットダイ鍛造や恒温鍛造に好適であることがわかる。

Claims (7)

  1. モル分率でガンマプライム相が35%以上の鍛造素材を1000℃以上の鍛造素材加熱温度に加熱する鍛造素材加熱工程と、
    前記鍛造素材加熱工程で加熱された鍛造素材を1000℃〜前記鍛造素材加熱温度プラス20℃に加熱されたNi基合金でなる熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造する熱間鍛造工程とを有し、
    前記Ni基合金が質量%で、W:7.0〜15.0%、Mo:2.5〜11.0%、Al:5.0〜7.5%、Cr:0.5〜3.0%、Ta:0.5〜7.0%、S:0.0010%以下、希土類元素、Y及びMgから選択される1種または2種以上を合計として0〜0.020%、残部はNi及び不可避的不純物の組成を有する鍛造製品の製造方法。
  2. 前記Ni基合金が、質量%で、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.5%以下を更に含有する請求項1に記載の鍛造製品の製造方法。
  3. 前記Ni基合金が、質量%で、Ti、Nbの元素から選択される1種または2種を合計として3.5%以下を更に含有し、TaとTiとNbの含有量の総和が1.0〜7.0%である請求項1または2に記載の鍛造製品の製造方法。
  4. 前記Ni基合金が、質量%で、15.0%以下のCoを更に含有する請求項1乃至3の何れかに記載の鍛造製品の製造方法。
  5. 前記Ni基合金が、質量%で、C:0.25%以下、B:0.05%以下の元素から選択される1種または2種を更に含有する請求項1乃至4の何れかに記載の鍛造製品の製造方法。
  6. 質量%で、N:0.0005〜0.02%を更に含有する請求項1乃至5の何れかに記載の熱間金型用Ni基合金。
  7. 前記熱間鍛造用金型を前記鍛造素材加熱温度マイナス50〜前記鍛造素材加熱温度プラス20℃の温度範囲に加熱して前記鍛造素材を熱間鍛造する請求項1乃至6の何れかに記載の鍛造製品の製造方法。

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