JP7485243B1 - 熱間鍛造用金型およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

高い高温圧縮強度を有し、長い金型寿命の達成が可能な熱間鍛造用金型と、その製造方法を提供する。質量%で、W:7.5~20.0%、Mo:0~5.0%、Al:5.0~7.5%、Cr:0.5~5.0%、Ta:1.0~12.0%、C:0.01~0.15%、B:0.03%以下、S:0.015%以下、希土類元素、Y、Ca、Mgから選択される1種または2種以上を合計として0~0.020%、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.5%以下、Ti: 5.0%以下、Nb:5.0%以下、Co:25.0%以下、残部はNi及び不可避的不純物の成分組成を有する鋳造合金からなり、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下の熱間鍛造用金型である。そして、これに好ましい熱間鍛造用金型の製造方法である。

Description

本発明は、熱間鍛造用金型およびその製造方法に関するものである。
耐熱合金からなる製品の鍛造において、鍛造素材は変形抵抗を低くするため所定の温度に加熱される。しかし,耐熱合金は高温でも高い強度を有するため、その鍛造に用いる熱間鍛造用金型には高い機械的強度が必要とされる。また、熱間鍛造において熱間鍛造用金型の温度が鍛造素材に比べて低い場合、抜熱により鍛造素材の加工性が低下するため、例えばAlloy718やTi合金等の難加工性材からなる製品の鍛造では、熱間鍛造用金型は鍛造素材が加熱される温度と同じかもしくはそれに近い高温に加熱した状態で使用される。従って、この熱間鍛造用金型は、高温で高い機械的強度を有したものでなければならない。この要求を満たす熱間鍛造用金型として、高い高温圧縮強度を有し、大気中での金型温度1000℃以上の熱間鍛造に使用できるNi基超耐熱合金が提案されている(例えば、特許文献1~6参照)。
なお、本発明で言う熱間鍛造とは、熱間鍛造用金型の温度を鍛造素材の温度まで近づけるホットダイ鍛造と鍛造素材と同じ温度にする恒温鍛造を含むものである。
特開昭62-50429号公報 特開昭60-221542号公報 特開2016-069702号公報 特開2016-069703号公報 特許第6645627号公報 米国特許第4740354号明細書
上述したNi基超耐熱合金は、多量の析出強化相が存在する組織であるとともに固溶強化元素を多量に含有しており高温強度が高いため、熱間鍛造用金型として使用可能である。しかし、通常よりも負荷の高い、複雑な形状の鍛造品を高い鍛造温度で多量に製造する場合などでは、上述したNi基超耐熱合金であっても、金型寿命が課題となる。この課題を解決するためには,より高い高温圧縮強度を有する合金からなる熱間鍛造用金型を使用する必要がある。
本発明の目的は、特に高い負荷を受ける金型への適応において有利な、高い高温圧縮強度を有する熱間鍛造用金型を提供することである。また、これに好ましい熱間鍛造用金型の製造方法を提供することである。
本発明者は、上述した課題を検討し、高い高温圧縮強度を有する熱間鍛造用金型を見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、すなわち本発明は、質量%で、W:7.5~20.0%、Mo:0~5.0%、Al:5.0~7.5%、Cr:0.5~5.0%、Ta:1.0~12.0%、C:0.01~0.15%、B:0.03%以下、S:0.015%以下、希土類元素、Y、Ca、Mgから選択される1種または2種以上を合計として0~0.020%、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.5%以下、Ti:5.0%以下、Nb:5.0%以下、Co:25.0%以下、残部はNi及び不可避的不純物の成分組成を有する鋳造合金からなり、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下の、熱間鍛造用金型である。そして、好ましくは、質量%で、W:10.0~20.0%、Mo:0.5~5.0%、Al:5.0~7.5%、Cr:0.5~4.0%、Ta:1.0~12.0%、C:0.01~0.15%、B:0.03%以下、S:0.015%以下、希土類元素、Y、Ca、Mgから選択される1種または2種以上を合計として0~0.020%、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.5%以下、Ti:5.0%以下、Nb:5.0%以下、Co:20.0%以下、残部はNi及び不可避的不純物の成分組成を有する鋳造合金からなり、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下の、熱間鍛造用金型である。
また、本発明は、好ましくは、前記デンドライトコア中の円相当径が2.20μm以下のガンマプライム相に占める、円相当径が2.00μm以下のガンマプライム相の面積率の割合が90%以上である熱間鍛造用金型である。
また、本発明は、好ましくは、共晶ガンマプライム相の面積率が4.0%以下の熱間鍛造用金型である。
また、本発明は、好ましくは、ポロシティ面積率が0.7%以下の熱間鍛造用金型である。そして、より好ましくは、個々のポロシティの大きさが4000μm以下の熱間鍛造用金型である。
また、本発明は、好ましくは、平均結晶粒径が0.5mm以上の熱間鍛造用金型である。
また、本発明は、好ましくは、試験温度1100℃、歪速度10-3/sの0.2%圧縮耐力が450MPa以上の熱間鍛造用金型である。
そして、本発明は、上記の成分組成を有する鋳造合金に、1250~1350℃の温度で0.5時間以上の溶体化熱処理を施す、熱間鍛造用金型の製造方法である。
また、本発明は、好ましくは、上記の溶体化熱処理を施した後、更に800℃から1150℃までの温度範囲で時効熱処理を施す、熱間鍛造用金型の製造方法である。
本発明により、高い高温圧縮強度を有する熱間鍛造用金型を得ることができる。これにより、長い金型寿命を達成することができる。
実施例で使用したインゴットのマクロ組織を示した図である。 本発明例および比較例のポロシティの光学顕微鏡写真を示した図である。 本発明例および比較例のミクロ組織の光学顕微鏡写真を示した図である。 本発明例および比較例のミクロ組織の二次電子像もしくは反射電子像を示した図である。 本発明例および比較例のミクロ組織の二次電子像もしくは反射電子像を示した図である。 本発明例および比較例のミクロ組織の二次電子像もしくは反射電子像を示した図である。 本発明例および比較例のガンマプライム相の円相当径毎の面積率の分布と累積面積率を示した図である。 本発明例および比較例のガンマプライム相の円相当径毎の面積率の分布と累積面積率を示した図である。 本発明例および比較例のガンマプライム相の円相当径毎の面積率の分布と累積面積率を示した図である。 本発明例および比較例の高温圧縮強度を示した図である。
以下、本発明の熱間鍛造用金型ついて詳細に説明する。最初に、熱間鍛造用金型の素材となる熱間金型用Ni基合金について説明する。化学組成の単位は質量%である。
<W>
Wは、オーステナイトマトリックス(γ相)に固溶するとともに、析出強化相であるNiAlを基本型とするガンマプライム相(γ’相)にも固溶して合金の高温強度を高める。また、Wは後述するCとともにMC炭化物を形成し、粒界に析出して粒界強度を高めることで高温強度や延性を高める。一方、Wは、耐酸化性を低下させる作用や、TCP(Topologically Close Packed)相等の有害相を析出しやすくする作用を有する。高温強度や延性を高め、且つ、耐酸化性の低下と有害相の析出を抑制する観点から、本発明におけるNi基合金中のWの含有量は7.5~20.0%とする。Wの効果をより確実に得るための好ましい下限は10.0%であり、更に好ましい下限は12.0%である。また、好ましい上限は16.0%であり、更に好ましい上限は15.0%である。
<Mo>
Moは、Wと同様、オーステナイトマトリックスに固溶するとともに、析出強化相であるNiAlを基本型とするガンマプライム相にも固溶して合金の高温強度を高める。一方、Moも、耐酸化性を低下させる作用やTCP相等の有害相を析出しやすくする作用を有する。また、Mo含有量が多すぎると、後述するCとともに高温での保持中にMC炭化物を形成し固溶量が低下するため、使用中に高温強度が低下する。この低下が特に問題になる場合は、未含有である方が好ましい。高温強度を高め、且つ、耐酸化性と使用中の高温強度の低下を抑制する観点から、本発明におけるNi基合金中のMoの含有量は、Wの含有量以下の0~5.0%とする。Moの効果をより確実に得るための好ましい下限は0.5%であり、更に好ましい下限は1.5%である。また、好ましい上限は4.0%であり、更に好ましい上限は3.5%である。
<Al>
Alは、Niと結合してNiAlからなるガンマプライム相を析出し、合金の高温強度を高め、合金の表面にアルミナの被膜を生成し、合金に耐酸化性を付与する作用を有する。一方、Alの含有量が多過ぎると、ガンマプライム相を過度に生成し、合金の靭性を低める作用がある。耐酸化性及び高温強度を高め、且つ、靭性の低下を抑制する観点から、本発明におけるNi基合金中のAlの含有量は5.0~7.5%とする。Alの効果をより確実に得るための好ましい下限は5.2%であり、更に好ましい下限は5.4%である。また、好ましいAlの上限は6.7%であり、更に好ましい上限は6.5%である。
<Cr>
Crは、合金表面もしくは内部におけるアルミナの連続層の形成を促進し、合金の耐酸化性を向上させる作用を有する。そのため、0.5%以上のCrの含有が必要になる。一方、Crの含有量が多すぎると、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用もある。特に、W、Mo、Taなどの、合金の高温強度を向上させる元素をオーステナイトマトリックスやガンマプライム相に多く含有している場合には、有害相が析出しやすい。耐酸化性を向上させ、且つ、高温強度を向上させる元素の含有量を高い水準に維持しつつ有害相の析出を抑制する観点から、本発明におけるCrの含有量は0.5~5.0%とする。Crの効果をより確実に得るための好ましい下限は1.2%である。好ましいCrの上限は4.0%であり、更に好ましい上限は3.0%であり、より好ましくは2.5%である。
<Ta>
Taは、NiAlからなるガンマプライム相にAlサイトを置換する形で固溶して合金の高温強度を高める。更に、合金表面に形成された酸化物皮膜の密着性と耐酸化性を高め、合金の耐酸化性を向上させる。また、Taは後述するCとともにMC炭化物を形成し、粒界に析出して粒界強度高めることで、高温強度や延性を高める。一方、Taの含有量が多すぎると、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用や、ガンマプライム相を過度に生成し、合金の靭性を低める作用がある。耐酸化性及び高温強度を高め、且つ、有害相の析出と靭性の低下を抑制する観点から、本発明におけるTaの含有量は1.0~12.0%とする。Taの効果をより確実に得るための好ましい下限は2.5%であり、更に好ましい下限は3.0%である。好ましいTaの上限は10.0%であり、更に好ましい上限は7.0%である。
<C>
Cは、W、Mo、Ta等とともにMC炭化物を形成し、粒界に析出して粒界強度を高める等の効果により、高温強度や延性を高める。一方、Cの含有量が多すぎると、粗大な炭化物の形成や、高温保持中のMC炭化物の形成によるMo固溶量の大幅な低下により合金の高温強度を低下させる作用もある。また、初期溶融温度を低下させ、後述する溶体化処理時にポロシティ形成の原因となることで、疲労強度を低下させるリスクもある。そのため、合金の高温強度や延性を高め、高温強度等の低下を抑制する観点から、本発明におけるCの含有量は0.01~0.15%とする。Cの効果をより確実に得るための好ましい下限は0.02%であり、更に好ましい下限は0.04%である。好ましいCの上限は0.13%であり、更に好ましい上限は0.12%である。
<B>
本発明における熱間金型用Ni基合金は、0.03%以下(0%を含む)のB(硼素)を含有することができる。Bは、炭化物と同様に合金の結晶粒界の強度を向上させ、高温強度や延性を高める。一方、Bの含有量が多すぎると、粗大なホウ化物が形成され、合金の強度を低下させる作用もある。また、低融点のホウ化物の形成により、後述する溶体化処理時にポロシティ形成の原因となる事で、疲労強度を低下させるリスクもある。そのため、特に高温強度や延性を向上させたい場合などに、必要に応じてBを添加すれば良い。Bの効果を確実に得るための好ましい下限は0.005%であり、更に好ましい下限は0.01%である。好ましい上限は0.02%であり、より好ましい上限は0.015%以下である。
<S>
<希土類元素、Y、Ca及びMg>
また、本発明における熱間金型用Ni基合金において、S(硫黄)は、合金表面に形成される酸化物被膜と合金との界面への偏析とそれらの化学結合の阻害により酸化物被膜の密着性を低下させる。そのため、Sの上限を0.015%以下(0%を含む)に規制する。そして、Sを規制しつつ、Sと硫化物を形成する希土類元素、Y、Ca及びMgの元素から選択される1種または2種以上を合計として0.020%以下の範囲で含有させることが好ましい。これら希土類元素、Y、Ca及びMgについては、過剰に添加すると低融点化合物を形成し、後述する溶体化処理時にポロシティ形成の原因となることで、疲労強度を低下させるリスクがある。そのため、希土類元素、Y、Ca及びMgの合計量の上限は0.020%とする。なお、Sは不純物として含有され得る成分であり、0%を越えて少なからず残留することもある。そのSの含有量が0.0001%(1ppm)以上となるおそれのあるときに、希土類元素、Y、Ca及びMgの元素から選択される1種または2種以上をSの含有量以上含有させるようにするとよい。なお、本発明のNi基合金において、希土類元素、Y、Ca及びMgの元素は、0%でもかまわない。
前記希土類元素のなかでは、Sの無害化以外のメカニズムで耐酸化性を向上させる効果も有するLaを用いるのが好ましい。経済的な観点からすると、Ca乃至はMgを用いるのが好ましい。また、MgはCaに比べて靭性や延性を低下させる作用が小さく、加えて、鋳造時の割れを防止する効果も期待できるため、希土類元素、Y、Ca及びMgの何れかを選択する場合はMgを用いることが好ましい。Mgの添加により十分な効果が得られる場合には、Caは無添加とする。なお、Mgの効果を確実に得るには、Sの有無に係らず、0.0002%以上含有させるとよい。好ましくは0.0005%以上であり、更に好ましくは0.0010%以上である。
<Zr及びHf>
本発明における熱間金型用Ni基合金は、Zr、Hfから選択される1種または2種を合計として0.5%以下(0%を含む)の範囲で含有することができる。これらの元素は、Sの無害化以外のメカニズムで耐酸化性を向上さる効果を有し、また、前述したCとともにMC炭化物を形成し、粒界に析出して粒界強度高めることで、高温強度や延性を高める。しかし、これらの元素も過剰に添加すると低融点化合物を形成し、後述する溶体化処理時にポロシティ形成の原因となることで、疲労強度を低下させるリスクがある。そのため、特に耐酸化性や高温強度等を向上させたい場合などに、必要に応じてZr、Hfから選択される1種または2種を添加すれば良い。なお、Hfは鋳造時の割れを防止する効果も期待できるため、ZrとHfの何れかを選択する場合はHfを用いることが好ましい。Zr、Hfから選択される1種または2種の効果を確実に得るための合計の好ましい下限は0.01%であり、更に好ましい下限は0.02%である。好ましい上限は0.3%であり、より好ましい上限は0.2%である。
<Ti>
本発明における熱間金型用Ni基合金は、Tiを含有することができる。Tiは、Taと同様に、NiAlからなるガンマプライム相にAlサイトを置換する形で固溶し、また、前述したCとともにMC炭化物を形成し、合金の高温強度等を高める。また、Taに比べて安価な元素であるため金型コストの点で有利である。一方、Tiの含有量が多すぎると、Taと同様に、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用や、ガンマプライム相を過度に生成し、合金の靭性を低める作用もある。加えて、Tiは、Taと異なり耐酸化性を向上させる作用を有さない。本発明では、過度な耐酸化性の低下を抑制しつつ金型コストを低下させる観点から、5.0%以下の範囲(0%を含む)でTiを含有することができる。なお、Tiは後述するNbと異なり炭化物を微細に分散させる効果を有するため、特に延性を重視する場合には、Nbでは無くTiを選択すると良い。Tiの効果を確実に得るための好ましい下限は0.5%であり、更に好ましくは1.0%である。また、好ましい上限は3.5%である。
<Nb>
本発明における熱間金型用Ni基合金は、Nbを含有することができる。Nbは、Taと同様にNiAlからなるガンマプライム相にAlサイトを置換する形で固溶し、また、前述したCとともにMC炭化物を形成し、合金の高温強度等を高める。また、Taに比べて安価な元素であるため金型コストの点で有利である。一方、Nbの含有量が多すぎると、Taと同様に、TCP相等の有害相を析出しやすくする作用や、ガンマプライム相を過度に生成し、合金の靭性を低める作用もある。加えて、Nbは、Taと異なり耐酸化性を向上させる作用を有さない。本発明では、過度な耐酸化性の低下を抑制しつつ金型コストを低下させる観点から、5.0%以下の範囲(0%を含む)でNbを含有することができる。なお、Nbが形成する炭化物はTiが形成する炭化物よりも高温で安定であるため、特に高温での機械的特性の安定性を重視する場合には、Tiでは無くNbを選択すると良い。Nbの効果を確実に得るための好ましい下限は0.5%であり、更に好ましい下限は1.0%である。また、好ましい上限は3.5%である。
<Co>
本発明における熱間金型用Ni基合金は、Coを含有することができる。Coは、オーステナイトマトリックスに固溶し合金の高温強度を高める。また、粗大なMC炭化物の形成を抑制する効果や、ガンマプライム相の固溶温度を低下させることで後述する溶体化処理の温度を低下させる効果もある。一方、Coの含有量が多すぎると、CoはNiに比べて高価な元素であるため金型コストを高める。Coの固溶強化能はWやMoに比べて低いため、WやMo等の含有量の調整によって高い高温強度と相安定性が両立される場合、Coの添加は必須ではない。コストの上昇が許容できる場合や、溶体化熱処理に使用する加熱炉の能力の制約からガンマプライム相の固溶温度を低下させなければならない場合などに、必要に応じて添加すればよい。本発明では、高温強度を高め、金型コストの過度な上昇を抑制する観点から、25.0%以下の範囲(0%を含む)でCoを含有することができる。Coの効果を確実に得るための好ましい下限は2.0%であり、更に好ましくは3.0%である。また、好ましい上限は20.0%であり、更に好ましくは15.0%であり、より更に好ましくは10.0%である。
<残部>
本発明における熱間金型用Ni基合金における前述した元素以外はNi及び不可避的不純物である。本発明における熱間金型用Ni基合金においてNiはガンマ相を構成する主要元素であるとともに、Al、Ta、Ti、Mo、Wとともにガンマプライム相を構成する。また、不可避的不純物としては、P、O、N、Si、Mn、Fe、Cu等や、Ni基合金用として通常使用している炉でインゴットを鋳造した場合はVやReやRuも想定される。P、O、Nはそれぞれ0.005%以下であれば含有されていてもかまわなく、また、Si、Mn、Fe、Cu、V、Re、Ruはそれぞれ1.0%以下、好ましくはそれぞれ0.5%以下であれば含有されていてもかまわない。また、本発明におけるNi基合金は、Ni基耐熱合金と呼ぶこともできる。
<ガンマプライム相>
前述した熱間金型用Ni基合金は、必須元素としてAlとTaを含有するため、主にオーステナイトマトリックスとガンマプライム相からなる。また、Cも含有するため炭化物も存在する。本発明の熱間鍛造用金型は、上述した成分組成を有する、例えばインゴット(ニアネットシェイプ金型の鋳塊)に、熱間塑性加工を経ないで、機械加工して得られるものであるから、これを構成する熱間金型用Ni基合金がデンドライトの組織を有している。そして、本発明の熱間鍛造用金型の特徴は、この熱間金型用Ni基合金の中でも特に高温強度の高いデンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下である素材を使用していることである。
ここで言うデンドライトコアとは、例えば、図4や図5に示すような、炭化物や共晶ガンマプライム相で囲われた領域(250倍の視野においては、黒いいびつな形状の領域である共晶ガンマプライム相と白い枝状の炭化物相に囲まれた、比較的淡色に見える広い領域。)において、40~600μm程度の視野面積で観察した際に、周囲の共晶ガンマプライム相等の局所的に粗大なガンマプライム相や炭化物を含まず、且つ、視野中においてこれに含まれるガンマプライム相のサイズが比較的均一である領域の事を意味する。更に、ここで言うデンドライトコア中のガンマプライム相とは、デンドライトコアを同程度の視野面積で観察した際に、ガンマプライム相のサイズがデンドライトコアの中でもより微細であり、且つ、ガンマプライム相の粒子の数が150個以上1500個以下である視野でとらえた領域(図中の“角囲み”領域)に存在するガンマプライム相のことを意味する。なお、ここではガンマプライム相を、円相当径で0.05μm以上の粒子であるガンマプライム相のこととする。小さすぎるガンマプライム相は、その特定が難しい。そして、円相当径が0.05μm未満のガンマプラム相であれば、熱間鍛造用金型として使用する際、鍛造前の加熱中に容易に固溶し、本発明の効果に係る強度に影響を及ぼさないためである。
そして、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径を2.20μm以下とすることによって、たとえ共晶ガンマプライム相が一定量存在する組織であったとしても、あるいは、同じ組成のNi基合金であっても円相当径が2.20μmを超えるガンマプライム相がデンドライトコア中に存在する素材と比べ、高温強度が高くなる。これは、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下であれば、たとえTaの偏析により共晶ガンマプライム相の固溶温度がデンドライトコア中のそれよりも高いため溶体化熱処理後もそれが鋳造時のまま残存した組織であっても、その面積率がガンマプライム相全体に占める割合が低いことにより、マクロな特性である強度においては、デンドライトコア中のガンマプライム相の微細化効果の影響に比べて、その影響が小さいことによる。より確実に高温強度向上の効果を得るためには、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.00μm以下であることが好ましく、1.80μm以下であることがより好ましいく、1.20μm以下であることが更に好ましい。
また、上記の「デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下である」ことに係っては、そのガンマプライム相のうち、円相当径が2.00μm以下のガンマプライム相の面積率の割合が、上記ガンマプライム相全体の90%以上であれば、より確実にガンマプライム相の微細化による高温強度の向上効果を得ることができる。そして、円相当径が1.80μm以下のガンマプライム相の面積率の割合が90%以上であることが好ましく、円相当径が1.60μm以下のガンマプライム相の面積率の割合が90%以上であることがより好ましい。
なお、このような組織を形成するためには、鋳造後の組織を高温で保持する必要があるところ、エンジン部材等で使用されることを想定したNi基合金においては、高温保持中のC等の粒界強化元素や不可避的不純物の初期溶融により形成されたポロシティ(後述する)による疲労強度や延性の低下が課題となる。しかし、本発明の熱間鍛造用金型においては、主に高温圧縮強度を重視し疲労強度や延性の要求が比較的低いため、高温保持により形成されるポロシティや、高温保持の有無に関わらず不可避的に存在する製造時のポロシティが若干量存在しても、大きな課題とならない。
また、本発明の要件に係るガンマプライム相は、例えば金型製造時の熱処理工程の直後などの、熱間鍛造用金型として使用する前の状態のものを指している。そして、熱間鍛造用金型としての使用中に、例えば連続的な負荷によるラフト化が生じ、ガンマプライム相の粗大化が生じたとしても、使用開始からの通算となる金型寿命の観点からは使用前の状態が重要であるため、大きな問題とはならない。また、使用中にほとんど負荷のかからない、例えば相当応力が100MPaを越えない領域については、金型寿命の観点から問題となることがないため、ガンマプライム相の円相当径は2.20μm以上あっても良い。この様な領域をどのように設定するのかは、使用環境や金型寿命の要求に応じて決定される。なお、後述する共晶ガンマプライム相やポロシティといった別の組織因子においても、対象とする領域は前述した内容と同様である。
<共晶ガンマプライム相>
本発明の熱間鍛造用金型においては、その組織(観察視野)中に占める、共晶ガンマプライム相の面積率が4.0%以下であると、より高い高温強度を得ることができる。なお、ここで言う共晶ガンマプライム相とは、例えば、図3に示すような、約2.5mm程度の視野面積(観察倍率200倍)で光学顕微鏡観察をした際に、周囲に比べてより白く見える(薄い色で見える)いびつな形状の領域のことを意味する。エッチングが不十分であり光学顕微鏡観察では判別が困難であれば、例えば、図4や図5に示すような、同程度の視野面積で二次電子像もしくは反射電子像による観察をした際に、周囲に比べて黒く見えるいびつな形状の領域のことを意味しても良い。共晶ガンマプライム相の面積率が低下すると高温強度が高くなる理由は、粗大であるため強度にほとんど影響しなかった共晶ガンマプライム相を構成するガンマプライム相が微細化し、強度に影響するガンマプライム相の体積分率が高くなるためである。しかしながら、共晶ガンマプライム相の面積率を4.0%以下とするためには、鋳造後の組織に対して、より高温での保持が必要であるためポロシティ(後述する)の量が多くなり、比較的低温且つ高い歪速度で大量の鍛造品を製造する場合などでは、熱間鍛造用金型であっても悪影響が生じる可能性がある。なお、より高い負荷が繰り返し加わる場合には、共晶ガンマプライム相の方がポロシティよりも悪影響を及ぼす可能性がある。この場合には、ポロシティの量が過度に多くならない範囲内で、できる限り共晶ガンマプライム相の面積率を低くすることが好ましい。そのため、金型の使用温度や金型への負荷の程度に基づき、必要に応じて共晶ガンマプライム相の面積率を4.0%以下とすれば良い。共晶ガンマプライム相の面積率を3.0%以下とすることが好ましく、2.0%以下とすることがより好ましい。
<ポロシティ>
熱間鍛造用金型においては、エンジン部材等で使用されるNi基合金に比べ、部材の寿命や安全性に及ぼすポロシティの影響は小さい。これは、熱間鍛造用金型では疲労強度よりも高温圧縮強度が重視されるが、ポロシティが高温圧縮強度に及ぼす影響は小さいかほとんど無い事による。しかしながら、ある程度の疲労強度も要求される、比較的低温且つ高い歪速度で大量の鍛造品を製造する場合などでは、熱間鍛造用金型であっても悪影響が生じる可能性がある。そのような場合は、組織中に占めるポロシティ面積率が0.7%以下であることが好ましい。より好ましくは0.5%以下であり、更に好ましくは0.4%以下である。なお、ここでいうポロシティ面積率とは、例えば、2.5mm程度の視野面積で4箇所程度ポロシティを観察しその平均をとるといった、素材の平均的なポロシティの面積率のことを意味する。
また、ポロシティの中で最も大きく、したがって最も疲労強度を低下させる可能性のあるポロシティが表面に存在すれば、面積率から想定した以上に疲労強度が低下する可能性がある。そのため、個々のポロシティの大きさは4000μm以下であることが好ましい。より好ましくは3500μm以下である。
<平均結晶粒径>
本発明の熱間鍛造用金型においては、組織中の平均結晶粒径が0.5mm以上であると、より高いクリープ強度を得ることができる。疲労強度が重視される部材であると、場合よっては微細な結晶粒からなる方が、長寿命となる。しかし、主に高温圧縮強度を重視する熱間鍛造用金型においては、粒界拡散によるクリープ変形を抑制する観点から粗大な粒である方が好ましい。金型寿命向上の効果を確実に得るために平均結晶粒径は1.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは3.0mm以上であり、更に好ましくは5.0mm以上である。なお、平均結晶粒径の上限は特に限定しないが、現実的には、おおよそ20mm程度である。また、同様の観点から、結晶粒の形状は等軸状であるよりも応力方向に対して平行な柱状であることが好ましい。
以上の熱間鍛造用金型によることで、好ましくは、試験温度1100℃、歪速度10-3/sの0.2%圧縮耐力が450MPa以上であるような、高い高温圧縮強度を有する熱間鍛造用金型を得ることができる。
<熱間鍛造用金型の製造方法>
本発明の熱間鍛造用金型用素材は、鋳造により得ることができる。なお、合金粉末の焼結によっても素材の作製は可能であるが、製造費や粒径制御の観点で不利となる。鋳造方法については特に限定しないが、元素量の制御の観点からは真空鋳造が好ましい。
前述した組織からなる熱間鍛造用金型の製造方法としては、鋳造後の冷却速度を速くするといった方法も考えられるが、鋳造後の素材に対して1250~1350℃の温度で0.5時間以上の溶体化熱処理を施した後に冷却する工程が、製造費や工程の安定性からは最も好ましい。熱処理温度が低いと、また、保持時間が短いとガンマプライム相の固溶が不十分となる可能性や、素材内の均熱が不十分となる可能性がある。また、鋳造中に偏析したWやMoやTaの均質化も期待できるため、熱処理温度は1250℃以上、保持時間は0.5時間以上とする。一方、熱処理温度が高く、そして、保持時間が長すぎても、効果が飽和するだけでなく処理費用が高額となるため、通常は1350℃以下または10時間以内とすれば良い。
また、溶体化熱処理の昇温速度を遅くすることや、昇温中に溶体化熱処理温度より低い温度で一定時間保持することで、初期溶融の原因となる元素の均質化によるポロシティ量の低減が期待できる。また、溶体化熱処理の冷却速度は、素材に過度な熱応力が加わらない範囲において、可能な限り早い方が望ましい。なお、溶体化熱処理中の雰囲気は特に限定しないが、不活性若しくは真空中である方が好ましく、また、大気雰囲気下であれば素材表面に酸化防止剤を施すと良い。
そして、上記の溶体化熱処理の前後や合間等で、適宜、機械加工等を施すことで、所望の形状を有した鋳造合金でなる、本発明の熱間鍛造用金型を得ることができる。
なお、溶体化熱処理後に800℃から1150℃までの温度範囲で時効熱処理を施すことで、ガンマプライム相の大きさの制御等により、より高温強度を向上させることができる。時効熱処理は1工程のみでも、複数工程としても良い。熱間鍛造用金型として使用する温度と時効熱処理温度とが概ね一致している場合には、使用前に実施する熱間鍛造用金型の均熱工程を通常より長時間とし、時効熱処理工程を兼ねてもよい。
そして、熱間鍛造用金型の使用前に成形面または側面の少なくとも一方の面に酸化防止剤を塗布することで、熱間鍛造用金型の耐酸化性を一層高めることができる。
以上の熱間鍛造用金型の製造方法によることで、試験温度1100℃、歪速度10-3/sの0.2%圧縮耐力が450MPa以上であるような、高い高温圧縮強度を有する熱間鍛造用金型を得ることができる。
<鍛造製品の製造方法>
本発明の熱間金型用Ni基合金を用いた熱間鍛造用金型を用いて鍛造製品を製造する場合の代表的な工程について説明する。
先ず、第一の工程として鍛造素材を所定の鍛造温度に加熱する。鍛造温度は材質に応じて異なるため、適宜温度を調整する。本発明の熱間鍛造用金型は、高温での大気中の雰囲気においても恒温鍛造やホットダイ鍛造が可能な特性を有するため、難加工性材料として知られるNi基超耐熱合金やTi合金等の熱間鍛造に好適である。代表的な鍛造温度としては1000~1150℃の範囲である。
そして、前記第一の工程で加熱された鍛造素材を事前に加熱された熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造(第二の工程)する。前記のホットダイ鍛造や恒温鍛造の場合、第二工程の熱間鍛造は、型鍛造であることが好ましい。また、本発明の熱間鍛造用金型は、Cr含有量等を調整した成分とすることにより1000℃以上の高温で大気中の熱間鍛造が可能であり、且つ、前述したように高い高温圧縮強度を有するため、長い金型寿命を達成することができる。
以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明する。真空溶解にて表1に示す合金1、合金2、合金3の熱間金型用Ni基合金のインゴットを製造した。単位は質量%である。溶解では、目的の組成となるように重量を調整した各種原料を1500~1600℃で液体とした後、800~900℃に予熱したセラミックス鋳型に鋳造した。鋳造後は、合金と鋳型をそのまま室温になるまで徐冷し、徐冷後に合金と鋳型を分離した。インゴットの重量は約10kgであり、押し湯部を抜いた部分の概形は各辺100mmの立方体である。なお、下記インゴットに含有されているP、Oはそれぞれ0.005%以下であった。また、Si、Feはそれぞれ1.0%以下である。
なお、後述する試験片用素材を切り出したインゴット中心部は、大きさが平均0.5mm以上の等軸粒からなっている。図1の(a)に合金1の、(b)に合金2の、(c)に合金3のマクロ組織を、マクロ組織観察用試験片のインゴットにおける位置(上図の実線で示される位置)と平均結晶粒径を測定した領域(下図の点線で囲まれる領域)と共に示す。合金1の平均結晶粒径は7.0mm、合金2は5.1mm、合金3は5.5mmである。平均結晶粒径の定義は、測定領域の面積をその中の結晶粒の総数(領域の境界線上に位置するものを0.5個、そうでないものを1個と数える。)で割って得られる平均結晶粒断面積から算出される円相当径としている。試験片の作製の際のエッチング溶液は塩化第二鉄である。なお、本発明例では後述する熱処理をこの素材に施しているが、この熱処理によって平均結晶粒径は小さくならない。
Figure 0007485243000001
ポロシティの観察を目的として、前述したインゴットの中心付近から10×10×8mmの直方体を切り出し、一部の直方体に溶体化熱処理を施すことで、熱間鍛造用金型の組織を模擬した本発明例の試験片と、比較例の試験片とを作製した。合金1の溶体化熱処理条件を1300℃で2h保持後に空冷とした試験片を本発明例No.1とし、1325℃で2h保持後に空冷とした試験片を本発明例No.2とした。また、切り出したままの熱処理を施していない試験片を比較例No.21とした。更に、合金2の溶体化熱処理条件を1300℃で2h保持後に空冷とした試験片を本発明例No.3とし、1325℃で2h保持後に空冷とした試験片を本発明例No.4、切り出したままの熱処理を施していない試験片を比較例No.22とした。加えて、合金3の溶体化熱処理条件を1300℃で2h保持後に空冷とした試験片を本発明例No.5とし、切り出したままの熱処理を施していない試験片を比較例No.23とした。
全試験片に対して、8mmの辺の中央を通る10×10mm面が観察面となるように試験片の切断を行い、切断面を対象に、ダイヤモンドペーストを用いたバフ研磨にて鏡面研磨を行った。全試験片の鏡面研磨面に対し、200倍の光学顕微鏡写真を撮影し、その画像を2値化した上で画像処理ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所(NIH)提供)を使用したポロシティの解析を行った。なお、写真撮影は近接する4箇所で実施している。また、200倍光学顕微鏡写真の視野面積は約2.5mmである。
図2の(a)から(c)に合金1の、そして(d)から(f)に合金2の、(g)と(h)に合金3の、各試験片の光学顕微鏡写真の代表例を示す。また、表2に合金1から合金3の各試験片のポロシティの面積率の解析結果を示す。溶体化熱処理によりポロシティ量が増加しているが、本発明例No.1とNo.3では若干の増加に留まっており、4箇所の平均はそれぞれ0.4%以下である。溶体化熱処理温度が高い本発明例No.2とNo.4ではやや増加しており、No.2の4箇所の平均は0.8%、No.4の4箇所の平均は1.6%である。一方、合金3の本発明例No.5では、比較的低い溶体化温度でもポロシティ量が増加している。なお、本発明例No.1で最も大きいポロシティの大きさは約3400μmであり、本発明例No.3では約1100μmである。No.2とNo.4とNo.5では4000μm以上である。
Figure 0007485243000002
また、ポロシティ以外のミクロ組織の観察のため、本発明例No.1からNo.5には1100℃で4h保持後に空冷の時効熱処理を施した上で、前述した方法と同様の方法で鏡面研磨面を作製した後、エタノール50mlと質量%で35%の濃塩酸50mlと塩化第二銅2.6gからなるエッチング溶液にて研磨面をエッチングした。なお、ポロシティは高温での初期溶融によって形成されるため、時効熱処理によるポロシティの変化はなかった。
全試験片のエッチング面に対し、200倍の光学顕微鏡写真の撮影を行った。なお、写真撮影は近接する2箇所で実施した。そして、この光学顕微鏡写真を用い、2値化した上で画像処理ソフトImageJを使用した共晶ガンマプライム相の解析を行った。
また、全試験片のエッチング面に対し、走査型電子顕微鏡(SEM)によるミクロ組織及びデンドライトコア中のガンマプライム相の二次電子像もしくは反射電子像の撮影を行った。なお、上記のデンドライトコア中のガンマプライム相の解析においては、本発明例No.1からNo.5では15000倍の画像(視野面積は約50μm)を対象とし、比較例No.21からNo.23では5000倍の画像(視野面積は約500μm)を対象とした。そして、この二次電子像もしくは反射電子像を用い、2値化した上で画像処理ソフトImageJを使用したデンドライトコア中のガンマプライム相の解析を行った。
図3の(a)から(c)に合金1の、そして(d)から(f)に合金2の、(g)と(h)に合金3の、各試験片の光学顕微鏡写真の代表例を示す。また、図4の(a)から(c)に合金1の、そして図5の(d)から(f)に合金2の、図6の(g)と(h)に合金3の、二次電子像もしくは反射電子像を示す。図4から図6の、ガンマプライム相の解析の対象とした画像においては、全画像のガンマプライム相の粒子の個数は150個以上1500個以下であった。また、図7に合金1の、そして図8に合金2の、図9に合金3の、ガンマプライム相の円相当径毎の面積率の分布と累積面積率を示す。また、表3に合金1、合金2、合金3の共晶ガンマプライム相の面積率を示す。なお、図及び表中においては、ガンマプライム相を「γ’相」と表記している。
Figure 0007485243000003
本発明例No.1からNo.5は全て同様に、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径は全て1.20μm以下であった。そして、これを言い換えれば、デンドライトコア中の円相当径が2.20μm以下のガンマプライム相に占める、円相当径が2.00μm以下のガンマプライム相の面積率の割合が100%ということである。また、本発明例No.1とNo.3とNo.5の共晶ガンマプライム相の面積率は1.0%以上であるが、本発明例No.2とNo.4の共晶ガンマプライム相の面積率は1.0%以下であった。また、合金1よりも合金2の方が共晶ガンマプライム相の面積率が低い。
次に、インゴットの中心部より直径10mmの棒材を切り出し、一部の棒材に熱処理を施した後、直径8mm、高さ12mmの試験片採取用素材を切り出し、表面を1000番相当に仕上げることで、熱間鍛造用金型の組織を模擬した本発明例の圧縮試験片と、比較例の圧縮試験片を作製した。熱処理条件はミクロ組織観察用試験片と同様の溶体化熱処理および時効熱処理であり、よって、これらの試験片は、上述の本発明例No.1からNo.5と比較例No.21からNo.23に対応するものである。なお、本発明例についてはそれぞれ2個の圧縮試験片を作製している。
圧縮試験条件は試験温度1100℃、歪速度10-3/s、圧縮率10%であり、雰囲気は大気である。そして、圧縮試験により得られた応力-歪曲線より0.2%圧縮耐力を導出することで、高温圧縮強度の評価を行った。この圧縮試験は、特に負荷の高い場合の熱間鍛造用の金型として、高温下においても十分な圧縮強度を有しているかを試験するものであり、恒温鍛造を想定した試験温度1100℃において、0.2%圧縮耐力が450MPa以上あれば十分な強度を有すると言える。更に好ましくは500MPa以上である。
表4に、本発明例No.1からNo.5と比較例No.21からNo.23の圧縮試験片の試験結果を示す。また、代表例として、図10に合金1の高温圧縮強度を示す。表4より、本発明例No.1とNo.2とNo.4の0.2%圧縮耐力は全て450MPa以上であり、優れた高温圧縮強度を有することが分かる。本発明例No.5も、2回実施した圧縮結果の平均値は450MPa以上である。本発明例No.3は450MPa以下であるため1100℃の様な高温での用途には好適ではないかも知れないが、比較例No.22よりは強度が高くこれに比べれば金型寿命は長くなり、十分な金型寿命を達成できる。また、表2と表3に示した様にポロシティと共晶ガンマプライム相の面積率が他の本発明例に比べて低い事から、1050℃の様な比較的低い温度で高い負荷が繰り返し加わるような用途に好適である。
Figure 0007485243000004
以上の結果から、本発明の熱間鍛造用金型は、高い高温圧縮強度を有し、長い金型寿命を達成することができることが分かる。前述した特性を有する本発明の熱間鍛造用金型は、ホットダイ鍛造や恒温鍛造に好適であることがわかる。

Claims (10)

  1. 質量%で、W:7.5~20.0%、Mo:0~5.0%、Al:5.0~7.5%、Cr:0.5~5.0%、Ta:1.0~12.0%、C:0.01~0.15%、B:0.03%以下、S:0.015%以下、希土類元素、Y、Ca、Mgから選択される1種または2種以上を合計として0~0.020%、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.5%以下、Ti:5.0%以下、Nb:5.0%以下、Co:25.0%以下、残部はNi及び不可避的不純物の成分組成を有する鋳造合金からなり、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下であることを特徴とする、熱間鍛造用金型。
  2. 質量%で、W:10.0~20.0%、Mo:0.5~5.0%、Al:5.0~7.5%、Cr:0.5~4.0%、Ta:1.0~12.0%、C:0.01~0.15%、B:0.03%以下、S:0.015%以下、希土類元素、Y、Ca、Mgから選択される1種または2種以上を合計として0~0.020%、Zr、Hfの元素から選択される1種または2種を合計として0.5%以下、Ti:5.0%以下、Nb:5.0%以下、Co:20.0%以下、残部はNi及び不可避的不純物の成分組成を有する鋳造合金からなり、デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱間鍛造用金型。
  3. 前記デンドライトコア中の円相当径が2.20μm以下のガンマプライム相に占める、円相当径が2.00μm以下のガンマプライム相の面積率の割合が90%以上である請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型。
  4. 共晶ガンマプライム相の面積率が4.0%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型。
  5. ポロシティ面積率が0.7%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型。
  6. 個々のポロシティの大きさが4000μm以下であることを特徴とする、請求項5に記載の熱間鍛造用金型。
  7. 平均結晶粒径が0.5mm以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型。
  8. 試験温度1100℃、歪速度10-3/sの0.2%圧縮耐力が450MPa以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型。
  9. デンドライトコア中のガンマプライム相の円相当径が2.20μm以下である熱間鍛造用金型の製造方法であり、請求項1または2に記載の成分組成を有する鋳造合金に、1250~1350℃の温度で0.5時間以上の溶体化熱処理を施すことを特徴とする、熱間鍛造用金型の製造方法。
  10. 溶体化熱処理を施した後、更に800℃から1150℃までの温度範囲で時効熱処理を施すことを特徴とする、請求項9に記載の熱間鍛造用金型の製造方法。
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