以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、配達注文された配達物の配達を支援する配達支援システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。なお、本実施形態では、配達物として、店舗により販売される商品(いわゆるデリバリー商品)を例にとって説明する。商品の例として、日用品、ベビー用品(おむつ、ミルクなど)、食品(ピザ、弁当、カレーなど)等が挙げられる。
[1.配達支援システムの構成及び機能概要]
先ず、図1等を参照して、本実施形態に係る配達支援システムSの構成及び概要機能について説明する。図1は、本実施形態に係る配達支援システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、配達支援システムSは、ユーザ端末UTn(n=1,2,3・・・k)、店舗端末STm(m=1,2,3・・・l)、及び情報提供サーバSA等を含んで構成される。情報提供サーバSAは、ネットワークNWに接続されている。ユーザ端末UTn、及び店舗端末STmは、それぞれ、ネットワークNWを介して情報提供サーバSAにアクセスして、情報提供サーバSAと通信可能になっている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築される。
ユーザ端末UTnは、商品の配達注文を行うユーザ(利用者)により使用される端末装置である。店舗端末STmは、配達先への商品の配達注文を受け付ける(受ける)店舗(商品提供者の一例)の管理者により使用される端末装置である。ユーザ端末UTn及び店舗端末STmは、それぞれ、操作部、表示部、通信部、記憶部、及び制御部等を備える。操作部は、キーボード及びマウス等を備える。表示部は、各種情報を表示するためのディスプレイを備える。なお、操作部と表示部とを兼ねるタッチパネルが適用されてもよい。通信部は、ネットワークNWに接続して通信状態の制御を行う。記憶部は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム(O/S),アプリケーション,及びブラウザ等の各種プログラムを記憶する。制御部は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)(プロセッサ),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等を備える。ユーザ端末UTn、及び店舗端末STmには、それぞれ、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末 (PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話機と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、タブレット端末、または携帯ゲーム機等の端末装置が適用可能である。なお、ユーザ端末UTnには、GPS(Global Positioning System)受信部が備えられてもよい。GPS受信部は、GPS衛星から出力される航法電波を、アンテナを介して受信し、ユーザ端末UTnの現在位置の経度及び緯度を取得する。
次に、情報提供サーバSAは、例えばシステム提供者により運営されるサーバであり、本発明の情報処理装置の一例である。図2(A)は、本実施形態に係る情報提供サーバSAの概要構成例を示すブロック図である。図2(A)に示すように、情報提供サーバSAは、通信部1、記憶部2、入出力インターフェース部3、及びシステム制御部4等を備える。システム制御部4と入出力インターフェース部3とは、システムバス5を介して接続される。なお、情報提供サーバSAは、機能分割された複数のサーバから構成されてもよい。通信部1は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部2は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム,サーバプログラム(本発明の情報処理プログラムを含む)等を記憶する。サーバプログラムは、所定のサーバから情報提供サーバSAにダウンロードされる。或いは、サーバプログラムは、CD、DVD、BDなどの記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部2に記憶されるようにしてもよい。また、記憶部2には、ユーザ端末UTn、または店舗端末STmに提供する各種画面の表示データが記憶されている。このような表示データは、例えば、Webページのデータ(例えば、HTML(HyperText Markup Language)等の構造化文書データ等)から構成することができる。さらに、記憶部2には、ユーザ情報データベース(DB)21、店舗情報データベース(DB)22、商品情報データベース(DB)23、注文履歴データベース(DB)24、及び配達手段利用状況データベース(DB)25等が構築される。なお、これらのデータベースは、情報提供サーバSA以外のサーバに備えられてもよい。
図3(A)は、ユーザ情報データベース21に格納される内容の一例を示す図であり、図3(B)は、店舗情報データベース22に格納される内容の一例を示す図であり、図3(C)は、商品情報データベース23に格納される内容の一例を示す図である。図4(A)は、注文情報データベース24に格納される内容の一例を示す図であり、図4(B)は、配達手段利用状況データベース25に格納される内容の一例を示す図である。ユーザ情報データベース21には、図3(A)に示すように、ユーザID、ユーザ名、住所、電話番号、電子メールアドレス、ユーザ属性、購入履歴、検索履歴、及び閲覧履歴等の情報がユーザ毎に対応付けられて格納されている。ここで、ユーザID、ユーザ名、住所、電話番号、電子メールアドレス、及びユーザ属性は、ユーザ端末UTnからの登録要求または更新要求に応じてユーザ情報データベース21に格納される。ユーザIDは、登録されたユーザを識別する識別情報であり、パスワード(図示せず)と共にユーザのログインに用いられる。ユーザ属性には、例えば、ユーザの性別、年齢、及び平均購入金額等が含まれる。購入履歴には、ユーザの配達注文により商品が購入された購入日時、当該商品の配達先、当該商品の商品ID、当該商品の数量、当該商品の支払金額、及び当該商品を配達した店舗の店舗ID等の情報が含まれる。商品IDは、商品を識別する識別情報である。店舗IDは、登録された店舗を識別する識別情報である。配達先(配達先の位置情報)は、例えば、ユーザの現在位置の経度及び緯度、またはユーザの住所を示す。検索履歴は、ユーザのログイン後、ユーザ端末UTnからの検索要求に応じてユーザ情報データベース21に格納される。検索履歴には、ユーザにより店舗が検索された日時、当該店舗の店舗ID等の情報が含まれる。閲覧履歴は、ユーザのログイン後、ユーザ端末UTnからの閲覧要求に応じてユーザ情報データベース21に格納される。閲覧履歴には、ユーザにより店舗の情報が閲覧された日時、当該店舗の店舗ID等の情報が含まれる。
店舗情報データベース22には、図3(B)に示すように、店舗ID、店舗名、電子メールアドレス、配達元、配達手段数、配達エリア、配達時間、最低注文金額、利用可能な決済方法(現金決済、カード決済(クレジットカード決済)、ポイント決済等)、及び店舗により販売される商品の広告情報(商品のPRや画像(店舗画像または商品画像)を含む)等(特典を含んでもよい)が店舗毎に対応付けられて格納されている。ここで、店舗ID、店舗名、配達元、配達手段数、配達時間、最低注文金額、利用可能な決済方法、及び商品の広告情報は、店舗端末STmからの登録要求または更新要求に応じて店舗情報データベース22に格納される。店舗IDは、パスワード(図示せず)と共に店舗のログインに用いられる。店舗が同一の経営主体により管理されるチェーン店(例えば、直営店やフランチャイズ店)である場合、店舗名には当該経営主体を表すブランド名が含まれる。図3(B)に示す配達元(配達元の位置情報)は、配達注文対象となる商品の在庫が存在する地点(配達出発地点)の経度及び緯度に対応する座標(x,y)を示しているが、当該地点の住所を示してもよい。配達手段数は、商品を配達する配達員(配達員+配達車)の数である。配達手段数は、同じ店舗であっても、時間帯によっては変更される場合もある。配達エリアは、店舗が商品の配達注文を受け付けるエリアである。配達エリアは、例えば、各店舗により行政区画及び道路(一方通行の道路も含む)などが考慮されて任意に決められる。そして、配達エリア(つまり、配達エリアを示すデータ)は、店舗端末STmからの設定要求に応じて設定され、店舗情報データベース22に格納される。図3(B)に示す配達エリアAr1〜Ar5は、それぞれ、例えば経度及び緯度(つまり、配達エリア内の各地点の経度及び緯度に対応する座標(x,y)の集合)により示される。このような配達エリアは、後述するように、システム制御部4により再設定される。なお、各配達エリアは、複数に分割されたエリアの集合から構成されてもよい。配達時間は、配達員が配達先に商品を配達できる時間(お届け時間)である。
商品情報データベース23には、図3(C)に示すように、店舗ID、店舗により販売される商品の商品ID、当該商品の商品名、当該商品のジャンル(例えば、商品カテゴリ)、当該商品の販売価格、当該商品の在庫数、当該商品の受注数、当該商品の被検索数、及び当該商品の被閲覧数等が店舗毎に対応付けられて格納されている。ここで、店舗ID、商品ID、商品名、ジャンル、及び販売価格は、店舗端末STmからの登録要求または更新要求に応じて店舗情報データベース22に格納される。また、在庫数、及び受注数は、ユーザ端末UTnからの配達注文に応じて更新される。被検索数は、ユーザ端末UTnからの検索要求に応じて更新され、被閲覧数は、ユーザ端末UTnからの閲覧要求に応じて更新される。なお、商品の閲覧から当該商品の注文に繋がることを転換という(成約ともいう)が、商品の受注数と被閲覧数とから、当該商品の転換率(転換率=受注数/被閲覧数)を算出することができる。
注文履歴データベース24には、図4(A)に示すように、店舗ID、配達注文された注文日時、当該配達注文された商品の配達先、当該配達注文を行ったユーザ(注文者)のユーザID、当該商品の商品ID、当該商品の数量、及び当該商品の支払金額等が店舗毎に対応付けられて格納されている。ここで、店舗ID、注文日時、配達先、ユーザID、商品ID、数量、及び支払金額は、ユーザ端末UTnからの商品の配達注文を示す配達要求に応じて注文履歴データベース24に格納される。このとき、注文者の氏名、及び注文者の電話番号が店舗IDに対応付けられて注文履歴データベース24に格納されてもよい。図4(A)に示す配達先(配達先の位置情報)は、商品の到着地点(つまり、商品の配達注文を行った注文者が当該商品を受け取る地点)の経度及び緯度に対応する座標(x,y)を示しているが、当該地点の住所を示してもよい。
配達手段利用状況データベース25には、図4(B)に示すように、店舗ID、配達手段ID、及び配達手段利用状況等が店舗毎に対応付けられて格納されている。ここで、店舗ID、及び配達手段IDは、店舗端末STmからの登録要求または更新要求に応じて店舗情報データベース22に格納される。配達手段IDは、配達手段(配達員+配達車)を識別する識別情報である。配達手段には、配達注文が割り当てられる。配達注文された商品は、当該配達注文が割り当てられた配達手段により配達されることになる。配達手段利用状況は、例えば、配達手段が利用可能であるか(つまり、配達員が空いているか)または利用不可であるかを示す。図4(B)の例では、配達手段利用状況は、9:50時現在の配達手段の利用状況を示しており、配達注文が配達手段に割り当てられたとき、または配達員が配達元を出発してから当該配達を終えて当該配達元に戻ってくる配達完了時刻に更新される。配達注文が配達手段に割り当てられると、当該配達手段の配達手段利用状況は、利用可能から利用不可に更新される。このとき、配達完了時刻が計算され、図4(B)の店舗ID“s001”及び配達手段ID“R11”に対応付けられるように、「10:00まで利用不可」というように更新される。このような配達手段利用状況により、店舗の配達手段が不足する状況にあるか否かを検出することができる。
システム制御部4は、プロセッサであるCPU41(コンピュータの一例),ROM42,及びRAM43等を備え、OS上でサーバプログラム等を実行する。図2(B)は、システム制御部4における機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部4(システム制御部4内のプロセッサ)は、サーバプログラム等の実行により、図2(B)に示すように、店舗特定部41a、競争力決定部41b、配達エリア再設定部41c、配達エリア更新部41d、配達リソース不足検出部41e、検索要求受信部41f、検索処理部41g、検索結果送信部41h、配達注文取得部41i、及び配達注文処理部41j等として機能する。なお、店舗特定部41aは、本発明における提供者特定手段の一例である。競争力決定部41bは、本発明における決定手段の一例である。配達エリア再設定部41cは、本発明における再設定手段の一例である。配達エリア更新部41dは、本発明における更新手段の一例である。配達リソース不足検出部41eは、本発明における検出手段の一例である。検索要求受信部41fは、本発明における受信手段の一例である。検索処理部41gは、本発明におけるエリア特定手段の一例である。検索結果送信部41hは、本発明における送信手段の一例である。
店舗特定部41aは、配達先への商品の配達注文を受け付ける複数の店舗のうち、配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の店舗を店舗情報データベース22から特定する。例えば、店舗特定部41aは、それぞれの配達エリアに含まれる地点の経度及び緯度に対応する座標(x,y)の少なくとも一部が一致する複数の店舗を特定する。或いは、店舗特定部41aは、それぞれの配達エリアに含まれる地点の住所の少なくとも一部が一致する複数の店舗を特定してもよい。なお、少なくとも一部が重複する配達エリアを、以下、「重複配達エリア」という。
図5(A)は、店舗s1〜s5の配達エリアAr1〜Ar5の位置関係の一例を示す概念図である。図5(A)の例では、店舗s1の配達エリアAr1は、店舗s2〜s5それぞれの配達エリアAr2〜Ar5の一部と重複している。また、店舗s2,s3の配達エリアAr2,Ar3は、それぞれ、店舗s1,s4,s5それぞれの配達エリアAr1,Ar4,Ar5の一部と重複している。また、店舗s4,s5の配達エリアAr4,Ar5は、それぞれ、店舗s1〜s3それぞれの配達エリアAr1〜Ar3の一部と重複している。図5(A)の例によれば、店舗s1〜s5の全てが店舗特定部41aにより特定されることになる。
競争力決定部41bは、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報(配達注文に関係する情報)に基づいて、当該複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する。ここで、商品の配達注文に関わる情報は、店舗IDをキーとして、例えば商品情報データベース23や注文履歴データベース24から取得可能な情報である。商品の配達注文に関わる情報の例として、商品の受注数、商品の被検索数、商品の被閲覧数、及び商品の転換率などが挙げられる。商品の被検索数及び被閲覧数を配達注文に関わる情報とする理由は、商品の被検索数及び被閲覧数が多いほど、一般に、配達注文に繋がる確率が高くなるという関係にあるからである。商品の受注数、商品の被検索数、商品の被閲覧数、及び商品の転換率以外の情報を、配達注文に関わる情報としてもよい。
競争力情報の決定にあたり、競争力決定部41bは、先ず、店舗特定部41aにより特定された店舗の店舗IDに対応付けられた受注数、被検索数、被閲覧数、または転換率(転換率=受注数/被閲覧数)を商品情報データベース23から取得する。1つの店舗により販売される商品が複数ある場合、受注数、被検索数、被閲覧数、または転換率として、それぞれの数(または率)の平均値(最大値または合計値でもよい)が取得される。そして、競争力決定部41bは、取得した受注数、被検索数、被閲覧数、または転換率に応じて、上記複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する。つまり、受注数、被検索数、被閲覧数、または転換率に応じた競争力情報が決定される。これにより、ユーザの現状のニーズに即した競争力を示す競争力情報を決定することができる。ここで、競争力情報は、例えば、互いに比較可能なスコア(得点)またはランクとして表される。当該スコアまたはランクは、受注数、被検索数、被閲覧数、または転換率が高いほど、相対的に高く(大きく)なる。当該スコアまたはランクが高ければ、当該スコアまたはランクが示す競争力が高い(強い)ということになる。競争力情報をスコアで表す場合、例えば被検索数に所定の係数を乗算したスコアが競争力情報として決定される。一方、ランクは、例えば、大,中,小(小にいくほどランクが低い)、或いは、S,A,B,C(Cにいくほどランクが低い)などで表される。競争力情報をランクで表す場合、例えば被検索数“10000”以上がランク“S”、被検索数“9999〜6000”がランク“A”というように競争力情報が決定される。なお、受注数、被検索数、被閲覧数、及び転換率のうちの少なくとも何れか2つの組合せに応じた競争力情報が決定されてもよい。
また、競争力決定部41bは、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗の重複配達エリアを特定し、特定した重複配達エリアにおける商品の受注数を注文履歴データベース24から取得してもよい。この場合、競争力決定部41bは、注文履歴データベース24に格納された過去所定期間(例えば、1週間〜1ヶ月)における配達注文の配達先のうち、当該重複配達エリアに含まれる配達先を店舗毎にカウントすることで、当該重複配達エリアにおける商品の受注数を取得する。そして、競争力決定部41bは、重複配達エリアにおける商品の受注数に基づいて重複配達エリアにおける商品の受注割合を算出し、算出した受注割合に応じて、当該複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する。これにより、過去の業績に即した競争力を示す競争力情報を決定することができる。ここで、重複配達エリアにおける商品の受注割合は、重複配達エリア内の各店舗の受注数の総和に占める各店舗の受注数の割合である。例えば、図5に示す重複エリアAr124において、店舗s1の受注数が“500”、店舗s2の受注数が“300”、店舗s4の受注数が“200”であるとすると、店舗s1の受注割合は“0.5”(=500/1000)、店舗s2の受注割合が“0.3”、店舗s4の受注数が“0.2”となる。この場合、競争力決定部41bは、それぞれの受注割合に応じた競争力情報(つまり、受注割合が高いほど、競争力が高くなる)を決定する。なお、図5(A)に示すように、重複配達エリアが複数ある場合、重複配達エリア毎に、それぞれの受注割合に応じた競争力情報が決定されることになる。
また、競争力決定部41bは、特定のユーザ属性(例えば、性別、年齢、平均購入金額など)についての競争力情報を決定してもよい。ここで、特定のユーザ属性の例として、例えば店舗側やシステム管理者側で商品提供対象として設定されたユーザ属性(例えば、20代〜50代の女性、または平均購入金額が2,000円以上で20代〜40代の男性)が挙げられる。この場合、競争力決定部41bは、上記特定のユーザ属性のユーザについての受注数、被検索数、被閲覧数、転換率、または受注割合を取得し、取得した受注数、被検索数、被閲覧数、転換率、または受注割合に応じて、上述したように、上記複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する。
また、競争力決定部41bは、特定の季節、曜日、または時間帯についての競争力情報を決定してもよい。特定の季節、曜日、または時間帯の例として、例えば店舗側やシステム管理者側で商品提供対象として設定された季節(例えば、夏)、曜日(例えば、日曜日)、または時間帯(例えば、12:00〜13:00)が挙げられる。この場合、競争力決定部41bは、上記特定の季節、曜日、または時間帯における受注数、被検索数、被閲覧数、転換率、または受注割合を取得し、取得した受注数、被検索数、被閲覧数、転換率、または受注割合に応じて、上述したように、上記複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定してもよい。なお、特定の季節、曜日、または時間帯は、配達注文を受ける時刻を含む季節、曜日、または時間帯として特定されてもよい。
配達エリア再設定部41cは、競争力決定部41bにより決定された競争力情報の比較に応じて、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗の配達エリアが重複しないように当該配達エリアを再設定する。例えば、配達エリア再設定部41cは、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗の重複配達エリアを、当該複数の店舗のうち、競争力情報が示す競争力(言い換えれば、競争力情報としてのスコアまたはランク)が相対的に高い(強い)店舗に割り当てることによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定する。つまり、競争力が高い(強い)店舗の配達エリアによって、競争力が低い(弱い)店舗の配達エリアが侵食される。これにより、重複配達エリアが割り当てられた店舗がユーザにより指定される期待値が相対的に高くなり当該店舗の利益を向上させることができる一方、重複配達エリアが割り当てられなかった店舗の縮小した配達エリア分の余力を他に活用させる(例えば、他の配達エリアに配達リソースを振り向けさせるなど)ことができる。
図5(B)は、競争力が相対的に高い店舗に重複配達エリアが割り当てられる例を示す概念図である。図5(B)の例では、店舗s5の競争力が、店舗s1,s2,s3のそれぞれの競争力と比較して高い場合を示している。このため、図5(B)に示す重複配達エリアAr25,Ar125,Ar15,Ar135,Ar35は、店舗s5に割り当てられることになり、その結果、当該店舗s5の配達エリアAr5が再設定されている。この場合、店舗s5の配達エリアAr5は再設定前と同一となっている。また、図5(B)の例では、店舗s3の競争力は、店舗s1,s4のそれぞれの競争力と比較して高い場合を示している。このため、図5(B)に示す重複配達エリアAr13,Ar134,Ar34は、店舗s3に割り当てられることになり、その結果、当該店舗s3の配達エリアAr3が再設定されている。この場合、店舗s3の配達エリアAr3は再設定前より狭くなっている。
或いは、配達エリア再設定部41cは、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗の重複配達エリアを、当該複数の店舗のそれぞれの競争力情報に応じた割合で分割してそれぞれの店舗に割り当てることにより当該それぞれの店舗の配達エリアを再設定してもよい。これにより、複数の店舗間の相対的な競争力に応じて重複配達エリアの棲み分けを効率良く行うことができる。この場合も、競争力が高い(強い)店舗の配達エリアによって、競争力が低い(弱い)店舗の配達エリアが侵食される。例えば、店舗s3の競争力情報(例えば、スコア)が“3000”、店舗s1の競争力情報(例えば、スコア)が“1000”であるとすると、店舗s3の配達エリアAr3と店舗s1の配達エリアAr1とが重複する重複配達エリアAr13は、3対1(つまり、面積が3対1)で分割され、店舗s3には分割された広い(つまり、面積が広い)方の重複配達エリアが割り当てられ、店舗s1には分割された狭い方の重複配達エリアが割り当てられることになる。また、例えば、店舗s3の競争力情報(例えば、スコア)が“3000”、店舗s1の競争力情報(例えば、スコア)が“1000”、店舗s4の競争力情報(例えば、スコア)が“100”であるとすると、店舗s3の配達エリアAr3と店舗s1の配達エリアAr1と店舗s4の配達エリアAr4とが重複する重複配達エリアAr134は、30対10対1(つまり、面積が30対10対1)で分割され、店舗s3には分割された最も広い方の重複配達エリアが割り当てられ、店舗s1には分割された次の広い方の重複配達エリアが割り当てられ、店舗s4には分割された最も狭い方の重複配達エリアが割り当てられることになる。
なお、上記例のように、店舗s4の競争力情報(例えば、スコアが“100”)が、店舗s1の競争力情報(例えば、スコアが“1000”)、または店舗s3の競争力情報(例えば、スコアが“3000”)に比べてあまりに小さい場合(つまり、競争力情報に基づく差があまりに大きい場合)、店舗s1,s3,s4のそれぞれの競争力情報に応じた割合で重複配達エリアを分割すると、店舗s4に割り当てられる重複配達エリアは、店舗s1,s3のそれぞれに割り当てられる重複配達エリアに比べて狭すぎることになり、実質的に意味をなさなくなってしまう。このため、店舗のそれぞれの競争力情報に基づく差(例えば、スコアの差、またはランクの差)が閾値以下の(つまり、当該差が相対的に大きすぎない)場合は、当該競争力情報に応じた割合で重複配達エリアを分割してそれぞれの店舗に割り当てるが、当該競争力情報に基づく差が閾値より大きい場合は、競争力が相対的に高い店舗に重複配達エリアを割り当てるように構成するとよい。これにより、配達エリアが重複する複数の店舗間の相対的な競争力の差の大きさに応じて、より柔軟に配達エリアを再設定することができる。すなわち、配達エリア再設定部41cは、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗のそれぞれの競争力情報に基づく差が閾値以下の場合、当該複数の店舗の重複配達エリアを、当該複数の店舗のそれぞれの競争力情報に応じた割合で分割してそれぞれの店舗に割り当てることによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定する。一方、配達エリア再設定部41cは、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗のそれぞれの競争力情報に基づく差が閾値より大きい場合、当該複数の店舗の重複配達エリアを、当該複数の店舗のうち、当該競争力情報が示す競争力が相対的に高い店舗に割り当てることによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定する。ここで、上記閾値は、例えば店舗側やシステム管理者側で、競争力情報に基づく差があまりに大きいと判断できる境界値として任意に設定される。
図6(A)は、競争力情報に基づく差が閾値以下の場合、当該競争力情報に応じた割合で重複配達エリアが分割されてそれぞれの店舗に割り当てられる一方、当該競争力情報に基づく差が閾値より大きい場合、競争力が相対的に高い店舗に重複配達エリアが割り当てられる例を示す概念図である。図6(A)の例では、店舗s3と店舗s1間における競争力情報に基づく差のみが閾値以下であり、これ以外の店舗間における競争力情報に基づく差は閾値より大きい場合を示している。このため、図6(A)に示すように、重複配達エリアAr13は、店舗s3と店舗s1のそれぞれの競争力情報に応じた割合で分割(例えば、3対1で分割)され、店舗s3には分割された重複配達エリアAr13-1が割り当てられ、店舗s1には分割された重複配達エリアAr13-2が割り当てられている。一方、重複配達エリアAr134に関し、店舗s1と店舗s4間における競争力情報(店舗s1の競争力情報>>>店舗s4の競争力情報)に基づく差は閾値より大きく、且つ、店舗s3と店舗s4間における競争力情報(店舗s3の競争力情報>>>店舗s4の競争力情報)に基づく差は閾値より大きくなっているので、店舗s4には重複配達エリアAr134の一部が割り当てられない。このため、重複配達エリアAr134は、重複配達エリアAr13と同様、店舗s3と店舗s1のそれぞれの競争力情報に応じた割合で分割されて、店舗s3と店舗s1とに割り当てられることになる。なお、図6(A)の例では、店舗s3と店舗s5間における競争力情報(店舗s3の競争力情報<<<店舗s5の競争力情報)に基づく差は閾値より大きく、且つ、店舗s1と店舗s5間における競争力情報(店舗s1の競争力情報<<<店舗s5の競争力情報)に基づく差は閾値より大きくなっているので、重複配達エリアAr135は店舗s5のみに割り当てられている。
上述したように、競争力情報の比較に応じて配達エリアが縮小される場合、配達エリア再設定部41cは、当該縮小される1の配達エリアに隣接する他の配達エリアに対応付けられた店舗のうち、当該1の配達エリアに対応付けられた店舗より競争力(競争力情報)が低い店舗の配達エリア(上記1の配達エリアとは異なる他の配達エリア)を縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに上記1の配達エリアを拡張することによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定するとよい。これにより、縮小された配達エリア分の配達リソースを、拡張された配達エリアに振り向け、当該配達リソースを有効に活用させることができる。
図6(B)は、図5(B)に示すように店舗s1の配達エリアAr1(1の配達エリアの一例)が縮小される場合において、当該店舗s1より競争力が低い店舗s2,s4の配達エリアAr2,Ar4(他の配達エリアの一例)内(つまり、上記縮小される分のエリアArE1,ArE2)に配達エリアAr1が拡張される例を示す概念図である。配達エリアAr1が拡張される範囲(言い換えれば、配達エリアAr2,Ar4が縮小される範囲)は、例えば、配達エリアAr1と配達エリアAr2,Ar4との境界線から所定距離内(例えば、数百m以内)の範囲とされる。また、配達エリア再設定部41cは、縮小される配達エリアAr1に対応付けられた店舗s1よりも競争力が低い店舗s2,s4の配達エリアAr2,Ar4を縮小するにあたり、図6(B)に示すように、当該配達エリアAr1に対応付けられた店舗s1との競争力情報に基づく差が大きいほど、より広い範囲(面積)で配達エリアを縮小(つまり、配達エリアAr2に比べて配達エリアAr4を、より広い範囲で縮小)し、且つ当該縮小される分のエリアArE1,ArE2に配達エリアAr1を拡張するとよい。これにより、配達エリアが隣接する複数の店舗間の相対的な競争力の差の大きさに応じて、より柔軟に配達エリアを再設定することができる。なお、図6(B)の例では、上記競争力が低い店舗の配達エリアAr2,Ar4は、図5(B)の例と比べて更に縮小されることになるが、当該配達エリアAr2,Ar4に隣接する他の配達エリア(図示せず)に対応付けられた店舗のうち、当該配達エリアAr2,Ar4に対応付けられた店舗より競争力が低い店舗があれば、その店舗の配達エリアを縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに当該配達エリアAr2,Ar4を拡張することになる。
また、配達エリア再設定部41cは、競争力情報の比較に応じて縮小される全ての配達エリアに対してエリアを拡張するのではなく、再設定後の配達エリア(つまり、競争力情報の比較に応じて縮小される配達エリア)に関する情報が当該再設定前の配達エリアに関する情報と比べて所定の拡張条件を満たす場合に限り、上記競争力が低い店舗の配達エリアを縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに上記1の配達エリアを拡張することによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定するとよい。これにより、配達エリアの再設定のための処理負荷(CPU負荷)を低減することができる。ここで、再設定前と再設定後の配達エリアに関する情報の例として、再設定前と再設定後の配達エリアの面積、再設定前と再設定後の配達エリアにおける想定注文数(または想定売上額)、及び再設定前と再設定後の配達エリアにおける想定カバー人口などが挙げられる(想定注文数は、想定需要を示す)。例えば、再設定前と再設定後の配達エリアAr1における想定注文数(または想定売上額)は、配達エリアAr1に対応付けられた店舗s1の過去所定期間(例えば、1週間〜1ヶ月)における総注文数(または総売上額)を注文履歴データベース24から抽出して再設定前と再設定後とで分けて集計することで得ることができる。特に、再設定後の配達エリアAr1における想定注文数(または想定売上額)は、再設定前の配達エリアAr1内の総注文数(または総売上額)から、再設定前の重複配達エリアAr125,Ar15,Ar135,Ar13,Ar134内の総注文数(または総売上額)を減算することで得られる。
また、例えば、再設定前と再設定後の配達エリアAr1における想定カバー人口は、配達エリアAr1に対応付けられた店舗s1の過去所定期間(例えば、1週間〜1ヶ月)において配達注文を行った注文者の総数(ユーザIDの数)を注文履歴データベース24から抽出して再設定前と再設定後とで分けて集計することで得ることができる。特に、再設定後の配達エリアAr1における想定カバー人口は、再設定前の配達エリアAr1内の注文者の総数から、再設定前の重複配達エリアAr125,Ar15,Ar135,Ar13,Ar134内の注文者の総数を減算することで得られる。そして、上記拡張条件を満たす場合には、(i)再設定前と再設定後で縮小される配達エリアにおいて減少する面積が所定面積(閾値)以上の場合、(ii)再設定前と再設定後で縮小される配達エリアにおいて減少する想定注文数または想定売上額が所定数または所定額(閾値)以上である場合、または、(iii)再設定前と再設定後で縮小される配達エリアにおいて減少する想定カバー人口が所定数(閾値)以上である場合が該当する。なお、上記(i)〜(iii)の拡張条件の閾値は、例えば店舗側やシステム管理者側で任意に設定される。
配達エリア更新部41dは、配達エリア再設定部41cにより再設定された配達エリアにより、店舗情報データベース22に格納された(つまり、記憶部2により記憶された)配達エリアを更新する。つまり、店舗情報データベース22に格納された配達エリアを示すデータが再設定された配達エリアを示すデータに上書きされる。
配達リソース不足検出部41eは、重複しないように配達エリアが再設定された後、登録された複数の店舗のうち少なくとも何れか1の店舗の配達リソースが不足する状況(言い換えれば、枯渇する状況)にあることを検出する。これは、配達リソースが不足する状況にある店舗の配達エリアを狭めるためである。配達リソースの例として、配達手段、及び在庫が挙げられる。例えば、配達リソース不足検出部41eは、配達手段利用状況データベース25を参照して、店舗特定部41aにより特定された店舗の配達手段の残数(つまり、利用可能となっている配達手段の数)が所定数(例えば、2)以下である場合、当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出する。これにより、配達手段の残数によって配達リソースが不足する状況にあることを迅速に検出することができる。
また、配達リソース不足検出部41eは、商品情報データベース23を参照して、店舗特定部41aにより特定された店舗が提供する商品の在庫の残数(つまり、在庫数)が所定数(例えば、20)以下である場合、当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出する。これにより、在庫の残数によって配達リソースが不足する状況にあることを迅速に検出することができる。ここで、上記所定数(閾値)は、隣接する複数の配達エリアのそれぞれに対応付けられた店舗との競争力情報に基づく差に応じて設定されるとよい。つまり、上記所定数は、競争力情報に基づく差が大きいほど、より小さく設定(言い換えれば、競争力情報に基づく差が小さいほど、より大きく設定)されるとよい。これは、競争力の差が大きい場合、配達リソースが不足する状況にある店舗の配達エリアを狭めても、その効果が薄いため、できるだけ再設定を行わないように閾値を小さくする趣旨である。これにより、配達エリアが隣接する店舗の競争力の差に応じて、配達リソースが不足する状況にあることの検出レベルを柔軟に制御することができ、配達エリアを再設定するための処理負荷(CPU負荷)を低減することができる。
なお、配達リソース不足検出部41eは、時間経過にしたがって、店舗特定部41aにより特定された複数の店舗の配達リソースが不足する状況にあることを段階的に検出するとよい。これにより、配達リソースの不足する状況に応じて段階的に配達エリアを再設定することができ、その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。この場合、上記所定数は、時間経過にしたがって、段階的に小さく設定されるとよい。
また、配達手段の残数や在庫の残数から配達リソースの不足を検出する方法以外にも、配達リソース不足検出部41eは、注文者からの商品の配達注文に対する店舗からの回答が、当該注文者が希望する配達条件を満たさない場合、当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出してもよい。これにより、注文者からの商品の配達注文に対する店舗からの回答内容によって配達リソースが不足する状況にあることを迅速に検出することができる。ここで、注文者が希望する配達条件の例として、配達希望時刻、及び配達注文に係る商品の数量が挙げられる。例えば、ユーザ端末UTnから、注文者により上記配達条件として配達希望時刻が指定された配達注文を示す配達要求が情報提供サーバSAにより受信された場合、当該配達注文は対象となる店舗により店舗端末STmを通じて確認される。なお、配達希望時刻は、検索者により検索条件として指定されてもよい。そして、当該店舗が配達手段の関係で配達希望時刻に商品を配達できない場合(または注文者により指定された数量分の商品の在庫がない場合)、店舗端末STmから、当該配達希望時刻を遅らせる(または早める)ことを示す回答(または配達注文を断ることを示す回答)が情報提供サーバSAにより受信され、注文者によりユーザ端末UTnを通じて確認されることになる。このとき、配達リソース不足検出部41eは、当該配達希望時刻を遅らせる(または早める)ことを示す回答(または配達注文を断ることを示す回答)に基づいて(例えば、所与のキーワードの抽出することで)、当該注文者が希望する配達条件を満たさないと判定することで当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出する。
また、配達リソース不足検出部41eは、注文者から商品の配達注文があった後に当該注文者により当該商品と同一カテゴリの他の商品について検索または閲覧があった場合(つまり、検索要求または閲覧要求が受信された場合)、当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出してもよい。この構成は、上記他の商品について検索または閲覧により当該他の商品の配達注文があることが想定できるので、このような場合、配達リソースが不足する蓋然性が高いとして(特に、配達リソースが1〜2と少ない場合)、配達リソースが不足する状況にあることが検出される。これにより、配達注文があった商品と同一カテゴリの他の商品について検索または閲覧によって配達リソースが不足する状況にあることを迅速に検出することができる。
以上のように配達リソースが不足する状況にあることが検出された場合、配達エリア再設定部41cは、配達リソース不足検出部41eにより配達リソースが不足する状況にあることが検出された店舗の配達エリアを縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに、当該配達エリアに隣接する他の配達エリアを拡張することによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定する。これにより、配達リソースが不足することにより当該配達エリアでユーザが配達注文し難くなることを回避することができ、当該ユーザの利便性を向上させることができる。このように配達エリアが再設定された場合も、配達エリア更新部41dは、当該再設定された配達エリアにより、店舗情報データベース22に格納された配達エリアを更新する。
図7及び図8は、配達リソースが不足する状況にあることが検出された店舗s1の配達エリアAr1が縮小され、且つ当該縮小される分のエリアに、当該配達エリアAr1に隣接する配達エリアAr2〜Ar5が拡張される例を示す概念図である。配達エリアAr2〜Ar5が拡張される範囲(言い換えれば、配達エリアAr1が縮小される範囲)は、例えば、配達エリアAr1と配達エリアAr2〜Ar5との境界線から所定距離内の範囲とされる。なお、配達エリア再設定部41cは、当該配達エリアAr1に対応付けられた店舗s1との競争力情報に基づく差が大きいほど、より広い範囲(面積)で配達エリアAr1を縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに配達エリアAr2〜Ar5を拡張してもよい。また、配達リソースが不足する状況が解消されなければ、時間経過にしたがって、当該配達リソースが不足する状況にあることが段階的に検出されるとよい。この場合、配達エリア再設定部41cは、図7(A)、図8(A)、及び図8(B)に示すように、配達リソースが不足する状況にあることが段階的に検出される度に、当該検出された店舗の配達エリアAr1を縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに、当該配達エリアAr1に隣接する配達エリアAr2〜Ar5を拡張することになる。
検索要求受信部41fは、ユーザ端末UTnから配達先の位置情報を含む検索要求を通信部1を介して受信する。検索処理部41gは、検索要求受信部41fにより受信された検索要求に応じて、当該検索要求に係る配達先へ商品を配達可能な店舗を検索する。配達先へ商品を配達可能な店舗とは、配達先への商品の配達注文を受け付ける店舗である。具体的には、検索処理部41gは、配達物の配達先の位置情報が示す位置を含む配達エリアを店舗情報データベース22から特定し、特定した配達エリアに対応付けられた店舗(店舗ID)を特定する。こうして特定された店舗は、検索によりヒットした店舗である。なお、検索者により配達希望時刻が指定された場合、当該検索要求には配達希望時刻に含まれる。配達エリアは、再設定より変化するので、同じ配達先であっても、店舗が特定されるタイミングと、店舗が特定されないタイミングとがある。
検索結果送信部41hは、検索処理部41gにより特定された店舗(つまり、当該検索によりヒットした店舗)の情報を当該配達先へ配達可能な店舗の情報として表示させる表示データをユーザ端末UTnへ送信する。この表示データには、当該配達先へ配達可能な店舗の情報が含まれる。
配達注文取得部41iは、検索結果送信部41cにより配達先へ配達可能な店舗の情報が表示されたユーザ端末UTnから通信部1を介して受信された配達要求を取得する。当該配達要求の受信により、当該配達要求が示す配達注文が受け付けられる。当該配達注文には、例えば、配達注文に係る商品の配達先の位置情報、当該商品の商品ID、数量、支払総額、当該商品の配達注文先となる店舗の店舗ID、注文者の氏名、及び注文者の電話番号が含まれる。注文者により配達希望時刻が指定された場合(例えば、店舗の検索時に指定された場合)、当該配達注文には配達希望時刻に含まれる。なお、配達注文取得部41iは、1つずつ配達注文を取得するのではなく、配達先の位置が異なる複数の配達注文を纏めて取得してもよい。
配達注文処理部41jは、配達手段利用状況データベース25を参照して、配達注文取得部41iにより取得された配達注文を、配達注文先となる店舗の配達手段のうち利用可能な配達手段に割り当て、当該割り当てられた配達手段の配達手段IDに対応付けられた配達手段利用状況を更新する。これにより、配達手段利用状況は、例えば、「利用可能」から「11:00(配達完了時刻)まで利用不可」に更新される。そして、配達注文処理部41jは、配達注文取得部41iにより取得された配達注文、及び当該割り当てられた配達手段の配達手段IDを、当該配達注文に含まれる店舗IDに対応する店舗の店舗端末STm(セッション継続中の店舗端末STm)へ送信する。これにより、店舗は当該配達注文された商品の配達を実行することになる。なお、配達注文処理部41jは、配達注文取得部41iにより取得された配達注文、及び当該割り当てられた配達手段の配達手段IDを、当該配達注文に含まれる店舗IDに対応する店舗の電子メールアドレス宛に送信してもよい。
[2.配達支援システムSの動作]
次に、本実施形態に係る配達支援システムSの動作について説明する。
(2−1.配達エリア再設定処理1)
先ず、図9を参照して、配達エリアの重複に対応するための配達エリア再設定処理1について説明する。図9は、システム制御部4により実行される配達エリア再設定処理1の一例を示すフローチャートである。図9に示す配達エリア再設定処理1は、例えば新規登録された店舗の店舗端末STmから配達エリアの設定要求が受信され、当該配達エリアが当該店舗の店舗IDに対応付けられて店舗情報データベース22に格納された時に開始される。なお、当該配達エリア再設定処理1は、所定期間(例えば、1週間〜1ヶ月)毎、もしくは季節の始まりに実行されてもよい。この場合、配達エリア再設定処理1の開始前に、店舗情報データベース22に格納されている全ての配達エリアが初回設定時の配達エリアに初期化されてもよい。或いは、当該配達エリア再設定処理1は、店舗側やシステム管理者側で設定された所定期間(例えば、配達注文が少なくなることが予想される期間)内でのみ行われるように構成してもよい。この場合、当該所定期間の終了時には初回設定時の配達エリアに初期化される。つまり、この場合、当該所定期間内では、図5(B)に示すように、例えば同一のグループに属する複数の店舗間で配達エリアの重複がない状態で運用され、当該所定期間外では、図5(A)に示すように、複数の店舗間で配達エリアの重複がある状態で運用されることになる。
図9に示す配達エリア再設定処理1が開始されると、システム制御部4は、登録された複数の店舗のうち、配達エリアの少なくとも一部が重複(例えば、配達エリア中の一部の地点の経度及び緯度に対応する座標(x,y)が一致)する店舗があるか否かを店舗情報データベース22に基づいて判定(これを「配達エリアの重複判定」という)する(ステップS1)。例えば、システム制御部4は、店舗情報データベース22に格納された全店舗IDのそれぞれに対応付けられた配達エリアを総当たりで比較することで、配達エリアの重複判定を行う。
なお、システム制御部4は、登録された全店舗(言い換えれば、店舗情報データベース22に格納された全店舗ID)を同一又は類似するジャンル(商品カテゴリ)毎にグループ分け(各店舗IDに対応付けられたジャンルにしたがってグループ分け)し、それぞれのグループに属する店舗のそれぞれに対応付けられた配達エリアを総当たりでグループ毎(ただし、地域によっては1つのグループの場合もありうる)に比較することで、グループ毎に配達エリアの重複判定を行うとよい。例えば、日用品のグループ、ベビー用品のグループ、及び食品のグループ(または、ピザのグループ、弁当のグループ、及びカレーのグループなど)に分けられ、それぞれのグループ毎に配達エリアの重複判定が行われる。これにより、同一又は類似するジャンル(商品カテゴリ)毎に、配達エリアの重複を無くすことができる。なお、システム制御部4は、登録された全店舗を同一又は類似するジャンル、且つ、同一の価格帯(例えば、\5,000未満、\5,000〜\10,000、\10,000〜\20,000など)毎にグループ分けし、それぞれのグループに属する店舗のそれぞれに対応付けられた配達エリアを総当たりでグループ毎に比較することで、グループ毎に配達エリアの重複判定を行ってもよい。
また、システム制御部4は、登録された全店舗を同一の経営主体(例えば、予め処理対象として設定された経営主体に限る)毎にグループ分け(各店舗IDに対応付けられたブランド名にしたがってグループ分け)し、それぞれのグループに属する店舗のそれぞれに対応付けられた配達エリアを総当たりでグループ毎に比較することで、グループ毎(ただし、地域によっては1つのグループの場合もありうる)に配達エリアの重複判定を行ってもよい。これにより、複数のチェーン店を管理する経営主体毎に、配達エリアの重複を無くすことができる。
ステップS1において、システム制御部4は、配達エリアの少なくとも一部が重複する店舗があると判定した場合(ステップS1:YES)、処理をステップS2へ進める。一方、システム制御部4は、配達エリアの少なくとも一部が重複する店舗がないと判定した場合(ステップS1:NO)、図9に示す処理を終了する。ステップS2では、システム制御部4(店舗特定部41a)は、上記配達エリアの重複判定に基づき、配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の店舗を店舗IDにより特定する。なお、グループ毎に配達エリアの重複判定が行われた場合、当該グループ毎に配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の店舗が特定されることになる。
次いで、システム制御部4(競争力決定部41b)は、ステップS2で特定された複数の店舗のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報に基づいて、上述したように、当該複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する(ステップS3)。なお、グループ毎に複数の店舗が特定された場合、グループ毎に各店舗の競争力情報が決定されることになる。また、ステップS3の処理は、ステップS6の直前に行われてもよい。
次いで、システム制御部4は、ステップS2で特定された複数の店舗の重複配達エリアを1つ特定する(ステップS4)。例えば、ステップS2において上述した店舗s1〜s5が特定されたとすると、図5(A)に示す計12個の重複配達エリアAr12,Ar124,Ar125等のうちから1つずつ、ステップS4で特定されてステップS7までの処理が行われる。なお、グループ毎に複数の店舗が特定された場合、グループ毎にステップS4〜S7の処理が行われることになる。
次いで、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定された重複配達エリアが所定の再設定条件を満たすか否かを判定する(ステップS5)。例えば、ステップS4で特定された重複配達エリアの面積が所定面積以上である場合、当該重複配達エリアが上記再設定条件を満たすと判定される。これは、重複配達エリアの面積があまりに小さい場合、再設定しても注文数(売上額)などに対する影響が少ないので再設定しない趣旨(言い換えれば、配達エリアの再設定による効果があることが予想される場合に限り再設定を行う趣旨)である。つまり、この場合、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定された重複配達エリアの面積が所定面積以上である場合に限り、この重複配達エリア部分の再設定を行うことになる。これにより、配達エリアを再設定するための処理負荷(CPU負荷)を低減することができる。なお、重複配達エリアの面積は当該重複配達エリアを含む地図データなどから特定することができる。
或いは、例えば、ステップS4で特定された重複配達エリアにおける想定注文数(または想定売上額)が所定数(または、所定額)以上である場合、当該重複配達エリアが上記再設定条件を満たすと判定される。これは、重複配達エリアにおける想定注文数(または想定売上額)があまりに少ない場合、配達エリアを再設定しても注文数(売上額)などに対する影響が少ないので再設定しない趣旨(言い換えれば、配達エリアの再設定による効果があることが予想される場合に限り再設定を行う趣旨)である。つまり、この場合、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定された重複配達エリアにおける想定注文数(または想定売上額)が所定数(または、所定額)以上である場合に限り、この重複配達エリアの再設定を行うことになる。これにより、配達エリアを再設定するための処理負荷(CPU負荷)を低減することができる。なお、想定注文数(または想定売上額)は、例えば、重複配達エリアに対応付けられた全ての店舗の過去所定期間における総注文数(または総売上額)を注文履歴データベース24から抽出して集計することで得ることができる。
ステップS5において、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定された重複配達エリアが所定の再設定条件を満たすと判定した場合(ステップS5:YES)、処理をステップS6へ進める。一方、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定された重複配達エリアが所定の再設定条件を満たさないと判定した場合(ステップS5:NO)、処理をステップS7へ進める。ステップS6では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS3で決定された競争力情報の比較に応じて、ステップS4で特定された重複配達エリアにおいて複数の店舗の配達エリアが重複しないように当該配達エリアを再設定し、処理をステップS7へ進める。
例えば、図5(B)に示すように、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定された重複配達エリアを、当該重複配達エリアを配達エリアに含む複数の店舗のうち上記競争力情報が示す競争力が高い店舗に割り当てることによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定する。或いは、図6(A)に示すように、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定された重複配達エリアを、当該重複配達エリアを配達エリアに含む複数の店舗のそれぞれの競争力情報に応じた割合で分割してそれぞれの店舗に割り当てることにより当該それぞれの店舗の配達エリアを再設定する。ここで、再設定された配達エリアは、当該配達エリアに対応する店舗の店舗IDに対応付けられて一時的にRAMに記憶される。なお、1つの配達エリアに複数の重複配達エリアが含まれる場合、当該配達エリアに対してステップS6の再設定が複数回行われることになり、RAMに記憶された配達エリアは後から再設定された配達エリアにより上書きされる。
ステップS7では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4でまだ特定されていない重複配達エリアがあるか否かを判定する。そして、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4でまだ特定されていない重複配達エリアがあると判定した場合(ステップS7:YES)、ステップS4に戻り、まだ特定されていない重複配達エリアを特定してステップS5以降の処理を行う。一方、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS4で特定されていない重複配達エリアがないと判定した場合(ステップS7:NO)、処理をステップS8へ進める。
ステップS8では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS6で再設定された配達エリアのうち、上記競争力情報の比較に応じて縮小された配達エリアを1つ特定する。なお、縮小された配達エリアが複数ある場合、これらの配達エリアのうちから1つずつ、ステップS8で特定されてステップS13までの処理が行われる。なお、グループ毎に複数の店舗が特定された場合、当該グループ毎にステップS8〜S13の処理が行われることになる。
次いで、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定された配達エリアに関する情報が当該再設定前の配達エリアに関する情報と比べて、上述した拡張条件を満たすか否かを判定する(ステップS9)。システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定された配達エリアに関する情報が当該再設定前(例えば、図9に示す処理の開始時)の配達エリアに関する情報と比べて、上述した拡張条件を満たすと判定した場合(ステップS9:YES)、処理をステップS10に進める。一方、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定された配達エリアに関する情報が当該再設定前の配達エリアに関する情報と比べて、上述した拡張条件を満たさないと判定した場合(ステップS9:NO)、処理をステップS13に進める。
ステップS10では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定された配達エリア(つまり、縮小された配達エリア)に隣接する他の配達エリア(隣接配達エリア)に対応付けられた店舗のうち、ステップS8で特定された配達エリアに対応付けられた店舗より競争力が低い店舗があるか否かを判定する。次いで、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定された配達エリアに対応付けられた店舗より競争力が低い店舗があると判定した場合(ステップS10:YES)、処理をステップS11へ進める。一方、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定された配達エリアに対応付けられた店舗より競争力が低い店舗がないと判定した場合(ステップS10:NO)、処理をステップS13へ進める。
ステップS11では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定された配達エリアに対応付けられた店舗より競争力が低い店舗の配達エリア(隣接配達エリア)を特定する。次いで、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、例えば図6(B)に示すように、ステップS11で特定された配達エリア(隣接配達エリア)を縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに、ステップS8で特定された配達エリアを拡張することによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定し(ステップS12)、処理をステップS13へ進める。なお、ステップS6で再設定されRAMに記憶された配達エリアが、ステップS12で再設定された配達エリアにより上書きされる。
ステップS13では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8でまだ特定されていない配達エリアがあるか否かを判定する。そして、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8でまだ特定されていない配達エリアがあると判定した場合(ステップS13:YES)、ステップS8に戻り、まだ特定されていない配達エリアを特定してステップS9以降の処理を行う。一方、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS8で特定されていない配達エリアがないと判定した場合(ステップS13:NO)、処理をステップS14へ進める。
ステップS14では、システム制御部4(配達エリア更新部41d)は、店舗情報データベース22に格納されている配達エリアを、ステップS6またはステップS12で再設定された配達エリア(RAMに記憶された配達エリア)により更新し、図9に示す処理を終了する。つまり、再設定された配達エリア毎に、当該再設定された配達エリアに対応付けられた店舗IDと一致する店舗IDに対応付けられた配達エリアが更新される。このとき、配達エリアの更新履歴が店舗IDに対応付けられて店舗情報データベース22に格納されてもよい。この更新履歴には、初回設定時の配達エリア、及び更新時(再設定時)の配達エリアが含まれる。
(2−2.配達エリア再設定処理2)
次に、図10を参照して、配達リソースの不足に対応するための配達エリア再設定処理2について説明する。図10は、システム制御部4により実行される配達エリア再設定処理2の一例を示すフローチャートである。図10に示す配達エリア再設定処理2は、例えば、配達手段利用状況データベース25に格納されている配達手段利用状況が更新された時に開始される。なお、当該配達エリア再設定処理2は、所定時間(例えば、1分〜10分)毎に実行されてもよい。或いは、当該配達エリア再設定処理2は、配達エリア再設定処理1と同様、店舗側やシステム管理者側で設定された所定期間(例えば、配達注文が少なくなることが予想される期間)内でのみ行われるように構成してもよい。
図10に示す配達エリア再設定処理2が開始されると、システム制御部4は、配達手段利用状況が更新された店舗があるか否かを配達手段利用状況データベース25に基づいて判定する(ステップS21)。なお、配達手段利用状況が更新され、且つ、配達エリアが更新された店舗があるか否かが判定されてもよい。システム制御部4は、配達手段利用状況が更新された店舗があると判定した場合(ステップS21:YES)、処理をステップS22へ進める。一方、システム制御部4は、配達手段利用状況が更新された店舗がないと判定した場合(ステップS21:NO)、図10に示す処理を終了する。
ステップS22では、システム制御部4(店舗特定部41a)は、配達手段利用状況が更新された店舗(または、配達手段利用状況が更新され、且つ配達エリアが更新された店舗)を店舗IDにより1つ特定する。なお、配達手段利用状況が更新された店舗(または、配達手段利用状況が更新され、且つ配達エリアが更新された店舗)が複数ある場合、これらの店舗のうちから1つずつ、ステップS22で特定されてステップS28までの処理が行われる。
次いで、システム制御部4(配達リソース不足検出部41e)は、配達手段利用状況データベース25を参照して、ステップS22で特定された店舗の配達手段の残数と当該店舗が提供する商品の在庫の残数の少なくとも何れか一方の残数が所定数以下であるか否かを判定する(ステップS23)。システム制御部4(配達リソース不足検出部41e)は、当該店舗の配達手段の残数と当該店舗が提供する商品の在庫の残数の少なくとも何れか一方の残数が所定数以下であると判定した場合(ステップS23:YES)、当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出し(ステップS24)、処理をステップS25へ進める。一方、システム制御部4(配達リソース不足検出部41e)は、当該店舗の配達手段の残数と当該店舗が提供する商品の在庫の残数との双方の残数が所定数以下でないと判定した場合(ステップS23:NO)、処理をステップS28へ進める。
なお、ステップS23において、システム制御部4(配達リソース不足検出部41e)は、上述したように、注文者からの商品の配達注文に対する店舗からの回答が、当該注文者が希望する配達条件を満たすか否かを判定し、当該配達条件を満たさないと判定した場合に、当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出してもよい。また、システム制御部4(配達リソース不足検出部41e)は、上述したように、注文者から商品の配達注文があった後に当該注文者により当該商品と同一カテゴリの他の商品について検索または閲覧があったか否かを判定し、当該他の商品について検索または閲覧があったかと判定した場合に、当該店舗の配達リソースが不足する状況にあることを検出してもよい。
ステップS25では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS22で特定された店舗の配達エリアを特定する。次いで、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS25で特定された配達エリアに隣接する他の配達エリア(隣接配達エリア)を特定する(ステップS26)。なお、配達エリア再設定処理1において、登録された店舗のグループ分けが行われた場合、ステップS22で特定された店舗と同一のグループに属する店舗の配達エリアのうちから、ステップS25で特定された配達エリアに隣接する他の配達エリア(隣接配達エリア)が特定されることになる。
次いで、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、例えば図7(B)に示すように、ステップS25で特定された配達エリアを縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに、ステップS26で特定された配達エリア(隣接配達エリア)を拡張することによりそれぞれの店舗の配達エリアを再設定し(ステップS27)、処理をステップS28へ進める。ここで、再設定された配達エリアは、当該配達エリアに対応する店舗の店舗IDに対応付けられて一時的にRAMに記憶される。
ステップS28では、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS22でまだ特定されていない店舗があるか否かを判定する。そして、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS22でまだ特定されていない店舗があると判定した場合(ステップS28:YES)、ステップS22に戻り、まだ特定されていない店舗を特定してステップS23以降の処理を行う。一方、システム制御部4(配達エリア再設定部41c)は、ステップS22で特定されていない配達エリアがないと判定した場合(ステップS28:NO)、処理をステップS29へ進める。
ステップS29では、システム制御部4(配達エリア更新部41d)は、店舗情報データベース22に格納されている配達エリアを、ステップS27で再設定された配達エリア(RAMに記憶された配達エリア)により更新し、図10に示す処理を終了する。このとき、配達エリアの更新履歴が店舗IDに対応付けられて店舗情報データベース22に格納されてもよい。なお、図10に示す処理は、例えば配達手段利用状況が更新された時、または所定時間毎に実行されるが、複数回行われる配達エリア再設定処理2の過程で、配達リソースが不足する状況が解消されなければ、ステップS22で特定された店舗の配達リソースが不足する状況にある店舗の配達エリアは、図8に示すように、段階的に縮小されることになる。
(2−3.店舗の検索、及び配達注文に係る動作)
次に、図11等を参照して、配達支援システムSにおける店舗の検索、及び配達注文に係る動作について説明する。図11は、配達支援システムSにおける店舗の検索、及び配達注文に係る動作の一例を示すシーケンス図である。なお、上述した配達エリア再設定処理1及び配達エリア再設定処理2は、配達支援システムSにおける店舗の検索、及び配達注文に係る動作中、または当該動作の前後において実行される。
図11において、ユーザ端末UTn(例えば、ユーザ端末UT1)の制御部は、ユーザの操作に応じて、アプリケーションまたはブラウザにより、店舗検索画面の表示データの送信要求をネットワークNWを介して情報提供サーバSAへ送信する(ステップS31)。店舗検索画面は、ユーザにより指定された配達先へ商品を配達可能な店舗を検索するための画面である。情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ユーザ端末UTnからの送信要求を通信部1を介して受信する。そして、システム制御部4は、受信された送信要求に応じて、店舗検索画面の表示データ(例えば、店舗検索画面のWebページのデータ)を記憶部2から取得し、取得した表示データをネットワークNWを介してユーザ端末UTnへ送信する(ステップS32)。
ユーザ端末UTnの制御部は、情報提供サーバSAから送信された、店舗検索画面の表示データを通信部を介して受信すると、当該店舗検索画面を表示する(ステップS33)。図12(A)は、店舗検索画面の一例を示す図である。図12(A)に示す店舗検索画面には、配達先指定欄51、検索ボタン52、及びGPS取得ボタン53等が設けられている。ユーザは操作部を操作して、配達先指定欄51に配達先の住所(例えば、ユーザの居住地の住所)を入力することができる。配達先指定欄51には、ユーザにより過去に指定された配達先の住所が選択可能に一覧表示(プルダウン表示)されてもよく、この場合、一覧表示から選択された配達先の住所が配達先指定欄51に入力、表示される。配達先指定欄51に配達先の住所が表示されている状態で、ユーザが操作部を操作して検索ボタン52を指定(例えば、マウスでクリック、或いは指でタップ)すると、ユーザ端末UTnの制御部は、配達先の位置情報(この場合、住所)を含む検索要求をネットワークNWを介して情報提供サーバSAへ送信する(ステップS34)。なお、ユーザ端末UTnがGPS受信部を備える場合、ユーザが操作部を操作してGPS取得ボタン53を指定することで、ユーザ端末UTnの制御部は、GPS受信部により取得された経度及び緯度を、配達先の位置情報として含む検索要求を情報提供サーバSAへ送信する。その他、配達先の位置情報は、郵便番号等から指定することもできる。検索要求に含まれる配達先の位置情報は、例えば、ユーザ端末UTnと情報提供サーバSAとのセッション継続中、ユーザ端末UTnの制御部により保持される。或いは、検索要求に含まれる配達先の位置情報は、ユーザ端末UTnと情報提供サーバSAとのセッション継続中、情報提供サーバSAのシステム制御部4により保持される。また、店舗検索画面には、ユーザが配達希望時刻を検索条件として指定できる配達希望時刻指定欄が設けられてもよい。この場合、ユーザにより配達希望時刻指定欄で指定された配達希望時刻は、上記配達先の位置情報と共に検索要求に含まれて情報提供サーバSAへ送信される。
情報提供サーバSAのシステム制御部4(検索要求受信部41f)は、ユーザ端末UTnからの検索要求を通信部1を介して受信する。そして、システム制御部4(検索処理部41g)は、受信された検索要求に応じて、当該検索要求に係る配達先の位置情報が示す配達先へ商品を配達可能な店舗を検索する。すなわち、システム制御部4(検索処理部41g)は、当該検索要求に係る配達先の位置情報が示す位置を含む配達エリアを店舗情報データベース22から特定する(ステップS35)。ここで、システム制御部4(検索処理部41g)は、当該配達先の位置情報が住所を示す場合、当該住所を経度及び緯度に対応する座標(x,y)に変換した上で、当該座標が含まれる配達エリアを特定する。ただし、配達エリアは住所(例えば、X丁目Y番地)で示されてもよく、この場合、システム制御部4は、当該配達先の住所のままで、当該住所が含まれる配達エリアを特定してもよい。なお、上述した配達エリア再設定処理1前において配達先の位置情報が示す位置が重複配達エリアに含まれる場合、複数の配達エリアが特定されることになる。一方、この場合、上述した配達エリア再設定処理1により重複配達エリアが無くなると、1つの配達エリアが特定されることになる。ただし、グループ毎に配達エリアの重複判定が行われた場合には、複数の配達エリアが特定されうる。また、システム制御部4は、ユーザ端末UTnと情報提供サーバSAとのセッション継続中、特定された配達エリアを保持してもよい。そして、システム制御部4(検索処理部41g)は、ステップS35で特定された配達エリアに対応付けられた店舗IDを特定する(ステップS36)。なお、上記検索要求に配達希望時刻が含まれる場合、システム制御部4(検索処理部41g)は、上記配達先へ当該配達希望時刻に商品を配達可能な店舗を検索する。すなわち、システム制御部4(検索処理部41g)は、当該検索要求に係る配達先の位置情報が示す位置を含む配達エリアに対応付けられた店舗IDであって、当該配達先へ当該配達希望時刻に商品を配達可能な店舗の店舗IDを注文情報データベース24から特定する。ここで、当該配達先へ当該配達希望時刻に商品を配達可能な店舗であるか否かは、上述した配達手段利用状況に基づいて判定される。
次いで、システム制御部4(検索結果送信部41h)は、ステップS36で特定された店舗IDに対応する店舗(つまり、検索によりヒットした店舗)の情報を上記配達先へ配達可能な店舗の情報として表示させる表示データ(例えば、店舗選択画面の表示データ)を記憶部2から取得し、取得した表示データをネットワークNWを介してユーザ端末UTnへ送信する(ステップS37)。この店舗の情報には、例えば、店舗ID、店舗名、商品の広告情報、配達時間、最低注文金額、利用可能な決済方法、及び特典等が含まれる。ここで、上記検索要求に配達希望時刻が含まれる場合のステップS36において当該配達先へ当該配達希望時刻に商品を配達可能な店舗の店舗IDが特定された場合、システム制御部4(検索処理部41g)は、当該検索要求に含まれる配達希望時刻を上記配達時間として決定する。なお、システム制御部4(検索処理部41b)の検索により店舗がヒットしなかった場合、システム制御部4(検索結果送信部41c)は、上記配達先へ配達可能な店舗がないことを表示させる表示データをユーザ端末UTnへ送信することになる。
ユーザ端末UTnの制御部は、情報提供サーバSAから送信された、上記検索によりヒットした店舗の情報を表示させる表示データを通信部を介して受信すると、店舗選択画面を表示する(ステップS38)。図12(B)、及び図13(A),(B)は、店舗選択画面の一例を示す図である。店舗選択画面には、図12(B)、及び図13(A),(B)に示すように、絞り込み条件指定部61、及び店舗情報表示部62が設けられている。絞り込み条件指定部61には、絞り込み条件である複数のジャンルのそれぞれに対応するチェックボックス611が設けられている。ユーザは操作部を操作して、配達注文対象となる商品のジャンルに対応するチェックボックス611にチェックマークを入れることで、絞り込み条件としてジャンル(チェックマークされたジャンル)を指定することができる。そして、チェックボックス611にチェックマークが表示されている状態で、ユーザが操作部を操作して絞り込みボタン612を指定すると、ユーザ端末UTnの制御部は、上記指定されたジャンルを絞り込み条件として含む絞り込み要求を、情報提供サーバSAへ送信する。なお、絞り込み条件指定部61において、ユーザが、配達時間、最低注文金額、及び利用可能な決済方法などを絞り込み条件として指定できるように構成してもよい。また、絞り込み条件指定部61は、図12(A)に示す店舗検索画面に設けられてもよい。この場合、ユーザは店舗検索画面において絞り込み条件としてジャンルを指定して絞り込みボタンを指定すると、上記指定されたジャンルを絞り込み条件として含む絞り込み要求が情報提供サーバSAへ送信されることになる。
情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ユーザ端末UTnからの絞り込み要求に応じて、上記検索要求に応じて実行された検索によりヒットした店舗を、当該絞り込み要求に含まれる絞り込み条件により絞り込み(例えば、ピザを販売する店舗に絞り込む)、絞り込んだ店舗の情報を当該配達先へ配達可能な店舗の情報として表示させる表示データをユーザ端末UTnへ送信する。そして、ユーザ端末UTnの制御部は、情報提供サーバSAから送信された、絞り込まれた店舗の情報が含まれる表示データを受信して店舗選択画面の店舗情報表示部62の表示内容を更新する。
店舗選択画面の店舗情報表示部62には、上記検索要求または上記絞り込み要求に応じて情報提供サーバSAから送信された表示データに含まれる、配達先へ配達可能な店舗の情報が表示される。なお、情報提供サーバSAから上記配達先へ配達可能な店舗がないことを表示させる表示データが送信された場合、店舗情報表示部62には、上記配達先へ配達可能な店舗がない旨(例えば、該当店舗無し)が表示される。例えば、図12(B)の例では、配達先へ配達可能な店舗毎に区切られた表示領域に、それぞれの店舗の情報が表示されている。それぞれの表示領域に表示される店舗の情報には、店舗名、商品の広告情報(画像及びPR)、配達時間、最低注文金額、利用可能な決済方法(例えば、現金決済の他、カード決済など)、及び特典が含まれている。
ところで、図12(B)に示す店舗選択画面は、上述した配達エリア再設定処理1前において、店舗s1,s3,s5の重複配達エリアAr135(図5(A)参照)内に含まれる配達先がユーザにより指定されたときの店舗選択画面である。そのため、図12(B)に示す店舗情報表示部62には、上記検索によりヒットした店舗s1,s3,s5のそれぞれの情報が表示されている。一方、図13(A)に示す店舗選択画面は、上述した配達エリア再設定処理1により重複配達エリアAr135が競争力の最も高い店舗s5に割り当てられた場合において、図12(B)と同一の配達先がユーザにより指定されたときの店舗選択画面である。そのため、図13(A)に示す店舗情報表示部62には、上記検索によりヒットした店舗s5のみの情報が表示されている。一方、図13(B)に示す店舗選択画面は、上述した配達エリア再設定処理1によりグループ(例えば、ピザのグループ、及びカレーのグループ)毎に配達エリアの重複判定が行われることで、重複配達エリアAr135が、それぞれのグループにおいて競争力の最も高い店舗s3,s5のそれぞれに割り当てられた場合において、図12(B)と同一の配達先がユーザにより指定されたときの店舗選択画面である。そのため、図13(B)に示す店舗情報表示部62には、上記検索によりヒットした店舗s3,s5の情報が表示されている。
また、店舗情報表示部62に表示された画像及び店舗名には、配達注文画面(図示せず)の表示データへのハイパーリンク(URL(Uniform Resource Locator))が設定されている。ユーザが操作部を操作して、注文したい商品を販売する店舗の画像または店舗名を指定すると、ユーザ端末UTnの制御部は、上記画像または店舗名の指定により選択された店舗の店舗IDを含む閲覧要求を情報提供サーバSAへ送信する(ステップS39)。情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ユーザ端末UTnからの閲覧要求を通信部1を介して受信する。そして、システム制御部4は、受信された閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に含まれる店舗IDにより特定される店舗が販売する商品(配達注文対象となる商品の情報)を表示させる表示データ(例えば、配達注文画面の表示データ)を記憶部2から取得し、取得した表示データをネットワークNWを介してユーザ端末UTnへ送信する(ステップS40)。
ユーザ端末UTnの制御部は、情報提供サーバSAから送信された、当該店舗が販売する商品の情報を表示させる表示データを通信部を介して受信すると、配達注文画面(図示せず)を表示する(ステップS41)。そして、ユーザが配達注文画面または配達注文画面から遷移する画面を通じて注文する商品を選択し注文ボタンを指定すると、ユーザ端末UTnの制御部は、当該選択された商品の配達注文を示す配達要求を情報提供サーバSAへ送信する(ステップS42)。この配達注文には、上述したように、選択された商品の配達先の位置情報、当該商品の商品ID、数量、支払総額、当該商品の配達注文先となる店舗の店舗ID、注文者の氏名、及び注文者の電話番号が含まれる。なお、注文者により配達希望時刻が指定された場合(例えば、店舗の検索時に指定された場合)、当該配達注文には配達希望時刻に含まれる。ここで、配達注文に含まれる配達先の位置情報は、上述した店舗検索画面の配達先指定欄で指定され、且つ、ユーザ端末UTnの制御部により保持された位置情報である。なお、上述したように、検索要求に含まれる配達先の位置情報が、情報提供サーバSAのシステム制御部4により保持されている場合、ユーザ端末UTnから送信される配達注文には、当該配達先の位置情報が含まれなくともよい。この場合、情報提供サーバSAのシステム制御部4により保持されている配達先の位置情報は、後述するステップS43において配達注文が記憶部2に記憶される際に当該配達注文に含められることになる。
情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ユーザ端末UTnからの配達要求を通信部1を介して受信する。そして、システム制御部4は、受信された配達要求が示す配達注文(配達注文情報)を記憶部2に記憶(蓄積)する(ステップS43)。次いで、システム制御部4(配達注文取得部41i)は、ステップS43で記憶された配達注文を取得(RAMの作業領域に読み込む)する(ステップS44)。なお、ステップS44で取得された配達注文は削除される。次いで、システム制御部4(配達注文処理部41j)は、配達手段利用状況データベース25を参照して、ステップS44で取得された配達注文を、当該配達注文に含まれる店舗IDに対応する店舗の配達手段のうち利用可能な配達手段に割り当てる(ステップS45)。このとき、システム制御部4(配達注文処理部41j)は、当該割り当てられた配達手段の配達手段IDに対応付けられた配達手段利用状況を更新する。
次いで、システム制御部4(配達注文処理部41j)は、ステップS44で取得された配達注文、及びステップS45で割り当てられた配達手段の配達手段IDを、当該配達注文に含まれる店舗IDに対応する店舗の店舗端末STmへ送信する(ステップS46)。なお、配達注文等は、上記特定された配達エリアに対応付けられた店舗の電子メールアドレス宛に送信されてもよい。更に、システム制御部4(配達注文処理部41j)は、当該配達注文に含まれる商品IDに対応付けられた在庫数及び受注数を更新し、当該配達注文に含まれる情報を注文履歴として注文履歴データベース24に追加する。
以上説明したように、上記実施形態によれば、情報提供サーバSAは、店舗が商品の配達注文を受け付けるエリアとして設定された配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の店舗を特定し、当該複数の店舗のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報に基づいて、当該複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定し、当該決定された前記競争力情報の比較に応じて、当該複数の店舗の配達エリアが重複しないように当該配達エリアを再設定し、当該再設定された配達エリアにより以前の配達エリアを更新するように構成したので、配達エリアの設定に関わる店舗の負担を抑制しつつ、配達エリアが重複する複数の店舗間の相対的な競争力に応じて当該配達エリアを柔軟に再設定することができる。
[3.競争力情報の決定方法の変形例)
上記実施形態では、システム制御部4は、複数の店舗のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報に基づいて、当該複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定したが、商品の配達注文に関わる情報として、例えば図5(B)に示すように複数の店舗の情報が表示された店舗選択画面上で、どの店舗がユーザにより指定(選択)されたかを示す情報を用いてもよい。複数の店舗の情報が表示された店舗選択画面上でユーザにより指定された店舗は選択競争に勝ったということができるため、このような情報を競争力情報の決定に利用するのである。
具体的には、例えば配達エリア再設定処理1及び2が行われない期間(つまり、図5(A)に示すように、複数の店舗間で配達エリアの重複がある期間)において、複数の店舗の情報が表示された店舗選択画面上でユーザにより指定された場合、ユーザ端末UTnの制御部は、ユーザにより指定された店舗の店舗IDと、当該指定された店舗と同時期に表示された店舗の店舗IDとを含む閲覧要求を情報提供サーバSAへ送信する。例えば、図5(B)に示す店舗選択画面において店舗s3が指定された場合、当該指定された店舗s3の店舗IDと、当該指定された店舗s3と同時期に表示された店舗s1,s5の店舗IDとを含む閲覧要求が情報提供サーバSAへ送信される。なお、当該指定された店舗と同時期に表示された店舗には、当該指定された店舗と同時に店舗選択画面に表示された店舗だけでなく、例えば画面のスクロールにより後から表示された店舗(同一のページ上に配置された店舗)が含まれてもよい。情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ユーザ端末UTnからの当該閲覧要求を受信すると、当該閲覧要求から、ユーザにより指定された店舗の店舗IDと、当該指定された店舗と同時期に表示された店舗の店舗IDとを取得する。
次いで、システム制御部4は、ユーザにより指定された店舗の店舗IDと、当該指定された店舗と同時期に表示された店舗のそれぞれの店舗IDとの組合せを特定する。例えば、図5(B)に示す店舗選択画面を例にとると、店舗s3の店舗ID“s003"と店舗s1の店舗ID“s001"との組合せと、店舗s3の店舗ID“s003"と店舗s5の店舗ID“s005"との組合せと、店舗s3の店舗ID“s003"と店舗s1の店舗ID“s001"と店舗s5の店舗ID“s005"との組合せとの3通りの組合せが特定される。次いで、システム制御部4は、特定した組合せ中の複数の店舗IDと、当該複数の店舗IDの中で指定された店舗の店舗IDとを示す組合せ情報を組合せ毎に記憶する。この組合せ情報は、複数の店舗の情報が表示された店舗選択画面上で、どの店舗がユーザにより指定されたかを示す情報である。例えば、店舗s3の店舗ID“s003"と店舗s1の店舗ID“s001"との組合せの場合、組合せ情報は、“s003-s001"というように構成(この場合、先頭の店舗ID“s003"が指定された店舗の店舗IDであることを示す)してもよいし、“[s001-s003]s003"というように構成(この場合、末尾に負荷された店舗ID“s003"が指定された店舗の店舗IDであることを示す)してもよい。また、店舗s3の店舗IDと店舗s1の店舗IDと店舗s5の店舗IDとの組合せの場合、組合せ情報は、“s003-s001-s005"というように構成してもよいし、“[s001-s003-s005]s003"というように構成してもよい。このような組合せ情報は、複数のユーザそれぞれにより使用されるユーザ端末UTnから上記閲覧要求が受信される度に記憶部2に記憶されることになる。
そして、上記配達エリア再設定処理1において、システム制御部4(競争力決定部41b)は、ステップS2で特定された複数の店舗に対応する組合せ情報(例えば、店舗s1,s3,s5が特定された場合、店舗IDとして“s001",“s003",“s005"を含み、これらの店舗IDの中で指定された店舗の店舗IDを含む組合せ情報)を記憶部2から全て(所定数でもよい)取得し、当該取得した組合せ情報に基づいて、当該複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する(ステップS3)。例えば、システム制御部4(競争力決定部41b)は、店舗IDとして“s001",“s003",“s005"を含む組合せ情報を取得した場合、店舗ID“s001"の店舗s1が指定された指定回数(選択回数)と、店舗ID“s003"の店舗s3が指定された指定回数と、店舗ID“s005"の店舗s5が指定された指定回数とをそれぞれ算出し、当該算出した各指定回数に応じて、当該複数の店舗のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報(つまり、指定回数が多いほど、競争力が高くなる)を決定する。例えば、店舗s1の指定回数が“1000”、店舗s3の指定回数が“3000”、店舗s5の指定回数が“10000”であるとすると、店舗s5の競争力情報が最も高くなる。
以上説明したように、複数の店舗のそれぞれの情報が表示された店舗選択画面上で、どの店舗がユーザにより指定されたかを示す情報に基づき算出された指定回数(当該複数の店舗のそれぞれが指定された指定回数)に応じて、当該複数の店舗のそれぞれの競争力情報を決定するように構成すれば、ユーザの現状のニーズに即した競争力を示す競争力情報を、より精度良く決定することができる。
[4.店舗の検索、及び配達注文に係る動作の変形例]
上記実施形態では、情報提供サーバSAは、ユーザ端末UTnからの検索要求に応じて、当該検索要求に係る配達先へ商品を配達可能な店舗を検索するように構成したが、ユーザが所望の店舗を把握しており、商品を配達可能な店舗の検索を必要としない場合がある。このような場合の店舗の検索、及び配達注文に係る動作について説明する。図14は、配達支援システムSにおける店舗の検索、及び配達注文に係る動作の変形例を示すシーケンス図である。
図14において、ユーザ端末UTnの制御部は、ユーザにより指定(例えば、店舗に対応するURLを指定)された店舗の店舗IDを含む閲覧要求を通信部を介して情報提供サーバSAへ送信する(ステップS51)。情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ユーザ端末UTnからの閲覧要求を通信部1を介して受信する。そして、システム制御部4は、受信された閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に含まれる店舗IDにより特定される店舗が販売する商品を表示させる表示データ(例えば、配達注文画面の表示データ)を記憶部2から取得し、取得した表示データをネットワークNWを介してユーザ端末UTnへ送信する(ステップS52)。
ユーザ端末UTnの制御部は、情報提供サーバSAから送信された、当該店舗が販売する商品の情報を表示させる表示データを通信部を介して受信すると、配達注文画面(図示せず)を表示する(ステップS53)。このような配達注文画面または配達注文画面から遷移する画面には、店舗検索画面と同様、配達先指定欄等が設けられており、ユーザが操作部を操作して配達先の位置情報を指定することができる。そして、ユーザが配達注文画面または配達注文画面から遷移する画面を通じて注文する商品を選択し、且つ、配達先の位置情報を指定した後、注文ボタンを指定すると、ユーザ端末UTnの制御部は、当該選択された商品の配達注文を示す配達要求を情報提供サーバSAへ送信する(ステップS54)。この配達注文には、指定された配達先の位置情報、選択された商品の商品ID、数量、支払総額、当該商品の配達注文先となる店舗の店舗ID、注文者の氏名、及び注文者の電話番号が含まれる。情報提供サーバSAのシステム制御部4は、ユーザ端末UTnからの配達要求を通信部1を介して受信する。なお、ステップS55〜S58の処理は、上述したステップS43〜S46の処理と同様である。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、商品提供者が商品の配達注文を受け付けるエリアとして設定された配達エリアを複数の商品提供者毎に対応付けて記憶する記憶手段から、前記配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の商品提供者を特定する提供者特定手段と、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報に基づいて、当該複数の商品提供者のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記競争力情報の比較に応じて、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者の前記配達エリアが重複しないように当該配達エリアを再設定する再設定手段と、前記再設定手段により再設定された配達エリアにより、前記記憶手段により記憶された前記配達エリアを更新する更新手段と、を備え、前記再設定手段は、前記複数の商品提供者の前記重複する前記配達エリアを、当該複数の商品提供者のそれぞれの前記競争力情報に応じた割合で分割してそれぞれの前記商品提供者に割り当てることにより当該それぞれの前記商品提供者の前記配達エリアを再設定することを特徴とする。
この発明によれば、配達エリアの設定に関わる商品提供者の負担を抑制しつつ、配達エリアが重複する複数の商品提供者間の相対的な競争力に応じて配達エリアを柔軟に再設定することができ、複数の商品提供者間の相対的な競争力に応じて重複する配達エリアの棲み分けを効率良く行うことができる。
請求項22に記載の発明は、コンピュータを、商品提供者が商品の配達注文を受け付けるエリアとして設定された配達エリアを複数の商品提供者毎に対応付けて記憶する記憶手段から、前記配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の商品提供者を特定する提供者特定手段と、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報に基づいて、当該複数の商品提供者のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記競争力情報の比較に応じて、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者の前記配達エリアが重複しないように当該配達エリアを再設定する再設定手段と、前記再設定手段により再設定された配達エリアにより、前記記憶手段により記憶された前記配達エリアを更新する更新手段として機能させ、前記再設定手段は、前記複数の商品提供者の前記重複する前記配達エリアを、当該複数の商品提供者のそれぞれの前記競争力情報に応じた割合で分割してそれぞれの前記商品提供者に割り当てることにより当該それぞれの前記商品提供者の前記配達エリアを再設定することを特徴とする。請求項23に記載の発明は、コンピュータを、商品提供者が商品の配達注文を受け付けるエリアとして設定された配達エリアを複数の商品提供者毎に対応付けて記憶する記憶手段から、前記配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の商品提供者を特定する提供者特定手段と、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報に基づいて、当該複数の商品提供者のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記競争力情報の比較に応じて、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者の前記配達エリアが重複しないように当該配達エリアを再設定する再設定手段と、前記再設定手段により再設定された配達エリアにより、前記記憶手段により記憶された前記配達エリアを更新する更新手段として機能させ、前記再設定手段は、前記競争力情報の比較に応じて前記配達エリアが縮小される場合、当該縮小される1の前記配達エリアに隣接する他の前記配達エリアに対応付けられた前記商品提供者のうち、当該1の前記配達エリアに対応付けられた前記商品提供者より前記競争力情報が示す競争力が低い前記商品提供者の前記他の前記配達エリアを縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに前記1の前記配達エリアを拡張することによりそれぞれの前記商品提供者の前記配達エリアを再設定することを特徴とする。請求項24に記載の発明は、コンピュータを、商品提供者が商品の配達注文を受け付けるエリアとして設定された配達エリアを複数の商品提供者毎に対応付けて記憶する記憶手段から、前記配達エリアの少なくとも一部が重複する複数の商品提供者を特定する提供者特定手段と、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者のそれぞれに対する商品の配達注文に関わる情報に基づいて、当該複数の商品提供者のそれぞれの相対的な競争力を示す競争力情報を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記競争力情報の比較に応じて、前記提供者特定手段により特定された複数の商品提供者の前記配達エリアが重複しないように当該配達エリアを再設定する再設定手段と、前記再設定手段により再設定された配達エリアにより、前記記憶手段により記憶された前記配達エリアを更新する更新手段と、前記複数の商品提供者の前記配達エリアが重複しないように再設定された後、当該複数の商品提供者のうち少なくとも何れか1の前記商品提供者の配達リソースが不足する状況にあることを検出する検出手段として機能させ、前記再設定手段は、前記検出手段により前記配達リソースが不足する状況にあることが検出された前記商品提供者の前記配達エリアを縮小し、且つ当該縮小される分のエリアに、当該配達エリアに隣接する他の前記配達エリアを拡張することによりそれぞれの前記商品提供者の前記配達エリアを再設定することを特徴とする。