JPWO2017195397A1 - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
空気調和装置に用いられる圧縮機において、銅メッキの生成を永続的かつ確実に抑制する。本発明の空気調和装置は、圧縮機を含む冷媒回路を備える。冷媒回路内に冷媒が封入されており、冷媒は、R32およびR1234yfの少なくともいずれかを含む。圧縮機内に潤滑油が封入されており、潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。
Description
本発明は、空気調和装置に関する。
従来から冷凍空調機に用いられる圧縮機の摺動部やその近傍に銅が薄膜状に析出する銅メッキ現象が見られ、潤滑不良や焼きつき、さらには圧縮機の故障に至ることが問題となっていた(例えば、非特許文献1:中尾英人ら、「冷媒圧縮機における銅の析出現象に及ぼす冷凍機油としゅう動材料の影響」、トライポロジスト、2005年、第50巻、第2号、p.187)。
この銅メッキ現象の発生メカニズムについて、例えば、特許文献1(特開昭58−181877号公報)には、銅および鉄系材料からなる冷凍圧縮機においては、(1)銅が潤滑油または潤滑油・冷媒混合液中に溶出し、(2)この溶出した銅が系内を循環する過程でイオン化傾向の差で鉄系材料の表面等に析出する旨が記載されている(1頁右欄2〜16行)。
そして、特許文献1には、この生成メカニズムに即した銅メッキ現象の対策として、上記(1)の銅の油および冷媒中への溶出防止と、溶出後の金属面の不活性化のために、冷媒中に金属不活性剤を添加し、上記(2)の銅イオンへの鉄系材料への析出防止のために、油中残存銅イオン量の系内循環量を減らすための手段として、媒体である水分を除去するための吸水剤を冷媒中に浸漬または接触することが開示されている(1頁17行〜2頁左上欄4行)。
また、特許文献2(特開平10−279982号公報)にも、冷凍機の潤滑油であるエステル油が加水分解もしくは熱分解により生成したカルボン酸が銅配管などを腐食し、圧縮機の摺動部に銅メッキが生成することが記載されている。また、エポキシ基含有化合物、酸化防止剤などを添加することで、銅メッキの生成が抑制される旨記載されている。
さらに、特許文献3(特開平5−106941号公報)によれば、銅イオンは電気的に卑な鉄等と反応し、その相手の金属から電子を奪ってイオン化せしめ、自身はその奪った電子を吸収して金属銅となる性質を有することが公知である。このように銅メッキはイオン化傾向差で生じることから、特許文献3では、亜鉛などの銅よりも卑なる金属を冷媒回路中に設置することで、銅メッキの生成を抑制可能である旨記載されている。なお、特許文献3では、摺動部は摺動により金属表面が活性となるため、摺動部に銅メッキが生成されやすいとの考察がなされている。
中尾英人ら、「冷媒圧縮機における銅の析出現象に及ぼす冷凍機油としゅう動材料の影響」、トライポロジスト、2005年、第50巻、第2号、p.187
上述の銅メッキの生成メカニズムでは、イオン化傾向が銅の方が鉄よりも小さいことに起因して鉄表面に銅が析出する。これからすれば、銅メッキは鉄表面であれば何処にでも生成するはずである。したがって、上記メカニズムでは、銅メッキの生成が摺動部およびその周辺に限定されるという事実を説明できない。
なお、特許文献3では、摺動部では、金属表面が活性化されるため、摺動部に銅メッキができやすいと考察しているが、摺動部の周囲では、むしろ摺動により汚染されやすく、摺動部の周囲でも銅メッキが生成されやすいことが説明できない。そして、実態に即していないメカニズムに基づく銅メッキの抑制方法の効果は、十分なものとはいえなかった。
また、ベンゾトリアゾールなどの銅表面の不活性剤は、潤滑油への溶解性が低く、銅不活性剤の析出によりスラッジ化するため、添加量には上限がある。また、銅と不活性剤の反応で生成した保護膜は、熱や摺動により劣化するため永続的ではない。そして、比較的早い時期に不活性剤が枯渇するため、永続的に銅メッキの生成を抑制することができなかった。すなわち、上述の金属不活性剤(特許文献1)、エポキシや酸化防止剤(特許文献2)、亜鉛(特許文献3)による銅メッキの生成抑制効果には限りがあり、永続的でないという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、空気調和装置に用いられる圧縮機において、銅メッキの生成を永続的かつ確実に抑制することを目的とする。
本発明の空気調和装置は、圧縮機を含む冷媒回路を備える。冷媒回路内に冷媒が封入されており、冷媒は、R32およびR1234yfの少なくともいずれかを含む。圧縮機内に潤滑油が封入されており、潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。
また、本発明の空気調和装置は、圧縮機を含む冷媒回路を備える。冷媒回路内に冷媒が封入されており、冷媒は、R32およびR1234yfの少なくともいずれかを含む。圧縮機内に潤滑油が封入されており、潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g未満である。冷媒回路内に水分捕捉材を有する。
本発明によれば、空気調和装置に用いられる圧縮機において、銅メッキの生成を永続的かつ確実に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表す。
本発明は、圧縮機の摺動部での温度上昇により冷媒が分解することで生じるアルデヒド類の酸化反応が、銅メッキ生成の原動力であることを新たに発見したことで、初めて成し得たものである。本実施形態の空気調和装置では、銅メッキ生成反応の原因であるアルデヒド類を無害化することで、銅メッキの生成を抑制することができる。
まず、本発明者らが、新たに解明した銅メッキの生成メカニズムについて、次のとおり説明する。このメカニズムにより、従来のメカニズムでは説明できなかった摺動部およびその周辺にのみ銅メッキが生成することを説明することができる。
まず、第一段階としては、潤滑油がエステル油であれば加水分解または熱劣化によって、潤滑油がそれ以外であれば酸化劣化によって、脂肪酸が生成する。また、冷媒の分解によって、フッ化水素酸(ふっ酸)が生成する。このような酸が配管などの銅を腐食して、銅イオンが発生し、当該銅イオンが潤滑油へ溶解する。なお、この銅イオンの生成メカニズムは、従来から公知である。
一方、摺動部のように極めて高温の部分では、冷媒が分解しカルベンが生成する。最も生成しやすいのはメチレンで、R32やR1234yfのようにCH2基を分子鎖の末端に有する冷媒は、式(1)および式(2)の分解反応により、容易にメチレンを生成する。
CH2F2→CH2+2F− ・・・(1)
CF3CFCH2→CF3CF−+CH2 ・・・(2)
メチレンは、冷凍回路内に酸素があれば、式(3)の反応によりホルムアルデヒドに容易に変化する。
CF3CFCH2→CF3CF−+CH2 ・・・(2)
メチレンは、冷凍回路内に酸素があれば、式(3)の反応によりホルムアルデヒドに容易に変化する。
2CH2+O2→2HCHO ・・・(3)
生成したホルムアルデヒドは、式(4)の反応により、水分の存在下でギ酸に酸化され電子を放出する。この式(4)の反応がアノード反応となる。
生成したホルムアルデヒドは、式(4)の反応により、水分の存在下でギ酸に酸化され電子を放出する。この式(4)の反応がアノード反応となる。
HCHO+H2O→HCOOH+2H++2e− ・・・(4)
アノード反応で放出された電子は、式(5)の反応により銅を還元し、これがカソード反応となる。
アノード反応で放出された電子は、式(5)の反応により銅を還元し、これがカソード反応となる。
Cu2++2e−→Cu(銅メッキ) ・・・(5)
上記のように、圧縮機における銅メッキは、イオン化傾向の大小で生じるのではなく、アルデヒドの脂肪酸への酸化反応を必須とする酸化還元反応で生じるのである。
上記のように、圧縮機における銅メッキは、イオン化傾向の大小で生じるのではなく、アルデヒドの脂肪酸への酸化反応を必須とする酸化還元反応で生じるのである。
冷媒として用いられるフロンは、化学的に安定であり、上記化学反応で式(1)と式(2)は極めて高温を必要とする。このため冷凍回路内では摩擦熱が発生する摺動部が唯一の反応場となる。この銅メッキの反応メカニズムによれば、式(1)および式(2)の反応が摺動部とその周辺に限定されるため、銅メッキが摺動部とその周辺に起こりやすいことを説明可能である。
上記の反応メカニズムから、銅メッキが生成しやすい冷凍空調機は、次のようなものである。
まず、式(1)と式(2)の反応は、摺動部温度が高いと起こるのであるから、摺動条件が過酷な場合に起こりやすい。摺動条件が過酷な場合の具体例としては、摩耗防止剤の添加量が少ない場合、冷媒圧力が高い場合などが挙げられる。
また、式(1)と式(2)の反応が起こることを前提として、式(3)の反応は酸素が多い条件下で起こりやすい。冷凍空調機が設置される場合、冷媒回路内の酸素は真空引きにより除去されるのが一般的である。しかし、経験から配管長が50m以上である場合は、極端に冷媒回路内の真空引きが困難になり、冷媒回路内に酸素が残留しやくなる。
よって、銅メッキが生成しやすい条件は、例えば、摺動条件が過酷であること、配管長が50m以上であること等である。特に、50m以上の配管に接続された圧縮機において、空気が冷媒回路内に残留しやすいため、本発明による銅メッキの抑制効果が有効である。
このような場合に銅メッキの生成を抑制する抑制方法としては、次の2通りがある。
第1の抑制方法としては、アノード反応を起こらないようにする方法がある。これは、式(4)によれば、水分を除去することで達成できる。水分を除去する方法としては、ゼオライト(例えば、モレキュラシーブ)等の水分捕捉材を用いることが望ましい。
第1の抑制方法としては、アノード反応を起こらないようにする方法がある。これは、式(4)によれば、水分を除去することで達成できる。水分を除去する方法としては、ゼオライト(例えば、モレキュラシーブ)等の水分捕捉材を用いることが望ましい。
第2の抑制方法としては、ホルムアルデヒドを化学反応により別の化合物とすることである。例えば、下記式(6)の反応により、アセタールとすることである。
HCHO+2ROH ⇔ H2C(OR)2+H2O ・・・(6)
ここで、ホルムアルデヒドとアセタールとは平衡関係にあるため、アセタールを安定化すれば、ホルムアルデヒドの量を減少させることができる。アセタールを安定化させる方法としては、次の2通りがある。
ここで、ホルムアルデヒドとアセタールとは平衡関係にあるため、アセタールを安定化すれば、ホルムアルデヒドの量を減少させることができる。アセタールを安定化させる方法としては、次の2通りがある。
第1の安定化方法は、潤滑油中にアルコールを過剰に存在させて、式(6)の平衡をアセタール側に偏らせることで、アセタールを安定化する方法である。
第2の安定化方法は、潤滑油中の水分を除去し、逆反応(アセタールがホルムアルデヒドに変換される反応)を抑制することで、アセタールを安定化する方法である。
いずれの安定化方法を用いた場合でも、ホルムアルデヒドがアセタールに変換されて安定化するため、式(4)の反応は起こらず、銅メッキの生成反応(式(5))が抑制される。
R32やR1234yfのような冷媒を用いた際に、ホルムアルデヒドが生成することで銅メッキが生成しやすい場合でも、水分捕捉材(ゼオライトなど)により水分を除去することで、銅メッキの生成を抑制することができる。
また、水分捕捉材(ゼオライト等)で水分が十分除去できない場合でも、アルコール類を添加することで銅メッキの生成を抑制することができる。
実施形態1.
本実施形態の空気調和装置は、圧縮機を含む冷媒回路を備える。以下、図面を参照して、圧縮機を含む冷媒回路を備える本実施形態の空気調和装置の一例について説明する。
本実施形態の空気調和装置は、圧縮機を含む冷媒回路を備える。以下、図面を参照して、圧縮機を含む冷媒回路を備える本実施形態の空気調和装置の一例について説明する。
(空気調和装置の構成)
図1は、本実施形態の空気調和装置の一例について、冷房運転時の冷媒回路を示す模式図である。図1に示されるように、本実施形態の空気調和装置は、室外機1および室内機2を備え、室外機1と室内機2とは液管8およびガス管9で接続される。
図1は、本実施形態の空気調和装置の一例について、冷房運転時の冷媒回路を示す模式図である。図1に示されるように、本実施形態の空気調和装置は、室外機1および室内機2を備え、室外機1と室内機2とは液管8およびガス管9で接続される。
室外機1は、冷媒を圧縮する圧縮機3と、冷媒流路を切り替える四方弁4と、室外熱交換機5と、室外送風機5aと、冷媒流量を制御する膨張弁6を含んでいる。
室内機2は、室内熱交換機7と、室内送風機7aとを含んでいる。圧縮機3は摺動部を有しており、摺動部が浸漬されるように潤滑油が圧縮機3内に封入されている。
冷媒回路(圧縮機等を含む冷媒の流路)内には、冷媒が封入されている。冷媒は、ジフルオロメタン(フッ化メチレン、フロン32、HFC−32、R32などとも呼ばれる。以下、「R32」と呼ぶ。)、および、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、R−1234yf、R1234yfなどとも呼ばれる。以下、「R1234yf」と呼ぶ。)の少なくともいずれかを含む。
なお、冷房運転時には、圧縮機3、四方弁4、室外熱交換機5、膨張弁6、液管8、室内熱交換機7、ガス管9および圧縮機3がこの順序で環状に接続される。一方、暖房運転時には、四方弁4を切り替えて、圧縮機3、四方弁4、ガス管9、室内熱交換機7、液管8、膨張弁6、室外熱交換機5および圧縮機3がこの順序で環状に接続される。
液管8とガス管9は、工場出荷時は別部品として出荷され、現地で室外機1と室内機2に接続される。
液管とガス管は現地で据え付けられた後で真空引きを行い、液管とガス管内部の空気と水分の除去が行われる。真空引きは真空ポンプで行われる。真空ポンプの能力により到達真空度は異なるが、−0.1MPa程度に真空引きされるのが一般的である。ただし、この程度の真空度でも、配管長(室外熱交換機5と室内熱交換機7とを接続する液管8およびガス管9の合計の長さ)が長い場合(例えば配管長が50m以上である場合)は、空気が冷媒回路内に存在し易くなる。なお、真空引きが十分ではない場合は、さらに多くの空気が冷媒回路内に存在する可能性がある。
(潤滑油)
本実施形態において、圧縮機3内に封入される潤滑油は、水酸基価(ヒドロキシル価)が0.5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。
本実施形態において、圧縮機3内に封入される潤滑油は、水酸基価(ヒドロキシル価)が0.5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。
なお、水酸基価は、試料1gをアセチル化するときに、水酸基(ヒドロキシ基)と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)の質量(mg)である。水酸基価は、公知の方法(例えば、JIS K 0070(1992年)に規定される方法)で定量することができる。
銅メッキの生成を抑制するためには上記式(6)の反応により、冷媒の劣化物であるホルムアルデヒドを水酸基と反応せしめて無害化する必要がある。このため、潤滑油に含まれる水酸基の量の指標として、水酸基価を規定した。
水酸基価が0.5mgKOH/g未満である潤滑油を用いた場合、圧縮機の摺動部およびその周囲に銅メッキが生成してしまう。これに対して、水酸基価が0.5mgKOH/g以上である潤滑油を用いた場合、銅メッキの生成を抑制することができる。
なお、銅メッキの生成抑制に関しては、潤滑油の水酸基価の上限は特に限定されないが、水酸基価が50mgKOH/g以下であること望ましい。水酸基価が50mgKOH/gより大きいと、潤滑油の吸湿性が大きくなり、潤滑油の保存安定性が損なわれ、アイススタック等の冷媒回路への悪影響がある。
潤滑油は、上記の水酸基価を有するものであれば特に限定されない。式(1)〜式(6)に示した銅メッキの生成メカニズムは、潤滑油の種類によらず成立するため、潤滑油の種類によらず本実施形態の空気調和装置により銅メッキを抑制することが可能だからである。
潤滑油は、例えば、非相溶油および相溶油のいずれであってもよい。非相溶油としては、例えば、アルキルベンゼン油、鉱油、ポリアルファオレフィン油などを用いることができる。相溶油としては、例えば、エステル油(エステル系合成潤滑油)、ポリビニルエーテル油、ポリアルキレングリコール油などを用いることができる。
水酸基は、潤滑油に含まれるどのような化合物の水酸基であってもよい。例えば、エステル油やエーテル油のベースオイルに含まれる水酸基でもよく、アルコール類(アルコール、フェノール類など)の水酸基であってもよい。
潤滑油のベースオイルに含まれている水酸基もホルムアルデヒドをアセタールに変換し得る。このため、潤滑油のベースオイルの水酸基価も0.5mgKOH/g以上であることが好ましい。
本明細書において、「アルコール類」は、「水酸基(−OH)を含む全ての物質」である。すなわち、「アルコール類」には、「アルコール」(炭化水素の水素原子を水酸基で置き換えた物質)だけでなく、例えば、フェノール類(芳香環の水素原子を水酸基で置き換えた物質)なども含まれる。
アルコールとしては、特に限定されず、1価アルコール、2価アルコール(ジオール)および多価アルコール(ポリオール)のいずれを用いてもよい。1価アルコールとしては、例えば、オレイルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。2価アルコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。ポリオールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、グリセリンなどが挙げられる。
なお、アルコール類は、潤滑油中に積極的に添加する必要はない。アルコール類は、エステル油やエーテル油が摺動部で熱分解することで生成する場合があり、また、エステル油やエーテル油の不純物としてアルコール類が含まれている場合もあるからである。
エステル油、エーテル油などは、飽和水分量が大きい。このような飽和水分量が大きい潤滑油に対しては、潤滑油中にエポキシ(エポキシ基を有する化合物)を添加し、冷媒回路内でのエポキシと冷媒回路内に混入した水との反応により、アルコール(一般的にはジオールとなる)が生成するようにしてもよい。このように、空気調和装置の運転後に潤滑油の水酸基価が上記範囲内となる場合も、本実施形態に含まれる。
ただし、水分量が多い条件等の過酷な条件でも、確実にアセタールを安定化させて銅メッキの生成反応を抑制するためには、潤滑油中にアルコール類を積極的に添加することが好ましい。アルコール類の添加は、例えば、圧縮機に充填される前の潤滑油に対して実施される。
したがって、潤滑油を圧縮機に充填する時点で、潤滑油の水酸基価が上記範囲内であることが好ましい。この場合、より確実に銅メッキの生成を抑制することができる。
なお、このような潤滑油の水酸基価と銅メッキ生成との関係は、本発明者らによって明らかにされたものであり、このような関係はこれまで知られていない。
また、本実施形態の空気調和機は、例えば、公知の銅メッキ抑制方法(ベンゾトリアゾールなどの銅不活性剤の添加)で銅メッキの生成抑制を行い、銅不活性剤が枯渇した後も永続的に銅メッキの生成を抑制したい場合にも好適である。
図2は、実施形態1の空気調和装置の一例に用いられるロータリー圧縮機の縦断面図である。図3は、図2に示されるロータリー圧縮機のA−A断面における断面図である。このロータリー圧縮機は公知のものであるため、銅メッキの生成に関する部分だけを簡単に説明する。
銅メッキは、圧縮要素30の内部で生成する。圧縮要素30は電動要素31で駆動される。密閉容器25の底部に、圧縮要素30の各摺動部を潤滑する潤滑油26が貯留されている。
内部に圧縮室が形成されるシリンダー24は、外周が平面視略円形で、内部に平面視略円形の空間であるシリンダー室24bを備える。シリンダー室24bは、軸方向両端が開口している。シリンダー24は、シリンダー室24bに連通している。また、半径方向に延びるベーン溝24aが、シリンダー24の軸方向に貫通して設けられている。
また、ベーン溝24aの外側に平面視略円形の空間である背圧室24cが設けられる。シリンダー24には、冷凍サイクルからの吸入ガスが通る吸入ポート(図示せず)が、シリンダー24の外周面からシリンダー室24bに貫通している。シリンダー24の材質は、ねずみ鋳鉄、焼結、炭素鋼等である。
ローリングピストン11が、シリンダー室24b内を偏心回転する。ローリングピストン11はリング状で、ローリングピストン11の内周がクランク軸15の偏心部15aに摺動自在に嵌合する。ローリングピストン11の材質は、クロム等を含有した合金である。
ベーン12がシリンダー24のベーン溝24a内に収納され、運転時は密閉容器25内が高圧であるから、ベーン12の背面(背圧室24c側)に密閉容器25内の圧力とシリンダー室24bの圧力との差圧による力が作用する。このため、ベーン12はローリングピストン11に押しつけられる。
次に、圧縮機の一般的な動作について説明する。電力が供給されると電動要素31の作用により副軸受10と主軸受13に支持されたクランク軸15が回転する。それに伴いローリングピストン11はシリンダー24のシリンダー室24b内で偏心回転する。シリンダー24のシリンダー室24b内とローリングピストン11との間の空間は、ベーン12によって2分割されている。クランク軸15の回転に伴い、それら二つの空間の容積が変化し、一方側が徐々に容積が広がることにより吸入マフラ22から冷媒を吸入し、他方側は容積が徐々に縮小することにより中の冷媒ガスが圧縮される。圧縮された冷媒ガスは吐出マフラ14から密閉容器25に吐出され、さらに電動要素31を通過して密閉容器25の上面にある吐出管21から密閉容器25から外へ排出される。
圧縮機は以上のように動作するため、圧縮機が運転された場合、複数の部品が互いに摺動する摺動部は以下に示すように複数ある。
(i)ローリングピストンの外周と、ベーン12の先端12aとの摺動部
(ii)シリンダー24のベーン溝24aと、ベーン12の側面12bとの摺動部
(iii)ローリングピストン11の内周11bと、クランク軸の偏心部15aとの摺動部
(iv)主軸受13の内周と、クランク軸15との摺動部
(v)副軸受10の内周と、クランク軸15との摺動部
これらの摺動部とその周辺が、銅メッキの生成し易い箇所である。
(i)ローリングピストンの外周と、ベーン12の先端12aとの摺動部
(ii)シリンダー24のベーン溝24aと、ベーン12の側面12bとの摺動部
(iii)ローリングピストン11の内周11bと、クランク軸の偏心部15aとの摺動部
(iv)主軸受13の内周と、クランク軸15との摺動部
(v)副軸受10の内周と、クランク軸15との摺動部
これらの摺動部とその周辺が、銅メッキの生成し易い箇所である。
実施形態2.
本実施形態の空気調和装置は、潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g未満であり、冷媒回路内に水分捕捉材を有する点で、実施形態1とは異なる。それ以外の点は、基本的に実施形態1と同じであるため、重複する説明は省略する。
本実施形態の空気調和装置は、潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g未満であり、冷媒回路内に水分捕捉材を有する点で、実施形態1とは異なる。それ以外の点は、基本的に実施形態1と同じであるため、重複する説明は省略する。
水分捕捉材は、水分を捕捉できる部材であれば特に限定されず、市販品などを冷凍能力や冷媒に応じて選択すればよい。水分捕捉材を冷媒回路内に配置することで、水酸基価が0.5mgKOH/g未満の潤滑油を用いる場合でも、水分を水分補足材で積極的に排除することでアセタールの生成が促進されるため、銅メッキの生成を抑制することができる。
水分捕捉材としては、ゼオライトを用いることが好ましい。ゼオライトは水分の吸着特性に優れており、冷凍機油や冷媒等の化学的安定性に影響しないからである。なお、ゼオライトとしては、モーレキュラーシーブなどが挙げられる。
冷媒回路内に含まれる水分捕捉材の量は、ホルムアルデヒドがギ酸になる酸化反応(式(4)で示される反応)を抑制し、アセタールを安定化して、アセタールがホルムアルデヒドに変換される反応(式(6)で示される反応の逆反応)を抑制するために必要な量以上であることが好ましい。
そのような水分捕捉材の量は、冷凍機油の種類、冷媒の量、配管の清浄さ等に応じて、適宜調整される。例えば、冷媒回路内または冷凍機油中に含まれる水分の全量を捕捉することが可能な量が、冷媒回路内に含まれる水分捕捉材の量の1つの目安となる。
例えば、ゼオライトの水分吸着量は、ゼオライトの重量の約20%である。この値から、ゼオライトの必要量の下限を見積もることが出来る。すなわち、水分含有率が5000ppmの冷凍機油を1kg用いる場合、冷凍機油中に含まれる水分を捕捉(吸着)するために必要なゼオライトの量は、約25gであると見積もられる。空気調和装置の据え付け工事が現地で行われる場合など、外部から冷凍回路内への水分の混入が予想される場合は、この計算値よりもゼオライトを増量してもよい。なお、ゼオライトの種類(特性の違い)により水分吸着量が異なる場合でも、上記と同様にゼオライトの必要量を計算により求めることが出来る。
なお、冷媒回路内に含まれる水分捕捉材の量が増えると、水分捕捉材により添加剤が吸着され冷凍機油の性能が落ちる可能性があること、およびコストの上昇を招くことから、水分捕捉材の量は、冷媒回路内の水分量に応じて必要最小限の量であることが望ましい。
水分捕捉材は、冷媒回路(冷凍サイクル装置)内の低圧側に設けることが好ましい。低圧部では、低温であるため水分が吸着されやすいからである。具体的には、例えば、図1中の膨張弁6の前後に取り付けることが好ましい。この場合、冷房・暖房時ともに対応可能だからである。
なお、上述の実施形態1においても、冷媒回路内に水分捕捉材を配置してもよい。これにより、より確実に銅メッキの生成を抑制することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、実際の冷媒回路を用いずに、摺動部があり、銅メッキの生成条件を整えることができる試験装置を用いて、簡易的な銅メッキの生成試験を行った。
本実施例では、実際の冷媒回路を用いずに、摺動部があり、銅メッキの生成条件を整えることができる試験装置を用いて、簡易的な銅メッキの生成試験を行った。
具体的には、ファレックス型摩耗試験(例えば、ASTM D 2670で規定された方法)で用いられるようなピンとVブロックで構成された摺動部を圧力容器内に設置し、圧力容器内に摺動部が浸漬するように潤滑油と冷媒を封入した。このピンをモーターで回転させることで、簡易的な銅メッキ生成試験を行った。なお、この試験では、銅メッキは、ピンとVブロックとの接触部(摺動部)に生成する。
本試験で用いたピンとVブロックは、それぞれMoNiCr鋳鉄と高速度鋼SKH51で作製した。
潤滑油の原料としては、市販の水酸基価が0.1mgKOH/g以下のエステル油と、下記のように合成した水酸基価が5mgKOH/gのエステル油を用いた。これら2種類のエステル油を適当な比率で混合することで、水酸基価が0.5mgKOH/gのエステル油(潤滑油A)と、水酸基価が0.2mgKOH/gのエステル油(潤滑油B)とを調製した。
なお、水酸基価が5mgKOHの潤滑油は、アルコールに対するカルボン酸当量を減らすことで合成できる(例えば、特開平6−293893号公報の実施例4)。
また、さらにカルボン酸当量を減らして作成した水酸基価が5mgKOH/g以上のエステル油を作成し、そのようにして作成したエステル油をシリカゲルを充てんした公知のカラムクロマトグラフ法で処理し、適当な流分を分画することでも所望の水酸基価のエステル油を調整することが出来る。これらの2種類(0.1mgKOH/gのエステル油と5mgKOH/gのエステル油)のエステル油を適宜混合することで、0.1mgKOH/g以上5mgKOH/g以下の水酸基価を有するエステル油を調製できる。
次に、圧力容器内に、上記潤滑油(潤滑油Aまたは潤滑油B)と、冷媒(市販のR32を用いた。)とを封入した。
また、銅メッキの生成には、式(3)の反応(ホルムアルデヒド生成反応)に用いられる空気(酸素)の存在が必須であるため、圧力容器内にさらに空気を混入させて実験を行った。
6HPクラスの圧縮機に封入される標準的な潤滑油量と、50mの配管(液管:内径3/8インチ。ガス管:内径3/4インチ。液管とガス管の長さは同じであり合計の長さは50mである。)が−0.1MPaまで真空引きされた場合に残留する標準的な空気量とから、冷媒回路中に含まれる標準的な潤滑油量および空気量の体積比率を求めた。その標準的な体積比率と同じ比率で、真空引きした圧力容器内に潤滑油および空気を封入し、その後、冷媒を封入した。
上記比率で、潤滑油、冷媒および空気を、上記摺動部(ファレックス型摺動部)を配した圧力容器内に封入し、銅イオンの供給源として、30mm×100mm×2mmの銅板を摺動部の近傍に設置した。圧力容器内を150℃に保った状態で、72時間モーターを駆動させた。その後、圧力容器内からピンとVブロックを取り出して、それら摺動部における銅メッキの生成状況を確認した。なお、試験装置の回転速度(V)と面圧(P)は、P×Vが実際の圧縮機の標準値と同等になるように調整した。また、潤滑油の水分量は、飽和水分量である。
本実施例(簡易的な銅メッキの生成試験)の結果を表1に示す。表中「あり」は銅メッキの生成が有ったことを示し、「なし」は銅メッキの生成が無かったことを示す。なお、銅メッキの生成の有無は、ピンとVブロックの摺動部の表面を目視で観察することにより判定した。また、参考例として、圧力容器内に空気を混入させない場合についても試験を行った。
表1に示されるように、水酸基価が0.2mgKOH/gの潤滑油Aでは銅メッキが生成したが、水酸基価が0.5mgKOH/gの潤滑油Bでは生成しなかった。したがって、潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g以上である場合は、銅メッキの生成が抑制されることが分かる。
また、潤滑油Aおよび潤滑油Bのいずれについても、空気(酸素)が存在しない場合は、銅メッキが生成しなかった。
なお、潤滑油の安定性の評価項目として、スラッジ量の測定を実施した。スラッジは、摺動部に付着するものと、冷凍機油中に分散して存在するものとがある。前者はスラッジが分散した冷凍機油を溶剤で希釈をした後に濾過をすることによって、後者は摺動部を溶剤で洗浄し洗浄液を濾過することによって、それぞれスラッジをフィルター上に回収した。スラッジの回収前後のフィルター重量を測定することで、回収前後のフィルター重量の差からスラッジ量を求めた。その結果、潤滑油Aおよび潤滑油Bのいずれの場合もスラッジは生成したが、その生成量は問題となるものではなかった。
(実施例2)
実際の圧縮機および冷媒回路を用いて、水分捕捉材を冷媒回路内に配置した場合における銅メッキの生成試験を行った。
実際の圧縮機および冷媒回路を用いて、水分捕捉材を冷媒回路内に配置した場合における銅メッキの生成試験を行った。
具体的には、6HPのロータリー圧縮機と図1に示すような冷媒回路を用いて、水分捕捉材を冷媒回路内の膨張弁6と室外熱交換機5との間に配置して、銅メッキの生成試験を行った。
冷媒回路を構成するガス管(内径:3/4インチ)および液管(内径:3/8インチ)の長さは、共に5mであった。
冷媒は、実施例1と同じ冷媒を使用し、液バックが起こらない程度まで冷媒量を減じて実験を行った。冷媒回路内の空気の混入量は、実施例1と同じ手順で圧縮機内の油量に対応して求めた。
潤滑油としては、水酸基価が0.1mgKOH/g以下のエステル油(潤滑油C)を用いた。潤滑油Cへの水分の混入量は、飽和水分量とした。
試験は、冷媒回路の膨張弁6と室外熱交換機5との間に、水分捕捉材(モレキュラシーブ)を封入した圧力容器を接続した場合(モレキュラシーブ「あり」)と、接続しない場合(モレキュラシーブ「なし」)と、について行った。モレキュラシーブを封入した圧力容器は、冷媒回路内の膨張弁6の出口側(室外熱交換機5側)に接続した。また、参考例として空気の混入がない場合についても、同様の試験を行った。
試験(ロータリー圧縮機の運転)は、連続して1000時間行った。試験終了後に圧縮機を解体し、上記の摺動部((i)ローリングピストンの外周と、ベーン12の先端12aとの摺動部、(ii)シリンダー24のベーン溝24aと、ベーン12の側面12bとの摺動部、(iii)ローリングピストン11の内周11bと、クランク軸の偏心部15aとの摺動部、(iv)主軸受13の内周と、クランク軸15との摺動部、および、(v)副軸受10の内周と、クランク軸15との摺動部の全て)について銅メッキの有無を目視で調べた。結果を表2に示す。なお、表中の「銅メッキ生成」の項の表記は、表1と同じ意味である。
表2に示されるように、モレキュラシーブ「なし」の場合は銅メッキが生成したのに対して、モレキュラシーブ「あり」の場合は銅メッキが生成していなかった。このことから、潤滑油の水酸基価が0.1mgKOH/g以下である場合でも、水分捕捉材(モレキュラシーブ)を冷媒回路内に配置することで、銅メッキの生成が抑制されることが分かる。
なお、表2には示していないが、空気(酸素)が存在しない場合は、銅メッキが生成しなかった。
(実施例3)
潤滑油として、アルコール(オレイルアルコール)を添加したアルキルベンゼン油(潤滑油D1〜D4)を用いた。それ以外は、実施例1と同様の簡易的な銅メッキの生成試験を行った。
潤滑油として、アルコール(オレイルアルコール)を添加したアルキルベンゼン油(潤滑油D1〜D4)を用いた。それ以外は、実施例1と同様の簡易的な銅メッキの生成試験を行った。
4種類の試験油(潤滑油D1〜D4)は、アルキルベンゼン油に、オレイルアルコールを水酸基価が各々0.1、0.5、1.0および2.0mgKOH/gとなるように添加して、調製した。
試験結果を表3に示す。表中の「銅メッキ生成」の項は、表1と同様の意味である。なお、本実施例では、全て圧力容器内に空気を混入させて試験を行なった。
表3に示されるように、水酸基価が0.1mgKOH/gの潤滑油D1では銅メッキが生成したが、水酸基価が0.5以上の潤滑油D2、潤滑油D3および潤滑油D4では銅メッキが生成しなかった。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 室外機、2 室内機、3 圧縮機、4 四方弁、5 室外熱交換機、5a 室外送風機、6 膨張弁、7 室内熱交換機、7a 室内送風機、8 液管、9 ガス管、10 副軸受、11 ローリングピストン、12 ベーン、12a ベーン先端、12b ベーン側面、13 主軸受、14 吐出マフラ、15 クランク軸、15a 偏心部、16 固定子、17 回転子、18 巻き線、19 リード線、20 端子、21 吐出管、22 吸入マフラ、23 吸入管、24 シリンダー、24a ベーン溝、24b シリンダー室、24c 背圧室、25 密閉容器、26 潤滑油、30 圧縮要素、31 電動要素。
Claims (5)
- 圧縮機を含む冷媒回路を備え、
前記冷媒回路内に冷媒が封入されており、
前記冷媒は、R32およびR1234yfの少なくともいずれかを含み、
前記圧縮機内に潤滑油が封入されており、
前記潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である、空気調和装置。 - 圧縮機を含む冷媒回路を備え、
前記冷媒回路内に冷媒が封入されており、
前記冷媒は、R32およびR1234yfの少なくともいずれかを含み、
前記圧縮機内に潤滑油が封入されており、
前記潤滑油の水酸基価が0.5mgKOH/g未満であり、
前記冷媒回路内に水分捕捉材を有する、空気調和装置。 - 前記冷媒回路内に含まれる前記水分捕捉材の量は、ホルムアルデヒドがギ酸になる酸化反応を抑制し、アセタールがホルムアルデヒドに変換される反応を抑制するために必要な量以上である、請求項2に記載の空気調和装置。
- 前記水分捕捉材がゼオライトである、請求項2または3に記載の空気調和装置。
- 冷媒回路を構成する液管およびガス管の長さの合計が50m以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和装置。
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