JPWO2017179623A1 - 減速機 - Google Patents

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    • F16H13/10Means for influencing the pressure between the members

Abstract

この減速機(1A)は、第1減速機構(20A)と第2減速機構(30A)とを有する。第1減速機構(20A)は、太陽ローラ(21A,22A)と支持部(62A)と遊星転動体(23A)とを有する。第2減速機構(30A)は、固定歯車(32A)と回転歯車(31A)とを有する。固定歯車(32A)と回転歯車(31A)とは、遊星転動体(23A)から受ける押圧によって、部分的に噛み合う。これにより、第1減速機構(20A)と第2減速機構(30A)との間の動力伝達部の部材数を低減できる。したがって、2段階の減速を行い、かつ小型の減速機(1A)を実現できる。また、太陽ローラ(21A,22A)と支持部(62A)とに遊星転動体(23A)が接触することで、遊星転動体(23A)の位置が安定する。したがって、歯車部材同士が強く当たり過ぎることが生じにくい。

Description

本発明は、減速機に関する。
人との協調ロボットや小型作業ロボットにおいては、アームの先端部分で細かい作業を行うため、小型の減速機が求められている。従来の減速機については、例えば、特開昭60−98247号公報に記載されている。
特開昭60−98247号公報の遊星ローラ減速装置は、太陽ローラと、複数個の遊星ローラと、可撓スプラインと、円形スプラインとを有する(当該公報の特許請求の範囲参照)。太陽ローラは、駆動軸に連結される。複数個の遊星ローラは、太陽ローラの周囲に配置される。可撓スプラインは、遊星ローラの外周に張架され、外周部に多数の噛合歯を有する。円形スプラインは、可撓スプラインの噛合歯と噛合可能な複数の噛合歯を有する。
特開昭60−98247号公報
特開昭60−98247号公報の構造では、遊星ローラが可撓スプラインを圧迫する位置で、可撓スプラインの外径側の噛合歯と、円形スプラインの内径側の噛合歯とが、噛合する(当該公報の第2頁右上欄第14〜17行参照)。しかしながら、歯車部材である可撓スプラインの噛合歯と、歯車部材である円形スプラインの噛合歯とが強く当たり過ぎると、これらのスプラインを滑らかに動かすことが困難となる。また、噛合歯同士の接触によって、噛合歯に摩耗が生じる場合もある。
歯車部材である可撓スプラインと、歯車部材である円形スプラインとが強く当たり過ぎることを防止するためには、例えば、遊星ローラと可撓スプラインとの間に、衝撃を防止しながら動力を伝達する機構を追加することが考えられる。しかしながら、遊星ローラと可撓スプラインとの間に複雑な機構を追加すると、減速機の小型化が困難となる。
本発明の目的は、2段階の減速を行うことができ、小型化が容易であり、かつ、歯車部材同士が強く当たり過ぎることが生じにくい減速機を提供することである。
本願の例示的な第1発明は、減速機であって、入力回転数の回転運動を前記入力回転数よりも低い中間回転数の回転運動に変換する第1減速機構と、前記中間回転数の回転運動を前記中間回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する第2減速機構と、を備え、前記第1減速機構は、中心軸を中心として前記入力回転数で回転する太陽ローラと、前記太陽ローラよりも径方向外側に配置された円環状の支持部と、前記太陽ローラの外周面と前記支持部の内周面とに接触し、前記太陽ローラの回転に伴い自転しながら前記中心軸の周りを前記中間回転数で公転する遊星転動体と、を有し、前記第2減速機構は、前記中心軸を中心として円環状に配列された複数の歯をもつ固定歯車と、前記固定歯車の歯に対向する複数の歯をもつ回転歯車と、を有し、前記固定歯車の歯数と前記回転歯車の歯数とが相違し、前記遊星転動体から受ける押圧によって、前記固定歯車と前記回転歯車とが部分的に噛み合い、前記遊星転動体の前記公転に伴い、前記固定歯車と前記回転歯車との噛み合う位置が、前記中心軸を中心として、前記中間回転数で周方向に変化し、前記固定歯車と前記回転歯車との歯数の差によって、前記固定歯車に対して前記回転歯車が、前記出力回転数で回転する。
本願の例示的な第1発明によれば、第1減速機構の遊星転動体を利用して、第2減速機構の固定歯車と回転歯車とを部分的に噛み合わせる。これにより、第1減速機構と第2減速機構との間の動力伝達部の部材数を低減できる。したがって、2段階の減速を行い、かつ小型の減速機を実現できる。また、太陽ローラと支持部とに遊星転動体が接触することで、遊星転動体の位置が安定する。したがって、歯車部材同士が強く当たり過ぎることが生じにくい。
図1は、第1実施形態に係る減速機の縦断面図である。 図2は、第1実施形態に係る減速機の横断面図である。 図3は、第1実施形態に係る減速機の部分縦断面図である。 図4は、第1実施形態に係る外歯および内歯の横断面図である。 図5は、第2実施形態に係る減速機の縦断面図である。 図6は、第2実施形態に係る減速機の横断面図である。 図7は、変形例に係る減速機の縦断面図である。 図8は、変形例に係る減速機の縦断面図である。 図9は、変形例に係る減速機の縦断面図である。 図10は、変形例に係る減速機の横断面図である。 図11は、第3実施形態に係る減速機の縦断面図である。 図12は、第3実施形態に係る減速機の横断面図である。 図13は、第3実施形態に係るクラウン歯の平面図である。 図14は、第3実施形態に係る固定歯車の平面図である。 図15は、第4実施形態に係る減速機の縦断面図である。 図16は、第4実施形態に係る減速機の横断面図である。 図17は、変形例に係る電動機付き減速機の縦断面図である。 図18は、変形例に係る揺動外歯歯車および出力軸を含む部材の縦断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、太陽ローラの中心軸と平行な方向を「軸方向」、中心軸に直交する方向を「径方向」、中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。ただし、上記の「平行な方向」は、略平行な方向も含む。また、上記の「直交する方向」は、略直交する方向も含む。また、以下では、軸方向の一方側である出力軸側を「出力側」、軸方向の他方側である入力軸側を「入力側」、とそれぞれ称する。
<1.第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る減速機1Aの縦断面図である。図2は、図1中のX−X位置における減速機1Aの横断面図である。図1は、図2中のV−V位置における縦断面を示している。この減速機1Aは、外部のモータから得られる回転運動を、入力回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する機構である。減速機1Aは、例えば、人との協調ロボットや小型作業ロボットにおけるアームの関節部分に組み込まれる。ただし、本発明の減速機は、アシストスーツ、車椅子、無人搬送車などの他の機器に使用されてもよい。
図1に示すように、本実施形態の減速機1Aは、入力軸10A、遊星機構20A、波動歯車機構30A、ケーシング40A、出力軸50A、蓋部60A、および弾性部材70Aを有する。
入力軸10Aは、中心軸9Aに沿って延びる円柱状の部材である。入力軸10Aは、蓋部60Aに対して回転可能に支持される。入力軸10Aの入力側の端部は、直接または他の動力伝達機構を介して、外部のモータに接続される。モータを駆動させると、入力軸10Aは、中心軸9Aを中心として、入力回転数で回転する。入力軸10Aの出力側の端部は、ケーシング40Aの内部に位置する。なお、入力軸10Aの出力側の端部は、出力軸50Aと、ベアリングを介して接続されていてもよい。
遊星機構20Aは、入力回転数の回転運動を、入力回転数よりも低い中間回転数の回転運動に変換する機構(第1減速機構)である。本実施形態の遊星機構20Aは、固定太陽ローラ21A、可動太陽ローラ22A、複数の遊星転動体23A、およびキャリア24Aを有する。
固定太陽ローラ21Aは、中心軸9Aと同軸に配置された円環状の部材である。固定太陽ローラ21Aは、ケーシング40Aの内部において入力軸10Aに固定される。本実施形態では、遊星転動体23Aの中心よりも出力側に、固定太陽ローラ21Aが配置される。また、固定太陽ローラ21Aは、複数の遊星転動体23Aに接触する第1接触面211Aを有する。第1接触面211Aは、固定太陽ローラ21Aの外周面の一部である。また、第1接触面211Aは、中心軸9Aに対して傾斜した傾斜面である。入力軸10Aが回転すると、入力軸10Aとともに、固定太陽ローラ21Aも、中心軸9Aを中心として、入力回転数で回転する。なお、入力軸10Aに対する固定太陽ローラ21Aの軸方向の位置は、変化しない。
可動太陽ローラ22Aは、中心軸9Aと同軸に配置された円環状の部材である。可動太陽ローラ22Aは、ケーシング40Aの内部かつ固定太陽ローラ21Aよりも入力側の位置において、入力軸10Aに支持される。本実施形態では、遊星転動体23Aの中心よりも入力側に、可動太陽ローラ22Aが配置される。また、可動太陽ローラ22Aは、複数の遊星転動体23Aに接触する第3接触面221Aを有する。第3接触面221Aは、可動太陽ローラ22Aの外周面の一部である。また、第3接触面221Aは、中心軸9Aに対して傾斜した傾斜面である。図1に示すように、入力軸10Aは、キー溝12Aと、キー溝12Aに嵌まるキー13Aとを有する。可動太陽ローラ22Aは、内周部に、軸方向に延び、キー13Aが嵌まるキー溝222Aを有する。入力軸10Aが回転すると、入力軸10Aとともに、キー13Aおよび可動太陽ローラ22Aも、中心軸9Aを中心として、入力回転数で回転する。また、可動太陽ローラ22Aのキー溝222Aは、キー13Aに沿って、軸方向にスライド移動可能である。したがって、可動太陽ローラ22Aは、入力軸10Aに対して、軸方向にスライド移動可能である。入力軸10Aと可動太陽ローラ22Aとの係合には、キーの代わりにスプラインまたはセレーションを使用してもよい。
複数の遊星転動体23Aは、入力軸10Aの周囲に配置され、固定太陽ローラ21Aおよび可動太陽ローラ22Aの回転に応じて転動する部材である。本実施形態の遊星転動体23Aは、球体である。また、遊星転動体23Aの中心は、軸方向において、固定太陽ローラ21Aと可動太陽ローラ22Aとの間に位置する。図2に示すように、本実施形態では、入力軸10Aの周囲に、2つの遊星転動体23Aが等間隔で配置されている。各遊星転動体23Aは、固定太陽ローラ21Aの上述した第1接触面211Aに接触する一方側接触面を有する。一方側接触面は、径方向内側かつ出力側に面する。また、各遊星転動体23Aは、後述するインタナルリング62Aの第2接触面621Aに接触する他方側接触面を有する。他方側接触面は、径方向外側かつ入力側に面する。
キャリア24Aは、複数の遊星転動体23Aを保持する部材である。キャリア24Aは、中心軸9Aの周囲において、軸方向に円筒状に延びる。キャリア24Aは、中心軸9Aを中心として、入力軸10Aとは異なる回転数で、回転可能である。また、キャリア24Aは、径方向に貫通する複数の円孔241Aを有する。複数の遊星転動体23Aは、それぞれ、キャリア24Aの円孔241Aに収容される。これにより、複数の遊星転動体23Aが、相互に周方向に離れた状態に維持されながら、中心軸9Aの周囲において、公転可能かつ自転可能に支持される。
波動歯車機構30Aは、中間回転数の回転運動を前記中間回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する機構(第2減速機構)である。本実施形態の波動歯車機構30Aは、可撓外歯歯車31A(回転歯車)と、固定内歯歯車32A(固定歯車)とを有する。
可撓外歯歯車31Aは、円板部311Aと筒状部312Aとを有する、環状の部位である。円板部311Aは、複数の遊星転動体23Aよりも出力側において、中心軸9Aに対して略垂直に拡がる。筒状部312Aは、円板部311Aの外周部から入力側へ向けて、筒状に延びる。円板部311Aおよび筒状部312Aのうち、少なくとも筒状部312Aは、可撓性を有する。筒状部312Aは、キャリア24Aおよび複数の遊星転動体23Aの径方向外側に位置する。筒状部312Aの外周面には、複数の外歯313Aが、一定のピッチで設けられている。複数の外歯313Aは、後述する複数の内歯321Aと対向する。筒状部312Aの内周面の一部分は、複数の遊星転動体23Aに接触する。これにより、図2のように、筒状部312Aの形状は、軸方向に見て非真円となる。本実施形態では、遊星転動体23Aの数が2つであるため、筒状部312Aの形状は、軸方向に見て略楕円形となる。
なお、本実施形態では、筒状部312Aが、複数の外歯313Aと出力軸50Aとを繋ぐ可撓性の腕部となる。
固定内歯歯車32Aは、可撓外歯歯車31Aの筒状部312Aの周囲を取り囲む円環状の部位である。固定内歯歯車32Aは、中心軸9Aと同軸に配置される。固定内歯歯車32Aの内周面には、複数の内歯321Aが、一定のピッチで設けられている。可撓外歯歯車31Aの筒状部312Aは、遊星転動体23Aの径方向外側において、最も径が大きくなる。したがって、遊星転動体23Aの径方向外側において、可撓外歯歯車31Aの外歯313Aと、固定内歯歯車32Aの内歯321Aとが、互いに噛み合う。周方向の他の位置では、可撓外歯歯車31Aの外歯313Aと、固定内歯歯車32Aの内歯321Aとは、互いに噛み合わない。例えば、中心軸9Aに対して、遊星転動体23Aから90°離れた位置では、可撓外歯歯車31Aの外歯313Aと、固定内歯歯車32Aの内歯321Aとは、互いに噛み合わない。このように、複数の外歯313Aと、複数の内歯321Aとは、部分的に噛み合う。
ケーシング40Aは、端壁部41Aと周壁部42Aとを有する。端壁部41Aは、可撓外歯歯車31Aよりも出力側において、中心軸9Aに対して略垂直に拡がる。周壁部42Aは、端壁部41Aの外周部から入力側へ向けて、円筒状に延びる。周壁部42Aは、可撓外歯歯車31Aの筒状部312Aの径方向外側に位置する。本実施形態では、周壁部42Aの内周部に、固定内歯歯車32Aが設けられている。ただし、周壁部42Aと固定内歯歯車32Aとは、互いに別部材でもよい。
出力軸50Aは、中心軸9Aと同軸に配置された円柱状の部材である。出力軸50Aは、端壁部41Aの中央に設けられた円孔に挿入される。これにより、ケーシング40Aに対して出力軸50Aが、回転可能に支持される。出力軸50Aは、可撓外歯歯車31Aと繋がる。したがって、可撓外歯歯車31Aが回転すると、可撓外歯歯車31Aとともに出力軸50Aも、中心軸9Aを中心として回転する。本実施形態では、可撓外歯歯車31Aと出力軸50Aとが、単一の部材となっている。ただし、可撓外歯歯車31Aと出力軸50Aとは、互いに別部材でもよい。
蓋部60Aは、ケーシング40Aの入力側の端部の開口を閉鎖する部材である。蓋部60Aは、板状部61Aとインタナルリング62Aとを有する。板状部61Aは、複数の遊星転動体23Aよりも入力側において、中心軸9Aに対して垂直に拡がる。入力軸10Aは、板状部61Aの中央に設けられた円孔に挿入される。これにより、蓋部60Aに対して入力軸10Aが、回転可能に支持される。
インタナルリング62Aは、板状部61Aから出力側へ向けて延びる、円環状の部位である。インタナルリング62Aは、周壁部42Aよりも径方向内側、かつ、固定太陽ローラ21Aおよび可動太陽ローラ22Aよりも径方向外側に位置する。また、インタナルリング62Aは、遊星転動体23Aの中心よりも径方向外側に位置する。また、インタナルリング62Aは、複数の遊星転動体23Aに接触する第2接触面621Aを有する。第2接触面621Aは、インタナルリング62Aの内周面の一部である。本実施形態では、インタナルリング62Aが、遊星転動体23Aに接触する内周面をもつ支持部となる。また、第2接触面621Aは、中心軸9Aに対して傾斜した傾斜面である。第2接触面621Aは、複数の遊星転動体23Aの径方向外側かつ入力側を向く面に接触する。本実施形態では、蓋部60Aの一部分として、インタナルリング62Aが設けられている。ただし、インタナルリング62Aと蓋部60Aとは、互いに別部材でもよい。
弾性部材70Aは、軸方向に伸縮可能な部材である。弾性部材70Aには、例えば、皿ばねまたはコイルばねが用いられる。弾性部材70Aは、可動太陽ローラ22Aと板状部61Aとの間に、自然長よりも圧縮された状態で配置される。このため、弾性部材70Aは、可動太陽ローラ22Aを、出力側へ向けて加圧する。そうすると、可動太陽ローラ22Aの第3接触面221Aに、遊星転動体23Aへ向かう法線力が発生する。その結果、遊星転動体23Aは、固定太陽ローラ21Aの第1接触面211A、インタナルリング62Aの第2接触面621A、および可動太陽ローラ22Aの第3接触面221Aに、接触する。これにより、遊星転動体23Aの位置が安定する。また、遊星転動体23Aの滑りを抑制し、遊星転動体23Aを介した動力伝達を、より確実に行うことができる。
減速機1Aの使用時には、入力軸10Aとともに固定太陽ローラ21Aおよび可動太陽ローラ22Aが、中心軸9Aを中心として回転する。そうすると、遊星転動体23Aと、固定太陽ローラ21A、可動太陽ローラ22A、およびインタナルリング62Aとの間の摩擦力によって、遊星転動体23Aは、自転しながら入力軸10Aの周りを公転する。このときの遊星転動体23Aの公転の回転数は、入力回転数よりも低い中間回転数となる。
遊星転動体23Aが公転すると、それに応じて、可撓外歯歯車31Aの筒状部312Aの形状が変化する。すなわち、軸方向に見たときに、筒状部312Aは略楕円形状となるが、その楕円の長軸が、遊星転動体23Aの公転に追従して回転する。筒状部312Aは、外周面に設けられた複数の外歯313Aのうち、長軸の両端に位置する外歯313Aのみが、固定内歯歯車32Aの内歯321Aと噛み合う。すなわち、遊星転動体23Aから受ける押圧によって、可撓外歯歯車31Aと固定内歯歯車32Aとが、部分的に噛み合う。
遊星転動体23Aの公転に伴い、可撓外歯歯車31Aと固定内歯歯車32Aとの噛み合う位置は、中心軸9Aを中心として、中間回転数で周方向に変化する。また、可撓外歯歯車31Aの外歯313Aの数と、固定内歯歯車32Aの内歯321Aの数とは、互いに異なる。この歯数の差によって、遊星転動体23Aが1回公転するごとに、固定内歯歯車32Aの同じ位置の内歯321Aと、当該内歯321Aと噛み合う可撓外歯歯車31Aの外歯313Aの位置がずれる。これにより、可撓外歯歯車31Aが、中心軸9Aを中心として、ゆっくりと回転する。その結果、可撓外歯歯車31Aとともに出力軸50Aが、ゆっくりと回転する。このときの出力軸50Aの回転数は、中間回転数よりもさらに低い出力回転数となる。
このように、この減速機1Aでは、遊星機構20Aの遊星転動体23Aを利用して、複数の外歯313Aを変位させることで、可撓外歯歯車31Aと固定内歯歯車32Aとを、部分的に噛み合わせる。このようにすれば、遊星機構20Aと波動歯車機構30Aとの間の動力伝達部の部材数を低減できる。したがって、遊星機構20Aと波動歯車機構30Aとで2段階の減速を行い、かつ、小型の減速機1Aを実現できる。
図3は、可撓外歯歯車31Aの外歯313Aと固定内歯歯車32Aの内歯321Aとが噛み合う位置(以下「噛合位置」と称する)における減速機1Aの部分縦断面図である。図4は、噛合位置における外歯313Aおよび内歯321Aの横断面図である。図3に示すように、この減速機1Aでは、インタナルリング62Aの第2接触面621Aに、遊星転動体23Aが接触する。これにより、遊星転動体23Aの径方向外側への移動が制限される。すなわち、第2接触面621Aによって、遊星転動体23Aの筒状部312Aへの押圧による変位が制限される。このため、図4のように、外歯313Aと内歯321Aとの間には、周方向の隙間90A(バックラッシュ)が確保される。すなわち、外歯313Aの周方向の一方の面は、内歯321Aと非接触となる。したがって、外歯313Aと内歯321Aとの間に過大な力が発生することなく、固定内歯歯車32Aに対して可撓外歯歯車31Aが滑らかに動作する。また、可撓外歯歯車31Aおよび固定内歯歯車32Aの摩耗が抑制される。
特に、本実施形態では、第1接触面211A、第2接触面621A、および第3接触面221Aは、いずれも、遊星転動体23Aの中心を向く傾斜面となっている。遊星転動体23Aは、このような第1接触面211A、第2接触面621A、および第3接触面221Aに保持されることよって、軸方向および径方向の位置が安定する。
また、本実施形態では、中心軸9Aと遊星転動体23Aの中心とを含む断面において、第1接触面211Aと、第2接触面621Aと、第3接触面221Aとが、遊星転動体23Aの中心に対して、互いに180°未満の角度間隔で配置されている。このため、第1接触面211A、第2接触面621A、および第3接触面221Aによって、遊星転動体23Aがより安定した位置に保持される。
また、図1に示すように、本実施形態では、遊星転動体23Aは、固定太陽ローラ21Aに接触する接触部、可動太陽ローラ22Aに接触する接触部、およびインタナルリング62Aに接触する接触部とは異なる部分で、可撓外歯歯車31Aの筒状部312Aに接触する。また、可撓外歯歯車31Aの筒状部312Aに対する遊星転動体23Aとの接触部と、インタナルリング62Aの第2接触面621Aとが、同一の径方向位置に配置されている。このようにすれば、可撓外歯歯車31Aと遊星転動体23Aとの間、および、インタナルリング62Aと遊星転動体23Aとの間に、滑りが生じにくくなる。このため、滑りによるエネルギーのロスを抑制できる。
また、本実施形態では、遊星転動体23Aが球体である。このため、遊星転動体23Aを回転可能に支持するための軸受を設ける必要がない。したがって、減速機1Aをより小型化できる。
また、本実施形態では、可撓外歯歯車31Aの複数の外歯313Aと、出力軸50Aとが、可撓性を有する筒状部312A(腕部)によって繋がれている。そして、この筒状部312Aが撓むことによって、複数の外歯313Aの複数の内歯321Aに対する変位が許容されて円板部311Aに回転を伝える。このようにすれば、複数の外歯313Aの変位を許容するために、複雑な機構を設ける必要がない。したがって、波動歯車機構30Aの部材数を低減できる。その結果、減速機1Aをより小型化できる。
特に、本実施形態では、可撓外歯歯車31Aと出力軸50Aとが、単一の部材で構成されている。このようにすれば、減速機1Aの部材数を、より低減できる。したがって、減速機1Aをより小型化できる。
<2.第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係る減速機1Bの縦断面図である。図6は、図5中のY−Y位置における減速機1Bの横断面図である。図5は、図6中のW−W位置における縦断面を示している。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を省略する。
本実施形態の遊星機構20B(第1減速機構)は、可動太陽ローラ22B、複数の遊星転動体23B、およびキャリア24Bを有する。
可動太陽ローラ22Bは、中心軸9Bと同軸に配置された円環状の部材である。可動太陽ローラ22Bは、ケーシング40Bの内部において、入力軸10Bに支持される。本実施形態では、遊星転動体23Bの軸方向中央部よりも出力側に、可動太陽ローラ22Bが配置される。また、可動太陽ローラ22Bは、複数の遊星転動体23Bに接触する第1接触面221Bを有する。第1接触面221Bは、可動太陽ローラ22Bの外周面の一部である。また、第1接触面221Bは、中心軸9Bに対して傾斜した傾斜面である。図5に示すように、入力軸10Bは、キー溝12Bと、キー溝12Bに嵌まるキー13Bとを有する。可動太陽ローラ22Bは、内周部に、軸方向に延び、キー13Bが嵌まるキー溝222Bを有する。入力軸10Bが回転すると、入力軸10Bとともに、キー13Bおよび可動太陽ローラ22Bも、中心軸9Bを中心として、入力回転数で回転する。また、可動太陽ローラ22Bのキー溝222Bは、キー13Bに沿って、軸方向にスライド移動可能である。したがって、可動太陽ローラ22Bは、入力軸10Bに対して、軸方向にスライド移動可能である。入力軸10Bと可動太陽ローラ22Bとの係合には、キーの代わりにスプラインまたはセレーションを使用してもよい。
複数の遊星転動体23Bは、入力軸10Bの周囲に配置され、可動太陽ローラ22Bの回転に応じて転動する部材である。本実施形態の遊星転動体23Bは、ローラである。各遊星転動体23Bは、中心軸9Bと平行な軸を中心として回転可能に支持される。また、遊星転動体23Bの軸方向中央部は、軸方向において、可動太陽ローラ22Bとインタナルリング62B(支持部)との間に位置する。図6に示すように、本実施形態では、入力軸10Bの周囲に、2つの遊星転動体23Bが等間隔で配置されている。各遊星転動体23Bは、可動太陽ローラ22Bの上述した第1接触面221Bに接触する一方側接触面81Bを有する。一方側接触面81Bは、遊星転動体23Bの出力側に面する。また、各遊星転動体23Bは、インタナルリング62Bの第2接触面621Bに接触する他方側接触面82Bを有する。他方側接触面82Bは、遊星転動体23Bの入力側に面する。
キャリア24Bは、複数の遊星転動体23Bを保持する部材である。キャリア24Bは、中心軸9Bを中心として、入力軸10Bとは異なる回転数で、回転可能である。本実施形態のキャリア24Bは、複数のキャリアピン241Bと、一対のリング部242Bとを有する。キャリアピン241Bは、遊星転動体23Bの中央に設けられた円孔に、軸方向に挿入される。各キャリアピン241Bは、遊星転動体23Bを、滑り軸受231Bを介して回転可能に支持する。なお、滑り軸受に代えて、転がり軸受などの他方式の軸受が用いられてもよい。リング部242Bは、中心軸9Bに対して垂直に配置された円形の板状部材である。キャリアピン241Bの入力側および出力側の端部は、それぞれリング部242Bに固定される。これにより、複数の遊星転動体23Bが、相互に周方向に離れた状態に維持されながら、中心軸9Bの周囲において、公転可能かつ自転可能に支持される。
弾性部材70Bは、軸方向に伸縮可能な部材である。弾性部材70Bには、例えば、皿ばねまたはコイルばねが用いられる。弾性部材70Bは、入力軸10Bに固定されたストッパ部材11Bと、可動太陽ローラ22Bとの間に、自然長よりも圧縮された状態で配置される。したがって、弾性部材70Bは、可動太陽ローラ22Bを、入力側へ向けて加圧する。そうすると、可動太陽ローラ22Bの第1接触面221Bに、遊星転動体23Bへ向かう法線力が発生する。その結果、遊星転動体23Bは、可動太陽ローラ22Bの第1接触面221Bおよびインタナルリング62Bの第2接触面621Bに、接触する。これにより、遊星転動体23Bの位置が安定する。また、遊星転動体23Bの滑りを抑制し、遊星転動体23Bを介した動力伝達を、より確実に行うことができる。
減速機1Bの使用時には、入力軸10Bとともに可動太陽ローラ22Bが、中心軸9Bを中心として回転する。そうすると、遊星転動体23Bと、可動太陽ローラ22Bおよびインタナルリング62Bとの間の摩擦力によって、遊星転動体23Bは、自転しながら入力軸10Bの周りを公転する。このときの遊星転動体23Bの公転の回転数は、入力回転数よりも低い中間回転数となる。
遊星転動体23Bが公転すると、それに応じて、可撓外歯歯車31Bの筒状部312Bの形状が変化する。そして、遊星転動体23Bの公転に伴い、可撓外歯歯車31Bと固定内歯歯車32Bとの噛み合う位置は、中心軸9Bを中心として、中間回転数で周方向に変化する。また、第1実施形態と同様に、遊星転動体23Bの1公転ごとに、固定内歯歯車32Bの同じ位置の内歯321Bと噛み合う可撓外歯歯車31Bの外歯313Bの位置がずれる。これにより、可撓外歯歯車31Bおよび出力軸50Bが、中心軸9Bを中心として、ゆっくりと回転する。このときの出力軸50Bの回転数は、中間回転数よりもさらに低い出力回転数となる。
このように、本実施形態の減速機1Bも、遊星機構20Bの遊星転動体23Bを利用して、複数の外歯313Bを変位させることで、可撓外歯歯車31Bと固定内歯歯車32Bとを、部分的に噛み合わせる。このようにすれば、遊星機構20Bと波動歯車機構30Bとの間の動力伝達部の部材数を低減できる。したがって、遊星機構20Bと波動歯車機構30Bとで2段階の減速を行い、かつ、小型の減速機1Bを実現できる。
また、本実施形態の構造でも、遊星転動体23Bは、インタナルリング62Bの第2接触面621Bに接触する。これにより、遊星転動体23Bの径方向外側への移動が制限される。すなわち、第2接触面621Bによって、遊星転動体23Bの筒状部312Bへの押圧による変位が制限される。このため、外歯313Bと内歯321Bとの間には、周方向の隙間(バックラッシュ)が確保される。すなわち、外歯313Bの周方向の一方の面は、内歯321Bと非接触となる。したがって、外歯313Bと内歯321Bとの間に過大な力が発生することなく、固定内歯歯車32Bに対して可撓外歯歯車31Bが滑らかに動作する。また、可撓外歯歯車31Bおよび固定内歯歯車32Bの摩耗が抑制される。
特に、本実施形態では、第1接触面221Bおよび第2接触面621Bは、いずれも、遊星転動体23Bの中心を向く傾斜面となっている。遊星転動体23Bは、このような第1接触面221Bおよび第2接触面621Bに保持されることよって、軸方向および径方向の位置が安定する。また、遊星転動体23Bの一方側接触面81Bと他方側接触面82Bを平行にすることで、互いの法線力は相殺される。
また、図5に示すように、本実施形態では、遊星転動体23Bは、可動太陽ローラ22Bに接触する一方側接触面81Bおよびインタナルリング62Bに接触する他方側接触面82Bとは異なる部分で、可撓外歯歯車31Bの筒状部312Bに接触する。また、可撓外歯歯車31Bの筒状部312Bと遊星転動体23Bとの接触部と、インタナルリング62Bの第2接触面621Bとが、同一の径方向位置に配置されている。このようにすれば、可撓外歯歯車31Bと遊星転動体23Bとの間、および、インタナルリング62Bと遊星転動体23Bとの間に、滑りが生じにくくなる。このため、滑りによるエネルギーのロスを抑制できる。
<3.第1実施形態および第2実施形態に関する変形例>
以上、本発明の第1実施形態および第2実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態には限定されない。
図7は、一変形例に係る減速機1Cの縦断面図である。図7の例では、遊星機構20Cが、第1固定太陽ローラ21C、第2固定太陽ローラ22C、複数の遊星転動体23C、およびキャリア24Cを有する。本実施形態の遊星転動体23Cは、球体である。第1固定太陽ローラ21Cは、遊星転動体23Cの中心よりも出力側において、入力軸10Cに固定される。第2固定太陽ローラ22Cは、遊星転動体23Cの中心よりも入力側において、入力軸10Cに固定される。すなわち、図7の例では、2つの太陽ローラ21C,22Cが、いずれも、入力軸10Cに対して、軸方向に移動不能に固定される。
また、図7の例では、蓋部60Cの板状部61Cと、インタナルリング62C(支持部材)とが、別部材となっている。中心軸9Cを中心とする板状部61Cとインタナルリング62Cの相対回転は、固定ピン63Cによって防止されている。また、板状部61Cとインタナルリング62Cとの間に、弾性部材70Cが、自然長よりも圧縮された状態で配置される。このため、弾性部材70Cは、インタナルリング62Cを出力側へ向けて加圧する。したがって、インタナルリング62Cの第2接触面621Cに、遊星転動体23Cへ向かう法線力が発生する。その結果、遊星転動体23Cは、第1固定太陽ローラ21Cの第1接触面211C、インタナルリング62Cの第2接触面621C、および第2固定太陽ローラ22Cの第3接触面221Cに、接触する。これにより、遊星転動体23Cの位置が安定する。また、遊星転動体23Cの滑りを抑制し、遊星転動体23Cを介した動力伝達を、より確実に行うことができる。
図7の例においても、インタナルリング62Cの第2接触面621Cによって、遊星転動体23Cの径方向外側への移動が制限される。すなわち、第2接触面621Cによって、遊星転動体23Cの筒状部312Cへの押圧による変位が制限される。これにより、可撓外歯歯車31Cと固定内歯歯車32Cとの間のバックラッシュを確保できる。したがって、固定内歯歯車32Cに対して可撓外歯歯車31Cを滑らかに動かすことができる。また、可撓外歯歯車31Cおよび固定内歯歯車32Cの摩耗を抑制できる。
図8は、他の変形例に係る減速機1Dの縦断面図である。図8の例では、遊星機構20Dが、固定太陽ローラ21D、複数の遊星転動体23D、およびキャリア24Dを有する。本実施形態の遊星転動体23Dは、ローラである。固定太陽ローラ21Dは、遊星転動体23Dの軸方向中央部よりも出力側において、入力軸10Dに固定される。すなわち、固定太陽ローラ21Dは、入力軸10Dに対して、軸方向に移動不能に固定される。
また、図8の例では、蓋部60Dの板状部61Dと、インタナルリング62D(支持部材)とが、別部材となっている。中心軸9Dを中心とする板状部61Dとインタナルリング62Dとの相対回転は、固定ピン63Dによって防止されている。また、板状部61Dとインタナルリング62Dとの間に、弾性部材70Dが、自然長よりも圧縮された状態で配置される。このため、弾性部材70Dは、インタナルリング62Dを出力側へ向けて加圧する。したがって、インタナルリング62Dの第2接触面621Dに、遊星転動体23Dへ向かう法線力が発生する。その結果、遊星転動体23Dは、固定太陽ローラ21Dの第1接触面211Dおよびインタナルリング62Dの第2接触面621Dに、接触する。これにより、遊星転動体23Dの位置が安定する。また、遊星転動体23Dの滑りを抑制し、遊星転動体23Dを介した動力伝達を、より確実に行うことができる。
図8の例においても、インタナルリング62Dの第2接触面621Dによって、遊星転動体23Dの径方向外側への移動が制限される。すなわち、第2接触面621Dによって、遊星転動体23Dの筒状部312Dへの押圧による変位が制限される。これにより、可撓外歯歯車31Dと固定内歯歯車32Dとの間のバックラッシュを確保できる。したがって、固定内歯歯車32Dに対して可撓外歯歯車31Dを滑らかに動かすことができる。また、可撓外歯歯車31Dおよび固定内歯歯車32Dの摩耗を抑制できる。
図9は、他の変形例に係る減速機1Eの縦断面図である。図9の例では、インタナルリング62Eに、弾性を有する材料を用いる。そして、インタナルリング62Eを、予め弾性変形させた状態で、遊星転動体23Eに接触させる。このようにすれば、インタナルリング62E自体の弾性を利用して、第2接触面621Eに、遊星転動体23Eへ向かう法線力を発生させることができる。したがって、インタナルリング62Eとは別に、ばね等の弾性部材を用いることなく、遊星転動体23Dの位置を安定させることができる。その結果、減速機1Eの部品点数を低減できる。
図10は、他の変形例に係る減速機1Fの横断面図である。図10の例では、可撓外歯歯車31Fの筒状部312Fの内周面と、遊星転動体23Fとの間に、可撓リング25Fが介在する。可撓リング25Fは、可撓性を有する環状の部材である。可撓リング25Fの外周面は、筒状部312Fの内周面に接触する。可撓リング25Fの内周面は、部分的に、遊星転動体23Fに接触する。図10の構造では、可撓リング25Fが無い場合よりも、可撓外歯歯車31Fの変形が小さくなる。したがって、可撓外歯歯車31Fに作用する曲げ応力の集中を抑制できる。その結果、可撓外歯歯車31Fの疲労寿命が向上する。このように、筒状部312Fの内周面と、遊星転動体23Fとは、可撓リング25Fを介して間接的に接触してもよい。
また、上記の実施形態では、減速機の遊星機構が2つの遊星転動体を有していた。このため、可撓外歯歯車は、軸方向に見て略楕円状に変形した。このようにすれば、外歯および内歯を浅くすることなく、可撓外歯歯車と固定内歯歯車との間で、噛み合う部分と噛み合わない部分とを、設けることができる。しかしながら、遊星機構が有する遊星転動体の数は、3つなどの他の数であってもよい。
ただし、複数の遊星転動体は、周方向に等間隔に配列されていることが好ましい。複数の遊星転動体が、周方向に等間隔に配列されていれば、遊星転動体の荷重が周方向に偏ることを抑制できる。そして、太陽ローラの外周面に作用する法線力が相殺される。したがって、減速機の駆動時の振動が抑制される。
減速機を構成する各部材の材料には、例えば、樹脂または金属が用いられる。樹脂を用いた場合には、減速機を軽量化できる。特に、可撓外歯歯車を含む部材を樹脂製にすれば、筒状部の可撓性を得やすい。ただし、樹脂は金属よりも強度を得にくい。しかしながら、上記の実施形態または変形例の構造を採れば、可撓外歯歯車と固定内歯歯車との間のバックラッシュを確保できる。したがって、可撓外歯歯車および前記固定内歯歯車を樹脂製にして減速機を軽量化し、かつ、可撓外歯歯車および固定内歯歯車の摩耗を抑制できる。これにより、減速機の軽量化と長寿命化を両立できる。
また、減速機の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
<4.第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。図11は、第3実施形態に係る減速機1Gの縦断面図である。図12は、図11中のZ−Z位置における減速機1Gの横断面図である。この減速機1Gは、外部のモータから得られる回転運動を、入力回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する機構である。減速機1Gは、例えば、人との協調ロボットや小型作業ロボットにおけるアームの関節部分に組み込まれる。ただし、本発明の減速機は、アシストスーツ、車椅子、無人搬送車などの他の機器に使用されてもよい。
図11に示すように、本実施形態の減速機1Gは、入力軸10G、遊星機構20G、クラウン歯車機構30G、ケーシング40G、出力軸50G、蓋部60G、および弾性部材70Gを有する。
入力軸10Gは、中心軸9Gに沿って延びる円柱状の部位である。入力軸10Gは、蓋部60Gに対して回転可能に支持される。入力軸10Gの入力側の端部は、直接または他の動力伝達機構を介して、外部のモータに接続される。モータを駆動させると、入力軸10Gは、中心軸9Gを中心として、入力回転数で回転する。入力軸10Gの出力側の端部は、ケーシング40Gの内部に位置する。なお、入力軸10Gの出力側の端部は、出力軸50Gと、ベアリングを介して接続されていてもよい。
遊星機構20Gは、入力回転数の回転運動を、入力回転数よりも低い中間回転数の回転運動に変換する機構(第1減速機構)である。本実施形態の遊星機構20Gは、固定太陽ローラ21G、複数の遊星転動体23G、およびキャリア24Gを有する。
固定太陽ローラ21Gは、中心軸9Gと同軸に配置された円環状の部位である。入力軸10Gと固定太陽ローラ21Gとは、単一の部材で構成されている。ただし、入力軸10Gと固定太陽ローラ21Gとを別部材として、互いに固定してもよい。固定太陽ローラ21Gは、複数の遊星転動体23Gに接触する接触面211Gを有する。接触面211Gは、固定太陽ローラ21Gの外周面の一部である。また、接触面211Gは、中心軸9Gに対して傾斜した傾斜面である。入力軸10Gが回転すると、入力軸10Gとともに、固定太陽ローラ21Gも、中心軸9Gを中心として、入力回転数で回転する。なお、入力軸10Gに対する固定太陽ローラ21Gの軸方向の位置は、変化しない。
複数の遊星転動体23Gは、入力軸10Gの周囲に配置され、固定太陽ローラ21Gの回転に応じて転動する部材である。本実施形態の遊星転動体23Gは、球体である。図11および図12に示すように、本実施形態では、入力軸10Gの周囲に、2つの遊星転動体23Gが、周方向に等間隔で配置されている。各遊星転動体23Gは、ケーシング40Gに接触する一方側接触面を有する。一方側接触面は、径方向外側かつ出力側に面する。また、各遊星転動体23Gは、固定太陽ローラ21Gの上述した接触面211Gに接触する他方側接触面を有する。他方側接触面は、径方向内側かつ入力側に面する。
本実施形態では、2つの遊星転動体23Gの軸方向の位置が相違する。以下では、2つの遊星転動体23Gのうち、入力側に位置する遊星転動体23Gを、第1遊星転動体232Gと称する。また、2つの遊星転動体23Gのうち、出力側に位置する遊星転動体23Gを、第2遊星転動体233Gと称する。すなわち、第2遊星転動体233Gは、第1遊星転動体232Gよりも出力側に位置する。
キャリア24Gは、複数の遊星転動体23Gを保持する部材である。キャリア24Gは、中心軸9Gの周囲において、軸方向に円筒状に延びる。キャリア24Gは、中心軸9Gを中心として、入力軸10Gとは異なる回転数で、回転可能である。また、キャリア24Gは、径方向に貫通する複数の凹部241Gを有する。複数の遊星転動体23Gは、それぞれ、キャリア24Gの凹部241Gに収容される。これにより、複数の遊星転動体23Gが、相互に周方向に離れた状態に維持されながら、中心軸9Gの周囲において、公転可能かつ自転可能に支持される。
クラウン歯車機構30Gは、中間回転数の回転運動を前記中間回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する機構(第2減速機構)である。本実施形態のクラウン歯車機構30Gは、クラウン歯車31Gと、固定歯車32Gとを有する。
クラウン歯車31Gは、中心軸9Gを中心として回転可能な回転歯車である。図13は、クラウン歯車31Gの出力側から視た平面図である。図11および図13に示すように、クラウン歯車31Gは、円板部312Gと、複数の回転歯313Gとを有する。円板部312Gは、複数の遊星転動体23Gよりも出力側において、中心軸9Gに対して略垂直に配置される。複数の回転歯313Gは、円板部312Gの出力側の面の周縁部に沿って、周方向に一定のピッチで設けられている。各回転歯313Gは、クラウン歯車31Gの出力側の面から、出力側へ向けて突出する。また、複数の回転歯313Gは、後述する複数の固定歯321Gと、軸方向に対向する。
円板部312Gおよび複数の回転歯313Gと、後述する出力軸50Gとは、複数の腕部314Gを介して繋がっている。図13に示すように、複数の腕部314Gは、中心軸9Gに対して放射状に延びる。すなわち、各腕部314Gは、径方向に延びる。各腕部314Gの径方向外側の端部は、円板部312Gに接続される。各腕部314Gの径方向内側の端部は、出力軸50Gに接続される。各腕部314Gは可撓性を有する。したがって、各腕部314Gの径方向外側の端部は、径方向内側の端部に対して、軸方向に変位可能である。このため、腕部314Gの撓みによって、複数の回転歯313Gのうちの一部の回転歯313Gの軸方向の位置を、変化させることができる。
固定歯車32Gは、クラウン歯車31Gの出力側に位置する平板状の歯車である。図14は、固定歯車32Gの入力側から視た平面図である。図11および図14に示すように、固定歯車32Gは、複数の固定歯321Gを有する。複数の固定歯321Gは、中心軸9Gを中心として円環状に、かつ、周方向に一定のピッチで配列される。各固定歯321Gは、後述するケーシング40Gの端壁部41Gの入力側の面から、入力側へ向けて突出する。
上述した第2遊星転動体233Gは、円板部312Gの入力側の面の周方向の一部分に接触する。これにより、複数の回転歯313Gのうちの一部の回転歯313Gが、第2遊星転動体233Gから受ける押圧によって、出力側に変位する。その結果、第2遊星転動体233Gの出力側の位置において、回転歯313Gと固定歯321Gとが、互いに噛み合う。周方向の他の位置では、回転歯313Gと固定歯321Gとは、互いに噛み合わない。例えば、第1遊星転動体232Gの出力側の位置では、回転歯313Gと固定歯321Gとは、互いに噛み合わない。このように、複数の回転歯313Gと、複数の固定歯321Gとは、周方向の一部分のみにおいて、互いに噛み合う。
ケーシング40Gは、端壁部41Gと周壁部42Gとを有する。端壁部41Gは、クラウン歯車31Gよりも出力側において、中心軸9Gに対して略垂直に拡がる。周壁部42Gは、端壁部41Gの外周部から入力側へ向けて、円筒状に延びる。周壁部42Gは、クラウン歯車31G、固定太陽ローラ21G、複数の遊星転動体23G、およびキャリア24Gの径方向外側に位置する。本実施形態では、端壁部41Gの入力側の面に、固定歯車32Gが設けられている。ただし、端壁部41Gと固定歯車32Gとは、互いに別部材でもよい。
周壁部42Gの内周面には、円環状の第1溝422Gと、円環状の第2溝423Gとが設けられている。第2溝423Gは、第1溝422Gよりも出力側に位置する。第1遊星転動体232Gは、第1溝422Gの凹面に接触する。そして、第1遊星転動体232Gは、第1溝422Gに沿って公転する。第2遊星転動体233Gは、第2溝423Gの凹面に接触する。そして、第2遊星転動体233Gは、第2溝423Gに沿って公転する。すなわち、本実施形態では、ケーシング40Gの周壁部42Gが、遊星転動体23Gに接触する円環状の支持部となる。
このように、本実施形態のケーシング40Gは、第1遊星転動体232Gが嵌まる第1溝422Gと、第2遊星転動体233Gが嵌まる第2溝423Gとを有する。これにより、第1遊星転動体232Gおよび第2遊星転動体233Gの軸方向の位置ずれが抑制される。その結果、回転歯313Gと固定歯321Gとの噛み合う位置が、高精度に維持される。
出力軸50Gは、中心軸9Gと同軸に配置された円柱状の部材である。出力軸50Gは、端壁部41Gの中央に設けられた円孔に挿入される。これにより、ケーシング40Gに対して出力軸50Gが、回転可能に支持される。出力軸50Gは、クラウン歯車31Gと繋がる。したがって、クラウン歯車31Gが回転すると、クラウン歯車31Gとともに出力軸50Gも、中心軸9Gを中心として回転する。本実施形態では、クラウン歯車31Gと出力軸50Gとが、単一の部材となっている。ただし、クラウン歯車31Gと出力軸50Gとは、互いに別部材でもよい。
蓋部60Gは、ケーシング40Gの入力側の端部の開口を閉鎖する部材である。蓋部60Gは、複数の遊星転動体23Gよりも入力側において、中心軸9Gに対して垂直に拡がる。入力軸10Gは、蓋部60Gの中央に設けられた円孔に挿入される。これにより、蓋部60Gに対して入力軸10Gが、回転可能に支持される。
弾性部材70Gは、軸方向に伸縮可能な部材である。弾性部材70Gには、例えば、皿ばねまたはコイルばねが用いられる。弾性部材70Gは、固定太陽ローラ21Gと蓋部60Gとの間に、自然長よりも圧縮された状態で配置される。このため、弾性部材70Gは、固定太陽ローラ21Gを、出力側へ向けて加圧する。そうすると、固定太陽ローラ21Gの接触面211Gに、遊星転動体23Gへ向かう法線力が発生する。その結果、第1遊星転動体232Gは、固定太陽ローラ21Gの接触面211Gおよび周壁部42Gの第1溝422Gに接触する。また、第2遊星転動体233Gは、固定太陽ローラ21Gの接触面211Gおよび周壁部42Gの第2溝423Gに接触する。これにより、各遊星転動体23Gの位置が安定する。また、各遊星転動体23Gの滑りが抑制される。したがって、第2遊星転動体233Gを介した動力伝達を、より確実に行うことができる。
減速機1Gの使用時には、入力軸10Gとともに固定太陽ローラ21Gが、中心軸9Gを中心として回転する。そうすると、遊星転動体23Gと固定太陽ローラ21Gとの間の摩擦力、および、遊星転動体23Gとケーシング40Gとの間の摩擦力によって、遊星転動体23Gは、自転しながら中心軸9Gの周りを公転する。このときの遊星転動体23Gの公転の回転数は、入力回転数よりも低い中間回転数となる。
第2遊星転動体233Gが公転すると、それに応じて、クラウン歯車31Gの形状が変化する。すなわち、複数の回転歯313Gのうち、出力側へ変位する部分が、第2遊星転動体233Gの公転に追従して回転する。したがって、複数の回転歯313Gのうち、固定歯車32Gの固定歯321Gと噛み合う部分が、中心軸9Gを中心として、中間回転数で周方向に変化する。
また、クラウン歯車31Gの回転歯313Gの数と、固定歯車32Gの固定歯321Gの数とは、互いに異なる。この歯数の差によって、遊星転動体23Gが1回公転するごとに、固定歯車32Gの同じ位置の固定歯321Gと噛み合うクラウン歯車31Gの回転歯313Gの位置がずれる。これにより、クラウン歯車31Gが、中心軸9Gを中心として、ゆっくりと回転する。その結果、クラウン歯車31Gとともに出力軸50Gが、ゆっくりと回転する。このときの出力軸50Gの回転数は、中間回転数よりもさらに低い出力回転数となる。
このように、この減速機1Gでは、遊星機構20Gの第2遊星転動体233Gを利用して、クラウン歯車31Gの回転歯313Gを変位させることで、クラウン歯車31Gと固定歯車32Gとを、部分的に噛み合わせる。このようにすれば、遊星機構20Gとクラウン歯車機構30Gとの間の動力伝達部の部材数を低減できる。したがって、遊星機構20Gとクラウン歯車機構30Gとで2段階の減速を行い、かつ、小型の減速機1Gを実現できる。
また、この減速機1Gでは、ケーシング40Gの第2溝423Gに、第2遊星転動体233Gが接触する。したがって、第2溝423Gの凹面(接触面)によって、遊星転動体23Gの出力側への移動が制限される。すなわち、第2溝423Gによって、遊星転動体23Gのクラウン歯車31Gへの押圧による変位が制限される。このため、回転歯313Gと固定歯321Gとの間には、周方向の隙間(バックラッシュ)が確保される。すなわち、回転歯313Gの周方向の一方の面は、固定歯321Gと非接触となる。したがって、回転歯313Gと固定歯321Gとの間に過大な力が発生することなく、固定歯車32Gに対してクラウン歯車31Gが滑らかに動作する。また、クラウン歯車31Gおよび固定歯車32Gの摩耗が抑制される。
また、本実施形態では、遊星転動体23Gが球体である。このため、遊星転動体23Gを回転可能に支持するための軸受を設ける必要がない。したがって、減速機1Gをより小型化できる。また、図11に示すように、本実施形態では、遊星転動体23Gは、固定太陽ローラ21Gの外周面に接触する接触部およびケーシング40Gの内周面に接触する接触部とは異なる部分で、クラウン歯車31Gに接触する。
また、本実施形態では、クラウン歯車31Gの複数の回転歯313Gと、出力軸50Gとが、可撓性を有する腕部314Gによって繋がれている。そして、この腕部314Gが撓むことによって、複数の回転歯313Gの複数の固定歯321Gに対する変位が許容されて出力軸50Gに回転を伝える。このようにすれば、複数の回転歯313Gの変位を許容するために、複雑な機構を設ける必要がない。したがって、クラウン歯車機構30Gの部材数を低減できる。その結果、減速機1Gをより小型化できる。
特に、本実施形態では、クラウン歯車31G、腕部314G、および出力軸50Gが、単一の部材で構成されている。このようにすれば、減速機1Gの部材数を、より低減できる。したがって、減速機1Gをより小型化できる。
<5.第4実施形態>
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。図15は、第4実施形態に係る減速機1Hの縦断面図である。図16は、図15中のU−U位置における減速機1Hの横断面図である。この減速機1Hは、外部のモータから得られる回転運動を、入力回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する機構である。減速機1Hは、例えば、人との協調ロボットや小型作業ロボットにおけるアームの関節部分に組み込まれる。ただし、本発明の減速機は、アシストスーツ、車椅子、無人搬送車などの他の機器に使用されてもよい。
図15に示すように、本実施形態の減速機1Hは、入力軸10H、遊星機構20H、揺動歯車機構30H、ケーシング40H、出力軸50H、蓋部60H、および弾性部材70Hを有する。
入力軸10Hは、中心軸9Hに沿って延びる円柱状の部位である。入力軸10Hは、ケーシング40Hに対して回転可能に支持される。入力軸10Hの入力側の端部は、直接または他の動力伝達機構を介して、外部のモータに接続される。モータを駆動させると、入力軸10Hは、中心軸9Hを中心として、入力回転数で回転する。入力軸10Hの出力側の端部は、ケーシング40Hの内部に位置する。なお、入力軸10Hの出力側の端部は、出力軸50Hと、ベアリングを介して接続されていてもよい。
遊星機構20Hは、入力回転数の回転運動を、入力回転数よりも低い中間回転数の回転運動に変換する機構(第1減速機構)である。本実施形態の遊星機構20Hは、可動太陽ローラ22H、複数の遊星転動体23H、およびキャリア24Hを有する。
可動太陽ローラ22Hは、中心軸9Hと同軸に配置された円環状の部材である。可動太陽ローラ22Hは、ケーシング40Hの内部において、入力軸10Hに支持される。入力軸10Hが回転すると、入力軸10Hとともに可動太陽ローラ22Hも、中心軸9Hを中心として、入力回転数で回転する。ただし、可動太陽ローラ22Hは、入力軸10Hに対して、軸方向にスライド移動可能となっている。また、可動太陽ローラ22Hは、複数の遊星転動体23Hに接触する接触面221Hを有する。接触面221Hは、可動太陽ローラ22Hの外周面の一部である。また、接触面221Hは、中心軸9Hに対して傾斜した傾斜面である。
図15に示すように、入力軸10Hは、キー溝12Hと、キー溝12Hに嵌まるキー13Hとを有する。可動太陽ローラ22Hは、内周部に、軸方向に延び、キー13Hが嵌まるキー溝222Hを有する。入力軸10Hが回転すると、入力軸10Hとともに、キー13Hおよび可動太陽ローラ22Hも、中心軸9Hを中心として、入力回転数で回転する。また、可動太陽ローラ22Hのキー溝222Hは、キー13Hに沿って、軸方向にスライド移動可能である。したがって、可動太陽ローラ22Hは、入力軸10Hに対して、軸方向にスライド移動可能である。入力軸10Hと可動太陽ローラ22Aの係合には、キーの代わりにスプラインやセレーションを使用してもよい。
複数の遊星転動体23Hは、入力軸10Hの周囲に配置され、可動太陽ローラ22Hの回転に応じて転動する部材である。本実施形態の遊星転動体23Hは、球体である。図15および図16に示すように、本実施形態では、入力軸10Hの周囲に、2つの遊星転動体23Hが、周方向に等間隔で配置されている。各遊星転動体23Hは、可動太陽ローラ22Hの上述した接触面221Hに接触する一方側接触面を有する。一方側接触面は、径方向内側かつ出力側に面する。また、各遊星転動体23Hは、ケーシング40Hに接触する他方側接触面を有する。他方側接触面は、径方向外側かつ入力側に面する。
本実施形態では、2つの遊星転動体23Hの軸方向の位置が相違する。以下では、2つの遊星転動体23Hのうち、入力側に位置する遊星転動体23Hを、第1遊星転動体232Hと称する。また、2つの遊星転動体23Hのうち、出力側に位置する遊星転動体23Hを、第2遊星転動体233Hと称する。すなわち、第2遊星転動体233Hは、第1遊星転動体232Hよりも出力側に位置する。
キャリア24Hは、複数の遊星転動体23Hを保持する部材である。キャリア24Hは、中心軸9Hの周囲において、軸方向に円筒状に延びる。キャリア24Hは、中心軸9Hを中心として、入力軸10Hとは異なる回転数で、回転可能である。また、キャリア24Hは、径方向に貫通する複数の凹部241Hを有する。複数の遊星転動体23Hは、それぞれ、キャリア24Hの凹部241Hに収容される。これにより、複数の遊星転動体23Hが、相互に周方向に離れた状態に維持されながら、中心軸9Hの周囲において、公転可能かつ自転可能に支持される。
揺動歯車機構30Hは、中間回転数の回転運動を前記中間回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する機構(第2減速機構)である。本実施形態の揺動歯車機構30Hは、揺動外歯歯車31Hと、固定内歯歯車32Hとを有する。
揺動外歯歯車31Hは、中心軸9Hに対して偏心可能な円環状の歯車(回転歯車)である。図15および図16に示すように、揺動外歯歯車31Hは、円板部311Hと、筒状部312Hとを有する。円板部311Hは、複数の遊星転動体23Hよりも出力側において、中心軸9Hに対して略垂直に拡がる。筒状部312Hは、円板部311Hの外周部から入力側へ向けて、円筒状に延びる。筒状部312Hは、遊星転動体23Hの中心よりも、径方向外側に位置する。筒状部312Hの外周面には、複数の外歯313Hが、一定のピッチで設けられている。複数の外歯313Hは、後述する複数の内歯321Hと対向する。
円板部311H、筒状部312H、および複数の外歯313Hと、後述する出力軸50Hとは、複数の腕部314Hを介して繋がっている。複数の腕部314Hは、中心軸9Hに対して放射状に延びる。すなわち、各腕部314Hは、径方向に延びる。各腕部314Hの径方向外側の端部は、円板部311Hに接続される。各腕部314Hの径方向内側の端部は、出力軸50Hに接続される。各腕部314Hは可撓性を有する。したがって、個々の腕部314Hは、径方向に伸縮可能である。このため、腕部314Hの伸縮によって、筒状部312Hを、中心軸9Hに対して偏心させることが可能となる。
固定内歯歯車32Hは、揺動外歯歯車31Hの筒状部312Hの周囲を取り囲む円環状の歯車(固定歯車)である。固定内歯歯車32Hは、中心軸9Hと同軸に配置される。固定内歯歯車32Hの内周面には、複数の内歯321Hが、周方向に一定のピッチで設けられている。複数の内歯321Hは、中心軸9Hを中心として円環状に配列される。各内歯321Hは、後述するケーシング40Hの周壁部42Hの内周面から、径方向内側へ向けて突出する。
上述した第2遊星転動体233Hは、筒状部312Hの内周面の周方向の一部分に接触する。これにより、筒状部312Hが、第2遊星転動体233Hから受ける押圧によって、その押圧方向に変位する。その結果、第2遊星転動体233Hの径方向外側の位置において、揺動外歯歯車31Hの外歯313Hと、固定内歯歯車32Hの内歯321Hとが、互いに噛み合う。周方向の他の位置では、外歯313Hと内歯321Hとは、互いに噛み合わない。例えば、第1遊星転動体232Hと同一の周方向位置では、外歯313Hと内歯321Hとは、互いに噛み合わない。このように、揺動外歯歯車31Hの複数の外歯313Hと、固定内歯歯車32Hの複数の内歯321Hとは、周方向の一部分のみにおいて、互いに噛み合う。
ケーシング40Hは、端壁部41Hと周壁部42Hとを有する。端壁部41Hは、可動太陽ローラ22Hおよび複数の遊星転動体23Hよりも入力側において、中心軸9Hに対して略垂直に拡がる。入力軸10Hは、端壁部41Hの中央に設けられた円孔に挿入される。これにより、ケーシング40Hに対して入力軸10Hが、回転可能に支持される。周壁部42Hは、端壁部41Hの外周部から出力側へ向けて、円筒状に延びる。周壁部42Hは、可動太陽ローラ22H、複数の遊星転動体23H、揺動外歯歯車31H、およびキャリア24Hの径方向外側に位置する。本実施形態では、周壁部42Hの出力側の内周面に、固定内歯歯車32Hが設けられている。ただし、周壁部42Hと固定内歯歯車32Hとは、互いに別部材でもよい。
また、周壁部42Hの内周面には、円環状の第1溝422Hと、円環状の第2溝423Hとが設けられている。第2溝423Hは、第1溝422Hよりも出力側に位置する。第1遊星転動体232Hは、第1溝422Hの凹面に接触する。そして、第1遊星転動体232Hは、第1溝422Hに沿って公転する。第2遊星転動体233Hは、第2溝423Hの凹面に接触する。そして、第2遊星転動体233Hは、第2溝423Hに沿って公転する。すなわち、本実施形態では、ケーシング40Hの周壁部42Hが、遊星転動体23Hに接触する円環状の支持部となる。
このように、本実施形態のケーシング40Hは、第1遊星転動体232Hが嵌まる第1溝422Hと、第2遊星転動体233Hが嵌まる第2溝423Hとを有する。これにより、第1遊星転動体232Hおよび第2遊星転動体233Hの軸方向の位置ずれが抑制される。その結果、外歯313Hと内歯321Hとの噛み合う位置が、高精度に維持される。
出力軸50Hは、中心軸9Hと同軸に配置された円柱状の部材である。出力軸50Hは、揺動外歯歯車31Hと繋がる。したがって、揺動外歯歯車31Hが回転すると、揺動外歯歯車31Hとともに出力軸50Hも、中心軸9Hを中心として回転する。本実施形態では、揺動外歯歯車31Hと出力軸50Hとが、単一の部材となっている。ただし、揺動外歯歯車31Hと出力軸50Hとは、互いに別部材でもよい。
蓋部60Hは、ケーシング40Hの出力側の端部の開口を閉鎖する部材である。蓋部60Hは、複数の揺動外歯歯車31Hよりも出力側において、中心軸9Hに対して垂直に拡がる。出力軸50Hは、蓋部60Hの中央に設けられた円孔に挿入される。これにより、蓋部60Hに対して出力軸50Hが、回転可能に支持される。
弾性部材70Hは、軸方向に伸縮可能な部材である。弾性部材70Hには、例えば、皿ばねまたはコイルばねが用いられる。弾性部材70Hは、入力軸10Hの出力側の端部と、可動太陽ローラ22Hとの間に、自然長よりも圧縮された状態で配置される。このため、弾性部材70Hは、可動太陽ローラ22Hを、入力側へ向けて加圧する。そうすると、可動太陽ローラ22Hの接触面221Hに、遊星転動体23Hへ向かう法線力が発生する。その結果、第1遊星転動体232Hは、可動太陽ローラ22Hの接触面221Hおよび周壁部42Hの第1溝422Hに接触する。また、第2遊星転動体233Hは、可動太陽ローラ22Hの接触面211Hおよび周壁部42Hの第2溝423Hに接触する。これにより、各遊星転動体23Hの位置が安定する。また、各遊星転動体23Hの滑りが抑制される。したがって、第2遊星転動体233Hを介した動力伝達を、より確実に行うことができる。
減速機1Hの使用時には、入力軸10Hとともに可動太陽ローラ22Hが、中心軸9Hを中心として回転する。そうすると、遊星転動体23Hと可動太陽ローラ22Hとの間の摩擦力、および、遊星転動体23Hとケーシング40Hとの間の摩擦力によって、遊星転動体23Hは、自転しながら中心軸9Hの周りを公転する。このときの遊星転動体23Hの公転の回転数は、入力回転数よりも低い中間回転数となる。
第2遊星転動体233Hが公転すると、それに応じて、揺動外歯歯車31Hの中心位置が、周方向に移動する。すなわち、複数の外歯313Hのうち、固定内歯歯車32Hの内歯321Hと噛み合う部分が、中心軸9Hを中心として、中間回転数で周方向に変化する。
また、揺動外歯歯車31Hの外歯313Hの数と、固定内歯歯車32Hの内歯321Hの数とは、互いに異なる。この歯数の差によって、遊星転動体23Hが1回公転するごとに、固定内歯歯車32Hの同じ位置の内歯321Hと噛み合う揺動外歯歯車31Hの外歯313Hの位置がずれる。これにより、揺動外歯歯車31Hが、中心軸9Hを中心として、ゆっくりと回転する。その結果、揺動外歯歯車31Hとともに出力軸50Hが、ゆっくりと回転する。このときの出力軸50Hの回転数は、中間回転数よりもさらに低い出力回転数となる。
このように、この減速機1Hでは、遊星機構20Hの第2遊星転動体233Hを利用して、揺動外歯歯車31Hを変位させることで、揺動外歯歯車31Hと固定内歯歯車32Hとを、部分的に噛み合わせる。このようにすれば、遊星機構20Hと揺動歯車機構30Hとの間の動力伝達部の部材数を低減できる。したがって、遊星機構20Hと揺動歯車機構30Hとで2段階の減速を行い、かつ、小型の減速機1Hを実現できる。
また、この減速機1Hでは、ケーシング40Hの第2溝423Hに、第2遊星転動体233Hが接触する。したがって、第2溝423Hの凹面(接触面)によって、遊星転動体23Hの径方向外側への移動が制限される。すなわち、第2溝423Hによって、遊星転動体23Hの揺動外歯歯車31Hへの押圧が制限される。このため、外歯313Hと内歯321Hとの間には、周方向の隙間(バックラッシュ)が確保される。すなわち、外歯313Hの周方向の一方の面は、内歯321Hと非接触となる。したがって、外歯313Hと内歯321Hとの間に過大な力が発生することなく、固定内歯歯車32Hに対して揺動外歯歯車31Hが滑らかに動作する。また、揺動外歯歯車31Hおよび固定内歯歯車32Hの摩耗が抑制される。
また、本実施形態では、遊星転動体23Hが球体である。このため、遊星転動体23Hを回転可能に支持するための軸受を設ける必要がない。したがって、減速機1Hをより小型化できる。また、図15に示すように、本実施形態では、遊星転動体23Hは、可動太陽ローラ22Hの外周面に接触する接触部およびケーシング40Hの内周面に接触する接触部とは異なる部分で、揺動外歯歯車31Hに接触する。
また、本実施形態では、揺動外歯歯車31Hの複数の外歯313Hと、出力軸50Hとが、可撓性を有する腕部314Hによって繋がれている。そして、この腕部314Hが撓むことによって、複数の外歯313Hの複数の内歯321Hに対する変位が許容されて出力軸50Hに回転を伝える。このようにすれば、複数の外歯313Hの変位を許容するために、複雑な機構を設ける必要がない。したがって、揺動歯車機構30Hの部材数を低減できる。その結果、減速機1Hをより小型化できる。
特に、本実施形態では、揺動外歯歯車31H、腕部314H、および出力軸50Hが、単一の部材で構成されている。このようにすれば、減速機1Hの部材数を、より低減できる。したがって、減速機1Hをより小型化できる。
<6.第3実施形態および第4実施形態に関する変形例>
以上、本発明の第3実施形態および第4実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態には限定されない。
図17は、一変形例に係る電動機付き減速機100Iの縦断面図である。図17の電動機付き減速機100Iは、第3実施形態と同等の減速機1Iに、動力源である電動機2Iを、付加したものである。入力軸10Iおよび太陽ローラ21Iは、電動機2Iから出力される駆動力により、中心軸9Iを中心として、入力回転数で回転する。言い換えれば、入力軸10Iおよび太陽ローラ21Iは、電動機2Iのロータ201Iと同じ回転数で回転する。
また、図17の電動機付き減速機100Iは、円筒状の中空シャフト101Iを有する。中空シャフト101Iは、中心軸9Iと同軸に配置される。また、中空シャフト101Iは、減速機1Iと電動機2Iとの双方に亘って、軸方向に延びる。中空シャフト101Iは、ケーシング40Iおよび蓋部60Iに対して、直接または間接的に固定される。入力軸10Iおよび太陽ローラ21Iは、中空シャフト101Iの外周面に、回転可能に支持される。また、出力軸50Iも、中空シャフト101Iの外周面に、回転可能に支持される。
このようにすれば、中空シャフト101Iの内部に、回転する部分から隔離された空間が確保される。したがって、中空シャフト101Iの内部の空間を、部品等の配置スペースとして利用することができる。例えば、中空シャフト101Iの内部の空間に、電気配線を通すことができる。
図18は、他の変形例に係る揺動外歯歯車31Jおよび出力軸50Jを含む部材の縦断面図である。図18の例では、円板部311J、筒状部312J、および複数の外歯313Jと、出力軸50Jとが、蛇腹状の腕部314Jを介して繋がっている。このように、腕部314Jを蛇腹状にすれば、腕部314Jをより径方向に伸縮させやすくなる。したがって、揺動外歯歯車31Jの筒状部312Jを、中心軸9Jに対してより偏心させやすくなる。
なお、図11に示した第3実施形態のクラウン歯車機構30Gの腕部314Gを、図18の腕部314Jと同じように、蛇腹状にしてもよい。また、図17の構造において、クラウン歯車機構の腕部を、同様に蛇腹状にしてもよい。
また、上記の実施形態では、減速機の遊星機構が2つの遊星転動体を有していた。しかしながら、遊星機構が有する遊星転動体の数は、3つなどの他の数であってもよい。ただし、複数の遊星転動体は、周方向に等間隔に配列されていることが好ましい。複数の遊星転動体が、周方向に等間隔に配列されていれば、遊星転動体の荷重が周方向に偏ることを抑制できる。そして、太陽ローラの外周面に作用する法線力が相殺される。したがって、減速機の駆動時の振動が抑制される。
減速機を構成する各部材の材料には、例えば、樹脂または金属が用いられる。樹脂を用いた場合には、減速機を軽量化できる。特に、腕部を含む部材を樹脂製にすれば、腕部の可撓性を得やすい。ただし、樹脂は金属よりも強度を得にくい。しかしながら、上記の実施形態または変形例の構造を採れば、固定歯車の歯と回転歯車の歯との間のバックラッシュを確保できる。したがって、固定歯車および回転歯車を樹脂製にして減速機を軽量化し、かつ、固定歯車および回転歯車の摩耗を抑制できる。これにより、減速機の軽量化と長寿命化を両立できる。
また、減速機の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本発明は、減速機に利用できる。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I 減速機
2I 電動機
9A,9B,9C,9D,9G,9H,9I,9J 中心軸
10A,10B,10C,10D,10G,10H,10I 入力軸
20A,20B,20C,20D,20G,20H 遊星機構
21A,21D,21G,21H 固定太陽ローラ
21C 第1固定太陽ローラ
21I 太陽ローラ
22A,22B,22H 可動太陽ローラ
22C 第2固定太陽ローラ
23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23H 遊星転動体
24A,24B,24C,24D,24G,24H キャリア
30A,30B 波動歯車機構
30G クラウン歯車機構
30H 揺動歯車機構
31A,31B,31C,31D,31F 可撓外歯歯車
31G クラウン歯車
31H 揺動外歯歯車
32A,32B,32C,32D 固定内歯歯車
32G 固定歯車
40A,40B,40G,40H,40I ケーシング
41A,41G,41H 端壁部
42A,42G,42H 周壁部
50A,50B,50G,50H,50I,50J 出力軸
60A,60C,60D,60G,60H,60I 蓋部
61A,61C,61D 板状部
62A,62B,62C,62D,62E インタナルリング
70A,70B,70C,70D,70G,70H 弾性部材
90A 隙間
100I 電動機付き減速機
211A,221B,211C,211D 第1接触面
211G,221H 接触面
221A,221C 第3接触面
232G,232H 第1遊星転動体
233G,233H 第2遊星転動体
241B キャリアピン
242B リング部
311A,311H,312G,311J 円板部
312A,312B,312C,312D,312F,312H,312J 筒状部
313A,313B,313H,313J 外歯
313G 回転歯
314G,314H,314J 腕部
321A,321B,321H 内歯
321G 固定歯
422G,422H 第1溝
423G,423H 第2溝
621A,621B,621C,621D,621E 第2接触面

Claims (17)

  1. 入力回転数の回転運動を前記入力回転数よりも低い中間回転数の回転運動に変換する第1減速機構と、
    前記中間回転数の回転運動を前記中間回転数よりも低い出力回転数の回転運動に変換する第2減速機構と、
    を備え、
    前記第1減速機構は、
    中心軸を中心として前記入力回転数で回転する太陽ローラと、
    前記太陽ローラよりも径方向外側に配置された円環状の支持部と、
    前記太陽ローラの外周面と前記支持部の内周面とに接触し、前記太陽ローラの回転に伴い自転しながら前記中心軸の周りを前記中間回転数で公転する遊星転動体と、
    を有し、
    前記第2減速機構は、
    前記中心軸を中心として円環状に配列された複数の歯をもつ固定歯車と、
    前記固定歯車の歯に対向する複数の歯をもつ回転歯車と、
    を有し、
    前記固定歯車の歯数と前記回転歯車の歯数とが相違し、
    前記遊星転動体から受ける押圧によって、前記固定歯車と前記回転歯車とが部分的に噛み合い、
    前記遊星転動体の前記公転に伴い、前記固定歯車と前記回転歯車との噛み合う位置が、前記中心軸を中心として、前記中間回転数で周方向に変化し、
    前記固定歯車と前記回転歯車との歯数の差によって、前記固定歯車に対して前記回転歯車が、前記出力回転数で回転する減速機。
  2. 請求項1に記載の減速機であって、
    前記支持部の内周面は、前記遊星転動体に対して前記押圧の方向に接触する接触面を有する減速機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の減速機であって、
    前記中心軸を中心として前記回転歯車とともに回転する出力軸
    をさらに備え、
    前記回転歯車と前記出力軸とが、可撓性の腕部を介して繋がる減速機。
  4. 請求項3に記載の減速機であって、
    前記回転歯車、前記腕部、および前記出力軸が、単一の部材である減速機。
  5. 請求項4に記載の減速機であって、
    前記単一の部材は、樹脂製である減速機。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記遊星転動体は、前記太陽ローラの外周面に接触する接触部および前記支持部の内周面に接触する接触部とは異なる部分で、前記回転歯車に接触する減速機。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記遊星転動体は、球体である減速機。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記太陽ローラおよび前記支持部の少なくとも一方に、前記遊星転動体へ向かう法線力を発生させる弾性部材
    をさらに有する減速機。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記第1減速機構は、複数の前記遊星転動体を有し、
    前記回転歯車は、複数の前記遊星転動体に接触する内周面を有するとともに、外周面に複数の外歯を有する環状の可撓外歯歯車であり、
    前記固定歯車は、前記複数の外歯と部分的に噛み合う複数の内歯を有する固定内歯歯車である減速機。
  10. 請求項9に記載の減速機であって、
    前記複数の遊星転動体は、周方向に等間隔に配列されている減速機。
  11. 請求項9または請求項10に記載の減速機であって、
    前記第1減速機構は、
    複数の前記遊星転動体を、相互に周方向に離れた状態に維持しつつ、前記中心軸の周囲において公転可能かつ自転可能に支持するキャリア
    をさらに有する減速機。
  12. 請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記遊星転動体は、前記中心軸と平行な軸を中心として自転するローラである減速機。
  13. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記回転歯車は、前記中心軸に対して垂直に配置され、軸方向の一方側である出力側へ向けて突出する複数の歯を有するクラウン歯車であり、
    前記固定歯車は、軸方向の他方側である入力側へ向けて突出する複数の歯を有し、
    前記遊星転動体は、前記クラウン歯車の前記入力側の面の周方向の一部に接触する減速機。
  14. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記回転歯車は、前記遊星転動体に接触する内周面を有するとともに、外周面に複数の外歯を有し、前記中心軸に対して偏心した円環状の揺動外歯歯車であり、
    前記固定歯車は、前記複数の外歯と部分的に噛み合う複数の内歯を有する固定内歯歯車である減速機。
  15. 請求項13から請求項14までのいずれか1項に記載の減速機であって、
    前記第1減速機構は、前記遊星転動体を含む複数の遊星転動体を有し、
    前記複数の遊星転動体は、周方向に等間隔に配列されている減速機。
  16. 請求項15に記載の減速機であって、
    前記複数の遊星転動体は、
    第1遊星転動体と、
    前記第1遊星転動体よりも前記出力側に位置する第2遊星転動体と、
    を含み、
    前記第2遊星転動体が、前記回転歯車に接触する減速機。
  17. 請求項16に記載の減速機であって、
    前記支持部の内周面は、
    円環状の第1溝と、
    前記第1溝よりも前記出力側に位置する円環状の第2溝と、
    を有し、
    前記第1遊星転動体は、前記第1溝に沿って公転し、
    前記第2遊星転動体は、前記第2溝に沿って公転する減速機。
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