JPWO2017175269A1 - 送電ケーブル - Google Patents

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Abstract

端末加工性に優れる送電ケーブルを提供する。
送電ケーブル1は、導体10と、導体10の外周に設けられた絶縁層12と、絶縁層12の外周に設けられた外部半導電層13とを備える。絶縁層12は、硫黄で架橋されたエチレンプロピレンゴムをベース樹脂として含有する絶縁性樹脂組成物からなり、外部半導電層13は、前記硫黄とは架橋系が異なる架橋剤により架橋された前記エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂をベース樹脂として含有する半導電性樹脂組成物からなる。

Description

本発明は、送電ケーブルに関する。
送電ケーブルは、導体の外周を被覆するように、絶縁層、シールド層(遮蔽層)及び外被層(シース)をこの順で備えている。一般に、絶縁層は表面に微細な凹凸を有しているため、絶縁層にシールド層が直接設けられる場合、絶縁層とシールド層との界面には絶縁層の凹凸により空隙が形成されることがある。
絶縁層とシールド層との界面に空隙が形成されていると、送電ケーブルに高電圧を印加した際に、空隙で部分放電が発生するおそれがある。部分放電は、送電ケーブルの近傍の空気をイオン化させることにより絶縁層の劣化を促進し、絶縁破壊を生じさせる。
そこで、高電圧が印加される高圧用の送電ケーブル、例えば高速鉄道などの車輌に用いられる特別高圧ケーブルには、部分放電を抑制するため、絶縁層とシールド層との界面に半導電層(外部半導電層)が設けられる。
外部半導電層は、絶縁層の表面にある凹凸を埋めて、部分放電を発生させる要因となる空隙の形成を抑制する。また、外部半導電層は、導電性付与剤を含有する半導電性樹脂組成物で形成されており、絶縁層の表面電位を均一化することにより部分放電を抑制する。
外部半導電層は、部分放電を抑制する観点から、絶縁層の表面の凹凸を埋めて絶縁層と密着している必要がある。一方、外部半導電層は送電ケーブルの端末加工時に剥ぎ取られることから、外部半導電層には、絶縁層を傷つけることなく、絶縁層から容易に剥離できることが要求されている。したがって、絶縁層と良好に密着し、送電ケーブルの端末加工時には絶縁層から容易に剥離できる外部半導電層が望まれている。
このような外部半導電層を形成する半導電性樹脂組成物のベース樹脂には、絶縁層を形成する樹脂に対して過度に密着することなく、適度な密着性を有する熱可塑性樹脂を用いることが求められる。
特許文献1には、外部半導電層を形成する半導電性樹脂組成物のベース樹脂として、酢酸ビニルを20〜45質量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)60〜90質量%と、架橋エチレン−プロピレン共重合体等のブレンドポリマー10〜40質量%とからなるベースポリマーが提案されている。
特開2001−302856号公報
しかしながら、特許文献1に記載のベースポリマーは、絶縁層を形成する樹脂との密着性が高いので、特許文献1に示す半導電性樹脂組成物で形成される外部半導電層は絶縁層から容易に剥離できないことがある。そのため、特許文献1に開示の電力ケーブルでは端末加工性が低いといった問題がある。
そこで、本発明の目的は、端末加工性に優れる送電ケーブルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の送電ケーブルを提供する。
[1]導体と、前記導体の外周に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の外周に設けられた外部半導電層とを備え、前記絶縁層は、硫黄で架橋されたエチレンプロピレンゴムをベース樹脂として含有する絶縁性樹脂組成物からなり、前記外部半導電層は、前記硫黄とは架橋系が異なる架橋剤により架橋された前記エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂をベース樹脂として含有する半導電性樹脂組成物からなる送電ケーブル。
[2]前記硫黄とは架橋系が異なる前記架橋剤は、過酸化物又はアミンである前記[1]に記載の送電ケーブル。
[3]前記半導電性樹脂組成物に含有される前記エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる前記樹脂は、エチレンアクリルゴム又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である前記[1]又は前記[2]に記載の送電ケーブル。
[4]前記導体と前記絶縁層の間に内部半導電層を備えることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の送電ケーブル。
[5]前記内部半導電層は、エチレンプロピレンゴムをベース樹脂として含有する半導電性樹脂組成物からなる前記[4]に記載の送電ケーブル。
本発明によれば、端末加工性に優れる送電ケーブルを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る送電ケーブルの一例を示す横断面図である。
〔送電ケーブル〕
本発明の実施の形態に係る送電ケーブルは、導体と、前記導体の外周に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の外周に設けられた外部半導電層とを備え、前記絶縁層は、硫黄で架橋されたエチレンプロピレンゴムをベース樹脂として含有する絶縁性樹脂組成物からなり、前記外部半導電層は、前記硫黄とは架橋系が異なる架橋剤により架橋された前記エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂をベース樹脂として含有する半導電性樹脂組成物からなる。以下、本実施の形態について図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る送電ケーブルの一例を示す横断面図である。
本発明の実施の形態に係る送電ケーブル1は、導体10と、導体10の外周に設けられた内部半導電層11と、内部半導電層11の外周に設けられた絶縁層12と、絶縁層12の外周に設けられた外部半導電層13と、外部半導電層13の外周に設けられたシールド層14と、シールド層14の外周に設けられた外被層15とを備える。
(導体10)
導体10としては、例えば、低酸素銅や無酸素銅等からなる銅線、銅合金線、銀等からなる他の金属線等、又はこれらを撚り合わせた撚り線を用いることができる。導体10の外径は、送電ケーブル1の用途に応じて適宜変更することができる。
(内部半導電層11)
本発明の実施の形態に係る送電ケーブル1は、導体10と絶縁層12の間に内部半導電層11を備えることが好ましい。内部半導電層11は、導体10の外周を被覆するように設けられている。内部半導電層11は、絶縁層12に密着して設けられ、絶縁層12の内側表面の凹凸を埋めて部分放電を抑制するためのものである。内部半導電層11の厚さは、例えば、0.3mm以上3mm以下である。
内部半導電層11は、例えば、従来公知の半導電性樹脂組成物で形成され得る。内部半導電層11を形成する半導電性樹脂組成物は、例えば、ベース樹脂と導電性付与剤とを含有している。
ベース樹脂としては、後述する絶縁層12を形成する樹脂に対して良好な密着性を有する樹脂を用いることが好ましい。本実施形態では、絶縁層12がエチレンプロピレンゴムで形成されるため、内部半導電層11を形成するベース樹脂としては、同じエチレンプロピレンゴムを用いるとよい。
導電性付与剤としては、後述の外部半導電層13を構成する半導電性樹脂組成物に使用される導電性付与剤と同様のものが使用できる。
なお、内部半導電層11を形成する半導電性樹脂組成物には、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、老化防止剤などのその他添加剤が含有されていてもよい。
上記半導電性樹脂組成物は、例えば、ベース樹脂、導電性付与剤、及びその他添加剤を混合し、加熱しながら混練することにより形成することができる。各成分の添加順序は、特に限定されない。混練は、ミキシングロール、バンバリーミキサ、ブラベンダープラストグラフ、加圧型ニーダなどのバッチ式混練機や単軸又は2軸押出機を用いて、同時的あるいは逐次的に行うことができる。混練の際の加熱温度は、ベース樹脂の融点以上とする。
(絶縁層12)
絶縁層12は、内部半導電層11の外周を被覆するように設けられている電気絶縁層である。絶縁層12の厚さは、例えば、3mm以上30mm以下である。
絶縁層12に用いられる樹脂は、後述する外部半導電層13を形成する樹脂と過度に密着しないものである。具体的には、硫黄で架橋したエチレンプロピレンゴムが良く、絶縁層12は、硫黄で架橋されたエチレンプロピレンゴムをベース樹脂として含有する絶縁性樹脂組成物からなる。エチレンプロピレンゴムは各種ゴムの中でも絶縁性の高いゴムであり、高電圧用の絶縁材料として好適である。
ベース樹脂には、本発明の効果を奏する範囲内において上記硫黄で架橋したエチレンプロピレンゴム以外の樹脂を含有していてもよいが、上記硫黄で架橋したエチレンプロピレンゴムをベース樹脂中に90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、98質量%以上含むことが更に好ましい。
絶縁層12を形成する絶縁性樹脂組成物は、必要に応じて、その他添加剤を含有してもよい。その他添加剤としては、架橋助剤、老化防止剤、滑剤、操作油、耐オゾン防止剤、紫外線防止剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、粘着防止剤などを用いることができる。
なお、上記絶縁性樹脂組成物は、例えば、ベース樹脂、及びその他添加剤を混合し、加熱しながら混練することにより形成することができる。各成分の添加順序は、特に限定されない。混練は、ミキシングロール、バンバリーミキサ、ブラベンダープラストグラフ、加圧型ニーダなどのバッチ式混練機や単軸又は2軸押出機を用いて、同時的あるいは逐次的に行うことができる。混練の際の加熱温度は、ベース樹脂の融点以上とする。
(外部半導電層13)
外部半導電層13は、絶縁層12の外周を被覆するように設けられている。外部半導電層13は、絶縁層12の外側表面の凹凸を埋めて部分放電を抑制するためのものである。外部半導電層13の厚さは、例えば、0.3mm以上3mm以下である。
外部半導電層13は、ベース樹脂と導電性付与剤とを含有している半導電性樹脂組成物で形成されている。当該ベース樹脂としては、絶縁層12を形成するベース樹脂(エチレンプロピレンゴム)とは極性の異なる樹脂を用いる。さらに、外部半導電層13に用いているベース樹脂と絶縁層12に用いているベース樹脂の架橋系も異なる架橋系とする必要がある。すなわち、外部半導電層13は、硫黄とは架橋系が異なる架橋剤により架橋された、エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂をベース樹脂として含有する半導電性樹脂組成物からなる。
極性の異なる樹脂を用いることで同じ極性同士の樹脂を用いた時より、外部半導電層13と絶縁層12との密着性はある程度抑えることはできるが、それでも不十分である。極性の異なる樹脂同士でも架橋系が同じ場合は、密着性を抑えることが難しく、種々検討した結果、架橋系を変えることにより密着性を改善できることを見出した。
上記硫黄とは架橋系が異なる架橋剤としては、種々の架橋剤を使用できるが、過酸化物又はアミンが好適である。また、上記半導電性樹脂組成物に含有されるエチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂としては、特に限定されるものではないが、エチレンアクリルゴム又はエチレン−酢酸ビニル共重合体が好適である。
ベース樹脂には、本発明の効果を奏する範囲内において上記硫黄とは架橋系が異なる架橋剤により架橋された、エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂以外の樹脂を含有していてもよいが、上記硫黄とは架橋系が異なる架橋剤により架橋された、エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂をベース樹脂中に90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、98質量%以上含むことが更に好ましい。
外部半導電層13を形成する半導電性樹脂組成物には、導電性付与剤が含有されているとよい。導電性付与剤は、外部半導電層13のベース樹脂に導電性を付与する。導電性付与剤としては、例えば導電性カーボンを用いることができる。導電性カーボンは、粒子径が小さい、比表面積が大きい、ストラクチャー(粒子の凝集体構造)が大きい、表面化合物が少ない、といった特徴を有している。導電性カーボンは、少ない添加量で樹脂に導電性を付与することができる。そのため、導電性カーボンによれば、その添加による半導電性樹脂組成物の粘度の増加を抑制でき、半導電性樹脂組成物の押出成形性の低下を抑制することができる。導電性カーボンとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック等の従来公知のものを用いることができる。なお、導電性カーボンは1種類を単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
導電性付与剤の含有量は、外部半導電層13のベース樹脂100質量部に対して、40質量部以上80質量部以下とすることが好ましく、45質量部以上75質量部以下とすることがより好ましく、50質量部以上70質量部以下とすることが更に好ましい。含有量を40質量部以上とすると、外部半導電層13に導電性を付与し、外部半導電層13の体積抵抗値を、例えば10Ω・cm以上10Ω・cm以下とすることができる。含有量を80質量部以下とすると、半導電性樹脂組成物の粘度の増加、そして粘度の増加による半導電性樹脂組成物の押出成形性の低下を抑制することができる。
外部半導電層13を形成する半導電性樹脂組成物は、必要に応じて、その他添加剤を含有してもよい。その他添加剤としては、架橋助剤、老化防止剤、滑剤、操作油、耐オゾン防止剤、紫外線防止剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、粘着防止剤などを用いることができる。
なお、上述の半導電性樹脂組成物は、例えば、ベース樹脂、導電性付与剤、及びその他添加剤を混合し、加熱しながら混練することにより形成することができる。各成分の添加順序は、特に限定されない。混練は、ミキシングロール、バンバリーミキサ、ブラベンダープラストグラフ、加圧型ニーダなどのバッチ式混練機や単軸または2軸押出機を用いて、同時的あるいは逐次的に行うことができる。混練の際の加熱温度は、ベース樹脂の融点以上とする。
(シールド層14)
外部半導電層13の外周を被覆するように、シールド層(遮蔽層ともいう)14が設けられている。シールド層14は、導体10に電圧を印加する際に発生するノイズを遮蔽するものである。シールド層14は、送電ケーブル1の可撓性を向上させる観点から、例えば軟銅線などの素線を複数編み込むことにより形成されている。
(外被層15)
シールド層14の外周を被覆するように、外被層(シースともいう)15が設けられている。外被層15は、導体10や絶縁層12などを被覆保護する電気絶縁層である。外被層15は、従来公知の樹脂組成物で形成でき、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ふっ素ゴム、ウレタンゴム等のゴムに架橋剤等が添加されたものを押出成形することにより形成される。
〔送電ケーブルの製造方法〕
次に、送電ケーブル1の製造方法の一実施形態について説明する。
まず、例えば、銅等の素線からなる導体10を準備する。そして、例えば、押出機により、導体10の外周を被覆するように、内部半導電層11用の半導電性樹脂組成物を押出して成形し、所定厚さの内部半導電層11を形成する。なお、内部半導電層11を架橋させる場合、従来公知の方法により行うことができる。例えば、有機過酸化物を用いて架橋を行う場合、内部半導電層11用の半導電性樹脂組成物に有機過酸化物を含有させて、内部半導電層11を高温(140℃以上190℃以下)、高圧(1.3MPa)の水蒸気内に15分間、曝すことにより行う。
続いて、例えば、押出機により、内部半導電層11の外周を被覆するように前述の絶縁性樹脂組成物を押出して成形し、所定厚さの絶縁層12を形成する。絶縁層12を架橋させる方法としては、内部半導電層11と同様に行うことができるが、架橋剤としては、硫黄を使用する。例えば、エチレンプロピレンゴム100質量部に対して硫黄1質量部以上3質量部以下(好ましくは1.5質量部以上2.5質量部以下)を添加した絶縁性樹脂組成物を用いる。
続いて、例えば、押出機により、絶縁層12の外周を被覆するように、前述の外部半導電層13用の半導電性樹脂組成物を押出して成形し、所定厚さの外部半導電層13を形成する。外部半導電層13を架橋させる方法としては、内部半導電層11と同様に行うことができるが、架橋剤としては、硫黄とは架橋系が異なる前述の架橋剤を使用する。例えば、エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる前述の樹脂100質量部に対して硫黄とは架橋系が異なる前述の架橋剤0.5質量部以上3質量部以下(好ましくは1質量部以上2.5質量部以下)を添加した半導電性樹脂組成物を用いる。
続いて、外部半導電層13の外周を被覆するように例えば銅テープや軟銅線等を巻き付けてシールド層14を形成する。そして、シールド層14の外周を被覆するようにポリ塩化ビニル樹脂組成物を押出して成形し、所定厚さの外被層15を形成する。これにより、本実施形態に係る送電ケーブル1を得ることができる。
なお、本実施形態では、樹脂組成物を順次押出して成形することにより内部半導電層11、絶縁層12及び外部半導電層13をそれぞれ形成したが、内部半導電層11用の半導電性樹脂組成物、絶縁層12用の絶縁性樹脂組成物、及び外部半導電層13用の半導電性樹脂組成物を同時に押出して成形し、3層を同時に形成してもよい。
また、本実施形態では、内部半導電層11は、半導電性樹脂組成物を押出成形することにより形成したが、例えばスフ製の基布に導電性ブチルゴムを塗布した半導電性布テープを巻き付けることで形成してもよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)内部半導電層用の半導電性樹脂組成物の調製
まず、内部半導電層用の半導電性樹脂組成物を調製した。具体的には、エチレンプロピレンゴム100質量部に対して導電性付与剤40質量部以上80質量部以下含有させ、有機過酸化物を加え、酸化防止剤などの添加剤を添加し、バンバリーミキサで混練することによって、半導電性樹脂組成物を調製した。
(2)絶縁層用の絶縁性樹脂組成物の調製
続いて、絶縁層用の絶縁性樹脂組成物を調製した。具体的には、表1の実施例及び比較例に示す絶縁層用の成分を、バンバリーミキサで混練することによって、絶縁性樹脂組成物を調製した。
(3)外部半導電層用の半導電性樹脂組成物の調製
続いて、外部半導電層用の半導電性樹脂組成物を調製した。具体的には、表1の実施例及び比較例に示す外部半導電層用の成分を、バンバリーミキサで混練することによって、半導電性樹脂組成物を調製した。
(4)評価用送電ケーブルの作製
送電ケーブルを模擬した評価用送電ケーブルを以下のようにして作製した。
上記で調製した内部半導電層用の半導電性樹脂組成物、絶縁層用の絶縁性樹脂組成物及び外部半導電層用の半導電性樹脂組成物の各成分をそれぞれ90℃に保持した押出機に供給した。その後、導体としての銅線(断面積95mm)の外周に、内部半導電層の厚さが1mm、絶縁層の厚さが9mm、外部半導電層の厚さが1mmとなるように3層同時押出した。続いて、押し出した各成分を架橋することにより、導体の外周に内部半導電層、絶縁層及び外部半導電層をこの順に積層させた評価用送電ケーブルを作製した。
(5)評価方法
作製した評価用送電ケーブルについて、外部半導電層の密着性、及び外部半導電層の電気特性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
(外部半導電層の密着性)
外部半導電層の密着性については、絶縁層から外部半導電層を剥離するときの剥離強度により評価した。具体的には、評価用送電ケーブルをカッターで縦割りし、幅10mm、長さ約15cm程度の試験片を3つ作製した。この各試験片に対して、ショッパー型引張試験機により剥離試験を実施し、250mm/minの引張速度で絶縁層から外部半導電層を剥離するときの剥離強度を測定した。なお、本実施例では、剥離強度は20N/10mm以下を目標とした。このレベルであれば、外部半導電層を剥離する際に外部半導電層自体が破壊されたり、絶縁層が破壊されたりしない。
(外部半導電層の電気特性)
外部半導電層の電気特性については、外部半導電層の体積抵抗率により評価した。具体的には、長さ120mm、幅20mm、厚さ1mmの試験片を作製し、日本ゴム協会標準規格SRIS2301(1969)導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗率試験方法を参考に測定した。外部半導電層の体積抵抗率が10Ω・cm以上10Ω・cm以下であれば、送電ケーブルに生じる部分放電を抑制することができる。
Figure 2017175269
実施例1〜5は、剥離強度、体積抵抗率のいずれも良好であった。
これに対し、比較例1は、絶縁層のベース樹脂はエチレンプロピレンゴム、外部半導電層のベース樹脂はエチレンアクリルゴムであるが、本発明で規定している架橋系とは異なり、絶縁層のベース樹脂の架橋系と外部半導電層のベース樹脂の架橋系が同じ過酸化物系であるため、剥離強度が大きすぎる。また、比較例2は、絶縁層のベース樹脂はエチレンプロピレンゴム、外部半導電層のベース樹脂はエチレン−酢酸ビニル共重合体であるが、本発明で規定している架橋系とは異なり、絶縁層のベース樹脂の架橋系と外部半導電層のベース樹脂の架橋系が同じ過酸化物系であるため、剥離強度が大きすぎる。
なお、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず種々に変形実施が可能である。
1:送電ケーブル
10:導体、11:内部半導電層、12:絶縁層、13:外部半導電層
14:シールド層(遮蔽層)、15:外被層(シース)

Claims (5)

  1. 導体と、前記導体の外周に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の外周に設けられた外部半導電層とを備え、
    前記絶縁層は、硫黄で架橋されたエチレンプロピレンゴムをベース樹脂として含有する絶縁性樹脂組成物からなり、
    前記外部半導電層は、前記硫黄とは架橋系が異なる架橋剤により架橋された前記エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる樹脂をベース樹脂として含有する半導電性樹脂組成物からなる送電ケーブル。
  2. 前記硫黄とは架橋系が異なる前記架橋剤は、過酸化物又はアミンである請求項1に記載の送電ケーブル。
  3. 前記半導電性樹脂組成物に含有される前記エチレンプロピレンゴムとは極性が異なる前記樹脂は、エチレンアクリルゴム又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1に記載の送電ケーブル。
  4. 前記導体と前記絶縁層の間に内部半導電層を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送電ケーブル。
  5. 前記内部半導電層は、エチレンプロピレンゴムをベース樹脂として含有する半導電性樹脂組成物からなる請求項4に記載の送電ケーブル。
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