JPWO2017169886A1 - 音響管および音響再生装置 - Google Patents

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Abstract

本技術は、より低コストでエバネッセント波を生成することができるようにする音響管および音響再生装置に関する。
音響管は、自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、複数の開口部またはスリット状の開口部を有する。音響管内を音波が進むと、複数の開口部、またはスリット状の開口部の複数の位置から音波が出力され、それらの音波が合成されてエバネッセント波となる。本技術は音響管や、音響管を有する音響再生装置等に適用することができる。

Description

本技術は音響管および音響再生装置に関し、特に、より低コストでエバネッセント波を生成することができるようにした音響管および音響再生装置に関する。
公共施設などの多数の人が共有するような場においては、ある特定の人に対してのみ情報を伝える技術は非常に有用であるといえる。
例えば、電車のホームで下り電車を待っている人と、上り電車を待っている人とに対しては、駅員はそれぞれ異なる情報を伝えたい場合が多いはずである。また、銀行では多くの人が利用するが、受付などでのやりとりは個人情報にかかわることが多く、できるだけ遠くに聞こえないほうが望ましい。
そこで、ある特定の領域にいる人だけが再生された音声を聞き取ることができるようにするスポット再生と呼ばれる技術が開発され、実際に応用されている。
例えば、駅のホームなどでは平面型のスピーカや、超音波に変調をかけて可聴帯域の音を発生させるパラメトリックスピーカなどが利用されている。これらのスピーカは、指向性の強さを利用し、ある方向だけに音を伝搬させることができるため、特定の方向にいる聴取者のみに音を届けることができる。しかしながら、この方法では、その特定の方向に対しては減衰が少なく、遠くまで音が届いてしまう。
これに対して、スポット再生技術において、スピーカからの距離方向に対してスポット再生を実現する方法が存在する。これは球面波に比べて減衰の非常に速いエバネッセント波という波面を生成する方法である。
エバネッセント波は、何らかの要因で通常の伝搬波の波長より短い波長になってしまうような条件で生じる波である。このようなエバネッセント波を発生させる方法として、スピーカアレイと信号処理の組み合わせによる方法が提案されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。
具体的には、例えば直線スピーカアレイを用いて1kHz(波長34cm)の音に対してエバネッセント波を発生させたい場合には、直線スピーカアレイを構成する全てのスピーカユニットの間で段階的に位相差をつけて、その位相が一回転(2π)する間隔が34cm未満となるようにすればよい。
特開2013−236216号公報 特開2013−26715号公報 特開2012−44572号公報
ところが、スピーカアレイによる波面合成でエバネッセント波を生成する場合、スピーカや増幅器、DA(Digital to Analog)コンバータがアレイのチャネル分だけ必要となり、また信号処理演算の負荷も膨大になるため、コストの面から実用化が困難であるといえる。
そのため、より少ないスピーカ数と演算負荷で、すなわち低コストでエバネッセント波を生成する技術が必要とされている。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より低コストでエバネッセント波を生成することができるようにするものである。
本技術の第1の側面の音響管は、自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、複数の開口部またはスリット状の開口部を有する。
前記複数の前記開口部が所定の方向に並べられて設けられているようにすることができる。
互いに隣接する前記開口部間の距離が所定の距離となるように前記複数の前記開口部が設けられているようにすることができる。
前記音響経路を、所定方向への音波の速度が、その前記音波が前記音響経路を進む速度未満となる形状とすることができる。
前記音響管には、前記複数の前記開口部のそれぞれから音波を出力させるか、または前記スリット状の前記開口部の複数の位置から音波を出力させて、エバネッセント波を生成させることができる。
前記音響管を、円筒管を螺旋状に巻くことにより得られたものとすることができる。
前記音響管を、波形に変形された円筒管を円環状にすることにより得られたものとすることができる。
前記音響管を、内部に仕切りを設けることにより得られたものとすることができる。
本技術の第1の側面においては、音響管に自身の外形寸法よりも長い音響経路が設けられ、複数の開口部またはスリット状の開口部が設けられる。
本技術の第2の側面の音響再生装置は、自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、複数の開口部またはスリット状の開口部を有する音響管と、前記音響管内に音波を出力するスピーカとを備える。
前記音響経路を、前記音波の所定方向への速度が、その前記音波が前記音響経路を進む速度未満となる形状とすることができる。
前記音響管には、前記複数の前記開口部のそれぞれから前記音波を出力させるか、または前記スリット状の前記開口部の複数の位置から前記音波を出力させて、エバネッセント波を生成させることができる。
音響再生装置には、前記音響管内に音波を出力するスピーカを複数設けることができる。
音響再生装置には、前記スピーカに供給される音響信号に対して音響補正を行う音響補正部をさらに設けることができる。
音響再生装置には、前記音響管および前記スピーカを複数設けることができる。
音響再生装置には、音響信号に対する帯域分割を行って、複数の前記スピーカのそれぞれに出力される複数の音響信号のそれぞれを生成する帯域分割部をさらに設けることができる。
複数の前記音響管には、所定方向の第1の距離と、前記音響経路を進む前記音波が、前記所定方向に前記第1の距離だけ進む間に、前記音響経路を進んだ第2の距離との比が互いに異なる前記音響管が含まれているようにすることができる。
本技術の第2の側面においては、スピーカにより、自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、複数の開口部またはスリット状の開口部を有する音響管内に音波が出力される。
本技術の第1の側面および第2の側面によれば、より低コストでエバネッセント波を生成することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載された何れかの効果であってもよい。
エンドファイヤーアレイについて説明する図である。 本技術を適用した音響管の構成例を示す図である。 本技術を適用した音響再生装置の構成例を示す図である。 音響管の他の構成例を示す図である。 音響管の他の構成例を示す図である。 音響管の他の構成例を示す図である。 音響管の他の構成例を示す図である。 音響管の他の構成例を示す図である。 音響管内の仕切りについて説明する図である。 音響管の他の構成例を示す図である。 音響管の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。 音響再生装置の他の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
〈第1の実施の形態〉
〈本技術について〉
本技術は、エバネッセント波の減衰率を考慮して音響管の形状を決定することで、単一のスピーカを用いてスポット再生を実現できるようにするものである。なお、本技術は、スポット再生に限らず、他の様々な用途に対して適用可能である。
(波動方程式による平面波とエバネッセント波の導出)
音の伝搬は波動方程式により説明されるが、これを用いてエバネッセント波についての説明を行う。まず自由空間の波動方程式は次式(1)により表される。
Figure 2017169886
なお、式(1)において、tは時間を示しており、xは2次元空間の座標、すなわち2次元空間上の位置を示している。特に、ここでは位置xはx座標とy座標により表されるものとする。また、p(xv,t)は時刻tにおける位置xの音圧を示しており、cは音速を示している。さらに、式(1)において∇は、次式(2)に示すように2次の偏微分を表している。
Figure 2017169886
また、音圧p(xv,t)を位置xに関する関数X(xv)と、時刻tに関する関数T(t)とに変数分離すると、音圧p(xv,t)は次式(3)により表すことができる。
Figure 2017169886
ここで、角周波数をωとし、虚数をiとして関数T(t)のフーリエ変換をTF(ω)とすると、TF(ω)は次式(4)に示すようになる。
Figure 2017169886
また、TF(ω)のフーリエ逆変換をT(t)とすると、T(t)は次式(5)に示すようになる。
Figure 2017169886
さらに、フーリエ逆変換T(t)の2次偏導関数は以下の式(6)により表されるので、その2次偏導関数のフーリエ変換は、以下の式(7)に示すようになる。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
いま、音圧p(xv,t)のフーリエ変換をP(xv,ω)とすると、式(3)からP(xv,ω)は以下の式(8)に示すようになるので、上述した式(1)の波動方程式の一般解として、以下の式(9)に示す解が導かれる。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
なお、式(9)においてA(ω)は角周波数ωを変数とする任意の関数であり、iは虚数を示している。また、式(9)において、xおよびkは、それぞれ2次元空間上、つまりxy座標系における位置を示すベクトル、および波数のベクトルを示しており、これらのxおよびkは、それぞれ以下の式(10)および式(11)により表される。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
なお、式(10)および式(11)において、vおよびvは、それぞれxy座標系におけるx方向の単位ベクトルおよびy方向の単位ベクトルを表している。また、式(10)においてxおよびyは、xy座標系におけるx座標およびy座標を示しており、式(11)においてkおよびkは、それぞれx方向の波数およびy方向の波数を示している。
以下では位置ベクトルxを単に位置xとも称し、波数ベクトルkを単に波数kとも称することとする。特に、波数kは音の波長をλとすると2π/λで表される空間周波数である。
また、位置xと波数kとの内積は以下の式(12)に示す通りであり、波数kの絶対値、および波数kの絶対値の二乗値は、それぞれ以下の式(13)および式(14)に示す通りである。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
Figure 2017169886
ここで、波数kの絶対値がx方向の波数kの絶対値以上であるとき、つまり次式(15)が成立するときには、式(14)からy方向の波数kは以下の式(16)に示すようになる。したがって、この場合、式(9)で得られた音圧P(xv,ω)により表される音波は平面波となる。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
これに対して、波数kの絶対値がx方向の波数kの絶対値未満であるとき、つまり次式(17)が成立するときには、y方向の波数kは以下の式(18)に示すようになる。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
なお、式(18)においてiは虚数を示している。このように式(17)の条件が成立する場合には、y方向の波数kは虚数となってしまう。
この式(18)に示される波数kを式(9)の音圧P(xv,ω)に代入すると、次式(19)のようになる。
Figure 2017169886
式(19)により示される音圧P(xv,ω)をx方向に見ると波数がkである波面が現れ、また、この音圧P(xv,ω)をy方向に見ると、音圧が指数関数的に減衰するような音場が得られることが分かる。このような音波がエバネッセント波である。
なお、y>0において音圧P(xv,ω)は、波数kが以下の式(20)となる場合のみ物理的な意味をなすため、式(19)を求める計算においては、式(20)に示される波数kが代入されて計算が行われている。
Figure 2017169886
(エンドファイヤーアレイについて)
ところで、例えば図1に示すような細長い円筒管11について考えてみる。図1では、円筒管11の左端にはスピーカ12が設置されており、円筒管11の上部には複数の開口が設けられている。
なお、図1において図中、横方向をx方向とし、x方向に垂直な方向をy方向とする。これらのx方向およびy方向は、式(10)に示した位置ベクトルxのx方向およびy方向に対応する。図1に示す例では、円筒管11の上面には、複数の開口がx方向に並べられている。
例えばスピーカ12から角周波数ωの音が発せられると、円筒管11内において、音速cでx方向に音波が伝搬する。
このとき、円筒管11内のx方向の波数kは、次式(21)に示すようになる。
Figure 2017169886
スピーカ12から発せられた音が円筒管11に設けられた開口に到達すると、円筒管11内を伝搬されてきた音が開口を通って円筒管11外にも出力される。円筒管11外に出力された音のx方向の波数kは、次式(22)に示されるように、式(21)に示した場合、つまり円筒管11内における波数kと同じままとなる。
Figure 2017169886
したがって、この場合には式(15)が成立するので、円筒管11の外側には平面波が現れることになる。また、このときのy方向の波数kは以下の式(23)に示すように0となり、円筒管11外に現れる平面波の方向はx方向と等しいことが分かる。
Figure 2017169886
このような開口のアレイはエンドファイヤーアレイと呼ばれており、実際にガンマイクなどに応用されている。
(本技術について)
これに対して、本技術では音を伝搬させる音響管を、その音響管の外側から見た音の見かけ上の音速c’を実際の音速cよりも遅くなるようにすることで、音響管からエバネッセント波が出力されるようにした。より詳細には、音響管外でエバネッセント波が発生するようにした。
ここで、音速c’は、音が入力される音響管の入力端から、音響管の終端へと向かう方向における、音響管内を進む音の速度である。すなわち、音速c’は、大局的に見たときに音が進む方向への速度である。また、ここでは音響管の入力端から、音響管の終端へと向かう方向をx方向とし、x方向と垂直な方向をy方向とする。これらのx方向およびy方向は、式(10)に示した位置ベクトルxのx方向およびy方向に対応する。
音速c’を制御してy方向に減衰するエバネッセント波を生成するためには、x方向の波数kについて、以下の式(24)に示す条件が必要十分条件となる。すなわち、式(24)が成立する必要がある。
Figure 2017169886
式(24)が成立するためには、音響管内を進む音の経路、つまり音響管の音響経路を変形させて、音響管外から見たときの見かけ上の音速c’を遅くすればよい。
具体的には、例えば図2に示すように、円筒形であった管を螺旋形に変形させることで、音が直線的に進まないようにする。
図2は、本技術を適用した音響管の一実施の形態の構成例を示す図である。この例では、音響管41は内部が中空とされている円筒管を螺旋状に巻いた形状となっている。したがって、音響管41の外形寸法が、その音響管41の音響経路よりも短くなっている。
具体的には、音響管41の図中、左端が音の入力端となり、音響管41の図中、右端が音の到達する終端となるが、これらの入力端から終端までの図中、横方向の距離を音響管41の外形寸法とする。また、音響管41の入力端から音波を入力したときに、その音波が音響管41内部において入力端から終端へと到達するまでに辿る経路を音響経路とすると、音響管41の外形寸法は音響経路の長さ未満となる。換言すれば、音響管41は、自身の外形寸法よりも長い音響経路を有している。
ここで、音響管41の入力端から終端へと向かう方向、つまり図中、横方向がx方向であり、x方向と垂直な方向がy方向である。
また、この例では、音響管41を構成する管の図中、手前側には音を出力(放出)する複数の開口部である開口42−1乃至開口42−6がx方向に並べられて設けられている。なお、以下、開口42−1乃至開口42−6を特に区別する必要のない場合、単に開口42とも称することとする。
開口42は音響管41の内部、すなわち音響経路と、音響管41の外部とを接続する貫通孔である。したがって、これらの開口42は、音響経路上に設けられ、音響経路を進む音波が開口42を通過するタイミングで外部へと音波を放出する開口部として機能する。
なお、音響管41に設けられる開口42の形状や位置、開口42の数、開口42間の間隔には、特に制限はない。すなわち、開口42は円形に限らずスリット形状など、どのような形状であってもよく、音響管41に設けられる開口42の位置も任意の位置とすることができる。また、開口42の数もいくつであってもよく、互いに隣接する開口42間の距離も任意の距離とすることができる。例えば図2では、各開口42がx方向に等間隔に並んでいるが、各開口42が不等間隔に並べられてもよい。
但し、開口42同士の間隔が広すぎると、エバネッセント波により高い周波数の音を再生することができなくなってしまうので、適度に密な間隔で開口42が設けられるようにすることが好ましい。
さらに、ここでは音響管41に複数の開口42が設けられているが、例えば音響管41の入力端から終端へと音響管41を構成する管に沿ってスリットが設けられるようにしてもよい。すなわち、音響管41を構成する管における終端以外の複数の部分から音が放出されるようにすればよい。
また、音響管41の図中、左端、すなわち入力端には、スピーカ43が配置されている。したがって、スピーカ43が音を出力すると、その音は音響管41内、つまり音響管41の音響経路をたどって音響管41の終端へと到達する。
このとき、スピーカ43から発せられた音が、音響管41の音響経路上に位置する各開口42に到達したタイミングで、それらの開口42から外部へと音が放出されることになる。
つまり、スピーカ43から発せられた音は、音響管41内、つまり音響管41の音響経路を進んでいき、まず開口42−1に到達する。すると、開口42−1から外部に向けて音が放出されるとともに、スピーカ43から発せられた音はさらに音響管41内を進んでいく。
そして、スピーカ43から発せられた音が終端に到達するまでの間、その音が音響経路上にある開口42に到達するたびに、その開口42から音が放出される。このようにして、スピーカ43から音が出力されると、開口42−1から開口42−6まで順番に、各開口42から音が放出され、音響管41外では、それらの開口42から放出された音、つまり音波が合成されることになる。
音響管41のように円筒形であった管を直線とは異なる形に変形し、入力端から音波が最短距離で終端に到達しないようにすることで、つまり音響管41の音響経路を直線とは異なる形状の経路として、音響管41内を進む音波が終端までx方向に直進しないようにすることで、x方向の音速c’が音速c未満となるようにすることができる。
このとき、音響管41内を進む音波の音速はcであり、音響管41内での音波の進行方向への波数kは、次式(25)に示すように音の角周波数ωを音速cで除算することで得られる。
Figure 2017169886
ここで、音響管41内を終端まで進む音波の経路、つまり音響管41の音響経路が、音波がx方向に進む距離、つまり音響管41の入力端から終端までのx方向の距離(直線距離)のm倍(但し、m>1)の長さであるとする。換言すれば、音響管41の音響経路の長さが、音響管41の外形寸法のm倍であるとする。
以下では、このような実際の音響経路の長さと、入力端から終端までのx方向の距離との比であるmを音響経路の圧縮率mとも称することとする。
この圧縮率mは、音響管41内の音波がx方向に進んだ距離を第1の距離とし、その音波がx方向に第1の距離だけ進む間に、音響管41の音響経路を音波が進んだ距離を第2の距離とすると、第1の距離と第2の距離との比であるということができる。
音響管41の音響経路の圧縮率がm倍である場合、音響管41内の音波の波数kと、音響管41外の音波のx方向の波数kの関係は、次式(26)に示すようになる。
Figure 2017169886
式(26)では、波数kの絶対値が波数kの絶対値よりも大きくなっているので、つまり上述した式(24)に示した条件が成立するので、各開口42から放出された音波を合成したものはエバネッセント波となっていることが分かる。つまり、音響管41によりエバネッセント波が生成されることが分かる。
このとき、音響管41外の音波のy方向の波数kは以下の式(27)に示すようになる。
Figure 2017169886
見方を変えて説明すると、音響管41内の音響経路を伝搬する音の波面を、音響管41外から眺めると、その音のx方向への見かけ上の速度である音速c’は、以下の式(28)に示すようになり、音速c未満となることが分かる。
Figure 2017169886
したがって、波数kについて次式(29)が成立し、音響管41から放出された音波が合成されてエバネッセント波となることが分かる。
Figure 2017169886
x方向は、大局的に見たときの音響管41内の音波の進行方向となっている。式(28)および式(29)を参照して説明したように、音響管41内の音波のx方向への速度c’が、その音波が音響管41内の音響経路を進む音速c未満となれば、音響管41外へと出力された音波が合成されてエバネッセント波が生成される。したがって、音響管41の音響経路の形状は式(28)に示す条件を満足する形状とされれば、どのような形状であってもよい。換言すれば、音響管41は外形寸法よりも長い音響経路を有していれば、どのようなものであってもよい。
〈音響再生装置の構成例〉
次に、以上において説明した、本技術を適用した音響管を利用した音響再生装置について説明する。そのような音響再生装置は、例えば図3に示すように構成される。なお、図3において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図3に示す音響再生装置61は、螺旋型の音響管41を有し、エバネッセント波生成装置として機能する。音響再生装置61は、DA(Digital Analog)変換部71、増幅器72、スピーカ43、および音響管41を有している。
この音響再生装置61では、音を出力するスピーカ43に、図2に示した音響管41の入力端が接続されている。また、音響再生装置61では、これから再生しようとする音の音響信号がDA変換部71へと供給される。
DA変換部71は、外部から供給された音響信号をデジタル信号からアナログ信号へと変換し、増幅器72に供給する。増幅器72は、DA変換部71から供給されたアナログの音響信号を増幅させてスピーカ43に供給する。
スピーカ43は、増幅器72から供給された音響信号に基づいて音を再生する。すなわち、スピーカ43は、音響信号に基づく音波を音響管41内に向けて出力する。
このようにしてスピーカ43から出力された音波は、スピーカ43に取り付けられた音響管41の入力端から音響管41内に入力され、その音響管41の音響経路を通って終端まで伝搬される。このとき、音響管41内を進む音波が開口42に到達すると、その開口42から球面波である音波が放出され、各開口42から放出された音波が合成されてエバネッセント波とされる。
このエバネッセント波により音響信号に基づく音が再生されるため、音響管41の近くにいる人はその音を聴取することができる。これに対して、音響管41から離れた位置にいる人には、音響再生装置61により再生された音は殆ど聞こえることはない。
このように音響管41を有する音響再生装置61により音を再生することで、スポット再生を実現することができる。しかも音響再生装置61では、音響経路がm倍に圧縮されるように物理的に変形された音響管41を用いるだけでよいので、簡単かつ低コストでエバネッセント波を生成することができる。すなわち、スピーカや増幅器、DA変換部を複数設けなくてもエバネッセント波を発生させることができる。
音響管41では、円筒の管を螺旋状に変形させることで、音波のx方向の経路が変形前のm倍となるようになされており、音波の経路が延びる率は圧縮率mにより表される。
なお、音響管41の終端は、開放された状態、つまり開放端となっていてもよいし、封止された状態、つまり閉塞端とされるようにしてもよい。特に音響管41の終端が封止される場合には、終端での音の反射を防止するため、吸音材により終端を封止するようにするとよい。
また、図3に示す例では、音響管41の入力端にスピーカ43が接続されているが、音響管41の入力端にスピーカ43を設けずに、既に存在する発音する対象を音響管41の入力端に取り付けるなどしてもよい。換言すれば、音響管41の入力端から入力される音は、スピーカ43から出力されたものに限らず、他のどのような音源から発せられたものであってもよい。
〈第1の実施の形態の変形例1〉
〈音響管の構成例〉
また、本技術を適用した音響管は、図2に示した例に限らず、外形寸法が音響経路の長さ未満であり、2以上の複数の箇所から外部に音波が放出されるような開口部分を有するものであれば、どのようなものであってもよい。以下では、図4乃至図11を参照して、そのような音響管の他の構成例について説明する。なお、図4乃至図11において、図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図4に示す例では、音響管101は、内部が中空となっている円筒状の管を波型に変形させて得られたものであり、音響管101の図中、手前側には図中、横方向に直線状に並ぶ円形状の開口102−1乃至開口102−7が形成されている。
また、音響管101の図中、左端が入力端とされており、この入力端にはスピーカ43が接続されている。また、音響管101の図中、右側の端が終端とされており、この例では終端は開放されている。
音響管101の入力端から終端までの図中、横方向の長さ、つまり音響管101の外形寸法は、音響管101が有する音響経路の長さ未満となっているので、エバネッセント波の生成が可能である。
音響管101ではスピーカ43から音波が出力されると、その音波が音響管101の終端に到達するまでの間に開口102−1乃至開口102−7のそれぞれから順番に音波が放出され、それらの音波を合成して得られる波がエバネッセント波となる。
〈第1の実施の形態の変形例2〉
〈音響管の構成例〉
また、図5に示す例では、音響管121は、内部が中空となっている円筒状の管を山型に変形させて得られたものであり、音響管121の図中、手前側には図中、横方向に直線状に並ぶ円形状の開口122−1乃至開口122−7が形成されている。
また、音響管121の図中、左端が入力端とされており、この入力端にはスピーカ43が接続されている。また、音響管121の図中、右側の端が終端とされており、この例では終端は閉じられた状態、すなわち封止された状態となっている。
この音響管121においても入力端から終端までの図中、横方向の長さ、つまり音響管121の外形寸法は、音響管121が有する音響経路の長さ未満となっている。したがって、スピーカ43から音波が出力されると、その音波が音響管121の終端に到達するまでの間に開口122−1乃至開口122−7のそれぞれから順番に音波が放出され、それらの音波が合成されてエバネッセント波となる。
〈第1の実施の形態の変形例3〉
〈音響管の構成例〉
図6に示す例では、音響管151の外見は円筒形状の管となっているが、その内部に仕切りが設けられており、音響経路は直線状とはなっていない。なお、図6では、音響管151の断面が示されている。
この例では、音響管151の内壁に対して垂直な仕切りが、音響管151内部に形成されている。また、音響管151の図中、左下の端が入力端とされており、この入力端にはスピーカ43が接続されている。これに対して、音響管151の図中、右上側の端が終端とされており、この例では終端は閉じられた状態となっている。さらに、音響管151には、図中、横方向に直線状に並ぶ円形状の開口152−1乃至開口152−16が形成されている。
このように音響管151の内部には仕切りが形成されているので、この仕切りによって音響管151の音響経路は長くなる。音響管151では、スピーカ43から出力された音波は、音響管151内部の仕切りを回り込みながら音響管151の終端へと進んでいく。換言すれば、音響管151内部の音響経路は直線状ではないので、入力端から入力された音波は直進しない。
音響管151においても、入力端から終端までの図中、横方向の長さ、つまり音響管151の外形寸法は、音響管151が有する音響経路の長さ未満となっている。したがって、スピーカ43から音波が出力されると、その音波が音響管151の終端に到達するまでの間に開口152−1乃至開口152−16のそれぞれから順番に音波が放出され、それらの音波が合成されてエバネッセント波となる。
〈第1の実施の形態の変形例4〉
〈音響管の構成例〉
図7に示す例では、図6の例と同様に音響管181の外見は円筒形状となっているが、その内部に仕切りが設けられている。なお、図7では音響管181の断面が示されている。
この例では、音響管181の内壁に対して斜め方向に突出した仕切りが形成されている。また、音響管181の図中、左上の端が入力端とされており、この入力端にはスピーカ43が接続されている。これに対して、音響管181の図中、右下側の端が終端とされており、この例では終端は閉じられた状態となっている。さらに、音響管181には、図中、横方向に直線状に並ぶ円形状の開口182−1乃至開口182−13が形成されている。
このように音響管181の内部には仕切りが形成されているので、この仕切りによって音響管181の音響経路は長くなる。すなわち、音響管181では、スピーカ43から出力された音波は、音響管181内部の仕切りを回り込みながら音響管181の終端へと進んでいく。
音響管181においても、入力端から終端までの図中、横方向の長さ、つまり音響管181の外形寸法は、音響管181が有する音響経路の長さ未満となっている。したがって、スピーカ43から音波が出力されると、その音波が音響管181の終端に到達するまでの間に開口182−1乃至開口182−13のそれぞれから順番に音波が放出され、それらの音波が合成されてエバネッセント波となる。
〈第1の実施の形態の変形例5〉
〈音響管の構成例〉
図8に示す例では、音響管211の外見は円筒状となっているが、その内部に仕切りが設けられている。
音響管211の図中、左側の端が入力端とされており、この入力端にはスピーカ43が接続されている。これに対して、音響管211の図中、右側の端が終端とされており、この例では終端が開放された状態となっている。さらに、音響管211には、図中、横方向に直線状に並ぶ円形状の開口212−1乃至開口212−6が形成されている。
また、音響管211の内部に設けられた仕切りは、音響管211の断面である円を2つの空間に分けるような仕切りとなっており、その断面位置を図中、横方向に移動させると、仕切りが回転するようにみえる。
すなわち、例えば音響管211における矢印A11乃至矢印A15のそれぞれにより示される位置の断面は、図9に示すようになる。なお、図9において図8における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
例えば図9の矢印Q11により示される音響管211の断面は、図8における矢印A11により示される位置の断面を示している。この断面では、音響管211の円形状の図9中、右半分の部分が仕切り213により仕切られており、図9中、左半分の部分を音波が通過する。
また、図9の矢印Q12により示される音響管211の断面は、図8における矢印A12により示される位置の断面を示しており、音響管211の円形状の図9中、上半分の部分が仕切り213により仕切られており、残りの下半分の部分を音波が通過する。
さらに、図9の矢印Q13により示される音響管211の断面は、図8における矢印A13により示される位置の断面を示しており、音響管211の円形状の図9中、左半分の部分が仕切り213により仕切られており、残りの右半分の部分を音波が通過する。
図9の矢印Q14により示される音響管211の断面は、図8における矢印A14により示される位置の断面を示しており、音響管211の円形状の図9中、下半分の部分が仕切り213により仕切られており、残りの上半分の部分を音波が通過する。
さらに、図8における矢印A15により示される位置の断面は、図9の矢印Q11により示される断面となる。このように音響管211の断面位置を終端方向に移動させていくと、仕切り213により仕切られる領域が反時計回りの方向に回転していく。なお、仕切りの片一方の空間のみ音波が通過する例を説明したが、同時にもう一方の空間を全く同じ音波または別の音波が通過できるようにしてもよい。
音響管211内部にこのような仕切り213を設けることで、音響管211の音響経路は長くなる。すなわち、音響管211では、スピーカ43から出力された音波は、音響管211内部の仕切りを回り込みながら音響管211の終端へと進んでいく。
音響管211においても、入力端から終端までの図中、横方向の長さ、つまり音響管211の外形寸法は、音響管211が有する音響経路の長さ未満となっている。したがって、スピーカ43から音波が出力されると、その音波が音響管211の終端に到達するまでの間に開口212−1乃至開口212−6のそれぞれから順番に音波が放出され、それらの音波が合成されてエバネッセント波となる。この変形例の特徴は、仕切り213のねじれ具合を調節することで、音響管211の外形寸法を保ったまま圧縮率mを1から、より大きい値まで比較的容易に調整できる点である。
〈第1の実施の形態の変形例6〉
〈音響管の構成例〉
また、例えば図10に示すように、図8に示した音響管211に設けられる開口がスリット形状となるようにされてもよい。なお、図10において図8における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図10に示す例では、音響管211の内部には、図9に示した仕切り213が形成されている。また、この例では音響管211の図10中、手前側の上部に長方形状のスリット221が開口部として設けられているとともに、音響管211の終端は封止された状態となっている。
この例では、スリット221は、音響管211の入力端と出力端とを両端とする、図中、横方向に長い長方形状、すなわちスリット形状の開口となっている。
音響管211には1つのスリット221しか設けられていないが、スピーカ43から出力された音波が、音響管211の終端に到達するまでの間には、スリット221の複数の各位置から、それらの位置を音波が通過するタイミングで、外部に向けて音波が放出される。そして、スリット221の各位置から放出された音波が合成されてエバネッセント波となる。
なお、図10では、音響管211には1つのスリット221が設けられているが、音響管211の他の位置にもスリットが設けられるようにしてもよい。
また、図4乃至図10を参照して説明した例以外でも、音響管の音響経路を直線の経路とは異なる形状の経路とすることにより、音響経路を外形寸法よりも長くすることができるものであればよく、図4乃至図10を参照して説明した例や他の例を組み合わせてもよい。
また、上述した圧縮率mは、音響管の入力端から終端までの間で一定でなくてもよい。すなわち、音響管におけるx方向の距離と、その距離だけx方向に音波が進む間に通った実際の音響経路の距離との比は、音響管の入力端から終端までの間で一定でない、つまり位置によって異なっていてもよい。さらに、音響管の終端は開放端としてもよいし、閉塞端としてもよく、終端位置に吸音材を設けることで終端位置での音の反射を防止するようにしてもよい。
〈第1の実施の形態の変形例7〉
〈音響管の構成例〉
また、大局的に見た音響管の形状が直線状である必要はなく、例えば図11に示すように、大局的に見た音響管251の形状が円形状、より詳細には円環状となっていてもよい。
この例では、音響管251は、図4に示した波型の音響管101と同形状の管、つまり波形に変形された円筒管を円環状にして、その入力端と終端とを接続したものとなっている。
また、円環状の音響管251の内部は中空となっており、音響管251の図11中、手前側には、円環状に並べられた円形状の開口252−1乃至開口252−36が形成されている。また、音響管251の任意の位置にスピーカ43が接続されており、このスピーカ43が接続されている部分が円環状の音響管251の入力端および終端となっている。特に、この例では入力端と終端は同じ位置となっている。換言すれば、入力端と終端が接続されている。
このような音響管251においても、音響管251を大局的に見たときの円形状の音響管251の直径、すなわち音響管251の外形寸法は、音響管251が有する音響経路の長さ未満となっているので、エバネッセント波の生成が可能である。また、音響管251では、音響管251を大局的に見たときの円形状の音響管251の円周の長さも、音響管251の音響経路の長さ未満となっている。
スピーカ43から音波を出力すると、その音波は波型の音響経路を辿って音響管251内を一周し、スピーカ43の位置に戻ってくる。このとき、各開口252−1乃至開口252−36からは音波が放出され、それらの放出された音波を合成するとエバネッセント波となる。
なお、図11では、音響管251に対して1つのスピーカ43が接続される例について説明したが、音響管251の互いに異なる複数の位置のそれぞれにスピーカを接続するようにしてもよい。そのような場合、複数の各スピーカから同じ音声(音波)が出力されるようにしてもよいし、互いに異なる音声(音波)が出力されるようにしてもよい。
また、ここでは各開口が図11中、手前側に向けられて形成されているが、円環状の音響管251の内側または外側、つまり円環の内側または外側に向けられて開口が設けられるようにしてもよい。
さらに、波形の管を円環状にしたものを音響管251とする例について説明したが、山形などその他の形状の管を円環状として音響管とするようにしてもよい。さらに、音響管251が円環形状とされる例について説明したが、音響管の形状は円環形状にさらにひねりを加えた形状や円弧形状など、どのような形状とされてもよい。
〈第1の実施の形態の変形例8〉
〈音響再生装置の構成例〉
また、図3に示した例では、音響再生装置61には1つの音響管41が設けられている場合について説明したが、例えば図12に示すように音響再生装置に複数の音響管が設けられるようにしてもよい。
図12に示す例では、音響再生装置281には、6個の同形状の音響管282−1乃至音響管282−6が設けられており、それらの音響管282−1乃至音響管282−6のそれぞれの入力端にはスピーカ283−1乃至スピーカ283−6が接続されている。
なお、以下、音響管282−1乃至音響管282−6を特に区別する必要のない場合、単に音響管282とも称し、スピーカ283−1乃至スピーカ283−6を特に区別する必要のない場合、単にスピーカ283とも称する。また、図12に示す例では、スピーカ283に接続された増幅器やDA変換部など、音響再生装置281の他の構成要素の図示が省略されている。
音響再生装置281に設けられた各音響管282は、図4に示した音響管101と同様の音響管となっている。すなわち、音響管282の図中、左側の端が入力端とされており、その入力端にはスピーカ283が接続されている。また、各音響管282の図中、右側の端が終端とされており、この例では終端は開放端とされている。
さらに波形の各音響管282には、図中、横方向に並ぶ円形状の開口が複数設けられており、音声再生時には、それらの開口から音響管282外部に放出された音波が合成されてエバネッセント波とされる。
なお、音響再生装置281では、複数の音響管282に同時に同じ音波が出力されるようにしてもよいし、互いに異なる音波が同時に出力されるようにしてもよい。
また、例えば音声の言語などに応じて、音響管282に音波が出力されてもよい。具体的には、例えば音声として日本語が選択された場合には、日本語音声に対応する音波が音響管282−1に出力され、英語が選択された場合には、英語音声に対応する音波が音響管282−2に出力されるなどとすればよい。
〈第1の実施の形態の変形例9〉
〈音響再生装置の構成例〉
さらに音響再生装置に複数の音響管が設けられる場合、それらの音響管の形状や長さ、太さ、開口の数、開口の形状等が異なるようにされてもよい。
そのような場合、音響再生装置は、例えば図13に示すように構成される。図13に示す音響再生装置311は、3つの音響管312−1乃至音響管312−3と、それらの音響管312−1乃至音響管312−3のそれぞれの入力端に接続されたスピーカ313−1乃至スピーカ313−3とを有している。
音響再生装置311では、音響管312−1乃至音響管312−3は、波形の管から構成されているが、音響管312−1と、音響管312−2および音響管312−3とでは、音響管を構成する管の太さおよび長さが異なっている。また、音響管312−2と音響管312−3とは同じ形状とされている。
この例では、音響管312−1乃至音響管312−3の図中、左側の端が入力端とされており、音響管312−1乃至音響管312−3の図中、右側の端が終端とされている。また、各音響管の終端は開放端となっている。
さらに、音響管312−1乃至音響管312−3には、図中、横方向に並ぶ円形状の開口が設けられており、音響管312−1と、音響管312−2および音響管312−3とでは、開口の大きさと、設けられた開口の数とが異なっている。
なお、図13に示す例では、スピーカに接続された増幅器やDA変換部など、音響再生装置311の他の構成要素の図示が省略されている。
〈第1の実施の形態の変形例10〉
〈音響再生装置の構成例〉
また、例えば図14に示すように、音響再生装置341に、複数の円環状の音響管342−1乃至音響管342−6が設けられるようにしてもよい。なお、図14では、スピーカや増幅器、DA変換部など、音響再生装置341の他の構成要素の図示は省略されている。
音響再生装置341に設けられた音響管342−1乃至音響管342−6は、例えば図11に示した音響管251と同様の音響管となっており、それらの音響管342−1乃至音響管342−6が図14中、縦方向に並べられて配置されている。なお、以下、音響管342−1乃至音響管342−6を特に区別する必要のない場合、単に音響管342とも称することとする。
この例では、各音響管342が等間隔に並んでおり、それらの音響管342の直径も同じとなっている。なお、このような音響再生装置341は、例えば円柱に広告などを表示させ、その広告の音声を音響再生装置341により再生する場合などに有効である。
この場合、例えば広告が表示される円柱を囲むように、その円柱に沿って音響管342が配置され、円柱の外側に向けて音響管342からエバネッセント波である広告の音声が出力されるようにすればよい。このとき、各音響管342において、それらの音響管342の外側に向けて開口が形成されるようにすることができる。また、例えば円柱の領域ごとに異なる広告が表示されるときには、適宜、音響管342に複数のスピーカを接続し、音響管342の領域ごとに異なる音声が出力されるようにすればよい。
〈第1の実施の形態の変形例11〉
〈音響再生装置の構成例〉
さらに音響再生装置に複数の円環状の音響管が設けられる場合においても、それらの音響管の大きさや太さ、形状、開口の数、開口の形状、開口間の間隔等が異なるようにされてもよい。
そのような場合、音響再生装置は、例えば図15に示すように構成される。
図15に示す音響再生装置371は、複数の円環状の音響管372−1乃至音響管372−7を有している。なお、図15では、スピーカや増幅器、DA変換部など、音響再生装置371の他の構成要素の図示は省略されている。
音響再生装置371に設けられた音響管372−1乃至音響管372−7は、例えば図11に示した音響管251と同様の音響管となっているが、それらの音響管372−1乃至音響管372−7は、大局的な直径、つまり外形寸法のみが異なっている。
なお、以下、音響管372−1乃至音響管372−7を特に区別する必要のない場合、単に音響管372とも称することとする。
この例では、各音響管372が等間隔に図中、縦方向に並んでおり、それらの音響管372の直径が異なっている。このような音響再生装置371は、例えば円筒形ではない形状の柱に広告などを表示させ、その広告の音声を音響再生装置371により再生する場合などに有効である。
〈第2の実施の形態〉
〈音響再生装置の構成例〉
また、図3に示した音響再生装置61では、各開口42から音波が放射されるが、開口42から音波が放射されるたびに音響管41内を進む音波が減衰してしまう。
そうすると、音響管41の終端に近い位置の開口42から出力される音波ほど音圧が低くなるので、開口42からの音波を合成して得られるエバネッセント波の音圧、つまり再現される音場が、厳密には音響管41の中心から見てx方向に対称ではなくなってしまう。すなわち、音場が左右対称ではなくなってしまう。
そこで、例えば図16に示すように音響管41の両方の端にスピーカを配置し、左右対称の音場を再現できるようにしてもよい。なお、図16において図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図16に示す音響再生装置61の構成は、図3に示した音響再生装置61に対して、さらにスピーカ401を設けた構成とされている。
すなわち、図16に示す音響再生装置61では、音響管41の一方の端にはスピーカ43が接続され、音響管41の他方の端にはスピーカ401が接続されている。
そして、それらのスピーカ43およびスピーカ401には、増幅器72から同じ音響信号が供給され、スピーカ43およびスピーカ401は、増幅器72から供給された音響信号に基づいて、同時に同じ音波を出力する。
これにより、音響管41の中心から見て、x方向に左右対称の音場を再現することができる。なお、このときの音響管41外の音波のx方向の波数kは、以下の式(30)に示すようになり、音響管41外の音波の位置xにおける音圧P(xv,ω)は以下の式(31)に示すようになる。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
この式(31)から、音響管41外ではx方向には定在波ができることが分かる。
〈第3の実施の形態〉
〈音響再生装置の構成例〉
また、図3に示した音響再生装置61では、式(27)を参照して説明したようにy方向の波数kは次式(32)に示すようになる。そのため、y方向の音圧変化は、以下の式(33)に示すようになる。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
なお、式(33)においてP(y,ω)は、音響管外部のy方向の各位置における音圧を示している。この式(33)から分かるように、y方向の音圧P(y,ω)は、角周波数ωが大きくなるほど急激に減衰してしまう。
そこで、スピーカに供給する音響信号に対して事前に音響補正として周波数特性補正を行うことで、音圧P(y,ω)の角周波数ωに対する依存性を低く抑えることができるようにしてもよい。
例えば、y方向の位置がy=1の地点において周波数特性が平坦になるような補正を実現するための角周波数ωごとの補正係数G(ω)は、次式(34)に示す方程式により表される。
Figure 2017169886
なお、式(34)においてaは定数である。このような式(34)により示される方程式を解くと次式(35)に示す解が得られる。
Figure 2017169886
このようにして得られた補正係数G(ω)を用いて、音響信号の各角周波数ωの成分を補正すれば、y=1の位置においてフラットな、すなわち平坦な周波数特性のエバネッセント波を得ることができる。換言すれば、y=1の位置において各角周波数ωの成分の音圧が等しくなるようにすることができる。
このような周波数特性の補正を行う場合、音響再生装置は、例えば図17に示すように構成される。なお、図17において図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図17に示す音響再生装置431は、音響補正部432、DA変換部71、増幅器72、スピーカ43、および音響管41を有している。
音響再生装置431の構成は、図3に示した音響再生装置61の構成に、さらに音響補正部432を設けた構成となっている。
この例では、デジタルの音響信号が音響補正部432に供給され、音響補正部432は、供給された音響信号に対して、音響補正を行い、その結果得られた音響信号をDA変換部71に供給する。
より具体的には、例えば音響補正として、予め保持している補正係数G(ω)を用いた周波数特性の補正が行われる。音響補正部432における周波数特性の補正時には、音響信号の各角周波数ωの成分に補正係数G(ω)が乗算されて補正が行われる。
DA変換部71は、音響補正部432から供給された音響信号をデジタル信号からアナログ信号へと変換し、増幅器72に供給する。増幅器72は、DA変換部71から供給されたアナログの音響信号を増幅させてスピーカ43に供給する。そしてスピーカ43は、増幅器72から供給された音響信号に基づいて音声を再生する。すなわち、スピーカ43は、音響信号に基づく音波を音響管41内に出力する。
これにより、音響管41からは音波が出力され、それらの音波が合成されてy=1の位置において周波数特性が平坦なエバネッセント波が生成される。
なお、ここでは音響信号の周波数特性の補正がデジタル領域で行われる例について説明したが、増幅器72の前段または後段など、アナログ領域において周波数特性の補正が行われるようにしてもよい。
また、ここではy=1の位置で周波数特性が平坦となるような周波数特性補正を行う例について説明したが、他のどのような周波数特性の補正を行うようにしてもよい。
〈第4の実施の形態〉
〈音響再生装置の構成例〉
また、第3の実施の形態では、角周波数ωが大きくなるほどy方向の音圧P(y,ω)が急激に減衰してしまうことを抑制する方法として、音響特性補正、すなわち周波数特性の補正を行う例について説明した。しかし、その他、音響信号の帯域分割を行うことで、角周波数ωごとの音圧の減衰の差を低減させるようにしてもよい。
なお、音響信号の帯域分割を行う際の分割数は任意の数とすることができるが、ここでは分割数が2である場合を例として説明を行う。
音響信号を2つの帯域に分割する場合、音響再生装置は、例えば図18に示すように構成される。なお、図18において図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図18に示す音響再生装置461は、帯域分割部471、DA変換部71、増幅器72、スピーカ43、音響管41、DA変換部472、増幅器473、スピーカ474、および音響管475を有している。
ここで、DA変換部472、増幅器473、スピーカ474、および音響管475のそれぞれは、DA変換部71、増幅器72、スピーカ43、および音響管41のそれぞれに対応するものである。
また、音響管475は、開口481−1乃至開口481−6を有しており、開口481−1乃至開口481−6のx方向における位置は、音響管41の開口42−1乃至開口42−6のそれぞれと同じ位置となっている。さらに音響管41と音響管475のx方向の長さも同じ長さとなっている。
なお、以下、開口481−1乃至開口481−6を特に区別する必要のない場合、単に開口481とも称することとする。
音響管475は、基本的には音響管41と同じ形状となっているが、大局的にみた音響管475のy方向の幅、つまり図18中、縦方向の幅が異なる。換言すれば、音響管41と音響管475は、音響経路の圧縮率mが異なっている。
以下では、音響管41における圧縮率mを、圧縮率m=mと記すこととし、音響管475における圧縮率mを、圧縮率m=mと記すこととする。
帯域分割部471は、供給された音響信号に対して、例えば帯域分割フィルタなどを用いたフィルタ処理等により帯域分割を行い、音響信号を2つの帯域の信号に分割する。すなわち、互いに異なる2つの角周波数帯域の音響信号が生成される。
帯域分割部471は、帯域分割により得られた一方の帯域の音響信号をDA変換部71に供給するとともに、他方の帯域の音響信号をDA変換部472に供給する。
以下では、DA変換部71側へと供給される音響信号の帯域、つまり音響管41により再生される再生帯域の角周波数ωを角周波数ω=ωとも記すこととし、音響管475により再生される再生帯域の角周波数ωを角周波数ω=ωとも記すこととする。
帯域分割部471からDA変換部71へと供給された音響信号は、DA変換部71でアナログ信号へと変換された後、増幅器72で増幅されてスピーカ43に供給され、スピーカ43により音響信号に基づく音波が音響管41内へと出力される。
また、DA変換部472は、帯域分割部471から供給された音響信号をデジタル信号からアナログ信号へと変換し、増幅器473に供給する。増幅器473は、DA変換部472から供給された音響信号を増幅させてスピーカ474に供給する。そしてスピーカ474は、増幅器473から供給された音響信号に基づいて音声を再生する。すなわち、スピーカ474は、音響信号に基づく音波を音響管475内に出力する。
音響再生装置461では、音響信号の再生時には音響管41により角周波数ω=ωの帯域のエバネッセント波が生成されるとともに、音響管475により角周波数ω=ωの帯域のエバネッセント波が生成される。
このように音響再生装置461において、互いに異なる圧縮率mの音響管を用いて、互いに異なる角周波数ωの帯域の音響信号を再生することで、角周波数ωによるy方向の音圧P(y,ω)の減衰の差を低減させることができる。
具体的には、再生帯域の分割数や帯域の範囲は任意であるが、ここでは例えば音響管41の再生帯域の角周波数ω=ωをω/20<ω≦ωとし、音響管475の再生帯域の角周波数ω=ωをω<ω≦20ωとする。
このとき、全ての角周波数ωについて、音響管41外におけるy方向の位置の角周波数ω=ωの音圧と、音響管475外におけるy方向の位置の角周波数ω=20ωの音圧とが等しくなるような音響管41の圧縮率mおよび音響管475の圧縮率mの関係を考えることとする。
まず、音響管41外におけるy方向の位置の音圧P1(y,ω)、および音響管475外におけるy方向の位置の音圧P2(y,ω)は、それぞれ以下の式(36)および式(37)に示すようになる。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
ここで、式(36)および式(37)から、音圧P1(y,ω1)=P2(y,20ω1)となるような圧縮率mと圧縮率mの関係を求めると、次式(38)のようになる。
Figure 2017169886
したがって、例えば図18に示した音響再生装置461では、式(38)に示す圧縮率の関係となる音響管41と音響管475が用いられている。この場合、音響再生装置461により音響信号に基づくエバネッセント波を生成すると、y方向の任意の位置において、角周波数ωの成分の音圧と、その角周波数に対応する角周波数20ωの成分の音圧とが等しくなる。これにより、角周波数ωごとのy方向の音圧の減衰の差をより低く抑えることができる。
なお、音響信号の帯域分割を行う場合、各再生帯域に見合ったピーカを使用することとなる。その際、スピーカの径が再生帯域ごとに異なる場合には、スピーカに接続される音響管を構成する管の径も異なるものを用意することで、音響インピーダンス不整合を防ぎ、より効果よくエネルギを音響管内に伝えることができる。
例えば音響再生装置461において、スピーカ474の径よりもスピーカ43の径が大きい場合には、音響管41の管の径もスピーカ43の径に応じた大きさとすれば、音響インピーダンスの不整合の発生を防止することができる。この場合、音響管41を構成する管の径は、音響管475を構成する管の径よりも大きいものとされることになる。
また、ここでは音響再生装置に2つの音響管を設け、それらの2つの音響管で、互いに角周波数帯域が異なる音を再生する例について説明したが、3以上の音響管を設け、それらの音響管で互いに角周波数帯域が異なる音を再生してもよい。さらに、音響再生装置に複数の音響管を設ける場合、それらの音響管のうちのいくつかで同じ角周波数帯域の音が再生されるようにしてもよい。すなわち、音響再生装置に、音響管とスピーカの組が複数設けられる場合には、複数の音響管のなかには、互いに圧縮率mが異なる音響管や、圧縮率mが同じ音響管が含まれるようにしてもよい。
〈第4の実施の形態の変形例1〉
〈音響再生装置の構成例〉
また、図18に示した音響再生装置461では、デジタル領域で音響信号の帯域分割を行う場合について説明したが、音響信号の帯域分割をアナログ領域で行うようにしてもよい。そのような場合、音響再生装置は、例えば図19に示す構成とされる。なお、図19において図18における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図19に示す音響再生装置511は、DA変換部71、増幅器72、帯域分割部521、スピーカ43、音響管41、スピーカ474、および音響管475を有している。
この例では、DA変換部71に供給された音響信号が、DA変換部71によりアナログ信号に変換されて増幅器72に供給され、さらに音響信号が増幅器72により増幅されて帯域分割部521に供給される。
帯域分割部521は、例えばRC回路やLCR回路から構成され、増幅器72から供給された音響信号を2つの帯域の信号に分割する。帯域分割部521は、帯域分割により得られた一方の帯域の音響信号をスピーカ43に供給するとともに、他方の帯域の音響信号をスピーカ474に供給する。
このようにアナログ領域で音響信号の帯域分割を行う場合には、DA変換部や増幅器を複数設ける必要がなくなる。また、ここでは増幅器72の後段において帯域分割を行う例について説明したが、増幅器72の前段で帯域分割を行うようにしてもよい。そのような場合、帯域分割部521がDA変換部71から供給されたアナログの音響信号に対して帯域分割を行うことになるが、帯域分割部521およびスピーカ43の間と、帯域分割部521およびスピーカ474の間とに、それぞれ増幅器を設ける必要がある。すなわち、合計で2つの増幅器が必要となる。
〈第5の実施の形態〉
〈音響再生装置の構成例〉
また、以上においては音響信号に対して周波数特性の補正を行う例と、音響信号の帯域分割を行う例とについて説明したが、それらの周波数特性の補正と帯域分割とを組み合わせて行うようにしてもよい。このように周波数特性の補正と帯域分割とを組み合わせることは、角周波数ωごとのy方向への音圧の減衰の差を低減させることに有効である。
周波数特性の補正と帯域分割とを組み合わせて行う場合、音響再生装置は、例えば図20に示すように構成される。なお、図20において、図18における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図20に示す音響再生装置551は、帯域分割部471、音響補正部561、DA変換部71、増幅器72、スピーカ43、音響管41、音響補正部562、DA変換部472、増幅器473、スピーカ474、および音響管475を有している。
音響再生装置551の構成は、図18に示した音響再生装置461に対して、さらに音響補正部561および音響補正部562を設けた構成となっている。
すなわち、帯域分割部471とDA変換部71との間に音響補正部561が設けられており、帯域分割部471とDA変換部472との間に音響補正部562が設けられている。
音響補正部561は、帯域分割部471から供給された、帯域分割後の音響信号に対して予め保持している補正係数を用いて周波数特性の補正を行い、その結果得られた音響信号をDA変換部71に供給する。同様に、音響補正部562は、帯域分割部471から供給された、帯域分割後の音響信号に対して予め保持している補正係数を用いて周波数特性の補正を行い、その結果得られた音響信号をDA変換部472に供給する。これらの音響補正部561および音響補正部562は、図17に示した音響補正部432に対応する。
なお、以下では、音響補正部561が保持している角周波数ωごとの補正係数をG(ω)とも記し、音響補正部562が保持している角周波数ωごとの補正係数をG(ω)とも記すこととする。
また、以下では音響補正部561へと供給される音響信号の帯域、つまり音響管41により再生される再生帯域の角周波数ωを角周波数ω=ωとも記すこととし、音響管475により再生される再生帯域の角周波数ωを角周波数ω=ωとも記すこととする。ここで、ω/20<ω≦ωであり、ω<ω≦20ωである。
さらに、音響管41における圧縮率mを、圧縮率m=mと記すこととし、音響管475における圧縮率mを、圧縮率m=mと記すこととする。
ところで、図17を参照して説明した音響再生装置431では、補正係数G(ω)の例として、y=1のときに周波数特性が平坦となるように補正係数G(ω)を求めるようにした。この場合、音響管外部のy方向の音圧P(y,ω)は、次式(39)に示すようになる。
Figure 2017169886
この式(39)から分かるように、y<1の領域においては角周波数ωが大きいほど音圧P(y,ω)が大きく、y>1の領域においては角周波数ωが大きいほど音圧P(y,ω)が小さくなる。すなわち、y=1以外の領域では、平坦な周波数特性を得ることができない。
また、図18を参照して説明した、帯域分割を行う音響再生装置461では、音圧P1(y,ω1)=P2(y,20ω1)となるような圧縮率mと圧縮率mの関係を求めた。
しかし、この場合、例えばy=1における音圧P1(y,ω0/20)と音圧P1(y,ω0)との比を求めると、次式(40)に示すようになり、依然として角周波数ωが大きくなるほどy方向の音圧が急激に減衰してしまう。
Figure 2017169886
そこで、音響再生装置551では、周波数特性の補正と帯域分割を行い、その際に例えば以下のような条件を設定して音場を制御することで、より平坦な周波数特性を得るとともに角周波数ωごとの音圧の減衰の差を軽減できるようにした。
すなわち、例えばy=1の地点において周波数特性が平坦となり、かつ音圧P1(y,ω1)=P2(y,20ω1)となるような補正係数G(ω)、補正係数G(ω)、圧縮率m、および圧縮率mを求め、これらの補正係数と圧縮率が音響再生装置551で用いられるようにした。
まず、音響管外のy方向の音圧P(y,ω)を以下の式(41)のように定義する。
Figure 2017169886
但し、式(41)におけるP1(y,ω)およびP2(y,ω)は、それぞれ以下の式(42)および式(43)の通りである。
Figure 2017169886
Figure 2017169886
ここで、y=1のときの音圧P(y,ω)が角周波数ωによらず一定となるような補正係数G(ω)および補正係数G(ω)を求めると、音圧P1(y,ω)、つまり補正係数G(ω)については、以下の式(44)に示すようになる。
Figure 2017169886
補正係数G(ω)と同様に音圧P2(y,ω)、つまり補正係数G(ω)については、以下の式(45)に示すようになる。
Figure 2017169886
次に、式(44)と式(45)を用いて以下の式(46)に示すように方程式を解くことで、y方向の位置によらず音圧P1(y,ω1)=P2(y,20ω1)となるような圧縮率mおよび圧縮率mが求められる。
Figure 2017169886
音響再生装置551では、音響管41と音響管475は、音響管41の圧縮率mと音響管475の圧縮率mが式(46)に示す関係を有するようなものとされている。
また、音響再生装置551では、音響補正部561は式(44)に示す補正係数G(ω)を用いて音響信号の周波数特性の補正を行い、音響補正部562は式(45)に示す補正係数G(ω)を用いて音響信号の周波数特性の補正を行う。
このようにすることで音響再生装置551では、音響管外のy=1の地点で周波数特性が平坦となり、かつ全ての角周波数ω(但し、ω/20<ω≦ω)について、音圧P1(y,ω1)=P2(y,20ω1)が成立する。すなわち、より平坦な周波数特性で、かつ角周波数ωごとのy方向への音圧の減衰の差が少ないエバネッセント波を生成することができる。
なお、周波数特性の補正と帯域分割とを組み合わせて行う場合、例えば図19に示した音響再生装置511において、DA変換部71の前段に図17に示した音響補正部432を設けるようにしてもよい。
この場合、音響補正部432は、例えば次式(47)に示すように、角周波数ωの帯域ごとに異なる補正係数G(ω)を用いて、外部から供給された音響信号に対する周波数特性の補正を行い、その結果得られた音響信号をDA変換部71に供給する。
Figure 2017169886
この例では、音響信号は、音響補正部432において全帯域での音響補正、つまり周波数特性の補正が行われ、その後、音響信号は帯域分割部521によって、アナログ領域で帯域分割されることになる。また、この場合、音響再生装置511では、音響管41と音響管475は、音響管41の圧縮率mと音響管475の圧縮率mが式(46)に示す関係を有するようなものとされる。
さらに、例えば図18に示した音響再生装置461において、帯域分割部471の前段に図17に示した音響補正部432を設けるようにしてもよい。
この場合、音響補正部432は、例えば式(47)に示した補正係数G(ω)を用いて、外部から供給された音響信号に対する周波数特性の補正を全帯域で行い、その結果得られた音響信号を帯域分割部471に供給する。
この例では、音響信号は帯域分割部471によって、デジタル領域で帯域分割されることになる。また、この場合、音響再生装置461では、音響管41と音響管475は、音響管41の圧縮率mと音響管475の圧縮率mが式(46)に示す関係を有するようなものとされる。
なお、以上の第3の実施の形態乃至第5の実施の形態で説明した補正係数や圧縮率は、あくまで一例であって他の条件設定により定められる値とされるようにしてもよい。以上において説明した各実施の形態や変形例を適宜、組み合わせることも勿論可能である。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
(1)
自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、
複数の開口部またはスリット状の開口部を有する
音響管。
(2)
前記複数の前記開口部が所定の方向に並べられて設けられている
(1)に記載の音響管。
(3)
互いに隣接する前記開口部間の距離が所定の距離となるように前記複数の前記開口部が設けられている
(1)または(2)に記載の音響管。
(4)
前記音響経路は、所定方向への音波の速度が、その前記音波が前記音響経路を進む速度未満となる形状となっている
(1)乃至(3)の何れか一項に記載の音響管。
(5)
前記音響管は、前記複数の前記開口部のそれぞれから音波を出力するか、または前記スリット状の前記開口部の複数の位置から音波を出力して、エバネッセント波を生成する
(1)乃至(4)の何れか一項に記載の音響管。
(6)
前記音響管は円筒管を螺旋状に巻くことにより得られたものである
(1)乃至(5)の何れか一項に記載の音響管。
(7)
前記音響管は波形に変形された円筒管を円環状にすることにより得られたものである
(1)乃至(5)の何れか一項に記載の音響管。
(8)
前記音響管は内部に仕切りを設けることにより得られたものである
(1)乃至(5)の何れか一項に記載の音響管。
(9)
自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、複数の開口部またはスリット状の開口部を有する音響管と、
前記音響管内に音波を出力するスピーカと
を備える音響再生装置。
(10)
前記音響経路は、前記音波の所定方向への速度が、その前記音波が前記音響経路を進む速度未満となる形状となっている
(9)に記載の音響再生装置。
(11)
前記音響管は、前記複数の前記開口部のそれぞれから前記音波を出力するか、または前記スリット状の前記開口部の複数の位置から前記音波を出力して、エバネッセント波を生成する
(9)または(10)に記載の音響再生装置。
(12)
前記音響管内に音波を出力するスピーカを複数有する
(9)乃至(11)の何れか一項に記載の音響再生装置。
(13)
前記スピーカに供給される音響信号に対して音響補正を行う音響補正部をさらに備える
(9)乃至(12)の何れか一項に記載の音響再生装置。
(14)
前記音響管および前記スピーカを複数有する
(9)乃至(13)の何れか一項に記載の音響再生装置。
(15)
音響信号に対する帯域分割を行って、複数の前記スピーカのそれぞれに出力される複数の音響信号のそれぞれを生成する帯域分割部をさらに備える
(14)に記載の音響再生装置。
(16)
複数の前記音響管には、所定方向の第1の距離と、前記音響経路を進む前記音波が、前記所定方向に前記第1の距離だけ進む間に、前記音響経路を進んだ第2の距離との比が互いに異なる前記音響管が含まれている
(14)または(15)に記載の音響再生装置。
41 音響管, 42−1乃至42−6,42 開口, 43 スピーカ, 61 音響再生装置, 71 DA変換部, 72 増幅器, 432 音響補正部, 471 帯域分割部

Claims (16)

  1. 自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、
    複数の開口部またはスリット状の開口部を有する
    音響管。
  2. 前記複数の前記開口部が所定の方向に並べられて設けられている
    請求項1に記載の音響管。
  3. 互いに隣接する前記開口部間の距離が所定の距離となるように前記複数の前記開口部が設けられている
    請求項1に記載の音響管。
  4. 前記音響経路は、所定方向への音波の速度が、その前記音波が前記音響経路を進む速度未満となる形状となっている
    請求項1に記載の音響管。
  5. 前記音響管は、前記複数の前記開口部のそれぞれから音波を出力するか、または前記スリット状の前記開口部の複数の位置から音波を出力して、エバネッセント波を生成する
    請求項1に記載の音響管。
  6. 前記音響管は円筒管を螺旋状に巻くことにより得られたものである
    請求項1に記載の音響管。
  7. 前記音響管は波形に変形された円筒管を円環状にすることにより得られたものである
    請求項1に記載の音響管。
  8. 前記音響管は内部に仕切りを設けることにより得られたものである
    請求項1に記載の音響管。
  9. 自身の外形寸法よりも長い音響経路を有し、複数の開口部またはスリット状の開口部を有する音響管と、
    前記音響管内に音波を出力するスピーカと
    を備える音響再生装置。
  10. 前記音響経路は、前記音波の所定方向への速度が、その前記音波が前記音響経路を進む速度未満となる形状となっている
    請求項9に記載の音響再生装置。
  11. 前記音響管は、前記複数の前記開口部のそれぞれから前記音波を出力するか、または前記スリット状の前記開口部の複数の位置から前記音波を出力して、エバネッセント波を生成する
    請求項9に記載の音響再生装置。
  12. 前記音響管内に音波を出力するスピーカを複数有する
    請求項9に記載の音響再生装置。
  13. 前記スピーカに供給される音響信号に対して音響補正を行う音響補正部をさらに備える
    請求項9に記載の音響再生装置。
  14. 前記音響管および前記スピーカを複数有する
    請求項9に記載の音響再生装置。
  15. 音響信号に対する帯域分割を行って、複数の前記スピーカのそれぞれに出力される複数の音響信号のそれぞれを生成する帯域分割部をさらに備える
    請求項14に記載の音響再生装置。
  16. 複数の前記音響管には、所定方向の第1の距離と、前記音響経路を進む前記音波が、前記所定方向に前記第1の距離だけ進む間に、前記音響経路を進んだ第2の距離との比が互いに異なる前記音響管が含まれている
    請求項14に記載の音響再生装置。
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