JPWO2017158788A1 - 電磁弁およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

プランジャ(5)の弁座側に対向する面からゴム部材(8)の内部へ突出した山型形状の山型部(5a)を設けたことにより、弁座当接部(8a)の開閉方向の寸法変化量が少なくなり、特性変化を抑制することができる。また、弁座当接部(8a)が弁座に衝突したときの衝撃吸収に十分なゴム変形量を確保でき、作動音を抑制することができる。

Description

この発明は、流体通路を開閉する電磁弁およびその製造方法に関するものである。
電磁弁は、可動鉄心であるプランジャが周辺部品に衝突することにより衝撃音が発生し、その衝撃音が作動音としてユーザに聞こえる場合があった。そこで、衝撃を吸収する方法として、プランジャの先端部に厚肉なゴム製の弾性体を付けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−11741号公報
従来の電磁弁を例えば車両の蒸散ガス処理システムのパージバルブに使用した場合、ゴム製の弾性体には、車両の使用環境変化、特に温度変化による寸法変化、およびガソリン等の膨潤による寸法変化が生じ、電磁弁本体の流量制御性能が低下するという課題があった。
また、作動音を抑制するために弾性体の厚みを増やすと使用環境の影響を受けやすくなるため、実用に供するためには弾性体の厚みが制限され作動音抑制効果を十分に得られないという課題もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、温度および膨潤等の使用環境の影響による電磁弁の特性変化を抑制しつつ、作動音を抑制することを目的とする。
この発明に係る電磁弁は、電磁吸引力を発生するソレノイド部と、電磁吸引力とは反対の方向に付勢力を発生するスプリングと、電磁吸引力および付勢力により流体通路を開閉する方向に往復移動するプランジャと、流体通路に設けられた弁座と、電磁吸引力によるプランジャの移動を規制するピンと、プランジャの弁座側に対向する面とピン側に対向する面とに設けられ、プランジャの往復移動に伴って弁座およびピンに当接するゴム部材と、プランジャの弁座側に対向する面からゴム部材内部へ突出した山型形状の山型部とを備えるものである。
この発明によれば、プランジャの弁座側に対向する面からゴム部材内部へ突出した山型形状の山型部を設けることにより、使用環境の影響による電磁弁の特性変化を抑制しつつ、作動音を抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係る電磁弁の構成例を示す断面図である。 図2Aは実施の形態1に係る電磁弁におけるプランジャとゴム部材の構成例を示す断面図であり、図2Bと図2Cはゴム部材のたわみ量と寸法変化量を示す図である。 図3Aはプランジャとゴム部材の参考例を示す断面図であり、図3Bと図3Cはゴム部材のたわみ量と寸法変化量を示す図である。 実施の形態1に係る電磁弁の製造方法を説明するための金型の断面図である。 図5A〜図5Dは、この発明の実施の形態2に係る電磁弁におけるゴム部材とピンの構成例を示す断面図である。 実施の形態2に係る電磁弁におけるゴム部材とピンの構成例を示す断面図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電磁弁1の構成例を示す断面図であり、電磁弁1の閉弁状態を示している。電磁弁1は、電磁吸引力を発生するソレノイド部2と、電磁吸引力とは反対の方向に付勢力を発生するスプリング3と、電磁吸引力および付勢力により流体通路4を開閉する方向に往復移動するプランジャ5と、流体通路4に設けられた弁座6と、電磁吸引力によるプランジャ5の移動を規制するピン7と、プランジャ5の往復移動に伴って弁座6およびピン7に当接するゴム部材8と、プランジャ5の弁座6側に対向する面からゴム部材8の内部へ突出した山型形状の山型部5aとを備えている。
実施の形態1では、電磁弁1を、蒸散ガス処理システムのパージバルブとして用いる例を説明する。
ここで、蒸散ガス処理システムについて簡単に説明する。
車両には、大気汚染防止のために蒸散ガス処理システムが搭載されている。この蒸散ガス処理システムは、ガソリンタンクと、キャニスタと、パージバルブと、インテークマニホールドとを含み、それぞれの部品は配管で接続されている。
ガソリンタンクで発生した蒸散ガスは、キャニスタでガソリンと空気に分離され、空気のみが大気に放出される。これにより蒸散ガスの大気流出が防止される。キャニスタ内の活性炭に吸着されたガソリンは、インテークマニホールドで発生する負圧により吸引され、エンジンに導入されて燃焼される。このとき、キャニスタからインテークマニホールドへの流量を制御するためにパージバルブ、つまり電磁弁1が使用される。
図1の例では、電磁弁1のポート9がキャニスタ側配管に接続され、ポート10がインテークマニホールド側配管に接続されているものとする。ソレノイド部2は、コイル2aおよびコア2bなどから構成される。このソレノイド部2は、コイル2aへの通電によりコア2bに電磁吸引力を発生させてプランジャ5を引き寄せ、ゴム部材8を弁座6から離して開弁させる。開弁時、キャニスタ内のガソリンは、ポート9、流体通路4、弁座6およびポート10を流れてインテークマニホールドへ吸引され、エンジンで燃焼される。コイル2a無通電時は、スプリング3がその付勢力によってプランジャ5を弁座6側へ押し、ゴム部材8を弁座6に当接させて閉弁させる。
パージバルブとして使用される従来の電磁弁は、開時間と閉時間の割合を変えることで流量を制御する。このときの開閉時間の1周期時間を短くすることで、高精度な流量制御を行うことができる。その一方で、短時間に開閉動作を繰り返し行う際、ゴム部材が弁座およびピンに当接するときの衝突により衝撃音が生じ、車両の搭乗者に作動音として聞こえてしまう。
また、パージバルブとして使用される電磁弁は、エンジンルームに取り付けられることが多いため、周辺の環境温度が高い。そのため、ゴム部材には温度変化による寸法変化が生じる。また、制御流体にガソリンが含まれているため、ガソリンがゴム部材を膨潤させることによる寸法変化が生じる。ゴム部材における開閉方向の寸法に変化が生じると、パージバルブの流量特性が変化してしまう。
そこで、実施の形態1では、電磁弁1における作動音の抑制と特性変化の抑制とを実現するために、プランジャ5とゴム部材8を図1および図2Aのように構成する。
図2Aは、実施の形態1に係る電磁弁1におけるプランジャ5とゴム部材8の構成例を示す断面図である。図2Bと図2Cは、図2Aに示す構成のゴム部材8のたわみ量と寸法変化量を示す図である。図2Bと図2Cでは、たわみ量と寸法変化量が多いほど白く表現し、少ないほど黒く表現する。
図2Aに示すように、プランジャ5は筒状の金属磁性体であり、筒体の弁座6側の端面には、弁座6側に突出した山型形状の山型部5aが設けられている。ゴム部材8は、プランジャ5の弁座6側に対向する面に設けられた弁座当接部8aと、プランジャ5のピン7側に対向する面に設けられたピン当接部8bとを有している。プランジャ5の山型部5aは、ゴム部材8の弁座当接部8aの内部に配置されている。この弁座当接部8aは、スプリング3の付勢力によりプランジャ5が閉弁方向に移動したときに、弁座6に当接して閉弁する。反対側のピン当接部8bは、ソレノイド部2の電磁吸引力によりプランジャ5が開弁方向に移動したときに、ピン7に当接してプランジャ5の移動を規制する。さらに、ゴム部材8は、弁座当接部8aの側面、つまり山型部5aの斜面を覆う面に、凹部8cを有している。図2A〜図2Cの例では、凹部8cは、断面半円形状であり、弁座当接部8aの側面全周にわたって形成されている。
図3Aは、実施の形態1に係る電磁弁1の理解を助けるための参考例として、プランジャ105とゴム部材108の構成例を示した断面図である。図3Bと図3Cは、図3Aに示す構成のゴム部材108のたわみ量と寸法変化量を示す図である。図2Bと図2C同様、図3Bと図3Cにおいても、たわみ量と寸法変化量が多いほど白く表現し、少ないほど黒く表現する。
図3Aに示すように、参考例のプランジャ105は筒状の金属磁性体であり、筒体の弁座6側の端部にはゴム部材108が設けられている。このゴム部材108は、弁座当接部108aとピン当接部108bとを有している。参考例の弁座当接部108aは内部もすべてゴムで構成されており、かつ、側面に凹部8cはない。
ゴム部材8,108のたわみ量が多いほど、弁座6およびピン7に衝突したときの衝撃を吸収しやすく、作動音抑制効果が高くなる。図2Bと図3Bを比較すると、参考例の弁座当接部108aのたわみ量と実施の形態1の弁座当接部8aのたわみ量とは略同じである。従って、弁座当接部8a,108aは、弁座6に当接したときの衝撃吸収に十分なゴム部材8のたわみ量を確保でき、作動音を抑制することができる。
ゴム部材8,108の寸法変化方向が、プランジャ5が往復移動する開閉方向と同じである場合、つまり図2Cと図3Cの紙面上下方向と同じである場合、寸法変化は電磁弁1の流量特性に影響する。参考例のゴム部材108は、図3Cに示すように弁座当接部108aの寸法変化方向Bが特性に影響する方向と同一である。参考例において特性変化を抑制するために弁座当接部108aの開閉方向の厚みを図示よりも薄くすると、作動音抑制効果が下がってしまう。このように、参考例のゴム部材108は、作動音抑制効果と特性変化抑制効果の両方を同時に満たすことができない。これに対し、実施の形態1のゴム部材8は、図2Cに示すように弁座当接部8aの寸法変化方向Aが特性に影響する方向とは異なっており、参考例に比べて特性に影響する方向への寸法変化が少ない。従って、環境変化および膨潤による寸法変化を抑制できることによって電磁弁1の特性変化を抑制しつつ、衝撃を吸収する方向の変形を十分に確保できることによって作動音抑制に対しても十分な効果を得ることができる。
また、実施の形態1では、弁座当接部8aの側面に凹部8cを設けることにより、電磁弁1の流量特性に影響する方向への弁座当接部8aの寸法変化量をさらに少なくできると共に、弁座当接部8aが弁座6に衝突したときのたわみ量をさらに多くすることができる。従って、電磁弁1の特性変化抑制効果および作動音抑制効果が向上する。
なお、図示例の凹部8cは断面が半円形状であるが、どのような断面形状であってもよい。また、図示例の凹部8cは弁座当接部8aの側面全周にわたって設けられているが、途切れ途切れに設けられていてもよい。ただし、凹部8cに角部があると応力が集中して亀裂が生じやすくなるため、断面半円形状のように応力が集中しない形状にすることが好ましい。
次に、実施の形態1に係る電磁弁1の製造方法を説明する。図4は、電磁弁1の製造方法を説明するための金型の一例を示す断面図である。金型は、コアとなる第一金型20と、キャビティとなる第二金型21とを主に有している。第一金型20と第二金型21との間には、プランジャ5に対応した形状をなす空間22およびゴム部材8に対応した形状をなす空間23が形成されている。また、第二金型21の空間23には、ゴム部材8の凹部8cに対応した形状のアンダーカット部が形成されている。
金属磁性体からプランジャ5が製造された後、プランジャ5の一部表面が粗く加工されて粗面5bが形成され、粗面5bに接着剤5cが塗布される。粗面5bは、少なくとも、プランジャ5の弁座当接部8aに接触する部分に形成されるものとするが、これに加えピン当接部8bに接触する部分にも形成可能である。また、接着剤5cは、プランジャ5の弁座当接部8aに接触する部分に形成された粗面5bに塗布されるものとするが、ピン当接部8bに接触する部分にも粗面が形成されている場合にはその粗面にも塗布可能である。その後、プランジャ5が空間22に設置され、矢印Cで示すように空間23に液体ゴムが供給され充填されることで、ゴム部材8の弁座当接部8a、ピン当接部8bおよび凹部8cが成形される。これにより、ゴム部材8とプランジャ5とが接着剤5cで接着された状態となり、ゴム部材8が変形しにくくなり、特性変化の抑制効果が向上する。
ゴム部材8の成形後、第二金型21は、プランジャ5の往復移動方向と同じ矢印Dの方向に型開きされ、プランジャ5とゴム部材8の一体成形品が取り出される。第一金型20と第二金型21とは、矢印Dの方向に型開きする構造であるため、金型の構造が簡素であり、生産性が高い。
なお、第二金型21には、ゴム部材8の凹部8cを成形するためのアンダーカット部があるが、凹部8cが弾性変形するため、第二金型21は矢印Dの方向へ無理抜き可能である。そのため、金型成形によりゴム部材8の側面に凹部8cを設ける場合でも、上記同様に第一金型20と第二金型21とを矢印Dの方向に型開きする簡素な金型構造でよい。よって、生産性に影響なく凹部8cを成形することができる。
以上のように、実施の形態1に係る電磁弁1は、電磁吸引力を発生するソレノイド部2と、電磁吸引力とは反対の方向に付勢力を発生するスプリング3と、電磁吸引力および付勢力により流体通路4を開閉する方向に往復移動するプランジャ5と、流体通路4に設けられた弁座6と、電磁吸引力によるプランジャ5の移動を規制するピン7と、プランジャ5の弁座6側に対向する面とピン7側に対向する面とに設けられてプランジャ5の往復移動に伴って弁座6およびピン7に当接するゴム部材8と、プランジャ5の弁座6側に対向する面からゴム部材8内部へ突出した山型形状の山型部5aとを備える構成である。この構成により、弁座当接部8aの開閉方向の寸法変化が少ないため、特性変化を抑制することができる。また、弁座当接部8aが弁座6に衝突したときの衝撃吸収に十分なゴム部材8のたわみ量を確保することができ、作動音を抑制することができる。
また、実施の形態1によれば、弁座当接部8aの側面に凹部8cを有する構成にした場合、特性変化の抑制効果および作動音の抑制効果がさらに向上する。
また、実施の形態1によれば、凹部8cの断面形状を半円形状にした場合、凹部8cへの応力集中がなくなり、耐久性が向上する。
また、実施の形態1に係る電磁弁1の製造方法は、プランジャ5に設けられた山型部5aに接着剤5cが塗布された後、金型成形によりプランジャ5にゴム部材8が一体成形されるというものである。これにより、作動音抑制効果と特性変化抑制効果とを実現した電磁弁1を製造することができる。また、プランジャ5とゴム部材8とが接着剤5cにより強固に固定されるため、ゴム部材8が変形しにくくなり、特性変化抑制効果が向上する。
また、実施の形態1によれば、ゴム部材8の側面に凹部8cを設ける場合、プランジャ5の往復移動方向と同じ矢印Dの方向に型開きする第一金型20と第二金型21とにより、ゴム部材8の側面に凹部8cを成形して無理抜きすることができるため、金型構造が簡素である。
なお、実施の形態1では、金型成形の際に一度のゴム充填により弁座当接部8aとピン当接部8bとを同時に成形するために、プランジャ5の山型部5aに穴を形成して充填経路としたが、弁座当接部8aとピン当接部8bの製造方法によっては山型部5aの穴は不要である。ただし、弁座当接部8aとピン当接部8bが個別にプランジャ5に固定されている構成に比べて、山型部5aの穴を通じて弁座当接部8aとピン当接部8bとが接続している構成のほうがプランジャ5からゴム部材8が剥離し難くなり、耐久性が高い。
実施の形態2.
実施の形態1では、主に、ゴム部材8が弁座6に衝突するときの作動音を抑制する構成を説明した。実施の形態2では、ゴム部材8がピン7に衝突するときの作動音を抑制する構成を説明する。
実施の形態2では、ピン7が樹脂製である。一般的にピン7は金属製であるが、樹脂製にすることでゴム部材8のピン当接部8bがピン7に衝突するときの衝撃が緩和され作動音が抑制される。ピン7を構成する樹脂部材は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)またはナイロンなど、電磁弁1の使用環境に合わせて選定可能である。なお、ピン7が樹脂製である以外、実施の形態2の電磁弁1の構成は、図1に示した電磁弁1の構成と同一であるため、図示および説明を省略する。
また、ピン7またはゴム部材8の形状を以下のように変形してもよい。
図5A〜図5Dは、この発明の実施の形態2に係る電磁弁1におけるピン7とゴム部材8の構成例を示す断面図である。図5A〜図5Dにおけるピン7とゴム部材8以外の電磁弁1の構成は、図1に示した電磁弁1の構成と同一であるため、図示および説明を省略する。図5A〜図5Dに示すように、実施の形態2では、ピン7のゴム部材8に当接する面、またはゴム部材8のピン7に当接する面の少なくとも一方が、凸形状30または凹形状31に形成されている。
図5Aの例では、ピン7のゴム部材8に当接する面に、凸形状30が形成されている。図5Bの例では、ゴム部材8のピン7に当接する面に、凸形状30が形成されている。図5Cの例では、ピン7のゴム部材8に当接する面に凸形状30が形成され、ゴム部材8のピン7に当接する面にも凸形状30が形成されている。ピン7またはゴム部材8に凸形状30が形成されていることで、ピン当接部8bがピン7に衝突したときに変形しやすくなり、作動音抑制効果が向上する。
図5Dの例では、ピン7のゴム部材8に当接する面に凹形状31が形成され、ゴム部材8のピン7に当接する面にも凹形状31が形成されている。図示は省略するが、ピン7のゴム部材8に当接する面のみに凹形状31が形成されていてもよいし、反対にゴム部材8のピン7に当接する面のみに凹形状31が形成されていてもよい。ピン7またはゴム部材8に凹形状31が形成されていることで、ピン当接部8bがピン7に衝突したときに変形しやすくなり、作動音抑制効果が向上する。
また、ピン当接部8bの側面に凹部8dを設けてもよい。
図6は、この発明の実施の形態2におけるピン7とゴム部材8の構成例を示す断面図である。図6におけるピン7とゴム部材8以外の電磁弁1の構成は、図1に示した電磁弁1の構成と同一であるため、図示および説明を省略する。図6に示すように、実施の形態2では、ピン当接部8bの側面に凹部8dが形成されている。凹部8dが形成されていることにより、ピン当接部8bがピン7に衝突したときに変形しやすくなり、作動音抑制効果が向上する。
図示例の凹部8dは断面が半円形状であるが、どのような断面形状であってもよい。また、図示例の凹部8dはピン当接部8bの側面全周にわたって設けられているが、途切れ途切れに設けられていてもよい。ただし、凹部8dに角部があると応力が集中して亀裂が生じやすくなるため、断面半円形状のように応力が集中しない形状にすることが好ましい。
また、図4に示した第一金型20の空間23にアンダーカット部を形成して凹部8dを金型成形することが可能であり、無理抜きも可能である。
なお、実施の形態2において、ピン7を樹脂製にした場合、ピン7もしくはゴム部材8に凸形状30もしくは凹形状31を形成した場合、またはピン当接部8bの側面に凹部8dを形成した場合、実施の形態1の構成よりも作動音抑制効果が向上するため、向上する効果分、ピン当接部8bの開閉方向の厚みを減らすことができる。ピン当接部8bの厚みを減らすことで、実施の形態1と同等の作動音抑制効果を維持したまま特性変化の抑制効果を向上させることができる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る電磁弁は、使用環境の影響による電磁弁の特性変化を抑制しつつ、作動音を抑制するようにしたので、車両のような、環境変化が大きく且つユーザに作動音が聞こえやすい場所で使用される電磁弁に用いるのに適している。
1 電磁弁、2 ソレノイド部、2a コイル、2b コア、3 スプリング、4 流体通路、5,105 プランジャ、5a 山型部、5b 粗面、5c 接着剤、6 弁座、7 ピン、8,108 ゴム部材、8a,108a 弁座当接部、8b,108b ピン当接部、8c,8d 凹部、9,10 ポート、20 第一金型、21 第二金型、22,23 空間、30 凸形状、31 凹形状。

Claims (8)

  1. 電磁吸引力を発生するソレノイド部と、
    前記電磁吸引力とは反対の方向に付勢力を発生するスプリングと、
    前記電磁吸引力および前記付勢力により流体通路を開閉する方向に往復移動するプランジャと、
    前記流体通路に設けられた弁座と、
    前記電磁吸引力による前記プランジャの移動を規制するピンと、
    前記プランジャの前記弁座側に対向する面と前記ピン側に対向する面とに設けられ、前記プランジャの往復移動に伴って前記弁座および前記ピンに当接するゴム部材と、
    前記プランジャの前記弁座側に対向する面から前記ゴム部材内部へ突出した山型形状の山型部とを備える電磁弁。
  2. 前記ゴム部材は側面に凹部を有することを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
  3. 前記凹部は断面が半円形状であることを特徴とする請求項2記載の電磁弁。
  4. 前記ピンは樹脂製であることを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
  5. 前記ピンの前記ゴム部材に当接する面、または前記ゴム部材の前記ピンに当接する面の少なくとも一方は、凸形状または凹形状であることを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
  6. 車両のキャニスタからエンジンへ流れる蒸散ガス流量を制御することを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
  7. 電磁吸引力を発生するソレノイド部と、
    前記電磁吸引力とは反対の方向に付勢力を発生するスプリングと、
    前記電磁吸引力および前記付勢力により流体通路を開閉する方向に往復移動するプランジャと、
    前記流体通路に設けられた弁座と、
    前記電磁吸引力による前記プランジャの移動を規制するピンと、
    前記プランジャの前記弁座側に対向する面と前記ピン側に対向する面とに設けられ、前記プランジャの往復移動に伴って前記弁座および前記ピンに当接するゴム部材と、
    前記プランジャの前記弁座側に対向する面から前記ゴム部材内部へ突出した山型形状の山型部とを備える電磁弁の製造方法であって、
    前記プランジャに設けられた前記山型部に接着剤が塗布された後、金型成形により前記プランジャに前記ゴム部材が一体成形されることを特徴とする電磁弁の製造方法。
  8. 前記プランジャの往復移動方向と同じ方向に型開きする金型により、前記ゴム部材の側面に凹部が成形され無理抜きされることを特徴とする請求項7記載の電磁弁の製造方法。
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