JPWO2017154885A1 - カーボンナノチューブ構造体の起毛方法、カーボンナノチューブ構造体の製造方法およびカーボンナノチューブ構造体 - Google Patents

カーボンナノチューブ構造体の起毛方法、カーボンナノチューブ構造体の製造方法およびカーボンナノチューブ構造体 Download PDF

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Abstract

固定シートと、成長基板から剥離された複数のカーボンナノチューブが所定方向に配向されるカーボンナノチューブアレイと、を備え、複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部が固定シートに埋め込みまたは接合されてなるカーボンナノチューブ構造体の起毛方法は、複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を固定シートに対して折り重なるように傾倒する、カーボンナノチューブ構造体を準備する工程と、粘着テープをカーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、粘着テープをカーボンナノチューブアレイから剥離して複数のカーボンナノチューブを固定シートに対して起立させる工程と、を含んでいる。

Description

本発明は、カーボンナノチューブ構造体の起毛方法、カーボンナノチューブ構造体の製造方法およびカーボンナノチューブ構造体に関する。
カーボンナノチューブ(以下、CNTとする。)は、優れた機械強度、熱伝導性および電気伝導性を有していることが知られている。そこで、CNTを各種産業製品に利用することが検討されている。
例えば、CNTは、電子部品とヒートシンクとの間に配置される熱伝導性材料(Thermal Interface Material:以下、TIMとする。)に利用される。
そのようなTIMとして、例えば、基板と、基板の両面にアレイ状に配置されるCNTとを備える熱界面パッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そのような熱界面パッドは、化学気相蒸着によって、複数のCNTを基板に対して垂直に配向するように成長させて製造される。そして、熱界面パッドでは、基板上に成長した複数のCNTが、電子部品およびヒートシンクの表面の微細な凹凸(表面粗さ)に追従できるので、電子部品とヒートシンクとの間に空隙が生じることを抑制でき、熱伝導率の向上を図ることができる。
特表2015−526904号公報
しかるに、熱界面パッドをTIMとして利用すると、基板に対して垂直に配向する複数のCNTが、電子部品およびヒートシンクとの接触により、基板に対して折り重なるように傾倒する。
そのような熱界面パッドを再利用する場合、複数のCNTは既に傾倒しているため、電子部品およびヒートシンクの表面粗さに追従できず、電子部品とヒートシンクとの間に空隙が生じ、熱伝導率が低下してしまうという不具合がある。
そこで、本発明は、傾倒した複数のカーボンナノチューブを固定シートに対して起立させることができるカーボンナノチューブ構造体の起毛方法、カーボンナノチューブ構造体の製造方法およびカーボンナノチューブ構造体を提供する。
本発明[1]は、固定シートと、成長基板から剥離された複数のカーボンナノチューブが所定方向に配向されるカーボンナノチューブアレイと、を備え、前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部が前記固定シートに埋め込みまたは接合されてなるカーボンナノチューブ構造体の起毛方法であって、前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒するカーボンナノチューブ構造体を準備する工程と、粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイから剥離して前記複数のカーボンナノチューブを前記固定シートに対して起立させる工程と、を含んでいる、カーボンナノチューブ構造体の起毛方法を含んでいる。
しかるに、化学気相成長法(CVD法)により、基板上に成長された複数のCNTでは、基板とCNTとの接着強度を十分に確保することができない。
そのため、基板上に成長された複数のCNTをTIMなどとして利用し、複数のCNTが基板に対して折り重なるように傾倒した場合、傾倒した複数のCNTに粘着テープを貼り付けた後、剥離しても、複数のCNTを基板に対して起立させることはできず、複数のCNTが、粘着テープとともに、基板から離脱してしまう。
これに対して、上記の方法によれば、成長基板から剥離されたカーボンナノチューブアレイ(以下、CNTアレイとする。)の複数のCNTの少なくとも一部が、固定シートに埋め込みまたは接合されているので、固定シートとCNTとの接着力の向上を図ることができる。
そのため、複数のCNTの少なくとも一部が固定シートに対して折り重なるように傾倒しても、CNTアレイに粘着テープを貼り付け、粘着テープをCNTアレイから剥離することにより、複数のCNTが固定シートから離脱することを抑制できながら、複数のCNTを固定シートに対して起立させることができる。
つまり、簡易な方法でありながら、固定シートに対して折り重なるように傾倒した複数のCNTを、固定シートに対して起立させることができる。
本発明[2]は、固定シートと、成長基板から剥離された複数のカーボンナノチューブが所定方向に配向されるカーボンナノチューブアレイと、を備え、前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部が前記固定シートに埋め込みまたは接合されるカーボンナノチューブ構造体を準備する工程と、前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒させる工程と、粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイから剥離して前記複数のカーボンナノチューブを前記固定シートに対して起立させる工程と、を含んでいる、カーボンナノチューブ構造体の製造方法を含んでいる。
しかるに、準備されるCNT構造体において、複数のCNTが固定シートに対して十分に起立していない場合がある。このようなCNT構造体では、利用できる複数のCNTが減少するため、所望する性能を十分に確保できない場合がある。
これに対して、上記の方法によれば、準備したCNT構造体において、複数のCNTの少なくとも一部を固定シートに対して折り重なるように傾倒させた後、粘着テープをCNTアレイに貼り付け、粘着テープをCNTアレイから剥離して複数のCNTを固定シートに対して起立させる。
そのため、複数のCNTを固定シートに対して十分かつ確実に起立させることができる。よって、簡易な方法でありながら、複数のCNTが固定シートに対して十分かつ確実に起立し、所望する性能を十分に確保できるCNT構造体を製造することができる。
本発明[3]は、前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒させる工程と、前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイから剥離して前記複数のカーボンナノチューブを前記固定シートに対して起立させる工程との、一連の工程を複数回行う、[2]に記載のカーボンナノチューブ構造体の製造方法を含んでいる。
このような方法によれば、複数のカーボンナノチューブ傾倒させる工程と、粘着テープをカーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、粘着テープをカーボンナノチューブアレイから剥離する工程との、一連の工程を複数回行うので、複数のカーボンナノチューブを固定シートに対して確実に起立させることができる。
本発明[4]は、固定シートと、成長基板から剥離された複数のカーボンナノチューブが所定方向に配向されるカーボンナノチューブアレイと、を備え、前記複数のカーボンナノチューブは、前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒させ、粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付け、剥離することにより前記固定シートに対して起立していることを特徴とする、カーボンナノチューブ構造体を含んでいる。
このような構成によれば、複数のCNTの少なくとも一部が固定シートに埋め込みまたは接合されているので、固定シートとCNTとの粘着力の向上を図ることができる。
そして、複数のCNTは、複数のCNTの少なくとも一部を固定シートに対して折り重なるように傾倒させ、粘着テープを複数のCNTに貼り付け、剥離することにより固定シートに対して起立されているので、固定シートに対して十分かつ確実に起立している。そのため、CNT構造体の所望する性能を十分に確保できる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法は、簡易な方法でありながら、傾倒した複数のCNTを固定シートに対して起立させることができる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法は、簡易な方法でありながら、所望する性能を十分に確保できるCNT構造体を製造できる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体は、所望する性能を十分に確保できる。
図1Aは、本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法の第1実施形態を説明するための説明図であって、複数のカーボンナノチューブ(複数のCNT)が固定シートに対して傾倒する熱伝導性シートを準備する工程を示す。図1Bは、図1Aに続いて、粘着テープをCNTアレイに貼り付ける工程を示す。図1Cは、図1Bに続いて、粘着テープをCNTアレイから剥離する工程を示す。図1Dは、図1Cに示す工程により、複数のCNTが固定シートに対して起立した熱伝導性シートを示す。 図2Aは、成長基板に垂直配向カーボンナノチューブ(VACNTs)を成長させる工程の一実施形態を説明するための説明図であって、基板上に触媒層を形成する工程を示す。図2Bは、図2Aに続いて、基板を加熱して、触媒層を複数の粒状体に凝集させる工程を示す。図2Cは、図2Bに続いて、複数の粒状体に原料ガスを供給して、複数のCNTを成長させて、VACNTsを調製する工程を示す。 図3Aは、VACNTsを成長基板から剥離する工程を説明するための説明図であって、VACNTsを成長基板から切断する工程を示す。図3Bは、図3Aに続いて、VACNTsを成長基板から剥離して、カーボンナノチューブアレイ(CNTアレイ)とする工程を示す。図3Cは、図3Bに示すCNTアレイの斜視図である。 図4Aは、図3Cに示すCNTアレイを高密度化する工程を説明するための説明図であって、CNTアレイを耐熱容器内に収容する工程を示す。図4Bは、図4Aに続いて、CNTアレイを加熱処理して、CNTアレイを高密度化する工程を示す。図4Cは、図4Bに示す高密度化されたCNTアレイを、固定シートの表面および裏面の両面に配置する工程を示す。 図5Aは、図4Cに示すCNTアレイを固定シートに埋め込んで、熱伝導性シートを準備する工程を示す。図5Bは、図5Aに示す熱伝導性シートが電子部品と放熱部材との間に配置された状態の概略構成図である。 図6Aは、本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法の第2実施形態を説明するための説明図であって、複数のCNTが固定シートに対して傾倒する熱伝導性シートを準備する工程を示す。図6Bは、図6Aに続いて、粘着テープをCNTアレイに貼り付け、粘着テープをCNTアレイから剥離する工程を示す。図6Cは、図6Bに示す工程により、複数のCNTが固定シートに対して起立する熱伝導性シートを示す。 図7Aは、本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法の第3実施形態を説明するための説明図であって、複数のCNTが固定シートに対して傾倒する熱伝導性シートを準備する工程を示す。図7Bは、図7Aに続いて、粘着テープをCNTアレイに貼り付け、粘着テープをCNTアレイから剥離する工程を示す。図7Cは、図7Bに示す工程により、複数のCNTが固定シートに対して起立する熱伝導性シートを示す。 図8Aは、本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法の第4実施形態を説明するための説明図であって、複数のCNTが固定シートに対して傾倒する熱伝導性シートを準備する工程を示す。図8Bは、図8Aに続いて、粘着テープをCNTアレイに貼り付け、粘着テープをCNTアレイから剥離する工程を示す。図8Cは、図8Bに示す工程により、複数のCNTが固定シートに対して起立する熱伝導性シートを示す。 図9Aは、本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法の第5実施形態を説明するための説明図である。図9Bは、本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法の第6実施形態を説明するための説明図である。 図10Aは、本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法の第8実施形態を説明するための説明図であって、複数のCNTが固定シートに対して傾倒するカーボンナノチューブ構造体を準備する工程を示す。図10Bは、図10Aに続いて、粘着テープをCNTアレイに貼り付け、粘着テープをCNTアレイから剥離する工程を示す。図10Cは、図10Bに示す工程により、複数のCNTが固定シートに対して起立するカーボンナノチューブ構造体を示す。 図11は、粘着テープにより起毛された実施例1のCNTアレイの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。 図12は、調製例1および実施例1の熱伝導性シートの熱抵抗を示すグラフである。 図13は、調製例3および実施例8の熱伝導性シートの熱抵抗を示すグラフである。
<第1実施形態(熱伝導性シートの再利用方法)>
本発明の複数のカーボンナノチューブの起毛方法の第1実施形態は、例えば、図1A〜図1Dに示すように、カーボンナノチューブ構造体の一例としての熱伝導性シート1であって、固定シート2およびカーボンナノチューブアレイ3(以下、CNTアレイ3とする。)を備える熱伝導性シート1を準備する工程と、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付ける工程と、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離する工程と、を含んでいる。
(1)熱伝導性シートの準備工程
熱伝導性シート1を準備するには、まず、図4Cに示すように、固定シート2を準備する。第1実施形態では、固定シート2は、2つのCNTアレイ3を固定可能であり、基材4と、2つの樹脂層5とを備えている。
固定シート2を準備するには、例えば、基材4の表面4Aおよび裏面4Bの両面に、樹脂層5を配置する(固定シート準備工程)。
基材4は、シート形状(フィルム形状)を有しており、具体的には、基材4は、所定の厚みを有し、その厚み方向と直交する面方向(縦方向および横方向)に延びており、平坦な表面4A(厚み方向一方面)および平坦な裏面4B(厚み方向他方面)を有している。
また、基材4は、好ましくは、可撓性を有している。基材4の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
基材4としては、例えば、導電性基材、絶縁性基材が挙げられる。
導電性基材は、電気伝導性を有しており、例えば、金属シート、グラファイトシート、カーボンナノチューブ集合体、導電性粒子を含有する樹脂シートなどが挙げられる。
金属シートは、金属から形成されるシートである。金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、ケイ素、それらの合金などが挙げられ、好ましくは、銅およびアルミニウムが挙げられる。
グラファイトシートは、黒鉛から形成されるシートである。
カーボンナノチューブ集合体は、複数のCNTの集合体であって、例えば、プレス成形シート、CNTアレイ(後述)、カーボンナノチューブウェブ積層シート(以下、ウェブ積層シートとする。)などが挙げられる。
プレス成形シートは、公知のプレス成形により、複数のCNTがシート形状に形成されたものであって、複数のCNTがランダムに配置されている。
ウェブ積層シートは、複数のカーボンナノチューブ単糸が並列されてシート状に形成されるカーボンナノチューブウェブが、複数積層されて形成される。なお、カーボンナノチューブ単糸は、複数のCNTからなる束(バンドル)が直線状に連続的に繋がって形成される。
導電性粒子を含有する樹脂シートは、導電性粒子が分散される樹脂材料から形成されるシートである。導電性粒子としては、例えば、上記金属の粒子、炭素材料(例えば、CNT、グラファイト、フラーレン、グラフェンなど)などが挙げられる。このような導電性粒子は、単独使用または2種類以上併用することができる。
樹脂材料としては、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、フッ素系ポリマー、熱可塑性エラストマーなど)などが挙げられる。このような樹脂材料は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このような導電性基材のなかでは、好ましくは、金属シートが挙げられる。
絶縁性基材は、電気絶縁性を有しており、例えば、セラミックスシートなどが挙げられる。
セラミックスシートは、無機物の焼結体から形成されるシートである。無機物としては、例えば、無機酸化物(例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなど)、無機窒化物(例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素など)、無機炭化物(例えば、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステンなど)が挙げられる。このような無機物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このような基材4は、熱伝導性シート1の用途に応じて適宜選択される。基材4として導電性基材が選択される場合、熱伝導性シート1に電気伝導性を付与することができ、熱伝導性シート1は、電気熱伝導性シートとして構成される。基材4として絶縁性基材が選択される場合、熱伝導性シート1に電気絶縁性を付与することができ、熱伝導性シート1は、絶縁性熱伝導性シートとして構成される。
樹脂層5は、樹脂材料から形成される。樹脂材料としては、熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂とが挙げられる。
熱硬化性樹脂は、硬化体(硬化後の熱硬化性樹脂)であって、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性エラストマー(例えば、ウレタンゴム、ブチルゴム、フッ素系ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムなど)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなど)、熱可塑性エラストマー(例えば、オレフィン系エラストマー(例えば、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなど)、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマーなど)などが挙げられる。
このような樹脂材料は、単独使用または2種類以上併用することができる。このような樹脂材料のなかでは、好ましくは、熱可塑性樹脂、さらに好ましくは、フッ素系ポリマーおよびPFAが挙げられる。
なお、第1実施形態では、樹脂層5が熱可塑性樹脂から形成される場合について詳述する。
樹脂層5の厚みTは、図5Aに示すように、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上、例えば、50μm以下、好ましくは、40μm以下である。また、樹脂層5の厚みTは、基材4の厚みを100としたときに、例えば、10以上、好ましくは、20以上、例えば、50以下、好ましくは、40以下である。
また、樹脂層5は、必要に応じて、公知の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、上記金属の粒子、上記無機酸化物、上記無機窒化物、上記炭素材料などが挙げられる。このような添加剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
そして、図4Cに示すように、基材4の表面4Aおよび裏面4Bの両面に樹脂層5を配置する方法としては、特に制限されず、例えば、上記の熱可塑性樹脂を基材4の両面に塗布して樹脂層5を形成する方法や、上記の熱可塑性樹脂から形成される樹脂シートを準備して、基材4の両面に配置する方法などが挙げられる。このような方法のなかでは、好ましくは、熱可塑性樹脂から形成される樹脂シートを準備して、基材4の両面に配置する方法が挙げられる。
これによって、基材4と、基材4の表面4Aおよび裏面4Bの両面に配置される樹脂層5とを備える固定シート2が準備される。
なお、2つの樹脂層5を互いに区別する場合、基材4の表面4Aに配置される樹脂層5を第1樹脂層5Aとし、基材4の裏面4Bに配置される樹脂層5を第2樹脂層5Bとする。
そして、第1樹脂層5Aの厚み方向の一方側の表面が、固定シート2の表面2Aに対応し、第2樹脂層5Bの厚み方向の他方側の表面が、固定シート2の裏面2Bに対応する。つまり、固定シート2は、表面2A(第1樹脂層5Aの厚み方向の一方面)および裏面2B(第2樹脂層5Bの厚み方向の他方面)を有している。
また、固定シート2とは別に、成長基板15から剥離されたCNTアレイ3を準備する(CNTアレイ準備工程)。
CNTアレイ3を準備するには、まず、図2A〜図2Cに示すように、例えば、化学気相成長法(CVD法)により、成長基板15上に垂直配向カーボンナノチューブ19(Vertically Aligned carbon nanotubes;以下、VACNTs19とする。)を成長させる。
詳しくは、図2Aに示すように、まず、成長基板15を準備する。成長基板15は、特に限定されず、例えば、CVD法に用いられる公知の基板が挙げられ、市販品を用いることができる。
成長基板15としては、例えば、シリコン基板や、二酸化ケイ素膜17が積層されるステンレス基板16などが挙げられ、好ましくは、二酸化ケイ素膜17が積層されるステンレス基板16が挙げられる。なお、図2A〜図3Cでは、成長基板15が、二酸化ケイ素膜17が積層されるステンレス基板16である場合を示す。
そして、図2Aに示すように、成長基板15上、好ましくは、二酸化ケイ素膜17上に触媒層18を形成する。成長基板15上に触媒層18を形成するには、金属触媒を、公知の成膜方法により、成長基板15(好ましくは、二酸化ケイ素膜17)上に成膜する。
金属触媒としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどが挙げられ、好ましくは、鉄が挙げられる。このような金属触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。成膜方法としては、例えば、真空蒸着およびスパッタリングが挙げられ、好ましくは、真空蒸着が挙げられる。
これによって、成長基板15上に触媒層18が配置される。なお、成長基板15が、二酸化ケイ素膜17が積層されるステンレス基板16である場合、二酸化ケイ素膜17および触媒層18は、例えば、特開2014−94856号公報に記載されるように、二酸化ケイ素前駆体溶液と金属触媒前駆体溶液とが混合される混合溶液を、ステンレス基板16に塗布した後、その混合液を相分離させ、次いで、乾燥することにより、同時に形成することもできる。
次いで、触媒層18が配置される成長基板15を、図2Bに示すように、例えば、700℃以上900℃以下に加熱する。これにより、触媒層18が、凝集して、複数の粒状体18Aとなる。
そして、加熱された成長基板15に、図2Cに示すように、原料ガスを供給する。原料ガスは、炭素数1〜4の炭化水素ガス(低級炭化水素ガス)を含んでいる。炭素数1〜4の炭化水素ガスとしては、例えば、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、ブタンガス、エチレンガス、アセチレンガスなどが挙げられ、好ましくは、アセチレンガスが挙げられる。
また、原料ガスは、必要により、水素ガスや、不活性ガス(例えば、ヘリウム、アルゴンなど)、水蒸気などを含むこともできる。
原料ガスの供給時間としては、例えば、1分以上、好ましくは、5分以上、例えば、60分以下、好ましくは、30分以下である。
これによって、複数の粒状体18Aのそれぞれを起点として、複数のCNT6が成長する。なお、図2Cでは、便宜上、1つの粒状体18Aから、1つのCNT6が成長するように記載されているが、これに限定されず、1つの粒状体18Aから、複数のCNT6が成長してもよい。
複数のCNT6は、成長基板15上において、互いに略平行となるように、成長基板15の厚み方向(上下方向)に延びている。つまり、複数のCNT6は、成長基板15に対して直交するように配向(垂直に配向)されている。
CNT6は、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブのいずれであってもよく、好ましくは、多層カーボンナノチューブである。複数のCNT6は、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブのいずれか1種のみを含んでいてもよく、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブのいずれか2種以上を含んでいてもよい。また、CNT6は、可撓性を有している。
CNT6の平均外径は、例えば、1nm以上、好ましくは、5nm以上、例えば、100nm以下、好ましくは、50nm以下、さらに好ましくは、20nm以下である。
CNT6の平均長さL(平均配向方向の寸法)は、樹脂層5の厚みTよりも大きく(図5A参照)、例えば、15μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下、さらに好ましくは、200μm以下である。なお、CNTの平均外径および平均長さは、例えば、電子顕微鏡観察などの公知の方法により測定される。
また、CNT6の平均長さLは、樹脂層5の厚みTに対して、例えば、1倍を超過し、好ましくは、1.5倍以上、さらに好ましくは、2.0倍以上、例えば、15.0倍以下、好ましくは、10.0倍以下、さらに好ましくは、5.0倍以下である。
これによって、VACNTs19が成長基板15上に成長する。VACNTs19は、図3Cが参照されるように、複数のCNT6が縦方向に直線的に並ぶ列19Aを、横方向に複数備えている。
VACNTs19において、複数のCNT6は、面方向(縦方向および横方向)に密集している。具体的には、VACNTs19(複数のCNT6)の平均嵩密度は、例えば、10mg/cm以上、好ましくは、20mg/cm以上、例えば、50mg/cm以下である。なお、平均嵩密度は、例えば、単位面積当たり質量(目付量:単位 mg/cm)と、CNTの平均長さ(SEM(日本電子社製)または非接触膜厚計(キーエンス社製)により測定)とから算出される。
次いで、図3Aおよび図3Bに示すように、成長基板15からVACNTs19を剥離する。
VACNTs19を成長基板15から剥離するには、例えば、切断刃20を成長基板15の上面に沿ってスライド移動させて、複数のCNT6の基端部(成長基板15側端部)を一括して切断する。これによって、VACNTs19が成長基板15から分離される。
切断刃20としては、例えば、カッター刃、剃刀などの公知の金属刃が挙げられ、好ましくは、カッター刃が挙げられる。
次いで、分離されたVACNTs19を、図3Bに示すように、成長基板15から引き上げる。これにより、VACNTs19が、成長基板15から剥離されて、CNTアレイ3とされる。また、上記の工程を繰り返すことにより、2つのCNTアレイ3が準備される。
CNTアレイ3は、図3Cに示すように、成長基板15から剥離されており、複数のCNT6からシート形状に形成されるカーボンナノチューブ集合体である。
より詳しくは、CNTアレイ3において、複数のCNT6は、CNTアレイ3の厚み方向に配向されており、厚み方向に互いに連続することなく、面方向(縦方向および横方向)に互いに連続してシート形状となるように配列されている。
つまり、CNTアレイ3は、複数のCNT6が、所定方向に配向されて、CNT6の配向方向と直交する方向に互いに連続することにより、シート形状となるように形成されている。
これによって、CNTアレイ3は、成長基板15から剥離された状態で、複数のCNT6が面方向に互いに接触するように、形状を保持している。また、CNTアレイ3は、可撓性を有している。なお、複数のCNT6のうち、互いに隣接するCNT6間には、ファンデルワールス力が作用している。
CNTアレイ3の平均嵩密度の範囲は、上記のVACNTs19の平均嵩密度の範囲と同一である。
CNTアレイ3のG/D比は、例えば、1以上10以下である。G/D比とは、カーボンナノチューブのラマンスペクトルにおいて、1350cm−1付近に観測されるDバンドと呼ばれるピークのスペクトル強度に対する、1590cm−1付近に観測されるGバンドと呼ばれるピークのスペクトル強度の比である。なお、Dバンドのスペクトルは、カーボンナノチューブの欠陥に由来し、Gバンドのスペクトルは、炭素の六員環の面内振動に由来する。
このようなCNTアレイ3は、そのまま熱伝導性シート1に利用することができるが、平均嵩密度が相対的に低いため、熱伝導率の向上の観点から好ましくは、高密度化処理される。
高密度化処理として、例えば、CNTアレイ3を加熱処理する方法(図4Aおよび図4B参照)や、CNTアレイ3に揮発性の液体を供給する方法が挙げられる。
CNTアレイ3を加熱処理するには、例えば、図4Aに示すように、CNTアレイ3を耐熱容器45に収容して、加熱炉内に配置する。
耐熱容器45は、耐熱温度が2600℃を超過する耐熱容器であって、例えば、炭素から形成される炭素容器、セラミックスから形成されるセラミックス容器などの公知の耐熱容器が挙げられる。このような耐熱容器のなかでは、好ましくは、炭素容器が挙げられる。
加熱炉としては、例えば、抵抗加熱炉、誘導加熱炉、直通電型電気炉などが挙げられ、好ましくは、抵抗加熱炉が挙げられる。また、加熱炉は、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。
次いで、加熱炉内に不活性ガスを流入して、加熱炉内を不活性ガス雰囲気に置換する。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンなどが挙げられ、好ましくは、アルゴンが挙げられる。
次いで、加熱炉内の温度を、所定の昇温速度で加熱温度まで上昇させた後、温度を維持したまま、所定時間放置する。
昇温速度としては、例えば、1℃/分以上、好ましくは、5℃/分以上、例えば、40℃/分以下、好ましくは、20℃/分以下である。
加熱温度としては、例えば、2600℃以上、好ましくは、2700℃以上、さらに好ましくは、2800℃以上である。加熱温度が上記下限以上であれば、CNTアレイ3において、複数のCNT6を確実に凝集させることができる。
また、加熱温度としては、CNT6の昇華温度未満であればよく、3000℃以下であることが好ましい。加熱温度が上記上限以下であれば、CNT6が昇華することを抑制できる。
所定時間としては、例えば、10分以上、好ましくは、1時間以上、例えば、5時間以下、好ましくは、3時間以下である。
また、CNTアレイ3は、好ましくは、無負荷の状態(CNTアレイ3に荷重がかけられていない状態、つまり、大気圧下)で加熱処理される。CNTアレイ3を無負荷の状態で加熱処理するには、CNTアレイ3を、耐熱容器45の蓋部および側壁に対して間隔を空けるように、耐熱容器45内に収容する。
以上によって、CNTアレイ3が加熱処理される。CNTアレイ3が加熱処理されると、CNTアレイ3において、複数のCNT6を構成するグラフェンの結晶性が向上し、CNT6の配向性(直線性)が向上する。すると、CNTアレイ3において、互いに隣接するCNT6は、それらの間に作用するファンデルワールス力などにより、配向性(直線性)を維持したまま、束状となるように凝集する。
これによって、CNTアレイ3の全体が均一に凝集され、CNTアレイ3が高密度化する。その後、CNTアレイ3を必要により冷却(例えば、自然冷却)する。
加熱処理後のCNTアレイ3の厚みは、複数のCNT6が配向性(直線性)を維持したまま凝集するため、加熱処理前のCNTアレイ3の厚み(CNT6の配向方向長さ)と略同じである。より具体的には、加熱処理後のCNTアレイ3の厚みは、加熱処理前のCNTアレイ3の厚みに対して、例えば、95%以上105%以下、好ましくは、100%である。
また、加熱処理後のCNTアレイ3の体積は、加熱処理前のCNTアレイ3の体積に対して、例えば、10%以上、好ましくは、30%以上、例えば、70%以下、好ましくは、50%以下である。また、加熱処理後のCNTアレイ3のG/D比は、例えば、10を超過し、例えば、20以下である。
CNTアレイ3に揮発性の液体を供給するには、例えば、CNTアレイ3に揮発性の液体をスプレーするか、CNTアレイ3を揮発性の液体に浸漬させる。
揮発性の液体としては、例えば、水、有機溶媒などが挙げられる。有機溶媒としては、例えば、低級(C1〜3)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなど)、ケトン類(例えば、アセトンなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、アルキルエステル類(例えば、酢酸エチルなど)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロホルム、ジクロロメタンなど)、極性非プロトン類(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、脂環族炭化水素類(例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエンなど)などが挙げられる。
このような揮発性の液体のなかでは、好ましくは、水および脂肪族炭化水素類が挙げられる。このような揮発性の液体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
CNTアレイ3に揮発性の液体が供給されると、揮発性の液体が気化することにより、複数のCNT6が互いに凝集し、CNTアレイ3の密度が向上する。
なお、このような高密度化処理は、少なくとも1回実施され、複数回繰り返すこともできる。同一の高密度化処理を複数回繰り返してもよく、複数種類の高密度化処理を組み合わせて実施してもよい。例えば、上記の加熱処理のみを複数回繰り返すこともでき、上記の加熱処理と上記の液体供給処理と組み合わせて実施することもできる。
高密度化処理後のCNTアレイ3の平均嵩密度は、例えば、50mg/cm以上、好ましくは、100mg/cm以上、例えば、500mg/cm以下、好ましくは、300mg/cm以下、さらに好ましくは、200mg/cm以下である。
以上によって、基材4および2つの樹脂層5を備える固定シート2と、2つのCNTアレイ3とが準備される。
次いで、図4Cに示すように、第1樹脂層5A(表側の樹脂層5)、および、第2樹脂層5B(裏側の樹脂層5)の上に、CNTアレイ3を1つずつ配置する(配置工程)。
なお、2つのCNTアレイ3を互いに区別する場合、第1樹脂層5Aの上に配置されるCNTアレイ3を第1CNTアレイ3Aとし、第2樹脂層5Bの上に配置されるCNTアレイ3を第2CNTアレイ3Bとする。
つまり、第1樹脂層5Aの厚み方向一方面(固定シート2の表面2A)に、第1CNTアレイ3Aを配置し、第2樹脂層5Bの厚み方向他方面(固定シート2の裏面2B)に、第2CNTアレイ3Bを配置する。
そして、第1CNTアレイ3Aおよび第2CNTアレイ3Bが配置された固定シート2を加熱する(加熱工程)。
加熱温度は、樹脂層5(熱可塑性樹脂)が溶融(軟化)する温度以上、樹脂層5(熱可塑性樹脂)が焼失する温度未満であって、例えば、300℃以上400℃以下である。加熱時間は、例えば、1分以上、例えば、30分以下、好ましくは、10分以下である。
これによって、樹脂層5が溶融し、図5Aに示すように、CNTアレイ3の複数のCNT6の基材4側の端部(一端部)が、対応する樹脂層5を貫通するように、樹脂層5に埋め込まれて、基材4と接触する。
具体的には、第1樹脂層5Aが溶融して、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6の厚み方向他方側端部が、第1樹脂層5Aを貫通するように、第1樹脂層5Aに埋め込まれて、基材4の表面4Aに接触する。また、第2樹脂層5Bが溶融して、第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6の厚み方向一方側端部が、第2樹脂層5Bを貫通するように、第2樹脂層5Bに埋め込まれて、基材4の裏面4Bに接触する。一方、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6の厚み方向一方側端部は、第1樹脂層5Aから露出し、第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6の厚み方向他方側端部は、第2樹脂層5Bから露出している。
また、溶融状態の樹脂層5が、基材4およびCNTアレイ3と密着するとともに、複数のCNT6の間に入り込む。
また、加熱工程では、必要により、第1CNTアレイ3Aおよび第2CNTアレイ3Bを、基材4に向かうように、厚み方向の外側から内側に向かって加圧する。
圧力としては、例えば、0.1MPa以上、好ましくは、0.5MPa以上、例えば、1.0MPa以下である。
これにより、第1CNTアレイ3Aの厚み方向他方側端部、および、第2CNTアレイ3Bの厚み方向一方側端部のそれぞれが、確実に基材4と接触する。
その後、冷却することにより、溶融状態の樹脂層5が、基材4およびCNTアレイ3に密着した状態で硬化する。これによって、CNTアレイ3が、対応する樹脂層5に固定され、固定シート2に支持される。
以上によって、固定シート2と、固定シート2に支持される2つのCNTアレイ3とを備える熱伝導性シート1が準備される。
このような熱伝導性シート1は、好ましくは、可撓性を有している。また、熱伝導性シート1において、CNTアレイ3の厚み方向と、基材4の厚み方向とは互いに一致している。
また、このような熱伝導性シート1では、使用される前の状態において、各CNTアレイ3のCNT6は、基材4の厚み方向に沿って延びている(基材4に対して垂直に配向している。)。以下において、使用される前の熱伝導性シート1を、一次熱伝導性シート1Aとする。
一次熱伝導性シート1Aにおいて、複数のCNT6における基材4側の端部は、対応する樹脂層5に埋め込まれて、基材4と接触し、複数のCNT6における基材4と反対側の端部が、対応する樹脂層5から露出し、直立状に突出して自由端となっている。
そのため、各CNTアレイ3において、CNT6は、対応する樹脂層5に埋設される埋設部分6Aと、対応する樹脂層5から突出する突出部分6Bとを有している。
埋設部分6Aは、対応する樹脂層5を貫通している。埋設部分6Aの長さL1は、例えば、上記の樹脂層5の厚みTの範囲と同一である。また、埋設部分6Aの長さL1の割合は、CNT6の長さL100%に対して、例えば、5%以上、好ましくは、10%以上、さらに好ましくは、20%以上、例えば、70%以下、好ましくは、50%以下である。
突出部分6Bの長さL2は、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上、例えば、400μm以下、好ましくは、300μm以下、さらに好ましくは、150μm以下である。また、突出部分6Bの長さL2の割合は、CNT6の長さL100%に対して、例えば、30%以上、好ましくは、50%以上、例えば、95%以下、好ましくは、90%以下、さらに好ましくは、80%以下である。
また、埋設部分6Aの長さL1に対する、突出部分6Bの長さL2の割合(L2/L1)は、例えば、0.4以上、好ましくは、1以上、例えば、15以下、好ましくは、9以下、さらに好ましくは、4以下である。
埋設部分6Aの長さL1の割合が上記下限以上(突出部分6Bの長さL2の割合割合が上記上限以下)であると、樹脂層5がCNTアレイ3を確実に支持することができ、後述する剥離工程において、複数のCNT6が、固定シート2から離脱することを抑制できる。突出部分6Bの長さL2の割合が上記下限以上(埋設部分6Aの長さL1の割合割合が上記上限以下)であると、対象物の表面に対するCNTアレイ3の追従性の向上を図ることができる。
(2)熱伝導性シートの使用態様
熱伝導性シート1(一次熱伝導性シート1A)は、TIMとして、図5Bに示すように、例えば、電子部品11(対象物)と、放熱部材10(対象物)との間に、厚み方向に挟まれるように配置されて使用される。
電子部品11としては、例えば、半導体素子(IC(集積回路)チップなど)、発光ダイオード(LED)、高出力レーザ発振素子、高出力ランプ、パワー半導体素子などが挙げられる。
放熱部材10としては、例えば、ヒートシンク、ヒートスプレッダーなどが挙げられる。
また、電子部品11の表面11B、および、放熱部材10の表面10Aには、微細な凹凸(表面粗さ)が形成されている。それらの表面粗さRz(JIS B0601−2013に準拠する十点平均粗さ)は、例えば、1μm以上10μm以下である。
そして、熱伝導性シート1において、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6は、放熱部材10の表面10Aの微細な凹凸に追従して、放熱部材10の表面10Aと安定して接触している。また、第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6は、電子部品11の表面11Bの微細な凹凸に追従して、電子部品11の表面11Bと安定して接触している。
そのため、電子部品11が発熱すると、電子部品11からの熱が、第2CNTアレイ3B、基材4および第1CNTアレイ3Aを順次介して、放熱部材10に伝達される。
しかるに、熱伝導性シート1をTIMとして使用すると、複数のCNT6の少なくとも一部が、電子部品11および放熱部材10との圧縮により、固定シート2に対して折り重なるように傾倒する。
より具体的には、突出部分6Bの遊端部が固定シート2の面方向に沿うように(固定シート2の厚み方向と交差するように)、各CNT6が傾倒する。そして、傾倒した複数のCNT6の突出部分6Bが、固定シート2の厚み方向に互いに折り重なる。
また、CNT6の突出部分6Bは、埋設部分6Aに対して、60°以下(角度θ)、さらには、80°以下となるように屈曲して傾倒している。
なお、各CNTアレイ3において傾倒するCNT6は、CNTアレイ3の全CNT6に対して、例えば、90%以上100%以下である。
また、複数のCNT6が傾倒すると、複数のCNT6の間に入り込んだ樹脂層5の一部が破壊される(図1Cおよび図5A参照)。
そして、リサイクル(再利用)のために、図1Aに示すように、熱伝導性シート1が電子部品11と放熱部材10との間から離脱されても、複数のCNT6の少なくとも一部は、固定シート2に対して折り重なるように傾倒する状態が維持される。
以上によって、複数のCNT6の少なくとも一部が、固定シート2に対して折り重なるように傾倒する熱伝導性シート1が準備される。以下において、複数のCNT6が傾倒する熱伝導性シート1(使用後の熱伝導性シート1)を、二次熱伝導性シート1Bとする。
(3)粘着テープの貼付工程および剥離工程
そして、二次熱伝導性シート1BをTIMとして再利用する場合、複数のCNT6が既に傾倒しているため、複数のCNT6が電子部品11および放熱部材10の表面粗さに追従できず、複数のCNT6の電子部品11および放熱部材10の表面に対する接触が不十分となり、電子部品11および放熱部材10との間に空隙が生じ、熱伝導率が低下してしまう。
そのため、熱伝導性シート1を再利用する場合、傾倒する複数のCNT6を、固定シート2に対して起立させる。
具体的には、まず、図1Bに示すように、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付ける(貼付工程)。
粘着テープ8としては、特に制限されず、公知の粘着テープが挙げられる。粘着テープ8は、図示しないが、フィルム層と、粘着剤層とを備えている。
フィルム層は、シート形状を有しており、具体的には、所定の厚みを有し、その厚み方向と直交する面方向に延びている。フィルム層としては、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体など)、ポリエステルフィルム、(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(例えば、ナイロンフィルムなど)などが挙げられる。このようなフィルム層のなかでは、好ましくは、ポリオレフィンフィルムおよびポリイミドフィルムが挙げられる。
粘着剤層は、フィルム層の厚み方向の一方面上に形成されている。粘着剤層は、例えば、粘着剤(感圧接着剤)から公知の方法により層状に形成されている。
粘着剤は、粘着テープの粘着力(後述)を調整する観点から適宜選択されるが、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。このような粘着剤のなかでは、好ましくは、アクリル系粘着剤およびシリコーン系粘着剤が挙げられ、さらに好ましくは、シリコーン系粘着剤が挙げられる。また、粘着剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このような粘着テープ8の粘着力(ステンレス板に対する粘着テープ8の粘着力)は、例えば、0.5N/cm以上、好ましくは、1.0N/cm以上、さらに好ましくは、2.0N/cm以上、例えば、10.0N/cm以下、好ましくは、5.0N/cm以下、さらに好ましくは、3.0N/cm以下である。
なお、粘着テープ8の粘着力は、JIS Z 0237(2009)に準拠する90°引き剥がし試験(ステンレス試験板に対する引きはがし粘着力試験の方法6)により測定される。具体的には、粘着テープ8の粘着力は、23±1℃、相対湿度50±5%の雰囲気下で、幅24mmの粘着テープ8をステンレス板に、2kgの圧着ローラを2往復させて接着した後、剥離角度(引きはがし角度)90°、剥離速度(引張速度)5.0±0.2mm/sの条件で、粘着テープ8をステンレス板から剥離させることにより測定できる。
粘着テープ8の粘着力は、後述する剥離工程において、傾倒する複数のCNT6を、固定シート2に対して離脱することなく起立させることができるものを適宜選択する。粘着テープ8の粘着力が上記上限以下であると、後述する剥離工程において、複数のCNT6が、粘着テープ8に付着し、粘着テープ8とともに固定シート2から離脱することを抑制できる。
そして、粘着テープ8の粘着剤層が、二次熱伝導性シート1BのCNTアレイ3に貼着するように、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付ける。
具体的には、粘着テープ8を2つ準備して、2つの粘着テープ8のうち一方の粘着テープ8を、厚み方向の一方側から、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6の突出部分6Bに貼り付ける。また、2つの粘着テープ8のうち他方の粘着テープ8を、厚み方向の他方側から、第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6の突出部分6Bに貼り付ける。なお、2つの粘着テープ8は、対応するCNTアレイ3に同時に貼り付けてもよく、順次貼り付けてもよい。
このとき、必要により、粘着テープ8がCNTアレイ3に向かうように、厚み方向の外側(固定シート2の反対側)から内側に向かって加圧する。粘着テープ8に対する圧力(貼付圧力)は、例えば、0.1kg/cm以上、好ましくは、0.5kg/cm以上、さらに好ましくは、1.0kg/cm以上、例えば、10.0kg/cm以下、好ましくは、5.0kg/cm以下、さらに好ましくは、3.0kg/cm以下である。
貼付圧力が上記下限以上であると、後述する剥離工程において、傾倒する複数のCNT6を、固定シート2に対して確実に起立させることができる。貼付圧力が上記上限以下であると、後述する剥離工程において、粘着テープ8の粘着剤が複数のCNT6に付着し、複数のCNT6を汚染してしまうことを抑制できる。
なお、貼付圧力は、好ましくは、粘着テープ8の全体に均一に付与される。
また、粘着テープ8に貼付圧力を付与するには、例えば、公知の圧着ローラを、厚み方向の外側(固定シート2の反対側)から接触させて、粘着テープ8のフィルム層上を、所定回数(例えば、1回以上5回以下)往復させる。
これにより、粘着テープ8のCNTアレイ3に対する貼り付けが完了する。
次いで、図1Cに示すように、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離する(剥離工程)。
具体的には、粘着テープ8のCNTアレイ3に対する貼付完了から、例えば、3分以内に、各粘着テープ8の端部を把持して、各粘着テープ8の剥離角度が所定の範囲となるように、各粘着テープ8の端部を固定シート2から離れるように引っ張る。これにより、2つの粘着テープ8が、第1CNTアレイ3Aおよび第2CNTアレイ3Bから剥離する。なお、2つの粘着テープ8は、同時に対応するCNTアレイ3から剥離してもよく、対応するCNTアレイ3から順次剥離してもよい。
このとき、粘着テープ8の剥離角度(引きはがし角度)は、特に制限されず、例えば、45°以上、好ましくは、70°以上、例えば、180°以下、好ましくは、120°以下である。
剥離角度が上記範囲内であると、傾倒する複数のCNT6を、固定シート2に対して確実に起立させることができる。なお、剥離角度は、固定シート2の面方向に対して、剥離された粘着テープ8がなす角度である。
また、粘着テープ8の剥離速度(粘着テープ8の端部の引張速度)は、特に制限されず、例えば、0.1mm/s以上、好ましくは、1mm/s以上、さらに好ましくは、5mm/s以上、例えば、50mm/s以下、好ましくは、15mm/s以下である。
剥離速度が上記下限以上であると、剥離工程の作業効率の向上を図ることができる。剥離速度が上記上限以下であると、粘着テープ8のCNTアレイ3に対する剥離を安定して実施できる。
そして、二次熱伝導性シート1Bの傾倒する複数のCNT6は、粘着テープ8のCNTアレイ3からの剥離に伴なって、固定シート2から実質的に離脱することなく、固定シート2に対して起立する。つまり、複数のCNT6が、上記の複数のカーボンナノチューブの起毛方法により、固定シート2に対して再び起立される。
ここで、固定シート2から離脱するCNTアレイ3は、CNTアレイ3全体に対して、好ましくは、10%以下、さらに好ましくは、5%以下である。剥離工程は、固定シート2から離脱するCNTアレイ3が、CNTアレイ3全体に対して限りなく0%になるように行うことが特に好ましい。
上記の複数のカーボンナノチューブの起毛方法により、二次熱伝導性シート1Bの傾倒する複数のCNT6が固定シート2に対して起立された熱伝導性シート1を、以下において、三次熱伝導性シート1Cとする。
三次熱伝導性シート1C(熱伝導性シート1)は、図1Dに示すように、固定シート2と、複数のCNT6が所定方向(固定シート2の厚み方向)に配向されるCNTアレイ3とを備え、複数のCNT6は、複数のCNT6の少なくとも一部を、固定シート2に対して折り重なるように傾倒させ、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付け、剥離することにより、固定シート2に対して起立している。
つまり、各CNTアレイ3の複数のCNT6は、一旦、傾倒された後、固定シート2の厚み方向に沿って延びるように起毛されている。このような三次熱伝導性シート1Cの複数のCNT6は、一次熱伝導性シート1Aの複数のCNT6に対して、例えば、±30°となるように起立している。
また、三次熱伝導性シート1Cでは、図1Cに示すように、複数のCNT6が一旦、傾倒しているため、一次熱伝導性シート1Aと比較して、固定シート2に対して起立する複数のCNT6が増加しており、熱伝導性シート1の性能が向上している。
さらに、三次熱伝導性シート1Cでは、複数のCNT6の間に入り込んだ樹脂層5の一部が破壊されており、複数のCNT6がほぐされている。そのため、三次熱伝導性シート1Cの複数のCNT6は、一次熱伝導性シート1Aと比較して、柔軟性の向上が図られており、対象物に対する追従性が向上している。
そのため、三次熱伝導性シート1Cは、図5Bに示すように、TIMとして再利用でき、複数のCNT6が、放熱部材10の表面10Aおよび電子部品11の表面11Bの微細な凹凸に確実に追従できる。
(4)作用効果
熱伝導性シート1は、図1Aに示すように、成長基板15から剥離されたCNTアレイ3の複数のCNT6の一端部が、固定シート2に埋め込まれているので、固定シート2とCNT6との粘着力の向上を図ることができる。
そのため、複数のCNT6の少なくとも一部が、固定シート2に対して折り重なるように傾倒しても、図1Bおよび図1Cに示すように、CNTアレイ3に粘着テープ8を貼り付け、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離することにより、複数のCNT6が固定シート2から離脱することを抑制できながら、複数のCNT6を固定シート2に対して起立させることができる。
つまり、簡易な方法でありながら、固定シート2に対して折り重なるように傾倒した複数のCNT6を、固定シート2に対して起立させることができる。
<第2実施形態>
次に、図6A〜図6Cを参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態では、図6Aに示すように、固定シート2が基材4のみからなり、CNTアレイ3の複数のCNT6が基材4の界面に接合されている。具体的には、第1CNTアレイ3Aが基材4の表面4Aに配置され、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6の厚み方向他方側端部(一端部)が基材4の表面4Aに接合されている。また、第2CNTアレイ3Bが基材4の表面4Aに配置され、第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6の厚み方向一方側端部(一端部)が基材4の裏面4Bに接合されている。
つまり、熱伝導性シート1は、基材4(固定シートの一例)と、2つのCNTアレイ3とを備えている。なお、第2実施形態において、基材4は、金属シートまたはセラミックスシートである。
このような熱伝導性シート1を準備するには、例えば、まず、2つのCNTアレイ3のそれぞれの一方面に、上記の金属を公知の方法により蒸着する。
そして、CNTアレイ3の金属の蒸着面が基材4と接触するように、CNTアレイ3を基材4の表面4Aおよび裏面4Bの両面に配置する。
次いで、CNTアレイ3が配置された基材4を、真空下または不活性雰囲気下で加熱する。
加熱温度は、例えば、1000℃以上、好ましくは、1500℃以上、例えば、2500℃以下、好ましくは、2000℃以下である。加熱時間は、例えば、1分以上、例えば、60分以下、好ましくは、30分以下である。
これによって、CNTアレイ3の複数のCNT6と基材4とが接合する。その後、冷却することにより、熱伝導性シート1が準備される。
このような熱伝導性シート1は、第1実施形態と同様に、TIMとして使用されると(図5B参照)、複数のCNT6の少なくとも一部は、図6Aに示すように、基材4に対して折り重なるように傾倒する。
より具体的には、CNT6の遊端部が固定シート2の面方向に沿うように(固定シート2の厚み方向と交差するように)、各CNT6が傾倒する。また、CNT6の傾倒部分(遊端部)は、基材4の厚み方向に対して、60°以下、さらには、80°以下となるように屈曲して傾倒している。
そのため、熱伝導性シート1をリサイクル(再利用)する場合、図6Bおよび図6Cに示すように、第1実施形態と同様に、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付けた後(貼付工程)、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離する(剥離工程)。
これによって、傾倒する複数のCNT6が、基材4から離脱することなく、基材4に対して起立する。そのため、このような第2実施形態によっても、上記の第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次に、図7A〜図7Cを参照して、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第3実施形態では、図7Aに示すように、2つのCNTアレイ3が、基材4(固定シートの一例)中において互いに接触している。具体的には、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6の厚み方向他方側端部(一端部)が基材4の表面4Aに埋め込まれ、第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6の厚み方向一方側端部(一端部)が基材4の裏面4Bに埋め込まれている。そして、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6の厚み方向他方側端部と、第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6の厚み方向一方側端部とは、基材4中において互いに接触している。一方、第1CNTアレイ3Aの複数のCNT6の厚み方向一方側端部および第2CNTアレイ3Bの複数のCNT6の厚み方向他方側端部のそれぞれは、基材4から露出している。
なお、第3実施形態において、基材4は、金属シートまたは樹脂シートである。
このような熱伝導性シート1を製造するには、例えば、基材4が金属シートである場合、まず、2つのCNTアレイ3のいずれか一方に、上記金属の粒子が分散される樹脂ペーストを塗布する。そして、2つのCNTアレイ3が、樹脂ペーストを挟むように配置する。
次いで、樹脂ペーストを挟む2つのCNTアレイ3を、真空下または不活性雰囲気下で加熱する。
加熱温度および加熱時間の範囲は、上記の第2実施形態における加熱温度および加熱時間の範囲と同一である。
これによって、樹脂ペーストが含有する樹脂材料が焼失するとともに、金属の粒子が溶融して、CNTアレイ3の複数のCNT6の間に入り込む。
そして、基材4が金属シートとして形成され、2つのCNTアレイ3が、基材4に埋め込まれて、基材4中において互いに接触する。その後、冷却することにより、熱伝導性シート1が準備される。
なお、基材4が樹脂シートである場合、熱伝導性シート1を製造するには、例えば、CNTアレイ3を、基材4の表面4Aおよび裏面4Bの両面に配置し、CNTアレイ3が配置された基材4を加熱する。加熱温度は、例えば、300℃以上400℃以下である。加熱時間は、例えば、1分以上10分以下である。
これによっても、2つのCNTアレイ3が、基材4に埋め込まれて、基材4中において互いに接触する。そのため、熱伝導性シート1を準備できる。なお、基材4(樹脂シート)には、上記の導電性粒子が含有されていてもよく、含有されていなくてもよい。
このような熱伝導性シート1は、第1実施形態と同様に、TIMとして使用されると(図5B参照)、複数のCNT6の少なくとも一部は、第2実施形態と同様に、図7Aに示すように、基材4に対して折り重なるように傾倒する。
そのため、熱伝導性シート1をリサイクル(再利用)する場合、図7Bおよび図7Cに示すように、第1実施形態と同様に、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付けた後(貼付工程)、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離する(剥離工程)。
これによって、傾倒する複数のCNT6が、基材4から離脱することなく、基材4に対して起立する。そのため、このような第3実施形態によっても、上記の第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第4実施形態>
次に、図8A〜図8Cを参照して、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態〜第3実施形態では、熱伝導性シート1が、固定シート(固定シート2または基材4)の表面および裏面の両面に、複数のCNT6(CNTアレイ3)が埋め込みまたは接合されるが、これに限定されない。
第4実施形態では、熱伝導性シート1は、図8Aに示すように、固定シート2の表面2Aおよび裏面2Bのいずれか一方にのみ、複数のCNT6(CNTアレイ3)が埋め込みまたは接合されている。複数のCNT6における基材4側の端部は、樹脂層5に埋め込まれて、基材4と接触し、複数のCNT6における基材4と反対側の端部は、樹脂層5から露出している。
このような熱伝導性シート1も、第1実施形態と同様に、TIMとして使用されると(図5B参照)、複数のCNT6の少なくとも一部が、固定シート2に対して折り重なるように傾倒する。
そのため、熱伝導性シート1をリサイクル(再利用)する場合、図8Bおよび図8Cに示すように、第1実施形態と同様に、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付けた後(貼付工程)、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離する(剥離工程)。
これによって、傾倒する複数のCNT6が、固定シート2から離脱することなく、固定シート2に対して起立する。そのため、このような第4実施形態によっても、上記の第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第5実施形態および第6実施形態(搬送ベルトのメンテナンス方法)>
次に、図9Aおよび図9B参照して、本発明の第5実施形態および第6実施形態について説明する。なお、第5実施形態および第6実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態〜第4実施形態では、CNT構造体が熱伝導性シート1である場合について詳述するが、CNT構造体はこれに限定されない。
第5実施形態および第6実施形態において、CNT構造体は、搬送ベルト30であり、搬送ベルト30は、対象物の一例としての部品50を搬送する搬送ユニット29に備えられている。
第5実施形態において、搬送ユニット29は、図9Aに示すように、第1ローラ31と、第2ローラ32と、搬送ベルト30と、粘着ローラ33とを備えている。
第1ローラ31と第2ローラ32とは、互いに間隔を隔てて配置されている。
搬送ベルト30は、エンドレスベルトであって、第1ローラ31と第2ローラ32の周りに掛け渡されている。また、搬送ベルト30は、第1ローラ31および第2ローラ32の回転により、周回移動される。
搬送ベルト30は、エンドレスベルト状の固定シート2と、固定シート2の外周面に配置されるCNTアレイ3とを備えている。
なお、CNTアレイ3は、複数のCNT6を備えており、複数のCNT6は、固定シート2の厚み方向に沿って延びている。また、複数のCNT6の固定シート2側の端部(一端部)は、固定シート2の外周面に埋め込みまたは接合され、複数のCNT6の反対側の端部は、直立状に突出して自由端となっている。
つまり、搬送ベルト30は、第4実施形態に示すCNT構造体がエンドレスベルト状に形成されたものである。
粘着ローラ33は、第1ローラ31に対して、第2ローラ32の反対側に、僅かに間隔を空けて配置されている。粘着ローラ33の周面には、粘着テープ8が巻回されている。粘着ローラ33に巻回される粘着テープ8において、粘着テープ8の粘着剤層は、フィルム層に対して、粘着ローラ33の径方向外側に位置している。
また、粘着ローラ33と第1ローラ31との間には、周回移動する搬送ベルト30が通過するように構成されており、搬送ベルト30のCNTアレイ3には、搬送ベルト30が粘着ローラ33と第1ローラ31との間を通過するときに、粘着テープ8に貼り付けられる。
このような搬送ユニット29では、部品50が搬送される。
具体的には、部品50は、搬送開始位置において、搬送ベルト30上に配置される。このとき、部品50は、複数のCNT6と接触し、複数のCNT6は、部品50との接触により、固定シート2に対して折り重なるように傾倒する。これにより、部品50は、搬送ベルト30に対して位置固定(接着)される。
そして、部品50は、搬送ベルト30の周回移動に伴なって、搬送開始位置から目的位置まで搬送された後、搬送ベルト30から引き上げられ、離脱される。
しかし、部品50が離脱されても、複数のCNT6は、傾倒する状態が維持される。以上によって、複数のCNT6の少なくとも一部が、固定シート2に対して折り重なるように傾倒する搬送ベルト30が準備される。
このような搬送ベルト30により、再度、部品50が搬送される場合、部品50が既に傾倒している複数のCNT6上に配置されると、複数のCNT6の部品50に対する接触が不十分となり、部品50を搬送ベルト30に対して確実に位置固定(接着)できない。
一方、搬送ユニット29では、傾倒する複数のCNT6が、搬送ベルト30の周回移動に伴なって、第1ローラ31と粘着ローラ33との間を通過する。このとき、搬送ベルト30のCNTアレイ3には、粘着ローラ33の粘着テープ8に貼り付けられた後(貼付工程)、搬送ベルト30の移動により、粘着テープ8から剥離される(剥離工程)。
これによって、傾倒する複数のCNT6が、固定シート2から離脱することなく、固定シート2に対して起立する。つまり、複数のCNT6が、上記の複数のカーボンナノチューブの起毛方法により、固定シート2に対して起立される。そのため、搬送ベルト30を連続的かつ円滑にメンテナンスできる。
よって、搬送ユニット29では、再度、部品50が搬送される場合においても、複数のCNT6の部品50に対する接触を十分に確保でき、部品50を搬送ベルト30に対して確実に位置固定(接着)できる。
第6実施形態では、搬送ユニット29は、図9Bに示すように、粘着ローラ33に代えて、粘着ユニット35を備えている。なお、第6実施形態では、上記した第5実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
粘着ユニット35は、プレート36と、押圧ローラ39と、送出軸37と、巻取軸38とを備えている。
プレート36は、第1ローラ31と第2ローラ32との間に配置されている。プレート36は、搬送ベルト30の内周面(固定シート2)と向かい合うように、搬送ベルト30内に配置さている。
押圧ローラ39は、搬送ベルト30に対して、プレート36の反対側に僅かに間隔を空けて配置されている。これにより、プレート36と押圧ローラ39との間には、周回移動する搬送ベルト30が通過するように構成されている。
送出軸37は、押圧ローラ39に対して間隔を空けて配置されている。送出軸37には、長尺状の粘着テープ8が渦巻き状に複数周巻回されている。送出軸37に巻回される粘着テープ8において、粘着テープ8の粘着剤層は、フィルム層に対して、送出軸37の径方向外側に位置している。
巻取軸38は、送出軸37に対して、押圧ローラ39の周方向に間隔を空けて配置されている。
そして、粘着ユニット35では、送出軸37から引き出された粘着テープ8が、押圧ローラ39の周面を通過するように引き回された後、巻取軸38の回転により巻き取られるように構成されている。これによって、搬送ベルト30のCNTアレイ3には、搬送ベルト30がプレート36と押圧ローラ39との間を通過するときに、粘着テープ8に貼り付けられる。
このような搬送ユニット29では、部品50の搬送により、傾倒した複数のCNT6が、搬送ベルト30の周回移動に伴なって、プレート36と押圧ローラ39との間を通過する。このとき、搬送ベルト30のCNTアレイ3は、送出軸37から引き出された粘着テープ8に貼り付けられた後(貼付工程)、搬送ベルト30の周回移動により、粘着テープ8から剥離される(剥離工程)。
これによって、傾倒する複数のCNT6が、固定シート2から離脱することなく、固定シート2に対して起立する。そのため、このような第6実施形態によっても、搬送ベルト30を連続的かつ円滑にメンテナンスできる。
<第7実施形態(熱伝導性シートの製造方法)>
第1実施形態〜第4実施形態では、例えば、図1A〜図1Dに示すように、本発明の複数のカーボンナノチューブの起毛方法が、熱伝導性シート1のリサイクル(再利用)に利用され、第5実施形態および第6実施形態では、図9Aおよび図9Bに示すように、本発明の複数のカーボンナノチューブの起毛方法が、搬送ベルト30のメンテナンスに利用されているが、これに限定されない。
例えば、熱伝導性シート1の性能の向上を図る目的で、一次熱伝導性シート1Aの複数のCNT6を、一旦傾倒させて、二次熱伝導性シート1Bを準備した後、二次熱伝導性シート1BのCNTアレイ3に、粘着テープ8を貼り付け剥離することにより、三次熱伝導性シート1Cを製造することもできる。
このような三次熱伝導性シート1Cでは、上記し、図1Cに示すように、複数のCNT6の間に入り込んだ樹脂層5の一部が破壊され、複数のCNT6がほぐされており、対象物に対する追従性が向上している。つまり、追従性が向上した三次熱伝導性シート1Cを新品(最終)製品として製造することができる。
三次熱伝導性シート1Cを製造するには、図5Aに示すように、第1実施形態と同様にして、一次熱伝導性シート1Aを準備する。
第1実施形態では、図5Bに示すように、一次熱伝導性シート1AがTIMとして利用されることにより、複数のCNT6の少なくとも一部が傾倒されるが、第7実施形態では、一次熱伝導性シート1AのCNTアレイ3に対して、意図的に厚み方向の外側から加圧して、複数のCNT6の少なくとも一部を固定シート2に対して折り重なるように傾倒させる(傾倒工程)。なお、傾倒工程は、CNTアレイ3を固定シート2に埋め込みまたは接合する際に、折り重なるように傾倒される場合も含む。
圧力としては、例えば、0.5MPa以上、好ましくは、1.0MPa以上、例えば、4.0MPa以下である。
これによって、二次熱伝導性シート1Bが準備される。
次いで、第1実施形態と同様に、図1Bおよび図1Cに示すように、二次熱伝導性シート1BのCNTアレイ3に、粘着テープ8が貼り付けられた後(貼付工程)、粘着テープ8がCNTアレイ3から剥離される(剥離工程)。
これにより、CNTアレイ3における複数のCNT6が、固定シート2に対して起立される。以上によって、熱伝導性シート1(三次熱伝導性シート1C)が製造される。
このような三次熱伝導性シート1Cは、一次熱伝導性シート1Aの複数のCNT6の少なくとも一部を固定シート2に対して折り重なるように傾倒させた後、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付け、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離して、複数のCNT6を固定シート2に対して起立させて製造されている。
そのため、三次熱伝導性シート1Cでは、一次熱伝導性シート1Aと比較して、複数のCNT6が固定シート2に対して十分かつ確実に起立している。また、三次熱伝導性シート1Cは、上記したように、対象物に対する追従性が向上している。
よって、第7実施形態では、簡易な方法でありながら、所望する性能を十分に確保でき、対象物に対する追従性が向上した熱伝導性シート1を製造することができる。なお、第7実施形態と同様にして、搬送ベルト30を製造することもできる。
また、好ましくは、熱伝導性シート1の複数のCNT6の少なくとも一部を固定シート2に対して折り重なるように傾倒させる工程(傾倒工程)と、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付ける工程(貼付工程)と、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離する工程(剥離工程)との、一連の工程を複数回行う。一連の工程は、傾倒工程と、貼付工程と、剥離工程とを含み、一連の工程では、傾倒工程、貼付工程および剥離工程が順次実施される。繰返回数としては、例えば、2回以上10回以下である。このような方法によれば、複数のCNT6を、固定シート2に対して確実に起立させるとともに、柔軟性を向上させることができる。
<第8実施形態>
次に、図10A〜図10Cを参照して、本発明の第8実施形態について説明する。なお、第8実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態〜第7実施形態では、複数のCNT6の端部が、固定シート(固定シート2または基材4)に埋め込みまたは接合されるが、これに限定されない。本発明は、複数のCNTの少なくとも一部が固定シートに埋め込みまたは接合されればよい。
第8実施形態では、図10Aに示すように、CNTアレイ3における複数のCNT6が、基材4(固定シートの一例)を貫通しており、複数のCNT6の中央部分(厚み方向における一端部と他端部との間の部分)が、基材4に埋め込まれている。基材4に埋め込まれる埋設部分6Aの長さの割合の範囲は、上記した埋設部分6Aの長さL1の割合の範囲と同じである。また、複数のCNT6の一端部および他端部のそれぞれが、基材4から露出している。なお、第8実施形態において、基材4として、例えば、金属シート、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂シートなどが挙げられる。
このようなCNT構造体も、第1実施形態と同様に、TIMとして使用されると(図5B参照)、複数のCNT6の少なくとも一部が、固定シート2に対して折り重なるように傾倒する。
そのため、CNT構造体をリサイクル(再利用)する場合、図10Bおよび図10Cに示すように、第1実施形態と同様に、粘着テープ8をCNTアレイ3に貼り付けた後(貼付工程)、粘着テープ8をCNTアレイ3から剥離する(剥離工程)。
これによって、傾倒する複数のCNT6が、基材4から離脱することなく、基材4に対して起立する。そのため、このような第8実施形態によっても、上記の第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<変形例>
第1実施形態では、固定シート準備工程において、樹脂層5が熱可塑性樹脂から形成される場合について詳述したが、樹脂層5が熱硬化性樹脂から形成される場合、まず、上記した熱硬化性樹脂に対応する未硬化の樹脂組成物を準備する。未硬化の樹脂組成物は、液状のAステージ状態である。熱硬化性樹脂として、好ましくは、エポキシ樹脂およびフッ素系ゴムが挙げられる。
そして、その樹脂組成物を、基材4の表面4Aおよび裏面4Bの両面に塗布して、基材4の表面4Aおよび裏面4Bの両面に、樹脂組成物層を形成する。その後、樹脂組成物層のAステージ状態を維持するか、樹脂組成物層を半硬化のBステージ状態とする。
次いで、CNTアレイ3を、表側および裏側の両方の樹脂組成物層に埋め込み、CNTアレイ3における基材4側の端部を基材4に接触させる。その後、所定の硬化温度に加熱して、樹脂組成物層を硬化(完全硬化)させて、Cステージ状態の樹脂層5とする。これによっても、熱伝導性シート1(一次熱伝導性シート1A)を準備できる。
なお、基材4の表面4Aに樹脂組成物層を形成し、CNTアレイ3を表側の樹脂組成物層に埋め込み、樹脂組成物層を硬化させて樹脂層5とした後、基材4の裏面4Bに樹脂組成物層を形成し、CNTアレイ3を裏側の樹脂組成物層に埋め込み、樹脂組成物層を硬化させて樹脂層5とすることもできる。また、樹脂組成物層は、Bステージ状態のプリプレグシートを基材4に貼り付けることにより形成してもよい。
第1実施形態では、CNTアレイ3の高密度化処理として、加熱処理および液体供給処理が挙げられるが、CNTアレイ3の高密度化処理は、これに限定されず、機械的な圧縮により、CNTアレイ3を高密度化することもできる。
また、上記の第1実施形態〜第8実施形態では、CNT構造体が熱伝導性シートまたは搬送ベルトである場合について説明したが、CNT構造体の用途は、これに限定されず、例えば、防振材、断熱材なども挙げられる。
これら第1実施形態〜第8実施形態および変形例は、適宜組み合わせることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
(調製例1)
ステンレス製の成長基板(ステンレス基板)の表面に二酸化ケイ素膜を積層した後、二酸化ケイ素膜上に、触媒層として鉄を蒸着した。
次いで、成長基板を600℃に加熱して、触媒層に原料ガス(アセチレンガス)を、10分間供給した。これにより、成長基板上において、平面視略矩形形状のVACNTsを形成した。
VACNTsにおいて、CNTsは、互いに略平行となるように延び、成長基板に対して直交するように配向(垂直配向)されていた。CNTは、多層カーボンナノチューブであり、CNTの平均外径は、約12nm、CNTの平均長さは、約150μm、VACNTsの嵩密度は、約50mg/cmであった。
次いで、カッター刃(切断刃)を成長基板に沿って移動させて、VACNTsを成長基板から切り離して、CNTアレイ(CNTs)を準備した。なお、CNTアレイの平均G/D比は、10であった。
次いで、厚みが80μmである銅シート(基材)を準備するとともに、厚みが約30μmであり、PFAから形成される樹脂シートを2枚準備した。
そして、樹脂シートを銅シートの表面および裏面の両面に配置して、固定シートを準備した。
次いで、上記のCNTアレイを、表側および裏側の両方の樹脂シート上に配置した。続いて、2つのCNTアレイが銅シートに向かうように、厚み方向の外側から500kPaの力で加圧するとともに、390℃に昇温し、390℃を5分間維持した。これにより、樹脂シートが銅シートに密着するとともに、CNTアレイが、樹脂シートを貫通して、銅シートと接触するように埋め込まれた。
その後、室温まで冷却するとともに、圧力を開放して、熱伝導性シート(一次熱伝導性シート)を得た。
(調製例2)
成長基板を700℃に加熱して、触媒層に原料ガス(アセチレンガス)を15分間供給したこと以外は、調製例1と同様にして、CNTアレイを準備した。CNTアレイにおいて、CNTは、多層カーボンナノチューブであり、CNTの平均外径は、約12nm、CNTの平均長さは、約300μm、VACNTsの嵩密度は、約50mg/cmであった。
次いで、CNTアレイ(横20mm、縦30mm、高さ300μm)を、耐熱容器である炭素容器(内寸高さ1mm)に収容して、その炭素容器を抵抗加熱炉内に配置した。
次いで、抵抗加熱炉内を、アルゴン雰囲気に置換した後、10℃/分で2800℃まで昇温し、2800℃で2時間保持した。これにより、CNTアレイが高密度化され、その後、自然冷却(−100℃/分程度)により、室温まで冷却した。
高密度化されたCNTアレイの体積は、加熱処理前のCNTアレイの体積に対して、約40%であった。高密度化されたCNTアレイの嵩密度は、約125mg/cmであり、った。高密度化されたCNTアレイの平均G/D比は、18であった。
そして、上記と同様にして、高密度化されたCNTアレイを2つ準備した。
次いで、調製例1と同様にして、高密度化されたCNTアレイを、固定シートの樹脂シートに埋め込み、一次熱伝導性シートを得た。
(調製例3)
CNTアレイが樹脂シートを貫通して、銅シートと接触するように埋め込まれる工程において、370℃を5分間維持したこと以外は、調製例1と同様にして、一次熱伝導性シートを得た。
CNTアレイにおいて、CNTの平均長さは、約100μmであった。CNTアレイの嵩密度は、約50mg/cmであり、CNTアレイの平均G/D比は、10であった。
(調製例4)
調製例1と同様にして、基板の表面および裏面の両面にVACNTsを形成した。そして、両面にVACNTsが配置される成長基板を一次熱伝導性シートとした。
(調製例5)
調製例1と同様にして、基板の表面および裏面の両面にVACNTsを形成し、カッター刃を成長基板に沿って移動させて、VACNTsを成長基板から切り離して、CNTアレイを準備した。そして、CNTアレイを一次熱伝導性シートとした。
(実施例1)
調製例1で得られた一次熱伝導性シートを、図5Bに示すように、放熱部材と電子部品との間に挟み、TIMとして使用した。
その後、熱伝導性シートを放熱部材と電子部品との間から取り出した。熱伝導性シートの複数のCNTを確認したところ、複数のCNTが、固定シートに対して折り重なるように傾倒していた。これにより、二次熱伝導性シートが準備された。
次いで、粘着テープ(メンディングテープ、3M社製)を、二次熱伝導性シートのCNTアレイに対して、銅シートの反対側から、1.02g/cm(100kPa)で貼り付けた。なお、粘着テープのJIS Z 0237に準拠する90°引き剥がし試験における粘着力は2.7N/cmであった。
次いで、粘着テープを、引き剥がし角度が90°となるように、CNTアレイから剥離速度10mm/sで剥離した。これによって、複数のCNTが、図11に示すように、固定シートに対して起立した。
なお、図11の上側部分では、粘着テープの貼付および剥離により、複数のCNTが固定シートに対して起立しており、図11の下側部分では、粘着テープの貼付および剥離がなされず、複数のCNTが固定シートに対して互いに折り重なるように傾倒している。
以上によって、三次熱伝導性シートを得た。なお、実施例1〜8および比較例1,2における粘着テープの粘着力、粘着テープの貼付条件および剥離条件を、表1に示す。
(実施例2)
粘着テープを、粘着テープの固定シートに対する引き剥がし角度が180°となるように、CNTsから剥離したこと以外は、実施例1と同様にして、三次熱伝導性シートを得た。
(実施例3)
剥離速度を1mm/sに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三次熱伝導性シートを得た。
(実施例4)
粘着テープ(メンディングテープ、3M社製)を、粘着テープ(耐熱マスキングテープ、3M社製、SCOTCH 5413、粘着力:2.8N/cm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三次熱伝導性シートを得た。
(実施例5)
粘着テープ(メンディングテープ、3M社製)を、粘着テープ(接着フィルム、日立化成社製、ヒタレックス L−3310、粘着力:0.6N/cm(15cN/25mm))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三次熱伝導性シートを得た。
(実施例6)
粘着テープのCNTsに対する貼付圧力を、10kg/cmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三次熱伝導性シートを得た。
(実施例7)
調製例1で得られた一次熱伝導性シートを、調製例2で得られた一次熱伝導性シートに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三次熱伝導性シートを得た。
(実施例8)
調製例1で得られた一次熱伝導性シートを、調製例3で得られた一次熱伝導性シートに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三次熱伝導性シートを得た。
(比較例1)
調製例4で得られた一次熱伝導性シート(両面にVACNTsが配置される成長基板)を、放熱部材と電子部品との間に挟み、TIMとして使用した。このとき、VACNTsの一部が欠けて、CNTが脱落した。
その後、熱伝導性シートを放熱部材と電子部品との間から取り出した。熱伝導性シートのVACNTsを確認したところ、複数のCNTが、成長基板に対して折り重なるように傾倒していた。これにより、二次熱伝導性シートが準備された。
次いで、粘着テープ(メンディングテープ、3M社製)を、実施例1と同様にして、VACNTsに貼り付けた後、VACNTsから剥離した。このとき、VACNTsの一部が粘着テープに付着し、成長基板から離脱された。
(比較例2)
調製例4で得られた一次熱伝導性シート(両面にVACNTsが配置される成長基板)を、調製例5で得られた一次熱伝導性シート(CNTアレイ)に変更したこと以外は、比較例1と同様に実施した。
なお、比較例2では、一次熱伝導性シートを放熱部材と電子部品との間に挟み込むときに、一次熱伝導性シートの一部が欠けて、CNTが脱落した。また、粘着テープを剥離するときに、複数のCNTの一部が粘着テープに付着した。
(比較例3)
実施例1と同様にして、調製例1で得られた一次熱伝導性シートを、図5Bに示すように、TIMとして使用した後、放熱部材と電子部品との間から取り出して、二次熱伝導性シートを準備した。
<評価>
(1)熱抵抗測定
各調製例および実施例で得られた熱伝導性シート(具体的には、調製例1の一次熱伝導性シートおよび実施例1の三次熱伝導性シートと、調製例3の一次熱伝導性シートおよび実施例8の三次熱伝導性シート)について、熱抵抗を熱抵抗測定装置(商品名:T3Ster DynTIM Tester、メンターグラフィックス社製)により測定した。
より具体的には、熱伝導性シートが、熱抵抗測定装置が備えるヒーターおよびコールドステージにより、厚み方向の外側から挟まれ、厚み方向の外側からヒーターにより所定の圧力で加圧された。そして、各圧力における熱伝導性シートの熱抵抗が測定された。その結果を、図12および図13に示す。
図12では、調製例1の一次熱伝導性シートと、実施例1の三次熱伝導性シートとが同等の熱抵抗を有することが確認された。つまり、実施例1の三次熱伝導性シートが、TIMとして良好に再利用できることが、確認された。
図13では、ヒーターの圧力が800kPa以下である場合において、調製例3の一次熱伝導性シートが、実施例8の三次熱伝導性シートと比較して、熱抵抗の低減を十分に図れないことが確認された。
一次熱伝導性シートでは、樹脂が複数のCNTの間に入り込むので(部分的に存在するので)、複数のCNTが固くなり、TIMとして好ましくない性状を示す場合(追従性の低下など)がある。調製例3の一次熱伝導性シートでは、複数のCNTが固いため、ヒーターの圧力が800kPa以下である場合、ヒーターおよびコールドステージに十分に追従できないことが確認された。
一方、三次熱伝導性シートでは、複数のCNTが一旦傾倒された後、起立されているので、複数のCNTの間に入り込んだ樹脂が破壊され、複数のCNTがほぐされている。そのため、三次熱伝導性シートでは、一次熱伝導性シートと比較して、柔らかい複数のCNTを得ることができる。この点、実施例8の三次熱伝導性シートでは、複数のCNTの柔軟性が向上されており、ヒーターの圧力が800kPa以下であっても、ヒーターおよびコールドステージに十分に追従していることが確認された。
(2)起毛試験
各実施例および比較例で得られた熱伝導性シートについて、複数のCNTの状態について、走査型電子顕微鏡 SEMにより確認した。そして、複数のCNTの状態を、以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
A:複数のCNTの全体が固定シートに対して良好に起立した。
B:複数のCNTの大部分が固定シートに対して良好に起立したが、複数のCNTの一部が固定シートに対して折り重なるように傾倒していた。
C:複数のCNTの全体が固定シートに対して良好に起立したが、複数のCNTの一部に粘着テープの粘着剤が付着し、複数のCNTの一部が汚染された。
D:複数のCNTの固定シートに対する起立が確認されないか、または、複数のCNTの一部が粘着テープに付着し、熱伝導性シートから離脱された。
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記請求の範囲に含まれる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体は、各種産業製品に適用することができ、例えば、熱伝導性シート、搬送ベルト、防振材、断熱材などに好適に用いることができる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体の起毛方法は、各種産業製品に用いられるカーボンナノチューブ構造体のリサイクルやメンテナンスなどに好適に用いることができる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法は、各種産業製品に用いられるカーボンナノチューブ構造体の製造に好適に用いることができる。
1 熱伝導性シート
2 固定シート
3 CNTアレイ
6 CNT
8 粘着テープ
15 成長基板
30 搬送ベルト

Claims (4)

  1. 固定シートと、
    成長基板から剥離された複数のカーボンナノチューブが所定方向に配向されるカーボンナノチューブアレイと、を備え、
    前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部が前記固定シートに埋め込みまたは接合されてなるカーボンナノチューブ構造体の起毛方法であって、
    前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒する、カーボンナノチューブ構造体を準備する工程と、
    粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、
    前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイから剥離して前記複数のカーボンナノチューブを前記固定シートに対して起立させる工程と、を含んでいることを特徴とする、カーボンナノチューブ構造体の起毛方法。
  2. 固定シートと、
    成長基板から剥離された複数のカーボンナノチューブが所定方向に配向されるカーボンナノチューブアレイと、を備え、
    前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部が前記固定シートに埋め込みまたは接合されるカーボンナノチューブ構造体を準備する工程と、
    前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒させる工程と、
    粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、
    前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイから剥離して前記複数のカーボンナノチューブを前記固定シートに対して起立させる工程と、を含んでいることを特徴とする、カーボンナノチューブ構造体の製造方法。
  3. 前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒させる工程と、
    前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付ける工程と、
    前記粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイから剥離して前記複数のカーボンナノチューブを前記固定シートに対して起立させる工程との、
    一連の工程を複数回行うことを特徴とする、請求項2に記載のカーボンナノチューブ構造体の製造方法。
  4. 固定シートと、
    成長基板から剥離された複数のカーボンナノチューブが所定方向に配向されるカーボンナノチューブアレイと、を備え、
    前記複数のカーボンナノチューブは、
    前記複数のカーボンナノチューブの少なくとも一部を前記固定シートに対して折り重なるように傾倒させ、粘着テープを前記カーボンナノチューブアレイに貼り付け剥離することにより前記固定シートに対して起立していることを特徴とする、カーボンナノチューブ構造体。
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