JPWO2017138396A1 - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

本発明の無段変速機(1)は、変速用モータ(7)と、クランプ用モータ(8)と、制御装置(9)と、バリエータ(2)と、有する。バリエータ(2)は、プライマリプーリ(3)と、セカンダリプーリ(4)と、ベルト(5)と、を有する。変速用モータ(7)の出力トルクに基づきバリエータ(2)を変速させる一方、クランプ用モータ(8)の出力トルクに基づきバリエータ(2)の変速比を固定するように、遊星歯車機構(6)と、ネジ送り機構(35、45)と、を有する。

Description

本発明は、無段変速機に関する。
車両用のベルト式の無段変速機は、一対のプーリ(プライマリプーリ、セカンダリプーリ)にベルトを巻き掛けたバリエータを有しており、プーリにおけるベルトの巻き掛け半径を変更することで、所望の変速比を実現するようになっている。
プーリでは、固定プーリのシーブ面と、この固定プーリの軸部で回転軸方向に移動可能に設けられた可動プーリのシーブ面との間に、ベルトが巻き掛けられるV溝が形成されており、可動プーリを回転軸方向に移動させてV溝の溝幅を変更することで、プーリにおけるベルトの巻き掛け半径を変更するようになっている。
特許文献1には、モータの回転駆動力を、直動機構により回転軸方向の推力に変換して、可動プーリを回転軸方向に変位させるように構成した無段変速機が開示されている。
ここで、プーリでは、可動プーリを、V溝の溝幅を広げる方向に変位させようとする応力が、プーリに巻き掛けられたベルトから作用している。この応力により可動プーリが変位して、プーリにおけるベルトの巻き掛け半径が変化すると、無段変速機で実現する変速比が変わってしまう。
そのため、特許文献1の無段変速機では、無励磁状態における保持トルクの高いモータを採用して、このモータの高い係止力により変速比を維持している。
しかし、特許文献1の無段変速機では、ベルトをプーリに係止させているだけで、ベルトをプーリで積極的にクランプしていないので、プーリに高いトルクが入力されると、ベルトの滑りが生じる虞がある。
そのため、ベルトをクランプするクランプ力を発生できるようにすることが求められている。
特開2002−54706号公報
本発明は、
第1モータと、
第2モータと、
第1プーリと、第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとに巻き掛けられたベルトと、を有するバリエータと、
を備え、
前記第1モータのトルクに基づき前記バリエータを変速させる一方、前記第2モータのトルクに基づき前記バリエータの変速比を固定する無段変速機とした。
本発明によれば、第2モータを有することにより、バリエータの変速比を固定するときにクランプ力を発生させることができる。
実施の形態にかかるベルト式の無段変速機の概略構成図である ネジ送り機構を説明する図である。 モータの制御態様を説明する図である。 トルクの伝達を説明する図である。 トルクの伝達を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかるベルト式の無段変速機1の概略構成図である。
なお、図1においては、説明の便宜上、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4は、回転軸X1、X2の内側となる半分のみが図示されている。
図1に示すように、車両用の無段変速機1は、プライマリプーリ3と、セカンダリプーリ4と、これらプライマリプーリ3とセカンダリプーリ4とに巻き掛けられたベルト5と、から構成されるバリエータ2を有している。
このバリエータ2では、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4におけるベルト5の巻掛け半径を変更することで、バリエータ2の入力軸21の入力回転数と出力軸22の出力回転数の比(変速比)を無段階に変化させるようになっている。
無段変速機1では、図示しない駆動源の回転駆動力が、トルクコンバータT/Cと入力軸21とを介してバリエータ2に入力されると、入力された回転駆動力が、バリエータ2において所望の変速比で変速されたのち、出力軸22と差動装置DEFとを介して、図示しない駆動輪側に出力されるようになっている。
プライマリプーリ3は、固定プーリ31と、この固定プーリ31の軸部311に、円筒状の軸部321を外挿して設けられた可動プーリ32と、から構成されており、これら固定プーリ31と可動プーリ32は、回転軸X1回りの相対回転が規制された状態で、回転軸X1の軸方向に沿って相対移動可能なように連結されている。
固定プーリ31と可動プーリ32では、軸部311、321から径方向に延びるシーブ部312、322の互いの対向面が、回転軸X1に対して所定角度傾斜したシーブ面312a、322aとなっており、これらシーブ面312a、322aの間に、ベルト5が巻き掛けられるV溝33が形成されている。
セカンダリプーリ4は、固定プーリ41と、この固定プーリ41の軸部411に、円筒状の軸部421を外挿して設けられた可動プーリ42と、から構成されており、これら固定プーリ41と可動プーリ42は、回転軸X2回りの相対回転が規制された状態で、回転軸X2の軸方向に沿って相対移動可能なように連結されている。
固定プーリ41と可動プーリ42では、軸部411、421から径方向に延びるシーブ部412、422の互いの対向面が、回転軸X2に対して所定角度傾斜したシーブ面412a、422aとなっており、これらシーブ面412a、422aの間に、ベルト5が巻き掛けられるV溝43が形成されている。
プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4では、シーブ部322、422のシーブ面322a、422aとは反対側に、ネジ送り機構35、45が設けられており、このネジ送り機構35、45により、V溝33、43の溝幅を狭める方向に可動プーリ32、42を押圧する推力を発生させるようになっている。
図2は、ネジ送り機構35、45を説明する図であり、(a)は、ネジ送り機構35の要部を模式的に示した図であり、(b)は、ネジ送り機構45の要部を模式的に示した図である。
図2に示すように、ネジ送り機構35、45は、固定プーリ31、41の軸部311、411に外挿された内側部材36、46と、この内側部材36、46の筒状部361、461に外挿された外側部材37、47と、を有している。
内側部材36、46は、回転軸X1、X2にそれぞれ直交するディスク部362、462と、ディスク部362、462の外周縁を全周に亘って囲む筒状部361、461とから、一体に形成されている。
ディスク部362、462の内周部362a、462aは、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4の軸部311、411を回転可能に支持するベアリングB1、B1のうちの一方のベアリングB1で、回転軸X1、X2の軸方向の位置決めがされており、内側部材36、46は、固定プーリ31、41から離れる方向の移動が規制された状態で、固定プーリ31、41に対して相対回転可能に設けられている。
筒状部361、461は、可動プーリ32、42の軸部321、421の外径側を、回転軸X1、X2に沿って、シーブ部322、422側に延びており、この筒状部361、461の外周には、回転軸X1、X2周りの周方向に沿って螺旋状に延びる凹溝361a、461aが設けられている。
筒状部361、461の外径側には、外側部材37、47の円筒状の押圧部371、471が位置している。外側部材37、47は、この押圧部371、471と、押圧部371、471よりも外径の大きい筒部372、472と、押圧部371、471の外周と、筒部372、472の内周とを接続する円板状の接続部373、473と、から構成されている。
押圧部371、471は、内径側に位置する筒状部361、461よりも長い回転軸X1、X2の軸方向に沿った長さを有しており、回転軸X1、X2方向の一端側の当接部371b、471bが、スラストベアリングSBを介して、可動プーリ32、42のシーブ部322、422に当接している。
押圧部371、471は、接続部373、473よりも当接部371b、471b側の領域が、ベアリングB2、B2を介して、可動プーリ32、42の軸部321、421で支持されており、押圧部371、471を有する外側部材37、47は、可動プーリ32、42に対して相対回転可能に設けられている。
押圧部371、471では、前記した筒状部361、461に対向する領域の内周に、回転軸X1、X2周りの周方向に沿って螺旋状に延びる凹溝371a、471aが設けられており、この押圧部371、471の凹溝371a、471aに係合したボールBaは、内側部材36、46の凹溝361a、461aにも係合している。
実施の形態では、凹溝361a、461aを有する内側部材36、46と、凹溝371a、471aを有する外側部材37、47と、凹溝361a、461aと凹溝371a、471aとに跨がって係合した複数のボールBaとから、ネジ送り機構35、45(ボールネジ送り機構)を構成している。
そのため、外側部材37、47に回転が入力されると、外側部材37、47は、このネジ送り機構35、45により、回転軸X1、X2回りに回転しながら、回転軸X1、X2の軸方向に変位する。
押圧部371、471の外径側に位置する筒部372、472は、当該筒部372、472の外周に設けた歯部を、後記する遊星歯車機構6側のギア62、64(図1参照)に噛合させてある。遊星歯車機構6側から回転トルクが筒部372、472に入力されて、外側部材37、47が回転軸X1、X2回りに回転すると、外側部材37、47が、内側部材36、46に対して回転軸X1、X2方向に変位する。
実施の形態では、バリエータ2における変速比を変更する場合において、遊星歯車機構6側から入力された出力トルク(回転トルク)が、ネジ送り機構35において、可動プーリ32を押圧部371で押圧する方向(V溝33の溝幅を狭める方向)への外側部材37の変位に変換される場合には、ネジ送り機構45では、押圧部471を可動プーリ42から離間させる方向(V溝43の溝幅の拡幅を許容する方向)への外側部材47の変位に変換されるようになっている。
また、バリエータ2における変速比を変更する場合において、遊星歯車機構6側から入力された出力トルク(回転トルク)が、ネジ送り機構35において、押圧部371を可動プーリ32から離間させる方向(V溝33の溝幅の拡幅を許容する方向)への外側部材37の変位に変換される場合には、ネジ送り機構45では、可動プーリ42を押圧部471で押圧する方向(V溝43の溝幅を狭める方向)への外側部材47の変位に変換されるようになっている。
図1に示すように、遊星歯車機構6は、変速用モータ7の出力トルク(回転駆動力)と、クランプ用モータ8の出力トルク(回転駆動力)のうちの少なくとも一方を、ネジ送り機構35、45に出力する出力切替機構であり、実施の形態では、サンギアSと、サンギアSの外周を囲むリングギアRと、サンギアSとリングギアRに噛み合うピニオンギアPと、ピニオンギアPを支持するピニオンキャリアPCとからなるシングルピニオン型の遊星歯車機構を採用している。
遊星歯車機構6では、リングギアRの外周に設けた歯部61に、変速用モータ7のモータピニオン72が噛合している。変速用モータ7とリングギアRは、変速用モータ7の出力軸71に固定されたモータピニオン72と、このモータピニオン72に噛合した歯部61とを介して、回転伝達可能に連結されている。
また、リングギアRの内径側には、クランプ用モータ8の出力軸81が連結されたサンギアSが、リングギアRと同軸に配置されている。クランプ用モータ8との間で回転伝達が可能なサンギアSと、変速用モータ7との間で回転伝達可能なリングギアRは、共通の回転軸X上で相対回転可能に設けられている。
回転軸Xの径方向におけるサンギアSとリングギアRの間には、リングギアRの内歯(図示せず)とサンギアSの外歯(図示せず)とに噛み合うピニオンギアPが設けられており、このピニオンギアPは、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
ピニオンギアPの各々は、回転軸X回りに回転可能に設けられたピニオンキャリアPCで支持されていると共に、ピニオンキャリアPCにおいてピニオンギアPの各々は、回転軸Xに平行な自転軸Xc回りに回転可能に支持されている。
ピニオンキャリアPCには、回転軸Xに沿ってバリエータ2側に延びる回転伝達軸63の一端が連結されており、この回転伝達軸63の他端には、ギア64が連結されている。
このギア64は、前記したネジ送り機構45の外側部材47に噛合しており、ピニオンキャリアPCが回転軸X回りに回転すると、このピニオンキャリアPCと一体に回転する回転伝達軸63とギア64とを介して、遊星歯車機構6の出力トルクがネジ送り機構45に入力される。
さらにリングギアRには、環状のギア62が一体回転可能に連結されている。
このギア62は、前記したネジ送り機構35の外側部材37に噛合しており、リングギアRが回転軸X回りに回転すると、遊星歯車機構6の出力トルクがネジ送り機構35にも入力される。
遊星歯車機構6は、変速用モータ7の出力トルク(回転駆動力)と、クランプ用モータ8の出力トルク(回転駆動力)とから、バリエータ2での変速比を変更するためのトルクや、変速比を固定するためのトルクを調整するために設けられている。
実施の形態では、バリエータ2での変速比を変更する場合には、遊星歯車機構6を介して出力されたモータの出力トルク(回転トルク)が、ネジ送り機構35、45により、外側部材37、47を回転軸X1、X2方向に変位させる推力に変換されて、外側部材37と外側部材47のうちの一方の外側部材が可動プーリ32、42を押圧して、可動プーリ32、42を回転軸X1、X2方向に変位させる。
ここで、ネジ送り機構35、45に入力される回転量が大きいほど、可動プーリ32、42の変位量が多くなるので、可動プーリ32、42を回転軸X1、X2方向に変位させる際には、最大回転数の大きいモータ(変速用モータ7)の出力トルクを、ネジ送り機構35、45に入力するようにしている。
また、可動プーリ32、42を回転軸X1、X2方向の所定位置で保持する場合には、遊星歯車機構6で調整されたモータの出力トルク(回転トルク)が、ネジ送り機構35、45により、外側部材37、47を回転軸X1、X2方向の所定位置で保持する保持力(外側部材37、47の回転を規制する規制力)に変換されて、外側部材37と外側部材47の回転軸X1、X2方向の変位が規制される。
ここで、ネジ送り機構35、45に入力されるトルクが大きいほど、可動プーリ32、42の変位を規制する力が強くなるので、可動プーリ32、42を回転軸X1、X2方向の所定位置で保持する際には、最大出力トルクの大きいモータ(クランプ用モータ8)の出力トルクを、ネジ送り機構35、45に入力するようにしている。
実施の形態では、遊星歯車機構6から出力される出力トルクの調整を、モータ(変速用モータ7、クランプ用モータ8)の駆動を制御する制御装置9が行うようになっている。
制御装置9によるモータ(変速用モータ7、クランプ用モータ8)の制御態様として、(A)バリエータ2の変速比を変化させるための態様(通常変速モード)と、(B)バリエータ2の変速比を保持するための態様(変速比固定モード)と、(C)バリエータ2の変速比を速やかに変化させるための態様(変速アシストモード)と、が用意されている。
図3は、制御装置9によるモータ(変速用モータ7、クランプ用モータ8)の制御態様を説明する図であって、モータ(変速用モータ7、クランプ用モータ8)と、制御態様との関係を説明する関係図である。
図4は、変速用の出力トルクを、遊星歯車機構6から出力させる態様でのトルクの伝達経路を説明する図である。
図5は、クランプ用の出力トルクを、遊星歯車機構6から出力させる態様でのトルクの伝達経路を説明する図である。
[通常変速モード]
図3および図4に示すように、通常変速モードでは、制御装置9は、クランプ用モータ8で保持トルクを発生させると共に、変速用モータ7を駆動(正回転または逆回転)させる。つまり、ベルトの挟持力をクランプ用モータ8で発生させる一方、変速用モータ7のトルクに基づきバリエータ2の変速を行う。即ち、変速用モータ7のトルクを変動させることにより、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4との間に差推力を発生させることでバリエータ2の変速が行われる。
この場合には、変速用モータ7の出力トルク(出力回転)が、モータピニオン72と歯部61とを介してリングギアRに入力されて、リングギアRが回転軸X回りに回転する。
そうすると、リングギアRに連結された環状のギア62が、リングギアRと同じ方向に回転軸X回りに回転すると共に、リングギアRの内歯(図示せず)に噛合したピニオンギアPが、自転軸Xc回りに回転することになる。
ここで、ピニオンギアPが外歯(図示せず)に噛合したサンギアSは、クランプ用モータ8の出力軸81に連結されており、サンギアSは、回転軸X回りの回転が規制されている。
そのため、リングギアRから伝達された出力回転でピニオンギアPが自転軸Xc回りに回転すると、ピニオンギアPを支持するピニオンキャリアPCは、リングギアRと同じ方向に回転軸X回りに回転することになる。
そうすると、ピニオンキャリアPCに、回転伝達軸63を介して連結されたギア64と、リングギアRに連結されたギア62とが、回転軸X回りの同方向に回転することになる。
ギア64とギア62は、それぞれネジ送り機構35、45の外側部材37、47に回転伝達可能に噛合している。そのため、ギア64、ギア62の回転軸X回りの回転(出力トルク)が、ネジ送り機構35、45により、外側部材37、47の回転軸X1、X2方向への変位に変換されることになる。
例えば、外側部材37の押圧部371が、可動プーリ32のシーブ部322を押圧して、V溝33を狭める方向に可動プーリ32を変位させる場合には、外側部材47の押圧部471が、可動プーリ42のシーブ部422から離間して、V溝43を拡幅させる方向への可動プーリ42の変位を許容するので、可動プーリ42は、ベルト5から作用する押圧力で、V溝43を拡幅する方向に変位することになる。
これにより、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4でのベルト5の巻き掛け半径がそれぞれ変化して、バリエータ2の変速比が変速されることになる。
ちなみに、外側部材37の押圧部371が、可動プーリ32のシーブ部322から離間して、V溝33を拡幅させる方向への可動プーリ32の変位を許容する場合には、可動プーリ32が、ベルト5から作用する押圧力で、V溝33を拡幅する方向に変位する一方で、外側部材47の押圧部471が、可動プーリ42のシーブ部422を押圧して、V溝43を狭める方向に可動プーリ42が変位することになる。
このように、通常変速モードでは、制御装置9が、クランプ用モータ8で保持トルクを発生させると共に、変速用モータ7を駆動(正回転または逆回転)させる結果、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4との間に差推力が発生して、バリエータ2の変速が行われる。
[変速比固定モード]
変速比固定モードは、変速の終了後に変速比を固定させるための推力を生じさせるために、実施される。
図3および図5に示すように、この変速比固定モードでは、制御装置9はクランプ用モータ8にて発生するトルク(保持トルク)に基づきバリエータ2の変速比を固定する。
なお、保持トルクを安定させるため、変速用モータ7でも所定のトルクを発生させておくことが好ましい。つまり、変速比固定モードでは、クランプ用モータ8及び変速用モータ7の双方にトルクが発生し、且つ、クランプ用モータ8及び変速用モータ7の双方とも回転しない状態(固定状態)となる。
この場合には、クランプ用モータ8の出力トルク(保持トルク)が、サンギアSに入力されて、サンギアSを介してトルクが伝達される。
そうすると、サンギアSの外歯(図示せず)に噛合したピニオンギアPにもトルクが伝達されることになる。
ここで、ピニオンギアPが内歯(図示せず)に噛合したリングギアRは、モータピニオン72と歯部61とを介して回転伝達可能な変速用モータ7から、リングギアRの回転を阻止する方向のトルクが入力されて、回転が規制されている。
そのため、クランプ用モータ8の出力トルク(保持トルク)は、サンギアS、ピニオンギアP、ピニオンキャリアPCの順番で伝達されたのち、最終的にギア64に伝達される
ギア64は、ネジ送り機構45の外側部材47に回転伝達可能に噛合している。そのため、このギア64に伝達されたクランプ用モータ8の出力トルク(保持トルク)は、ネジ送り機構45により、外側部材47の回転軸X2方向への変位力に変換されることになる。
例えば、ギア64に伝達されたトルクの方向が、図5において矢印CCW方向であり、ネジ送り機構45側の外側部材47に生じる変位力の方向が、図中矢印M1で示す方向(可動プーリ42のシーブ部422を押圧部471で押圧する方向)である場合には、押圧部471からシーブ部422を介してベルト5に作用する押圧力F(図5参照)は、ベルト5が巻き掛けられたプライマリプーリ3に作用することになる(図中、実線太矢印参照)。
プライマリプーリ3では、ベルト5を介して、押圧力Fが、可動プーリ32をV溝33の溝幅を広げる方向に変位させる方向に作用して、可動プーリ32のシーブ部322を、ネジ送り機構35の外側部材37(押圧部371:図2の(a)参照)に圧接させることになる。
その結果、ネジ送り機構35側の外側部材37には、押圧部371をシーブ部322から離間させる方向の応力が、可動プーリ32側から作用することになる。
ここで、ギア64に伝達されたトルクの方向が矢印CCW方向である場合には、リングギアRには、当該リングギアRの回転を規制するために、変速用モータ7から、矢印CW方向の保持トルクが作用している。
そのため、このリングギアRに連結されたギア62には、当該ギア62を、矢印CW方向(ギア64の回転方向とは反対方向)に回転させる方向の保持トルクが作用している。
そうすると、ギア62に伝達された保持トルクは、ネジ送り機構35により、外側部材37の回転軸X1方向への変位力に変換されて、ネジ送り機構35側の外側部材37には、押圧部371をシーブ部322に当接させる方向の応力F1(図5参照)が作用することになる。
その結果、シーブ部322には、溝幅33を狭める方向の押圧力F1が、ネジ送り機構35側から作用する一方で、溝幅33を広げる方向の押圧力Fが、ベルトV側から作用することになる。
実施の形態では、変速用モータ7が発生させる保持トルクにより生じる押圧力F1が、クランプ用モータ8が発生させる回転トルクにより生じる押圧力Fと釣り合うように、設定されている。
そのため、変速比固定モードでは、プライマリプーリ3の溝幅33とセカンダリプーリ4の溝幅43とが、変更されずに保持される。
さらに、変速比固定モードでは、クランプ用モータ8の出力トルクが、遊星歯車機構6、ネジ送り機構45、セカンダリプーリ4(可動プーリ42)、ベルト5、プライマリプーリ3(可動プーリ32)、ネジ送り機構35、遊星歯車機構6の順番で循環(ループ)することになる。
そうすると、遊星歯車機構6からの出力トルクが増幅されて、ベルト5を保持する保持力が高くなるので、可動プーリ32、42の回転軸X1、X2方向の移動を確実に規制して、バリエータ2における変速比が保持される。
[変速アシストモード]
変速アシストモードは、変速用モータ7のトルクに基づきバリエータ2を変速させる際に、クランプ用モータ8を制御してプライマリプーリ3とセカンダリプーリ5との間の差推力を増加させ、変速速度を上昇させるモードである。具体的には、通常変速の場合と比較してクランプ用モータ8の保持トルクを減少させることにより、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4との間の差推力を増加させる。なお、変速速度の上昇が求められる制御指示として、例えば、キックダウン指示等がある。
この場合には、変速用モータ7の出力トルク(出力回転)が、モータピニオン72と歯部61とを介してリングギアRに入力されて、リングギアRが回転軸X回りに回転する。
そうすると、リングギアRの内歯(図示せず)に噛合したピニオンギアPが、自転軸Xc回りに回転することになる。
ここで、ピニオンギアPが外歯(図示せず)に噛合したサンギアSは、クランプ用モータ8の出力軸81に連結されており、サンギアSは、クランプ用モータ8のトルク制御により、リングギアRの回転方向とは逆方向に回転している。
そのため、リングギアRから伝達された出力回転でピニオンギアPが自転軸Xc回りに回転して、ピニオンギアPを支持するピニオンキャリアPCが回転軸X回りに回転すると、サンギアSの逆方向の回転が、ピニオンギアPの自転をアシスト(促進)する方向に作用する結果、ピニオンキャリアPCの回転軸X回りの回転が進められる(アシストされる)ことになる。
そうすると、ピニオンキャリアPCに、回転伝達軸63を介して連結されたギア64と、ギア62とが、変速用モータ7の出力トルクのみが遊星歯車機構6に入力されている場合よりも速い回転速度で、回転軸X回りに回転することになる。
その結果、ギア64、ギア62からネジ送り機構35、45の外側部材37、47に伝達される回転速度が速くなって、外側部材37、47の回転軸X1、X2方向への変位速度が上昇することになるので、変速用モータ7の出力トルクのみが遊星歯車機構6に入力されている場合よりも早く、V溝33、43の溝幅が変更されることになる。
よって、変速アシストモードの場合には、通常の変速モードよりも短時間で、V溝33,43の溝幅が、目的の変速比を実現する溝幅まで到達するので、変速比の変更をより短時間で行うことができるようになっている。
以上の通り、実施の形態では、
(1)変速用モータ7(第1モータ)と、
クランプ用モータ8(第2モータと、
プライマリプーリ3(第1プーリ)と、セカンダリプーリ4(第2プーリ)と、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4とに巻き掛けられたベルト5と、を有するバリエータ2と、
変速用モータ7の出力トルクに基づきバリエータ2を変速させる一方、クランプ用モータ8の出力トルクに基づきバリエータ2の変速比を固定する伝達機構(遊星歯車機構6、ネジ送り機構35、45)と、を有する構成の無段変速機1とした。
このように構成すると、クランプ用モータ8と伝達機構とを有することにより、バリエータ2の変速比を固定するときにクランプ力を発生させることができる。
また、モータ(変速用モータ7、クランプ用モータ8)毎に出力トルクを伝達するための専用の伝達機構を設ける必要が無い。
(2)変速用モータ7の最大回転速度は、クランプ用モータ8の最大回転速度よりも高く、クランプ用モータの最大出力トルクは、変速用モータ7の最大出力トルクよりも高いものとした。
このように構成すると、変速用モータ7は、高回転・低トルクとして変速速度を向上させる一方、クランプ用モータ8は、低回転・高トルクとしてクランプ力を向上させる。高回転・高トルクの巨大且つ高消費電力のモータを用意する必要がないので、各モータを小型化し、且つ、低消費電力化することが可能である。
(3)バリエータ2の変速中にクランプ用モータ8のトルクを変動させる制御装置9(制御部)を有する構成とした。
このように構成すると、クランプ用モータ8のトルクを変動させることにより、可動プーリ32、42の間の差推力が向上し、可動プーリ32、42の溝幅変動速度を速くすることができる。よって、例えば、キックダウン指示があった場合などにLow変速への戻りが良くなる。
(4)伝達機構は、
共線図上での並び順に、リングギアR(第1要素)、ピニオンキャリアPC(第2要素)、サンギアS(第3要素)を有する遊星歯車機構6(トルク伝達機構)と、
遊星歯車機構6からの出力トルクを、プライマリプーリ3の推力に変換するネジ送り機構35と、
遊星歯車機構6からの出力トルクを、セカンダリプーリ4の推力に変換するネジ送り機構45と、を有し
変速用モータ7の出力トルクは、リングギアRへ伝達され、
クランプ用モータ8の出力トルクは、サンギアSへ伝達され、
ピニオンキャリアPCの出力トルクは、ネジ送り機構45へ伝達され、
リングギアRの出力トルクは、ネジ送り機構35へ伝達される構成とした。
このように構成すると、ネジ送り機構35、45へ伝達される出力トルクの調整を、ひとつの遊星歯車機構6で行うことができるので、モータ(変速用モータ7、クランプ用モータ8)毎に出力トルクを伝達するための専用の伝達機構を設ける必要が無い。
(5)回転軸X1(第1回転軸)方向から固定プーリ31(第1固定プーリ)の軸部311に外挿された可動プーリ32(可動プーリ32)が、固定プーリ31との相対回転が規制された状態で回転軸X1方向に移動可能に設けられており、固定プーリ31のシーブ部312と可動プーリ32のシーブ部322との間のV溝33の溝幅が、可動プーリ32の回転軸X1方向の位置に応じて変化するプライマリプーリ3(第1プーリ)と、
回転軸X2(第2回転軸)方向から固定プーリ41(第2固定プーリ)の軸部411に外挿された可動プーリ42(可動プーリ42)が、固定プーリ41との相対回転が規制された状態で回転軸X2方向に移動可能に設けられており、固定プーリ41のシーブ部412と可動プーリ42のシーブ部422との間のV溝43の溝幅が、可動プーリ42の回転軸X2方向の位置に応じて変化するセカンダリプーリ4(第2プーリ)と、
プライマリプーリ3のV溝33とセカンダリプーリ4のV溝43に巻き掛けたベルト5と、を有するバリエータ2を備え、
プライマリプーリ3のV溝33とセカンダリプーリ4のV溝43の溝幅を変更して、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4におけるベルト5の巻き掛け半径を変更することで、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4との間での回転(トルク)の伝達を、所望の変速比で行うように構成されたベルト式の無段変速機1において、
変速用モータ7(第1モータ)と、
最大回転速度が変速用モータ7よりも小さく、最大出力トルクが変速用モータ7よりも大きいクランプ用モータ8(第2モータ)と、
変速用モータ7の出力トルクとクランプ用モータ8の出力トルクのうちの少なくとも一方を出力する遊星歯車機構6と、
遊星歯車機構6の出力トルクを、可動プーリ32をV溝33の溝幅を狭める方向に押圧する推力に変換可能なネジ送り機構35(第1変換機構)と、
遊星歯車機構6の出力トルクを、可動プーリ42をV溝43の溝幅を狭める方向に押圧する推力に変換可能なネジ送り機構45(第2変換機構)と、
変速用モータ7とクランプ用モータ8の駆動を制御する制御装置9(制御手段)と、を備え、
制御装置9は、
変速比を変更するために、可動プーリ32および可動プーリ42を回転軸X1、X2方向に変位させる際には、変速用モータ7の出力トルクを遊星歯車機構6から出力させ、
変速比を保持するために、可動プーリ32および可動プーリ42の回転軸X1、X2方向の位置を保持する際には、クランプ用モータ8の出力トルクを遊星歯車機構6から出力させる構成の無段変速機1とした。
変速用モータ7の最大回転数は、クランプ用モータ8の最大回転数よりも大きく、変速用モータ7の最大出力トルクは、クランプ用モータ8の最大出力トルクよりも小さいので、変速用モータ7は、可動プーリ32と可動プーリ42をV溝33、43の溝幅を狭める方向に変位させるのに適した回転トルクを出力するモータであり、クランプ用モータ8は、可動プーリ32と可動プーリ42をV溝33、43の溝幅を所定幅で保持するために、可動プーリ32と可動プーリ42の回転軸方向の位置を保持するのに適した回転トルクを出力するモータである。
よって、上記のように構成して、可動プーリ32および可動プーリ42をV溝33、43の溝幅を狭める方向に変位させる際には、変速用モータ7の出力トルクを遊星歯車機構6から出力させ、可動プーリ32および可動プーリ42の位置を保持する際には、クランプ用モータ8の出力トルクを遊星歯車機構6から出力させることで、目的に適した回転トルクを出力させることができる。
一つのモータで、可動プーリ32と可動プーリ42の位置の変位と保持とを行う場合には、最大回転数が大きく、かつ最大出力トルクが大きい大型の高性能モータを用意する必要があるが、無段変速機の変速機ケース内の限られたスペースに、大型のモータを設置することは難しく、大型のモータを採用すると、変速機ケースが大型化してしまう。
これに対して、最大回転数や、最大出力トルクに特化した専用のモータは、高性能モータよりも小型であるので、専用のモータが二つ必要となっても、無段変速機の変速機ケース内の限られたスペースに設置することは、大型のモータの場合よりも容易である。
よって、変速機ケースを大型化させることなく、可動プーリ32と可動プーリ42の位置の変位と保持とを行うことが可能になる。
また、高回転かつ高トルクのモータの仕事を、高回転かつ低トルクの変速用モータ7と、低回転かつ高トルクのクランプ用モータ8で分担することで、高回転かつ高トルクのモータよりも小さいサイズのモータの採用が可能となる。
これにより、無段変速機への搭載性が向上すると共に、モータの消費エネルギの低減が可能になるので、無段変速機を搭載する車両の燃費向上が期待される。
さらに、クランプ用モータ8の出力トルクは、変速の完了時に推力を発生させるために遊星歯車機構6から出力されるので、ベルト5を把持する推力が過推力となることを好適に防止できる。これにより、ベルト5のフリクションが低減するので、無段変速機を搭載する車両の燃費向上が期待される。
(6)遊星歯車機構6は、共線図上での並び順に、リングギアR(第1要素)、ピニオンキャリアPC(第2要素)、サンギアS(第3要素)を有するシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
遊星歯車機構6では、
変速用モータ7の出力軸71との間で回転伝達可能なリングギアRと、クランプ用モータ8の出力軸81との間で回転伝達可能なサンギアSとが、共通の回転軸X上で相対回転可能に設けられていると共に、リングギアRの内歯とサンギアSの外歯とに噛み合うピニオンギアPを、回転軸Xに平行な自転軸Xc回りに自転可能に支持するピニオンキャリアPCが、回転軸X回りに回転可能に設けられており、
ネジ送り機構35は、リングギアRの出力トルクを、可動プーリ32をV溝33の溝幅を狭める方向に押圧する推力に変換可能であり、
ネジ送り機構45は、ピニオンキャリアPCの出力トルクを、可動プーリ42をV溝43の溝幅を狭める方向に押圧する推力に変換可能である構成とした。
このように構成すると、遊星歯車機構6から出力する出力トルクを、変速用モータ7の出力トルクと、クランプ用モータ8の出力トルクから適切に調整でき、ネジ送り機構35、45への出力トルクの伝達を、ひとつの遊星歯車機構6を用いて行うことができる。
よって、変速用モータ7とクランプ用モータ8の各々に、出力トルクをネジ送り機構35、45に伝達するための専用の機構を用意する必要が無い。
また、各ギア(サンギアS、ピニオンギアP、リングギアR)の歯数を設定することで、出力トルクから変換した推力の大きさを所望の大きさに調節できるので、無段変速機の種類毎に推力を最適化することが容易となる。
(7)制御装置9は、
変速比を変更するために、可動プーリ32および可動プーリ42を回転軸X1、X2方向に変位させる際には、
変速用モータ7の出力トルクでリングギアRを回転させると共に、クランプ用モータ8の保持トルクでサンギアSの回転を規制して、変速用モータ7の出力トルクを遊星歯車機構6から出力させる構成とした。
バリエータ2では、プライマリプーリ3とセカンダリプーリ4におけるV溝33、43の溝幅が所望の変速比を実現する溝幅となったときに、可動プーリ32に作用する推力と、可動プーリ42に作用する推力とが釣り合うようにしている。
そのため、変速用モータ7の出力トルクを変化させると、可動プーリ32に作用する推力と、可動プーリ42に作用する推力とのバランスが崩れて、V溝33、43の溝幅が、推力が釣り合う新たな溝幅へと速やかに変化するので、変速用モータ7の出力トルクを変化させるだけで、所望の変速比を実現できる。
また、変速用モータ7とクランプ用モータ8の駆動/停止を行うだけで、遊星歯車機構6から出力させる出力トルクを、目的に適した出力トルク(変速に適した出力トルク、変速比の保持に適した出力トルク)にすることができる。
よって、変速比の変更と保持を頻繁に行う無段変速機に適したバリエータ2となる。
(8)制御装置9は、
変速比を変更するために、可動プーリ32および可動プーリ42を回転軸X1、X2方向に変位させる際には、
変速用モータ7の出力トルクでリングギアRを回転させると共に、クランプ用モータ8の出力トルクでサンギアSを、リングギアRの回転軸X回りの回転方向とは逆に回転させて、遊星歯車機構6から出力させる変速用モータ7の出力トルクを増幅する構成とした。
このように構成すると、リングギアRから伝達された出力回転でピニオンギアPが自転軸Xc回りに回転して、ピニオンギアPを支持するピニオンキャリアPCが回転軸X回りに回転すると、サンギアSの逆回転が、ピニオンギアPの自転をアシスト(促進)する方向に作用する。
これにより、ピニオンキャリアPCの回転軸X回りの回転を進める(アシストする)方向に、クランプ用モータ8の出力トルクが作用するので、ピニオンキャリアPCに、回転伝達軸63を介して連結されたギア64と、ギア62とが、変速用モータ7のみでピニオンキャリアPCを回転させている場合よりも速い回転速度で、回転軸X回りに回転することになる。
その結果、ギア64、62からネジ送り機構35、45の外側部材37、47に伝達される回転速度が早くなって、外側部材37、47の回転軸X1、X2方向への変位速度が上昇することになるので、変速用モータ7のみを回転駆動している場合よりも速く、V溝33、43の溝幅を変更することができる。
よって、変速アシストモードの場合には、通常の変速モードよりも短時間で、V溝33、43の溝幅が、目的の変速比を実現する溝幅まで到達するので、変速比の変更をより短時間で行うことができる。
また、急変速時にクランプ用モータ8の出力トルクにより、可動プーリ32、42の変位を促進して、プーリ(プライマリプーリ3、セカンダリプーリ4)間の位相差を作り出すことで、変速比を速やかに変更できるので、変速比のLow側への戻りを速やかに行うことができる。
(8)制御装置9は、
可動プーリ32および可動プーリ42の位置を保持する際には、変速用モータ7とクランプ用モータ8を、それぞれ出力トルク(保持トルク)を発生させた状態にして、変速用モータ7の保持トルクでリングギアRの回転を規制すると共に、クランプ用モータ8の保持トルクをサンギアSに入力する構成とし、サンギアSとピニオンギアPとピニオンキャリアPCとギア64とを介して、ネジ送り機構45に伝達されるクランプ用モータ8の保持トルクが、ネジ送り機構45により、セカンダリプーリ3の可動プーリ32をベルト5に押しつける方向に作用しつつ、稼動プーリ32の回転軸X2方向の移動を規制する変位力(推力)に変換されるようにした。
このように構成すると、変速用モータ7とクランプ用モータ8の駆動/停止を行うだけで、遊星歯車機構6から、目的に適した出力トルク(変速に適した出力トルク、変速比の保持に適した出力トルク)を調整して出力することができる。
よって、変速比の変更と保持を頻繁に行う無段変速機に適したバリエータ2となる。
(9)ネジ送り機構35(第1変換機構)は、
遊星歯車機構6の出力トルクで、プライマリプーリ3の回転軸X1回りに回転する外側部材37(第1外側部材)と、
回転軸X1方向の移動が規制された状態で、外側部材37の内側に配置された内側部材36(第1内側部材)と、
内側部材36の外周に設けられた螺旋状の凹溝361aと、外側部材37の内周に設けられた螺旋状の凹溝371aとに跨がって配置されて、外側部材37と内側部材36とを相対回転可能に支持する複数のボールBaと、を有すると共に、
回転軸X1回りに回転する外側部材37を、回転軸X1方向に変位させるボールネジ送り機構である構成とした。
このように構成すると、遊星歯車機構6側から入力された出力トルク(回転トルク)を、外側部材37を回転軸X1方向に変位させる推力に変換して、外側部材37により押された可動プーリ32を、V溝33の溝幅を狭める方向にスムーズに変位させることができる。
(10)ネジ送り機構45(第2変換機構)は、
遊星歯車機構6の出力トルクで回転軸X2回りに回転する外側部材47(第2外側部材)と、
回転軸X2方向の移動が規制された状態で、外側部材47の内側に配置された内側部材36(第2内側部材)と、
内側部材46の外周に設けられた螺旋状の溝461aと、外側部材47の内周に設けられた螺旋状の溝471aとに跨がって配置されて、外側部材47と内側部材46とを相対回転可能に支持する複数のボールBaと、を有すると共に、
回転軸X2回りに回転する外側部材47を回転軸X2方向に変位させるボールネジ送り機構である構成とした。
このように構成すると、遊星歯車機構6側から入力された出力トルク(回転トルク)を、外側部材47を回転軸X2方向に変位させる推力に変換して、外側部材47により押された可動プーリ42を、V溝43の溝幅を狭める方向にスムーズに変位させることができる。
(11)ネジ送り機構35では、遊星歯車機構6の出力トルクが、可動プーリ32をV溝33の溝幅を狭める方向に押圧する推力に変換された際に、可動プーリ32のシーブ部322に回転軸X1方向から当接してシーブ部322を押圧する当接部371bが、外側部材37に設けられており、
ネジ送り機構45では、遊星歯車機構6の出力トルクが、可動プーリ42をV溝43の溝幅を狭める方向に押圧する推力に変換された際に、可動プーリ42のシーブ部422に回転軸X1方向から当接してシーブ部422を押圧する押圧部471bが、外側部材37に設けられており、
前記ネジ送り機構35が、当接部371bをシーブ部322に当接させる方向に、外側部材37を変位させると、前記ネジ送り機構45が、押圧部471bをシーブ部422から離間させる方向に、外側部材47を変位させ、
前記ネジ送り機構35が、当接部371bをシーブ部322から離間させる方向に、外側部材37を変位させると、前記ネジ送り機構45が、押圧部471bをシーブ部422に当接させる方向に、外側部材47を変位させる構成とした。
このように構成すると、モータ(変速用モータ7、クランプ用モータ8)の出力トルク(回転出力)は、例えば、ピニオンキャリアPC、回転伝達軸63、ギア64、ネジ送り機構45、セカンダリプーリ4(可動プーリ42)、ベルト5、プライマリプーリ3(可動プーリ32)、ネジ送り機構35、ギア62、リングギアR、ピニオンギアP、ピニオンキャリアPC、回転伝達軸63の順番で、遊星歯車機構6とバリエータ2との間で循環する。
そうすると、ギア64からネジ送り機構45に伝達される出力トルク(回転速度)が増速されつつ、遊星歯車機構6とバリエータ2との間で循環(ループ)することになるので、ベルト5を保持する保持力が、出力トルク(回転速度)が増速に伴って高くなる結果、可動プーリ32、42の回転軸X1、X2方向の移動を確実に規制して、バリエータ2における変速比が保持されることになる。
前記した実施の形態では、変速用モータ7の出力トルクがリングギアR(第1要素)に伝達されると共に、クランプ用モータ8の出力トルクがサンギアS(第3要素)に伝達されるように構成された遊星歯車機構6を例示した。
本発明は、この態様に限定されるものではなく、クランプ用モータ8の出力トルクがリングギアR(第1要素)に伝達されると共に、変速用モータ7の出力トルクがサンギアS(第3要素)に伝達されるように構成された遊星歯車機構としても良い。
さらに、前記した実施の形態では、変速用モータ7の出力トルクとクランプ用モータ8の出力トルクのうちの一方を、ネジ送り機構35、45に出力するための遊星歯車機構が、シングルピニオン式の遊星歯車機構である場合を例示した。
本発明は、この態様に限定されるものではなく、遊星歯車機構は、サンギアと、サンギアに噛み合う内側ピニオンギアと、内側ピニオンギアに噛み合う外側ピニオンギアと、外側ピニオンギアと噛み合いサンギアと同軸上に配置されたリングギアと、内側ピニオンギアと外側ピニオンギアとを軸支するピニオンキャリアと、から構成されるダブルピニオン式の遊星歯車機構を採用しても良い。
また、シングルピニオン式の遊星歯車とダブルピニオン式の遊星歯車を一体化した複合型遊星歯車であるラビニオ式の遊星歯車機構を採用しても良い。
さらに、複数の単純歯車の組合せで遊星歯車組と同様の共線図が描けるのであれば、複数の単純歯車の組み合わせであっても良い。また、複数の遊星歯車の組合せであっても良い。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうる様々な変更、改良が含まれる。

Claims (6)

  1. 第1モータと、
    第2モータと、
    第1プーリと、第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとに巻きかけられたベルトと、を有するバリエータと、
    を備え、
    前記第1モータのトルクに基づき前記バリエータを変速させる一方、前記第2モータのトルクに基づき前記バリエータの変速比を固定する、無段変速機。
  2. 前記第1モータの最大回転速度は、前記第2モータの最大回転速度よりも高く、
    前記第2モータの最大出力トルクは、前記第1モータの最大出力トルクよりも高い、請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記第1モータによる前記バリエータの変速中に、変速速度を高めるように前記第2モータのトルクを変動させる制御部を有する、請求項1または請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記第1モータと前記第2モータの双方に接続され、
    前記第1モータのトルクに基づき前記バリエータを変速させる一方、前記第2モータのトルクに基づき前記バリエータの変速比を固定する伝達機構を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の無段変速機
  5. 前記伝達機構は、
    共線図上での並び順に、第1要素、第2要素、第3要素を有するトルク伝達機構と、
    トルクを前記第1プーリの推力に変換する第1変換機構と、
    トルクを前記第2プーリの推力に変換する第2変換機構と、
    を有し
    前記第1モータのトルクは、前記第1要素へ伝達され、
    前記第2モータのトルクは、前記第3要素へ伝達され、
    前記第2要素のトルクは、前記第1変換機構に伝達され、
    前記第1要素のトルクは、前記第2変換機構に伝達される、請求項4に記載の無段変速機。
  6. 前記トルク伝達機構は、前記第1要素としてのリングギアと、前記第2要素としてのピニオンキャリアと、前記第3要素としてのサンギアと、を有するシングルピニオン型の遊星歯車機構からなる、請求項5に記載の無段変速機。
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