JPWO2017134821A1 - レーザレーダ装置および風車制御システム - Google Patents

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Abstract

レーザ光を発振する基準光源(1)と、第1の周波数成分および第2の周波数成分とを有する直線位相変調信号に基づいて、レーザ光の送信光の位相変調を行う光位相変調器(3)と、第1の周波数成分と第2の周波数成分がそれぞれ異なるパルス幅を有するパルス光を生成するためのパルス光生成信号に基づいて、送信光の光強度を変調する光強度変調器(4)と、送信光を空間に照射すると共に、照射した送信光が第1の地点および第2の地点で反射された反射光を受信する第1および第2の光アンテナ(9,10)と、受信光と局発光とを合波した光をヘテロダイン検波する光受信器と、受信信号を第1および第2の周波数成分に基づいて分離し、第1の地点および第2の地点における受信信号の周波数分析を行う信号処理ユニット(30)を備える。

Description

この発明は、レーザ光を用いて、気象空間における風速および風向を計測する技術に関するものである。
光源から発振されたレーザ光に対して所定の周波数シフトを与え、パルス変調したパルス光を光アンテナを介して大気中に照射し、大気中に照射されたパルス光が大気中に浮遊している微小な液体または個体の粒子(以下、エアロゾルと称する)に反射して戻ってくる散乱光を受光し、受光した信号のデジタル信号を周波数解析し、スペクトルからエアロゾルの移動速度、すなわちレーザ照射方向の風速を算出するレーザレーダ装置が知られている。
そして、上述したレーザレーダ装置は、風力発電用風車に適用される場合がある。風力発電用風車では、風力発電の稼働率を高めるために、微風の風速条件でも起動し易い構成が求められる。例えば、特許文献1では、風車が非回転状態にあるときに起動アシスト用電流供給系統をオンとし、風車が風力により一定回転数以上で回転したときに起動アシスト用電流供給系統をオフとする風車の起動アシスト制御装置が開示されている。さらに、特許文献1では、風車の回転数に加えて風速を制御要素として取り込み、風車が非回転状態にあり、且つ風速が風車の自己起動風速以上である場合に起動アシスト用電流供給系統をオンとする技術が開示されている。
特開2004−285991号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、風車が非回転状態にあるときに起動アシスト用電流供給系統をオンとするため、風速が風車の自己起動風速以下である場合にも、起動アシスト用電流が供給し続けられて電力に無駄が生じるという課題があった。さらに、風車の回転を検出するための回転数検出回路を設ける必要があるという課題があった。
また、レーザレーダ装置において風車の回転数と風車位置における風速を検出する場合、風車位置の風速を計測するパルス型ドップラライダの計測分解能は送信光のパルス幅で制限され、計測可能な最短距離はパルス型ドップラライダ内で生じる送信パルス光の漏れ光により制限される。そのため、レーザレーダ装置の1パルス内の計測で風車の回転数と風車位置における風速を検出することは困難であり、計測分解能に制限があるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、1パルス内の2つの周波数成分についての周波数分析を可能にし、レーザレーダ装置の送信光1パルス内での計測分解能を向上させることを目的とする。
この発明に係るレーザレーダ装置は、レーザ光を発振する基準光源と、第1の周波数成分および第2の周波数成分を有する直線位相変調信号に基づいて、レーザ光の送信光の位相変調を行う光位相変調器と、第1の周波数成分と第2の周波数成分がそれぞれ異なるパルス幅を有するパルス光を生成するためのパルス光生成信号に基づいて、光位相変調器が位相変調を行った送信光の光強度を変調する光強度変調器と、光強度変調器により光強度が変調された送信光を空間に照射すると共に、当該照射した送信光が第1の地点および第2の地点で反射された反射光を受信する光アンテナと、光アンテナが受信した受信光とレーザ光の局発光とを合波した光をヘテロダイン検波する光受信器と、光受信器のヘテロダイン検波により得られた受信信号を、第1の周波数成分および第2の周波数成分に基づいて分離し、第1の地点および第2の地点における受信信号の周波数分析を行う信号処理ユニットを備えるものである。
この発明によれば、レーザレーダ装置の送信光1パルス内での計測分解能を向上させることができる。
実施の形態1に係るレーザレーダ装置の風車への適用例を示す図である。 実施の形態1に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るレーザレーダ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るレーザレーダ装置の動作を示すフローチャートである。 図5Aから図5Dは、実施の形態1に係るレーザレーダ装置の変調ユニットの位相変調および強度変調を示す説明図である。 風車のブレードにより生じるドップラシフト成分について説明するための図である。 実施の形態1に係るレーザレーダ装置の受信光に対する動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るレーザレーダ装置のスペクトルイメージを示す図である。 図9Aから図9Dは、実施の形態1に係るレーザレーダ装置の各変調信号および受信信号の時系列データのイメージを示す図である。 実施の形態2に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図11Aから図11Dは、実施の形態2に係るレーザレーダ装置の変調ユニットの位相変調および強度変調を示す説明図である。 実施の形態2に係るレーザレーダ装置の受信光に対する動作を示すフローチャートである。 図13Aから図13Dは、実施の形態2に係るレーザレーダ装置の各変調信号および受信信号の時系列データのイメージを示す図である。 実施の形態3に係るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る風車制御システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る風車制御システムの動作を示すフローチャートである。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の風車900への適用例を示す図である。
風車900は、頂部に制御装置901および駆動装置902を有し、当該制御装置901および駆動装置902の先端にブレード903が回転可能に固定されている。風車900に風が到来することにより、ブレード903が回転して発電が行われる。風車900の発電効率を向上させるため、ブレード903が非回転状態であって、風車900に微風が到来した場合に、制御装置901が起動アシスト用の電流を印加する制御を行い、駆動装置902が制御装置901の制御に基づいて電流を印加してブレード903の起動をアシストする。ブレード903が一定の回数数に到達すると、制御装置901は起動アシスト用の電流をOFFにする制御を行う。
上述した制御を行うため、実施の形態1のレーザレーダ装置100は、風車位置(第1の地点)における風速と、ブレード903(第2の地点)の回転速度とを検出する。ブレード903の回転速度の検出は、風速の測定地点よりもレーザレーダ装置100により近い地点で行われる。以下では、風速の測定地点を長距離地点と称し、ブレードの回転速度の測定地点を短距離地点と称する。
制御装置901に接続されたレーザレーダ装置100は、矢印A方向に送信光Bを出力する。出力された送信光Bは、短距離地点に位置するブレード903によって反射されて反射光としてレーザレーダ装置100に受信される。さらに、出力された送信光Bは、長距離地点に位置する大気中を風に乗って移動するエアロゾルによって反射されて後方散乱光として、レーザレーダ装置100に受信される。レーザレーダ装置100は、受信した反射光の信号処理を行ってブレードの回転速度を計測し、受信した後方散乱光の信号処理を行って風車位置の風速を計測する。当該レーザレーダ装置100の詳細な構成を、以下に示す。
図2はこの発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の構成を示すブロック図である。
レーザレーダ装置100は、基準光源1、光分岐カプラ2、光位相変調器3、光強度変調器4、光増幅器5、光サーキュレータ6、光スイッチ7、光スイッチ制御信号生成部8、第1の光アンテナ9、第2の光アンテナ10、光カプラ11、光受信器12、変調ユニット20および信号処理ユニット30を備えて構成されている。図2で示したブロック図では、光位相変調器3および光強度変調器4も変調ユニット20を構成している。
基準光源1は、基準光と呼ばれる単一周波数からなる連続波光(レーザ光)を発振する機器である。光分岐カプラ2は、基準光源1から発振された連続波光を、送信光と局発光とに2分配する。分配された送信光は送信光路側の光位相変調器3に出力し、局発光は局発光路側の光カプラ11に出力する。光位相変調器3は、光分岐カプラ2から出力された送信光に対して所定の周波数シフトを与える。光位相変調器3は、例えばLN(Lithium Niobate)結晶を構成材料とし、電気光学効果による伝搬光路の屈折率変化を利用することにより、高速な位相変調を行う。光強度変調器4は、周波数シフト後の送信光をパルス変調してパルス光を生成する。光強度変調器4として、半導体光増幅器、マッハツェンダ型強度変調器などが適用可能である。光増幅器5は、生成されたパルス光を増幅する。光増幅器5として、EDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)などが適用可能である。
光サーキュレータ6は、光路を送信光路と受光光路とに分離する機器である。光サーキュレータ6は、光増幅器5で増幅されたパルス光を、光スイッチ7を介して送信光として第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10に出力する。さらに、光サーキュレータ6は、第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10により受光された反射光および後方散乱光(パルス光)を受信光として光カプラ11に与える。光スイッチ7は、送信光路を第1の光アンテナ9に出力する光路と、第2の光アンテナ10に出力する光路とに分離する。光スイッチ制御信号生成部8は、光スイッチ7を駆動させる制御信号を生成する。
第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10は、光スイッチ7で分離された光路から入力された送信光を大気中に照射する。また、第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10は、送信した送信光が大気中に存在しているエアロゾルによって反射されて戻ってきた後方散乱光と、ブレード903によって反射された反射光とを受信する。光カプラ11は、光分岐カプラ2で分岐された局発光と、光サーキュレータ6で分離された受信光とを合波する。光受信器12は、光カプラ11で合波された光信号を電気信号に変換し、ヘテロダイン受信する。
変調ユニット20は、上述した光位相変調器3および光強度変調器4に加えて、第1の信号生成部21、第2の信号生成部22、信号加算回路23および第3の信号生成部24を備える。
第1の信号生成部21は、変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号(周期=1/f1)をバーストパルスとして生成する。第2の信号生成部22は、変調周波数f2に相当する第2の直線位相変調信号(周期=1/f2)をバーストパルスとして生成する。信号加算回路23は、第1の信号生成部21が生成した第1の直線位相変調信号と第2の信号生成部22が生成した第2の直線位相変調信号とを加算し、2つの周波数成分を有するバースト直線位相変調信号を生成する。バースト直線位相変調信号は、パルスの立ち上がり領域に変調周波数f2が設定され、パルスの主領域には変調周波数f1が設定されるものとする。信号加算回路23は、生成した2つの周波数成分を有するバースト直線位相変調信号を光位相変調器3に印加する。
第3の信号生成部24は、変調周波数f1と変調周波数f2の周波数成分がそれぞれ異なるパルス幅を有するパルス光の生成を指示するパルス生成信号を生成し、光強度変調器4に印加する。
信号処理ユニット30は、RF分離カプラ31、第1のバンドパスフィルタ32、風計測信号処理部33、風速検出部34、第2のバンドパスフィルタ35、ブレード計測信号処理部36およびブレード回転速度検出部37を備える。
RF分離カプラ31は、光受信器12の受信信号を2分岐し、一方の受信信号を第1のバンドパスフィルタ32に入力し、他方の受信信号を第2のバンドパスフィルタ35に入力する。第1のバンドパスフィルタ32は、変調周波数f1を中心とする周波数帯域の受信信号を通過させるバンドパスフィルタである。風計測信号処理部33は、第1のバンドパスフィルタ32を通過した変調周波数f1を中心とした受信信号をAD変換し、風によるドップラ周波数シフトを算出する。風速検出部34は、風計測信号処理部33が算出したドップラ周波数シフトから風速を検出する。
第2のバンドパスフィルタ35は、変調周波数f2を中心とする周波数帯域の受信信号を通過させるバンドパスフィルタである。ブレード計測信号処理部36は、第2のバンドパスフィルタ35を通過した変調周波数f2を中心とした受信信号をAD変換し、風車900のブレード903によるドップラシフト成分を算出する。ブレード回転速度検出部37は、ブレード計測信号処理部36が算出したドップラシフト成分からブレード回転速度を検出する。
図3は、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
変調ユニット20の第1の信号生成部21、第2の信号生成部22、信号加算回路23および第3の信号生成部24、信号処理ユニット30の風計測信号処理部33、風速検出部34、ブレード計測信号処理部36およびブレード回転速度検出部37は、プロセッサ110がメモリ120に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また複数のプロセッサ110および複数のメモリ120が連携して上述した機能を実行するように構成してもよい。
次に、レーザレーダ装置100の動作について説明する。
図4は、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の動作を示すフローチャートである。
レーザレーダ装置100の基準光源1から連続波光が出力されると(ステップST1)、光分岐カプラ2は当該連続波光を送信光と局発光に分離する(ステップST2)。光位相変調器3は、ステップST2で分離された送信光に対して、時間的に分離された2種類の周波数シフトを付加する(ステップST3)。ここで、付加する時間的に分離された2種類の周波数シフトは、第1の信号生成部21および第2の信号生成部22および信号加算回路23により生成されたバースト直線位相変調信号であり、詳細は後述する。
光強度変調器4は、ステップST3で周波数シフトされた送信光に対して第3の信号生成部24が生成したパルス生成信号を印加してパルス変調し、パルス光を生成する(ステップST4)。光増幅器5は、ステップST4で生成されたパルス光を増幅し、光サーキュレータ6を介して光スイッチ7に入力する(ステップST5)。光スイッチ7は、光スイッチ制御信号生成部8が生成した制御信号に基づいて光路の分離を行う(ステップST6)。第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10は、ステップST6で分離された光路を通過したパルス光を第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10から大気中に照射する(ステップST7)。
第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10は、ステップST7で照射された送信光が大気中のエアロゾルで反射された後方散乱光、およびブレード903により反射された反射光を受信光として受信する(ステップST8)。受信光は光スイッチ7および光サーキュレータ6を介して光カプラ11に入力し、光カプラ11は、入力された受信光と、ステップST2で分離された局発光とを合波する(ステップST9)。光受信器12は、ステップST9で合波された光信号を電気信号に変換する(ステップST10)。信号処理ユニット30は、ステップST10で電気信号に変換された光信号に基づいて、風車位置における風速およびブレード903の回転速度を検出し(ステップST11)、処理を終了する。
なお、上述したフローチャートの説明において、ステップST7として、例えば第1の光アンテナ9が風計測のパルス光を照射し、第2の光アンテナ10がブレード回転計測のパルス光を照射した場合、ステップST8では、第1の光アンテナ9が大気中のエアロゾルで反射された後方散乱光を受信し、第2の光アンテナ10がブレード903により反射された反射光を受信するなど、第1の光アンテナ9と第2の光アンテナ10に対して照射光と受信光とが予め設定されているものとする。
上述した図4のフローチャートのステップST3で示した周波数シフトの付加処理である位相変調およびステップST4で示したパルス生成信号の印加処理である強度変調の詳細について、図5Aから図5Dを参照して説明する。図5Aから図5Cでは、横軸が時間、縦軸が振幅を示している。図5Dでは、横軸が時間、縦軸が強度を示している。
なお、以下の説明では、一例として光強度変調器4からパルス幅500nsのパルス光を出力させる場合を例に説明する。
第1の信号生成部21は、風計測用として、変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号(周期1/f1)を生成し、バーストパルスとして信号加算回路23に出力する。第1の直線位相変調信号の一例を図5Aに示している。図5Aの例では、第1の直線位相変調信号の出力時間は10nsから500nsである。
第2の信号生成部22は、ブレード回転計測用として、変調周波数f2に相当する第2の直線位相変調信号(周期1/f2)を生成し、信号加算回路23に出力する。第2の直線位相変調信号の一例を図5Bに示している、図5Bの例では、第2の直線位相変調信号の出力時間は0nsから10nsである。第2の直線位相変調信号のパルス幅は、レーザレーダ装置100からブレード903の距離に応じて設定される。
信号加算回路23が、図5Aで示した第1の直線位相変調信号と、図5Bで示した第2の直線位相変調信号とを加算することにより、図5Cで示した2つの周波数成分を有するパルス幅500nsのバースト直線位相変調信号を生成する。
第3の信号生成部24は、光位相変調器3から出力される送信光に対して強度変調を行うためのパルス生成信号を生成し、光強度変調器4に印加する。パルス生成信号の一例を図5Dに示している。図5Dで示したパルス生成信号は、光強度変調器4が出力するパルス光が、出力時間が0nsから500nsの範囲で使用可能な光強度とする強度変調信号である。図5Dで示した例において、従来、出力時間が0nsから10nsの範囲Cではパルス光を発生させていていなかったが、本願発明のレーザレーダ装置100では、範囲Cのパルス光をブレード回転計測に用いるため、出力時間が0nsから10nsの範囲においても強度変調信号が生成される。なお、図5Dにおける範囲Dは風計測に用いるパルス光を生成するための強度変調信号である。
次に、図6を参照して、風車900のブレード903により生じるドップラシフト成分について説明する。図6は、図1で示したブレード903を用いて示している。
ブレード903の回転速度をω、ブレード903の通過速度をVhub、ブレード903の傾斜をδ、ブレード903の半径をRとすると、ブレード903の回転により生じるドップラ速度Vdopは以下の式(1)で表される。
Vhub=2πω/60R
Vdop=Vhub×tanδ (1)
一例として、ブレード903の回転速度ω=16〜49[rpm]、ブレード903のピッチ角を5〜10度とすると、ドップラ速度Vdopは0.33から2.11[m/s]程度と算出される。よって、検出されるドップラシフト成分fdopは3[MHz]未満と推定される。
図6で示したように、ブレード903には風力による揚力を得るために、ピッチ角δが設けられている。ブレード903は風の到来方向に向けて設置されることから、ブレード903の傾斜は風の到来方向、且つ風車900本体に直交する方向に対する傾斜、即ちピッチ角δとなる。
また、図6の矢印Cは送信光を示し、矢印Dはドップラシフト成分fdopを示している。
第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10が受信する受信光には、風計測に用いる第1の受信光とブレード回転計測に用いる第2の受信光とが存在する。ここでは、第1の光アンテナ9が風計測に用いる第1の受信光を受信し、第2の光アンテナ10がブレード回転計測に用いる第2の受信光を受信する場合を例に説明する。
まず、風計測に用いる第1の受信光の周波数は、風速によるドップラシフト成分fwが加わる。そのため、第1の光アンテナ9が受信する第1の受信光の周波数はf0+f1+fwで表される。一方、ブレード回転計測に用いる第2の受信光の周波数は、上述したブレード903によるドップラシフト成分fdopが加わる。そのため、第2の光アンテナ10が受信する第2の受信光の周波数はf0+f2+fdopで表される。ここで、f0は基準光源1が発振する基準光の周波数である。
上述した第1の受信光および第2の受信光を用いた信号処理ユニット30の動作について説明する。上述した図4のフローチャートのステップST8からステップST11の処理を、図7のフローチャートを参照しながらより詳細に説明する。
図7は、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の受信光に対する動作を示すフローチャートである。
第1の光アンテナ9が第1の受信光を受信し、第2の光アンテナ10が第2の受信光を受信すると(ステップST21)、第1の受信光および第2の受信光は、光サーキュレータ6にて送信回路と分離されて光カプラ11に入力される(ステップST22)。光カプラ11は、入力した第1の受信光をおよび第2の受信光を、局発光と合波する(ステップST23)。なお、ステップST22およびステップST23の処理は、図4のフローチャートのステップST9の処理に相当する。
光受信器12は、ステップST23で合波された第1の受信光および第2の受信光をヘテロダイン受信する(ステップST24)。光受信器12によるヘテロダイン受信は、まず第1の受信光と局発光との差分周波数成分の光強度に応じた電気信号を生成する処理が行われる。光受信器12が受信する第1の受信光と局発光との差分周波数成分は、f1+fwとなる。同様に、第2の受信光と局発光との差分周波数成分の光強度に応じた電気信号を生成する処理が行われる。光受信器12が受信する第2の受信光と局発光との差分周波数成分は、f2+fdopとなる。なお、ステップST24の処理は、図4のフローチャートのステップST10の処理に相当する。
RF分離カプラ31は、光受信器12でヘテロダイン受信された電気信号を2分岐し、第1のバンドパスフィルタ32および第2のバンドパスフィルタ35に出力する(ステップST25)。第1のバンドパスフィルタ32は、変調周波数f1を中心帯域とする電気信号を通過させる(ステップST26)。風計測信号処理部33は、変調周波数f1を中心帯域とする電気信号に対してフーリエ変換を行い、風車位置における風向および風速を示す情報であるドップラシフト成分fwを算出する(ステップST27)。風速検出部34は、ステップST27で風計測信号処理部33が算出したドップラシフト成分fwから風車位置における風速を検出する(ステップST28)。
上述したステップST26からステップST28の処理と平行して、第2のバンドパスフィルタ35は、変調周波数f2を中心帯域とする電気信号を通過させる(ステップST29)。ブレード計測信号処理部36は、変調周波数f2を中心帯域とする電気信号に対してフーリエ変換を行い、ブレード903の回転を示す情報であるブレード903のドップラシフト成分fdopを算出する(ステップST30)。ブレード回転速度検出部37は、ステップST30で算出されたドップラシフト成分fdopからブレード903の回転速度を検出する(ステップST31)。ステップST28およびステップST31の処理が行われると、信号処理ユニット30は処理を終了する。
上述したステップST25からステップST31の処理は、図4のフローチャートのステップST11の処理に相当する。
なお、上述したステップST21で示した第1の受信光および第2の受信光の受信は、第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10が、送信光のパルスOFF期間に連続的に受信光を収集することにより行われるものとする。
レーザレーダ装置100の送信光、受信光、局発光により生じるヘテロダイン受信信号のスペクトルイメージを図8に示している。
図8において周波数領域Xは、風計測に用いる第1の送信光および第1の受信光を含む周波数領域を示している。周波数領域Xは、周波数範囲がf1±50MHzの領域である。
また、周波数領域Yは、ブレード回転計測に用いる第2の送信光および第2の受信光を含む周波数領域を示している。周波数領域Yは、周波数範囲がf2±3MHzの領域である。周波数領域Yでは、上述した式(1)に基づいて算出されたブレード903の回転により生じるドップラ速度Vdopから推定されたドップラシフト成分fdop(例えば、<3MHz)の周波数範囲が適用される。
周波数領域XにおけるスペクトルXは、第1の信号生成部21が生成した直線位相変調信号の変調周波数f1を有するスペクトルである。なお、スペクトルXは、送信光と局発光である。スペクトルXは、光受信器12がヘテロダイン受信した変調周波数f1±fwを有するヘテロダイン受信信号のスペクトルである。スペクトルXは、受信光と局発光であり、風によるドップラシフト成分fwにより周波数が低周波数側にシフトしている。
同様に、周波数領域YにおけるスペクトルYは、第2の信号生成部22が生成した直線位相変調信号の変調周波数f2を有するスペクトルである。なお、スペクトルYは、ブレード903への送信光と局発光である。スペクトルYは、光受信器12がヘテロダイン受信した変調周波数f2±fdopを有するヘテロダイン受信信号のスペクトルである。スペクトルYは、ブレード903による受信光と局発光であり、ブレード903によるドップラシフト成分fdopにより周波数が低周波数側にシフトしている。
図9Aから図9Dは、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の各変調信号および受信信号の時系列データのイメージを示す図である。図9Aは図5Cで示した変調信号の時系列データと同一であり、図9Bは図5Dで示した光強度の時系列データと同一である。図9Cはレーザレーダ装置100の受信信号の強度を示し、図9Dはレーザレーダ装置100の受信信号を周波数別に示した図である。図9Aでは横軸に時間、縦軸に振幅を示している。図9Bおよび図9Cでは横軸に時間、縦軸に強度を示している。図9Dでは横軸に時間、縦軸に周波数を示している。
図9Aおよび図9Bに示すように、出力時間が0nsから10nsではブレード回転計測用のパルス光が照射され、出力時間が10nsから500nsでは風計測用のパルス光が照射される。図9におけるパルス幅20nsは距離2mに相当し、レーザレーダ装置100から照射されたパルス光が照射されてからブレード903によって反射された反射光がレーザレーダ装置100に受信されるまでの時間を示している。
なお、図9Aおよび図9Bは、図5Cおよび図5Dと同一のデータであることから説明を省略する。
図9Cに示した、漏れ光Eは、照射対象外の領域に照射された光であるレーザレーダ装置100内の漏れ光を示し、受信信号Fはブレード903により反射された反射光を示し、受信信号Gは大気中のエアロゾルによる散乱光を示している。
図9Dは、漏れ光および受信信号を変調周波数f1と変調周波数f2に分離して示している。漏れ光Eaは漏れ光Eのうち変調周波数f1の漏れ光を示し、漏れ光Ebは漏れ光Eのうち変調周波数f2の漏れ光を示している。受信信号Fはブレード903により反射された反射光であることから、変調周波数f2+fdopとなり、漏れ光Eaに対して高周波数側にシフトしている。受信信号Gはエアロゾルによる散乱光であることから、変調周波数f1+fwである。
図9Dにおいて、変調周波数f2の漏れ光である漏れ光Eaが出力時間0nsから10nsの区間でのみ受信されている。これにより、従来では風計測に用いていなかった0nsから10nsの区間において、レーザレーダ装置100が変調周波数f2の送信光を照射していることが分かる。そのため、0nsから10nsの区間の送信光をブレード903の回転計測に用いることができ、出力時間が10ns以降の区間の送信光を風計測に用いることができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号と変調周波数f2に相当する第2の直線位相変調信号とを加算し、2つの周波数成分を有するバースト直線位相変調信号を生成して光位相変調器3に印加し、2つの周波数成分がそれぞれ異なるパルス幅を有するパルス光の生成を指示するパルス生成信号を生成した光強度変調器4に印加し、印加されたバースト直線位相変調信号に基づいて送信光に対して周波数シフトを与える光位相変調器3と、印加されたパルス生成信号を用いて送信光をパルス変調してパルス光を生成する光強度変調器4とで構成された変調ユニット20と、送信光が大気中に照射された後、レーザレーダ装置100から短距離地点に位置するブレード903で反射された反射光、およびレーザレーダ装置100から長距離地点に位置するエアロゾルによって反射された後方散乱光を受信し、受信信号を周波数分離して変調周波数f1の受信信号から風速計測を行い、変調周波数f2の受信信号からブレード903の回転計測を行う信号処理ユニット30を備えるように構成したので、送信光1パルス内で変調周波数を可変とすることができ、送信光1パルスで短距離地点と長距離地点での検出を両立することができる。すなわち、レーザレーダ装置のみで、風車の回転数の計測および風車位置における風速の計測を行うことができる。よって、送信光1パルス内での計測分解能を向上させることができ、レーザレーダ装置の高分解能化を実現することができる。
レーザレーダ装置100のみでブレードの回転速度および風車位置での風速を計測することができるので、ブレードの回転計測センサを備えていない風車にも本願発明のレーザレーダ装置を適用することにより、微風時の風車の起動を効率良く行うことができ、風力発電の効率を高めることができる。
また、この実施の形態1によれば、変調ユニット20が、変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号をパルス光の主領域のバーストパルスとして生成する第1の信号生成部21と、従来測定には未使用であったパルス光のエネルギーが小さい領域、即ちパルス光の立ち上がり領域に変調周波数f2に相当する第2の直線位相変調信号をバーストパルスとして生成する第2の信号生成部22とを備えるように構成したので、従来測定には未使用であったパルス光の立ち上がり領域、すなわちパルス光の光強度が低い領域を、短距離地点でのブレードの回転計測に用いることができ、送信光の1パルスを効率良く使用することができる。
また、この実施の形態1によれば、送信光の1パルス内の立ち上がり領域に変調周波数f2に相当する第2の直線位相変調信号を生成し、主領域に変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号を生成するように構成したので、風車のブレードによる反射光は計測距離が短いため、送信光の1パルス内に戻り光が生じるが、風計測用の変調周波数f1成分とブレードの回転計測用の変調周波数f2成分とが異なることから、周波数分離が可能となり、1パルスの送信光で風計測と回転計測の双方を行うことができる。
また、この実施の形態1によれば、ブレードが通過する際のドップラ速度Vdopと、ブレードの通過速度Vhubとを用いてブレードの回転速度を検出するブレード回転速度検出部37を備えるように構成したので、ブレードの回転速度を高精度に算出することができる。また、ブレードの回転速度を、ブレードが通過する際のドップラ信号と、ブレードの通過間隔との2種類の情報を用いて算出することから、高精度な算出を行うことができる。
また、この実施の形態1によれば、光強度変調器として半導体光増幅器を適用するように構成したので、当該光強度変調器において送信光の損失が抑制され、レーザレーダ装置の高出力化を実現することができる。
なお、上述した実施の形態1では、第1の光アンテナ9および第2の光アンテナ10の2つの光アンテナを備える場合(以下、2視線と称する)を例に示したが、2視線に限定されるものではなく、光スイッチ7を設けずに1視線に適用可能であり、さらに光スイッチ7の分岐経路を増加させることにより多視線にも適用可能である。以下に示す実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、バースト直線位相変調にパルスの立ち上がり領域にブレード回転計測用の変調信号を印加し、パルスの主領域に風計測用の変調信号を印加し、2種類の変調信号を印加することにより、1パルス内で風計測およびブレード回転計測を実現する構成を示したが、この実施の形態2ではパルスの後段領域にパルス主領域と異なる周波数の変調信号を印加し、RFスイッチにより漏れ光を抑圧する構成を示す。
図10は、実施の形態2に係るレーザレーダ装置100aの構成を示すブロック図である。
この実施の形態2では、実施の形態1で示したレーザレーダ装置100の信号処理ユニット30内にRFスイッチ38を追加して設け、信号処理ユニット30aを構成している。なお、以下では、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
第1の信号生成部21および第2の信号生成部22は、実施の形態1と同様に第1の直線位相変調信号および第2の直線位相変調信号を生成する。信号加算回路23も、実施の形態1と同様に第1の直線位相変調信号と第2の直線位相変調信号とを加算し、2つの周波数成分を有するバースト直線位相変調信号を生成するが、生成したバースト直線位相変調信号は、パルスの主領域に変調周波数f1が設定され、パルスの立ち下り領域に変調周波数f2が設定されるものとする。パルスの立ち下り領域に変調周波数f2が設定される点が実施の形態1と異なる点である。
信号処理ユニット30aに設けたRFスイッチ38は、光受信器12から入力された受信信号のパルス光のうち所定の周波数の受信信号を抑制し、所定の周波数以外の周波数の受信信号をRF分離カプラ31に供給するスイッチを備える。具体的には、受信信号の周波数が送信信号の変調周波数f1または変調周波数f2と同一であった場合には、レーザレーダ装置100a内の漏れ光であると判定し、光受信器12から入力される受信信号のパルス光の入力を抑制する。
ここで、変調ユニット20による周波数シフトの付加処理である位相変調、およびパルス生成信号の印加処理である強度変調の詳細について、図11Aから図11Dを参照して説明する。図11Aから図11Cでは、横軸が時間、縦軸が振幅を示している。図11Dでは、横軸が時間、縦軸が強度を示している。
なお、以下の説明では、一例として光強度変調器4からパルス幅500nsのパルス光を出力させる場合を例に説明する。
第1の信号生成部21が生成する、変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号の一例を図11Aに示している。図11Aの例では、第1の直線位相変調信号の出力時間は0nsから490nsである。
第2の信号生成部22が生成する、変調周波数f2に相当する第2の直線位相変調信号の一例を図11Bに示している。図11Bの例では、第2の直線位相変調信号の出力時間は490nsから500nsである。第2の直線位相変調信号のパルス幅は、レーザレーダ装置100からブレード903の距離に応じて設定される。
信号加算回路23が、図11Aで示した第1の直線位相変調信号と、図11Bで示した第2の直線位相変調信号とを加算することにより、図11Cで示した2つの周波数成分を有するパルス幅500nsのバースト直線位相変調信号を生成する。
第3の信号生成部24は、光位相変調器3から出力される送信光に対して強度変調を行うためのパルス生成信号を生成し、光強度変調器4に印加する。パルス生成信号の一例を図11Dに示している。図11Dで示したパルス生成信号は、光強度変調器4が出力するパルス光が、出力時間が0nsから500nsの範囲で使用可能な光強度とする強度変調信号である。図11Dで示した例において、出力時間が0nsから490nsの範囲Hにおいて風計測に用いるためのパルス光を生成するための強度変調信号が生成される。また、出力時間が490nsから500nsの範囲I(当該範囲Iがパルス光の立ち下り領域に相当する)においてブレード回転計測に用いるためのパルス光を生成するための強度変調信号が生成されている。
次に、実施の形態2に係るレーザレーダ装置100aの動作について説明する。なお、実施の形態2のレーザレーダ装置100aの全体の動作は、図4のフローチャートで示した処理と同一であるため、説明を省略する。図12のフローチャートを参照しながら、実施の形態2に係るレーザレーダ装置100aの受信光に対する処理動作について説明する。なお、以下では実施の形態1に係るレーザレーダ装置100aと同一のステップには図7で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
光受信器12が第1の受信光および第2の受信光をヘテロダイン受信すると(ステップST24)、RFスイッチ38は光受信器12から入力される電気信号の周波数を参照し、受信信号がレーザレーダ装置100a内の漏れ光であるか否か判定を行う(ステップST41)。受信光がレーザレーダ装置100a内の漏れ光である場合(ステップST41;YES)、RFスイッチ38は、受信光を抑圧し(ステップST42)、ステップST41の処理に戻る。一方、受信光がレーザレーダ装置100a内の漏れ光でない場合(ステップST41;NO)、RFスイッチ38は受信光をRF分離カプラ31側に出力する(ステップST43)。
RF分離カプラ31は、ステップST43で入力された受信光である電気信号を2分岐し、第1のバンドパスフィルタ32および第2のバンドパスフィルタ35に出力する(ステップST25)。その後、ステップST26からステップST31の処理と同一の処理を行い、処理を終了する。
図13Aから図13Dは、実施の形態2に係るレーザレーダ装置100aの各変調信号および受信信号の時系列データのイメージを示す図である。図13Aは図11Cで示した変調信号の時系列データと同一であり、図13Bは図11Dで示した光強度の時系列データと同一である。図13Cはレーザレーダ装置100aの受信信号の強度を示し、図13Dはレーザレーダ装置100aの受信信号を周波数別に示した図である。図13Aでは横軸に時間、縦軸に振幅を示している。図13Bおよび図13Cでは横軸に時間、縦軸に強度を示している。図13Dでは横軸に時間、縦軸に周波数を示している。
図13Aおよび図13Bに示すように、出力時間が0nsから490nsの範囲では風計測用のパルス光が照射され、490nsから500nsではブレード回転計測用のパルス光が照射される。図13における20nsは距離2mに相当し、レーザレーダ装置100aから照射されたパルス光が照射されてから風車のブレード903によって反射された反射光がレーザレーダ装置100aに受信されるまでの時間を示している。
なお、図13Aおよび図13Bは、図11Cおよび図11Dと同一のデータであることから説明を省略する。
図13Cに示した、漏れ光Jは、照射対象外の領域に照射された光であるレーザレーダ装置100a内の漏れ光を示し、受信信号Kは風車のブレード903により反射された反射光を示し、受信信号Lは大気中のエアロゾルによる散乱光を示している。
図13Dは、漏れ光および受信信号を変調周波数f1と変調周波数f2に分離して示している。漏れ光Jaは漏れ光Jのうち変調周波数f1の漏れ光を示し、漏れ光Jbは漏れ光Jのうち変調周波数f2の受信信号を示している。受信信号Kは風車のブレード903により反射された反射光であることから、変調周波数f2+fdopとなり、漏れ光Jaに対して高周波数側にシフトしている。受信信号Lはエアロゾルによる散乱光であることから、変調周波数f1+fwとなる。
図13Dにおいて、変調周波数f2の漏れ光である漏れ光Jbが490nsから500nsの区間で受信され、以降の領域でブレード903により反射された反射光およびエアロゾルによる散乱光が受信されていることから、0nsから500nsの範囲において、変調周波数f1および変調周波数f2の受信光を抑圧するRFスイッチ38を設けることにより、レーザレーダ装置100a内の漏れ光による影響を抑制することができる。
また、図13Dにおいて、実際には、漏れ光Jaの受信が開始された瞬間から散乱光の受信信号Lの受信が始まるため、受信信号Kと受信信号Lとが重なることが想定される。この場合でも、受信信号Kと受信信号Lとの周波数成分が異なることから周波数分離が可能となる。
以上のように、この実施の形態2によれば、送信光の1パルス内の主領域に変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号を生成し、立ち下り領域に変調周波数f2に相当する第2の直線位相変調信号を生成する変調ユニット20と、光受信器12から入力される受信光のうち、所定の周波数の受信光を抑制するRFスイッチ38を有する信号処理ユニット30とを備えるように構成したので、レーザレーダ装置内の漏れ光による影響を抑制し、パルス立ち下り領域直後の受信光を用いてブレード903の回転計測を行うことができる。これにより、レーザレーダ装置のみで、風車の回転数の計測および風車位置における風速の計測を行うことができ、レーザレーダ装置の高分解能化を実現することができる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1では、光サーキュレータ6から出力された送信信号を分岐させる光スイッチ7を設ける構成を示したが、この実施の形態3では、送信信号をフィルタで分離する構成を示す。
図14は、実施の形態3に係るレーザレーダ装置100bの構成を示すブロック図である。
この実施の形態3では、実施の形態1で示したレーザレーダ装置100の基準光源1、光スイッチ7および光スイッチ制御信号生成部8に替えて波長可変光源13および波長分離フィルタ14を設けて構成している。なお、以下では、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
実施の形態3のレーザレーダ装置100bは、基準光源として波長可変光源13を適用し、波長分離フィルタ14において視線方向を波長に基づいて切り替える。波長可変光源13として、例えばITLA(Integrable Tunable Laser Assemble)などが適用可能であり、出力光の波長を波長αから波長αに、波長αから波長αに切り替える。波長分離フィルタ14は、例えばDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)などが適用可能であり、波長αのみを第1の光アンテナ9に接続し、その他の波長(例えば、波長α)を第2の光アンテナ10に接続する。このように、基準光源として適用した波長可変光源13の波長の切り替えにより、視線方向の切り替えが行われる。
以上のように、この実施の形態3によれば、出力光の波長の切り替えを行う波長可変光源13と、波長可変光源13の切り替え波長のうち一方の波長を第1の光アンテナ9に接続し、他方の波長を第2の光アンテナ10に接続する波長分離フィルタ14を備えるように構成したので、送信光を分離するための光スイッチが不要となり、レーザレーダ装置の小型化を実現することができる。送信光の分離に機械的な分離動作が用いられないことから、送信光の分離の信頼性を向上させることができる。
実施の形態4.
上述した実施の形態1−3のレーザレーダ装置100,100a,100bは、例えば風車制御システムなどに適用することができる。この実施の形態4では、実施の形態1のレーザレーダ装置100を風車制御システムに適用した場合について示す。
図15は、実施の形態4に係る風車制御システム200の構成を示す機能ブロック図である。
風車制御システム200は、レーザレーダ装置100、制御装置901および駆動装置902で構成される。風車制御システム200は、例えば図1で示した風車900の頂部に搭載され、風車900のブレード903の回転起動をアシストする機能を有する。
レーザレーダ装置100は、実施の形態1で示した構成および機能を備えたレーザレーダ装置であり、風車900に到来する風の風速、および風車900のブレード903の回転を検出する。レーザレーダ装置100の検出結果は、制御装置901に出力される。制御装置901は、レーザレーダ装置100から入力される検出結果を参照し、ブレード903の回転状態および風速に基づいて、ブレード903を回転させるための起動アシストを行うか否か判定を行う。制御装置901は、判定結果に基づいてブレード903の起動アシスト用の電流をON/OFFするための制御信号を駆動装置902に出力する。駆動装置902は、制御装置901から入力される制御信号に基づいて、ブレード903を駆動させる。
図16は、実施の形態4に係る風車制御システム200の動作を示すフローチャートである。
レーザレーダ装置100が図4で示したフローチャートに従って検出した風速およびブレード903の回転速度を検出結果として出力すると(ステップST51)、制御装置901は当該検出結果を参照して、ブレード903が回転状態か否か判定を行う(ステップST52)。ステップST52の回転状態かの判定は、ブレード903の回転速度が0である場合に回転状態でないと判定してもよいし、ブレード903の回転速度が閾値以下である場合に回転状態でないと判定してもよい。
ブレード903が回転状態である場合(ステップST52;YES)、ステップST51の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ブレード903が回転状態でない場合(ステップST52;NO)、制御装置901はさらに検出結果を参照して風車位置における風速が閾値以上であるか判定を行う(ステップST53)。風速が閾値以上でない場合(ステップST53;NO)、ステップST51の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、風速が閾値以上である場合(ステップST53;YES)、制御装置901はブレード903の起動をアシストするための電流の印加を指示する制御信号を出力する(ステップST54)。駆動装置902は、ステップST54で出力された制御信号に基づいて、起動アシスト用の電流を印加する(ステップST55)。
ブレード903の起動アシストが開始されると、制御装置901は駆動装置902の駆動状態を参照し、ブレード903の回転が所定の回転数に到達したか否か判定を行う(ステップST56)。ブレード903の回転が所定の回転数に到達していない場合(ステップST56;NO)、ステップST56の判定処理に戻る。一方、ブレード903の回転が所定の回転数に到達した場合(ステップST56;YES)、制御装置901は起動アシスト用の電流のOFFを指示する制御信号を出力する(ステップST57)。駆動装置902は、ステップST57で出力された制御信号に基づいて、起動アシスト用の電流をOFFにする(ステップST58)。その後、フローチャートはステップST51の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
このように、風車制御システム200は、レーザレーダ装置100の検出結果を参照し、ブレード903が非回転状態であり、且つ閾値以上の風速の風が吹いている場合に、ブレード903の回転起動をアシストするための電流を印加し、ブレード903の回転をアシストする。ブレード903の回転をアシストする電流を印加している間、制御装置901は駆動装置902の駆動状態をモニタし、ブレード903が一定回数回転するための電流が印加された場合には、ブレード903の回転が安定したと判断して、起動アシスト用電流をOFFする制御を行う。
以上のように、この実施の形態4によれば、送信光1パルス内で風車位置における風速とブレード903の回転速度を検出するレーザレーダ装置100と、レーザレーダ装置100の検出結果に基づいてブレード903の起動アシスト用電流の印加を制御する制御装置901と、制御装置901の制御指示に基づいてブレード903の起動アシストを駆動する駆動装置902とを備えるように構成したので、風車に対して微風が吹いている場合に、効率よく風車900のブレード903の回転を起動させることができる。これにより、風車の発電能力を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態4では、風車制御システム200に実施の形態1で示したレーザレーダ装置100を適用する構成を示したが、実施の形態2で示したレーザレーダ装置100a、実施の形態3で示したレーザレーダ装置100bを適用して構成してもよい。
また、上述した実施の形態1から実施の形態4では、レーザレーダ装置を風車に適用する場合を例に示したが、風力により回転する回転体を備えた構造物などにも適用可能である。
上記以外にも、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係るレーザレーダ装置は、送信光の1パルス内で短距離地点での反射光および長距離地点での反射光の周波数分析が可能なため、風車位置における風速および風車の回転の2つの計測値の検出して制御を行う風力発電装置などに適している。
1 基準光源、2 光分岐カプラ、3 光位相変調器、4 光強度変調器、5 光増幅器、6 光サーキュレータ、7 光スイッチ、8 光スイッチ制御信号生成部、9 第1の光アンテナ、10 第2の光アンテナ、11 光カプラ、12 光受信器、13 波長可変光源、14 波長分離フィルタ、20 変調ユニット、21 第1の信号生成部、22 第2の信号生成部、23 信号加算回路、24 第3の信号生成部、30,30a 信号処理ユニット、31 RF分離カプラ、32 第1のバンドパスフィルタ、33 風計測信号処理部、34 風速検出部、35 第2のバンドパスフィルタ、36 ブレード計測信号処理部、37 ブレード回転速度検出部、100,100a,100b レーザレーダ装置、200 風車制御システム、900 風車、901 制御装置、902 駆動装置、903 ブレード。
この発明は、レーザ光を用いて、空間における風速および風向を計測する技術に関するものである。
この発明に係るレーザレーダ装置は、レーザ光を発振する基準光源と、レーザ光を送信光と局発光に分配する光分岐カプラと、第1の周波数成分を有する直線位相変調信号、および前記第1の周波数成分を有する直線位相変調信号とは異なる時間の範囲における第2の周波数成分を有する直線位相変調信号に基づいて、レーザ光の送信光の位相変調を行う光位相変調器と、パルス光を生成するためのパルス光生成信号に基づいて、光位相変調器が位相変調を行った送信光の光強度を変調する光強度変調器と、光強度変調器により光強度が変調された送信光を空間に照射すると共に、当該照射した送信光が第1の地点および第2の地点で反射された反射光を受信する光アンテナと、光アンテナが受信した反射光と局発光とを合波した光をヘテロダイン検波する光受信器と、光受信器のヘテロダイン検波により得られた受信信号を、第1の周波数成分および第2の周波数成分に基づいて分離し、第1の地点および第2の地点における反射光の周波数分析を行う信号処理ユニットを備えるものである。
上述した図4のフローチャートのステップST3で示した周波数シフトの付加処理である位相変調およびステップST4で示したパルス生成信号の印加処理である強度変調の詳細について、図5Aから図5Dを参照して説明する。図5Aから図5Cでは、横軸が時間、縦軸が位相を示している。図5Dでは、横軸が時間、縦軸が強度を示している。
なお、以下の説明では、一例として光強度変調器4からパルス幅500nsのパルス光を出力させる場合を例に説明する。
第1の信号生成部21は、風計測用として、変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号(周期1/f1)を生成し、バーストパルスとして信号加算回路23に出力する。第1の直線位相変調信号の一例を図5Aに示している。図5Aの例では、第1の直線位相変調信号の出力時間は10nsから500nsである。
図9Aから図9Dは、実施の形態1に係るレーザレーダ装置100の各変調信号および受信信号の時系列データのイメージを示す図である。図9Aは図5Cで示した変調信号の時系列データと同一であり、図9Bは図5Dで示した光強度の時系列データと同一である。図9Cはレーザレーダ装置100の受信信号の強度を示し、図9Dはレーザレーダ装置100の受信信号を周波数別に示した図である。図9Aでは横軸に時間、縦軸に位相を示している。図9Bおよび図9Cでは横軸に時間、縦軸に強度を示している。図9Dでは横軸に時間、縦軸に周波数を示している。
ここで、変調ユニット20による周波数シフトの付加処理である位相変調、およびパルス生成信号の印加処理である強度変調の詳細について、図11Aから図11Dを参照して説明する。図11Aから図11Cでは、横軸が時間、縦軸が位相を示している。図11Dでは、横軸が時間、縦軸が強度を示している。
なお、以下の説明では、一例として光強度変調器4からパルス幅500nsのパルス光を出力させる場合を例に説明する。
第1の信号生成部21が生成する、変調周波数f1に相当する第1の直線位相変調信号の一例を図11Aに示している。図11Aの例では、第1の直線位相変調信号の出力時間は0nsから490nsである。
図13Aから図13Dは、実施の形態2に係るレーザレーダ装置100aの各変調信号および受信信号の時系列データのイメージを示す図である。図13Aは図11Cで示した変調信号の時系列データと同一であり、図13Bは図11Dで示した光強度の時系列データと同一である。図13Cはレーザレーダ装置100aの受信信号の強度を示し、図13Dはレーザレーダ装置100aの受信信号を周波数別に示した図である。図13Aでは横軸に時間、縦軸に位相を示している。図13Bおよび図13Cでは横軸に時間、縦軸に強度を示している。図13Dでは横軸に時間、縦軸に周波数を示している。
この発明に係るレーザレーダ装置は、レーザ光を発振する基準光源と、レーザ光を送信光と局発光に分配する光分岐カプラと、第1の周波数成分を有する直線位相変調信号、および前記第1の周波数成分を有する直線位相変調信号とは異なる時間の範囲における第2の周波数成分を有する直線位相変調信号に基づいて、送信光の位相変調を行う光位相変調器と、パルス光を生成するためのパルス光生成信号に基づいて、光位相変調器が位相変調を行った送信光の光強度を変調する光強度変調器と、光強度変調器により光強度が変調された送信光を空間に照射すると共に、当該照射した送信光が第1の地点および第2の地点で反射された反射光を受信する光アンテナと、光アンテナが受信した反射光と局発光とを合波した光をヘテロダイン検波する光受信器と、光受信器のヘテロダイン検波により得られた受信信号を、第1の周波数成分および第2の周波数成分に基づいて分離し、第1の地点および第2の地点における反射光の周波数分析を行う信号処理ユニットを備えるものである。

Claims (8)

  1. レーザ光を発振する基準光源と、
    第1の周波数成分および第2の周波数成分を有する直線位相変調信号に基づいて、前記レーザ光の送信光の位相変調を行う光位相変調器と、
    前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分がそれぞれ異なるパルス幅を有するパルス光を生成するためのパルス光生成信号に基づいて、前記光位相変調器が位相変調を行った送信光の光強度を変調する光強度変調器と、
    前記光強度変調器により光強度が変調された送信光を空間に照射すると共に、当該照射した送信光が第1の地点および第2の地点で反射された反射光を受信する光アンテナと、
    前記光アンテナが受信した受信光と前記レーザ光の局発光とを合波した光をヘテロダイン検波する光受信器と、
    前記光受信器のヘテロダイン検波により得られた受信信号を、前記第1の周波数成分および第2の周波数成分に基づいて分離し、前記第1の地点および前記第2の地点における受信信号の周波数分析を行う信号処理ユニットを備えたレーザレーダ装置。
  2. 前記光位相変調器は、前記第2の周波数成分を前記生成するパルス光の立ち上がり領域に印加することを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記光位相変調器は、前記第2の周波数成分を前記生成するパルス光の立ち下り領域に印加し、
    前記信号処理ユニットは、当該レーザレーダ装置からの漏れ光を抑圧するRFスイッチを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記光強度変調器として、半導体光増幅器を適用したことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記光アンテナは、前記送信光を照射する第1の光アンテナおよび第2の光アンテナを備え、
    前記光強度変調器により変調された送信光の光路を第1の光アンテナと第2の光アンテナとで切り替える光スイッチを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記基準光源は、2波長の前記レーザ光を発振する波長可変光源であり、
    前記アンテナは、前記レーザ光の第1波長の送信光を照射する第1のアンテナと、前記レーザ光の第2波長の送信光を照射する第2のアンテナとを備え、
    前記光強度変調器により変調された送信光の波長に基づいて、前記第1波長の送信光と前記第2波長の送信光に分離して前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナに出力する波長分離フィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  7. 前記信号処理ユニットは、前記第1の周波数成分に基づいて前記第1の地点の風向風速情報を計測する風計測信号処理部と、前記風計測信号処理部が計測した風向風速情報から前記第1の地点の風速を検出する風速検出部と、前記第2の周波数成分に基づいて前記第2の地点に位置する回転部材の回転情報を計測する回転部材計測信号処理部と、前記回転部材計測信号処理部が計測した回転情報から前記回転部材の回転速度を検出する回転速度検出部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  8. ブレードを備えた風車と、
    レーザ光を発振する基準光源と、第1の周波数成分および第2の周波数成分を有する直線位相変調信号に基づいて、前記レーザ光の送信光の位相変調を行う光位相変調器と、前記第1の周波数成分と前記第2の周波数成分がそれぞれ異なるパルス幅を有するパルス光を生成するためのパルス光生成信号に基づいて、前記光位相変調器が位相変調を行った送信光の光強度を変調する光強度変調器と、前記光強度変調器により光強度が変調された送信光を空間に照射すると共に、当該照射した送信光が大気中のエアロゾルおよび前記ブレードで反射された反射光を受信する光アンテナと、前記光アンテナが受信した受信光と前記レーザ光の局発光とを合波した光をヘテロダイン検波する光受信器と、前記第1の周波数成分に基づいて前記風車位置における風向風速情報を計測する風計測信号処理部と、前記風計測信号処理部が計測した風向風速情報から前記風車位置における風速を検出する風速検出部と、前記第2の周波数成分に基づいて前記ブレードの回転情報を計測する回転部材計測信号処理部と、前記回転部材計測信号処理部が計測した回転情報から前記ブレードの回転速度を検出する回転速度検出部とを備えたレーザレーダ装置と、
    前記レーザレーダ装置が検出した前記風車位置における風速と、前記ブレードの回転速度を参照し、前記風速が閾値以上であり、且つ前記ブレードが非回転状態である場合に、前記ブレードの回転起動をアシストする電流を印加する制御を行う制御装置と、
    前記制御装置の制御に基づいて、前記ブレードの回転起動をアシストする電流を印加する駆動装置とを備えた風車制御システム。
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