JPWO2017126052A1 - ホウ素中性子捕捉療法用システム - Google Patents
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Abstract
目標座標における被検者の輪郭の最高点のZ座標の値が、高さリミットを越える場合には(S12:YES)、被検者の輪郭の最高点が高さリミットを越えた分だけZ軸の目標座標値が減じられる(S13)。目標座標における被検者の輪郭の最高点のZ座標の値が、高さリミットを越えない場合には(S12:NO)、上面板の現在の座標からS11で読み込んだ目標座標までの上面板の動作を100等分され、1刻みずつ進めたときの被検者の輪郭の軌跡が計算される(S14)。S14の処理で求めた全軌跡における被検者の輪郭の最高到達点が高さリミットを越えない場合には(S16:NO)、目標座標に向けて上面板の動作を実行する(S17)。
Description
本発明は、被検者のホウ素化合物が取り込まれた患部或いは患部を含む広領域に対して中性子線を照射することで治療を行うホウ素中性子捕捉療法用システムに関する。
被検者が載置される被検者載置部と、その被検者載置部を搬送する搬送装置とを、備えたストレッチャが知られている。斯かるストレッチャにおいては、被検者が載置された被検者載置部を前記搬送装置により搬送した後、その被検者載置部を前記搬送装置上から他の場所に移動させる場合がある。このような移動を簡便なものとする技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたストレッチャ等における載置台のスライド機構がその一例である。この技術によれば、搬送装置により載置台をベッド付近まで移動させた後、スライド機構によりその載置台をベッド中央部まで簡便に移動させることができる。
また、特許文献2には、中性子線を用いて癌等を治療するホウ素中性子捕捉療法システムが提案されている。このホウ素中性子捕捉療法システムでは、中性子線を照射する装置と被検者の身体との相対位置関係が治療部位の決定に関わるため、その位置決めに高い精度が要求される。また、治療対象となる被検者の患部に中性子線の照射口を可能な限り接近させている。
しかし、特許文献2に記載の発明では、被検者の患部に中性子線の照射口を可能な限り接近させているので、被検者と照射口との接触を防止する必要があるという問題点があった。
本発明の目的は、ホウ素中性子捕捉療法に際して十分な精度で位置決めを行うことができ、被検者と照射口との接触を防止することができるホウ素中性子捕捉療法用システムを提供することにある。
本発明の第一態様にかかるホウ素中性子捕捉療法用システムは、中性子線遮蔽に覆われた室内に中性子線照射装置を備え、該中性子線照射装置により被検者のホウ素化合物が取り込まれた患部に対して中性子線を照射することで治療を行うホウ素中性子捕捉療法用システムであって、前記被検者を載置した状態で固定する被検者固定載置部と、前記被検者における前記患部の位置を検出する3次元診断装置と、前記中性子線照射装置に対して位置決めされる照射台と、相互に直交する3つの軸それぞれの方向に関して、前記中性子線照射装置の照射口に対する前記照射台の位置を変化させる位置調整機構と、前記被検者固定載置部が移乗された前記照射台における前記3つの軸それぞれの方向に関する位置を、前記位置調整機構により変化させることで、前記3次元診断装置により検出された前記被検者における前記患部の位置と、前記中性子線照射装置から照射される中性子線の位置とを整合させ、且つ前記患部を前記照射口に対して可及的に接近させる制御部とを備え、前記制御部は、前記照射台の動作によって、前記被検者固定載置部に固定された前記被検者に前記照射口が衝突して傷害を受ける前に前記照射台の動作を変更する衝突回避処理を行うことを特徴とするホウ素中性子捕捉療法用システム。
本発明の第一態様によれば、前記被検者を載置した状態で固定する被検者固定載置部と、前記被検者における前記患部の位置を検出する3次元診断装置と、前記中性子線照射装置に対して位置決めされる照射台と、相互に直交する3つの軸それぞれの方向に関して、前記中性子線照射装置の照射口に対する前記照射台の位置を変化させる位置調整機構と、前記被検者固定載置部が移乗された前記照射台における前記3つの軸それぞれの方向に関する位置を、前記位置調整機構により変化させることで、前記3次元診断装置により検出された前記被検者における前記患部の位置と、前記中性子線照射装置から照射される中性子線の位置とを整合させ、且つ前記患部を前記照射口に対して可及的に接近させる制御部とを、備えたものであることから、ホウ素中性子捕捉療法に特有の要請を十分に満たすことができる。すなわち、ホウ素中性子捕捉療法に際して十分な精度で位置決めを行うホウ素中性子捕捉療法用システムを提供することができる。また、制御部は、照射台の動作によって、被検者固定載置部に固定された被検者に照射口が衝突して傷害を受ける前に照射台の動作を変更するので、被検者と照射口との衝突を防止することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明に用いる図面において、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明の好適な実施の形態であるホウ素中性子捕捉療法用システム10(以下、単に治療用システム10という)の構成の一例を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態の治療用システム10は、例えば、中性子線遮蔽壁に覆われた室12内に、中性子線照射装置14及び照射台16を備えている。室12外に、3次元診断装置18を備えている。室12内外を移動し得る搬送装置20を備えている。また、治療用システム10は、アルミフレーム製カメラ架台6に支持されたカメラ1、カメラ2、カメラ3、カメラ4、及び、カメラ5を備えている。カメラ1〜5は、後述する被検者固定載置部22に固定された被検者8を上方から撮影して、体表面の輪郭3次元データを取得することに使用される。
治療用システム10は、中性子線照射装置14により被検者8(図2等を参照)の患部或いは患部を含む広領域に対して中性子線を照射することで治療を行う。中性子線照射装置14は、例えば、被検者8に対して鉛直上方或いは水平方向等から中性子線を照射する公知の装置である。治療用システム10による治療では、例えば、治療対象となる被検者8の体内に予めホウ素化合物が注入される。患部にホウ素が集積する一定時間の後に、患部或いは患部を含む広領域に対して中性子線照射装置14から中性子線が照射されると、その中性子線がホウ素に捕獲される。中性子線を捕獲したホウ素から発生させられるアルファ線等により、被検者8における腫瘍等の治療が行われる。すなわち、本実施の形態の治療用システム10は、中性子線照射装置14により被検者8の患部に対して中性子線を照射することで、公知のホウ素中性子捕捉療法を実行する。
治療用システム10による治療では、中性子線照射装置14による被検者8に対する中性子線の照射に先立って、3次元診断装置18により、被検者8における患部の位置が検出される。3次元診断装置18は、被検者8の体内の画像を撮影する装置であり、好適には、被検者8の体に対して多方向からX線を照射し、その体を透過してきたX線を検出器で検出して、透過X線量の情報をコンピュータで処理して3次元画像として再構成する公知のX線CT(Computed Tomography)装置である。3次元診断装置18は、公知の磁気共鳴(MRI;Magnetic Resonance Imaging)装置等であってもよい。
本実施の形態においては、3次元診断装置18としてX線CT装置を備えた治療用システム10について説明する。図2に示すように、治療用システム10は、被検者固定載置部22を備えている。治療用システム10による被検者8の治療において、被検者固定載置部22には被検者8が載置されて固定される。被検者固定載置部22は、図4に示すように、平面視において矩形状(長方形状)である平板状の部材(天板)であり、例えば、矩形状の部材の周縁部に、被検者8が載置される上面22a側に向かって突出する縁部が設けられている。すなわち、被検者固定載置部22は、換言すれば、平面視において矩形状である上面のない箱状部材である。治療用システム10による被検者8の治療において、好適には、被検者8は、仰臥の状態で被検者固定載置部22に載置され、図示しない所定の固定具によりその被検者固定載置部22に固定される。そのように被検者固定載置部22に載置され且つ固定された被検者8に対して、図2に示す3次元診断装置18による患部の位置の検出、3次元診断装置18と中性子線照射装置14との間の被検者8の移動、及び中性子線照射装置による前記被検者8の患部に対する中性子線の照射等が行われる。
図1,図3〜図8に示す照射台16は、上部に上面板16aを備えている。上面板16aは、平面視において矩形状(長方形状)である平板状の部材であり、好適には、平面視において被検者固定載置部22と略同じ形状に形成されたものである。上面板16aの表面には、複数の突出部48が設けられている。上面板16aには、被検者固定載置部22が載置され固定される。上面板16aは、中性子線により放射化し難い、或いは放射化したとしてもその放射化を十分小さな値に抑制できる単一材料或いは複合材料から構成されたものである。例えば、鉄板と被検者固定載置部22と勘合させるための樹脂ブロック(ポリカーボネート)からなる。また、炭素繊維強化プラスチック(例えば、カーボン繊維を合成樹脂で硬化させたもの)等の材料から構成してもよい。斯かる材料から構成されることで、上面板16aは、好適には、中性子線照射装置14から照射される中性子線により放射化された場合において、1時間あたりの従事者の被曝(線量当量)が最大でも20mSv以下とされる。本実施の形態において、従事者とは、中性子線照射装置14による被検者8に対する中性子線の照射に際して、室12内において作業に従事する者であり、例えば、診療放射線技師、医師、或いは看護師等である。従事者は、例えば、中性子線照射装置14による被検者8に対する中性子線の照射に際して、被検者8が載置された被検者固定載置部22を搬送装置20から照射台16へ移乗させる。また、従事者は、その照射台16付近で中性子線の照射に関する各種操作を行う。中性子線の照射が行われた後、従事者は、被検者8が載置された被検者固定載置部22を照射台16から搬送装置20へ移乗させる等の作業に従事する。前述のような従事者を想定した場合において、例えば、照射台16の上面板16aに固定された被検者固定載置部22を、中性子線照射装置14における照射口14oの至近距離に位置させ、その照射口14oから1時間中性子線の照射を行った場合において、照射台16の上面板16aの表面における放射化が、従事者の1時間あたりの被曝に換算して最大でも20mSv以下の範囲に収まる材料が選択されて用いられる。
図2は、3次元診断装置18により被検者8の患部の位置が検出される様子を概略的に説明する図である。図2に示すように、3次元診断装置18は、例えば、基台24と、その基台24に対して1方向(図2に示す例ではy軸方向)に移動させられつつ3次元画像を撮影する自走式撮像部26と、3次元画像の撮影に際して被検者8(被検者8が固定された被検者固定載置部22)が載置される寝台28とを備えている。寝台28は、好適には、平面視において矩形状であり、その長手方向が図2に示すy軸方向となるように設けられている。3次元診断装置18は、寝台28を基台24に対して図2に示すy軸方向にスライド移動させるスライド機構30と、寝台28を基台24に対して図2に示すz軸方向に昇降移動させる昇降機構32とを、備えている。
3次元診断装置18による3次元画像の撮影に際して、被検者8は、頭足方向が基台24に対する自走式撮像部26の移動方向(すなわち図2に示すy軸方向)となるように寝台28に仰臥させられる。すなわち、被検者固定載置部22に仰臥の状態で載置され且つ固定された被検者8の頭足方向が基台24に対する自走式撮像部26の移動方向となるように、被検者8が載置され且つ固定された被検者固定載置部22が寝台28に載置され、自走式撮像部26による3次元画像の撮影が行われる。
図3は、照射台16の構成を説明する斜視図である。照射台16は、室12内における中性子線照射装置14の近傍に設置される。上面板16aに固定された被検者固定載置部22は、その中性子線照射装置14における中性子線の照射口14o(図10参照)に対して位置決めされる。
照射台16は、中性子線照射装置14における中性子線の照射口14oに対して上面板16aに固定された被検者固定載置部22の位置決めを行う機構として、位置調整機構34、第1角度調整機構36、及び第2角度調整機構38を備えている。位置調整機構34は、相互に直交する3つの軸(並進軸)それぞれの方向に関して、中性子線照射装置14の照射口14oに対する照射台16の位置を変化させる。図3においては、前記3つの軸を相互に直交するx、y、z軸で示している。z軸方向が鉛直方向に相当する。位置調整機構34は、例えば、中性子線照射装置14の照射口14oに対する照射台16の位置を図3に示すy軸方向及びz軸方向に移動させるyz軸移動用アーム40と、中性子線の照射口14oに対する照射台16の位置を図3に示すx軸方向に移動させるx軸移動用可動軸42とを備えている。x軸移動用可動軸42は、図14に示すX軸モータ622により駆動される。また、yz軸移動用アーム40は、図14に示す第1YZ軸モータ624及び第2YZ軸モータ626により駆動される。
第1角度調整機構36は、前記3つの軸のうち何れか1つの軸と平行である軸を中心として、中性子線の照射方向に対する照射台16の上面板16aの角度を変化させる。例えば、図3に示すx軸と平行な軸を中心として、中性子線の照射口14oからの中性子線の照射方向に対する上面板16aの角度を変化させるピッチング角調整軸44を備えている。第1角度調整機構36による回転中心となる軸は、例えば、平面視(z軸方向に視た場合)において上面板16aの長手方向の中央に位置するx軸に平行な軸であって、その照射台16よりもz軸方向に所定高さに位置する軸である。本実施の形態において、第1角度調整機構36により調整される角度をピッチング角という。換言すれば、上面板16aは、第1角度調整機構36により前記軸まわりに回転させられることで、中性子線の照射方向に対するピッチング角が変化させられるように構成されている。ピッチング角調整軸44は、図14に示すピッチング角調整モータ628により駆動される。
第2角度調整機構38は、前記3つの軸のうち前記1つの軸とは異なる何れか1つの軸と平行である軸を中心として、中性子線の照射口14oからの中性子線の照射方向に対する上面板16aの角度を変化させる。例えば、図3に示すy軸と平行であるローテーション角調整軸46を中心として、中性子線の照射口14oからの中性子線の照射方向に対する上面板16aの角度を変化させる。本実施の形態において、ローテーション角調整軸46を中心とする角度をローテーション角という。換言すれば、上面板16aは、前記ローテーション角調整軸46を中心として回転させられることで、中性子線の照射方向に対するローテーション角が変化させられるように構成されている。ローテーション角調整軸46は、図14に示すローテーション角調整モータ630により駆動される。
前述のように、照射台16は、位置調整機構34、第1角度調整機構36、及び第2角度調整機構38を備えている。従って、中性子線照射装置14の照射口14oに対する上面板16aのx、y、z軸方向の位置が、それぞれ変化可能であると共に、上面板16aのx軸に平行な軸まわりのピッチング角及びy軸に平行な軸まわりのローテーション角を変化可能に構成されている。好適には、図3に示すように、床面と上面板16aとの間に、その床面側から上面板16a側に向かって、前記yz軸移動用アーム40、前記x軸移動用可動軸42、ピッチング角調整軸44、前記ローテーション角調整軸46の順に設けられている。これらyz軸移動用アーム40等は、例えば、後述する制御部60から供給される指令に従って後述する電動モータ等により発生させられる動力により駆動され、上面板16aの移動を実現する。照射台16の上面板16aと前記ローテーション角調整軸46とは機械的に連結されている。
図4〜図8は、照射台16、搬送装置20、及び被検者固定載置部22の構成を示す斜視図である。図4等に示すように、被検者固定載置部22及び上面板16aは、被検者固定載置部22が上面板16aに載置された際に相互に対面させられる部分に、相互に嵌合させられる嵌合構造を備えている。すなわち、上面板16aは、上面板16aから上面側に突出して設けられた複数の突出部48を備えている。突出部48は、上面板16aの短軸方向(図4に示すx軸方向)に延設される突出部である。被検者固定載置部22の下面には、複数の突出部48と嵌合可能な位置に、複数の溝部50が設けられている。溝部50は、被検者固定載置部22の短軸方向(図4に示すx軸方向)に延設された溝部である。被検者固定載置部22が照射台16に載置された際に、照射台16に形成された突出部48と、被検者固定載置部22に形成された溝部50とが相互に嵌合して、照射台16に対する被検者固定載置部22の位置が定められる。突出部48及び溝部50が何れも被検者固定載置部22及び照射台16の短軸方向に長手状に形成されていることで、少なくとも照射台16の上面板16aに対する被検者固定載置部22の長軸方向(図4に示すy軸方向)の移動が抑制される。図8を用いて後述するように、突出部48と溝部50との嵌合位置をずらすことで、図4に示すy軸方向に関して、被検者固定載置部22を照射台16に対してオフセットできるように構成されている。
図4は、被検者固定載置部22が搬送装置20に載置された状態を示している。本実施の形態において、搬送装置20は、被検者8が載置され且つ固定された被検者固定載置部22を、3次元診断装置18と照射台16との間で搬送する。また、搬送装置20は、被検者固定載置部22を上面板16aに移乗させる移乗装置として機能する。図4及び図5に示すように、搬送装置20は、保持部52及びキャスタ部54を備える。保持部52は、被検者固定載置部22を載置した状態で保持し、且つその被検者固定載置部22を3次元診断装置18又は照射台16に移乗させた後に引き抜くことができるフォーク状である。キャスタ部54は、複数の車輪を備え、それら車輪の転動により床面上において搬送装置20を移動させる。搬送装置20は、保持部52に載置された被検者固定載置部22を昇降させる昇降機構を備えたものであってもよい。搬送装置20は、搬送装置20に設けられた昇降機構、図2に示す3次元診断装置18に設けられた昇降機構32、又は位置調整機構34を用いて、被検者8が固定された被検者固定載置部22を、搬送装置20と3次元診断装置18又は照射台16の上面板16aとの間で移乗させる。
以下、図4〜図6を用いて、被検者固定載置部22の、搬送装置20から照射台16の上面板16aへの移乗について説明する。図4〜図8においては、便宜上、被検者8が載置されていない被検者固定載置部22を図示している。治療用システム10による実際の治療においては、被検者8が載置され且つ固定された被検者固定載置部22に関して、以下に説明する移乗が行われる。図4は、被検者固定載置部22が搬送装置20に載置された状態を示している。この状態においては、前記キャスタ部54により搬送装置20が床面上を移動させられ、保持部52に保持された被検者固定載置部22の搬送が行われる。
図5は、搬送装置20の搬送により、被検者固定載置部22が照射台16の上面板16aの鉛直上方に移動した様子を例示している。換言すれば、保持部52により保持された被検者固定載置部22の鉛直下方に、照射台16の上面板16aが位置した状態を例示している。ここで、図5に示すように、照射台16の上面板16aに形成された突出部48と、被検者固定載置部22の下面に形成された溝部50とが、相互に対応する位置となるように、照射台16の上面板16aに対する被検者固定載置部22のx軸方向及びy軸方向の位置が調整される。この状態から、位置調整機構34により、照射台16の上面板16aがz軸方向に上昇させられると、上面板16aが被検者固定載置部22を持ち上げ、搬送装置20の保持部52に対して被検者固定載置部22が離隔させられる。
図6は、被検者固定載置部22の、搬送装置20から照射台16への移乗が完了した状態を例示している。照射台16の上面板16aが被検者固定載置部22を持ち上げ、搬送装置20の保持部52に対して被検者固定載置部22が離隔させられた状態から、搬送装置20が図6に示すx軸方向に移動(退避)させられると、保持部52が被検者固定載置部22の下側から引き抜かれる。この際、照射台16の上面板16aに形成された突出部48と、被検者固定載置部22の下面に形成された溝部50とが、相互に対応する位置とされていたことで、図6に示すように、突出部48と溝部50とが相互に嵌合させられる。
図7は、被検者固定載置部22を載置した上面板16aの位置が、位置調整機構34、第1角度調整機構36、及び第2角度調整機構38により変化させられる様子を示す斜視図である。図8は、図7に示す状態から、突出部48と溝部50との嵌合位置がずらされ、y軸方向に関して被検者固定載置部22が上面板16aに対してオフセットされた様子を示している。図7及び図8においては、区別のために複数の溝部50を、溝部50a、50b、50c、50d、50eで示す。図7及び図8に示すように、上面板16aに載置された被検者固定載置部22は、締結部56により上面板16aに対して固定される。図7に示す状態は、y軸方向に関して被検者固定載置部22の上面板16aに対するオフセットが行われていない状態(y軸オフセット=0mm)を例示している。y軸方向における複数の溝部50相互の間隔(すなわち、前記複数の突出部48相互の間隔)が300mmである場合、突出部48と溝部50との嵌合位置を1つ分ずらす(例えば、図7において溝部50cと嵌合させられていた突出部48に、溝部50dが嵌合させられる位置とする)と、被検者固定載置部22が上面板16aに対して300mmオフセット(y軸方向の位置が変更)される。
図7及び図8では、中性子線照射装置14における中性子線の照射口14o(図10参照)の中心位置をCirで示している。被検者固定載置部22が上面板16aに対してオフセットされると、被検者固定載置部22における、中性子線の照射口14oの中心位置がy軸方向に移動させられる。例えば、図7に示す状態では、中性子線の照射口14oの中心位置Cirが溝部50bと50cとの間に対向する。その状態から突出部48と溝部50との嵌合位置を1つ分ずらすオフセットが行われた状態(図8参照)では、中性子線の照射口14oの中心位置Cirが溝部50cと50dとの間に対向する。すなわち、被検者固定載置部22が上面板16aに対して300mmオフセットされることで、被検者固定載置部22に対する中性子線の照射口14oの中心位置Cirは、y軸方向に関して逆方向に300mm移動する。換言すれば、被検者固定載置部22に載置され且つ固定された被検者8に対する中性子線の照射口14oの中心位置Cirが、y軸方向に関して移動する。このようにして、被検者8を被検者固定載置部22に載置した状態で固定したまま、前記突出部48と溝部50との嵌合位置をずらすこ
とで、被検者8に対する中性子線の照射口14oの中心位置Cirを調整することができる。
とで、被検者8に対する中性子線の照射口14oの中心位置Cirを調整することができる。
図1に示すように、治療用システム10は、制御部60を備えている。次に、図14を参照して、制御部60の電気的構成の一例を説明する。制御部60は、CPU601、ROM602、RAM603、不揮発メモリ604及び位置調整部62を備える。CPU601はRAM603の一時記憶機能を利用しつつ予めROM602に記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより治療用システム10に係る各種制御を実行する。従って、制御部60のCPU601は、照射台16の位置調整機構34、第1角度調整機構36及び第2角度調整機構38を制御する。また、CPU601は、3次元診断装置18及び治療計画ソフトから腫瘍の位置および姿勢角度情報をもらう。CPU601は、中性子線照射装置14には制御上は結合していない。ただし、施術者の指示により、制御部60のCPU601と、中性子線照射装置14の制御部の図示しないCPUとは、互いのタイミングをとる。ROM602は、オペレーティングシステム、各種プログラム及び各種データを記憶している。RAM603は、各種データを一時的に記憶する。不揮発メモリ604は、各種データを記憶し保持する。
位置調整部62には、X軸モータ制御部621、第1YZ軸モータ制御部623、第2YZ軸モータ制御部625、ピッチング角調整モータ制御部627及びローテーション角調整モータ制御部629が設けられている。X軸モータ制御部621はX軸モータ622を制御する。第1YZ軸モータ制御部623は第1YZ軸モータ624を制御する。第2YZ軸モータ制御部625は第2YZ軸モータ626を制御する。ピッチング角調整モータ制御部627はピッチング角調整モータ628を制御する。ローテーション角調整モータ制御部629はローテーション角調整モータ630を制御する。CPU601は、位置調整部62の各制御部を制御する。従って、CPU601からの指令により、各モータが制御されて、上面板16aがx、y、z軸方向への位置の移動と、ピッチング角及びローテーション角の変化の5軸方向へ移動可能に制御される。また、カメラ1〜5の出力は、CPU601に入力される。また、ハンディターミナル605が制御部60に接続され、ハンディターミナル605の出力はCPU601に入力される。ハンディターミナル605には図示外のキー及び表示部等が設けられ、位置調整部62を制御する命令を入力可能である。
また、ハンディターミナル605は、制御部60から着脱式であり、ハンディターミナル605が中性子線照射装置14による中性子線の照射に際しては取り外され、室12外へ持ち出せるように構成されている。また、制御部60のCPU601は、中性子線照射装置14の作動及び3次元診断装置18の作動を制御する。CPU601は、位置調整機構34、第1角度調整機構36、及び第2角度調整機構38の少なくとも1つにより、中性子線照射装置14の中性子線の照射口14oに対する上面板16aの位置を変化させる制御を実行する。具体的には、CPU601は、被検者固定載置部22が移乗された上面板16aにおける3つの軸(図3等に示すx、y、z軸)それぞれの方向に関する位置を、位置調整機構34により変化させる制御を行う。また、CPU601は、被検者固定載置部22が移乗された上面板16aにおけるピッチング角を、ピッチング角調整軸44により変化させる制御を行う。また、CPU601は、被検者固定載置部22が移乗された上面板16aにおけるローテーション角を、前記ローテーション角調整軸46により変化させる制御を行う。以上の制御により、CPU601は、3次元診断装置18により検出された被検者8における前記患部の位置と、中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置とを整合させ、且つ前記患部を中性子線の照射口14oに対して可及的に接近させる制御を行う。
図1に示すように、3次元診断装置18は、その3次元診断装置18による前記3次元画像の撮影に係る座標系に対応する位置を確認するための表示を行う一対の水平方向レーザ64a、64b、及び垂直方向レーザ66を備えている。これら水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66は、必ずしも3次元診断装置18に一体的に備えられてなくともよく、3次元診断装置18が設置された室内に、その3次元診断装置18とは別体として備えられたものでもよい。中性子線照射装置14は、その中性子線照射装置14における中性子線の照射口14oから照射される中性子線の位置を確認するための表示を行う一対の水平方向レーザ68a、68b、及び垂直方向レーザ70を備えている。これら水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70は、必ずしも中性子線照射装置14に一体的に備えられてなくともよく、中性子線照射装置14が設置された室12内に、その中性子線照射装置14とは別体として備えられたものでもよい。本実施の形態において、3次元診断装置18に備えられた一対の水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66、及び中性子線照射装置14に備えられた一対の水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70は、中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置に対して、3次元診断装置18により検出された被検者8における前記患部の位置が必要十分に整合していることを確認するための表示を行う位置表示部に対応する。
3次元診断装置18に備えられた水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66は、好適には、寝台28(被検者8)に対する位置を変更できる可動式の装置であり、制御部60等の制御装置によりその位置が制御される。好適には、後述する図9に併せて示すように、水平方向レーザ64a、64bの垂直方向の位置(z軸方向の位置)が変化させられると共に、垂直方向レーザ66の水平方向の位置(x軸方向の位置)が変化させられる。
図9は、3次元診断装置18により撮影される3次元画像における1断面に相当する画像を例示する図である。図9においては、撮影された被検者8の体における位置表示部による表示位置を併せて例示している。一対の水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66は、3次元診断装置18による被検者8に係る3次元画像の撮影に際して、その被検者8の体に対してレーザ光を照射させることで、3次元画像の撮影に係る座標系に対応する位置を表示させる。図9においては、水平方向レーザ64aによる表示を位置72aで、水平方向レーザ64bによる表示を位置72bで、垂直方向レーザ66による表示を位置74でそれぞれ示している。3次元診断装置18による3次元画像の撮影に際して、一対の水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66により被検者8の体に表示される位置72a、72b、74は、3次元診断装置18の撮影に係る原点(例えばCT原点)Octに対応している。図9においては、前記検出に係る座標系を一点鎖線で示している。例えば、一対の水平方向レーザ64a、64bによる表示位置72a、72bを相互に結んだ直線と、その直線に垂直な直線であって垂直方向レーザ66による表示位置74を通る直線との交点が、3次元診断装置18の撮影に係る原点Octに相当する。
3次元診断装置18により撮影された3次元画像において、被検者8の患部が検出されると、その患部の治療を行うための中性子線の照射領域を定めることができる。すなわち、検出された患部に対応して、中性子線照射装置14による治療計画を立てることができる。この治療計画においては、被検者8の体に対する、中性子線照射装置14から照射される中性子線の照射位置及び照射方向が決定される。前述のように、中性子線照射装置14は、好適には、被検者8に対して鉛直上方から中性子線を照射させる装置であるが、中性子線照射装置14における中性子線の照射口14oに対する被検者8の体の位置及び角度等を変化させることで、中性子線照射装置14から照射される中性子線の照射位置及び照射方向を変化させることができる。
図9においては、前記3次元画像における腫瘍中心位置Ccaを星印で示すと共に、その腫瘍中心位置Ccaにおける治療を効果的に行うための中性子線の位置に対応する前記水平方向レーザ68aによる表示を位置76aで、水平方向レーザ68bによる表示を位置76bで、垂直方向レーザ70による表示を位置78でそれぞれ示している。一対の水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70は、中性子線照射装置14による被検者8に対する中性子線の照射に際して、その被検者8の体に対してレーザ光を照射させることで、中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置を表示させる。すなわち、一対の水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示される位置76a、76b、78は、中性子線照射装置14から照射される中性子線の、被検者8の体に対する照射位置及び照射方向に対応している。従って、3次元診断装置18により撮影された3次元画像に基づいて、中性子線照射装置14による治療計画が立てられ、中性子線照射装置14から照射される中性子線の照射位置及び照射方向が決定されると、その中性子線の照射位置及び照射方向に対応して、一対の水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示される位置76a、76b、78が定まる。図9においては、中性子線の位置に対応する座標系を二点鎖線で示している。
3次元診断装置18により撮影された3次元画像に基づいて、中性子線照射装置14による治療計画が立てられ、中性子線照射装置14から照射される中性子線の照射位置及び照射方向が決定された場合、制御部60は、被検者8における水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66による表示位置72a、72b、74が、中性子線照射装置14による治療に際しての被検者8における水平方向レーザ68a、68b及び前記垂直方向レーザ70による表示位置76a、76b、78と一致するように、水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66の位置を制御する。すなわち、水平方向レーザ64a、64bそれぞれのz軸方向の位置を変更すると共に、垂直方向レーザ66のx軸方向の位置を変更し、レーザ光の照射を行う。この態様によれば、3次元診断装置18による診断において、検出された患部の位置に対応してその位置が変更された水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66の表示位置に目印を付すことで、中性子線照射装置14による治療に際して前記水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70により表示されるべき位置を簡便に示すことができる。
以上に説明したように、3次元診断装置18に備えられた一対の水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66、及び中性子線照射装置14に備えられた一対の水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70は、照射台16における前記3つの軸の方向に対応する座標系に対して、3次元診断装置18により撮影された前記3次元画像の撮像基準点が必要十分に整合していることを確認するための表示を行うものである。治療用システム10による被検者8の治療において、好適には、3次元診断装置18による被検者8に係る3次元画像の撮影に際して、一対の水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66により被検者8の体に表示された位置72a、72b、74に、マーカ等により目印(マーキング)が付される。この目印は、好適には、人的な作業により付されるものであるが、例えば被検者8の体に予めレーザ光に反応して色が変わる素材を塗布しておく等の方法により、人的な作業を要することなく付されるものでもよい。目印の素材には、好適には、3次元診断装置18により撮影された3次元画像上において、被検者固定載置部22の主要素材と目印とが十分に区別される素材が用いられる。
治療用システム10による被検者8の治療において、好適には、中性子線照射装置14による中性子線の照射に先立ち、3次元診断装置18により撮影された3次元画像に基づく患部の位置に対応して、中性子線照射装置14における一対の水平方向レーザ68a、68b及び前記垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示されるべき位置76a、76b、78に、マーカ等により目印が付される。この目印の素材は、3次元診断装置18による診断に係る目印と同じ素材によるものでもよいが、好適には、その材料と少なくとも視覚的に十分に区別される素材が用いられる。
図1に示すように、制御部60は、位置調整部62を備えている。この位置調整部62は、制御部60に機能的に備えられたものでもよいし、その制御部60とは別体の制御装置として備えられたものでもよい。位置調整部62は、3次元診断装置18による患部の位置の検出に際して被検者8に付された、検出に係る位置座標に対応する目印に基づいて、被検者固定載置部22が移乗された上面板16aにおける3つの軸それぞれの方向に関する位置を、位置調整機構34により変化させることで、3次元診断装置18により検出された被検者8における前記患部の位置と、中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置とを整合させる。
位置調整部62は、中性子線照射装置14における水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示されるべき位置76a、76b、78に付された目印に基づいて、中性子線照射装置14による実際の治療に際して、水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示される位置が、目印の付された位置と合致するように位置調整を行う。具体的には、前記水平方向レーザ68a、68b及び前記垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示される位置と、前記目印の付された位置との誤差が、規定の許容範囲内に収まるように、位置調整機構34、第1角度調整機構36、及び第2角度調整機構38の少なくとも1つにより調整を行う。すなわち、照射台16における前記3つの軸の方向に対応する座標系に対する、3次元診断装置18による前記3次元画像の撮像基準点の誤差が、規定の許容範囲内に収まるように調整を行う。位置調整部62による調整は、好適には、施術者が前記水平方向レーザ68a、68b及び前記垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示される位置と、前記目印の付された位置とのずれを視覚的に確認しつつ人的な操作により行われるものであるが、撮像装置により被検者8の体を撮影し、撮影された画像における前記目印が付された位置とレーザ光の照射位置とが合致するように自動的に調整を行うものであってもよい。
以下、治療用システム10による具体的な治療の一例を詳細に説明する。治療用システム10による治療では、先ず、3次元診断装置18により被検者8の体内の3次元画像が撮影され、その3次元画像に基づいて治療計画が立てられる。3次元診断装置18による診断では、先ず、3次元診断装置18における寝台28に被検者固定載置部22が載置される。次に、その被検者固定載置部22の上に被検者8が仰臥させられると共に、専用の固定具にて被検者固定載置部22に固定される。次に、水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66により、被検者8の体に対して3次元診断装置18の撮影開始位置(例えば、CT原点)が表示され、その表示された位置72a、72b、74に目印(マーキング)が付される。次に、3次元診断装置18により撮影された3次元画像から患部(例えば、腫瘍)の輪郭が抽出され、その患部の中心座標及び中性子線照射角度等の、治療に係る中性子線の位置が決定される。次に、決定された中性子線の位置に対応して、制御部60により、水平方向レーザ64a、64b及び垂直方向レーザ66の位置が変化させられる。これにより、被検者8の体表面における中性子線入射位置及び照射軸に直交する左右側面から見た腫瘍中心位置72a、72b、74(すなわち、中性子線照射装置14による治療に際しての位置76a、76b、78)が表示される。この3箇所に、新たに目印(マーキング)が付される。次に、3次元診断装置18による診断に係る、被検者固定載置部22上における患部の中心(例えば、腫瘍中心)の位置座標(例えば、xyz座標)及び被検者8の姿勢に関する情報(例えば、ピッチング角及びローテーション角に相当する情報)が、制御部60(照射台16の制御システム)に対して出力される。制御部60では、この被検者固定載置部22上における患部の中心の位置座標及び被検者8の姿勢に関する情報が不揮発メモリ604(図14参照)に記憶される。
3次元診断装置18による診断に続いて、被検者8が載置され且つ固定された被検者固定載置部22が、その被検者8が固定された状態のまま、3次元診断装置18から照射台16の上面板16aへ搬送装置20により搬送され、移乗させられる。先ず、3次元診断装置18における寝台28のy軸方向及びz軸方向の位置が、スライド機構30及び昇降機構32により移乗用の位置に移動させられる。次に、搬送装置20が移動させられ、フォーク状の保持部52が、被検者固定載置部22における溝部50と寝台28との隙間に挿し込まれる。次に、昇降機構32により寝台28がz軸方向に下降させられ、被検者固定載置部22が搬送装置20の保持部52により保持された状態とされる。次に、被検者固定載置部22を載置した状態で搬送装置20が、中性子線照射装置14が設置された室12へ移動させられる。次に、制御部60にて、3次元診断装置18による診断において出力された座標値、及び上面板16aに対する被検者固定載置部22のy軸方向のオフセット位置が確認される。次に、確認されたオフセット位置に対応して、保持部52により保持された被検者固定載置部22が、上面板16aの上方に位置させられる。次に、位置調整機構34により、上面板16aがz軸方向に上昇させられる。これにより、被検者固定載置部22が上面板16a上に載置され、突出部48と溝部50とが前記オフセット位置において嵌合した状態とされる。次に、搬送装置20が移動させられ、フォーク状の保持部52が被検者固定載置部22の下方から引き抜かれた後、室12外へ退出(退避)させられる。
搬送装置20による被検者固定載置部22の上面板16aへの移乗に続いて、被検者8の体に付された目印(マーキング)と、前記水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70による表示位置とに基づいて、中性子線照射装置14による中性子線の照射に係る位置合わせが行われる。図10は、この位置合わせの様子を概略的に示す図である。先ず、3次元診断装置18による撮影に係る撮像基準点(例えば、CT原点)が、前記水平方向レーザ68a、68bの表示位置を結ぶ直線と、その直線に垂直な直線であって前記垂直方向レーザ70の表示位置を通る直線との交点(以下、レーザポインタ交点という)に合致するように、位置調整機構34等により上面板16aが移動させられる。次に、撮像基準点に対応して付された目印(マーキング)と、水平方向レーザ68a、68b及び垂直方向レーザ70による表示位置との照合が行われ、位置がずれている場合には、位置調整部62による例えば人的な操作により位置調整が行われる。次に、3次元診断装置18による診断において出力された被検者8の姿勢に関する情報に基づいて、第1角度調整機構36及び第2角度調整機構38により、中性子線の照射口14oに対する上面板16aのピッチング角及びローリング角が変更される。以上の位置調整により、制御部60に出力されたデータ上における前記患部の中心位置が、前記レーザポインタ交点に合致するように上面板16aが移動させられる。次に、前記水平方向レーザ68a、68b及び前記垂直方向レーザ70により被検者8の体に表示される位置と、前記患部に対応して被検者8の体に付された目印(マーキング)の位置との照合が行われ、位置がずれている場合には、施術者がハンディターミナル605を操作して、位置調整部62による位置調整が行われる。すなわち、目印の付された位置との誤差が、規定の許容範囲内に収まるように、位置調整機構34、第1角度調整機構36、及び第2角度調整機構38の少なくとも1つにより調整が行われる。好適には、この位置調整に係るピッチング角及びローリング角の中心(回転中心)は、レーザポインタ交点とされる。
中性子線照射装置14による中性子線の照射に係る位置合わせに続いて、その中性子線照射装置14による中性子線の照射すなわちホウ素中性子捕捉療法が行われる。先ず、施術者がハンディターミナル605を操作すると、位置調整部62による制御により上面板16aがz軸方向に上昇し、被検者8の患部が中性子線の照射口14oに対して可及的に接近する。次に、制御部60におけるハンディターミナル605が取り外され、そのハンディターミナル605と共に施術者が室12外へ退出(退避)する。次に、中性子線照射装置14により被検者8の患部に対して中性子線の照射が行われる。次に、搬送装置20が室12内へ移動させられ、第1角度調整機構36及び第2角度調整機構38等により、上面板16aが水平に戻される。次に、被検者固定載置部22の下方にフォーク状の保持部52が挿し込まれる位置に搬送装置20が移動させられ、位置調整機構34により上面板16aがz軸方向に下降させられる。これにより、被検者固定載置部22が搬送装置20の保持部52により保持された状態とされる。そして、被検者8が固定された被検者固定載置部22が、室12の外へ搬送される。
以下、中性子線照射装置14による中性子線の照射に係る位置合わせ制御のアルゴリズムについて、(1)式〜(13)式等を参照しつつ詳しく説明する。以下の説明は、あくまで好適な制御の一例を示すものであり、他のアルゴリズムによって同様の位置合わせ制御が実現されるものでもよい。先ず、治療計画として、被検者固定載置部22上におけるCT原点及び腫瘍中心(患部中心)のxyz座標と、治療姿勢に係る情報とが与えられる。例えば、CT原点の座標として(Xct, Yct, Zct)、腫瘍中心の座標として(Xiso, Yiso, Ziso)、ピッチング角としてP0、ローリング角としてR0、及びy軸オフセット量として300×S等の情報が与えられる。
次に、被検者固定載置部22に係る座標系(以下、天板座標系という)から、照射台16に係る座標系(以下、照射台座標系)への変換が行われる。照射台座標系から見た天板座標系の原点は、例えば(−200, 300×S−850, 187.75)である。従って、原点の平行移動を次の(1)式で、座標の定義が異なるために変換することを目的としたx軸まわりの90°回転を次の(2)式でそれぞれ定義すると、天板座標系におけるCT原点Mは、照射台座標系において次の(3)式のように表される。
次に、CT原点に対応する位置への上面板16aの移動について考える。中性子線照射装置14による中性子線の照射時における上面板16aの床面からの高さを1200mmとすると、照射台座標系から見たレーザポインタ交点Lは、例えば(0, 500, 521)である。このLを次の(4)式のように定義すると、CT原点Mをレーザポインタ交点Lへ合致させるように平行移動させる際のxyz軸制御目標値は、L−Mと表される。CT原点に対応する位置への上面板16aの移動では、位置調整機構34により、その上面板16aにおける各軸に関する位置が、この値に対応する位置に移動させられる。
次に、CT原点に対応する位置への上面板16aの手動による位置調整について考える。上面板16aにおけるローテーション角調整軸46(以下、R軸という)の回転中心は、例えば原点と同じ高さとされる。上面板16aにおけるピッチング角調整軸44(以下、P軸という)の回転中心は、例えば原点から118mm鉛直上方とされている。ここで、C=(0, 0, 118)とし、照射台座標における各軸に係る移動を同次変換行列として次のように定義する。すなわち、平行移動を次の(5)式で、R軸回転を次の(6)式で、P軸回転を次の(7)式で、それぞれ定義すると、CT原点の手動調整にて(X1, Y1, Z1, P1, R1)の補正を実施した後のCT原点Maは、次の(8)式で表される。ここで、CT原点の計画位置からのxyz座標の誤差(Ma−M)及び角度の誤差P1、R1は、主に天板座標系のパターン認識や、被検者固定載置部22と上面板16aとの嵌合精度(突出部48と溝部50との嵌合に係る精度)の誤差として解釈できる。
次に、腫瘍中心に対応する位置への上面板16aの移動について考える。制御軸原点位置が(0, 0, 0, 0, 0)である場合の計画位置としての腫瘍中心Nは、CT原点Mと同様に、次の(9)式で表される。手動調整により、CT原点について(X1, Y1, Z1, P1, R1)の移動を行った結果として、実際の腫瘍中心が指示データ上の座標Nに位置することになる場合、この腫瘍中心に対応する座標Nを照射台原位置のときの座標に一旦戻すと、その腫瘍中心の座標Naは次の(10)式で表される。次に、この腫瘍中心Naをレーザポインタ交点Lへ合わせるときの姿勢、すなわちピッチング角P0+P1、ローテーション角R0+R1へ回転させた座標Nbは、次の(11)式で表される。P軸及びR軸に係る回転後の腫瘍中心Nbをレーザポインタ交点Lへ平行移動する際のxyz軸制御目標値は、L−Nbとなる。
次に、腫瘍中心に対応する位置への上面板16aの手動による位置調整について考える。手動調整により、腫瘍中心の座標について(X2, Y2, Z2, P2, R2)の補正を行った場合、手動調整後の腫瘍中心Ncは、次の(12)式で表される。ここで、腫瘍中心のxyz座標の誤差(Nc−Nb)及び角度の誤差P2、R2は、主にP軸及びR軸の姿勢変更に対する被検者8の体位のぶれや、上面板16aのたわみ等による誤差と解釈できる。
以上のようにして算出される位置への上面板16aの移動では、先ず、位置調整機構34により、上面板16aがz軸方向に上昇させられる。このz軸方向の上昇に係る制御目標値は、被検者8の体を中性子線の照射口14oに可及的に接近させつつ、被検者8の体が中性子線の照射口14oに接触しない高さとする必要がある。具体的には、中性子線の照射口14oが床面から1500mm、照射台座標でz=821mmである場合、(a)腫瘍中心Ncが中性子線の照射口14oから100mm下方となる位置、(b)被検者固定載置部22における四隅の最高点が中性子線の照射口14oから200mm下方となる位置の、何れか低い方が制御目標値として設定される。好適には、前記腫瘍中心Ncは、そのz軸成分により規制される。例えば、z軸制御目標値Zmaxが、721からNcのz成分を引いた値よりも小さくなるように、すなわちZmax<721−(Ncのz成分)となるように規制される。前記腫瘍中心Ncは、被検者固定載置部22における四隅の最高点により規制される。例えば、原位置のときの四隅の座標Aは(±230, ±1000+300×S, 281)であり、P角及びR角回転後の座標Aaは、次の(13)式で表される。z軸制御目標値Zmaxが、621から4つのAaのz成分のうち最高点に相当する値よりも小さくなるように、すなわちZmax<621−(4つのAaのz成分のうち最高点)となるように規制される。
上記のようにして位置調整機構34による上面板16aの移動が行われた後、位置調整部62により、上面板16aの手動による位置調整が行われ、中性子線の照射口14oに対する上面板16aの位置及び被検者固定載置部22に固定された被検者8の姿勢が最終決定される。例えば、施術者の手動操作により、被検者8の体が中性子線の照射口14oに可及的に接近する位置まで上面板16aが上昇させられる。更に、前記3つの軸方向、P軸及びR軸まわりの回転方向の位置調整が行われ、被検者固定載置部22に固定された被検者8の姿勢が最終決定される。この手動調整にて(X3, Y3, Z3, P3, R3)の補正が実行される。
以上の制御において、好適には、制御部60に備えられた記憶部に、制御に係る情報がログとして記憶される。例えば、所定の記憶媒体に読み込まれたデータ、CT原点の手動調整値(X1, Y1, Z1, P1, R1)、腫瘍中心の手動調整値(X2, Y2, Z2, P2, R2)、最終調整値(X3, Y3, Z3, P3, R3)、及び位置決め手順の各ステップを実行した日時等の情報が記憶される。
図11は、上面板16aの位置調整に係る各部の移動速度を、図12は、上面板16aの位置調整に係る各部のパルス数を、それぞれ例示する図である。図13は、上面板16aの位置調整において、yz軸方向に係るステップ量が一定である場合のz軸座標及びz軸方向の速度を例示する図である。図13に示すように、z軸方向の移動では、可動範囲の上方と下方とで、上記実施の形態の照射台16の装置寸法では、yz軸の動きに対応する昇降速度が、同一のモータ回転速度でも、約4倍程度異なる。z軸移動の際の第1YZ軸モータ624と第2YZ軸モータ626の動かし方の比(回転量の比)は一定となる。この比はyz軸移動用アーム40の構造、寸法に依存する。 z軸方向の高さによらずyz軸の速度を一定とする場合、被検者8の体がレーザポインタ交点付近となる高さ(例えば、z=200mm)で、他の軸に近い速度となるようにパルス数が設定される。z軸方向の移動に関しては、yz1、yz2のパルス数設定が整数となるような1:αの比率で設定すると、積算誤差によるy軸移動量が小さい。例えば、yz1:yz2=37:237が最適な比である。上面板16aと搬送装置20との移乗における自動昇降動作においては、比較的低速でのz軸方向の移動が求められるため、それ以外の位置調整に係るz軸方向の移動速度の1/3程度の速度とされる。このようにして、上面板16aの位置調整に係る各部の移動速度及びパルス数として、図11及び図12に示すような値が好適な値として設定される。
次に、図23を参照して、yz軸移動用アーム40を構成する第1YZ軸アーム41と、第2YZ軸アーム43の制御方法について説明する。図23では、各アームを簡略化して線図で示している。図23に示すように、第1YZ軸アーム41と、第2YZ軸アーム43とを、各々、q:pの比で分割した分割点40aで連結し、第1YZ軸モータ624が第1YZ軸アーム41を制御し、第2YZ軸モータ626が第2YZ軸アーム43を制御する。基本動作として、第1YZ軸アーム41の上端部の点41b(x4,h)と第2YZ軸アーム43bの上端部の点43b(x3,h)との上に積載される上部構造部の中心位置を変更せずに、高さすなわちhを上昇、下降する方法を説明する。
まず三角形の相似則より、
次に、各アームの下端部の点41a(x1,0)と点43a(x2,0)との中点と、上部二つの点の中点は、x方向座標は一致することから、
式Aと式Bを連立させて、x3、x4について解くと、
上部構造の中心を変えずに上昇・下降するというのは、装置構造上、x3を変えずにhを動かすということになる。従って、第1YZ軸モータ624、第2YZ軸モータ626による移動量を夫々Δ1、Δ2とすると、x3の分子が恒等的に“0”と置く恒等式となるので、
上式のように、Δ1、Δ2を常に上式の比率で動かすことに、上部構造の中心位置を同一に保つことができる。
次に、高さ移動スピードの制御について説明する。図23に示す第1YZ軸アーム41と第2YZ軸アーム43との分割点40a、点41a及び点43aが形成する下部三角形40bに、ピタゴラスの定理を当てはめると、
以上の計算により、Lによって大幅にスピードが変化することが分かる。またそのスピードの変化は、x1、x2の位置ではなく、x1とx2間の距離で決定する。
本実施の形態によれば、被検者8を載置した状態で固定する被検者固定載置部22と、被検者8における患部の位置を検出する3次元診断装置18と、中性子線照射装置14に対して位置決めされる上面板16aと、相互に直交する3つの軸それぞれの方向に関して、中性子線照射装置14の中性子線の照射口14oに対する上面板16aの位置を変化させる位置調整機構34と、被検者固定載置部22が移乗された上面板16aにおける前記3つの軸それぞれの方向に関する位置を、位置調整機構34により変化させることで、3次元診断装置18により検出された被検者8における前記患部の位置と、中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置とを整合させ、且つ前記患部を中性子線の照射口14oに対して可及的に接近させる制御部60とを、備えたものであることから、ホウ素中性子捕捉療法に特有の要請を十分に満たすことができる。すなわち、ホウ素中性子捕捉療法に際して十分な精度で位置決めを行うホウ素中性子捕捉療法用システム10を提供することができる。
被検者8が載置され且つ固定された被検者固定載置部22を、3次元診断装置18と上面板16aとの間で移乗させる移乗装置としての搬送装置20を備えたものであるため、ホウ素中性子捕捉療法に際して簡便な移乗を実現すると共に十分な精度で位置決めを行うことができる。
3次元診断装置18による前記患部の位置の検出に際して、被検者固定載置部22に載置され且つ固定された被検者8に付された、前記検出に係る位置座標に対応する目印に基づいて、被検者固定載置部22が移乗された上面板16aにおける前記3つの軸それぞれの方向に関する位置を、位置調整機構34により変化させることで、3次元診断装置18により検出された被検者8における前記患部の位置と、中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置とを整合させる位置調整部62を備えたものであるため、ホウ素中性子捕捉療法に際して簡便且つ十分な精度で位置決めを行うことができる。
前記3つの軸のうち何れか1つの軸と平行である軸を中心として、中性子線の照射方向に対する上面板16aの角度を変化させる第1角度調整機構36と、前記3つの軸のうち前記1つの軸とは異なる何れか1つの軸と平行である軸を中心として、中性子線の照射方向に対する上面板16aの角度を変化させる第2角度調整機構38とを、備えたものであるため、より簡便且つ高い精度でホウ素中性子捕捉療法に係る位置決めを行うことができる。
被検者固定載置部22及び上面板16aは、被検者固定載置部22が上面板16aに移乗させられた際に相互に対面させられる部分に、相互に嵌合させられる嵌合構造としての突出部48及び溝部50を備えたものであるため、上面板16aに対する被検者固定載置部22の位置を簡便且つ高い精度で定めることができる。
3次元診断装置18は、被検者8の体内の画像を撮影する装置であり、前記目印の素材には、3次元診断装置18により撮影された前記画像において、被検者固定載置部22の主要素材と前記目印とが十分に区別される素材が用いられるものであるため、簡便且つ実用的な態様でホウ素中性子捕捉療法に係る位置決めを行うことができる。
前記移乗装置として、被検者固定載置部22を載置した状態で搬送する搬送装置20を備え、その搬送装置20は、被検者固定載置部22を保持し、且つその被検者固定載置部22を3次元診断装置18又は上面板16aに移乗させた後に引き抜くことができる保持部52を備え、搬送装置20に設けられた昇降機構、3次元診断装置18に設けられた昇降機構32、又は位置調整機構34を用いて、被検者8が固定された被検者固定載置部22を、搬送装置20と3次元診断装置18又は上面板16aとの間で移乗させるものであるため、被検者8が固定された被検者固定載置部22を、簡便且つ実用的な態様で、搬送装置20と3次元診断装置18又は上面板16aとの間で移乗させることができる。
中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置に対して、3次元診断装置18により検出された被検者8における前記患部の位置が必要十分に整合していることを確認するための表示を行う位置表示部としての水平方向レーザ64a、64b、垂直方向レーザ66等と、その位置表示部による表示に基づいて、中性子線照射装置14から照射される中性子線の位置に対する、3次元診断装置18により検出された被検者8における前記患部の位置の誤差が、規定の許容範囲内に収まるように、位置調整機構34、第1角度調整機構36、及び第2角度調整機構38の少なくとも1つにより調整を行う位置調整部62とを備えたものであるため、簡便且つ実用的な態様でホウ素中性子捕捉療法に係る位置決めを行うことができる。
位置表示部は、3つの軸の方向に対応する座標系に対して、3次元診断装置18による前記画像の撮像基準点が必要十分に整合していることを確認するための表示を行うものであり、位置調整部62は、前記位置表示部による表示に基づいて、上面板16aにおける前記3つの軸の方向に対応する座標系に対する、3次元診断装置18による前記画像の撮像基準点の誤差が、規定の許容範囲内に収まるように調整を行うものであるため、簡便且つ実用的な態様でホウ素中性子捕捉療法に係る位置決めを行うことができる。
上面板16aは、中性子線照射装置14から照射される中性子線により放射化された場合において、1時間あたりの従事者の被曝が最大でも20mSv以下の材料から構成されたものであるため、上面板16aの材料として、中性子線により放射化し難い、或いは放射化したとしてもその放射化を十分小さな値に抑制できる材料を用いることで、被検者8及び医療従事者の被曝を可及的に抑制することができる。
<衝突回避処理>
次に、照射口14oに被検者8の体が誤接触することを防止する衝突回避処理について説明する。この衝突回避処理は、CPU601がシミュレーションにより、被検者8の体の表面の輪郭の3次元データの軌跡の可動範囲を求めて、上面板16aの動作を変更するソフトウェアリミット処理を行うものである。即ち、衝突回避処理は、被検者固定載置部22に固定された被検者8の体の輪郭の形状を3次元的に計測し、照射台16の動作に伴う被検者8の体の輪郭の空間的位置を推定して、衝突回避処理を行う。予め被検者8の体表面が上面板16aからどのくらいの高さであるかという情報を得られれば、上面板16aがz軸方向に上昇する際に、治療部位直上に存在する中性子線の照射口14oへの被検者8の体表面の誤接触による受傷を未然に防ぐように、上面板16aの可動範囲を制限することができる。被検者8の体表面の輪郭3次元データの取得手段として、図15に示すように、複数の光学式のカメラ1〜5からの画像によって被検者8の全身の体表面の輪郭の3次元データを取得する。一例としては、アルミフレーム製カメラ架台6の上部にカメラ1〜5を設ける。一例として、床から2.5mの高さに円弧上に配置した5台のカメラ1〜5が設置されている。カメラ1〜5の一例としては、デジタル式一眼レフカメラを用いることができる。この衝突回避処理では、被検者固定載置部22に固定された被検者8を複数の角度から撮影した画像をステレオカメラの原理で3次元再構成することで被検者8の体表面の輪郭を求める。
次に、照射口14oに被検者8の体が誤接触することを防止する衝突回避処理について説明する。この衝突回避処理は、CPU601がシミュレーションにより、被検者8の体の表面の輪郭の3次元データの軌跡の可動範囲を求めて、上面板16aの動作を変更するソフトウェアリミット処理を行うものである。即ち、衝突回避処理は、被検者固定載置部22に固定された被検者8の体の輪郭の形状を3次元的に計測し、照射台16の動作に伴う被検者8の体の輪郭の空間的位置を推定して、衝突回避処理を行う。予め被検者8の体表面が上面板16aからどのくらいの高さであるかという情報を得られれば、上面板16aがz軸方向に上昇する際に、治療部位直上に存在する中性子線の照射口14oへの被検者8の体表面の誤接触による受傷を未然に防ぐように、上面板16aの可動範囲を制限することができる。被検者8の体表面の輪郭3次元データの取得手段として、図15に示すように、複数の光学式のカメラ1〜5からの画像によって被検者8の全身の体表面の輪郭の3次元データを取得する。一例としては、アルミフレーム製カメラ架台6の上部にカメラ1〜5を設ける。一例として、床から2.5mの高さに円弧上に配置した5台のカメラ1〜5が設置されている。カメラ1〜5の一例としては、デジタル式一眼レフカメラを用いることができる。この衝突回避処理では、被検者固定載置部22に固定された被検者8を複数の角度から撮影した画像をステレオカメラの原理で3次元再構成することで被検者8の体表面の輪郭を求める。
<被検者8と被検者固定載置部22の撮影>
次に、図16のフローチャートを参照して、被検者8の輪郭データの作成処理について説明する。初めに、制御部60のCPU601がROM602に記憶されたカメラ制御ソフトウエアを読み出し、カメラ1〜5を制御して、被検者8の載った搬送装置20の位置を頭足方向に移動させながら7回撮影し、合計35枚の高精細画像を取得する(S1)。
次に、図16のフローチャートを参照して、被検者8の輪郭データの作成処理について説明する。初めに、制御部60のCPU601がROM602に記憶されたカメラ制御ソフトウエアを読み出し、カメラ1〜5を制御して、被検者8の載った搬送装置20の位置を頭足方向に移動させながら7回撮影し、合計35枚の高精細画像を取得する(S1)。
<被検者8の全身の3次元再構成データの作成>
S1の処理で撮影した35枚の高精細画像を3次元再構成することにより被検者8の全身の3次元データを作成する(S2)。具体的には、制御部60のCPU601がROM602に記憶された画像解析ソフトウエアを読み出し、S1の処理で取得された35枚の高精細画像に基づいて、画像解析ソフトウエアによる輪郭形状の3次元再構成による3次元データの作成を行う(S2)。画像解析ソフトウエアの一例としては、Agisoft社のPhotoscan(商標)である。Photoscan(商標)から出力される被検者8の3次元データは、ply形式というRGB色情報付きの3次元点群データである。
S1の処理で撮影した35枚の高精細画像を3次元再構成することにより被検者8の全身の3次元データを作成する(S2)。具体的には、制御部60のCPU601がROM602に記憶された画像解析ソフトウエアを読み出し、S1の処理で取得された35枚の高精細画像に基づいて、画像解析ソフトウエアによる輪郭形状の3次元再構成による3次元データの作成を行う(S2)。画像解析ソフトウエアの一例としては、Agisoft社のPhotoscan(商標)である。Photoscan(商標)から出力される被検者8の3次元データは、ply形式というRGB色情報付きの3次元点群データである。
<被検者固定載置部22の基準点の交点の検出>
(被検者固定載置部22の基準点の定義)
図17に示す被検者固定載置部22のY方向の両端部には、取手部22b及び取手部22cが各々設けられている。取手部22bの上面には、図18及び図19に示す平面視長方形の基準板23が設けられている。取手部22cの上面にも、平面視長方形の基準板25が設けられている。基準板23は、白黒チェッカー模様になっており、白黒チェッカー模様の交点が基準点23aとなっている。鎖線の円23bが示す範囲(図18及び図19参照)が、交点の存在する想定範囲である。基準板25も、白黒チェッカー模様になっており、白黒チェッカー模様の交点が基準点25aとなっている。S3の処理では、基準点23a及び基準点25aは、被検者固定載置部22の座標系の基準点として検出される(S3)。
(被検者固定載置部22の基準点の定義)
図17に示す被検者固定載置部22のY方向の両端部には、取手部22b及び取手部22cが各々設けられている。取手部22bの上面には、図18及び図19に示す平面視長方形の基準板23が設けられている。取手部22cの上面にも、平面視長方形の基準板25が設けられている。基準板23は、白黒チェッカー模様になっており、白黒チェッカー模様の交点が基準点23aとなっている。鎖線の円23bが示す範囲(図18及び図19参照)が、交点の存在する想定範囲である。基準板25も、白黒チェッカー模様になっており、白黒チェッカー模様の交点が基準点25aとなっている。S3の処理では、基準点23a及び基準点25aは、被検者固定載置部22の座標系の基準点として検出される(S3)。
制御部60のCPU601は、ROM602に記憶された画像認識ソフトウエアを読み出し、被検者固定載置部22の基準点23a及び基準点25aの検出を行う(S3)。一例として、以下のように処理される。基準点23a及び基準点25aのピッチは1915mmである。Photoscan(商標)のground control機能を用いて、あらかじめ複数のカメラの位置座標情報を画像解析ソフトウエアに設定しておき、その位置座標情報を基準にして再構成される被検者8の輪郭データの座標系内では±20mm程度の精度でいつも安定して基準点23aを捉えられているものと仮定する。基準点23aがX,Y座標(0,0)となるようにground control機能が設定される。この仮定のもとで、被検者8の輪郭データ上での基準点はいつも次のX,Y座標の範囲に入っている。
基準点23a:(−20,−20)<(X,Y)<(+20,+20)
基準点25a:(−20,+1935)<(X,Y)<(+20,+1895)
基準点23a:(−20,−20)<(X,Y)<(+20,+20)
基準点25a:(−20,+1935)<(X,Y)<(+20,+1895)
(RGB色情報のグレイスケール化)
次いで、CPU601は、基準板23及び基準板25のチェッカー模様の白黒のコントラストをグレイスケール尺度で判定するため、RBG値の単純平均をとる。
Grey=(R+G+B)/3
従って、被検者8の輪郭データの各点群は(X,Y,Z,Grey)という値の組となる。
次いで、CPU601は、基準板23及び基準板25のチェッカー模様の白黒のコントラストをグレイスケール尺度で判定するため、RBG値の単純平均をとる。
Grey=(R+G+B)/3
従って、被検者8の輪郭データの各点群は(X,Y,Z,Grey)という値の組となる。
(基準点23aのY方向のエッジ検出)
次いで、CPU601は、被検者8の輪郭データより、図18に示す範囲[ay1]に入っている点のみを抽出する。範囲[ay1]の大きさおよび位置は、基準板23の位置が±20mmずれても範囲[ay1]内にY方向のエッジが入るようにX方向寸法は40mm以上が必要がある。また、範囲[ay1]内にY方向のエッジ以外の余計な画像が入らないように、基準板23の外形および基準点23aから20mm以上の距離を控えて配置する必要がある。この実施の形態において範囲[ay1]は次に示す座標領域に定義することが好適である。
[ay1]:(−200,−25)<(X,Y)<(−20,+25)
次いで、CPU601は、輪郭データから抽出した点群データ[ay1]をY座標値について昇順ソートを行う。
CPU601は、データ順に符号iを振る。(i=1,2,…n)
CPU601は、データ列の1番目からi番目までのGrey値の平均値Whiteを計算する。
CPU601は、おなじくi+1番目からn番目までのGrey値の平均値Blackを計算する。
CPU601は、iを1〜n−1まで変化させたとき、WhiteとBlackの差が最も大きくなるようなi番目の点に黒から白へのエッジがあるものと判定する。そのようなk番目の点のY座標値をエッジのY座標aY1として採用する。
CPU601は、同様に、図18に示す範囲[ay2]についても白から黒へのエッジを判定し、エッジのY座標aY2として採用する。
CPU601は、基準点23aのY座標は検出した2つのエッジの平均値とする。
aY=(aY1+aY2)/2
次いで、CPU601は、被検者8の輪郭データより、図18に示す範囲[ay1]に入っている点のみを抽出する。範囲[ay1]の大きさおよび位置は、基準板23の位置が±20mmずれても範囲[ay1]内にY方向のエッジが入るようにX方向寸法は40mm以上が必要がある。また、範囲[ay1]内にY方向のエッジ以外の余計な画像が入らないように、基準板23の外形および基準点23aから20mm以上の距離を控えて配置する必要がある。この実施の形態において範囲[ay1]は次に示す座標領域に定義することが好適である。
[ay1]:(−200,−25)<(X,Y)<(−20,+25)
次いで、CPU601は、輪郭データから抽出した点群データ[ay1]をY座標値について昇順ソートを行う。
CPU601は、データ順に符号iを振る。(i=1,2,…n)
CPU601は、データ列の1番目からi番目までのGrey値の平均値Whiteを計算する。
CPU601は、おなじくi+1番目からn番目までのGrey値の平均値Blackを計算する。
CPU601は、iを1〜n−1まで変化させたとき、WhiteとBlackの差が最も大きくなるようなi番目の点に黒から白へのエッジがあるものと判定する。そのようなk番目の点のY座標値をエッジのY座標aY1として採用する。
CPU601は、同様に、図18に示す範囲[ay2]についても白から黒へのエッジを判定し、エッジのY座標aY2として採用する。
CPU601は、基準点23aのY座標は検出した2つのエッジの平均値とする。
aY=(aY1+aY2)/2
(基準点23aのX方向のエッジ検出)
CPU601は、被検者8の輪郭データより、図19に示す範囲[ax1]に入っている点のみを抽出する。範囲[ax1]大きさおよび位置は、範囲[ay1]、[ay2]と同様の考え方で、基準板23の位置が±20mmずれても範囲[ax1]内にX方向のエッジのみが捉えられるように定義する。
[ax1]:(−30,−27.5)<(X,Y)<(+30,−20) CPU601は、抽出した点群データ[ax1]をX座標値について昇順にソートする。
CPU601は、Y座標と同様にX座標方向についても、2つの領域[ax1],[ax2]のエッジのX座標aX1,aX2を検出する。
CPU601は、基準点23aのX座標は検出した2つのエッジの平均値とする。aX=(aX1+aX2)/2
CPU601は、被検者8の輪郭データより、図19に示す範囲[ax1]に入っている点のみを抽出する。範囲[ax1]大きさおよび位置は、範囲[ay1]、[ay2]と同様の考え方で、基準板23の位置が±20mmずれても範囲[ax1]内にX方向のエッジのみが捉えられるように定義する。
[ax1]:(−30,−27.5)<(X,Y)<(+30,−20) CPU601は、抽出した点群データ[ax1]をX座標値について昇順にソートする。
CPU601は、Y座標と同様にX座標方向についても、2つの領域[ax1],[ax2]のエッジのX座標aX1,aX2を検出する。
CPU601は、基準点23aのX座標は検出した2つのエッジの平均値とする。aX=(aX1+aX2)/2
(基準点23aのZ座標の検出)
基準点23aのZ座標は、白地、黒地で高さが微妙に異なって出力される傾向があるため、白黒それぞれの割合を同じにした領域のZ座標の平均値で求める必要がある。
次の領域[az]の点群のZ座標の平均値を基準点aのZ座標aZとする。
[az]:(aX−20,aY−20)<(X,Y)<(aX+20,aY+20)
aZ=Average([az]のZ座標)
基準点23aのZ座標は、白地、黒地で高さが微妙に異なって出力される傾向があるため、白黒それぞれの割合を同じにした領域のZ座標の平均値で求める必要がある。
次の領域[az]の点群のZ座標の平均値を基準点aのZ座標aZとする。
[az]:(aX−20,aY−20)<(X,Y)<(aX+20,aY+20)
aZ=Average([az]のZ座標)
(基準点25aの座標検出)
CPU601は、基準板25の基準点25aについても基準点23aと同様の手法でX,Y,Z座標値を検出する。
CPU601は、基準板25の基準点25aについても基準点23aと同様の手法でX,Y,Z座標値を検出する。
<照射台座標系への座標変換>
CPU601は、被検者8の輪郭データの全ての点を照射台座標系に照合するため、基準点23a=(0,−957.5,+281),基準点25a=(0,+957.5,281)となるように回転・平行移動・拡大縮小を含めた座標変換を行う(S4)。以下に詳細を説明する。
CPU601は、被検者8の輪郭データの全ての点を照射台座標系に照合するため、基準点23a=(0,−957.5,+281),基準点25a=(0,+957.5,281)となるように回転・平行移動・拡大縮小を含めた座標変換を行う(S4)。以下に詳細を説明する。
(照射台座標系の定義)
照射台座標系の一例を次のように定義する。
・X軸、Y軸の原点は被検者固定載置部22の中央
・Z軸の原点は、X軸及びY軸の原点から187.75mm下方
(床から679mm上方、被検者固定載置部22の取手部22b及び取手部22cの上面から281mm下方)
・ピッチング角の回転中心はX軸及びY軸の原点から118mm上方
・ローリング角の回転中心はX軸及びY軸の原点と同じ
照射台座標系の一例を次のように定義する。
・X軸、Y軸の原点は被検者固定載置部22の中央
・Z軸の原点は、X軸及びY軸の原点から187.75mm下方
(床から679mm上方、被検者固定載置部22の取手部22b及び取手部22cの上面から281mm下方)
・ピッチング角の回転中心はX軸及びY軸の原点から118mm上方
・ローリング角の回転中心はX軸及びY軸の原点と同じ
(検出された2つの基準点の距離によるスケール変換)
図17に示す基準点23a及び基準点25aは、設計値としてはY軸方向に1915mm離れている。被検者8の輪郭の元データにおいて検出された基準点23aの座標値をa=(aX,aY,aZ)、基準点25aの座標値をb=(bX,bY,bZ)とする。CPU601は、基準点23a及び基準点25aの距離|b−a|を算出し、元の座標値に(1915/|b−a|)を掛けることで、被検者8の輪郭データの寸法を実物に合わせる。
図17に示す基準点23a及び基準点25aは、設計値としてはY軸方向に1915mm離れている。被検者8の輪郭の元データにおいて検出された基準点23aの座標値をa=(aX,aY,aZ)、基準点25aの座標値をb=(bX,bY,bZ)とする。CPU601は、基準点23a及び基準点25aの距離|b−a|を算出し、元の座標値に(1915/|b−a|)を掛けることで、被検者8の輪郭データの寸法を実物に合わせる。
(検出した2つの基準点を結ぶ直線をY軸ベクトルとする)
CPU601は、照射台座標系におけるY軸の単位ベクトルを、
Y=(b−a)/|b−a|で算出する。
CPU601は、照射台座標系におけるY軸の単位ベクトルを、
Y=(b−a)/|b−a|で算出する。
(2つの基準点付近の平面よりZ軸の単位ベクトルの算出)
CPU601は、照射台座標系におけるZ軸の単位ベクトルは、基準点23a周囲(aX±200,aY±25mm)、基準点25a周囲(bX±200,bY±25mm)の点群データより回帰平面を最小二乗法を用いて求める。ただし、Z軸の単位ベクトルZは上記Y軸の単位ベクトルYと直交する条件として内積(Y・Z)=0が追加される。
CPU601は、照射台座標系におけるZ軸の単位ベクトルは、基準点23a周囲(aX±200,aY±25mm)、基準点25a周囲(bX±200,bY±25mm)の点群データより回帰平面を最小二乗法を用いて求める。ただし、Z軸の単位ベクトルZは上記Y軸の単位ベクトルYと直交する条件として内積(Y・Z)=0が追加される。
(二つの単位ベクトルY,Zと直交するX軸の単位ベクトルを算出)
CPU601は、照射台座標系におけるX軸の単位ベクトルを、外積(Y×Z)で算出する。
CPU601は、照射台座標系におけるX軸の単位ベクトルを、外積(Y×Z)で算出する。
(輪郭データの照射台座標系への回転)
CPU601は、上記で求めた照射台座標系の単位ベクトルX,Y,Zを用いて輪郭データの各点を回転する。変換行列は以下の式により行われる。
上記の式の演算により各輪郭点Nが回転操作される。回転後の各輪郭点は(R*N)と表される。
CPU601は、上記で求めた照射台座標系の単位ベクトルX,Y,Zを用いて輪郭データの各点を回転する。変換行列は以下の式により行われる。
上記の式の演算により各輪郭点Nが回転操作される。回転後の各輪郭点は(R*N)と表される。
(輪郭データの照射台座標系原点への平行移動)
CPU601は、上記回転変換後の基準点23aと基準点25aの中点(a+b)/2が照射台座標系O=(0,0,281)に一致するように平行移動する。
平行移動後の各輪郭点は、(R*N−(a+b)/2+O)と表される。
以上の操作によって、Photoscan(商標)から得られた被検者8の輪郭データを照射台座標系に一致させ、衝突回避手段の判定に用いることができる(S4)。以上の処理により、被検者8の輪郭データ作成処理が行われる。
CPU601は、上記回転変換後の基準点23aと基準点25aの中点(a+b)/2が照射台座標系O=(0,0,281)に一致するように平行移動する。
平行移動後の各輪郭点は、(R*N−(a+b)/2+O)と表される。
以上の操作によって、Photoscan(商標)から得られた被検者8の輪郭データを照射台座標系に一致させ、衝突回避手段の判定に用いることができる(S4)。以上の処理により、被検者8の輪郭データ作成処理が行われる。
<照射口14oの定義>
図10に示す照射口14oは、一例として、直径1,400mmの円筒形状であり、円筒形の底面が床から1,500mmの高さになるように吊り下げられている。底面に取り付けられている照射口14oの蓋は使用時には照射台の動作範囲外にスイングして退避する。照射台座標系においては、
X2+(Y−500)2≦14002
かつ、
Z≧(1500−679)=821
を満たす空間が進入禁止領域となる。実際の自動モード動作時の衝突判定はこの領域から水平方向50mm、鉛直方向50mmの余裕を持たせて、次の条件式を満たす空間が進入禁止領域となる。
X2+(Y−500)2≦14502
かつ
Z≧771
上記実施の形態では、照射台座標系におけるZ原点が床から679mmであるので、照射台座標系の高さリミットは821mmである。そこから50mm余裕をとって771mmというのがZ軸方向の高さのリミットの根拠である。従って、「Z≧771」が高さリミットとなる。もし照射台座標系ではなく、単に床からの高さで高さリミットを決めるならば、1500mmから50mmを引いて、Z軸の高さのリミットが1450mmであるとしてもよい。
図10に示す照射口14oは、一例として、直径1,400mmの円筒形状であり、円筒形の底面が床から1,500mmの高さになるように吊り下げられている。底面に取り付けられている照射口14oの蓋は使用時には照射台の動作範囲外にスイングして退避する。照射台座標系においては、
X2+(Y−500)2≦14002
かつ、
Z≧(1500−679)=821
を満たす空間が進入禁止領域となる。実際の自動モード動作時の衝突判定はこの領域から水平方向50mm、鉛直方向50mmの余裕を持たせて、次の条件式を満たす空間が進入禁止領域となる。
X2+(Y−500)2≦14502
かつ
Z≧771
上記実施の形態では、照射台座標系におけるZ原点が床から679mmであるので、照射台座標系の高さリミットは821mmである。そこから50mm余裕をとって771mmというのがZ軸方向の高さのリミットの根拠である。従って、「Z≧771」が高さリミットとなる。もし照射台座標系ではなく、単に床からの高さで高さリミットを決めるならば、1500mmから50mmを引いて、Z軸の高さのリミットが1450mmであるとしてもよい。
<照射台移動処理>
次に、図20に示すフローチャートを参照して、被検者8の位置推定による衝突回避処理を行う照射台移動処理について説明する。制御部60のCPU601は、自動位置決め動作の目標座標を不揮発メモリ604から読み込む(S11)。自動位置決め動作の目標座標は、予め不揮発メモリ604に記憶されている。CPU601は、不揮発メモリ604から読み込んだ目標座標における被検者8の輪郭の最高点のZ座標の値が、高さリミット(Z≧771)を越えるか判断をする(S12)。CPU601は、目標座標における被検者8の輪郭の最高点のZ座標の値が、高さリミットを越えると判断した場合には(S12:YES)、被検者8の輪郭の最高点が高さリミットを越えた分だけZ軸の目標座標値を減じる(S13)。
次に、図20に示すフローチャートを参照して、被検者8の位置推定による衝突回避処理を行う照射台移動処理について説明する。制御部60のCPU601は、自動位置決め動作の目標座標を不揮発メモリ604から読み込む(S11)。自動位置決め動作の目標座標は、予め不揮発メモリ604に記憶されている。CPU601は、不揮発メモリ604から読み込んだ目標座標における被検者8の輪郭の最高点のZ座標の値が、高さリミット(Z≧771)を越えるか判断をする(S12)。CPU601は、目標座標における被検者8の輪郭の最高点のZ座標の値が、高さリミットを越えると判断した場合には(S12:YES)、被検者8の輪郭の最高点が高さリミットを越えた分だけZ軸の目標座標値を減じる(S13)。
CPU601は、目標座標における被検者8の輪郭の最高点のZ座標の値が、高さリミットを越えないと判断した場合には(S12:NO)、上面板16aの現在の座標からS11で読み込んだ目標座標までの上面板16aの動作(X軸移動、Y軸移動、Z軸移動、ピッチング角回転、ローリング角回転)を100等分し、1刻みずつ進めたときの被検者8の輪郭の軌跡を計算する(S14)。
被検者8の輪郭の軌跡を計算(S14)は、以下のように行われる。
照射台座標系において、被検者8の輪郭データ点群のN番目の輪郭点の座標をNとすると、Nは以下の通りである。
照射台の制御座標値が(X,Y,Z,P,R)となったときに上記の輪郭点の位置を計算する。Pはピッチング回転角、Rはローリング回転角を示す。まず、各制御座標値に関するX,Y,Z軸平行移動とピッチング回転、ローリング回転についての同時変換行列を次のように定義する。
輪郭点Nに(X,Y,Z,P,R)の移動を実施した後の輪郭点N’は、以下のように表される。
即ちN’は、以下のように表される。
照射台座標系において、被検者8の輪郭データ点群のN番目の輪郭点の座標をNとすると、Nは以下の通りである。
照射台の制御座標値が(X,Y,Z,P,R)となったときに上記の輪郭点の位置を計算する。Pはピッチング回転角、Rはローリング回転角を示す。まず、各制御座標値に関するX,Y,Z軸平行移動とピッチング回転、ローリング回転についての同時変換行列を次のように定義する。
次いで、CPU601は、S14の処理で求めた全軌跡における被検者8の輪郭の最高到達点が高さリミットを越えるか判断する(S16)。CPU601は、越えないと判断した場合には(S16:NO)、目標座標に向けて上面板16aの動作を実行する(S17)。CPU601は、越えると判断した場合には(S16:YES)、被検者8の輪郭の最高点が高さリミットを下回るようにZ軸の駆動速度を減じる(S15)。S15の処理の一例は、以下の通りである。
CPU601は、Z軸リミット越え点の中で最もZ軸の値が大きい点を見つける。
次いで、CPU601は、Z軸スピードVzを、次の式により設定しなおす。
Vz_new=Vz_old×(Z軸リミットの値−Z軸出発位置)/(Z軸リミット越えの値−Z軸出発位置)
次いで、CPU601は、新たに設定したZ軸スピードVzで、Z軸リミット越え点がリミット範囲内に収まることを確認する(S16)。もし収まっていない点があった場合には(S16:YES)、更に上式を用いてZ軸スピードVzを再設定し(S15)、それを用いて未確認なZ軸リミット越え点を確認する(S16)。なおZ軸についてのスピードとは第2YZ軸モータ626のスピードであり、よってZ軸のスピードと合致しないので、この判定は3次元トレースを再度実行する。しかし必ずスピードは遅くなる方へ変更することより、一度判定したZ軸リミット越え点を再判定する必要はない。S17の動作が完了した場合には、処理が終了する。
次いで、CPU601は、Z軸スピードVzを、次の式により設定しなおす。
Vz_new=Vz_old×(Z軸リミットの値−Z軸出発位置)/(Z軸リミット越えの値−Z軸出発位置)
次いで、CPU601は、新たに設定したZ軸スピードVzで、Z軸リミット越え点がリミット範囲内に収まることを確認する(S16)。もし収まっていない点があった場合には(S16:YES)、更に上式を用いてZ軸スピードVzを再設定し(S15)、それを用いて未確認なZ軸リミット越え点を確認する(S16)。なおZ軸についてのスピードとは第2YZ軸モータ626のスピードであり、よってZ軸のスピードと合致しないので、この判定は3次元トレースを再度実行する。しかし必ずスピードは遅くなる方へ変更することより、一度判定したZ軸リミット越え点を再判定する必要はない。S17の動作が完了した場合には、処理が終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、複数の光学カメラからの画像を3次元再構成することにより被検者8の輪郭の3次元データを容易に得ることができる。また、制御部60のCPU601は、被検者8の輪郭の3次元データが上面板16aの動作によって中性子線の照射口14oなどの禁則エリアに進入しないよう計算して上面板16aの可動範囲を制限することができる。従って、照射口14oが被検者8の体に当接する前に、ソフトウエアシュミレーションにより、被検者8の輪郭の3次元データが照射口14oなどの禁則エリアに進入しないよう事前に上面板16aの可動範囲を変更できる。よって、被検者8と照射口14oとの接触を防止することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
<緊急停止処理>
例えば、前述の実施の形態において、衝突回避処理は、被検者8の体表面輪郭3次元データの軌跡のシミュレーションにより実現していたが、図21及び図22に示すように、近接センサの一例である圧力センサ80を用いて緊急停止処理を行うようにしてもよい。即ち、中性子線の照射口14oへの物理的な接触を検知する圧力センサ80を用いて、照射口14oと被検者8との接触を検出し、被検者8が受傷する前に上面板16aの動作を緊急停止させるようにしてもよい。圧力センサ80の仕様要件としては、以下の要件が必要である。材料の放射化による二次被曝を低減するため、低原子量の元素で構成される有機材料を主体とする。中性子線による脆化、感度低下、電気的故障などの不具合を避けるため、できるだけ単純な構造とする。上記2要件のリスクのために使い捨てでの運用を想定し、それに見合う製作コストとする。尚、圧力センサ80の配置は中性子線の照射口14oの近辺の被検者8の体表面上とする。
例えば、前述の実施の形態において、衝突回避処理は、被検者8の体表面輪郭3次元データの軌跡のシミュレーションにより実現していたが、図21及び図22に示すように、近接センサの一例である圧力センサ80を用いて緊急停止処理を行うようにしてもよい。即ち、中性子線の照射口14oへの物理的な接触を検知する圧力センサ80を用いて、照射口14oと被検者8との接触を検出し、被検者8が受傷する前に上面板16aの動作を緊急停止させるようにしてもよい。圧力センサ80の仕様要件としては、以下の要件が必要である。材料の放射化による二次被曝を低減するため、低原子量の元素で構成される有機材料を主体とする。中性子線による脆化、感度低下、電気的故障などの不具合を避けるため、できるだけ単純な構造とする。上記2要件のリスクのために使い捨てでの運用を想定し、それに見合う製作コストとする。尚、圧力センサ80の配置は中性子線の照射口14oの近辺の被検者8の体表面上とする。
以上のような要件と満たす圧力センサ80の一例としては、ポリオレフィン系圧電フィルムセンサを用いても良い。図21に示すように、圧力センサ80は、平面視矩形であり、一端部からケーブルが延び、制御部60に接続可能である。図22に示す断面図のように、圧力センサ80の外周面は、絶縁ラミネート81で覆われており、内部にアノード82とカソード83が設けられている。アノード82とカソード83との間には、圧力によって分極する高分子材料のフィルム84を挟んでいる。高分子材料のフィルム84の一例が、ポリオレフィン系圧電フィルムである。圧力センサ80は、圧力によって分極する高分子材料のフィルム84を電極(アノード82及びカソード83)となる金属箔で挟んだ極めて単純な構造をしており、センサの寸法や形状の自由度も大きいことが特徴である。この圧力センサ80の信号出力の特性として、センサ表面にかかる圧力が変化すると、圧縮時にプラス電圧、解放時にマイナス電圧を発生する。この電圧は加わる圧力に変化がなければ、1秒以内の時定数で減衰するため、患者の身体に追従させてどのような形状に貼りつけた場合でも、接触による圧力変化を検知することができる。
上面板16aの緊急停止処理として、最新1秒間の電圧の積算値を計算することでノイズに対して安定した接触検知性能が得られた。積算値がある閾値を超えた場合に動作を停止する機能を実装し、動作検証テストにおいて、触れる程度では反応せず、受傷に至るよりは十分に軽い力(約0.5kg×1cm2)で緊急停止処理が作動することが確認できた。以上説明したようにポリオレフィン系圧電フィルムを用いた圧力センサ80は、材料の放射化による二次被曝を低減でき、単純な構造であることから、中性子線による脆化、感度低下、電気的故障などの不具合を避けることができる。また、材料費も易く、使い捨てでの運用が可能となる。尚、近接センサとしては、圧力センサ80以外のものを利用してもよい。例えば、高周波発振形のセンサ、超音波センサ、マイクロ波センサ、赤外線センサ、レーザーセンサ、光電センサ、静電容量センサ、磁気センサの少なくとも1つ以上を用いてもよい。この場合には、被検者8の体への接触の直前に照射口14oの接近を検出することができる。
また、上記実施の形態において、制御部60のCPU601が、位置調整部62を制御していたが、位置調整部62にもCPUを設けて、位置調整機構34、第1角度調整機構36及び第2角度調整機構38を制御するようにしてもよい。また、図16に示す被検者8の輪郭データ作成処理は、制御部60のCPU601とは、別のコンピュータが行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態において、被検者8は、仰臥の状態で被検者固定載置部22に載置されるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、被検者8は、横臥や腹臥等の臥位で被検者固定載置部22に載置延いては固定されるものでもよい。前述の実施の形態において、3次元診断装置18は、基台24に対して1方向に移動させられつつ前記3次元画像を撮影する自走式撮像部26を備えたものであったが、本発明に用いられる3次元診断装置は、必ずしも自走式撮像部を備えたものでなくともよく、被検者8における患部の位置を検出する種々の3次元診断装置が用いられる。前述の実施の形態では特に言及していないが、本発明のホウ素中性子捕捉療法における中性子線としては、特定のエネルギを有する生体に安全な中性子線が好適に用いられる。その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
尚、CPU601が実行する図20のフローチャートのS12〜S15の処理が、本発明の「衝突回避処理」の一例である。
8:被検者、10:ホウ素中性子捕捉療法用システム、12:室、14:中性子線照射装置、14o:中性子線照射口、16:照射台、18:3次元診断装置、20:搬送装置(移乗装置)、22:被検者固定載置部、34:位置調整機構、36:第1角度調整機構、38:第2角度調整機構、48:突出部(嵌合構造)、50:溝部(嵌合構造)、52:保持部、60:制御部、62:位置調整部、64a、64b:水平方向レーザ(位置表示部)、66:垂直方向レーザ(位置表示部)、68a、68b:水平方向レーザ(位置表示部)、70:垂直方向レーザ(位置表示部)、80:圧力センサ、601:CPU
Claims (12)
- 中性子線遮蔽に覆われた室内に中性子線照射装置を備え、該中性子線照射装置により被検者のホウ素化合物が取り込まれた患部に対して中性子線を照射することで治療を行うホウ素中性子捕捉療法用システムであって、
前記被検者を載置した状態で固定する被検者固定載置部と、
前記被検者における前記患部の位置を検出する3次元診断装置と、
前記中性子線照射装置に対して位置決めされる照射台と、
相互に直交する3つの軸それぞれの方向に関して、前記中性子線照射装置の照射口に対する前記照射台の位置を変化させる位置調整機構と、
前記被検者固定載置部が移乗された前記照射台における前記3つの軸それぞれの方向に関する位置を、前記位置調整機構により変化させることで、前記3次元診断装置により検出された前記被検者における前記患部の位置と、前記中性子線照射装置から照射される中性子線の位置とを整合させ、且つ前記患部を前記照射口に対して可及的に接近させる制御部と
を備え、
前記制御部は、前記照射台の動作によって、前記被検者固定載置部に固定された前記被検者に前記照射口が衝突して傷害を受ける前に前記照射台の動作を変更する衝突回避処理を行うことを特徴とするホウ素中性子捕捉療法用システム。 - 前記制御部は、前記被検者固定載置部に固定された前記被検者の体の輪郭の形状を3次元的に計測し、前記照射台の動作に伴う前記体の輪郭の空間的位置を推定して、前記衝突回避処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。
- 前記被検者が前記照射口に接触したことを検知する近接センサを備え、
前記制御部は、前記近接センサの出力により、前記照射台の動作を停止する緊急停止処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。 - 前記近接センサとして、圧力センサ、超音波センサ、マイクロ波センサ、赤外線センサ、レーザーセンサ、光電センサ、静電容量センサ、磁気センサの少なくとも1つ以上を用いること
を特徴とする請求項3に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。 - 前記近接センサとして、ポリオレフィン系圧電フィルムセンサを用いたことを特徴とする請求項3に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。
- 前記3次元診断装置による前記患部の位置の検出に際して、前記被検者固定載置部に載置され且つ固定された前記被検者に付された、前記検出に係る位置座標に対応する目印に基づいて、前記被検者固定載置部が移乗された前記照射台における前記3つの軸それぞれの方向に関する位置を、前記位置調整機構により変化させることで、前記3次元診断装置により検出された前記被検者における前記患部の位置と、前記中性子線照射装置から照射される中性子線の位置とを整合させる位置調整部を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。
- 前記3つの軸のうち何れか1つの軸と平行である軸を中心として、前記中性子線の照射方向に対する前記照射台の角度を変化させる第1角度調整機構と、
前記3つの軸のうち前記1つの軸とは異なる何れか1つの軸と平行である軸を中心として、前記中性子線の照射方向に対する前記照射台の角度を変化させる第2角度調整機構と
を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。 - 前記被検者固定載置部及び前記照射台は、前記被検者固定載置部が前記照射台に移乗させられた際に相互に対面させられる部分に、相互に嵌合させられる嵌合構造を備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。
- 前記3次元診断装置は、前記被検者の体内の画像を撮影する装置であり、
前記目印の素材には、前記3次元診断装置により撮影された前記画像において、前記被検者固定載置部の主要素材と前記目印とが十分に区別される素材が用いられていることを特徴とする請求項6に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。 - 前記被検者が載置され且つ固定された前記被検者固定載置部を、前記3次元診断装置と前記照射台との間で移乗させる移乗装置を備え、
前記移乗装置として、前記被検者固定載置部を載置した状態で搬送する搬送装置を備え、
該搬送装置は、
前記被検者固定載置部を保持し、且つ該被検者固定載置部を前記3次元診断装置又は前記照射台に移乗させた後に引き抜くことができる保持部を備え、
前記搬送装置に設けられた昇降機構、前記3次元診断装置に設けられた昇降機構、又は前記位置調整機構を用いて、前記被検者が固定された前記被検者固定載置部を、前記搬送装置と前記3次元診断装置又は前記照射台との間で移乗させることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。 - 前記中性子線照射装置から照射される中性子線の位置に対して、前記3次元診断装置により検出された前記被検者における前記患部の位置が必要十分に整合していることを確認するための表示を行う位置表示部と、
該位置表示部による表示に基づいて、前記中性子線照射装置から照射される中性子線の位置に対する、前記3次元診断装置により検出された前記被検者における前記患部の位置の誤差が、規定の許容範囲内に収まるように、前記位置調整機構、前記第1角度調整機構、及び前記第2角度調整機構の少なくとも1つにより調整を行う位置調整部と
を備えたことを特徴とする請求項7に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。 - 前記位置表示部は、前記3つの軸の方向に対応する座標系に対して、前記3次元診断装置による前記画像の撮像基準点が必要十分に整合していることを確認するための表示を行うものであり、
前記位置調整部は、前記位置表示部による表示に基づいて、前記照射台における前記3つの軸の方向に対応する座標系に対する、前記3次元診断装置による前記画像の撮像基準点の誤差が、規定の許容範囲内に収まるように調整を行うものであることを特徴とする請求項11に記載のホウ素中性子捕捉療法用システム。
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