JPWO2017115601A1 - 処理液、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

処理液、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

エッチング耐性及びエッチングラフネスに優れたパターンを形成することができる、処理液、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供する。感活性光線性又は感放射線性組成物から得られるレジスト膜及びレジスト膜から得られるレジストパターンの少なくとも一方に対して用いられる、又はレジストパターンを形成するために用いられる、(1)ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有する化合物、及び(2)溶剤を含む処理液、上記処理液を用いるパターン形成方法、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。

Description

本発明は、処理液、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程などに使用される処理液、パターン形成方法、及びこのパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法に関する。
従来、IC(Integrated Circuit、集積回路)やLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)などの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、レジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。更には、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光(Extreme Ultra Violet、極紫外線)を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
このようなリソグラフィーにおいては、レジスト組成物により膜を形成した後、得られた膜を現像液により現像したり、現像後の膜をリンス液で洗浄することが行われている。
例えば、特許文献1には、テトライソシアネートシランを酢酸−n−ブチルに溶解させた現像液を用いて現像を行うレジストパターンの形成方法が記載されている。
特開2015−31923号公報
昨今、各種電子機器についてさらなる高機能化が要求されるなか、より微細な配線の作製が求められている。そして、それに伴ってパターンのエッチング耐性のさらなる向上や、エッチング後のラフネス(エッチングラフネス)のさらなる低減が求められている。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、エッチング耐性及びエッチングラフネスに優れたパターンを形成することができる、処理液、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有する化合物を含有する処理液を用いて、レジスト膜又はレジストパターンを処理することや、レジストパターンを形成することで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
<1>
感活性光線性又は感放射線性組成物から得られるレジスト膜及び上記レジスト膜から得られるレジストパターンの少なくとも一方に対して用いられる、又はレジストパターンを形成するために用いられる、処理液であって、
(1)ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有する化合物、及び
(2)溶剤
を含む処理液。
<2>
上記(1)の化合物がイオン性の化合物である、<1>に記載の処理液。
<3>
上記(1)の化合物が有する極性基と相互作用を形成する基が、極性基とイオン結合を形成する基である、<1>又は<2>に記載の処理液。
<4>
上記(1)の化合物が有する極性基と相互作用を形成する基が、酸性基又は塩基性基である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の処理液。
<5>
上記(1)の化合物が有する極性基と相互作用を形成する基が、対塩のpKaが8以上の塩基性基である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の処理液。
<6>
上記(2)の溶剤が有機溶剤を含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の処理液。
<7>
上記(1)の化合物が、下記一般式(1−1)で表される、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の処理液。
一般式(1−1)中、
は有機酸アニオンを表し、カチオンXは窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表す。
Rxはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を表す。Rxが複数存在する場合、複数のRxは同じでも異なっていてもよい。また、Rxが複数存在する場合、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される上記環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
nはXが窒素カチオンの場合は3を表し、Xが硫黄カチオンの場合は2を表し、Xがヨウ素カチオンの場合は1を表す。
Ryは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。
は、ケイ素原子を含有する基を表す。
<8>
上記Bがシルセスキオキサン構造を有する、<7>に記載の処理液。
<9>
上記(1)の化合物の含有量が処理液の全質量に対して1質量%以上である、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の処理液。
<10>
上記(2)の溶剤が炭素数7以上の炭化水素系溶剤又は炭素数7以上のケトン系溶剤である、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の処理液。
<11>
上記処理液がリンス液として用いられる、<1>〜<10>のいずれか1項に記載の処理液。
<12>
感活性光線性又は感放射線性組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を現像液により現像する現像工程と、
上記現像されたレジスト膜をリンス液によりリンスするリンス工程と
をこの順で有し、かつ下記(a)〜(c)の少なくとも1つの条件を満たすパターン形成方法。
(a)上記露光工程と上記現像工程の間に、露光された上記レジスト膜に<1>〜<10>のいずれか1項に記載の処理液を接触させる工程を有する。
(b)上記現像液が<1>〜<10>のいずれか1項に記載の処理液を含む。
(c)上記リンス液が<1>〜<10>のいずれか1項に記載の処理液を含む。
<13>
<12>に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、エッチング耐性及びエッチングラフネスに優れたパターンを形成することができる、処理液、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態の一例を説明する。
本明細書における基及び原子団の表記において、置換又は無置換を明示していない場合は、置換基を有さないものと置換基を有するものの双方が含まれるものとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線、イオンビーム等の粒子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、極紫外線(EUV光)などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も含まれるものとする。
本明細書では、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」を意味する。また、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定したポリスチレン換算値である。GPCは、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSK gel Multipore HXL−M (東ソー(株)製、7.8mmID×30.0cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた方法に準ずる事ができる。
<処理液>
本発明の処理液は、感活性光線性又は感放射線性組成物から得られるレジスト膜及び上記レジスト膜から得られるレジストパターンの少なくとも一方に対して用いられる、又はレジストパターンを形成するために用いられる、処理液であって、
(1)ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有する化合物、及び
(2)溶剤
を含む処理液である。
本発明により上記課題が解決できる理由の詳細は定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。
本発明の処理液は、(1)ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有する化合物(「化合物(1)」とも呼ぶ。)を含有している。レジスト膜及びレジストパターンのいずれか少なくとも一方に対してこの処理液を用いるか、またはこの処理液を用いてレジストパターンを形成することで、レジスト膜又はレジストパターン中に存在する極性基と化合物(1)とが相互作用を形成する。その結果、レジスト膜又はレジストパターン上に化合物(1)の被覆膜を形成させることができると考えられる。また、化合物(1)はケイ素原子を含有する化合物であり、Oエッチングにより、化合物(1)の被覆膜が形成されたレジスト膜又はレジストパターンは、化合物(1)の被覆膜が形成されていないレジスト膜又はレジストパターンに対し良好なエッチング選択比をとることができるため、エッチング耐性の良化に繋がると考えられる。また、レジスト膜又はレジストパターン中に存在する極性基と化合物(1)とが相互作用を形成するため、上記化合物(1)の被覆膜をムラ無く形成することが可能であり、エッチングラフネスの良化に繋がると考えられる。
本発明の処理液は、レジスト膜及びレジスト膜から得られるレジストパターンの少なくとも一方に対して用いられる、又はレジストパターンを形成するために用いられるものである。
レジスト膜に対して処理液を用いるとは、レジスト膜に処理液を接触させることを指す。
処理液をレジスト膜に用いる態様としては、たとえば、レジスト膜の表面を処理液で洗浄するプレリンス工程などが挙げられる。
露光工程と現像工程の間に、処理液を用いてプレリンスをした場合、露光部又は未露光部に存在する極性基とプレリンス液中の化合物(1)が相互作用することにより露光部又は未露光部上面に化合物(1)による被覆膜を形成できる。この被覆膜を有するレジスト膜を現像液で現像した場合、レジストパターン上面に化合物(1)による被覆膜が残る。
なお、処理液をレジスト膜に接触させるタイミングは、露光前であっても露光後であってもよい。
レジスト膜を現像して得られるレジストパターンに対して処理液を用いるとは、レジストパターンに処理液を接触させること指し、たとえば、リンス液に処理液を含有させ、リンスすることなどが挙げられる。
レジストパターンの現像後に処理液を用いてリンスをした場合、レジストパターン上に化合物(1)による被覆膜を形成させることがでる。
本発明の処理液は、レジストパターンを形成するために用いられるものであってもよい。この態様としては、たとえば、現像液に本発明の処理液を含有させ、この現像液を用いてレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する場合などが挙げられる。
本発明の処理液を用いて現像をした場合、現像中に露光部又は未露光部に存在する極性基と処理液中の化合物(1)とが相互作用することにより、レジストパターン上に化合物(1)による被覆膜を形成できる。
なお、本発明の処理液は、前述のようにレジスト膜又はレジストパターン上に化合物(1)の被覆膜(好ましくは膜厚5nm以下)を形成するために用いられるものであり、いわゆるシュリンク剤や埋め込み剤とは異なる。
〔化合物(1)〕
(1)ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有する化合物(化合物(1))について説明する。
化合物(1)は、ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有するものであれば特に制限されない。たとえば、シラン系化合物(−SiR−:Rは有機基)、シロキサン系化合物(−SiR−O−:Rは有機基)が挙げられる。
化合物(1)は、レジスト膜又はレジストパターン中に含まれる化合物が有する極性基と相互作用を形成する基を有する。
極性基としては、たとえば、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、及び、スルホン酸基等が挙げられ、カルボキシル基、アルコール性水酸基、又は、フェノール性水酸基であることが好ましく、カルボキシル基、又は、フェノール性水酸基であることが更に好ましい。
また、本発明では、化合物(1)を含む処理液をレジスト膜又はレジストパターンに用いるか、または処理液によりレジストパターンを形成するため、短時間(たとえば一般的なリンス時間である10秒から30秒)でムラ無く相互作用を形成させることが好ましいため、相互作用としてはイオン結合であることが好ましい。
化合物(1)が有する極性基と相互作用を形成する基としては、極性基とイオン結合を形成する基であることが好ましく、酸性基又は塩基性基であることがより好ましく、塩基性基であることが更に好ましく、対塩のpKaが8以上の塩基性基であることが特に好ましく、対塩のpKaが9以上の塩基性基であることが最も好ましい。pKaは、ACD/LABs pKaDB(Version8.0)(株)富士通)により計算される。
化合物(1)が有する極性基と相互作用を形成する基としては、具体的には、アルキルカチオン塩構造を含む基が挙げられ、アルキルアンモニウム塩構造を含む基が好ましい。
化合物(1)は、典型的には、ケイ素原子を有する基を有する化合物であり、ケイ素原子を有する基としては、たとえば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリストリメチルシロキシシリル基、トリストリメチルシリルシリル基、メチルビストリメチルシリルシリル基、メチルビストリメチルシロキシシリル基、ジメチルトリメチルシリルシリル基、ジメチルトリメチルシロキシシリル基、又はシロキサン結合を有する基が挙げられる。
シロキサン結合を有する基としては、直鎖状ポリシロキサン構造を有する基、環状ポリシロキサン構造を有する基などが挙げられ、シルセスキオキサン構造を有する基がより好ましい。シルセスキオキサン構造を有する基としては、カゴ型、はしご型、又はランダム型シルセスキオキサン構造などが挙げられ、好ましくは以下に示す基である。下記構造式中、R及びRは各々独立に、1価の置換基を表す。*は、結合手を表す。
ケイ素原子を有する基は、単位体積あたりのSi率が高いシルセスキオキサン構造を有する基であることが好ましく、これにより、優れたエッチング耐性を発現することができる。
シルセスキオキサン構造としては、例えば、カゴ型シルセスキオキサン構造、はしご型シルセスキオキサン構造(ラダー型シルセスキオキサン構造)、ランダム型シルセスキオキサン構造などが挙げられる。なかでも、カゴ型シルセスキオキサン構造が好ましい。
ここで、カゴ型シルセスキオキサン構造とは、カゴ状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。カゴ型シルセスキオキサン構造は、完全カゴ型シルセスキオキサン構造であっても、不完全カゴ型シルセスキオキサン構造であってもよく、完全カゴ型シルセスキオキサン構造であることが好ましい。
また、はしご型シルセスキオキサン構造とは、はしご状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。
また、ランダム型シルセスキオキサン構造とは、骨格がランダムのシルセスキオキサン構造である。
カゴ型シルセスキオキサン構造は、下記式(S)で表されるシロキサン構造であることが好ましい。
上記式(S)中、Rは、1価の置換基を表す。複数あるRは、同一であっても、異なってもよい。
Rが表す1価の置換基は特に制限されず、具体例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ブロック化メルカプト基(例えば、アシル基でブロック(保護)されたメルカプト基)、アシル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、シリル基、ビニル基、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、(メタ)アクリル基含有基およびエポキシ基含有基などが挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜10)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2〜10)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2〜10)などが挙げられる。
ヘテロ原子を有する炭化水素基としては、アルコキシ基が特に好ましい。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜15、より好ましくは炭素数6〜12)などが挙げられる。
化合物(1)は、イオン性の化合物であることが好ましく、下記一般式(1−1)で表されることがより好ましい。
一般式(1−1)中、
は有機酸アニオンを表し、カチオンXは窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表す。
Rxはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を表す。Rxが複数存在する場合、複数のRxは同じでも異なっていてもよい。また、Rxが複数存在する場合、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される上記環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
nはXが窒素カチオンの場合は3を表し、Xが硫黄カチオンの場合は2を表し、Xがヨウ素カチオンの場合は1を表す。
Ryは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。
は、ケイ素原子を含有する基を表す。
上記一般式(1−1)中、有機酸アニオンAの共役塩基構造は特に制限はなく、カルボン酸基、スルホン酸基、水酸基、メルカプト基、イミド基、スルホンアミド基、スルホンイミド基、メチレン化合物(マロン酸誘導体、アセト酢酸誘導体、シアノ酢酸誘導体、マロノニトリル誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススルホニルメタン誘導体等)、含窒素芳香族化合物(イミダゾール誘導体、インドール誘導体、イソシアヌル酸誘導体等)等の共役塩基構造が挙げられる、このなかでもカルボン酸基又はスルホン酸基であることが好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
有機酸アニオンAとしては、特に制限はなく、カルボン酸アニオン又はスルホン酸アニオンであることが好ましく、カルボン酸アニオンが特に好ましい。
は窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表し、窒素カチオン又は硫黄カチオンを表すことが好ましく、窒素カチオンを表すことがより好ましい。
Lの2価の連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、など)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜9であり、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基など)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜9であり、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4であり、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)、―COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S―、−SO―、―SO−、及び、これらの2つ以上を組み合わせてなる基等を挙げることができ、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの2つ以上を組み合わせてなる基であることが好ましく、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基であることがより好ましく、アルキレン基であることが更に好ましい。
Lの2価の連結基は置換基を有していてもよい。
Lの2価の連結基が有し得る置換基としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜15)、水酸基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、ハロゲン原子、アシル基(好ましくは炭素数2〜15)、アシロキシ基(好ましくは炭素数2〜15)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜15)、シアノ基及びニトロ基などが挙げられる。
Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの炭素数1以上20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく挙げられ、炭素数5〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜8のアルキル基が更に好ましい。
Rxのシクロアルキル基は、単環型であっても、多環型であってもよく、炭素数3〜15のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜10のシクロアルキル基であることがより好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキル基であることが更に好ましい。Rxのシクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、デカヒドロナフチル基、シクロデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、及び、2−ノルボルニル基などを挙げることができる。Rxのシクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロペンチル基、又は、シクロヘキシル基であることが好ましい。
Rxのアリール基は、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
Rxのアラルキル基は、炭素数6〜20のアラルキル基であることが好ましく、炭素数7〜12のアラルキル基であることより好ましい。Rxのアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
Rxのヘテロ環基は、炭素数2〜20のヘテロ環基であることが好ましく、炭素数2〜12のヘテロ環基であることがより好ましい。Rxのヘテロ環基の具体例としては、例えば、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピラジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオフェン基、ピペリジル基、ピペラジル基、フラニル基、ピラニル基、クロマニル基等が挙げられる。
Rxとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロ環基は、置換基を更に有していてもよい。
Rxとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロ環基が更に有し得る置換基の具体例、好ましい例としては、Lの2価の連結基が有し得る置換基として前述した置換基の具体例、好ましい例と同様の基が挙げられる。
Rxが複数存在する場合、複数のRxは同じでも異なっていてもよい。
Rxが複数存在する場合、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される上記環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
形成される環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環、ノルボルネン環、ノルボルナン環などのシクロアルカン環、イミダゾール環、ピペリジン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環、ジベンゾチオフェン環などのヘテロ環が挙げられる。これらの環は置換基を有しても良く、有し得る置換基としては、Lの2価の連結基が有し得る置換基として前述した置換基の具体例として前述した各基が挙げられる。
は、ケイ素原子を含有する基を表す。Bは、シルセスキオキサン構造を有することが好ましい。また、Bは、下記式(a)または(b)で表される基が好ましい。
上記式(a)中、Rは、1価の有機基を表す。複数あるRは、同一であっても、異なってもよい。Rの具体例および好適な態様は上述した式(S)におけるRと同じである。*は、結合手を表す。
上記式(b)中、Rは、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基の具体例および好適な態様は、上述した式(S)中のRと同じである。*は、結合手を表す。
化合物(1)は、フィルター濾過、再沈殿、再結晶等による精製を行ってもよい。また、必要に応じてカラムクロマトグラフィーによる精製を行ってもよい。また、化合物(1)の原料となる化合物や、化合物(1)を含む処理液をフィルター濾過してもよい。
フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
本発明の処理液に含有される化合物(1)は、1種であってもよいし2種以上を併用していてもよい。
処理液の全質量に対する、化合物(1)の含有量は特に制限されず、1質量%以上であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることが特に好ましい。
化合物(1)の具体例として、下記構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。下記構造式において、Etはエチル基を表し、tBuはtert−ブチル基を表し、C5はn−ペンチル基を表し、C8はn−オクチル基を表す。
〔(2)溶剤〕
本発明の処理液に含有される溶剤(「溶剤(2)」とも呼ぶ)について説明する。
溶剤(2)は水又は有機溶剤であることが好ましい。
有機溶剤としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有する有機溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤であることが好ましく、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤またはケトン系溶剤が好ましく、レジスト膜への浸透抑制の観点から、炭素数5以上の炭化水素系溶剤又は炭素数5以上のケトン系溶剤がより好ましく、炭素数7以上の炭化水素系溶剤又は炭素数7以上のケトン系溶剤が特に好ましい。
エステル系溶剤とは分子内にエステル結合を有する溶剤のことである。ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことである。アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことである。アミド系溶剤とは分子内にアミド基を有する溶剤のことである。エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも相当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも相当するものとする。また、炭化水素系溶剤とは置換基を有さない炭化水素溶剤のことである。
炭化水素系溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1−メチルプロピルベンゼン、2−メチルプロピルベンゼン、ジメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルジメチルベンゼン、ジプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、イソデカン、イソドデカン、イソウンデカン、イソヘキサデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、リモネン、イソプロピルシクロペンタン、tert−ブチルシクロヘキサン等の分岐鎖状脂肪族炭化水素系溶剤、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセンなどの不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。
不飽和炭化水素系溶剤が有する二重結合、三重結合は複数でもよく、炭化水素鎖のどの位置に有しても良い。二重結合を有することによるcis、trans体が混合しても良い。
なお、炭化水素系溶剤は、同じ炭素数で異なる構造の化合物の混合物であってもよい。例えば、脂肪族炭化水素系溶剤としてデカンを使用した場合、同じ炭素数で異なる構造の化合物である2−メチルノナン、2,2−ジメチルオクタン、4−エチルオクタン、イソデカンなどが脂肪族炭化水素系溶剤に含まれていてもよい。
また、上記同じ炭素数で異なる構造の化合物は、1種のみが含まれていてもよいし、上記のように複数種含まれていてもよい。
炭化水素系溶剤は、好ましくは、炭素数が5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。例えば、デカン、ウンデカン、イソデカン、イソドデカン、イソウンデカン、イソヘキサデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカンが好ましく、特に好ましくは、デカン、ウンデカンである。本発明の処理液は、デカン、ウンデカンの少なくとも1種を含むことが特に好ましい。炭素数が10以上の分岐鎖状脂肪族炭化水素系溶剤を含有することで、良好なパターン倒れ特性と良好なブリッジ特性を両立することができる。
炭化水素系溶剤の炭素数の上限値は特に限定されず、例えば、16以下が挙げられ、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。これにより、スピンドライ時の乾燥効率が向上し、ウエハ面内での欠陥発生を抑制できる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル(酢酸ペンチル)、酢酸イソアミル(酢酸イソペンチル、酢酸3−メチルブチル)、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、酢酸イソヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチル、ブタン酸イソブチル、ブタン酸ペンチル、ブタン酸ヘキシル、イソブタン酸イソブチル、ペンタン酸プロピル、ペンタン酸イソプロピル、ペンタン酸ブチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸ブチル、ヘキサン酸イソブチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロヘプチル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸シクロペンチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルが好ましく用いられ、酢酸ブチル、酢酸イソアミルが特に好ましく用いられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、中でもジイソブチルケトンが好ましい。
また、ケトン系溶剤としては、分岐アルキル基を有するケトン系溶剤でもよい。分岐アルキル基を有するケトン系溶剤とは、分子内に分岐アルキル基とケトン基を有する溶剤であり、分岐アルキル基を有する環式脂肪族ケトン系溶剤、又は分岐アルキル基を有する非環式脂肪族ケトン系溶剤であることが好ましい。
分岐アルキル基を有する環式脂肪族ケトン系溶剤としては、例えば、2−イソプロピルシクロヘキサノン、3−イソプロピルシクロヘキサノン、4−イソプロピルシクロヘキサノン、2−イソプロピルシクロヘプタノン、3−イソプロピルシクロヘプタノン、4−イソプロピルシクロヘプタノン、2−イソプロピルシクロオクタノンが挙げられる。
分岐アルキル基を有する非環式脂肪族ケトン系溶剤としては、例えば、ジイソヘキシルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチルイソペンチルケトン、プロピルイソペンチルケトン、ジイソペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、プロピルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、メチルイソプロピルケトンなどが挙げられ、特に好ましくは、ジイソブチルケトンである。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−デカノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール、4−メチル−2−ヘキサノール、4,5−ジチル−2−ヘキサール、6−メチル−2−ヘプタノール、7−メチル−2−オクタノール、8−メチル−2−ノナール、9−メチル−2−デカノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール(1価のアルコール)や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名1−メトキシ−2−プロパノール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等の水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。これらの中でもグリコールエーテル系溶剤を用いることが好ましい。
エーテル系溶剤としては、例えば、水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤の他、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の水酸基を含有しないグリコールエーテル系溶剤、アニソール、フェネトール等の芳香族エーテル溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。また、シクロペンチルイソプロピルエーテル、シクロペンチルsec−ブチルエーテル、シクロペンチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキシルイソプロピルエーテル、シクロヘキシルsec−ブチルエーテル、シクロヘキシルtert−ブチルエーテルなどの分岐アルキル基を有する環式脂肪族エーテル系溶剤や、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテルなどの直鎖アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤や、ジイソヘキシルエーテル、メチルイソペンチルエーテル、エチルイソペンチルエーテル、プロピルイソペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、プロピルイソブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテルなどの分岐アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤も挙げられる。中でも好ましくは、ウエハの面内均一性の観点から、炭素数8〜12の非環式脂肪族エーテル系溶剤であり、より好ましくは、炭素数8〜12の分岐アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤である。特に好ましくは、ジイソブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル又はジイソヘキシルエーテルである。
フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有する有機溶剤としては、フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有する、炭化水素系溶剤又はエーテル系溶剤が好ましい。
フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有する有機溶剤としては、フッ素原子を含有する有機溶剤が好ましい。
フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有する有機溶剤としては、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボンが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、パーフルオロカーボン及びハイドロフルオロカーボンから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
(ハイドロフルオロエーテル)
ハイドロフルオロエーテル(HFE)は、特に限定されず、好ましくは下記式1で表される化合物である。
式1 R1−O−R2
式1中、R1は炭素数1〜12の、アルキル基又はフルオロアルキル基、R2は炭素数1〜12の、パーフルオロアルキル基又はフルオロアルキル基を表す。
R1、R2は好ましくは炭素数3〜12の、パーフルオロアルキル基又はフルオロアルキル基を表す。
ハイドロフルオロエーテルの具体例としては、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、HFE−347pc−f(CFCHOCFCHF)などを挙げることができる。具体的商品としてはアサヒクリンAE−3000(旭硝子)、ノベックHFE−7100(住友スリーエム)、ノベックHFE−7200(住友スリーエム)などがあげられる。
ハイドロフルオロエーテルは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
(パーフルオロカーボン)
パーフルオロカーボン(PFC)は、完全フッ素化アルキル化合物であって、直鎖、分岐、環状か否かは問わない。パーフルオロカーボンの炭素数の範囲は3〜12であることが好ましい。炭素数が少ないと揮発性が高すぎるため、ウエハ面内の温度均一性が悪化する。他方、炭素数が多いと逆に揮発性が低すぎるためリンス後のスピンドライを行っても溶剤が揮発せず残存し、本来のリンスの目的が得られ難くなる。
パーフルオロカーボンの具体例としては、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロデカンなどを挙げることができる。具体的な商品としてはフロリナートFC−770(住友スリーエム)、フルーテック(ローヌプラン)、ガルデン(アウジモント)、アルフード(旭硝子)などがあげられる。
パーフルオロカーボンは1種単独又は2種類以上混合してもよい。
(ハイドロフルオロカーボン)
ハイドロフルオロカーボン(HFC)は、炭化水素における水素原子の一部がフッ素原子となった化合物であり、直鎖、分岐、環状か否かは問わず、化合物分子中にフッ素原子が少なくとも1個以上存在するものである。ハイドロフルオロカーボンの炭素数の範囲は3〜12であることが好ましい。
ハイドロフルオロカーボンの具体例としては、HFC−52−13p(CFCFCFCFCFCHF)、HFC−569sf(CFCFCFCFCHCH)、HFC−43−10mee、1,1,1,3,3ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフロロペンタンなどを挙げることができる。具体的商品としては、バートレル(三井・デュポンフロロケミカル)、ソルカン365mfc(ソルベイ)、アサヒクリンAC−2000(旭硝子)、アサヒクリンAC−4000(旭硝子)、アサヒクリンAC−6000(旭硝子)、などがあげられる。
ハイドロフルオロカーボンは1種単独又は2種類以上混合してもよい。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
本発明の処理液の全質量に対して、溶剤(2)の含有量が99〜60質量%であることが好ましく、99〜70質量%であることがより好ましく、99〜80質量%であることが更に好ましい。
〔酸化防止剤〕
本発明の処理液は、酸化防止剤を含有することが好ましい。これにより、経時的な酸化剤の発生を抑制でき、酸化剤の含有量をより低下できる。
酸化防止剤の含有量は、特に限定されず、処理液の全質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.01質量%が更に好ましい。0.0001質量%以上であるとより優れた酸化防止効果が得られ、1質量%以下であることで、現像残渣を抑制できる傾向にある。
<パターン形成方法>
本発明のパターン形成方法は、
感活性光線性又は感放射線性組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を現像液により現像する現像工程と、
上記現像されたレジスト膜をリンス液によりリンスするリンス工程と
をこの順で有し、かつ下記(a)〜(c)のいずれか少なくとも1つの条件を満たすパターン形成方法である。
(a)上記露光工程と現像工程の間に、露光された上記レジスト膜に前述の本発明の処理液を接触させる工程を有する。
(b)上記現像液が前述の本発明の処理液を含む。
(c)上記リンス液が前述の本発明の処理液を含む。
〔レジスト膜形成工程〕
レジスト膜形成工程は、感活性光線性又は感放射線性組成物を用いてレジスト膜(感活性光線性又は感放射線性膜)を形成する工程であり、例えば次の方法により行うことができる。なお、レジスト組成物については後述する。
レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成するためには、後述する各成分を溶剤に溶解して感活性光線性又は感放射線性組成物を調製し、必要に応じてフィルター濾過した後、基板上に塗布する。フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
感活性光線性又は感放射線性組成物は、集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン、二酸化シリコン被覆)上に、スピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後、乾燥し、レジスト膜を形成する。必要により、レジスト膜の下層に、各種下地膜(無機膜、有機膜、反射防止膜)を形成してもよい。
乾燥方法としては、加熱して乾燥する方法が一般的に用いられる。加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。加熱温度は80〜150℃で行うことが好ましく、80〜140℃で行うことがより好ましく、80〜130℃で行うことが更に好ましい。加熱時間は30〜1000秒が好ましく、60〜800秒がより好ましく、60〜600秒が更に好ましい。
レジスト膜の膜厚は、一般的には200nm以下であり、好ましくは100nm以下である。
例えば線幅20nm以下の1:1ラインアンドスペースパターンを解像させるためには、形成されるレジスト膜の膜厚が50nm以下であることが好ましい。膜厚が50nm以下であれば、後述する現像工程を適用した際に、パターン倒れがより起こりにくくなり、より優れた解像性能が得られる。
膜厚の範囲としてより好ましくは、15nmから45nmの範囲である。膜厚が15nm以上であれば、十分なエッチング耐性が得られる。膜厚の範囲として更に好ましくは、15nmから40nmである。膜厚がこの範囲にあると、エッチング耐性とより優れた解像性能とを同時に満足させることができる。
なお、本発明のパターン形成方法においては、レジスト膜の上層に上層膜(トップコート)を形成してもよい。トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらにレジスト膜上層に均一に塗布できることが好ましい。
[上層膜形成用組成物]
上層膜形成用組成物(トップコート形成用組成物)について説明する。
トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらにレジスト膜上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートについては、特に限定されず、従来公知のトップコートを、従来公知の方法によって形成でき、例えば、特開2014−059543号公報の段落0072〜0082の記載に基づいてトップコートを形成できる。
例えば、特開2013−61648号公報に記載されたような塩基性化合物を含有するトップコートをレジスト膜上に形成することが好ましい。トップコートが含み得る塩基性化合物の具体的な例は、感活性光線性又は感放射線性組成物における塩基性化合物と同様である。
また、トップコートは、エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される基又は結合を少なくとも一つ含む化合物を含むことが好ましい。
また、トップコートは、樹脂を含有することが好ましい。トップコートが含有することができる樹脂としては、特に限定されず、レジスト組成物に含まれ得る疎水性樹脂と同様のものを使用することができる。
疎水性樹脂に関しては、特開2013−61647号公報の<0017>〜<0023>(対応する米国公開特許公報2013/244438号の<0017>〜<0023>)、及び特開2014−56194号公報の<0016>〜<0165>の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
トップコートは、芳香環を有する繰り返し単位を含有する樹脂を含むことが好ましい。芳香環を有する繰り返し単位を含有することで、特に電子線またはEUV露光の際に、二次電子の発生効率、及び活性光線又は放射線により酸を発生する化合物からの酸発生効率が高くなり、パターン形成時に高感度化、高解像化の効果が期待できる。
ArF液浸露光に使用する場合は、ArF光への透明性の点から上記樹脂は実質的に芳香族基を有さないことが好ましい。
樹脂の重量平均分子量は好ましくは3000〜100000であり、更に好ましくは3000〜30000であり、最も好ましくは5000〜20000である。トップコート形成用組成物中の樹脂の配合量は、全固形分中、50〜99.9質量%が好ましく、70〜99.7質量%がより好ましく、80〜99.5質量%が更に好ましい。
トップコートが複数の樹脂を含む場合、フッ素原子及び/又は珪素原子を有する樹脂(XA)を少なくとも1種含むことが好ましい。フッ素原子及び/又は珪素原子を有する樹脂(XA)を少なくとも1種、及び、フッ素原子及び/又は珪素原子の含有率が樹脂(XA)より小さい樹脂(XB)をトップコート組成物が含むことがより好ましい。これにより、トップコート膜を形成した際に、樹脂(XA)がトップコート膜の表面に偏在するため、現像特性や液浸液追随性などの性能を改良させることができる。
樹脂(XA)の含有量は、トップコート組成物に含まれる全固形分を基準として、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.1〜8質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。樹脂(XB)の含有量は、トップコート組成物に含まれる全固形分を基準として、50.0〜99.9質量%が好ましく、60〜99.9質量%がより好ましく、70〜99.9質量%が更に好ましく、80〜99.9質量%が特に好ましい。
樹脂(XA)に含有されるフッ素原子の好ましい範囲は、樹脂(XA)の重量平均分子量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
樹脂(XA)に含有される珪素原子の好ましい範囲は、樹脂(XA)の重量平均分子量に対して、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
樹脂(XB)としては、フッ素原子及び珪素原子を実質的に含有しない形態が好ましく、この場合、具体的には、フッ素原子を有する繰り返し単位及び珪素原子を有する繰り返し単位の合計の含有量が、樹脂(XB)中の全繰り返し単位に対して0〜20モル%が好ましく、0〜10モル%がより好ましく、0〜5モル%が更に好ましく、0〜3モル%が特に好ましく、理想的には0モル%、すなわち、フッ素原子及び珪素原子を含有しない。
トップコート組成物全体中の樹脂の配合量は、全固形分中、50〜99.9質量%が好ましく、60〜99.0質量%がより好ましい。
また、トップコートは、酸発生剤、架橋剤を含有しても良い。これらの各成分の具体例及び好ましい例は上述の通りである。
トップコートは、典型的には、トップコート形成用組成物から形成される。
トップコート形成用組成物は、各成分を溶剤(トップコート溶剤)に溶解し、フィルター濾過することが好ましい。フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。なお、フィルターは、複数種類を直列又は並列に接続して用いてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。さらに、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。本発明のトップコート形成用組成物は、金属等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる金属成分の含有量としては、10ppm以下が好ましく、5ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が特に好ましい。
なお、トップコート溶剤に本発明の化合物(1)を添加してもよい。
後述する露光を液浸露光とする場合、トップコートは、レジスト膜と液浸液との間に配置され、レジスト膜を直接、液浸液に接触させない層としても機能する。この場合、トップコート(トップコート形成用組成物)が有することが好ましい特性としては、レジスト膜への塗布適性、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液(好ましくは水)に対する難溶性である。また、トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらにレジスト膜の表面に均一に塗布できることが好ましい。
なお、トップコート形成用組成物を、レジスト膜の表面に、レジスト膜を溶解せずに均一に塗布するために、トップコート形成用組成物は、レジスト膜を溶解しない溶剤を含有することが好ましい。レジスト膜を溶解しない溶剤としては、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)とは異なる成分の溶剤を用いることがさらに好ましい。
トップコート形成用組成物の塗布方法は、特に限定されず、従来公知のスピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、浸漬法などを用いることができる。
トップコートの膜厚は特に制限されず、露光光源に対する透明性の観点から、通常5nm〜300nm、好ましくは10nm〜300nm、より好ましくは20nm〜200nm、更に好ましくは30nm〜100nmの厚みで形成される。
トップコートを形成後、必要に応じて基板を加熱(PB)する。
トップコートの屈折率は、解像性の観点から、レジスト膜の屈折率に近いことが好ましい。
トップコートは液浸液に不溶であることが好ましく、水に不溶であることがより好ましい。
トップコートの後退接触角は、液浸液追随性の観点から、トップコートに対する液浸液の後退接触角(23℃)が50〜100度であることが好ましく、80〜100度であることがより好ましい。
液浸露光においては、露光ヘッドが高速でウエハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハ上を動く必要があることから、動的な状態におけるトップコートに対する液浸液の接触角が重要になり、より良好なレジスト性能を得るためには、上記範囲の後退接触角を有することが好ましい。
トップコートを剥離する際は、有機系現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジスト膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。トップコートの剥離がレジスト膜の現像と同時にできるという点では、トップコートは、有機系現像液により剥離できることが好ましい。剥離に用いる有機系現像液としては、レジスト膜の低露光部を溶解除去できるものであれば特に制限されない。
有機系現像液で剥離するという観点からは、トップコートは有機系現像液に対する溶解速度が1〜300nm/secが好ましく、10〜100nm/secがより好ましい。
ここで、トップコートの有機系現像液に対する溶解速度とは、トップコートを成膜した後に現像液に暴露した際の膜厚減少速度であり、本発明においては23℃の酢酸ブチルに浸漬させた際の速度とする。
トップコートの有機系現像液に対する溶解速度を1nm/sec秒以上、好ましくは10nm/sec以上とすることによって、レジスト膜を現像した後の現像欠陥発生が低減する効果がある。また、300nm/sec以下、好ましくは100nm/secとすることによって、おそらくは、液浸露光時の露光ムラが低減した影響で、レジスト膜を現像した後のパターンのラインエッジラフネスがより良好になるという効果がある。
トップコートはその他の公知の現像液、例えば、アルカリ水溶液などを用いて除去してもよい。使用できるアルカリ水溶液として具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が挙げられる。
本発明のパターン形成方法では、レジスト膜上にプリウェット溶剤を塗布する工程を有してもよい。これにより、上層膜形成用組成物の塗布性が改善し、省液化を達成できる。
プリウェット溶剤は、レジスト膜に対する溶解性が小さいものであれば特に限定されず、アルコール系溶剤、フッ素系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤の中から選ばれる一種以上の化合物を含有する上層膜用のプリウェット溶剤を用いることができる。
これらの溶剤は一種単独で又は複数を混合して用いてもよい。上記以外の溶剤を混合することで、レジスト膜に対する溶解性、上層膜形成用組成物中の樹脂の溶解性、レジスト膜からの溶出特性、などを適宜調整することができる。
〔露光工程〕
露光工程は、レジスト膜を露光する工程であり、例えば次の方法により行うことができる。
上記のようにして形成したレジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射する。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
活性光線又は放射線としては特に限定されず、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極紫外線(EUV、Extreme Ultra Violet)、電子線(EB、Electron Beam)等であり、極紫外線又は電子線が特に好ましい。露光は液浸露光であってもよい。
〔ベーク〕
本発明のパターン形成方法においては、露光後、現像を行う前にベーク(加熱)を行うことが好ましい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターン形状がより良好となる。
加熱温度は80〜150℃が好ましく、80〜140℃がより好ましく、80〜130℃が更に好ましい。
加熱時間は30〜1000秒が好ましく、60〜800秒がより好ましく、60〜600秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
〔プレリンス工程〕
本発明のパターン形成方法は、露光工程と現像工程の間に、露光されたレジスト膜に前述の本発明の処理液を接触させる工程(プレリンス工程)を有していてもよい。
レジスト膜に処理液を接触させる方法としては、たとえば、レジスト膜を有する基板にシャワー等で処理液を噴出させる方法、処理液が満たされた槽中にレジスト膜を有する基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、レジスト膜を有する基板表面に処理液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、レジスト膜を有する基板表面に処理液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転しているレジスト膜を有する基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら処理液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
レジスト膜に処理液を接触させる時間は特に制限はなく、通常は1〜300秒であり、好ましくは1〜120秒である。
処理液の温度は特に制限はなく、0〜50℃が好ましく、15〜35℃がより好ましい。
〔現像工程〕
現像工程は、露光されたレジスト膜を現像液によって現像する工程である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は露光部又は未露光部の樹脂が十分に溶解する時間であれば特に制限はなく、通常は10〜300秒であり、好ましくは10〜120秒である。
現像液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃がより好ましい。
(現像液)
現像液はアルカリ現像液でもよいし、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)でもよい。
−アルカリ現像液−
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
アルカリ現像液としては、特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
−有機系現像液−
次に、有機系現像液に含まれる有機溶剤について説明する。
有機溶剤の蒸気圧(混合溶剤である場合は全体としての蒸気圧)は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機溶剤の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウエハ面内の寸法均一性が良化する。
有機系現像液に用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤が広く使用され、たとえば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤等の溶剤を用いることができる。
これらの有機溶剤の具体例は前述の処理液に含有される溶剤(2)で説明したものと同様である。
有機系現像液に含まれる有機溶剤は、上記露光工程においてEUV光およびEBを用いる場合において、レジスト膜の膨潤を抑制できるという点から、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
上記エステル系溶剤のヘテロ原子は、炭素原子および水素原子以外の原子であって、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子数は、2以下が好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
有機系現像液に含まれる有機溶剤は、上記露光工程においてEUV光およびEBを用いる場合において、炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤に代えて、上記エステル系溶剤および上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤および上記炭化水素溶剤の混合溶剤を用いてもよい。この場合においても、レジスト膜の膨潤の抑制に効果的である。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、ケトン系溶剤として2−ヘプタノンを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
上記の混合溶剤を用いる場合において、炭化水素系溶剤の含有量は、レジスト膜の溶剤溶解性に依存するため、特に限定されず、適宜調製して必要量を決定すればよい。
上記の有機溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。現像液における有機溶剤(複数混合の場合は合計)の濃度は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは85〜100質量%、さらにより好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%である。最も好ましくは、実質的に有機溶剤のみからなる場合である。なお、実質的に有機溶剤のみからなる場合とは、微量の界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、消泡剤などを含有する場合を含む。
現像液は、酸化防止剤を含有することも好ましい。これにより、経時的な酸化剤の発生を抑制でき、酸化剤の含有量をより低下できる。酸化防止剤としては、公知のものが使用でき、半導体用途に用いる場合、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
酸化防止剤の含有量は、特に限定されず、現像液の全質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.01質量%が更に好ましい。0.0001質量%以上であるとより優れた酸化防止効果が得られ、1質量%以下であることで、現像残渣を抑制できる傾向にある。
現像液は、塩基性化合物を含有していてもよく、具体的にはレジスト組成物が含有してもよい塩基性化合物と同様のものが挙げられる。
現像液は、界面活性剤を含有してもよい。現像液が界面活性剤を含有することにより、レジスト膜に対する濡れ性が向上して、現像がより効果的に進行する。
界面活性剤としては、レジスト組成物が含有し得る界面活性剤と同様のものを用いることができる。
現像液が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、現像液の全質量に対して、0.001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜2質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は特に制限はなく、通常は10〜300秒であり、好ましくは20〜120秒である。
現像液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃がより好ましい。
現像工程で用いられる現像液としては、有機溶剤を含有する現像液を用いた現像と、アルカリ現像液による現像とを両方行ってもよい(いわゆる二重現像を行ってもよい)。
本発明のパターン形成方法では、現像液が前述の本発明の処理液を含んでいてもよく、その場合は処理液が現像液であることが好ましい。
〔リンス工程〕
リンス工程は、現像工程の後にリンス液によって洗浄(リンス)する工程である。
リンス工程においては、現像を行ったウエハをリンス液を用いて洗浄処理する。
洗浄処理の方法は特に限定されず、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転吐出法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転吐出方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
リンス時間には特に制限はなく、好ましくは10秒〜300秒であり、より好ましくは10秒〜180秒であり、最も好ましくは20秒〜120秒である。
リンス液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃が更に好ましい。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
さらに、現像処理又はリンス処理又は超臨界流体による処理の後、パターン中に残存する溶剤を除去するために加熱処理を行うことができる。加熱温度は、良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されず、通常40〜160℃である。加熱温度は50〜150℃が好ましく、50〜110℃が最も好ましい。加熱時間に関しては良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されず、通常15〜300秒であり、好ましくは、15〜180秒である。
(リンス液)
リンス液としては、有機溶剤を含むリンス液を用いることが好ましく、有機溶剤としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤が好ましい。
リンス液に含まれる有機溶剤が炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、及びケトン系溶剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、炭化水素系溶剤、及びエーテル系溶剤から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
リンス液が含む有機溶剤としては、エーテル系溶剤を好適に用いることができる。
これらの有機溶剤の具体例は前述の処理液に含有される溶剤(2)で説明したものと同様である。
リンス液の蒸気圧は、20℃において0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液が複数の溶剤の混合溶剤である場合は全体としての蒸気圧が上記範囲であることが好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液が含む有機溶剤は1種のみでも2種以上でもよい。2種以上含む場合としては、たとえば、ウンデカンとジイソブチルケトンの混合溶剤などが挙げられる。
リンス液は、界面活性剤を含有しても良い。リンス液が界面活性剤を含有することにより、レジスト膜に対する濡れ性が向上して、リンス性が向上し、異物の発生が抑制される傾向にある。
界面活性剤としては、後述する感活性光線性又は感放射線性組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
リンス液が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、リンス液の全質量に対して、0.001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜2質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
リンス液は酸化防止剤を含有しても良い。リンス液が含有してもよい酸化防止剤としては、前述の現像液が含有してもよい酸化防止剤と同様である。
リンス液が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、特に限定されず、リンス液の全質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.01質量%が更に好ましい。
本発明のパターン形成方法では、リンス液が前述の本発明の処理液を含んでいることが好ましく、前述の処理液をリンス液として用いることがより好ましい。
〔感活性光線性又は感放射線性組成物〕
本発明のパターン形成方法で使用される感活性光線性又は感放射線性組成物は、典型的にはレジスト組成物であり、好ましくは化学増幅型レジスト組成物である。
感活性光線性又は感放射線性組成物は、有機溶剤を含む現像液を使用する有機溶剤現像用及び/又はアルカリ現像液を使用するアルカリ現像用の感活性光線性又は感放射線性組成物であることが好ましい。ここで、有機溶剤現像用とは、少なくとも、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。アルカリ現像用とは、少なくとも、アルカリ現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。
感活性光線性又は感放射線性組成物はポジ型レジスト組成物であっても、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
感活性光線性又は感放射線性組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましい。
以下、感活性光線性又は感放射線性組成物に含有される各成分について説明する。
<樹脂(A)>
感活性光線性又は感放射線性組成物は、樹脂(A)を含有することが好ましい。樹脂(A)は、少なくとも(i)酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位(さらに、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有してもよい)、または、少なくとも(ii)フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有する。
なお、酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位を有すると、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。
樹脂(A)が有してもよいフェノール性水酸基を有する繰り返し単位について説明する。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(I)又は(I−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(I)及び(I−1)中、
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のシクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよい。好ましくは置換基を有していてもよいシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜8個で単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41、R42、R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していてもよい。
上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、一般式(I)におけるR41、R42、R43で挙げたアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;等が挙げられる。
により表される−CONR64−(R64は、水素原子又はアルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
としては、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。
が2価の連結基を表す場合、2価の連結基としてはアルキレン基が好ましい。
におけるアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Arとしては、置換基を有していてもよい炭素数6〜18の芳香環基がより好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、ビフェニレン環基が特に好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレン構造を備えていることが好ましい。即ち、Arは、ベンゼン環基であることが好ましい。
樹脂(A)が有するフェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、好ましくは、下記一般式(p1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(p1)におけるRは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。一般式(p1)中のRとしては水素原子が特に好ましい。
一般式(p1)におけるArは芳香族環を表し、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環が最も好ましい。
一般式(p1)におけるmは、1〜5の整数を表し、好ましくは1である。
以下、樹脂(A)が有してもよいフェノール性水酸基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。式中、aは1又は2を表す。また、樹脂(A)が有してもよいフェノール性水酸基を有する繰り返し単位の具体例として、特開2014−232309号公報の<0177>〜<0178>に記載の具体例が援用でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜50モル%が好ましく、より好ましくは0〜45モル%、更に好ましくは0〜40モル%である。
次に、樹脂(A)が有してもよい酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位について説明する。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位は、カルボキシル基の水素原子が酸の作用により分解して脱離する基で置換された基を有する繰り返し単位である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
一般式(AI)において、
Xaは、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。ただし、Rx〜Rxの全てがアルキル基(直鎖若しくは分岐)である場合、Rx〜Rxのうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Xaにより表される、置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基又は−CH−R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子など)、ヒドロキシル基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xaは、一態様において、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基等である。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合、アリーレン基又は−COO−Rt−基が好ましく、単結合又はアリーレン基がより好ましい。アリーレン基としては炭素数6〜10のアリーレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位としては、好ましくは、酸分解性(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル系繰り返し単位(Xaが水素原子又はメチル基を表し、かつ、Tが単結合を表す繰り返し単位)である。より好ましくは、Rx〜Rxが各々独立に、直鎖又は分岐のアルキル基を表す繰り返し単位であり、さらに好ましくは、Rx〜Rxが各々独立に、直鎖のアルキル基を表す繰り返し単位である。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されない。
具体例中、Rxは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbは各々炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0又は正の整数を表す。Zにより表される極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基を有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
また、酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位の具体例として、特開2014−232309号公報の<0227>〜<0233>に記載の具体例が援用でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
樹脂(A)は、下記一般式(5)又は(6)で表される繰り返し単位を含むことが好ましく、一般式(6)で表される繰り返し単位を含むことがより好ましい。
一般式(5)、(6)中、
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R42はLと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42はアルキレン基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表し、R42と環を形成する場合には3価の連結基を表す。
44およびR45は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基又はヘテロ環基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
、M及びR44の少なくとも二つが結合して環を形成してもよい。
Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。ただし、Rx〜Rxの全てがアルキル基(直鎖若しくは分岐)である場合、Rx〜Rxのうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
44およびR45は、後述の一般式(3)中のRと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
は、後述の一般式(3)中のMと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
は、後述の一般式(3)中のQと同義であり、また好ましい範囲も同様である。Q、M及びR44の少なくとも二つが結合して形成される環としては、Q、M及びRの少なくとも二つが結合して形成される環があげられ、また好ましい範囲も同様である。
一般式(5)におけるR41〜R43のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41〜R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
シクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよい。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜10個で単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
またR42がアルキレン基でありLと環を形成する場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基が特に好ましい。R42とLとが結合して形成する環は、5又は6員環であることが特に好ましい。
41及びR43としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF)、ヒドロキシメチル基(−CH−OH)、クロロメチル基(−CH−Cl)、フッ素原子(−F)が特に好ましい。R42としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルキレン基(Lと環を形成)がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF)、ヒドロキシメチル基(−CH−OH)、クロロメチル基(−CH−Cl)、フッ素原子(−F)、メチレン基(Lと環を形成)、エチレン基(Lと環を形成)が特に好ましい。
で表される2価の連結基としては、アルキレン基、2価の芳香環基、−COO−L−、−O−L−、これらの2つ以上を組み合わせて形成される基等が挙げられる。ここで、Lはアルキレン基、シクロアルキレン基、2価の芳香環基、アルキレン基と2価の芳香環基を組み合わせた基を表す。
は、単結合、−COO−L−で表される基又は2価の芳香環基が好ましく、2価の芳香環基(アリーレン基)がより好ましい。Lは炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン、プロピレン基がより好ましい。2価の芳香環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
がR42と結合して環を形成する場合における、Lで表される3価の連結基としては、Lで表される2価の連結基の上記した具体例から1個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
一般式(5)で表される繰り返し単位の具体例として、特開2014−232309号公報の<0270>〜<0272>に記載の具体例が援用でき、この内容は本願明細書に組み込まれるが、本発明はこれに限定されない。
また、樹脂(A)は、下記一般式(BZ)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(BZ)中、ARは、アリール基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとARとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
一般式(BZ)中の、AR、Rn、Rについて、特開2012−208447号公報の<0101>〜<0122>に記載されている事項が援用でき、この内容は本願明細書に組み込まれるが、本発明はこれに限定されない。
一般式(BZ)により表される繰り返し単位の具体例として、特開2012−208447号公報の<0123>〜<0131>に記載の具体例が援用でき、この内容は本願明細書に組み込まれるが、本発明はこれに限定されない。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、20〜90モル%が好ましく、より好ましくは25〜80モル%、更に好ましくは30〜70モル%である。
樹脂(A)は、さらにラクトン基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
ラクトン基としては、ラクトン構造を含有していればいずれの基でも用いることができ、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を含有する基であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものがより好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することが更に好ましい。また、ラクトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては一般式(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)で表される基である。
ラクトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRbは、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
一般式(AI)中、Rbは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Rbのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rbは、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。好ましくは、単結合、−Ab−CO−で表される連結基である。Abは、直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくは、メチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のうちのいずれかで示される基を表す。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位は、通常、光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
ラクトン基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
樹脂(A)は、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位、特に、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位をさらに有することができる。
これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。極性基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としてはアダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。極性基としては水酸基、シアノ基が好ましい。
極性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
樹脂(A)が、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
更に、上記以外の繰り返し単位として、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(光酸発生基)を有する繰り返し単位を含むこともできる。この場合、この光酸発生基を有する繰り返し単位が、後述する活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)にあたると考えることができる。
このような繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
41は、水素原子又はメチル基を表す。L41は、単結合又は2価の連結基を表す。L42は、2価の連結基を表す。R40は、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
以下に、一般式(4)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明がこれに限定されない。
そのほか、一般式(4)で表される繰り返し単位としては、例えば、特開2014−041327号公報の段落<0094>〜<0105>に記載された繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)が光酸発生基を有する繰り返し単位を含有する場合、光酸発生基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤;後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンなどの本発明のレジスト組成物を溶解する溶剤;等が挙げられる。より好ましくは本発明のレジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤がより好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液液抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈殿法や、濾別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化したりすることを防ぐことができる。
樹脂(A)の重量平均分子量の特に好ましい別の形態は、GPC法によるポリスチレン換算値で3,000〜9,500である。重量平均分子量を3,000〜9,500にすることにより、特にレジスト残渣(以降、「スカム」ともいう)が抑制され、より良好なパターンを形成することができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1.2〜3.0、特に好ましくは1.2〜2.0の範囲のものが使用される。分散度の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
感活性光線性又は感放射線性組成物において、樹脂(A)の含有量は、全固形分中50〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
また、感活性光線性又は感放射線性組成物において、樹脂(A)は、1種のみを使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
また、樹脂(A)は、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(VI)中、
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(VI−A)で表される構造がより好ましい。
ここで、L及びLは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルキレン基とアリール基とを組み合わせた基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
Q、M、Lの少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員若しくは6員環)を形成してもよい。
上記一般式(VI)で表される繰り返し単位は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(3)において、
Arは、芳香環基を表す。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基又はヘテロ環基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
、M及びRの少なくとも二つが結合して環を形成してもよい。
Arが表す芳香環基は、上記一般式(VI)におけるnが1である場合の、上記一般式(VI)におけるArと同様であり、より好ましくはフェニレン基、ナフチレン基であり、更に好ましくはフェニレン基である。
以下に一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。
上記酸分解性基を有する繰り返し単位は、1種類であってもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)における酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量(複数種類含有する場合はその合計)は、上記樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して5モル%以上90モル%以下であることが好ましく、5モル%以上80モル%以下であることがより好ましく、5モル%以上75モル%以下であることが更に好ましく、10モル%以上70モル%以下であることが特に好ましく、10モル%以上65モル%以下であることが最も好ましい。
樹脂(A)は、下記一般式(V−1)又は下記一般式(V−2)で表される繰り返し単位を含有してもよい。
式中、
及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
は0〜6の整数を表す。
は0〜4の整数を表す。
はメチレン基、酸素原子又は硫黄原子である。
一般式(V−1)又は(V−2)で表される繰り返し単位の具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
〔側鎖にケイ素原子を有する繰り返し単位(b)〕
樹脂(A)は、側鎖にケイ素原子を有する繰り返し単位(b)を更に有していてもよい。
側鎖にケイ素原子を有する繰り返し単位(b)は、側鎖にケイ素原子を有すれば特に制限されず、例えば、ケイ素原子を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位、ケイ素原子を有するビニル系繰り返し単位などが挙げられる。
ケイ素原子を有する繰り返し単位(b)は、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造(酸分解性基)を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
側鎖にケイ素原子を有する繰り返し単位(b)は、典型的には、側鎖にケイ素原子を有する基を有する繰り返し単位であり、ケイ素原子を有する基としては、前述の化合物(1)において記載したものと同様である。
ケイ素原子を有する繰り返し単位は、下記式(I)で表されるのが好ましい。
上記式(I)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Lは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
上記式(I)中、Xは、水素原子又は有機基を表す。
有機基としては、例えば、フッ素原子、水酸基などの置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられ、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
上記式(I)中、Aは、ケイ素原子含有基を表す。なかでも、前述の式(a)または(b)で表される基が好ましい。
上記式(I)中のAが上記式(a)で表される基である場合、上記式(I)は下記式(I−a)で表される。
樹脂(A)は、ケイ素原子を有する繰り返し単位を1種有していても、2種以上有していてもよい。
ケイ素原子を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1〜30モル%であることが好ましく、1〜20モル%であることがより好ましく、1〜10モル%であることが更に好ましい。
なお、本願明細書において、ケイ素原子と、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造(酸分解性基)とを有する繰り返し単位は、ケイ素原子を有する繰り返し単位にも、酸分解性基を有する繰り返し単位にも当てはまるものとする。
また、樹脂(A)は上記した以外の繰り返し単位を有していてもよく、たとえば、下記構造の繰り返し単位を有していてもよい。
〔(B)活性光線又は放射線により酸を発生する化合物〕
感活性光線性又は感放射線性組成物は、活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(「光酸発生剤《PAG:Photo Acid Generator》」、又は「化合物(B)」ともいう)を含有することが好ましい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であっても良く、重合体の一部に組み込まれた形態であっても良い。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用しても良い。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)の一部に組み込まれても良く、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれても良い。
パターン断面形状調整を目的に、酸発生剤が有するフッ素原子の数は適宜調整される。フッ素原子を調整することで、レジスト膜中における酸発生剤の表面偏在性の制御が可能になる。酸発生剤が有するフッ素原子が多いほど表面に偏在する。
本発明において、光酸発生剤が、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤としては、公知のものであれば特に限定されず、活性光線又は放射線、好ましくは電子線又は極紫外線の照射により、有機酸、例えば、スルホン酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド、又はトリス(アルキルスルホニル)メチドの少なくともいずれかを発生する化合物が好ましい。
より好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐(例えば、PF )、弗素化硼素(例えば、BF )、弗素化アンチモン(例えば、SbF )等を挙げることができる。
非求核性アニオンとしては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
また、非求核性アニオンとしては、以下の一般式(AN1)で表されるアニオンも好ましい態様として挙げられる。
式中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR、Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
一般式(AN1)について、更に詳細に説明する。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜4である。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfとして好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfの具体的としては、フッ素原子、CF、C、C、C、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもフッ素原子、CFが好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
、Rのアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。更に好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R、Rの置換基を有するアルキル基の具体例としては、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
、Rとしては、好ましくはフッ素原子又はCFである。
xは1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。
zは0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に限定されず、―COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S―、−SO―、―SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はこれらの複数が連結した連結基などを挙げることができ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。このなかでも―COO−、−OCO−、−CO−、−O−が好ましく、―COO−、−OCO−がより好ましい。
Aの環状の有機基としては、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基(芳香族性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む)等が挙げられる。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF(mask error enhancement factor)向上の観点から好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、アントラセン環が挙げられる。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環由来のものが挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環由来のものが好ましい。
また、環状の有機基としては、ラクトン構造も挙げることができ、具体例としては、上記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造を挙げることができる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよく、上記置換基としては、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであっても良く、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、スピロ環のいずれであっても良く、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基等が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であっても良い。
201、R202及びR203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。
201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。R201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等を挙げることができる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(AN1)で表されるアニオンの好ましい例としては、以下が挙げられる。下記例においてAは環状の有機基を表す。
SO−CF−CH−OCO−A、SO−CF−CHF−CH−OCO−A、SO−CF−COO−A、SO−CF−CF−CH−A、SO−CF−CH(CF)−OCO−A
一般式(ZII)、(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
本発明においては、上記光酸発生剤は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性を良好にする観点から、電子線又は極紫外線の照射により、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更に好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。
光酸発生剤としては、特開2014−41328号公報段落<0368>〜<0377>、特開2013−228681号公報段落<0240>〜<0262>(対応する米国特許出願公開第2015/004533号明細書の<0339>)が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、好ましい具体例として以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
光酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤の感活性光線性又は感放射線性組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは8〜40質量%である。特に、電子線や極紫外線露光の際に高感度化、高解像性を両立するには光酸発生剤の含有率は高いほうが好ましく、更に好ましくは10〜40質量%、最も好ましくは10〜35質量%である。
(C)溶剤
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物は、溶剤(「レジスト溶剤」ともいう)を含んでいることが好ましい。溶剤には異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。溶剤は、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及びアルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つとの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。なお、この溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。
成分(M1)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、及び、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
成分(M2)としては、以下のものが好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、又は乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、又は酢酸3−メトキシブチルが好ましい。
酪酸ブチルも好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、又は、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又はメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、又はシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、γ−ブチロラクトン又はプロピレンカーボネートがより好ましい。
上記成分の他、炭素数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
炭素数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
成分(M2)としては、引火点(以下、fpともいう)が37℃以上であるものを用いることが好ましい。このような成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:44℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(fp:45℃)、γ−ブチロラクトン(fp:101℃)又はプロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチル、又はシクロヘキサノンが更に好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル又は乳酸エチルが特に好ましい。なお、ここで「引火点」とは、東京化成工業株式会社又はシグマアルドリッチ社の試薬カタログに記載されている値を意味している。
溶剤は、成分(M1)を含んでいることが好ましい。溶剤は、実質的に成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)と他の成分との混合溶剤であることがより好ましい。後者の場合、溶剤は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいることが更に好ましい。
成分(M1)と成分(M2)との質量比は、100:0乃至15:85の範囲内にあることが好ましく、100:0乃至40:60の範囲内にあることがより好ましく、100:0乃至60:40の範囲内にあることが更に好ましい。即ち、溶剤は、成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでおり且つそれらの質量比が以下の通りであることが好ましい。即ち、後者の場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、15/85以上であることが好ましく、40/60以上であることよりが好ましく、60/40以上であることが更に好ましい。このような構成を採用すると、現像欠陥数を更に減少させることが可能となる。
なお、溶剤が成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいる場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、例えば、99/1以下とする。
上述した通り、溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。この場合、成分(M1)及び(M2)以外の成分の含有量は、溶剤の全量に対して、5質量%乃至30質量%の範囲内にあることが好ましい。
感活性光線性又は感放射線性組成物に占める溶剤の含有量は、全成分の固形分濃度が0.5〜30質量%となるように定めることが好ましく、1〜20質量%となるように定めることがより好ましい。こうすると、感活性光線性又は感放射線性組成物の塗布性を更に向上させることができる。
感活性光線性又は感放射線性組成物の固形分濃度は作成するレジスト膜の厚みを調整する目的で適宜調整できる。
(E)塩基性化合物
感活性光線性又は感放射線性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(E)塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
一般式(A)及び(E)中、 R200 、R201及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。
アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であることがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
また、アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4級のアンモニウム塩化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、フォスフェート等が挙げられ、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド、ブロマイド、アイオダイドが特に好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、アルコキシ基、アシル基、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、置換基を有していてもよい。フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2〜6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1〜5の範囲で何れであってもよい。
フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、フェノキシ基を有する1または2級アミンとハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。または、1または2級アミンと末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。
(プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA))
感活性光線性又は感放射線性組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物〔以下、化合物(PA)ともいう〕を更に含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン構造などを挙げることができる。
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
化合物(PA)の具体例としては、例えば、下記化合物を挙げることができる。更に、化合物(PA)の具体例としては、例えば、特開2014−41328号公報の段落0421〜0428、特開2014−134686号公報の段落0108〜0116に記載されたものを援用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
塩基性化合物の使用量は、感活性光線性又は感放射線性組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
塩基性化合物としては、例えば、特開2013−11833号公報の段落0140〜0144に記載の化合物(アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等)を用いることができる。
<疎水性樹脂>
感活性光線性又は感放射線性組成物は、上記樹脂(A)とは別に樹脂(A)とは異なる疎水性樹脂を有していてもよい。
疎水性樹脂はレジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角の制御、アウトガスの抑制などを挙げることができる。
疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“ケイ素原子”、及び、 “樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがさらに好ましい。また、上記疎水性樹脂は、炭素数5以上の炭化水素基を含有することが好ましい。これらの基は樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂が、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含む場合、疎水性樹脂に於ける上記フッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又はケイ素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1の段落0519に例示されたものを挙げることが出来る。
また、上記したように、疎水性樹脂は、側鎖部分にCH部分構造を含むことも好ましい。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH部分構造には、エチル基、プロピル基等が有するCH部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH部分構造に包含されないものとする。
疎水性樹脂に関しては、特開2014−010245号公報の<0348>〜[0415]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
なお、疎水性樹脂としてはこの他にも特開2011−248019号公報、特開2010−175859号公報、特開2012−032544号公報記載のものも好ましく用いることができる。
感活性光線性又は感放射線性組成物が疎水性樹脂を含有する場合、疎水性樹脂の含有量は感活性光線性又は感放射線性組成物の全固形分に対して0.01〜20質量%であることが好ましく、0.01〜10質量%であることがより好ましく、0.05〜8質量%であることが更に好ましく、0.5〜5質量%であることが特に好ましい。
本発明のパターン形成方法では、基板上に上記感活性光線性又は感放射線性組成物を用いてレジスト膜を形成し、上記レジスト膜上にトップコート組成物を用いてトップコート層を形成し得る。このレジスト膜の膜厚は、好ましくは10〜100nmであり、トップコート層の膜厚は、好ましくは10〜200nm、更に好ましくは20〜100nm、特に好ましくは40〜80nmである。
基板上に感活性光線性又は感放射線性組成物を塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
例えば、感活性光線性又は感放射線性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、レジスト膜を形成する。なお、予め公知の反射防止膜を塗設することもできる。また、トップコート層の形成前にレジスト膜を乾燥することが好ましい。
次いで、得られたレジスト膜上に、上記レジスト膜の形成方法と同様の手段によりトップコート組成物を塗布、乾燥し、トップコート層を形成することができる。
トップコート層を上層に有するレジスト膜に、通常はマスクを通して、電子線(EB)、X線又はEUV光を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。
界面活性剤(F)
感活性光線性又は感放射線性組成物は、界面活性剤(F)を更に含んでいてもよい。界面活性剤を含有することにより、波長が250nm以下、特には220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥のより少ないパターンを形成することが可能となる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることが特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の<0276>に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301若しくはEF303(新秋田化成(株)製);フロラードFC430、431若しくは4430(住友スリーエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120若しくはR08(DIC(株)製);サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105若しくは106(旭硝子(株)製);トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製);GF−300若しくはGF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802若しくはEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320若しくはPF6520(OMNOVA社製);又は、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D若しくは222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤は、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の<0280>に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。
これら界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
感活性光線性又は感放射線性組成物が界面活性剤を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0.0001〜2質量%、更に好ましくは0.0005〜1質量%である。
その他の添加剤(G)
感活性光線性又は感放射線性組成物は、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。
感活性光線性又は感放射線性組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して有機系現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。
本発明のパターン形成方法では、非化学増幅系のレジスト組成物も用いることができる。
非化学増幅系のレジスト組成物としては、例えば、
g線、h線、i線、KrF、ArF、EBあるいはEUV等の照射によって主鎖が切断し、分子量が低下することにより溶解性が変化するレジスト材料(例えば特開2013−210411号公報<0025>〜<0029>、<0056>や米国特許公報2015/0008211<0032>〜<0036>、<0063>に記載のα−クロロアクリル酸エステル系化合物とα−メチルスチレン系化合物との共重合体を主成分とするレジスト材料等)、
g線、h線、i線、KrF、ArF、EBあるいはEUV等によって生じたシラノール縮合反応を伴うハイドロゲンシルセスオキサン(HSQ)、塩素置換したカリックスアレーン、
g線、h線、i線、KrF、ArF、EBあるいはEUV等の光に対して吸収を有する金属錯体(マグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、セシウム、ジルコニウム、ハフニウム等の錯体であり、チタン、ジルコニウム、ハフニウムがパターン形成性の観点から好ましい)を含み、配位子脱離や酸発生剤と併用して配位子交換過程を伴うレジスト材料(特開2015−075500号公報<0017>〜<0033>、<0037>〜<0047>、特開2012−185485号公報<0017>〜<0032>、<0043>〜<0044>、米国特許公報2012/0208125<0042>〜<0051>、<0066>、特開2011−253185号公報<0015>〜<0060>等に記載のレジスト材料)等が挙げられる。
また、レジスト組成物としては、特開2008−83384号公報に記載の<0010>〜<0062>、<0129>〜<0165>に記載のレジスト組成物も用いることができる。
本発明の処理液、感活性光線性又は感放射線性組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、トップコート形成用組成物など)は、金属、ハロゲンを含む金属塩、酸、アルカリ等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、1ppb以下がより好ましく、100ppt以下が更に好ましく、10ppt以下が特に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が最も好ましい。
各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過や、蒸留による精製工程(特に薄膜蒸留、分子蒸留等)を挙げることができる。蒸留による精製工程は例えば、「<工場操作シリーズ>増補・蒸留、1992年7月31日発行、化学工業社」や「化学工学ハンドブック、2004年9月30日発行、朝倉書店、95頁〜102頁」が挙げられる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、これらの材質とイオン交換メディアを組み合わせた複合材料であってもよい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用しても良い。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。
また、各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する方法、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う方法、装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う方法等を挙げることができる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行っても良く、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用しても良い。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。
<収容容器>
処理液、現像液及びリンス液に使用し得る有機溶剤(「有機系処理液」ともいう)としては、収容部を有する、化学増幅型又は非化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の収容容器に保存されたものを使用することが好ましい。この収容容器としては、例えば、収容部の、有機系処理液に接触する内壁が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂のいずれとも異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成された、レジスト膜のパターニング用有機系処理液の収容容器であることが好ましい。この収容容器の上記収容部に、レジスト膜のパターニング用有機系処理液として使用される予定の有機溶剤を収容し、レジスト膜のパターニング時において、上記収容部から排出したものを使用することができる。
上記の収容容器が、更に、上記の収容部を密閉するためのシール部を有している場合、このシール部も、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成されることが好ましい。
ここで、シール部とは、収容部と外気とを遮断可能な部材を意味し、パッキンやOリングなどを好適に挙げることができる。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる樹脂は、パーフルオロ樹脂であることが好ましい。
パーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(PCTFE)、フッ化ビニル樹脂(PVF)等を挙げることができる。
特に好ましいパーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理が施された金属における金属としては、炭素鋼、合金鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼等を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理としては、皮膜技術を適用することが好ましい。
皮膜技術には、金属被覆(各種メッキ),無機被覆(各種化成処理,ガラス,コンクリート,セラミックスなど)および有機被覆(さび止め油,塗料,ゴム,プラスチックス)の3種に大別されている。
好ましい皮膜技術としては、錆止め油、錆止め剤、腐食抑制剤、キレート化合物、可剥性プラスチック、ライニング剤による表面処理が挙げられる。
中でも、各種のクロム酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、オレイン酸、ダイマー酸、ナフテン酸等のカルボン酸、カルボン酸金属石鹸、スルホン酸塩、アミン塩、エステル(高級脂肪酸のグリセリンエステルや燐酸エステル)などの腐食抑制剤、エチレンジアンテトラ酢酸、グルコン酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのキレート化合物及びフッ素樹脂ライニングが好ましい。特に好ましいのは、燐酸塩処理とフッ素樹脂ライニングである。
また、直接的な被覆処理と比較して、直接、錆を防ぐわけではなく、被覆処理による防錆期間の延長につながる処理方法として、防錆処理にかかる前の段階である「前処理」を採用することも好ましい。
このような前処理の具体例としては、金属表面に存在する塩化物や硫酸塩などの種々の腐食因子を、洗浄や研磨によって除去する処理を好適に挙げることができる。
収容容器としては具体的に以下を挙げることができる。
・Entegris社製 FluoroPurePFA複合ドラム(接液内面;PFA樹脂ライニング)
・JFE社製 鋼製ドラム缶(接液内面;燐酸亜鉛皮膜)
また、本発明において用いることができる収容容器としては、特開平11−021393号公報<0013>〜<0030>、及び特開平10−45961号公報<0012>〜<0024>に記載の容器も挙げることができる。
有機系処理液は、静電気の帯電、引き続き生じる静電気放電に伴う薬液配管や各種パーツ(フィルター、O−リング、チューブなど)の故障を防止する為、導電性の化合物を添加しても良い。導電性の化合物としては特に制限されず、例えば、メタノールが挙げられる。添加量は特に制限されず、好ましい現像特性を維持する観点で、10質量%以下が好ましく、更に好ましくは、5質量%以下である。薬液配管の部材に関しては、SUS(ステンレス鋼)、或いは帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ樹脂など)で被膜された各種配管を用いることができる。フィルターやO−リングに関しても同様に、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ樹脂など)を用いることができる。
なお、一般的に、現像液およびリンス液は、使用後に配管を通して廃液タンクに収容される。その際、リンス液として炭化水素系溶剤を使用する場合、現像液中に溶解したレジストが析出し、ウエハ背面や、配管側面などに付着することを防ぐために、再度、レジストが溶解する溶剤を配管に通す方法がある。配管に通す方法としては、リンス液での洗浄後に基板の背面や側面などをレジストが溶解する溶剤で洗浄して流す方法や、レジストに接触させずにレジストが溶解する溶剤を配管を通るように流す方法が挙げられる。
配管に通す溶剤としては、レジストを溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば上述した有機溶剤が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−ヘプタノン、乳酸エチル、1−プロパノール、アセトン、等を用いることができる。中でも好ましくは、PGMEA,PGME,シクロヘキサノンを用いることができる。
本発明のパターン形成方法により得られるパターンをマスクとして用い、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路、インプリント用モールド構造体、フォトマスク等を製造することができる。
上記の方法によって形成されたパターンは、DSA(Directed Self-Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4
No.8 Page4815-4823参照)にも用いることができる。また、上記の方法によって形成されたパターンは、例えば特開平3−270227及び特開2013−164509号公報に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
なお、本発明のパターン形成方法を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」に記載されている。
本発明のパターン形成方法を用いて製造されるフォトマスクは、ArFエキシマレーザー等で用いられる光透過型マスクであっても、EUV光を光源とする反射系リソグラフィーで用いられる光反射型マスクであってもよい。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法にも関する。
本発明の電子デバイスの製造方法により製造される電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA(Office Appliance)・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載される。
本発明は、上記化合物(1)にも関する。化合物(1)についての好ましい範囲は前述したとおりである。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[レジスト組成物の調製]
レジスト組成物中の樹脂(A)としては、以下のものを用いた。
樹脂(A)としては、下記樹脂(A―1)〜(A―15)を使用した。樹脂(A―1)〜(A―15)は、特開2013−8020号公報に記載された方法に準じて合成を行った。以下に、樹脂(A―1)〜(A―15)の構造、各繰り返し単位の組成比(モル比;左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を示す(Mnは数平均分子量である)。
光酸発生剤としては、以下のものを用いた。
塩基性化合物としては、以下のものを用いた。
架橋剤としては、以下のものを用いた。
界面活性剤としては、下記のものを使用した。
W−1:メガファックF176(DIC(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(DIC(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:KH−20(旭化成(株)製)
W−6:PolyFoxTM PF−6320(OMNOVA solution inc.製)(フッ素系)
疎水性樹脂としては、以下のものを用いた。
溶剤としては下記のものを使用した。
SL−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート
SL−3:2−ヘプタノン
SL−4:乳酸エチル
SL−5:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
SL−6:シクロヘキサノン
下記表2に示す成分を、表2に示す組成で溶剤に溶解させ、それぞれを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過してレジスト組成物を調製した。
[処理液の調製]
処理液に含有される化合物(1)としては、化合物X−1〜X−12を使用した。以下に、X−1〜X−12の構造を示す。下記構造式において、Etはエチル基を表し、tBuはtert−ブチル基を表し、C5はn−ペンチル基を表し、C8はn−オクチル基を表す。
X−1〜X−12は、下記合成スキームに準じて合成を行った。
反応1)Chemistry−a European Journal 17巻(2011年)5019−5023ページ
反応2)実験化学講座 15巻(上) 368ページ
反応3)Journal of Physical Chemistry B 116巻(2012年) 4561−4574ページ
処理液の溶剤としては下記のものを使用した。
SL−7:n−デカン
SL−8:n−ウンデカン
SL−9:ジイソブチルケトン
SL−10:純水
SL−11:1−ブタノール
下記表3に示す成分を下記表3に示す溶剤に溶解させ、これを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過して、処理液(Si化合物含有処理液)を調製した。
上層膜用の樹脂としては、下記樹脂を使用した。以下に、樹脂の構造、各繰り返し単位の組成比(モル比;左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を示す。
T−1: ポリアクリル酸 ジュリマーAC−10L(日本純薬(株)製)
T−2: ポリ(N−ビニルピロリドン) Luviskol K90 (BASFジャパン(株)製)
T−3: (ビニルアルコール60/酢酸ビニル40)共重合体 SMR−8M (信越化学工業(株)製)
T−4: プルラン PI−20 ((株)林原製)
添加剤としては、下記のものを用いた。
トップコート溶剤としては下記のものを使用した。
Y1:4−メチル−2−ペンタノール(MIBC)
Y2:デカン
Y3:ジイソアミルエーテル
Y4:1−ブタノール
Y5:イソブチルイソブチレート
Y6:イソブチルアルコール
[上層膜形成用組成物の調製]
下記表5に成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度2.0質量%の溶液を調製し、0.04μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して上層膜形成用組成物を調製した。
上記レジスト組成物を用いて、以下の操作によりレジストパターンを形成した。
DR−1:酢酸3−メチルブチル
DR−2:酢酸ブチル
DR−3:2−ヘプタノン
DR−4:2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
DR−5:ウンデカン
DR−6:ジイソブチルケトン
DR−7:ウンデカン/ジイソブチルケトン=30/70(質量比)混合液
DR−8:デカン
DR−9:デカン/ジイソブチルケトン=15/85(質量比)混合液
DR−10:ジイソアミルエーテル
DR−11:ジイソアミルエーテル/ジイソブチルケトン=20/80(質量比)混合液
DR―12:酢酸3−メチルブチル/ジイソブチルケトン=30/70(質量比)混合液
DR−13:純水
(ラインアンドスペースパターンの形成)
シリコンウエハ上に有機反射防止膜ARC29SR(Brewer社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上に、下記表6に示すレジスト組成物を塗布し、120℃で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚60nmのレジスト膜を形成した。
〔上層膜の形成〕
レジスト膜上に表6に示す上層膜形成用組成物を塗布し、膜厚が30nmの上層膜を形成した。
次いで、EUV露光装置(Exitech社製 Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupole、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1を有するマスク)を使用して、パターン露光を行った。パターン露光を行った後、ホットプレート上で100℃で、60秒間ベーク(PEB)を行った。その後、表6に記載のプレリンス液でプレリンスを行い(「なし」と記載されているものはプレリンスを行わなかった)、表6に記載の現像液をパドルして30秒間現像した。現像した後、表6に記載のリンス液でリンスをした。その後、2000rpmの回転数で30秒間ウエハを回転させ、線幅20nm〜30nmまでの1:1ラインアンドスペースパターンを得た。
(エッチング耐性の評価)
得られたレジストパターンをプラズマエッチング装置(日立ECRプラズマエッチング装置U−621)を用いてエッチングし、そのエッチング速度を求めた(プラズマ条件:Ar 500ml/分、N 500ml/分、O 10ml/分)。なお、エッチング速度は、プラズマの安定化を鑑みて、以下のとおりエッチングを開始してから10秒間でエッチングされた膜厚と、エッチングを開始してから5秒間でエッチングされた膜厚との差から求めた。エッチング速度は、210Å(オングストローム)/sec(秒)以下であることが好ましく、140Å/sec以下であることがより好ましく、70Å/sec以下であることがさらに好ましい。1Åは10−10mである。
(エッチング速度)={(10秒間でエッチングされた膜厚)−(5秒間でエッチングされた膜厚)}/5
エッチング速度が小さいほどエッチング耐性に優れる。
〔エッチングラフネスの評価/EUV〕
エッチングラフネスの評価は走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380II)を用いて行った。
<エッチングラフネス>
エッチングラフネスは、線幅26nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)の長手方向0.5μmの任意の50点について、線幅を計測し、その標準偏差を求め、3σ(nm)を算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
以上より、本発明の実施例の処理液及びパターン形成方法によれば、比較例に対して、エッチング耐性及びエッチングラフネスが良好な結果を示した。
<電子線(EB)照射装置を用いた場合の評価>
EUV露光装置の代わりに電子線照射装置((株)JEOL製 JBX6000;加速電圧50keV)を用いて、先に説明したのと同様の方法により、パターンを形成した。そして、得られたパターンについて、先に説明したのと同様の評価を行った。その結果、電子線(EB)照射装置を使用した場合にも、優れたエッチング耐性及びエッチングラフネスを達成できることが確認された。
<ArF照射装置を用いた場合の評価>
EUV露光装置の代わりにArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、Dipole、アウターシグマ0.800、インナーシグマ0.564、Y偏向)を用いて、液浸液として超純水を用い、先に説明したのと同様の方法により、パターンを形成した。得られたパターンについて、先に説明したのと同様の評価を行っても、優れたエッチング耐性及びエッチングラフネスが達成できる。
本発明の処理液は、本願明細書に記載の非化学増幅系のレジスト組成物(特に、g線、h線、i線、KrF、ArF、EBあるいはEUV等の光に対して吸収を有する金属錯体(マグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、セシウム、ジルコニウム、ハフニウム等の錯体であり、チタン、ジルコニウム、ハフニウムの錯体がパターン形成性の観点から好ましい)を含み、配位子脱離や酸発生剤と併用して配位子交換過程を伴うレジスト材料)から得られるレジスト膜及びこのレジスト膜から得られるレジストパターンの少なくとも一方に対して用いても、また、このレジストパターンを形成するために用いても、同様の効果が得られる。
本発明の処理液は、架橋剤を含むネガ型レジスト組成物から得られるレジスト膜及びこのレジスト膜から得られるレジストパターンの少なくとも一方に対して用いても、また、このレジストパターンを形成するために用いても、同様の効果が得られる。

Claims (13)

  1. 感活性光線性又は感放射線性組成物から得られるレジスト膜及び前記レジスト膜から得られるレジストパターンの少なくとも一方に対して用いられる、又はレジストパターンを形成するために用いられる、処理液であって、
    (1)ケイ素原子及び極性基と相互作用を形成する基を有する化合物、及び
    (2)溶剤
    を含む処理液。
  2. 前記(1)の化合物がイオン性の化合物である、請求項1に記載の処理液。
  3. 前記(1)の化合物が有する極性基と相互作用を形成する基が、極性基とイオン結合を形成する基である、請求項1又は2に記載の処理液。
  4. 前記(1)の化合物が有する極性基と相互作用を形成する基が、酸性基又は塩基性基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理液。
  5. 前記(1)の化合物が有する極性基と相互作用を形成する基が、対塩のpKaが8以上の塩基性基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理液。
  6. 前記(2)の溶剤が有機溶剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の処理液。
  7. 前記(1)の化合物が、下記一般式(1−1)で表される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理液。

    一般式(1−1)中、
    は有機酸アニオンを表し、カチオンXは窒素カチオン、硫黄カチオン、又はヨウ素カチオンを表す。
    Rxはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ環基を表す。Rxが複数存在する場合、複数のRxは同じでも異なっていてもよい。また、Rxが複数存在する場合、複数のRxは互いに結合して環を形成していてもよく、形成される上記環は環員として窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
    Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
    nはXが窒素カチオンの場合は3を表し、Xが硫黄カチオンの場合は2を表し、Xがヨウ素カチオンの場合は1を表す。
    Ryは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ環基を表す。
    は、ケイ素原子を含有する基を表す。
  8. 前記Bがシルセスキオキサン構造を有する、請求項7に記載の処理液。
  9. 前記(1)の化合物の含有量が処理液の全質量に対して1質量%以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の処理液。
  10. 前記(2)の溶剤が炭素数7以上の炭化水素系溶剤又は炭素数7以上のケトン系溶剤である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の処理液。
  11. 前記処理液がリンス液として用いられる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の処理液。
  12. 感活性光線性又は感放射線性組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記レジスト膜を露光する露光工程と、
    露光された前記レジスト膜を現像液により現像する現像工程と、
    前記現像されたレジスト膜をリンス液によりリンスするリンス工程と
    をこの順で有し、かつ下記(a)〜(c)の少なくとも1つの条件を満たすパターン形成方法;
    (a)前記露光工程と前記現像工程の間に、露光された前記レジスト膜に請求項1〜10のいずれか1項に記載の処理液を接触させる工程を有する。
    (b)前記現像液が請求項1〜10のいずれか1項に記載の処理液を含む。
    (c)前記リンス液が請求項1〜10のいずれか1項に記載の処理液を含む。
  13. 請求項12に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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