JPWO2017099078A1 - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、吸水性と消臭性のバランスに優れた吸収性物品を実現することである。本発明による吸収性物品(100)は、バックシート(30)と、トップシート(20)と、バックシート(30)とトップシート(20)の間に配される吸収体(10)と、を備え、吸収体(10)は、リン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するリン酸化セルロース繊維を含む。

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
近年、紙おむつ等の吸収性物品に関する様々な検討が進められている。このような技術としては、たとえば特許文献1および2に記載のものが挙げられる。
特許文献1は、吸収コアと、吸収コアを被覆するコアラップシートと、コアラップシートを覆う液透過性の外層シートと、を有する吸収性物品に関する。具体的には、表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対して特定の金属粒子を担持してなる金属担持セルロース繊維を含む薄葉紙からなるコアラップシートを用いることを特徴とするものである。特許文献2は、表面シートと、バックシートと、表面シートとバックシートとの間に介装される吸収体と、を備えた吸収性物品に関する。具体的には、表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を有する酸化セルロース繊維に対して特定の金属粒子を担持してなる金属担持セルロース繊維を含む吸収体を用いることを特徴とするものである。
特開2015−43940号公報 特開2015−84870号公報
吸収性物品については、吸水性と消臭性のバランスを向上させることが求められる。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] バックシートと、トップシートと、前記バックシートと前記トップシートの間に配される吸収体と、を備え、
前記吸収体は、リン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するリン酸化セルロース繊維を含む吸収性物品。
[2] 前記リン酸化セルロース繊維は、繊維幅が1000nm以下である微細繊維を含む[1]に記載の吸収性物品。
[3] 前記リン酸化セルロース繊維に担持される、Ag、Au、Pt、Pd、CuおよびZnからなる群から選択される一種または二種以上の金属成分を含む[1]または[2]に記載の吸収性物品。
[4] 前記吸収体は、前記リン酸化セルロース繊維および吸水性樹脂を含む吸収性本体と、前記吸収性本体を被覆する被覆部材と、により構成されている[1]〜[3]のいずれか一に記載の吸収性物品。
[5] 前記吸収体は、吸水性樹脂を含む吸収性本体と、前記吸収性本体を被覆し、かつ前記リン酸化セルロース繊維を含む被覆部材と、により構成されている[1]〜[3]のいずれか一に記載の吸収性物品。
本発明によれば、吸水性と消臭性のバランスに優れた吸収性物品を実現できる。
本実施形態に係る吸収性物品を示す断面模式図である。 繊維原料に対するNaOH滴下量と電気伝導度の関係を示すグラフである。
以下、本発明について更に詳細に説明する。なお、本明細書に記載される材料、方法および数値範囲などの説明は、当該材料、方法および数値範囲などに限定することを意図したものではなく、また、それ以外の材料、方法および数値範囲などの使用を除外するものでもない。
図1は、本実施形態に係る吸収性物品100を示す断面模式図である。
本実施形態に係る吸収性物品100は、バックシート30と、トップシート20と、バックシート30とトップシート20の間に配される吸収体10と、を備える。吸収体10は、リン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するリン酸化セルロース繊維を含む。
本発明者は、吸収性物品100を構成する吸収体10に、リン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するリン酸化セルロース繊維を含ませることにより、吸収体10における吸水性と消臭性のバランスを向上させることができることを新たに見出した。このように、本実施形態によれば、吸水性と消臭性のバランスに優れた吸収性物品を実現することが可能となる。
以下、本実施形態に係る吸収性物品100について詳細に説明する。
図1に示すように、吸収性物品100は、たとえば液透過性のトップシート20と、液不透過性のバックシート30と、トップシート20とバックシート30の間に介在する吸収体10を含んでいる。また、吸収性物品100は、たとえば吸収体10の左右両側部に一対のサイドシート50を有する。さらに、吸収性物品100は、たとえばバックシート30を肌非当接面側から被覆するカバーシート60を備えている。なお、本実施形態に係る吸収性物品100は、たとえば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、または吸収パッドのように体液を吸収保持することを目的として着用者に装着される物品に適用することができる。
トップシート20は、着用者の股下部の肌に直接接し、尿などの液体を吸収体10に透過させるためのシート状の部材である。このため、トップシート20は、柔軟性が高い液透過性材料で構成される。トップシート20は、吸収体10を肌当接面側から被覆するように配置される。トップシート20と吸収体10は、ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定すればよい。
トップシート20を構成する液透過性材料の例は、織布、不織布、または多孔性フィルムである。また、トップシート20としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、またはナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維に親水化処理を施して、不織布にしたものを用いることとしてもよい。また、トップシート20を構成する不織布としては、綿等の天然繊維を、スパンボンド法、スパンレース法、サーマルボンド法、メルトブローン法、またはニードルパンチ法等の加工法によって加工したものが挙げられる。不織布の加工法のうち、スパンボンド法により形成された不織布は、柔軟性及びドレープ性に優れている。また、サーマルボンド法は、嵩高でソフトな不織布を得られるというメリットがある。
バックシート30は、トップシート20を透過し吸収体10に吸収された液体が、漏出することを防止するためのシート状の部材である。このため、バックシート30は、液不透過性材料によって構成される。バックシート30は、吸収体10を肌非当接面側から被覆するように配置される。バックシート30と吸収体10は、ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定すればよい。
バックシート30を構成する液不透過材料の例は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートであり、少なくとも遮液性を有するシート材が用いられる。また、バックシート30としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に、無機充填剤を混練してシートを成形した後、延伸することにより得られる微多孔性の通気性樹脂シートを用いることもできる。その他、バックシート30としては、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布シートや、防水フィルムを介在して実質的な液不透過性を確保した不織布シートを用いることもできる。特に、0.1μm以上4μm以下の微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを、バックシート30として用いることが好ましい。
吸収体10は、尿などの液体を吸収し、吸収した液体を保持するための部材である。吸収体10は、上記トップシート20とバックシート30の間に配置され、トップシート20を透過した液体を吸収する機能を有する。また、吸収体10は、たとえば吸収層12をコアラップシート14により被包することにより構成されている。
吸収体10の形状は、砂時計型であることが好ましい。砂時計型とは、吸収体10が、前身頃側と後身頃側において、幅方向外側に向かって延出した延出部分を有することを意味する。砂時計型の吸収体10は、前身頃側及び後身頃側の四隅において延出部分が形成されているため、長手方向中央の股下部においては、吸収体10の内方に向かって湾曲又は屈折したくびれ部分が形成される。吸収体10を上記のような砂時計型とすることにより、吸収体10の長手方向中央部が着用者の両脚部の形状に合わせてくびれた形状となるため、使い捨ておむつの着用感を良好なものとすることができる。ただし、吸収体10の形状は上記砂時計型に限られず、その他矩形型、楕円形型、又はひょうたん型とすることとしてもよい。
吸収体10を構成する吸収層12は、たとえば親水性繊維および高吸水性樹脂(SAP)含む。親水性繊維は、たとえば木材フラッフパルプ、合成繊維、およびポリマー繊維のうちの一種または二種以上を含む。コアラップシート14は、たとえば通気性及び通液性に優れた不織布などにより構成される。不織布の種類は特に限定されるものではなく、例えばスパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、又はエアスルー不織布等の公知のものを適宜採用できる。また、コアラップシート14には、公知のティシュペーパーを利用することとしてもよい。
上述のとおり、吸収体10は、リン酸基またはリン酸基由来の置換基(以下、単にリン酸基ということもある)を有するリン酸化セルロース繊維を含んでいる。これにより、吸収性物品100における吸水性と消臭性のバランスを向上させることが可能となる。本実施形態において、吸収体10中におけるリン酸化セルロース繊維の含有量は、たとえば親水性繊維と高吸水性樹脂の合計を100重量部として、10重量部以上70重量部以下であることが好ましく、20重量部以上50重量部以下であることがより好ましい。これにより、吸水性と消臭性のバランスをより効果的に向上させることができる。
本実施形態の一例としては、吸収体10が、リン酸化セルロース繊維および吸水性樹脂を含む吸収性本体(吸収層12)と、吸収性本体を被覆する被覆部材(コアラップシート14)と、により構成されている場合が挙げられる。この場合、吸収体10は、たとえばリン酸化セルロース繊維により形成された木材フラッフパルプを親水性繊維として含む吸収層12により構成される。また、吸収体10は、たとえば親水性繊維および高吸水性樹脂を含む吸収層12にリン酸化微細セルロース繊維が添加されていてもよい。
吸収性本体(吸収層12)に含まれるリン酸化セルロース繊維の含有量は吸水性と消臭性を向上させる観点からは多いほうが良いが、場合によっては上限値を設けてもよい。吸収性本体(吸収層12)に含まれるリン酸化セルロース繊維の含有量を、たとえば吸収性本体全体の5質量%未満にすることで、吸収体本体製造時の操業性を損なうことなく、吸収性物品100の吸水性と消臭性のバランスを向上させることが可能となる。
本実施形態の他の例としては、吸収体10が、吸水性樹脂を含む吸収性本体(吸収層12)と、吸収性本体を被覆し、かつリン酸化セルロース繊維を含む被覆部材(コアラップシート14)と、により構成されている場合が挙げられる。この場合、リン酸化セルロース繊維を抄紙して得られた不織布により被覆部材が形成されていてもよく、被覆部材を構成する不織布に対してリン酸化微細セルロース繊維が添加されていてもよい。
吸収体を被覆する被覆部材(コアラップシート14)に含まれるリン酸化セルロース繊維の含有量を、たとえば被覆部材全体の5質量%未満にすることで、コアラップシート製造時の操業性を損なうことなく、吸収性物品100の吸水性と消臭性のバランスを向上させることが可能となる。
リン酸化セルロース繊維が有するリン酸基は、リン酸からヒドロキシル基を取り除いたものにあたる、2価の官能基である。具体的には−PO32で表される基である。リン酸基に由来する置換基は、リン酸基が縮重合した基、リン酸基の塩、リン酸エステル基などの置換基が含まれる。また、本願明細書において、リン酸基又はリン酸基に由来する置換基は、非イオン性置換基であってもよく、下記式(1)で表されるイオン性置換基であってもよい。
Figure 2017099078
式(1)中、a、b、m及びnはそれぞれ独立に整数を表す(ただし、a=b×mである);αn(n=1〜nの整数)およびα’はそれぞれ独立にR又はORを表す。Rは、水素原子、飽和−直鎖状炭化水素基、飽和−分岐鎖状炭化水素基、飽和−環状炭化水素基、不飽和−直鎖状炭化水素基、不飽和−分岐鎖状炭化水素基、芳香族基、又はこれらの誘導基である;βは有機物または無機物からなる1価以上の陽イオンである。
本実施形態において、リン酸化セルロース繊維のリン酸基又はリン酸基に由来する置換基の含有量は、たとえば0.1mmol/g以上である。リン酸基又はリン酸基に由来する置換基の含有量は0.5mmol/g以上であることが好ましく、0.8mmol/g以上であることがより好ましい。一方で、リン酸化セルロース繊維のリン酸基又はリン酸基に由来する置換基の含有量は、たとえば3.5mmol/g以下とすることができる。これにより、吸収性物品における吸水性と消臭性のバランスをより効果的に向上させることが可能となる。
リン酸基のセルロース繊維への導入量は、伝導度滴定法により測定することができる。本実施形態においては、たとえば水酸化ナトリウム水溶液を加えながら電気伝導度の変化を求めることにより、導入量を測定することができる。
伝導度滴定では、アルカリを加えていくと、図2に示した曲線を与える。最初は、急激に電気伝導度が低下する(以下、「第1領域」という)。その後、わずかに伝導度が上昇を始める(以下、「第2領域」という)。さらにその後、伝導度の増分が増加する(以下、「第3領域」という)。第2領域と第3領域の境界点は、伝導度の2回微分値、すなわち伝導度の増分(傾き)の変化量が最大となる点で定義される。すなわち、3つの領域が現れる。このうち、第1領域で必要としたアルカリ量が、滴定に使用したスラリー中の強酸性基量と等しく、第2領域で必要としたアルカリ量が滴定に使用したスラリー中の弱酸性基量と等しくなる。リン酸基が縮合を起こす場合、見かけ上弱酸性基が失われ、第1領域に必要としたアルカリ量と比較して第2領域に必要としたアルカリ量が少なくなる。一方、強酸性基量は、縮合の有無に関わらずリン原子の量と一致することから、単にリン酸基導入量(またはリン酸基量)、または置換基導入量(または置換基量)と言った場合は、強酸性基量のことを表す。
本実施形態において、セルロース繊維に対するリン酸基の導入は、繊維原料に対し、リン酸基を有する化合物及び/又はその塩(以下、「化合物A」という。)を反応させることにより行うことができる。この反応は、尿素及び/又はその誘導体(以下、「化合物B」という。)の存在下で行ってもよい。これにより、セルロース繊維のヒドロキシル基に、効率よくリン酸基を導入することができる。
なお、リン酸基導入工程は、セルロースにリン酸基を導入する工程を必ず含み、所望により、後述するアルカリ処理工程、余剰の試薬を洗浄する工程などを包含してもよい。
繊維原料としては、特に限定されないが、入手しやすく安価である点から、パルプを用いることが好ましい。パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。本実施態様のパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。上記パルプの中で、入手のしやすさという点で、セルロースを含む木材パルプ、脱墨パルプが好ましい。木材パルプの中でも化学パルプはセルロース比率が大きいため、繊維微細化(解繊)時の微細繊維状セルロースの収率が高く、またパルプ中のセルロースの分解が小さく、軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースが得られる点で好ましい。中でもクラフトパルプ、サルファイトパルプが最も好ましく選択される。
化合物Aを化合物Bの共存下で繊維原料に作用させる方法の一例としては、乾燥状態または湿潤状態の繊維原料に化合物Aおよび化合物Bの粉末や水溶液を混合する方法が挙げられる。また別の例としては、繊維原料のスラリーに化合物Aおよび化合物Bの粉末や水溶液を添加する方法が挙げられる。これらのうち、反応の均一性が高いことから、乾燥状態の繊維原料に化合物Aおよび化合物Bの水溶液を添加する方法、または湿潤状態の繊維原料に化合物Aおよび化合物Bの粉末や水溶液を添加する方法が好ましい。また、化合物Aと化合物Bは同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。また、初めに反応に供試する化合物Aと化合物Bを水溶液として添加して、圧搾により余剰の薬液を除いてもよい。繊維原料の形態は綿状や薄いシート状であることが好ましいが、特に限定されない。
本実施態様で使用する化合物Aは、リン酸基を有する化合物及び/又はその塩である。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩などが挙げられるが、特に限定されない。リン酸のリチウム塩としては、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、またはポリリン酸リチウムなどが挙げられる。リン酸のナトリウム塩としてはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン酸のカリウム塩としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、またはポリリン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、後述する解繊工程で解繊効率がより向上しやすく、低コストであり、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、またはリン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましい。リン酸二水素ナトリウム、またはリン酸水素二ナトリウムがより好ましい。
また、反応の均一性が高まり、かつリン酸基導入の効率が高くなることから化合物Aは水溶液として用いることが好ましい。化合物Aの水溶液のpHは特に限定されないが、リン酸基導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましく、パルプ繊維の加水分解を抑える観点からpH3以上pH7以下がさらに好ましい。化合物Aの水溶液のpHは例えば、リン酸基を有する化合物のうち、酸性を示すものとアルカリ性を示すものを併用し、その量比を変えて調整してもよい。化合物Aの水溶液のpHは、リン酸基を有する化合物のうち、酸性を示すものに無機アルカリまたは有機アルカリを添加すること等により調整してもよい。
繊維原料に対する化合物Aの添加量は特に限定されないが、化合物Aの添加量をリン原子量に換算した場合、繊維原料に対するリン原子の添加量は0.5質量%以上100質量%以下が好ましく、1質量%以上50質量%以下がより好ましく、2質量%以上30質量%以下が最も好ましい。繊維原料に対するリン原子の添加量が上記範囲内であれば、リン酸化セルロース繊維の収率をより向上させることができる。繊維原料に対するリン原子の添加量が100質量%以下とすることにより、製造コストを抑えることができる。一方、繊維原料に対するリン原子の添加量を上記下限値以上とすることにより、収率を高めることができる。
本実施態様で使用する化合物Bとしては、尿素、チオ尿素、ビウレット、フェニル尿素、ベンジル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、テトラメチル尿素、ベンゾレイン尿素、ヒダントインなどが挙げられる。この中でも低コストで扱いやすく、ヒドロキシル基を有する繊維原料と水素結合を作りやすいことから尿素が好ましい。
化合物Bは化合物A同様に水溶液として用いることが好ましい。また、反応の均一性が高まることから化合物Aと化合物Bの両方が溶解した水溶液を用いることが好ましい。繊維原料に対する化合物Bの添加量は1質量%以上300質量%以下であることが好ましい。
化合物Aと化合物Bの他に、アミド類またはアミン類を反応系に含んでもよい。アミド類としては、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。アミン類としては、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、特にトリエチルアミンは良好な反応触媒として働くことが知られている。
リン酸基導入工程においては加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理温度は、たとえば50℃以上250℃以下であることが好ましく、100℃以上200℃以下であることがより好ましい。また、加熱には減圧乾燥機、赤外線加熱装置、マイクロ波加熱装置を用いてもよい。
加熱処理の際、化合物Aを添加した繊維原料スラリーに水が含まれている間において、繊維原料を静置する時間が長くなると、乾燥に伴い水分子と溶存する化合物Aが繊維原料表面に移動する。そのため、繊維原料中の化合物Aの濃度にムラが生じる可能性があり、繊維表面へのリン酸基の導入が均一に進行しない恐れがある。乾燥による繊維原料中の化合物Aの濃度ムラ発生を抑制するためには、ごく薄いシート状の繊維原料を用いるか、ニーダー等で繊維原料と化合物Aを混練または/および撹拌しながら加熱乾燥又は減圧乾燥させる方法を採ればよい。
加熱処理に用いる加熱装置としては、スラリーが保持する水分及びリン酸基などの繊維の水酸基への付加反応で生じる水分を常に装置系外に排出できる装置であることが好ましく、例えば送風方式のオーブン等が好ましい。装置系内の水分を常に排出すれば、リン酸エステル化の逆反応であるリン酸エステル結合の加水分解反応を抑制できることに加えて、繊維中の糖鎖の酸加水分解を抑制することもでき、軸比の高い微細繊維を得ることができる。加熱処理の時間は、加熱温度にも影響されるが繊維原料スラリーから実質的に水分が除かれてから1分間以上300分間以下であることが好ましく、1分間以上200分間以下であることがより好ましいが、特に限定されない。
本実施形態においては、リン酸化処理工程の後で、得られたリン酸基導入繊維に対してアルカリ処理を行うことができる。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、リン酸基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、特に限定されないが、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよい。溶媒は、極性溶媒(水、またはアルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液の温度は特に限定されないが、5℃以上80℃以下が好ましく、10℃以上60℃以下がより好ましい。アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分間以上30分間以下が好ましく、10分間以上20分間以下がより好ましい。アルカリ処理におけるアルカリ溶液の使用量は特に限定されないが、リン酸基導入繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液使用量を減らすために、アルカリ処理工程の前に、リン酸基導入繊維を水や有機溶媒により洗浄しても構わない。アルカリ処理後には、取り扱い性を向上させるために、解繊処理工程の前に、アルカリ処理済みリン酸基導入繊維を水や有機溶媒により洗浄することが好ましい。
吸収体10に含まれるリン酸化セルロース繊維は、たとえば繊維幅が1000nm以下である微細繊維を含むことができる。これにより、吸収性物品における吸収性をより効果的に向上させることができる。本実施形態においては、吸収体10中に、繊維幅が1000nm以下である単繊維状のリン酸化セルロース繊維が含まれることが好ましい。リン酸化セルロース繊維の繊維幅は、たとえばTEM、SEM、AFMによる画像解析により求めることができる。微細繊維の繊維幅の下限値は、たとえば2nmとすることができる。
また、微細繊維の平均繊維幅は、たとえば2nm以上1000nm以下とすることができ、2nm以上100nm以下であることがより好ましい。これにより、吸水性と消臭性のバランスをより効果的に向上させることができる。なお、吸収体10に含まれる微細繊維の平均繊維幅は、たとえば吸収体10中に含まれる任意の単繊維状の微細繊維を100本選択し、その繊維幅の平均値から算出することができる。
上記微細繊維の繊維長は特に限定されないが、0.1μm以上1000μm以下が好ましく、0.1μm以上800μm以下がさらに好ましく、0.1μm以上600μm以下が特に好ましい。繊維長を上記範囲内とすることにより、微細繊維の結晶領域の破壊を抑制できる。なお、微細繊維の繊維長は、たとえばTEM、SEM、AFMによる画像解析により求めることができる。
吸収体10に含まれるリン酸化セルロース繊維は、繊維幅1000nm以下である微細繊維をリン酸化セルロース繊維全体に対して50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがとくに好ましい。一方で、リン酸化セルロース繊維に含まれる上記微細繊維の含有量の上限値は、とくに限定されないが、たとえば100質量%とすることができる。これにより、吸収性物品100の吸水性と消臭性のバランスをより効果的に向上させることが可能となる。一方で、リン酸化セルロース繊維全体に対する微細繊維の含有量は、50質量%未満であってもよい。本実施形態においては、たとえば吸収体10に含まれるリン酸化セルロース繊維が、繊維幅1000nm以下である微細繊維を含まない態様を採用することもできる。ここで、微細繊維を含まないとは、リン酸化セルロース繊維全体に対する微細繊維の含有量が5質量%以下である場合を指す。これにより、リン酸化セルロースのハンドリング性向上や、低コスト化を図ることができる。なお、リン酸化セルロース繊維全体に対する微細繊維の含有量は、0質量%であってもよい。
上記微細繊維は、たとえばリン酸化処理されたセルロース原料を解繊処理することによって得ることができる。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、繊維を解繊処理して、微細繊維状セルロース含有スラリーを得るが、処理装置、処理方法は、特に限定されない。解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい解繊処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられる。
解繊処理の際には、繊維原料を水と有機溶媒を単独または組み合わせて希釈してスラリー状にすることが好ましいが、特に限定されない。分散媒としては、水の他に、極性有機溶剤を使用することができる。好ましい極性有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられるが、特に限定されない。アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、またはt−ブチルアルコール等が挙げられる。ケトン類としては、アセトンまたはメチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。エーテル類としては、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。分散媒は1種であってもよいし、2種以上でもよい。また、分散媒中に繊維原料以外の固形分、例えば水素結合性のある尿素などを含んでも構わない。
吸収性物品100は、たとえば吸収体10に含まれるリン酸化セルロース繊維に担持される、Ag、Au、Pt、Pd、CuおよびZnからなる群から選択される一種または二種以上の金属成分を含むことができる。本実施形態においては、たとえばリン酸化セルロース繊維に対して金属化合物水溶液を接触させることによって、リン酸化セルロース繊維に金属成分を担持させることができる。金属成分は、たとえばリン酸化セルロース繊維に含まれるリン酸基またはリン酸基由来の置換基に対して、配位結合、水素結合、またはイオン結合により結合して担持される。結合の状態は、たとえばX線光電子分光分析もしくは赤外分光分析により解析できる。
本実施形態においては、たとえば次のようにして金属成分を担持させることができる。
まず、リン酸化セルロース繊維に対して、上記金属成分の化合物を含む水溶液を接触させ、リン酸化セルロース繊維のリン酸基またはリン酸基由来の置換基と金属化合物とを結合させる。これにより、金属イオン等の金属成分がリン酸化セルロース繊維に担持されることとなる。ここでは、たとえばリン酸化セルロース繊維の分散液に対して金属化合物の水溶液を添加してもよく、リン酸化セルロース繊維を含む繊維層に対して金属化合物の水溶液を滴下して含浸させてもよい。金属化合物の水溶液としては、たとえば金属塩または有機金属化合物の水溶液を用いることができる。金属塩としては、たとえば金属成分の錯体(錯イオン)、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、および酢酸塩が含まれる。なお、金属塩は水溶性であることが好ましい。
金属化合物水溶液の濃度は特に限定されないが、リン酸化セルロース繊維100質量部に対して10質量部以上80質量部以下が好ましく、30質量部以上60質量部以下がより好ましい。金属化合物を接触させる時間は適宜調整してよい。接触させる際の温度は特に限定されないが20℃以上40℃以下が好ましい。また、接触させる際の液のpHは2.5以上pH13以下が好ましい。
次いで、上記で得られたリン酸化セルロース繊維に結合した金属化合物を還元することができる。これにより、還元されて得られた金属粒子などの金属成分がリン酸化セルロース繊維の表面に担持されることとなる。還元反応は、公知の方法で行ってよいが、金属化合物を還元しつつ、金属化合物とリン酸基との結合を開裂しないように行うことが好ましい。本実施形態においては、たとえば水素による気相還元法、および水素化ホウ素ナトリウム水溶液などの還元剤を用いた液相還元法により還元処理を行うことができる。気相還元における時間、温度等の条件は適宜調整されるが、たとえば50℃以上60℃以下で1時間以上3時間以下程度反応させることができる。液相還元における反応温度は、たとえば4℃以上40℃以下が好ましく、室温がより好ましい。なお、本実施形態においては、金属化合物を還元する当該処理を実施しなくともよい。
また、吸収性物品100は、たとえば抗菌、消臭等の機能を有する無機化合物粒子をさらに含むことができる。これにより、吸収性物品100の消臭機能をより高めることや抗菌機能を付与することが可能となる。上記無機化合物粒子としては、たとえば二酸化珪素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化鉄(Fe2O)、酸化イットリウム(Y23)、酸化インジウム(InO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化セリウム(CeO2)、四酸化三マンガン(Mn34)、五酸化ニオブ(Nb25)、炭化珪素(SiC)、炭化ホウ素(B4C)、窒化アルミニウム(AlN)、ホウ化チタン(TiB2)、ゼオライト、ハイドロキシアパタイト、およびシリカに金属ナノ粒子が結合したナノプラチナ−シリカ粒子から選択される一種または二種以上を含むことができる。上記金属ナノ粒子としては、たとえば金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、白金、ルテニウム、亜鉛、パナジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムなどが挙げられる。
本実施形態においては、たとえば吸収層12およびコアラップシート14の一方または両方に上記無機化合物粒子を含ませることができる。この場合、無機化合物粒子のうちの少なくとも一部は、たとえば吸収層12またはコアラップシート14に含まれるセルロース繊維に付着した状態で存在することができる。なお、上記無機化合物粒子を含む吸収層12またはコアラップシート14は、たとえば上記無機化合物粒子そのもの、またはこれを含む市販の抗菌剤や消臭剤などを吸収層12またはコアラップシート14に添加することにより得ることができる。
なお、本発明にかかる吸収性物品の構成は、本実施形態に記載のものに限られない。たとえば吸収性物品は、液透過性の表面シートが吸収体10の両面を覆っており、吸収性物品の表面と裏面の両方から尿などを吸収可能としてもよい。また、吸収体10の構成についても、上述したものに限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[リン酸化]
針葉樹クラフトパルプとして、王子製紙製のパルプ(固形分93% 米坪208g/m 2シート状 離解してJIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)700ml)を使用した。上記針葉樹クラフトパルプの絶乾質量として100質量部に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を含浸し、リン酸二水素アンモニウム49質量部、尿素130質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプを得た。得られた薬液含浸パルプを105℃の乾燥機で乾燥し、水分を蒸発させてプレ乾燥させた。その後、140℃に設定した送風乾燥機で、10分間加熱し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入し、リン酸化パルプを得た。得られたリン酸化パルプの絶乾質量として100質量部に対して10000質量部のイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返し、リン酸変性セルロース繊維を得た。得られたリン酸変性セルロース繊維は、リン酸基の導入量が0.98mmol/gであった。
なお、リン酸基の導入量は、セルロースをイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈した後、イオン交換樹脂による処理、アルカリを用いた滴定によって測定した。イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024:オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。アルカリを用いた滴定では、イオン交換後の繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測した。すなわち、図2に示した曲線の第1領域で必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して、置換基導入量(mmol/g)とした。
[アルカリ処理及び洗浄]
次いで、リン酸基を導入したセルロース100gに5000mlのイオン交換水を加え、撹拌洗浄後、脱水した。脱水後のパルプを5000mlのイオン交換水で希釈し、撹拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpHが12以上13以下になるまで少しずつ添加して、パルプ分散液を得た。その後、このパルプ分散液を脱水し、5000mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水洗浄をさらに1回繰り返した。
[機械処理]
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加して、固形分濃度が1.0質量%のパルプ分散液とした。このパルプ分散液を、高圧ホモジナイザー(NiroSoavi社製、Panda Plus 2000)を用いて処理し、セルロース分散液を得た。高圧ホモジナイザーを用いた処理においては、操作圧力1200barにてホモジナイジングチャンバーを5回通過させた。さらに、このセルロース分散液を湿式微粒化装置(スギノマシン社製、アルティマイザー)を用いて処理し、微細繊維状セルロース分散液を得た。湿式微粒化装置を用いた処理においては、245MPaの圧力にて処理チャンバーを5回通過させた。微細繊維状セルロース分散液に含まれる微細繊維状セルロースの平均繊維幅は4nmであった。
[イオン交換処理及び金属イオン担持]
得られた微細繊維状セルロースをイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈した後、イオン交換樹脂による処理を行った。イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%微細繊維状セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024:オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。次いで、硝酸銀(I)をリン酸基導入量の2倍等量となる様に添加し、30分攪拌を行い、金属成分として銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリーを得た。
[洗浄及びスラリーの調製]
次いで、得られたスラリーの濾過洗浄を行い、系内に残留する硝酸イオンの除去を実施した。具体的には、ガラスフィルターの上に1.0μm孔径のPTFE製メンブランフィルターを載せ、フィルターをIPAで湿らせた後、スラリーを注ぎ、減圧度−0.09MPa(絶対真空度10kPa)にて減圧濾過を実施した。PTFE製メンブランフィルターの上に銀イオンを担持した微細繊維状セルロースの堆積物が形成されたことを確認後、元のスラリーと同量の水を注ぎ、減圧濾過する工程を2度繰り返した。
得られた銀イオンを担持した微細繊維状セルロースの堆積物をイオン交換水で含有量が1.0質量%となるように希釈し、銀イオンを担持した洗浄済みの微細繊維状セルロース含有スラリーを得た。
[吸収層の作成]
ドライパルプシート(NBKP)を解繊して得られたフラッフパルプ(乾燥重量80質量部)と高吸収性樹脂(SAP)(乾燥重量20質量部)を混合した。次いで、この混合物に対し、銀イオンを担持した洗浄済みの微細繊維状セルロース含有スラリーを乾燥重量が30質量部となるよう、スプレーで満遍なく噴霧し、静置して自然乾燥を行った。この時の吸収層の坪量は200g/m2とし、この吸収層に坪量20g/m2のコアラップシート(NBKP)を積層して吸収体を得た。
(実施例2)
吸収層を以下のとおり作成した以外は、実施例1と同様の手順により吸収体を得た。
[吸収層の作成]
ドライパルプシート(NBKP)を解繊して得られたフラッフパルプ(乾燥重量80質量部)と高吸収性樹脂(SAP)(乾燥重量20質量部)を混合した。この時の吸収層の坪量は200g/m2とした。次いで、坪量20g/m2のコアラップシート(NBKP)に銀イオンを担持した洗浄済みの微細繊維状セルロース含有スラリーをスプレーで乾燥重量が30重量部なるよう、満遍なくスプレーで噴霧した。静置して自然乾燥を行った後、得られた該コアラップシートを吸収層に積層して吸収体を得た。
(実施例3)
金属成分を担持させるために硝酸銀(I)でなく硝酸銅(II)を用いて、金属成分として銅イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリーを調整した点以外は実施例1と同様の手順により吸収体を得た。
(実施例4)
イオン交換処理及び金属イオン担持の工程と、洗浄及びスラリーの調製の工程を行わない以外は実施例1と同様の手順により吸収体を得た。
(実施例5)
実施例1と同様にして、リン酸化の工程と、アルカリ処理及び洗浄の工程を行うことによりリン酸化セルロース繊維を得た。次いで、得られたリン酸化セルロース繊維30質量部と、ドライパルプシート(NBKP)を解繊して得られたフラッフパルプ(乾燥重量80質量部)と、高吸収性樹脂(SAP)(乾燥重量20質量部)を混合した。この時の吸収層の坪量は200g/m2とした。この吸収層に坪量20g/m2のコアラップシート(NBKP)を積層して吸収体を得た。
(実施例6)
機械処理工程を行わない以外は実施例1と同様の手順で金属成分として銀イオンを担持したリン酸化セルロース繊維を得た。次いで、リン酸化セルロース繊維として、上記銀イオンを担持したリン酸化セルロース繊維を使用した以外は、実施例5と同様の手順により吸収体を得た。
(実施例7)
吸収層を以下のとおり作成した以外は、実施例6と同様の手順により吸収体を得た。
[吸収層の作成]
ドライパルプシート(NBKP)を解繊して得られたフラッフパルプ(乾燥重量80質量部)と高吸収性樹脂(SAP)(乾燥重量20質量部)を混合した。この時の吸収層の坪量は200g/m2とした。次いで、銀イオンを担持したリン酸化セルロース繊維含有スラリー30質量部と、NBKP70質量部を混合し、坪量20g/m2のコアラップシートを作製した。得られた該コアラップシートを吸収層に積層した吸収体を得た。
(比較例1)
リン酸化の工程と、アルカリ処理及び洗浄の工程を行わない以外は、実施例1と同様の手順で実施した。
(比較例2)
[酸化]
乾燥質量100質量部相当の未乾燥の針葉樹晒クラフトパルプと2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)1.6質量部と、臭化ナトリウム10質量部とを水10000質量部に分散させた。次いで、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1.0gのパルプに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が3.5mmolになるように加えて反応を開始した。反応中は1.0Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なし、パルプにカルボキシル基を導入した。このパルプスラリーを脱水し、脱水シートを得た後、5000質量部のイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返し、カルボキシル基変性セルロース繊維を得た。得られたカルボキシル基変性セルロース繊維は、カルボキシル基の導入量が1.01mmol/gであった。これにより得られたカルボキシル基変性セルロース繊維を用いて、実施例1と同様に機械処理以降の工程を実施して、シートを得た。
(吸水性評価)
各実施例および比較例1について、JIS L 1907に準じて測定されるバイレック法により吸水性を測定した。その結果、いずれの実施例も、比較例1、2に対して優れた吸水性を示した。実施例1〜4は、実施例5〜7と比較してさらに良好な吸水性を示した。
(消臭性評価)
5cm×5cmの吸収体の試験片が4枚入ったコック付きガスバッグに、アンモニア水溶液(アンモニア水2mL:水2mL)の飽和ガスを1.2mL注射器で挿入し、さらにエアーポンプにて空気を1.5L充填した。上記飽和ガスは、アンモニア水溶液が入っている密閉容器の気相から採取した。飽和ガス及び空気を充填後のガスバッグ中のアンモニアガス濃度は80〜90ppmであった。次に、検知管に吸引器とゴムチューブを繋ぎ、ゴムチューブをガスバッグに繋いだ。そして、空気を充填してから15分経過後のガスバッグ内のアンモニアガス濃度を測定した。
◎:非常に良い 残存濃度が初期の1/3以下
○:普通 残存濃度が初期の1/2〜3/1
×:悪い 残存濃度が初期の1/2以上
その結果、実施例1〜3および6、7では◎、実施例4、5および比較例1、2では○の結果が得られた。このように、金属成分を担持させた実施例においては、優れた消臭効果が得られていることが分かる。
(吸収性物品の製造)
トップシートとバックシートの間に、実施例1〜7で得た何れかの吸収体を配置し、これらをホットメルト接着剤にて一体に接着することにより吸収性物品を得た。ここでは、坪量25g/m2のポリプロピレンスパンボンド不織布をトップシートとして、坪量30g/m2のポリエチレンフィルムをバックシートとしてそれぞれ用いた。いずれの実施例の吸収体を用いた場合においても、吸水性と消臭性のバランスに優れた吸収性物品が実現された。
10 吸収体
12 吸収層
14 コアラップシート
20 トップシート
30 バックシート
50 サイドシート
60 カバーシート
100 吸収性物品

Claims (5)

  1. バックシートと、トップシートと、前記バックシートと前記トップシートの間に配される吸収体と、を備え、
    前記吸収体は、リン酸基またはリン酸基由来の置換基を有するリン酸化セルロース繊維を含む吸収性物品。
  2. 前記リン酸化セルロース繊維は、繊維幅が1000nm以下である微細繊維を含む請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記リン酸化セルロース繊維に担持される、Ag、Au、Pt、Pd、CuおよびZnからなる群から選択される一種または二種以上の金属成分を含む請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体は、前記リン酸化セルロース繊維および吸水性樹脂を含む吸収性本体と、前記吸収性本体を被覆する被覆部材と、により構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収体は、吸水性樹脂を含む吸収性本体と、前記吸収性本体を被覆し、かつ前記リン酸化セルロース繊維を含む被覆部材と、により構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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