JPWO2017061057A1 - 酸化防止剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(III)で示される化合物を含む酸化防止剤に関する。

Description

本発明は、酸化防止剤に関する。
式(I)で示される化合物は、ポリオレフィン等の熱可塑性ポリマーの酸化防止剤として知られている(例えば、特許文献1)。
Figure 2017061057
特開2001−81250号公報
熱可塑性ポリマー等の樹脂は、高い温度で加工をした際に、黄変、ゲルの生成、及び、ポリマー鎖の切断等の樹脂の劣化を生じることがあり、前記特許文献1に示すような従来の酸化防止剤は樹脂の安定性を高くするという点においては十分に満足できるものではなかった。
本発明の目的は、樹脂の安定性を高くする酸化防止剤を提供することにある。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(III)で示される化合物を含む酸化防止剤。
Figure 2017061057
[2]式(II)で示される化合物をさらに含む、前記[1]に記載の酸化防止剤。
Figure 2017061057
〔式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基又はフェニル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、
Xは単結合、硫黄原子又は>CH−R基(Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す)を表し、
Aは炭素数1〜8のアルキレン基又は*−C(=O)−R−基(Rは単結合又は炭素数1〜8のアルキレン基を表し、*は酸素側の結合手であることを表す)を表し、
Y及びZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他の一方が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
[3]式(II)で示される化合物100質量部に対して、式(III)で示される化合物を0.005〜10質量部含む、前記[2]に記載の酸化防止剤。
[4]下記測定条件における液体クロマトグラフィー測定において、式(II)で示される化合物のエリア面積100に対する、式(III)で示される化合物のエリア面積が0.01〜5である、前記[2]又は[3]に記載の酸化防止剤。
測定条件
カラム:Sumipax ODS A−212(6mmφ×150mm、充填剤の径:5μm)
カラム温度:40℃
移動相:(A液)0.1質量%酢酸アンモニウム/水
(B液)0.1質量%酢酸アンモニウム/メタノール
移動相勾配:0→20min(A液:20→0質量%(1質量%/min)、B液:80→100質量%(1質量%/min))、20→45min(A液:0質量%、B液:100質量%)
流速:1.0mL/min
検出方法:UV(280nm)
試料濃度:5mg/mL
注入量:10μL
[5]酸化防止剤100質量部に対して、式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物を合計90質量部以上含む、前記[2]〜[4]のいずれかに記載の酸化防止剤。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の酸化防止剤と熱可塑性ポリマーとを含む熱可塑性ポリマー組成物。
[7]熱可塑性ポリマー100質量部に対して、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の酸化防止剤を0.005〜5質量部含む、前記[6]に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
[8]熱可塑性ポリマーがポリオレフィンである、前記[6]又は[7]に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
[9]熱可塑性ポリマーの安定性を向上させるための、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の酸化防止剤の使用。
本発明によれば、樹脂の安定性をより高くする酸化防止剤を提供することができる。
本発明の酸化防止剤は、下記式(III)で示される化合物(以下、「化合物(III)」ということがある)を含む。化合物(III)を熱可塑性ポリマー等の樹脂に添加することにより、樹脂の黄変や熱劣化等を抑制し、樹脂の安定性を高めることができるため、化合物(III)は熱可塑性ポリマー等の樹脂に対する酸化防止剤の有効成分として適当である。
Figure 2017061057
化合物(III)は、例えば、特許第4013810号に記載されたp−ヒドロキシフェニルアルカノ−ルである2−t−ブチル−4−(3−ヒドロキシプロピル)−6−メチルフェノールを、塩化チオニル等で塩素化することによって製造することができる。
化合物(III)に加えて、下記式(II)で示される化合物(以下、「化合物(II)」ということがある)をさらに含むことが好ましい。化合物(III)に加えて化合物(II)を含むことによって、熱可塑性ポリマー等の樹脂の加工安定性がより向上する。
Figure 2017061057
式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基又はフェニル基を表す。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オクチル基、t−オクチル基及び2−エチルヘキシル基等が挙げられる。炭素数5〜8のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基等が挙げられる。炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基としては、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基及び1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基及びα,α−ジメチルベンジル基等が挙げられる。
式(II)中のR、R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基である。R及びRは、それぞれ独立に、より好ましくは、t−ブチル基、t−ペンチル基及びt−オクチル基等のt−アルキル基、シクロヘキシル基又は1−メチルシクロヘキシル基である。Rは、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基及び、t−ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、t−ブチル基又はt−ペンチル基である。Rは、好ましくは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基及びt−ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基である。
式(II)中、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。炭素数1〜8のアルキル基としては、上記したものと同一のものが挙げられる。Rは、好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基である。
Xは単結合、硫黄原子又は>CH−R基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を表す。Rで表される炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数5〜8のシクロアルキル基としては、上記したものと同一のものが挙げられる。Xは、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基及びt−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が置換したメチレン基又は単結合であり、より好ましくは単結合である。
Aは、炭素数1〜8のアルキレン基又は*−C(=O)−R−基を表す。Rは単結合又は炭素数1〜8のアルキレン基を表し、*は酸素側の結合手であることを表す。炭素数1〜8のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基及び2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。Aは、好ましくはプロピレン基である。*−C(=O)−R−基における*は、カルボニル基がホスファイト基の酸素原子と結合していることを表す。Rは、好ましくは単結合又はエチレン基である。
Y及びZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他の一方が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、上記したものと同一のものが挙げられる。炭素数7〜12のアラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基及びα,α−ジメチルベンジルオキシ基等が挙げられる。
化合物(II)としては、具体的に、例えば2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−〔3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ〕ジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン、6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−4,8−ジ−t−ブチル−2,10−ジメチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−4,8−ジ−t−ブチル−2,10−ジメチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数種組み合わせて用いてもよい。中でも、熱可塑性ポリマー等の樹脂の加工安定性向上の観点から、化合物(II)としては2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−〔3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ〕ジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピンが好ましい。
化合物(II)としては市販品を用いることができる。市販品としては、例えばスミライザー(登録商標)GP(住友化学製)等が挙げられる。
本発明の酸化防止剤が化合物(II)および化合物(III)を含む場合、化合物(III)の含有量は、化合物(II)100質量部に対して好ましくは0.005〜10質量部であり、より好ましくは0.005〜5質量部であり、さらに好ましくは0.005〜2質量部であり、特に好ましくは0.01〜2質量部である。化合物(III)の含有量が前記範囲内であると、熱可塑性ポリマー等の樹脂の加工安定性がより向上する。
本発明の酸化防止剤において、下記測定条件における液体クロマトグラフィー測定において、化合物(II)のエリア面積100に対する化合物(III)のエリア面積は、好ましくは0.01〜5であり、より好ましくは、0.01〜2であり、特に好ましくは0.1〜2である。
<測定条件>
カラム:Sumipax ODS A−212(6mmφ×150mm、充填剤の径:5μm)
カラム温度:40℃
移動相:(A液)0.1質量%酢酸アンモニウム/水
(B液)0.1質量%酢酸アンモニウム/メタノール
移動相勾配:0→20min(A液:20→0質量%(1質量%/min)、B液:80→100質量%(1質量%/min))、20→45min(A液:0質量%、B液:100質量%)
流速:1.0mL/min
検出方法:UV(280nm)
試料濃度:5mg/mL
注入量:10μL
化合物(II)のエリア面積100に対する化合物(III)のエリア面積が前記範囲内であると、熱可塑性ポリマー等の樹脂の加工安定性がより向上する。
本発明の酸化防止剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、顔料、可塑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、加工助剤、発泡剤、乳化剤、光沢剤、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等の中和剤及び結着剤等が挙げられる。
本発明の酸化防止剤は、酸化防止剤100質量部に対して、化合物(II)と化合物(III)とを合計で90質量部以上含むことが好ましく、より好ましくは95質量部以上、さらに好ましくは98質量部以上、特に好ましくは99質量部以上含む。なお、本発明の酸化防止剤が化合物(II)を含まない場合は、化合物(III)の量が前記範囲内にあることが好ましい。
本発明の酸化防止剤の形状は、特に限定されるものではないが、好ましくは粉末状、顆粒状、ペレット状又はフレーク状である。
本発明の酸化防止剤が化合物(II)および化合物(III)を含む場合、本発明の酸化防止剤は、例えば、化合物(II)と化合物(III)とを混合することで製造することができる。混合方法としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー又は、ハイスピードミキサー等の公知の混合機で混合する方法が挙げられる。具体的には、化合物(II)と化合物(III)とを、ローラーコンパクター等の圧縮造粒機で圧縮造粒してフレーク状酸化防止剤を得る方法、単軸又は多軸の押出し機で溶融押出しをしてペレット状酸化防止剤を得る方法、ディスクペレッター等の半乾式押出し機で押出しをしてペレット状酸化防止剤を得る方法、結着剤と共に混合し顆粒状酸化防止剤を得る方法、及び、溶媒に溶解あるいは分散させた後、溶媒を減圧除去する方法等が挙げられる。溶媒としては、例えば、炭素数6〜12の芳香族炭化水素類、炭素数1〜8のアルコール類及び炭素数2〜3の脂肪族ニトリル類等が挙げられる。本発明の酸化防止剤に添加剤を添加する場合は、化合物(II)及び化合物(III)と共に混合すればよい。
本発明の酸化防止剤は、熱可塑性ポリマー等の樹脂の黄変や熱劣化等を抑制することにより樹脂の安定性を高くすることができる。したがって、本発明は、本発明の酸化防止剤と熱可塑性ポリマーとを含有する熱可塑性ポリマー組成物をも提供する。
本発明の酸化防止剤により安定化することができる熱可塑性ポリマーとしては、例えば次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。熱可塑性ポリマーは、1種類であってもよいし、2種以上の熱可塑性ポリマーの混合物であってもよい。
プロピレン系樹脂;ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂及びエチレン/メチルメタクリレート共重合体等のエチレン系樹脂;メチルペンテンポリマー;ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂、特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合樹脂及びスチレン/ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂;塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリオレフィン;アクリル樹脂及びメタクリル樹脂等のアクリル樹脂;フッ素樹脂;ポリアセタール;グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリアミド;ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルホン;芳香族ポリエステル樹脂;ジアリルフタレートプリポリマー;シリコーン樹脂;並びに、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン及びブタジエン/アクリロニトリル共重合体等のエラストマーなど。
本発明において、熱可塑性ポリマーはポリオレフィン系の樹脂であることが好ましく、中でも、エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂がより好ましく、エチレン系樹脂がさらに好ましい。
エチレン/α−オレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。ポリエチレン及びエチレン/α−オレフィン共重合体等のエチレン系樹脂は、JISK6760によれば、密度が0.914〜0.925(g/cm)の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.925〜0.94(g/cm)の中密度ポリエチレン(MDPE)又は0.94〜0.96(g/cm)の高密度ポリエチレン(HDPE)に分類される。LDPEの中でも、エチレン/α−オレフィン共重合体を線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と呼ぶことがある。本発明において熱可塑性ポリマーは、特にLLDPEが好ましい。エチレン/α−オレフィン共重合体は、好ましくは、ポリエチレン結晶構造を有し、エチレンから誘導される繰り返し単位を50質量%以上含有する。
エチレン/α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンは、好ましくは炭素数4〜20のα−オレフィンである。α−オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン及びイソプレン等が挙げられ、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
エチレン系樹脂は、例えば、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとを、メタロセン系触媒又はチーグラーナッタ触媒等の触媒の存在下で重合することで得られる。重合方法としては、炭化水素溶媒等の溶媒中で行うスラリー重合法、溶媒重合法、無溶媒で行う液相重合法、気相重合法、及び、これらを連続的に行なう液相−気相重合法などが挙げられる。
本明細書においてプロピレン系樹脂とは、プロピレンに由来する構造単位を有するポリオレフィン系の樹脂を意味する。プロピレン系樹脂としては、例えば結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体及びポリプロピレン系ブロック共重合体等が挙げられる。好ましくは結晶性プロピレン単独重合体及びポリプロピレン系ブロック共重合体であり、より好ましくはポリプロピレン系ブロック共重合体である。
熱可塑性ポリマーに用いられるプロピレン系樹脂は、1種類でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
ポリプロピレン系ブロック共重合体としては、プロピレン単独重合体又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンと、エチレン及びα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つとからなる共重合体成分と、からなるポリプロピレン系ブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン系樹脂が含むα−オレフィンは、通常、炭素数4〜12のα−オレフィンである。α−オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン及び1−デセン等が挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えばプロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体等が挙げられる。
プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えばプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
プロピレン単独重合体又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンと、エチレン及びα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つとからなる共重合体成分と、からなるポリプロピレン系ブロック共重合体における主にプロピレンからなる共重合体成分としては、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分及びプロピレン−1−ヘキセン共重合体成分等が挙げられる。プロピレンと、エチレン及びα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つとからなる共重合体成分としては、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分及びプロピレン−1−オクテン共重合体成分等が挙げられる。プロピレンと、エチレン及びα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つとからなる成分における、エチレン及びα−オレフィンに由来する成分の含有量は、通常、0.01〜20質量%である。
プロピレン単独重合体又は主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンと、エチレン及びα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つとからなる共重合体成分と、からなるポリプロピレン系ブロック共重合体としては、例えばプロピレン−エチレンブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体及び(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン系樹脂の製造方法としては、炭化水素溶媒等の溶媒中で行うスラリー重合法、溶媒重合法、無溶媒で行う液相重合法、気相重合法、及びこれらを連続的に行なう液相−気相重合法などが挙げられる。これらの製造方法は、回分式であってもよく、連続式であってもよい。また、一段階で製造する方法であってもよく、二段階以上の多段階で製造する方法であってもよい。ポリプロピレン系ブロック共重合体は、例えば、構成するそれぞれの成分をそれぞれ製造する多段階の製造方法によって製造される。
本発明において、熱可塑性ポリマーのメルトインデックス(MI)値は、好ましくは0.01〜100g/10分であり、より好ましくは0.01〜10g/10分である。
エチレン系樹脂のMI値は、好ましくは0.01g/10分以上10g/10分未満である。プロピレン系樹脂のMI値は、成型加工性等の観点から、0.01〜100g/10分であると好ましい。
本発明の酸化防止剤と、熱可塑性ポリマーとを混合して、熱可塑性ポリマー組成物を得る方法としては、熱可塑性ポリマーと本発明の酸化防止剤とをドライブレンドした後、押出機で溶融押出しする方法、本発明の酸化防止剤を溶剤に溶解させた溶液と熱可塑性ポリマーとを混合し脱溶媒する方法、本発明の酸化防止剤を溶剤に溶解させた溶液と熱可塑性ポリマーを溶剤に溶解させた溶液とを混合し脱溶媒する方法等が挙げられる。溶剤としては、例えばシクロヘキサン等が挙げられる。熱可塑性ポリマーを溶剤に溶解させた溶液としては、溶液重合後の熱可塑性ポリマー溶液をそのまま用いるのが好ましい。
本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、熱可塑性ポリマー100質量部に対して、酸化防止剤を0.005〜5質量部含むことが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜1質量部、特に好ましくは0.03〜1質量部含む。
樹脂の安定性は、熱可塑性ポリマー組成物を混練し、ペレット状等に成形し、成形された熱可塑性ポリマー組成物のイエロネスインデックス(YI)値及びメルトインデックス(MI)値等を測定することで評価することができる。本発明の酸化防止剤は、特に樹脂の加工時の安定性を向上させる加工安定剤として有効である。樹脂の加工安定性は、加工前後の樹脂のMI値を測定することで評価することができる。
具体的には、樹脂の安定性は、例えば以下の方法によって評価することができる。
熱可塑性ポリマーと酸化防止剤とをドライブレンドし、得られた熱可塑性ポリマー組成物を、30mm径の二軸押出成形機を用いて、空気雰囲気下、190℃、スクリュー回転数80rpmで混練し、ペレット(1)を得る。得られたペレット(1)を、30mm径の単軸押出成形機を用いて、空気雰囲気下、230℃、スクリュー回転数50rpmで混練し、ペレット(2)を得る。この単軸押出成形機による混練・押出成形を5回繰り返し、ペレット(3)を得る。得られたペレット(3)について、ミノルタ製色差計CM−3500dを用いて、プラスックの光学的特性試験方法JIS K 7105に基づいてYI値を測定する。YI値が小さいほど黄色みが少なく、樹脂の安定性が高いとされる。また、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃にて荷重21.18N(2.16Kg)を用いてMI値を測定する。例えば、エチレン系樹脂はMI値が大きいほど安定性が高いとされる。一方、プロピレン系樹脂はMI値が小さいほど安定性が高いとされる。特に、押出成形機を用いて、200℃以上の温度で5回繰り返し成形を実施した際のMI値の変化が少ないエチレン系樹脂は、安定性が高いといえる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明する。部および%は特に断りがない限り質量基準を意味する。
実施例及び比較例において、具体的には、以下の化合物をそれぞれ用いた。
・熱可塑性ポリマー(A):線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(MI値:1.05g/10分、住友化学製)
・化合物(I)−A:n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート
・化合物(II)−A:2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−〔3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ〕ジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン(スミライザー(登録商標)GP、住友化学製)
・化合物(III)−A:2−t−ブチル−4−(3−クロロプロピル)−6−メチルフェノール
〔化合物(III)−Aの製造〕
特許第4013810号に記載された方法に準じて、2−t−ブチル−4−(3−ヒドロキシプロピル)−6−メチルフェノールを合成した。2−t−ブチル−4−(3−ヒドロキシプロピル)−6−メチルフェノール250g、ピリジン9g及びトルエン650mLを混合し、得られた混合物に塩化チオニル171gを滴下し、その後、78℃で3時間撹拌混合した。得られた混合物を室温まで冷却した後、水及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液で分液洗浄し、その後、溶媒を減圧留去することで粗生成物を得た。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン、クロロホルム)で精製し、2−t−ブチル−4−(3−クロロプロピル)−6−メチルフェノールを得た。得られた化合物が2−t−ブチル−4−(3−クロロプロピル)−6−メチルフェノールであることをH−NMRによって確認した。
(実施例1)
熱可塑性ポリマー(A)100質量部、化合物(III)−A0.1質量部及びステアリン酸カルシウム0.05質量部をドライブレンドした後、さらに、30mm径の二軸押出成形機(NAS30型押し出し機、ナカタニ社製)を用いて、空気雰囲気下、190℃、スクリュー回転数80rpmで混練し、熱可塑性ポリマー組成物であるペレット(1−1)を得た。得られたペレット(1−1)を、30mm径の単軸押出成形機(VS30−28型押し出し機、田辺プラスチックス社製)を用いて、空気雰囲気下、230℃、スクリュー回転数50rpmで混練し、ペレット(2−1)を得た。この単軸押出成形機による混練・押出成形をさらに5回繰り返してペレットを得た。繰り返し1、3、5回目で得られたペレット、及び、ペレット(2−1)をそれぞれポリ袋に充填し、ミノルタ製色差計CM−3500dを用いて、プラスックの光学的特性試験方法JIS K 7105に基づいてYI値を測定した。また、繰り返し5回目で得られたペレットのMI値を、メルトインデクサ(株式会社テクノ・セブン製、型式L246−3537)を用いて、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃、荷重21.18N(2.16Kg)で測定することでポリマー組成物の加工安定性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
化合物(III)−Aの代わりに化合物(I)−Aを用いた以外は実施例1と同様にして熱可塑性ポリマー組成物を調製し、得られたポリマー組成物の加工安定性および黄変を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017061057
(実施例2)
〔酸化防止剤(A)の調製〕
化合物(II)−Aと化合物(III)−Aを表2に記載の割合で混合し酸化防止剤(A)を得た。酸化防止剤(A)に対して、下記測定条件で液体クロマトグラフィー測定を行った。化合物(II)−Aのエリア面積100に対する化合物(III)−Aのエリア面積を表2に示す。
液体クロマトグラフィー(LC)測定条件
LC測定装置:島津製作所 LC−10Avp
カラム:Sumipax ODS A−212(6mmφ×150mm、充填剤の径:5μm)
カラム温度:40℃
移動相:(A液)0.1質量%酢酸アンモニウム/水
(B液)0.1質量%酢酸アンモニウム/メタノール
移動相勾配:0→20min(A液:20→0質量%(1質量%/min)、B液:80→100質量%(1質量%/min))、20→45min(A液:0質量%、B液:100質量%)
流速:1.0mL/min
検出器:SPD−10Avp
検出方法:UV(280nm)
試料濃度:5mg/mL
注入量:10μL
〔熱可塑性ポリマー組成物の調製〕
熱可塑性ポリマー(A)100質量部、酸化防止剤(A)0.1質量部及びステアリン酸カルシウム0.05質量部をドライブレンドした後、さらに、30mm径の二軸押出成形機(NAS30型押し出し機、ナカタニ社製)を用いて、空気雰囲気下、190℃、スクリュー回転数80rpmで混練し、熱可塑性ポリマー組成物であるペレット(1−2)を得た。得られたペレット(1−2)を、30mm径の単軸押出成形機(VS30−28型押し出し機、田辺プラスチックス社製)を用いて、空気雰囲気下、230℃、スクリュー回転数50rpmで混練し、ペレット(2−2)を得た。この単軸押出成形機による混練・押出成形をさらに5回繰り返してペレット(3−2)を得た。ペレット(3−2)のMI値を、メルトインデクサ(株式会社テクノ・セブン製、型式L246−3537)を用いて、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃、荷重21.18N(2.16Kg)で測定することでポリマー組成物の加工安定性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例3〜6、比較例2)
実施例3〜6においては、化合物(II)−A及び化合物(III)−Aとして、表2に記載した部数を用いた以外は、実施例2と同様にして酸化防止剤及び熱可塑性ポリマー組成物を得て、エリア面積及びポリマー組成物の加工安定性を評価した。比較例2は、酸化防止剤を使用しなかった例である。実施例3〜6および比較例2の結果を表2に示す。
Figure 2017061057
1)化合物(II)−Aと化合物(III)−Aの合計量を100とした。
2)化合物(II)−Aのエリア面積を100として算出した。
表1に示すとおり、式(III)で示される化合物から構成される本発明の酸化防止剤では、繰り返し混練、押出成形を繰り返した後でもYI値が低く、従来の酸化防止剤〔(I)−A〕と比較して黄変を抑制する効果が高かった。また、繰り返し混練、押出成形を繰り返した後のMI値も高く、樹脂の加工安定性に優れることが確認された。さらに、表2に示すとおり、式(II)で示される化合物を含む場合には、樹脂の安定性がより高くなることが確認された。
本発明によれば、樹脂の安定性をより高くする酸化防止剤を提供することができる。

Claims (9)

  1. 式(III)で示される化合物を含む酸化防止剤。
    Figure 2017061057
  2. 式(II)で示される化合物をさらに含む、請求項1に記載の酸化防止剤。
    Figure 2017061057
    〔式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基又はフェニル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、
    Xは単結合、硫黄原子又は>CH−R基(Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す)を表し、
    Aは炭素数1〜8のアルキレン基又は*−C(=O)−R−基(Rは単結合又は炭素数1〜8のアルキレン基を表し、*は酸素側の結合手であることを表す)を表し、
    Y及びZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数7〜12のアラルキルオキシ基を表し、他の一方が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
  3. 式(II)で示される化合物100質量部に対して、式(III)で示される化合物を0.005〜10質量部含む、請求項2に記載の酸化防止剤。
  4. 下記測定条件における液体クロマトグラフィー測定において、式(II)で示される化合物のエリア面積100に対する、式(III)で示される化合物のエリア面積が0.01〜5である、請求項2又は3に記載の酸化防止剤。
    測定条件
    カラム:Sumipax ODS A−212(6mmφ×150mm、充填剤の径:5μm)
    カラム温度:40℃
    移動相:(A液)0.1質量%酢酸アンモニウム/水
    (B液)0.1質量%酢酸アンモニウム/メタノール
    移動相勾配:0→20min(A液:20→0質量%(1質量%/min)、B液:80→100質量%(1質量%/min))、20→45min(A液:0質量%、B液:100質量%)
    流速:1.0mL/min
    検出方法:UV(280nm)
    試料濃度:5mg/mL
    注入量:10μL
  5. 酸化防止剤100質量部に対して、式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物を合計90質量部以上含む、請求項2〜4のいずれかに記載の酸化防止剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化防止剤と熱可塑性ポリマーとを含む熱可塑性ポリマー組成物。
  7. 熱可塑性ポリマー100質量部に対して、請求項1〜5のいずれかに記載の酸化防止剤を0.005〜5質量部含む、請求項6に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
  8. 熱可塑性ポリマーがポリオレフィンである、請求項6又は7に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
  9. 熱可塑性ポリマーの安定性を向上させるための、請求項1〜5のいずれかに記載の酸化防止剤の使用。
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