JPWO2017038218A1 - 歯科用セメント - Google Patents

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Abstract

本発明の一態様は、歯科用セメントにおいて、有機過酸化物及び(メタ)アクリレートを含む第一剤と、チオ尿素誘導体、アスコルビン酸塩、バナジウム化合物及び(メタ)アクリレートを含む第二剤を有し、前記第一剤及び前記第二剤は、それぞれ、水の含有量が1質量%以下である。

Description

本発明は、歯科用セメントに関する。
歯科治療において、補綴物を装着する際に、歯科用セメントが用いられている。また、歯科用セメントは、知覚過敏の保護材、小児のシーラント等としても用いられている。
しかしながら、口腔内のような湿潤条件下における硬化性が低いという問題があった。
特許文献1には、(メタ)アクリレートに過酸化物質としてtert−ブチルヒドロペルオキシドを含む第一成分、(メタ)アクリレートに還元性物質としてチオ尿素誘導体及び重合促進剤としてバナジウム化合物とを含む第二成分とからなる重合性組成物が開示されている。
特許文献2には、(メタ)アクリレートに過酸化物質としてクメンヒドロペルオキシドを含む第一成分、(メタ)アクリレートに還元性物質としてチオ尿素誘導体及び重合促進剤としてバナジウム化合物とを含む第二成分とからなる重合性組成物が開示されている。
特開2009−144054号公報 特開2012−51856号公報
しかしながら、硬化物の曲げ強度を向上させることが望まれている。
本発明の一態様は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、湿潤条件下における硬化性及び硬化物の曲げ強度に優れる歯科用セメントを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、歯科用セメントにおいて、有機過酸化物及び(メタ)アクリレートを含む第一剤と、チオ尿素誘導体、アスコルビン酸塩、バナジウム化合物及び(メタ)アクリレートを含む第二剤を有し、前記第一剤及び前記第二剤は、それぞれ、水の含有量が1質量%以下である。
本発明の一態様によれば、湿潤条件下における硬化性及び硬化物の曲げ強度に優れる歯科用セメントを提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
歯科用セメントは、有機過酸化物及び(メタ)アクリレートを含む第一剤と、チオ尿素誘導体、アスコルビン酸塩、バナジウム化合物及び(メタ)アクリレートを含む第二剤を有する。これにより、湿潤条件下における硬化性を向上させることができる。
第一剤中の水の含有量及び第二剤中の水の含有量は、それぞれ、1質量%以下であり、0.5質量%以下であることが好ましい。第一剤中の水の含有量又は第二剤中の水の含有量が1質量%を超えると、硬化物の曲げ強度が低下する。
本明細書及び請求の範囲において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート(アクリル酸エステル)、メタクリレート(メタクリル酸エステル)又はこれらの重合体としての、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するオリゴマー若しくはプレポリマーを意味する。
(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]プロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
また、(メタ)アクリレートとして、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートを用いてもよい。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5−トリス[1,3−ビス{(メタ)アクリロイルオキシ}−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルプロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを原料とするウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを原料とするウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
さらに、(メタ)アクリレートとして、酸基を有する(メタ)アクリレートを用いてもよい。
酸基としては、歯質、ジルコニア、アルミナ等のセラミックス、貴金属を含む合金に対する接着性を付与することが可能であれば、特に限定されないが、リン酸基、カルボキシル基等が挙げられる。中でも、歯面のスメアー層の溶解や歯質脱灰の効果が高く、特に、エナメル質に対する接着性が高いことから、リン酸基が好ましい。
酸基を有する(メタ)アクリレートは、酸基を複数個有していてもよい。
リン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニルハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、1,3−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]プロパン−2−ジハイドロジェンホスフェート、1,3−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]プロパン−2−フェニルハイドロジェンホスフェート、ビス[5−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル}ヘプチル]ハイドロジェンホスフェート、(2−プロペノイックアシッド,2−メチル−)ホスフィニコビス(オキシ−2,1,3−プロパン)、2−(ホスホノオキシ)−1,3−プロパンジイルビスメタクリレート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、接着性及び安定性の点から、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートが好ましい。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸無水物、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、1,4−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]ピロメリット酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、接着性の点から、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物が好ましい。
なお、第二剤に含まれる(メタ)アクリレートは、第一剤に含まれる(メタ)アクリレートと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第一剤中の(メタ)アクリレートの含有量は、通常、10〜95質量%であり、15〜80質量%であることが好ましい。
第二剤中の(メタ)アクリレートの含有量は、通常、10〜95質量%であり、15〜80質量%であることが好ましい。
有機過酸化物は、(メタ)アクリレートに対して、安定であることから、ヒドロペルオキシドであることが好ましい。
ヒドロペルオキシドとしては、特に限定されないが、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
第一剤中の有機過酸化物の含有量は、通常、0.01〜5質量%であり、0.1〜2質量%であることが好ましい。第一剤中の有機過酸化物の含有量が0.01質量%以上であることにより、歯科用セメントの硬化性を向上させることができ、10質量%以下であることにより、第一剤の保存安定性を向上させることができる。
チオ尿素誘導体としては、(メタ)アクリレートに対して、安定な還元性物質であれば、特に限定されないが、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N−アセチルチオ尿素、N−ベンゾイルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、ジシクロヘキシルチオ尿素等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、N−アセチルチオ尿素、N−ベンゾイルチオ尿素が好ましい。
第二剤中のチオ尿素誘導体の含有量は、通常、0.1〜5質量%であり、0.1〜1質量%であることが好ましい。第二剤中のチオ尿素誘導体の含有量が0.1質量%以上であることにより、歯科用セメントの硬化性を向上させることができ、5質量%以下であることにより、(メタ)アクリレートに対する溶解性を向上させることができる。
アスコルビン酸塩としては、(メタ)アクリレートに対して、安定な還元性物質であれば、特に限定されないが、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム及びこれらの立体異性体等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウムが好ましい。
第二剤中のアスコルビン酸塩の含有量は、通常、0.1〜5質量%であり、0.1〜1質量%であることが好ましい。第二剤中のアスコルビン酸塩の含有量が0.1質量%以上であることにより、歯科用セメントの湿潤条件下における硬化性を向上させることができ、5質量%以下であることにより、第二剤の保存安定性を向上させることができる。
バナジウム化合物としては、(メタ)アクリレートに対して、安定な重合促進剤であれば、特に限定されないが、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムベンゾイルアセトネート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
第二剤中のバナジウム化合物の含有量は、通常、0.001〜1質量%であり、0.01〜0.1質量%であることが好ましい。第二剤中のバナジウム化合物の含有量が0.001質量%以上であることにより、歯科用セメントの硬化性を向上させることができ、1質量%以下であることにより、第二剤の保存安定性を向上させることができる。
第一剤及び/又は第二剤は、フィラーをさらに含んでいてもよい。
フィラーとしては、硬化物の強度を向上させることが可能であれば、特に限定されないが、無水ケイ酸、バリウムガラス、アルミナガラス、カリウムガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等のガラス類、合成ゼオライト、リン酸カルシウム、長石、ヒュームドシリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、石英等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、酸基を有する(メタ)アクリレートに対して、安定であることから、無水ケイ酸、ヒュームドシリカ、石英が好ましい。
フィラーは、シランカップリング剤により表面処理されていてもよい。
シランカップリング剤としては、(メタ)アクリレートと結合させることが可能であれば、特に限定されないが、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
また、フィラーは、予め(メタ)アクリレートと混合して硬化させた後、粉砕することにより製造されている有機無機複合フィラーであってもよい。
なお、第二剤に含まれるフィラーは、第一剤に含まれるフィラーと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第一剤中のフィラーの含有量は、通常、4〜90質量%であり、15〜80質量%であることが好ましい。
第二剤中のフィラーの含有量は、通常、4〜90質量%であり、15〜80質量%であることが好ましい。
第一剤及び/又は第二剤は、必要に応じて、光重合開始剤、安定化剤、抗菌剤、顔料等をさらに含んでいてもよい。
光重合開始剤としては、特に限定されないが、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
安定化剤としては、特に限定されないが、6−tert−ブチル−2,4−キシレノール等が挙げられる。
第一剤及び/又は第二剤は、ペーストであることが好ましい。これにより、歯科用セメントの操作性を向上させることができる。
歯科用セメントは、第一剤と第二剤を混合して用いる。
第一剤と第二剤を混合する際の質量比は、通常、10:1〜1:10である。これにより、歯科用セメントの保存安定性を向上させることができる。
第一剤と第二剤の混合方法としては、特に限定されないが、術者がヘラと練和紙を用いて手動で混合する方法、ミキシングチップによるオートミキシングシステムを用いて混合する方法等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されない。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
表1、2に示す配合[質量%]に従い、それぞれ第一剤、第二剤を調製し、歯科用セメントを得た。
Figure 2017038218
Figure 2017038218
なお、表1、2中の略語の意味は、以下の通りである。
IANa:イソアスコルビン酸ナトリウム
LACa:L(+)−アスコルビン酸カルシウム
NATU:アセチルチオ尿素
NBTU:N−ベンゾイルチオ尿素
CHP:クメンヒドロペルオキシド
t−BHP:tert−ブチルヒドロペルオキシド
V(acac):バナジルアセチルアセトネート
V(acac):バナジウムアセチルアセトネート
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
Bis−GMA:2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン
UDMA:ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
GDMA:2−ヒドロキシ−1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)プロパン
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
IA:6−tert−ブチル−2,4−キシレノール
ヒュームドシリカ粉末:アエロジルR812(日本アエロジル社製)
(ガラス粉末の作製方法)
酸化アルミニウム21質量%、無水ケイ酸44質量%、フッ化カルシウム12質量%、リン酸カルシウム14質量%及び炭酸ストロンチウム9質量%からなる原料を充分混合した後、高温電気炉を用いて、1200℃で5時間保持し、溶融させた。次に、冷却した後、ボールミルを用いて、10時間粉砕した。さらに、200メッシュ(ASTM)のふるいを通過させ、原料粉末を得た。
原料粉末100gに、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの10質量%エタノール溶液20gを加えた後、乳鉢を用いて、充分混合した。次に、蒸気乾燥器を用いて、110℃で2時間乾燥させ、ガラス粉末を得た。
(シリカ粉末の作製方法)
平均粒径が4μmの硅砂粉末に、ビニルエトキシシランの10質量%エタノール溶液20gを加えた後、乳鉢を用いて、充分混合した。次に、蒸気乾燥器を用いて、110℃で2時間乾燥させ、シリカ粉末を得た。
次に、歯科用セメントを用いて、硬化性及び硬化物の曲げ強度を評価した。
(通常条件下における硬化性)
ISO 4049:2000に準じて、歯科用セメントの通常条件下における硬化性を評価した。具体的には、第一剤と第二剤を質量比1:1で練和した後、内径が4mm、高さが6mmのポリエチレン製の管に填入して試験体を準備し、熱電対を用いて、試験体の温度変化を記録し、硬化時間を求めた。
(湿潤条件下における硬化性)
第一剤と第二剤を練和する際に、第一剤と第二剤の総質量に対して4%の蒸留水を添加した以外は、通常条件下における硬化性と同様にして、歯科用セメントの湿潤条件下における硬化性を評価した。
(硬化物の曲げ強度)
ISO 4049:2000に準じて、歯科用セメントの硬化物の曲げ強度を測定した。具体的には、第一剤と第二剤を質量比1:1で練和した後、25mm×2mm×2mmの試料作製用のステンレス鋼製の型に充填した。次に、ポリエステル製のフィルムで覆った後、金属板を被せ、クランプで加圧した。さらに、金属板をスライドグラスと取り換えた後、LED可視光線照射器G−ライトプリマII(ジーシー社製)を用いて、光を照射した。このとき、中央部に10秒間光を照射した後、照射窓を直前に照射した部分と照射窓の直径の半分だけ重なる隣の部分に移動させて10秒間光を照射する操作を試料の端部を照射し終えるまで繰り返した。中央部に対して反対側の部分についても、同様に光を照射した。さらに、試料の反対側の面についても、同様に光を照射した。次に、試料を型から取り出した後、320gritの研磨紙で研磨してばりを除き、37℃蒸留水中に保存した。光の照射を開始してから24時間後にクロスヘッドスピード1mm/minの荷重速度で荷重を加えて、硬化物の曲げ強度を算出した。
表1、2から、実施例1〜4の歯科用セメントは、湿潤条件下における硬化性及び硬化物の曲げ強度に優れることがわかる。
これに対して、比較例1〜3の歯科用セメントは、第二剤がアスコルビン酸塩を含まないため、湿潤条件下における硬化性が低下する。
また、比較例4の歯科用セメントは、第一剤が蒸留水を4.7質量%含むため、硬化物の曲げ強度が低下する。
本国際出願は、2015年8月28日に出願された日本国特許出願2015−168728に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2015−168728の全内容を本国際出願に援用する。

Claims (4)

  1. 有機過酸化物及び(メタ)アクリレートを含む第一剤と、チオ尿素誘導体、アスコルビン酸塩、バナジウム化合物及び(メタ)アクリレートを含む第二剤を有し、
    前記第一剤及び前記第二剤は、それぞれ、水の含有量が1質量%以下であることを特徴とする歯科用セメント。
  2. 前記第二剤は、前記チオ尿素誘導体の含有量が0.1質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用セメント。
  3. 前記第二剤は、前記アスコルビン酸塩の含有量が0.1質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用セメント。
  4. 前記第二剤は、前記バナジウム化合物の含有量が0.001質量%以上1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用セメント。
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