JPWO2017037751A1 - 車椅子用ヘッドレストのサポート機構 - Google Patents
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Abstract
Description
位置の調整はできない。しかし、高さ調節機能のみでは、様々な肢体の状況を持つ車椅子使用者のヘッドレストに対する要請に応えることはできない。
本願の発明者が提案した特許文献1,2のサポート機構も、上記の各機能をすべて果せる構造を具備したものであるが、解決すべき課題もある。
すなわち、まず、左右の把持部材は、車椅子後部の縦向きフレーム(以下、縦フレーム)に太さ(外径)の違いがあっても異なる太さの縦フレームを把持できるように、前記把持部材をネジ式のクランプ型とすることである。
次に、左右の把持部材間に架設されるベース横杆は、テレスコピック式等の伸縮方式で長さを伸縮して固定できる構造を備え、車椅子の左右の縦フレーム間の距離の大小に左右の把持部材が自在に対応することができるようになっている。また、ベース横杆は、ヘッドレスト支柱を当該横杆の長さ方向で自由にスライドさせてその位置で固定できる機能を具備している。
さらに、ヘッドレスト支柱は、その上端部の高さ方向の位置(つまり、ヘッドレストを設ける上端までの高さ)を、自由に調整できる機能を備えたものである。当該支柱の高さ方向の位置調節のための構造としては、(イ)ベース横杆と支柱下部の結合部において該支柱を上下にスライドさせ固定できる構造、(ロ)支柱にテレスコピック式等の伸縮支柱を用いて支柱自体の高さ(長さ)を変更できる構造、(イ)支柱自体を多関節体に形成し、多関節の折れ曲がり角度や長さを可変・固定自在としてヘッドレストの高さ位置等を変更できる構造とするなどの中から選択又は併用して用いることができる。
すなわち、その結合機構は、一方の結合部材と他方の結合部材の対向面を、両対向面を貫通するネジ杆と該ネジ杆に螺合されるナット体によって緊締,弛緩自在に結合した結合機構であって、前記ネジ杆とナット体の弛緩時に前記両結合部材をネジ杆を軸に相対回転させて所望の回転角に位置決めし、前記ナット体を緊締して前記位置決めを固定するようにしたことを特徴とする。
図において、1,2は、図示しない一般的な車椅子の左右の後部縦フレーム(ハンドルが設けられるフレーム)に着脱自在に固定される把持部材で、ここでは平面視略コ状乃至L状のクランプ部1a,2aと、該クランプ部1a,2aに短アーム部1b,2bを介して一体に形成された側面視略円形を呈する、後述するベース横杆3がその両端部において結合して架設される横杆結合部1c,2cを備えて形成されている。
上記結合部1cは、ボルト杆13cのネジ部31bに対する緊締と弛緩により、対面する受座11cと駒12cによる結合部材の対向当接面の密着固定と、当該当接面の相互離反による回転自在とを実現するから、ベース横杆3をその軸回りに関して任意角度に回転位置決めすること、及びその角度での固定をすることが出来る。本発明では、前記結合部材たる受座11cと駒12cの相対回転角度を知るために、両部材11c,12cの外周面やその近傍に角度目盛や目印を付けることがある。
以上の構成により、ヘッドレスト支柱4の車椅子の前後方向に関する傾きと左右方向での位置を、自由に選択調整できることになる。
なお、以下の実施例において、受座11cと駒12cの外側面(対向面でない側面)には、夫々に、短い板状の第1連結部材41と略L状断面部を有する第2〜第4の連結部材42〜44を取付けるために縦向きの嵌合溝18cと19cが、夫々に設けられている。各連結部材41〜44はヘッドレスト支柱の一部をなす。
本発明では、上記の結合機構Cm1〜Cm4をヘッドレスト7の支柱4を含むサポート機構の中に取り込むことにより、本発明ヘッドレストサポート機構HSを全体がスマートな形態にしている。
図3、図4において、支柱4の上端部とヘッドレスト7の背面7aの間には、一例として4個の結合機構Cm1〜Cm4により連結されたヘッドレスト支柱の一部をなす第1連結部材41及び第2連結部材〜第4連結部材42〜44が配置されている。ここで、図示した支柱4の上端から上方に向けて順に並んだ4個の結合機構Cm1〜Cm4は、そのうちの下方から3個の結合機構Cm1〜Cm3がボルト杆13cを水平な向きにして連結部材41〜43を連結するように配置され、最上位の結合機構Cm4は連結部材43と44を連結するためにボルト杆13cを垂直な向きにして配置されている。
以上により本発明のヘッドレストサポート機構HSの一例を構成する。
上記の本発明ヘッドレストサポート機構HSでは、連結部材と結合機構とをそれぞれに4個用いたが、連結部材と結合機構は3個、或は、それ以外の個数であってもよい。
また、ヘッドレスト7の背面7aを取付けた第4連結部材44を第3連結部材43に結合している結合機構Cm4の当該ボルト杆13cを回転操作して、当該機構Cm4の受座11cと駒12cの歯16c,17cの噛み合いを介した結合を緊締、弛緩させることにより、ヘッドレスト7の平面内での角度(向き)を任意に位置決めして固定することができる。
2 把持部材
1a,2a クランプ部
11a,21a 押えブロック
12a,22a ボルト杆
13a,23a 操作ノブ
1b,2b 短アーム部
1c,2c 横杆結合部
Cm、Cm1〜Cm4 結合機構
11c,21c 円形の受座
12c,22c 円盤状の駒
13c,23c ボルト杆
14c,24c ネジ部
15c,25c 操作ノブ
16c,26c 受座11cの歯
17c,27c 駒12cの歯
3 ベース横杆
31,32 ベース横杆3の伸縮部材
4 ヘッドレスト支柱
41〜44 第1連結部材〜第4連結部材
5 ヘッドレスト支柱支持部6の取付部
6 ヘッドレスト支柱4の支持部
7 ヘッドレスト
8 ヘッドレスト7の取付ネジ
Claims (8)
- 車椅子後側の左右の縦フレームに着脱自在に固定される左右の把持部材と、該左右の把持部材に水平向きに架設されたベース横杆の略中央部に上下方向でスライド固定自在に立設されたヘッドレスト支柱と、該ヘッドレスト支柱の上端部に平面内で首振り自在に取付けられたヘッドレストとを備えたヘッドレストサポート機構において、前記左右の把持部材と当該左右の部材に架設される前記ベース横杆とを、ベース横杆の中心軸に直交する面内において前記把持部材とベース横杆と夫々に一体の対面する結合部材を介して結合し、前記ベース横杆を把持部材に対し前記中心軸の回りに所望角度回転させて固定することにより、前記ヘッドレスト支柱を前記ベース横杆と一体に回転位置決めし、当該ヘッドレスト支柱を前記車椅子の前後方向で所望角度に傾斜させてその位置に固定できるようにしたことを特徴とするヘッドレストのサポート機構。
- ヘッドレストの高さ調節は、ヘッドレスト支柱のベース横杆への取付部での上下調節と、前記支柱の上部とヘッドレストの間に挿入した複数の結合機構の回転角調節とを併用して行うか又は個々に行うようにした請求項1のサポート機構。
- 結合機構は、対面させた一方の結合部材と他方の結合部材を、両部材を貫通するボルト杆と該ボルト杆に螺合されるナット部材によって緊締,弛緩自在に結合した機構であって、前記ナット部材に対するボルト杆の弛緩時に前記両部材を相対回転させて所望の回転角に位置決めし、前記ボルト杆を締結して前記回転位置を固定するようにしたことを特徴とする請求項2のサポート機構。
- 結合機構の対面した結合部材の対向当接面は、ボルト杆の緊締により圧着固定するようにした請求項3のサポート機構。
- 対向当接面は、硬い粗面又は噛合する歯面に形成して緊締時の固定度を高めるようにした請求項4のサポート機構。
- 対面して回転固定される結合部材は、その外周面又はその近傍に回転量を測るための目盛又は目印を設けた請求項3〜5のいずれかのサポート機構。
- 左右の把持部材間に架設されるベース横杆は、スライド式で長さを伸縮して固定できる構造を備え、車椅子の左右の把持部材の縦フレーム間の距離の大小に自在に対応することができるようにした請求項1〜6のいずれかのサポート機構。
- 支柱にスライド式で伸縮する支柱を用いた請求項1〜7のいずれかのサポート機構。
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