JPWO2017033927A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高効率、高耐久性の有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料として、正孔および電子の注入・輸送性能、電子阻止能力、薄膜状態での安定性、や耐久性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子用の各種材料を、それぞれの材料が有する特性が効果的に発現できるように組み合わせることで、高効率、低駆動電圧、長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。【解決手段】少なくとも陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記正孔輸送層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。【化1】

Description

本発明は、各種の表示装置に好適な自発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものであり、詳しくは特定のアリールアミン化合物(および特定のアントラセン環構造を有する化合物)を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)に関するものである。
有機EL素子は自己発光性素子であるため、液晶素子に比べて明るく視認性に優れ、鮮明な表示が可能であるため、活発な研究がなされてきた。
1987年にイーストマン・コダック社のC.W.Tangらは各種の役割を各材料に分担した積層構造素子を開発することにより有機材料を用いた有機EL素子を実用的なものにした。彼らは電子を輸送することのできる蛍光体と正孔を輸送することのできる有機物とを積層し、両方の電荷を蛍光体の層の中に注入して発光させることにより、10V以下の電圧で1000cd/m以上の高輝度が得られるようになった(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
現在まで、有機EL素子の実用化のために多くの改良がなされ、積層構造の各種の役割をさらに細分化して、基板上に順次に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極を設けた電界発光素子によって高効率と耐久性が達成されるようになってきた(例えば、非特許文献1参照)。
また、発光効率のさらなる向上を目的として三重項励起子の利用が試みられ、燐光発光性化合物の利用が検討されている(例えば、非特許文献2参照)。
そして、熱活性化遅延蛍光(TADF)による発光を利用する素子も開発されている。2011年に九州大学の安達らは、熱活性化遅延蛍光材料を用いた素子によって5.3%の外部量子効率を実現させた(例えば、非特許文献3参照)。
発光層は、一般的にホスト材料と称される電荷輸送性の化合物に、蛍光発光性化合物や燐光発光性化合物または遅延蛍光を放射する材料をドープして作製することもできる。前記非特許文献1および非特許文献2に記載されているように、有機EL素子における有機材料の選択は、その素子の効率や耐久性など諸特性に大きな影響を与える。
有機EL素子においては、両電極から注入された電荷が発光層で再結合して発光が得られるが、正孔、電子の両電荷を如何に効率良く発光層に受け渡すかが重要であり、キャリアバランスに優れた素子とする必要がある。また、正孔注入性を高め、陰極から注入された電子をブロックする電子阻止性を高めることによって、正孔と電子が再結合する確率を向上させ、さらには発光層内で生成した励起子を閉じ込めることによって、高発光効率を得ることができる。そのため、正孔輸送材料の果たす役割は重要であり、正孔注入性が高く、正孔の移動度が大きく、電子阻止性が高く、さらには電子に対する耐久性が高い正孔輸送材料が求められている。
また、素子の寿命に関しては材料の耐熱性やアモルファス性も重要である。耐熱性が低い材料では、素子駆動時に生じる熱により、低い温度でも熱分解が起こり、材料が劣化する。アモルファス性が低い材料では、短い時間でも薄膜の結晶化が起こり、素子が劣化してしまう。そのため使用する材料には耐熱性が高く、アモルファス性が良好な性質が求められる。
これまで有機EL素子に用いられてきた正孔輸送材料としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)ベンジジン(NPD)や種々の芳香族アミン誘導体が知られていた(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。NPDは良好な正孔輸送能力を持っているが、耐熱性の指標となるガラス転移点(Tg)が96℃と低く、高温条件下では結晶化による素子特性の低下が起こってしまう(例えば、非特許文献4参照)。また、前記特許文献1および特許文献2に記載の芳香族アミン誘導体の中には、正孔の移動度が10−3cm/Vs以上と優れた移動度を有する化合物が知られているが、電子阻止性が不十分であるため、電子の一部が発光層を通り抜けてしまい、発光効率の向上が期待できないなど、さらなる高効率化のため、より電子阻止性が高く、薄膜がより安定で耐熱性の高い材料が求められていた。
耐熱性や正孔注入性、正孔輸送性または電子阻止性などの特性を改良した化合物として、下記の式で表される芳香族三級アミン化合物(例えば、化合物A)が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
Figure 2017033927
(化合物A)
しかしながら、これらの化合物を正孔注入層、正孔輸送層または電子阻止層に用いた素子では、耐熱性や発光効率などの改良はされているものの、未だ十分とはいえず、また、低駆動電圧化や電流効率も十分とはいえず、アモルファス性にも問題があった。そのため、アモルファス性を高めつつ、さらなる低駆動電圧化や、さらなる高発光効率化が求められていた。
特開平8−48656号公報 特許第3194657号公報 国際公開第2012117973号 国際公開第2011/059000号 国際公開第2003/060956号 韓国公開特許2013−060157号公報
応用物理学会第9回講習会予稿集55〜61ページ(2001) 応用物理学会第9回講習会予稿集23〜31ページ(2001) Appl.Phys.Let.,98,083302(2011) 有機EL討論会第三回例会予稿集13〜14ページ(2006)
本発明の目的は、高効率、高耐久性の有機EL素子用の材料として、正孔および電子の注入・輸送性能、電子阻止能力、薄膜状態での安定性や耐久性に優れた有機EL素子用の各種材料を、それぞれの材料が有する特性が効果的に発現できるように組み合わせることで、高効率、低駆動電圧、長寿命の有機EL素子を提供することにある。
本発明が提供しようとする有機化合物が具備すべき物理的な特性としては、(1)正孔の注入特性が良いこと、(2)正孔の移動度が大きいこと、(3)電子阻止能力に優れること、(4)薄膜状態が安定であること、(5)耐熱性に優れていること、をあげることができる。また、本発明が提供しようとする有機EL素子が具備すべき物理的な特性としては、(1)発光効率および電力効率が高いこと、(2)発光開始電圧が低いこと、(3)実用駆動電圧が低いこと、(4)長寿命であること、をあげることができる。
そこで本発明者らは上記の目的を達成するために、アリールアミン系材料が正孔注入および輸送能力、薄膜の安定性や耐久性に優れていること、アントラセン環構造を有する化合物が電子注入および輸送能力、薄膜の安定性や耐久性に優れていることに着目し、特定のアリールアミン化合物と特定のアントラセン環構造を有する化合物を選択して、発光層へ正孔と電子を効率良く注入・輸送できるようにし、キャリアバランスのとれるように、正孔輸送材料と電子輸送材料を組み合わせた種々の有機EL素子を作製し、素子の特性評価を鋭意行った。その結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、以下の有機EL素子が提供される。
1)少なくとも陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機EL素子において、前記正孔輸送層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機EL素子。
Figure 2017033927
(1)
(式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
2)前記アリールアミン化合物が、下記一般式(1a)で表されるアリールアミン化合物である上記1)記載の有機EL素子。
Figure 2017033927
(1a)
(式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
3)前記アリールアミン化合物が、下記一般式(1b)で表されるアリールアミン化合物である上記1)記載の有機EL素子。
Figure 2017033927
(1b)
(式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
4)前記電子輸送層が下記一般式(2)で表されるアントラセン環構造を有する化合物を含有する、上記1)〜3)のいずれかに記載の有機EL素子。
Figure 2017033927
(2)
(式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Bは置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、Cは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、Dは互いに同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、p、qは、pとqの和が9となる関係を維持しつつ、pは7または8を表し、qは1または2を表す。)
5)前記アントラセン環構造を有する化合物が、下記一般式(2a)で表されるアントラセン環構造を有する化合物である上記4)記載の有機EL素子。
Figure 2017033927
(2a)
(式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。R〜R13は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。X、X、X、Xは炭素原子または窒素原子を表し、X、X、X、Xのいずれか1つのみが窒素原子であるものとし、この場合の窒素原子はR〜R10の水素原子または置換基を有さないものとする。)
6)前記アントラセン環構造を有する化合物が、下記一般式(2b)で表されるアントラセン環構造を有する化合物である上記4)記載の有機EL素子。
Figure 2017033927
(2b)
(式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar10、Ar11、Ar12は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
7)前記アントラセン環構造を有する化合物が、下記一般式(2c)で表されるアントラセン環構造を有する化合物である上記4)記載の有機EL素子。
Figure 2017033927
(2c)
(式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar13、Ar14、Ar15は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、R14は水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。)
8)前記発光層が、青色発光性ドーパントを含有する、上記1)〜7)のいずれかに記載の有機EL素子。
9)前記発光層が、ピレン誘導体である青色発光性ドーパントを含有する、上記8)記載の有機EL素子。
10)前記発光層が、アントラセン誘導体を含有する、上記1)〜9)のいずれかに記載の有機EL素子。
11)前記発光層が、アントラセン誘導体であるホスト材料を含有する、上記10)記載の有機EL素子。
12)陽極、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機EL素子において、前記電子阻止層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする有機EL素子。
Figure 2017033927
(1)
(式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
13)陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機EL素子において、前記正孔注入層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機EL素子。
Figure 2017033927
(1)
(式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
14)陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機EL素子において、前記発光層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機EL素子。
Figure 2017033927
(1)
(式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、具体的に、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、およびカルボリニル基などをあげることができる。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基のような基をあげることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のA、Aで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族」の「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」としては、具体的に、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、テトラキスフェニル、スチレン、ナフタレン、アントラセン、アセナフタレン、フルオレン、フェナントレン、インダン、ピレン、トリフェニレン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピロール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドリン、カルバゾール、カルボリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ナフチリジン、フェナントロリン、アクリジンなどをあげることができる。
そして、一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のA、Aで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」は、上記「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」から水素原子を2個取り除いてできる2価基を表す。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のA、Aで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換芳香族炭化水素」、「置換芳香族複素環」または「置換縮合多環芳香族」の「置換基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のR〜Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のR〜Rで表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基のような基をあげることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のR〜Rで表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、具体的に、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のR〜Rで表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「置換基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のR〜Rで表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のR〜Rで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のR〜Rで表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、具体的に、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2)、一般式(2a)、一般式(2b)、一般式(2c)中のAで表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族」の「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のA、Aで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族」の「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
そして、一般式(2)、一般式(2a)、一般式(2b)、一般式(2c)中のAで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」は、上記「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」から水素原子を2個取り除いてできる2価基を表す。
一般式(2)、一般式(2a)、一般式(2b)、一般式(2c)中のAで表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換芳香族炭化水素」、「置換芳香族複素環」または「置換縮合多環芳香族」の「置換基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2)中のBで表される「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、具体的に、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、およびカルボリニル基などをあげることができる。
一般式(2)中のBで表される「置換芳香族複素環基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などの炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基または縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基;フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基などのアリールオキシ基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基のような基をあげることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(2)中のCで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。また、これらの基が同一のアントラセン環に複数個結合している場合(qが2である場合)、相互に同一でも異なってもよいものとする。
一般式(2)中のCで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2)中のDで表される、「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などをあげることができる。また、複数個存在するDは、互いに同一でも異なってもよく、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2)中のDで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。また、複数個存在するDは、互いに同一でも異なってもよく、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2)中のDで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2a)中のAr、Ar、Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
一般式(2a)中のAr、Ar、Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基または縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに、前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、具体的に、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「置換基」としては、前記一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、具体的に、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2a)において、X、X、X、Xは炭素原子または窒素原子を表し、X、X、X、Xのいずれか1つのみが窒素原子であるものとする。この場合の窒素原子はR〜R10の水素原子または置換基を有さないものとする。すなわち、Xが窒素原子である場合はRが、Xが窒素原子である場合はRが、Xが窒素原子である場合はRが、Xが窒素原子である場合はR10が存在しないことを意味する。
一般式(2b)中のAr10、Ar11、Ar12で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2c)中のAr13、Ar14、Ar15で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2c)中のR14で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、前記一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2c)中のR14で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、前記一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2c)中のR14で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(2c)中のR14で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、前記一般式(2a)中のR〜R13で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)、一般式(1a)、一般式(1b)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(1)中のAr〜Arとしては、芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、またはベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基もしくはジベンゾチエニル基が好ましく、置換基を有していてもよいが、無置換であることがより好ましい。
具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基またはジベンゾチエニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基またはナフチル基がより好ましい。
一般式(1)中のA、Aとしては、「芳香族炭化水素」もしくは「縮合多環芳香族」から水素原子を2個取り除いてできる2価基、またはベンゾフラン、ベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、もしくはジベンゾチオフェンから水素原子を2個取り除いてできる2価基が好ましく、「芳香族炭化水素」または「縮合多環芳香族」から水素原子を2個取り除いてできる2価基がより好ましい。
具体的には、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、カルバゾール、ジベンゾフラン、またはジベンゾチオフェンから水素原子を2個取り除いてできる2価基が好ましく、ベンゼン、ビフェニル、またはナフタレンから水素原子を2個取り除いてできる2価基がより好ましい。
一般式(1)中のR〜Rとしては、水素原子、重水素原子、もしくは芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基またはジベンゾチエニル基が好ましい。芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基またはジベンゾチエニル基は、置換基を有していてもよいが、無置換であることがより好ましい。
具体的には、水素原子、重水素原子、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基またはジベンゾチエニル基が好ましく、水素原子、重水素原子、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
一般式(1)で表されるアリールアミン化合物の中で、一般式(1a)または一般式(1b)で表されるアリールアミン化合物も好ましく用いられる。
一般式(2)中のBで表される「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、ピリジル基、ピリミジニル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、およびカルボリニル基などの含窒素芳香族複素環基が好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、およびカルボリニル基がより好ましい。
一般式(2)中のp、qは、pとqの和(p+q)が9となる関係を維持するものとし、pは7または8を表し、qは1または2を表す。
一般式(2)で表されるアントラセン環構造を有する化合物の中で、一般式(2a)、一般式(2b)または一般式(2c)で表されるアントラセン環構造を有する化合物がより好ましく用いられる。
一般式(2)、一般式(2a)、一般式(2b)または一般式(2c)において、Aとしては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」が好ましく、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、またはフェナントレンから水素原子を2個取り除いてできる2価基がより好ましい。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるトリアリールアミン構造を4個有するアリールアミン化合物は新規な化合物であり、従来の正孔輸送材料より、優れた電子の阻止能力を有し、かつ薄膜状態が安定である。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるトリアリールアミン構造を4個有するアリールアミン化合物は、有機EL素子の正孔注入層および/または正孔輸送層の構成材料として使用することができる。従来の材料に比べて正孔の注入性が高く、移動度が大きく、電子阻止性が高く、しかも電子に対する安定性が高い材料を用いることによって、発光層内で生成した励起子を閉じ込めることができ、さらに正孔と電子が再結合する確率を向上させ、高発光効率を得ることができるとともに、駆動電圧が低下して、有機EL素子の耐久性が向上するという作用を有する。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるトリアリールアミン構造を4個有するアリールアミン化合物は、有機EL素子の電子阻止層の構成材料としても使用することができる。優れた電子の阻止能力とともに従来の材料に比べて正孔輸送性に優れ、かつ薄膜状態の安定性の高い材料を用いることにより、高い発光効率を有しながら、駆動電圧が低下し、電流耐性が改善されて、有機EL素子の最大発光輝度が向上するという作用を有する。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるトリアリールアミン構造を4個有するアリールアミン化合物は、有機EL素子の発光層の構成材料としても使用することができる。従来の材料に比べて正孔輸送性に優れ、かつバンドギャップの広い本発明の材料を発光層のホスト材料として用い、ドーパントと呼ばれている蛍光発光体や燐光発光体または遅延蛍光を放射する材料を担持させて、発光層として用いることにより、駆動電圧が低下し、発光効率が改善された有機EL素子を実現できるという作用を有する。
本発明の有機EL素子は、従来の正孔輸送材料より正孔の移動度が大きく、優れた電子の阻止能力を有し、かつ薄膜状態が安定な、トリアリールアミン構造を4個有するアリールアミン化合物を用いているため、高効率、高耐久性を実現することが可能となった。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(2)で表される、アントラセン環構造を有する化合物は、有機EL素子の電子輸送層の構成材料として使用することができる。
前記一般式(2)で表される、アントラセン環構造を有する化合物は、電子注入および輸送能力に優れており、さらに薄膜の安定性や耐久性に優れ、電子輸送層の材料として好ましい化合物である。
本発明の有機EL素子は、正孔および電子の注入・輸送性能、薄膜の安定性や耐久性に優れた有機EL素子用の材料を、キャリアバランスを考慮しながら組み合わせているため、従来の有機EL素子に比べて、正孔輸送層から発光層への正孔輸送効率が向上し、電子輸送層から発光層への電子輸送効率も向上することによって、発光効率が向上するとともに、駆動電圧が低下して、有機EL素子の耐久性を向上させることができる。高効率、低駆動電圧、長寿命の有機EL素子を実現することが可能となった。
本発明の有機EL素子は、正孔および電子の注入・輸送性能、薄膜の安定性や耐久性に優れ、正孔の注入・輸送の役割を効果的に発現できる特定のアリールアミン化合物を選択したことにより、発光層へ正孔を効率良く注入・輸送でき、高効率、低駆動電圧、長寿命の有機EL素子を実現することができる。また、特定のアリールアミン化合物を選択し、キャリアバランスのとれるように特定の電子輸送材料と組み合わせ、高効率、低駆動電圧、長寿命の有機EL素子を実現することができる。本発明によれば、従来の有機EL素子の発光効率および駆動電圧、そして耐久性を改良することができる。
本発明実施例1の化合物(化合物2)のH−NMRチャート図である。 本発明実施例2の化合物(化合物33)のH−NMRチャート図である。 本発明実施例3の化合物(化合物56)のH−NMRチャート図である。 実施例6〜8、比較例1の有機EL素子構成を示した図である。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物の中で、好ましい化合物の具体例を以下に示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2017033927
(化合物1)
Figure 2017033927
(化合物2)
Figure 2017033927
(化合物3)
Figure 2017033927
(化合物4)
Figure 2017033927
(化合物5)
Figure 2017033927
(化合物6)
Figure 2017033927
(化合物7)
Figure 2017033927
(化合物8)
Figure 2017033927
(化合物9)
Figure 2017033927
(化合物10)
Figure 2017033927
(化合物11)
Figure 2017033927
(化合物12)
Figure 2017033927
(化合物13)
Figure 2017033927
(化合物14)
Figure 2017033927
(化合物15)
Figure 2017033927
(化合物16)
Figure 2017033927
(化合物17)
Figure 2017033927
(化合物18)
Figure 2017033927
(化合物19)
Figure 2017033927
(化合物20)
Figure 2017033927
(化合物21)
Figure 2017033927
(化合物22)
Figure 2017033927
(化合物23)
Figure 2017033927
(化合物24)
Figure 2017033927
(化合物25)
Figure 2017033927
(化合物26)
Figure 2017033927
(化合物27)
Figure 2017033927
(化合物28)
Figure 2017033927
(化合物29)
Figure 2017033927
(化合物30)
Figure 2017033927
(化合物31)
Figure 2017033927
(化合物32)
Figure 2017033927
(化合物33)
Figure 2017033927
(化合物34)
Figure 2017033927
(化合物35)
Figure 2017033927
(化合物36)
Figure 2017033927
(化合物37)
Figure 2017033927
(化合物38)
Figure 2017033927
(化合物39)
Figure 2017033927
(化合物40)
Figure 2017033927
(化合物41)
Figure 2017033927
(化合物42)
Figure 2017033927
(化合物43)
Figure 2017033927
(化合物44)
Figure 2017033927
(化合物45)
Figure 2017033927
(化合物46)
Figure 2017033927
(化合物47)
Figure 2017033927
(化合物48)
Figure 2017033927
(化合物49)
Figure 2017033927
(化合物50)
Figure 2017033927
(化合物51)
Figure 2017033927
(化合物52)
Figure 2017033927
(化合物53)
Figure 2017033927
(化合物54)
Figure 2017033927
(化合物55)
Figure 2017033927
(化合物56)
Figure 2017033927
(化合物57)
Figure 2017033927
(化合物58)
Figure 2017033927
(化合物59)
Figure 2017033927
(化合物60)
Figure 2017033927
(化合物61)
Figure 2017033927
(化合物62)
Figure 2017033927
(化合物63)
Figure 2017033927
(化合物64)
Figure 2017033927
(化合物65)
Figure 2017033927
(化合物66)
Figure 2017033927
(化合物67)
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(2a)で表されるアントラセン環構造を有する化合物の中で、好ましい化合物の具体例を以下に示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2017033927
(2a−1)
Figure 2017033927
(2a−2)
Figure 2017033927
(2a−3)
Figure 2017033927
(2a−4)
Figure 2017033927
(2a−5)
Figure 2017033927
(2a−6)
Figure 2017033927
(2a−7)
Figure 2017033927
(2a−8)
Figure 2017033927
(2a−9)
Figure 2017033927
(2a−10)
Figure 2017033927
(2a−11)
Figure 2017033927
(2a−12)
Figure 2017033927
(2a−13)
Figure 2017033927
(2a−14)
Figure 2017033927
(2a−15)
Figure 2017033927
(2a−16)
Figure 2017033927
(2a−17)
Figure 2017033927
(2a−18)
Figure 2017033927
(2a−19)
Figure 2017033927
(2a−20)
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(2b)で表されるアントラセン環構造を有する化合物の中で、好ましい化合物の具体例を以下に示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2017033927
(2b−1)
Figure 2017033927
(2b−2)
Figure 2017033927
(2b−3)
Figure 2017033927
(2b−4)
Figure 2017033927
(2b−5)
Figure 2017033927
(2b−6)
Figure 2017033927
(2b−7)
Figure 2017033927
(2b−8)
Figure 2017033927
(2b−9)
Figure 2017033927
(2b−10)
Figure 2017033927
(2b−11)
Figure 2017033927
(2b−12)
Figure 2017033927
(2b−13)
Figure 2017033927
(2b−14)
Figure 2017033927
(2b−15)
Figure 2017033927
(2b−16)
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(2c)で表されるアントラセン環構造を有する化合物の中で、好ましい化合物の具体例を以下に示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2017033927
(2c−1)
Figure 2017033927
(2c−2)
Figure 2017033927
(2c−3)
Figure 2017033927
(2c−4)
Figure 2017033927
(2c−5)
Figure 2017033927
(2c−6)
Figure 2017033927
(2c−7)
Figure 2017033927
(2c−8)
Figure 2017033927
(2c−9)
Figure 2017033927
(2c−10)
Figure 2017033927
(2c−11)
Figure 2017033927
(2c−12)
Figure 2017033927
(2c−13)
Figure 2017033927
(2c−14)
Figure 2017033927
(2c−15)
Figure 2017033927
(2c−16)
Figure 2017033927
(2c−17)
Figure 2017033927
(2c−18)
Figure 2017033927
(2c−19)
Figure 2017033927
(2c−20)
Figure 2017033927
(2c−21)
Figure 2017033927
(2c−22)
Figure 2017033927
(2c−23)
Figure 2017033927
(2c−24)
Figure 2017033927
(2c−25)
Figure 2017033927
(2c−26)
Figure 2017033927
(2c−27)
Figure 2017033927
(2c−28)
Figure 2017033927
(2c−29)
Figure 2017033927
(2c−30)
尚、上述したアントラセン環構造を有する化合物は、それ自体公知の方法によって合成することができる(例えば、特許文献4〜6参照)。
一般式(1)、(1a)、(1b)で表されるアリールアミン化合物の精製はカラムクロマトグラフによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土などによる吸着精製、溶媒による再結晶や晶析法、昇華精製法などによって行った。化合物の同定は、NMR分析によって行った。物性値として、ガラス転移点(Tg)と仕事関数の測定を行った。ガラス転移点(Tg)は薄膜状態の安定性の指標となり、仕事関数は正孔輸送性の指標となるものである。
その他、本発明の有機EL素子に用いられる化合物は、カラムクロマトグラフによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土などによる吸着精製、溶媒による再結晶や晶析法などによって精製を行った後、最後に昇華精製法によって精製したものを用いた。
ガラス転移点(Tg)は、粉体を用いて高感度示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス製、DSC3100S)によって測定した。
仕事関数は、ITO基板の上に100nmの薄膜を作製して、イオン化ポテンシャル測定装置(住友重機械工業株式会社製、PYS−202型)を用いて測定した。
本発明の有機EL素子の構造としては、基板上に順次に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極からなるもの、また、正孔輸送層と発光層の間に電子阻止層を有するもの、発光層と電子輸送層の間に正孔阻止層を有するもの、電子輸送層と陰極の間に電子注入層を有するものがあげられる。これらの多層構造においては有機層を何層か省略あるいは兼ねることが可能であり、例えば正孔注入層と正孔輸送層を兼ねた構成とすること、電子注入層と電子輸送層を兼ねた構成とすることなどもできる。また、同一の機能を有する有機層を2層以上積層した構成とすることが可能であり、正孔輸送層を2層積層した構成、発光層を2層積層した構成、電子輸送層を2層積層した構成などもできる。
本発明の有機EL素子の陽極としては、ITOや金のような仕事関数の大きな電極材料が用いられる。本発明の有機EL素子の正孔注入層としては、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物が好ましく用いられる。その他、銅フタロシアニンに代表されるポルフィリン化合物、スターバースト型のトリフェニルアミン誘導体、種々のトリフェニルアミン4量体などの材料、ヘキサシアノアザトリフェニレンのようなアクセプター性の複素環化合物や塗布型の高分子材料を用いることができる。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の正孔輸送層としては、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物が用いられる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の正孔輸送性の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物と混合もしくは同時に使用できる、正孔輸送性の材料としては、NPDやN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)ベンジジン(TPD)、N,N,N’,N’−テトラビフェニリルベンジジンなどのベンジジン誘導体、1,1−ビス[4−(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン、種々のトリフェニルアミン3量体および4量体などを用いることができる。また、正孔の注入・輸送層として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルフォネート)などの塗布型の高分子材料を用いることができる。
また、正孔注入層あるいは正孔輸送層において、該層に通常使用される材料に対し、さらにトリスブロモフェニルアミンヘキサクロルアンチモン、ラジアレン誘導体(例えば、国際公開第2014/009310号参照)などをPドーピングしたものや、TPDなどのベンジジン誘導体の構造をその部分構造に有する高分子化合物などを用いることができる。
本発明の有機EL素子の電子阻止層としては、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物が好ましく用いられる。その他、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]フルオレン、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)、2,2−ビス(4−カルバゾール−9−イルフェニル)アダマンタン(Ad−Cz)などのカルバゾール誘導体、9−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−9−[4−(トリフェニルシリル)フェニル]−9H−フルオレンに代表されるトリフェニルシリル基とトリアリールアミン構造を有する化合物などの電子阻止作用を有する化合物を用いることができる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の発光層としては、Alqをはじめとするキノリノール誘導体の金属錯体の他、各種の金属錯体、アントラセン誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体などを用いることができる。また、発光層をホスト材料とドーパント材料とで構成してもよく、ホスト材料として、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物、アントラセン誘導体が好ましく用いられるが、その他、前記発光材料に加え、インドール環を縮合環の部分構造として有する複素環化合物、カルバゾール環を縮合環の部分構造として有する複素環化合物、カルバゾール誘導体、チアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体などを用いることができる。また、ドーパント材料としては、ピレン誘導体が好ましく用いられるが、その他、フルオレン環を縮合環の部分構造として有するアミン誘導体、キナクリドン、クマリン、ルブレン、ペリレン、およびそれらの誘導体、ベンゾピラン誘導体、インデノフェナントレン誘導体、ローダミン誘導体、アミノスチリル誘導体などを用いることができる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。
また、発光材料として燐光発光体を使用することも可能である。燐光発光体としては、イリジウムや白金などの金属錯体の燐光発光体を使用することができる。Ir(ppy)などの緑色の燐光発光体、FIrpic、FIr6などの青色の燐光発光体、BtpIr(acac)などの赤色の燐光発光体などが用いられ、このときのホスト材料としては正孔注入・輸送性のホスト材料として4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニルやTCTA、mCPなどのカルバゾール誘導体などに加え、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を用いることができる。電子輸送性のホスト材料として、p−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼンや2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)などを用いることができ、高性能の有機EL素子を作製することができる。
燐光性の発光材料のホスト材料へのドープは濃度消光を避けるため、発光層全体に対して1〜30重量パーセントの範囲で、共蒸着によってドープすることが好ましい。
また、発光材料としてPIC−TRZ、CC2TA、PXZ−TRZ、4CzIPNなどのCDCB誘導体などの遅延蛍光を放射する材料を使用することも可能である(例えば、非特許文献3参照)。
これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層としては、バソクプロインなどのフェナントロリン誘導体や、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)−4−フェニルフェノレート(BAlq)などのキノリノール誘導体の金属錯体の他、各種の希土類錯体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサジアゾール誘導体など、正孔阻止作用を有する化合物を用いることができる。これらの材料は電子輸送層の材料を兼ねてもよい。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の電子輸送層としては、前記一般式(2)で表されるアントラセン環構造を有する化合物、より好ましくは、前記一般式(2a)、(2b)または(2c)で表されるアントラセン環構造を有する化合物を用いることができる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の電子輸送性の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
前記一般式(2)で表されるアントラセン環構造を有する化合物と混合もしくは同時に使用できる、電子輸送性の材料としてはAlq、BAlqをはじめとするキノリノール誘導体の金属錯体、各種金属錯体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、アントラセン誘導体、カルボジイミド誘導体、キノキサリン誘導体、ピリドインドール誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体などを用いることができる。
本発明の有機EL素子の電子注入層としては、フッ化リチウム、フッ化セシウムなどのアルカリ金属塩、フッ化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などを用いることができるが、電子輸送層と陰極の好ましい選択においては、これを省略することができる。
本発明の有機EL素子の陰極としては、アルミニウムのような仕事関数の低い電極材料や、マグネシウム銀合金、マグネシウムインジウム合金、アルミニウムマグネシウム合金のような、より仕事関数の低い合金が電極材料として用いられる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニル−ジベンゾフラン−2,8−ジアミン(化合物2)の合成>
窒素雰囲気下、2,8−ジブロモジベンゾフラン3.0g、(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−フェニルアミン8.4g、tert−ブトキシナトリウム2.7g、トルエン60mlを反応容器に加え、続いて、tert−ブチルホスフィン0.2g、Pd(dba)0.2gを加えて加熱し、還流下、10時間攪拌した。トルエン30mlを加え、濾過によって得られる濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:トルエン/シクロヘキサン)を用いた精製を行った後、酢酸ブチル/n−ヘキサンの混合溶媒を用いた晶析精製を行うことによって、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニル−ジベンゾフラン−2,8−ジアミン(化合物2)の淡黄色粉体7.6g(収率:83.5%)を得た。
Figure 2017033927
(化合物2)
得られた淡黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。H−NMR測定結果を図1に示した。
H−NMR(THF−d)で以下の52個の水素のシグナルを検出した。δ(ppm)=7.78(2H)、7.53(2H)、7.45(8H)、7.27(2H)、7.24−7.19(12H)、7.07(20H)、6.98(4H)、6.93(2H)。
<N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニル−ジベンゾフラン−4,6−ジアミン(化合物33)の合成>
窒素雰囲気下、4,6−ジヨードジベンゾフラン5.0g、(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−フェニルアミン11.8g、炭酸カリウム4.9g、亜硫酸水素ナトリウム0.4g、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸0.3g、キシレン10ml、ドデシルベンゼン5ml、銅粉0.1gを反応容器に加えて加熱し、210℃で12時間攪拌した。トルエン60mlを加え、濾過によって得られる濾液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル、溶離液:トルエン/シクロヘキサン)を用いた精製を行った後、酢酸ブチル/n−ヘキサンの混合溶媒を用いた晶析精製を行うことによって、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニル−ジベンゾフラン−4,6−ジアミン(化合物33)の白色粉体9.3g(収率:78.9%)を得た。
Figure 2017033927
(化合物33)
得られた淡黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。H−NMR測定結果を図2に示した。
H−NMR(THF−d)で以下の52個の水素のシグナルを検出した。δ(ppm)=7.82(2H)、7.33(8H)、7.29(2H)、7.23(2H)、7.20(8H)、7.10(4H)、7.04(8H)、6.99(4H)、6.96(4H)、6.87−6.82(10H)。
<N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニル−ジベンゾチオフェン−2,8−ジアミン(化合物56)の合成>
窒素雰囲気下、2,8−ジブロモジベンゾチオフェン5.0g、(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−フェニルアミン13.3g、tert−ブトキシナトリウム4.2g、トルエン100mlを反応容器に加え、続いて、tert−ブチルホスフィン0.3g、Pd(dba)0.3gを加えて加熱し、環流下、5.5時間攪拌した。水50mlを加え、室温まで冷却した後、析出する固体を濾過によって得た。得られた固体をジクロロベンゼンを用いた再結晶を行うことによって、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−ビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニル−ジベンゾチオフェン−2,8−ジアミン(化合物56)の淡黄色粉体11.3g(収率:76.9%)を得た。
Figure 2017033927
(化合物56)
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。H−NMR測定結果を図3に示した。
H−NMR(THF−d)で以下の52個の水素のシグナルを検出した。δ(ppm)=7.94(2H)、7.81(2H)、7.46(4H)、7.45(4H)、7.25−7.19(14H)、7.08−7.05(20H)、6.98(4H)、6.94(2H)。
一般式(1)で表されるアリールアミン化合物について、高感度示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス製、DSC3100S)によってガラス転移点を求めた。
ガラス転移点
実施例1の化合物(化合物2) 151.9℃
実施例2の化合物(化合物33) 131.1℃
実施例3の化合物(化合物56) 150.8℃
一般式(1)で表されるアリールアミン化合物は100℃以上、特に130℃以上のガラス転移点を有しており、一般式(1)で表されるアリールアミン化合物において薄膜状態が安定であることを示すものである。
一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を用いて、ITO基板の上に膜厚100nmの蒸着膜を作製して、イオン化ポテンシャル測定装置(住友重機械工業株式会社製、PYS−202型)で仕事関数を測定した。
仕事関数
実施例1の化合物(化合物2) 5.58eV
実施例2の化合物(化合物33) 5.60eV
実施例3の化合物(化合物56) 5.55eV
このように一般式(1)で表されるアリールアミン化合物はNPD、TPDなどの一般的な正孔輸送材料がもつ仕事関数5.5eVと比較して、好適なエネルギー準位を示しており、良好な正孔輸送能力を有していることが分かる。
有機EL素子は、図4に示すような、ガラス基板1上に透明陽極2としてITO電極をあらかじめ形成したものの上に、正孔注入層3、正孔輸送層4、電子阻止層5、発光層6、電子輸送層7、電子注入層8、陰極(アルミニウム電極)9の順に蒸着して作製した。
具体的には、膜厚50nmのITOを成膜したガラス基板1を有機溶媒で洗浄した後に、UV/オゾン処理にてITO表面を洗浄した。その後、このITO電極付きガラス基板を真空蒸着機内に取り付け0.001Pa以下まで減圧した。続いて、透明陽極2を覆うように正孔注入層3として、下記構造式の化合物(HIM−1)を膜厚5nmとなるように形成した。この正孔注入層3の上に、正孔輸送層4として、実施例1の化合物(化合物2)を膜厚65nmとなるように形成した。この正孔輸送層4の上に、電子阻止層5として、下記構造式の化合物(EBM−1)を膜厚5nmとなるように形成した。この電子阻止層5の上に、発光層6として、下記構造式のピレン誘導体(EMD−1)と下記構造式のアントラセン誘導体(EMH−1)を、蒸着速度比がEMD−1:EMH−1=5:95となる蒸着速度で二元蒸着を行い、膜厚20nmとなるように形成した。この発光層6の上に、電子輸送層7として、下記構造式のアントラセン環構造を有する化合物(2b−1)と下記構造式の化合物(ETM−1)を、蒸着速度比が化合物2b−1:ETM−1=50:50となる蒸着速度で二元蒸着を行い、膜厚30nmとなるように形成した。この電子輸送層7の上に、電子注入層8として、下記構造式の化合物(ETM−1)を膜厚1nmとなるように形成した。最後に、アルミニウムを膜厚100nmとなるように蒸着して陰極9を形成した。有機膜、およびアルミニウムを成膜したガラス基板を、乾燥窒素にて置換したグローブボックス内に移動し、UV硬化樹脂を用いて封止用のガラス基板を貼り合わせ、有機EL素子とした。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 2017033927
(HIM−1)
Figure 2017033927
(化合物2)
Figure 2017033927
(EBM−1)
Figure 2017033927
(EMD−1)
Figure 2017033927
(EMH−1)
Figure 2017033927
(2b−1)
Figure 2017033927
(ETM−1)
実施例6において、正孔輸送層4の材料として実施例1の化合物(化合物2)に代えて実施例2の化合物(化合物33)を用いた以外は、同様の条件で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 2017033927
(化合物33)
実施例6において、正孔輸送層4の材料として実施例1の化合物(化合物2)に代えて実施例3の化合物(化合物56)を用いた以外は、同様の条件で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 2017033927
(化合物56)
[比較例1]
比較のために、実施例6において、正孔輸送層4の材料として実施例1の化合物(化合物2)に代えて下記構造式の化合物(HTM−1)を用いた以外は、同様の条件で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 2017033927
(HTM−1)
実施例6〜8および比較例1で作製した有機EL素子を用いて、素子寿命を測定した結果を表1にまとめて示した。素子寿命は、発光開始時の発光輝度(初期輝度)を2000cd/mとして定電流駆動を行った時、発光輝度が1900cd/m(初期輝度を100%とした時の95%に相当:95%減衰)に減衰するまでの時間として測定した。
Figure 2017033927
表1に示すように、電流密度10mA/cmの電流を流したときの駆動電圧は、比較例1の有機EL素子の4.37Vに対し、実施例6〜8の有機EL素子では3.91〜4.22Vと低電圧化した。また、発光効率は、比較例1の有機EL素子の4.82cd/Aに対して、実施例6〜8の有機EL素子では、6.13〜6.59cd/Aといずれも高効率であった。そして、電力効率においても、比較例1の有機EL素子の3.46lm/Wに対して、実施例6〜8の有機EL素子では、4.58〜5.29lm/Wといずれも大きく向上した。さらに、素子寿命(95%減衰)においては、比較例1の有機EL素子の135時間に対し、実施例6〜8の有機EL素子では218〜247時間と、大きく長寿命化していることが分かる。
以上の結果から明らかなように、一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を用いた有機EL素子は、既知の前記HTM−1を用いた有機EL素子と比較して、低駆動電圧、高発光効率、長寿命の有機EL素子を実現できることが分かった。
一般式(1)で表されるアリールアミン化合物は、正孔輸送能力が高く、電子阻止能力に優れており、薄膜状態が安定であるため、有機EL素子用の化合物として優れている。該化合物を用いて有機EL素子を作製することにより、高い発光効率および電力効率を得ることができるとともに、実用駆動電圧を低下させることができ、耐久性を改善させることができる。例えば、家庭電化製品や照明の用途への展開が可能となった。
1 ガラス基板
2 透明陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電子阻止層
6 発光層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極

Claims (14)

  1. 少なくとも陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記正孔輸送層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (1)
    (式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
  2. 前記アリールアミン化合物が、下記一般式(1a)で表されるアリールアミン化合物である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (1a)
    (式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
  3. 前記アリールアミン化合物が、下記一般式(1b)で表されるアリールアミン化合物である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (1b)
    (式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
  4. 前記電子輸送層が下記一般式(2)で表されるアントラセン環構造を有する化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (2)
    (式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Bは置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、Cは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、Dは互いに同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、p、qは、pとqの和が9となる関係を維持しつつ、pは7または8を表し、qは1または2を表す。)
  5. 前記アントラセン環構造を有する化合物が、下記一般式(2a)で表されるアントラセン環構造を有する化合物である請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (2a)
    (式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。R〜R13は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。X、X、X、Xは炭素原子または窒素原子を表し、X、X、X、Xのいずれか1つのみが窒素原子であるものとし、この場合の窒素原子はR〜R10の水素原子または置換基を有さないものとする。)
  6. 前記アントラセン環構造を有する化合物が、下記一般式(2b)で表されるアントラセン環構造を有する化合物である請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (2b)
    (式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar10、Ar11、Ar12は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
  7. 前記アントラセン環構造を有する化合物が、下記一般式(2c)で表されるアントラセン環構造を有する化合物である請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (2c)
    (式中、Aは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar13、Ar14、Ar15は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、R14は水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。)
  8. 前記発光層が、青色発光性ドーパントを含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記発光層が、ピレン誘導体である青色発光性ドーパントを含有する、請求項8記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記発光層が、アントラセン誘導体を含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記発光層が、アントラセン誘導体であるホスト材料を含有する、請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 陽極、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記電子阻止層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (1)
    (式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
  13. 陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記正孔注入層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (1)
    (式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
  14. 陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2017033927
    (1)
    (式中、Ar〜Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A、Aは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基を表し、R〜Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。)
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