JPWO2017030024A1 - リチウムイオン電池用包装材料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポットライフや生産条件の制限といった問題なく、耐電解液性に優れる電池用包装材料及び前記包装材料を用いた電池を提供することにある。本発明は、具体的には、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる電池用包装材料であって、前記接着層が、酸価が5〜50mgKOH/g-resinである酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の反応物を含有することを特徴とする電池用包装材料を提供する。

Description

本発明は、電池用包装材料及びその包装材料を用いた電池に関する。
近年、パソコン、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラ、衛星などに用いられる電池として、超薄型化、小型化の可能なリチウム電池が盛んに開発されている。このリチウム電池の包装材料は、従来用いられていた金属製缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、基材層/バリア層/シーラント層のような構成の積層体が用いられるようになってきた。
リチウム電池は、電池内容物として正極材及び負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性溶媒にリチウム塩を溶解した電解液若しくはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような強浸透性の溶媒がシーラント層を通過すると、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させてデラミネーションを生じさせ、最終的には電解液が漏れ出すといった問題が生じる。また、電池の電解質であるリチウム塩としてはLiPF6、LiBF4等の物質が用いられているが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ酸を発生し、フッ酸がアルミニウム箔を腐食することによりラミネート強度を低下させる。電池用包装材料は、このように電解質に対する耐性を有していることが必要である。
さらに、リチウム電池はさまざまな環境下で使用されることを想定して、より過酷な耐性を備えている必要がある。例えば、モバイル機器に使用される場合には、車内等の60〜70℃という高温環境での耐漏液性が要求される。また、携帯電話に使用され誤って水中に落としたことを想定し、水分が浸入しないよう耐水性も必要とされる。
このような状況のもと、耐電解液性を向上させたリチウム電池用包装材料が種々提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。
特開2001−243928号公報 特開2004−42477号公報 特開2004−142302号公報 特開2009−238475号公報 特開2010−086744号公報 特許5670803号公報
しかしながら、前記提案されているリチウム電池用包装材料は、耐電解液性の点でいまだ不十分であった。また耐電解液性の改善が大きくても、問題がみられるものであった。
具体的には、接着剤層が硬化剤配合後のポットライフ確保と耐電解液性両立が困難(特許文献1)、接着剤層が押出樹脂であることからラミネート機台が制約される、高温での貼り合せによってポリオレフィン基材の熱収縮影響を生じる(特許文献2、3、5)、ポリオレフィン主剤が水系であることから乾燥時間が長く、生産条件が限定される(特許文献4、6)、などの問題が見られるものであった。
本発明の課題は、ポットライフや生産条件の制限といった問題なく、耐電解液性に優れる電池用包装材料及び前記包装材料を用いた電池を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明者らは鋭意検討し、以下の発明を提案するに至った。
バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる電池用包装材料であって、前記接着層が、酸価が5〜50mgKOH/g-resinである酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の反応物を含有することを特徴とする電池用包装材料。
前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)が、1分子中2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)が、一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017030024
(一般式(1)中、Rは置換基を有してもよいアリール基であり、A1およびA2はそれぞれ独立して炭素数1〜5の置換基を有してもよいアルキレン基であり、mは1または2であり、nは1または2である。)
前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)が、1分子中に2個以上のグリシジル基を有し、かつ窒素原子を含有しないエポキシ樹脂であることが好ましい。
前記接着層は、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)を0.01〜20質量部、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)を1〜20質量部の反応物を含有することが好ましい。
バリア層の表面に、酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)および有機溶剤(C)を含有する溶液を塗布、乾燥して接着層を形成し、次いで接着層の表面にシーラント層を積層する前記いずれかに記載の電池用包装材料の製造方法。
前記いずれかに記載の電池用包装材料を用いた電池。
前記有機溶剤(C)が、溶剤(C1)と溶剤(C2)の混合液であって、溶剤(C1)が芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素およびハロゲン化炭化水素からなる群より選択された1種以上の溶剤であり、溶剤(C2)がアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、グリコールエーテル系溶剤からなる群より選択された1種または2種以上の溶剤であり、溶剤(C1)/溶剤(C2)=50〜97/50〜3(質量比)であることが好ましい。
本発明の電池用包装材料は、バリア層、接着層及びシーラント層が順次積層されてなる電池用包装材料において、接着層に特定の樹脂と特定の架橋剤からなる組成物を用いている。このため、電池の包装材料として用いた場合に優れた耐電解液性を発揮し、結果、電池の寿命が延び、取扱上の安全性も高まり、産業上の利用価値は非常に高い。
また、本発明による製造方法は、接着層の目付量を調整しやすく、厚みも制御し易く溶媒系であることから乾燥条件も限定されず、包装材料を効率よく生産することができる点で好ましい。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<<接着層>>
接着層は、酸価が5〜50mgKOH/g-resinである酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の反応物を含有することが必要である。接着層は、特に限定されないが、酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)および有機溶剤(C)を含有する接着剤組成物をバリア層の表面に塗布、乾燥して有機溶剤(C)を除去し、次いでエージング(硬化反応)して得られた接着剤組成物の層であることが好ましい。
接着層の厚みは特に限定されないが、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上がさらに好ましく、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。前記厚み未満であると接着性が発現されないことがあり、前記厚みを超えると加工性が低下することがあることに加えて製造コストという観点で効率が低下する。
<酸変性ポリオレフィン(A)>
本発明で用いる酸変性ポリオレフィン(A)は限定的ではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン−α−オレフィン共重合体の少なくとも1種に、α,β−不飽和カルボン酸及びその酸無水物の少なくとも1種をグラフトすることにより得られるものが好ましい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体は、プロピレンを主体としてこれにα−オレフィンを共重合したものである。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、酢酸ビニルなどを1種又は数種用いるこができる。これらのα−オレフィンの中では、エチレン、1−ブテンが好ましい。プロピレン−α−オレフィン共重合体のプロピレン成分とα−オレフィン成分との比率は限定されないが、プロピレン成分が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸及びその酸無水物の少なくとも1種としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。具体的には、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性プロピレン−エチレン共重合体、無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸変性プロピレン−エチレン−ブテン共重合体等が挙げられ、これら酸変性ポリオレフィンを1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸変性ポリオレフィン(A)の酸価は、ポットライフ性およびバリア層とシーラント層との接着性の観点から、下限は5mgKOH/g-resin以上である必要があり、好ましくは10mgKOH/g-resin以上であり、より好ましくは14mgKOH/g-resin以上であり、さらに好ましくは16mgKOH/g-resin以上であり、特に好ましくは18mgKOH/g-resin以上であり、最も好ましくは20mgKOH/g-resin以上である。前記の値未満であると、エポキシ樹脂との相溶性が低く、接着強度が発現しないことがあり、また架橋密度が低く、耐薬品性が乏しい場合がある。上限は50mgKOH/g-resin以下である必要があり、好ましくは48mgKOH/g-resin以下であり、より好ましくは46mgKOH/g-resin以下であり、さらに好ましくは44mgKOH/g-resin以下であり、特に好ましくは42mgKOH/g-resin以下であり、最も好ましくは40mgKOH/g-resin以下である。前記の値を超えると、溶液の粘度や安定性が低下し、ポットライフ性が低下することがある。さらに製造効率も低下するため好ましくない。
酸変性ポリオレフィン(A)の重量平均分子量(Mw)は、40,000〜180,000の範囲であることが好ましい。より好ましくは50,000〜160,000の範囲であり、さらに好ましくは60,000〜150,000の範囲であり、特に好ましくは70,000〜140,000の範囲であり、最も好ましくは、80,000〜130,000の範囲である。前記の値未満であると、凝集力が弱くなり接着性が劣る場合がある。一方、前記の値を超えると、流動性が低く接着する際の操作性に問題が生じる場合がある。前記範囲内であれば、エポキシ樹脂との硬化反応が活かされるため好ましい。
酸変性ポリプロピレン(A)は、結晶性酸変性ポリプロピレン(A)であることが好ましい。本発明でいう結晶性酸変性ポリオレフィン(A)とは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、−100℃〜250℃ まで20℃/分で昇温し、該昇温過程に明確な融解ピークを示すものを指す。
酸変性ポリオレフィンを結晶性とすることで、非晶性に比べ、凝集力が強く、接着性や耐薬品性に優れるため有利である。
酸変性ポリオレフィン(A)の融点(Tm)は、50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは60℃〜100℃の範囲であり、最も好ましくは70℃〜90℃の範囲である。前記の値未満であると、結晶由来の凝集力が弱くなり、接着性や耐薬品性が劣る場合がある。一方、前記の値を超えると、溶液安定性、流動性が低く接着する際の操作性に問題が生じる場合がある。
酸変性ポリオレフィン(A)の融解熱(ΔH)は、5J/g〜60J/gの範囲であることが好ましい。より好ましくは10J/g〜50J/gの範囲であり、最も好ましくは20J/g〜40J/gの範囲である。前記の値未満であると、結晶由来の凝集力が弱くなり、接着性や耐薬品性が劣る場合がある。一方、前記の値を超えると、溶液安定性、流動性が低く接着する際の操作性に問題が生じる場合がある。
酸変性ポリオレフィン(A)の製造方法としては、特に限定されず、例えばラジカルグラフト反応(すなわち主鎖となるポリマーに対してラジカル種を生成し、そのラジカル種を重合開始点として不飽和カルボン酸および酸無水物をグラフト重合させる反応、などが挙げられる。
ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、有機過酸化物を使用することが好ましい。有機過酸化物としては、特に限定されないが、ジ−tert−ブチルパーオキシフタレート、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル等のアゾニトリル類等が挙げられる
<グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)>
本発明に用いるグリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)は、1分子中に1個のグリシジル基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。エポキシ樹脂1分子中に2個以上のグリシジル基を有することが好ましく、エポキシ樹脂1分子中に3個以上のグリシジル基を有することがより好ましく、エポキシ樹脂1分子中に4個以上のグリシジル基を有することがさらに好ましい。
また、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)は、下記一般式(1)で表される化合物を用いることで、さらに耐薬品性が向上し、好ましい。
Figure 2017030024
一般式(1)中、Rは置換基を有してもよいアリール基であり、好ましくは置換基を有してもよいフェニル基である。前記アリール基の置換基としては、特に限定されないが、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、グリシジル基、グリシジルアミノ基、グリシジルエーテル基が挙げられる。A1およびA2はそれぞれ独立して炭素数1以上5以下の置換基を有してもよい直鎖のアルキレン基であり、好ましい炭素数は4以下であり、より好ましくは3以下であり、さらに好ましくは2以下である。前記アルキレン基の置換基としては、特に限定されないが、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、またはアミノ基が挙げられる。mは1または2であり、nは1または2である。好ましくは、mまたはnのいずれかが2であり、より好ましくは、m、nとも2である。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)の具体例としては、特に限定されないが、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサノン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等のグリシジルアミン系などが挙げられる。なかでもN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンが好ましい。これらグリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)を単独でまたは2種以上を併用することができる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)の配合量は、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましく、1質量部以上であることが特に好ましく、2質量部以上であることが最も好ましい。また、20質量部以下であることが好ましく、18質量部以下であることがより好ましく、16質量部以下であることがさらに好ましく、14質量部以下であることが特に好ましく、12質量部以下であることが最も好ましい。前記範囲未満であると触媒作用が発現せず、80℃以下での貼り合わせ、エージングにおける接着性および耐薬品性が低い場合がある。前記範囲超では、過度に架橋反応が進行し剛直性が高くなり、接着性が低下する傾向にある。また、接着剤組成物の溶液保存中に架橋反応が進み易く、ポットライフが低下する傾向にある。
<グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)>
本発明に用いるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)は、分子内にグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。好ましくはエポキシ樹脂1分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂であり、さらに好ましくはエポキシ樹脂1分子中に2個以上のグリシジル基を有し、かつ窒素原子を含有しないエポキシ樹脂である。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の配合量は、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましく、4質量部以上であることが特に好ましく、5質量部以上であることが最も好ましい。また、20質量部以下であることが好ましく、18質量部以下であることがより好ましく、16質量部以下であることがさらに好ましく、14質量部以下であることが特に好ましく、12質量部以下であることが最も好ましい。前記範囲にすることで、優れた接着性および耐薬品性を発現することができる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の具体例としては、特に限定されないが、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられ、こられがバリア層との接着性および耐薬品性という観点から好ましい。これらグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)を単独でまたは2種以上を併用することができる。
本発明では、前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)と前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の2種類のエポキシ樹脂を必須成分として併用することを特徴とする。グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)とグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)を併用することによって、優れた接着性、耐薬品性を発現することができる。すなわち、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)は、酸変性ポリオレフィン(A)とグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)との反応、硬化作用を有する。さらにグリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)は、酸変性ポリオレフィン(A)とグリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)同士、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)同士、およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)とグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の反応、硬化触媒作用を有することから、配合することで、80℃以下での貼り合わせ、エージングにおけるバリア層との接着性および耐薬品性が向上することができる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)とグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の合計の配合量は、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して、2〜40質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましく、10〜16質量部であることが最も好ましい。前記範囲未満では十分な硬化効果が得られず接着性および耐薬品性が低い場合があり、前記範囲超では、ポットライフ性とシーラント層との接着性低下、コスト面の観点から好ましくない。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)の配合量はエポキシ樹脂全体の1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが最も好ましい。配合量が前記未満であると触媒作用が発現せず、低温貼り合わせ、エージングにおける接着性および耐薬品性が低い場合があり、前記超になると、過度に架橋反応が進行し剛直性が高くなり、接着性が低下する傾向にある。また、接着剤組成物の溶液保存中に架橋反応が進み易く、ポットライフが低下する傾向にある。
本発明に用いるエポキシ樹脂として、その他のエポキシ樹脂も併用することが出来る。例えば、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステルタイプ、トリグリシジルイソシアヌレート、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の脂環族あるいは脂肪族エポキサイド等が挙げられ、一種単独で用いても二種以上を併用しても構わない。
<有機溶剤(C)>
本発明で用いる有機溶剤(C)は、酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)を溶解させるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素、トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤等を使用することができ、これら1種または2種以上を併用することができる。
有機溶剤(C)は、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して、80質量部以上であることが好ましく、90質量部以上であることがより好ましく、100質量部以上であることがさらに好ましく、110質量部以上であることが特に好ましい。また、1000質量部以下であることが好ましく、900質量部以下であることがより好ましく、800質量部以下であることがさらに好ましく、700質量部以下であることが特に好ましい。前記範囲未満では、液状およびポットライフ性が低下することがあり、前記範囲を超えると製造コスト、輸送コストの面から不利となる場合がある。
有機溶剤(C)は、接着剤組成物の液状およびポットライフ性の観点から、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素およびハロゲン化炭化水素からなる群より選択された1種以上の溶剤(C1)、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤およびグリコールエーテル系溶剤からなる群より選択された1種以上の溶剤(C2)の混合液が好ましい。混合比としては、溶剤(C1)/溶剤(C2)=50〜97/50〜3(質量比)であることが好ましく、55〜95/45〜5(質量比)であることがより好ましく、60〜90/40〜10(質量比)であることがさらに好ましく、70〜80/30〜20(質量比)であることが特に好ましい。上記範囲を外れると接着剤組成物の液状およびポットライフ性が低下することがある。また、溶剤(C1)が芳香族炭化水素または脂環族炭化水素であり、溶剤(C2)がケトン系溶媒であることが特に好ましい。
<接着剤組成物>
本発明にかかる接着剤組成物は、前記酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)および有機溶剤(C)の混合物である。酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)は有機溶剤(C)に溶解しても良いし、分散しても良い。ポットライフ性の観点から溶解していることが好ましい。
接着剤組成物は、本発明の性能を損なわない範囲で前記酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)および有機溶剤(C)の他に各種の添加剤を配合して使用することができる。添加剤としては、特に限定されないが、難燃剤、顔料、ブロッキング防止剤等を使用することが好ましい。
<<シーラント層>>
本発明に用いるシーラント層は、特に限定されないが、耐漏液性や耐熱性などの点からポリオレフィンを用いることが好ましい。ポリオレフィンは、従来から公知のポリオレフィン樹脂の中から適宜選択すればよい。例えば、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などを用いることができる。中でも、ポリプロピレンの使用が好ましく、ポリプロピレンはランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレンの中から適宜選択すればよい。
本発明におけるシーラント層には、上記各タイプのポリプロピレン層を適時組み合わせて多層化してもよい。その厚さは、特に限定されないが、20〜100μmであることが好ましく、25〜95μmであることがより好ましく、30〜90μmであることがさらに好ましい。なお、ポリオレフィン樹脂基材には必要に応じて顔料や種々の添加物を配合してもよい。
<<バリア層>>
本発明に用いるバリア層は、酸素や水分等のリチウムイオン電池内部への侵入を阻止するバリア性を有する層である。特に限定されないが、純アルミニウム、アルミニウム−鉄合金、銅、ニッケル、ステンレス等の金属箔やアルミニウム、ニッケル、シリカ、アルミナ等の蒸着フィルムが好ましい。バリア性の点からアルミニウム箔を用いることが好ましい。また、耐腐食性及び密着性を向上させるため、バリア層にはクロメート処理等の表面処理が施されていることが好ましく、具体的にはクロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理等のクロム系化成処理、あるいは、ジルコニウム、チタン、リン酸亜鉛等を用いた非クロム系(塗布型)化成処理等が挙げられる。これらの処理は単独で行ってもよいし、適宜、有機バインダー成分を併用して処理してもよい。
アルミニウム箔を使用する場合は、厚みが9〜200μmの軟質アルミニウム箔、特に鉄含有率が0.1〜9.0質量%の軟質アルミニウム箔が耐ピンホール性、成形加工時の延展性の点で好ましい。鉄含有率が0.1質量%未満であると、耐ピンホール性、延展性を十分に付与させることができず、9.0質量%を超えると柔軟性が損なわれる場合がある。
軟質アルミニウム箔を用いる場合、耐腐食性の向上に加えて、接着層との接着性を向上させるために、接着層を積層する面に公知の表面処理を行うことが好ましい。
<<電池用包装材料>>
本発明の電池用包装材料は、以上のように、バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなるものである。
次に、本発明の電池用包装材料を製造する方法について、一例を述べる。
本発明では、まずバリア層の表面に接着層を設ける。本発明において、接着層を設ける方法は特に限定されないが、前述の酸変性ポリプロピレン樹脂(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)および有機溶剤(C)を含有する接着剤組成物をバリア層の表面に塗布して、有機溶剤(C)を乾燥除去し、次いで硬化反応をさせる方法が挙げられる。また、剥離紙上に接着剤組成物を塗布して有機溶剤(C)を乾燥、硬化反応をさせて一旦接着層を剥離し、後にこれをバリア層またはシーラント層に転写する方法が挙げられる。中でも、性能面の点から、前者の方法が、接着層の厚みを自在に制御しやすい点から好ましく、その中でも、同接着剤組成物をバリア層の表面に塗布する方法が、実用上好ましい。
接着剤組成物の塗布方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により、バリア層又はシーラント層の表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理又は乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な接着層を塗布面に密着させて形成することができる。
接着層を設けた後は、シーラント層を設ける。シーラント層を設ける方法は特に限定されないが、前述のシーラント樹脂からなるシーラントフィルムと接着層とを熱によって貼り合わせる方法(熱ラミネート、ドライラミネート)や、接着層に溶融させた前記樹脂を押し出して貼り合わせる方法(押出ラミネート)などがあげられる。
本発明の電池用包装材料は、以上の方法により製造でき、かかる方法によれば、接着層の厚みの調整が容易であるため、包装材料を効率よく生産することができる。
本発明の電池用包装材料は、厚み方向に順に、バリア層、接着層及びシーラント層をこの順に積層した構成を有し、さらに単層もしくは多層の耐熱性高分子フィルムからなる基材層を設けてもよい。
前記基材層は、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸もしくは未延伸フィルムなどの単体フィルム、あるいは前記単体フィルムを積層した多層フィルムなどが使用することができる。
基材層とバリア層の間には、必要に応じて、プライマー層を設けることができる。プライマー層は、シランカップリング剤やポリエステルポリオールあるいはポリエーテルポリオール、アクリルポリオールを主剤としたポリウレタン系接着剤を使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。実施例中および比較例中に単に部とあるのは質量部を示す。
製造例1
1Lオートクレーブに、プロピレン−ブテン共重合体(三井化学社製「タフマー(登録商標)XM7080」)100質量部、トルエン150質量部及び無水マレイン酸25質量部、ジ−tert−ブチルパーオキサイド6質量部を加え、140℃まで昇温した後、更に3時間撹拌した。その後、得られた反応液を冷却後、多量のメチルエチルケトンが入った容器に注ぎ、樹脂を析出させた。その後、当該樹脂を含有する液を遠心分離することにより、無水マレイン酸がグラフト重合した酸変性プロピレン−ブテン共重合体と(ポリ)無水マレイン酸および低分子量物とを分離、精製した。その後、減圧下70℃で5時間乾燥させることにより、無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体(PO−1、酸価48mgKOH/g-resin、重量平均分子量50,000、Tm75℃、△H25J/g)を得た。
製造例2
無水マレイン酸の仕込み量を20質量部に変更した以外は製造例1と同様にすることにより、無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体(PO−2、酸価25mgKOH/g-resin、重量平均分子量80,000、Tm75℃、△H30J/g)を得た。
製造例3
無水マレイン酸の仕込み量を3質量部、ジ−tert−ブチルパーオキサイドを0.5質量部に変更した以外は製造例1と同様にすることにより、無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体(PO−3、酸価5mgKOH/g-resin、重量平均分子量180,000、Tm80℃、△H25J/g)を得た。
製造例4
無水マレイン酸の仕込み量を30質量部に変更した以外は製造例1と同様にすることにより、無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体(PO−4、酸価55mgKOH/g-resin、重量平均分子量40,000、Tm70℃、△H25J/g)を得た。
製造例5
無水マレイン酸の仕込み量を2質量部、ジ−tert−ブチルパーオキサイドを0.5質量部に変更した以外は製造例1と同様にすることにより、無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体(PO−5、酸価3mgKOH/g-resin、重量平均分子量200,000、Tm80℃、△H25J/g)を得た。
(主剤1の作製)
水冷還流凝縮器と撹拌機を備えた500mlの四つ口フラスコに、製造例1で得られた無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体(PO−1)を100質量部、メチルシクロヘキサンを280質量部およびメチルエチルケトンを120質量部仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温し、撹拌を1時間続けることで主剤1を得た。溶液状態を表1に示す。
(主剤2〜12の作製)
酸変性ポリオレフィンおよび有機溶剤を表1に示すとおりに変更し、主剤1と同様な方法で主剤2〜12を作製した。配合量、溶液状態を表1に示す。
Figure 2017030024
実施例1
主剤1を500質量部、硬化剤としてグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂を19.8質量部、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)であるTETRAD(登録商標)−Xを0.2質量部配合し、接着剤組成物を得た。ポットライフ性、接着性および耐薬品性の評価結果を表2に示す。
実施例2〜15、比較例1〜6
主剤1〜12および各硬化剤を表2、3に示すとおりに変更し、実施例1と同様な方法で実施例2〜15、比較例1〜6を行った。配合量、ポットライフ性、接着性および耐薬品性を表2、3に示す。
Figure 2017030024
Figure 2017030024
表2、3で用いた硬化剤は以下のものである。
<グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)>
N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン:TETRAD(登録商標)−X(三菱ガス化学社製)
<グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)>
フェノールノボラック型エポキシ樹脂:jER(登録商標)152(三菱化学社製)
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−700−3(新日鉄住金化学社製)
<その他の硬化剤>
ポリイソシアネート:デュラネート(登録商標)TPA−100(旭化成社製)
シランカップリング剤:KBM−403(信越シリコーン社製)
上記のようにして得られた各酸変性ポリオレフィン、主剤および接着剤組成物に対して下記方法に基づいて分析測定および評価を行った。
酸価の測定
本発明における酸価(mgKOH/g-resin)は、FT−IR(島津製作所社製、FT−IR8200PC)を使用して、無水マレイン酸(東京化成製)のクロロホルム溶液によって作成した検量線から得られる係数(f)、結晶性無水マレイン酸変性ポリオレフィン溶液における無水マレイン酸のカルボニル(C=O)結合の伸縮ピーク(1780cm−1)の吸光度(I)を用いて下記式により算出した値である。
酸価(mgKOH/g−resin)=[吸光度(I)×(f)×2×水酸化カリウムの分子量×1000(mg)/無水マレイン酸の分子量]
無水マレイン酸の分子量:98.06 水酸化カリウムの分子量:56.11
重量平均分子量(Mw)の測定
本発明における重量平均分子量は日本ウォーターズ社製ゲルパーミエーションクロマトグラフAlliance e2695(以下、GPC、標準物質:ポリスチレン樹脂、移動相:テトラヒドロフラン、カラム:Shodex KF-806 + KF-803、カラム温度:40℃、流速:1.0ml/分、検出器:フォトダイオードアレイ検出器(波長254nm = 紫外線))によって測定した値である。
融点、融解熱量の測定
本発明における融点、融解熱量は示差走査熱量計(以下、DSC、ティー・エー・インスツルメント・ジャパン製、Q−2000)を用いて、20℃/分の速度で昇温融解、冷却樹脂化して、再度昇温融解した際の融解ピークのトップ温度および面積から測定した値である。
主剤溶液状態の評価
主剤1〜12の溶液状態について、東機産業社製のブルックフィールド型粘度計TVB−10M(以下、B型粘度計)を用いて25℃の溶液粘度を測定することで評価した。
<評価基準>
○(実用上優れる):500mPa・s未満
△(実用可能):500mPa・s以上1000mPa・s未満
×(実用不可能):1000mPa・s以上またはゲル化により粘度測定不可
ポットライフ性の評価
ポットライフ性とは、酸変性ポリオレフィンに架橋剤または硬化剤を配合し、その配合直後または配合後一定時間経過後の該溶液の安定性を指す。ポットライフ性が良好な場合は、溶液の粘度上昇が少なく長期間保存が可能であることを指し、ポットライフ性が不良な場合は、溶液の粘度が上昇(増粘)し、ひどい場合にはゲル化現象を起こし、基材への塗布が困難となり、長期間保存が不可能であることを指す。 実施例1〜15および比較例1〜6で得られた接着剤組成物のポットライフ性を、25℃および40℃雰囲気で24時間貯蔵した後に、B型粘度計を用いて25℃の溶液粘度を測定することで評価した。
<評価基準>
○(実用上優れる):500mPa・s未満
△(実用可能):500mPa・s以上1000mPa・s未満
×(実用不可能):1000mPa・s以上またはゲル化により粘度測定不可
リチウムイオン電池用包装材料の作製
バリア層にアルミニウム箔(UACJ社製、8079−0材、厚さ40μm)を使用し、シーラントに無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムCT、厚さ40μm)(以下、CPPともいう。)を使用した。 実施例1〜15および比較例1〜6で得られた接着剤組成物をバリア層表面にバーコータを用いて乾燥後の接着剤層の膜厚が3μmになるように調整して塗布した。次いで温風乾燥機を用いて100℃雰囲気で1分間乾燥させ、膜厚3μmの接着層を得た。前記接着層表面にシーラント層を重ね合わせ、テスター産業社製の小型卓上テストラミネーター(SA−1010−S)を用いて80℃、0.3MPa、1m/分にて貼り合わせ、40℃、50%RHにて120時間養生(エージング)することでリチウムイオン電池用包装材料を得た。
上記のようにして得られたリチウムイオン電池用包装材料に対して、下記方法にて評価を行った。
接着性の評価
前記電池用包装材料を100mm×15mm大きさに切断し、T型剥離試験により接着性の評価を行った。評価結果を表2、3に示す。
<T型剥離試験>
ASTM−D1876−61の試験法に準拠し、オリエンテックコーポレーション社製のテンシロンRTM−100を用いて、25℃環境下で、引張速度50mm/分における剥離強度を測定した。バリア層(アルミニウム箔)/シーラント層(CPP)間の剥離強度(N/cm)は5回の試験値の平均値とした。
<評価基準>
☆(実用上特に優れる):8.0N/cm以上またはCPPが材破する(以下、単に「材破」ともいう。)材破とは、アルミニウム箔/CPPの界面で剥離が生じず、アルミニウム箔またはCPPが破壊されることをいう。
◎(実用上優れる):7.5N/cm以上8.0N/cm未満
○(実用可能):7.0N/cm以上7.5N/cm未満
×(実用不可能):7.0N/cm未満
耐電解液性の評価
前記電池用包装材料を、100mm×15mm大きさに切断し、電解液[エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート/ジメチルカーボネート=1/1/1(容積比)に6フッ化リン酸リチウムを添加したもの]に85℃で3日間浸漬させた。その後、積層体を取り出しイオン交換水で洗浄、ペーパーワイパーで水を拭き取り、T型剥離試験により耐電解液性の評価を行った。
<評価基準>
☆(実用上特に優れる):8.0N/cm以上または材破
◎(実用上優れる):7.5N/cm以上8.0N/cm未満
○(実用可能):7.0N/cm以上7.5N/cm未満
×(実用不可能):7.0N/cm未満
本発明の電池用包装材料は、バリア層、接着層及びシーラント層が順次積層されてなる電池用包装材料において、接着層に特定の樹脂と特定の架橋剤からなる組成物を用いている。このため、電池の包装材料として用いた場合に優れた耐電解液性を発揮し、結果、電池の寿命が延び、取扱上の安全性も高まり、パソコン、携帯電話、ビデオカメラなどに用いられるリチウム電池の包装材(パウチ形態)として幅広く利用し得るものである。

Claims (8)

  1. バリア層、接着層及びシーラント層がこの順に積層されてなる電池用包装材料であって、前記接着層が、酸価が5〜50mgKOH/g-resinである酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)の反応物を含有することを特徴とする電池用包装材料。
  2. 前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)が、1分子中2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂である請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)が、一般式(1)で表される化合物である請求項1または2に記載の電池用包装材料。
    Figure 2017030024
    (一般式(1)中、Rは置換基を有してもよいアリール基であり、A1およびA2はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは1または2であり、nは1または2である。)
  4. 前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)が、1分子中に2個以上のグリシジル基を有し、かつ窒素原子を含有しないエポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記接着層が、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)を0.01〜20質量部、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)を1〜20質量部の反応物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料を用いた電池。
  7. バリア層の表面に、酸変性ポリオレフィン(A)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B1)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(B2)および有機溶剤(C)を含有する接着剤組成物を塗布、乾燥して接着層を形成し、次いで接着層の表面にシーラント層を積層する請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料の製造方法。
  8. 前記有機溶剤(C)が、溶剤(C1)と溶剤(C2)の混合液であって、溶剤(C1)が芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素およびハロゲン化炭化水素からなる群より選択された1種以上の溶剤であり、溶剤(C2)がアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、グリコールエーテル系溶剤からなる群より選択された1種または2種以上の溶剤であり、溶剤(C1)/溶剤(C2)=50〜97/50〜3(質量比)である請求項7に記載の電池用包装材料の製造方法。
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