JPWO2017013716A1 - 浸漬用サテン調塗料およびこれを用いた表面処理方法 - Google Patents

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Abstract

簡単な工程で、素材を傷めず、素材保護が可能であり、且つ高い耐食性を有し、光沢を制御した金属外観を形成できる表面処理技術を提供することを目的とする。当該技術は、平均粒子径が1〜50μmであり、平均片厚が5〜50nmである金属薄片、シリコンオリゴマー、樹脂を含有することを特徴とする浸漬用サテン調塗料および被処理部材を、前記浸漬用サテン調塗料に浸漬することを特徴とする表面処理方法である。

Description

本発明は、浸漬用サテン調塗料およびこれを用いた表面処理方法に関する。
これまで、金属色ならびに金属光沢を得るためにめっきによる表面処理が行なわれてきた。めっきには、金属光沢を得ることに加え、素材金属の保護する目的も存在する。
しかしながら、市場は、装飾性や高級感を求める傾向にあり、めっきにより得られる金属光沢は光沢があり過ぎるため、装飾性や高級感に劣るとの指摘が多くあり、めっきの光沢性を制御してサテン調の色調とすることが求められていた。
めっきでサテン調の色調を得るために、例えば、めっき液に添加される光沢剤の種類の変更や、粒径の小さい微粒子を添加しためっき液を用いる複合めっき、エマルションを添加しためっき液を用いるサテンめっき等の技術が知られている。
しかしながら、これらの技術はいずれもめっきで行うため、全面に均一な光沢性を制御した金属外観を得ることは難しかった。
また、別の技術として、めっき等で得られた金属表面に、更に、ブラスト、陽極酸化等でサテン調の色調を得る技術もあるが、素材金属自体を傷めることとなり、素材を保護することはできない。
更に、別の技術として、素材金属上に亜鉛フレークとバインダーにより組み立てられたコーティングを塗装してサテン調の色調を得る技術もあるが、液の安定性の問題から常時攪拌が必要であったり、粘度が高いため締結部材に用いた際に螺子部が詰まってしまう等の問題が言われている。(特許文献1)。
特開平8−73778号公報
従って、本発明の課題は、簡単な工程で、素材を傷めず、素材保護が可能であり、且つ高い耐食性を有し、光沢を制御したサテン調の色調を付与できる表面処理技術が求められており、この手段を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の大きさを有する金属薄片とシリコンオリゴマー等を組み合わせて塗料とすることにより、塗料中に前記金属薄片が分散し、沈殿することがないため、単なる浸漬により被処理物にサテン調の色調を付与できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、平均粒子径が1〜50μmであり、平均片厚が5〜50nmである金属粉末、シリコンオリゴマー、樹脂を含有することを特徴とする浸漬用サテン調塗料である。
また、本発明は、被処理物を、上記浸漬用サテン調塗料に浸漬することを特徴とする表面処理方法である。
更に、本発明は、被処理物を、上記浸漬用サテン調塗料に浸漬して得られることを特徴とする表面処理製品である。
本発明の浸漬用サテン調塗料は、これに含まれる金属薄片が分散し、沈殿することがないため、塗料の撹拌が不要であり、浸漬により被処理物にサテン調の色調を一様に付与できる
また、本発明の浸漬用サテン調塗料は、従来よりも薄い膜厚でも耐食性が得られ、しかも、浸漬する回数も一回で充分である。そのため、自動車等の部品のような大量の処理に用いるのに好適である。
実施例7において得られた本発明の浸漬用サテン調塗料で表面を処理したABS樹脂板の外観を示す図である(A:塗装前、B:塗装後(ステンレス色)、C:塗装後(チタン色)) 実施例8において得られた本発明の浸漬用サテン調塗料で表面を処理したボルトの外観を示す図である(A:塗装前、B:塗装後(ステンレス色)、C:塗装後(チタン色))。
本発明の浸漬用サテン調塗料(以下、「本発明塗料」という)に用いられる金属薄片は平均粒子径が1〜50μm、好ましくは1〜10μmであり、平均片厚が5〜50nm、好ましくは1〜25nmである。金属の種類は、特に限定されず、例えば、亜鉛、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム等が挙げられるが、これらの中でもアルミニウムが最も良くサテン調の色調を付与できるため好ましい。これら金属薄片は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、このような金属薄片としては、例えば、常法に従って蒸着法等で得られるものや、市販品を利用することができる。このような金属薄片の市販品としては、例えば、PSLENDALシリーズ(DIC社)、Decometシリーズ(東洋アルミ社)等を挙げることができる。なお、上記平均粒子径は光学顕微鏡で測定された5〜20程度の薄片の粒子径(長辺)の平均値であり、平均片厚はSEM象で観察された5〜20程度の薄片の膜厚の平均値である。
なお、本発明塗料における上記金属薄片の含有量は特に限定されず、例えば、0.1〜10質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは0.3〜1.0%である。
本発明塗料に用いられるシリコンオリゴマーは、特に限定されず、例えば、アルコキシシランオリゴマー等が挙げられる。このアルコキシシランオリゴマーは、アルコキシシランと水や多価アルコールとの反応縮合物であり、これはアルコキシシランのアルコキシ基と、水や多価アルコールのヒドロキシ基が縮合したものである。なお、アルコキシシランオリゴマー中のシリコン原子数は特に限定されないが、例えば、2〜8のもの、より好ましくは2〜4のものである。
上記アルコキシシランオリゴマーの原料となるアルコキシシランとしては、特に限定されないが、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記アルコキシシランオリゴマーの原料となる多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
これらアルコキシシランオリゴマーは、アルコキシシランと水や多価アルコールとを、触媒としての金属塩の存在下で50℃程度で2時間程度縮合反応させ、反応の際に生成するアルコールを分留しないことにより得られる。
上記縮合反応において、触媒として使用される金属塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄等が挙げられる。
上記したアルコキシシランと水や多価アルコールとの反応縮合物の中でも、アルコキシシランと多価アルコールとの反応縮合物が好ましく、アルコキシシランと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の2価アルコールとの反応縮合物が、これを本発明塗料とした際の安定性の点から特に好ましい。
このようなアルコキシシランとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の2価アルコールとの反応縮合物としては、国際公開パンフレットWO2014/207885に記載のものが好ましく、特にこのパンフレットの実施例に記載されているものが好ましい。
これらのシリコンオリゴマーは1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明塗料における上記シリコンオリゴマーの含有量は特に限定されず、例えば、0.1%以上であり、好ましくは0.5〜5.0%である。
本発明塗料に用いられる樹脂は、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でもアクリル樹脂が好ましく、アクリル樹脂の中でもメタアクリル酸アルキルエステル共重合体、コロイダルシリカ・アクリル複合体、エチレン・アクリル酸共重合物アンモニウム塩がより好ましく、メタアクリル酸アルキルエステル共重合体が特に好ましい。これら樹脂は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明塗料における上記樹脂の含有量は特に限定されず、例えば、0.1〜50%、好ましくは1〜20%である。
本発明塗料には、更に、顔料を含有させることができる。本発明塗料に用いられる顔料は、上記金属薄片に該当するものを除く以外は特に限定されず、例えば、アルミニウム、チタン、ケイ素、バリウム、ジルコニウム等金属の酸化物、硫酸塩またはそれらによる処理物等の金属由来の顔料、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等の樹脂由来の顔料、カーボンブラック等が挙げられる。これらの顔料の中でもカーボンブラックが好ましい。これら顔料は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明塗料における上記顔料の含有量は特に限定されず、例えば、10%未満であり、好ましくは0.3〜1.0%である。
また、本発明塗料には、本発明の効果を損なわない範囲で、摩擦係数調整剤、増膜剤等を含有させてもよい。摩擦係数調整剤は、特に限定されず、例えばポリエチレンワックス等が挙げられる。増膜剤は、特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカ等が挙げられる。
更に、本発明塗料は、例えば、1−メトキシ2−プロパノール等の高沸点溶媒、イソプロピルアルコール等で適宜希釈して粘度を調整してもよい。本発明塗料の粘度は特に限定されないが、例えば、5〜15mPa・s、好ましくは7〜10mPa・sである。
本発明塗料の好ましい態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
<ステンレス色>
アルミニウム薄片(平均粒子径10〜15μm、平均片厚20〜50nm
) 0.3〜10%
アクリル酸エステル共重合体 1〜50%
アルコキシシランオリゴマー 0.5〜5.0%
イソプロピルアルコール 総量が100%となる量
粘度 7.4 mPa・s
※テトラエトキシシランとエチレングリコールの反応縮合物(シリコン原子の数は2〜4)
<チタン色>
アルミニウム薄片(平均粒子径10〜15μm、平均片厚5〜15nm) 0.3〜10%
アクリル酸エステル共重合体 1〜50%
アルコキシシランオリゴマー 0.5〜5.0%
イソプロピルアルコール 総量が100%となる量
粘度 7.9 mPa・s
※テトラエトキシシランとエチレングリコールの反応縮合物(シリコン原子の数は2〜4)
以上説明した本発明塗料は、例えば、各成分を撹拌、混合することにより調製することができる。
斯くして得られる本発明塗料に、被処理部材を浸漬して表面処理することによりサテン調の色調を付与することができる。
本発明塗料で表面処理することのできる被処理部材としては、特に限定されず、例えば、金属材、樹脂材等が挙げられる。金属材としては、マグネシウムまたはマグネシウム合金、亜鉛または亜鉛合金や、鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロムおよびスズからなる群から選ばれる金属の1種または前記金属の2種以上を含む合金等が挙げられる。樹脂材としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ビスマレイミドトリアジンおよびポリイミドからなる群から選ばれる合成樹脂の1種または前記樹脂の2種以上からなる合成樹脂アロイ等が挙げられる。また、被処理部材の形状は、浸漬により被処理部材の所望の表面に本発明塗料が接触できるような形状であれば特に限定されない。
上記被処理部材を本発明塗料に浸漬する方法は、特に限定されず、通常浸漬用の塗料を用いた塗装と同様に単に被処理部材を浸漬するだけでもよいが、本発明塗料は特にボルトナット等の自動車部品のような網かごを用いた大量処理に向いているためディップ−スピン(Dip−Spin)法を用いることが好ましい。また、浸漬の条件は特に限定されず、例えば、被処理部材の所望の表面に本発明塗料が十分つきまわるように数秒〜数分程度、1回以上浸漬すればよい。
なお、本発明塗料は、電位的に卑であるアルミニウムを含んでいるため、特に被処理部材の表面が亜鉛や、亜鉛−鉄、亜鉛−ニッケル、亜鉛−コバルト等の亜鉛合金である場合、犠牲防食が期待でき、浸漬回数が1回でも十分に耐食性のある塗膜が得られる。
浸漬後は、更に焼成を行ってもよい。焼成の条件は特に限定されず、例えば、大気中、50〜200℃で1〜60分程度である。
本発明塗料で被処理部材を表面処理した後は、更に本発明塗料で表面処理、焼成等して本発明塗料を積層してもよい。
斯くして本発明塗料で表面処理された被処理部材(以下、「表面処理製品」という)は、サテン調の色調が付与される。ここでサテン調とは、例えば、被処理部材がABSである表面処理製品の表面が金属色を有していて、かつ、L値が50.0〜150.0、好ましくは70〜140.0のものをいう。なお、L値は、x−riteMA−94等の測色計を用い、Color45as15の条件にて測定されたものである。
また、表面処理製品における本発明塗料の膜厚は特に限定されないが、上記したように本発明塗料は浸漬が1回でもサテン調の色調を一様に付与でき、十分に耐食性のある膜を付与することができるため、例えば、0.1〜10μm程度でよい。
更に、表面処理製品は、耐食性が高く、例えば、亜鉛めっきに化成処理のみを行った場合には、740時間にて、赤錆が発生するが、例えば、これに更に本発明塗料で表面処理をすれば塩水噴霧試験にて2000時間以上、赤錆が発生しなくなる。
上記表面処理製品は、亜鉛めっきにより構成されている二輪車、自動車等の部品に利用することが好適である。
以下、本発明を実施例等を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら限定されるものではない。
製 造 例 1
アルコキシシランオリゴマーの調製:
WO2014/207885に記載の実施例1と同様にしてアルコキシシランオリゴマーを調製した。すなわち、エチレングリコール(336g)に塩化アルミニウム・6水和物(1.8g)を添加し、これを、撹拌しながらマントルヒーターで50℃に加温したものに、テトラエトキシシラン(564g)を混合し、置換反応時に生成するアルコールを分留せずに2時間縮合反応させてアルコキシシランオリゴマーを得た。なお、テトラエトキシシランの反応率は100%であった。
得られたアルコキシシランオリゴマーは、テトラエトキシシランとエチレングリコールの反応縮合物であり、このオリゴマー中のシリコン原子の数は2〜4であった。
製 造 例 2
アルコキシシランオリゴマーの調製:
上記製造例1において、エチレングリコールをトリエチレングリコール810.9g(5.4mol)とする以外はと同様にしてアルコキシシリコンオリゴマー(WO2014/207885に記載の実施例12と同様のもの)を調製した。なお、テトラエトキシシランの反応率は100%であった。
得られたアルコキシシランオリゴマーは、テトラエトキシシランとトリエチレングリコールの反応縮合物であり、このオリゴマー中のシリコン原子の数は2〜4であった。
製 造 例 3
アルコキシシランオリゴマーの調製:
上記製造例1において、エチレングリコールを1,3−ブチレングリコール486.6g(5.4mol)とする以外は実施例1と同様にしてアルコキシシランオリゴマー(WO2014/207885に記載の実施例13と同様のもの)を調製した。なお、テトラエトキシシランの反応率は100%であった。
得られたアルコキシシランオリゴマーは、テトラエトキシシランと1,3−ブチレングリコールの反応縮合物であり、このオリゴマー中のシリコン原子の数は2〜4であった。
製 造 例 4
アルコキシシランオリゴマーの調製:
製造例1のエチレングリコールを水97.2g(5.4mol)とする以外は実施例1と同様にしてアルコキシシランオリゴマーを調製した。なお、テトラエトキシシランの反応率は100%であった。
得られたアルコキシシランオリゴマーは、テトラエトキシシランと水の反応縮合物であり、放置により調製3日後にゲル化したことからこのオリゴマー中のシリコン原子の数は5以上であると考えられる。
実 施 例 1
浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)の調製:
アルミニウム薄片(VP/11329:東洋アルミ(株)社製:平均片厚30nm、平均粒子径13μm)を金属アルミニウムとして1%、アクリル樹脂(H#26−78:東栄化成(株)社製)を20%、製造例1で調製したアルコキシシランオリゴマーを3%、1−メトキシ2−プロパノールを30%と、イソプロピルアルコールを総量が100%となる量で撹拌、混合して浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)を得た(粘度は7.4mPa・s)。なお、この塗料はアルミニウム薄片の沈殿速度が遅く、室温放置にて半年以上安定であった。
実 施 例 2
浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)の調製:
アルミニウム薄片(VP/11329:東洋アルミ(株)社製:平均片厚30nm、平均粒子径13μm)を金属アルミニウムとして1%、アクリル樹脂(H#26−78:東栄化成(株)社製)を20%、製造例2で調製したアルコキシシランオリゴマーを3%、1−メトキシ2−プロパノールを30%と、イソプロピルアルコールを総量が100%となる量で撹拌、混合して浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)を得た(粘度は7.6mPa・s)。なお、この塗料はアルミニウム薄片の沈殿速度が遅く、室温放置にて半年以上安定であった。
実 施 例 3
浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)の調製:
アルミニウム薄片(VP/11329:東洋アルミ(株)社製:平均片厚30nm、平均粒子径13μm)を金属アルミニウムとして1%、アクリル樹脂(H#26−78:東栄化成(株)社製)を20%、製造例3で調製したアルコキシシランオリゴマーを3%、1−メトキシ2−プロパノールを30%と、イソプロピルアルコールを総量が100%となる量で撹拌、混合して浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)を得た(粘度は7.5mPa・s)。なお、この塗料はアルミニウム薄片の沈殿速度が遅く、室温放置にて半年以上安定であった。
実 施 例 4
浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)の調製:
アルミニウム薄片(VP/11329:東洋アルミ(株)社製:平均片厚30nm、平均粒子径13μm)を金属アルミニウムとして1%、フェノール樹脂(JN COAT VW:(株)JCU社製)と20%、製造例1で調製したアルコキシシランオリゴマーを3%、1−メトキシ2−プロパノールを30%と、イソプロピルアルコールを総量が100%となる量で撹拌、混合して浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)を得た(粘度は7.0mPa・s)。なお、この塗料はアルミニウム薄片の沈殿速度が遅く、室温放置にて半年以上安定であった。
実 施 例 5
浸漬用サテン調塗料(チタン色)の調製:
アルミニウム薄片(5004/10:東洋アルミ(株)社製:平均片厚9nm、平均粒子径12μm)を金属アルミニウムとして1%、アクリル樹脂(H#26−78:東栄化成(株)社製)を20%、製造例1で調製したアルコキシシランオリゴマーを3%、1−メトキシ2−プロパノールを30%と、イソプロピルアルコールを総量が100%となる量で撹拌、混合して浸漬用サテン調塗料(チタン色)を得た(粘度は7.9mPa・s)。なお、この塗料はアルミニウム薄片の沈殿速度が遅く、室温放置にて半年以上安定であった。
実 施 例 6
浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)の調製:
アルミニウム薄片(VP/11329:東洋アルミ(株)社製:平均片厚30nm、平均粒子径13μm)を金属アルミニウムとして1%、アクリル樹脂(H#26−78:東栄化成(株)社製)を20%、製造例4で調製したアルコキシシランオリゴマーを3%、1−メトキシ2−プロパノールを30%と、イソプロピルアルコールを総量が100%となる量で撹拌、混合して浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)を得た(7.3mPa・s)。 なお、この塗料はアルミニウム薄片の沈殿速度が遅く、室温放置にて3日でゲル化した。
実 施 例 7
サテン調塗装:
ABS樹脂板に十分な脱脂処理を施したしたものを、実施例1で調製した浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)または実施例5で調製した浸漬用サテン調塗料(チタン色)に、30秒程度浸漬し、引き上げた。その後、これを室温で乾燥させ、更に70℃で20分間焼成した(膜厚は1μm程度)。塗料浸漬前のABS樹脂と塗料浸漬後のABS樹脂を図1に示した。
実施例1で調製した浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)で処理した樹脂板の外観をL値で評価した結果134.6の値を示した。また、この樹脂板は、一様な外観でサテン調のアルマイト色が付与されていた。
実施例5で調製した浸漬用サテン調塗料(チタン色)で処理した樹脂板の外観をL値で評価した結果113.4の値を示した。また、樹脂板は、一様な外観でサテン調のアルマイト色が付与されていた。
実 施 例 8
サテン調塗装:
M8−25六角ボルト(表面は化成処理をした亜鉛メッキ)10個を網かごに入れ、実施例1で調製した浸漬用サテン調塗料(ステンレス色)または実施例5で調製した浸漬用サテン調塗料(チタン色)に、30秒程度浸漬し、引き上げた。次いで、網かごごとボルトを遠心乾燥機にて400rpmで乾燥させ、更に180℃で20分間焼成して、ボルトに表面処理を施した(膜厚は1μm程度)。塗料浸漬前のボルトと塗料浸漬後のボルトの外観を図2に示した。
何れの塗料で処理したボルトも一様な外観でサテン調のアルマイト色が付与されていた。
試 験 例 1
塩水噴霧試験:
実施例8で得られたサテン調塗料で表面処理したボルトを、それぞれJIS Z 2371に従って塩水噴霧試験を行った。また、比較として未処理のボルトについても同様に塩水噴霧試験を行った。その結果を表1に示した。
塩水噴霧試験の結果、未処理品が740時間にて赤錆が発生していたのに対し、本発明塗料を用いて表面処理したサテン調塗料表面処理品は、塩水噴霧試験2000時間であっても大きな腐食は見られなかった。
実 施 例 9
サテン調塗装:
マグネシウムの試験片について、実施例7と同様にしてサテン調塗装を行ったところ、一様な外観でサテン調のアルマイト色が付与される。
実 施 例 10
サテン調塗装:
銅の試験片について、実施例7と同様にしてサテン調塗装を行ったところ、一様な外観でサテン調のアルマイト色が付与される。
本発明の浸漬用サテン調塗料は、従来よりも薄い膜厚でも耐食性が得られ、しかも、浸漬する回数も一回で十分である。そのため、自動車部品等の大量に処理するのに好適である。

以 上

Claims (20)

  1. 平均粒子径が1〜50μmであり、平均片厚が5〜50nmである金属薄片、シリコンオリゴマー、樹脂を含有することを特徴とする浸漬用サテン調塗料。
  2. シリコンオリゴマーがアルコキシシランオリゴマーである請求項1記載の浸漬用サテン調塗料。
  3. アルコキシシランオリゴマーがアルコキシシランと多価アルコールとの反応縮合物である請求項2記載の浸漬用サテン調塗料。
  4. 樹脂がアクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の浸漬用サテン調塗料。
  5. 金属薄片がアルミニウム薄片である請求項1記載の浸漬用サテン調塗料。
  6. ディップ−スピン法用である請求項1〜5の何れかに記載の浸漬用サテン調塗料。
  7. 被処理部材を、請求項1〜6の何れかに記載の浸漬用サテン調塗料に浸漬することを特徴とする表面処理方法。
  8. 被処理部材の表面が、マグネシウムまたはマグネシウム合金である請求項7記載の表面処理方法。
  9. 被処理部材の表面が、亜鉛または亜鉛合金である請求項7記載の表面処理方法。
  10. 被処理部材の表面が、鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロムおよびスズからなる群から選ばれる金属の1種または前記金属の2種以上を含む合金である請求項7記載の表面処理方法。
  11. 被処理部材の表面が、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ビスマレイミドトリアジンおよびポリイミドからなる群から選ばれる合成樹脂の1種または前記樹脂の2種以上からなる合成樹脂アロイである請求項7記載の表面処理方法。
  12. 浸漬回数が1回である請求項7〜11の何れかに記載の表面処理方法。
  13. 浸漬後に焼成するものである請求項7〜12の何れかに記載の表面処理方法。
  14. 被処理部材を、請求項1〜6の何れかに記載の浸漬用サテン調塗料に浸漬して得られることを特徴とする表面処理製品。
  15. 被処理部材の表面が、マグネシウムまたはマグネシウム合金である請求項14記載の表面処理製品。
  16. 被処理部材の表面が、亜鉛または亜鉛合金である請求項14記載の表面処理製品。
  17. 被処理部材の表面が、鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロムおよびスズからなる群から選ばれる金属の1種または前記金属の2種以上からなる合金である請求項14記載の表面処理製品。
  18. 被処理部材の表面が、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ビスマレイミドトリアジンおよびポリイミドからなる群から選ばれる合成樹脂の1種または前記樹脂の2種以上からなる合成樹脂アロイである請求項14記載の表面処理製品。
  19. 浸漬回数が1回である請求項14〜18の何れかに記載の表面処理製品。
  20. 浸漬後に焼成するものである請求項14〜19の何れかに記載の表面処理製品。
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