JPWO2017007014A1 - 機能性ガラス物品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
高い耐擦傷性を有する機能性ガラス物品を提供する。第一の面と前記第一の面に向かい合う第二の面とを有するガラス基材、および前記第一の面に配置された複数の粒子、を含む機能性ガラス物品であって、前記複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなり、かつ粒子径が1nm以上300nm以下であり、前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の内部に位置し、前記複数の粒子を備えた前記第一の面のマルテンス硬度は、前記第二の面のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい機能性ガラス物品。
Description
本発明は、機能性表面を有するガラス物品、特に耐擦傷性に優れたガラス物品に関する。
ガラス板等のガラス物品は、携帯端末や各種ディスプレイ、窓ガラスや内装材、太陽電池パネルやミラー、車両用窓ガラスなどに幅広く用いられている。
これらのガラス物品の表面にウェットコーティングやドライコーティングの手法で種々の機能膜を形成することで、ガラス物品に優れた機能を付与する方法が知られている。たとえば、通常のガラス板は、傷が付くと強度が低下するので、ガラス板の表面に保護層を設けて耐擦傷性を付与する提案がされている。
例えば、特許文献1には、親水性アルミナ粒子をシリカマトリクス中に分散させた膜を表面に形成した耐擦傷性ガラス板が開示されている。
特許文献1に記載されたガラス板は、ガラス板表面の膜が剥がれたり、摩耗したりすると、耐擦傷性が失われる問題がある。
本発明は、表面が摩耗しても機能性が失われにくい機能性表面を有するガラス物品を提供する。特に、耐擦傷性に優れる機能性ガラス物品を提供する。
本発明は、以下の[1]〜[13]である。
[1]ガラス基材と前記ガラス基材の表面に配置された複数の粒子とを含む機能性ガラス物品であって、前記複数の粒子は、融点が前記ガラス基材の軟化点より高く、かつ粒子径が1nm以上300nm以下であり、前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の内部に位置する、機能性ガラス物品。
[2]前記複数の粒子は、ビッカース硬度が9GPa以上の物質からなる[1]の機能性ガラス物品。
[3]前記複数の粒子を備えた前記機能性ガラス物品の表面のマルテンス硬度は、前記ガラス基材のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい[2]の機能性ガラス物品。
[4]第一の面と前記第一の面に向かい合う第二の面とを有するガラス基材、および前記第一の面に配置された複数の粒子、を含む機能性ガラス物品であって、前記複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなり、かつ粒子径が1nm以上300nm以下であり、前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の内部に位置し、前記複数の粒子を備えた前記第一の面のマルテンス硬度は、前記第二の面のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい機能性ガラス物品。
[5]前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の外部に露出している[1]〜[4]のいずれかの機能性ガラス物品。
[6]前記複数の粒子の全部が前記ガラス基材の内部に位置する[1]〜[4]のいずれかの機能性ガラス物品。
[7]前記複数の粒子は、下記断面観察方法で求められるガラス接触率LG/Lの値が40%以上である[5]の機能性ガラス物品。
(断面観察方法)前記機能性ガラス物品の前記第一の面付近の断面を切り出して精密研磨し、電子顕微鏡を用いて10万倍で観察し、前記複数の粒子のうち、外周の一部が前記ガラス基材に接し、一部が前記ガラス基材に接していない粒子の10個について、該粒子の外周の前記ガラス基材に接している長さLGと該粒子の外周全体の長さLとを測定し、それらの比の平均値LG/Lを求める。前記精密研磨は、集束イオンビーム(FIB)によるイオンミリング法、またはそれと同等の平滑面が得られる方法によるものとする。
[8]前記複数の粒子は、αアルミナ粒子である[1]〜[7]のいずれかの機能性ガラス物品。
[9]前記第一の面のマルテンス硬度は、3000N/mm2超である[4]〜[8]のいずれかの機能性ガラス物品。
[1]ガラス基材と前記ガラス基材の表面に配置された複数の粒子とを含む機能性ガラス物品であって、前記複数の粒子は、融点が前記ガラス基材の軟化点より高く、かつ粒子径が1nm以上300nm以下であり、前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の内部に位置する、機能性ガラス物品。
[2]前記複数の粒子は、ビッカース硬度が9GPa以上の物質からなる[1]の機能性ガラス物品。
[3]前記複数の粒子を備えた前記機能性ガラス物品の表面のマルテンス硬度は、前記ガラス基材のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい[2]の機能性ガラス物品。
[4]第一の面と前記第一の面に向かい合う第二の面とを有するガラス基材、および前記第一の面に配置された複数の粒子、を含む機能性ガラス物品であって、前記複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなり、かつ粒子径が1nm以上300nm以下であり、前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の内部に位置し、前記複数の粒子を備えた前記第一の面のマルテンス硬度は、前記第二の面のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい機能性ガラス物品。
[5]前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の外部に露出している[1]〜[4]のいずれかの機能性ガラス物品。
[6]前記複数の粒子の全部が前記ガラス基材の内部に位置する[1]〜[4]のいずれかの機能性ガラス物品。
[7]前記複数の粒子は、下記断面観察方法で求められるガラス接触率LG/Lの値が40%以上である[5]の機能性ガラス物品。
(断面観察方法)前記機能性ガラス物品の前記第一の面付近の断面を切り出して精密研磨し、電子顕微鏡を用いて10万倍で観察し、前記複数の粒子のうち、外周の一部が前記ガラス基材に接し、一部が前記ガラス基材に接していない粒子の10個について、該粒子の外周の前記ガラス基材に接している長さLGと該粒子の外周全体の長さLとを測定し、それらの比の平均値LG/Lを求める。前記精密研磨は、集束イオンビーム(FIB)によるイオンミリング法、またはそれと同等の平滑面が得られる方法によるものとする。
[8]前記複数の粒子は、αアルミナ粒子である[1]〜[7]のいずれかの機能性ガラス物品。
[9]前記第一の面のマルテンス硬度は、3000N/mm2超である[4]〜[8]のいずれかの機能性ガラス物品。
[10]複数の粒子を含む塗布液とガラス基材とを準備し、前記ガラス基材の表面に前記塗布液を塗布し、前記塗布液を塗布した前記ガラス基材を加熱処理して得られる機能性ガラス物品の製造方法であって、前記複数の粒子は、融点が前記ガラス基材の軟化点より高く、かつ平均粒子径が1nm以上300nm以下である機能性ガラス物品の製造方法。
[11]前記複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなる[10]の機能性ガラス物品の製造方法。
[12]前記ガラス基材の表面にフッ化水素を接触させて処理した後、該処理した表面に前記塗布液を塗布する、[10]または[11]の機能性ガラス物品の製造方法。
[13]前記加熱処理は、前記塗布液を塗布した前記ガラス基材を前記ガラス基材の徐冷点より高い温度に保持する[10]〜[12]のいずれかの機能性ガラス物品の製造方法。
[11]前記複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなる[10]の機能性ガラス物品の製造方法。
[12]前記ガラス基材の表面にフッ化水素を接触させて処理した後、該処理した表面に前記塗布液を塗布する、[10]または[11]の機能性ガラス物品の製造方法。
[13]前記加熱処理は、前記塗布液を塗布した前記ガラス基材を前記ガラス基材の徐冷点より高い温度に保持する[10]〜[12]のいずれかの機能性ガラス物品の製造方法。
本発明の機能性ガラス物品は、ガラス物品の表面に機能性微粒子が埋め込まれているので、表面が摩耗しても機能性が低下しにくい。本発明によれば、たとえば、高い耐擦傷性を有する耐擦傷性ガラス物品が得られる。
本明細書において、「粒子径」は、電子顕微鏡で観察される粒子の長径をいう。観察倍率は例えば10万倍とする。また「凝集粒子径」は、動的光散乱式粒度分布測定による平均粒子径をいう。本明細書において、ガラスの軟化点はISO7884−6:1987に規定する軟化点(softening point)をいう。またガラスの徐冷点は、ISO7884−7:1987に規定する徐冷点(annealing point)をいう。
以下において、マルテンス硬度は、ISO14577に準拠する微小硬さ試験装置(たとえばフィッシャー製、ピコデンターHM500)を用い、押込荷重を0.05mN、保持時間を10秒として測定したマルテンス硬度である。
[機能性ガラス物品]
本発明の機能性ガラス物品(以下、「本ガラス物品」という。)は、表面に複数の粒子を有し、該複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分がガラス基材の内部に位置している。したがって、本ガラス物品は、表面が摩耗したとしても、粒子の一部分がガラス基材内に存在しているため、機能性が維持される。
本発明の機能性ガラス物品(以下、「本ガラス物品」という。)は、表面に複数の粒子を有し、該複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分がガラス基材の内部に位置している。したがって、本ガラス物品は、表面が摩耗したとしても、粒子の一部分がガラス基材内に存在しているため、機能性が維持される。
本ガラス物品は、具体的には、以下に説明する「本ガラス物品1」または「本ガラス物品2」である。
[本ガラス物品1]
本ガラス物品1は、ガラス基材とガラス基材の表面に配置された複数の機能性粒子とを含む機能性ガラス物品である。本ガラス物品1は、表面に機能性粒子が配置されていることで、所望の機能を発現する。
本ガラス物品1は、ガラス基材とガラス基材の表面に配置された複数の機能性粒子とを含む機能性ガラス物品である。本ガラス物品1は、表面に機能性粒子が配置されていることで、所望の機能を発現する。
本ガラス物品1は、粒子がガラス基材から露出することによって、粒子の機能が効果的に発揮される場合には、複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分がガラス基材の外部に露出していることが好ましい。具体的には、以下の断面観察方法で求めた粒子のガラス接触率LG/Lは、粒子が剥がれにくく高い耐擦傷性が得られるために、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。
(断面観察方法)
本ガラス物品の表面付近の断面を切り出して精密研磨し、電子顕微鏡を用いて10万倍で観察する。粒子外周の一部がガラス基材に接し、一部がガラス基材に接していない粒子について、その外周のガラス基材に接している長さLGと外周全体の長さLとを測定する。10個の粒子について、ガラス基材に接している外周の長さLGと外周全体の長さLとの比の平均値であるガラス接触率LG/Lを求める。精密研磨は、集束イオンビーム(FIB)によるイオンミリング法、またはそれと同等の平滑面が得られる方法によるものとする。
本ガラス物品の表面付近の断面を切り出して精密研磨し、電子顕微鏡を用いて10万倍で観察する。粒子外周の一部がガラス基材に接し、一部がガラス基材に接していない粒子について、その外周のガラス基材に接している長さLGと外周全体の長さLとを測定する。10個の粒子について、ガラス基材に接している外周の長さLGと外周全体の長さLとの比の平均値であるガラス接触率LG/Lを求める。精密研磨は、集束イオンビーム(FIB)によるイオンミリング法、またはそれと同等の平滑面が得られる方法によるものとする。
本ガラス物品1は、表面の平滑性が求められる場合には、粒子の全部が前記ガラス基材の内部に位置することが好ましい。複数の粒子の全部がガラス基材の内部に位置するとき、複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分は、ガラス基材の表面に接触する。すなわち、複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分は、ガラス基材の表面の一部をなす。
本ガラス物品1において、粒子は、目的に応じて適当な密度で、均一に分布していることが好ましい。また粒子は、前述の観察方法により10万倍で観察する視野内に10個以上あることが、擦傷性が高くなるので好ましい。
本ガラス物品1は、前記複数の粒子を備えた表面のマルテンス硬度が、ガラス基材のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きいことが、耐擦傷性が高くなるので好ましい。ガラス基材のマルテンス硬度は、典型的には2900N/mm2である。
<粒子>
本ガラス物品1において、粒子の融点は、ガラス基材の軟化点より高い。粒子の融点がガラス基材の軟化点より高いので、ガラス基材の軟化点以下の温度に加熱した際に粒子が溶融しない。
本ガラス物品1において、粒子の融点は、ガラス基材の軟化点より高い。粒子の融点がガラス基材の軟化点より高いので、ガラス基材の軟化点以下の温度に加熱した際に粒子が溶融しない。
ガラス基材の軟化点は、ガラス基材が石英ガラスからなる場合は1600℃程度であり、ガラス基材がソーダライムガラスからなる場合は735℃程度である。融点が1600℃より高い粒子としては、ダイヤモンド、炭化ケイ素、αアルミナ、酸化ジルコニウム等の粒子が挙げられる。融点が735℃より高い粒子としては、前記の粒子に加えて、銀粒子等が挙げられる。
また、粒子の粒子径は1nm以上300nm以下である。粒子としては、紫外線吸収性粒子(チタニア、ジルコニア等)、赤外線吸収性粒子(ITO、ATO等)、抗菌性粒子(チタニア、銀含有メソポーラスシリカ等)、耐擦傷性粒子(αアルミナ、ダイヤモンド等)、光触媒性粒子(チタニア等)、放熱性粒子(ダイヤモンド等)等が挙げられる。
粒子は1種でもよく、2種以上でもよい。
粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球形、卵形、紡錘形、無定形、鎖状、針状、円柱形、棒状、扁平状、鱗片状、葉状、チューブ状、シート状等が挙げられる。優れた耐擦傷性が得られやすい点から、粒子は球形、卵形、紡錘形または扁平状が好ましい。
粒子の粒子径は、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。粒子の粒子径は、本ガラス物品1の表面性状を保つために、300nm以下であり、透明性を高くするために200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。
粒子はガラス基材よりも硬い粒子が好ましい。硬い粒子は摩耗しにくいので、擦れによる機能低下が少ない。
粒子のビッカース硬度は、ガラス基材のビッカース硬度より大きいことが好ましい。窓ガラス等に用いられる一般的なソーダライムガラスのビッカース硬度は4.9GPa以上5.4GPa以下程度であり、ディスプレイ基板等に用いられるアルミノシリケートガラスのビッカース硬度は5.2GPa以上6.1GPa以下程度であり、石英ガラスのビッカース硬度は8.6GPa以上9.8GPa以下程度である。
粒子のビッカース硬度は7GPa以上が好ましく、9GPa以上がより好ましい。粒子としては、たとえば、チタニア(ビッカース硬度:7.8GPa程度)、ジルコニア(ビッカース硬度:10.7GPa以上12.7GPa以下)、アルミナ(ビッカース硬度:13.7GPa以上22.5GPa以下)、ダイヤモンド(ビッカース硬度:68.6GPa以上147GPa以下)が挙げられる。
<ガラス基材>
本発明におけるガラス基材は、実用的な耐久性、耐熱性等を有するものであれば特に限定されない。ガラス基材は比重が3以下であると後述の製造方法によって耐擦傷性を高くできやすいので好ましい。また、ガラス基材は、扱いやすさの点で石英ガラスまたはシリケートガラスが好ましい。シリケートガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス等があげられる。
本発明におけるガラス基材は、実用的な耐久性、耐熱性等を有するものであれば特に限定されない。ガラス基材は比重が3以下であると後述の製造方法によって耐擦傷性を高くできやすいので好ましい。また、ガラス基材は、扱いやすさの点で石英ガラスまたはシリケートガラスが好ましい。シリケートガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス等があげられる。
ガラス基材の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜決定できる。ガラス基材の形状は板状が好ましく、湾曲していてもよい。また、ガラス基材の大きさも特に限定されず、用途に応じて適宜選定できる。ガラス基材が板状の場合、ガラス板の厚さは特に限定されない。ガラス板の厚さは、扱いやすさの点で0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。また、ガラス板の厚さは、重くなりすぎない点で10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。
ガラス基材は表面処理されたものでもよい。表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、UV処理、オゾン処理等の放電処理、水、酸やアルカリ等の化学処理、または研磨剤を用いた物理的処理を施してもよい。
ガラス基材は、表面にフッ素を含有するものであると、加熱した際に機能性粒子が付着しやすいのでより好ましい。
[本ガラス物品2]
本ガラス物品2は、第一の面と第一の面に向かい合う第二の面とを有するガラス基材、および第一の面に配置された複数の粒子、を含む機能性ガラス物品である。以下、本ガラス物品2について説明するが、前述の本ガラス物品1と共通する説明は省略する。
本ガラス物品2は、第一の面と第一の面に向かい合う第二の面とを有するガラス基材、および第一の面に配置された複数の粒子、を含む機能性ガラス物品である。以下、本ガラス物品2について説明するが、前述の本ガラス物品1と共通する説明は省略する。
本ガラス物品2において、複数の粒子を備えた第一の面のマルテンス硬度は、第二の面のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい。そのため、本ガラス物品2は、第一の面における耐擦傷性に優れる。
本ガラス物品2において、第二の面は粒子を含む場合がある。第二の面が粒子を含まない場合には、第二の面のマルテンス硬度は、ガラス基材のマルテンス硬度と等しい。ガラス基材のマルテンス硬度は、たとえば2900N/mm2である。
第一の面のマルテンス硬度は、第二の面のマルテンス硬度より300N/mm2以上大きいことが好ましく、500N/mm2以上大きいことがより好ましい。また、第一の面のマルテンス硬度は、耐擦傷性を高くするために3000N/mm2超が好ましく、3200N/mm2以上がより好ましく、3400N/mm2以上がさらに好ましい。第一の面のマルテンス硬度は、典型的には15000N/mm2以下である。
第一の面において、複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子は、耐擦傷性を高くするために、一部分が表面から200nm以内のガラス基材中に存在していることが好ましい。本ガラス物品2は、第一の面の表面付近に粒子を含むので、第一の面の耐擦傷性が高い。
複数の粒子は、全部がガラス基材中にあってもよい。本ガラス物品2は、粒子の少なくとも一部分がガラス基材中にあるので、粒子がガラス物品から脱落しにくく、耐摩耗が高い。粒子は、表面から200nm以上離れたガラス基材中の部分にも存在してよい。
また、複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分がガラス基材の外部に露出していることが好ましい。粒子が露出していることで、ガラス基材が摩耗されにくくなる。
機能性ガラス物品の耐擦傷性は、たとえばトラバース式摩耗試験機を用いて評価できる。すなわち、トラバース式摩耗試験機に研磨紙等を固定して荷重を加え、機能性ガラス物品の表面上を所定の回数往復させた後、研磨によって生じた機能性ガラス物品の表面の傷を観察する等の方法により評価できる。
<粒子>
粒子は、モース硬度が7以上の物質からなることが好ましい。そのような粒子であると、本ガラス物品2の耐擦傷性を高くできる。粒子はモース硬度が8以上の物質からなることが好ましい。
粒子は、モース硬度が7以上の物質からなることが好ましい。そのような粒子であると、本ガラス物品2の耐擦傷性を高くできる。粒子はモース硬度が8以上の物質からなることが好ましい。
モース硬度が7以上の物質としては、酸化ジルコニウム、窒化アルミニウム(以上、モース硬度:7);オスミウム、トパーズ、ホウ化ジルコニウム(以上、モース硬度:8);窒化タングステン、窒化ケイ素、窒化チタン、炭化タングステン、炭化タンタル、炭化ジルコニム、クロム、αアルミナ、炭化ケイ素、ホウ化アルミニウム、炭化ホウ素(以上、モース硬度:9);ダイヤモンド(モース硬度:10)が挙げられる。
粒子は、透明性の点から、ジルコニア、αアルミナまたはダイヤモンドの粒子が好ましい。粒子は、扱いやすさの点でαアルミナ粒子がより好ましい。
粒子は、1種でも、2種以上でもよい。
粒子の粒子径は、耐擦傷性を高くするために1nm以上であり、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。粒子の粒子径は、本ガラス物品2の表面性状を保つために、300nm以下であり、透明性を高くするために200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。
[機能性ガラス物品の製造方法]
本製造方法は、複数の粒子を含む塗布液とガラス基材とを準備し(以下、「準備工程」という)、ガラス基材の表面に塗布液を塗布し(以下、「塗布工程」という)、塗布液を塗布したガラス基材を加熱処理(以下、「熱処理工程」という)して得られる機能性ガラス物品の製造方法である。前述の本ガラス物品1および本ガラス物品2は、いずれも本製造方法によって製造できる。
本製造方法は、複数の粒子を含む塗布液とガラス基材とを準備し(以下、「準備工程」という)、ガラス基材の表面に塗布液を塗布し(以下、「塗布工程」という)、塗布液を塗布したガラス基材を加熱処理(以下、「熱処理工程」という)して得られる機能性ガラス物品の製造方法である。前述の本ガラス物品1および本ガラス物品2は、いずれも本製造方法によって製造できる。
<準備工程>
準備工程においては、複数の粒子を含む塗布液と、ガラス基材とを準備する。ガラス基材は、本ガラス物品におけるガラス基材である。ガラス基材については、前述したので説明を省略する。
準備工程においては、複数の粒子を含む塗布液と、ガラス基材とを準備する。ガラス基材は、本ガラス物品におけるガラス基材である。ガラス基材については、前述したので説明を省略する。
塗布液は複数の粒子と溶剤とを含む。該複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなり、平均粒子径が1nm以上300nm以下である。また、該複数の粒子は、融点が前記ガラス基材の軟化点より高い。塗布液に含まれる粒子は本ガラス物品における粒子である。粒子については、前述したので説明を省略する。
塗布液において、粒子は均一に分散していることが好ましい。塗布液が均一であると本ガラス物品の透明性が高くなりやすい。粒子は塗布液中で凝集してもよい。粒子が凝集している場合において、透明性の点で、凝集粒子径は450nm以下が好ましく300nm以下がより好ましく、250nm以下がさらに好ましい。
溶剤は、たとえば、水(蒸留水等)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、エーテル(エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等)、ケトン(アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(キシレン等)等が挙げられる。取扱いやすさの点で、溶剤は水またはアルコールが好ましい。
塗布液は、界面活性剤をさらに含んでもよい。塗布液は界面活性剤を含むことで、ガラス基材に濡れやすく、均一に塗りやすくなる。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用できる。
界面活性剤としては、−CH2CH2O−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子または有機基)、−NH2−、−SO3Y、−COOY(Yは水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子またはアンモニウムイオン)で表される基を有するノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルポリオキシエチレン−ポリプロピレンエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビトールエステル、アルキルポリオキシエチレンアミン、アルキルポリオキシエチレンアミド、ポリエーテル変性のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
塗布液は、各種塗料用配合剤を含有してもよい。塗料用配合剤としては、着色剤、および導電性、帯電防止性、偏光性、紫外線遮蔽性、赤外線遮蔽性、防汚性、防曇性、光触媒機能、抗菌機能、蓄光性、電池機能、屈折率制御機能、撥水性、撥油性、指紋除去性、滑り性等の機能を付与する公知の配合剤が挙げられる。また、塗布液は、泡立ち防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防カビ剤等を含有してもよい。
<塗布工程>
塗布工程は、ガラス基材の表面に塗布液を塗布する工程である。塗布は、ガラス基材の表面全部に行ってもよく、一部に行ってもよい。ガラス基材が板状の場合、塗布は一方の主面の一部または全部について行うことが好ましく、両方の主面について行ってもよい。
塗布工程は、ガラス基材の表面に塗布液を塗布する工程である。塗布は、ガラス基材の表面全部に行ってもよく、一部に行ってもよい。ガラス基材が板状の場合、塗布は一方の主面の一部または全部について行うことが好ましく、両方の主面について行ってもよい。
塗布方法としては、公知の方法が適宜採用できる。例えば、ローラーによる方法、刷毛等による方法、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、カーテンコート、スクリーンコート、フローコート、グラビアコート、バーコート、リバースコート、ロールコート、インクジェット法が挙げられる。
ガラス基材の両面に塗布液を塗布したい場合には、ディップコートによれば両面を同時に処理できるので好ましい。また、片面に塗布液を塗布した後、後述の加熱処理を行ってから他の面に塗布液を塗布してもよい。
塗布工程においては、ガラス基材の表面に塗布液を塗布する前に、例えば以下の表面処理方法を用いてガラス表面に微細な凹凸構造を形成してもよい。ガラス基材の表面に微小な凹凸構造があると、粒子がガラス基材内に入りやすくなると考えられる。
ガラス基材の表面処理方法としては、たとえば、フッ化水素水溶液やフッ化水素ガスにガラス基材を暴露する、炭酸ナトリウム水溶液や炭酸水素ナトリウム水溶液にガラス基材を浸漬する、等の化学的処理方法、および粒子によるブラスト処理やレーザー処理などの物理的処理方法が挙げられる。
フッ化水素を用いる方法では、ガラス基材の表面にフッ素を含有する表面層が形成されるのでより好ましい。フッ素を含有する表面層はガラス基材よりも軟化温度が低いので、加熱処理した時にガラス基材の内部よりも表面層の粘性が低くなる。したがって、加熱処理に依って粒子をガラス基材に付着させやすい。
塗布工程においては、塗布液を塗布した後にガラス基材を乾燥してもよい。その場合、乾燥方法は特に限定されない。乾燥温度は、たとえば100℃以上250℃以下であり、120℃以上200℃以下が好ましい。乾燥時間は、たとえば1分以上60分以下である。
<熱処理工程>
熱処理工程では、塗布液が塗布されたガラス基材を加熱処理する。加熱処理の条件は、ガラス基材の組成に応じて設定される。加熱処理温度は、ガラス基材の徐冷点以上かつ、軟化点未満であることが好ましい。すなわち、塗布液が塗布されたガラス基材の表面は、ガラス基材の徐冷点より高温に保持することが好ましい。表面に付着した粒子がガラス基材の内部に入りやすいからである。また、加熱処理温度および保持時間は、ガラス基材が大きく変形しない程度が好ましいので、軟化点未満の温度で処理することが好ましい。
熱処理工程では、塗布液が塗布されたガラス基材を加熱処理する。加熱処理の条件は、ガラス基材の組成に応じて設定される。加熱処理温度は、ガラス基材の徐冷点以上かつ、軟化点未満であることが好ましい。すなわち、塗布液が塗布されたガラス基材の表面は、ガラス基材の徐冷点より高温に保持することが好ましい。表面に付着した粒子がガラス基材の内部に入りやすいからである。また、加熱処理温度および保持時間は、ガラス基材が大きく変形しない程度が好ましいので、軟化点未満の温度で処理することが好ましい。
加熱処理は、粒子をガラス基材の表面から突出させたい場合には、塗布液を塗布した面を上向きにして行うことが好ましい。また加熱処理は、粒子層を厚くしたい場合には、塗布液を塗布した面を下向きにして行うことが好ましい。塗布液を塗布した面を下向きにして加熱処理すると、粒子がガラス基材の内部まで入り込みやすいからである。
加熱手段は、特に限定されず、例えば、マッフル炉、ベルト炉、集光加熱式電気炉、近赤外線ランプヒーター、エキシマレーザーや炭酸ガスレーザーが利用できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に限定されない。例1、2、5、7〜9、および11〜15は実施例、例3と6は比較例、例4と10は参考例である。
[例1]
<塗布液の調製>
容量100mLのガラス製容器に、水14g、αアルミナ粒子(平均粒子径:130nm)10g、およびジルコニアビーズ(粒径0.5mm)50gを入れ、ビーズミルで24時間分散させ、αアルミナ粒子分散液(固形分濃度:40質量%)を得た。αアルミナ粒子の凝集粒子径は160nmであった。なお、凝集粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装製、マイクロトラック超微粒子粒度分析計UPA−150)を用いて測定した。
<塗布液の調製>
容量100mLのガラス製容器に、水14g、αアルミナ粒子(平均粒子径:130nm)10g、およびジルコニアビーズ(粒径0.5mm)50gを入れ、ビーズミルで24時間分散させ、αアルミナ粒子分散液(固形分濃度:40質量%)を得た。αアルミナ粒子の凝集粒子径は160nmであった。なお、凝集粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装製、マイクロトラック超微粒子粒度分析計UPA−150)を用いて測定した。
得られたαアルミナ粒子分散液10.0g、エチレングリコールモノエチルエーテル0.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル1.2g、N−メチル−2−ピロリドン0.4g、水7.8gを室温で混合し、塗布液1を得た。塗布液1に含まれる固形分100体積%に対するαアルミナ粒子の含有率は20体積%であった。
<機能性ガラス板の調製>
厚さ1.0mmの石英ガラス板(旭硝子製、AQ:徐冷点1120℃、軟化点1600℃、ビッカース硬度8.6GPa)の表面を、酸化セリウム微粒子を用いて研磨した後、表面を水洗し、乾燥した。次に、乾燥したガラス板の表面に塗布液1をスピンコートした。ガラス板を150℃で30分乾燥した後、塗布液を塗布した面を上にしてガラス板を電気炉に入れ、加熱処理した。すなわち、電気炉を昇温速度300℃/hで保持温度(1200℃)まで昇温して、360分間保持し、300℃/hで室温まで降温して加熱処理を行い、機能性ガラス板1を得た。
厚さ1.0mmの石英ガラス板(旭硝子製、AQ:徐冷点1120℃、軟化点1600℃、ビッカース硬度8.6GPa)の表面を、酸化セリウム微粒子を用いて研磨した後、表面を水洗し、乾燥した。次に、乾燥したガラス板の表面に塗布液1をスピンコートした。ガラス板を150℃で30分乾燥した後、塗布液を塗布した面を上にしてガラス板を電気炉に入れ、加熱処理した。すなわち、電気炉を昇温速度300℃/hで保持温度(1200℃)まで昇温して、360分間保持し、300℃/hで室温まで降温して加熱処理を行い、機能性ガラス板1を得た。
<平均粒子径および粒子のガラス接触率>
機能性ガラス板1の断面を切り出し、前述の方法で表面付近の断面を観察した。観察には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテック製、S−4300)を使用した。断面SEM像を図1に示す。表面付近の粒子10個について粒子径を測定して得られた平均粒子径(単位:nm)を表1に示す。また、前述の方法で得られた粒子のガラス接触率LG/L(単位:%)を表1に示す。
機能性ガラス板1の断面を切り出し、前述の方法で表面付近の断面を観察した。観察には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテック製、S−4300)を使用した。断面SEM像を図1に示す。表面付近の粒子10個について粒子径を測定して得られた平均粒子径(単位:nm)を表1に示す。また、前述の方法で得られた粒子のガラス接触率LG/L(単位:%)を表1に示す。
<マルテンス硬度>
インデンテーション試験装置(フィッシャー製、ピコデンターHM500)を用い、押込荷重を0.05mN、保持時間を10秒として、塗布液を塗布した側の面(第一の面)について測定したマルテンス硬度(単位:N/mm2)を表1に示す。また、塗布液を塗布しなかった裏面(第二の面)のマルテンス硬度を測定し、第一の面のマルテンス硬度から第二の面のマルテンス硬度を減じた値(単位:N/mm2)を、表1の「裏面との差」欄に示す。なお、裏面のマルテンス硬度は2900N/mm2であった。
インデンテーション試験装置(フィッシャー製、ピコデンターHM500)を用い、押込荷重を0.05mN、保持時間を10秒として、塗布液を塗布した側の面(第一の面)について測定したマルテンス硬度(単位:N/mm2)を表1に示す。また、塗布液を塗布しなかった裏面(第二の面)のマルテンス硬度を測定し、第一の面のマルテンス硬度から第二の面のマルテンス硬度を減じた値(単位:N/mm2)を、表1の「裏面との差」欄に示す。なお、裏面のマルテンス硬度は2900N/mm2であった。
<ヘイズ>
ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、HM−65L2)を用いてヘイズ(単位:%)を測定した。透明性を求められる用途では、ヘイズは6%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。なお、石英ガラス板のヘイズは0.1%であった。
ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、HM−65L2)を用いてヘイズ(単位:%)を測定した。透明性を求められる用途では、ヘイズは6%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。なお、石英ガラス板のヘイズは0.1%であった。
<耐擦傷性>
トラバース式摩耗試験を用いて、以下の条件で塗布液を塗布した側の面を擦り、目視で傷を観察した。傷がなければ「優良」、傷が3本以内であれば「良」、傷が3本以上あれば「不良」と判定した。
トラバース式摩耗試験を用いて、以下の条件で塗布液を塗布した側の面を擦り、目視で傷を観察した。傷がなければ「優良」、傷が3本以内であれば「良」、傷が3本以上あれば「不良」と判定した。
(試験条件)
研磨布:G#320(JIS R6251規格適合品)、
荷重:100g、
ストローク幅:4cm、
ストローク数:50往復、
摩耗面積:1cm2。
研磨布:G#320(JIS R6251規格適合品)、
荷重:100g、
ストローク幅:4cm、
ストローク数:50往復、
摩耗面積:1cm2。
[例2〜4]
保持温度を表1に示した温度とした他は例1と同様にして機能性ガラス板2〜4を得た。評価結果を表1に示す。ただし、表中[ ]付で示したのは推定値である。また、機能性ガラス板2、3の断面SEM像をそれぞれ図2、図3に示す。なお、「裏面との差」が負の値であるのは、塗布液を塗布した側の面(第一の面)のマルテンス硬度が塗布液を塗布しなかった裏面のマルテンス硬度より小さいことを意味する。
保持温度を表1に示した温度とした他は例1と同様にして機能性ガラス板2〜4を得た。評価結果を表1に示す。ただし、表中[ ]付で示したのは推定値である。また、機能性ガラス板2、3の断面SEM像をそれぞれ図2、図3に示す。なお、「裏面との差」が負の値であるのは、塗布液を塗布した側の面(第一の面)のマルテンス硬度が塗布液を塗布しなかった裏面のマルテンス硬度より小さいことを意味する。
[例5]
αアルミナ粒子(平均粒子径:130nm)のかわりにαアルミナ粒子(平均粒子径:300nm)を用いた他は塗布液1と同様にして塗布液2を得た。塗布液1のかわりに塗布液2を用いた他は例1と同様にして、機能性ガラス板5を得た。評価結果を表1に示す。
αアルミナ粒子(平均粒子径:130nm)のかわりにαアルミナ粒子(平均粒子径:300nm)を用いた他は塗布液1と同様にして塗布液2を得た。塗布液1のかわりに塗布液2を用いた他は例1と同様にして、機能性ガラス板5を得た。評価結果を表1に示す。
[例6]
αアルミナ粒子のかわりに非晶質シリカ(モース硬度は5以上6以下)粒子を用いた他は塗布液1と同様にして塗布液3を得た。塗布液1のかわりに塗布液3を用いた他は例1と同様にして、機能性ガラス板6を得た。評価結果を表2に示す。
αアルミナ粒子のかわりに非晶質シリカ(モース硬度は5以上6以下)粒子を用いた他は塗布液1と同様にして塗布液3を得た。塗布液1のかわりに塗布液3を用いた他は例1と同様にして、機能性ガラス板6を得た。評価結果を表2に示す。
[例7]
厚さ2.0mmのソーダライムガラス板(旭硝子製、AS:徐冷点554℃、軟化点735℃、ビッカース硬度5.1GPa)を用い、昇温速度を400℃/h、保持温度を750℃、保持時間を10分とした以外は、例1と同様にして機能性ガラス板7を得た。評価結果を表2に示す。なお、裏面のマルテンス硬度は2900N/mm2であった。また、ソーダライムガラス板のヘイズは0.1%であった。
厚さ2.0mmのソーダライムガラス板(旭硝子製、AS:徐冷点554℃、軟化点735℃、ビッカース硬度5.1GPa)を用い、昇温速度を400℃/h、保持温度を750℃、保持時間を10分とした以外は、例1と同様にして機能性ガラス板7を得た。評価結果を表2に示す。なお、裏面のマルテンス硬度は2900N/mm2であった。また、ソーダライムガラス板のヘイズは0.1%であった。
[例8〜10]
保持温度を表2に示す温度とした他は例7と同様にして、機能性ガラス板8〜10を得た。評価結果を表2に示す。
保持温度を表2に示す温度とした他は例7と同様にして、機能性ガラス板8〜10を得た。評価結果を表2に示す。
[例11]
例1と同様のαアルミナ粒子分散液2.5gに、エチレングリコールモノエチルエーテル0.3g、エチレングリコールモノブチルエーテル0.7g、N−メチル−2−ピロリドン0.2g、水6.3gを加えて混合し、塗布液4を得た。塗布液4に含まれる固形分100体積%に対するαアルミナ粒子の含有量は10体積%であった。
例1と同様のαアルミナ粒子分散液2.5gに、エチレングリコールモノエチルエーテル0.3g、エチレングリコールモノブチルエーテル0.7g、N−メチル−2−ピロリドン0.2g、水6.3gを加えて混合し、塗布液4を得た。塗布液4に含まれる固形分100体積%に対するαアルミナ粒子の含有量は10体積%であった。
厚さ2.0mmのソーダライムガラス板(旭硝子製、AS)を560℃に加熱した状態で、その表面に、トリフルオロ酢酸を含むガスを吹きつけた。トリフルオロ酢酸を含むガスはガラス板の表面で熱分解してフッ化水素を生じた。ガラス板の表面付近の雰囲気中のフッ化水素濃度はおよそ2.4体積%であった。ガスを吹き付けた後のガラス板を水で洗浄して乾燥した後、ガラス板の表面粗さを走査型プローブ顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPA400)を用いて測定した。表面処理された面の算術平均表面粗さRaは8nmであった。
エッチングされた前述のガラス板の表面に塗布液4をスピンコートした。ガラス板を150℃で30分乾燥した後、塗布液を塗布した面を上にしてガラス板を電気炉に入れ、加熱処理した。すなわち、電気炉を昇温速度300℃/hで保持温度(650℃)まで昇温して、600分間保持し、300℃/hで室温まで降温して加熱処理を行い、機能性ガラス板11を得た。評価結果を表3に示す。
[例12]
厚さ0.6mmのアルミノシリケートガラス(旭硝子社製、商品名Dragontrail:徐冷点606℃、軟化点830℃、ビッカース硬度6.5GPa)の表面を酸化セリウム微粒子を用いて研磨した後、表面を水洗し、乾燥し、その表面に塗布液4をスピンコートした。ガラス板を150℃で30分乾燥した後、塗布液を塗布した面を上にしてガラス板を電気炉に入れ、加熱処理した。すなわち、電気炉を昇温速度1600℃/hで保持温度(830℃)まで昇温して、5分間保持し、1600℃/hで室温まで降温して加熱処理を行い、機能性ガラス板12を得た。評価結果を表3に示す。なお、アルミノシリケートガラスのマルテンス硬度は3500N/m2であり、ヘイズは0.1%であった。
厚さ0.6mmのアルミノシリケートガラス(旭硝子社製、商品名Dragontrail:徐冷点606℃、軟化点830℃、ビッカース硬度6.5GPa)の表面を酸化セリウム微粒子を用いて研磨した後、表面を水洗し、乾燥し、その表面に塗布液4をスピンコートした。ガラス板を150℃で30分乾燥した後、塗布液を塗布した面を上にしてガラス板を電気炉に入れ、加熱処理した。すなわち、電気炉を昇温速度1600℃/hで保持温度(830℃)まで昇温して、5分間保持し、1600℃/hで室温まで降温して加熱処理を行い、機能性ガラス板12を得た。評価結果を表3に示す。なお、アルミノシリケートガラスのマルテンス硬度は3500N/m2であり、ヘイズは0.1%であった。
[例13]
塗布液を塗布した面を下にしてガラス板を電気炉に入れ、加熱処理した点以外は例1と同様にして機能性ガラス板13を得た。評価結果を表3に示す。
塗布液を塗布した面を下にしてガラス板を電気炉に入れ、加熱処理した点以外は例1と同様にして機能性ガラス板13を得た。評価結果を表3に示す。
[例14]
塗布液1のかわりに塗布液4を用いたことおよび、加熱処理での保持温度を1150℃としたこと以外は例13と同様にして機能性ガラス板14を得た。評価結果を表3に示す。また、機能性ガラス板14の断面SEM像を図4に示す。
塗布液1のかわりに塗布液4を用いたことおよび、加熱処理での保持温度を1150℃としたこと以外は例13と同様にして機能性ガラス板14を得た。評価結果を表3に示す。また、機能性ガラス板14の断面SEM像を図4に示す。
[例15]
例1と同様のαアルミナ粒子分散液7.5gに、エチレングリコールモノエチルエーテル0.3g、エチレングリコールモノブチルエーテル0.5g、N−メチル−2−ピロリドン0.2g、水1.5gを加えて混合し、塗布液5を得た。塗布液5に含まれる固形分100体積%に対するαアルミナ粒子の含有量は30体積%である。塗布液1のかわりに塗布液5を用いたこと以外は例13と同様にして機能性ガラス板15を得た。評価結果を表3に示す。
例1と同様のαアルミナ粒子分散液7.5gに、エチレングリコールモノエチルエーテル0.3g、エチレングリコールモノブチルエーテル0.5g、N−メチル−2−ピロリドン0.2g、水1.5gを加えて混合し、塗布液5を得た。塗布液5に含まれる固形分100体積%に対するαアルミナ粒子の含有量は30体積%である。塗布液1のかわりに塗布液5を用いたこと以外は例13と同様にして機能性ガラス板15を得た。評価結果を表3に示す。
例3は、耐擦傷性が不十分であった。熱処理温度が低く粒子がガラス基材から剥がれやすかったと考えられる。例4および例10は、ガラス板が変形したため評価ができなかった。熱処理温度が高すぎたと考えられる。モース硬度が低いシリカ粒子を用いた例6は、耐擦傷性が不十分であった。例1と例5を比較すると、粒子径が小さい例1は、透明性が優れる。
本発明の機能性ガラス物品は、スマートフォン等の電子機器用の保護ガラス(ディスプレイの保護ガラス、背面ガラス等)、自動車等の輸送機器用の窓ガラス(リヤガラス、サイドウインドガラス、ルーフガラス等)、建築ガラス、に好適である。
Claims (13)
- ガラス基材と前記ガラス基材の表面に配置された複数の粒子とを含む機能性ガラス物品であって、
前記複数の粒子は、融点が前記ガラス基材の軟化点より高く、かつ粒子径が1nm以上300nm以下であり、
前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の内部に位置する、機能性ガラス物品。 - 前記複数の粒子は、ビッカース硬度が9GPa以上の物質からなる請求項1に記載の機能性ガラス物品。
- 前記複数の粒子を備えた前記機能性ガラス物品の表面のマルテンス硬度は、前記ガラス基材のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい請求項2に記載の機能性ガラス物品。
- 第一の面と前記第一の面に向かい合う第二の面とを有するガラス基材、および前記第一の面に配置された複数の粒子、を含む機能性ガラス物品であって、
前記複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなり、かつ粒子径が1nm以上300nm以下であり、
前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の内部に位置し、
前記複数の粒子を備えた前記第一の面のマルテンス硬度は、前記第二の面のマルテンス硬度より150N/mm2以上大きい機能性ガラス物品。 - 前記複数の粒子のうち少なくとも一部の粒子の一部分が前記ガラス基材の外部に露出している請求項1〜4のいずれか一項に記載の機能性ガラス物品。
- 前記複数の粒子の全部が前記ガラス基材の内部に位置する請求項1〜4のいずれか一項に記載の機能性ガラス物品。
- 前記複数の粒子は、下記断面観察方法で求められるガラス接触率LG/Lの値が40%以上である請求項5に記載の機能性ガラス物品。
(断面観察方法)
前記機能性ガラス物品の前記第一の面付近の断面を切り出して精密研磨し、電子顕微鏡を用いて10万倍で観察し、前記複数の粒子のうち、外周の一部が前記ガラス基材に接し、一部が前記ガラス基材に接していない粒子の10個について、該粒子の外周の前記ガラス基材に接している長さLGと該粒子の外周全体の長さLとを測定し、それらの比の平均値LG/Lを求める。前記精密研磨は、集束イオンビーム(FIB)によるイオンミリング法、またはそれと同等の平滑面が得られる方法によるものとする。 - 前記複数の粒子は、αアルミナ粒子である請求項1〜7のいずれか一項に記載の機能性ガラス物品。
- 前記第一の面のマルテンス硬度は、3000N/mm2超である請求項4〜8のいずれか一項に記載の機能性ガラス物品。
- 複数の粒子を含む塗布液とガラス基材とを準備し、
前記ガラス基材の表面に前記塗布液を塗布し、
前記塗布液を塗布した前記ガラス基材を加熱処理して得られる機能性ガラス物品の製造方法であって、
前記複数の粒子は、融点が前記ガラス基材の軟化点より高く、かつ平均粒子径が1nm以上300nm以下である機能性ガラス物品の製造方法。 - 前記複数の粒子は、モース硬度が7以上の物質からなる請求項10に記載の機能性ガラス物品の製造方法。
- 前記ガラス基材の表面にフッ化水素を接触させて処理した後、該処理した表面に前記塗布液を塗布する、
請求項10または11に記載の機能性ガラス物品の製造方法。 - 前記加熱処理は、前記塗布液を塗布した前記ガラス基材を前記ガラス基材の徐冷点より高い温度に保持する請求項10〜12のいずれか一項に記載の機能性ガラス物品の製造方法。
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